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特許6997175ZrO2上に担持されたルテニウム触媒の存在下でのニトリル水素化のための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】ZrO2上に担持されたルテニウム触媒の存在下でのニトリル水素化のための方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 209/48 20060101AFI20220127BHJP
   C07C 211/14 20060101ALI20220127BHJP
   C07C 213/02 20060101ALI20220127BHJP
   C07C 217/04 20060101ALI20220127BHJP
   B01J 23/46 20060101ALI20220127BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20220127BHJP
【FI】
C07C209/48
C07C211/14
C07C213/02
C07C217/04
B01J23/46 301Z
C07B61/00 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019513050
(86)(22)【出願日】2017-09-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 EP2017071936
(87)【国際公開番号】W WO2018046393
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-09-01
(31)【優先権主張番号】16187732.9
(32)【優先日】2016-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン アイダムスハウス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス クルーク
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン-ペーター メルダー
(72)【発明者】
【氏名】イェアク パストレ
(72)【発明者】
【氏名】レジーヌ ヘルガ ベーベンゼー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファニー イェグリ
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-222465(JP,A)
【文献】特表2002-505315(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02684862(EP,A1)
【文献】特開平02-164856(JP,A)
【文献】特開平06-321870(JP,A)
【文献】特開平08-253433(JP,A)
【文献】Applied Catalysis A: General,1997年,163,P.245-254
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 209/00
C07C 211/00
C07C 213/00
C07C 217/00
B01J 23/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素およびZrO2上に担持されているルテニウム固定床触媒の存在下でのニトリルの水素化のための方法であって、
前記水素化されるべきニトリルは、シアノエチル化された一価および多価のアルコール、シアノエチル化されたアミン、ならびにα-アミノニトリルの群から選択され、
前記水素化は、溶剤不含かもしくはアンモニア中で行われる、前記方法。
【請求項2】
前記使用されるルテニウム固定床触媒は、該触媒の全質量に対して0.05質量%~20質量%のルテニウムを含有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ニトリル水素化法は、連続的に行われる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記水素化されるべきニトリルは、ジニトリルである、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
20℃~200℃の範囲の温度および20bar~300barの範囲の圧力で水素化される、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ZrO2上に担持されたルテニウム触媒の存在下でのニトリルの水素による水素化のための方法に関する。
【0002】
ニトリルの水素化は、第一級アミンを製造するための最も重要な方法である。工業的規模でのニトリル水素化は、一般的にコバルト含有の固定床触媒上で、またはラネーニッケルおよびラネーコバルト等の懸濁触媒の存在下で実施され、それらは文献から公知である。
【0003】
ルテニウム含有触媒上でのニトリルの水素化は、僅かな例しか記載されていない。
【0004】
C.Ortiz-Cervantes、I.Iyanez、J.J.Garcia et alは、J.Phys.Org.Chem.2013,25,902-907において、アセトニトリル、ベンゾニトリル、およびプロピオニトリルの水素化におけるルテニウムナノ粒子の使用を記載している。
【0005】
国際公開第96/23802号(WO96/23802)において、例えばアジポジニトリルの水素化における、均質に溶解されたホスファン配位子を有するルテニウム触媒の存在下での水素化が記載されている。
【0006】
担持されたルテニウム触媒のための一例は、欧州特許出願公開第2684862号明細書(EP-A2684862)に記載されている。ここでは、ジエチレントリアミン(DETAの製造のためのイミノジアセトニトリルの回分式水素化が記載されている。この場合には、Al23上に担持されたルテニウム触媒が使用される。しかしながら、ZrO2上に担持されたルテニウム触媒は記載されていない。
【0007】
ニトリルの水素化に際して、Ullmans’s Encyclopedia of Industrial Chemistry“Amines,Aliphatic”,DOI:10.1002/14356007.a2_001に記載されているように、しばしばコバルト固定床触媒が使用される。幾つかのニトリルは、水素化のために典型的な反応条件下で、アクリルニトリルまたは青酸を遊離する傾向がある。そのようなニトリルは、一般的に、低い空時収量でしか水素化することができない。例は、N,N-ビスシアノエチルアルキルアミン、シアノエチル化されたアルコール、およびα-アミノニトリルである。
【0008】
そのように要求が多いニトリルの水素化は、一般的に懸濁触媒上でのみ効率的に行われる。例えば、ラネー金属触媒上でのN,N-ビスシアノエチルメチルアミンの水素化は、欧州特許第0363843号明細書(EP0363843)において、そしてMikolajewska et al.Acta Pol.Pharm,1966によって記載されている。
【0009】
上述のニトリルを良好な空時収量で水素化する効率的な固定床触媒は記載されていない。
【0010】
したがって、本発明の課題は、良好な空時収量で一般的なニトリルを水素化するだけでなく、同時に要求が多いニトリル、例えばN,N-ビスシアノエチルアルキルアミン、シアノエチル化されたアルコール、およびα-アミノニトリル等のニトリルも、単純なニトリルと同様に良好な空時収量で水素化する、水素化のための固定床法を提供することである。さらに、前記触媒は、そのような方法において長期の高い活性を有するべきであり、ゆっくりとしか失活しないことが望ましい。
【0011】
前記課題は、水素およびZrO2上に担持されているルテニウム固定床触媒の存在下でニトリルを水素化するための方法によって解決される。
【0012】
本発明による方法は、使用されるルテニウム固定床触媒が、該触媒の全質量に対して0.05質量%~20質量%のルテニウムを含有する場合に有利である。
【0013】
本発明による方法は、前記ニトリル水素化法が連続的に行われる場合に有利である。
【0014】
本発明による方法は、水素化されるべきニトリルがジニトリルである場合に有利である。
【0015】
本発明による方法は、水素化されるべきニトリルが、シアノエチル化された一価アルコールおよび多価アルコール、シアノエチル化されたアミン、およびα-アミノニトリルの群から選択される場合に有利である。
【0016】
本発明による方法は、前記水素化が、溶剤不含で実施される場合に有利である。
【0017】
本発明による方法は、20℃~200℃の範囲の温度および1bar~300barの範囲の圧力で水素化される場合に有利である。
【0018】
本発明による方法では、当業者に公知のあらゆるニトリルを使用することができる。α-アミノニトリル、シアノエチル化された一価アミンおよび多価アミン、ならびにシアノエチル化された一価アルコールおよび多価アルコールの使用が有利である。アミノアルキル-α-アミノニトリル、アルキル-α-アミノニトリル、シアノエチル化されたアミン、シアノエチル化されたジアミン、シアノエチル化された1,2-ジオールおよび1,3-ジオール、シアノエチル化されたアルキルアルコールの使用が特に有利である。アミノアセトニトリル、イミドジアセトニトリル、ジメチルアミノアセトニトリル、N,N-ジメチルアミノプロピルニトリル、ビスシアノエチルグリコール、3-メトキシプロピルニトリル、3-ヒドロキシプロピルニトリル、N,N-ビスシアノエチルエチレンジアミン、およびN,N-ビスシアノエチルメチルアミンの使用がさらに特に有利である。ジメチルアミノアセトニトリル、N,N-ジメチルアミノプロピルニトリル、ビスシアノエチルジエチレンジグリコール、N,N-ビスシアノエチルメチルアミンが、殊にさらに特に有利である。
【0019】
前記水素化が実施される温度は、20℃~200℃の範囲、有利には60℃~180℃、特に有利には80℃~140℃、さらに特に有利には90℃~130℃である。
【0020】
前記水素化に際して保たれる圧力は、一般的に1bar~300bar、有利には20bar~300bar、特に有利には40bar~240bar、さらに特に有利には80bar~200barである。
【0021】
有利な実施形態においては、使用されるニトリルは、該水素化でニトリルと水素とが反応する速度よりも大きくない水素化の速度に伴って供給される。
【0022】
供給速度は、有利には完全転化率に至るように調整されるべきである。これは、温度、圧力、化合物ニトリルの種類、触媒の量、反応媒体、反応器内容物の混和性のよさ、滞留時間等によって影響される。
【0023】
本発明による方法は、ZrO2上に担持されたルテニウム触媒の存在下で実施される。前記ZrO2上に担持されたルテニウム触媒は、原則的に、当業者にニトリル水素化のために知られる、ストランド、球形、タブレット、押出物、粉末、破片等のあらゆる形状を有し得る。
【0024】
前記ZrO2上に担持されたルテニウム触媒は、使用前に反応器外でまたは反応器中で、水素含有ガス流中での高められた温度における酸化されたルテニウム化学種の還元により活性化される。該触媒が反応器外で還元される場合に、その後に酸素含有ガス流による不動態化、または不活性材料中への包埋を行うことで、空気中での制御されない酸化を避け、安全な取り扱いが可能となる。不活性材料としては、有機溶剤、例えばアルコールのみならず、水またはアミン、有利には反応生成物が使用され得る。
【0025】
特に有利なZrO2担持ルテニウム触媒は、水素による還元の前に触媒活性材料として、全触媒に対して0.05質量%~20質量%、有利には0.05質量%~15質量%のルテニウムを有する。これらの特に有利なZrO上に担持されたルテニウム触媒およびそれらの製造は、国際公開第2015/086639号パンフレット(WO-A2 2015/086639)の第7頁第5行以降から第38行までに記載されている。国際公開第2015/086639号パンフレット(WO-A2 2015/086639)においては、第5頁第40行以降から第8頁第42行までに、そのようなZrO上に担持されたルテニウム触媒の固定床触媒としての有利な物理的特性も記載されている。
【0026】
本発明による方法は、溶剤の存在下で、または溶剤を用いずに実施することができる。溶剤を用いずに実施することが有利である。しかしながら、溶剤の存在下で作業される場合に、原則的に当業者に公知のあらゆる溶剤が適しており、その際、該溶剤は、好ましくは使用されるべきニトリルに対して不活性な性質でなければならない。
【0027】
可能な溶剤は、有機溶剤、例えば芳香族炭化水素および脂肪族炭化水素、例えばトルエン、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二級ブタノールおよび第三級ブタノール、アミン、例えばEDAまたはエチルアミンおよびアンモニア、ならびにエーテル、例えばジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、ジグリコールジメチルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)、ならびにアミド、例えばN,N-ジメチルアセトアミドおよびN,N-ジメチルホルムアミドである。
【0028】
好ましくは、前記溶剤は、芳香族炭化水素、アルコール、アミン、またはエーテルである。本発明による方法においては、環状エーテルおよびアミンが有利である。テトラヒドロフランおよびアンモニアは特に有利である。アンモニアは、さらに特に有利である。
【0029】
通常は、前記ニトリルと前記溶剤とは、溶液中のニトリル含量が0.5質量%~95質量%に調整されるように混合される。前記水素化が実施される溶液中のニトリルの濃度は、適切な供給速度または滞留時間が調整され得るように選択されるべきである。前記ニトリルと前記溶剤とを、溶液中のニトリル含量が5質量%~75質量%に調整されるように混合することが有利である。
【0030】
前記ニトリルと水素との触媒の存在下での反応は、触媒反応のために適した通常の反応容器中で固定床において、流動床において、連続的に、半連続的に、または断続的に実施され得る。前記水素化の実施のためには、前記ニトリルおよび前記触媒と水素との圧力下での接触が可能となる反応容器が適している。
【0031】
前記ZrO上に担持されたルテニウム固定床触媒上での水素化は、有利には1つ以上の管形反応器中で行われるが、多管式反応器中でも行われる。
【0032】
前記ニトリル基の水素化は、熱の放出下に行われ、その熱は一般的に排出されねばならない。熱排出は、内部に取り付けられた熱交換器面、冷却ジャケット、または外部にある熱交換器によって反応器中を巡る循環において行うことができる。水素化反応器または水素化反応器カスケードは、直線的な通過において運転され得る。あるいは反応器排出物の一部を反応器入口に返送する循環方式も可能であり、有利にはその循環流には後処理が事前に行われない。
【0033】
特に、前記循環流は、外部熱交換器によって簡単かつ費用のかからない様式で冷却され、それにより反応熱は排出され得る。
【0034】
前記反応器はまた、断熱的にも運転され得る。前記反応器の断熱的運転に際して、反応混合物中での温度上昇は、供給物の冷却によって、または「冷」有機溶剤の供給によって制限することができる。
【0035】
前記反応器自体はその際に冷却する必要がないので、簡単かつ費用のかからない構造形態が可能である。1つの選択肢は、冷却式の多管式反応器である。
【0036】
反応器排出物中に存在し得る有機溶剤は、一般的に蒸留により分離される。特に、本発明によるアミンは、当業者に公知の方法により反応生成物から単離され得る。
【0037】
以下に、本発明を実施例に基づき明確に示す。
【0038】
実施例1
コバルト固定床触媒およびルテニウム固定床触媒におけるN,N-ビス(シアノエチル)メチルアミン(BCEMA)のN,N-ビスアミノプロピルメチルアミン(BAPMA)への連続的な水素化
24.6mLのルテニウム触媒(3mmのストランド、国際公開第2015/086639号パンフレット(WO-A2 2015/086639)に記載される)、または20.8mLのコバルト触媒(4mmのストランド、欧州特許第636409号明細書(EP636409)に記載される)が充填された170barで運転される垂直型管形反応器(直径:0.5cm、充填高さ100cm)中に、1時間当たりに4.2gまたは5.4gのN,N-ビス(シアノエチル)メチルアミンおよび10.3g~13.4gの液状アンモニア(モル比20)をポンプ圧送した。同時に、15NL/h~20NL/hの水素を該反応器中に導通させた。
【0039】
常圧への放圧後に、水素化排出物をガスクロマトグラフィーによって分析した。
【0040】
その温度は、試験開始時に約99%の転化率に至るように選択された(コバルト触媒の場合には140℃、ルテニウム触媒の場合には150℃)。
【0041】
【表1】
【0042】
コバルト触媒を使用した場合の実行時間に伴うニトリルの増加は、同じ条件下で、ルテニウム触媒がコバルト触媒よりもゆっくりと失活することを示している。
【0043】
実施例2
コバルト触媒およびルテニウム触媒における3-{2-[2-(2-シアノエトキシ)エトキシ]エトキシ}プロパンニトリル(ビスシアノエチルジエチレンジグリコール)の3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロパン-1-アミン(TTD)への断続的な水素化
阻流板および円板型撹拌機を備えた270mL容のオートクレーブにおいて、5.0gの相応の触媒(欧州特許第636409号明細書(EP636409)に記載される4mmのストランドの形状のコバルト触媒、または例えば国際公開第2015/086639号パンフレット(WO-A2 2015/086639)に記載される4mmのストランドの形状のルテニウム触媒)を装入し、30gのアンモニアをポンプ圧入した。該オートクレーブを100℃に加熱し、140barの全体圧力となるまで水素をポンプ圧入した。15分間にわたり、相応のニトリル(54gのTHF中6.0g)を計量供給した。該反応混合物を、反応条件下でさらに60分間にわたり撹拌した。放圧後に得られた水素化排出物のガスクロマトグラフィーにより測定された組成は、第2表にまとめられている。
【0044】
【表2】
【0045】
実施例3
ルテニウム固定床触媒における3-{2-[2-(2-シアノエトキシ)エトキシ]エトキシ}プロパンニトリル(ビスシアノエチルジエチレンジグリコール)の3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロパン-1-アミン(TTD)への連続的な水素化
37.2mLのルテニウム触媒(3mmのストランド)が充填されている170barで運転される垂直型管形反応器(直径:0.5cm、充填高さ100cm)中に、1時間当たりに13.5gの3-{2-[2-(2-シアノエトキシ)エトキシ]エトキシ}プロパンニトリルおよび33.5gの液状アンモニア(モル比20)をポンプ圧送した。同時に、20NL/hの水素を該反応器中に導通させた。
【0046】
常圧への放圧後に、水素化排出物をガスクロマトグラフィーによって分析した。
【0047】
前記反応は、触媒の大きな失活なくして連続的に960時間にわたり行われた。
【0048】
【表3】
【0049】
実施例4
半回分方式における担体のAl23とZrO2との比較
N,N-ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)のN,N-ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)の水素化
阻流板および円板型撹拌機を備えた270mL容のオートクレーブにおいて、5.0gの相応の触媒を装入し、30gのアンモニアをポンプ圧入した。該オートクレーブを100℃に加熱し、140barの全体圧力となるまで水素をポンプ圧入した。3時間にわたり、相応のニトリル(54gのTHF中6.0g)を計量供給した。該反応混合物を、反応条件下でさらに60分間にわたり撹拌した。放圧後に得られた水素化排出物のガスクロマトグラフィーにより測定された組成は、第4表および第5表にまとめられている。
【0050】
【表4】
【0051】
N,N-ビスシアノエチルメチルアミンのN,N-ビスアミノプロピルメチルアミンへの水素化
ジメチルアミノプロピオニトリルの水素化と同様である。
【0052】
【表5】
【0053】
実施例5
半回分方式における担体の炭素とZrO2との比較
本発明による実施例:ZrO2上ルテニウムにおけるN,N-ジメチルアミノアセトニトリル(DMAAN)のN,N-ジメチルアミノエチルアミン(DMAEA)の水素化
阻流板および円板型撹拌機を備えた270mL容のオートクレーブにおいて、5.0gの触媒(ZrO2上の2%のRu、3mmのストランド)を装入し、40mLのアンモニアをポンプ圧入した。該オートクレーブを100℃に加熱し、140barの全体圧力となるまで水素をポンプ圧入した。1.5時間にわたり、DMAAN(54gのTHF中6g)を計量供給した。該反応混合物を、反応条件下でさらに60分間にわたり撹拌した。放圧後に得られた水素化排出物のガスクロマトグラフィーにより測定された組成は、第6表にまとめられている。
【0054】
比較例:炭素上ルテニウムにおけるN,N-ジメチルアミノアセトニトリル(DMAAN)のN,N-ジメチルアミノエチルアミン(DMAEA)の水素化
阻流板および円板型撹拌機を備えた270mL容のオートクレーブにおいて、5.0gの触媒(炭素上の5%のRu)を装入し、30gのアンモニアをポンプ圧入した。該オートクレーブを100℃に加熱し、140barの全体圧力となるまで水素をポンプ圧入した。1.5時間にわたり、DMAAN(54gのTHF中6g)を計量供給した。該反応混合物を、反応条件下でさらに60分間にわたり撹拌した。放圧後に得られた水素化排出物のガスクロマトグラフィーにより測定された組成は、第6表にまとめられている。
【0055】
【表6】