(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】照明制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/11 20200101AFI20220106BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20220106BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20220106BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20220106BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20220106BHJP
H05B 45/12 20200101ALI20220106BHJP
H05B 45/22 20200101ALI20220106BHJP
【FI】
H05B47/11
H05B47/155
H05B47/165
H05B47/18
H05B47/19
H05B45/12
H05B45/22
(21)【出願番号】P 2017194884
(22)【出願日】2017-10-05
【審査請求日】2020-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2016203010
(32)【優先日】2016-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100121119
【氏名又は名称】花村 泰伸
(72)【発明者】
【氏名】久米 弘記
(72)【発明者】
【氏名】清岡 昌吉
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-066458(JP,A)
【文献】特開2012-129021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00、47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、
所定色の値を基準値に設定する設定部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、
前記設定部は、
所定エリアにおける環境光の色の測定結果を前記基準値に設定するか、または、前記複数の照明器具のうち1つの照明器具における発光色の測定結果を前記基準値に設定
し、前記基準値に基づいた新たな基準値を設定し、
前記系統毎の減算部は、
前記設定部により設定された前記新たな基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出
し、
前記系統毎の制御部は、
当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定する、ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の照明制御装置において、
前記操作量を、色相(ヒュー)及び彩度(サチュレーション)、または色相(ヒュー)、彩度(サチュレーション)及び強度(インテンシティ)、または色温度、または色温度及びグリーン成分、またはRGB値、またはRGB値及び強度(インテンシティ)とすることを特徴とする照明制御装置。
【請求項3】
複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、
所定色の値を基準値に設定する設定部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、
前記系統毎の減算部は、
前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、
前記系統毎の制御部は、
当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、
前記複数の照明器具には、色相(ヒュー)及び彩度(サチュレーション)により発光色が操作される照明器具が含まれており、
前記照明器具の系統の制御部は、
前記彩度(サチュレーション)の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記色相(ヒュー)を算出し、前記差分が最小のときの前記色相(ヒュー)を固定色相(ヒュー)に決定し、
前記固定色相(ヒュー)にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記彩度(サチュレーション)を算出し、前記差分が最小のときの前記彩度(サチュレーション)を固定彩度(サチュレーション)に決定し、
前記固定色相(ヒュー)及び前記固定彩度(サチュレーション)にて前記照明器具の発光色を操作する、ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項4】
複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、
所定色の値を基準値に設定する設定部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、
前記系統毎の減算部は、
前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、
前記系統毎の制御部は、
当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、
前記複数の照明器具には、色温度及びグリーン成分により発光色が操作される照明器具が含まれており、
前記照明器具の系統の制御部は、
前記グリーン成分の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記色温度を算出し、前記差分が最小のときの前記色温度を固定色温度に決定し、
前記固定色温度にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記グリーン成分を算出し、前記差分が最小のときの前記グリーン成分を固定グリーン成分に決定し、
前記固定色温度及び前記固定グリーン成分にて前記照明器具の発光色を操作する、ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項5】
複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、
所定色の値を基準値に設定する設定部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、
前記系統毎の減算部は、
前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、
前記系統毎の制御部は、
当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、
前記複数の照明器具には、RGB値により発光色が操作される照明器具が含まれており、前記RGB値を構成する3つの成分値のそれぞれを第1の操作量、第2の操作量及び第3の操作量とし、
前記照明器具の系統の制御部は、
前記第2の操作量の所定値及び前記第3の操作量の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記第1の操作量を算出し、前記差分が最小のときの前記第1の操作量を第1の固定操作量に決定し、
前記第1の固定操作量及び前記第3の操作量の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記第2の操作量を算出し、前記差分が最小のときの前記第2の操作量を第2の固定操作量に決定し、
前記第1の固定操作量及び前記第2の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記第3の操作量を算出し、前記差分が最小のときの前記第3の操作量を第3の固定操作量に決定し、
前記第1の固定操作量、前記第2の固定操作量及び前記第3の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作する、ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項6】
複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、
所定色の値を基準値に設定する設定部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、
前記系統毎の減算部は、
前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、
前記系統毎の制御部は、
当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、
前記基準値及び前記測定結果をそれぞれRGB値とし、前記複数の照明器具には、色相(ヒュー)、彩度(サチュレーション)及び強度(インテンシティ)により発光色が操作される照明器具が含まれており、
前記照明器具の系統の制御部は、
前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち最大値を第1成分の基準成分値に設定し、
前記色相(ヒュー)の所定値及び前記彩度(サチュレーション)の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記強度(インテンシティ)をデクリメントし、前記測定結果の前記第1成分の値と前記第1成分の基準成分値との間の差分が最小となる前記強度(インテンシティ)を求め、当該強度(インテンシティ)を固定操作量に決定し、
前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち最小値を第3成分の基準成分値に設定し、
前記色相(ヒュー)の所定値及び前記強度(インテンシティ)の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記彩度(サチュレーション)をインクリメントし、前記測定結果の前記第3成分の値と前記第3成分の基準成分値との間の差分が最小となる前記彩度(サチュレーション)を求め、当該彩度(サチュレーション)を固定操作量に決定し、
前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち前記最大値及び前記最小値以外の残りの値を第2成分の基準成分値に設定し、
前記強度(インテンシティ)の固定操作量及び前記彩度(サチュレーション)の固定操作量に基づいて、色相(ヒュー)の初期値を設定し、
前記強度(インテンシティ)の固定操作量及び前記彩度(サチュレーション)の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記色相(ヒュー)を前記初期値からインクリメントし、前記測定結果の前記第2成分の値と前記第2成分の基準成分値との間の差分が最小となる前記色相(ヒュー)を求め、当該色相(ヒュー)を固定操作量に決定し、
前記強度(インテンシティ)の固定操作量、前記彩度(サチュレーション)の固定操作量及び前記色相(ヒュー)の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作する、ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項7】
複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、
所定色の値を基準値に設定する設定部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、
前記系統毎の減算部は、
前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、
前記系統毎の制御部は、
当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、
前記基準値及び前記測定結果をそれぞれRGB値とし、前記複数の照明器具には、RGB値により発光色が操作される照明器具が含まれており、
前記照明器具の系統の制御部は、
前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち最大値を第1成分の基準成分値に設定し、
前記第1成分以外の残りの2成分につきそれぞれの成分の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記第
1成分の操作量をデクリメントし、前記測定結果の前記第1成分の値と前記第1成分の基準成分値との間の差分が最小とな
る第1の操作量を求め、当該第1の操作量を固定操作量に決定し、
前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち最小値を第3成分の基準成分値に設定し、
前記第1成分の固定操作量及び残りの第2成分の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記第3成分の操作量をインクリメントし、前記測定結果の前記第3成分の値と前記第3成分の基準成分値との間の差分が最小となる前記第3成分の操作量を求め、当該第3成分の操作量を固定操作量に決定し、
前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち前記最大値及び前記最小値以外の残りの値を第2成分の基準成分値に設定し、
前記第1成分の固定操作量及び前記第3成分の固定操作量に基づいて、前記第2成分の操作量の初期値を設定し、
前記第1成分の固定操作量及び前記第3成分の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記第2成分の操作量を前記初期値からインクリメントし、前記測定結果の前記第2成分の値と前記第2成分の基準成分値との間の差分が最小となる前記第2成分の操作量を求め、当該第2成分の操作量を固定操作量に決定し、
前記第1成分の固定操作量、前記第2成分の固定操作量及び前記第3成分の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作する、ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項8】
複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、
所定色の値を基準値に設定する設定部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、
前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、
前記系統毎の減算部は、
前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、
前記系統毎の制御部は、
当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、
前記基準値及び前記測定結果をそれぞれRGB値とし、
前記系統毎の新たな制御部は、
当該系統における前記減算部により算出されたRGB成分毎の差分について、当該差分の絶対値を差分絶対値として算出する処理を第1処理とし、
RGBの各成分について順番に、前記差分絶対値が所定の許容範囲内となるように、当該成分の操作量を設定し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作する処理を第2処理として、
前記第2処理におけるRGBの各成分の順番を変えた6通りの組み合わせについて、前記第1処理及び前記第2処理を繰り返し行う、
ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項9】
請求項
8に記載の照明制御装置において、
前記第2処理を、当該成分の操作量を減少する際に当該成分の操作量が下限値である場合、他の2つの成分のうち少なくとも1つの操作量を増加し、当該成分の操作量を増加する際に当該成分の操作量が上限値である場合、他の2つの成分のうち少なくとも1つの操作量を減少する処理とする、ことを特徴とする照明制御装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から
9までのいずれか一項に記載の照明制御装置として機能させるための照明制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明の発光色を制御する照明制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送の制作現場では、所定エリア全体として統一した色合いの環境をつくるために、環境色と同じ色の光を照射する複数の照明器具が用いられる。一般に、照明器具には予め所定の色温度が規定されており、同じ色温度が規定された複数の照明器具を用いることにより、全体として統一した色合いの環境を実現することができる。
【0003】
また、複数の照明器具を遠隔操作することで、それぞれの照明器具の発光色を制御するシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このシステムは、リモートコントローラ、当該リモートコントローラと無線ネットワークを介して接続される設備制御ユニット、及び、当該設備制御ユニットと無線または有線ネットワークを介して接続される複数の照明器具を備えて構成される。
【0004】
リモートコントローラは、発光色を調節するための制御信号を設備制御ユニットへ送信し、設備制御ユニットは、制御信号に対応するコマンドを制御対象の照明器具へ送信する。そして、照明器具は、受信したコマンドに従って、多色LED光源のそれぞれの駆動回路の出力電流を調整することで、所望の色合いとなるようにその発光色が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のとおり、放送の制作現場では、予め規定された同じ色温度の複数の照明器具を用いることにより、全体として統一した色合いの環境をつくっている。
【0007】
しかしながら、予め規定された色温度が同じであっても、照明器具によって誤差があることから、照明器具間で実際の色温度が異なってしまう。これは、同じメーカから提供された複数の照明器具を用いた場合にはさほど問題にならないが、異なるメーカから提供された複数の照明器具を用いた場合に、特に顕著である。このため、同じ色温度が規定された複数の照明器具を用いたとしても、全体として統一した色合いの環境を実現することができない場合があるという問題があった。
【0008】
これに対応するために、オペレータは、複数の照明器具のそれぞれに対し、照明の発光色を目で直接的に判断したり、またはカメラ映像によって間接的に判断したりすることで、色温度を設定するための複数のパラメータを手動にて調整する必要があった。しかし、この手法では、複数の照明器具に対し、複数のパラメータを厳密に調整することは困難であり、時間もかかってしまう。
【0009】
また、前述の特許文献1の手法を用いることにより、リモートコントローラにより設定された所定の色温度を設定値として、当該設定値に、複数の照明器具におけるそれぞれの色温度を一致させることができるものと考えられる。しかし、前述のとおり、照明器具によって色温度の誤差があることから、色温度が同じ設定値に制御されたとしても、複数の照明器具においては、微妙に異なる色温度となってしまい、結果として、全体として統一した色合いの環境を実現することができない。
【0010】
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数の照明器具に対してそれぞれの発光色を制御することで、全体として統一した色合いの環境を実現可能な照明制御装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、請求項1の照明制御装置は、複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、所定色の値を基準値に設定する設定部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、前記設定部が、所定エリアにおける環境光の色の測定結果を前記基準値に設定するか、または、前記複数の照明器具のうち1つの照明器具における発光色の測定結果を前記基準値に設定し、前記基準値に基づいた新たな基準値を設定し、前記系統毎の減算部が、前記設定部により設定された前記新たな基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、前記系統毎の制御部が、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定する、ことを特徴とする。
【0014】
また、請求項2の照明制御装置は、請求項1に記載の照明制御装置において、前記操作量を、色相(ヒュー)及び彩度(サチュレーション)、または色相(ヒュー)、彩度(サチュレーション)及び強度(インテンシティ)、または色温度、または色温度及びグリーン成分、またはRGB値、またはRGB値及び強度(インテンシティ)とすることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3の照明制御装置は、複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、所定色の値を基準値に設定する設定部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、前記系統毎の減算部が、前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、前記系統毎の制御部が、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、前記複数の照明器具には、色相(ヒュー)及び彩度(サチュレーション)により発光色が操作される照明器具が含まれており、前記照明器具の系統の制御部が、前記彩度(サチュレーション)の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記色相(ヒュー)を算出し、前記差分が最小のときの前記色相(ヒュー)を固定色相(ヒュー)に決定し、前記固定色相(ヒュー)にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記彩度(サチュレーション)を算出し、前記差分が最小のときの前記彩度(サチュレーション)を固定彩度(サチュレーション)に決定し、前記固定色相(ヒュー)及び前記固定彩度(サチュレーション)にて前記照明器具の発光色を操作する、ことを特徴とする。
【0016】
また、請求項4の照明制御装置は、複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、所定色の値を基準値に設定する設定部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、前記系統毎の減算部が、前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、前記系統毎の制御部が、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、前記複数の照明器具には、色温度及びグリーン成分により発光色が操作される照明器具が含まれており、前記照明器具の系統の制御部が、前記グリーン成分の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記色温度を算出し、前記差分が最小のときの前記色温度を固定色温度に決定し、前記固定色温度にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記グリーン成分を算出し、前記差分が最小のときの前記グリーン成分を固定グリーン成分に決定し、前記固定色温度及び前記固定グリーン成分にて前記照明器具の発光色を操作する、ことを特徴とする。
【0017】
また、請求項5の照明制御装置は、複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、所定色の値を基準値に設定する設定部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、前記系統毎の減算部が、前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、前記系統毎の制御部が、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、前記複数の照明器具には、RGB値により発光色が操作される照明器具が含まれており、前記RGB値を構成する3つの成分値のそれぞれを第1の操作量、第2の操作量及び第3の操作量とし、前記照明器具の系統の制御部が、前記第2の操作量の所定値及び前記第3の操作量の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記第1の操作量を算出し、前記差分が最小のときの前記第1の操作量を第1の固定操作量に決定し、前記第1の固定操作量及び前記第3の操作量の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記第2の操作量を算出し、前記差分が最小のときの前記第2の操作量を第2の固定操作量に決定し、前記第1の固定操作量及び前記第2の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように、前記第3の操作量を算出し、前記差分が最小のときの前記第3の操作量を第3の固定操作量に決定し、前記第1の固定操作量、前記第2の固定操作量及び前記第3の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作する、ことを特徴とする。
【0018】
また、請求項6の照明制御装置は、複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、所定色の値を基準値に設定する設定部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、前記系統毎の減算部が、前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、前記系統毎の制御部が、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、前記基準値及び前記測定結果をそれぞれRGB値とし、前記複数の照明器具には、色相(ヒュー)、彩度(サチュレーション)及び強度(インテンシティ)により発光色が操作される照明器具が含まれており、前記照明器具の系統の制御部が、前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち最大値を第1成分の基準成分値に設定し、前記色相(ヒュー)の所定値及び前記彩度(サチュレーション)の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記強度(インテンシティ)をデクリメントし、前記測定結果の前記第1成分の値と前記第1成分の基準成分値との間の差分が最小となる前記強度(インテンシティ)を求め、当該強度(インテンシティ)を固定操作量に決定し、前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち最小値を第3成分の基準成分値に設定し、前記色相(ヒュー)の所定値及び前記強度(インテンシティ)の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記彩度(サチュレーション)をインクリメントし、前記測定結果の前記第3成分の値と前記第3成分の基準成分値との間の差分が最小となる前記彩度(サチュレーション)を求め、当該彩度(サチュレーション)を固定操作量に決定し、前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち前記最大値及び前記最小値以外の残りの値を第2成分の基準成分値に設定し、前記強度(インテンシティ)の固定操作量及び前記彩度(サチュレーション)の固定操作量に基づいて、色相(ヒュー)の初期値を設定し、前記強度(インテンシティ)の固定操作量及び前記彩度(サチュレーション)の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記色相(ヒュー)を前記初期値からインクリメントし、前記測定結果の前記第2成分の値と前記第2成分の基準成分値との間の差分が最小となる前記色相(ヒュー)を求め、当該色相(ヒュー)を固定操作量に決定し、前記強度(インテンシティ)の固定操作量、前記彩度(サチュレーション)の固定操作量及び前記色相(ヒュー)の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作する、ことを特徴とする。
【0019】
また、請求項7の照明制御装置は、複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、所定色の値を基準値に設定する設定部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、前記系統毎の減算部が、前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、前記系統毎の制御部が、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、前記基準値及び前記測定結果をそれぞれRGB値とし、前記複数の照明器具には、RGB値により発光色が操作される照明器具が含まれており、前記照明器具の系統の制御部が、前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち最大値を第1成分の基準成分値に設定し、前記第1成分以外の残りの2成分につきそれぞれの成分の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記第1成分の操作量をデクリメントし、前記測定結果の前記第1成分の値と前記第1成分の基準成分値との間の差分が最小となる第1の操作量を求め、当該第1の操作量を固定操作量に決定し、前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち最小値を第3成分の基準成分値に設定し、前記第1成分の固定操作量及び残りの第2成分の所定値にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記第3成分の操作量をインクリメントし、前記測定結果の前記第3成分の値と前記第3成分の基準成分値との間の差分が最小となる前記第3成分の操作量を求め、当該第3成分の操作量を固定操作量に決定し、前記基準値のRGB値を構成する各成分の値のうち前記最大値及び前記最小値以外の残りの値を第2成分の基準成分値に設定し、前記第1成分の固定操作量及び前記第3成分の固定操作量に基づいて、前記第2成分の操作量の初期値を設定し、前記第1成分の固定操作量及び前記第3成分の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作している状態で、前記第2成分の操作量を前記初期値からインクリメントし、前記測定結果の前記第2成分の値と前記第2成分の基準成分値との間の差分が最小となる前記第2成分の操作量を求め、当該第2成分の操作量を固定操作量に決定し、前記第1成分の固定操作量、前記第2成分の固定操作量及び前記第3成分の固定操作量にて前記照明器具の発光色を操作する、ことを特徴とする。
【0020】
また、請求項8の照明制御装置は、複数の照明器具の発光色を制御する照明制御装置において、所定色の値を基準値に設定する設定部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の減算部と、前記複数の照明器具のそれぞれに対応した系統毎の制御部と、を備え、前記系統毎の減算部が、前記設定部により設定された前記基準値と、当該系統における照明器具の発光色の測定結果との間の差分を算出し、前記系統毎の制御部が、当該系統の減算部により算出された前記差分が0となるように、または小さくなるように操作量を算出し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作し、前記差分が最小のときの前記操作量を固定操作量に決定し、前記基準値及び前記測定結果をそれぞれRGB値とし、前記系統毎の新たな制御部が、当該系統における前記減算部により算出されたRGB成分毎の差分について、当該差分の絶対値を差分絶対値として算出する処理を第1処理とし、RGBの各成分について順番に、前記差分絶対値が所定の許容範囲内となるように、当該成分の操作量を設定し、当該操作量にて当該系統の照明器具の発光色を操作する処理を第2処理として、前記第2処理におけるRGBの各成分の順番を変えた6通りの組み合わせについて、前記第1処理及び前記第2処理を繰り返し行う、ことを特徴とする。
【0021】
また、請求項9の照明制御装置は、請求項8に記載の照明制御装置において、前記第2処理を、当該成分の操作量を減少する際に当該成分の操作量が下限値である場合、他の2つの成分のうち少なくとも1つの操作量を増加し、当該成分の操作量を増加する際に当該成分の操作量が上限値である場合、他の2つの成分のうち少なくとも1つの操作量を減少する処理とする、ことを特徴とする。
【0022】
さらに、請求項10の照明制御プログラムは、コンピュータを、請求項1から9までのいずれか一項に記載の照明制御装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、複数の照明器具に対してそれぞれの発光色を制御することで、全体として統一した色合いの環境を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】放送の制作現場において照明の発光色を制御する全体システムの構成例を示す概略図である。
【
図2】照明制御装置の処理例を示すフローチャートである。
【
図3】環境光測定モードで動作する実施例1の照明制御装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】器具光測定モードで動作する実施例2の照明制御装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】制御部によるHS(色相及び彩度)制御の処理例を示すフローチャートである。
【
図6】制御部によるK(色温度)制御の処理例を示すフローチャートである。
【
図7】制御部によるKG(色温度及びグリーン成分)制御の処理例を示すフローチャートである。
【
図8】制御部によるRGB制御の処理例を示すフローチャートである。
【
図9】照明処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図10】HSI(色相、彩度及び強度)制御の具体例を示すフローチャートである。
【
図11】RGB制御の具体例を示すフローチャートである。
【
図12】RGB制御の他の具体例を示すフローチャートである。
【
図13】RGB値入力及び差分等更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図14】R処理ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【
図15】R減算処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図16】R加算処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図17】G処理ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【
図18】G減算処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図19】G加算処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図20】B処理ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【
図21】B減算処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図22】B加算処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔全体システム〕
図1は、放送の制作現場において照明の発光色を制御する全体システムの構成例を示す概略図である。このシステムは、ドラマ等を収録する制作現場において、基準となる環境光等に複数の照明器具の発光色を追従させることで、所定エリア全体として統一した色合いの環境を実現する。
【0026】
このシステムは、照明制御装置1、環境光測定装置2、照明処理装置3-1~3-N、及び当該照明処理装置3-1~3-Nに対応する照明器具4-1~4-Nを備えて構成される。Nは、2以上の正の整数である。環境光測定装置2及び照明制御装置1は、共に携帯可能な装置であり、オペレータOPにより所持される。
【0027】
照明制御装置1と環境光測定装置2及び照明処理装置3-1~3-Nとは、Wi-Fi(ワイファイ、登録商標)、Bluetooth(ブルートゥース、登録商標)等の無線通信路により接続される。
【0028】
オペレータOPは、制作現場内において、環境光の測定箇所へ環境光測定装置2を所持しながら移動させ、図示しないスイッチ等を操作することで、照明制御装置1に対し、環境光を測定する処理を実行させる。また、オペレータOPは、照明制御装置1を所持しながら操作することで、照明制御装置1に対し、後述する操作量等の様々な初期設定、環境光等への追従制御等を実行させ、また、手動にて照明器具4-1~4-Nの発光色を微調整する。
【0029】
照明制御装置1は、例えばタブレット型の操作端末であり、オペレータOPにより所持される。照明制御装置1は、環境光測定装置2から環境光の色の測定結果(以下、環境光の測定結果という。)を入力する。また、照明制御装置1は、照明処理装置3-1~3-Nから照明器具4-1~4-Nの発光色の測定結果(以下、器具光の測定結果という。)を入力する。照明制御装置1は、環境光の測定結果及び複数の器具光の測定結果のうち、予め設定された1つの測定結果を基準値に設定する。
【0030】
照明制御装置1は、基準値と、制御対象となる複数の器具光の測定結果との間の差分が0となるように、それぞれの操作量を算出して照明処理装置3-1~3-Nへ送信する。
【0031】
これにより、制御対象の複数の器具光を制御することができ、複数の器具光の測定結果は基準値に追従するようになり、結果として、制作現場は全体として統一した色合いの環境となる。
【0032】
環境光測定装置2は、例えばハンディ型の装置であり、オペレータOPにより所持される。環境光測定装置2は、環境光の色を測定し、環境光の測定結果を照明制御装置1へ送信する。
【0033】
照明処理装置3-1~3-Nは、照明器具4-1~4-Nに対応して設けられ、器具光の色を測定し、器具光の測定結果を照明制御装置1へ送信する。また、照明処理装置3-1~3-Nは、照明制御装置1から操作量を受信し、操作量に対応する器具光を、照明器具4-1~4-Nに照射させる。
【0034】
照明器具4-1~4-Nは、例えばLEDにより構成された器具であり、照明処理装置3-1~3-Nに対応して設けられ、照明処理装置3-1~3-Nから操作量を入力し、操作量に対応する器具光を照射する。
【0035】
尚、照明処理装置3-1~3-Nは、照明器具4-1~4-Nの外部に設置するようにしてもよいし、照明器具4-1~4-Nの内部に設置するようにしてもよい。後述する
図3、
図4及び
図9についても同様である。
【0036】
〔照明制御装置1の処理〕
次に、
図1に示した照明制御装置1の処理について説明する。
図2は、照明制御装置1の処理例を示すフローチャートである。照明制御装置1は、オペレータOPのキー操作に従い、初期設定を行う(ステップS201)。照明制御装置1は、初期設定として例えば、制御対象となる照明器具4-1~4-N及び制御の順番、照明器具4-1~4-Nの操作量の種類、操作量の初期値、器具光測定モード時の基準となる照明器具4-n等を設定する。nは、1~Nのうちのいずれかの数値である。
【0037】
照明器具4-1~4-Nの操作量の種類としては、例えば、HS(色相及び彩度)、HSI(色相、彩度及び強度)、K(色温度(ケルビン))、KG(色温度(ケルビン)及びグリーン成分)、RGB(赤成分、緑成分及び青成分)、及びRGBI(赤成分、緑成分、青成分及び強度)がある。
【0038】
HSは、照明の発光色を色相(Hue:ヒュー)及び彩度(Saturation:サチュレーション)にて制御する場合の操作量であり、HSIは、照明の発光色を色相、彩度及び強度(Intensity:インテンシティ)にて制御する場合の操作量である。Kは、照明の発光色を色温度にて制御する場合の操作量である。また、KGは、照明の発光色を色温度及びグリーン成分にて制御する場合の操作量である。このグリーン成分により色味が定められる。また、RGBは、照明の発光色をR成分、G成分及びB成分にて制御する場合の操作量であり、RGBIは、照明の発光色をR成分、G成分、B成分及び強度にて制御する場合の操作量である。
【0039】
以下、HSを操作量とした場合の制御、HSIを操作量とした場合の制御、Kを操作量とした場合の制御、KGを操作量とした場合の制御、RGBを操作量とした場合の制御及びRGBIを操作量とした場合の制御を、説明の便宜上、HS制御、HSI制御、K制御、KG制御、RGB制御及びRGBI制御という。
【0040】
照明制御装置1は、照明器具4-1~4-Nのそれぞれに対し、照明器具4-1~4-Nの仕様に応じた操作量(HS,HSI,K,KG,RGB,RGBI)を算出し、HS制御、HSI制御、K制御、KG制御、RGB制御及びRGBI制御のいずれかを行う。
【0041】
照明制御装置1は、オペレータOPのキー操作に従い、モードが環境光測定モードであるか、または器具光測定モードであるかを判定する(ステップS202)。照明制御装置1は、ステップS202において、モードが環境光測定モードであると判定した場合(ステップS202:環境光測定モード)、環境光測定装置2を用いて環境光の色を測定する(ステップS203)。照明制御装置1は、環境光測定装置2から環境光の測定結果(環境色の値)を受信する。
【0042】
一方、照明制御装置1は、ステップS202において、モードが器具光測定モードであると判定した場合(ステップS202:器具光測定モード)、ステップS201にて設定した器具光測定モード時の基準となる照明器具4-nに対応する照明処理装置3-nを用いて、照明器具4-nの器具光を測定する(ステップS204)。照明制御装置1は、照明器具4-nの器具光の測定結果(発光色の値)を、照明処理装置3-nから受信する。
【0043】
照明制御装置1は、環境光測定モード時に、ステップS203にて測定した環境光の測定結果を基準値に設定し、器具光モード時に、ステップS204にて測定した照明器具4-nの器具光の測定結果を基準値に設定する(ステップS205)。これにより、制作現場において全体として統一した色合いの基準値が設定される。
【0044】
照明制御装置1は、ステップS201にて設定した制御対象となる1番目の照明器具4-1を選定する(ステップS206)。そして、照明制御装置1は、ステップS205にて設定した基準値と、照明器具4-1の器具光の測定結果との間の差分が0となるように、操作量を算出して出力する(ステップS207)。これにより、照明器具4-1は、照明制御装置1により出力された操作量に基づいて、発光色を変化させる。
【0045】
照明制御装置1は、基準値と、照明器具4-1の器具光の測定結果との間の差分が最小値であるか否かを判定する(ステップS208)。そして、照明制御装置1は、ステップS208において、差分が最小値でないと判定した場合(ステップS208:N)、ステップS207へ移行し、ステップS207の処理を行う。このようなフィードバック制御により、ステップS207及びステップS208の処理が繰り返され、照明器具4-1の器具光の測定結果は、基準値に近づくこととなる。
【0046】
照明制御装置1は、ステップS208において、差分が最小値であると判定した場合(ステップS208:Y)、操作量の出力レベルを決定する(ステップS209)。これにより、照明制御装置1は、ステップS209にて決定した出力レベルにおける固定の操作量(固定操作量)を出力し続け、照明器具4-1の発光色を操作する。そして、照明器具4-1は、固定操作量に基づいた発光色の照明となり、照明器具4-1の器具光の測定結果は一定値となる。
【0047】
照明制御装置1は、全ての照明器具4-1~4-N(器具光測定モードの場合は照明器具4-nを除く照明器具4-1~4-N)について、ステップS207~ステップS209の処理が完了したか否かを判定する(ステップS210)。
【0048】
照明制御装置1は、ステップS210において、全ての照明器具4-1~4-Nの処理が完了していないと判定した場合(ステップS210:N)、制御対象となる2番目の照明器具4-2を選定し(ステップS211)、ステップS207へ移行する。そして、照明制御装置1は、照明器具4-2について、ステップS207~ステップS209の処理を行う。
【0049】
このようにして、制御対象となる全ての照明器具4-1~4-Nについて、ステップS207~ステップS209の処理が行われ、照明器具4-1~4-Nのそれぞれについて、操作量の出力レベルが決定される。
【0050】
これにより、制御対象の照明器具4-1~4-Nの器具光が制御され、それぞれの器具光の測定結果は基準値に追従するようになり、結果として、制作現場は全体として統一した色合いの環境となる。
【0051】
照明制御装置1は、ステップS210において、全ての照明器具4-1~4-Nの処理が完了したと判定した場合(ステップS210:Y)、オペレータOPによる操作量の微調整が行われる(ステップS212)。具体的には、照明制御装置1は、オペレータOPの操作に従い、照明器具4-1~4-Nのそれぞれについて、ステップS209にて決定した出力レベルにおける操作量を変更し、手動の操作量を出力する。これにより、照明器具4-1~4-Nは、オペレータOPによる手動の操作量に基づいて、発光色を変化させる。この場合、フィードバック制御は行われない。
【0052】
尚、
図2に示した処理例では、照明制御装置1は、制御対象となる照明器具4-1~4-Nのそれぞれに対し、順番にフィードバック制御を行い、操作量の出力レベルを決定するようにした。これに対し、照明制御装置1は、制御対象となる照明器具4-1~4-Nの全てに対し、同時にフィードバック制御を行い、操作量の出力レベルを決定するようにしてもよい。
【0053】
〔照明制御装置1/環境光測定モード〕
次に、
図1において、環境光測定モードで動作する照明制御装置1について説明する。
図3は、環境光測定モードで動作する実施例1の照明制御装置1の構成例を示すブロック図である。この照明制御装置1-1は、設定部10、減算部11-1~11-N、制御部12-1~12-N及び通信部13-0,13-1~13-Nを備えている。減算部11-1~11-N、制御部12-1~12-N及び通信部13-0,13-1~13-Nにより、1番目~N番目の系統が構成される。
【0054】
尚、照明制御装置1-1は、1番目~N番目の系統において、制御部12-1~12-Nと通信部13-1~13-Nとの間に切替部14-1~14-Nを備えているが、説明の都合上省略してある。切替部14-1~14-Nは、各系統において、自動の操作量の出力と手動の操作量の出力とを切り替える。
【0055】
設定部10は、オペレータOPの操作に従い、
図2のステップS201に示した初期設定を行う。また、設定部10は、オペレータOPの操作に従い、照明器具4-1~4―Nのそれぞれに対して初期の発光色の器具光とするために、操作量の初期値を、制御部12-1~12-Nに出力する。操作量の初期値は、図示しない切替部14-1~14-N及び通信部13-1~13-Nを介して、照明処理装置3-1~3-Nへ送信される。そして、照明器具4-1~4-Nは、操作量の初期値に応じた発光色に変化する。
【0056】
設定部10は、オペレータOPの操作に従い、照明器具4-1~4―Nのそれぞれに対して手動の発光色の器具光とするために、手動にて設定した操作量を、図示しない切替部14-1~14-Nに出力する。手動にて設定された操作量は、図示しない切替部14-1~14-N及び通信部13-1~13-Nを介して、照明処理装置3-1~3-Nへ送信される。そして、照明器具4-1~4-Nは、操作量に応じた発光色に変化する。
【0057】
設定部10は、環境光測定モードにおいて、オペレータOPの操作に従い、環境光を測定するために、通信部13-0から、環境光測定装置2により測定された環境光のRGB値を入力する。そして、設定部10は、環境光のRGB値を基準値RGB_Sに設定し、基準値RGB_Sを減算部11-1~11-Nに出力する。
【0058】
設定部10は、1番目~N番目までの系統を順番に動作させるために、図示しない制御信号を制御部12-1~12-Nに順次出力する。具体的には、設定部10は、
図2のフローチャートに示したとおり、1番目の系統を動作させるために、制御信号を制御部12-1に出力する。そして、設定部10は、制御部12-1により操作量の出力レベルが決定されたときに(
図2のステップS209)、2番目の系統を動作させるために、制御信号を制御部12-2に出力する。このように、1番目~N番目の系統を順番に動作させ、制御部12-1~12-Nにより、それぞれの操作量の出力レベルが決定される。
【0059】
減算部11-1は、設定部10から基準値RGB_Sを入力すると共に、通信部13-1から、照明処理装置3-1により測定された照明器具4-1の器具光のRGB値を入力する。そして、減算部11-1は、基準値RGB_Sから器具光のRGB値を減算し、減算結果である差分ΔRGBを制御部12-1に出力する。
【0060】
減算部11-2~11-Nは、減算部11-1と同様に、基準値RGB_Sと、対応する照明器具4-2~4-Nの器具光のRGB値との間の差分ΔRGBを制御部12-2~12-Nに出力する。
【0061】
制御部12-1は、減算部11-1から、基準値RGB_Sと器具光のRGB値との間の差分ΔRGBを入力し、差分ΔRGBが0となるように操作量を算出し、操作量を通信部13-1に出力する。また、制御部12-1は、差分ΔRGBが最小であると判定すると、最小のときの操作量を固定の操作量として通信部13-1に出力する。
【0062】
基準値RGB_Sは、RGBの各成分の基準値を示し、器具光のRGB値は、RGBの各成分の値を示し、差分ΔRGBは、RGBの各成分の差分値を示す。差分ΔRGBが0となるように操作量を算出するとは、RGBの各成分の差分値が0となるように操作量を算出することを意味する。また、差分ΔRGBが最小であると判定するとは、例えば、RGBのうち第1の成分の差分が最小であると判定し、第2の成分の差分が最小であると判定し、そして、第3の成分の差分が最小であると判定することを意味する。この場合、制御部12-1は、例えば、RGBの各成分における差分値の和(またはRGBの各成分における差分値の絶対値の和)が最小であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0063】
制御部12-2~12-Nは、制御部12-1と同様に、基準値RGB_Sと器具光のRGB値との間の差分ΔRGBが0となるように操作量を算出して通信部13-2~13-Nに出力し、差分ΔRGBが最小のときの操作量を固定の操作量として出力する。制御部12-1~12-Nの処理の詳細については後述する。
【0064】
尚、制御部12-1~12-Nは、設定部10から制御信号を入力すると制御の開始を判断し、制御の開始時に、
図2のステップS201にて初期設定された操作量の初期値を設定部10から入力して出力する。また、制御部12-1~12-Nは、予め設定された演算式またはテーブルを用いて、基準値RGB_Sに対応する操作量を算出し、これを操作量の初期値として出力するようにしてもよい。予め設定された演算式またはテーブルには、基準値RGB_Sを構成するR成分、G成分及びB成分の値と操作量との間の関係が規定されている。
【0065】
制御部12-1~12-Nは、例えばHS制御を行う場合、基準値RGB_Sに対応するヒューH及びサチュレーションSを算出し、これらをヒューHの操作量の初期値及びサチュレーションSの操作量の初期値として出力する。また、制御部12-1~12-Nは、例えばRGB制御を行う場合、基準値RGB_Sを構成するR成分、G成分及びB成分の値を、それぞれR成分の操作量の初期値、G成分の操作量の初期値及びB成分の操作量の初期値として出力する。この場合、制御部12-1~12-Nは、それぞれの初期値に予め設定されたそれぞれの係数を乗算し、乗算結果を初期値として出力するようにしてもよい。
【0066】
通信部13-0は、環境光測定装置2から無線通信路を介して、環境光測定装置2により測定された環境光のRGB値を受信し、環境光のRGB値を設定部10に出力する。
【0067】
通信部13-1は、照明処理装置3-1~3-Nに備えた通信部30との間で、照明制御信号を送受信する。具体的には、通信部13-1は、制御部12-1から操作量を入力し、操作量を照明制御信号に変換し、照明制御信号を、無線通信路を介して照明処理装置3-1へ送信する。また、通信部13-1は、照明処理装置3-1から無線通信路を介して、照明処理装置3-1により測定された照明器具4-1の器具光のRGB値を受信し、器具光のRGB値を減算部11-1に出力する。
【0068】
通信部13-2~13-Nは、通信部13-1と同様に、制御部12-2~12-Nから操作量を入力し、照明制御信号を、無線通信路を介して照明処理装置3-2~3-Nへ送信する。また、通信部13-2~13-Nは、通信部13-1と同様に、照明処理装置3-2~3-Nから無線通信路を介して、照明器具4-2~4-Nの器具光のRGB値を受信し、器具光のRGB値を減算部11-2~11-Nに出力する。
【0069】
これにより、制御対象の照明器具4-1~4-Nの器具光が制御され、それぞれの器具光のRGB値は基準値RGB_Sに追従するようになり、結果として、制作現場は全体として統一した色合いの環境となる。
【0070】
〔照明制御装置1/器具光測定モード〕
次に、
図1において、器具光測定モードで動作する照明制御装置1について説明する。
図4は、器具光測定モードで動作する実施例2の照明制御装置1の構成例を示すブロック図である。この照明制御装置1-2は、
図3に示した照明制御装置1-1と同様に、1番目~N番目のN系統にて構成され、設定部10’、減算部11-1,・・・,11-n,・・・,11-N、制御部12-1,・・・12-n,・・・,12-N、通信部13-0,13-1,・・・,13-n,・・・,13-N及び切替部14-nを備えている。構成部における実線は、器具光測定モードにて動作することを示し、点線は、器具光測定モードでは動作しないことを示す。
【0071】
また、器具光測定モード時の基準となる器具を照明器具4-nとする。このため、照明制御装置1-2におけるn番目の系統には、切替部14-nが明示的に示されている。照明制御装置1-2は、照明制御装置1-1と同様に、1番目~N番目の系統において、制御部12-1~12-Nと通信部13-1~13-Nとの間に切替部14-1~14-Nを備えているが、切替部14-n以外は、説明の都合上省略してある。
【0072】
設定部10’は、
図3に示した設定部10と同様の処理を行う。ここで、設定部10’は、オペレータOPの操作に従い、照明器具4-nに対して手動にて発光色を変化させる際に、手動を示す切替信号*nを切替部14-nに出力した後、手動にて設定した手動操作量#nを切替部14-nに出力する。手動にて設定された手動操作量#nは、切替部14-n及び通信部13-nを介して、照明処理装置3-nへ送信される。そして、照明器具4-nは、操作量に応じた発光色に変化する。照明器具4-nを除く照明器具4-1~4-Nについても同様である。
【0073】
設定部10’は、器具光測定モードにおいて、照明器具4-nに対して手動にて発光色を変化させた後、オペレータOPの操作に従い、基準となる照明器具4-nの器具光を測定する。具体的には、設定部10’は、通信部13-nから、照明処理装置3-nにより測定された照明器具4-nの器具光のRGB値を入力する。そして、設定部10’は、照明器具4-nの器具光のRGB値を基準値RGB_Sに設定し、基準値RGB_Sを、減算部11-nを除く減算部11-1~11-Nに出力する。
【0074】
設定部10’は、n番目の系統を除く1番目~N番目の系統を順番に動作させるために、図示しない制御信号を、制御部12-nを除く制御部12-1~12-Nに順次出力する。
【0075】
減算部11-1~11-N、制御部12-1~12-N及び通信部13-0,13-1~13-Nは、
図3に示したそれぞれの構成部と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0076】
これにより、照明器具4-nを除く制御対象の照明器具4-1~4-Nの器具光が制御される。そして、それぞれの器具光のRGB値は、基準となる照明器具4-nの器具光の測定結果を基準値RGB_Sとして、当該基準値RGB_Sに追従するようになる。結果として、制作現場は全体として、統一した色合いの環境となる。
【0077】
〔制御部12〕
次に、
図3及び
図4に示した制御部12-1~12-N(総称して制御部12とする。)の処理について詳細に説明する。制御部12は、照明器具4-1~4-N(総称して照明器具4とする。)の操作量(HS,HSI,K,KG,RGB,RGBI)の種類に応じた処理、すなわち照明器具4-1~4-Nの仕様に応じた処理を行う。処理の種類は、初期設定において、照明器具4の操作量の種類に応じて決定される。減算部11-1~11-Nは総称して減算部11とし、通信部13-1~13-Nは総称して通信部13とし、照明処理装置3-1~3-Nは総称して照明処理装置3とする。以下、制御部12の処理として、HS制御、HSI制御、K制御、KG制御及びRGB制御の5種類を例に挙げて説明する。
【0078】
(HS制御)
まず、HS制御について説明する。前述のとおり、HS制御は、照明の発光色を、ヒューH及びサチュレーションSを用いて制御する方式である。操作量は、ヒューH及びサチュレーションSである。このHS制御は、ヒューH及びサチュレーションSを入力パラメータとした仕様を有する照明器具4に適用がある。
【0079】
図5は、制御部12によるHS制御の処理例を示すフローチャートである。制御部12は、初期設定された操作量(ヒューHの所定値及びサチュレーションSの所定値)を通信部13に出力する(ステップS501)。これにより、ヒューHの所定値及びサチュレーションSの所定値は、照明制御装置1から無線通信路を介して照明処理装置3へ送信され、照明処理装置3から照明器具4へ送信される。そして、照明器具4は、ヒューHの所定値及びサチュレーションSの所定値に応じた発光色にて発光し、当該発光色のRGB値が、照明処理装置3から無線通信路を介して照明制御装置1へ送信される。
【0080】
制御部12は、基準値RGB_Sと照明処理装置3から受信したRGB値(測定結果のRGB値)との間の差分ΔRGB=0となるように、ヒューHを算出する。そして、制御部12は、算出したヒューHを通信部13に出力する(ステップS502)。この場合、制御部12は、サチュレーションSの所定値を固定値として通信部13に出力する。
【0081】
例えば、制御部12は、差分ΔRGBがプラスの場合、すなわち基準値RGB_S>測定結果のRGB値の場合、測定結果のRGB値が大きくなるように、差分ΔRGBの大きさに応じた正の所定値をヒューHに加算し、加算結果のヒューHを通信部13に出力する。一方、制御部12は、差分ΔRGBがマイナスの場合、すなわち基準値RGB_S<測定結果のRGB値の場合、測定結果のRGB値が小さくなるように、差分ΔRGBの大きさに応じた正の所定値をヒューHから減算し、減算結果のヒューHを通信部13に出力する。後述するステップS505、
図6のステップS602等についても同様である。
【0082】
制御部12は、差分ΔRGBの絶対値|ΔRGB|が最小であるか否か(差分ΔRGBが最も0に近いか否か)を判定する(ステップS503)。制御部12は、ステップS503において、差分ΔRGBの絶対値が最小でないと判定した場合(ステップS503:N)、ステップS502へ移行し、ステップS502及びステップS503の処理を繰り返す。
【0083】
制御部12は、ステップS503において、差分ΔRGBの絶対値が最小であると判定した場合(ステップS503:Y)、そのときのヒューHにおける出力レベルを固定の出力レベルに決定する(ステップS504)。そして、制御部12は、当該出力レベルのヒューHを固定値として通信部13に出力する。
【0084】
例えば、制御部12は、ステップS503の判定を行うサンプリング毎に差分ΔRGBを記憶し、差分ΔRGBの絶対値|ΔRGB|の極小値の有無を判断する。制御部12は、当該極小値が存在しない場合、差分ΔRGBの絶対値が最小でないと判定し、当該極小値が存在する場合、その差分ΔRGBの絶対値が最小であると判定する。後述するステップS506、
図6のステップS603等においても同様である。
【0085】
制御部12は、ステップS504の後、基準値RGB_Sと照明処理装置3から受信したRGB値(測定結果のRGB値)との間の差分ΔRGB=0となるように、サチュレーションSを算出する。そして、制御部12は、算出したサチュレーションSを通信部13に出力する(ステップS505)。この場合、制御部12は、ステップS504にて決定した出力レベルのヒューHを固定値として通信部13に出力する。
【0086】
制御部12は、差分ΔRGBの絶対値|ΔRGB|が最小であるか否かを判定する(ステップS506)。制御部12は、ステップS506において、差分ΔRGBの絶対値が最小でないと判定した場合(ステップS506:N)、ステップS505へ移行し、ステップS505及びステップS506の処理を繰り返す。
【0087】
制御部12は、ステップS506において、差分ΔRGBの絶対値が最小であると判定した場合(ステップS506:Y)、そのときのサチュレーションSにおける出力レベルを固定の出力レベルに決定する(ステップS507)。そして、制御部12は、当該出力レベルのサチュレーションSを固定値として通信部13に出力する。
【0088】
尚、制御部12は、ステップS504からステップS505へ移行した際に、既に差分ΔRGB=0の場合、ステップS505及びステップS506の処理を行わない。そして、制御部12は、ステップS507において、ステップS501にて出力したサチュレーションSの所定値における出力レベルを固定の出力レベルに決定し、当該出力レベルのサチュレーションSを固定値として通信部13に出力する。
【0089】
また、制御部12は、先にヒューHを制御し、後にサチュレーションSを制御するようにしたが、先にサチュレーションSを制御し、後にヒューHを制御するようにしてもよい。
【0090】
このように、
図5に示したHS制御により、ヒューH及びサチュレーションSを入力パラメータとした仕様を有する照明器具4の器具光が制御され、器具光のRGB値は基準値RGB_Sに追従するようになる。
【0091】
(HSI制御の具体例)
次に、
図5に示したHS制御の具体例について、HS制御に強度であるインテンシティIを加えたHSI制御を例にして説明する。前述のとおり、HSI制御は、照明の発光色を、ヒューH、サチュレーションS及びインテンシティIを用いて制御する方式である。操作量は、ヒューH、サチュレーションS及びインテンシティIである。このHSI制御は、ヒューH、サチュレーションS及びインテンシティIを入力パラメータとした仕様を有する照明器具4に適用がある。
【0092】
図10は、HSI制御の具体例を示すフローチャートである。以下、基準成分値x1t,x2t,x3t、測定結果の値x1m,x2m,x3m、インテンシティI及びサチュレーションSの範囲を0~255とし、ヒューHの範囲を0~360度とする。
【0093】
制御部12は、設定部10,10’から基準値RGB_Sを入力する。そして、制御部12は、基準値RGB_Sを構成するR成分の基準値、G成分の基準値及びB成分の基準値のうちの最大値を基準成分値x1tに設定する(ステップS1001)。
【0094】
尚、制御部12は、ステップS1001において、基準値RGB_Sを構成するR成分の基準値、G成分の基準値及びB成分の基準値の代わりに、操作量の初期値に対する測定結果である器具光のRGB値を構成するR成分の値、G成分の値及びB成分の値を用いるようにしてもよい。この場合の操作量の初期値は、オペレータのキー操作により予め設定された値、または基準値RGB_Sである。
【0095】
制御部12は、インテンシティIに255を設定し(ステップS1002:I=255)、インテンシティIの操作量を出力する。これにより、初期設定されたヒューHの所定値及びサチュレーションSの所定値、並びにインテンシティI=255を操作量として、照明器具4が発光する。
【0096】
制御部12は、減算部11から、基準値RGB_Sと測定結果のRGB値との間の差分Δを入力し、差分Δのうち、基準成分値x1tと同じ成分の差分が0であるか否かを判定する。すなわち、制御部12は、基準成分値x1tと同じ成分について、測定結果の値x1mと基準成分値x1tとが同じであるか否かを判定する(ステップS1003)。
【0097】
この場合、制御部12は、測定結果の値x1mと基準成分値x1tとの間の差分が最小であるか否かを判定するようにしてもよい。後述するステップS1007及びステップS1011についても同様である。
【0098】
制御部12は、ステップS1003において、測定結果の値x1mと基準成分値x1tとが同じでないと判定した場合(ステップS1003:N)、インテンシティIをデクリメントする(ステップS1004:I=I-1)。そして、制御部12は、デクリメント後のインテンシティIの操作量を出力し、ステップS1003及びステップS1004の処理を繰り返す。これにより、初期設定されたヒューHの所定値及びサチュレーションSの所定値、並びにデクリメント後のインテンシティIを操作量として、照明器具4が発光する。
【0099】
制御部12は、ステップS1003において、測定結果の値x1mと基準成分値x1tとが同じであると判定した場合(ステップS1003:Y)、そのときのインテンシティIを固定値として出力する。
【0100】
制御部12は、ステップS1001にて設定した基準成分値x1tの成分以外の残りの2成分の基準値について、小さい方の基準値(最小値)を基準成分値x3tに設定する(ステップS1005)。
【0101】
制御部12は、サチュレーションSに0を設定し(ステップS1006:S=0)、サチュレーションSの操作量を出力する。これにより、初期設定されたヒューHの所定値、サチュレーションS=0、及びインテンシティIの固定値を操作量として、照明器具4が発光する。
【0102】
制御部12は、減算部11から、基準値RGB_Sと測定結果のRGB値との間の差分Δを入力し、差分Δのうち、基準成分値x3tと同じ成分の差分が0であるか否かを判定する。すなわち、制御部12は、基準成分値x3tと同じ成分について、測定結果の値x3mと基準成分値x3tとが同じであるか否かを判定する(ステップS1007)。
【0103】
制御部12は、ステップS1007において、測定結果の値x3mと基準成分値x3tとが同じでないと判定した場合(ステップS1007:N)、サチュレーションSをインクリメントする(ステップS1008:S=S+1)。そして、制御部12は、インクリメント後のサチュレーションSの操作量を出力し、ステップS1007及びステップS1008の処理を繰り返す。これにより、初期設定されたヒューHの所定値、インクリメント後のサチュレーションS、及びインテンシティIの固定値を操作量として、照明器具4が発光する。
【0104】
制御部12は、ステップS1007において、測定結果の値x3mと基準成分値x3tとが同じであると判定した場合(ステップS1007:Y)、そのときのサチュレーションSを固定値として出力する。
【0105】
制御部12は、ステップS1001及びステップS1005にて設定した基準成分値x1t,x3tの成分以外の残りの成分の基準値について、当該基準値を基準成分値x2tに設定する(ステップS1009)。
【0106】
制御部12は、ステップS1001及びステップS1005にて設定した基準成分値x1t,x3tの成分の種類に基づいて初期値H0を設定し、これをヒューHに設定し(ステップS1010:H=H0)、ヒューHの操作量を出力する。これにより、ヒューH=H0、サチュレーションSの固定値、及びインテンシティIの固定値を操作量として、照明器具4が発光する。
【0107】
具体的には、制御部12は、基準成分値x1tの成分(最大成分)がG、基準成分値x3tの成分(最小成分)がBの場合、初期値H0=60としてヒューH=60を設定する。そして、制御部12は、後述の処理にて、R成分について測定結果の値x2mと基準成分値x2tとを比較し、ヒューHの固定値を求める。これは、R成分、G成分及びB成分のうち最大成分をG成分と仮定すると、当該R成分、G成分及びB成分の色に対応するヒューHはH=60~180度のいずれかの値をとり、そして、残りのR成分及びB成分のうちB成分が小さいと仮定すると、ヒューHはH=60~120度のいずれかの値をとるからである。
【0108】
また、制御部12は、基準成分値x1tの成分(最大成分)がG、基準成分値x3tの成分(最小成分)がRの場合、初期値H0=120としてヒューH=120を設定する。そして、制御部12は、後述の処理にて、B成分について測定結果の値x2mと基準成分値x2tとを比較し、ヒューHの固定値を求める。これは、R成分、G成分及びB成分のうち最大成分をG成分と仮定すると、当該R成分、G成分及びB成分の色に対応するヒューHはH=60~180度のいずれかの値をとり、そして、残りのR成分及びB成分のうちR成分が小さいと仮定すると、ヒューHはH=120~180度のいずれかの値をとるからである。
【0109】
ヒューHの初期値H0について整理すると以下のとおりとなる。基準成分値x1tの成分(最大成分)がR、基準成分値x3tの成分(最小成分)がBの場合、初期値H0=0が設定され、基準成分値x1tの成分(最大成分)がR、基準成分値x3tの成分(最小成分)がGの場合、初期値H0=300が設定される。
【0110】
また、基準成分値x1tの成分(最大成分)がG、基準成分値x3tの成分(最小成分)がRの場合、初期値H0=120が設定され、基準成分値x1tの成分(最大成分)がG、基準成分値x3tの成分(最小成分)がBの場合、初期値H0=60が設定される。
【0111】
また、基準成分値x1tの成分(最大成分)がB、基準成分値x3tの成分(最小成分)がRの場合、初期値H0=180が設定され、基準成分値x1tの成分(最大成分)がB、基準成分値x3tの成分(最小成分)がGの場合、初期値H0=240が設定される。
【0112】
制御部12は、ステップS1010から移行して、減算部11から、基準値RGB_Sと測定結果のRGB値との間の差分Δを入力し、差分Δのうち、基準成分値x2tと同じ成分の差分が0であるか否かを判定する。すなわち、制御部12は、基準成分値x2tと同じ成分について、測定結果の値x2mと基準成分値x2tとが同じであるか否かを判定する(ステップS1011)。
【0113】
制御部12は、ステップS1011において、測定結果の値x2mと基準成分値x2tとが同じでないと判定した場合(ステップS1011:N)、ヒューHをインクリメントする(ステップS1012:H=H+1)。そして、制御部12は、インクリメント後のヒューHの操作量を出力し、ステップS1011及びステップS1012の処理を繰り返す。これにより、インクリメント後のヒューH、サチュレーションSの固定値、及びインテンシティIの固定値を操作量として、照明器具4が発光する。
【0114】
制御部12は、ステップS1011において、測定結果の値x2mと基準成分値x2tとが同じであると判定した場合(ステップS1011:Y)、そのときのヒューHを固定値として出力する。これにより、ヒューHの固定値、サチュレーションSの固定値、及びインテンシティIの固定値を操作量として、照明器具4が発光する。
【0115】
このように、
図10に示したHSI制御の具体例により、ヒューH、サチュレーションS及びインテンシティIを入力パラメータとした仕様を有する照明器具4の器具光が制御され、器具光のRGB値は基準値RGB_Sに追従するようになる。
【0116】
(K制御)
次に、K制御について説明する。前述のとおり、K制御は、照明の発光色を、色温度Kを用いて制御する方式である。操作量は、色温度Kである。このK制御は、色温度Kを入力パラメータとした仕様を有する照明器具4に適用がある。
【0117】
図6は、制御部12によるK制御の処理例を示すフローチャートである。制御部12は、初期設定された操作量(色温度Kの所定値)を通信部13に出力する(ステップS601)。これにより、色温度Kの所定値は、照明制御装置1から無線通信路を介して照明処理装置3へ送信され、照明処理装置3から照明器具4へ送信される。そして、照明器具4は、色温度Kの所定値に応じた発光色にて発光し、当該発光色のRGB値が、照明処理装置3から無線通信路を介して照明制御装置1へ送信される。
【0118】
制御部12は、基準値RGB_Sと照明処理装置3から受信したRGB値(測定結果のRGB値)との間の差分ΔRGB=0となるように、色温度Kを算出する。そして、制御部12は、算出した色温度Kを通信部13に出力する(ステップS602)。
【0119】
制御部12は、差分ΔRGBの絶対値|ΔRGB|が最小であるか否か(差分ΔRGBが最も0に近いか否か)を判定する(ステップS603)。制御部12は、ステップS603において、差分ΔRGBの絶対値が最小でないと判定した場合(ステップS603:N)、ステップS602へ移行し、ステップS602及びステップS603の処理を繰り返す。
【0120】
制御部12は、ステップS603において、差分ΔRGBの絶対値が最小であると判定した場合(ステップS603:Y)、そのときの色温度Kにおける出力レベルを固定の出力レベルに決定し(ステップS604)、当該出力レベルの色温度Kを固定値として通信部13に出力する。
【0121】
このように、
図6に示したK制御により、色温度Kを入力パラメータとした仕様を有する照明器具4の器具光が制御され、器具光のRGB値は基準値RGB_Sに追従するようになる。
【0122】
(KG制御)
次に、KG制御について説明する。前述のとおり、KG制御は、照明の発光色を、色温度K及びグリーン成分Gを用いて制御する方式であり、グリーン成分Gにより色味が定められる。操作量は、色温度K及びグリーン成分Gである。このKG制御は、色温度K及びグリーン成分Gを入力パラメータとした仕様を有する照明器具4に適用がある。
【0123】
図7は、制御部12によるKG制御の処理例を示すフローチャートである。制御部12は、初期設定された操作量(色温度Kの所定値及びグリーン成分Gの所定値)を通信部13に出力する(ステップS701)。これにより、色温度Kの所定値及びグリーン成分Gの所定値は、照明制御装置1から無線通信路を介して照明処理装置3へ送信され、照明処理装置3から照明器具4へ送信される。そして、照明器具4は、色温度Kの所定値及びグリーン成分Gの所定値に応じた発光色にて発光し、当該発光色のRGB値が、照明処理装置3から無線通信路を介して照明制御装置1へ送信される。
【0124】
制御部12は、基準値RGB_Sと照明処理装置3から受信したRGB値(測定結果のRGB値)との間の差分ΔRGB=0となるように、色温度Kを算出する。そして、制御部12は、算出した色温度Kを通信部13に出力する(ステップS702)。この場合、制御部12は、グリーン成分Gの所定値を固定値として通信部13に出力する。
【0125】
制御部12は、差分ΔRGBの絶対値|ΔRGB|が最小であるか否か(差分ΔRGBが最も0に近いか否か)を判定する(ステップS703)。制御部12は、ステップS703において、差分ΔRGBの絶対値が最小でないと判定した場合(ステップS703:N)、ステップS702へ移行し、ステップS702及びステップS703の処理を繰り返す。
【0126】
制御部12は、ステップS703において、差分ΔRGBの絶対値が最小であると判定した場合(ステップS703:Y)、そのときの色温度Kにおける出力レベルを固定の出力レベルに決定する(ステップS704)。そして、制御部12は、当該出力レベルの色温度Kを固定値として通信部13に出力する。
【0127】
制御部12は、ステップS704の後、基準値RGB_Sと照明処理装置3から受信したRGB値(測定結果のRGB値)との間の差分ΔRGB=0となるように、グリーン成分Gを算出し、算出したグリーン成分Gを通信部13に出力する(ステップS705)。この場合、制御部12は、ステップS704にて決定した出力レベルの色温度Kを固定値として通信部13に出力する。
【0128】
制御部12は、差分ΔRGBの絶対値|ΔRGB|が最小であるか否かを判定する(ステップS706)。制御部12は、ステップS706において、差分ΔRGBの絶対値が最小でないと判定した場合(ステップS706:N)、ステップS705へ移行し、ステップS705及びステップS706の処理を繰り返す。
【0129】
制御部12は、ステップS706において、差分ΔRGBの絶対値が最小であると判定した場合(ステップS706:Y)、そのときのグリーン成分Gにおける出力レベルを固定の出力レベルに決定する(ステップS707)。そして、制御部12は、当該出力レベルのグリーン成分Gを固定値として通信部13に出力する。
【0130】
尚、制御部12は、ステップS704からステップS705へ移行した際に、既に差分ΔRGB=0の場合、ステップS705及びステップS706の処理を行わない。そして、制御部12は、ステップS707において、ステップS701にて出力したグリーン成分Gの所定値における出力レベルを固定の出力レベルに決定し、当該出力レベルのグリーン成分Gを固定値として通信部13に出力する。
【0131】
また、制御部12は、先に色温度Kを制御し、後にグリーン成分Gを制御するようにしたが、先にグリーン成分Gを制御し、後に色温度Kを制御するようにしてもよい。
【0132】
このように、
図7に示したKG制御により、色温度K及びグリーン成分Gを入力パラメータとした仕様を有する照明器具4の器具光が制御され、器具光のRGB値は基準値RGB_Sに追従するようになる。
【0133】
(RGB制御)
次に、RGB制御について説明する。前述のとおり、RGB制御は、照明の発光色を、R成分、G成分及びB成分を用いて制御する方式である。操作量は、R成分値、G成分値及びB成分値である。このRGB制御は、R成分、G成分及びB成分を入力パラメータとした仕様を有する照明器具4に適用がある。
【0134】
図8は、制御部12によるRGB制御の処理例を示すフローチャートである。制御部12は、初期設定された操作量(R成分の所定値、G成分の所定値及びB成分の所定値)を通信部13に出力する(ステップS801)。これにより、R成分の所定値、G成分の所定値及びB成分の所定値は、照明制御装置1から無線通信路を介して照明処理装置3へ送信され、照明処理装置3から照明器具4へ送信される。そして、照明器具4は、R成分の所定値、G成分の所定値及びB成分の所定値に応じた発光色にて発光し、当該発光色のRGB値が、照明処理装置3から無線通信路を介して照明制御装置1へ送信される。
【0135】
制御部12は、基準値RGB_Sと照明処理装置3から受信したRGB値(測定結果のRGB値)との間の差分ΔRGB=0となるように、B成分値を算出する。そして、制御部12は、算出したB成分値を通信部13に出力する(ステップS802)。この場合、制御部12は、R成分の所定値及びG成分の所定値をそれぞれ操作量として通信部13に出力する。
【0136】
制御部12は、差分ΔRGBの絶対値|ΔRGB|が最小であるか否か(差分ΔRGBが最も0に近いか否か)を判定する(ステップS803)。制御部12は、ステップS803において、差分ΔRGBの絶対値が最小でないと判定した場合(ステップS803:N)、ステップS802へ移行し、ステップS802及びステップS803の処理を繰り返す。
【0137】
制御部12は、ステップS803において、差分ΔRGBの絶対値が最小であると判定した場合(ステップS803:Y)、そのときのB成分値における出力レベルを固定の出力レベルに決定し(ステップS804)、当該出力レベルのB成分値を固定値(固定の操作量)として通信部13に出力する。
【0138】
制御部12は、ステップS804の後、基準値RGB_Sと照明処理装置3から受信したRGB値(測定結果のRGB値)との間の差分ΔRGB=0となるように、R成分値を算出し、算出したR成分値を通信部13に出力する(ステップS805)。この場合、制御部12は、ステップS804にて決定した出力レベルのB成分値を固定の操作量として通信部13に出力すると共に、G成分の所定値を操作量として通信部13に出力する。
【0139】
制御部12は、差分ΔRGBの絶対値|ΔRGB|が最小であるか否かを判定する(ステップS806)。制御部12は、ステップS806において、差分ΔRGBの絶対値が最小でないと判定した場合(ステップS806:N)、ステップS805へ移行し、ステップS805及びステップS806の処理を繰り返す。
【0140】
制御部12は、ステップS806において、差分ΔRGBの絶対値が最小であると判定した場合(ステップS806:Y)、そのときのR成分値における出力レベルを固定の出力レベルに決定し(ステップS807)、当該出力レベルのR成分値を固定の操作量として通信部13に出力する。
【0141】
尚、制御部12は、ステップS804からステップS805へ移行した際に、既に差分ΔRGB=0の場合、ステップS805及びステップS806の処理を行わない。そして、制御部12は、ステップS807において、ステップS801にて出力したR成分の所定値における出力レベルを固定の出力レベルに決定し、当該出力レベルのR成分値を固定の操作量として通信部13に出力する。
【0142】
制御部12は、ステップS807の後、基準値RGB_Sと照明処理装置3から受信したRGB値(測定結果のRGB値)との間の差分ΔRGB=0となるようにG成分値を算出し、算出したG成分値を通信部13に出力する(ステップS808)。この場合、制御部12は、ステップS804にて決定した出力レベルのB成分値を固定の操作量として通信部13に出力すると共に、ステップS807にて決定した出力レベルのR成分値を固定の操作量として通信部13に出力する。
【0143】
制御部12は、差分ΔRGBの絶対値|ΔRGB|が最小であるか否かを判定する(ステップS809)。制御部12は、ステップS809において、差分ΔRGBの絶対値が最小でないと判定した場合(ステップS809:N)、ステップS808へ移行し、ステップS808及びステップS809の処理を繰り返す。
【0144】
制御部12は、ステップS809において、差分ΔRGBの絶対値が最小であると判定した場合(ステップS809:Y)、そのときのG成分値における出力レベルを固定の出力レベルに決定し(ステップS810)、当該出力レベルのG成分値を固定の操作量として通信部13に出力する。
【0145】
尚、制御部12は、ステップS807からステップS808へ移行した際に、既に差分ΔRGB=0の場合、ステップS808及びステップS809の処理を行わない。そして、制御部12は、ステップS810において、ステップS801にて出力したG成分の所定値における出力レベルを固定の出力レベルに決定し、当該出力レベルのG成分値を固定の操作量として通信部13に出力する。
【0146】
また、制御部12は、B成分、R成分及びG成分の順番に制御を行い、それぞれの出力レベルを決定するようにしたが、この順番は任意である。
【0147】
このように、
図8に示したRGB制御により、B成分、R成分及びG成分を入力パラメータとした仕様を有する照明器具4の器具光が制御され、器具光のRGB値は基準値RGB_Sに追従するようになる。
【0148】
(RGB制御の具体例)
次に、
図8に示したRGB制御の具体例について説明する。
図11は、RGB制御の具体例を示すフローチャートである。以下、基準成分値x1t,x2t,x3t、測定結果の値x1m,x2m,x3m及び操作量x1,x2,x3の範囲を0~255とする。
【0149】
制御部12は、設定部10,10’から基準値RGB_Sを入力する。そして、制御部12は、基準値RGB_Sを構成するR成分の基準値、G成分の基準値及びB成分の基準値のうちの最大値を基準成分値x1tに設定する(ステップS1101)。
【0150】
制御部12は、基準成分値x1tと同じ成分の操作量x1に255を設定し(ステップS1102:x1=255)、第1の成分の操作量x1を出力する。これにより、第1の成分の操作量x1=255、及び、第1の成分以外の第2及び第3の成分につき初期設定された操作量x2,x3により、照明器具4が発光する。
【0151】
制御部12は、減算部11から、基準値RGB_Sと測定結果のRGB値との間の差分Δを入力し、差分Δのうち、基準成分値x1tと同じ成分の差分が0であるか否かを判定する。すなわち、制御部12は、基準成分値x1tと同じ成分について、測定結果の値x1mと基準成分値x1tとが同じであるか否かを判定する(ステップS1103)。
【0152】
この場合、制御部12は、測定結果の値x1mと基準成分値x1tとの間の差分が最小であるか否かを判定するようにしてもよい。後述するステップS1107及びステップS1111についても同様である。
【0153】
制御部12は、ステップS1103において、測定結果の値x1mと基準成分値x1tとが同じでないと判定した場合(ステップS1103:N)、操作量x1をデクリメントする(ステップS1104:x1=x1-1)。そして、制御部12は、デクリメント後の操作量x1を出力し、ステップS1103及びステップS1104の処理を繰り返す。これにより、デクリメント後の操作量x1、及び、初期設定された操作量x2,x3により、照明器具4が発光する。
【0154】
制御部12は、ステップS1103において、測定結果の値x1mと基準成分値x1tとが同じであると判定した場合(ステップS1103:Y)、そのときの操作量x1を固定の操作量として出力する。
【0155】
制御部12は、ステップS1101にて設定した基準成分値x1tの成分以外の残りの2成分の基準値について、小さい方の基準値(最小値)を基準成分値x3tに設定する(ステップS1105)。
【0156】
制御部12は、基準成分値x3tと同じ成分の操作量x3に0を設定し(ステップS1106:x3=0)、第3の成分の操作量x3を出力する。これにより、固定の操作量x1、初期設定された操作量x2、及び操作量x3=0により、照明器具4が発光する。
【0157】
制御部12は、減算部11から、基準値RGB_Sと測定結果のRGB値との間の差分Δを入力し、差分Δのうち、基準成分値x3tと同じ成分の差分が0であるか否かを判定する。すなわち、制御部12は、基準成分値x3tと同じ成分について、測定結果の値x3mと基準成分値x3tとが同じであるか否かを判定する(ステップS1107)。
【0158】
制御部12は、ステップS1107において、測定結果の値x3mと基準成分値x3tとが同じでないと判定した場合(ステップS1107:N)、操作量x3をインクリメントする(ステップS1108:x3=x3+1)。そして、制御部12は、インクリメント後の操作量x3を出力し、ステップS1107及びステップS1108の処理を繰り返す。これにより、固定の操作量x1、初期設定された操作量x2、及びインクリメント後の操作量x3により、照明器具4が発光する。
【0159】
制御部12は、ステップS1107において、測定結果の値x3mと基準成分値x3tとが同じであると判定した場合(ステップS1107:Y)、そのときの操作量x3を固定の操作量として出力する。
【0160】
制御部12は、ステップS1101及びステップS1105にて設定した基準成分値x1t,x3tの成分以外の残りの成分の基準値について、当該基準値を基準成分値x2tに設定する(ステップS1109)。
【0161】
制御部12は、ステップS1103における固定の操作量x1及びステップS1107における固定の操作量x3のうち、小さい方を操作量x2に設定し(ステップS1110:x2=min(x1,x3))、操作量x2を出力する。これにより、固定の操作量x1、操作量x2=min(x1,x3)、及び、固定の操作量x3により、照明器具4が発光する。
【0162】
制御部12は、減算部11から、基準値RGB_Sと測定結果のRGB値との間の差分Δを入力し、差分Δのうち、基準成分値x2tと同じ成分の差分が0であるか否かを判定する。すなわち、制御部12は、基準成分値x2tと同じ成分について、測定結果の値x2mと基準成分値x2tとが同じであるか否かを判定する(ステップS1111)。
【0163】
制御部12は、ステップS1111において、測定結果の値x2mと基準成分値x2tとが同じでないと判定した場合(ステップS1111:N)、操作量x2をインクリメントする(ステップS1112:x2=x2+1)。そして、制御部12は、インクリメント後の操作量x2を出力し、ステップS1111及びステップS1112の処理を繰り返す。これにより、固定の操作量x1、インクリメント後の操作量x2、及び固定の操作量x3により、照明器具4が発光する。
【0164】
制御部12は、ステップS1111において、測定結果の値x2mと基準成分値x2tとが同じであると判定した場合(ステップS1111:Y)、そのときの操作量x2を固定の操作量として出力する。これにより、固定の操作量x1、固定の操作量x2及び固定の操作量x3により、照明器具4が発光する。
【0165】
このように、
図11に示したRGB制御の具体例により、R成分、G成分及びB成分を入力パラメータとした仕様を有する照明器具4の器具光が制御され、器具光のRGB値は基準値RGB_Sに追従するようになる。
【0166】
(RGB制御の他の具体例)
次に、
図8に示したRGB制御の他の具体例について説明する。
図12は、RGB制御の他の具体例を示すフローチャートである。
【0167】
減算部11及び制御部12は、設定部10,10’から基準値RGB_S(基準値Rm,Gm,Bm)を入力する(ステップS1201)。基準値RGB_Sを構成するR成分の基準値をRm、G成分の基準値をGm、B成分の基準値をBmとする。
【0168】
また、照明処理装置3の後述するカラーセンサ33等により測定される器具光の測定結果のRGB値を構成するR成分の測定結果をRt、G成分の測定結果をGt、B成分の測定結果をBtとする。また、R成分の基準値Rmから測定結果Rtを減算した結果である差分をRd、G成分の基準値Gmから測定結果Gtを減算した結果である差分をGd、B成分の基準値Bmから測定結果Btを減算した結果である差分をBdとする。さらに、R成分の差分Rdの絶対値である差分絶対値をARd、G成分の差分Gdの絶対値である差分絶対値をAGd、B成分の差分Bdの絶対値である差分絶対値をABdとする。基準値Rm,Gm,Bm、測定結果Rt,Gt,Bt、及びR,G,B成分の操作量について、これらの値がとり得る範囲を0~255とする。
【0169】
後述するステップS1202~ステップS1213の処理は、ステップS1202,S1203と、ステップS1204,S1205と、ステップS1206,S1207と、ステップS1208,S1209と、ステップS1210,S1211と、ステップS1212,S1213との2つのステップを単位とした6通りの組み合わせからなる。この組み合わせの数6は、RGB成分に対して各成分の処理の順番を変えたときの数である。この組み合わせ毎に、事前にRGB値の入力処理及び差分等の更新処理が行われる。
【0170】
ステップS1202,S1203は、R,G,Bの順に行う処理であり、ステップS1204,S1205は、R,B,Gの順に行う処理であり、ステップS1206,S1207は、G,R,Bの順に行う処理である。また、ステップS1208,S1209は、G,B,Rの順に行う処理であり、ステップS1210,S1211は、B,R,Gの順に行う処理であり、ステップS1212,S1213は、B,G,Rの順に行う処理である。
【0171】
RGBの各成分の順番を変えた組み合わせ毎に処理を行うのは、RGB成分のうちいずれか1つの操作量を変更すると、当該成分のみならず他の2つの成分の測定結果も変化するからである。例えば、R成分の操作量を変更すると、測定結果Rtが変化すると共に、測定結果Gt,Btも変化する。また、G成分の操作量を変更すると、測定結果Gtが変化すると共に、測定結果Rt,Btも変化し、B成分の操作量を変更すると、測定結果Btが変化すると共に、測定結果Rt,Gtも変化する。
【0172】
このため、
図12に示すRGB制御の他の具体例では、RGBの各成分の順番を変えた組み合わせ毎に処理を順次行うことで、1つの成分の操作量の変更に伴って生じる他の2つの成分の測定結果への影響を徐々に低減させるようにした。
【0173】
減算部11及び制御部12は、RGB値入力及び差分等更新処理を行う(ステップS1202)。ステップS1202及び後述するステップS1204,S1206,S1208,S1210,S1212のRGB値入力及び差分等更新処理の詳細については後述する。
【0174】
制御部12は、ステップS1202から移行して、RGB処理を行う(ステップS1203)。RGB処理は、R(赤色)処理ルーチン、G(緑色)処理ルーチン及びB(青色)処理ルーチンをこの順番に実行する処理である。つまり、制御部12は、R処理ルーチンを実行した後にG処理ルーチンを実行し、G処理ルーチンを実行した後にB処理ルーチンを実行する。ステップS1203及び後述するステップS1205,S1207,S1209,S1211,S1213のR処理ルーチン、G処理ルーチン及びB処理ルーチンの詳細については後述する。
【0175】
減算部11及び制御部12は、ステップS1203から移行して、RGB値入力及び差分等更新処理を行う(ステップS1204)。そして、制御部12は、ステップS1204から移行して、RBG処理を行う(ステップS1205)。RBG処理は、R処理ルーチン、B処理ルーチン及びG処理ルーチンをこの順番に実行する処理である。つまり、制御部12は、R処理ルーチンを実行した後にB処理ルーチンを実行し、B処理ルーチンを実行した後にG処理ルーチンを実行する。
【0176】
減算部11及び制御部12は、ステップS1205から移行して、RGB値入力及び差分等更新処理を行う(ステップS1206)。そして、制御部12は、ステップS1206から移行して、GRB処理を行う(ステップS1207)。GRB処理は、G処理ルーチン、R処理ルーチン及びB処理ルーチンをこの順番に実行する処理である。つまり、制御部12は、G処理ルーチンを実行した後にR処理ルーチンを実行し、R処理ルーチンを実行した後にB処理ルーチンを実行する。
【0177】
減算部11及び制御部12は、ステップS1207から移行して、RGB値入力及び差分等更新処理を行う(ステップS1208)。そして、制御部12は、ステップS1208から移行して、GBR処理を行う(ステップS1209)。GBR処理は、G処理ルーチン、B処理ルーチン及びR処理ルーチンをこの順番に実行する処理である。つまり、制御部12は、G処理ルーチンを実行した後にB処理ルーチンを実行し、B処理ルーチンを実行した後にR処理ルーチンを実行する。
【0178】
減算部11及び制御部12は、ステップS1209から移行して、RGB値入力及び差分等更新処理を行う(ステップS1210)。そして、制御部12は、ステップS1210から移行して、BRG処理を行う(ステップS1211)。BRG処理は、B処理ルーチン、R処理ルーチン及びG処理ルーチンをこの順番に実行する処理である。つまり、制御部12は、B処理ルーチンを実行した後にR処理ルーチンを実行し、R処理ルーチンを実行した後にG処理ルーチンを実行する。
【0179】
減算部11及び制御部12は、ステップS1211から移行して、RGB値入力及び差分等更新処理を行う(ステップS1212)。そして、制御部12は、ステップS1212から移行して、BGR処理を行う(ステップS1213)。BGR処理は、B処理ルーチン、G処理ルーチン及びR処理ルーチンをこの順番に実行する処理である。つまり、制御部12は、B処理ルーチンを実行した後にG処理ルーチンを実行し、G処理ルーチンを実行した後にR処理ルーチンを実行する。
【0180】
制御部12は、ステップS1213から移行して、R成分の差分絶対値ARd、G成分の差分絶対値AGd及びB成分の差分絶対値ABdの全てが所定の誤差範囲内にあるか否かを判定する(ステップS1214)。具体的には、制御部12は、後述する全てのフラグRflg,Gflg,Bflgがtrueであるか否かを判定する。フラグRflg,Gflg,Bflgは、差分絶対値ARd,AGd,ABdが許容範囲内にある場合はtrue、許容範囲内にない場合(許容範囲外にある場合)はfalseが設定される。詳細については後述する。
【0181】
制御部12は、ステップS1214において、差分絶対値ARd,AGd,ABdのうちの1つ以上が所定の誤差範囲内にないと判定した場合(ステップS1214:N)、ステップS1202へ移行し、処理を繰り返す。一方、制御部12は、ステップS1214において、差分絶対値ARd,AGd,ABdの全てが所定の誤差範囲内にあると判定した場合(ステップS1214:Y)、処理を終了する。
【0182】
尚、制御部12は、差分絶対値ARd,AGd,ABdのうちの1つ以上が所定の誤差範囲内にないと判定し、ステップS1202~ステップS1214の処理を繰り返す場合、例えば30秒経過したとき、または所定回数繰り返したときに、処理を終了する。
【0183】
図13は、
図12に示したステップS1202,S1204,S1206,S1208,S1210,S1212のRGB値入力及び差分等更新処理の詳細を示すフローチャートである。
【0184】
減算部11は、通信部13から器具光の測定結果のRGB値を入力し(ステップS1301)、サンプル回数(入力回数)に1を加算する。そして、減算部11は、以下の式にて、RGB値のそれぞれに対し、RGB値を構成するR,G,B成分の値であるR,G,B入力値を加算し、新たなR,G,B値を求める(ステップS1302)。
[数1]
R値=R値+R入力値
G値=G値+G入力値
B値=B値+B入力値 ・・・(1)
【0185】
減算部11は、RGB値のサンプル回数が3よりも小さいか否かを判定し(ステップS1303)、サンプル回数が3よりも小さいと判定した場合(ステップS1303:Y)、処理を終了し、ステップS1301へ移行する。
【0186】
一方、減算部11は、ステップS1303において、サンプル回数が3よりも小さくないと判定した場合(ステップS1303:N)、すなわちサンプル回数が3である場合、ステップS1304へ移行する。これにより、R値は、サンプル回数3のR入力値を加算した結果となり、G値は、サンプル回数3のG入力値を加算した結果となり、B値は、サンプル回数3のB入力値を加算した結果となる。
【0187】
減算部11は、以下の式にて、R値を3で除算して測定結果Rtを求め、基準値Rmから測定結果Rtを減算して差分Rdを求め、制御部12は、減算部11により求めた差分Rdの絶対値を算出し、差分絶対値ARdを求める(ステップS1304)。
[数2]
Rt=R値/3
Rd=Rm-Rt
ARd=|Rd| ・・・(2)
【0188】
減算部11は、以下の式にて、G値を3で除算して測定結果Gtを求め、基準値Gmから測定結果Gtを減算して差分Gdを求め、制御部12は、減算部11により求めた差分Gdの絶対値を算出し、差分絶対値AGdを求める(ステップS1305)。
[数3]
Gt=G値/3
Gd=Gm-Gt
AGd=|Gd| ・・・(3)
【0189】
減算部11は、以下の式にて、B値を3で除算して測定結果Btを求め、基準値Bmから測定結果Btを減算して差分Bdを求め、制御部12は、減算部11により求めた差分Bdの絶対値を算出し、差分絶対値ABdを求める(ステップS1306)。
[数4]
Bt=B値/3
Bd=Bm-Bt
ABd=|Bd| ・・・(4)
【0190】
減算部11は、R値、G値及びB値をクリアし(ステップS1307)、RGB値のサンプル回数もクリアする。
【0191】
これにより、差分絶対値ARd,AGd,ABdが求められる。
図12のステップS1202にて求めた差分絶対値ARd,AGd,ABdは、ステップS1203の後述するR処理ルーチン、G処理ルーチン及びB処理ルーチンにおいて、同じ値が用いられる。同様に、ステップS1204,S1206,S1208,S1210,S1212にて求めた差分絶対値ARd,AGd,ABdは、それぞれステップS1205,S1207,S1209,S1211,S1213の後述するR処理ルーチン、G処理ルーチン及びB処理ルーチンにおいて、同じ値が用いられる。
【0192】
(R処理ルーチン)
図14は、
図12に示したステップS1203,S1205,S1207,S1209,S1211,S1213におけるR処理ルーチンの詳細を示すフローチャートである。制御部12は、差分絶対値ARdが2よりも小さい(許容範囲内)か否かを判定する(ステップS1401)。尚、許容範囲の判定の基準となる数値2は例示であり、測定結果Rtの誤差に応じて他の数値を用いるようにしてもよい。
図17のステップS1701及び
図20のステップS2001においても同様である。
【0193】
制御部12は、ステップS1401において、差分絶対値ARdが2よりも小さいと判定した場合(ステップS1401:Y)、R成分の差分絶対値ARdが許容範囲内にあるとしてフラグRflg=trueを設定し(ステップS1402)、処理を終了する。
【0194】
一方、制御部12は、ステップS1401において、差分絶対値ARdが2よりも小さくないと判定した場合(ステップS1401:N)、R成分の差分絶対値ARdが許容範囲内にないとしてフラグRflg=falseを設定する(ステップS1403)。
【0195】
制御部12は、ステップS1403から移行して、差分Rdが0よりも小さいか否か、すなわち基準値Rmが測定結果Rtよりも小さいか否かを判定する(ステップS1404)。制御部12は、ステップS1404において、差分Rdが0よりも小さいと判定した場合(ステップS1404:Y)、測定結果Rtを小さくするためのR減算処理を行い(ステップS1405)、処理を終了する。ステップS1405のR減算処理の詳細については後述する。
【0196】
一方、制御部12は、ステップS1404において、差分Rdが0よりも小さくないと判定した場合(ステップS1404:N)、測定結果Rtを大きくするためのR加算処理を行い(ステップS1406)、処理を終了する。ステップS1406のR加算処理の詳細については後述する。
【0197】
(R減算処理)
図15は、
図14に示したステップS1405のR減算処理の詳細を示すフローチャートである。制御部12は、R成分の操作量が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS1501)。
【0198】
制御部12は、ステップS1501において、R成分の操作量が0よりも大きいと判定した場合(ステップS1501:Y)、R成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定し(ステップS1502)、処理を終了する。
【0199】
一方、制御部12は、ステップS1501において、R成分の操作量が0よりも大きくないと判定した場合(ステップS1501:N)、G成分の操作量が255よりも小さいか否かを判定する(ステップS1503)。
【0200】
制御部12は、ステップS1503において、G成分の操作量が255よりも小さいと判定した場合(ステップS1503:Y)、G成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定し(ステップS1504)、ステップS1505へ移行する。
【0201】
一方、制御部12は、ステップS1503において、G成分の操作量が255よりも小さくないと判定した場合(ステップS1503:N)、ステップS1505へ移行する。
【0202】
制御部12は、ステップS1503またはステップS1504から移行して、B成分の操作量が255よりも小さいか否かを判定する(ステップS1505)。
【0203】
制御部12は、ステップS1505において、B成分の操作量が255よりも小さいと判定した場合(ステップS1505:Y)、B成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定し(ステップS1506)、処理を終了する。
【0204】
一方、制御部12は、ステップS1505において、B成分の操作量が255よりも小さくないと判定した場合(ステップS1505:N)、処理を終了する。
【0205】
このように、R減算処理において、R成分の操作量が0よりも大きい場合、R成分の操作量を減少することができるから、R成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定する。これにより、R成分の測定結果Rtを小さくすることができる。
【0206】
一方、R成分の操作量が0よりも大きくない場合、その操作量は最小の0であるから、R成分の操作量を減少することができない。このため、R成分の操作量を減少する代わりに、G成分及び/またはB成分の操作量を増加する。これにより、R成分の測定結果Rtを小さくすることができる。なぜならば、RGB値は、後述する式(5)のとおり、計算上相対値だからである。具体的には、G成分及び/またはB成分の操作量が増加してB成分のセンサ値IG,IBが大きくなると、R成分の値Rが小さくなり、結果として測定結果Rtが小さくなるからである。
【0207】
このようにして設定されたR成分の操作量、G成分の操作量及びB成分の操作量は、通信部13を介して、照明処理装置3へ送信される。そして、R成分の操作量、G成分の操作量及びB成分の操作量が反映されたRGB値が得られる。
【0208】
(R加算処理)
図16は、
図14に示したステップS1406のR加算処理の詳細を示すフローチャートである。制御部12は、R成分の操作量が255よりも小さいか否かを判定する(ステップS1601)。
【0209】
制御部12は、ステップS1601において、R成分の操作量が255よりも小さいと判定した場合(ステップS1601:Y)、R成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定し(ステップS1602)、処理を終了する。
【0210】
一方、制御部12は、ステップS1601において、R成分の操作量が255よりも小さくないと判定した場合(ステップS1601:N)、G成分の操作量が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS1603)。
【0211】
制御部12は、ステップS1603において、G成分の操作量が0よりも大きいと判定した場合(ステップS1603:Y)、G成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定し(ステップS1604)、ステップS1605へ移行する。
【0212】
一方、制御部12は、ステップS1603において、G成分の操作量が0よりも大きくないと判定した場合(ステップS1603:N)、ステップS1605へ移行する。
【0213】
制御部12は、ステップS1603またはステップS1604から移行して、B成分の操作量が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS1605)。
【0214】
制御部12は、ステップS1605において、B成分の操作量が0よりも大きいと判定した場合(ステップS1605:Y)、B成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定し(ステップS1606)、処理を終了する。
【0215】
一方、制御部12は、ステップS1605において、B成分の操作量が0よりも大きくないと判定した場合(ステップS1605:N)、処理を終了する。
【0216】
このように、R加算処理において、R成分の操作量が255よりも小さい場合、R成分の操作量を増加することができるから、R成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定する。これにより、R成分の測定結果Rtを大きくすることができる。
【0217】
一方、R成分の操作量が255よりも小さくない場合、その操作量は最大の255であるから、R成分の操作量を増加することができない。このため、R成分の操作量を増加する代わりに、G成分及び/またはB成分の操作量を減少する。これにより、R成分の測定結果Rtを大きくすることができる。なぜならば、RGB値は、後述する式(5)のとおり、計算上相対値だからである。具体的には、G成分及び/またはB成分の操作量が減少してセンサ値IG,IBが小さくなると、R成分の値Rが大きくなり、結果として測定結果Rtが大きくなるからである。
【0218】
このようにして設定されたR成分の操作量、G成分の操作量及びB成分の操作量は、通信部13を介して、照明処理装置3へ送信される。そして、R成分の操作量、G成分の操作量及びB成分の操作量が反映されたRGB値が得られる。
【0219】
(G処理ルーチン)
図17は、
図12に示したステップS1203,S1205,S1207,S1209,S1211,S1213におけるG処理ルーチンの詳細を示すフローチャートである。制御部12は、差分絶対値AGdが2よりも小さい(許容範囲内)か否かを判定する(ステップS1701)。
【0220】
制御部12は、ステップS1701において、差分絶対値AGdが2よりも小さいと判定した場合(ステップS1701:Y)、G成分の差分絶対値AGdが許容範囲内にあるとしてフラグGflg=trueを設定し(ステップS1702)、処理を終了する。
【0221】
一方、制御部12は、ステップS1701において、差分絶対値AGdが2よりも小さくないと判定した場合(ステップS1701:N)、G成分の差分絶対値AGdが許容範囲内にないとしてフラグGflg=falseを設定する(ステップS1703)。
【0222】
制御部12は、ステップS1703から移行して、差分Gdが0よりも小さいか否か、すなわち基準値Gmが測定結果Gtよりも小さいか否かを判定する(ステップS1704)。制御部12は、ステップS1704において、差分Gdが0よりも小さいと判定した場合(ステップS1704:Y)、測定結果Gtを小さくするためのG減算処理を行い(ステップS1705)、処理を終了する。ステップS1705のG減算処理の詳細については後述する。
【0223】
一方、制御部12は、ステップS1704において、差分Gdが0よりも小さくないと判定した場合(ステップS1704:N)、測定結果Gtを大きくするためのG加算処理を行い(ステップS1706)、処理を終了する。ステップS1706のG加算処理の詳細については後述する。
【0224】
(G減算処理)
図18は、
図17に示したステップS1705のG減算処理の詳細を示すフローチャートである。制御部12は、G成分の操作量が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS1801)。
【0225】
制御部12は、ステップS1801において、G成分の操作量が0よりも大きいと判定した場合(ステップS1801:Y)、G成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定し(ステップS1802)、処理を終了する。
【0226】
一方、制御部12は、ステップS1801において、G成分の操作量が0よりも大きくないと判定した場合(ステップS1801:N)、R成分の操作量が255よりも小さいか否かを判定する(ステップS1803)。
【0227】
制御部12は、ステップS1803において、R成分の操作量が255よりも小さいと判定した場合(ステップS1803:Y)、R成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定し(ステップS1804)、ステップS1805へ移行する。
【0228】
一方、制御部12は、ステップS1803において、R成分の操作量が255よりも小さくないと判定した場合(ステップS1803:N)、ステップS1805へ移行する。
【0229】
制御部12は、ステップS1803またはステップS1804から移行して、B成分の操作量が255よりも小さいか否かを判定する(ステップS1805)。
【0230】
制御部12は、ステップS1805において、B成分の操作量が255よりも小さいと判定した場合(ステップS1805:Y)、B成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定し(ステップS1806)、処理を終了する。
【0231】
一方、制御部12は、ステップS1805において、B成分の操作量が255よりも小さくないと判定した場合(ステップS1805:N)、処理を終了する。
【0232】
このように、G減算処理において、G成分の操作量が0よりも大きい場合、G成分の操作量を減少することができるから、G成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定する。これにより、G成分の測定結果Gtを小さくすることができる。
【0233】
一方、G成分の操作量が0よりも大きくない場合、その操作量は最小の0であるから、G成分の操作量を減少することができない。このため、G成分の操作量を減少する代わりに、R成分及び/またはB成分の操作量を増加する。これにより、G成分の測定結果Gtを小さくすることができる。なぜならば、RGB値は、後述する式(6)のとおり、計算上相対値だからである。具体的には、R成分及び/またはB成分の操作量が増加してセンサ値IR,IBが大きくなると、G成分の値Gが小さくなり、結果として測定結果Gtが小さくなるからである。
【0234】
このようにして設定されたG成分の操作量、R成分の操作量及びB成分の操作量は、通信部13を介して、照明処理装置3へ送信される。そして、R成分の操作量、G成分の操作量及びB成分の操作量が反映されたRGB値が得られる。
【0235】
(G加算処理)
図19は、
図17に示したステップS1706のG加算処理の詳細を示すフローチャートである。制御部12は、G成分の操作量が255よりも小さいか否かを判定する(ステップS1901)。
【0236】
制御部12は、ステップS1901において、G成分の操作量が255よりも小さいと判定した場合(ステップS1901:Y)、G成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定し(ステップS1902)、処理を終了する。
【0237】
一方、制御部12は、ステップS1901において、G成分の操作量が255よりも小さくないと判定した場合(ステップS1901:N)、R成分の操作量が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS1903)。
【0238】
制御部12は、ステップS1903において、R成分の操作量が0よりも大きいと判定した場合(ステップS1903:Y)、R成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定し(ステップS1904)、ステップS1905へ移行する。
【0239】
一方、制御部12は、ステップS1903において、R成分の操作量が0よりも大きくないと判定した場合(ステップS1903:N)、ステップS1905へ移行する。
【0240】
制御部12は、ステップS1903またはステップS1904から移行して、B成分の操作量が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS1905)。
【0241】
制御部12は、ステップS1905において、B成分の操作量が0よりも大きいと判定した場合(ステップS1905:Y)、B成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定し(ステップS1906)、処理を終了する。
【0242】
一方、制御部12は、ステップS1905において、B成分の操作量が0よりも大きくないと判定した場合(ステップS1905:N)、処理を終了する。
【0243】
このように、G加算処理において、G成分の操作量が255よりも小さい場合、G成分の操作量を増加することができるから、G成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定する。これにより、G成分の測定結果Gtを大きくすることができる。
【0244】
一方、G成分の操作量が255よりも小さくない場合、その操作量は最大の255であるから、G成分の操作量を増加することができない。このため、G成分の操作量を増加する代わりに、R成分及び/またはB成分の操作量を減少する。これにより、G成分の測定結果Gtを大きくすることができる。なぜならば、RGB値は、後述する式(6)のとおり、計算上相対値だからである。具体的には、R成分及び/またはB成分の操作量が減少してセンサ値IR,IBが小さくなると、G成分の値Gが大きくなり、結果として測定結果Gtが大きくなるからである。
【0245】
このようにして設定されたG成分の操作量、R成分の操作量及びB成分の操作量は、通信部13を介して、照明処理装置3へ送信される。そして、R成分の操作量、G成分の操作量及びB成分の操作量が反映されたRGB値が得られる。
【0246】
(B処理ルーチン)
図20は、
図12に示したステップS1203,S1205,S1207,S1209,S1211,S1213におけるB処理ルーチンの詳細を示すフローチャートである。制御部12は、差分絶対値ABdが2よりも小さい(許容範囲内)か否かを判定する(ステップS2001)。
【0247】
制御部12は、ステップS2001において、差分絶対値ABdが2よりも小さいと判定した場合(ステップS2001:Y)、B成分の差分絶対値ABdが許容範囲内にあるとしてフラグBflg=trueを設定し(ステップS2002)、処理を終了する。
【0248】
一方、制御部12は、ステップS2001において、差分絶対値ABdが2よりも小さくないと判定した場合(ステップS2001:N)、B成分の差分絶対値ABdが許容範囲内にないとしてフラグBflg=falseを設定する(ステップS2003)。
【0249】
制御部12は、ステップS2003から移行して、差分Bdが0よりも小さいか否か、すなわち基準値Bmが測定結果Btよりも小さいか否かを判定する(ステップS2004)。制御部12は、ステップS2004において、差分Bdが0よりも小さいと判定した場合(ステップS2004:Y)、測定結果Btを小さくするためのB減算処理を行い(ステップS2005)、処理を終了する。ステップS2005のB減算処理の詳細については後述する。
【0250】
一方、制御部12は、ステップS2004において、差分Bdが0よりも小さくないと判定した場合(ステップS2004:N)、測定結果Btを大きくするためのB加算処理を行い(ステップS2006)、処理を終了する。ステップS2006のB加算処理の詳細については後述する。
【0251】
(B減算処理)
図21は、
図20に示したステップS2005のB減算処理の詳細を示すフローチャートである。制御部12は、B成分の操作量が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS2101)。
【0252】
制御部12は、ステップS2101において、B成分の操作量が0よりも大きいと判定した場合(ステップS2101:Y)、B成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定し(ステップS2102)、処理を終了する。
【0253】
一方、制御部12は、ステップS2101において、B成分の操作量が0よりも大きくないと判定した場合(ステップS2101:N)、R成分の操作量が255よりも小さいか否かを判定する(ステップS2103)。
【0254】
制御部12は、ステップS2103において、R成分の操作量が255よりも小さいと判定した場合(ステップS2103:Y)、R成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定し(ステップS2104)、ステップS2105へ移行する。
【0255】
一方、制御部12は、ステップS2103において、R成分の操作量が255よりも小さくないと判定した場合(ステップS2103:N)、ステップS2105へ移行する。
【0256】
制御部12は、ステップS2103またはステップS2104から移行して、G成分の操作量が255よりも小さいか否かを判定する(ステップS2105)。
【0257】
制御部12は、ステップS2105において、G成分の操作量が255よりも小さいと判定した場合(ステップS2105:Y)、G成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定し(ステップS2106)、処理を終了する。
【0258】
一方、制御部12は、ステップS2105において、G成分の操作量が255よりも小さくないと判定した場合(ステップS2105:N)、処理を終了する。
【0259】
このように、B減算処理において、B成分の操作量が0よりも大きい場合、B成分の操作量を減少することができるから、B成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定する。これにより、B成分の測定結果Btを小さくすることができる。
【0260】
一方、B成分の操作量が0よりも大きくない場合、その操作量は最小の0であるから、B成分の操作量を減少することができない。このため、B成分の操作量を減少する代わりに、R成分及び/またはG成分の操作量を増加する。これにより、B成分の測定結果Btを小さくすることができる。なぜならば、RGB値は、後述する式(7)のとおり、計算上相対値だからである。具体的には、R成分及び/またはG成分の操作量が増加してセンサ値IR,IGが大きくなると、B成分の値Bが小さくなり、結果として測定結果Btが小さくなるからである。
【0261】
このようにして設定されたB成分の操作量、R成分の操作量及びG成分の操作量は、通信部13を介して、照明処理装置3へ送信される。そして、R成分の操作量、G成分の操作量及びB成分の操作量が反映されたRGB値が得られる。
【0262】
(B加算処理)
図22は、
図20に示したステップS2006のB加算処理の詳細を示すフローチャートである。制御部12は、B成分の操作量が255よりも小さいか否かを判定する(ステップS2201)。
【0263】
制御部12は、ステップS2201において、B成分の操作量が255よりも小さいと判定した場合(ステップS2201:Y)、B成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定し(ステップS2202)、処理を終了する。
【0264】
一方、制御部12は、ステップS2201において、B成分の操作量が255よりも小さくないと判定した場合(ステップS2201:N)、R成分の操作量が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS2203)。
【0265】
制御部12は、ステップS2203において、R成分の操作量が0よりも大きいと判定した場合(ステップS2203:Y)、R成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定し(ステップS2204)、ステップS2205へ移行する。
【0266】
一方、制御部12は、ステップS2203において、R成分の操作量が0よりも大きくないと判定した場合(ステップS2203:N)、ステップS2205へ移行する。
【0267】
制御部12は、ステップS2203またはステップS2204から移行して、G成分の操作量が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS2205)。
【0268】
制御部12は、ステップS2205において、G成分の操作量が0よりも大きいと判定した場合(ステップS2205:Y)、G成分の操作量から1を減算して新たな操作量を設定し(ステップS2206)、処理を終了する。
【0269】
一方、制御部12は、ステップS2205において、G成分の操作量が0よりも大きくないと判定した場合(ステップS2205:N)、処理を終了する。
【0270】
このように、B加算処理において、B成分の操作量が255よりも小さい場合、B成分の操作量を増加することができるから、B成分の操作量に1を加算して新たな操作量を設定する。これにより、B成分の測定結果Btを大きくすることができる。
【0271】
一方、B成分の操作量が255よりも小さくない場合、その操作量は最大の255であるから、B成分の操作量を増加することができない。このため、B成分の操作量を増加する代わりに、R成分及び/またはG成分の操作量を減少する。これにより、B成分の測定結果Btを大きくすることができる。なぜならば、RGB値は、後述する式(7)のとおり、計算上相対値だからである。具体的には、R成分及び/またはG成分の操作量が減少してセンサ値IR,IGが小さくなると、B成分の値Bが大きくなり、結果として測定結果Btが大きくなるからである。
【0272】
このようにして設定されたB成分の操作量、R成分の操作量及びG成分の操作量は、通信部13を介して、照明処理装置3へ送信される。そして、R成分の操作量、G成分の操作量及びB成分の操作量が反映されたRGB値が得られる。
【0273】
以上のように、制御部12は、RGBの各成分の順番を変えた組み合わせ毎に、基準値Rm,Gm,Bmと測定結果Rt,Gt,Btとの間の差分絶対値ARd,AGd,ABdがそれぞれ許容範囲内となるように、R,G,B成分の操作量をそれぞれ設定するようにした。
【0274】
これにより、RGB成分のうちいずれか1つの操作量を変更すると、当該成分のみならず他の2つの成分の測定結果も変化するという特性に対応して、差分絶対値ARd,AGd,ABdを許容範囲内に短時間で導くことができる。つまり、RGBの各成分の順番を変えた組み合わせ毎の処理を順次行うことで、1つの成分の操作量の変更に伴って生じる他の2つの成分の測定結果への影響を徐々に低減し、結果として、差分絶対値ARd,AGd,ABdを許容範囲内に収束させることができる。
【0275】
また、制御部12は、1つの成分の操作量が上限値または下限値であり、これ以上増減することができない場合、他の2つの成分の操作量を、前記1つの成分とは逆方向に増減するようにした。
【0276】
これにより、当該成分の操作量を増減できない場合であっても、RGB値が後述する式(5)(6)(7)の計算により相対的に決定されるという特性を利用して、当該成分の値を所望の方向へ変化させることができる。
【0277】
したがって、
図12に示したRGB制御の他の具体例により、R成分、G成分及びB成分を入力パラメータとした仕様を有する照明器具4の器具光が制御され、器具光のRGB値は基準値RGB_Sに追従するようになる。
【0278】
尚、
図12に示したRGB制御の他の具体例では、制御部12は、RGBの各成分の順番を変えた6通りの組み合わせの処理を、ステップS1203,S1205,S1207,S1209,S1211,S1213の順に行うようにした。これに対し、制御部12は、これらの組み合わせの処理を、任意の順に行うようにしてもよい。
【0279】
〔照明処理装置3〕
次に、
図1に示した照明処理装置3-1~3-Nについて説明する。
図9は、照明処理装置3の構成例を示すブロック図である。この照明処理装置3は、通信部30、処理部31、通信部32及びカラーセンサ33を備えている。
【0280】
通信部30は、照明制御装置1から無線通信路を介して、操作量の照明制御信号を受信し、操作量の照明制御信号を処理部31に出力する。また、通信部30は、処理部31から照明器具4の器具光のRGB値を入力し、器具光のRGB値を、無線通信路を介して照明制御装置1へ送信する。
【0281】
処理部31は、通信部30から操作量の照明制御信号を入力し、操作量の照明制御信号を通信部32に出力する。また、処理部31は、カラーセンサ33から照明器具4の器具光のカラーセンサ信号を入力し、これを照明器具4の器具光のRGB値に変換して通信部30に出力する。
【0282】
例えば、カラーセンサ信号におけるR成分のセンサ値をIR、G成分のセンサ値をIG、B成分のセンサ値をIBとすると、変換後のRGB値は以下の式にて表される。変換後のR成分値をR、G成分値をG、B成分値をBとする。R,G及びBの範囲は0~255となる。
[数5]
R={IR/√(IR2+IG2+IB2)}×255 ・・・(5)
[数6]
G={IG/√(IR2+IG2+IB2)}×255 ・・・(6)
[数7]
B={IB/√(IR2+IG2+IB2)}×255 ・・・(7)
【0283】
通信部32は、処理部31からのRS232Cによる照明制御信号とRS485のDMX信号との間で変換を行う。処理部31と通信部32とはRS232Cにて接続され、通信部32とDMX機器40とはDMXケーブルにて接続されるものとする。
【0284】
通信部32は、処理部31から操作量の照明制御信号を入力し、RS232Cによる照明制御信号をRS485のDMX信号に変換し、変換後の操作量のDMX信号を、照明器具4に備えたDMX機器40に送信する。
【0285】
カラーセンサ33は、照明器具4により発光された発光色を検出し、器具光のカラーセンサ信号として処理部31に出力する。
【0286】
尚、カラーセンサ33は、照明器具4の発光部に近く、かつ、照明器具4の照射を損なうことなく、当該照射を受光可能な箇所に設置されるものとする。また、カラーセンサ33は、照明器具4の内部に設置されるようにしてもよいし、照明器具4の外部に設置されるようにしてもよい。
【0287】
照明器具4に備えたDMX機器40は、照明処理装置3との間で、DMXの通信規格に従ったDMX信号を受信する。DMX機器40は、照明処理装置3の通信部32から操作量のDMX信号を受信し、照明器具4は、操作量に応じた発光色にて発光する。
【0288】
以上のように、
図3に示した実施例1の環境光測定モードで動作する照明制御装置1-1によれば、設定部10は、環境光測定装置2により測定された環境光のRGB値を基準値RGB_Sに設定する。また、
図4に示した実施例2の器具光測定モードで動作する照明制御装置1-2によれば、設定部10’は、照明処理装置3-nにより測定された基準となる照明器具4-nの器具光のRGB値を基準値RGB_Sに設定する。
【0289】
制御部12-1~12-Nは、基準値RGB_Sと、対応する照明器具4-1~4-Nの器具光のRGB値との間の差分ΔRGBが0となるように、操作量をそれぞれ算出する。そして、制御部12-1~12-Nは、差分ΔRGBの絶対値が最小であると判定すると、そのときの操作量の出力レベルを固定の出力レベルにそれぞれ決定する。固定の出力レベルに決定されたそれぞれの操作量は、照明処理装置3-1~3-Nへ送信され、照明器具4-1~4-Nは、その操作量に応じた発光色にて発光する。
【0290】
ここで、照明器具4-1~4-Nの器具光は、照明処理装置3-1~3-Nに備えたカラーセンサ33により検出され、照明処理装置3-1~3-Nは共通の装置であることから、それぞれのカラーセンサ33の検出性能は同等であるといえる。
【0291】
これにより、照明器具4-1~4-N間で同一の操作量に応じて発光する発光色に誤差が存在する場合であっても、制御部12-1~12-Nによるそれぞれのフィードバック制御にて、それぞれの発光色を基準値RGB_Sに追従させることができる。また、照明器具4-1~4-N間で入力パラメータの仕様が異なる場合であっても、制御部12-1~12-Nにより当該仕様に応じたHS制御、HSI制御、K制御、KG制御、RGB制御またはRGBI制御にて、それぞれの発光色を基準値RGB_Sに追従させることができる。つまり、照明器具4-1~4-Nにおけるそれぞれの器具光のRGB値が同一となるように制御することができる。
【0292】
したがって、複数の照明器具4-1~4-Nに対してそれぞれの発光色を制御することで、全体として統一した色合いの環境を実現することが可能となる。
【0293】
従来の放送の制作現場では、オペレータが照明の発光色を目で直接的に判断し、またはカメラ映像によって間接的に判断することで、複数の照明器具4-1~4-Nのパラメータを手動にて調整していた。本実施例1,2では、このような処理負荷をなくすことができ、短時間、簡便かつ緻密に器具光の合わせ込みを行うことが可能となり、放送の制作現場の運用を改善することができる。
【0294】
尚、実施例1,2による照明制御装置1-1,1-2のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。照明制御装置1-1,1-2は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。照明制御装置1-1に備えた設定部10、減算部11-1~11-N、制御部12-1~12-N及び通信部13-0,13-1~13-N等の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、照明制御装置1-2に備えた設定部10’、減算部11-1~11-N、制御部12-1~12-N、通信部13-0,13-1~13-N及び切替部14-n等の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。
【0295】
これらのプログラムは、前記記憶媒体に格納されており、CPUに読み出されて実行される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。
【0296】
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、前記実施形態では、
図1等に示したように、照明制御装置1と環境光測定装置2及び照明処理装置3-1~3-Nとは、無線通信路により接続されるようにした。これに対し、無線通信路の代わりに、有線通信路により接続されるようにしてもよい。
【0297】
また、前記実施形態では、照明処理装置3-1~3-Nに備えた通信部32と照明器具4-1~4-Nに備えたDMX機器40とは、DMXの通信規格に従ったDMX信号を送受信するようにしたが、他の通信規格に従った信号を送受信するようにしてもよい。
【0298】
また、前記実施形態では、照明制御装置1は、環境光または所定の器具光を基準光として、制御対象の照明器具4-1~4-Nの器具光を基準光に追従させるようにした。これに対し、照明制御装置1は、基準光に基づいた新たな基準光(例えば環境光よりも300ケルビンの色温度分高い新たな基準光)を設定し、制御対象の照明器具4-1~4-Nの器具光を新たな基準光に追従させるようにしてもよい。
【0299】
例えば、照明制御装置1-1の設定部10は、環境光のRGB値に所定値を加算または減算して新たな基準値RGB_Sを求め、新たな基準値RGB_Sを減算部11-1~11-Nに出力する。また、照明制御装置1-2の設定部10’は、照明器具4-nの器具光のRGB値に所定値を加算または減算して新たな基準値RGB_Sを求め、新たな基準値RGB_Sを、減算部11-nを除く減算部11-1~11-Nに出力する。
【0300】
また、前記実施形態では、基準値RGB_S及び制御対象となる複数の器具光の測定結果をRGB値としたが、RGB値の代わりに、ヒューH及びサチュレーションSとしてもよい。また、ヒューH、サチュレーションS及びインテンシティIとしてもよいし、色温度Kとしてもよいし、色温度K及びグリーン成分Gとしてもよいし、RGB値及びインテンシティIとしてもよい。この場合、照明制御装置1は、環境光測定装置2及び照明処理装置3-1~3-Nから測定結果としてRGB値を受信する代わりに、ヒューH及びサチュレーションS、またはヒューH、サチュレーションS及びインテンシティI、または色温度K、または色温度K及びグリーン成分G、またはRGB値及びインテンシティIを受信する。
【0301】
また、
図3の照明制御装置1-1及び
図4の照明制御装置1-2では、減算部11-1~11-Nは、通信部13-1~13-Nから器具光のRGB値を入力するようにした。これに対し、照明制御装置1-1,1-2は、減算部11-1~11-Nと通信部13-1~13-Nとの間に、乗算器をそれぞれ備えるようにしてもよい。乗算器は、通信部13-1~13-Nから器具光のRGB値を入力し、器具光のRGB値に予め設定された係数を乗算し、乗算後のRGB値を減算部11-1~11-Nに出力する。予め設定された係数は、照明処理装置3-1~3-Nのそれぞれに備えたカラーセンサ33の固体差を吸収するための値である。これにより、減算部11-1~11-Nは、カラーセンサ33の個体差を排除した器具光のRGB値を入力することができ、制御部12-1~12-Nにより、精度の高い操作量を算出することができる。したがって、全体として統一した色合いの環境を一層実現することが可能となる。設定部10と通信部13-0との間に乗算器を備える場合も同様である。
【0302】
また、
図3及び
図4では、照明制御装置1-1,1-2は、通信部13-0~13-Nを備えるように記載してあるが、これは説明の便宜上、通信部13-0~13-Nが環境光測定装置2、照明処理装置3-1~3-Nにそれぞれ対応していることを示しているに過ぎない。実際のハードウェアとしての照明制御装置1-1,1-2は、通信部13-0~13-Nを個々に備えているのではなく、1つの通信部を備え、当該通信部と環境光測定装置2、照明処理装置3-1~3-Nとの間で通信が行われる。
【0303】
また、照明制御装置1-1,1-2の制御部12-1~12-Nは、基準値RGB_Sと器具光のRGB値との間の差分ΔRGBが0となるように(0に一致するように)操作量を算出するようにしたが、差分ΔRGBが小さくなるように操作量を算出するようにしてもよい。また、制御部12-1~12-Nは、差分ΔRGBが0に近くなるように操作量を算出するようにしてもよいし、差分ΔRGBが0でない所定値に一致するように操作量を算出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0304】
1 照明制御装置
2 環境光測定装置
3 照明処理装置
4 照明器具
10,10’ 設定部
11 減算部
12 制御部
13,30,32 通信部
14 切替部
31 処理部
33 カラーセンサ
40 DMX機器