(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-23
(45)【発行日】2022-01-18
(54)【発明の名称】レーザ加工装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/073 20060101AFI20220111BHJP
B23K 26/064 20140101ALI20220111BHJP
B23K 26/067 20060101ALI20220111BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20220111BHJP
B23K 26/062 20140101ALI20220111BHJP
【FI】
B23K26/073
B23K26/064 N
B23K26/067
B23K26/064 Z
B23K26/00 N
B23K26/064 K
B23K26/062
B23K26/00 M
(21)【出願番号】P 2017232139
(22)【出願日】2017-12-01
【審査請求日】2020-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩間 真木
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-205469(JP,A)
【文献】特開2007-090760(JP,A)
【文献】特表2002-517315(JP,A)
【文献】特表2016-531651(JP,A)
【文献】特開2016-054203(JP,A)
【文献】特開2010-284669(JP,A)
【文献】特開2014-200822(JP,A)
【文献】特開2010-214431(JP,A)
【文献】特開平09-159966(JP,A)
【文献】特開2003-124552(JP,A)
【文献】特開平05-192779(JP,A)
【文献】特開2013-154378(JP,A)
【文献】特開2016-132002(JP,A)
【文献】特開2010-207879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 - 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出力するレーザ光源と、
前記レーザ光を所定の範囲内の任意の分岐比で第1レーザ光と第2レーザ光とに分岐する分岐部と、
前記第1レーザ光のビームプロファイルを所定の第1形状に整形する第1回折光学素子と、
前記整形された第1レーザ光と、前記レーザ光と同じビームプロファイルを有する前記第2レーザ光とを所定の位置に集光させる集光手段と、
を備え
、
前記第1回折光学素子は、前記第1レーザ光のビームプロファイルをドーナツ状のプロファイルに整形し、
前記ドーナツ状のプロファイルはLG0,1モードのプロファイルであることを特徴とす
るレーザ加工装置。
【請求項2】
前記第1回折光学素子は、nを1以上の整数として、光軸回りに一周すると位相差が2nπだけ螺旋面状に変化するパターンを有することを特徴とする請求項
1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記第1回折光学素子は、nを1以上の整数として、光軸回りに一周すると位相差が2nπだけ螺旋面状に変化するパターンと、レンズ様のパターンとを足し合わせた、ドリル状のパターンを有することを特徴とする請求項
1に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記レーザ光および前記第2レーザ光は、ガウシアン状のビームプロファイルを有することを特徴とする請求項1~
3のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とを平行にする平行化部を備えることを特徴とする請求項1~
4のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
レーザ光を出力するレーザ光源と、
前記レーザ光を所定の範囲内の任意の分岐比で第1レーザ光と第2レーザ光とに分岐する分岐部と、
前記第1レーザ光のビームプロファイルを所定の第1形状に整形する第1回折光学素子と、
前記整形された第1レーザ光と、前記レーザ光と同じビームプロファイルを有する前記第2レーザ光とを所定の位置に集光させる集光手段と、
を備え、
前記分岐部は、前記レーザ光が入力され、該レーザ光をその偏波状態に応じた分岐比で、偏波方向が互いに直交する前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とに分岐する偏波ビームスプリッタを備え、
前記レーザ光の光軸を回転軸とした前記偏波ビームスプリッタの回転位置を制御することにより、前記分岐比を変更する分岐比制御部を備えることを特徴とす
るレーザ加工装置。
【請求項7】
前記分岐部は、前記レーザ光源から入力された前記レーザ光にπだけ位相差を与えて前記偏波ビームスプリッタに出力する1/2波長板を備えることを特徴とする請求項
6に記載のレーザ加工装置。
【請求項8】
前記レーザ光の光軸を回転軸とした前記1/2波長板の回転位置を制御することにより、前記分岐比を変更する分岐比制御部を備えることを特徴とする請求項
7に記載のレーザ加工装置。
【請求項9】
前記レーザ光の光軸を回転軸とした前記偏波ビームスプリッタの回転位置および前記光軸を回転軸とした前記1/2波長板の回転位置を制御することにより、前記分岐比を変更する分岐比制御部を備えることを特徴とする請求項
7に記載のレーザ加工装置。
【請求項10】
前記レーザ光源は、単一偏波の前記レーザ光を出力する光源部と、前記レーザ光を伝搬して前記分岐部に対して出力する偏波保持型デリバリファイバとを備えることを特徴とする請求項
6~
9のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【請求項11】
偏波分岐合成素子と1/4波長板とを有し、前記偏波分岐合成素子が、前記レーザ光源から入力された前記レーザ光を偏波方向が互いに直交する2つのレーザ光に分岐し、前記1/4波長板が、前記2つのレーザ光の一方を2回通過させて偏波方向を90度回転させ、前記偏波分岐合成素子が、前記偏波方向を回転されたレーザ光と前記2つのレーザ光の他方とを合成して前記分岐部に出力する偏波変換部を備えることを特徴とする請求項
6~
9のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【請求項12】
前記分岐部は、前記レーザ光が入力され、該レーザ光をその偏波状態および入射角度に応じた分岐比で、偏波方向が互いに直交する前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とに分岐する光ビームスプリッタを備えることを特徴とする請求項
6~
11のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【請求項13】
前記光ビームスプリッタを変位させて前記入射角度を制御することにより、前記分岐比を変更する分岐比制御部を備えることを特徴とする請求項
12に記載のレーザ加工装置。
【請求項14】
前記レーザ光源は、ランダムな偏波の前記レーザ光を出力する光源部を備えることを特徴とする請求項
12または
13に記載のレーザ加工装置。
【請求項15】
レーザ光を出力するレーザ光源と、
前記レーザ光を所定の範囲内の任意の分岐比で第1レーザ光と第2レーザ光とに分岐する分岐部と、
前記第1レーザ光のビームプロファイルを所定の第1形状に整形する第1回折光学素子と、
前記整形された第1レーザ光と、前記レーザ光と同じビームプロファイルを有する前記第2レーザ光とを所定の位置に集光させる集光手段と、
を備え、
前記整形された第1レーザ光が、前記集光手段の光軸から離間した位置で前記集光手段に入力するように構成されていることを特徴とす
るレーザ加工装置。
【請求項16】
前記整形された第1レーザ光が前記集光手段に入力する位置を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項
15に記載のレーザ加工装置。
【請求項17】
前記分岐比を取得するための取得手段と、
前記取得手段の取得結果に基づいて、前記分岐比が設定値になるように前記分岐部の制御を行う補正制御部と、
を備えることを特徴とする請求項
15または16に記載のレーザ加工装置。
【請求項18】
前記第1レーザ光の光路長と前記第2レーザ光の光路長との差を補正する光路長補正手段を備えることを特徴とする請求項
15~
17のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【請求項19】
前記集光手段を通過した前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とを同軸となるように偏波合成する偏波ビームコンバイナを備えることを特徴とする請求項
15~
18のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【請求項20】
前記第1レーザ光および前記
第2レーザ光のうち、前記集光手段の光軸から離間した位置で前記集光手段に入力するレーザ光の光路上に配置された1/4波長板を備えることを特徴とする請求項
15~
19のいずれか一つに記載のレーザ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工装置において、レーザ光のビームプロファイルを制御することによって、加工に適したプロファイルとする技術が知られている。例えば、特許文献1では、複数の微細回折パターンが隙間無く形成された回折光学素子に対して、複数の微細回折パターンを跨ぐようにレーザ光を透過させることによって、ビームプロファイルを制御する技術が開示されている。また、特許文献2では、円盤状のディスクに複数個の回折光学素子が設けられ、ディスクを回転させて回折光学素子を選択し、選択した回折光学素子にレーザ光を照射する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-174100号公報
【文献】特開2000-280085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、回折光学素子に複数の微細回折パターンを隙間無く形成する必要があり、回折光学素子が大型化、高コスト化するという問題がある。また、特許文献2の技術では、形成できるビームプロファイルの数が回折光学素子の数で制限されているためビームプロファイルを連続的に変形できず、かつディスクが大型化、高コスト化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、少数の回折光学素子を用い、簡易な光学系で連続的にビームプロファイルを制御でき、小型化、低コスト化に適するレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、レーザ光を出力するレーザ光源と、前記レーザ光を所定の範囲内の任意の分岐比で第1レーザ光と第2レーザ光とに分岐する分岐部と、前記第1レーザ光のビームプロファイルを所定の第1形状に整形する第1回折光学素子と、前記整形された第1レーザ光と、前記レーザ光と同じビームプロファイルを有する前記第2レーザ光とを所定の位置に集光させる集光手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記第1回折光学素子は、前記第1レーザ光のビームプロファイルをドーナツ状のプロファイルに整形することを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記ドーナツ状のプロファイルはラゲールガウシアン(LG)0,1モードのプロファイルであることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記第1回折光学素子は、nを1以上の整数として、光軸回りに一周すると位相差が2nπだけ螺旋面状に変化するパターンを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記第1回折光学素子は、nを1以上の整数として、光軸回りに一周すると位相差が2nπだけ螺旋面状に変化するパターンと、レンズ様のパターンとを足し合わせた、ドリル状のパターンを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記レーザ光および前記第2レーザ光は、ガウシアン状のビームプロファイルを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、レーザ光を出力するレーザ光源と、前記レーザ光を任意の分岐比で第1レーザ光と第2レーザ光とに分岐する分岐部と、前記第1レーザ光のビームプロファイルを所定の第1形状に整形する第1回折光学素子と、前記第2レーザ光のビームプロファイルを所定の第2形状に整形する第2回折光学素子と、前記整形された第1レーザ光と、前記整形された第2レーザ光とを加工対象の所定の位置に集光させる集光手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記分岐部は、前記レーザ光が入力され、該レーザ光をその偏波状態に応じた分岐比で、偏波方向が互いに直交する前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とに分岐する偏波ビームスプリッタを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記分岐部は、前記レーザ光源から入力された前記レーザ光にπだけ位相差を与えて前記偏波ビームスプリッタに出力する1/2波長板を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記レーザ光の光軸を回転軸とした前記偏波ビームスプリッタの回転位置を制御することにより、前記分岐比を変更する分岐比制御部を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記レーザ光の光軸を回転軸とした前記1/2波長板の回転位置を制御することにより、前記分岐比を変更する分岐比制御部を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記レーザ光の光軸を回転軸とした前記偏波ビームスプリッタの回転位置および前記光軸を回転軸とした前記1/2波長板の回転位置を制御することにより、前記分岐比を変更する分岐比制御部を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記レーザ光源は、単一偏波の前記レーザ光を出力する光源部と、前記レーザ光を伝搬して前記分岐部に対して出力する偏波保持型デリバリファイバとを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、偏波分岐合成素子と1/4波長板とを有し、前記偏波分岐合成素子が、前記レーザ光源から入力された前記レーザ光を偏波方向が互いに直交する2つのレーザ光に分岐し、前記1/4波長板が、前記2つのレーザ光の一方を2回通過させて偏波方向を90度回転させ、前記偏波分岐合成素子が、前記偏波方向を回転されたレーザ光と前記2つのレーザ光の他方とを合成して前記分岐部に出力する偏波変換部を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記分岐部は、前記レーザ光が入力され、該レーザ光をその偏波状態および入射角度に応じた分岐比で、偏波方向が互いに直交する前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とに分岐する光ビームスプリッタを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記光ビームスプリッタを変位させて前記入射角度を制御することにより、前記分岐比を変更する分岐比制御部を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記レーザ光源は、ランダムな偏波の前記レーザ光を出力する光源部を備えることを特徴とする。
【0023】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とを平行にする平行化部を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記整形された第1レーザ光が、前記集光手段の光軸から離間した位置で前記集光手段に入力するように構成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記整形された第1レーザ光が前記集光手段に入力する位置を変更可能に構成されていることを特徴とする。
【0026】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記分岐比を取得するための取得手段と、前記取得手段の取得結果に基づいて、前記分岐比が設定値になるように前記分岐部の制御を行う補正制御部と、を備えることを特徴とする。
【0027】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記第1レーザ光の光路長と前記第2レーザ光の光路長との差を補正する光路長補正手段を備えることを特徴とする。
【0028】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記集光手段を通過した前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とを同軸となるように偏波合成する偏波ビームコンバイナを備えることを特徴とする。
【0029】
本発明の一態様に係るレーザ加工装置は、前記第1レーザ光および前記2レーザ光のうち、前記集光手段の光軸から離間した位置で前記集光手段に入力するレーザ光の光路上に配置された1/4波長板を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、少数の回折光学素子を用い、簡易な光学系で連続的にビームプロファイルを制御でき、小型化、低コスト化に適するレーザ加工装置を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、第1回折光学素子に形成されたパターンを示す図である。
【
図3】
図3は、レーザ加工装置により実現されるビームプロファイルの例を示す図である。
【
図4】
図4は、レーザ加工装置により実現されるビームプロファイルの例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態2に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施形態3に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態4に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図8】
図8は、実施形態5に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図9】
図9は、実施形態6に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図11】
図11は、実施形態7に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図13】
図13は、実施形態8に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図14】
図14は、実施形態9に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図15】
図16は、実施形態9の変形例に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図16】
図16は、実施形態10に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。
【
図17】
図17は、第1回折光学素子に形成されたパターンの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、図面を参照して実施形態について説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、図中、適宜xyz座標系を用いて方向を説明する。
【0033】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100は、レーザ光源1と、分岐部2と、第1回折光学素子3と、集光手段4と、を備える。
【0034】
レーザ光源1は、たとえば光ファイバレーザを備えており、レーザ加工用のレーザ光Lを出力する。レーザ光Lの波長は、レーザ加工に用いることができる波長であれば特に限定されないが、本実施形態1では1.1μm波長帯に含まれる波長である。レーザ光Lのビームプロファイルは、特に限定されないが、本実施形態1では、レーザ光Lは、TEM00モードのガウシアン状のビームプロファイルを有する。
【0035】
分岐部2は、レーザ光源1からデリバリファイバを介してレーザ光Lが入力され、レーザ光Lを所定の範囲内の任意の分岐比で互いに平行な第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とに分岐する。分岐比を、レーザ光Lのパワーに対する第1レーザ光L1のパワーで表すと、所定の範囲は好ましくは0%~100%であるが、これには限定されない。
【0036】
第1回折光学素子3は、第1レーザ光L1のビームプロファイルを、ガウシアン状から、所定の第1形状に整形する。所定の第1形状は特に限定されないが、本実施形態1では、第1回折光学素子3は、第1レーザ光L1のビームプロファイルをプロファイルP1に示すようなドーナツ状のプロファイルに整形する。
【0037】
図2は、第1回折光学素子3に形成されたパターンを示す図である。第1回折光学素子3には、nを1以上の整数として、光軸OX2の回りに一周すると位相差が2nπだけ螺旋面状に変化するパターンを有している。これにより、整形された第1レーザ光L1のビームプロファイルはLG(ラゲールガウシアン)0,1モードのプロファイルとなる。LG0,1モードのプロファイルの強度分布は、下記式(1)~(3)のように、Ig、Il、ωg、ωlをパラメータとして、半径rに対してI(r)で表される。
Ig(r)=Ig*exp(-2*r
2/ωg
2) ・・・ (1)
Il(r)=Il*√2*r/ωl
2*2*r
2/ωl
2*exp(-r
2/ωl
2)
・・・ (2)
I(r)=Ig(r)+Il(r) ・・・ (3)
【0038】
一方、第2レーザ光L2のビームプロファイルは整形をされずプロファイルP2で示すようにレーザ光Lと同じガウシアン状である。
【0039】
集光手段4は、単レンズ又は複数のレンズで構成されており、第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とを加工対象であるワークW上の所定の位置に集光させる。本実施形態1では、第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とは、集光手段4の光軸OX1と平行に集光手段4に入射するので、第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とは同じ位置に重畳されて集光される。特に、第1レーザ光L1は、集光手段4の光軸OX1上で集光手段4に入射する。
【0040】
なお、分岐部2、第1回折光学素子3、集光手段4はワークWに対して一体となって平行移動可能に構成されており、集光された第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とはワークW上を走査される。これにより、ワークWはレーザ加工される。
【0041】
このレーザ加工装置100では、分岐部2がレーザ光Lを任意の分岐比で第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とに分岐し、集光手段4が整形された第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とをワークW上の所定の位置に集光させる。これにより、ワークWには第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とを任意の比で重畳させたビームプロファイルのレーザ光を照射することができる。分岐部2が分岐比を連続的に変化させると、ワークWに照射さる重畳されたレーザ光のビームプロファイルも連続的に変化する。すなわち、レーザ加工装置100は、1つの第1回折光学素子3を用い、簡易な光学系で連続的にビームプロファイルを制御でき、小型化、低コスト化に適するものとなる。特に、ビームプロファイルを、ガウシアン状とLG0,1モードのドーナツ状とを重畳させたものとすることで、ワークWに対して良好な入熱制御をすることができる。
【0042】
図3、
図4は、レーザ加工装置100により実現されるビームプロファイルの例を示す図である。各図において、横軸はビーム中心からの位置を示し、縦軸は光の強度を示している。また、凡例において「SUM」は「Gaussian」モードと「LG0,1」モードとを重畳したものを示す。
図3(a)、(b)はそれぞれ分岐比が30%、37%であり、トップハットライクなビームプロファイル形状である。なお、分岐比は、レーザ光Lの強度に対する第2レーザ光L2の強度を百分率で示している。
図4(a)、(b)、(c)はそれぞれ分岐比が47%、82%、8%であり、それぞれ三角形状、ガウシアン状、ドーナツ状のビームプロファイル形状である。このように、レーザ加工装置100は、重畳されたレーザ光のビームプロファイルを様々な形状とできる。
【0043】
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100Aは、レーザ光源1Aと、第1回折光学素子3と、集光手段4と、光学ユニット5と、アクチュエータ6と、制御部7と、を備える。光学ユニット5は、分岐部である偏波ビームスプリッタ2Aと、平行化部であるプリズム8とを備えている。
【0044】
レーザ光源1Aは、単一直線偏波のレーザ光LAを出力する光源部1Aaと、レーザ光LAを伝搬して偏波ビームスプリッタ2Aに対して出力する偏波保持型デリバリファイバ1Abとを備える。光源部1Aaは、たとえば光ファイバレーザを備えている。レーザ光LAの波長はたとえば1.1μm波長帯に含まれる波長である。レーザ光LAのビームプロファイルは、特に限定されないが、本実施形態2では、レーザ光LAは、TEM00モードのガウシアン状のビームプロファイルを有する。レーザ光LAは、矢印Ar1で示すように、偏波保持型デリバリファイバ1Abから出力された後の状態で直線偏波であり、xy平面内にてx軸の正の向きに対して45度だけ傾いているとする。レーザ光LAはz軸の正の方向に進行するとする。
【0045】
偏波ビームスプリッタ2Aは、レーザ光LAが入力されると、これをその偏波状態に応じた分岐比で、偏波方向が互いに直交する第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とに分岐する。第1レーザ光LA1は矢印Ar2で示すように偏波方向がx軸に平行であり、z軸の正の方向に進行する。第2レーザ光LA2は黒丸C1で示すように偏波方向がy軸方向に平行であり、x軸の正の方向に進行する。
【0046】
プリズム8は、第2レーザ光LA2が入力され、第2レーザ光LA2を反射してその進行方向をz軸の正の方向に変換し、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを平行にする。
【0047】
第1回折光学素子3は、第1レーザ光LA1のビームプロファイルを所定の第1形状に整形する。所定の第1形状は特に限定されないが、本実施形態2では、第1回折光学素子3は、第1レーザ光LA1のビームプロファイルをプロファイルP1に示すようなドーナツ状のプロファイルに整形する。一方、第2レーザ光LA2のビームプロファイルは整形をされずプロファイルP2で示すようにレーザ光LAと同じガウシアン状である。
【0048】
集光手段4は、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とをワーク(図示しない)上の所定の位置に集光させる。本実施形態2では、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とは、集光手段4の光軸OX1と平行に集光手段4に入射するので、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とは同じ位置に重畳されて集光される。特に、第1レーザ光LA1は、集光手段4の光軸OX1上で集光手段4に入射する。
【0049】
アクチュエータ6は、たとえば電動モータなどの回転アクチュエータを備えており、矢印Ar3で示すように、レーザ光LAの光軸を回転軸として光学ユニット5を回転させる。
【0050】
光学ユニット5、アクチュエータ6、第1回折光学素子3、集光手段4はワークに対して一体となって平行移動可能に構成されており、集光された第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とはワーク上を走査される。これにより、ワークはレーザ加工される。
【0051】
制御部7は、演算部と、記憶部とを備えている。演算部は、制御部7が実行する制御のための各種演算処理を行うものであり、たとえばCPU(Central Processing Unit)で構成される。記憶部は、演算部が演算処理を行うために使用する各種プログラムやデータ等が格納される、たとえばROM(Read Only Memory)で構成される部分と、演算部が演算処理を行う際の作業スペースや演算部の演算処理の結果等を記憶する等のために使用される、たとえばRAM(Random Access Memory)で構成される部分とを備えている。
【0052】
制御部7は、光源部1Aaの駆動制御と、光学ユニット5、第1回折光学素子3、集光手段4、アクチュエータ6の移動制御と、アクチュエータ6の駆動制御とを少なくとも行う。制御部7は、アクチュエータ6の駆動制御を行うことによって光学ユニット5を回転させる。なお、偏波ビームスプリッタ2Aは、光学ユニット5が回転したときに偏心回転しないように配置されている。
【0053】
制御部7は、レーザ光LAの光軸を回転軸とした偏波ビームスプリッタ2Aの回転位置を制御することにより、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2と分岐比を変更する分岐比制御部として機能する。具体的には、偏波ビームスプリッタ2Aの回転位置に応じて、偏波ビームスプリッタ2Aに対するレーザ光LAの偏波方向は変化するが、上述したように、偏波ビームスプリッタ2Aは、レーザ光LAの偏波状態に応じた分岐比で分岐を行う。たとえば、偏波ビームスプリッタ2Aが或る回転位置の場合は分岐比が略0%となり、その回転位置から回転すると分岐比は連続的に増加し、90度回転すると略100%となる。したがって、偏波ビームスプリッタ2Aの回転位置を制御することにより、分岐比を変更することができるのである。なお、光学ユニット5の回転時には偏波ビームスプリッタ2Aとプリズム8とが回転軸回りに回転するので、偏波ビームスプリッタ2Aは第2レーザ光LA2を常にプリズム8に向かって出力する。
【0054】
なお、分岐比の設定値は、たとえばより上位の制御装置から制御部7に設定信号が入力されることによって設定される。また、制御部7が入力インターフェイスを接続されており、ユーザーが入力インターフェイスを介して設定値を入力することによって設定されてもよい。
【0055】
このレーザ加工装置100Aも、実施形態1に係るレーザ加工装置100と同様に、ワークに対して第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを任意かつ連続的に変化可能な比で重畳させたビームプロファイルのレーザ光を照射することができる。したがって、レーザ加工装置100Aは、簡易な光学系で連続的にビームプロファイルを制御でき、小型化、低コスト化に適するものとなる。
【0056】
(実施形態3)
図6は、実施形態3に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100Bは、レーザ光源1Aと、偏波ビームスプリッタ2Aと、第1回折光学素子3と、集光手段4と、アクチュエータ6Bと、制御部7Bと、プリズム8と、1/2波長板9とを備える。レーザ加工装置100Bでは、少なくとも偏波ビームスプリッタ2Aと1/2波長板9とが分岐部を構成している。
【0057】
レーザ光源1Aと、偏波ビームスプリッタ2Aと、第1回折光学素子3と、集光手段4と、プリズム8との構成および機能は、レーザ加工装置100Aの対応する要素と同様なので、以下ではアクチュエータ6Bと、制御部7Bと、1/2波長板9について主に説明する。
【0058】
1/2波長板9は、偏波保持型デリバリファイバ1Abから出力されたレーザ光LAに、πだけ位相差を与えて偏波ビームスプリッタ2Aに出力する。1/2波長板9は、レーザ光LAの偏波方向を変化させる機能を有する。
【0059】
アクチュエータ6Bは、たとえば電動モータなどの回転アクチュエータを備えており、矢印Ar4で示すように、レーザ光LAの光軸を回転軸として1/2波長板9を回転させることができる。
【0060】
偏波ビームスプリッタ2A、プリズム8、1/2波長板9、アクチュエータ6B、第1回折光学素子3、集光手段4はワークに対して一体となって平行移動可能に構成されており、集光された第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とはワーク上を走査される。これにより、ワークはレーザ加工される。
【0061】
制御部7Bは、制御部7と同様に演算部と記憶部とを備え、光源部1Aaの駆動制御と、偏波ビームスプリッタ2A、プリズム8、1/2波長板9、アクチュエータ6B、第1回折光学素子3、集光手段4の移動制御と、アクチュエータ6Bの駆動制御とを少なくとも行うように構成されている。制御部7Bは、アクチュエータ6Bの駆動制御を行うことによって1/2波長板9を回転させる。
【0062】
制御部7Bは、レーザ光LAの光軸を回転軸とした1/2波長板9の回転位置を制御することにより、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2との分岐比を変更する分岐比制御部として機能する。具体的には、1/2波長板9の回転位置に応じて、偏波ビームスプリッタ2Aに対するレーザ光LAの偏波方向は変化するので、偏波ビームスプリッタ2Aの回転位置を制御することにより、分岐比を連続的に変更することができる。
【0063】
このレーザ加工装置100Bも、実施形態1、2に係るレーザ加工装置100、100Aと同様に、ワークに対して第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを任意かつ連続的に変化可能な比で重畳させたビームプロファイルのレーザ光を照射することができる。したがって、レーザ加工装置100Bは、簡易な光学系で連続的にビームプロファイルを制御でき、小型化、低コスト化に適するものとなる。また、レーザ加工装置100Bは、回転させる対象が1/2波長板9のみであるので、機構をより簡易にできる。
【0064】
(実施形態4)
図7は、実施形態4に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100Cは、レーザ光源1Aと、第1回折光学素子3と、集光手段4と、偏波ビームスプリッタ2Aとプリズム8とを有する光学ユニット5と、アクチュエータ6A、6Bと、制御部7Cと、1/2波長板9とを備える。これらの要素のうち制御部7C以外の構成および機能は、レーザ加工装置100A、100Bにおける対応する要素と同様なので、重複説明を省略する。なお、レーザ加工装置100Cでは、少なくとも偏波ビームスプリッタ2Aと1/2波長板9とが分岐部を構成している。
【0065】
制御部7Cは、制御部7、7Bと同様に演算部と記憶部とを備え、光源部1Aaの駆動制御と、光学ユニット5、1/2波長板9、アクチュエータ6A、6B、第1回折光学素子3、集光手段4の移動制御と、アクチュエータ6A、6Bの駆動制御とを少なくとも行うように構成されている。制御部7Cは、アクチュエータ6A、6Bの駆動制御を行うことによって光学ユニット5および1/2波長板9をそれぞれ別個に回転させる。
【0066】
制御部7Cは、レーザ光LAの光軸を回転軸とした、偏波ビームスプリッタ2Aの回転位置および1/2波長板9の回転位置を制御することにより、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2との分岐比を変更する分岐比制御部として機能する。
【0067】
このレーザ加工装置100Cも、実施形態1~3に係るレーザ加工装置100、100A、100Bと同様に、ワークに対して第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを任意かつ連続的に変化可能な比で重畳させたビームプロファイルのレーザ光を照射することができる。したがって、レーザ加工装置100Cは、簡易な光学系で連続的にビームプロファイルを制御でき、小型化、低コスト化に適するものとなる。
【0068】
また、レーザ加工装置100Cは、偏波ビームスプリッタ2Aの回転位置および1/2波長板9の回転位置を別個に制御できるので、第1レーザ光LA1に対する第2レーザ光LA2の方位を自由に設定できる。このようなことは、1/2波長板9の回転位置の制御によって分岐比を調整し、光学ユニット5の回転制御によって第1レーザ光LA1に対する第2レーザ光LA2の方位を調整することで実現できる。たとえば、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを重畳させたレーザ光を、矢印Ar5で示す方向を進行方向として走査させる場合に、第2レーザ光LA2を第1レーザ光LA1に対して常に進行方向側に位置させることができる。
【0069】
(実施形態5)
図8は、実施形態5に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100Dは、レーザ光源1Aと、第1回折光学素子3と、集光手段4と、偏波ビームスプリッタ2Dとプリズム8とを備える光学ユニット5Dと、アクチュエータ6、6Dと、制御部7Dとを備える。
【0070】
偏波ビームスプリッタ2Dは、レーザ光源1Aからレーザ光LAが入力されると、これをその偏波状態に応じた分岐比で第1レーザ光LA1と第2レーザ光とLA2とに分岐する。第1レーザ光LA1は黒丸C1で示すように偏波方向がy軸に平行であり、x軸の正の方向に進行する。第2レーザ光LA2は矢印Ar2で示すように偏波方向がx軸方向に平行であり、z軸の正の方向に進行する。
【0071】
プリズム8は、第1レーザ光LA1が入力され、第1レーザ光LA1の進行方向をz軸の正の方向に変換し、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを平行にする。第1回折光学素子3は、第1レーザ光LA1のビームプロファイルを、たとえばプロファイルP1に示すようなドーナツ状のプロファイルに整形する。ここで、光学ユニット5Dは、プリズム8が、矢印Ar6に示すように反射前の第1レーザ光LA1の進行方向に平行に移動できるように、プリズム8を備えている。プリズム8が移動すると、反射後の第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2との距離が変化する。
【0072】
アクチュエータ6Dは、たとえば電動の直動アクチュエータを備えており、プリズム8を、矢印Ar6に示すように移動させることができる。
【0073】
制御部7Dは、制御部7、7B、7Cと同様に演算部と記憶部とを備え、光源部1Aaの駆動制御と、光学ユニット5D、アクチュエータ6、6D、第1回折光学素子3、集光手段4の移動制御と、アクチュエータ6、6Dの駆動制御とを少なくとも行うように構成されている。制御部7Dは、アクチュエータ6の駆動制御を行うことによって光学ユニット5Dを回転させて、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2との分岐比を制御する。また、制御部7Dは、アクチュエータ6Dの駆動制御を行うことによってプリズム8を光学ユニット5D内で移動させる。
【0074】
集光手段4は、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とをワーク上の所定の位置に集光させる。本実施形態5では、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とは、集光手段4の光軸OX1と平行に集光手段4に入射するので、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とは同じ位置に重畳されて集光される。
【0075】
ここで、第2レーザ光LA2は、集光手段4の光軸OX1上で集光手段4に入射する。一方、第1レーザ光LA1は、光軸OX1から離間した位置で集光手段4に入射するが、制御部7Dがプリズム8を移動させると、第1レーザ光LA1が集光手段4に入射する位置の光軸OX1との離間距離を変更可能である。その結果、第1レーザ光LA1が集光手段4によってワークに集光される際の、ワーク表面に対する第2レーザ光LA1の入射角度が矢印Ar7に示すように変化する。
【0076】
このように、第1レーザ光LA1の入射角度が変化すると、ワーク表面に投影される第1レーザ光LA1のビームプロファイルの形状も変化する。たとえば、入射角度が大きくなるとビームプロファイルの形状は長径がより長い長円環状に変化する。
【0077】
このレーザ加工装置100Dも、実施形態1~4に係るレーザ加工装置100、100A~100Cと同様に、ワークに対して第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを任意かつ連続的に変化可能な比で重畳させたビームプロファイルのレーザ光を照射することができる。したがって、レーザ加工装置100Dは、簡易な光学系で連続的にビームプロファイルを制御でき、小型化、低コスト化に適するものとなる。
【0078】
また、レーザ加工装置100Dは、プリズム8を移動させることによって、第1レーザ光LA1のビームプロファイルの長円環状の長径を連続的に変化させることができるので、ワークに照射させるレーザ光のビームプロファイルをより多様な形状にすることができる。
【0079】
(実施形態6)
図9は、実施形態6に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100Eは、レーザ光源1Eと、第1回折光学素子3と、集光手段4と、光学ユニット5Eと、アクチュエータ6Eと、制御部7Eと、を備える。光学ユニット5Eは、分岐部である光ビームスプリッタ2Eと、平行化部であるミラー8Eとを備えている。
【0080】
レーザ光源1Eは、ランダムな偏波のレーザ光LEを出力する光源部1Eaと、レーザ光LEを伝搬して光ビームスプリッタ2Eに対して出力するデリバリファイバ1Ebとを備える。光源部1Eaは、たとえば光ファイバレーザを備えている。レーザ光LEの波長はたとえば1.1μm波長帯に含まれる波長である。レーザ光LEのビームプロファイルは、特に限定されないが、本実施形態6では、レーザ光LEは、TEM00モードのガウシアン状のビームプロファイルを有する。レーザ光LEは、矢印Ar8で示すようにランダムな偏波である。レーザ光LEはz軸の正の方向に進行するとする。
【0081】
光ビームスプリッタ2Eは、レーザ光LEが入力される側の表面に誘電体多層膜が形成され、裏面に反射防止膜が形成された板状の光学部品である。光ビームスプリッタ2Eは、レーザ光LEが入力されると、これをその偏波状態および入射角度θに応じた分岐比で、偏波方向が互いに直交する第1レーザ光LE1と第2レーザ光LE2とに分岐する。透過する第1レーザ光LE1はいわゆるs偏光の光であり、反射する第2レーザ光LE2はp偏光の光である。すなわち、第1レーザ光LE1は矢印Ar2で示すように偏波方向がx軸に平行であり、z軸の正の方向に進行する。第2レーザ光LE2は黒丸C1で示すように偏波方向がy軸方向に平行であり、x軸の正の方向に進行する。
【0082】
板状のミラー8Eは、第2レーザ光LE2が入力され、第2レーザ光LE2を反射してその進行方向をz軸の正の方向に変換し、第1レーザ光LE1と第2レーザ光LE2とを平行にする。
【0083】
第1回折光学素子3は、第1レーザ光LE1のビームプロファイルを所定の第1形状に整形する。所定の第1形状は特に限定されないが、本実施形態6では、第1回折光学素子3は、第1レーザ光LE1のビームプロファイルをプロファイルP1に示すようなドーナツ状のプロファイルに整形する。一方、第2レーザ光LE2のビームプロファイルは整形をされずプロファイルP2で示すようにレーザ光LEと同じガウシアン状である。
【0084】
集光手段4は、第1レーザ光LE1と第2レーザ光LE2とをワーク(図示しない)上の所定の位置に集光させる。本実施形態6では、第1レーザ光LE1と第2レーザ光LE2とは、集光手段4の光軸OX1と平行に集光手段4に入射するので、第1レーザ光LE1と第2レーザ光LE2とは同じ位置に重畳されて集光される。特に、第1レーザ光LE1は、集光手段4の光軸OX1上で集光手段4に入射する。
【0085】
アクチュエータ6Eは、たとえば電動モータなどの回転アクチュエータを備えており、矢印Ar9で示すように、y軸に平行な回転軸X1を回転軸として光ビームスプリッタ2Eを連続的に回転させることができるとともに、矢印Ar10で示すように、y軸に平行な回転軸X2を回転軸としてミラー8Eを連続的に回転させることができる。なお、アクチュエータ6Eは、光ビームスプリッタ2Eとミラー8Eとが常に平行になるようにこれらを回転させる。これにより、光ビームスプリッタ2Eへのレーザ光LEの入射角度θが変化しても、常に第1レーザ光LE1と第2レーザ光LE2とは平行に保たれる。
【0086】
光学ユニット5E、アクチュエータ6E、第1回折光学素子3、集光手段4はワークに対して一体となって平行移動可能に構成されており、集光された第1レーザ光LE1と第2レーザ光LE2とはワーク上を走査される。これにより、ワークはレーザ加工される。
【0087】
制御部7Eは、制御部7、7B~7Dと同様に演算部と記憶部とを備え、光源部1Eaの駆動制御と、光学ユニット5E、第1回折光学素子3、集光手段4、アクチュエータ6Eの移動制御と、アクチュエータ6Eの駆動制御とを少なくとも行うように構成されている。制御部7Eは、アクチュエータ6Eの駆動制御を行うことによって光ビームスプリッタ2Eおよびミラー8Eを回転させる。
【0088】
制御部7Eは、光ビームスプリッタ2Eおよびミラー8Eを変位させて回転位置を制御し、入射角度θを制御することにより、第1レーザ光LE1と第2レーザ光LE2との分岐比を変更する分岐比制御部として機能する。入射角度θは連続的に変更可能なので、分岐比も連続的に変更可能である。
【0089】
このレーザ加工装置100Eも、実施形態1~5に係るレーザ加工装置100、100A~100Dと同様に、ワークに対して第1レーザ光LE1と第2レーザ光LE2とを任意かつ連続的に変化可能な比で重畳させたビームプロファイルのレーザ光を照射することができる。したがって、レーザ加工装置100Eは、簡易な光学系で連続的にビームプロファイルを制御でき、小型化、低コスト化に適するものとなる。
【0090】
ところで、レーザ光源1Eは、ランダムな偏波のレーザ光LEを出力するものであるが、
図10に示すような偏波変換部10と組み合わせて、レーザ光LEの偏波状態を直線偏波に変換してもよい。偏波変換部10は、偏波分岐合成素子11と、1/4波長板12と、ミラー13とを備える。
【0091】
偏波分岐合成素子11は、レーザ光源1Eから入力されたレーザ光LEを2つのレーザ光LE3、LE4に分岐する。レーザ光LE3は矢印Ar11に示すように偏波方向がx軸に平行であり、z軸の正の方向に進行する。レーザ光LE4は黒丸C2で示すように偏波方向がy軸方向に平行であり、x軸の正の方向に進行する。1/4波長板12は、2つのレーザ光LE3、LE4のうちレーザ光LE4を通過させてその偏波状態を円偏波とする。ミラー13は1/4波長板12を通過したレーザ光LE4を反射して1/4波長板12をもう一回通過させる。これにより、1/4波長板12はレーザ光LE4を2回通過させてその偏波方向を矢印Ar12で示すように90度回転させる。これによりレーザ光LE4の偏波方向はレーザ光LE3の偏波方向と同じになる。その後、偏波分岐合成素子11が、偏波方向を90度回転されたレーザ光LE4とレーザ光LE3とを合成すると、直線偏波のレーザ光LE5となる。レーザ光LE5は、分岐部に出力する。
【0092】
このようなレーザ光源1Eと偏波変換部10との組み合わせは、たとえば実施形態2~5のレーザ光源1Aに換えて用いることができる。この場合、レーザ光LE5は偏波ビームスプリッタ2Aに向かって出力される。
【0093】
(実施形態7)
図11は、実施形態7に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100Fは、レーザ光源1Aと、第1回折光学素子3と、集光手段4と、偏波ビームスプリッタ2Aとプリズム8とを有する光学ユニット5と、アクチュエータ6と、制御部7Fと、フォトディテクタ(PD)14、15と、ミラー16とを備える。
【0094】
レーザ光源1Aと、偏波ビームスプリッタ2Aと、第1回折光学素子3と、集光手段4と、アクチュエータ6と、プリズム8との構成および機能は、レーザ加工装置100Aの対応する要素と同様なので、以下では制御部7Fと、PD14、15と、ミラー16とについて主に説明する。
【0095】
PD14は、光学ユニット5に設けられており、第2レーザ光LA2の迷光SL2を受光し、その受光強度に応じた電流信号を制御部7Fに出力するように構成されている。PD15は、集光手段4の近傍に設けられており、ミラー16で反射された第1レーザ光LA1の迷光SL1を受光し、その受光強度に応じた電流信号を制御部7Fに出力するように構成されている。
【0096】
制御部7Fは、制御部7、7B~7Eと同様に演算部と記憶部とを備え、光源部1Aaの駆動制御と、光学ユニット5、アクチュエータ6、第1回折光学素子3、集光手段4、PD14、15、ミラー16の移動制御と、アクチュエータ6の駆動制御とを少なくとも行うように構成されている。制御部7Fは、アクチュエータ6の駆動制御を行うことによって光学ユニット5を回転させる。
【0097】
さらに、制御部7Fと、PD14、15は、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2との分岐比を取得する取得手段、および取得結果に基づいて、分岐比が設定値になるように偏波ビームスプリッタ2Aの制御を行う補正制御部として機能する。具体的には、制御部7Fは、PD14、15のそれぞれから入力された電流信号に基づいて、現在の分岐比を演算して取得する。つづいて、制御部7Fは現在の分岐比と分岐比の設定値とを比較する。そして、現在の分岐比が設定値とは異なる場合は、制御部7Fはアクチュエータ6を駆動制御して偏波ビームスプリッタ2Aを回転させ、分岐比が設定値になるようにする。
【0098】
図12は、レーザ加工装置100Fにおける補正制御を説明する図である。
図12に示すように、偏波ビームスプリッタ2Aが基準回転位置であるときに分岐比が0%であり、基準回転位置からの偏波ビームスプリッタ2Aの回転量に応じて分岐比が0%から100%の間で変化するとする。なお、回転量と分岐比とが1:1で対応するように、偏波ビームスプリッタ2Aの回転量は90度から180度の間で制御される。
【0099】
まず、分岐比が80%の回転量をθiとし、そこから分岐比を50%にするために回転量をθeに変更しようとしたが、制御誤差等の何らかの理由で回転量がθeeに変更されてしまったとする。
【0100】
制御部7Fは、取得した分岐比の値Deeから、θee=Arccos(Dee)の式を用いてθeeを算出する。また、制御部7Fは、設定値の分岐比De(=50%)から、θe=Arccos(De)の式を用いてθeを算出する。つづいて、制御部7Fは、補正回転量Φを、Φ=θee-θeの式を用いて算出する。つづいて、制御部7Fは、アクチュエータ6Aを制御して偏波ビームスプリッタ2Aを-Φだけ回転させる。これにより、偏波ビームスプリッタ2Aの回転量はθeとなり、設定値の分岐比Deに補正される。
【0101】
このレーザ加工装置100Fも、実施形態1~6に係るレーザ加工装置100、100A~100Eと同様に、ワークに対して第1レーザ光LE1と第2レーザ光LE2とを任意かつ連続的に変化可能な比で重畳させたビームプロファイルのレーザ光を照射することができる。したがって、レーザ加工装置100Fは、簡易な光学系で連続的にビームプロファイルを制御でき、小型化、低コスト化に適するものとなる。さらに、レーザ加工装置100Fは、補正制御を実行することによって、重畳させたビームプロファイルをより高精度に制御できる。
【0102】
(実施形態8)
図13は、実施形態8に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100Gは、
図5に示すレーザ加工装置100Aに、1/4波長板19と光路長補正手段20とを追加したものである。以下では1/4波長板19と光路長補正手段20とについて主に説明する。
【0103】
1/4波長板19は、第1レーザ光LA1および第2レーザ光LA2のうち、集光手段4の光軸OX1から離間した位置で集光手段4に入力するレーザ光の光路上に配置される。本実施形態8では、1/4波長板19は第2レーザ光LA2の光路上に配置されている。1/4波長板19を通過した第2レーザ光LA2は矢印Ar13で示すように円偏波となる。
【0104】
集光手段4の光軸OX1から離間した位置で集光手段4に入力する第2レーザ光LA2は、ワークに対して或る傾斜角度を持って入射する。ワークは一般的にその構成材料に応じて入射角度による光吸収率依存性を有するが、第2レーザ光LA2を円偏波とすることで、光吸収率依存性の影響を抑制することができる。
【0105】
また、光路長補正手段20は、第1レーザ光LA1の光路長と第2レーザ光LA2の光路長との差を補正する。光路長補正手段20は、たとえばレーザ光LAを吸収しない光学材料で構成された光学素子であり、その屈折率に応じて空気中の光路長とは異なる光路長を第1レーザ光LA1に与える。光路長補正手段20により、第1レーザ光LA1の光路長と第2レーザ光LA2の光路長とが一致するので、たとえばレーザ光LAがパルス光の場合に、パルスのタイミングを一致させたい場合に効果的である。
【0106】
(実施形態9)
図14は、実施形態9に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100Hは、
図6に示すレーザ加工装置100Bに、ミラー21と偏波ビームコンバイナ22とを追加したものである。ミラー21と偏波ビームコンバイナ22とは集光手段4に対してz軸の正の方向に配置されている。
【0107】
ミラー21は、集光手段4を通過した第2レーザ光LA2を偏波ビームコンバイナ22に向けて反射させる。偏波ビームコンバイナ22は、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを同軸となるように偏波合成する。これにより、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを、同軸で重畳された状態でワークに照射することができる。
【0108】
(実施形態9の変形例)
図15は、実施形態9の変形例に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100Iは、
図14に示すレーザ加工装置100Hにおいて、集光手段4を集光手段4aと集光手段4bとに置き換え、ミラー21をミラー23に置き換えた構成を備えている。
【0109】
第1レーザ光LA1は集光手段4aの光軸OX1aに一致する光路で集光手段4aを透過し、集光される。第2レーザ光LA2は集光手段4bの光軸OX1bに一致する光路で集光手段4bを透過し、集光される。ミラー23は、集光手段4bを通過した第2レーザ光LA2を偏波ビームコンバイナ22に向けて反射させる。偏波ビームコンバイナ22は、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを同軸となるように偏波合成する。これにより、第1レーザ光LA1と第2レーザ光LA2とを、同軸で重畳された状態でワークに照射することができる。また、第1レーザ光LA1は集光手段4bの光軸OX1bを透過し、第2レーザ光LA2は集光手段4bの光軸OX1bを透過するので、第1レーザ光LA1、第2レーザ光LA2に対する集光手段4a、4bの収差の影響を抑制できる。
【0110】
(実施形態10)
図16は、実施形態10に係るレーザ加工装置の構成を示す模式図である。レーザ加工装置100Jは、
図1に示すレーザ加工装置100に、第2回折光学素子3Jを追加したものである。第2回折光学素子3Jは、第2レーザ光L2のビームプロファイルを所定の第2形状に整形する。所定の第2形状は特に限定されないが、本実施形態10では、第2回折光学素子3Jは、第2レーザ光L2のビームプロファイルをプロファイルP3に示すようなガウシアン状のプロファイルに整形する。集光手段4は、整形された第1レーザ光L1と、整形された第2レーザ光L2とをワークWの所定の位置に集光させる。これにより、レーザ加工装置100Jは、ワークWに第1レーザ光L1と第2レーザ光L2とを任意の比で重畳させたビームプロファイルのレーザ光を照射することができる。このレーザ加工装置100Jも、実施形態1~9および変形例に係るレーザ加工装置100、100A~100Iと同様に、簡易な光学系で連続的にビームプロファイルを制御でき、小型化、低コスト化に適するものとなる。
【0111】
なお、上記実施形態では、第1回折光学素子3は、
図2に示すように、nを1以上の整数として、光軸回りに一周すると位相差が2nπだけ螺旋面状に変化するパターンを有する。しかし、第1回折光学素子はこれに限らず、
図17に示すように、nを1以上の整数として、光軸回りに一周すると位相差が2nπだけ螺旋面状に変化するパターンと、光軸を中心とするレンズ様のパターンとを足し合わせた、ドリル状のパターンを有するものでもよい。なお、図中右側には位相を濃淡で示したスケールを示している。
図17のパターンであれば、集光手段4の焦点距離を一定にした場合に、ドーナツ状のビームプロファイルのスポットサイズを意図した径とすることがより容易になる。
【0112】
また、上記実施形態では、レーザ光のビームプロファイルは、ガウシアン状またはドーナツ状であるが、これらに限定はされない。
【0113】
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。たとえば、
図11に示した補正制御のための構成を他の実施形態に組み合わせてもよい。この場合、たとえば
図6のレーザ加工装置100Bにおいては補正制御により1/2波長板9を回転させ、
図9のレーザ加工装置100Eにおいては補正制御により光ビームスプリッタ2Eおよびミラー8Eを回転させる。また、
図13に示した1/4波長板19や光路長補正手段20や
図14に示したミラー21および偏波ビームコンバイナ22を、他の実施形態に組み合わせてもよい。
【0114】
また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0115】
1、1A、1E レーザ光源
1Aa、1Ea 光源部
1Ab 偏波保持型デリバリファイバ
1Eb デリバリファイバ
2 分岐部
2A、2D 偏波ビームスプリッタ
2E 光ビームスプリッタ
3 第1回折光学素子
3J 第2回折光学素子
4、4a、4b 集光手段
5、5D、5E 光学ユニット
6、6A、6B、6D、6E アクチュエータ
7、7B、7C、7D、7E、7F 制御部
8 プリズム
8E、13、16、21、23 ミラー
9 1/2波長板
10 偏波変換部
11 偏波分岐合成素子
12、19 1/4波長板
14、15 PD
20 光路長補正手段
22 偏波ビームコンバイナ
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100H、100I、100J レーザ加工装置