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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ゲートドライバ回路
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20220106BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220106BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20220106BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20220106BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 622B
G09G3/20 611F
G09G3/20 622E
G09G3/20 622G
G09G3/20 622R
G02F1/133 550
G02F1/1368
G02F1/1345
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017054592
(22)【出願日】2017-03-21
(65)【公開番号】P2018156024
(43)【公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147728
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 信司
(72)【発明者】
【氏名】渡部 五常
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-043424(JP,A)
【文献】特開平09-055909(JP,A)
【文献】特開平10-074060(JP,A)
【文献】特開平10-039841(JP,A)
【文献】特開平04-245291(JP,A)
【文献】特開昭64-084298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G02F 1/133
G02F 1/1368
G02F 1/1345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が入力と出力とを有し、前段の前記出力と後段の前記入力とが接続された第1段~第k段(k:2以上の整数)のシフトレジスタを含み、前記第1段のシフトレジスタの前記入力に1パルスのスタート信号を受けると、クロック信号に応じたタイミングで前記第1段~第k段のシフトレジスタの順に前記出力から前記スタート信号をシフトさせた第1~第kのシフトデータ信号を生成し、当該第1~第kのシフトデータ信号の信号レベルのシフトを行って第1~第kのゲート信号として順次出力するシフトレジスタ部と、
表示パネルのゲートラインに接続されるように設けられ、前記第1段~第k段のゲート信号の出力ラインに各々接続された第1~第kの出力パッドと、
前記第1~第kのゲート信号のうちのいずれか1のゲート信号を受けるための入力パッドと、
前記入力パッドに接続され、前記1のゲート信号に応答してエンド信号を前記クロック信号に応じたタイミングで生成するエンド信号生成部と、
を有することを特徴とするゲートドライバ回路。
【請求項2】
前記1のゲート信号を出力する前記第1~第kの出力パッドのうちの1の出力パッドと前記入力パッドとの間が配線によって接続されることを特徴とする請求項1記載のゲートドライバ回路。
【請求項3】
前記第1段~第k段のシフトレジスタは、切替信号に応じて信号シフト方向を前記第1段~第k段のシフトレジスタの順に信号をシフトする順方向又は前記第k段~前記第1段のシフトレジスタの順に信号をシフトする逆方向に変更可能であり、
前記エンド信号生成部は、前記信号シフト方向が前記順方向である場合に前記エンド信号を生成する第1のエンド信号生成部と、前記信号シフト方向が前記逆方向である場合に前記エンド信号を生成する第2のエンド信号生成部と、を含み、
前記1の出力パッドは、前記配線及び前記入力パッドを介して、前記第1のエンド信号生成部又は前記第2のエンド信号生成部のいずれか一方に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のゲートドライバ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲートドライバ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置の表示パネルでは、複数のゲートラインと複数のソースラインとを直交するように配置し、これらの交点付近に画素電極を配置することにより、表示画素が構成されている。このような表示パネルの駆動装置として、ゲートドライバ及びソースドライバが用いられている。ゲートドライバでは、表示パネルのゲートラインの数と同数の出力端子が必要である。そこで、ゲートラインの数が異なる表示パネルに対応可能とするため、出力端子数を変更可能なゲートドライバが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、シフトレジスタ方式のゲートドライバ回路において、表示パネルのゲートラインの数(チャネル数)に対応して、1フレーム分のチャネル数を切り替えることが可能なゲートドライバ回路が知られている。かかるゲートドライバ回路では、例えば、1ch目~960ch目までのシフトレジスタのうち、400ch目のシフトレジスタと401ch目のシフトレジスタとの間、及び560ch目のシフトレジスタと561ch目のシフトレジスタとの間に夫々セレクタが設けられており、セレクタに入力する制御信号に応じて、401ch目~560ch目のシフトレジスタを経由して信号をシフトするか否かを切り替えることにより、チャネル数の切り替えを行うことが可能に構成されている。チャネル数を960chとする場合には401ch目~560ch目を経由し、チャネル数を800chとする場合には401ch目~560ch目を経由しないようにセレクタを切り替えることにより、960ch又は800chのいずれにも対応したゲート信号の出力を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-77007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにセレクタを用いてチャネル数の切り替えを行うゲートドライバ回路では、切り替え対象のチャネル数に応じた位置にセレクタを設ける必要がある。従って、複数種類のチャネル数に対応させるためには、セレクタの数及び制御信号の数を増やす必要がある。このため、回路規模(チップサイズ)が大きくなり、コストが増加するという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、回路規模の増大を抑えつつ所望のチャネル数に対応したゲート信号の出力を行うことが可能なゲートドライバ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るゲートドライバ回路は、各々が入力と出力とを有し、前段の前記出力と後段の前記入力とが接続された第1段~第k段(k:2以上の整数)のシフトレジスタを含み、前記第1段のシフトレジスタの前記入力に1パルスのスタート信号を受けると、クロック信号に応じたタイミングで前記第1段~第k段のシフトレジスタの順に前記出力から前記スタート信号をシフトさせた第1~第kのシフトデータ信号を生成し、当該第1~第kのシフトデータ信号の信号レベルのシフトを行って第1~第kのゲート信号として順次出力するシフトレジスタ部と、表示パネルのゲートラインに接続されるように設けられ、前記第1段~第k段のゲート信号の出力ラインに各々接続された第1~第kの出力パッドと、前記第1~第kのゲート信号のうちのいずれか1のゲート信号を受けるための入力パッドと、前記入力パッドに接続され、前記1のゲート信号に応答してエンド信号を前記クロック信号に応じたタイミングで生成するエンド信号生成部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るゲートドライバ回路によれば、回路規模の増大を抑えつつ所望のチャネル数に対応したゲート出力を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1のゲートドライバ回路の構成を示す回路図である。
図2】実施例1のゲートドライバ回路の動作を示すタイムチャートである。
図3】実施例1のゲートドライバ回路の変形例を示す回路図である。
図4】実施例2のゲートドライバ回路の構成を示す図である。
図5】実施例2のゲートドライバ回路の構成を示す図である。
図6】実施例2のゲートドライバ回路の動作を示すタイムチャートである。
図7】実施例2のゲートドライバ回路の動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例1】
【0011】
図1は、本実施例のゲートドライバ回路100の構成を示す図である。ゲートドライバ回路100は、ゲートラインにゲート信号を印加することにより表示パネルを駆動する駆動回路である。ゲートライバ回路100は、例えば表示パネル内のタイミングコントローラ(図示せず)等のタイミング制御手段からスタート信号stviの供給を受け、ゲート信号を生成して各ゲートラインに出力する。また、ゲートライバ回路100は、ゲートライン数(チャネル数)分のゲート信号を出力後、エンド信号stvoを生成し、タイミングコントローラに供給する。スタート信号stviからエンド信号stvoまでの間に1フレーム分のゲート信号が出力される。以下の説明では、チャネルを「ch」とも表記する。
【0012】
ゲートドライバ回路100は、シフトレジスタ10-1~10-960、エンド信号生成部11、レベルシフタ12-1~12-960、出力パッド(図中、PADとして示す)13-1~13-960、FBパッド(図中、FBPADとして示す)14及びレベルシフタ15を含む。
【0013】
シフトレジスタ10-1~10-960は、順に第1~第960段のシフトレジスタとして接続され、前段のシフトレジスタから出力されたシフトデータ信号を取込み、クロック信号clkに応じたタイミングでシフトし、後段に供給するシフトレジスタである。
【0014】
シフトレジスタ10-1は、1ch目のシフトレジスタであり、スタート信号stviをクロック信号clkの立ち上がりのタイミングで取込み、シフトデータ信号s1として出力する。シフトレジスタ10-1は、シフトデータ信号s1を後段のシフトレジスタであるシフトレジスタ10-2に供給する。
【0015】
シフトレジスタ10-2は、2ch目のシフトレジスタであり、前段の出力信号であるシフトデータ信号s1を取込み、クロック信号clkの1周期(以下、クロック周期と称する)分の期間だけ遅延させた信号を、クロック信号clkの立ち上がりのタイミングでシフトデータ信号s2として出力する。シフトレジスタ10-2は、シフトデータ信号s2を後段のシフトレジスタであるシフトレジスタ10-3に供給する。
【0016】
以下同様に、シフトレジスタ10-m(m:3~960)は、mch目のシフトレジスタであり、前段のシフトレジスタの出力信号であるシフトデータ信号s(m-1)をクロック信号clkの立ち上がりタイミングで取込み、クロック周期分の期間だけ遅延させた信号をシフトデータ信号smとして、クロック信号clkの立ち上がりのタイミングで出力する。シフトレジスタ10-3~10-959は、シフトデータ信号を次段のシフトレジスタに供給する。また、シフトレジスタ10-1~10-960は、シフトデータ信号s1~s960をレベルシフタ12-1~12-960に供給する。
【0017】
エンド信号生成部11は、レベルシフタ15の出力信号であるタイミング信号sN_FBをクロック信号clkの立下りのタイミングで取込み、エンド信号stvoとして出力する。
【0018】
レベルシフタ12-1~12-960は、シフトデータ信号s1~s960の信号レベルをシフトして、信号レベルの大きいゲート信号G1~G960を生成し、出力パッド13-1~13-960に供給する。以下の説明では、シフトデータ信号s1~s960の信号レベルをLV、ゲート信号G1~G960の信号レベルをHVと称する。
【0019】
出力パッド13-1~13-960は、ゲート信号G1~G960をゲートドライバ回路100の外部に出力するための出力端である。出力されたゲート信号G1~G960のうち、ゲート信号G1~GNは、ゲートラインGL1~GLNに供給される。Nチャネル目のシフトレジスタであるシフトレジスタ10-Nに対応する出力パッド13-Nは、信号ラインL1によってFBパッド14に接続されている。
【0020】
FBパッド14は、出力パッド13-N(N:1<N≦960)から出力されたゲート信号GNをゲートドライバ回路100に取り込むための入力端である。FBパッド14は、ゲート信号GNの入力を受け、当該ゲート信号GNをレベルシフタ15に供給する。
【0021】
FBパッド14は、Nチャネル目の出力パッド13-Nと信号ラインL1を介して接続されている。信号ラインL1は、例えばCOG(Chip On Glass)配線等の接続配線を用いて表示パネル上で配線されている。
【0022】
FBパッド14に接続される出力パッドは、1フレームのチャネル数(表示パネルのゲートライン数)に応じて選択される。すなわち、Nチャネルの出力を実現したい場合には、Nチャネル目の出力パッド13-NとFBパッド14とが接続される。
【0023】
レベルシフタ15は、FBパッド14から供給されたゲート信号GNの信号レベルをシフトしてタイミング信号sN_FBを生成する。レベルシフタ15は、レベルシフタ12-Nとは逆のレベルシフト、すなわち信号レベルをHVからLVにシフトするレベルシフトを行い、タイミング信号sN_FBを生成する。レベルシフタ15は、生成したタイミング信号sN_FBをエンド信号生成部11に供給する。
【0024】
本実施例のゲートドライバ回路100の動作について、図1のブロック図及び図2のタイムチャートを参照して説明する。
【0025】
シフトレジスタ10-1には、スタート信号stvi及びクロック信号clkが供給される。スタート信号stviは、ゲートドライバ回路100の動作の開始のタイミングを与える信号である。スタート信号stviは、例えば図2に示すように、クロック信号clkの1周期(以下、クロック周期と称する)の期間だけ論理レベル1(Hレベル)となり、それ以外の期間において論理レベル0(Lレベル)となる1パルスの信号である。
【0026】
シフトレジスタ10-1は、スタート信号stviをクロック信号clkの立ち上がりのタイミングで取込み、取り込んだ信号をシフトデータ信号s1として出力する。図2に示すようにスタート信号stviの立ち上がりのタイミングがクロック信号clkの立下りのタイミングと同一である場合には、スタート信号stviの位相を半クロック周期だけ遅らせた信号がシフトデータ信号s1となる。
【0027】
シフトレジスタ10-2は、シフトデータ信号s1を取込み、取り込んだシフトデータ信号s1の位相を1クロック周期だけ遅らせた信号をシフトデータ信号s2として出力する。
【0028】
以下同様に、シフトレジスタ10-3~10-960は、前段のシフトレジスタの出力信号を取込み、取り込んだ信号の位相を1クロック周期だけ遅らせた信号をシフトデータ信号s3~s960として出力する。これにより、1クロック周期分ずつ位相が遅延したシフトデータ信号が順次生成される。
【0029】
シフトデータ信号s1~s960は、レベルシフタ12-1~12-960に供給される。レベルシフタ12-1~12-960により、シフトデータ信号s1~s960の信号レベルをシフトしたゲート信号G1~G960が生成され、出力パッド13-1~13-960から出力される。
【0030】
出力パッド13-Nは、信号ラインL1を介してFBパッド14に接続されている。従って、ゲート信号GNが出力されるタイミングで、FBパッド14にゲート信号GNが入力される。
【0031】
FBパッド14からレベルシフタ15に入力されたゲート信号GNは、信号レベルがHVからLVにシフトされ、タイミング信号sN_FBとしてエンド信号生成部11に供給される。
【0032】
Nチャネル目のシフトレジスタの出力信号であるシフトデータ信号sNの信号レベルをLVからHVにシフトした信号がゲート信号GNであり、ゲート信号GNの信号レベルをHVからLVにシフトした信号がタイミング信号sN_FBである。従って、図2に破線矢印で示すように、シフトデータ信号sNがタイミング信号sN_FBとしてエンド信号生成部11に供給されることになる。
【0033】
エンド信号生成部11は、タイミング信号sN_FBをクロック信号clkの立下りのタイミングで取込み、エンド信号stvoとして出力する。
【0034】
以上の動作により、ゲート信号G1~GNが1フレーム分のゲート信号として出力される。
【0035】
本実施例のゲートドライバ回路100は、ゲート信号G1~G960のうちのN番目(Nチャネル目)のゲート信号GNの入力を受けるFBパッド14を有し、FBパッド14に入力されたゲート信号GNに基づいてエンド信号stvoを生成する。ゲート信号GNが出力されたタイミングに応じてエンド信号stvoが生成されるため、Nチャネル分のゲート信号G1~GNがゲートラインGL1~GLNに出力される。
【0036】
本実施例のゲートドライバ回路100では、ゲート信号GNを出力する出力パッド13-Nと、エンド信号生成部11にタイミング信号sN_FBを供給するFBパッド14と、が接続配線(信号ラインL1)によって接続されることにより、上記構成が実現されている。そして、当該接続配線は、ゲートドライバ回路100の内部ではなく、表示パネル上において配線されている。また、FBパッド14に接続する出力パッドは、所望のチャネル数に応じて出力パッド13-1~13-960の中から任意に選択することができる。
【0037】
このため、本実施例のゲートドライバ回路100によれば、セレクタや制御信号を増やすことなくチャネル数を選択することができる。従って、回路規模及びチップサイズを増大させることなく、所望のチャネル数に対応したゲート信号の出力を行うことができる。
【0038】
なお、エンド信号生成部11が出力したエンド信号stvoを、各シフトレジスタの動作を停止させるためのリセット信号として用いることも可能である。
【0039】
図3は、エンド信号stvoをリセット信号として用いる本実施例の変形例としてのドライバ回路100の構成を示すブロック図である。
【0040】
エンド信号生成部11は、エンド信号stvoを図示せぬタイミングコントローラに出力するとともに、リセット信号としてシフトレジスタ10-1~10-960に供給する。シフトレジスタ10-1~10-960は、エンド信号stvoの供給を受けて動作を停止する。
【0041】
図2のタイムチャートに示すように、エンド信号stvoは、Nチャネル目のシフトデータ信号sNの直後(図では半クロック周期後)に出力される。従って、図3のゲートドライバ回路100では、ゲート信号の出力がNチャネル目まで(G1~GNまで)完了すると、各シフトレジスタは動作を停止する。このため、シフトレジスタ10-N+1~10-960がシフトデータ信号の次段へのシフトを行うことなく、ゲートドライバ回路100は動作を停止する。従って、ゲートドライバ回路100の消費電力を抑えることができる。また、ゲートラインに接続されていない出力パッド(13-N+1~13-960)から信号が出力されないため、ノイズ等の影響を低減することができる。
【実施例2】
【0042】
図4及び図5は、本実施例のゲートドライバ回路200の構成を示す図である。ゲートドライバ回路200は、左右切替付シフトレジスタ20-1~20-960、エンド信号生成部21-L及び21-R、レベルシフタ22-1~22-960、出力パッド23-1~23-960、FBパッド24-L及び24-R、レベルシフタ25-L及び25-Rを含む。
【0043】
左右切替付シフトレジスタ20-1~20-960は、切替信号lrの供給を受けてシフトデータ信号のシフト方向を左右(順方向、逆方向)に切り替えることが可能に構成されている。
【0044】
シフト方向が右方向(順方向)である場合、左右切替付シフトレジスタ20-1は、図示せぬタイミングコントローラから供給されたスタート信号stvilをクロック信号clkの立ち上がりのタイミングで取込み、シフトデータ信号s1lとして後段のシフトレジスタである左右切替付シフトレジスタ20-2に供給する。
【0045】
左右切替付シフトレジスタ20-2~20-960は、実施例1のシフトレジスタ10-2~10-960と同様、左右切替付シフトレジスタ20-2、20-3・・・20-N、20-N+1・・・の順に、シフトデータ信号をシフトする。すなわち、左右切替付シフトレジスタ20-mは、前段の左右切替付シフトレジスタ20-(m-1)の出力信号であるシフトデータ信号s(m-1)lを取り込み、クロック信号clkのクロック周期分だけ遅延させた信号を、クロック信号clkの立ち上がりのタイミングでシフトデータ信号smlとして出力し、次段のシフトレジスタ20-(m+1)に供給する。
【0046】
一方、シフト方向が左方向(逆方向)である場合、左右切替付シフトレジスタ20-960は、図示せぬタイミングコントローラから供給されたスタート信号stvirをクロック信号clkの立ち上がりのタイミングで取込み、シフトデータ信号s960rとして後段のシフトレジスタである左右切替付シフトレジスタ20-959に供給する。
【0047】
左右切替付シフトレジスタ20-1~20-959は、左右切替付シフトレジスタ20-959、20-958・・・20-N+1、20-N・・・の順に、シフトデータ信号をシフトする。すなわち、左右切替付シフトレジスタ20-mは、前段の左右切替付シフトレジスタ20-(m+1)の出力信号であるシフトデータ信号s(m+1)rを取り込み、クロック信号clkのクロック周期分だけ遅延させた信号を、クロック信号clkの立ち上がりのタイミングでシフトデータ信号smrとして出力し、次段のシフトレジスタ20-(m-1)に供給する。
【0048】
エンド信号生成部21-Rは、シフト方向が右方向である場合にエンド信号を生成するエンド信号生成部であり、レベルシフタ25-Rの出力信号であるタイミング信号sN_FBRをクロック信号clkの立下りのタイミングで取込み、エンド信号stvorとして出力する。
【0049】
エンド信号生成部21-Lは、シフト方向が左方向である場合にエンド信号を生成するエンド信号生成部であり、レベルシフタ25-Lの出力信号であるタイミング信号sN_FBLをクロック信号clkの立下りのタイミングで取込み、エンド信号stvolとして出力する。
【0050】
レベルシフタ22-1~22-960は、シフトレジスタ20-1~20-960の出力信号であるシフトデータ信号s1o~s960oの信号レベルをLVからHVにシフトしてゲート信号G1~G960を生成し、出力パッド23-1~23-960に供給する。シフト方向が右方向である場合には、シフトデータ信号s1l~s960lがシフトデータ信号s1o~s960oとしてレベルシフタ22-1~22-960に供給される。シフト方向が左方向である場合には、シフトデータ信号s1r~s960rがシフトデータ信号s1o~s960oとしてレベルシフタ22-1~22-960に供給される。
【0051】
出力パッド23-1~23-960は、ゲート信号G1~G960をゲートドライバ回路200の外部に出力するための出力端である。Nチャネル目の出力パッド23-Nは、FBパッド24-R又はFBパッド24-Lに接続されている。
【0052】
具体的には、シフト方向が右方向である場合には、図4に示すように、出力パッド23-Nは、信号ラインL2を介してFBパッド24-Rに接続される。これにより、ゲート信号GNがFBパッド24-Rに供給される。
【0053】
一方、シフト方向が左方向である場合には、図5に示すように、出力パッド23-Nは、信号ラインL3を介してFBパッド24-Lに接続される。これにより、ゲート信号GNがFBパッド24-Lに供給される。
【0054】
FBパッド24-Rは、シフト方向が右方向である場合に、出力パッド23-Nから出力されたゲート信号GNをゲートドライバ回路200に取り込むための入力端である。シフト方向が右方向である場合、図4に示すように、FBパッド24-Rは、ゲート信号GNの入力を受け、当該ゲート信号GNをレベルシフタ25-Rに供給する。
【0055】
一方、シフト方向が左方向である場合、図5に示すように、FBパッド24-Rには、論理レベル0(Lレベル)に固定された信号が入力される。従って、FBパッド24-Rは、レベルシフタ25-Rに信号を供給しない。
【0056】
FBパッド24-Lは、シフト方向が左方向である場合に、出力パッド23-Nから出力されたゲート信号GNをゲートドライバ回路200に取り込むための入力パッドである。シフト方向が左方向である場合、図5に示すように、FBパッド24-Lは、ゲート信号GNの入力を受け、当該ゲート信号GNをレベルシフタ25-Lに供給する。
【0057】
一方、シフト方向が右方向である場合、図4に示すように、FBパッド24-Lには、論理レベル0(Lレベル)に固定された信号が入力される。従って、FBパッド24-Lは、レベルシフタ25-Lに信号を供給しない。
【0058】
レベルシフタ25-Rは、シフト方向が右方向である場合に、FBパッド24-Rから供給されたゲート信号GNの信号レベルをHVからLVにシフトしてタイミング信号sN_FBRを生成するレベルシフタである。レベルシフタ25-Rは、図4に示すように、タイミング信号sN_FBRをエンド信号生成部21-Rに供給する。
【0059】
レベルシフタ25-Lは、シフト方向が左方向である場合に、FBパッド24-Lから供給されたゲート信号GNの信号レベルをHVからLVにシフトしてタイミング信号sN_FBLを生成するレベルシフタである。レベルシフタ25-Lは、図5に示すように、タイミング信号sN_FBLをエンド信号生成部21-Lに供給する。
【0060】
次に、シフト方向が右方向である場合の本実施例のゲートドライバ回路200の動作について、図6のタイムチャートを参照して説明する。
【0061】
左右切替付シフトレジスタ20-1には、スタート信号stvil及びクロック信号clkが供給される。スタート信号stvilは、例えばクロック信号clkの1クロック周期の期間だけ論理レベル1(Hレベル)となり、それ以外の期間において論理レベル0(Lレベル)となる1パルスの信号である。
【0062】
左右切替付シフトレジスタ20-1は、スタート信号stvilをクロック信号clkの立ち上がりのタイミングで取込み、取り込んだ信号をシフトデータ信号s1lとして出力する。スタート信号stvilの立ち上がりのタイミングがクロック信号clkの立下りのタイミングと同一である場合には、スタート信号stvilの位相を半クロック周期だけ遅らせた信号がシフトデータ信号s1lとなる。
【0063】
左右切替付シフトレジスタ20-2は、シフトデータ信号s1lを取込み、取り込んだシフトデータ信号s1lの位相を1クロック周期だけ遅らせた信号をシフトデータ信号s2lとして出力する。
【0064】
以下同様に、左右切替付シフトレジスタ20-3~20-959は、前段のシフトレジスタの出力信号を取込み、取り込んだ信号の位相を1クロック周期だけ遅らせた信号をシフトデータ信号s3l~s959lとして出力する。これにより、1クロック周期分ずつ位相が遅延したシフトデータ信号が順次生成される。
【0065】
生成されたシフトデータ信号は、シフトデータ信号s1o~s960oとして、レベルシフタ22-1~22-960に供給される。レベルシフタ22-1~22-960により、シフトデータ信号s1o~s960oの信号レベルをシフトしたゲート信号G1~G960が生成され、出力パッド23-1~23-960から出力される。ゲート信号G1~G960のうち、ゲート信号G1~GNは、ゲートラインGL1~GLNに供給される。
【0066】
出力パッド23-Nは、信号ラインL2を介してFBパッド24-Rに接続されている。従って、ゲート信号GNが出力されるタイミングで、FBパッド24-Rにゲート信号GNが入力される。
【0067】
FBパッド24-Rからレベルシフタ25-Rに入力されたゲート信号GNは、信号レベルがHVからLVにシフトされ、タイミング信号sN_FBRとしてエンド信号生成部21-Rに供給される。
【0068】
Nチャネル目のシフトレジスタの出力信号であるシフトデータ信号sNl(sNo)の信号レベルをLVからHVにシフトした信号がゲート信号GNであり、ゲート信号GNの信号レベルをHVからLVにシフトした信号がタイミング信号sN_FBRである。従って、破線矢印で示すように、シフトデータ信号sNlがタイミング信号sN_FBRとしてエンド信号生成部21-Rに供給されることになる。
【0069】
エンド信号生成部21-Rは、タイミング信号sN_FBRをクロック信号clkの立下りのタイミングで取込み、エンド信号stvorとして出力する。
【0070】
以上の動作により、ゲート信号G1~GNが1フレーム分のゲート信号として出力される。
【0071】
次に、シフト方向が左方向である場合の本実施例のゲートドライバ回路200の動作について、図7のタイムチャートを参照して説明する。
【0072】
左右切替付シフトレジスタ20-960には、スタート信号stvir及びクロック信号clkが供給される。スタート信号stvirは、例えばクロック信号clkの1クロック周期の期間だけ論理レベル1(Hレベル)となり、それ以外の期間において論理レベル0(Lレベル)となる1パルスの信号である。
【0073】
左右切替付シフトレジスタ20-960は、スタート信号stvirをクロック信号clkの立ち上がりのタイミングで取込み、取り込んだ信号をシフトデータ信号s960rとして出力する。スタート信号stvirの立ち上がりのタイミングがクロック信号clkの立下りのタイミングと同一である場合には、スタート信号stvirの位相を半クロック周期だけ遅らせた信号がシフトデータ信号s960rとなる。
【0074】
左右切替付シフトレジスタ20-959は、シフトデータ信号s960rを取込み、取り込んだシフトデータ信号s960rの位相を1クロック周期だけ遅らせた信号をシフトデータ信号s959rとして出力する。
【0075】
以下同様に、左右切替付シフトレジスタ20-958~20-2は、前段のシフトレジスタの出力信号を取込み、取り込んだ信号の位相を1クロック周期だけ遅らせた信号をシフトデータ信号s958r~s2rとして出力する。これにより、1クロック周期分ずつ位相が遅延したシフトデータ信号が順次生成される。
【0076】
生成されたシフトデータ信号は、シフトデータ信号s1o~s960oとして、レベルシフタ22-1~22-960に供給される。レベルシフタ22-1~22-960により、シフトデータ信号s1o~s960oの信号レベルをシフトしたゲート信号G1~G960が生成され、出力パッド23-1~23-960から出力される。ゲート信号G1~G960のうち、ゲート信号GN~G960は、ゲートラインGLN~GL960に供給される。
【0077】
出力パッド23-Nは、信号ラインL3を介してFBパッド24-Lに接続されている。従って、ゲート信号GNが出力されるタイミングで、FBパッド24-Lにゲート信号GNが入力される。
【0078】
FBパッド24-Lからレベルシフタ25-Lに入力されたゲート信号GNは、信号レベルがHVからLVにシフトされ、タイミング信号sN_FBLとしてエンド信号生成部21-Lに供給される。
【0079】
Nチャネル目のシフトレジスタの出力信号であるシフトデータ信号sNr(sNo)の信号レベルをLVからHVにシフトした信号がゲート信号GNであり、ゲート信号GNの信号レベルをHVからLVにシフトした信号がタイミング信号sN_FBLである。従って、破線矢印で示すように、シフトデータ信号sNrがタイミング信号sN_FBLとしてエンド信号生成部21-Lに供給されることになる。
【0080】
エンド信号生成部21-Lは、タイミング信号sN_FBLをクロック信号clkの立下りのタイミングで取込み、エンド信号stvolとして出力する。
【0081】
以上の動作により、ゲート信号GN~G960が1フレーム分のゲート信号として出力される。
【0082】
本実施例のゲートドライバ回路200は、FBパッド24-R及び24-Lを有し、シフト方向が右方向である場合にはFBパッド24-Rが出力パッド23-Nに接続され、シフト方向が左方向である場合にはFBパッド24-Lが出力パッド23-Nに接続される。そして、シフト方向が右方向である場合には、FBパッド24-Rに入力されたゲート信号GNに基づいてエンド信号生成部21-Rがエンド信号stvorを生成し、シフト方向が左方向である場合には、FBパッド24-Lに入力されたゲート信号GNに基づいてエンド信号生成部21-Lがエンド信号stvolを生成する。
【0083】
ゲート信号GNが出力されたタイミングに応じてエンド信号stvor又はエンド信号stvolが生成されるため、シフト方向が右方向である場合にはNチャネル分のゲート信号G1~GNがゲートラインGL1~GLNに出力され、シフト方向が左方向である場合には(960-N+1)チャネル分のゲート信号GN~G960がゲートラインGLN~GL960に出力される。
【0084】
従って、本実施例のゲートドライバ回路200によれば、シフトレジスタによる信号のシフト方向が右方向又は左方向のいずれであっても、所望のチャネル数に対応したゲート信号の出力を行うことができる。
【0085】
また、実施例1と同様、表示パネル上に設けられた接続配線(信号ラインL2又はL3)によって、出力パッド23-NとFBパッド24-R又は24-Lとが接続されることにより、上記構成が実現されるため、セレクタや制御信号を増やすことなくチャネル数を選択することができる。従って、回路規模及びチップサイズを増大させることなく、所望のチャネル数に対応したゲート信号の出力を行うことができる。
【0086】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、1~960ch目までのシフトレジスタを有し、最大で960のチャネル数(ゲートライン数)に対応可能なゲートドライバ回路について説明した。しかし、最大のチャネル数はこれに限られず、k個(k:n以上の整数)のシフトレジスタを有するゲートドライバ回路に本発明を適用することが可能である。
【0087】
また、上記実施例における各レベルシフタは、ゲート出力(ゲート信号)をロジック信号に変換可能であれば良く、その回路構成は限定されない。
【0088】
また、実施例1において、エンド信号生成部11がエンド信号stvoをリセット信号としてシフトレジスタ10-1~10-960に供給する構成(図3)について説明したが、同様の構成を実施例2に適用しても良い。すなわち、実施例2において、エンド信号生成部21-R及び21-Lがエンド信号stvor及びstvolをリセット信号として左右切替付シフトレジスタ20-1~20-960に供給する構成としても良い。
【符号の説明】
【0089】
100,200 ゲートドライバ回路
10-1~10-960 シフトレジスタ
11 エンド信号生成部
12-1~12-960 レベルシフタ
13-1~13-960 出力パッド
14 FBパッド
15 レベルシフタ
20-1~20-960 左右切替付シフトレジスタ
21-R,21-L エンド信号生成部
22-1~22-960 レベルシフタ
23-1~23-960 出力パッド
24-R,24-L FBパッド
25-R,25-L レベルシフタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7