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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-28
(45)【発行日】2022-01-19
(54)【発明の名称】バッテリーパックコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220112BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20220112BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20220112BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01M50/249
H01M50/298
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019571395
(86)(22)【出願日】2019-02-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 KR2019001701
(87)【国際公開番号】W WO2019160302
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2019-12-27
(31)【優先権主張番号】10-2018-0018596
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン、スン-ウー
(72)【発明者】
【氏名】オク、ジャン-スー
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-252460(JP,A)
【文献】実開昭56-170884(JP,U)
【文献】特開2015-053202(JP,A)
【文献】米国特許第05304964(US,A)
【文献】特開2001-319735(JP,A)
【文献】特開2007-335277(JP,A)
【文献】米国特許第06171152(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00-3/12
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
H01M10/42-10/48
H01M50/20-50/298
H01R13/40-13/72
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー管理システムを含むバッテリーパックのパックケースに配置されるバッテリーパックコネクタであって、
前記バッテリー管理システムと情報を送受信する通信用ワイヤに連結可能に構成され、ノイズ遮断材料を含まない通信用コネクティング部と、
前記バッテリー管理システムに駆動電源を供給する電源用ワイヤに連結可能に構成され、少なくとも一部分がノイズ遮断材料を含む電源用コネクティング部と、を有し、
前記通信用コネクティング部は、ポリマー材料から構成された通信ハウジング、及び金属材料から構成されて前記通信ハウジングの内部に埋設され、一端及び他端が外部に露出するように構成された一つ以上の通信導体を備える、
バッテリーパックコネクタ。
【請求項2】
前記電源用コネクティング部は、前記ノイズ遮断材料から構成された電源ハウジング、及び金属材料から構成されて前記電源ハウジングの内部に埋設され、一端及び他端が外部に露出するように構成された一つ以上の電源導体を備える、請求項1に記載のバッテリーパックコネクタ。
【請求項3】
前記電源導体は、前記電源ハウジングの内部で少なくとも1回以上折り曲げられた形態で構成された、請求項2に記載のバッテリーパックコネクタ。
【請求項4】
前記電源導体は、前記電源ハウジングの内部で90°以上折り曲げられた形態で構成された、請求項3に記載のバッテリーパックコネクタ。
【請求項5】
前記電源導体は、少なくとも二つ以上が上下方向で相異なる位置に配置され、上下方向で相異なる位置に配置された電源導体は、それぞれ上下方向に折り曲げられ、水平方向で相異なる位置に位置するように構成された、請求項3または4に記載のバッテリーパックコネクタ。
【請求項6】
前記電源導体は、前記電源ハウジングの内部に複数個備えられ、
複数個の電源導体のうち少なくとも二つ以上の電源導体は、凹凸部が形成されるように折り曲げられた形態で構成された、請求項3から5のいずれか一項に記載のバッテリーパックコネクタ。
【請求項7】
前記電源導体は、前記電源ハウジングの内部で3次元的に折り曲げられるように構成された、請求項3から6のいずれか一項に記載のバッテリーパックコネクタ。
【請求項8】
バッテリー管理システムを含むバッテリーパックのパックケースに配置されるバッテリーパックコネクタであって、
前記バッテリー管理システムと情報を送受信する通信用ワイヤに連結可能に構成された通信用コネクティング部と、
前記バッテリー管理システムに駆動電源を供給する電源用ワイヤに連結可能に構成され、少なくとも一部分がノイズ遮断材料を含む電源用コネクティング部と、を有し、
前記通信用コネクティング部は、ポリマー材料から構成された通信ハウジング、及び金属材料から構成されて前記通信ハウジングの内部に埋設され、一端及び他端が外部に露出するように構成された一つ以上の通信導体を備え、
前記電源用コネクティング部は、中央に内部空間を有し、
前記通信用コネクティング部は、前記内部空間に挿入される、
ッテリーパックコネクタ。
【請求項9】
前記ノイズ遮断材料は、前記通信用コネクティング部の外周を囲むように構成される、
請求項8に記載のバッテリーパックコネクタ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のバッテリーパックコネクタを含むバッテリーパック。
【請求項11】
請求項10に記載のバッテリーパックを含む自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パックコネクタに関し、より詳しくは、バッテリーパックのパックケースに備えられて外部装置と連結されるように構成されたバッテリーパックコネクタ、それを含むバッテリーパック及び自動車などに関する。
【0002】
本出願は、2018年2月14日出願の韓国特許出願第10-2018-0018596号に基づく優先権を主張し、上記出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などの二次電池が商用化しているが、中でもリチウム二次電池はニッケル系列の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
このようなリチウム二次電池は、主に、リチウム系酸化物及び炭素材をそれぞれ正極活物質及び負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質及び負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板とがセパレータを介在して配置された電極組立体、及び電極組立体を電解液とともに密封収納する外装材、すなわち電池ケースを備える。
【0005】
一般に、リチウム二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に収納されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートからなるパウチに収納されているパウチ型二次電池とに分けられる。
【0006】
近年、携帯型電子機器のような小型装置だけでなく、自動車や電力貯蔵装置(ESS:Energy Storage System)のような中大型装置にも駆動用またはエネルギー貯蔵用として二次電池が広く用いられている。二次電池はバッテリーパックに組み込まれて中大型装置などに装着されるが、このとき、バッテリーパックの容量及び出力を高めるため、バッテリーパックには多数の二次電池が含まれて相互電気的に連結される。ここで、多数の二次電池は、一つのモジュールケースの内部に収納されて一つのバッテリーモジュールを構成し、一つ以上のバッテリーモジュールが一つのパックケースの内部に収納されて一つのバッテリーパックを構成し得る。
【0007】
バッテリーパックは、外部の他の装置と電気的に連結されて電源及びデータなどを送受信する。しかし、このような過程でバッテリーパックの内部にノイズが流入する場合、バッテリーパックは勿論、バッテリーパックと連結された他の電子装置に悪影響を及ぼすおそれがある。例えば、車両に装着されたバッテリーパックの場合、車両内の他の装置、例えば、インバータなどによってノイズがパックの内部に流入することがある。
【0008】
この場合、流入したノイズは、バッテリーパック内部の各種の電子装置、例えば、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)や電流センサ、温度センサ、リレーなどに誤作動を起こすか、又は、正確な作動を妨害し得る。また、バッテリーパックに流入したノイズは、バッテリーパックと連結された外部の他の電子装置、例えば、車両のラジオやナビゲーションなどに影響を及ぼして誤作動を起こし得る。
【0009】
特に、車両のインバータなどで発生したノイズは、バッテリーパックに設けられたコネクタを通じてパックの内部へと流入し得る。そして、このようなコネクタは、ワイヤを介してバッテリー管理システムなどの電装部品と電気的に連結されるが、インバータなどから流れたノイズはこのようなコネクタ及びワイヤを通じてバッテリーパックの内部に流入し、多くの問題点を引き起こすおそれがある。
【0010】
このような問題を解決するため、フェライトコアフィルタのようなフィルタ素子をコネクタに連結されたワイヤなどに取り付けて使用する技術が提案されている。しかし、この場合、バッテリーパックのエネルギー密度が低下し、バッテリーパックの内部構成の配置が容易ではないという問題がある。すなわち、フィルタ素子自体がある程度の体積を有しているため、フィルタ素子が占める空間ほどバッテリーパックの体積が大きくなるか又は二次電池など他の構成要素が占める空間が小さくなる。また、フィルタ素子をバッテリーパックの内部に設けるとき、フィルタ素子を固定する必要があるが、フィルタ素子の固定構造によってもバッテリーパックの内部空間が狭くなり、構造が複雑になる。さらに、フェライトコアフィルタにワイヤが1回以上巻き取られる形態で構成される場合が多いが、この場合、製造工程が複雑になって内部設計が難しくなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、構造が簡単であって、且つ、バッテリーパック内部へのノイズの流出入を効果的に防止することができるバッテリーパックコネクタ、それを含むバッテリーパック及び自動車を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明によるバッテリーパックコネクタは、バッテリー管理システムを含むバッテリーパックのパックケースに配置されるバッテリーパックコネクタであって、バッテリー管理システムと情報を送受信する通信用ワイヤに連結可能に構成された通信用コネクティング部と、バッテリー管理システムに駆動電源を供給する電源用ワイヤに連結可能に構成され、少なくとも一部分がノイズ遮断材料を含む電源用コネクティング部とを含む。
【0014】
ここで、電源用コネクティング部は、ノイズ遮断材質から構成された電源ハウジング、及び金属材質から構成されて電源ハウジングの内部に埋設され、一端及び他端が外部に露出するように構成された一つ以上の電源導体を備え得る。
【0015】
また、電源導体は、電源ハウジングの内部で少なくとも1回以上折り曲げられた形態で構成され得る。
【0016】
また、電源導体は、電源ハウジングの内部で90°以上折り曲げられた形態で構成され得る。
【0017】
また、電源導体は、少なくとも二つ以上が上下方向で相異なる位置に配置され、上下方向で相異なる位置に配置された電源導体は、それぞれ上下方向に折り曲げられ、水平方向で相異なる位置に位置するように構成され得る。
【0018】
また、電源導体は、電源ハウジングの内部に複数個備えられ、複数個の電源導体のうち少なくとも二つ以上の電源導体は、凹凸部が形成されるように折り曲げられた形態で構成され得る。
【0019】
また、電源導体は、電源ハウジングの内部で3次元的に折り曲げられるように構成され得る。
【0020】
また、通信用コネクティング部は、ポリマー材質から構成された通信ハウジング、及び金属材質から構成されて通信ハウジングの内部に埋設され、一端及び他端が外部に露出するように構成された一つ以上の通信導体を備え得る。
【0021】
また、上記の目的を達成するための本発明によるバッテリーパックは、本発明によるバッテリーパックコネクタを含む。
【0022】
また、上記の目的を達成するための本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパックを含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様によれば、コネクタを通じてバッテリーパックの内部に流入するか又はバッテリーパックの外部へと流出するノイズを効果的に遮断することができる。
【0024】
また、本発明の他の態様によれば、ノイズ遮断構成を設けるためにバッテリーパックの体積が増加するか又はエネルギー密度が減少することを防止することができる。
【0025】
また、本発明のさらに他の態様によれば、バッテリーパックの内部構造が複雑になることを防止するか又は製造工程を容易にすることができる。
【0026】
そして、本発明のさらに他の態様によれば、CAN(controller area network)通信線のような通信ラインがノイズ遮断構成を回避する構成をより容易に達成することができる。
【0027】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックコネクタが含まれたバッテリーパックの構成を概略的に示した分解斜視図である。
図2図1に示された構成の結合斜視図である。
図3】本発明の一実施形態によるバッテリーパックコネクタの概略的な構成を示した斜視図である。
図4図3の一部構成を分離して示した斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による電源用コネクティング部の構成を概略的に示した断面図である。
図6】本発明の一実施形態によるバッテリーパックコネクタの電源用コネクティング部の構成を概略的に示した斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態による電源用コネクティング部の構成を概略的に示した断面図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態による電源用コネクティング部の構成を概略的に示した断面図である。
図9】本発明のさらに他の実施形態による電源用コネクティング部の構成を概略的に示した断面図である。
図10】本発明のさらに他の実施形態による電源用コネクティング部の少なくとも一部構成を概略的に示した透視斜視図である。
図11】本発明のさらに他の実施形態による電源用コネクティング部の構成を概略的に示した透視斜視図である。
図12】本発明のさらに他の実施形態による電源用コネクティング部の構成を概略的に示した透視斜視図である。
図13】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックコネクタの構成を概略的に示した斜視図である。
図14図13の一部構成を分離して示した斜視図である。
図15】本発明の実施例及び比較例によるノイズ減殺量の測定結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0030】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックコネクタ100が含まれたバッテリーパックの構成を概略的に示した分解斜視図であり、図2図1に示された構成の結合斜視図である。
【0032】
図1及び図2を参照すると、本発明によるバッテリーパックコネクタ100が含まれたバッテリーパックは、本発明によるバッテリーパックコネクタ100とともに、セルアセンブリ200、パックケース300及びバッテリー管理システム400を含むことができる。
【0033】
ここで、セルアセンブリ200は、複数の二次電池210を備えることができる。二次電池210は、充放電を通じて電気的エネルギーを貯蔵するか又は放出する構成要素であって、特に、パウチ型二次電池の形態であり得る。このような二次電池210は、電極組立体、電解質及びパウチ外装材を備える。さらに、本発明による二次電池210は、リチウム二次電池であり得る。本発明によるバッテリーパックのセルアセンブリ200には、本願の出願時点で公知された多様な形態の二次電池が採用され得る。
【0034】
二次電池210は、バッテリーパックに複数個含まれる。特に、このような複数の二次電池210は、広い面が上部及び下部に向かうように横になった形態で上下方向に配列され得る。
【0035】
カートリッジ220は、二次電池を内部空間に収容し、特に二次電池210の外周部を外側から囲むように構成される。さらに、カートリッジ220は、略四角のフレーム形態で形成され、二次電池210の外側を保護することができる。また、カートリッジ220は、相互積層可能に構成され、相互積層された状態で内部空間に二次電池210を収納することで、二次電池210の積層状態を安定的に維持することができる。また、カートリッジ220は、中央部分に熱伝導性材質の冷却プレートが備えられても良い。
【0036】
パックケース300は、内部に空いた空間が形成され、内部空間にセルアセンブリ200及びバッテリー管理システム400などの構成要素が収納される。特に、パックケース300は、図示されたように、上部ケース310及び下部ケース320を備え、上部ケース310と下部ケース320とが相互結合されるように構成され得る。パックケース300は、電気的絶縁性及び軽量性、剛性などを確保するためにプラスチック材質から構成されるが、冷却や剛性などの効果を高めるため、少なくとも部分的に金属材質などの他の材質を含んでも良い。
【0037】
バッテリー管理システム400は、バッテリーパックの充放電動作を全般的に制御する管理装置であって、一般にBMSとも称される。このようなバッテリー管理システム400は、バッテリーパックに通常含まれる電装部品の一種であって、本発明はこのようなバッテリー管理システム400の具体的な種類や形態、特徴などによって限定されない。すなわち、本発明のコネクタが適用されたバッテリーパックには、本願の出願時点で公知された多様なバッテリー管理システムが採用され得る。バッテリー管理システム400についての具体的な説明は省略する。
【0038】
バッテリーパックに含まれる電装部品としては、このようなバッテリー管理システム400の外にも、電流センサ、リレー、ヒューズなどがさらに挙げられる。電流センサはバッテリーパックの充放電電流をセンシングする構成要素であり、リレーはバッテリーパックの充放電電流が流れる充放電経路を選択的に開閉するスイッチング部品である。また、ヒューズは、バッテリーパックの充放電経路上に備えられ、バッテリーパックに異常状況が発生したときに溶断されることで充放電電流の流れを遮断する構成要素である。このような電流センサ、リレー及びヒューズは、バッテリー管理システム400と情報を送受信可能であって、バッテリー管理システムによって制御され得る。バッテリー管理システム400を含めて、電流センサ、リレー及びヒューズなどの電装部品は、図1に示されたように、一つのプレート上に取り付けられた形態でバッテリーパックの内部に収容される。例えば、電装部品が取り付けられたプレートは、セルアセンブリ200の上部に位置し得る。
【0039】
本発明によるバッテリーパックコネクタ100は、バッテリーパックのパックケースに位置し、バッテリーパック外部の他の装置と電気的に連結されるように構成される。そのため、バッテリーパックコネクタ100は、少なくとも一部分、特に外部装置の接続端子がバッテリーパックの外部に露出するように構成される。
【0040】
例えば、本発明によるバッテリーパックコネクタ100は、図1及び図2に示されたように、上部ケース310側に位置し、一部分が外部に露出するように構成され得る。
【0041】
バッテリーパックコネクタ100は、外部の他の装置からの駆動電源が流入又は流出する通路としての役割を果たすことができる。また、バッテリーパックコネクタ100は、外部の他の装置と通信を行う通路として機能することができる。
【0042】
特に、本発明によるバッテリーパックコネクタ100が適用されたバッテリーパックには、バッテリー管理システムのような電装部品が含まれている。そして、本発明によるバッテリーパックコネクタ100は、このようなバッテリー管理システムなどの電装部品と連結されて駆動電源を伝達するか又は通信信号を伝達することができる。バッテリーパックコネクタ100の具体的な構成については、図3及び図4を参照してより具体的に説明する。
【0043】
図3は本発明の一実施形態によるバッテリーパックコネクタ100の概略的な構成を示した斜視図であり、図4図3の一部構成を分離して示した斜視図である。特に、図4では、説明の便宜上、各コネクティング部の一部導体がハウジングの外部に露出した形態で示されている。
【0044】
図3及び図4を参照すると、本発明によるバッテリーパックコネクタ100は、通信用コネクティング部120及び電源用コネクティング部110を含むことができる。
【0045】
通信用コネクティング部120は、バッテリーパック内部の構成要素とバッテリーパック外部の構成要素との間で通信用信号を送受信できるようにバッテリーパックコネクタ100に設けられた構成である。例えば、車両に備えられたバッテリーパックの場合、通信用コネクティング部120を通じて、車両のECU(Electronic Control Unit)とバッテリーパックのBMSとの間の通信が行われ得る。
【0046】
そのため、通信用コネクティング部120は、バッテリーパックの内部に備えられた通信用ワイヤW2に連結可能に構成される。特に、このような通信用ワイヤW2は、バッテリー管理システム(BMS)と連結されてバッテリー管理システムと情報を送受信する信号ラインであり得る。この場合、通信用ワイヤは、一端が通信用コネクティング部120に連結され、他端がバッテリー管理システムと連結される。例えば、バッテリー管理システムは、通信用ワイヤ及び通信用コネクティング部120を経由して車両のECUと通信することができる。
【0047】
電源用コネクティング部110は、バッテリーパック内部の構成要素とバッテリーパック外部の構成要素との間に駆動用電源を送受できるようにバッテリーパックコネクタ100に設けられた構成である。例えば、車両に備えられたバッテリーパックの場合、電源用コネクティング部110を通じて、車両の鉛蓄電池などから内部構成要素の駆動電源が供給され得る。
【0048】
そのため、電源用コネクティング部110は、バッテリーパックの内部に備えられた電源用ワイヤW1に連結可能に構成される。特に、このような電源用ワイヤは、バッテリー管理システム400と連結されてバッテリー管理システム400に駆動電源を供給する電源供給ラインであり得る。この場合、電源用ワイヤW1は、一端が電源用コネクティング部110に連結され、他端がバッテリー管理システム400と連結される。例えば、バッテリー管理システム400は、電源用コネクティング部110及び電源用ワイヤW1を経由して車両の鉛蓄電池から駆動電源の供給を受けることができる。
【0049】
特に、本発明によるバッテリーパックコネクタ100において、電源用コネクティング部110は、少なくとも一部分がノイズ遮断材料を含むように構成される。バッテリーパックにおいて、ノイズはバッテリーパック自体またはバッテリーパックが装着された装置の各種の電子装置などから発生し得る。そして、このようなノイズは、バッテリーパックコネクタ100やパック端子などの多くの経路を通じてバッテリーパックの内部に流入し得る。また、パックの内部に流入したノイズは、バッテリーパックコネクタ100を通じて再びパックの外部へと伝達され得る。しかし、上記のような構成によれば、パックコネクタ自体にノイズ遮断材料が含まれることで、パックコネクタを通じたノイズの流出入を遮断または制限することができる。
【0050】
さらに、本実施形態のように、ノイズ遮断材料がパックケースに備えられたコネクタ自体に含まれることで、バッテリーパックの内部にノイズを遮断するための他の構成、例えば、フェライトコアフィルタなどを備える必要がない。したがって、本実施形態によれば、フェライトコアフィルタなどが占める空間を減らすことができ、フェライトコアフィルタなどを固定するための別の構成も必要としない。したがって、バッテリーパックの製造が容易になり、内部空間が複雑になることがない。さらに、本実施形態によれば、ノイズを遮断するための構成がコネクタに備えられるため、ワイヤの中間にノイズ遮断構成が備えられた場合に比べて、ノイズ遮断効果が一層大きくなる。
【0051】
一方、電源用コネクティング部110に備えられるノイズ遮断材料としては、本願の出願時点で公知された多様なノイズ遮断物質が採用され得る。代表的に、電源用コネクティング部110は、ノイズ遮断材料として、軟磁性材料を含み得る。さらに、ノイズ遮断材料は、セラミック材料を含み得る。特に、電源用コネクティング部110は、ノイズ遮断材料として、フェライト材質を含み得る。
【0052】
望ましくは、電源用コネクティング部110は、電源ハウジング111及び電源導体112を備えることができる。
【0053】
電源ハウジング111は、内部の電源導体112と電気的に導通しないように、電気絶縁性材質から構成される。特に、電源ハウジング111は、ノイズ遮断材質から構成され得る。例えば、電源ハウジング111は、フェライトコア材質を含み得る。このとき、電源ハウジング111は、他の材質、例えば、プラスチック材質のケース内部にノイズ遮断物質(フェライト)が含まれた形態で構成され得る。または、電源ハウジング111は、全体的にノイズ遮断物質(フェライト)のみから構成されても良い。
【0054】
このような電源ハウジング111は、内部に電源導体112を備え、電源導体112を囲むことができるように多様な形態で構成される。例えば、電源ハウジング111は、図4に示されたように、略直方体の形態で構成され得る。ただし、本発明がこのような電源ハウジング111の具体的な形態によって限定されることはない。例えば、電源ハウジング111は、円筒状の形態で構成されても良い。
【0055】
電源導体112は、本発明によるバッテリーパックコネクタ100において、駆動電源が直接的に流れるように構成された構成要素である。したがって、電源導体112は、電気伝導性材質、特に銅などの金属材質から構成される。そして、このような電源導体112は、電源ハウジング111の内部に埋設されるが、両端が外部に露出するように構成される。例えば、図4の構成を参照すると、電源導体112は、バッテリーパックの外側に向かう方向(+X軸方向)の端部(外側端部)及びバッテリーパックの内側に向かう方向(-X軸方向)の端部(内側端部)が外部に露出するように構成されている。したがって、バッテリーパックの外部装置、例えば、車両の鉛蓄電池と連結された外部電源ケーブルが電源導体112の外側端部に連結され、バッテリーパック内部の電源用ワイヤW1が電源導体112の内側端部に連結され得る。ここで、外側端部及び内側端部は、ワイヤやプレートとの連結のための端子形態として構成され得る。すなわち、電源導体112の外側端部は電源用コネクティング部110の外側端子を構成し、電源導体112の内側端部は電源用コネクティング部110の内側端子を構成し得る。
【0056】
特に、本発明において、電源導体112は、ノイズ遮断材質から構成された電源ハウジング111の内部に埋設された形態で構成される。すなわち、電源導体112の周辺をノイズ遮断材質が囲む形態で構成される。したがって、電源導体112を通じてノイズがバッテリーパックの外部に伝達されるか又はバッテリーパックの内部に流入することを効果的に防止することができる。
【0057】
また、電源導体112は、電源用コネクティング部110に一つ以上備えられる。特に、電源導体112は、図3及び図4に示されたように、電源用コネクティング部110に複数個備えられ得る。そして、このような複数の電源導体112の少なくとも一部は、バッテリー管理システムへの駆動電源の伝達に用いられる。このとき、複数の電源導体112は、ノイズ遮断材質から構成された電源ハウジング111の内部に全て埋設された形態で構成される。すなわち、複数の電源導体112は全てノイズ遮断材料によって周辺が囲まれる形態で構成され得る。
【0058】
より望ましくは、電源導体112は、図4に示されたように、少なくとも一部分が折り曲げられた形態で構成される。これについては、図5を参照してより具体的に説明する。
【0059】
図5は、本発明の一実施形態による電源用コネクティング部110の構成を概略的に示した断面図である。例えば、図5は、図4の構成で電源導体112が電源ハウジング111に埋設された状態における、A-A'線に沿った断面の一例であると言える。
【0060】
図5を参照すると、電源導体112は、電源ハウジング111の内部に埋設された状態で、少なくとも1回以上折り曲げられている。すなわち、電源導体112は、外側端部o及び内側端部iのみが外部に露出し、外側端部oと内側端部iとの間の連結経路は全て電源ハウジング111の内部に埋設された形態で構成され得る。このとき、電源ハウジング111の内部に埋設された部分は、参照符号B1~B4で示された部分のように、一部分が折り曲げられた形態で構成され得る。
【0061】
本発明のこのような構成によれば、電源ハウジング111の内部に埋設された電源導体112の経路を長く構成することができる。すなわち、本発明によるバッテリーパックコネクタ100の電源導体112は、外側端部oから内側端部iまでの経路が一直線に短く形成されるものではなく、電源ハウジング111の内部で折り曲げられた形態で構成される。したがって、本発明によるパックコネクタの電源導体112は、経路が長くて複雑に形成されるようになる。ここで、電源ハウジング111がノイズ遮断材料を含んでいるため、電源導体112は長い経路を形成しながらも、その周辺部が全てノイズ遮断材料で囲まれるようになる。例えば、図5の構成において参照符号C1~C6で示された部分のように、電源導体112は、外側端部o及び内側端部iを除き、その間のすべての経路が電源ハウジング111、換言すれば、ノイズ遮断材料で囲まれ得る。したがって、本発明のこのような構成によれば、コネクタを大きくしなくても、ノイズ遮断材料によるノイズ遮断効果を一層向上させることができる。さらに、電源用コネクティング部110に複数の電源導体112が備えられた場合、すべての導体がこのように折り曲げられた形態で構成され得る。
【0062】
特に、上記のように電源導体112が折り曲げられた形態で構成される実施形態において、電源導体112は、電源ハウジング111の内部で90゜以上折り曲げられた形態で構成され得る。
【0063】
例えば、図5に示されたように、電源導体112は、参照符号B1~B4の部分でそれぞれ、略直角に折り曲げられ得る。この場合、電源導体112の経路は進行方向を変える形態で構成されていると言える。例えば、電源導体112の経路は、水平方向から垂直方向に、または、垂直方向から水平方向に方向を変えながら折り曲げられ得る。本発明のこのような構成によれば、電源ハウジング111の内部で電源導体112の経路を最大限に長くすることができる。
【0064】
さらに、図5において、B1とB2との距離、そしてB3とB4との距離が短い場合、電源導体112は略180°折り曲げられた形態で構成されていると言える。すなわち、電源導体112は、少なくとも一部分で進行経路が逆方向になるように折り畳まれた形態で構成され得る。本発明のこのような構成による場合、電源ハウジング111内部の狭い空間に一層長い電源導体112を備えることができる。
【0065】
一方、上述したように、電源用コネクティング部110には複数の電源導体112が備えられ得る。特に、複数の電源導体112のうち少なくとも二つ以上は、上下方向で相異なる位置に配置され得る。これについては、図6を参照してより具体的に説明する。
【0066】
図6は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックコネクタ100の電源用コネクティング部110の構成を概略的に示した斜視図である。図6には、説明の便宜上、各電源導体112が電源ハウジング111の外部に露出した形態で示されている。
【0067】
図6を参照すると、電源用コネクティング部110に複数の電源導体112が備えられ、それぞれの電源導体112は全て上下方向(図6のZ軸方向)に折り曲げられた形態で構成されている。ここで、電源導体112が上下方向に折り曲げられるとは、電源導体112が水平方向から上方または下方に折り曲げられるか又は上方または下方から水平方向に折り曲げられることを意味する。例えば、すべての電源導体112は、図6のX-Z平面上で折り曲げられた形態で構成され得る。ここで、各電源導体112は、図6に示されたように、4回以上逆方向に折り曲げられ得るが、このような折曲回数は多様に構成されても良い。
【0068】
このとき、一部の電源導体112は、上下方向で相異なる位置に位置し得る。ここで、電源導体112が上下方向で相異なる位置に位置するとは、外側端部の高さが相異なることを意味する。例えば、図6において、d1の外側端部o1、d3の外側端部o3及びd5の外側端部o5は、d2の外側端部o2及びd4の外側端部o4に比べて上部に位置し得る。または、電源導体112が上下方向で相異なる位置に位置するとは、各電源導体112の最高点の高さが相異なることも意味し得る。
【0069】
このように上下方向で相異なる位置に位置する複数の電源導体112は、それぞれ上下方向に折り曲げられた形態で構成される。例えば、図6において、電源導体112、例えば、電源導体112(d1)は、外側端部o1から内側端部i1に向かう方向で、経路が水平方向に進行してから下方に折り曲げられ、再び水平方向に折り曲げられる方式で構成され得る。換言すれば、電源導体112(d1)は、ある一つのX-Z平面上で折り曲げられた形態で構成され得る。
【0070】
このような構成において、上下方向で相異なる位置に位置する電源導体112は、水平方向、例えば、左右方向で相異なる位置に位置するように構成される。例えば、図6において、電源導体112(d2)は、外側端部の高さが異なる電源導体112(d1)、電源導体112(d3)及び電源導体112(d5)と左右方向(図6のY軸方向)で相異なる位置に位置するように構成され得る。換言すれば、電源導体112(d2)が存在する一つのX-Z平面は、電源導体112(d1)が存在するX-Z平面、電源導体112(d3)が存在するX-Z平面及び電源導体112(d5)が存在するX-Z平面とY軸方向で互いに離隔している。さらに、図6に示されたように、水平方向において、d2はd1とd3との間に位置し、d4はd3とd5との間に位置し得る。
【0071】
本発明のこのような構成によれば、それぞれの電源導体112を折り曲げられた形態で構成して長さを長くするとともに、各電源導体112同士が干渉しないようにすることができる。すなわち、このような構成によれば、それぞれの電源導体112が互いに所定の距離で離隔することで、電源導体112同士の間毎に電源ハウジング111のノイズ遮断材料を介在させることができる。したがって、この場合、複数の電源導体112の長さをそれぞれ長くするとともに、すべての電源導体112がノイズ遮断材料によって囲まれることで、ノイズ遮断効果を確保することができる。
【0072】
一方、本実施形態のように、電源導体112が上下方向に折り曲げられる構成において、電源導体112の外側端部と内側端部とは相異なる高さに位置するように構成される。例えば、図5を参照すると、複数の電源導体112は外側端部o1~o5と内側端部i1~i5とが同じ高さに位置せず、Z軸方向で相異なる高さに位置するように構成され得る。
【0073】
さらに、電源用コネクティング部110に備えられた複数の電源導体112が上下方向に折り曲げられる構成の場合、それぞれの電源導体112はその外側端部と内側端部との上下方向の高さが逆になるように構成される。例えば、図6の構成を参照すると、外側端部が相対的に高く位置しているd1、d3及びd5の場合、内側端部i1、i3、i5の高さはd2及びd4の内側端部i2、i4の高さに比べて相対的に低く位置するように構成され得る。すなわち、d1、d3及びd5は、外側端部o1、o3、o5が高く位置し且つ内側端部i1、i3、i5が低く位置する一方、d2及びd4は、外側端部o2、o4が低く位置し且つ内側端部i2、i4が高く位置する形態で構成され得る。
【0074】
本発明のこのような構成によれば、複数の電源導体112に対する外側端部同士の離隔距離及び内側端部同士の離隔距離を十分確保しながらも、それぞれの電源導体112の経路を最大限に長くすることができる。したがって、この場合、コネクタの設計及びコネクタに対するワイヤの連結工程が容易になり、ノイズ遮断効果も最大限に確保できる。
【0075】
ただし、本発明がこのような実施形態に限定されることはなく、外にも他の多様な実施形態としても具現され得る。
【0076】
図7は、本発明の他の実施形態による電源用コネクティング部110の構成を概略的に示した断面図である。以下、上述した実施例と異なる部分を主に説明し、上述した実施形態と同一または類似の説明が適用される部分については詳細な説明を省略する。
【0077】
図7を参照すると、電源導体112は、電源ハウジング111の内部に複数個備えられる。特に、複数の電源導体112のうち少なくとも二つ以上の電源導体112は、凹凸部が形成されるように折り曲げられた形態で構成される。例えば、図7には、上下方向に配置された二個の電源導体112(d6、d7)が示されており、このような二個の電源導体112(d6、d7)はそれぞれ凹凸部が形成されるように折り曲げられた形態で構成され得る。より具体的に、各電源導体112の凹凸部は、水平方向の直線及び垂直方向の直線が含まれた矩形波形態で形成され得る。
【0078】
本発明のこのような構成によれば、電源ハウジング111の内部で電源導体112の経路が長く形成され、ノイズ遮断材料が電源導体112の多くの部分を囲むことができる。したがって、この場合、電源導体112を通過するノイズに対する遮断効果を一層向上させることができる。
【0079】
図8及び図9は、本発明のさらに他の実施形態による電源用コネクティング部110の構成を概略的に示した断面図である。
【0080】
図8を参照すると、電源ハウジング111の内部に上下方向に配置された少なくとも三つの電源導体112が備えられ、それぞれの電源導体112は凹凸部が形成されるように折り曲げられている。このとき、各電源導体112の凹凸部は少なくとも部分的に斜線を含むように構成される。すなわち、電源導体112の凹凸部は、図7に示されたように水平方向または垂直方向の線分のみを含むものではなく、水平方向から90°以内の所定角度で傾いた形態の線分を含むように構成され得る。図8に示された実施例の場合、電源導体112の凹凸部は、三角波形態を含むように構成されている。
【0081】
また、図9を参照すると、電源ハウジング111の内部に上下方向に配置された三つの電源導体112のそれぞれの凹凸部は、少なくとも部分的に曲線形態を含むように構成されている。特に、電源導体112の凹凸部は、正弦波形態を含むように構成され得る。
【0082】
特に、図8及び図9に示されたように、少なくとも一つの電源導体112の凹凸部は、他の電源導体112の凹凸部に挿入された形態で構成される。
【0083】
例えば、電源導体112の少なくとも一部分が三角波形態で構成された図8の実施形態において、少なくとも一つの電源導体112の三角波は他の電源導体112の三角波に挿入された形態で構成され得る。より具体的に、図8に参照符号e1で示した部分のように、中段及び下段に位置した電源導体112はそれぞれ、頂点部分が上段及び中段に位置した電源導体112の三角波形のうち上方に向かう部分の内部に挿入された形態で構成され得る。
【0084】
また、電源導体112の少なくとも一部分が正弦波形態で構成された図9の実施形態において、少なくとも一つの電源導体112の正弦波は他の電源導体112の正弦波に挿入された形態で構成され得る。より具体的に、図9に参照符号e2で示した部分のように、中段及び下段に位置した電源導体112はそれぞれ、上部が上段及び中段に位置した電源導体112の正弦波形のうち凸状に形成された部分の下部に挿入された形態で構成され得る。
【0085】
本発明のこのような構成によれば、電源ハウジング111の内部で電源導体112を長く形成することがより容易になる。さらに、上下方向の高さが異なる複数の電源導体112に対し、水平方向の位置が制限されなくなる。例えば、図8または図9において上下方向で相異なる高さに位置する三つの電源導体112は、水平方向(図3のY軸方向)では同じ位置に位置しても良い。このような構成によれば、高さの異なる複数の電源導体112が上下方向に折り曲げられる形態で構成されながら水平方向で同じ位置に位置しても、互いに干渉せず、且つ、長く形成することができる。したがって、この場合、コネクタの構造が複雑にならず製造工程が単純になり、長さを最大限に長く確保することがより容易になる。さらに、この場合、複数の電源導体112の形態を同一に構成可能であるため、製造工程及び構造の簡素化の面で一層有利である。
【0086】
一方、上記の実施形態では、電源導体112が一つの平面上で2次元的に折り曲げられた構成のみが説明されているが、本発明がこのような実施形態に限定されることはない。
【0087】
図10は、本発明のさらに他の実施形態による電源用コネクティング部110の少なくとも一部構成を概略的に示した透視斜視図である。
【0088】
図10を参照すると、電源導体112が電源ハウジング111の内部で3次元的に折り曲げられている。すなわち、電源導体112は、一つの平面上に位置せず、3次元的な空間上に位置するように構成され得る。特に、電源導体112は、バネ状に折り曲げられ得る。例えば、電源導体112は、螺旋状に構成され得る。
【0089】
本発明のこのような構成によれば、電源導体112が3次元的な空間上で折り曲げられた形態で構成されるため、電源導体112をさらに長く構成することができる。したがって、電源ハウジング111によるノイズ遮断効果がさらに向上する。
【0090】
さらに、電源導体112は、曲線状に巻き取られた形態ではなく、直線状に巻き取られた形態で構成されても良い。例えば、電源導体112は、図10に示されたように、外側端部o及び内側端部iを除いた全体が電源ハウジング111の内部に埋設されるが、電源ハウジング111の内部に存在する任意の直方体の外面を囲むような形態で構成され得る。
【0091】
本発明のこのような構成によれば、電源導体112が曲線状に形成された場合に比べて、電源導体112をより長く構成することができる。したがって、電源導体112を通過するノイズの遮断効果を一層高めることができる。
【0092】
一方、図10には、説明の便宜上、一つの電源導体112のみが示されているが、上述したように、電源ハウジング111の内部には複数の電源導体112が含まれても良い。このような実施形態については、図11を参照してより具体的に説明する。
【0093】
図11は、本発明のさらに他の実施形態による電源用コネクティング部110の構成を概略的に示した透視斜視図である。以下、上述した実施形態、特に図10の実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0094】
図11を参照すると、電源ハウジング111の内部に電源導体112が複数個埋設され、それぞれの電源導体112は、電源ハウジング111の前端部に外側端部が備えられ、電源ハウジング111の後端部に内側端部が備えられている。そして、各電源導体112は、バネ状で巻き取られた形態で構成されている。例えば、図11に示された二個の電源導体112(d8、d9)は、一つの任意の直方体の外面を巻き取る形態で構成され得る。図11では二個の電源導体112(d8、d9)を区別し易いように、電源導体112(d8)は点線で示し、電源導体112(d9)は二点鎖線で示している。
【0095】
この場合、複数の電源導体112は、バネが相互挿入された形態で構成される。すなわち、図11に示された構成において、d8及びd9で示された二個の電源導体112は、電源用コネクティング部110を前方または後方から眺めるとき(図11でX軸方向から眺めるとき)を基準にして、相互がほぼ重なった形態で構成され得る。すなわち、Y-Z平面上では、電源導体112(d8)と電源導体112(d9)とが互いにほぼ同一または類似の位置で、同一または類似の形態で構成され得る。しかし、電源用コネクティング部110の左方又は右方から眺めるとき(図11でY軸方向から眺めるとき)を基準にして、電源導体112(d8)と電源導体112(d9)とは相異なる位置に交互に位置し得る。例えば、X-Z平面上において、上下に長く延びた部分を基準にして、電源導体112(d8)、電源導体112(d9)、電源導体112(d8)、電源導体112(d9)、…の順に二個の電源導体112が順次に交互に位置し得る。
【0096】
本発明のこのような構成によれば、複数の電源導体112を電源用コネクティング部110に備える構成において、各電源導体112が電源ハウジング111の内部で互いに干渉することなく、最大限に長く埋設された状態で構成することができる。したがって、この場合、電源用コネクティング部110に対するノイズフィルタリング効果を一層向上させることができる。
【0097】
図12は、本発明のさらに他の実施形態による電源用コネクティング部110の構成を概略的に示した透視斜視図である。以下、上述した実施形態、特に図11の実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0098】
図12を参照すると、電源用コネクティング部110は、3次元的に折り曲げられた電源導体112及び2次元的に折り曲げられた電源導体112を共に含んでいる。
【0099】
より具体的には、図12に示されたように、参照符号d8及びd9で示された電源導体112は3次元的に折り曲げられた形態、特にバネ状に折り曲げられた形態で構成され得る。そして、参照符号d10及びd11で示された電源導体112は、2次元的に折り曲げられた形態、特にX-Y平面上で水平方向に折り曲げられた形態で構成され得る。
【0100】
このような構成において、2次元的に折り曲げられた電源導体112は、3次元的に折り曲げられた電源導体112の内部に挿入される形態で構成され得る。すなわち、電源導体112(d8)及び電源導体112(d9)はバネ状で構成され、その内部には中空と類似した形態の空いた空間が形成されている。このとき、電源導体112(d10)及び電源導体112(d11)は、このようなバネ状の電源導体112の内部で水平方向に折り曲げられた形態で構成され得る。一方、図12と異なり、電源導体112(d10)及び電源導体112(d11)は、バネ状の電源導体112の内部で垂直方向に折り曲げられた形態で構成されても良い。
【0101】
本発明のこのような構成によれば、電源ハウジング111の内部で電源導体112の折曲形態を多様に構成することで、電源導体112同士が干渉せずに互いに十分離隔しつつ、すべての導体が最大限の長さを確保することができる。したがって、この場合、電源用コネクティング部110のノイズ遮断効果を一層向上させることができる。
【0102】
望ましくは、通信用コネクティング部120は、図3及び図4に示されたように、通信ハウジング121及び通信導体122を備えることができる。
【0103】
通信ハウジング121は、内部の通信導体122と電気的に導通しないように、電気絶縁性材質から構成される。特に、通信ハウジング121は、プラスチックなどのポリマー材質から構成され得る。
【0104】
このような通信ハウジング121は、内部に通信導体122を備え、通信導体122を囲むことができるように多様な形態で構成される。例えば、通信ハウジング121は、図4に示されたように、略直方体の形態で構成され得る。ただし、このような通信ハウジング121は、他の多様な形態で構成されても良い。
【0105】
通信導体122は、本発明によるバッテリーパックコネクタ100を経由して通信信号が伝達されるようにする構成要素である。したがって、通信導体122は、電気伝導性材質、特に銅などの金属材質から構成される。そして、このような通信導体122は、通信ハウジング121の内部に埋設されるが、両端が外部に露出するように構成される。例えば、図4の構成において、通信導体122は、パックコネクタの外側に向かう前方(+X軸方向)に一端(外側端部)が露出し、パックコネクタの内側に向かう後方(-X軸方向)に他端(内側端部)が露出する形態で構成され得る。したがって、バッテリーパックの外部装置、例えば、車両のECUと連結されたCAN通信線のような外部通信ケーブルが通信導体122の外側端部に連結され得る。そして、バッテリー管理システムなどと連結されたバッテリーパック内部の通信用ワイヤW2が通信導体122の内側端部に連結され得る。このような通信導体122の外側端部及び内側端部も、ワイヤやプレートとの連結のための端子形態で構成され得る。
【0106】
通信導体122は、通信用コネクティング部120に一つ以上備えられる。特に、通信導体122は、図3及び図4に示されたように、通信用コネクティング部120に複数個備えられ得る。そして、このような複数の通信導体122は、通信用データの伝達に用いられる。
【0107】
特に、本発明によるバッテリーパックコネクタ100において、通信ハウジング121は、電源ハウジング111と異なり、ノイズ遮断材料を含まないように構成される。すなわち、本発明によるバッテリーパックコネクタ100は、電源用コネクティング部110にはノイズ遮断材料が含まれ、通信用コネクティング部120にはノイズ遮断材料が含まれないように構成される。
【0108】
本発明のこのような構成によれば、ノイズ遮断材料によって通信用ワイヤW2を通じて伝達される通信信号が変更されることを遮断又は最小化することができる。CAN通信線のような通信用ワイヤの場合、高い電圧と低い電圧との間で角波形状の速いスイッチングが起きる。しかし、ノイズ遮断材料はこのような通信用信号に対するスイッチングを遅らせ、角波形状を崩し得る。したがって、本発明は、通信用コネクティング部120にノイズ遮断材料が含まれないように構成することで、通信用データの変形又は歪曲のような悪影響を防止することができる。
【0109】
また、本発明によるバッテリーパックコネクタ100において、通信導体122は、直線状に構成される。例えば、図4に示されたように、通信導体122は、バッテリーパックコネクタ100の前後方向(図4のX軸方向)、換言すればバッテリーパックの外側から内側に向かう方向で長く延びた直線状であって、折り曲げられていない形態で構成され得る。
【0110】
特に、本発明の一実施形態によれば、電源導体112は電源ハウジング111の内部で折り曲げられた形態である一方、通信導体122は通信ハウジング121の内部で折り曲げられずに真っ直ぐに延びた形態であり得る。
【0111】
本発明のこのような構成によれば、電源用コネクティング部110のノイズ遮断材料の干渉を最小化して、通信導体122は通信信号を正確に伝達することができる。すなわち、本発明の一実施形態によれば、通信用コネクティング部120は電源用コネクティング部110に隣接して位置し、電源用コネクティング部110にはノイズ遮断材料が含まれるが、通信用コネクティング部120に備えられた通信導体122の形態を短く構成することで、周辺のノイズ遮断材料による信号の損傷や歪曲などを最小化することができる。
【0112】
また、図4に示されたように、電源用コネクティング部110と通信用コネクティング部120とは、相互所定の距離で離隔した形態で構成され得る。特に、通信用コネクティング部120の通信ハウジング121は、電源用コネクティング部110の電源ハウジング111と直接接触せず、所定の距離で離隔した形態で構成され得る。この場合、通信ハウジング121の内部に埋設された通信導体122が電源ハウジング111の影響を受けることを減少させることができる。
【0113】
また、本発明によるバッテリーパックコネクタ100は、図3及び図4などに示されたように、コネクタケース130をさらに含むことができる。
【0114】
コネクタケース130は、通信用コネクティング部120及び/または電源用コネクティング部110と結合される。このとき、コネクタケース130とそれぞれのコネクティング部の結合形態は多様に構成され得る。例えば、コネクタケース130は、図3及び図4に示されたように、内部空間を備え、内部空間に通信用コネクティング部120及び/または電源用コネクティング部110が挿入されて収容される形態で構成され得る。または、コネクタケース130とそれぞれのコネクティング部とは、ボルト及びナットのような締結部材を通じて結合固定され得る。外にも、コネクタケース130と通信用コネクティング部120及び/または電源用コネクティング部110とは、多様な方式で結合され得、本発明がこれらの具体的な結合形態によって限定されることはない。
【0115】
また、コネクタケース130は、プラスチックのようなポリマー材質から構成されるが、他の多様な材質から構成され得る。
【0116】
図13は本発明の他の実施形態によるバッテリーパックコネクタ100の構成を概略的に示した斜視図であり、図14図13の一部構成を分離して示した斜視図である。特に、図14には、説明の便宜上、4個の通信導体122及び一つの電源導体112のみを電源ハウジング111の外部に引き出して示した。以下、上述した実施例と異なる部分を主に説明する。
【0117】
図13及び図14を参照すると、通信用コネクティング部120が電源用コネクティング部110に挿入される形態で構成されている。特に、通信用コネクティング部120がバッテリーパックコネクタ100の中央部分に位置し、電源用コネクティング部110は、通信用コネクティング部120の周辺を囲む形態で構成されている。より具体的には、電源用コネクティング部110には、図14に参照符号Hで示したように、内部空間、例えば、中空が形成され得る。そして、電源用コネクティング部110の内部空間に通信用コネクティング部120が挿入される形態でバッテリーパックコネクタ100が構成され得る。
【0118】
本発明のこのような構成によれば、通信用コネクティング部120の通信導体122は短く構成し、電源用コネクティング部110の電源導体112は長く構成することをより容易に達成することができる。このような構成の場合、外部に位置した電源用コネクティング部110の大きさ又は体積が内部に位置した通信用コネクティング部120の大きさ又は体積よりも大きく構成される。したがって、電源用コネクティング部110の内部に位置した電源導体112の長さが、通信用コネクティング部120の内部に位置した通信導体122の長さより一層長く構成され得る。したがって、ノイズ遮断材料の内部で電源導体112を長く形成することで電源導体112を通過するノイズ遮断効果を高める一方、通信導体122を短く形成して通信導体122に対する通信信号の歪曲又は損傷を防止することができる。
【0119】
特に、このような構成において、通信導体122は直線状に形成され、電源導体112は通信導体122の周辺を巻き取る形態、例えば、バネ状で構成され得る。この場合、複数の電源導体112が電源用コネクティング部110に含まれれば、各電源導体112は図11の実施形態で上述したように、互いに重ならないように挿入された形態で構成され得る。すなわち、バネ状の電源導体112は、前後方向で交互に位置する形態で構成され得る。
【0120】
以下、本発明の効果より具体的に説明するため、実施例及び比較例を挙げて詳しく説明する。ただし、本発明による実施例は多くの他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が後述する実施例によって限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業界で平均的な知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0121】
[実施例1]
図1及び図2に示されたような形態でバッテリーパックを用意した。さらに、このようなバッテリーパックのパックコネクタは、図3及び図4と類似した形態で、電源用コネクティング部及び通信用コネクティング部を備えるように製作した。特に、電源用コネクティング部は、図4に示された電源用コネクティング部のように、電源ハウジング及び電源導体を備え、直方体状に構成した。ここで、電源ハウジングはフェライト材質から製作した。また、バッテリーパックコネクタの全体大きさは、横(図4のY軸方向の長さ)、縦(図4のX軸方向の長さ)及び高さ(図4のZ軸方向の長さ)がそれぞれ約10cm、8cm及び4cmになるようにした。また、電源ハウジングの大きさは、横、縦及び高さがそれぞれ約5cm、8cm、3cmになるようにした。そして、電源導体は、銅材質からなり、8個が電源ハウジングの内部に挿入されるようにした。ただし、電源導体は、図4と異なり、折曲部を形成せずに直線状に形成し、その長さ(図4のX軸方向)を約8cmにした。
【0122】
[実施例2]
実施例1と電源導体の形態のみが異なり、他の部分は実施例1のバッテリーパックと同じ材質及び形態でバッテリーパックを用意した。より具体的に、実施例2のバッテリーパックに適用されたコネクタの電源導体は、図4及び図5に示されたように、ハウジングの内部で2回曲げて折り返した形態で構成した。このとき、電源導体の長さは約22cmになるように製作した。
【0123】
[比較例]
パックコネクタにおいて電源ハウジングの材質のみが異なり、他の部分は実施例1と同じ材質及び形態でバッテリーパックを製作した。より具体的に、比較例のパックコネクタの電源ハウジングは、プラスチック材質、特にポリブチレンテレフタレート(PBT)材質から構成した。
【0124】
実施例1、2及び比較例のそれぞれのバッテリーパックに対し、バッテリーパックの正極端子(図面に符号「+」で示された部分の端子)及び負極端子(図面に符号「-」で示された部分の端子)を通じてバッテリーパックの内部大電流端にノイズを印加した。この場合、ノイズはバッテリーパックの内部から隣接ケーブル及び回路に伝播し、バッテリーパックコネクタの電源用コネクティング部から抜け出る。したがって、本発明者は実施例及び比較例の各バッテリーパックに対し、ノイズ測定装置(Network Analyzer)を用いて電源用コネクティング部におけるノイズを測定した。特に、ノイズ周波数の変化によるノイズ減殺量を実施例及び比較例に対して測定し、その結果を図15に示した。すなわち、図15は、本発明の実施例及び比較例によるノイズ減殺量の測定結果を示したグラフである。また、図15には、コネクタに対するノイズの基準値がPASS線として示されている。
【0125】
図15を参照すると、実施例1及び2の場合、比較例に比べてノイズの減殺効果が優れることが分かる。例えば、図面にF1で示された区間の場合、比較例はノイズ減殺量が基準線(PASS線)より低いため、「FAIL」と判定されるが、実施例1及び実施例2はノイズ減殺量が基準線より高く、「PASS」と判定される。したがって、実施例1及び実施例2の場合、比較例に比べてPASS領域が広いと言える。
【0126】
また、実施例1の場合、F2区間でノイズ減殺量が基準線よりも高く測定された。一方、比較例の場合、F2区間でノイズ減殺量が基準線よりも低く測定された。したがって、実施例1の場合、比較例に比べてF2区間ほどPASS領域が広がったと言える。そして、実施例2の場合も、F2区間で基準線よりも高く測定されてPASS領域を形成している。
【0127】
したがって、測定結果を参照すると、導体が埋設されたハウジングとして、プラスチック材質を用いる場合に比べて、本発明のようにフェライトなどのノイズ遮断材質を用いる場合、ノイズ減殺効果が一層向上することが分かる。
【0128】
さらに、実施例2の場合、F2区間だけでなく、F3区間でも、ノイズ減殺量が基準線よりも高く測定された。F3区間では、比較例は勿論、実施例1の場合も、ノイズ減殺量が基準線よりも低く測定された。したがって、実施例2の場合、比較例に比べてPASS領域がより広く拡大することは勿論、実施例1よりもPASS領域が広がることが分かる。また、F2及びF3区間は勿論、F4区間でも、実施例2のノイズ減殺量が実施例1のノイズ減殺量に比べて全般的に多いことが分かる。
【0129】
したがって、このような測定結果から、同じノイズ遮断材質に導体が埋設されても、ノイズ遮断材質の内部に導体を折り曲げて埋設する場合、導体を折り曲げない場合に比べてノイズ遮断効果が一層優れることが分かる。
【0130】
本発明によるバッテリーパックは、上述した本発明によるバッテリーパックコネクタ100を含む。特に、本発明によるバッテリーパックは、図2に示されたように、本発明によるバッテリーパックコネクタ100をパックケースに備え、外部に露出するように構成することができる。また、本発明によるバッテリーパックは、上述したように、バッテリーパックコネクタ100の外にも、セルアセンブリ、パックケース及びバッテリー管理システムなどをさらに含むことができる。特に、本発明によるバッテリーパックにおいて、バッテリーパックコネクタ100は、バッテリー管理システムに電源を供給し、バッテリー管理システムと通信するように構成されたコネクタであり得る。
【0131】
本発明によるバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に適用可能である。すなわち、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパックを含むことができる。特に、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパックコネクタ100が適用されたバッテリーパックを含むことができる。特に、電気自動車などにはインバータなどが備えられるが、本発明のパックコネクタを用いることで、インバータなどによって生成されたノイズがバッテリーパックの内部に流入するか又はバッテリーパックを通じて車両の他の電子装置に伝達されることを効果的に防止することができる。
【0132】
本明細書において、上、下、左、右、前、後などのように方向を表す用語が使われたが、このような用語は説明の便宜上使用されたものに過ぎず、対象になる物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者にとって自明である。
【0133】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されず、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者であれば、本発明の技術思想及び特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0134】
100:バッテリーパックコネクタ
110:電源用コネクティング部
111:電源ハウジング
112:電源導体
120:通信用コネクティング部
121:通信ハウジング
122:通信導体
130:コネクタケース
200:セルアセンブリ
210:二次電池
220:カートリッジ
300:パックケース
310:上部ケース
320:下部ケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図15