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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-13
(45)【発行日】2022-01-13
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置及びチップ
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20220105BHJP
   H03M 13/27 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
H04L27/26 111
H04L27/26 114
H04L27/26 420
H03M13/27
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2017209783
(22)【出願日】2017-10-30
(65)【公開番号】P2019036934
(43)【公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】P 2016213754
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017160814
(32)【優先日】2017-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(73)【特許権者】
【識別番号】591053926
【氏名又は名称】一般財団法人NHKエンジニアリングシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 宏明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明彦
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 慎悟
(72)【発明者】
【氏名】蔀 拓也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 進
(72)【発明者】
【氏名】成清 善一
(72)【発明者】
【氏名】竹内 知明
(72)【発明者】
【氏名】本田 円香
(72)【発明者】
【氏名】村山 研一
(72)【発明者】
【氏名】岡野 正寛
(72)【発明者】
【氏名】土田 健一
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 一彦
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-065219(JP,A)
【文献】特開2012-156606(JP,A)
【文献】特開2008-160478(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0254652(US,A1)
【文献】特開2015-070279(JP,A)
【文献】上原 道宏 Michihiro UEHARA,地上デジタル放送TMCC信号の伝送特性の検討 Transmission Performances of TMCC Signal for Digital Terrestrial Broadcasting,映像情報メディア学会技術報告 Vol.23 No.13 ITEJ Technical Report,日本,社団法人映像情報メディア学会 The Institute of Image Information and Television Engineers,1999年02月18日,第23巻、第13号,pp. 13-18
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H03M 13/27
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
IEEE 802.11
15
16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャリアからなる複数のセグメントを含むOFDM信号によって複数の階層データを送信するように構成されている送信装置であって、
同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、
OFDMフレームを構成する際に前記セグメントの1つに複数の前記TMCC信号を挿入するように構成されているOFDMフレーム構成部とを具備しており、
前記複数のTMCC信号の各々は、異なる前記TMCC情報ビットを含むように構成されていることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記セグメントの1つに2個の前記同期ビットが含まれるように構成されており、
前記2個の同期ビットは同一となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
部分受信帯域内の前記TMCC信号に含まれる前記TMCC情報ビットは、非部分受信帯域内の前記TMCC信号に含まれる前記TMCC情報ビットと異なるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の送信装置。
【請求項4】
全ての帯域内の前記TMCC信号に含まれる前記TMCC情報ビットは同一となるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の送信装置。
【請求項5】
前記OFDMフレーム構成部は、FFTサイズが8kのとき、1セグメント当たり2本のTMCC信号を挿入し、前記FFTサイズが16kのとき、1セグメント当たり4本のTMCC信号を挿入し、前記FFTサイズが32kのとき、1セグメント当たり8本のTMCC信号を挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記部分受信帯域内の前記TMCC信号に含まれる前記TMCC情報ビットは、第1階層データに対して用いられる部分受信インターリーブの種類を示す部分受信インターリーブを送信するように構成されており、
前記部分受信インターリーブは、キャリア単位インターリーブ及びセグメント単位インターリーブのいずれかを示すことを特徴とする請求項3に記載の送信装置。
【請求項7】
複数のキャリアからなる複数のセグメントを介して複数の階層データをOFDM通信方式により受信するように構成されている受信装置であって、
OFDMフレームを構成する前記セグメントの1つから複数のTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、
前記複数のTMCC信号の各々から異なるTMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを具備することを特徴とする受信装置。
【請求項8】
部分受信帯域内の前記TMCC信号に含まれる前記TMCC情報ビットは、非部分受信帯域内の前記TMCC信号に含まれる前記TMCC情報ビットと異なるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の受信装置。
【請求項9】
全ての帯域内の前記TMCC信号に含まれる前記TMCC情報ビットは同一となるように構成されていることを特徴とする請求項に記載の受信装置。
【請求項10】
前記TMCC信号抽出部は、FFTサイズが8kのとき、1セグメント当たり2本のTMCC信号を抽出し、前記FFTサイズが16kのとき、1セグメント当たり4本のTMCC信号を抽出し、前記FFTサイズが32kのとき、1セグメント当たり8本のTMCC信号を抽出するように構成されていることを特徴とする請求項7~9のいずれか一項に記載の受信装置。
【請求項11】
前記部分受信帯域内の前記TMCC信号に含まれる前記TMCC情報ビットは、第1階層データに対して用いられる部分受信インターリーブの種類を示す部分受信インターリーブを送信するように構成されており、
前記部分受信インターリーブは、キャリア単位インターリーブ及びセグメント単位インターリーブのいずれかを示すことを特徴とする請求項に記載の受信装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1~のいずれか一項に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【請求項13】
コンピュータを、請求項7~11のいずれか一項に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置及びチップに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の日本における地上デジタル放送伝送方式であるISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)方式では、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームにおいて、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を送信するためのキャリアに対して、OFDMシンボル方向にTMCC信号を割り当てて伝送するように構成されている(非特許文献1参照)。
【0003】
なお、TMCC信号は、同期ビットやTMCC情報ビット等を含む制御情報である。
【0004】
また、ISDB-T方式では、TMCCに対する変調方式としてBPSKが用いられ、1OFDMフレームを204個のOFDMシンボルによって構成していることから、204ビットの信号(フレーム同期ビットや誤り訂正符号のパリティ等を含む)でTMCC信号を伝送するように構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】ARIB STD-B31、「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」
【文献】T.Shitone他、「A Study on Advanced Single Frequency Network Technology Using STC-SDM Transmission」、IEEE BMSB、mm13-136、2013年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、次世代の地上デジタル放送伝送方式では、伝送容量の拡大のために、変調方式として多値化やMIMO伝送方式の導入が検討されている(非特許文献2参照)。
【0007】
その結果、ISDB-T方式と比べると、TMCC信号によって送信すべき伝送パラメータの数が飛躍的に増加することが想定されるが、ISDB-T方式と同様の伝送方法では、かかる伝送パラメータを送信することができないという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ISDB-T方式と比べて多数の伝送パラメータを送信することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴は、複数のキャリアからなる複数のセグメントを含むOFDM信号によって複数の階層データを送信するように構成されている送信装置であって、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、OFDMフレームを構成する際に前記セグメントの1つに複数の前記TMCC信号を挿入するように構成されているOFDMフレーム構成部とを具備しており、前記複数のTMCC信号の各々は、異なる前記TMCC情報ビットを含むように構成されていることを要旨とする。
【0010】
本発明の第2の特徴は、複数のキャリアからなる複数のセグメントを含むOFDM信号によって複数の階層データを送信するように構成されている送信装置であって、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、OFDMフレームを構成する際に前記セグメントの1つに複数の前記TMCC信号を挿入するように構成されているOFDMフレーム構成部とを具備しており、前記複数のTMCC信号の各々は、同じ前記TMCC情報ビットを含むように構成されていることを要旨とする。
【0011】
本発明の第3の特徴は、複数のキャリアからなる複数のセグメントを含むOFDM信号を介して複数の階層データを受信するように構成されている受信装置であって、OFDMフレームを構成する前記セグメントの1つから複数のTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、前記複数のTMCC信号の各々から異なるTMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを具備することを要旨とする。
【0012】
本発明の第4の特徴は、複数のキャリアからなる複数のセグメントを介して複数の階層データをOFDM通信方式により受信するように構成されている受信装置であって、OFDMフレームを構成する前記セグメントの1つから複数のTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、前記複数のTMCC信号の各々から同じTMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを具備することを要旨とする。
【0013】
本発明の第5の特徴は、コンピュータを、上述の第1の特徴に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【0014】
本発明の第6の特徴は、コンピュータを、上述の第2の特徴に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ISDB-T方式と比べて多数の伝送パラメータを送信することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、第1の実施形態に係る送信装置1の機能ブロック図の一例である。
図2図2は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11の機能ブロック図の一例(FFTサイズ=8kポイント)である。
図3図3は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11のインターリーブ部11dによって施されるインターリーブの一例を説明するための図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC信号生成部13によって生成されるTMCC信号の一例(FFTサイズ=8kポイント)である。
図5図5は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11の機能ブロック図の一例(FFTサイズ=16kポイント)である。
図6図6は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC信号生成部13によって生成されるTMCC信号の一例(FFTサイズ=16kポイント)である。
図7図7は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11の機能ブロック図の一例(FFTサイズ=32kポイント)である。
図8図8は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC信号生成部13によって生成されるTMCC信号の一例(FFTサイズ=32kポイント)である。
図9図9は、第1の実施形態に係る受信装置3の機能ブロック図の一例である。
図10図10は、変更例1に係る放送システムについて説明するための図である。
図11図11は、変更例1に係る放送システムについて説明するための図である。
図12図12は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図13図13は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図14図14は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図15図15は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図16図16は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図17図17は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図18図18は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図19図19は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図20図20は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図21図21は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図22図22は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図23図23は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図24図24は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図25図25は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図26図26は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図27図27は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図28図28は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図29図29は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図30図30は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図31図31は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
図32図32は、変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、図1図9を参照して、本発明の第1の実施形態に係る放送システム1について説明する。本実施形態に係る放送システムは、上述の次世代の地上デジタル放送伝送方式に対応するように構成されており、例えば、図1に示す送信装置1及び図9に示す受信装置3を具備する。
【0018】
例えば、本実施形態に係る送信装置1は、3階層までの階層伝送を行うように構成されている。具体的には、本実施形態に係る送信装置1は、複数のキャリアからなる複数のセグメントを含むOFDM信号によって、A階層データ、B階層データ及びC階層データを送信することができるように構成されている。例えば、A階層データは、移動受信向けの放送用データであり、B階層データは、固定受信向けの放送用データであることが想定されている。
【0019】
例えば、本実施形態に係る送信装置1は、図1に示すように、TMCC情報ビット生成部11と、同期ビット生成部12と、TMCC信号生成部13と、OFDMフレーム構成部14a、14bと、送信部15a、15bとを具備している。本実施形態では、OFDM信号が2系統で送信される例について説明するが、本発明は、かかる例に限定されるものではない。
【0020】
TMCC情報ビット生成部11は、TMCC情報ビットを生成するように構成されており、同期ビット生成部12は、同期ビットを生成するように構成されており、TMCC信号生成部13は、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されている。
【0021】
また、OFDMフレーム構成部14a、14bは、TMCC信号や部分受信帯域データや非部分受信帯域データや拡張帯域データ等を含むOFDMフレームを生成するように構成されている。
【0022】
次世代の地上デジタル放送伝送方式では、1チャネルが33個のセグメントによって構成されているノーマルモード(或いは、調整モード)及び1チャネルが35個のセグメントによって構成されている拡張モードが規定されている。
【0023】
ここで、次世代の地上デジタル放送伝送方式では、1チャネル内の中央の9個のセグメントからなる部分受信帯域において部分受信帯域データが送信されるように規定されており、かかる部分受信帯域の両外側に配置された24個(拡張モードの場合は26個)のセグメントからなる非部分受信帯域において非部分受信帯域データが送信されるように規定されている。
【0024】
また、次世代の地上デジタル放送伝送方式において、拡張モードの場合には、かかる非部分受信帯域の両外側に配置された2個のセグメントからなる拡張帯域において拡張帯域データが送信されるように規定されている。なお、上述のTMCC信号は、かかる拡張帯域では送信されないように規定されている。
【0025】
送信部15a、15bは、OFDMフレームから得られたOFDM信号を送信するように構成されている。例えば、送信部15a、15bは、OFDMフレーム構成部14a、14bによって生成されたODFMフレームに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を施し、ガードインターバルを付与し、直交変調を施し、デジタルアナログ変換を施し、フィルタリングを施し、電力増幅を施すように構成されている。
【0026】
以下、図2図4を参照して、FFT(Fast Fourier Transform)サイズが8kポイント(8,192ポイント)である場合の構成について説明し、図5及び図6を参照して、FFTサイズが16kポイント(16,384ポイント)である場合の構成について説明し、図7及び図8を参照して、FFTサイズが32kポイント(32,768ポイント)である場合の構成について説明する。
【0027】
<FFTサイズが8kポイントである例>
図2に示すように、TMCC情報ビット生成部11は、分離部11aと、差集合巡回符号化部11b、11cと、インターリーブ部11dとを具備している。
【0028】
図2に示すように、分離部11aは、入力された244ビットのTMCC情報ビットA~A243を分離し、TMCC情報ビットA~A121を差集合巡回符号化部11bに入力し、TMCC情報ビットA122~A243を差集合巡回符号化部11cに入力するように構成されている。
【0029】
差集合巡回符号化部11bは、入力されたTMCC情報ビットA~A121に対して、差集合巡回符号を用いて誤り訂正符号化を施すように構成されており、差集合巡回符号化部11cは、入力されたTMCC情報ビットA122~A243に対して、差集合巡回符号を用いて誤り訂正符号化を施すように構成されている。
【0030】
インターリーブ部11dは、差集合巡回符号化部11bから入力された誤り訂正符号化済みのTMCC情報ビットB0,0~B0,203及び集合巡回符号化部11cから入力された誤り訂正符号化済みのTMCC情報ビットB1,0~B1,203に対してインターリーブを施すように構成されている。
【0031】
図3に、かかるインターリーブの方法について示す。図3に示すように、インターリーブ部11dは、誤り訂正符号化済みのTMCC情報ビットB0,0~B1,203について1ビットごとにTMCC情報ビット1、2に振り分けるように構成されている。
【0032】
図4に、TMCC情報ビット生成部11によって生成されたTMCC信号1、2の一例を示す。図4に示すように、TMCC信号1、2は、1ビットの差動復調の基準ビットと、16ビットの同期ビットと、204ビットのTMCC情報ビット1、2とを有しており、TMCC情報ビット1、2の後に、3ビットのNULLが付加されている。ここで、TMCC信号1、2のフレーム長は、それぞれ224ビット(224シンボル)である。なお、TMCC信号1、2は、DBPSK変調で送信されることから、1シンボルは、1ビットに対応する。
【0033】
なお、FFTサイズが8kポイントである場合には、OFDMフレーム構成部14a、14bは、OFDMフレームを構成する際に1個のセグメントに複数(本例では2個)のTMCC信号1、2を挿入するように構成されている。
【0034】
ここで、複数のTMCC信号の各々、すなわち、TMCC信号1、2は、異なるTMCC情報ビット1及び2を含むように構成されている。
【0035】
具体的には、図4に示すように、TMCC情報ビット1に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,0~B1,202)とTMCC情報ビット2に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,1~B1,203)とが異なるように構成されている。
【0036】
すなわち、FFTサイズが8Kポイント(8,192ポイント)である場合、1セグメント当たり2本のTMCC信号1、2が伝送される。
【0037】
一方、FFTサイズが8kポイントである場合には、図4に示すように、TMCC信号1、2が含まれているセグメントに、2個の同一の同期ビット(16ビット)が含まれるように構成されている。
【0038】
すなわち、TMCC信号1に含まれる同期ビット(16ビット)とTMCC信号2に含まれる同期ビット(16ビット)とが同一になるように構成されている。
【0039】
<FFTサイズが16kポイントである例>
以下、FFTサイズが16kポイントである例について、FFTサイズが8kポイントである例との相違点に着目して説明する。
【0040】
図5に示すように、インターリーブ部11dは、誤り訂正符号化済みのTMCC情報ビットB0,0~B1,203について1ビットごとにTMCC情報ビット1~4に振り分けるように構成されている。
【0041】
図6に、TMCC情報ビット生成部11によって生成されたTMCC信号1~4の一例を示す。図6に示すように、TMCC信号1~4のそれぞれは、1ビットの差動復調の基準ビットと、8ビットの同期ビットと、102ビットのTMCC情報ビット1~4とを有しており、TMCC情報ビット1~4の後に、1ビットのNULLが付加されている。ここで、TMCC信号1~4のフレーム長は、それぞれ112ビット(112シンボル)である。なお、TMCC信号1~4は、DBPSK変調で送信されることから、1シンボルは、1ビットに対応する。
【0042】
なお、FFTサイズが16kポイントである場合には、OFDMフレーム構成部14a、14bは、OFDMフレームを構成する際に1個のセグメントに複数(本例では4個)のTMCC信号1~4を挿入するように構成されている。
【0043】
ここで、複数のTMCC信号の各々、すなわち、TMCC信号1~4は、異なるTMCC情報ビット1~4を含むように構成されている。
【0044】
具体的には、図6に示すように、TMCC情報ビット1に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,0~B1,200)とTMCC情報ビット2に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,1~B1,201)とTMCC情報ビット3に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,2~B1,202)とTMCC情報ビット4に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,3~B1,203)とがそれぞれ異なるように構成されている。
【0045】
すなわち、FFTサイズが16kポイント(16,384ポイント)である場合、1セグメント当たり4本のTMCC信号1~4が伝送される。
【0046】
一方、FFTサイズが16kポイントである場合には、図6に示すように、TMCC信号1~4が含まれているセグメントに、2個の同一の同期ビット(16ビット)が含まれるように構成されている。
【0047】
一方の同期ビット(16ビット)は、TMCC信号1、2に跨がって挿入されており(TMCC信号1に8ビットとTMCC信号2に8ビットという形態で)、他方の同期ビット(16ビット)は、TMCC信号3、4に跨がって挿入されている(TMCC信号3に8ビットとTMCC信号4に8ビットという形態で)。すなわち、TMCC信号1、2に跨がって挿入されている同期ビット(16ビット)とTMCC信号3、4に跨がって挿入されている同期ビット(16ビット)とが同一になるように構成されている。
【0048】
<FFTサイズが32kポイントである例>
以下、FFTサイズが32kポイントである例について、FFTサイズが8kポイントである例との相違点に着目して説明する。
【0049】
図7に示すように、インターリーブ部11dは、誤り訂正符号化済みのTMCC情報ビットB0,0~B1,203について1ビットごとにTMCC情報ビット1~8に振り分けるように構成されている。
【0050】
図8に、TMCC情報ビット生成部11によって生成されたTMCC信号1~8の一例を示す。図8に示すように、TMCC信号1~8のそれぞれは、1ビットの差動復調の基準ビットと、4ビットの同期ビットと、51ビットのTMCC情報ビット1~8とを有している。ここで、TMCC信号1~8のフレーム長は、それぞれ56ビット(56シンボル)である。なお、TMCC信号1~8は、DBPSK変調で送信されることから、1シンボルは、1ビットに対応する。
【0051】
なお、FFTサイズが32kポイントである場合には、OFDMフレーム構成部14a、14bは、OFDMフレームを構成する際に1個のセグメントに複数(本例では8個)のTMCC信号1~8を挿入するように構成されている。
【0052】
ここで、複数のTMCC信号の各々、すなわち、TMCC信号1~8は、異なるTMCC情報ビット1~8を含むように構成されている。
【0053】
具体的には、図8に示すように、TMCC情報ビット1に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,0~B1,196)とTMCC情報ビット2に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,1~B1,197)とTMCC情報ビット3に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,2~B1,198)とTMCC情報ビット4に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,3~B1,199)とTMCC情報ビット5に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,4~B1,200)とTMCC情報ビット6に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,5~B1,201)とTMCC情報ビット7に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,6~B1,202)とTMCC情報ビット4に含まれている情報(TMCC情報ビットB0,7~B1,203)とがそれぞれ異なるように構成されている。
【0054】
すなわち、FFTサイズが32kポイント(32,768ポイント)である場合、1セグメント当たり8本のTMCC信号1~8が伝送される。
【0055】
一方、FFTサイズが32kポイントである場合には、図8に示すように、TMCC信号1~8が含まれているセグメントに、2個の同一の同期ビット(16ビット)が含まれるように構成されている。
【0056】
一方の同期ビット(16ビット)は、TMCC信号1~4に跨がって挿入されており(TMCC信号1~4のそれぞれに8ビットという形態で)、他方の同期ビット(16ビット)は、TMCC信号5~8に跨がって挿入されている(TMCC信号5~8のそれぞれに8ビットという形態で)。すなわち、TMCC信号1~4に跨がって挿入されている同期ビット(16ビット)とTMCC信号5~8に跨がって挿入されている同期ビット(16ビット)とが同一になるように構成されている。
【0057】
本実施形態に係る受信装置3は、複数のキャリアからなる複数のセグメントを含むOFDM信号を介して、3階層までの階層伝送によって送信されたA階層データ、B階層データ及びC階層データを受信することができるように構成されている。
【0058】
なお、本実施形態に係る受信装置3は、A階層データ、B階層データ及びC階層データを、上述の部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを含むOFDM信号によって受信するように構成されている。
【0059】
本実施形態に係る受信装置3は、図9に示すように、受信部31と、デフレーム化部32と、TMCC信号抽出部33と、フレーム同期部34と、TMCC情報ビット抽出部35とを具備している。
【0060】
受信部31は、上述のOFDM信号を受信するように構成されている。具体的には、受信部31は、受信したOFDM信号に対して、電力増幅を施し、デフィルタリングを施し、アナログデジタル変換を施し、逆直交変調を施し、ガードインターバルを除去し、FFTを施すことによって、ODFMフレームを取得するように構成されている。
【0061】
デフレーム化部32は、ODFMフレームから、TMCC信号や部分受信帯域データや非部分受信帯域データや拡張帯域データ等を分離するように構成されている。
【0062】
TMCC信号抽出部33は、OFDMフレームを構成するセグメントの1つから複数のTMCC信号を抽出するように構成されている。例えば、FFTサイズが8kポイントである場合には、TMCC信号抽出部33は、1個のセグメントから2個のTMCC信号1、2を抽出するように構成されており(図4参照)、FFTサイズが16kポイントである場合には、TMCC信号抽出部33は、1個のセグメントから4個のTMCC信号1~4を抽出するように構成されており(図6参照)、FFTサイズが32kポイントである場合には、TMCC信号抽出部33は、1個のセグメントから8個のTMCC信号1~8を抽出するように構成されている(図8参照)。
【0063】
本実施形態に係る受信装置3が、広帯域受信装置である場合は、TMCC信号抽出部33は、33若しくは35セグメント分のTMCC信号を抽出するように構成されており、本実施形態に係る受信装置3が、狭帯域受信装置である場合は、部分受信帯域内の9セグメント分のTMCC信号を抽出するように構成されている。
【0064】
フレーム同期部34は、各セグメントにおいて対応するTMCC信号を送信するキャリアを加算して(キャリア加算を行い)、加算した後の系列から同期ビットのパターンを探し(すなわち、加算した後の系列と同期ビットのパターンとの相関を取り)、TMCC信号のフレームの先頭位置を見つけフレーム同期を確立するように構成されている。
【0065】
TMCC情報ビット抽出部34は、上述のフレーム同期が確立された後、複数のTMCC信号の各々から異なるTMCC情報ビットを抽出するように構成されている。
【0066】
例えば、FFTサイズが8kポイントである場合には、TMCC情報ビット抽出部34は、TMCC信号1、2から異なるTMCC情報ビット1、2を抽出するように構成されており(図4参照)、FFTサイズが16kポイントである場合には、TMCC情報ビット抽出部34は、TMCC信号1~4から異なるTMCC情報ビット1~4を抽出するように構成されており(図6参照)、FFTサイズが32kポイントである場合には、TMCC情報ビット抽出部34は、TMCC信号1~8から異なるTMCC情報ビット1~8を抽出するように構成されている(図8参照)。
【0067】
本実施形態に係る放送システム1によれば、1つのセグメント内で、複数の階層データを受信するために必要な多くの伝送パラメータを伝送することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態に係る放送システム1によれば、各セグメントにおいて同じTMCC情報ビットが伝送されているため、複数のセグメントを受信することで、キャリア加算によるダイバーシティ利得が得られる。
【0069】
さらに、本実施形態に係る放送システム1によれば、次世代の地上デジタル放送伝送方式では、9個のセグメントの部分受信帯域が最小受信帯域幅となるため、最低でも9キャリアのダイバーシティ受信が可能であり、また、1個のセグメント当たり2個の同期ビットが含まれるため、9個のセグメントの部分受信帯域の場合、18個のキャリア加算が可能となる。
【0070】
(変更例1)
以下、図10図11を参照して、本発明の変更例1に係る放送システムについて、上述の第1の実施形態に係る放送システムとの相違点に着目して説明する。
【0071】
本変更例1に係る放送システムでは、図10に示すように、部分受信帯域内のTMCC信号に含まれるTMCC情報ビットは、非部分受信帯域内のTMCC信号に含まれるTMCC情報ビットと異なるように構成されている。
【0072】
或いは、本変更例1に係る放送システムでは、全ての帯域(部分受信帯域及び非部分受信帯域)内のTMCC信号に含まれるTMCC情報ビットは同一となるように構成されていてもよい。
【0073】
ここで、部分受信帯域データのみを受信するように構成されている受信装置(狭帯域受信装置)3では、9個のセグメント分の部分受信帯域内のTMCC信号を送信するキャリアを取得することができる。
【0074】
FFTサイズが8kポイント(8,192ポイント)である場合で、且つ、図4に示す構成でTMCC信号を伝送する場合、1つのセグメント内の2本のTMCC信号1~2を全て使用してTMCC情報ビット1~2を伝送している。
【0075】
かかる場合、受信装置3は、9セグメント分のTMCC信号を使用することができるため、9個のキャリア加算による復号が可能となるが、伝送路状態が極めて劣悪な場合等は、更なる安定受信が求められる。
【0076】
全帯域を受信することができる受信装置(広帯域受信装置)3では、35個のセグメント分のTMCC信号を使用することができるため、35個のキャリア加算が可能となり、十分な受信特性が期待できるが、限られた9個のセグメントを受信する部分受信帯域では加算できる可能なキャリアの数も限られていた。
【0077】
また、部分受信帯域は、狭帯域で受信したい1つ(若しくは複数)の階層データのみを伝送するために用いられる。
【0078】
そこで、部分受信帯域内のTMCC信号は、狭帯域で受信したい階層データに係る伝送パラメータに限定して伝送するものとする。例えば、A階層データを部分受信帯域で伝送したい場合は、部分受信帯域内のTMCC信号にて、同期ビットやシステム全体に係る伝送パラメータやA階層データに係る伝送パラメータのみを伝送する、すなわち、B階層データ及びC階層データに係る伝送パラメータについては伝送しない。
【0079】
このように構成することで、部分受信帯域内のTMCC情報ビットは、図11に示すように、1本のTMCC信号内のみで情報を完結することができるため、1セグメント当たり2ペアのTMCC情報ビットを伝送することができ、9個のセグメントでは、18個のキャリア加算が可能となる。
【0080】
これは、前述の9個のキャリア加算に比べて加算数が2倍になるために、約3dBの受信特性改善効果が得られることになる。この場合、狭帯域受信装置は、非部分受信帯域内のTMCC信号を含むキャリアについて26個のセグメント分を用いて復号を行う。
【0081】
すなわち、本変更例1に係る放送システムでは、1つのセグメント内の複数のTMCC信号の各々は、同じTMCC情報ビットを含むように構成されている。
【0082】
また、本変更例1において、同期ビットに関しては全ての帯域で共通のものとなるので、フレーム同期に関しては全ての帯域での受信が可能となる。
【0083】
なお、上述では、部分受信帯域内のセグメント数を「9」のケースを例に挙げて説明したが、本発明は、かかるケース以外のケースに対しても適用可能である。
【0084】
(変更例2)
以下、図12図32を参照して、本発明の変更例2に係る放送システムについて、上述の第1の実施形態に係る放送システムとの相違点に着目して説明する。
【0085】
ここで、本変更例2に係る放送システムでは、図10に示すように、部分受信帯域内のTMCC信号に含まれるTMCC情報ビットは、非部分受信帯域内のTMCC信号に含まれるTMCC情報ビットと異なるように構成されている。
【0086】
なお、本変更例2に係る放送システムは、35セグメントからなる5.83MHzの伝送帯域を使用するように構成されている。
【0087】
具体的には、本変更例2に係る放送システムでは、1チャネル内の中央の9個のセグメントからなる部分受信帯域において部分受信帯域データ(122ビットのTMCC情報ビット)が送信されるように規定されており、かかる部分受信帯域の両外側に配置された26個のセグメントからなる非部分受信帯域において非部分受信帯域データ(244ビットのTMCC情報ビット)が送信されるように規定されている。
【0088】
以下、図12図30を参照して、本変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成される非部分受信帯域データ(244ビットのTMCC情報ビット)に含まれる情報要素の一例について説明し、図31図32を参照して、本変更例2に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成される部分受信帯域データ(122ビットのTMCC情報ビット)に含まれる情報要素の一例について説明する。
【0089】
本変更例2では、図12に示すように、例えば、非部分受信帯域データ(244ビットのTMCC情報ビット)は、ビットA0~A243の244ビットから構成されており、情報要素として「システム識別」と「伝送帯域識別」と「TMCC情報更新フラグ」と「伝送パラメータ切り替え指標」と「カレント情報/ネクスト情報」と「A階層FECブロックポインタ」と「B階層FECブロックポインタ」と「C階層FECブロックポインタ」とを有している。
【0090】
「システム識別」は、ビットA0~A1の2ビットから構成されており、図13に示すように、本変更例2に係る放送システムが本仕様によるシステム(すなわち、次世代の地上デジタル放送伝送方式)に対応しているか否かについて示す。「システム識別」に「00」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムが本仕様によるシステム(すなわち、次世代の地上デジタル放送伝送方式)に対応していることを示す。
【0091】
「伝送帯域識別」は、ビットA2~A3の2ビットから構成されており、図14に示すように、ノーマルモード及び互換モードを少なくとも識別することができる識別情報である。
【0092】
「伝送帯域識別」に「01」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムがノーマルモードによって運用されていることを示し、「伝送帯域識別」に「10」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムが拡張モードによって運用されていることを示す。
【0093】
なお、本変更例2では、ノーマルモードは、35セグメントからなる5.83MHzの伝送帯域を使用し、互換モードは、33セグメント及び調整帯域からなる5.57MHzの伝送帯域を使用するように構成されている。
【0094】
「TMCC情報更新フラグ」は、ビットA4の1ビットから構成されており、図15に示すように、TMCC情報ビットが更新されているか否かについて示す。「TMCC情報更新フラグ」に「0」が設定されている場合、かかるTMCC情報ビットが更新されていないことを示し、「TMCC情報更新フラグ」に「1」が設定されている場合、かかるTMCC情報ビットが更新されていることを示す。ここで、更新しているか否かは、ビットA4以降でFECブロックポインタを除いたビットを対象としている。
【0095】
「伝送パラメータ切り替え指標」は、ビットA5~A9の5ビットから構成されており、図16に示すように、伝送パラメータに変更が生じた場合、ネクスト情報として新しい伝送パラメータがセットされるが、ネクスト情報へ切り替わる31フレーム前から切り替えのカウントダウンをする機能である。
【0096】
また、後述の「カレント情報/ネクスト情報」においては、「カレント情報」及び「ネクスト情報」のどちらの情報を伝送しているのかを判定する必要があり、通常は「カレント情報」を伝送し、「ネクスト情報」は切り替えが生じたときのみ伝送するものとしている。特に「伝送パラメータ切り替え指標」が切り替えの偶数フレーム前を示しているときには、「カレント情報/ネクスト情報」では、「ネクスト情報」を送り、奇数フレーム前を示している時には「カレント情報」を伝送する機能を有する。以上のように、切り替えのカウントダウンが始まると1フレーム毎にカレント情報とネクスト情報を切り替えて伝送する機能を有している。
【0097】
「カレント情報/ネクスト情報」は、ビットA10~A103の94ビットから構成されており、前述の通り、通常は「カレント情報」を示し、「伝送パラメータ切り替え指標」においてカウントダウンが開始された場合にのみ、「ネクスト情報」と「カレント情報」を交互に示す。図12に示すように、「カレント情報/ネクスト情報」は、情報要素として、「部分受信フラグ」と「A階層伝送パラメータ」と「B階層伝送パラメータ」とを有している。
【0098】
「部分受信フラグ」は、ビットA10の1ビットから構成されており、図17に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいて部分受信(すなわち、部分受信帯域における部分受信帯域データの送信)が行われているか否かについて示す。「部分受信フラグ」に「0」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて部分受信が行われていないことを示し、「部分受信フラグ」に「1」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて部分受信が行われていることを示す。
【0099】
「A階層伝送パラメータ」は、ビットA11~A41の31ビットから構成されており、「B階層伝送パラメータ」は、ビットA42~A72の31ビットから構成されており、「C階層伝送パラメータ」は、ビットA73~A103の31ビットから構成されており、各階層データに対して適用される伝送パラメータを示す。
【0100】
「A階層伝送パラメータ」、「B階層伝送パラメータ」及び「C階層伝送パラメータ」は、それぞれ、図18に示すように、情報要素として、「SISO/MISO/MIMOフラグ」と「セグメント数」と「キャリア変調方式」と「コンスタレーション識別」と「誤り訂正符号長」と「LDPC符号化率」と「時間インターリーブ長」と「データキャリアブースト比」と「SPパターン」と「パイロット符号化」と「全キャリアパイロットフラグ」と「FECポインタ」とを有している。
【0101】
「SISO/MISO/MIMOフラグ」は、3ビットによって構成されており、図19に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して、SISO、MISO(SFBC)、MISO(STBC)及びMIMO(SDM)のいずれが用いられているかについて示す。
【0102】
「SISO/MISO/MIMOフラグ」に「000」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してSISOが用いられていることを示し、「SISO/MISO/MIMOフラグ」に「001」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してMISO(SFBC)が用いられていることを示し、「SISO/MISO/MIMOフラグ」に「010」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してMISO(STBC)が用いられていることを示し、「SISO/MISO/MIMOフラグ」に「011」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してMIMO(SDM)が用いられていることを示す。
【0103】
ここで、SISOは、Single-Input Single-Outputの略称あり、MISOは、Multi-Input Single-Outputの略称であり、MIMOは、Multi-Input Multi-Outputの略称であり、SFBCは、Space-Frequency Block Codeの略称であり、STBCは、Space-Time Block Codeの略称であり、SDMは、Space Division Multiplexingの略称である。
【0104】
「セグメント数」は、6ビットによって構成されており、図20に示すように、対象の階層データの送信に用いられるセグメント数を示す。
【0105】
「キャリア変調方式」は、3ビットによって構成されており、図21に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているキャリア変調方式を示す。
【0106】
「キャリア変調方式」に「000」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してQPSKが用いられていることを示し、「キャリア変調方式」に「001」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して16QAMが用いられていることを示し、「キャリア変調方式」に「010」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して64QAMが用いられていることを示し、「キャリア変調方式」に「011」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して256QAMが用いられていることを示し、「キャリア変調方式」に「100」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して1024QAMが用いられていることを示し、「キャリア変調方式」に「101」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して4096QAMが用いられていることを示す。
【0107】
「コンスタレーション識別」は、1ビットによって構成されており、図22に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているコンスタレーションが均一であるか否かについて示す。「コンスタレーション識別」に「0」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているコンスタレーションが均一であることを示し、「コンスタレーション識別」に「1」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているコンスタレーションが不均一であることを示す。
【0108】
「誤り訂正符号長」は、2ビットによって構成されており、図23に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられている誤り訂正符号長を示す。「誤り訂正符号長」に「00」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してShortタイプの誤り訂正符号が用いられていることを示し、「誤り訂正符号長」に「01」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してMiddleタイプの誤り訂正符号が用いられていることを示し、「誤り訂正符号長」に「10」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してLongタイプの誤り訂正符号が用いられていることを示す。
【0109】
「LDPC符号化率」は、4ビットによって構成されており、図24に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられるLDPC(Low-Density Parity-check Code)符号化率を示す。
【0110】
「時間インターリーブ長」は、3ビットによって構成されており、図25に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられる時間インターリーブ長を示す。
【0111】
「データキャリアブースト比」は、3ビットによって構成されており、図26に示すように、本変更例2に係る放送システムにおける対象の階層データの電力ブースト比を示す。例えば、「A階層伝送パラメータ情報」の「データキャリアブースト比」に「010(3dB)」が設定され、「B階層伝送パラメータ情報」の「データキャリアブースト比」に「000(0dB)」が設定されている場合、A階層におけるデータキャリアは、通常のキャリア変調レベルに対して3dB高いレベルで変調され、B階層におけるデータキャリアは、通常のキャリア変調レベルで変調される。
【0112】
「SPパターン」は、4ビットによって構成されており、図27に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているSP(Scattered Pilot)パターンを示す。
【0113】
「パイロット符号化」は、2ビットによって構成されており、図28に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているパイロット符号化方式を示す。「パイロット符号化」に「0」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して符号反転方式が用いられていることを示し、「パイロット符号化」に「1」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してヌル方式が用いられていることを示す。
【0114】
「全キャリアパイロットフラグ」は、1ビットによって構成されており、図29に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して全キャリアパイロットが用いられているか否かについて示す。「全キャリアパイロットフラグ」に「0」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して全キャリアパイロットが用いられていないことを示し、「全キャリアパイロットフラグ」に「1」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して全キャリアパイロットが用いられていることを示す。
【0115】
「A階層FECブロックポインタ」は、ビットA104~A121の18ビットから構成されており、「B階層FECブロックポインタ」は、ビットA122~A139の18ビットから構成されており、「C階層FECブロックポインタ」は、ビットA140~A157の18ビットから構成されている。
【0116】
図30に示すように、「A階層FECブロックポインタ」、「B階層FECブロックポインタ」及び「C階層FECブロックポインタ」は、それぞれ、LDPC符号長LONGまで考慮して、18ビットで、FECブロックポインタを示す。「A階層FECブロックポインタ」、「B階層FECブロックポインタ」及び「C階層FECブロックポインタ」は、それぞれ、最大で262,144(218)まで指示でき、FECブロックのビット単位若しくはキャリアシンボル単位で指示する。キャリアシンボル単位での指示の場合、例えば、キャリア変調方式としてQPSK(2ビット伝送)が用いられている場合、262,144キャリアシンボルまで対応できるので、最大符号長としては、524,288ビットのものまで対応できることになる。
【0117】
本変更例2では、図31に示すように、例えば、部分受信帯域データ(122ビットのTMCC情報ビット)は、ビットA0~A121の122ビットから構成されており、情報要素として「システム識別」と「伝送帯域識別」と「TMCC情報更新フラグ」と「伝送パラメータ切り替え指標」と「カレント情報/ネクスト情報」と「A階層FECブロックポインタ」とを有している。
【0118】
ここで、「システム識別」、「伝送帯域識別」、「TMCC情報更新フラグ」及び「伝送パラメータ切り替え指標」は、上述の非部分受信帯域データ(244ビットのTMCC情報ビット)における「システム識別」、「伝送帯域識別」、「TMCC情報更新フラグ」及び「伝送パラメータ切り替え指標」と同一である。
【0119】
「カレント情報/ネクスト情報」は、図31に示すように、ビットA10~A42の33ビットから構成されており、情報要素として、「部分受信フラグ」と「A階層伝送パラメータ」と「部分受信インターリーブ」とを有している。
【0120】
ここで、「部分受信フラグ」及び「A階層伝送パラメータ」は、上述の非部分受信帯域データ(244ビットのTMCC情報ビット)における「部分受信フラグ」及び「A階層伝送パラメータ」と同一である。
【0121】
「部分受信インターリーブ」は、ビットA42の1ビットから構成されており、図32に示すように、本変更例2に係る放送システムにおいてA階層データに対して用いられている部分受信インターリーブの種類を示す。「部分受信インターリーブ」に「0」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいてA階層データに対してキャリア単位インターリーブが用いられていることを示し、「部分受信インターリーブ」に「1」が設定されている場合、本変更例2に係る放送システムにおいてA階層データに対してセグメント単位インターリーブが用いられていることを示す。
【0122】
「A階層FECブロックポインタ」は、上述の非部分受信帯域データ(244ビットのTMCC情報ビット)における「A階層FECブロックポインタ」と同一である。
【0123】
(変更例3)
以下、本発明の変更例3に係る放送システムについて、上述の第1の実施形態、変更例1及び2に係る放送システムとの相違点に着目して説明する。
【0124】
本変更例に係る放送システムでは、送信装置1は、TMCC信号のシンボルの電力を、キャリアシンボルの電力よりも高いレベルにブーストして伝送するように構成されている。ここで、TMCC信号のシンボルの電力とキャリアシンボルの電力とのブースト比は、1.99であるように構成されていてもよい。
【0125】
(その他の実施形態)
上述のように、本発明について、上述した実施形態によって説明したが、かかる実施形態における開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。かかる開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0126】
また、上述の実施形態では特に触れていないが、上述の送信装置1及び受信装置3によって行われる各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、かかるプログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、かかるプログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、かかるプログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0127】
或いは、上述の送信装置1及び受信装置3内の少なくとも一部の機能を実現するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【符号の説明】
【0128】
1…送信装置
11…TMCC情報ビット生成部
11a…分離部
11b、11c…差集合巡回符号化部
11d…インターリーブ部
12…同期ビット生成部
13…TMCC信号生成部
14a、14b…OFDMフレーム構成部
15a、15b…送信部
3…受信装置
31…受信部
32…デフレーム化部
33…TMCC信号抽出部
34…フレーム同期部
35…TMCC情報ビット抽出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32