(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-04
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】低温流動性酸化物層を含む半導体オンインシュレータ構造およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20220113BHJP
H01L 27/12 20060101ALI20220113BHJP
B23K 20/00 20060101ALI20220113BHJP
C30B 29/06 20060101ALI20220113BHJP
H01L 21/265 20060101ALI20220113BHJP
【FI】
H01L27/12 B
B23K20/00 310L
C30B29/06 C
H01L21/02 B
H01L21/265 Q
(21)【出願番号】P 2018538865
(86)(22)【出願日】2017-03-03
(86)【国際出願番号】 US2017020619
(87)【国際公開番号】W WO2017155805
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2020-03-03
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-11
(32)【優先日】2016-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518112516
【氏名又は名称】グローバルウェーハズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GlobalWafers Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】サーシャ・ジョセフ・クウェスキン
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】恩田 春香
【審判官】小川 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-135805(JP,A)
【文献】特開平5-217826(JP,A)
【文献】特開平10-32321(JP,A)
【文献】特開2003-142664(JP,A)
【文献】特開昭60-81833(JP,A)
【文献】特開平3-138935(JP,A)
【文献】特開2000-307089(JP,A)
【文献】特開2009-99900(JP,A)
【文献】特開2002-170942(JP,A)
【文献】国際公開第2014/080874(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/02
H01L27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層構造を準備する方法であって、この方法は、
単結晶シリコンハンドル基板の表面上に直接リフロー可能な絶縁層を含むハンドル誘電体層を堆積する工程であって、単結晶シリコンハンドル基板は、その1つは単結晶シリコンハンドル基板の表面であり、他は単結晶シリコンハンドル基板の裏面である、略平行な2つの主面と、単結晶シリコンハンドル基板の表面と裏面とを接続する周辺エッジと、単結晶シリコンハンドル基板の表面と裏面との間の中心面と、単結晶シリコンハンドル基板の表面と裏面の間のバルク領域を含み、リフロー可能な絶縁層は約1000℃より低い温度で流動可能であり、さらにリフロー可能な絶縁層は、りんけい酸ガラス、ほうけい酸ガラス、ほうりんけい酸ガラス、およびその組み合わせからなるグループから選択されるけい酸塩ガラスを含む工程と、
約800℃から約1000℃までの温度でリフロー可能な絶縁層をアニールすることにより、リフロー可能な絶縁層を硬化させる工程と、
リフロー可能な絶縁層を含むハンドル誘電体層に、単結晶シリコンドナー基板の表面と界面接触したドナー誘電体層を接着し、これにより接着構造を形成する工程であって、単結晶シリコンドナー基板は、その1つは単結晶シリコンドナー基板の表面であり、他は単結晶シリコンドナー基板の裏面である、略平行な2つの主面と、単結晶シリコンドナー基板の表面と裏面とを接続する周辺エッジと、シリコンドナー基板の表面と裏面との間の中心面と、単結晶シリコンドナー基板の表面と裏面の間のバルク領域を含
む工程と、
単結晶シリコンドナー基板は劈開面を含
み、単結晶シリコンドナー基板の劈開面で接着構造を機械的に劈開して、これにより単結晶シリコンハンドル基板、単結晶シリコンハンドル基板と界面接触したリフロー可能な絶縁層を含むハンドル誘電体層、ハンドル誘電体層と界面接触したドナー誘電体層、およびドナー誘電体層と界面接触した単結晶シリコンデバイス層を含む劈開構造を準備する工程と、を含む方法。
【請求項2】
単結晶シリコンハンドル基板は、チョクラルスキ法またはフロートゾーン法で成長させた単結晶シリコンインゴットからスライスされた単結晶シリコンウエハを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
単結晶シリコンドナー基板は、チョクラルスキ法またはフロートゾーン法で成長させた単結晶シリコンインゴットからスライスされた単結晶シリコンウエハを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
リフロー可能な絶縁層は、ほうりんけい酸ガラスを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
リフロー可能な絶縁層は、オゾンと接触させ、紫外線光を照射し、またはオゾンと接触させかつ紫外線光を照射することで硬化させる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
リフロー可能な絶縁層は、約100ナノメータから約1マイクロメータの膜厚を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
硬化されたリフロー可能な絶縁層は、少なくとも2マイクロメータかける2マイクロメータの表面領域の上で2乗平均平方根法により測定した場合に、約2オングストロームより小さい最大表面粗さを有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ドナー誘電体層は、二酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタニウム、酸化バリウム、およびその組み合わせからなるグループから選択される材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ドナー誘電体層は、二酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、およびその組み合わせからなるグループから選択される材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ドナー誘電体層は、多層を含み、多層の中のそれぞれの誘電体層は、二酸化シリコン、酸窒化シリコン、および窒化シリコンからなるグループから選択される材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ドナー誘電体層は、少なくとも約10ナノメータの膜厚を有する絶縁層を含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
さらに、硬化させたリフロー可能な絶縁層の上に第2の絶縁層を堆積する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
第2の誘電体層は、二酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、およびその組み合わせからなるグループから選択される材料を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
さらに、単結晶シリコンドナー基板のドナー誘電体層と、単結晶シリコンハンドル基板の表面上のリフロー可能な絶縁層を含むハンドル誘電体層との間の接着を強化するのに十分な温度および時間で、接着構造をアニールする工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
アニール工程は、約300℃から約700℃の温度で行われる請求項14に記載の方法。
【請求項16】
アニール工程は、約0.5MPaから約200MPaの圧力で行われる請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2016年3月7日に出願された米国仮出願62/304,376の優先権の利益を享受し、仮出願はその全体が示されるように参照することでここに含まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、半導体ウエハの製造の分野に関する。特に、本発明は、半導体・オン・インシュレータ(例えば、シリコン・オン・インシュレータ)構造に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウエハは、一般に単結晶インゴット(例えば、シリコンインゴット)から準備され、続く手続でウエハの好ましい方向のための一つまたはそれ以上のフラットまたはノッチを有するように切り落とされ、削られる。インゴットは、次に、それぞれのウエハにスライスされる。ここではシリコンから形成された半導体ウエハが参照されるが、ゲルマニウム、シリコンカーバイド、シリコンゲルマニウム、砒化ガリウム、および窒化ガリウムや燐化インジウムのようなIII族元素とV族元素の合金、または硫化カドミニウムまたは酸化亜鉛のようなII族元素とVI族元素の合金のような他の合金のような材料が、半導体ウエハを準備するために使用されても良い。
【0004】
半導体ウエハ(例えば、シリコンウエハ)は、複合層構造の準備に使用されても良い。複合層構造(例えば、半導体・オン・インシュレータ、特に、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)構造)は、一般に、ハンドルウエハまたはハンドル層、デバイス層、およびハンドル層とデバイス層の間の絶縁(例えば誘電体)膜(一般には酸化層)を含む。一般に、デバイス層は0.01マイクロメータから20マイクロメータの厚さ、例えば0.05マイクロメータから20マイクロメータの厚さである。薄膜デバイス層は、約1.5マイクロメータから約20マイクロメータの厚さのデバイス層を有する。薄膜デバイス層は、約0.01マイクロメータから約0.20マイクロメータの厚さのデバイス層を有しても良い。一般に、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、シリコン・オン・サファイア(SOS)、シリコン・オン・石英のような複合層構造は、2つのウエハを接触させてファンデワールス力で密着させ、熱処理で密着を強化することにより作製される。アニールは、末端シルアノール基を、2つの界面の間のシロキサンボンドに変えて、これにより接着を強化する。
【0005】
熱アニールの後に、接着された構造は、更に、ドナーウエハの相当な部分の除去処理が行われ、層の移転が達成される。しばしばバックエッチSOI(即ちBESOI)と呼ばれる、例えばエッチングや研磨のようなウエハ薄膜化技術が用いられ、シリコンウエハがハンドルウエハに固定され、次にハンドルウエハの上にシリコンの薄層が残るまで、ゆっくりエッチングされる。例えば、参照されることにより、あたかもその全体が記載されたようにその開示が組み込まれる米国特許5,189,500を参照。この方法は、時間およびコストがかかり、基板の1つを浪費し、数ミクロンより薄い層では、好ましい膜厚の均一性を有さない。
【0006】
層の移転を達成する他の共通の方法は、水素注入と、それに続く熱誘起による層分離を用いる。粒子(原子またはイオン化原子、例えば水素原子または水素原子とヘリウム原子の組み合わせ)が、ドナーウエハの表面から下方に所定の深さで注入される。注入粒子は、注入された所定の深さで、ドナーウエハ中に劈開面を形成する。ドナーウエハの表面は、洗浄されて、注入プロセス中にウエハの上に堆積された、ホウ素化合物のような有機化合物または他の汚染物を除去する。
【0007】
ドナーウエハの表面は、続いてハンドルウエハに接着され、親水性の接着プロセスで接着ウエハを形成する。接着の前に、例えば酸素や窒素を含むプラズマにウエハの表面が曝されて、ドナーウエハおよび/またはハンドルウエハが活性化される。プラズマに曝すことで、プロセス中に表面の構造を変えることは表面活性化としばしば呼ばれ、この活性化プロセスは、ドナーウエハおよびハンドルウエハの一方または双方の表面を親水性にする。ウエハの表面は、SC1洗浄またはフッ化水素酸のようなウエット処理により更に化学的に活性化される。ウエット処理およびプラズマ活性化は、順番に行われるか、または、ウエハは1つの処理のみ行われても良い。ウエハは続いて一緒にプレスされ、その間に接着が形成される。この接着は比較的弱く、ファンデワールス力によるものであり、更なる処理が行われて強化されなければならない。
【0008】
いくつかのプロセスでは、ドナーウエハとハンドルウエハ(即ち、接着ウエハ)との間の親水性の接着は、接着ウエハのペアを加熱またはアニールすることにより強化される。幾つかのプロセスでは、ウエハの接着は、約300℃から約500℃までのような比較的低温で行われる。幾つかのプロセスでは、ウエハの接着は、約800℃から約1100℃までのような高温で行われる。高温により、ドナーウエハとハンドルウエハの隣接する表面の間で共有結合を形成し、これにより、ドナーウエハとハンドルウエハの間の接着を強くする。接着ウエハの加熱またはアニールと同時に、先にドナーウエハに注入された粒子が劈開面を弱くする。
【0009】
ドナーウエハの一部が、次に、劈開面に沿って接着ウエハから分離(即ち劈開)されて、SOIウエハを形成する。劈開は、接着ウエハを備品の中に配置することにより行われ、備品の中では、接着ウエハの対向する面に直交するように機械的な力が与えられ、接着ウエハからドナーウエハの一部が引っ張られる。幾つかの方法では吸盤が使用され機械的な力を与える。ドナーウエハの一部の分離は、劈開面に沿ってクラックの伝搬を開始するために、劈開面において、接着ウエハのエッジに機械的なくさびを与えることで始められる。吸盤により与えられる機械的な力が、続いて、接着ウエハからドナーウエハの一部を引っ張り、これによりSOIウエハを形成する。
【0010】
他の方法では、接着されたペアが、代わりに、所定の時間を超えて高温にされ、接着ウエハからドナーウエハの一部を分離する。高温に曝すことで、劈開面に沿ってクラックを形成し、伝搬させ、これによりドナーウエハの一部を分離する。クラックは、注入されたイオンからボイドが形成されることにより形成され、オストワルド熟成により成長する。ボイドは水素およびヘリウムで満たされる。ボイドはプレートレット(platelet)になる。プレートレット中で圧縮された気体はマイクロキャビティおよびマイクロクラックを伝搬させ、注入面でシリコンを弱くする。適当な時間でアニールが停止された場合は、弱くなった接着ウエハは機械的なプロセスで劈開されても良い。しかしながら、熱処理がより長時間および/またはより高温で続いた場合、マイクロクラックの伝搬が、劈開面に沿って全てのクラックが合併するレベルに達し、これによりドナーウエハの一部を分離する。この方法は、移転された層をより均一にし、ドナーウエハのリサイクルを可能にするが、一般には、注入され接着されたペアを、500℃に達する温度まで加熱することが必要となる。
【0011】
多層SOI構造と関連した複雑さは、平坦性のばらつきおよび接着界面における欠陥に対する敏感性を含む。これに対する共通の解決方法はCMPであるが、CMPは費用がかかり、傷や膜厚のばらつきを残すかもしれない。伝統的なSOI構造の仕様は、デバイスに容易に組み込むことができる電気的特性を含む。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、ハンドル基板に含まれる不純物がデバイスに影響するのを防止した、インシュレータ構造の上に多層半導体を準備するための方法に関する。
【0013】
本発明は、更に、多層構造を準備する方法に関し、この方法は、単結晶半導体ハンドル基板の表面上にリフロー可能な絶縁層を含むハンドル誘電体層を堆積する工程であって、単結晶半導体ハンドル基板は、その1つは単結晶半導体ハンドル基板の表面であり、他は単結晶半導体ハンドル基板の裏面である、略平行な2つの主面と、単結晶半導体ハンドル基板の表面と裏面とを接続する周辺エッジと、単結晶半導体ハンドル基板の表面と裏面との間の中心面と、単結晶半導体ハンドル基板の表面と裏面の間のバルク領域を含み、リフロー可能な絶縁層は約1000℃より低い温度で流動可能な工程と、リフロー可能な絶縁層を硬化(cure)させる工程と、リフロー可能な絶縁層を含むハンドル誘電体層に、単結晶半導体ドナー基板の表面上のドナー誘電体層を接着し、これにより接着構造を形成する工程であって、単結晶半導体ドナー基板は、その1つは単結晶半導体ドナー基板の表面であり、他は単結晶半導体ドナー基板の裏面である、略平行な2つの主面と、単結晶半導体ドナー基板の表面と裏面とを接続する周辺エッジと、単結晶半導体ドナー基板の表面と裏面との間の中心面と、単結晶半導体ドナー基板の表面と裏面の間のバルク領域を含み、更に単結晶半導体ドナー基板は劈開面を含む工程と、を含む。
【0014】
本発明は、更に、多層構造を準備する方法に関し、この方法は、単結晶半導体ハンドル基板の表面上に流動可能な絶縁層を含むハンドル誘電体層を堆積する工程であって、単結晶半導体ハンドル基板は、その1つは単結晶半導体ハンドル基板の表面であり、他は単結晶半導体ハンドル基板の裏面である、略平行な2つの主面と、単結晶半導体ハンドル基板の表面と裏面とを接続する周辺エッジと、単結晶半導体ハンドル基板の表面と裏面との間の中心面と、単結晶半導体ハンドル基板の表面と裏面の間のバルク領域を含む工程と、単結晶半導体ドナー基板の表面上のドナー誘電体層を、流動可能な絶縁層を含むハンドル誘電体層に接着し、これにより接着構造を形成する工程であって、単結晶半導体ドナー基板は、その1つは単結晶半導体ドナー基板の表面であり、他は単結晶半導体ドナー基板の裏面である、略平行な2つの主面と、単結晶半導体ドナー基板の表面と裏面とを接続する周辺エッジと、単結晶半導体ドナー基板の表面と裏面との間の中心面と、単結晶半導体ドナー基板の表面と裏面の間のバルク領域を含む工程とを含み、更に単結晶半導体ドナー基板は劈開面を含む工程と、を含む。
【0015】
本発明は、更に、その1つは単結晶半導体ハンドル基板の表面であり、他は単結晶半導体ハンドル基板の裏面である、略平行な2つの主面と、単結晶半導体ハンドル基板の表面と裏面とを接続する周辺エッジと、単結晶半導体ハンドル基板の表面と裏面との間の中心面と、単結晶半導体ハンドル基板の表面と裏面の間のバルク領域を含む単結晶半導体ハンドル基板と、流動可能な絶縁層またはリフロー可能な絶縁層を含み、単結晶半導体ハンドル基板の表面と界面接触するハンドル誘電体層と、ハンドル誘電体層と界面接触するドナー誘電体層と、単結晶半導体デバイス層と、を含む多層構造に関する。
【0016】
他の目的および特徴は、以下において、一部が明らかになり、一部が指摘されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】本発明の幾つかの具体例にかかるプロセスフローを示す。
【
図1B】本発明の幾つかの具体例にかかるプロセスフローを示す。
【
図1C】本発明の幾つかの具体例にかかるプロセスフローを示す。
【
図2】本発明の幾つかの具体例にかかる多層構造を示す。
【
図3】本発明の幾つかの具体例にかかる多層構造を示す。
【
図5】流動可能なシルセスキオキサンの例示の構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、ハンドル基板中に含まれる不純物の、デバイスに影響を有することを防止する多層半導体・オン・インシュレータ構造(SOI、例えばシリコン・オン・インシュレータ構造)に関する。半導体・オン・インシュレータ構造中の誘電体層は、ハンドル基板と、ドナー基板またはデバイス層との間に位置する1またはそれ以上の絶縁層を含んでも良い。本発明にかかるSOI構造中の1またはそれ以上の絶縁層は、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、およびそれらの材料の組み合わせを含んでも良い。好適には、誘電体層は、それらの材料を含む少なくとも2つの絶縁層、または少なくとも3つの絶縁層、またはより多くの絶縁層を含む多層を含む。本発明の幾つかの具体例では、絶縁層は、酸化物・窒化物・酸化物誘電体(ONO)を含み、ここでは、1つの酸化物層はハンドル基板に界面接触し、第2の酸化物層はドナー基板または半導体層と界面接触する。窒化物層は、2つの酸化物層の間にある。
【0019】
多層の半導体・オン・インシュレータ構造(SOI、例えばシリコン・オン・インシュレータ構造)は、酸化物・窒化物・酸化物の誘電体(ONO)を含み、窒化物の下の埋込酸化物は、最終デバイスでは存在しない。それゆえに、堆積、処理、および集積で新たに得られるプロセス工程は、費用を低減し、顧客の製造を容易にする。
【0020】
本開示の幾つかの具体例では、SOI構造中の酸化物層、好適にはONO多層構造中の酸化物層を形成する方法が提供される。流動可能な酸化物または低温でリフローが可能な酸化物を堆積することにより、注入されたドナーの粗さまは平坦性が、接合後に低減される。この方法の目的は、信頼性を改良し、多層SOI構造の費用を低減することである。酸化物の下層が流動化した場合、接着ボイドおよび界面欠陥の敏感さが低減できる。
【0021】
本開示の幾つかの具体例では、加圧された接着処理および/または加圧された劈開後のアニールを用いることにより、(例えば、低減された表面エネルギーおよび平坦性/粗さへの依存性、低減されたボイド、強化された接着強度、自動劈開の防止、および低減されたテラス幅により)最適化された層の移転の方法が提供される。この方法の目的は、移転の信頼性の改良、接着特性の改良、および熱劈開の防止である。
【0022】
I.半導体ハンドル基板および半導体ドナー基板
本発明で使用するための基板は、例えば単結晶半導体ハンドルウエハのような半導体ハンドル基板、および例えば単結晶半導体ドナーウエハのような半導体ドナー基板を含む。半導体・オン・インシュレータ複合構造の中の半導体デバイス層は、単結晶半導体ドナーウエハに起因する。半導体デバイス層は、半導体ドナー基板のエッチングのようなウエハ薄膜化技術により、またはダメージ面を含む半導体ドナー基板の劈開により、半導体ハンドル基板の上に移転されても良い。本発明の方法では、1またはそれ以上の絶縁層が、単結晶半導体ハンドルウエハおよび単結晶半導体ドナーウエハのいずれかまたは双方の表面上に準備されても良い。
【0023】
図1Aから
図1C、
図2、および
図3は、本発明の幾つかの具体例にかかるプロセスフローを示す。
図1Aを参照すると、例示的な、非限定的な単結晶半導体ハンドル基板またはウエハ100が示されている。一般に、単結晶半導体ハンドルウエハ100は、略平行な面である、2つの主面を含む。平行な面の1つは、単結晶半導体ハンドルウエハ100の表面102であり、他の平行な面は、単結晶半導体ハンドルウエハ100の裏面104である。単結晶半導体ハンドルウエハ100は、表面102と裏面104とを接続する周辺エッジ106を含む。単結晶半導体ハンドルウエハ100は、略平行な面である2つの主面に直交し、そして表面102および裏面104の間の中程の点で定義される中心面に直交する中心軸108を含む。単結晶半導体ハンドルウエハ100は、略平行な面である2つの主面102、104の間にバルク領域110を含む。例えばシリコンウエハのような半導体ウエハは、一般には、いくらかの全膜厚のばらつき(TTV)、ねじれ、および反りを有するため、表面102上の全ての点と、裏面104上の全ての点の間の中間点は、正確には1つの面の中には無い。しかしながら、現実的な方法では、TTV、ねじれ、および反りは一般には非常に僅かで、近似よして、中間点は、表面102と裏面104の間で略等距離の想像上の中心面の中に含まれると言っても良い。
【0024】
ここに記載された操作の前において、単結晶半導体ハンドル基板100の表面102および裏面104は実質的に同一である。面は単に便宜上「表面」または「裏面」と呼ばれ、本発明の方法の操作がその上で行われる面を一般に区別する。本発明の文脈では、例えば単結晶シリコンハンドルウエハのような単結晶半導体ハンドル基板100の「表面」は、接着構造の内面となる基板の主面を言う。それで、例えばハンドルウエハのような単結晶半導体ハンドル基板の「裏面」は、接着構造の外面となる主面を言う。同様に、例えば単結晶シリコンドナーウエハのような単結晶半導体ドナー基板の「表面」は、接着構造の内面となる単結晶半導体ドナー基板の主面を言い、例えば単結晶シリコンドナーウエハのような単結晶半導体ドナー基板の「裏面」は、接着構造の外面となる主面を言う。本発明の文脈では、1またはそれ以上の絶縁層が、単結晶半導体ハンドル基板100および単結晶半導体ドナー基板のいずれかまたは双方の表面に準備されても良い。従来の接着工程とウエハの薄膜化工程が終了した場合、単結晶半導体ドナー基板は、半導体・オン・インシュレータ(例えばシリコン・オン・インシュレータ)複合構造の半導体デバイス層を形成する。
【0025】
単結晶半導体ハンドル基板および単結晶半導体ドナー基板は、単結晶半導体ウエハでも良い。好適な具体例では、半導体ウエハは、シリコン、シリコンカーバイド、シリコンゲルマニウム、砒化ガリウム、窒化ガリウム、燐化インジウム、インジウムガリウム砒素、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料を含む。本発明の単結晶シリコンハンドルウエハおよび単結晶シリコンドナーウエハは、一般には、少なくとも約150mm、少なくとも約200mm、少なくとも約300mm、または少なくとも約450mmmの名目上の直径を有する。ウエハの膜厚は、約250マイクロメータから約1500マイクロメータ、例えば約300マイクロメーから約1000マイクロメータ、好適には約500マイクロメータから約1000マイクロメータの間でばらついても良い。幾つかの特定の具体例では、ウエハの膜厚は、約725マイクロメータでも良い。幾つかの特定の具体例では、ウエハの膜厚は、約775マイクロメータでも良い。
【0026】
特に好適な具体例では、単結晶半導体ウエハは、従来のチョクラルスキ結晶成長法またはフロートゾーン成長方法に従って成長した単結晶インゴットからスライスされた単結晶シリコンウエハを含む。標準的なシリコンスライシング、ラッピング、エッチング、および研磨技術のようなそのような方法は、例えば、F. Shimura著、"Semiconductor Silicon Crystal Technology", Academic Press, 1989 および "Silicon Chemical Etching", (J. Grabmaier編), Springer-Verlag, N.Y., 1982 (参照することによりここに組み込まれる)に記載されている。好適には、ウエハは、当業者に知られた標準的な方法で研磨され洗浄される。例えば、W. C. O’Maraらの、"Handbook of Semiconductor Silicon Technology", Noyes Publications参照。もし必要なら、ウエハは、例えば標準SC1/SC2溶液中で洗浄される。幾つかの具体例では、本発明の単結晶シリコンウエハは、従来のチョクラルスキ(Cz)結晶成長方法で成長した単結晶インゴットからスライスされた単結晶シリコンウエハであり、一般には、少なくとも約150mm、少なくとも約200mm、少なくとも約300mm、または少なくとも約450mmの名目上の直径を有する。好適には、単結晶シリコンハンドルウエハおよび単結晶シリコンドナーウエハの双方は、スクラッチや大きな粒子等のような表面欠陥の無い、ミラー研磨表面仕上げを有する。ウエハ膜厚は、約250マイクロメータから約1500マイクロメータ、例えば約300マイクロメータから約1000マイクロメータ、好適には約500マイクロメータから約1000マイクロメータの範囲でばらついても良い。幾つかの具体例では、ウエハ膜厚は、約725マイクロメータから約800マイクロメータで、例えば約750マイクロメータから約800マイクロメータでも良い。幾つかの具体例では、ウエハ膜厚は、約775マイクロメータでも良い。
【0027】
幾つかの具体例では、単結晶半導体ウエハ、即ち単結晶半導体ハンドルウエハおよび単結晶半導体ドナーウエハは、一般にチョクラルスキ成長方法により達成された濃度の侵入型酸素を含む。幾つかの具体例では、単結晶半導体ウエハは、約4PPMAから約18PPMAの濃度の酸素を含む。幾つかの具体例では、半導体ウエハは、約10PPMAから約35PPMAの濃度の酸素を含む。幾つかの具体例では、単結晶シリコンウエハは、約10PPMA以下の濃度の酸素を含む。侵入型の酸素は、SEMI MF 1188-1105により測定しても良い。
【0028】
単結晶半導体ハンドルウエハ100は、チョクラルスキ法またはフロートゾーン法で得られる抵抗率を有しても良い。このように、単結晶半導体ハンドルウエハ100の抵抗率は、本発明の構造の末端での使用/応用での要求に基づく。抵抗率は、それゆえに、マイクロオーム以下からメガオーム以上までばらつく。幾つかの具体例では、単結晶半導体ハンドルウエハ100は、p型またはn型のドーパントを含む。好適なドーパントは、ホウ素(p型)、ガリウム(p型)、燐(n型)、アンチモン(n型)、および砒素(n型)である。ドーパント濃度は、ハンドルウエハの所望の抵抗率に基づいて選択される。幾つかの具体例では、単結晶半導体ハンドル基板は、p型ドーパントを含む。幾つかの具体例では、単結晶半導体ハンドル基板はホウ素のようなp型ドーパントを含み単結晶シリコンウエハである。
【0029】
幾つかの具体例では、単結晶半導体ハンドルウエハ100は、例えば約100オームcmより小さい、約50オームcmより小さい、約1オームcmより小さい、約0.1オームcmより小さい、または約0.01オームcmより小さいような、比較的小さい最小バルク抵抗率を有する。幾つかの具体例では、単結晶半導体ハンドル基板100は、例えば約10オームcmより小さい、または約1オームcmから約100オームcmのような比較的小さなバルク抵抗率を有する。低抵抗率ウエハは、ホウ素(p型)、ガリウム(p型)、アルミニウム(p型)、インジウム(p型)、燐(n型)、アンチモン(n型)、および砒素(n型)のような電気的に活性なドーパントを含んでも良い。
【0030】
幾つかの具体例では、単結晶半導体ハンドルウエハ100は、比較的高い最小バルク抵抗率を有する。高抵抗率ウエハは、一般にチョクラルスキ法またはフロートゾーン法で成長した単結晶インゴットからスライスされる。高抵抗率ウエハは、ホウ素(p型)、ガリウム(p型)、アルミニウム(p型)、インジウム(p型)、燐(n型)、アンチモン(n型)、および砒素(n型)のような電気的に活性なドーパントを、一般には非常に低濃度で含んでも良い。Cz成長シリコンウエハは、結晶成長中に取り込まれた酸素による熱ドナーを全滅させるために、約600℃から約1000℃の温度で熱アニールしても良い。幾つかの具体例では、単結晶半導体ハンドルウエハは、少なくとも100オームcm、または少なくとも約500オームcm、例えば約100オームcmから100,000オームcm、または約500オームcmから100,000オームcm、または約1000オームcmから約100,000オームcm、または約500オームcmから約10,000オームcm、または約750オームcmから約10,000オームcm、約1000オームcmから約10,000オームcm、約1000オームcmから約6000オームcm、約2000オームcmから約10,000オームcm、約3000オームcmから約10,000オームcm、または約3000オームcmから約5,000オームcmの最低バルク抵抗率を有する。幾つかの具体例では、単結晶半導体ハンドル基板は、約1000オームcmから約6,000オームcmのバルク抵抗率を有する。高抵抗率ウエハの準備方法は当業者に良く知られており、そのような高抵抗率ウエハは、例えばSunEdison Semiconductor Ltd.(St. Peters, MO、旧MEMC Electronic Material, Inc.)のような商業的供給者から入手しても良い。
【0031】
単結晶半導体ハンドルウエハ100は、単結晶シリコンを含んでも良い。単結晶半導体ハンドルウエハ100は、例えば、(100)、(110)、または(111)のいずれかのような結晶方位を有しても良く、結晶方位の選択は、末端での使用の構造により規定される。
【0032】
任意的に、表面102、裏面104、または双方は、公知の方法により酸化されても良い。酸化は、熱酸化(堆積された半導体材料膜の幾つかの部分が消費される)またはCVD酸化物堆積のような、公知の手段で行われても良い。表面102、裏面104、または双方の上の酸化層は、少なくとも約1ナノメータの膜厚、例えば約10ナノメータから約5000ナノメータの膜厚、例えば約100ナノメータから約1000ナノメータ、または約200ナノメータから約400ナノメータの膜厚、を有しても良い。幾つかの具体例では、酸化層は、例えば約5オングストロームから約25オングストローム、例えば約10オングストロームから約15オングストロームのように、比較的薄い。薄い酸化層は、SC1/SC2洗浄溶液のような標準洗浄溶液に曝すことで得ることができる。幾つかの具体例では、SC1溶液は、5の脱イオン水、1の水性NH4OH(アンモニウム・ハイドライド、NH329重量%)、および1の水性H2O2(過酸化水素、30%)を含む。幾つかの具体例では、ハンドル基板は、SC2溶液のような酸化剤を含む水溶液に曝すことにより酸化されても良い。幾つかの具体例では、SC2溶液は、5の脱イオン水、1の水性HCl(塩酸、39重量%)、および1の水性H2O2(過酸化水素、30%)を含む。
【0033】
II.1またはそれ以上の絶縁層を含む誘電体層
本発明の方法によれば、
図2に関して、1またはそれ以上の絶縁層(例えば、3またはそれ以上の絶縁層、それらの番号は200、300、400)を含む誘電体層420が、単結晶半導体ハンドル基板100と単結晶シリコンドナー基板500との間に準備される。
図2に関して、限定されない、例示の、多層半導体・オン・絶縁体構造(SOI、例えばシリコン・オン・インシュレータ構造)が記載されている。
図2によれば、SOI構造は、本発明の幾つかの具体例にかかる、例えば酸化物・窒化物・酸化物誘電体層(ONO)のような、3つの絶縁層を含む誘電体層420を含む。幾つかの具体例では、多層半導体・オン・絶縁体構造は、単結晶半導体ハンドル基板100、第1半導体酸化物層200、半導体窒化物層300、第2半導体酸化物層400、および単結晶半導体ドナー基板500を含む。絶縁層の他の構造も、本開示の範囲に入る。例えば、1またはそれ以上の絶縁層が、誘電体層から排除されても良く、または追加の誘電体層が含まれても良い。
図2に関して、接着界面は以下のいずれかであっても良い:(1)第1半導体酸化物層200と半導体窒化物層300との間、(2)半導体窒化物層300と半導体第2酸化物層400との間、および(3)構造が窒化物層を欠く場合は、第1半導体酸化物層200と第2半導体酸化物層400との間。
【0034】
誘電体層420は、
図2に示すようなONO層を含んでも良く、または1またはそれ以上の絶縁材料の層を含む他の構造を含んでも良い。誘電体層420は、単結晶半導体ハンドル基板100の表面上に形成されても良く、または単結晶半導体ドナー基板500の表面上に形成されても良い。更なる具体例では、誘電体層420の一部は、単結晶半導体ハンドル基板100の表面および単結晶半導体ドナー基板500の表面の双方の上に形成された絶縁層により提供されても良い。
【0035】
本発明にかかる誘電体層は、二酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタニウム、酸化バリウム、およびその組み合わせから選択される絶縁性材料を含んでも良い。幾つかの具体例では、誘電体層は、二酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、およびそのいずれかの組み合わせからなるグループから選択される1またはそれ以上の絶縁性材料を含んでも良い。幾つかの具体例では、誘電体層は、少なくとも約10ナノメータの膜厚、例えば約10ナノメータから約10,000ナノメータ、約10ナノメータから約5,000ナノメータ、約50ナノメータから約400ナノメータ、または約100ナノメータから約400ナノメータ、例えば約50ナノメータ、約100ナノメータ、または約200ナノメータの膜厚を有する。
【0036】
幾つかの具体例では、他の構造も本発明の範囲に入るが、誘電体層420は、例えば、
図2に示すように、絶縁性材料の複数の層を含んでも良い。誘電体層は、2つの絶縁体層、3つの絶縁体層、またはそれ以上を含んでも良い。それぞれの誘電体層は、二酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタニウム、酸化バリウム、およびその組み合わせから選択される材料を含んでも良い。幾つかの具体例では、それぞれの誘電体層は、二酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、およびその組み合わせからなるグループから選択される材料を含んでも良い。それぞれの誘電体層は、少なくとも約10ナノメータの膜厚、例えば約10ナノメータから約10,000ナノメータ、約10ナノメータから約5,000ナノメータ、約50ナノメータから約400ナノメータ、または約100ナノメータから約400ナノメータ、例えば約50ナノメータ、約100ナノメータ、または約200ナノメータの膜厚を有しても良い。
【0037】
幾つかの具体例では、誘電体層は、2つの絶縁層を含み、2つの絶縁層は、二酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸窒化シリコン層、そのいずれかの組み合わせを含んでも良い。幾つかの具体例では、誘電体層は、単結晶半導体ドナー基板の表面上に準備された2つの絶縁層を含む。例えば、2つの層は、単結晶半導体ドナー基板(劈開プロセス前)または単結晶半導体デバイス層(劈開プロセス後)の表面と界面接触する二酸化シリコン層、および二酸化シリコン層と界面接触する窒化シリコン層を含む。幾つかの具体例では、誘電体層は、単結晶半導体ハンドル基板の表面上に準備された2つの絶縁層を含む。幾つかの具体例では、誘電体層は2つの絶縁層を含み、その一方は単結晶半導体ハンドル基板の表面上に準備され、他方は単結晶半導体ドナー基板の表面上に準備される。二重誘電体層の中のそれぞれの絶縁層は、少なくとも約10ナノメータの膜厚、例えば約10ナノメータから約10,000ナノメータ、約10ナノメータから約5,000ナノメータ、約50ナノメータから約400ナノメータ、または約100ナノメータから約400ナノメータ、例えば約50ナノメータ、約100ナノメータ、または約200ナノメータの膜厚を有する。
【0038】
幾つかの具体例では、
図2に示すように、誘電体層420は、3つの絶縁層を含む。幾つかの具体例では、3つの絶縁層は、二酸化シリコン層、二酸化シリコン層に界面接触する窒化シリコン層、および窒化シリコン層と界面接触する二酸化シリコン層を含む。幾つかの具体例では、誘電体層は、単結晶半導体ドナー基板の表面上に準備された3つの絶縁層を含む。例えば、誘電体層420は、3つの絶縁層を含み、3つの絶縁層は、単結晶半導体ドナー基板(劈開プロセス前)の表面または単結晶半導体デバイス層(劈開プロセス後)の表面と界面接触した二酸化シリコン層、二酸化シリコン層と界面接触した窒化シリコン層、および窒化シリコン層と界面接触した二酸化シリコン層を含む。幾つかの具体例では、誘電体層は、単結晶半導体ハンドル基板の表面上に準備された3つの絶縁層を含む。幾つかの具体例では、誘電体層は、3つの絶縁層を含み、その1つまたは2つは単結晶半導体ハンドル基板の表面上に準備され、その1つまたは2つは単結晶半導体ドナー基板の表面上に準備される。3層の誘電体層中のそれぞれの絶縁層は、少なくとも約10ナノメータの膜厚、例えば約10ナノメータから約10,000ナノメータ、約10ナノメータから約5,000ナノメータ、約50ナノメータから約400ナノメータ、または約100ナノメータから約400ナノメータ、例えば約50ナノメータ、約100ナノメータ、または約200ナノメータの膜厚を有する。
【0039】
III.流動可能な絶縁層とリフロー可能な絶縁層
幾つかの具体例では、
図1Aおよび
図1Bに示すように、少なくとの一部、即ち誘電体層の1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の絶縁層が、単結晶半導体ハンドル基板100の表面102の上に形成される。幾つかの具体例では、流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120が、単結晶半導体ハンドル基板100の表面102の上に堆積される。幾つかの具体例では、
図1Cに示すように、酸化層、酸窒化層、または窒化層でも良く、追加の絶縁層140が、流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120の上に堆積されても良い。他の具体例では、流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120を含むハンドル基板100は、更なる堆積は行われず、流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120は接着界面として有用であり、これにより、流動可能またはリフロー可能な絶縁層の平坦化特性の長所を有し、これにより接着領域中の粗さ/ボイドを低減する。更なる具体例では、流動可能またはリフロー可能な材料は、単結晶半導体ドナー基板の表面上に堆積しても良い。
【0040】
幾つかの具体例では、流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層は、単結晶半導体ハンドル基板100の表面102の上に堆積しても良い。リフロー可能な絶縁層は、約1000℃より低い温度で流体化する材料を含む。硬化工程は、リフロー可能な材料を含む絶縁層の平坦化および平面化のために用いても良い。膜のリフロー可能な挙動は、ボイドの無い平坦化のための、堆積後の層の加熱により起きる。ドープされた膜は、ガラス遷移温度を下げるための共通の方法である。高温で膜が「リフロー」するのを許容することにより、ボイドが消滅しても良く、追加の接続による接着の強化が期待される。
【0041】
幾つかの具体例では、流動可能な材料を含む絶縁層が、単結晶半導体ハンドル基板100の表面102の上に堆積される。流動可能な絶縁層は、その堆積中に平坦化および平面かする傾向を有し、粗さを低減する。材料の形状に基づいて、堆積した膜の膜厚が変化する。一般に、表面張力は、凹形状で膜が厚くなり、凸領域で膜が薄くなるように働く、流動可能な無くはスピンオンに基づく溶剤により、または低温凝縮反応により堆積しても良い。流動可能な膜は、形状の平坦化および粗さの低減を行う独特の能力を有する。幾つかの具体例では、流動可能な絶縁層は、流動可能な酸化物を含む。流動可能な酸化物は、分解または官能基を持たせるポリマー前駆体を含む。一旦堆積されたポリマーの溶解または活性の長所により、ウエハ表面の上を動く能力を有する。2つの一般的な応用技術、スピンオン誘電体またはCVDが用いられる。
【0042】
幾つかの具体例では、流動可能な絶縁層は、流動可能なシラザンを含む。ポリシラザンは、一般にシリコン原子と窒素原子を交互に含む重合体骨格を含むポリマーである。純粋なアンドープのシリカガラスが必要な場合、流動可能なシラザンは硬化されてNH
3を除去しても良い。好適な分解されたポリシラザン材料は、AZ Electronic Materials、Dow Chemical、およびSigma Aldrichから入手しても良い。好適なスピンオンツールは、Tokyo Electron Limitedから入手しても良い。連続する硬化工程およびアニール工程は、流動可能なシラザンの堆積後が一般的である。例示の流動可能なシラザンの構造は、
図4Aおよび
図4Bに示される。
図4Bは、誘導体化しない流動可能なシラザンを示す。もし全ての物質RはH原子なら、ポリマーは、ペロヒドロポリシラザン、ポリペロヒドロポリシラザン、または無機ポリシラザン([H
2Si-NH]
n)と呼ばれる。
図4Bは、R基で誘導体化された流動可能なシラザンを示す。幾つかの具体例では、R基は、1から12の炭素原子を有するヒドロカルビル、例えば1から12の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロプロピル、ブチル等を含む。幾つかの具体例では、R基は、3から12の炭素原子を有する芳香基、例えば、フェニル、ナフチル等を含む。
【0043】
幾つかの具体例では、流動可能な絶縁層は、流動可能なシルセスキオキサンを含む。シルセスキオキサンは、流動可能な酸化シリコンである。シルセスキオキサンは、化学式が[RSiO
3/2]
n(R=H、アルキル、アリル、またはアルコキシル)であるオルガノシリコンである。幾つかの具体例では、R基は1から12の炭素原子を含むヒドロカルビル、例えば1から12の炭素原子を含むアルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル等である。幾つかの具体例では、R基は、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル等である炭素原子が1から12のアルキルを含む。幾つかの具体例では、R基は、例えばフェニル、ナフチル等のような、3から12の炭素原子を有する芳香基を含む。シルセスキオキサンは、無色の固体であり、鳥かご状またはSi-O-Si結合と四面体のSiを頂点とするポリマー構造である。シルセスキオキサンは、ポリマーであるとともに、6、8、10、および12のSiを頂点とする分子形状として知られている。鳥かごは、それぞれT6、T8、T10、およびT12(T=四面体の頂点)とも呼ばれる。一般には、ケトンまたはシロキザンのようなキャリア媒体中で、水素シルセスキオキサンとして入手できる。好適なシルセスキオキサンは、Dow CorningおよびSigma Aldrichから入手できる。好適なスピンオンツールは、Tokyo Electron Limitedから得られる。例示的な流動可能なシルセスキオキサンの構造は、
図5に示される。
【0044】
幾つかの具体例では、リフロー可能な絶縁層は、ドープされた酸素を含む。幾つかの具体例では、リフロー可能な絶縁層は、りんけい酸ガラス、ほうけい酸ガラス、ほうりんけい酸ガラス(BPSG)、およびその組み合わせからなるグループから選択されるケイ酸塩ガラスを含む。ドープされたガラスは、ガラス遷移温度を下げるために産業界で普通である。膜が高温で「リフロー」するのを許容することで、小さなボイドまたはギャップを埋めても良い。
【0045】
幾つかの具体例では、単結晶半導体ハンドル基板の表面を、酸化物前駆体および/または非酸化物前駆体を含む溶液に接触させることにより、流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120を堆積させる。例えば、シルセスキオキサンは、通常、三機能の有機シリコンモノマー、例えばRSiCl3またはRSi(OMe)3の、加水分解性の凝縮反応から準備される。様々な代替えが、有機体を有する異なった構造または機能改変により得られる。シラザンは、通常、モノマーとして入手でき、また、酸化物に変わる可能性を有する。他の窒化物、カーバイド、およびホウ化物として商業的に入手できる前駆体もある。幾つかの具体例では、流動可能またはリフロー可能な絶縁層120は、約50ナノメータから約1マイクロメータの膜厚、約100ナノメータから約1マイクロメータの膜厚を有する。
【0046】
IV.流動可能またはリフロー可能な絶縁層の硬化
流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120は、アニールして、膜をリフロー、硬化(キュア)、および/または高密化しても良い。流動可能な膜およびリフロー膜の双方は、高密度化することができる。リフロー可能な膜のみが、アニール中に流動化する。(ボロンリンシリケートガラス:BPSGのような)ドープされた酸化物のようなリフロー可能な絶縁層の高密度化の間に、それらは流動化する。特徴的には、リフロー可能な材料のリフローは、表面を平坦化し、それゆえに表面粗さを低減し、表面をより接着しやすくする。
【0047】
流動可能なポリマーのみは、堆積中に流動化し、続く硬化(cure)がその位置にそれを固定する。流動可能な絶縁層の硬化工程は、約5%から約20%の範囲で高密度化する。高密度化アニールは、密度の測定の膜厚を変化させないが、通常、膜が化学的に変化して、これにより化学エッチに対する抵抗を変化させる。流動可能な酸化物絶縁層は、硬化させて、スピンオンプロセスで残った溶液を除去する。更に、アズデポの層は、堆積後には活性であり、硬化はNH、SiN、Si-OおよびSi-Hボンドを再分配する。化学変化の原因となる反応メカニズムは、一般には参加雰囲気である様々な周囲の雰囲気の中で加熱することにより誘起される、流動体の硬化は、重量損失、高密度化、および油田体特性の変化により行われる。特定の応用では、熱酸化に非常に類似するまで、高密度化に興味があるかも知れない。
【0048】
幾つかの具体例では、流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120の硬化は、この層をオゾンに接触させて行っても良い。オゾンは水の中に分解させても良く、または絶縁層120は、オゾン含有雰囲気に露出させても良い。幾つかの具体例では、流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120の硬化は、絶縁層の成分に応じて、約185ナノメータから約256ナノメータの波長を有する光のような、紫外線を絶縁層に照射することにより行っても良い。幾つかの具体例では、流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120は、絶縁層の成分およびドーパント濃度に応じて、例えば約800℃から約1000℃の温度で、その表面に絶縁層を有する単結晶半導体ハンドル基板をアニールすることにより硬化させても良い。
【0049】
流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120の硬化および/または高密度化は、表面粗さを低減しても良い。2マイクロメータかける2マイクロメータでの表面積の2乗平均平方根法による表面粗さRMS
2x2um2は、好適には約2オングストロームより小さく、例えば約1オングストロームから約2オングストロームである。ここで2乗平均平方根は、以下の式により計算される。
【0050】
粗さプロファイルは、トレースに沿った、規則的に等しく離れた点を含み、yiは、中心線からデータ点までの垂直距離である。好適には2オングストロームより小さい表面粗さにおいて、表面は接着または光酸化できる。
【0051】
V.絶縁層のプラズマ堆積
幾つかの具体例では、1またはそれ以上の絶縁層が、プラズマ誘起化学気相堆積のようなプラズマ堆積プロセスにより、単結晶半導体ハンドル基板100の表面上または単結晶半導体ドナー基板の表面上に準備しても良い。幾つかの具体例では、半導体酸化物(例えばシリコン酸化物)を含む絶縁層が、酸素プラズマ処理により堆積される。幾つかの具体例では、半導体窒化物(例えばシリコン窒化物)を含む絶縁層が、窒素プラズマ処理により堆積される。幾つかの具体例では、半導体酸窒化物(例えばシリコン酸窒化物)が、窒素と酸素を含むプラズマ処理により堆積される。広い種類の基板形状が、酸素プラズマ処理および/または窒素プラズマ処理されても良い。
図1Aを参照すると、単結晶半導体ハンドル基板100の表面102が酸素プラズマ処理および/または窒素プラズマ処理されて、これにより半導体酸化物(例えばシリコン酸化物)、半導体窒化物(例えばシリコン窒化物)、または半導体酸窒化物(例えばシリコン酸窒化物)を堆積しても良い。1またはそれ以上の絶縁層が、単結晶半導体ハンドル基板100の表面102の上に堆積されても良い。
図1Bおよび
図1Cを参照すると、流動可能またはリフロー可能な材料を含む絶縁層120または絶縁層140は、酸素プラズマ処理および/または窒素プラズマ処理が行われ、1またはそれ以上の絶縁層を堆積する。本発明の更なる具体例では、1またはそれ以上の絶縁層が、プラズマ堆積により、単結晶半導体ドナー基板の上に堆積しても良い。
【0052】
幾つかの具体例では、酸素プラズマおよび/または窒素プラズマ表面活性化ツールは、EVD(登録商標)810LT低温プラズマ活性化システムのようなEVグループから入手できるような商業的に入手できるツールでも良い。プラズマ誘起CVDチャンバの一般的な必要品は、様々な電極デザインを有するリアクタ、電力供給エレクトロニクス、電力を気体ロードに移すインピーダンスマッチングネットワーク、気体を導入するための舛フローコントローラ、および圧力制御システムである。一般的なシステムは、誘導的に接続されたRFソースにより電力供給される垂直チューブリアクタである。単結晶半導体ハンドル基板100および/またはドナー基板は、チャンバ中に導入され、加熱されたサポートチャンバの上に配置される。チャンバは排気され、アルゴンのようなキャリアガス中の酸素ガスソースおよび/または窒素ガスソースで大気より低い圧力まで再充填され、これによりプラズマを形成する。酸素および/または水は、プラズマ酸化処理のための好ましいソースガスである。アンモニアおよび/または窒素および/または一酸化窒素(NO)および/または酸化二窒素(N2O)ガスは、プラズマ窒化処理のための好適なソースガスである。酸窒化膜は、酸素と窒素のガスソースを含むことにより堆積されても良い。加えて、一酸化窒素または酸化二窒素の使用は、付加的に絶縁層中に酸素を取り込み、これにより酸窒化物膜を堆積する。シリコン窒化物またはシリコン酸化物のプラズマ膜を堆積するために、好適なシリコン前駆体は、中でも、メチルシラン、シリコンテトラハイドライド(シラン)、トリシラン、ジシラン、ペンタシラン、ネオペンタシラン、テトラシラン、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、トリクロロシラン(SiHCl3)、シリコンテトラクロライド(SiCl4)を含む。好適には、Arがキャリアガスとして加えられる。
【0053】
幾つかの具体例では、単結晶半導体ハンドル基板100または単結晶半導体ドナー基板がプラズマ処理されて、半導体窒化物(例えばシリコン窒化物)または半導体酸窒化物(例えばシリコン酸窒化物)を含む絶縁層を堆積する。基板は、追加の層無しにプラズマ堆積されても良い。代わりに、1またはそれ以上の絶縁層が基板上に堆積され、プラズマ誘起CVDが用いられて、他の技術により堆積された絶縁層の上に、追加の絶縁層を堆積しても良い。
【0054】
プラズマ堆積は、半導体窒化物(例えばシリコン窒化物)または半導体酸窒化物(例えばシリコン酸窒化物)の特性を調整するために変化しても良い。例えば、圧力、流量、温度、圧力の相対比、例えばNH3ガスとN2Oガスの比が、プラズマ堆積した窒化層の、シリコンと窒化物の分子比を調整しても良い。加えて、酸素前駆体の含有は、酸素を取り込んで、酸窒化層を準備する。幾つかの具体例では、プラズマ堆積は、シリコンと窒素の前駆体を含む雰囲気で起き、これによりハンドル基板および/またはドナー基板の上にシリコン窒化物層を堆積する。窒化物の堆積に十分な期間の後、酸素前駆体が雰囲気に導入され、これにより酸窒化物が堆積される。ハンドル半導体酸窒化物層中の酸素濃度は、傾斜に従って変化しても良く、ここでは、酸素濃度はハンドル半導体窒化物層との界面で低く、ハンドル半導体窒化物層の表面から垂直方向に増加しても良い。酸窒化物層の堆積に十分な期間の後、窒化物前駆体の剥がれは形成され、シリコン前駆体と酸素ガスソースのみを用いて堆積が続けられ、これにより例えばシリコン酸化物のような半導体酸化物を含む絶縁層を堆積しても良い。幾つかの具体例では、誘電体層は、半導体窒化物(例えばシリコン窒化物)または半導体酸窒化物(例えばシリコン酸窒化物)を含むプラズマ技術により堆積しても良い。幾つかの具体例では、誘電体層は、半導体窒化物(例えばシリコン窒化物)層、半導体酸窒化物(例えばシリコン酸窒化物)層、および半導体酸化物(例えばシリコン酸化物)層を含むプラズマ技術により堆積しても良い。特徴的には、複数の絶縁層を含む誘電体層のプラズマ堆積は、連続して、即ち中断無しに、プロセスガスの比および同一性を変えることにより行われても良い。
【0055】
プラズマ堆積された半導体窒化物(例えばシリコン窒化物)、半導体酸窒化物(例えばシリコン酸窒化物)、または半導体酸化物(例えばシリコン酸化物)は、約0.01Torrから約100Torrの圧力、例えば約0.1Torrから約1Torrで形成されても良い。プラズマ堆積は、約20℃から約400℃の温度で行われても良い。約500オングストロームから約10,000オングストロームの膜厚を有する絶縁層が、約100オングストローム/分から約1000オングストローム/分の速度で、PECVDで堆積されても良い。
【0056】
気体のシリコン前駆体と気体の窒素前駆体の流量比は、約1/200から約1/50、例えば約1/100でも良い。それらの比は、約0.7から約1.8の窒化物に対する酸化物のモル比を有するシリコン窒化物を形成する。酸素含有種、例えば酸素またはNOを加えることにより、プラズマプロセスで酸素が取り込まれても良い。プラズマ堆積中の酸素の追加は、傾斜の形で変化する成分を有する誘電体層の堆積を可能にし、例えば誘電体層は、半導体酸化物(例えばシリコン酸化物)の酸素濃度を増加して、半導体窒化物(例えばシリコン窒化物)から半導体酸窒化物(例えばシリコン酸窒化物)に変化しても良い。
【0057】
絶縁層の屈折率は、約1.2から約3まで、例えば約1.4から約2、または約1.5から約2の範囲で調整しても良い。ポストプロセスアニールおよびシリコン酸化物SiO2の化学気相堆積は、さらに接着界面または膜の水素成分の調整を可能にする。ハンドル基板およびドナー基板の間の接着は、2マイクロメータかける2マイクロメータでの表面積RMS2x2um2の2乗平均平方根法により、約5オングストロームより小さい粗さから恩恵を受ける。一般に、これは、制御された誘導的に結合されたプラズマおよび粗さの閾値より低くバイアス電力を下げたプラズマ堆積中で達成できる。約5オングストローム以下の粗さを有するプラズマ堆積膜で、成功した層転写が行われた。
【0058】
シリコン酸窒化物は、化学式SixOyNzを有する成分の材料を含む。アモルファス状態で、x、y、zの値はSiO2(シリコン酸化物)とSi3N4(シリコン窒化物)との間で連続して変化しても良い。このように、シリコン酸窒化物層中で、yおよびzの値はいずれも0より大きい。公知の結晶状態のシリコン酸窒化物はSiON2である。幾つかの具体例では、シリコン酸窒化物は、傾斜形態で堆積され、膜の成分およびそれゆえに膜の屈折率は、傾斜形態で変化しても良い。幾つかの具体例では、シリコン酸窒化物は、酸素前駆体(例えば酸素、水、N2O)を、シリコン前記体および窒素前駆体、例えばアンモニアを含むプラズマ堆積雰囲気中に徐々に導入することにより、シリコン窒化物膜の上に堆積しても良い。NH3:N2Oの比は変化しても良く、堆積中に徐徐に低くなり、シリコン酸窒化物層中の酸素成分を徐々に増やしても良い。幾つかの具体例では、傾斜したシリコン酸窒化物層を堆積した後に、全ての窒素前駆体はプラズマ堆積雰囲気から除去されて、雰囲気はシリコン前駆体と酸素前駆体を含み、これによりシリコン酸窒化層の上に二酸化シリコン層の堆積を可能にする。幾つかの具体例では、シリコン酸窒化物膜の屈折率の範囲は、シリコン窒化物の2.0から二酸化シリコンの1.45まで変化しても良い。
【0059】
プラズマから形成されるシリコン窒化物は、従来の化学気相堆積技術または物理気相堆積技術により堆積するシリコン窒化物から構造的に区別される。従来のCVDまたはPVD堆積では、一般に、化学量論的なSi3N4を有するシリコン窒化物層となる。プラズマプロセスが制御され、導入反応物質ガスの比、電力レベル、基板温度、および全体のリアクタ圧力に依存して、SixNyHzのような成分を有する膜を堆積させる。プラズマシステムの経路は、Si-N、Si=N、およびSi≡Nボンドを形成するために存在する。これは、プラズマエネルギーが、SixHz、およびNyHzの種を形成するためのハンマーであるという事実による。例えば、屈折率および光学ギャップが、Si/N比とともに大きく変化する。より高いシラン濃度では、膜はSiリッチになり、屈折率は(LPCVDの2に対して)3.0に達するようになる。影響される他の特性は、誘電率、ブレイクダウン、機械的、および化学的(エッチング速度)を含む。
【0060】
VI.接着構造の準備
図2を参照して、ここに記載された方法により準備された単結晶半導体ハンドル基板100、例えば単結晶シリコンハンドルウエハのような単結晶半導体ハンドルウエハは、次に、従来の層移転方法により準備された、例えば単結晶半導体ドナーウエハのような半導体ドナー基板500に接着される。単結晶半導体ドナー基板500は、単結晶半導体ウエハでも良い。好適な具体例では、半導体ウエハは、シリコン、シリコンカーバイド、シリコンゲルマニウム、砒化ガリウム、窒化ガリウム、燐化インジウム、インジウムガリウム砒素、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料を含む。最終的な集積回路デバイスの所望の特性に応じて、単結晶半導体(例えばシリコン)ドナーウエハ500は、ホウ素(p型)、ガリウム(p型)、アルミニウム(p型)、インジウム(p型)、燐(n型)、アンチモン(n型)、および砒素(n型)のような電気的に活性なドーパントを含んでも良い。単結晶半導体(例えばシリコン)ドナーウエハの抵抗率は、1から50オームcm、一般には5から25オームcmでも良い。単結晶半導体ドナーウエハ500は、酸化、注入、および注入後の洗浄を含む標準プロセス工程を行っても良い。このように多層半導体構造の準備に従来使用される材料からなる単結晶半導体ウエハのような、エッチング、研磨および任意的に光学的酸化が行われた、半導体ドナー基板500、例えば単結晶シリコンドナーウエハは、イオン注入が行われて、ドナー基板中にダメージ層が形成される。
【0061】
幾つかの具体例では、単結晶半導体ドナー基板500は、誘電体層を含む。誘電体層は、単結晶半導体ドナー基板500の表面上に形成された1またはそれ以上の絶縁層を含んでも良い。幾つかの具体例では、誘電体層420は、例えば
図2に示すような複数の絶縁材料の層を含むが、他の形態も、本発明の範囲内に入る。それぞれの絶縁層は、二酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタニウム、酸化バリウム、およびその組み合わせから選択される絶縁性材料を含んでも良い。幾つかの具体例では、それぞれの絶縁層は、二酸化シリコン、窒化シリコン、および酸窒化シリコンからなるグループから選択される材料を含んでも良い。それぞれの絶縁層は、少なくとも約10ナノメータの膜厚、例えば約10ナノメータから約10,000ナノメータ、約10ナノメータから約5,000ナノメータ、約50ナノメータから約400ナノメータ、または約100ナノメータから約400ナノメータ、例えば約50ナノメータ、100ナノメータ、または200ナノメータの膜厚でも良い。
図2に示すように、誘電体層420は3つの層を含む。層の1つ、2つ、または3つは、単結晶半導体ハンドル基板100の上に形成しても良い。層の1つ、2つ、または3つは、単結晶半導体ドナー基板500の上に形成しても良い。更に、層の1つまたは2つは、単結晶半導体ハンドル基板100の上に形成し、層の1つまたは2つは、単結晶半導体ドナー基板500の上に形成しても良い。
【0062】
幾つかの具体例では、単結晶半導体ドナー基板500(例えば単結晶シリコンドナー基板)の表面は、熱酸化されて(そこでは、堆積された半導体材料膜の幾つかの部分が消費され)、半導体酸化物膜が準備され、または半導体酸化物(例えば二酸化シリコン)膜が、CVD酸化物堆積により成長させても良い。幾つかの具体例では、単結晶半導体ドナー基板500の表面は、上述と同じ方法で、ASM A400のような炉の中で熱酸化しても良い。幾つかの具体例では、単結晶半導体ドナー基板500が酸化されて、表面層の上に、少なくとも1ナノメータの膜厚、約10ナノメータの膜厚、例えば約10ナノメータから約10,000ナノメータの膜厚、例えば約10ナノメータから約5,000ナノメータの膜厚、または約100ナノメータから約400ナノメータの膜厚の酸化層を提供する。幾つかの具体例では、単結晶半導体ドナー基板500の上の酸化物層は比較的薄く、例えば約5オングストロームから約25オングストローム、例えば約10オングストロームから約15オングストロームである。薄い酸化物層、例えばSC1/SC2洗浄液のような標準洗浄液に曝すことで得られる。
【0063】
イオン注入は、例えばApplied Materials Quantum II、Quantum LEAP、Quantum Xのような商業的に入手できる装置中で行われても良い。注入イオンは、He、H、H2およびその組み合わせを含む。イオン注入は、半導体ドナー基板中に損傷を形成するのに十分な密度および期間行われる。注入密度は、約1012イオン/cm2から約1017イオン/cm2、例えば約1015イオン/cm2から約1016イオン/cm2である。注入エネルギーは、約1keVから約3,000keV、例えば約10keVから約3,000keVでも良い。注入エネルギーは、約1keVから約3,000keV、例えば約5keVから約1,000keV、または約5keVから約200keV、または約5keVから約100keV、または約5keVから約80keVでも良い。注入深さは最終SOI構造中の、単結晶半導体デバイス層の膜厚を決定する。イオンは、約100オングストロームから約30,000オングストロームの深さ、例えば、約200オングストロームから約20,000オングストローム、例えば約2000オングストロームから約15,000オングストローム、または約15,000から約30,000オングストロームの深さに注入されても良い。幾つかの具体例では、例えば単結晶シリコンドナーウエハのような単結晶半導体ドナー基板は、注入後に洗浄される。幾つかの好適な具体例では、洗浄は、ピラニア洗浄と、それに続くDI水リンスおよびSC1/SC2洗浄を含む。
【0064】
本発明の幾つかの具体例では、He+、H+、H2+、およびその組み合わせのイオン注入により形成された注入領域をその中に有する単結晶半導体ドナー基板500は、単結晶半導体ドナー基板中で、熱的に活性化された劈開面を形成するのに十分な温度でアニールされる。好適なツールの例示は、単純な箱形炉、例えばBlue M modelである。幾つかの好適な具体例では、イオン注入された単結晶半導体ドナー基板は、約200℃から約350℃、約225℃から約325℃、好適には約300℃の温度でアニールされる。熱アニールは、約2時間から約10時間、例えば約2時間から約8時間の期間行われても良い。それらの温度範囲での熱アニールは、熱的に活性な劈開面を形成するのに十分である。劈開面を活性化するための熱アニールの後に、単結晶半導体ドナー基板の表面は、洗浄されるのが好ましい。
【0065】
幾つかの具体例では、イオン注入された、任意的に洗浄された、および任意的にアニールされた、単結晶半導体ドナー基板に、酸素プラズマおよび/または窒素プラズマの表面活性化が行われる。幾つかの具体例では、酸素プラズマ表面活性化ツールは、例えばEVG(登録商標)810LT低温プラズマ活性化システムのような、EVグループから入手できるような、商業的に入手可能なツールである。イオン注入され、任意的に洗浄された単結晶半導体ドナー基板は、チャンバに入れられる。チャンバは排気されて、大気圧より小さい圧力までO2が再充填され、これによりプラズマを形成する。単結晶半導体ドナーウエハは、所望の時間このプラズマに曝されて、この時間は、約1秒から約120秒でも良い。酸素プラズマ表面酸化は、単結晶半導体ドナー基板の表面を親水性にし、上述の方法により準備された単結晶半導体ハンドル基板との接着を改良するために行われる。
【0066】
単結晶半導体ドナー基板500の親水性の表面、および単結晶半導体ハンドル基板100の表面は、次に密着させて、これにより接着構造を形成する。本発明の方法では、単結晶半導体ドナー基板500の表面および単結晶半導体ハンドル基板100の表面のそれぞれの表面は、1またはそれ以上の絶縁層を含んでも良い。絶縁層は、接着構造の誘電体層を形成する。
図2を参照すると、例示的な誘電体層420が示されている。記載されたように、接着構造の誘電体層420は、第1酸化物層200、窒化物層300、第2酸化物層400を含んでも良い。さらなる形態は、本開示の範囲内に入る。
【0067】
機械的な接着は比較的弱いため、更にアニールを行い、接着構造は単結晶半導体ドナー基板400と、エピタキシャル層200および多結晶シリコン電荷トラッピング層300を含む単結晶半導体ハンドル基板100との間の接着を固くしてもよい。本発明の幾つかの具体例では、接着構造は、単結晶半導体ドナー基板中の熱的に活性化された劈開面を形成するのに十分な温度でアニールされる。好適なツールの例は、例えばBlue M modelのような単純な箱形炉でも良い。幾つかの具体例では、接着構造は、約200℃から約400℃、約300℃から約400℃、例えば約350℃から約400℃の温度でアニールされる。
【0068】
幾つかの具体例では、アニールは、約0.5MPaから約200MPa、例えば約0.5MPaから約100MPa、例えば約0.5MPaから約50MPa、または約0.5MPaから約10MPa、または約0.5MPaから約5MPaのような比較的高い圧力で行われる。従来の接着方法では、温度はオートクレーブにより制限される。これは、注入面において、プレートレットの圧力が、外部の静水圧を超えた場合に起きる。このように、従来のアニールは、オートクレーブのために、約350℃から約400℃の間の接着温度に制限されても良い。注入および接着の後に、ウエハは互いに弱く保持される。しかしながら、ウエハの間のギャップは、気体の浸透は脱離を妨げるのに十分である。弱い接着は処理により強化できるが、注入中に形成された空洞は気体により満たされる。加熱すると、空洞中の気体が加圧される。注入量に依存するが、圧力は0.2~1GPaに達すると見積もられる(Cherkashinら、J. Appl. Phys. 118, 245301 (2015))。圧力が限界値を超えた場合、層は剥離する。これは、自動劈開(autocleave)または熱劈開(thermal cleave)と呼ばれる。これは、アニール中のより高い温度またはより長い時間になるのを防止する。本発明の幾つかの具体例では、接着は、例えば約0.5MPaから約200MPa、例えば約0.5MPaから約100MPa、例えば約0.5MPaから約50MPa、または約0.5MPaから約10MPa、または約0.5MPaから約5MPaの加圧で起こり、これにより加熱温度での接着を可能にする。幾つかの具体例では、接着構造は、約300℃から約700℃、約400℃から約600℃、例えば約400℃から約450℃、または約450℃から約600℃でさえも、または約350℃から約450℃の温度でアニールされる。サーマルバジェットの増加は、接着強度に良い影響を有する。熱アニールは、約0.5時間から約10時間、例えば約0.5時間から約3時間、好適には約2時間、行われても良い。それらの温度範囲での熱アニールは、熱的に活性化された劈開面を形成するのに十分である。従来の接着アニールでは、ハンドルウエハとドナーウエハの双方の縁が、ロールオフにより離れる、この領域では、層の移転が起きない。これはテラスと呼ばれる。加圧接着は、このテラスの低減が期待され、SOI層をより外に縁に向かって拡張する。そのメカニズムは、圧縮される空気のトラップポケットと外部のジッパリング(zippering)に基づく。劈開面を活性化する熱アニールの後に、接着構造は劈開されても良い。
【0069】
熱アニールの後、単結晶半導体ドナー基板500と単結晶半導体ハンドル基板100との間の接着は、劈開面で接着構造を劈開して層移転を開始するのに十分に強い。劈開は、公知の技術により行われても良い。幾つかの具体例では、接着構造は、従来の劈開ステーション中に配置されて、接着構造の一側面上に固定された吸盤が固定され、他の側面上にヒンジアームの上の追加の吸盤により固定されても良い。クラックは、吸盤の取り付け近傍で始まり、可動なアームがヒンジの回りで旋回し、ウエハを劈開して分離する。劈開は、半導体ドナーウエハの一部を除去し、これにより、好適には半導体オン絶縁層混合構造の上に、単結晶半導体デバイス層600を残す。
図3参照。
【0070】
劈開の後、劈開された構造は、移転されたデバイス層600と単結晶半導体ハンドル基板100との間の接着を更に強化するため、高温アニールを行っても良い。好適なツールの例は、例えばAMS A400のような垂直炉である。幾つかの好適な具体例では、接着された構造は、約1000℃から約1200℃の温度、好適には約1000℃の温度でアニールされる。熱アニールは、約0.5時間から約8時間、好適には約4時間、行われても良い。それらの温度範囲内での熱アニールは、移転されたデバイス層と単結晶半導体ハンドル基板との間の接着を強化するのに十分である。
【0071】
劈開と高温アニールの後、接着構造は、薄い熱酸化物を除去し、表面から粒子を洗浄するために設計された洗浄プロセスが行われる。幾つかの具体例では、キャリアガスとしてH2を用いた水平流ウエハエピタキシャルリアクタ中での気相HClエッチプロセスにより、単結晶半導体デバイス層は、所定も膜厚になり、平坦化される。幾つかの具体例では、半導体デバイス層600は、約20ナノメータから約3マイクロメータの膜厚、例えば約20ナノメータから約2マイクロメータの膜厚、例えば約20ナノメータから約1.5マイクロメータの膜厚を有しても良い。
【0072】
幾つかの具体例では、エピタキシャル層は、移転された単結晶半導体デバイス層600の上に堆積されても良い。堆積されたエピタキシャル層は、下層の単結晶半導体デバイス層600と実質的に同じ電気的特性を含んでも良い。代わりに、エピタキシャル層は、下層の単結晶半導体デバイス層600と異なる電気的特性を含んでも良い。エピタキシャル層は、シリコン、シリコンカーバイド、シリコンゲルマニウム、砒化ガリウム、窒化ガリウム、燐化インジウム、インジウムガリウム砒素、ゲルマニウム、およびそれらの組み合わせからなる組から選択される材料を含む。最終的な集積回路デバイスの所望の特性に依存して、エピタキシャル層は、ホウ素(p型)、ガリウム(p型)、アルミニウム(p型)、インジウム(p型)、燐(n型)、アンチモン(n型)、および砒素(n型)のような電気的に活性なドーパントを含んでも良い。エピタキシャル層の抵抗率は、1から50オームcm、一般には5から25オームcmでも良い。幾つかの具体例では、エピタキシャル層は、約20ナノメータから約3マイクロメータの膜厚、例えば約20ナノメータから約2マイクロメータ、例えば約20ナノメータから約1.5マイクロメータまたは約1.5マイクロメータから約3マイクロメータの膜厚を有しても良い。
【0073】
最終SOIウエハは、単結晶半導体ハンドル基板100、誘電体層420、および半導体デバイス層600を含み、続いて、最終的な測定検査を行った後、典型的なSC1-SC2プロセスを用いて最後に洗浄される。
【0074】
本発明を詳細に述べたが、添付の請求の範囲で規定される本発明の範囲から離れることなく、修正や変形が可能であることは明らかである。
【0075】
本発明またはその好適な具体例での要素の紹介において、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、および「その(said)」は、1またはそれ以上の要素があることを意味することを意図する。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は、包括的で、列挙された要素以外にも追加の要素があっても良いことを意味する。
【0076】
上記観点から、本発明の多くの目的が達成され、他の有利な結果が達成されることが分かる。
【0077】
本発明の範囲から離れることなく、上述の製品および方法で様々な変更が可能であり、上記記載に含まれおよび添付の図面に示された全ての問題は、記載された通りに解釈され、限定された概念としては解釈すべきでないことが意図される。