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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】光学ユニット及び投影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/54 20210101AFI20220128BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20220128BHJP
   G03B 9/02 20210101ALI20220128BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220128BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20220128BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220128BHJP
   G03B 17/17 20210101ALN20220128BHJP
【FI】
G03B17/54
G02B7/04 Z
G03B9/02 Z
G03B21/00 D
G03B21/14 Z
H04N5/225 400
G03B17/17
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020501006
(86)(22)【出願日】2019-02-20
(86)【国際出願番号】 JP2019006391
(87)【国際公開番号】W WO2019163844
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2018029057
(32)【優先日】2018-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 和紀
(72)【発明者】
【氏名】山本 力
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04527872(US,A)
【文献】特開2017-068089(JP,A)
【文献】特開平06-138386(JP,A)
【文献】特開2001-116990(JP,A)
【文献】特開平09-098442(JP,A)
【文献】特開2004-271891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/54
G02B 7/04
G03B 9/02
G03B 21/00
G03B 21/14
H04N 5/225
G03B 17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を含む投影装置本体に対して着脱可能な光学ユニットであって、
前記表示部からの光が入射される投影光学系と、
前記投影光学系を通過した光を投影対象物に投影し、前記投影対象物側の被写体を結像させる共通光学系と、
前記投影光学系と前記共通光学系との間に位置し、前記投影光学系を通過した光を前記共通光学系に導き、且つ、前記共通光学系の少なくとも一部によって結像された中間像を撮像素子に導く光学部材と、
前記中間像を前記撮像素子に結像させるための撮像光学系と、を備え、
前記中間像の結像位置は、前記共通光学系を構成する構成部材のうちの最も前記投影対象物側にある構成部材と前記光学部材との間にあり、
前記撮像素子は前記光学ユニットに対して着脱可能である、
光学ユニット。
【請求項2】
請求項1記載の光学ユニットであって、
前記結像位置は、前記光学部材と前記共通光学系との間にある光学ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光学ユニットであって、
前記光学部材に入射される前記中間像の前記撮像光学系による撮像倍率は、前記表示部によって表示される画像の前記投影光学系による投影倍率の0.1倍以上1倍未満である光学ユニット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の光学ユニットであって、
前記共通光学系は、光路を屈曲させるための第一の屈曲用光学部材を含む光学ユニット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項記載の光学ユニットであって、
前記撮像光学系は、光路を屈曲させるための第二の屈曲用光学部材を含む光学ユニット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項記載の光学ユニットであって、
前記撮像光学系は、撮像条件を変更するための可動の構成部材を含む光学ユニット。
【請求項7】
請求項6記載の光学ユニットであって、
前記可動の構成部材は、可動絞り、フォーカスレンズ、又はズームレンズの少なくとも1つである光学ユニット。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項記載の光学ユニットであって、
前記投影光学系は、少なくとも1つのレンズと、前記レンズと前記光学部材の間に配置された絞りと、を備え、
前記絞りは前記光学部材に固着されている光学ユニット。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項記載の光学ユニットであって、
前記撮像素子を更に備える光学ユニット。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項記載の光学ユニットと、
前記投影装置本体と、を備える投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ユニット及び投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から4に記載されているように、撮像機能を有する投影装置が提案されている。
【0003】
特許文献1には、投影部からの光をスクリーンに透過し、スクリーンからの光を撮像部に導くハーフミラーと、このハーフミラーと投影部の間に配置されたレンズと、このハーフミラーと撮像部の間に配置されたレンズと、を有するプロジェクタが記載されている。
【0004】
特許文献2には、投影部と、撮像部と、投影部からの光をスクリーンに投影し、スクリーンからの光を撮像部に導くハーフミラーと、このハーフミラーと投影部の間に配置されたレンズと、このハーフミラーよりもスクリーン側に配置されたレンズと、このハーフミラーと撮像部の間に配置されたレンズと、を有する装置が記載されている。
【0005】
特許文献3には、走査用のレーザ光源と、レーザ光源からの光をスクリーン側に透過させるハーフミラーと、ハーフミラーを透過した光が入射される投影兼撮像用のレンズと、この投影兼撮像用のレンズによって集光されてハーフミラーにて反射された光が入射される撮像用のレンズと、この撮像用のレンズを通った光を受光する撮像素子と、を有する装置が記載されている。
【0006】
特許文献4には、表示素子と、表示素子からの光をスクリーン側に透過させるハーフミラーと、ハーフミラーを透過した光が入射される投影兼撮像用のレンズと、この投影兼撮像用のレンズによって集光されてハーフミラーにて反射された光が入射される撮像素子と、を有する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】日本国特開2016-149618号公報
【文献】日本国特開2008-257125号公報
【文献】国際公開WO2011/046035号公報
【文献】国際公開WO2005/083507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
撮像機能と投影機能とを持つ装置において投影性能と撮像性能を向上させるためには、特許文献1に記載されているように、ハーフミラー等の分岐部材と撮像部及び投影部との間にレンズ等の光学系を配置し、更に、特許文献2から4に記載されているように、分岐部材よりもスクリーン側に光学系を配置する構成が有効となる。
【0009】
このような構成の装置においては、光学系が多くなることから、設計コストの低減と装置の小型化が課題となる。特許文献1から4は、上記の構成は開示しておらず、このような課題の認識はない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、設計コストの低減と小型化が可能な光学ユニット、及びこの光学ユニットを備える投影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光学ユニットは、表示部を含む投影装置本体に対して着脱可能な光学ユニットであって、上記表示部からの光が入射される投影光学系と、上記投影光学系を通過した光を投影対象物に投影し、上記投影対象物側の被写体を結像させる共通光学系と、上記投影光学系を通過した光を上記共通光学系に導き、且つ、上記共通光学系の少なくとも一部によって結像された中間像を撮像素子に導くための光学部材と、上記中間像を上記撮像素子に結像させるための撮像光学系と、を備え、上記中間像の結像位置は、上記共通光学系を構成する構成部材のうちの最も上記投影対象物側にある構成部材と上記光学部材との間にあり、上記撮像素子は上記光学ユニットに対して着脱可能である、ものである。
【0012】
本発明の投影装置は、上記光学ユニットと、上記表示部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、設計コストの低減と小型化が可能な光学ユニット、及びこの光学ユニットを備える投影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の投影装置の一実施形態であるプロジェクタ100の概略構成を示す模式図である。
図2図1に示すプロジェクタ100の表示部1の構成例を示す模式図である。
図3図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Aの概略構成を示す模式図である。
図4図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Bの概略構成を示す模式図である。
図5図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Cの概略構成を示す模式図である。
図6図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Dの概略構成を示す模式図である。
図7図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Eの概略構成を示す模式図である。
図8図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Fの概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の投影装置の一実施形態であるプロジェクタ100の概略構成を示す模式図である。図2は、図1に示すプロジェクタ100の表示部1の構成例を示す模式図である。
【0016】
プロジェクタ100は、スクリーンSCに画像を投影すると共に、スクリーンSCに投影された投影像を含む範囲を撮像可能に構成されている。
【0017】
プロジェクタ100は、表示部1と、投影光学系2と、共通光学系3と、光学部材4と、撮像光学系5と、撮像素子6と、を備える。
【0018】
表示部1は、入力される画像データに基づいて投影用の画像を表示するものである。図2に示すように、表示部1は、光源ユニット40と、光変調素子44と、を備える。
【0019】
光源ユニット40は、赤色光を出射する赤色光源であるR光源41rと、緑色光を出射する緑色光源であるG光源41gと、青色光を出射する青色光源であるB光源41bと、ダイクロイックプリズム43と、R光源41rとダイクロイックプリズム43の間に設けられたコリメータレンズ42rと、G光源41gとダイクロイックプリズム43の間に設けられたコリメータレンズ42gと、B光源41bとダイクロイックプリズム43の間に設けられたコリメータレンズ42bと、を備えている。
【0020】
ダイクロイックプリズム43は、R光源41r、G光源41g、及びB光源41bの各々から出射される光を同一光路に導くための光学部材である。すなわち、ダイクロイックプリズム43は、コリメータレンズ42rによって平行光化された赤色光を透過させて光変調素子44に出射する。また、ダイクロイックプリズム43は、コリメータレンズ42gによって平行光化された緑色光を反射させて光変調素子44に出射する。さらに、ダイクロイックプリズム43は、コリメータレンズ42bによって平行光化された青色光を反射させて光変調素子44に出射する。このような機能を持つ光学部材としては、ダイクロイックプリズムに限らない。例えば、クロスダイクロイックミラーを用いてもよい。
【0021】
R光源41r、G光源41g、及びB光源41bは、それぞれ、レーザ又はLED(Light Emitting Diode)等の発光素子が用いられる。光源ユニット40に含まれる光源の数は1つ、2つ、又は4つ以上であってもよい。
【0022】
光変調素子44は、ダイクロイックプリズム43から出射された光を画像データに基づいて空間変調し、空間変調した画像光(赤色画像光、青色画像光、及び緑色画像光)を図1の投影光学系2に出射する。
【0023】
図2は、光変調素子44としてDMD(Digital Micromirror Device)を用いた例であるが、光変調素子44としては、例えば、LCOS(Liquid crystal on silicon)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子、又は液晶表示素子等を用いることも可能である。
【0024】
表示部1は、自発光型の有機EL(electro-luminescence)表示素子を用いて画像を表示し、表示した画像を投影光学系2に入射させるものであってもよい。また、レーザ光を走査することで画像の表示を行うものを用いてもよい。
【0025】
投影光学系2は、表示部1からの画像光が入射される光学系であり、少なくとも1つのレンズを含むリレー光学系によって構成されている。投影光学系2を通過した光は光学部材4に入射され、光学部材4にて反射されて共通光学系3に入射される。
【0026】
共通光学系3は、投影光学系2を通過した光を投影対象物であるスクリーンSCに投影し、且つ、スクリーンSC側の被写体を結像させる光学系であり、リレー光学系によって構成されている。
【0027】
図1の例では、共通光学系3は、少なくとも1つのレンズを含むレンズ群31と、光学部材32と、少なくとも1つのレンズを含むレンズ群33と、少なくとも1つのレンズを含むレンズ群34と、を備える。レンズ群31、光学部材32、レンズ群33、及びレンズ群34は、スクリーンSC側からこの順番にて光路上に配置されている。
【0028】
光学部材32は、共通光学系3の光路を屈曲させるための部材であり、例えばハーフミラー、ビームスプリッタ―、又は偏光部材等が用いられる。光学部材32は、第一の屈曲用光学部材を構成する。
【0029】
投影光学系2を通過した画像光は、光学部材4にて反射されてレンズ群34に入射される。このレンズ群34によって、レンズ群33とレンズ群34の間の位置IGに、画像光によって形成される中間像が結像される。
【0030】
この中間像はレンズ群33を通過して光学部材32に入射し、光学部材32にて反射されてレンズ群31に入射される。レンズ群31に入射された中間像はスクリーンSCに向けて投影される。
【0031】
一方、スクリーンSC側からレンズ群31に入射した被写体光は、レンズ群31を通過し、光学部材32にて反射されて、レンズ群33に入射される。このレンズ群33によって、レンズ群33とレンズ群34の間の位置IGに、被写体光によって形成される中間像が結像される。
【0032】
この中間像は、レンズ群34を通過して光学部材4に入射し、光学部材4を透過して撮像光学系5に入射される。
【0033】
撮像素子6は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が用いられる。
【0034】
撮像光学系5は、位置IGに結像された中間像を撮像素子6に結像させるための光学系である。撮像光学系5は、撮像素子6の前方に配置されており、光学部材4を透過した被写体光を集光して撮像素子6に結像させる。撮像光学系5は、少なくとも1つのレンズを含んで構成されている。
【0035】
光学部材4は、例えばハーフミラー、ビームスプリッタ―、又は偏光部材等によって構成されている。光学部材4は、投影光学系2を通過した画像光を反射させて共通光学系3に導き、且つ、共通光学系3のレンズ群33によって位置IGに結像された被写体光に基づく中間像を、撮像光学系5を通して撮像素子6に導く。
【0036】
図1に示す投影光学系2、共通光学系3、光学部材4、撮像光学系5、及び撮像素子6によって光学ユニットが構成されている。
【0037】
以上のように構成されたプロジェクタ100によれば、表示部1によって表示された投影用の画像をスクリーンSCに投影すると共に、この画像の投影像を撮像素子6によって撮像することができる。
【0038】
このプロジェクタ100は、共通光学系3の内部のレンズ群33とレンズ群34の間の位置IGに、被写体光による中間像が結像される。このため、例えばこの中間像が光学部材4よりも撮像光学系5側にある場合と比較すると、この中間像と撮像光学系5との距離を十分に大きくすることができる。この結果、撮像光学系5が大きくなるのを防ぐことができ、光学ユニットの小型化と、撮像光学系5の設計負荷の軽減とが可能になる。
【0039】
また、プロジェクタ100によれば、共通光学系3と投影光学系2がそれぞれリレー光学系によって構成されている。このため、共通光学系3と投影光学系2を合わせた系におけるバックフォーカスを短くすることができる。また、光線が平行光に近くなるため、光学部材4と光学部材32を小型化することができる。
【0040】
また、プロジェクタ100によれば、画像光に基づく中間像の結像位置と、被写体光に基づく中間像の結像位置とが一致している。このため、光学系の設計が容易となり設計コストを低減することができる。
【0041】
また、プロジェクタ100によれば、光学部材32によって共通光学系3の光路が屈曲されているため、プロジェクタ100の形状に自由度を持たせることができる。
【0042】
なお、中間像が結像される位置IGは、共通光学系3に含まれるレンズのうちの最もスクリーンSC側にあるレンズと光学部材4との間にあれば、被写体光による中間像と撮像光学系5との距離を十分に大きくすることができる。
【0043】
図3は、図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Aの概略構成を示す模式図である。プロジェクタ100Aは、共通光学系3が共通光学系3Aに変更された点を除いてはプロジェクタ100と同じ構成である。図3において図1と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
プロジェクタ100Aの共通光学系3Aは、図1の共通光学系3からレンズ群34を削除したものである。この共通光学系3Aにより、被写体光に基づく中間像は、レンズ群33と光学部材4の間の位置IGに結像される。プロジェクタ100Aによれば、プロジェクタ100と比較して更なる小型化が可能となる。
【0045】
図4は、図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Bの概略構成を示す模式図である。プロジェクタ100Bは、撮像光学系5が撮像光学系5Aに変更され、撮像素子6の位置が変更された点を除いては、図3のプロジェクタ100Aと同じ構成である。図4において図3と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
プロジェクタ100Bの撮像光学系5Aは、少なくとも1つのレンズからなるレンズ群5aと、第二の屈曲用光学部材を構成する光学部材5bと、を備える。
【0047】
光学部材5bは、光学部材4を透過した被写体光を反射させてレンズ群5aに導くための部材であり、例えばハーフミラー、ビームスプリッタ―、又は偏光部材等によって構成されている。
【0048】
レンズ群5aは、光学部材5bにて反射した被写体光を集光して、上記の中間像を撮像素子6に結像させる。
【0049】
このプロジェクタ100Bによれば、光学部材5bによって撮像光学系5Aの光路が屈曲されているため、プロジェクタ100B本体を構成している各種パーツ等と撮像光学系5A及び撮像素子6との干渉を防ぐことができる。この結果、プロジェクタ100Bのデザインに自由度を持たせることができる。
【0050】
図5は、図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Cの概略構成を示す模式図である。プロジェクタ100Cは、撮像光学系5Aが撮像光学系5Bに変更された点を除いては図4のプロジェクタ100Aと同じ構成である。図5において図4と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0051】
プロジェクタ100Cの撮像光学系5Bは、図4の撮像光学系5Aの構成に、少なくとも1つのレンズからなるレンズ群5cが追加されたものである。
【0052】
レンズ群5cは、光学部材5bと光学部材4との間に配置されており、光学部材4を透過した被写体光を光学部材5bに入射させる。
【0053】
以上の構成のプロジェクタ100Cによれば、レンズ群5cが追加されていることで撮像性能の設計に幅を持たせることができ、撮像の高性能化を図ることができる。
【0054】
図6は、図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Dの概略構成を示す模式図である。プロジェクタ100Dは、光学部材4が光学部材4Aに変更され、投影光学系2が投影光学系2Aに変更された点を除いては、図1のプロジェクタ100と同じ構成である。図6において図1と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
プロジェクタ100Dの光学部材4Aは、光学部材4と機能は同じであり、具体的には、画像光を反射し且つ被写体光を透過する機能面4aを内部に有するビームスプリッタによって構成されている。
【0056】
プロジェクタ100Dの投影光学系2Aは、少なくとも1つのレンズからなるリレー光学系によって構成された投影レンズ群2aと、投影レンズ群2aと光学部材4Aとの間に配置された絞り2bと、を備える。
【0057】
絞り2bは、光学部材4Aの投影レンズ群2aと対向する面の周縁部に固着された枠状の遮光部材によって構成されている。
【0058】
このような構成のプロジェクタ100Dによれば、絞り2bによって画像光の光束の面積が小さくなるため、光学部材4Aの小型化が可能となる。また、絞り2bは、被写体光の通過経路には存在していないため、撮像画像の明るさに影響を与えることなく、撮像性能の低下を防ぐことができる。
【0059】
図7は、図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Eの概略構成を示す模式図である。プロジェクタ100Eは、撮像光学系5及び撮像素子6の位置と、投影光学系2及び表示部1の位置とが逆にされた点を除いてはプロジェクタ100と同じ構成である。図7において図1と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
プロジェクタ100Eの光学部材4は、レンズ群34を通過した被写体光を反射させて撮像光学系5に導き、投影光学系2から入射される画像光を透過させてレンズ群34に導く。このプロジェクタ100Eによれば、プロジェクタ100と同じ効果を得ることができる。
【0061】
図8は、図1に示すプロジェクタ100の変形例であるプロジェクタ100Fの概略構成を示す模式図である。プロジェクタ100Fは、光学部材32及びレンズ群31が削除された点を除いては、図7のプロジェクタ100Eと同じ構成である。図8のプロジェクタ100Fによれば、プロジェクタ100Eよりも小型化が可能である。
【0062】
ここまで説明してきたプロジェクタ100及びプロジェクタ100A~100Fにおいて、撮像光学系5(5A,5B)は、撮像条件を変更するための可動の構成部材を含んでいてもよい。可動の構成部材としては、開口量が可変の可動絞り、光軸方向に移動して焦点位置を変化させるフォーカスレンズ、及び光軸方向に移動して焦点距離を変化させるズームレンズの少なくとも1つを用いることができる。フォーカスレンズとしては、変形可能な液体レンズが用いられてもよい。
【0063】
このように、可動絞り、フォーカスレンズ、又はズームレンズ等が撮像光学系5(5A,5B)に含まれることで、撮像性能を向上させることができる。
【0064】
また、プロジェクタ100及びプロジェクタ100A~100Fにおいて、投影光学系2(2A)、共通光学系3(3A)、光学部材4(4A)、撮像光学系5(5A,5B)、及び撮像素子6によって構成される光学ユニットが、表示部1を内蔵するプロジェクタ本体に着脱可能に構成されていてもよい。
【0065】
この構成によれば、撮像機能を持たないプロジェクタに撮像機能を後付けで付加することができ、利便性を向上させることができる。
【0066】
或いは、プロジェクタ100及びプロジェクタ100A~100Fにおいて、撮像素子6が着脱可能に構成されていてもよい。
【0067】
この構成によれば、プロジェクタ本体に、例えば市販のレンズ交換型のデジタルカメラの本体を取り付けることで、プロジェクタに撮像機能を付加することができ、利便性を向上させることができる。
【0068】
また、プロジェクタ100及びプロジェクタ100A~100Cにおいて、光学部材4は、金属膜にて光を透過及び反射させるハーフミラーを用いることが好ましい。この構成によれば、表示部1の偏光特性の影響を受けることなく、画像光を反射させることができる。
【0069】
また、プロジェクタ100及びプロジェクタ100A~100Fにおいて、光学部材4
(4A)に入射される中間像の撮像光学系5(5A,5B)による撮像倍率を、表示部1によって表示される画像の投影光学系2(2A)による投影倍率の0.1倍以上1倍未満とすることが好ましい。このような関係にすることで、撮像光学系5と撮像素子6の更なる小型化が可能になる。
【0070】
また、このような関係にすることで、撮像素子6として、例えば、フルサイズ(36mm×24mm)、APS(Advanced Photo System)-Cサイズ(23.6mm×15.6mm)、1/3型(4.8mm×3.6mm)、又は1/4型(3.6mm×2mm)のもののいずれかを用い、表示部1として、表示解像度が4K、WUXGA(Wide Ultra eXtended Graphics Array)、SVGA(Super Video Graphics Array)、又はVGA(Video Graphics Array)対応のもののいずれかを用いても、装置の小型化を図ることができる。
【0071】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0072】
(1)
表示部からの光が入射される投影光学系と、
上記投影光学系を通過した光を投影対象物に投影し、上記投影対象物側の被写体を結像させる共通光学系と、
上記投影光学系を通過した光を上記共通光学系に導き、且つ、上記共通光学系の少なくとも一部によって結像された中間像を撮像素子に導くための光学部材と、
上記中間像を上記撮像素子に結像させるための撮像光学系と、を備え、
上記中間像の結像位置は、上記共通光学系を構成する構成部材のうちの最も上記投影対象物側にある構成部材と上記光学部材との間にある光学ユニット。
【0073】
(2)
(1)記載の光学ユニットであって、
上記結像位置は、上記光学部材と上記共通光学系との間にある光学ユニット。
【0074】
(3)
(1)又は(2)記載の光学ユニットであって、
上記光学部材に入射される上記中間像の上記撮像光学系による撮像倍率は、上記表示部によって表示される画像の上記投影光学系による投影倍率の0.1倍以上1倍未満である光学ユニット。
【0075】
(4)
(1)~(3)のいずれか1つに記載の光学ユニットであって、
上記共通光学系は、光路を屈曲させるための第一の屈曲用光学部材を含む光学ユニット。
【0076】
(5)
(1)~(4)のいずれか1つに記載の光学ユニットであって、
上記撮像光学系は、光路を屈曲させるための第二の屈曲用光学部材を含む光学ユニット。
【0077】
(6)
(1)~(5)のいずれか1つに記載の光学ユニットであって、
上記撮像光学系は、撮像条件を変更するための可動の構成部材を含む光学ユニット。
【0078】
(7)
(6)記載の光学ユニットであって、
上記可動の構成部材は、可動絞り、フォーカスレンズ、又はズームレンズの少なくとも1つである光学ユニット。
【0079】
(8)
(1)~(7)のいずれか1つに記載の光学ユニットであって、
上記投影光学系は、少なくとも1つのレンズと、上記レンズと上記光学部材の間に配置された絞りと、を備え、
上記絞りは上記光学部材に固着されている光学ユニット。
【0080】
(9)
(1)~(8)のいずれか1つに記載の光学ユニットであって、
上記撮像素子を更に備える光学ユニット。
【0081】
(10)
(1)~(9)のいずれか1つに記載の光学ユニットと、
上記表示部と、を備える投影装置。
【0082】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0083】
なお、本出願は、2018年2月21日出願の日本特許出願(特願2018-029057)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明によれば、設計コストの低減と小型化が可能な光学ユニット、及びこの光学ユニットを備える投影装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0085】
100、100A~100F プロジェクタ
1 表示部
40 光源ユニット
41r R光源
41g G光源
41b B光源
42r、42g、42b コリメータレンズ
43 ダイクロイックプリズム
44 光変調素子
2、2A 投影光学系
2a 投影レンズ群
2b 絞り
3 共通光学系
31、33、34 レンズ群
32 光学部材
IG 位置
SC スクリーン
4、4A 光学部材
4a 機能面
5、5A、5B 撮像光学系
5a、5c レンズ群
5b 光学部材
6 撮像素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8