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▶ 日清製粉株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】フライ即席麺の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/109 20160101AFI20220106BHJP
   A23L 29/269 20160101ALI20220106BHJP
【FI】
A23L7/109 B
A23L29/269
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018066110
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019170348
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】301049777
【氏名又は名称】日清製粉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】水上 将一
(72)【発明者】
【氏名】長井 孝雄
【審査官】安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-267640(JP,A)
【文献】特開平08-140609(JP,A)
【文献】特開2000-139387(JP,A)
【文献】特開2010-004822(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2010-99367(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L7
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉を主体とする穀粉と澱粉とを、前記穀粉と前記澱粉との合計量100質量部に対して、前記穀粉の配合量が60~9質量部、前記澱粉の配合量が10~40質量部となるように配合した穀粉原料を調製し、該穀粉原料及び該穀粉原料100質量部に対して外割で0.~5質量部配合したキサンタンガムを用いて麺生地を調製し、
フライ即席麺の製造に用いる澱粉の総量のうちの少なくとも50質量%が、未処理又は酸化処理された、馬鈴薯澱粉又はタピオカ澱粉であることを特徴とする、フライ即席麺の製造方法。
【請求項2】
前記キサンタンガムと前記澱粉の質量比を1:1~60とする、請求項1記載のフライ即席麺の製造方法。
【請求項3】
前記穀粉の一部にα化穀粉を用い、該α化穀粉の配合量を、前記穀粉と前記澱粉との合計量100質量部中、0.5~10質量部とする、請求項1又は2に記載のフライ即席麺の製造方法。
【請求項4】
製造するフライ即席麺が、温度60~90℃の範囲の温水に2~4分間接触させることによって喫食可能な状態となる麺である、請求項1~の何れか1項に記載のフライ即席麺の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フライ即席麺の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
即席麺は、熱湯を注ぐだけで簡単に喫食できる即席性、良好な保存性等の利点を有するため、生活者の幅広い支持を得ている。即席麺を、製造時の乾燥方法から分類すると、油で揚げて水分を除去したフライ即席麺、熱風乾燥やマイクロ波で乾燥したノンフライ麺、凍結乾燥した凍結乾燥麺等に分類される。その中でもフライ即席麺は、即席性、独得の風味等の点で、即席麺の主流をなしている。
そのフライ即席麺について、食感等を改良する技術が種々提案されている。例えば特許文献1には、小麦粉に対して加工澱粉や乳化油脂、レシチンなどを添加することが記載され、特許文献2には、小麦粉に対してキサンタンガムや乳化剤を添加することが記載され、特許文献3には、小麦粉に馬鈴薯澱粉を配合して用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-294553号公報
【文献】特開平2-219555号公報
【文献】特開平7-194328号公報
【文献】特開2008-136361号公報
【文献】特開2013-126425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、即席麺は、生活スタイルの多様化や喫食可能とする作業の簡便化の観点等から、家庭用の電気ポットや給湯器、温水機能付きのウォーターサーバー等から得られる熱湯ではない温水でも、喫食可能な即席麺の開発が求められている。
この目的のために、即席麺の原料としてガティガムや、寒天とカードラン等の特定の増粘多糖類を用いることが提案されている(特許文献4,5)。しかしながら、それらの技術では、温水では所定時間内に十分に復元しない、食感に劣る又は麺のほぐれ性に劣るなどの問題がある。
【0005】
したがって、本発明の課題は、熱湯よりも低い温度の温水でも十分に復元し、しかも粘弾性等の食感が良好で、かつ喫食時のほぐれ性にも優れるフライ即席麺を製造可能なフライ即席麺の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、小麦粉を主体とする穀粉と澱粉とを、前記穀粉と前記澱粉との合計量100質量部に対して、前記穀粉の配合量が60~95質量部、前記澱粉の配合量が5~40質量部となるように配合した穀粉原料を調製し、該穀粉原料及び該穀粉原料100質量部に対して外割で0.3~5質量部配合したキサンタンガムを用いて麺生地を調製することを特徴とする、フライ即席麺の製造方法を提供することにより、上記課題を解決したものである。
また本発明は、前記のフライ即席麺の製造方法によって製造されたフライ即席麺を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のフライ即席麺の製造方法によれば、熱湯よりも低い温度の温水でも十分に復元し、しかも粘弾性等の食感が良好で、かつ喫食時のほぐれ性にも優れるフライ即席麺を製造可能である。
本発明のフライ即席麺は、熱湯よりも低い温度の温水でも十分に復元し、しかも粘弾性等の食感が良好で、かつ喫食時のほぐれ性にも優れている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のフライ即席麺の製造方法においては、フライ即席麺の製造に際し、小麦粉を主体とする穀粉と澱粉とを特定の配合割合で配合して穀粉原料を調製する。この穀粉原料を調製は、麺生地となった時点で、穀粉と澱粉とが混合された状態となっていればよく、例えば、穀粉と澱粉とを混合して両者を混合状態で含む穀粉原料を調製しても良く、穀粉と澱粉とを水及び/又は他の原料とともに混合して、それらが混合物された穀粉原料を調製しても良く、また穀粉、澱粉及びキサンタンガムを同時に混合したり、穀粉、澱粉及びキサンタンガムに加えて水及び/又は他の原料を同時に混合して、穀粉原料とキサンタンガムとが混合された状態の原料粉や麺生地を得ても良い。
【0009】
本発明において、小麦粉を主体とする穀粉とは、中力粉、準強力粉、強力粉、薄力粉、デュラム小麦粉から選択される1種類以上の小麦粉を主として含有し、必要に応じ又は所望により、小麦粉以外の穀粉を適宜配合したものである。小麦粉以外の穀粉としては、そば粉、コーンフラワー、ライ麦粉、大麦粉、オーツ粉、米粉等が挙げられる。穀粉中の小麦粉の含有割合は、通常50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上、例えば100質量%である。
穀粉原料中の穀粉の配合量は、前記穀粉と前記澱粉との合計量100質量部に対して、60~95質量部の範囲であり、好ましくは70~95質量部の範囲である。穀粉の配合量が60質量部未満であると、得られるフライ即席麺が食味に乏しくなりやすく、また澱粉の配合量が相対的に多くなるため、コスト高になる恐れがある。他方、穀粉の配合量が95質量部を超えると、得られるフライ即席麺が復元性に劣るものとなりやすい。
【0010】
本発明において用いる澱粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、甘藷澱粉等の澱粉、及びそれらに酸化、架橋、エステル化(例えばアセチル化)、エーテル化(例えばヒロドキシプロピル化)等の一又は二種以上の処理を施した加工澱粉等が挙げられる。これらの未処理の澱粉と加工澱粉は、いずれか1種を単独で又はいずれか2種以上を組み合わせで使用することができる。未処理の澱粉とは、加工澱粉を得るための酸化、架橋、エステル化、エーテル化等の処理が施されてない澱粉である。
穀粉原料中の澱粉の配合量は、前記穀粉と前記澱粉との合計量100質量部に対して、5~40質量部の範囲であり、好ましくは5~30質量部の範囲である。澱粉の配合量が5質量%未満であると、得られるフライ即席麺が復元性やほぐれ性に劣るものとなりやすく、40質量部を超えると、得られるフライ即席麺が食味に乏しくなりやすい。
【0011】
本発明で用いる澱粉としては、温水での復元性や食感、ほぐれ性の観点から、馬鈴薯澱粉又はタピオカ澱粉を用いることが好ましく、未処理又は酸化処理若しくはアセチル化処理された馬鈴薯澱粉又はタピオカ澱粉を用いることがより好ましく、未処理又は酸化処理された馬鈴薯澱粉又はタピオカ澱粉を用いることが更に好ましい。また、本発明のフライ即席麺の製造に用いる澱粉の総量のうち、少なくとも50質量%が、馬鈴薯澱粉又はタピオカ澱粉であることが好ましく、60~100質量%が、馬鈴薯澱粉又はタピオカ澱粉であることがより好ましく、それらの澱粉が、上述した好ましい馬鈴薯澱粉又はタピオカ澱粉であることが更に好ましい。なお、「馬鈴薯澱粉又はタピオカ澱粉」という表現には、それらの一方を用いる場合の他、両方を用いる場合も含まれ、両方を併用する場合における上記の好ましい澱粉の使用量は、両者の合計量である。例えば、上述した「少なくとも50質量%」は、馬鈴薯澱粉とタピオカ澱粉とを併用する場合、両方の合計量が50%以上であることを意味する。
【0012】
本発明の製造方法においては、穀粉と澱粉とを前述した割合で配合した穀粉原料に、キサンタンガムを配合して用いる。キサンタンガムの配合量は、前記穀粉と前記澱粉とを合わせた穀粉原料100質量部に対して外割で0.3~5質量部であり、好ましくは0.5~5質量部、より好ましくは0.5~3質量部である。キサンタンガムを斯かる特定量配合することにより、得られるフライ即席麺が、熱湯よりも低い温度の温水でも十分に復元し、しかも粘弾性等の食感が良好で、かつ喫食時のほぐれ性にも優れたものとなる。
【0013】
キサンタンガムの配合量が0.3質量部未満であると、前述の効果が十分に奏されない場合があり、5質量部を超えて配合すると、復元性は得られるもののフライ麺がねちゃつくなど食感に劣るものとなる。なお、キサンタンガムの配合は、穀粉と澱粉とを混合状態で含む穀粉原料にキサンタンガムを添加しても良いし、穀粉に澱粉及びキサンタンガムを添加しても良いし、穀粉に、澱粉とキサンタンガムとの混合物を添加しても良い。
【0014】
キサンタンガムは、澱粉の配合量との関係において特定の量を用いることが好ましい。具体的にはキサンタンガムと澱粉の質量比(前者:後者)が、1:1~60の範囲になるように調整することが好ましく、より好ましくは1:2~40の範囲になるように調整する。キサンタンガムの配合量を澱粉の量との関係において、このような質量比となるように調整することにより、得られるフライ即席麺が、温水での復元性、食感及びほぐれ性に一層優れるものとなる。
【0015】
また本発明においては、穀粉原料に含まれる穀粉の一部として、α化穀粉を用いることが好ましく、α化小麦粉を用いることがより好ましい。α化穀粉の好ましい配合量は、前記穀粉と前記澱粉との合計量100質量部中、0.5~10質量部、より好ましくは1~5質量部である。穀粉の一部としてα化穀粉を配合することにより、フライ即席麺の食感が一層確実に向上する。
【0016】
本発明で製造するフライ即席麺の原料には、穀粉原料を構成する穀粉及び澱粉、キサンタンガム以外の他の原料を配合することもできる。他の原料としては、麺の製造に一般的に使用される副原料、例えば、食塩;かんすい;卵白粉、全卵粉等の卵粉;キサンタンガム以外の増粘剤;動植物油脂、乳化油脂、ショートニング等の油脂類;レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤;炭酸塩、リン酸塩等の無機塩類;グルテン、大豆蛋白質、カゼイン等の蛋白類;ソルビット;エチルアルコール;酵素剤、などが挙げられる。これらの副原料は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、副原料の配合量は、目的とする麺類の種類に応じて、適宜決定することができる。
【0017】
本発明のフライ即席麺の製造方法によりフライ即席麺を製造するには、例えば、穀粉原料(穀粉及び澱粉)とキサンタンガムに、水と一緒に食塩水、かんすい等の前述の副原料等を必要に応じて加え、混合し、混捏して十分なグルテンを形成した麺生地を調製し、次いで、その麺生地を製麺ロールを用いて圧延して麺帯を得、この麺帯を、切刃等を用いて切り出して麺線を得るか、調製した前記生地から押し出し成型により麺線を得る。この製麺工程に続いて、個食ごとに型に詰め140~150℃で1分~2分間の油揚げをすることにより、目的とするフライ即席麺が得られる。
本発明におけるフライ即席麺の種類としては、中華麺、うどん、日本そば、焼きそば、即席パスタなどを挙げることができる。
【0018】
本発明の方法により製造されるフライ即席麺及び本発明のフライ即席麺は、熱湯ではない温水でも十分に喫食可能な状態とすることができ、例えば、温度60~90℃の範囲の温水に2~4分間接触(好ましくは浸漬)させることによって喫食可能な状態となる麺(以下「温水可食麺」ともいう)である。本発明により製造されるフライ即席麺、特に前記の温水可食麺は、家庭用の電気ポットや給湯器、温水機能付きのウォーターサーバー等から得られる熱湯ではない温水でも十分に復元し喫食可能となるため、利便性に優れるほか、熱湯が入手しにくい環境においても容易に喫食可能な状態とすることができる。
【実施例
【0019】
本発明を具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
【0020】
1)試験例1〔キサンタンガムの配合量の影響〕
小麦粉と澱粉との合計量が100質量部である表1に示す配合の原料粉に、予め水35質量部に食塩1.5質量部及びかんすい(「赤かんすい」オリエンタル酵母工業製)0.2質量部を溶解した溶液を添加し、製麺用ミキサーでミキシング(高速5分→低速8分)して麺生地を製造した。この麺生地を製麺ロールにより圧延して厚さ1mmの麺帯とし、次いで切刃(#19番角)により麺線に切り出した。得られた麺線を3分間蒸し処理(蒸圧5-8kPa)し、次いで個食に分け、2分間フライ処理(150℃)して、フライ即席麺(中華麺)を製造した。
【0021】
〔評価〕
得られた各フライ即席麺(麺質量:65g)を容器に収納し、温水(65℃)を約330ml加えて、蓋をして3分間復元させた。復元した即席麺について、(1)復元性、(2)食感(粘弾性)、及び(3)ほぐれ性について、それぞれ以下に示す評価基準に基づいて10名のパネラーに評価させ、その評価結果(パネラー10名の平均点)を表1に示した。なお、表1~表5中、「実」は実施例、「比」は比較例を示す。
【0022】
〔評価基準〕
(1)食感(復元性)
5点:十分可食状態であり、良好。
4点:ほぼ可食状態であり、やや良好。
3点:大部分は可食状態であるが、一部に芯が残る。
2点:麺線表面は可食状態であるが、麺線の中心部には芯が残り、やや不良。
1点:麺線表面及び中心部が硬く、不良。
(2)食感(歯切れ/粘弾性)
5点:適度な硬さと弾力があり、良好である。
4点:硬さと弾力があり、やや良好である。
3点:硬さがあるが、弾力にやや欠ける。
2点:やや硬すぎる、やや粉っぽい等、やや不良である。
1点:硬すぎる、粉っぽい等、不良である。
(3)ほぐれ性
5点:箸を入れれば容易にほぐれ、良好である。
4点:箸を2~3回通せばほぐれ、やや良好である。
3点:箸を4~5回通せばほぐれる。
2点:箸を6~8回通せばほぐれ、やや不良である。
1点:箸を9回以上通さないとほぐれず、不良である。
【0023】
【表1】
【0024】
表1に示す結果から明らかなように、キサンタンガムの配合量が穀粉原料100質量部に対して外割で0.3~5質量部の範囲内である本発明の実施例1~4は、復元性、食感及びほぐれ性にバランスよく優れているのに対して、キサンタンガムの配合量が0.1質量部である比較例1やキサンタンガムを配合していない対照は、復元性、食感及びほぐれ性のいずれもが劣っていた。キサンタンガムの配合量が10質量部の比較例2は、復元性は悪くはないが、食感やほぐれ性が劣っていた。比較例3~5は、キサンタンガムに代えて他の種類のガム類を配合したものであるが、復元性、食感及びほぐれ性の何れか1以上に劣るものであった。これらから、復元性、食感及びほぐれ性に優れるフライ即席麺を得るためには、キサンタンガムを用い、その配合量を穀粉原料100質量部に対して外割で0.3~5質量部程度とすることが重要であることが判る。
【0025】
2)試験例2〔キサンタンガム/澱粉の質量比と澱粉の配合量の影響〕
表2に示す配合の原料粉(数値は質量部)を使用した以外は試験例1と同様にして、フライ即席麺を製造した。製造した各フライ即席麺を試験例1と同様の方法により評価し、その評価結果を表2に示した。なお、表2中の実施例2は、表1の実施例2と同じものを再掲した。
【0026】
【表2】
【0027】
表2に示す結果から、穀粉原料(穀粉及び澱粉の合計量)100質量部に対する澱粉の配合量は、復元性、食感及びほぐれ性の一層の向上の点から、5~40質量部、特に5~30質量部とすることが好ましいことが判る。また、復元性、食感及びほぐれ性の向上の観点から、キサンタンガムと澱粉の質量比は1:1~60とすることが好ましいことが判る。
【0028】
3)試験例3〔α化穀粉の配合量の影響〕
表3に示す配合の原料粉(数値は質量部)を使用した以外は試験例1と同様にして、フライ即席麺を製造した。製造した各フライ即席麺を試験例1と同様の方法により評価し、その評価結果を表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】
表1中の実施例3と表3中の実施例11の結果を比較すると、澱粉の一部としてα化小麦粉等のα化穀粉を用いることで、復元性、食感及びほぐれ性が一層向上していることが判る。また表3に示す結果から、α化穀粉を配合する場合、その配合量を、穀粉と澱粉との合計量100質量部中0.5~10質量部とすることが好ましいことが判る。
【0031】
4)試験例4(復元時の温度の影響)
実施例6のフライ中華麺を下記の表4に示す温度の温水で復元して、復元した即席麺について、試験例1と同様の方法により評価した。その評価結果を表4に示した。
【0032】
【表4】
【0033】
表4に示す結果から、本発明の方法により製造したフライ即席麺は、温度60~90℃の範囲の温水で復元した場合であっても、良好な復元性、食感及びほぐれ性を有することが判る。
【0034】
5)試験例5〔澱粉の種類〕
表5に示す配合の原料粉(数値は質量部)を使用した以外は試験例1と同様にして、フライ即席麺を製造した。製造した各フライ即席麺を試験例1と同様の方法により評価し、その評価結果を表5に示した。
【0035】
【表5】
【0036】
表5に示す結果から、澱粉として、未処理又は酸化処理された澱粉である、馬鈴薯澱粉又はタピオカ澱粉を用いることが好ましいことが判る。