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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-22
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ピクセル化された容量制御ESC
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20220111BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H02N13/00 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017115588
(22)【出願日】2017-06-13
(62)【分割の表示】P 2017027532の分割
【原出願日】2015-02-09
(65)【公開番号】P2017201700
(43)【公開日】2017-11-09
【審査請求日】2018-01-31
【審判番号】
【審判請求日】2020-01-08
(31)【優先権主張番号】61/948,519
(32)【優先日】2014-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/276,790
(32)【優先日】2014-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】サドジャディ レザ
(72)【発明者】
【氏名】ボイド ウェンデル グレン ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】パルキー ビジャイ ディー
(72)【発明者】
【氏名】ノジノフ マキシム ミハイロビッチ
【合議体】
【審判長】辻本 泰隆
【審判官】小田 浩
【審判官】▲吉▼澤 雅博
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-134600(JP,A)
【文献】特開2005-340760(JP,A)
【文献】特開2013-105543(JP,A)
【文献】特表2008-516441(JP,A)
【文献】特表2009-541985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/683
H02N13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャック(ESC)用のチャッキング回路であって、チャッキング回路は、
ワークピース支持面を有する誘電体本体であって、誘電体本体は、
内部に配置されたチャッキング電極と、
誘電体本体内に配置されたピクセル電極であって、ピクセル電極は、浮いた状態と、コンデンサを介して接地された状態との間で切り換え可能であり、ピクセル電極は、接地された状態のときにグランドまでの電圧制御可変コンデンサ回路に電気的に結合されるピクセル電極とを含む誘電体本体とを含み、
チャッキング回路は、基板をワークピース支持面に静電チャックするように動作可能であるチャッキング回路。
【請求項2】
電圧制御可変コンデンサ回路は、
減結合抵抗を有する複数の分岐であって、分岐は、
複数の可変コンデンサと、
それぞれの分岐上で可変コンデンサと結合された複数の固定コンデンサとを含む分岐と、
複数の分岐に結合された薄膜トランジスタとを含む、請求項1記載のチャッキング回路。
【請求項3】
複数の分岐は、5オームの抵抗を提供するそれぞれの減結合抵抗を有する6つの分岐を含む、請求項2記載のチャッキング回路。
【請求項4】
薄膜トランジスタは、どの1以上の分岐が浮いているか、及びどの1以上の分岐がピクセル電極をグランドに結合するかを選択する、請求項2記載のチャッキング回路。
【請求項5】
複数の分岐のうちの各々の分岐の合計静電容量は、それぞれの可変コンデンサ及びそれぞれの固定コンデンサの和である、請求項2記載のチャッキング回路。
【請求項6】
複数の分岐のうちの第1分岐は、各々が3.4pFの静電容量を有する6つの可変コンデンサからなり、6つの可変コンデンサは、74pFの静電容量を有する第1固定コンデンサと並列に配置され、第1分岐は16pFの合計静電容量を有する、請求項2記載のチャッキング回路。
【請求項7】
第2~第6分岐は、同様に構成され、それぞれ8pF、4pF、2pF、1pF、及び0.5pFの合計静電容量を有する、請求項2記載のチャッキング回路。
【請求項8】
3.4pF未満の合計静電容量を有する第4~第6分岐は、それぞれの固定コンデンサと並列又は直列に1つのMEMS可変コンデンサを使用する、請求項7記載のチャッキング回路。
【請求項9】
可変コンデンサは、0pF~3.4pFを提供することができる、請求項2記載のチャッキング回路。
【請求項10】
ピクセル電極はチャッキング電極と同一平面上にある、請求項1記載のチャッキング回路。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(分野)
本明細書に記載される実施形態(インプリメンテーション)は、概して、半導体製造に
関し、より具体的には、静電チャック及びその使用方法に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
デバイスパターンのフィーチャーサイズが小さくなるにつれて、これらのフィーチャー
のクリティカルディメンジョン(CD)の要件は、安定的で再現性のあるデバイス性能に
対するより重要な基準となる。処理チャンバ内で処理された基板全域に亘る許容されるC
D変動は、チャンバの非対称性(例えば、チャンバ及び基板の温度、フローコンダクタン
ス、及びRF場)に起因して達成することが困難である。
【0003】
静電チャックを利用する処理では、基板の表面全域に亘るエッチングの均一性は、基板
下のチャックの不均質構造に起因して困難である。例えば、静電チャックの一部の領域は
、ガス穴を有しており、同時に、他の領域は、ガス穴から横方向にオフセットされている
リフトピン穴を有する。更に他の領域は、チャッキング電極を有しており、同時に、他の
領域は、チャッキング電極から横方向にオフセットされたヒータ電極を有している。チャ
ックの不均質構造は、基板の表面全域に亘るエッチングに直接影響を与える高周波(RF
)場の不均一性をもたらす。
【0004】
静電チャックの構造は、横方向及び方位角方向の両方にばらつく可能性があり、チャッ
クと基板との間のRF場の均一性は複雑で、達成するのが非常に困難であり、その結果、
チャック表面全域に亘るRF場内の局所的なばらつきをもたらす。プラズマベースの処理
は、静電チャックへの小さな局所的なRF結合のばらつきに非常に敏感である可能性があ
る。したがって、局所的なRF結合のばらつきは、基板の表面に沿った処理結果の不均一
性をもたらす。
【0005】
したがって、改良された静電チャックが必要とされている。
【概要】
【0006】
本明細書に記載の実施形態は、静電チャックとその上に置かれた基板との間のRF結合
の横方向及び方位角方向の両側の調整を可能にするピクセル化された静電チャックを提供
する。一実施形態では、ピクセル化された静電チャック(ESC)は、上で基板を受ける
ように構成されたワークピース支持面を有する誘電体本体と、ピクセル化されたESC内
に配置された1以上のチャッキング電極と、複数のピクセル電極とを含むことができる。
複数のピクセル電極は、浮いた状態と接地された状態との間で切り換え可能である、グラ
ンドに対して可変容量を有する、又はそれらの両方である。ピクセル電極及びチャッキン
グ電極は、ワークピース支持面に基板を静電チャックするように動作可能な回路を形成す
る。
【0007】
別の一実施形態では、処理チャンバが提供される。処理チャンバは、ピクセル化された
静電チャック(ESC)が内部に配置されたチャンバ本体を含む。ピクセル化されたES
Cは、上述のように構成することができる。
【0008】
更に別の一実施形態では、ピクセル化された静電チャック内に形成された主チャッキン
グ電極に電力を印加する工程と、ピクセル化された静電チャックに基板を固定するために
ピクセル化された静電チャック内で横方向に分布した複数のピクセル電極のうちの1以上
をグランドに選択的に結合する工程と、ピクセル化された静電チャック上で基板を処理す
る工程とを含む基板を処理するための方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本
発明のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に
示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎ
ず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく
有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
図1】ピクセル化された静電チャックの一実施形態を有する処理チャンバの概略断面側面図である。
図2】ピクセル化された静電チャック及び基板支持アセンブリの部分を詳細に示す部分断面概略側面図である。
図3】ピクセル化された静電チャック内で調整可能なコンデンサ及び電極のためのレイアウトを示す部分上面平面図である。
図4】ピクセル化された静電チャック内のコンデンサに対する簡略化された配線図を示す、図3の切断線A-Aに沿った断面図である。
図5】RF可変コンデンサを示す部分配線概略図である。
図6】ピクセル化された静電チャックを利用して基板を処理するための一実施形態のフロー図である。
【0010】
理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示す際には可能な限り同一の参照
番号を使用している。一実施形態で開示された要素を、特に説明することなく、他の実施
形態で有益に利用してもよいと理解される。
【詳細な説明】
【0011】
半導体業界は、電子的フィーチャーサイズをサブナノメートルレベルに低減していくに
つれて、エッチレート及びCD均一性の要件もまた、原子サイズに近づいているオングス
トロームレベルまで縮小している。このような場合には、基板温度は、非常に均一(例え
ば、20nm未満のノードに対して約0.5℃未満)であるか、又は基板全域に亘って処
理の均一性を調整するために、非常に細かい分解能で調整可能であるかのいずれかでなけ
ればならない。しかしながら、10nm未満の半導体技術のノードにとって、0.25℃
以下の低い温度均一性でさえ、処理の均一性を維持するのには十分ではない。処理の均一
性に影響を与える要因の1つは、静電チャックのパック内のチャッキング電極の誘電体深
さである。誘電体深さは、パックの上部と、チャッキング電極を含む高電圧グリッドとの
間の距離である。パックの基板支持面と誘電体深さのトポグラフィの両者は、基板のES
CへのRF結合に著しく影響を与える。高周波(RF)の基板への強力な結合は、エッチ
ング速度を増加させることができ、その逆も成り立つ。したがって、ESC全域に亘って
横方向にグランドへのワークピースの局所静電容量を制御することは、本明細書に開示さ
れる発明が、横方向及び/又は方位角方向のエッチング速度の均一性の調整のための、及
び/又はESCを使用して実行される処理のCD制御のための効果的な処理制御属性とし
て実証されてきた重要な処理制御パラメータである。
【0012】
本明細書に記載の実施形態は、ピクセル化されたESC及びワークピース(例えば、基
板)のRF結合の横方向と方位角方向の局所的調整を可能にし、次に、ピクセル化された
ESC上の基板のグランドへの横方向のRF結合の横方向及び方位角方向の調整を可能に
するピクセル化された静電チャック(ESC)を提供する。更に、ピクセル化されたES
C内の静電容量の局所的なばらつきの制御は、基板のグランドへの結合に対して、RF結
合によって影響される処理のばらつきを排除する、又はいくつかのケースでは誘導するこ
とにより、上で実行される処理を実質的に促進する。このように、ピクセル化されたES
Cは、オングストロームレベルのエッチング速度と、基板全域に亘るほぼ任意の場所の間
でのクリティカルディメンジョン(CD)の均一性の制御を可能にする。ピクセル化され
たESC上で処理される基板のためにRF結合を調整するための方法もまた、本明細書中
に記載される。ピクセル化されたESCは、エッチング処理チャンバ内において以下で説
明されるが、ピクセル化されたESCは、他のタイプのプラズマ処理チャンバ(とりわけ
、物理蒸着チャンバ、化学蒸着チャンバ、イオン注入チャンバなど)、及びESCの基板
支持面全域に亘るRFプロファイルの方位角方向、横方向、及び/又は局所的な調整のう
ちの少なくとも1つが望ましい他のシステムで使用することができる。また、ピクセル化
された電極は、半導体処理に使用されないものを含む他の表面のRFバイアス又は結合を
制御するために使用することもできることが理解される。
【0013】
1以上の実施形態では、ピクセル化されたESCは、チャンバの不均一性(例えば、温
度、フローコンダクタンス、電場、プラズマ密度等)を補償するためにピクセル電極を利
用することによって、真空処理(例えば、エッチング、堆積、注入など)の間に、端部又
は基板全域に亘る他の位置でクリティカルディメンジョン(CD)のばらつきの補正を可
能にする。また、いくつかの実施形態は、基板のグランドへの静電容量をどこでも約20
pF~約数百pFに制御する能力を実証した。
【0014】
図1は、ピクセル化されたESC132を有する例示的なエッチング処理チャンバ10
0の断面模式図である。上述したように、ピクセル化されたESC132は、他の処理チ
ャンバ(例えば、とりわけ、プラズマ処理チャンバ、アニーリングチャンバ、物理蒸着チ
ャンバ、化学蒸着チャンバ、及びイオン注入チャンバ)並びに表面又はワークピース(例
えば、基板)をグランドへ結合するRFプロファイルを制御する能力が望ましい他のシス
テムで使用してもよい。表面(すなわち、ピクセル化されたESC132の基板支持面)
の多くの個別の領域全域に亘るRF結合の独立した局所的制御は、RFプロファイルの横
方向及び/又は方位角方向の調整、及び局所的RF凹凸(例えば、エッチング処理チャン
バ100内の局所的処理結果に影響を与える可能性がある高い又は低いRF結合)の低減
を有益に可能にする。
【0015】
処理チャンバ100は、接地されたチャンバ本体102を含む。チャンバ本体102は
、内部容積124を囲む、壁104、底部106、及び蓋108を含む。基板支持アセン
ブリ126は、内部容積124内に配置される。ピクセル化されたESC132は、基板
支持アセンブリ126上に配置され、処理中に上で基板134を支持する。
【0016】
処理チャンバ100の壁104は、開口部(図示せず)を含み、それを通って基板13
4は、内部容積124の内外にロボット搬送させることができる。ポンピングポート11
0は、チャンバ本体102の壁104又は底部106のうちの1つの中に形成され、ポン
ピングシステム(図示せず)に流体接続されている。ポンピングシステムは、処理副生成
物を除去しながら、処理チャンバ100の内部容積124内の真空環境を維持するために
利用される。
【0017】
ガスパネル112は、チャンバ本体102の蓋108又は壁104の少なくとも1つを
貫通して形成された1以上の入口ポート114を介して処理チャンバ100の内部容積1
24に処理ガス及び/又は他のガスを供給する。ガスパネル112により供給される処理
ガスは、内部容積124内で励起され、これによってピクセル化されたESC132上に
配置された基板134を処理するために使用されるプラズマ122を形成する。処理ガス
は、チャンバ本体102の外側に位置するプラズマアプリケータ120から処理ガスに誘
導結合されるRF電力によって励起することができる。図1に示される実施形態では、プ
ラズマアプリケータ120は、RF電源116又は容量結合プラズマ(CCP)チャンバ
に整合回路118を介して結合された同軸コイルの組である。
【0018】
コントローラ148は、処理チャンバ100に結合され、これによって処理チャンバ1
00の動作及び基板134の処理を制御する。コントローラ148は、様々なサブプロセ
ッサ及びサブコントローラを制御するために工業環境で使用することができる汎用データ
処理システムの任意の形態のうちの1つとすることができる。一般的に、コントローラ1
48は、他の一般的な構成要素の中でもとりわけメモリ174及び入力/出力(I/O)
回路176と通信する中央処理装置(CPU)172を含む。コントローラ148のCP
Uによって実行されるソフトウェア命令は、処理チャンバに、例えば、内部容積124内
にエッチャントガス混合物(すなわち、処理ガス)を導入させる、プラズマアプリケータ
120からRF電力を印加することによって処理ガスからプラズマ122を形成させる、
及び基板134上に存在する材料の層をエッチングさせる。
【0019】
基板支持アセンブリ126は、一般的に、少なくとも基板支持体を含む。図1の実施形
態では、基板支持体は、静電チャックであり、ピクセル化されたESC132として後述
する。基板支持アセンブリ126は、更にヒータセンブリ170を含むことができる。基
板支持アセンブリ126はまた、冷却ベース130を含むことができる。あるいはまた、
冷却ベースは、基板支持アセンブリ126から分離させることができる。基板支持アセン
ブリ126は、支持台125に取り外し可能に結合させることができる。支持台125は
、チャンバ本体102に取り付けられ、台座ベース128を含むことができる。支持台1
25は、オプションで、ファシリティプレート180を含むことができる。基板支持アセ
ンブリ126は、基板支持アセンブリ126の1以上の構成要素の再生(改修)を可能に
するために、支持台125から定期的に取り外すことができる。
【0020】
ファシリティプレート180は、複数のリフトピンを昇降させるように構成された複数
の駆動機構を収容するように構成される。また、ファシリティプレート180は、ピクセ
ル化されたESC132及び冷却ベース130からの複数の流体接続を収容するように構
成される。ファシリティプレート180はまた、ピクセル化されたESC132及びヒー
タセンブリ170からの複数の電気接続を収容するように構成される。数えきれない接続
が、基板支持アセンブリ126の外部又は内部に走ることができ、同時に、ファシリティ
プレート180は、それぞれの末端に接続するためのインタフェースを提供する。
【0021】
温度制御された冷却ベース130は、熱伝達流体源144に結合される。熱伝達流体源
144は、冷却ベース130内に配置された1以上の導管160を通って循環された熱伝
達流体(例えば、液体、気体、又はそれらの組み合わせ)を供給する。隣接する導管を通
って流れる流体は、ピクセル化されたESC132と冷却ベース130の異なる領域との
間の熱伝達の局所制御を可能にするために分離させることができ、これは基板134の横
方向温度プロファイルを制御するのに役立つ。
【0022】
1以上の実施形態では、流体分配器が、熱伝達流体源144の出口と温度制御された冷
却ベース130との間に流体結合されてもよい。流体分配器は、導管160に供給される
熱伝達流体の量を制御するように動作する。流体分配器は、処理チャンバ100の外側に
、基板支持アセンブリ126内に、台座ベース128内に、又は他の適切な場所に配置す
ることができる。
【0023】
ヒータアセンブリ170は、1以上の主抵抗ヒータ154と、オプションで、本体15
2内に埋め込まれた複数の二次ヒータ(図示せず)を含むことができる。主抵抗ヒータ1
54は、チャンバ処理を実行するための温度まで基板支持アセンブリ126の温度を上昇
させるために提供することができる。二次ヒータは、存在する場合には、主抵抗ヒータ1
54によって生成されたピクセル化されたESC132の温度プロファイルに数℃の局所
的な調整を提供することができる。このように、主抵抗ヒータ154は、グローバル化さ
れたマクロスケールで動作し、一方、二次ヒータは、局所化されたミクロスケールで動作
する。主抵抗ヒータ154は、主ヒータ電源156にRFフィルタ184を介して接続さ
れる。電源156は、主抵抗ヒータ154に500ワット以上の電力を供給することがで
きる。コントローラ148は、一般的に基板134を加熱するように設定される主ヒータ
電源156の動作を制御することができる。1つ以上の実施形態では、主抵抗ヒータ15
4は、複数の横方向に分離された加熱ゾーンを含み、コントローラ148が主抵抗ヒータ
154の1つのゾーンを1以上の他のゾーンに位置する主抵抗ヒータ154に対して優先
的に加熱されるのを可能にする。例えば、主抵抗ヒータ154は、端部から中心までの温
度制御を可能にするために、複数の分離した加熱ゾーンに同心円状に配置することができ
る。
【0024】
あるいはまた、1以上の主抵抗ヒータ154及び/又は二次ヒータは、ピクセル化され
たESC内に形成されてもよい。主抵抗ヒータ154と二次ヒータの両方がピクセル化さ
れたESC132内に形成されたこれらの実施形態では、基板支持アセンブリ126は、
ヒータセンブリ170無しで形成することができ、ピクセル化されたESC132は、冷
却ベース130の上に直接配置させることができる。
【0025】
処理チャンバ100内の基板134に対する表面の温度は、ポンプ、スリットバルブド
ア、プラズマ122、及び他の要因による処理ガスの排気によって影響される可能性があ
る。冷却ベース130、1以上の主抵抗ヒータ154、及び二次ヒータはすべて、基板1
34の表面温度を制御するのを助長する。
【0026】
ピクセル化されたESC132は、取付面131と、取付面131と反対側のワークピ
ース面133とを有する。ピクセル化されたESC132のワークピース面133は、基
板134とピクセル化されたESC132のワークピース面133との間に画定される隙
間の空間に裏面熱伝達ガスを供給するためのガス流路(図示せず)を含むことができる。
ピクセル化されたESC132は、ピクセル化されたESC132のワークピース面13
3上に基板134を昇降するためのリフトピンを収容するためのリフトピン穴(いずれも
図示せず)もまた含み、これによって処理チャンバ100内外へのロボット搬送を促進す
る。
【0027】
ピクセル化されたESC132は、一般的に、内部に埋め込まれた1以上のチャッキン
グ電極136を有する誘電体本体150を含む。誘電体本体150は、1以上のピクセル
電極140も内部に埋め込まれることが可能である。ピクセル電極140は、チャッキン
グ電極136と同一平面上にあってもよい。ピクセル電極140は、チャッキング電極1
36が散在されていることが可能であり、例えば、ピクセル電極140は、単一のチャッ
キング電極136内に形成された開口内に散在された、又は複数のチャッキング電極13
6間に散在されたグリッド又は同心円状配列に配置することができる。
【0028】
ピクセル電極140及びチャッキング電極136は、MEMS技術を直接使用してパッ
ク228に統合することができる。各ピクセル電極140は、チャッキング電極136に
よって隣接するピクセル電極140から分離することができる。ピクセル電極140及び
チャッキング電極136は、めっき、インクジェット印刷、スクリーン印刷、物理蒸着法
、スタンピング、金網、又はその他の適切な方法によって形成することができる。
【0029】
誘電体本体150に戻って参照すると、誘電体本体150は、基板と同一又は基板より
も直径がわずかに大きくなるように構成された平らな円盤形を有することができる。ある
いはまた、誘電体本体150は、他の形状(例えば、長方形、正方形、又は他の平面形状
)を有していてもよい。誘電体本体150は、セラミックス材料(例えば、AlN又はA
)から製造することができる。セラミックス材料から製造された場合、誘電体本
体150は、パック(図2ではパック228として示される)と呼ぶことができる。ある
いはまた、誘電体本体150は、ポリマー(例えば、ポリイミド、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリアリールエーテルケトンなど)から製造することができる。ポリマーから製
造された場合、誘電体本体150は、フレックススタックと呼ぶことができる。
【0030】
ピクセル化されたESC132の本体150は、本体150用の単一の塊を形成するた
めに、圧力下で加熱された2以上の層から形成することができる。例えば、本体152は
、ピクセル電極140及びチャッキング電極136をその上又はその間に有するポリイミ
ド層から形成することができる。いくつかの実施形態では、主抵抗ヒータ154もまた同
様に、ポリイミド層の上又は間に形成することができる。あるいはまた、ピクセル化され
たESC132は、セラミックス材料から形成することができる。ピクセル化されたES
C132は、焼結されることが可能であり、内部に埋め込まれた1以上のチャッキング電
極136及びピクセル電極140を含むことができる。
【0031】
チャッキング電極136は、双極電極又は他の適切な配置として構成することができる
。チャッキング電極136は、ピクセル化されたESC132の上面に基板134を静電
的に固定するためのRF又はDC電力を供給するチャッキング電源138にRFフィルタ
182を介して接続される。RFフィルタ182は、処理チャンバ100内でプラズマ1
22を形成するために利用されるRF電力が、チャンバ外部で電気機器を損傷又は電気的
な危険を引き起こすのを防ぐ。一実施形態では、チャッキング電源138は、1以上のチ
ャッキング電極136に高電圧を供給する。
【0032】
複数のピクセル電極140は、ピクセル化されたESC132内に配置され、チャッキ
ング電極136に近接して配置させることができる。ピクセル電極140は、(図4、5
に示される)ピクセルコンデンサを介して電気リード146を介してグランド142に結
合される。ピクセルコンデンサは、固定又は可変静電容量を有するように構成することが
でき、各ピクセルコンデンサの値は、ピクセル化されたESC132の多くの別個の領域
全域に亘ってRF結合を独立に局所的に制御するように選択され、これによって基板とE
SC132との間の電力結合の局所的な、横方向の、及び/又は方位角方向の調整を可能
にし、これは次いで、局所的な、横方向の、及び/又は方位角方向の処理結果がエッチン
グ処理チャンバ100内で調整されることを可能にする。
【0033】
1以上の実施形態では、ピクセルコンデンサは、その静電容量が機械的又は電子的に変
更可能な可変コンデンサとすることができる。ピクセルコントローラ210は、ピクセル
コンデンサの静電容量を制御するために利用することができる。ピクセルコンデンサの静
電容量の変化は、基板134を介したチャッキング電極136と1以上のピクセル電極1
40を介したグランド142との間の電力結合の親和性に影響を与えるために使用するこ
とができ、それによって基板134をピクセル化されたESC132に静電チャックする
【0034】
抵抗器、インダクタ、及びメモリスタと共にピクセルコンデンサは、処理結果の調整可
能な制御を可能にしながらチャッキング電力を供給するために利用される電子機器用の「
受動部品」のグループに属している。ピクセルコンデンサは、固定静電容量値を有する、
及び/又は可変(トリマー)又は調整可能(同調可能)な静電容量値を有する可変コンデ
ンサを有することができる。ピクセルコンデンサは、デジタル的に調整されたコンデンサ
(例えば、ピクセルコントローラ210によってその静電容量を制御できる集積回路(I
C)可変コンデンサ)とすることができる。ピクセルコンデンサの静電容量値は、エッチ
ング処理チャンバ100内のエッチング速度を制御するためにRF信号を調整するように
構成することができる。
【0035】
1以上の実施形態では、ピクセルコンデンサは、固体電界効果トランジスタ(FET)
スイッチとして製造することができる。ピクセルコンデンサは、微小電気機械システム(
MEMS)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)ベースのデバイス、シリコン・
オン・インシュレータ(SOI)ベースのデバイス/シリコン・オン・サファイア(SO
S)ベースのデバイス、強誘電体ベースのデバイス、又はその他の適切なデバイス技術と
することができる。MEMSデバイスは、高度に線形であり、したがって、アンテナ開口
の調整、動的インピーダンス整合、電力増幅器の負荷整合、及び調整可能なフィルタに適
している。BSTデバイスは、デバイスに高電圧を印加することにより静電容量を変化さ
せる。同調精度は、高電圧を発生するD―Aコンバータ回路の精度によってのみ制限され
る。BSTデバイスは、要求の厳しいアプリケーションで様々な温度と直線性に対して優
れた安定性を有する。SOI/SOS同調デバイスは、異なる静電容量値を達成するため
に、バイナリで重み付けされた値に配置された金属-絶縁体-金属(MIM)キャップを
使用する。SOI/SOSスイッチは、高い直線性を有し、高電圧が存在しない低電力ア
プリケーションに適している。高電圧耐性は、複数の直列のFETデバイスを必要とし、
これは直列抵抗を追加し、品質係数を低下させる。一実施形態では、ピクセル電極140
は、デジタル的に調整された可変MEMSデバイスである。
【0036】
プラズマベースの処理は、ESCへの小さな局所的な高周波(RF)結合のばらつきに
非常に敏感である可能性がある。ピクセル化されたESC132は、基板134の横方向
のプロファイル全域に亘る個別の位置でエッチング速度のオングストロームレベルのCD
制御を提供するように表面静電容量が制御されることを可能にする。
【0037】
図2は、基板支持アセンブリ126の一部を示す部分断面模式図である。ピクセル化さ
れたESC132、ヒータアセンブリ170、冷却ベース130、及びファシリティプレ
ート180の一部が、図2に含まれる。
【0038】
ヒータアセンブリ170は、オプションとすることができ、絶縁領域264を有するこ
とができる。絶縁領域264は、ピクセルコンデンサ及びピクセルコントローラ210を
介してピクセル電極140をグランド142に接続する電気リード146からヒータアセ
ンブリ170を保護することができる。主抵抗ヒータ154がピクセル化されたESC1
32内にある実施形態では、ヒータアセンブリ170は、基板支持アセンブリ126に存
在しなくてもよい。
【0039】
ヒータアセンブリ170は、接着剤244を利用してピクセル化されたESC132の
取付面131に結合することができる。接着剤244は、アクリル系接着剤、エポキシ、
シリコン系接着剤、ネオプレン系接着剤又は他の適切な接着剤などの接着剤とすることが
できる。一実施形態では、接着剤244はエポキシである。接着剤244は、0.01~
200W/mKの範囲内(例示的な一実施形態では、0.1~10W/mKの範囲内)で
選択された熱伝導率を有することができる。接着剤244を含む接着材料は、少なくとも
1つの熱伝導性セラミックスフィラー(例えば、酸化アルミニウム(Al)、窒化
アルミニウム(AlN)、及び二ホウ化チタン(TiB)など)を更に含むことができ
る。接着剤244は、ピクセル化されたESC132又はヒータアセンブリ170を再生
するとき、除去することができる。他の実施形態では、ピクセル化されたESC132は
、締結具又はクランプ(図示せず)を用いて、ヒータアセンブリ170に取り外し可能に
結合される。
【0040】
ピクセル化されたESC132の本体150は、平面形態では概して円筒形とすること
ができるが、他の幾何学的形状に形成されてもよい。本体150は、セラミックスとする
ことができ、図2に示されるパック228に焼結させることができる。パック228は、
上で基板134を支持するためのワークピース面133を有する。本体150は更に、ヒ
ータアセンブリ170に対向する取付面131を含むことができる。
【0041】
電極136、140と基板134の上面との間に配置されたパック228の部分は、電
力を基板134に容量結合するための誘電体226を形成する。誘電体226のより厚い
深さ又はパック228に対するより平坦なトポグラフィから生じる、基板134へ結合さ
れるより多い電力は、エッチング速度を低下させ、その逆も成り立つ可能性がある。0.
25℃の低い温度均一性でさえ良好な横方向のエッチング均一性を維持するのに十分では
ないので、基板134への電力の結合は、10nmよりも小さい半導体技術のノードを形
成するのに重要な役割を果たす。したがって、ピクセル化されたESC132の全域に亘
る横方向に個別の位置での基板134とピクセル化されたESC132との間の電力結合
の独立制御は、ピクセル電力140及びその周囲のチャッキング電極136のうちの1つ
と関連するピクセル化されたESC132の各位置でエッチング速度を独立制御可能にす
ることが見出された。
【0042】
従来のESCは、ESCの設計及び使用される材料に応じて、基板とチャッキング電極
との間の個別の場所で異なる静電容量を有する可能性がある。例えば、完全に平坦なウェ
ハと完全に平坦な従来のESCとの間の静電容量は、約220pFとなる可能性がある。
パック表面の平坦度及び表面粗さのばらつき、及び他の要因(例えば、他の要因の中でも
とりわけ、誘電体深さ、ESC表面からのチャッキング電極の距離、及びパックの材料)
を考慮に入れると、静電容量がESCの1つの領域内において他の領域と比べてはるかに
高くなる可能性がある。例えば、いくつかの従来のESCは、基板支持面全域に亘る静電
容量のばらつきが約数千ピコファラデーである可能性がある。
【0043】
本明細書に記載のピクセル化されたESC132の実施形態は、ピクセル化されたES
C132の基板支持面全域に亘る局所的な静電容量のばらつきを10%未満に制御するこ
とにより、約5Å以内にエッチング速度の均一性の制御を可能にする。例えば、ピクセル
化されたESC132の基板支持面全域に亘る局所的な静電容量のばらつきは、約20p
F~数百ピコファラデーの間に制御することができる。
【0044】
1以上の実施形態では、ピクセル化されたESC132の基板支持面全域に亘る局所的
な静電容量のばらつきは、10%未満の静電容量のばらつきを達成するために、誘電体2
26の深さに対する許容範囲(公差)を十分にきつくすることによって制御することがで
きる。例えば、誘電体226の深さの許容範囲を約5%未満にきつくし、他の5%がドー
ピングのばらつきに関連するならば、これによって10%未満の静電容量のばらつきを達
成することができる。
【0045】
誘電体226の深さに対する許容範囲をきつくするのに加えて、又はその代わりに、ピ
クセル化されたESC132の基板支持面全域に亘る局所的な静電容量のばらつきは、パ
ック228の表面の平坦度及び局所的な均一性を十分に改善することによって制御するこ
とができる。例えば、パック228の平坦度の許容範囲は、約10μm未満とすることが
できる。パック228の平坦度を改善するのに加えて、又はその代わりに、パック228
の表面粗さのばらつきを、約10μm未満にしてもよい。
【0046】
誘電体226及びパック228の物理的な属性(すなわち、深さの許容範囲、平坦度、
粗さなど)の1以上を改善するのに加えて、又はその代わりに、ピクセル化されたESC
132の基板支持面全域に亘る局所的な静電容量のばらつきは、個々のピクセル電極14
0に結合されたピクセルコンデンサのそれぞれに対して適切な容量を選択することによっ
て制御することができる。個々のピクセル電極140に結合されたピクセルコンデンサの
それぞれに対して適切な容量を選択することによって、誘電体226及びパック228の
物理的な属性のばらつき、又は処理環境のばらつきは補償され、これによって所望の処理
結果(例えば、エッチング速度の均一性を約5Å以内に維持すること)を達成することが
できる。
【0047】
ピクセルコントローラ210は、個々のピクセル電極140に結合されたピクセルコン
デンサのそれぞれに対して適切な静電容量を選択するために利用することができる。例え
ば、ピクセルコントローラ210は、ピクセルコントローラ210によって生成された制
御信号を利用して各ピクセルコンデンサの静電容量を制御することができる。
【0048】
ピクセル化されたESC132の電力結合プロファイルを平滑化又は修正するための独
立制御可能なピクセルコンデンサの使用は、基板134全域に亘る局所的なRF均一性を
非常に小さな許容範囲に制御可能にする。基板134全域に亘る局所的なRF均一性は、
基板134を処理するとき、正確な処理及びCD制御を可能にする。また、ピクセル電極
140の小さなサイズ及び高い密度は、ピクセル化されたESC132の隣接する領域の
電力結合に実質的に影響を与えることなく、1つのピクセル電極140と隣接するチャッ
キング電極136との間の基板134を通した電力結合の個別の局所的制御を可能にし、
これによって電力結合の局所的制御を可能にする。複数のピクセル電極140を有する基
板支持アセンブリ126は、上で処理される基板134の静電容量の均一性を約10%未
満に制御し、その結果、エッチングの均一性の処理のばらつきを約5Åまで下げることが
できる能力を実証した。
【0049】
図3は、図2の切断線A-Aに沿って取られたピクセル化されたESC132の部分上
面平面断面図である。ピクセル化されたESC132内のピクセル電極140及びチャッ
キング電極136のレイアウトが、例として提供され、代替の方法で配置されている。ピ
クセル電極140は、図2のピクセル化されたESC132を貫通する切断線A-Aの平
面に沿って配置される。図示のピクセル電極140及びチャッキング電極136の数は、
単に例示のためであり、任意の数の実施形態は、実質的により多い(又はより少ない)ピ
クセル電極140及びチャッキング電極136を有していてもよい。また、チャッキング
電極136は、一般的にバイアスされる複数のセグメントとして独立してバイアス可能な
セグメントの形態又は他の構成とすることができる。ピクセル化されたESC132のワ
ークピース支持面全域に亘る局所的静電容量は、エッチング速度のオングストロームレベ
ルの制御を提供するために、ピクセルコンデンサによって制御することができる。
【0050】
ピクセルコントローラ(例えば、図2に示されるピクセルコントローラ210)は、各
ピクセルコンデンサを制御することができる。一実施形態では、ピクセルコンデンサと、
ピクセルコンデンサを選択されたピクセル電極140に結合するためのスイッチが、ピク
セルコントローラ210内に配置される。ピクセルコントローラ210は、1つのピクセ
ル電極140を隣接するピクセル電極140と同じ又は異なる静電容量を有するコンデン
サに結合することができる。他の実施形態では、ピクセルコントローラ210は、隣接す
るピクセル電極140のグループを、同じ静電容量を有するコンデンサに結合し、これは
隣接するグループのピクセル電極140の静電容量と同じ又は異なることが可能であり、
これによって他のゾーンから独立して制御可能なピクセル化されたESC132の部分又
はゾーンを画定することができる。ピクセルコントローラ210は、内側ウェッジ、周辺
グループ、パイ形状の領域、又は非連続的構成を含む他の所望の幾何学的構成を画定する
ためにグループ化された複数のピクセル電極140を結合させることができる。こうして
、各ピクセル電極140の局所的静電容量を制御することにより、RF結合は、ピクセル
化されたESC132の表面に沿って独立した位置で正確に制御することができ、これは
基板の処理結果のより正確な制御を可能にする。ピクセル電極140用に図示されたパタ
ーンは、小さなユニットのグリッドとして配置されているが、パターンは、その代わりに
、縁まで延びる、又は他の配置の、より大きな及び/又はより小さなユニットを有してい
てもよい。
【0051】
ピクセル電極140の数は、チャッキング電極136の数に実質的に等しくすることが
できる。あるいはまた、ピクセル電極140の数は、チャッキング電極136の数を実質
的に超えるか、又はチャッキング電極136の数未満とすることができる。基板支持アセ
ンブリ126全域に亘って位置するピクセル電極140の数は、容易に数百を超える可能
性がある。一実施形態では、各チャッキング電極136に対して対応するピクセル電極1
40がある。代替の一実施形態では、1以上のチャッキング電極に対して対応するグルー
プのピクセル電極140がある。
【0052】
ピクセル電極140は、基板とグランドとの間に所望のRF結合プロファイルを効率的
に生成するようなパターンで構成することができる。パターンは、中心点の周りに対称な
(図示のような)グリッド、又はリフトピン又は他の機械的、流体的又は電気的接続及び
ポート(図示せず)用の穴の中及びその周辺にクリアランスを提供する他の適切なパター
ンとすることができる。
【0053】
図4は、図3の切断線B-Bに沿ったピクセル化されたESC132の断面図である。
図4は、ピクセル化されたESC132内でピクセル電極140に結合されたコンデンサ
に対する簡略化された例示的な配線図を示している。図4内のピクセル化されたESC1
32は、内部に形成されたピクセル電極140とチャッキング電極136を示している。
ピクセル電極140は、例えば、コンデンサバンク410内に存在する、1以上のコンデ
ンサ440に結合される。コンデンサバンク410は、ピクセルコントローラ210内に
、又は他の適切な位置に配置することができる。コンデンサ440は、固定又は可変の静
電容量を有することができる。静電容量が可変である実施形態では、コンデンサ440の
静電容量は、ピクセルコントローラ210からの信号に応じて選択することができる。
【0054】
ピクセルコントローラ210は、電気リード141を介してそれぞれのピクセル電極1
40にコンデンサ440を選択的に結合する個々の回路を開く、及び/又は閉じるための
コントローラ412を有することができる。ピクセルコントローラ210の回路が閉位置
にあるとき、ピクセル電極140は、コンデンサ440のうちの少なくとも1つを介して
グランド142に結合される。一実施形態では、コントローラ412は、他のコンデンサ
440の1以上が、(それらの回路が開状態にあるように)グランド142に対して浮い
ていながら、ピクセル電極140F及びコンデンサ440Fをグランド142に電気リー
ド141Fを介して接続することができる。この構成では、ピクセル電極140Fに近い
ピクセル化されたESC132の領域は、例えば、電極140Gに近いピクセル化された
ESC132の領域よりも強いRF結合を有することができる。コントローラ412は、
ピクセル電極140F及びコンデンサ440Fがグランド142につながっている、又は
グランド142に対して浮いた状態でいる間の持続時間又はデューティサイクルを制御す
ることができる。コントローラ412は更に、他のピクセル電極140及びコンデンサ4
40がグランド142につながっている、又はグランド142に対して浮いた状態でいる
間の持続期間又はデューティサイクルをピクセル電極140F又は他のピクセル電極14
0に対して制御することができる。このように、ピクセル化されたESC132の基板支
持面全域に亘る各位置における相対的な静電容量を経時的に制御することができ、これに
よって、局所的なRF結合の制御を可能にし、したがって、局所的な処理結果を所望のよ
うに調整することができる。
【0055】
ピクセル電極140とグランドとの間の相対的な接続のデューティサイクル及び持続時
間を制御するのに加えた、又はその代わりの別の一実施形態では、コントローラ412は
、各コンデンサ440に対する静電容量をプログラムで変更することができ、これによっ
てピクセル化されたESC132の基板支持面全域に亘って各々の位置での相対静電容量
を制御することができる。ピクセル電極140の数及び密度は、基板134の全域に亘る
RF結合の均一性を非常に小さな許容範囲に制御する能力に寄与する。したがって、各ピ
クセル電極140とグランドとの間の静電容量の他のピクセル電極140に対する個々の
制御は、基板134と、ピクセル化されたESC132との間の特定の位置でのRF結合
の局所的及び横方向の制御を可能にし、これは次いで、基板134の処理中に、正確な処
理及びCD制御を可能にする。
【0056】
図5は、ピクセル電極140をグランド142に結合するための可変コンデンサ500
のための部分的な配線図の一実施形態を示す。可変コンデンサ500は、ピクセル電極1
40のいずれかとグランド142との間で、上記のピクセルコントローラ210内で、例
えば、図4に示されるコンデンサ440を交換することによって利用することができる。
可変コンデンサ500は、減結合(デカップリング)抵抗506を介して薄膜トランジス
タ508(TFT)に結合された可変コンデンサ505及び固定コンデンサ570の組み
合わせを含むことができる。可変コンデンサ500は、一般的に、電圧制御可変コンデン
サ(バラクタ)として機能し、可変コンデンサ505としてMEMS制御素子を利用して
もよい。可変コンデンサ500は、分岐510、520、530、540、550、56
0を含み、各分岐は、少なくとも1つの可変コンデンサ505と少なくとも1つの固定コ
ンデンサ570を含む。
【0057】
可変コンデンサ505は、MEMS制御素子として構成された場合、バイナリ(オン/
オフ)制御される、すなわち、切り換え可能である。可変コンデンサ505は、約0pF
~約3.4pFの間の静電容量を可変コンデンサ500に提供することができる。各固定
コンデンサ570は、約0.5pF~約74pFの間の合計静電容量を可変コンデンサ5
00に提供することができる、また、TFT508とコンデンサ505、570との間に
配置された減結合抵抗506は、約5オームの抵抗を個々に提供することができる。
【0058】
可変コンデンサ500の静電容量は、可変コンデンサ500を含む1以上の分岐510
、520、530、540、550、560に沿って選択可能なバイナリで重み付けされ
た静電容量によって構成することができる。TFT508は、どの1以上の分岐510、
520、530、540、550、560が浮いているか、及びどの1以上の分岐510
、520、530、540、550、560がピクセル電極140をグランド142に結
合するかを選択するために使用することができる。
【0059】
各分岐510、520、530、540、550の合計静電容量は、2組のコンデンサ
(すなわち、可変コンデンサ505と固定コンデンサ570)の組み合わせである。各分
岐510、520、530、540、550、560は、同じ範囲の静電容量又は異なる
静電容量を有することができる。例えば、分岐560は、最大の合計静電容量として構成
され、分岐550は、次に最大の合計静電容量として構成され、その他もろもろあって、
分岐510は、最小の合計静電容量を有することができる。分岐560は、各々が約3.
4pFで、合計で約20.4pFの静電容量の組を有する6つの切り換え可能な可変コン
デンサ505からなり、約74pFの静電容量を有する固定コンデンサ576と並列に配
置させることができる。これは、分岐560に対して16pFの合計静電容量を生み出す
。分岐550、540、530、520、510は同様に構成され、それぞれ8、4、2
、1、0.5pFの合計静電容量を有することができる。3.4pF未満の合計静電容量
を有する分岐530、520、510は、単一の固定コンデンサ570と並列又は直列に
単一のMEMS可変コンデンサ505を使用することができる。固定コンデンサ570は
、分岐530、520、510に対する合計静電容量を所望の値まで低減するように構成
することができる。例えば、最小の分岐510は、約0.6pFの固定コンデンサ570
と並列に単一の可変コンデンサ505を有することができる。こうして、可変コンデンサ
505が作動された、すなわちスイッチオンされたとき、最小の分岐510は、0.5p
Fの実効静電容量を有することができる。したがって、様々な分岐510、520、53
0、540、550、560内で、可変コンデンサ505のオン/オフを選択的に切り換
えることにより、約0.5pF~約31.5pFの間の合計静電容量を得ることができる
【0060】
あるいはまた、固定コンデンサ576は、RF MEMSコンデンサセル(例えば、M
EMS可変コンデンサ505)と直列とすることができる。1以上のインラインコンデン
サは、ピクセル電極140と直列に接続することができる。このような構成では、コンデ
ンサ576、505は、コンデンサ576、505が並列に配置された構成よりもより高
い電圧を受ける可能性がある。したがって、RF MEMSコンデンサセル(例えば、M
EMS可変コンデンサ505)に対する直列構成は、高電圧を扱うために構成することが
できる。
【0061】
図6は、ピクセル化された静電チャック(とりわけ、上述のピクセル化された静電チャ
ックなど)を利用して基板を処理するための方法600に対する一実施形態のフロー図で
ある。方法600は、ピクセル化された静電チャック内に形成された主電極に電力を印加
することによって、ブロック602で開始する。主電極は、単一の電極とする、又はゾー
ンに分割させることができる。ピクセル化された静電チャックの主電極のゾーンは独立し
て制御することができる。
【0062】
ブロック604では、ピクセル化された静電チャック内に横方向に分布する複数のピク
セル電極のうちの1以上が、グランドに選択的に結合され、静電チャックの表面に基板を
効果的にチャッキングする。各ピクセル電極のグランドへの結合の持続時間及び/又はデ
ューティサイクルは、ピクセル化された静電チャック内に配置された他のピクセル電極に
対して制御し、これによって静電チャック上に配置された基板へのRF結合を制御するこ
とができる。いくつかの実施形態では、各ピクセル電極のグランドへの結合は、ピクセル
化された静電チャック全域に亘って順次走査させることができる。他の実施形態では、1
つのピクセル電極とグランドとの間の静電容量は、ピクセル化された静電チャック内に配
置された他のピクセル電極のグランド経路に対して制御可能に選択することができ、オプ
ションでは、各ピクセル電極のグランドへの結合の持続時間及び/又はデューティサイク
ルに加えて選択することができる。ピクセル電極とグランドとの間の局所的な静電容量を
調整することによって、基板全域に亘る処理結果の局所的な、横方向の、及び/又は方位
角方向の調整を実現することができる。
【0063】
ブロック606では、基板は、ピクセル化された静電チャック上で処理することができ
る。例えば、基板は、例えば、プラズマ処理を用いて、真空チャンバ内で処理することが
できる。処理チャンバ内でプラズマの存在下で、オプションで実施することができる真空
処理は、エッチング、化学蒸着、物理蒸着、イオン注入、プラズマ処理、アニーリング、
酸化物除去、除害、又は他のプラズマ処理のうちの1つとすることができる。ワークピー
スは、他の用途のために、他の環境内(例えば、大気条件で)のピクセル化された静電チ
ャックのRF制御された表面上で処理されることができることが理解される。一実施形態
では、ピクセル化された静電チャック上の基板は、サブ10nmの半導体技術のノードを
形成するようにエッチングされる。
【0064】
オプションで、ブロック606では、ピクセル化された静電チャック内で横方向に分布
された複数のピクセル電極のうちの1以上とグランドとの間の結合は、処理条件の変化又
は処理レシピの変化に応じて変えることができる。例えば、ピクセル電極のうちの1以上
とグランドとの間の静電容量は、処理条件の変化又は処理レシピの変化に応じて、ピクセ
ルコントローラ210からのコマンドを利用して変えることができる。別の一例では、ピ
クセル電極のうちの1以上の結合は、処理条件の変化又は処理レシピの変化に応じて、ピ
クセルコントローラ210からのコマンドを利用して、フローティングとグランドとの間
で切り換えることができる。
【0065】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発
明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範
囲に基づいて定められる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6