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特許6999892高分子化合物およびその製造方法、並びに光学材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-27
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】高分子化合物およびその製造方法、並びに光学材料
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/56 20060101AFI20220203BHJP
   G02B 1/04 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
C08F220/56
G02B1/04
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017049770
(22)【出願日】2017-03-15
(65)【公開番号】P2017203150
(43)【公開日】2017-11-16
【審査請求日】2020-01-09
(31)【優先権主張番号】P 2016093475
(32)【優先日】2016-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(73)【特許権者】
【識別番号】399030060
【氏名又は名称】学校法人 関西大学
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 航治
(72)【発明者】
【氏名】工藤 宏人
【審査官】佐藤 のぞみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-010219(JP,A)
【文献】特表2002-509948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0200840(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0281623(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 220/00-220/70
G02B 1/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とが架橋した構造を有することを特徴とする高分子化合物。
【化1】
式(1)中、R1およびR2は水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基、R3は-C-またはエーテル基から選択されるいずれかの基、R4は水、Aは下記式(AA)で示される繰り返し単位、Bは下記式(BB)で示される繰り返し単位、Xはハロゲン元素、水素、下記式(AA)の中から選択されるいずれかの基、但し、式(1)でBを含まない場合は、下記式(AA)中のnが1~500の整数であり、式(1)でBを含む場合は、下記式(AA)中のnと下記式(BB)中のmの和が1~500の整数である
【化2】
式中、R5およびR6は水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基)
【化3】
式中、R8は水素、炭素数1~12のアルキル、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコール、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピルまたは4-ヒドロキシブチル基、R9は水素またはメチル基)
【化4】
式(2)中、R7は炭素数1または2のアルキレン基から選択されるいずれかの基)
【請求項2】
重量平均分子量が60,000以上150,000以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子化合物。
【請求項3】
前記一般式(1)中のXが、ハロゲン元素である請求項1または2に記載の高分子化合物。
【請求項4】
前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(6)で表される化合物と下記一般式(7)で表される化合物との共重合体である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高分子化合物。
【化5】
【化6】
【請求項5】
前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(6)で表される化合物と下記一般式(7)で表される化合物と下記一般式(8)で表される化合物との共重合体である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高分子化合物。
【化7】
【化8】
【化9】
(式中、R8は水素、炭素数1~12のアルキル、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコール、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピルまたは4-ヒドロキシブチル基、R9は水素またはメチル基)
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の高分子化合物を用いてなる光学材料。
【請求項7】
下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを重合反応させることを特徴とする高分子化合物の製造方法。
【化10】
(式(1)中、R1およびR2は水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基、R3は-C-またはエーテル基から選択されるいずれかの基、R4は水、Aは下記式(AA)で示される繰り返し単位、Bは下記式(BB)で示される繰り返し単位、Xはハロゲン元素、水素、下記式(A)の中から選択されるいずれかの基、但し、式(1)でBを含まない場合は、下記式(AA)中のnが1~500の整数であり、式(1)でBを含む場合は、下記式(AA)中のnと下記式(BB)中のmの和が1~500の整数である
【化11】
式中、R5およびR6は水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基)
【化12】
式中、R8は水素、炭素数1~12のアルキル、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコール、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピルまたは4-ヒドロキシブチル基、R9は水素またはメチル基)
【化13】
式(2)中、R7は炭素数1または2のアルキレン基から選択されるいずれかの基)
【請求項8】
前記一般式(1)中のXが、ハロゲン元素である請求項7に記載の高分子化合物の製造方法。
【請求項9】
前記一般式(1)で表される化合物を、下記一般式(6)で表される化合物と下記一般式(7)で表される化合物と下記一般式(8)で表される化合物とを重合反応させて得る請求項7または8に記載の高分子化合物の製造方法。
【化14】
【化15】
【化16】
(式中、R8は水素、炭素数1~12のアルキル、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコール、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピルまたは4-ヒドロキシブチル基、R9は水素またはメチル基)
【請求項10】
前記重合反応が、遷移金属触媒およびアミン系配位子の存在下で行われる請求項7または8に記載の高分子化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子化合物およびその製造方法、並びに光学材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機能性ポリマーの分野では、用途の多様化、高度化に対応するため、より高機能な材料の開発が求められている。特に、光スイッチング材料や有機レンズ等光学材料への応用の可能性の観点から、強度等の機械特性、温度やpH変化などの外部からの刺激に対する迅速な応答性(以下「刺激応答性」という)、および成形等の加工性に優れた材料の開発が求められている。
【0003】
特許文献1には、分子量の高いポリマーを用いてフィルムの機械的強度を高める技術が開示されている。また、特許文献2には、星形構造のポリマーにすることにより、ガラス転移点を低くする技術が開示されている。さらに、非特許文献1には、刺激応答性ポリマー材料について、相互網目構造の三次元ゲル構造を構築して刺激応答性と機械特性を両立させる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたポリマーは、機械特性が高くなる反面、加工性に劣るという問題がある。また、特許文献2に開示された星形ポリマーは、加工性が改善されているものの、機械特性を維持することができない。さらに、非特許文献1に開示された刺激応答性ポリマーは、三次元網目構造が構築されるとその形状が固定化されるため、二次加工ができないという問題がある。
【0005】
したがって、従来の技術では、機械特性、刺激応答性、および加工性を備える高分子化合物を得られない。
【0006】
本発明の目的は、機械特性、刺激応答性、および加工性を備えた高分子化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の高分子化合物は、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とが架橋した構造を有することを特徴とする。
【0008】
【化1】
(式(1)中、R1およびR2は水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基、R3は-C-またはエーテル基から選択されるいずれかの基、R4は水、Aは下記式(AA)で示される繰り返し単位、Bは下記式(BB)で示される繰り返し単位、Xはハロゲン元素、水素、下記式(AA)の中から選択されるいずれかの基、但し、式(1)でBを含まない場合は、下記式(AA)中のnが1~500の整数であり、式(1)でBを含む場合は、下記式(AA)中のnと下記式(BB)中のmの和が1~500の整数である)
【0009】
【化2】
(式中、R5およびR6は水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基)
【0010】
【化3】
(式中、R8は水素、炭素数1~12のアルキル、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコール、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピルまたは4-ヒドロキシブチル基、R9は水素またはメチル基)
【0011】
【化4】
(式(2)中、R7は炭素数1または2のアルキレン基から選択されるいずれかの基)
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、機械特性、刺激応答性、および加工性を備えた高分子化合物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の高分子化合物の一例を示す模式図である。
図2】本発明の高分子化合物の一例(Xが臭素の場合)の架橋構造を示す模式図である。
図3】本発明の高分子化合物の一例(実施例1)及び一般式(4)で表されるポリマーのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)チャートを示す図である。
図4】本発明の高分子化合物の一例(実施例1)の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図5】本発明の高分子化合物の一例(実施例1)の核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
図6】本発明の高分子化合物の他の一例(実施例2)及び一般式(4)で表されるポリマーのGPCチャートを示す図である。
図7】本発明の高分子化合物の他の一例(実施例2)の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図8】本発明の高分子化合物の他の一例(実施例2)の核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
図9】本発明の高分子化合物の他の一例(実施例3)及び一般式(4)で表されるポリマーのGPCチャートを示す図である。
図10】本発明の高分子化合物の他の一例(実施例3)の赤外吸収スペクトルを示す図である。
図11】本発明の高分子化合物の他の一例(実施例3)の核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を用いて説明する。図1は、本発明の高分子化合物の一例であるハイパーブランチポリマーの模式図である。このハイパーブランチポリマーは、下記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)で表される化合物によって架橋された架橋構造を備えている。
【0015】
【化5】
一般式(1)中で、R1およびR2は水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基であり、R3は少なくとも炭素を2つ含むアルキレン基またはエーテル基から選択されるいずれかの基であり、R4は水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基である。また、Aは下記式(AA)で示される繰り返し単位であり、Bは下記式(BB)で示される繰り返し単位である。さらに、Xはハロゲン元素または水素から選択されるいずれかの基である。
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
一般式(1)において、R1およびR2を水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基にすることで、重合度の制御が容易で、分子量の高いポリマーを得ることができる。なお、R1およびR2が炭素数3以上のアルキル基の場合は、立体障害により重合度が著しく低下して、分子量の高いポリマーが得られ難い。
【0020】
また、一般式(1)において、R3を少なくとも炭素を2つ含むアルキレン基またはエーテル基から選択されるいずれかの基にすることで、化学的に安定で取扱いが容易なポリマーが得られる。なお、R3が水素または炭素数1のアルキレン基の場合は、得られるポリマーが化学的に不安定で取り扱いが困難となる場合が多い。
【0021】
また、一般式(1)において、R4を水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基にすることで、重合度の制御が良好となり、分子量の高いポリマーを得ることができる。なお、R4が炭素数3以上のアルキル基の場合は、疎水性相互作用により凝集して重合度が著しく低下して、分子量の高いポリマーが得られ難い。
【0022】
また、式(AA)において、R5およびR6を水素または炭素数1または2のアルキル基から選択されるいずれかの基にすることで、重合反応性が良好となり、分子量の高いポリマーを得ることができる。なお、R5およびR6が炭素数3以上のアルキル基の場合は、立体障害により重合反応性が低下して、分子量の高いポリマーが得られ難い。
【0023】
また、式(BB)において、R8を水素、炭素数1~12のアルキル鎖、メトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコール、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチルのいずれかの基とすることで、得られるポリマーの柔軟性や賦形性を向上させることができる。
【0024】
また式(BB)において、R9を水素またはメチル基とすることで、重合反応性が良好となり分子量の高いポリマーを得ることができる。なお、R9が炭素数2以上のアルキル基の場合は、立体障害により重合反応性が低下して、分子量の高いポリマーが得られ難い。
【0025】
また、一般式(1)において、AとBの順番は特に限定されず、A-BであってもB-Aであっても良い。また、一般式(1)で示される化合物は、AとBからなるブロックコポリマーであっても、ランダムコポリマーであっても良いが、製造上の簡便さからランダムコポリマーである方が好ましい。
【0026】
また、一般式(1)において、Xを構成し得るハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素である。Xがハロゲン元素である場合は、ハロゲン元素に由来する高い屈折率を有するポリマーが得られる。また、一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物とを重合した後に精製処理を行うことにより、ハロゲン元素をそれぞれ水素に置き換えることが可能である。そのため、ハロゲン元素を含む材料が好まれない用途にも用いることができる。
【0027】
さらに、一般式(1)においてBを含まない場合は、nを1~500の整数とすることで、適度に分子量が高いポリマーを得ることができる。なお、nが1未満の化合物は存在せず、またnが500を超える整数の場合は、分子量が高くなりすぎて加工性が低下し易い。
【0028】
また、一般式(1)においてBを含む場合は、nとmの和を1~500の整数とすることで、適度に分子量が高いポリマーを得ることができる。なお、nとmの和が1未満の化合物は存在せず、nまたはnとmの和が500を超える整数の場合は、分子量が高くなりすぎて加工性が低下し易い。
【0029】
また、一般式(2)において、R7を炭素数1または2のアルキレン基から選択されるいずれかの基とすることで、一般式(1)の化合物が一般式(2)の化合物により架橋された架橋構造を有するハイパーブランチポリマーが製造できる。なお、R7が炭素数3以上のアルキレン基の場合は、疎水性相互作用により凝集して重合度が著しく低下し、分子量の高いポリマーが得られ難い。
【0030】
本例のハイパーブランチポリマーは、下記一般式(3)で表される構造を備えている。この構造は、本例のハイパーブランチポリマー中で刺激応答性を示す部位を構成すると考えられる。
【0031】
【化9】

このように、本例のハイパーブランチポリマーは、刺激応答性部位を有し、高い分子量でありながら低いガラス転移点を有する。これにより、機械特性及び加工性に優れ、さらに刺激応答性を示すことができる。
【0032】
なお、刺激応答性としては、例えば、下限臨界溶液温度(Lower Critical Solution Temperature:LCST)特性やpH特性が挙げられる。LCST特性は、ポリマーと水が共存する環境において、所定の温度以上ではポリマーと水は相溶しないが、所定の温度未満では相溶するという特性である。また、pH応答性は、ポリマーと水が共存する環境において、所定のpH以上ではポリマーと水は相溶しないが、所定のpH未満では相溶するという特性である。
【0033】
本発明のハイパーブランチポリマーの重量平均分子量は、好ましくは60,000以上150,000以下であり、より好ましくは80,000以上150,000以下であり、さらに好ましくは10,000以上150,000以下である。
【0034】
重量平均分子量が60,000以上150,000以下では、温度応答性が高く、かつ良好な機械特性および加工性を示す。また、重量平均分子量が80,000以上150,000以下では、温度応答性が向上し、かつ機械特性及び加工性も向上する。さらに、重量平均分子量が100,000以上150,000以下では、温度応答性が極めて高く、かつ極めて良好な機械特性及び加工性を示す。なお、重量平均分子量が60,000未満では機械特性を維持し難く、また重量平均分子量が150,000以上では、ハイパーブランチポリマーの製造が困難となる場合が多い。
【0035】
次に、本例のハイパーブランチポリマーを製造する方法について説明する。本例のハイパーブランチポリマーは、下記一般式(4)で表される化合物を下記一般式(5)で表される化合物によって架橋することにより製造することができる。下記一般式(4)で表される化合物は、例えば下記反応(A)によって製造することができる。一般式(4)で表される化合物の赤外分光分析結果を図2に示す。また、下記一般式(5)で表される化合物には、市販の架橋材を用いることができる。
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】

上記反応(A)では、一般式(6)で表される2-hydroxyethyl-2-bromoisobutyrate(HEBiB)を開始剤として、一般式(7)で表されるN-イソプロピルアクリルアミドに遷移金属触媒と触媒配位子を混合して、原子移動ラジカル重合反応させることにより、一般式(4)で表される化合物を製造することができる。これにより、一般式(4)で表される化合物は、一般式(6)で表される化合物と一般式(7)で表される化合物との共重合体を構成する。
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】

ここで、遷移金属触媒は、特に限定するものではなく、原子移動ラジカル重合反応に用いられる触媒として一般に市販されているものを用いることができる。このような遷移金属触媒としては、例えば、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、銅等の遷移金属またはこれらの遷移金属の化合物などが挙げられる。このうち、反応性の観点から、銅系の触媒が好ましく、中でも臭化銅がより好ましい。
【0041】
また、触媒配位子は、特に限定するものではなく、原子移動ラジカル重合に用いられる配位子として一般に市販されているものを用いることができる。このような触媒配位子としては、例えば、ビピリジン、ジメチルビピリジン、トリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミン、N,N,N',N",N"-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N',N'-テトラエチレンジアミンなどのアミン系配位子があげられる。中でも、反応性の観点から、N,N,N',N",N"-ペンタメチルジエチレントリアミンが好ましい。
【0042】
上記反応(A)において、上記一般式(6)で表される化合物と上記一般式(7)で表される化合物との反応系にさらに下記一般式(8)で表される化合物を加えることにより、共重合体を構成することができる。この場合も、上記反応(A)で用いた遷移金属触媒と触媒配位子を混合して、原子移動ラジカル重合反応させることができる。
【0043】
得られた共重合体は、一般式(6)で表される化合物と一般式(7)で表される化合物と一般式(8)で表される化合物との共重合体を構成することができる。この共重合体は、上記一般式(4)で表される化合物と同様に、優れた刺激応答性、機械特性、および加工性を有するハイパーブランチポリマーの製造に用いることができる。
【0044】
【化15】

上記式(8)中で、R8はメトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコール、2-ヒドロキシエチルのいずれかの基である。R9は水素またはメチル基である。
【0045】
一般式(8)において、R8をメトキシポリエチレングリコール、フェノキシポリエチレングリコール、2-ヒドロキシエチルのいずれかの基とすることで、得られる共重合体の柔軟性や賦形性を向上させることができる。また、R9を水素またはメチル基とすることで、重合反応性が良好となり分子量の高い共重合体を得ることができる。
【実施例
【0046】
以下、本例のハイパーブランチポリマーの実施例について説明する。まず、本例のハイパーブランチポリマーの製造に用いる化合物(一般式(4)で示される化合物)の製造方法を具体的に説明する。上記一般式(7)で表されるN-イソプロピルアクリルアミド1.1gと上記一般式(6)で表される2-hydroxyethyl-2-bromoisobutyrate(HEBiB)0.0196gと臭化銅(I)0.017gを重合管に秤取る。
【0047】
この重合管を脱気処理して酸素を除去し、窒素雰囲気下でN,N,N',N",N"-ペンタメチルジエチレントリアミン0.025gと水1mlを重合管に加え、0℃で15分攪拌する。攪拌後の重合管にクロロホルムを1ml加えて希釈したものをジエチルエーテルで再沈殿処理し、ろ別した固形物を乾燥することにより、一般式(4)の化合物が得られる。
【0048】
また、図1に示すハイパーブランチポリマーは、下記反応(B)によって製造することができる。
【0049】
【化16】

反応(B)は、反応(A)における反応物に上記一般式(5)の架橋材を加えて再度攪拌することにより製造することができる。分離精製した上記一般式(4)で示される化合物を開始剤として用い、上記一般式(5)の架橋材、遷移金属触媒、及び触媒配位子を混合し、原子移動ラジカル重合反応により製造することもできる。
【0050】
遷移金属触媒は、特に限定するものではなく、原子移動ラジカル重合反応に一般に用いられる触媒として市販されているものを用いることができる。なお、遷移金属触媒を構成する遷移金属は、単体または塩等の化合物も対象とする。
【0051】
このような遷移金属触媒としては、例えば、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、銅系触媒などが挙げられる。本例では、反応性の観点から、銅系触媒が好ましく、より好ましくは臭化銅を用いることができる。
【0052】
触媒配位子は、特に限定するものではなく、原子移動ラジカル重合反応に一般に用いられる配位子として市販されているものを用いることができる。このような触媒配位子としては、例えば、ビピリジン、ジメチルビピリジン、トリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミン、N,N,N',N",N"-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N',N'-テトラエチレンジアミンなどがあげられる、本例では、反応性の観点から、N,N,N',N",N"-ペンタメチルジエチレントリアミンが好ましい。
【0053】
このように、本例では、上記一般式(4)で表される化合物として上記反応(A)で得られた反応物を用いることにより、この反応物に一般式(5)の化合物を加えて上記反応(B)を行うことにより、図1に示すポリマーを得ることができる。すなわち、本例のハイパーブランチポリマーは、市販の化合物を用いて製造することができるため、製造が容易である。
【0054】
本例のハイパーブランチポリマーの製造方法をより具体的に説明する。上記一般式(7)で表されるN-イソプロピルアクリルアミド1.1gと上記一般式(6)で表される2-hydroxyethyl-2-bromoisobutyrate(HEBiB)0.0196gと臭化銅(I)0.017gを重合管に秤取る。
【0055】
この重合管を脱気処理して酸素を除去し、窒素雰囲気下でN,N,N',N",N"-ペンタメチルジエチレントリアミン0.025gと水1mlを重合管に加え、0℃で15分攪拌する。攪拌後、さらに上記一般式(5)の架橋材であるN,N'-メチレンビスアクリルアミド(BIS)0.0775gを加え、さらに0℃で30分攪拌する。攪拌後の重合管にクロロホルム1mlを加えて希釈したものをジエチルエーテルに再沈殿処理し、ろ別した固形物を乾燥することにより、図(1)のポリマーが得られる。
【0056】
また、本例のハイパーブランチポリマーは、任意の形に成形することが可能である。成形の方法は、特に限定されないが、例えば、熱や圧力を加えて可塑化させる場合、所定の金型を用いることにより、任意の形に成形することが可能である。なお、本例のハイパーブランチポリマーは、水や各種溶媒に溶解させることが可能であるため、公知の塗工技術を適用して成形加工することもできる。
【0057】
本例のハイパーブランチポリマーは、前述のように優れた刺激応答性、機械特性、および加工性を備えるため、種々の光学材料の用途に好適に用いることができる。例えば、本例のハイパーブランチポリマーを任意の形状に加工することにより、光スイッチング材料や調光材料等の光学材料を提供することができる。具体的な光スイッチング材料として、光の伝播を温度で制御できる機能を有するスイッチング素子が挙げられる。光スイッチング素子は、露光部と組み合わせることにより、温度センサーデバイスを構成することができる。
【0058】
また、調光材料は、光の透過率を温度で制御できる機能を有する。すなわち、本例のハイパーブランチポリマーをフィルム状に加工したのち水と共存させ、透明基板や透明フィルムで挟みこみ封止することで、所定の温度以上で白濁し、所定の温度未満で透明となる特殊なプレートを提供することができる。
【0059】
なお、一般式(1)で表される化合物及び本例のハイパーブランチポリマーの構造は、赤外分光分析及び核磁気共鳴分光分析により確認することができる。また、ポリマーの数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布は、サイズ排除クロマトグラフィーにより算出することができる。また、ポリマーの架橋の度合い(架橋反応の進行度)は、架橋転化率より確認できる。また、ポリマーの屈折率およびポリマーのアッベ数は、分光エリプソメトリーにより測定することができる。
【0060】
さらに、ポリマーのガラス転移点は示差走査熱量測定により測定することができる。具体的な分析方法、算出方法、測定方法は、以下のとおりである。
【0061】
<数平均分子量、重量平均分子量および分子量分布>
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。測定条件は、次のとおりである。
・装置:HLC-8220(東ソー株式会社製)
・カラム:Shodex asahipak GF-510 HQ + GF-310×2(昭和電工株式会社製)TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶離液:20mM リチウムブロミド、20mMリン酸含有ジメチルホルムアミド溶液
・流速:0.5ml/分
・検出器:HLC-8200 内蔵RI-UV-8220
濃度0.5質量%の試料1mlを装置にセットし、上記の条件で測定したポリマー生成物の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してポリマー生成物の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を算出した。分子量分布(Mw/Mn)は、多分散度として、MwをMnで除した値で示した。
【0062】
<架橋転化率の算出>
架橋転化率は、架橋反応の進行度を示すものであり、架橋後のポリマー(例えば図2のハイパーブランチポリマー)に由来するピーク面積を、架橋前のポリマー(例えば一般式(4)で表されるポリマー)に由来するピーク面積で除して算出した。
【0063】
<核磁気共鳴分光分析>
核磁気共鳴分光装置(日本電子株式会社製、JOEL-ECS-400K)を用いて、本例のハイパーブランチポリマーについて核磁気共鳴分光分析を行った。重合度:nについて、核磁気共鳴分光分析(=H-NMR)により各部位の水素数を測定して算出する。具体的には、開始剤由来のHの積分値総和(水素の数)と、繰り返し単位由来のHの積分値総和の比率から算出する。
【0064】
<赤外分光分析>
フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)(日本分光株式会社製、FT/IR 4200)を用いて、得られたポリマーを同定した。
【0065】
<可視分光エリプソメトリー>
分光エリプソメータ(堀場製作所株式会社製、1H3LNWWP)を用いて、得られたポリマーの屈折率を測定した。具体的には、ポリマーをPGMEに溶解させ、スピンコートによりシリコンウエハ上に薄膜を形成して、波長632.8nmの光源を用いて測定した。また、光源をそれぞれ、波長587.56nm、486.13nm、656.27nmのものに変更して測定した屈折率をそれぞれnd、nF、nCとし、ポリマーのアッベ数を下記の計算式(C)により算出した。
アッベ数=(nd-1)/(nF-nC) ・・・(C)
【0066】
<熱分解温度>
得られたポリマーについて、熱分解温度を測定した。熱分解温度の測定には、熱重量測定装置(TGA-50/50H、島津製作所社製)を用いた。測定方法は、約3mgのポリマーをアルミパンに秤取り、窒素雰囲気下、昇温温度10℃/minの条件で実施した。熱分解温度の解析は、JIS-7120Kに準拠して、熱分解開始温度、重量保持率95%時の温度及び重量保持率80%時の温度を解析した。
【0067】
<温度応答速度の評価>
温度応答速度の評価は、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V-660DS)を用いて評価した。得られたポリマー2.0mgを蒸留水20mlに溶解させ、40℃に加温し、400nmにおける吸光度を1秒ごとに測定した。測定開始から測定値の変化が5%以内になった時点の測定時間を飽和時間とした。評価点は、飽和時間が10秒以上を0点、8秒以上10秒未満を1点、7秒を3点、6秒を5点、5秒を7点とした。
【0068】
<機械特性及び加工性の評価>
衝撃試験により、機械特性および加工性を評価した。衝撃試験では、得られたポリマー200mgを20mmφの円盤状に圧縮成形したのち、30cmの高さからガラスプレート上へ自由落下させた。着地したポリマー成形物のうち、最も大きさの大きいものの重量を測定し、下記の計算式(D)に従って重量変化率を測定した。
(落下前重量g-最も大きさの大きいものの重量g)/落下前重量g×100 ・・・(D)
機械特性および加工性の評価は、重量変化率が80%以上のものを1点、75%以上80%未満のものを2点、65%以上75%未満のものを3点、65%未満を4点とした。また、所定の円盤状に圧縮成形できないものは0点とした。
【0069】
<総合評価>
総合評価は、温度応答速度の評価点と機械特性及び加工性の評価点を合計し、いずれか一方に0点がある場合をE、合計点が4点以下をD、5点以上7点未満をC、7点以上10点未満をB、10点以上をAとした。
【0070】
以下、実施例および比較例の条件について具体的に説明する。
(実施例1)
上記一般式(7)で表されるN-イソプロピルアクリルアミド1.1gと上記一般式(6)で表される2-hydroxyethyl-2-bromoisobutyrate(HEBiB)0.0196gと臭化銅(I)0.017gを重合管に秤取る。この重合管を脱気処理して酸素を除去し、窒素雰囲気下でN,N,N',N",N"-ペンタメチルジエチレントリアミン0.025gと水1mlを重合管に加え、0℃で15分攪拌する。攪拌後、さらに上記一般式(5)の架橋材であるN,N'-メチレンビスアクリルアミド(BIS)0.0775gを加え、さらに0℃で30分攪拌する。攪拌後の重合管にクロロホルム1mlを加えて希釈したものをジエチルエーテルに再沈殿処理し、これをろ過した後、ろ別した固形物を乾燥し、ポリマーを得た。なお、BISとHEBiBの比率(モル比)は5である。得られたポリマーについて、上述の要領に従って評価を行った。実施例1で得られたポリマーは、良好な温度応答特性と機械特性を示した。
【0071】
(実施例2)
BISとHEBiBの比率(モル比)を5から7.5とした以外は実施例1と同様にし、ポリマーを得た。得られたポリマーについて、実施例1と同様に評価した。実施例2で得られたポリマーは、良好な温度応答特性と機械特性を示した。
【0072】
(実施例3)
BISとHEBiBの比率(モル比)を5から10とした以外は実施例1と同様にし、ポリマーを得た。得られたポリマーについて、実施例1と同様に評価した。実施例3で得られたポリマーは、良好な温度応答特性と機械特性を示した。
【0073】
(実施例4)
上記一般式(7)で表されるN-イソプロピルアクリルアミド0.55gと上記一般式(6)で表される2-hydroxyethyl-2-bromoisobutyrate(HEBiB)0.0196gと下記一般式(9)で表されるヒドロキシエチルアクリレート0.60gと臭化銅(I)0.017gを重合管に秤取った以外は実施例1と同様にし、ポリマーを得た。得られたポリマーについて、上述の要領に従って評価を行った。実施例4で得られたポリマーは、良好な温度応答特性と機械特性を示した。
【0074】
【化17】
【0075】
(実施例5)
上記一般式(7)で表されるN-イソプロピルアクリルアミド0.55gと上記一般式(6)で表される2-hydroxyethyl-2-bromoisobutyrate(HEBiB)0.0196gと下記一般式(10)で表されるメタクリル酸メチル0.50gと臭化銅(I)0.017gを重合管に秤取った以外は実施例1と同様にし、ポリマーを得た。なお、BISとHEBiBの比率(モル比)は5である。得られたポリマーについて、上述の要領に従って評価を行った。実施例5で得られたポリマーは、良好な温度応答特性と機械特性を示した。
【0076】
【化18】
【0077】
(比較例1、2)
市販のポリN-イソプロピルアクリルアミド(アルドリッチ社製、PIPAAm)について、実施例1と同様に評価した。
【0078】
(比較例3)
重合管に、市販のイソプロピルアクリルアミド(KJケミカルズ株式会社製、NIPAM(登録商標))(3.0mmol,0.34g)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(0.090mmol,0.014g)を加え、DMF3mlに溶解させた。凍結脱気を行った後、封管し、60℃で20時間反応させた。反応終了後、反応溶液をジエチルエーテルに滴下し、固体を沈殿させた。60℃で減圧乾燥を行い、ポリマーを得た。得られたポリマーについて、実施例1と同様に評価した。
【0079】
(比較例4)
N-イソプロピルアクリルアミドとメタクリル酸2-ヒドロキシエチルを1.0gずつ混合したのち、水2gを加えて5℃で攪拌した。攪拌後、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.1gを加えてすばやく攪拌した後、5℃で20時間静置してポリマーを得た。得られたポリマーについて、実施例1と同様に評価した。
【0080】
なお、図3図5は、実施例1について、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)チャート、赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルをそれぞれ示す。また、図6図8は、実施例2について、GPCチャート、赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルをそれぞれ示す。さらに、図9図11は、実施例3について、GPCチャート、赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルをそれぞれ示す。
【0081】
図3図6図9のGPCチャートより、実施例1~3で得られたポリマーの重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布(多分散度)が分かる。また、図4図7図10の赤外吸収スペクトルおよび図5図8図11の核磁気共鳴スペクトルから実施例1~3で得られたポリマーが図1および図2に示すハイパーブランチポリマーを示すことが分かる。
【0082】
実施例1~5の評価結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
表1より、実施例1~5で得られたポリマーは、いずれも高い架橋転化率を示しており、架橋の度合いが高いといえる。また、実施例1~5で得られたポリマーは、いずれも低いガラス転移点を示しており、加工性が良好であるといえる。
【0084】
また、表1では、比較例1~5の総合評価がいずれもD以下であるのに対して、実施例1~5では総合評価がいずれもC以上となった。また、実施例2~5では、総合評価がB以上となった。さらに実施例3では、総合評価がAとなった。
【0085】
このように、本例のポリマーは、高い分子量と低いガラス転移点を同時に有しており、優れた温度応答性、機械特性及び加工性を両立している。そのため、光スイッチング素子等の光学材料に適用することができる。
【0086】
また、実施例1~5で得られたポリマーは、いずれも高い屈折率とアッベ数を示しており、光学材料の用途に適している。
【0087】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【文献】特許第5614746号公報
【文献】特表2013-542305号公報
【非特許文献】
【0089】
【文献】坂口雄太、2012、PNIPAAm系ハイドロゲルの力学的特性の向上と評価に関する研究、三重大学大学院工学研究科博士前期課程、機械工学専攻、生体システム工学研究室
図1
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