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特許6998129処理チャンバ用セラミック被覆石英リッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】処理チャンバ用セラミック被覆石英リッド
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220128BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20220128BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
C23C16/44 B
H05H1/46 L
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017086208
(22)【出願日】2017-04-25
(65)【公開番号】P2017224804
(43)【公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-04-20
(31)【優先権主張番号】62/328,686
(32)【優先日】2016-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ファン, バーナード エル.
【審査官】鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-243218(JP,A)
【文献】米国特許第06286451(US,B1)
【文献】特表2015-522709(JP,A)
【文献】特開2003-297809(JP,A)
【文献】特表2001-512886(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1598465(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00-16/56
H01L 21/205
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/461
H01L 21/469
H01L 21/86
H05H 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のプレートからなり、第1の表面と、前記第1の表面に向かい合う第2の表面を有するカバー部材と、
前記カバー部材内の中央開口部であって、前記中央開口部の内側形状は、第1の直径を有する第1セクション、第2の直径を有する第2セクション、及び第3の直径を有する第3セクションを有し、
前記第2セクションは前記第1セクションと前記第3セクションとの間に配設され、かつ前記第1セクションと前記第3セクションとに連結され、
記第1の直径は第2セクションから前記カバー部材の前記第1の表面に向かって徐々に大きくなり、
また、前記第3の直径は前記第2の直径よりも小さく、前記第1セクションは前記中央開口部の軸に対して傾いている内側表面を有する、中央開口部と、
前記中央開口部を囲み、前記カバー部材の前記第1の表面内の閉じられた経路に沿って形成されたトレンチであって、該トレンチ内の内側表面内に形成された凹部を有するトレンチと
を備える、基板処理チャンバのためのリッド。
【請求項2】
前記中央開口部の中心軸に対する、前記第1セクションの前記内側表面の角度は約30°~約60°の間である、請求項1に記載のリッド。
【請求項3】
前記凹部は前記トレンチの底面に対して、約15°~約45°の範囲の角度となる方向に沿って延在する傾斜を有する、請求項1に記載のリッド。
【請求項4】
前記カバー部材は火炎研磨石英から作られている、請求項1に記載のリッド。
【請求項5】
前記カバー部材は石英から作られ、前記カバー部材の前記第2の表面は火炎研磨されている、請求項1に記載のリッド。
【請求項6】
前記カバー部材の前記第2の表面は、セラミックを含む酸化イットリウム又は酸化物を含むイットリウムを含む被覆を有する、請求項5に記載のリッド。
【請求項7】
前記カバー部材の前記第2の表面は、約2オングストローム~約150オングストロームの間の平均表面粗さを有する、請求項5に記載のリッド。
【請求項8】
前記カバー部材は非火炎研磨石英から作られている、請求項1に記載のリッド。
【請求項9】
前記カバー部材の前記第2の表面は、セラミックを含む酸化イットリウム又は酸化物を含むイットリウムを含む被覆を有する、請求項8に記載のリッド。
【請求項10】
前記第2の直径は前記第1セクションから前記第3セクションへと円筒形状に延在する、請求項1に記載のリッド。
【請求項11】
前記第3セクションは前記カバー部材の前記第2の表面へ延在する丸みを帯びたコーナーを有し、前記第3の直径は、前記第2セクションから前記丸みを帯びたコーナーへと円筒形状に延在する、請求項1に記載のリッド。
【請求項12】
前記カバー部材は石英を含む、請求項1に記載のリッド。
【請求項13】
前記カバー部材はサファイアを含む、請求項1に記載のリッド。
【請求項14】
前記第2の表面に配置された被覆をさらに含み、前記被覆は酸化イットリウムと、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムまたはそれらの混合物のうちの少なくとも1つとを含む、請求項1に記載のリッド。
【請求項15】
前記被覆は約0.001インチから約0.100インチの厚さである、請求項14に記載のリッド。
【請求項16】
前記被覆は約0.005インチから約0.050インチの厚さである、請求項14に記載のリッド。
【請求項17】
前記第2の表面に配置された前記被覆は酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、及び酸化アルミニウムを含む、請求項14に記載のリッド。
【請求項18】
前記第2の表面に配置された前記被覆は酸化イットリウム及び酸化アルミニウムを含む、請求項14に記載のリッド。
【請求項19】
前記被覆は約30mol%から約60mol%の酸化イットリウム及び約30mol%から約60mol%の酸化アルミニウムを含む請求項14に記載のリッド。
【請求項20】
本体と、
前記本体内に配設される基板支持体アセンブリと、
請求項1から19のいずれか一項に記載のリッドであって、前記本体をカバーするリッドと、
中央開口部内に配設され、前記中央開口部の内径に適合する形状にテーパー処理されたフランジを有するガス結合インサートと、
前記リッドと前記ガス結合インサートとの間の界面に配設され、前記リッドと前記ガス結合インサートとの間の前記界面に適合する形状を有するスペーサリングと
を備える、処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実装は概して、半導体処理システムに関する。より具体的には、本開示の実装は、半導体処理システムで使用するためのリッドに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 集積回路は、単一チップ上に数百万個もの構成要素(例えば、トランジスタ、コンデンサ及び抵抗)が搭載される複雑なデバイスへと進化を遂げている。チップ設計の進化には、より迅速な回路及びより高い回路密度が継続的に必要とされる。より高い回路密度に対する要求には、必然的に集積回路部品の寸法の縮小が伴う。
【0003】
[0003] 集積回路構成要素の寸法が小さく(例えば、サブミクロン単位の寸法に)なるにつれて、汚染物質は半導体製造プロセス中の欠陥形成を引き起こしうるため、汚染物質低減の重要性が増す。例えば、エッチングプロセスでは、エッチングプロセス中に生成されうるポリマーなどの副生成物は、半導体基板上に形成される集積回路及び構造を汚染する粒状物質源になりうる。
【0004】
[0004] 半導体材料処理の分野では、例えば、基板上への様々な材料のエッチング及び化学気相堆積(CVD)のために、真空処理チャンバを含む半導体材料処理装置が使用される。これらのプロセスの一部は、このような処理チャンバ内で、水素プラズマなど腐食性や浸食性のある処理ガスやプラズマを利用する。このような処理チャンバ内では、処理された基盤の粒子汚染を最小限にすることが必要になる。また、このようなガスやプラズマに曝露されたときには、化学薬品による腐食に耐性のある装置などの、プラズマに曝露された構成要素が必要になる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示の実装には、処理チャンバ内での粒子生成を低減するために利用される方法及び装置が含まれる。一実装では、基板処理チャンバ用のリッドが用意される。リッドは、第1の表面と第1の表面に向かい合う第2の表面を有するカバー部材、カバー部材を通る中央開口部を含み、中央開口部の内側形状は、第1の直径を有する第1セクション、第2の直径を有する第2セクション、及び第3の直径を有する第3セクションを有し、第2の直径は第1の直径と第3の直径との間にあり、第1の直径は第2セクションからカバー部材の第1の表面に向かって大きくなり、トレンチは第1の表面内の閉じられた経路に沿って形成され、そのトレンチの内側表面内に形成された凹部を有する。
【0006】
[0006] 別の実装では、処理チャンバが提供される。処理チャンバは、本体、本体内に配設された基板支持体アセンブリ、及び本体をカバーするリッドを含む。リッドは、第1の表面と第1の表面に向かい合う第2の表面を有するプレート、そのプレートを通る中央開口部を含み、中央開口部の一部は第1の表面に向かって大きくなる内径、及び第1の表面に形成されるトレンチを有する。処理チャンバはまた、中央開口部内に配設され、中央開口部の内径に適合する形状にテーパー処理されたフランジを有するガス結合インサートを含む。
【0007】
[0007] 更に別の実装でも、処理チャンバ内の粒子の発生を減少させるための方法が提供される。この方法は、上面及び上面に平行な底面を有するチャンバリッドであって、中央開口部を有し、中央開口部の上部は上面に向かって徐々に大きくなる内径を有するチャンバリッドを提供すること、チャンバリッドの底面をビードブラストすること、チャンバリッドの底面にセラミックを含む酸化イットリウム又は酸化物を含むイットリウムを含む被覆を堆積すること、中央開口部の内径に適合するように成形された外表面を有するスペーサリングを中央開口部内に配設すること、並びに、スペーサリング上にガス結合インサートを配設することを含み、ガス結合インサートは、ガス結合インサートの底部に形成された孔を通る複数の軸を有する円筒中空本体で、更にガス結合インサートは、円筒中空本体の外表面から外向きに延在する円錐形フランジを有し、円錐形フランジは中央開口部の内径に適合するように成形されている。
【0008】
[0008] 上述の本開示の特徴を詳細に理解しうるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実装を参照することによって得られ、一部の実装は、付随する図面に例示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実装による処理チャンバの概略断面図である。
図2A】本開示の一実装によるリッドの上面図である。
図2B図2AのラインA-Aに沿って切り取られたリッドの概略断面図である。
図2C図2Bの円Bの拡大断面図である。
図3A】本開示の一実装によるスペーサリングの上面図である。
図3B図3AのラインA-Aに沿って切り取られたスペーサリングの概略断面図である。
図3C図3Aのスペーサリングの斜視図である。
図4】リッドの中央開口部内に配置されたガス結合インサートを示す図2Cの拡大断面図である。
【0010】
[0017] しかしながら、本開示は他の等しく有効な実装も許容しうるため、添付の図面は、本開示の典型的な実装のみを示しており、したがって、本発明の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【0011】
[0018] 理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指し示すために、可能な場合には、同一の参照番号を使用した。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0019] 図1は、本開示の実装による処理チャンバ100の概略断面図である。処理チャンバ100は、誘導結合プラズマ(ICP)処理チャンバ、又はカリフォルニア州サンタクララのApplied Materials, Inc.,から入手可能なDPN HD処理チャンバなどのプラズマ処理チャンバであってよい。処理チャンバ100は、一般的にモジュラーシステム(図示せず)のマルチチャンバの一部として採用されている種類の、全自動半導体プラズマ処理チャンバになりうる。図1に示すように、処理チャンバ100は本体115、リッド108、及び本体115内に配設された基板支持体アセンブリ107を含む。本体115、リッド108及び基板支持体アセンブリ107は、実質的に処理空間110を画定する。処理空間110は、12インチ(300mm)、18インチ(450mm)までの公称直径、又はその他の直径を有する基板120を収容するように構成されうる。
【0013】
[0020] 処理チャンバ100は、プラズマ電源102及び整合ネットワーク(matching network)101を含む。プラズマ電源102及び整合ネットワーク101は、発電装置と通信を行う。発電装置は、本体115に配設された第1エンクロージャ111内に収容されうる。プラズマ電源102及び整合ネットワーク101は、一般的に約12MHzから約13.5MHzの範囲の周波数で動作する。必要であれば、プラズマ電源102は最大60MHzで動作しうる。様々な実装で、プラズマ電源102は、約0.1kWから約5kWの範囲の電力で動作しうる。誘導コイル104、106は、本体115と第1エンクロージャ111との間に配設された第2エンクロージャ113内に配置されうる。プラズマ電源102が印加されると、誘導コイル104、106は、処理空間110内のガスからプラズマを形成することができるRF電界を処理空間110内に生成する。プラズマは、基板120上にプラズマ処理を実行するために使用することができる。
【0014】
[0021] リッド108はカバー部材を含むが、これはガス結合インサート114を受容するように適合された中央開口部を有するプレートであってもよい。ガス結合インサート114は、円筒中空本体の底部に形成された孔(図4に示す)を通る複数の軸を有する、円筒中空本体を含みうる。ガスコネクタ156は、リッド108上に配設されうる。処理ガス(図示せず)は、ガス結合インサート114の孔を通るようにガスコネクタ156に誘導され、これらの孔は、処理空間110内に一様に制御されたガス流分布をもたらす。リッド108の更なる詳細は、図2A図2Cに関連して説明される。
【0015】
[0022] 本体115内にある処理空間110は、非処理空間117と流体連通している。非処理空間117は、スロットルバルブ119と流体連通している。スロットルバルブ119は、ターボポンプ116と粗引きポンプ126を含みうる排気システムと連通し、これらはすべてスロットルバルブ119と流体連通している。排気ガスは、スロットルバルブ119から、ターボポンプ116と粗引きポンプ126を順次経由して流れ出る。動作中、プラズマ源ガスは処理空間110に供給され、処理副生成物は処理空間110からスロットルバルブ119と排気システム131を経由して排出される。
【0016】
[0023] 基板入口112は、処理チャンバ100からの基板120の出し入れを容易にするため、本体115に形成されている。基板支持体アセンブリ107は、処理の間、基板120を支持するため本体115内に配設されている。基板支持体アセンブリ107は、導電性で処理バイアス電極として機能しうる基板支持体アセンブリ107の少なくとも一部を備える、機械的チャック又は静電チャックであってもよい。流体導管124は、温度を所望の範囲内に保持するため、基板支持体アセンブリ107に連結されてもよい。基板支持体アセンブリ107上に配設される基板は、基板支持体アセンブリ107への基板の移送、基板支持体アセンブリ107からの基板の移送を容易にするため、複数のリフトピン(図示せず)によって昇降されうる。
【0017】
[0024] シャドウリング150は、基板支持体アセンブリ107の外周領域に外接するエッジリング152に隣接して配設されうる。エッジリング152は、エッジリング152とシャドウリング150との間の空洞161を画定するように成形される。空洞161は、基板の斜面又は裏側に残留膜層を堆積し形成するのではなく、プラズマが基板の斜面(bevel)から離れる方向に流れ、処理チャンバから空洞161を通って粗引きポンプ126まで送出できるようにする制約された流路を画定する。
【0018】
[0025] コントローラ190は、中央処理装置(CPU)192、メモリ194、及び処理シーケンスを制御し、処理チャンバ100内のガス流とそこで行われるプラズマ処理を調整するように利用される支持体回路196を含む。CPU192は、工業環境で使用することができる汎用コンピュータプロセッサの任意の形態であってもよい。以下で説明されるエッチング処理などのソフトウェアルーチンは、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フロッピー若しくはハードディスクドライブ、又はデジタルストレージの他の形態などのメモリ194に記憶することができる。サポート回路196は、従来、CPU192に連結され、キャッシュ、クロック回路、入出力システム、電源などを含みうる。コントローラ190と処理チャンバ100の様々な他の構成要素との間の双方向通信は、信号バス198と総称される多数の信号ケーブルを経由して処理される。その一部を図1に図解する。
【0019】
[0026] 基板120は、基板支持体アセンブリ107に連結される整合ネットワーク121を経由して、RFバイアス電源122からRF電力を供給することによって、付勢されうる。RFバイアス電源122によって供給されるRF電力は、100kHz~13.56MHzの範囲内、例えば、100kHz~2MHzの範囲内にありうる。プラズマ電源102と基板RFバイアス電源122は、コントローラ190によって独立に制御されうる。
【0020】
[0027] 図2Aは、本開示の一実装によるチャンバリッド208の上面図である。リッド208は、図1に示すリッド108の代わりに使用されうる。図2Bは、図2AのラインA-Aに沿って切り取られたリッド208概略断面図である。リッド208、真空処理用の処理チャンバ100内に閉鎖環境を提供するため、図1の本体115の上方に密閉するように配設される。リッド208は、本体115の一部に着脱可能に連結されうる。リッド208は、処理チャンバ100が構成される処理チャンバ100又はプロセスに応じて、図2Bに示されたようなプレート、又はドームとして成形されうる。図2Aに示すように、リッド208は中央開口部202を有する平坦な円形プレートである。トレンチ210は、リッド208の第1の表面204内の閉じられた経路に沿って形成されうる。図4でより詳細に説明されるように、トレンチ210は、上方クランプ420と下方クランプ422a、422bのペアを固定するサイズのフランジ211を形成するように成形されてもよい。上方クランプ420と下方クランプ422a、422bは共に、リッド208に対して所定の場所に、ガスコネクタ156とガス結合インサート114を固定する。
【0021】
[0028] 図2Bを参照すると、リッド208は、平面になりうる第1の表面204と、同様に平面になりうる第2の表面206を有する。第1の表面206は、第2の表面204に向かい合っている。第1の表面204は直径“D1”を有し、第2の表面206は直径“D2”を有する。300mm基板に関しては、直径“D1”は約19インチ~約24インチに、直径“D2”は約18インチ~約23インチになりうる。リッド208は、第1の表面204の直径“D1”が、第2の表面206の直径“D2”よりも大きくなるように、リッド208の外周に形成されるノッチ212を有しうる。ノッチ212は厚み“T”を有し、トレンチ210は厚み“T”よりも大きい深さ“T1”を有しうる。トレンチ210の深さ“T1”は、リッド208の厚み“T2”よりも小さい。深さ“T1”は、約0.7インチ~約1.2インチになりうる。深さ“T2”は、約1インチ~約1.5インチになりうる。
【0022】
[0029] リッド208は、石英やサファイヤなどの様々な透明な材料から形成されうる。一実装では、リッド208は火炎研磨された石英から作られ、約2オングストローム~約150オングストロームの間の平均表面粗さ、例えば、約5オングストローム~約50オングストロームの間の表面粗さを有しうる。代替的には、リッド208の第2の表面206のみが火炎研磨される。別の実装では、リッド208は非火炎研磨石英から作られる。どちらの場合でも、リッド208は、基板の処理中にHガスから形成されるプラズマなどの水素含有プラズマからリッド208を保護するため、セラミックを含む酸化イットリウム又は酸化物を含む他のイットリウムなど、セラミック被覆214で被覆されてもよい。セラミック被覆214は、リッド208の第2の表面206上に被覆されうる。必要であれば、セラミック被覆は、リッド208の露出した表面、又はリッド208の全表面に適用されうる。
【0023】
[0030] 一実装では、リッド208はセラミック被覆で全体が被覆される。一実装では、セラミック被覆214は第2の表面206に一様に被覆され、直径“D3”を有する。直径“D3”は、約17インチ~約22インチになりうる。セラミック被覆214の直径“D3”は、第2の表面206の直径“D2”よりもわずかに小さく、セラミック被覆214が、第2の表面206の周辺領域216に触れる他のチャンバ構成要素と干渉しないように、第2の表面206の周囲の周辺領域216をセラミック被覆214から離している。一実装では、周辺領域216の幅は、第2の表面206のエッジから測って1インチになっている。セラミック被覆214は、中央開口部202には達しない。
【0024】
[0031] セラミック被覆214は、プラズマ溶射技術などの熱溶射技術を利用して適用される。熱溶射技術は、材料(例えば、セラミック粉末)を噴霧形状に溶解、気化、イオン化、又は放出して、機械的、熱的、又は化学的な粘着処理によって、第2の表面206上での被覆形成を促進する方法で、リッド208の第2の表面206に材料を吹き付けることができる。熱溶射又はプラズマ溶射されたセラミック被覆は、約0.001インチ~約0.100インチの厚さ、例えば、約0.005インチ~約0.050インチの厚さ、約0.010インチ±0.001インチの厚さを有しうる。リッド208が非火炎研磨石英から作られている場合には、第2の表面206は被覆前に、例えばビードブラストによって粗面化されることがある。第2の表面206の粗面化は、リッド208へのセラミック被覆214の粘着を高めるように、第2の表面206を活性化させる役割を果たしうる。リッド208が火炎研磨石英から作られている場合には、第2の表面206へのセラミック被覆の粘着を高めるため、第2の表面206にセラミック被覆を堆積した後、第2の表面206をビードブラストによって粗面化してもよい。
【0025】
[0032] 本開示で示されている他の実装と組み合わせることができる一実装では、セラミック被覆214は、焼成前のセラミック粉末Y、Al、及びZrOから作られる高機能材料(HPM)である。例示的な一実施例では、セラミック被覆214は、約45mol%~約100mol%の範囲内のY、約0mol%~約55mol%の範囲内のZrO、及び約0mol%~約10mol%のAlで形成されうる。例示的な一実施例では、セラミック被覆214は、約30mol%~60mol%の範囲内のY、約0mol%~約20mol%の範囲内のZrO、及び約30mol%~約60mol%の範囲内のAlで形成されうる。
【0026】
[0033] 本開示で示されている他の実装と組み合わせることができる一実装では、セラミック被覆214は少なくとも化合物YZrAlOからなる。セラミック被覆214は、その厚みに対して段階的な組成を有しうる。例示的な一実施例では、セラミック被覆214は、約40mol%から約85mol%まで、例えば、約50mol%から約75mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するY、約5mol%から約60mol%まで、例えば、約10mol%から約30mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するZrO、及び、約5mol%から約50mol%まで、例えば、約10mol%から約30mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するAlを含みうる。別の例示的な実施例では、セラミック被覆214は、約55mol%から約65mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するY、約10mol%から約25mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するZrO、及び、約10mol%から約20mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するAlを含みうる。更に別の例示的な実施例では、セラミック被覆214は、約55mol%から約65mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するY、約20mol%から約25mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するZrO、及び、約5mol%から約10mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するAlを含みうる。本開示で示されている他の実装と組み合わせることができる一実装では、セラミック被覆214は少なくとも化合物YxZryAlzOからなる。セラミック被覆214は、その厚みに対して段階的な組成を有しうる。例示的な一実施例では、セラミック被覆214は、約40mol%から約85mol%まで、例えば、約50mol%から約75mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するY、約5mol%から約60mol%まで、例えば、約10mol%から約30mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するZrO、及び、約5mol%から約50mol%まで、例えば、約10mol%から約30mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するAlを含みうる。別の例示的な実施例では、セラミック被覆214は、約55mol%から約65mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するY、約10mol%から約25mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するZrO、及び、約10mol%から約20mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するAlを含みうる。更に別の例示的な実施例では、セラミック被覆214は、約55mol%から約65mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するY、約20mol%から約25mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するZrO、及び、約5mol%から約10mol%まで段階的に変化するモル濃度を有するAlを含みうる。
【0027】
[0034] 本開示で示されている他の実装と組み合わせることができる一実装では、セラミック被覆214は、YAlと固溶体Y2-xZr(Y-ZrO固溶体)の化合物からなるHPM材料である。例示的な一実施例では、HPMセラミックは77%のY、15%のZrO、及び8%のAlを含む。別の例示的な実施例では、HPMセラミックは63%のY、23%のZrO、及び14%のAlを含む。更に別の例示的な実施例では、HPMセラミックは55%のY、20%のZrO、及び25%のAlを含む。相対百分率はモル比であってもよい。例えば、HPMセラミックは77%のY、15%のZrO、及び8%のAlを含む。HPM材料に関しては、これらのセラミック粉末が他の配分で使用されることもある。セラミック被覆214は、Hの化学的性質の下での高い耐腐食性、低空隙率、及び耐食性の大幅な改善をもたらす。本明細書に記載されている百分率又はモル比は、用途に応じて変化しうると考えられている。
【0028】
[0035] 図2Cは、図Bの円Bの拡大断面図である。図2Cに示したように、中央開口部202の内部形状は、内径の異なる3つの部分に分割されうる。すなわち、上部222、底部226、並びに上部222と底部226に挟まれた中間部224の3つである。上部222は、上部222の内側表面228が、 リッド208を垂直に通る中心軸“C1”に対して、角“θ”だけ傾いた方向に沿って延在するように、上向きに広がっている。角“θ”は、約30°から約60°の間で、例えば、45°度であってもよい。リッド208は、この広がった形状の結果として、中央開口部202の上部222の周囲にフランジ211を形成する。図4に関連して以下で更に詳細に説明するように、上部222は、ガス結合インサート114の円錐形又はテーパー処理された形状の、フランジ414に適合するように成形されている。
【0029】
[0036] 上部222は、中間部224の内径“D5”からリッド208の第1の表面204に向かって徐々に大きくなる内径“D4”を有する。底部226は、中間部224の内径“D5”よりも相対的に小さい内径“D6”を有する。300mm基板では、内径“D4”は約1.7インチ~約2.5インチとなりうる。内径“D5”は、約1.4インチ~約1.8インチとなりうる。内径“D6”は、約1.2インチ~約1.6インチとなりうる。上部222は深さ“T3”を有し、一方、中間部224は深さ“T3”よりも大きい又は小さい深さ“T4”を有しうる。深さ“T3”は、約0.15インチ~約0.4インチとなりうる。深さ“T4”は、約0.3インチ~約0.5インチとなりうる。底部226のコーナー242、244は丸みを帯びていてもよい。
【0030】
[0037] トレンチ210は、リッド208の第1の表面204の閉じられた経路に沿って形成される。トレンチ210は、環状又は他の任意の閉じられたループパターンであってもよい。トレンチ210は、中心軸“C1”に平行な内側表面230を有しうる。トレンチ210は、内側表面230と中央開口部202との間に壁を画定する。トレンチ210は、上部222の深さ“T3”よりも大きい深さ“T5”を有しうる。深さ“T5”は、深さ“T3”と“T4”の和より小さくなりうる。深さ“T5”は、約0.4インチ~約0.8インチになりうる。
【0031】
[0038] ノッチ又は凹部234は、トレンチ210の内側表面230に形成されうる。ノッチ又は凹部234は、内側表面230の一部が、トレンチ210の底面236に対して、約15°~約45°の範囲の角度“β”となる、例えば約30°の角度となる方向に沿って延在するように傾斜されうる。第1の表面204の一部を形成するトレンチ210の内側エッジ232、233は丸みを帯びていてもよい。同様に、トレンチ210の底部コーナー238、240も丸みを帯びていてもよい。
【0032】
[0039] トレンチ210は、内径“D7”及び、内径“D7”よりも大きい外径“D8”を有しうる。ノッチ又は凹部234内にある内側表面230の一部は、トレンチ210の内径“D7”よりも小さい直径“D9”を有する。直径“D9”は、上部222の内径“D4”よりも相対的に大きい。内径“D7”は、約2.6インチ~約3.5インチになりうる。外径“D8”は、約4インチ~約5.5インチになりうる。直径“D9”は、約2.2インチ~約3.2インチになりうる。
【0033】
[0040] 図3Aは、本開示の一実装によるスペーサリングの上面図である。図3Bは、図3AのラインA-Aに沿って切り取られたスペーサリング302の概略断面図である。図3Cは、図3Aのスペーサリング302の斜視図である。スペーサリング302は、図1に描かれたリッド108とガス結合インサート114との間に着脱可能に配置されうる。スペーサリング302は、ガス結合インサート114の露出面に適用されるセラミック被覆がリッド108と擦れ合わないようにしているが、そうでない場合には、処理チャンバを汚染する粒子が発生しうる。図3Aに示したように、スペーサリング302は、ガス結合インサート114(図1)の一部を通過できるサイズにされた中央開口部304を有する。スペーサリング302は、スペーサリング302を垂直に通る中心軸“C2”を有する。スペーサリング302は、リッド208と同軸上にある。
【0034】
[0041] スペーサリング302の内側表面306は、上部222(図2C)の形状の輪郭に実質的に従う。一実装では、スペーサリング302は、図3Cに示したように、中空の円錐台形状を有する。スペーサリング302は、重力又は任意の好適な機械的方法によって、リッド208の上部222に載るようにサイズ調整されうる。スペーサリング302がリッド208の上部222に配設されると、次にガス結合インサート114(図1)がスペーサリング302の上に配設される。その後、ガスコネクタ156(図1)は、ガス結合インサート114をリッド208の中央開口部202に固定するため、リッド208上に配設される。
【0035】
[0042] スペーサリング302の外側表面308は、スペーサリング302の上面310に対して角度“α”となる方向に引き延ばされうる。角度“α”は約30°~60°の間で、例えば、約45°となる。スペーサリング302は高さ“H”を有してもよく、この高さは図2Cに描かれている上部222の深さ“T3”に実質的に対応する。スペーサリング302は、約0.020インチ~約0.1インチの間の、例えば約0.045インチの厚み“T”を有しうる。スペーサリング302は、上面310の端面から測って、外径“D10”を有しうる。外径“D10”は、図2Cに描かれているリッド208の上部222の内径“D4”に対応しうる。
【0036】
[0043] スペースリング302は、ポリイミド、エラストマ、或いは優れた機械的特性と耐熱性を有する他の好適な材料から作られうる。
【0037】
[0044] 図4は、リッド208の中央開口部202内に配設されたガス結合インサート114を示す、図2Cの拡大断面図である。ガス結合インサート114は、円筒中空本体の側壁406の周囲に形成された複数の貫通孔を有する円筒中空本体であってもよい。ガス結合インサート114はまた、円筒中空本体の底部410に形成された複数の軸貫通孔408を有してもよい。スペーサリング302は、リッド208とガス結合インサート114との間に挿入される。
【0038】
[0045] ガス結合インサート114は、円筒中空本体の外側表面416から外向きに延在する円錐形又はテーパー処理された形状のフランジ414を有しうる。円錐形又はテーパー処理された形状のフランジ414は、ガス結合インサート114の上端の周囲に配設されうる。円錐形又はテーパー処理された形状のフランジ414は、上部222の形状の輪郭に実質的に従う。上述のセラミック被覆214などのセラミック被覆は、円錐形又はテーパー処理された形状のフランジ414の露出面上に配設されうる。
【0039】
[0046] ガス結合インサート114がリッド208の中央開口部202内に配設されると、円錐形又はテーパー処理された形状のフランジ414は、重力又は任意の好適な機械的方法によって、スペーサリング302の内側表面306に載せられ、円筒中空本体の残りの部分はスペーサリング302の底部から突き出した状態になる。円錐形又はテーパー処理された形状のフランジ414の下の円筒中空本体の一部は、中間部224と底部226を通って、リッド208の第2の表面206より先の下方まで延在する。
【0040】
[0047] ガスコネクタ156は、リッド208上に配設される。ガスコネクタ156は、トレンチ210を完全にカバーすることなく、ガス結合インサート114の上面418と第1の表面204の一部を放射状にカバーする。図2B及び図2Cに関連して上述されているように、トレンチ210は、中央開口部202の上部222の周囲にフランジ211を提供するように成形されている。トレンチ210は、下方フランジ422a、422bのペアを受容する。特に、トレンチ210は、上方フランジ420と下方フランジ422a、422bのペアを固定するため、フランジ211を使用する。上方フランジ420と下方フランジ422a、422bのペアは、ネジ又は他の好適な機械的手段によって連結されうる。上方フランジ420は、ガスコネクタ156を収納するように成形されている。したがって、上方クランプ420と下方クランプ422a、422bは、フランジ211を使用することにより、リッド208に対して、ガスコネクタ156とガス結合インサート114を所定の位置に固定する。処理中には、処理チャンバの圧力低下によりガスコネクタ156を吸い込み、これらの部品を所定の場所に更に保持する。処理源のガス(図示せず)は、ガス注入口412を経由してガスコネクタ156に導入され、次に円筒中空本体へ導入される。処理ガスは、ガス結合インサート114の貫通孔404及び軸貫通孔408を通って流れ、これにより、処理空間110(図1)内に一様に制御されたガス流分布をもたらす。
【0041】
[0048] 要約すると、本開示の実装は、半導体処理システムで使用されるリッドの改善をもたらす。ガス結合インサート114の円錐形又はテーパー処理された形状のフランジ414、及びこれに対応するリッド208の上部の広がった形状により、ガス結合インサート114とリッド208との接触を滑らかにすることができる。リッド208の中央開口部202内にはハードアングル(hard angle)は存在しないため、ガス結合インサート114の保守、設置、又は除去中に、ガス結合インサート114及び/又はリッド208の望ましくないチッピング及び亀裂は最小限に抑制されるか回避される。ガス供給インサートのセラミック被覆がチャンバリッドと擦れ合わないようにするため、ポリイミドから作られたスペーサリングがチャンバリッドとガス供給インサートとの間に配設される。その結果、粒子による汚染源と考えられている、円錐形又はテーパー処理された形状のフランジ414とリッド208との間の接触面が、スペーサリング302によって緩衝されるため、ガス結合インサート114とリッド208との界面での粒子の発生は大幅に低減される。
【0042】

[0049] 以上の記述は本開示の実装を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく本開示の他の実装及び更なる実装が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。 また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
第1の表面と第1の表面に向かい合う 第2の表面を有するカバー部材と、
前記カバー部材を通る中央開口部であって、前記中央開口部の内側形状は、第1の直径を有する第1セクション、第2の直径を有する第2セクション、及び第3の直径を有する第3セクションを有し、前記第2セクションは前記第1セクションと前記第3セクションとの間に配設され、また、前記第1の直径は第2セクションから前記カバー部材の前記第1の表面に向かって徐々に大きくなり、前記第1セクションは前記中央開口部の軸に対して傾いている内側表面を有する、中央開口部と、
前記第1の表面内の閉じられた経路に沿って形成されたトレンチであって、その内側表面内に形成された凹部を有するトレンチと
を備える、基板処理チャンバのためのリッド。
(態様2)
前記第1セクションの前記内側表面の角度は約30°~約60°の間である、態様1に記載のリッド。
(態様3)
前記凹部は前記トレンチの底面に対して、約15°~約45°の範囲の角度となる方向に沿って延在する傾斜を有する、態様1に記載のリッド。
(態様4)
前記カバー部材は火炎研磨石英から作られている、態様1に記載のリッド。
(態様5)
前記カバー部材は石英から作られ、前記カバー部材の前記第2の表面は火炎研磨されている、態様1に記載のリッド。
(態様6)
前記カバー部材の前記第2の表面は、セラミックを含む酸化イットリウム又は酸化物を含むイットリウムを含む被覆を有する、態様5に記載のリッド。
(態様7)
前記カバー部材の前記第2の表面は、約2オングストローム~約150オングストロームの間の平均表面粗さを有する、態様5に記載のリッド。
(態様8)
前記カバー部材は非火炎研磨石英から作られている、態様1に記載のリッド。
(態様9)
前記カバー部材の前記第2の表面は、セラミックを含む酸化イットリウム又は酸化物を含むイットリウムを含む被覆を有する、態様8に記載のリッド。
(態様10)
本体と、
前記本体内に配設される基板支持体アセンブリと、
前記本体をカバーするリッドであって、
第1の表面と前記第1の表面と向かい合う第2の表面とを有するプレート
前記プレートを通る中央開口部であって、前記中央開口部の一部は前記第1の表面に向かって大きくなる内径を有する中央開口部
前記第1の表面に形成されるトレンチ
を備えるリッドと、
中央開口部内に配設され、前記中央開口部の前記内径に適合する形状にテーパー処理されたフランジを有するガス結合インサートと、
前記リッドと前記ガス結合インサートとの間の界面に配設され、前記リッドと前記ガス結合インサートとの間の前記界面に適合する形状を有するスペーサリングと
を備える、処理チャンバ。
(態様11)
前記トレンチは、前記トレンチの内側表面に形成された凹部を有する、態様10に記載の処理チャンバ。
(態様12)
前記凹部は、前記内側表面の一部が、前記トレンチの底面に対して、約15°~約45°の範囲の角度となる方向に沿って延在するように傾斜されている、態様11に記載の処理チャンバ。
(態様13)
前記プレートは火炎研磨石英から作られており、前記プレートの前記第2の表面はセラミックを含む酸化イットリウム又は酸化物を含むイットリウムを含む被覆を有する、態様10に記載の処理チャンバ。
(態様14)
前記プレートの前記第2の表面は、約2オングストローム~約150オングストロームの間の平均表面粗さを有する、態様10に記載の処理チャンバ。
(態様15)
前記プレートは非火炎研磨石英から作られており、前記プレートの前記第2の表面はセラミックを含む酸化イットリウム又は酸化物を含むイットリウムを含む被覆を有する、態様10に記載の処理チャンバ。
【符号の説明】
【0043】
100 処理チャンバ
101 整合ネットワーク
102 プラズマ電源
104 誘導コイル
106 誘導コイル
107 基板支持体アセンブリ
108 リッド
110 処理空間
111 第1エンクロージャ
112 基板入口ポート
113 第2エンクロージャ
114 ガス結合インサート
115 本体
116 ターボポンプ
117 非処理空間
119 スロットルバルブ
120 基板
121 整合ネットワーク
122 RFバイアス電源
124 流体導管
126 粗引きポンプ
131 排気システム
150 シャドウリング
152 エッジリング
156 ガスコネクタ
161 空洞
190 コントローラ
192 CPU
194 メモリ
196 サポート回路
198 信号バス
202 中央開口部
204 第1の主要表面
206 第2の主要表面
208 リッド
210 トレンチ
211 フランジ
212 ノッチ
214 セラミック被覆
216 周辺領域
222 上部
224 中間部
226 底部
228 内側表面
230 内側表面
232 内側エッジ
233 内側エッジ
234 凹部
236 底面
238 底部コーナー
240 底部コーナー
242 コーナー
244 コーナー
302 スペーサリング
304 中央開口部
306 内側表面
308 外側表面
310 上面
404 孔
406 側壁
408 孔
412 ガス注入口
414 テーパー処理されたフランジ
416 外側表面
418 上方表面
420 上方クランプ
420a 下方クランプ
420b 下方クランプ
422a 下方クランプ
422b 下方クランプ
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4