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特許7003038医療用軟質容器及びそれを用いた栄養供給システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-05
(45)【発行日】2022-01-20
(54)【発明の名称】医療用軟質容器及びそれを用いた栄養供給システム
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/10 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
A61J1/10 333A
A61J1/10 330Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018533555
(86)(22)【出願日】2017-08-09
(86)【国際出願番号】 JP2017029015
(87)【国際公開番号】W WO2018030497
(87)【国際公開日】2018-02-15
【審査請求日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】P 2016157988
(32)【優先日】2016-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153030
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エム・エス
(73)【特許権者】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】幸 毅彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 葉子
(72)【発明者】
【氏名】上原 康賢
(72)【発明者】
【氏名】国重 隆彦
(72)【発明者】
【氏名】小野 松太郎
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-028652(JP,A)
【文献】登録実用新案第3190299(JP,U)
【文献】特開昭62-201154(JP,A)
【文献】特開2011-078737(JP,A)
【文献】特開2012-010741(JP,A)
【文献】特表平8-512013(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0102245(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0137996(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部の内面に、エンボス加工が施されており、
各指挿入部のうちの、前記容器本体部の、外側に面する部分を外側シートと称し、内側に面する部分を内側シートと称することとすると、
前記外側シートと前記内側シートの互いに向かい合う面の双方に前記エンボス加工が施されており、
前記外側シートに形成されたエンボス加工による第1凸部と、前記内側シートに形成されたエンボス加工による第2凸部とが、接しており、
前記第1凸部及び前記第2凸部は、線状凸部であり、
前記第1凸部の長手方向と前記第2凸部の長手方向が相互に異なり、
前記第1凸部と前記第2凸部のうちの、一方が前記医療用軟質容器の幅方向に配向している、医療用軟質容器。
【請求項2】
各指挿入部の内面のうちの、少なくとも指の挿入開始側において、エンボス加工が施されている、請求項1に記載の医療用軟質容器。
【請求項3】
前記第1凸部及び前記第2凸部は、直線状凸部である、請求項1又は2に記載の医療用軟質容器。
【請求項4】
前記第1凸部と前記第2凸部のうちの、他方が前記医療用軟質容器の上下方向に配向している、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用軟質容器。
【請求項5】
前記第1凸部の長手方向が、前記医療用軟質容器の幅方向に配向している、請求項1から4のいずれか一項に記載の医療用軟質容器
【請求項6】
前記内側シート及び前記外側シートの双方に縦長孔が形成されており、
前記縦長孔は、前記内側シートと前記外側シートの両方の幅方向同位置に形成され、
一方の指挿入部に片手の親指を挿入し、他方の指挿入部に前記片手の前記親指以外の指を挿入して1対の指挿入部を相互に遠ざけたときに、前記縦長孔を谷部として1対の指挿入部がくの字状に屈曲する、請求項1から5のいずれか一項に記載の医療用軟質容器。
【請求項7】
各指挿入部の少なくとも指の挿入開始側において、前記挿入開始側端から離れる方向に向かって、ひだ折り部が形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用軟質容器。
【請求項8】
前記ひだ折り部は、前記外側シートに形成されている、請求項7に記載の医療用軟質容器。
【請求項9】
前記ひだ折り部は、各指挿入部の頂部に形成されている、請求項7に記載の医療用軟質容器。
【請求項10】
前記外側シートと前記内側シートは1枚の連続したシートからなる、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用軟質容器。
【請求項11】
前記外側シート及び前記内側シートのうちの少なくとも一方について、医療用軟質容器の外側又は内側に向かって屈曲した屈曲部を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用軟質容器。
【請求項12】
各指挿入部の上縁部と下縁部は、各々、前記外側シートと前記内側シートとが接合された上縁接合部と下縁接合部とを含み、
前記外側シートと前記内側シートの上下方向の長さが相互に異なる、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療用軟質容器。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の医療用軟質容器を含む栄養供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用軟質容器及びこれを用いた栄養供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
経口によらずに患者に栄養や薬剤を投与する方法の一例として経腸栄養法又は静脈栄養法が知られている。経腸栄養法では、患者の鼻腔から胃又は十二指腸にまで通されたチューブを介して栄養剤、流動食、又は薬剤などの液状物が投与される。また、静脈栄養法では、患者の静脈に挿入された輸液回路を介してブドウ糖などの栄養成分及び/又は薬剤成分を含む液状物(一般に「輸液」と呼ばれる)が投与される。
【0003】
経腸栄養法又は静脈栄養法を行う際には、患者に投与する液状物を空の医療用軟質容器に予め注入する作業が必要である。
【0004】
従来のパウチ容器の一例は、充填部に繋がる開口部が容器上部の表面シートと裏面シートとの間に形成された容器であり、表面シートと裏面シートの上部に、各々、シートが2重になっており内部に空間を有する袋状部を備える。袋状部は充填部から隔離された内部空間と、当該内部空間へ指を挿入するための挿入口を備えている。挿入口は、例えば、幅方向に開いた開口部であり、袋状部を構成する表面シートの幅方向一端には、当該開口部を広げ易くするために、平面視が半円状の切り欠きが形成されている(特許文献1)。
【0005】
特許文献1には、特許文献1に開示のパウチ容器では、親指と人差し指が袋状部内にすっぽりと挿入されるため、充填物(液状物)が指にかかることを防止でき、且つ、開口部を広げながら容器を安定的に保持できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-28652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来のパウチ容器では、挿入口への指の挿入性について、更なる改善が望まれる。
【0008】
本発明は、指挿入部への挿入性が良好な医療用軟質容器及び、当該医療用軟質容器を用いた栄養供給システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の医療用軟質容器の一例は、第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部の内面に、エンボス加工が施されている。
【0010】
本発明の医療用軟質容器の別の例は、第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部の少なくとも指の挿入開始側端及びその近傍において、指の挿入開始側端から、前記挿入開始側端から離れる方向に向かって、ひだ折り部が形成されている。
【0011】
本発明の医療用軟質容器の別の例は、第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部のうちの、前記容器本体部の外側に面する部分を外側シートと称し、前記容器本体部の内側に面する部分を内側シートと称することとすると、
前記外側シートと前記内側シートは1枚の連続したシートからなる。
【0012】
本発明の医療用軟質容器の別の例は、第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部のうちの、前記容器本体部の外側に面する部分を外側シートと称し、前記容器本体部の内側に面する部分を内側シートと称することとすると、
前記外側シート及び前記内側シートのうちの少なくとも一方について、医療用軟質容器の外側又は内側に向かって屈曲した屈曲部を含む。
【0013】
第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部のうちの、前記容器本体部の外側に面する部分を外側シートと称し、前記容器本体部の内側に面する部分を内側シートと称することとすると、
各指挿入部の上縁部と下縁部は、各々、前記外側シートと前記内側シートとが接合された上縁接合部と下縁接合部とを含み、
前記外側シートと前記内側シートの上下方向の長さが相互に異なる。
【0014】
本発明の栄養供給システムは、本発明の医療用軟質容器を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、指挿入部への挿入性が良好な医療用軟質容器、及び当該医療用軟質容器を含む栄養供給システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の医療用軟質容器の一例の正面図である。
図2図2は、図1に示された医療用軟質容器の背面図である。
図3図3は、図1に示された医療用軟質容器の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。
図4図4は、図1に示された医療用軟質容器の開口部を開口させた状態を説明した図面である。
図5図5は、図1に示された医療用軟質容器の部分拡大図である。
図6図6は、図2に示された医療用軟質容器の部分拡大図である。
図7図7は、図1に示された医療用軟質容器の部分拡大図である。
図8図8は、本発明の医療用軟質容器の他の一例の正面図である。
図9図9は、図8に示された医療用軟質容器の背面図である。
図10図10は、図8に示された医療用軟質容器の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。
図11図11は、本発明の医療用軟質容器の他の一例の正面図である。
図12図12は、本発明の医療用軟質容器の他の一例の背面図である。
図13図13は、図11に示された医療用軟質容器の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。
図14図14は、本発明の医療用軟質容器の他の一例の正面図である。
図15図15は、本発明の医療用軟質容器の他の一例の背面図である。
図16図16は、図14に示された医療用軟質容器の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。
図17図17は、図16に示した医療用軟質容器の部分拡大図である。
図18図18は、屈曲部の他の例を説明する図である。
図19図19は、本発明の医療用軟質容器の他の一例の正面図である。
図20図20は、本発明の医療用軟質容器の他の一例の背面図である。
図21図21は、図19に示された医療用軟質容器の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。
図22図22は、本発明の医療用軟質容器の他の一例の正面図である。
図23図23は、本発明の医療用軟質容器の他の一例の背面図である。
図24図24は、図22に示された医療用軟質容器の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。
図25図25は、本発明の栄養供給システムの一例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、更に以下[1]~[28]を開示する。
【0018】
[1] 第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部の内面のうちの、少なくとも指の挿入開始側端及びその近傍において、エンボス加工が施されている、医療用軟質容器。
[2] 各指挿入部の内面のうちの、少なくとも指の挿入開始側において、エンボス加工が施されている、前記[1]に記載の医療用軟質容器。
[3] 各指挿入部のうちの、前記容器本体部の外側に面する部分を外側シートと称し、前記容器本体部の内側に面する部分を内側シートと称することとすると、
前記外側シートと前記内側シートの互いに向かい合う面の少なくとも一方にエンボス加工が施されている、前記[1]又は[2]に記載の医療用軟質容器。
[4] 前記外側シートと前記内側シートの互いに向かい合う面の双方にエンボス加工が施されており、
前記外側シートに形成されたエンボス加工による第1凸部の頂面と、前記内側シートに形成されたエンボス加工による第2凸部の頂面とが、接している、前記[3]に記載の医療用軟質容器。
[5] 前記第1凸部及び前記第2凸部は、直線状凸部であり、
前記第1凸部の長手方向と前記第2凸部の長手方向が相互に異なる、前記[4]に記載の医療用軟質容器。
[6] 第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部の少なくとも指の挿入開始側において、前記挿入開始側端から離れる方向に向かって、ひだ折り部が形成されている、医療用軟質容器。
[7] 各指挿入部のうちの、前記容器本体部の、外側に面する部分を外側シートと称し、内側に面する部分を内側シートと称することとすると、
前記ひだ折り部は、前記外側シートに形成されている、前記[6]に記載の医療用軟質容器。
[8] 前記ひだ折り部は、各指挿入部の頂部に形成されている、前記[6]に記載の医療用軟質容器。
[9] 第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部のうちの、前記容器本体部の外側に面する部分を外側シートと称し、前記容器本体部の内側に面する部分を内側シートと称することとすると、
前記外側シートと前記内側シートは1枚の連続したシートからなる、医療用軟質容器。
[10] 第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部のうちの、前記容器本体部の外側に面する部分を外側シートと称し、前記容器本体部の内側に面する部分を内側シートと称することとすると、
前記外側シート及び前記内側シートのうちの少なくとも一方について、医療用軟質容器の外側又は内側に向かって屈曲した屈曲部を含む、医療用軟質容器。
[11] 前記屈曲部の長手方向が前記指挿入部の幅方向と平行である、前記[10]に記載の医療用軟質容器。
[12] 前記屈曲部が、前記指挿入部の全幅に渡って形成されている、前記[11]に記載の医療用軟質容器。
[13] 前記屈曲部は、前記外側シート及び前記内側シートのうちの少なくとも一方に、溝を形成することによって形成された薄肉部である、前記[12]に記載の医療用軟質容器。
[14] 第1面部と第2面部とを含む容器本体部を含んだ医療用軟質容器であって、
前記容器本体部は、
液状物を収容可能とする収容部と、
前記収容部よりも上方に配置され、前記第1面部と前記第2面部の上部が、各々、幅方向から指を受容可能とする内部空間を有する指挿入部とを含み、
各指挿入部のうちの、前記容器本体部の外側に面する部分を外側シートと称し、前記容器本体部の内側に面する部分を内側シートと称することとすると、
各指挿入部の上縁部と下縁部は、各々、前記外側シートと前記内側シートとが接合された上縁接合部と下縁接合部とを含み、
前記外側シートと前記内側シートの上下方向の長さが相互に異なる、医療用軟質容器。
[15] 前記容器本体部の両側部のうちの、前記指挿入部の指の挿入開始側に近い側部の辺が曲っていることによって、1対の指挿入部の幅が収容部の幅よりも狭い、前記[1]から[14]のいずれかに記載の医療用軟質容器。
[16] 前記指挿入部の指の挿入開始側において、前記外側シート及び前記内側シートのうちのいずれか一方に切り欠き部が形成されている、前記[3]から[5]、[7]から[14]のいずれかに記載の医療用軟質容器。
[17] 各指挿入部の上縁部と下縁部は、各々、前記外側シートと前記内側シートとが接合された上縁接合部と下縁接合部とを含み、
前記切り欠き部は、前記上縁接合部との間、及び、前記下縁接合部との間に、各々、前記外側シートの一部が残るように、前記指挿入部の指の挿入開始側の端部に形成されている、前記[16]に記載の医療用軟質容器。
[18] 前記切り欠き部の輪郭を構成する辺は、略U字状であり、
前記U字状の底部の辺は、前記医療用軟質容器の底側へ向かう方向に沿って、挿入開始側端からの距離が漸次大きくなる方向に傾斜している、前記[17]に記載の医療用軟質容器。
[19] 前記内側シート及び前記外側シートのうちの少なくとも一方に孔が形成されており、一方の指挿入部に片手の親指を挿入し、他方の指挿入部に前記片手の前記親指以外の指を挿入して1対の指挿入部を相互に遠ざけたときに、前記孔を谷部として1対の指挿入部がくの字状に屈曲する、前記[3]から[5]、[7]から[14]、[16]から[18]のいずれかの項に記載の医療用軟質容器。
[20] 前記孔は、各指挿入部に挿入された指の先端よりも、より前記指挿入部の指の挿入開始側の近くに形成されている、前記[19]に記載の医療用軟質容器。
[21] 前記孔は、前記指挿入部の指の挿入開始端から前記収容部の全幅の3分の2よりも近い位置に形成された、前記[19]又は[20]に記載の医療用軟質容器。
[22] 前記孔は、長手方向が容器本体部の上下方向に沿った縦長孔である、前記[19]から[21]のいずれかに記載の医療用軟質容器。
[23] 前記孔の上端部の輪郭は円弧状であり、前記上端部より下方の部分は、孔の幅が下端から上端部に向かって漸次広くなっている、前記[19]から[22]のいずれかに記載の医療用軟質容器。
[24] 前記孔は、前記収容部を幅方向に2等分する垂直中心線の延長線上に形成された、前記[19]から[23]のいずれかに記載の医療用軟質容器。
[25] 前記容器本体部の下端に排出口が形成されており、
前記排出口の中心軸と前記垂直中心線の延長線とが一致する、前記[24]に記載の医療用軟質容器。
[26] 前記孔は、前記内側シートと前記外側シートの両方の幅方向同位置に形成された、前記[19]から[25]のいずれか一項に記載の医療用軟質容器。
[27] 前記孔は、前記医療用軟質容器の吊り下げ用孔を兼ねる、前記[26]に記載の医療用軟質容器。
[28] 前記[1]から[27]のいずれかに記載の医療用軟質容器を含む栄養供給システム。
【0019】
以下、本発明の医療用軟質容器の具体例について、図面を用いて説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1は、本発明の医療用軟質容器の一例の正面図であり、図2は、図1に示された医療用軟質容器1の背面図であり、図3は、医療用軟質容器1の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。図4は、医療用軟質容器1の開口部を開口させた状態を説明した図面であり、図5図7は、医療用軟質容器1の部分拡大図である。以下の説明の便宜のため、図1の紙面の上下方向を医療用軟質容器の「上下方向」、当該「上下方向」と直交する方向を「幅方向」と言う。「上下方向」は、医療用軟質容器の中心軸の長手方向と等しい。
【0021】
図1図7に示された医療用軟質容器1は、容器本体部2と、容器本体部2の排出口26に固定された排出用ポート5とを含む。容器本体部2は、液状物を収容するための収容部21と、収容部21の上方に配置された1対の指挿入部221,222(以下「指挿入部221」は、「第1指挿入部221」と、「指挿入部222」は「第2指挿入部222」とも言う。)と、を含む。
【0022】
容器本体部2は、第1面部3と第2面部4の外周縁部のうちの3辺が相互に熱接着(ヒートシール)等されることにより形成された周縁接合部23を備えており、容器本体部2の上部における第1面部3と第2面部4の間に、収容部21につながる開口部24を有する。収容部21内に液状物が充填される際、開口部24は収容部21よりも上に位置する。第1面部3と第2面部4には、各々、収容部21に注入される液状物の量を確認するための目盛りが表示されている。
【0023】
容器本体部2の内面のうちの、指挿入部221,222よりも下方には、収容部21を、収容部21の外側に対して開閉自在とするジップ25(再開閉自在とする係合部、別名「チャックシール」とも言う。)を備えている。ジップ25は、従来から公知の方法にて成形できる。
【0024】
図3からよく分かるように、第1面部3は、相対的に面積が大きい第1シート31と、第1シート31よりも面積が小さく、第1シート31のジップ25よりも上側の内面に熱接着等により接合された第1内側シート31aと、を含む。第1内側シート31aは、幅方向からの指の挿入を可能とするために、幅方向に開いた開口を少なくとも1つ形成するように、少なくとも、その上縁部と下縁部とが第1シート31に接合されている。
【0025】
ここで、第1シート31のうちの指挿入部221を構成する部分を第1外側シート31bと称することとすると、第1面部3は、収容部21よりも上方に配置され、第1内側シート31aと第1外側シート31bとを含み、幅方向から第1内側シート31aと第1外側シート31bと間に指を挿入可能とする第1指挿入部221を含む。第1指挿入部221を構成する第1内側シート31aと第1外側シート31bの上下方向の長さは等しいので、第1内側シート31aと第1外側シート31bは、相互に弛むことなく積層されている。図1等に示されるように、第1指挿入部221の上縁部と下縁部は、各々、第1外側シート31bと第1内側シート31aとが接合された第1上縁接合部221cと第1下縁接合部221dとを含む。
【0026】
一方、図3からよく分かるように、第2面部4は、相対的に面積が大きい第2シート41と、第2シート41よりも面積が小さく、第2シート41のジップ25よりも上側の内面に接合された第2内側シート41aとを含む。第2内側シート41aは、幅方向からの指の挿入を可能とするために、幅方向に開いた開口を少なくとも1つ形成するように、少なくとも、その上縁部と下縁部とが第2シート41に接合されている。
【0027】
ここで、第2シート41のうちの指挿入部222を構成する部分を第2外側シート41bと称することとすると、第2面部4は、収容部21よりも上方に配置され、第2内側シート41aと第2外側シート41bとを含み、幅方向から第2内側シート41aと第2外側シート41bと間に指を挿入可能とする第2指挿入部222を含む。第2指挿入部222を構成する第2内側シート41aと第2外側シート41bの上下方向の長さは等しいので、第2内側シート41aと第2外側シート41bは、相互に弛むことなく積層されている。図2等に示されるように、第2指挿入部222の上縁部と下縁部は、各々、第2外側シート41bと第2内側シート41aとが接合された第2上縁接合部222cと第2下縁接合部222dとを含む。
【0028】
尚、以下、「第1内側シート」と「第2内側シート」をともに「内側シート」と略称し、「第1外側シート」と「第2外側シート」をともに「外側シート」と略称する場合がある。また、「第1上縁接合部」と「第2上縁接合部」をともに「上縁接合部」と略称し、「第1下縁接合部」と「第2下縁接合部」をともに「下縁接合部」と略称する場合がある。
【0029】
図7に示されるように、第1外側シート31bの内面(第1内側シート31aに向かい合う面)には、エンボス加工がされていることにより、第1内側シート31a側に突出した第1凸部32eが形成されている。一方、第1内側シート31aの内面(第1外側シート31bに向かい合う面)には、エンボス加工がされていることにより、第1外側シート31b側に突出した第2凸部32fが形成されている。
【0030】
第1凸部32eは、長手方向が医療用軟質容器1の幅方向と一致する線状凸部であり、第1外側シート31bの内面には、複数の第1凸部32eが、幅方向に沿って等間隔で形成されている。一方、第2凸部32fは、長手方向が医療用軟質容器1の上下方向と一致する線状凸部であり、第1内側シート31aの内面には、複数の第2凸部32fが、上下方向に沿って等間隔で形成されている。そして、図7に示されるように、例えば、第1凸部32eの長手方向と第2凸部32fの長手方向とが直交し、且つ、第1凸部32eの頂面321eと第2凸部32fの頂面321fとが当接する位置関係で、第1外側シート31bと第1内側シート31aとが重ね合わされている。そのため、第1外側シート31bと第1内側シート31aとは、製袋の過程で相互に密着することが抑制されるとともに、両者の間にわずかながら隙間が存在することとなるため、指挿入部221への指の挿入性が向上している。製袋過程における、第1凸部32eと第2凸部32fの位置合わせは、各凸部が線状であり、一方が幅方向に配向し、他方が上下方向に配向しているので、容易に行える。
【0031】
同様に、第2外側シート41bの第2内側シート41aに向かい合う面にも線状の第1凸部が形成され、第2内側シート41aの第2外側シート41bに向かい合う面にも線状の第2凸部が形成されているので、指挿入部222への指の挿入性も向上している。
【0032】
図1に示されるように、第1指挿入部221の第1内側シート31aと第1外側シート31bの各々に、容器本体部2の上下方向に沿った縦長孔6b、6aが形成されている。第1縦長孔6b、6aは、医療用軟質容器1の幅方向同位置に形成されている。図2に示されるように、第2指挿入部222の第2内側シート41aと第2外側シート41bの各々にも、容器本体部2の上下方向に沿った第2縦長孔7b、7aが形成されている。第2縦長孔7b、7aは、医療用軟質容器1の幅方向同位置に形成されている。尚、以下、「第1縦長孔」と「第2縦長孔」をともに「縦長孔」と略称する場合がある。また、本願において「縦長孔」は、上下方向の長さの方が、幅方向の長さよりも長い孔を言う。
【0033】
ジップ25等の開閉手段による収容部21の閉じた状態が解除された医療用軟質容器1に対して、図4に示されるように、第1指挿入部221に例えば片手の指の親指を挿入し、第2指挿入部222に例えば前記片手の指の親指以外の指(例えば人差し指)を挿入し、第1指挿入部221と第2指挿入部222を相互に引き離すために、当該親指と人差し指とを各々遠ざければ、第1指挿入部221及び第2指挿入部222に、各々、縦長孔が形成されていることによって、縦長孔を谷部として1対の指挿入部221、222が、各々、くの字状に屈曲する。そのため、指に対するシートの追従性が良く、開口部24が大きく開くので、開口部24の開口操作が行い易い。開口部24を開いた状態では、液状物の収容部21への注入方向からみて、開口部24は、例えば、略ひし形となる。また、図1図7に示された医療用軟質容器1では、内側シート及び外側シートの両方に孔が形成されているため、指に対するシートの追従性が向上しているだけでなく、指の可動域が広くなっており、故に、開口部24がより大きく開きやすく、開口部24の開口操作がより行い易い。
【0034】
指挿入部221、222における第1縦長孔6b、6a及び第2縦長孔7b、7aの形成位置については、指挿入部221、222内に挿入された指によって、指挿入部221、222が、各々、孔を谷部として、くの字状に屈曲する限りにおいて特に制限はない。指挿入部221、222内に挿入された指の先端は、各々、第1縦長孔6b、6a、第2縦長孔7b、7aに達していなくてもよいが、例えば、第1縦長孔6b、6a及び第2縦長孔7b、7aのうちの少なくとも一方が、指挿入部221、222に挿入された指の先端よりも、より指挿入部221、222の指の挿入開始側端221a、222aの近くに形成されていると好ましく、第1縦長孔6b、6a及び第2縦長孔7b、7aの両方が、指挿入部221、222に挿入された指の先端よりも、より指挿入部221、222の指の挿入開始側端221a、222aの近くに形成されているとより好ましい。また、例えば、縦長孔は、指挿入部221、222の指の挿入開始端221a、222aから収容部21の全幅の3分の2よりも近い位置に形成されていると好ましく、収容部21の全幅の2分の1の位置に形成されているとより好ましい。
【0035】
図4では、第1指挿入部221に挿入された親指は、第1縦長孔6bを貫通して第1外側シート31bから第1指挿入部221の外側に突き出ており、第1縦長孔6bの輪郭を構成する第1外側シート31bが指の上に乗っている。第2指挿入部222に挿入された前記片手の指の親指以外の指(例えば人差し指)は、第2縦長孔7bを貫通して第2外側シート41bから第2指挿入部222の外側に突き出ており、第2縦長孔7bの輪郭を構成する第2外側シート41bが指の上に乗っている。そのため、指の稼働域がより広がるため、開口部24をより一層大きく開くことができ、開口部24の開口操作がより一層行い易い。また、第1縦長孔6b及び第2縦長孔7bの輪郭線を構成する外側シートが指の上に乗っているので、液状物の収容部21への注入の最中に、収容部21が重くなっても、医療用軟質容器1の保持が安定的に行える。指挿入部221、222に挿入される指のうちのいずれか一方のみが、縦長孔を貫通するように、指挿入部に縦長孔が形成されていてもよい。
【0036】
図1図7に示した形態では、第1外側シート31b及び第2外側シート41bのみならず、第1内側シート31a及び第2内側シート41aにも縦長孔が形成されており、しかも、第1指挿入部の縦長孔と第2指挿入部の縦長孔が、医療用軟質容器1の幅方向同位置に形成されているので、医療用軟質容器の製造過程において、第1指挿入部の縦長孔と第2指挿入部の縦長孔の両方を切断により同時に形成でき、医療用軟質容器の生産性が向上し、好ましい。
【0037】
図1及び図2に示されるように、第1縦長孔6a,6b及び第2縦長孔7a,7bの上端部の輪郭は円弧状である。そして、上端部より下方の部分は、孔の幅が下端から上端部に向かって漸次広くなっている。そのため、図4に示されるように、第1指挿入部221と第2指挿入部222とを相互に引き離した際に、第1指挿入部221と第2指挿入部222は、縦長孔6a,7aから露出した指を、第1内側シート31a及び第2内側シート41aによって開口部24に対して隠すように屈曲する。従って、第1内側シート31a及び第2内側シート41aに縦長孔6a,7aが形成されていても、第1内側シート31a及び第2内側シート41aの縦長孔6a,7aの近傍の部分によって、指がほぼ覆い隠され、指が、開口部24から実質的に隔離され、液状物の汚染も抑制される。
【0038】
収容部21に液状物が注入されると、縦長孔を貫通した指に指挿入部を構成するシートが指に押さえつけられ、その結果、特に、縦長孔の開口のうちの上側部分の幅が狭くなる。指へのシートの追従性を向上させたり、指の可動域を広げるためには、縦長孔の開口部分の幅は広い方が好ましい。そのため、指へのシートの追従性を向上させたり、又は指の可動域を広げて、開口部の開口操作を向上させる観点から、図1及び図2に示されるように、縦長孔の開口のうちの上側部分が下側部分よりも相対的に面積が大きい方が好ましい。また、第1内側シート31a及び第2内側シート41aの縦長孔6a,7aの近傍の部分によって、開口部24に対して指をほぼ覆い隠すようにして、指の液状物による汚染を抑制する観点から、縦長孔の開口のうちの下側部分が上側部分よりも相対的に面積が小さい方が好ましい。
【0039】
縦長孔を吊り下げ孔として利用する場合、液状物の重さによる負荷を分散する観点から、円弧のRは大きい方が好ましく、例えば、5mm以上10mm以下であると好ましい。
【0040】
第1面部3及び第2面部4の材料について特に制限はなく、医療用軟質容器1の製造に用いられる従来公知の軟質プラスチックシートが使用できる。具体的には、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレン-メタクリレート共重合体等からなる単層シート、又は上記単層シートが積層された積層シートが挙げられる。積層シートの具体的層構成としては、例えば、ナイロン/ポリエチレン、ナイロン/ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン,ポリプロピレン/ポリエチレン、ナイロン/ポリプロピレン/ポリエチレン等が挙げられる。軟質プラスチックシートの厚さは、例えば、0.01mm以上0.3mm程度である。
【0041】
排出用ポート5は、例えば、管状である。排出用ポート5は、容器本体部2内外を、連通可能とするように、排出口26において、第1面部3と第2面部4に挟まれて、容器本体部2に固定されている。
【0042】
排出口26及び排出用ポート5は、収容部21を幅方向に2等分する垂直中心線Aの延長線上に配置されている。排出用ポート5の容器本体部2への固定は、排出口26において、第1シート31と第2シート41との間に排出用ポート5に配置して、第1シート31と第2シート41の外周縁部同士を熱接着させることで行える。
【0043】
排出用ポート5の材料としては、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンナフタレート、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、ポリエチレン等が挙げられる。
【0044】
排出口26及び排出用ポート5が、垂直中心線Aの延長線上に配置されている場合、第1縦長孔6a,6b及び第2縦長孔7a,7bも、垂直中心線Aの延長線上に形成すれば、第1縦長孔6a,6b及び第2縦長孔7a,7bは、医療用軟質容器1をスタンド等へ吊り下げるための吊り下げ用孔を兼ねることもできる。
【0045】
容器本体部2の幅方向両側部のうちの、指挿入部221、222の指の挿入開始側端221a、222aを含む側部の辺が曲っていることによって、指挿入部221、222の幅を収容部21の幅よりも狭くなっている。そのため、垂直中心線Aの延長線上に第1縦長孔6a,6b及び第2縦長孔7a,7bを設けつつ、挿入開始側端221a、222aから第1縦長孔6a,6b及び第2縦長孔7a,7bまでの距離を、指挿入部221、222に挿入された指のうちの、少なくとも一方を縦長孔に到達させ、好ましくは両方を縦長孔に到達させ、更に好ましくは少なくとも一方を縦長孔を貫通させて外側シートから指挿入部の外側に突き出させ、更により好ましくは両方を縦長孔を貫通させて外側シートから指挿入部の外側に突き出させることが可能なように設定し易い。
【0046】
垂直中心線Aの延長線と第1縦長孔6a,6b及び第2縦長孔7a,7bの中心軸とが一致する場合、挿入開始側端221a、222aから、第1縦長孔及び第2縦長孔の中心軸までの距離は、開口部24の開口操作性と医療用軟質容器1の保持性の向上の観点から、好ましくは40mm以上80mm以下であり、より好ましくは40mm以上60mm以下である。
【0047】
第1指挿入部221、第2指挿入部222の指の挿入開始側端221a、222a及びその近傍において、第1外側シート31bと第2外側シート41bに第1切り欠き部32、第2切り欠き部42が形成されており、第1切り欠き部32、第2切り欠き部42から、各々、第1内側シート31aと第2内側シート41aの内側面が露出している。そのため、第1指挿入部221の内部空間221g、第2指挿入部222の内部空間222gへの指の挿入が行い易くなっている。
【0048】
第1切り欠き部32、第2切り欠き部42の上下方向の最大長は、各指挿入部内における指の可動域を確保する観点から、各々、第1縦長孔6a,6b、第2縦長孔7a,7bの上下方向の最大長よりも大きく、そして、第1縦長孔6a,6b及び第2縦長孔7a,7bの上下方向位置は、第1切り欠き部32及び第2切り欠き部42のそれと、完全に一致していると好ましい。
【0049】
図5に示されるように、第1切り欠き部32は、各々、第1上縁接合部221cとの間、及び、第1下縁接合部221dとの間に、各々、第1外側シート31bの一部が残るように第1外側シート31bに形成されている。そのため、液状物の収容部21への注入最中等に、第1外側シート31bのうちの、第1上縁接合部221c及び第1下縁接合部221dに隣接する部分に、液状物の重さによる負担が集中することが抑制されている。同様の理由から、図6に示されるように、第2切り欠き部42も、各々、第2上縁接合部222cとの間、及び、第2下縁接合部222dとの間に、各々、第2外側シート41bの一部が残るように、第2指挿入部222の指の挿入開始側端222a及びその近傍に形成されている。
【0050】
図5に示されるように、第1切り欠き部32の輪郭線のうちの、前記「第1外側シート31bの一部」に対応する部分32a(上側輪郭開始端部),32b(下側輪郭開始端部)を、第1切り欠き部32の幅方向と平行であるか又は実質的に平行とすれば、「第1外側シート31bの一部」は、第1指挿入部221内への指の挿入方向を規制しつつ、より奥への指の挿入を許容する、第1上側ガイド部221e及び第1下側ガイド部221fとして機能するので、好ましい。同様の理由から、図6に示されるように、第2切り欠き部42の輪郭線の一部分42a(上側輪郭開始端部),42b(下側輪郭開始端部)を第2切り欠き部42の幅方向と平行であるか又は実質的に平行とし、第2外側シート41bが、第2上側ガイド部222e及び第2下側ガイド部222fを備えていると好ましい。
【0051】
図5及び図6に示されるように、縦長孔6b、7bの頂部61、71は、輪郭線の一部分32a、42aよりも僅かに下に配置されていると、指挿入部221,222に挿入され、縦長孔6b、7bから指挿入部221,222の外側に突き出した指の上に外側シート31b,41bが乗りやすく、液状物の収容部21内への注入の最中に、当該指で、医療用軟質容器1の良好な姿勢の担保が行い易く、好ましい。
【0052】
切り欠き部32、42の輪郭線は、部分32a、42aに隣接して、医療用軟質容器1の底側へ向かう方向に沿って、挿入開始側端221a、222aからの距離が漸次大きくなる方向に傾斜した傾斜線32c、42cを含んでいると、指挿入部221、222内へ指をより深く挿入でき好ましい。
【0053】
切り欠き部32、42の輪郭線において、部分32b、42bと傾斜線32c、42cが、弧状線32d、42dによって繋がれていると、切り欠き部32、42の輪郭線のうちの傾斜線32c、42cの下部付近に、液状物の重みによる負荷が集中することが抑制されるので、好ましい。したがって、切り欠き部32、42を平面視すると、その輪郭線は、略U字状であり、U字状の底部の部分は、医療用軟質容器1の底側へ向かう方向に沿って、挿入開始側端221a、222aからの距離が漸次大きくなる方向に傾斜していると、好ましい。
【0054】
図1図7を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、各指挿入部を構成する、内側シート31a,41aと外側シート31b,41bの互いに向かい合う面の双方に双方に、エンボス加工が施されており、第1凸部と第2凸部とが当接している。そのため、内側シートと外側シートとの間の隙間が、内側シートの内面と外側シートの内面うちのいずれか一方のみにエンボス加工が施されている場合よりも大きく、指の挿入性の向上に効果的であるので好ましいが、本発明は、この態様に限定されず、内側シートと外側シートのうちのいずれか一方のみにエンボス加工が施された態様も包含する。
【0055】
図1図7を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、本発明は、第1凸部の頂面と第2凸部の頂面とが当接する限り、各凸部の形状、長手方向等は、特に限定されない。例えば、第1凸部と第2凸部がともに直線状凸部であり、第1凸部の長手方向と第2凸部の長手方向が相互に異なっていれば、製袋過程において、両者の位置合わせにより両凸部の頂面を容易に当接させることができる。
【0056】
図1図7を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、第1凸部と第2凸部は、各々、外側シートの内面の全領域、内側シートの内面の全領域に形成されている。しかし、製袋の過程で外側シートと内側シートとが相互に密着することが抑制され、外側シートと内側シートの間にわずかながら隙間が存在することとなって、指の挿入性が向上するのであれば、各指挿入部の内面の何れの箇所に、エンボス加工が施こされていてもよい。指挿入部への指の挿入性の向上の観点から、各指挿入部の内面のうちの、少なくとも指の挿入開始側端及びその近傍に、エンボス加工がなされていると好ましい。
【0057】
図1図7を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、第1指挿入部の縦長孔と第2指挿入部の縦長孔は、生産性の向上の観点から、医療用軟質容器1の幅方向同位置に形成されており、第1指挿入部の縦長孔の輪郭と第2指挿入部の縦長孔の輪郭は、医療用軟質容器1の厚み方向から見て完全に一致しているが、これらは、医療用軟質容器1の上下方向および幅方向の少なくなくとの一方において、ずれていてもよい。
【0058】
図1図7を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、収容部21内外の連通を可能とする手段が、ジップ(チャックシール)等の係合部であるが、指挿入部221、222による開口部24の開口操作、開口状態の維持、及び液状物の収容部21への注入操作性が妨げられない限り、前記手段は従来から公知の他の手段であってもよい。
【0059】
図1図7を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、排出口26に固定された排出用ポート5を備えているが、本発明の医療用軟質容器は、排出用ポートを備えない状態で取引されてもよい。
【0060】
第1面部3と第2面部4には、各々、収容部21に注入される液状物の量を確認するための目盛りが表示されているので、特に、収容部21に注入される液状物が不透明である場合に、利き手のいかんにかかわらず医療用軟質容器を使用できるため好ましい。しかし、目盛りは、第1面部3のみ又は第2面部4のみに表示されていてもよい。
【0061】
図1図7を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、外側シート31b,41bが、各々、第1シート31、第2シート41の一部であるが、これに代えて、内側シート31a,41aが、第1シート31、第2シート41の一部であり、外側シート31b,41bが、第1シート31、第2シート41とは別のシートであってもよい。
【0062】
図1図7を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、外側シート31b,41bは、各々、第1シート31、第2シート41の一部であるが、収容部21を構成するシートとは別個に用意されたシートであり、熱接着等により、収容部21を構成するシートと接合されていてもよい。
【0063】
図1図7を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、外側シート31b,41bと、内側シート31a,41aは、各々、別個に用意されたシートであるが、外側シートと内側シートは、1枚の連続したシートであってもよい。
【0064】
図1図7を用いて説明した本発明の医療用軟質容器の一例では、指操作部221、222に形成された孔は、縦長孔であり、医療用軟質容器の保持の安定的が向上するという理由から、好ましくは指の太さ程度の幅の開口を有する縦長孔であるが、指挿入部を構成するシートの指に対する追従性の向上に寄与するのであれば、孔は、真円、横長孔、三角形、逆三角形、四角等であってもよい。
【0065】
本発明の医療用軟質容器の一例は、従来から公知のパウチ容器の製造方法により製造できるが、生産性の向上の観点から、例えば、図1図7に示した医療用軟質容器1は、下記方法により製造できる。
【0066】
まず、第1シート31の長尺体、第2シート41の長尺体、第1内側シート31aの長尺体、第2内側シート41aの長尺体、及びジップ25の長尺体を各々用意する。
【0067】
次いで、第1シート31の長尺体と第2シート41の長尺体とを、その長手方向に搬送しながら互いに重ね合わせ、第1シート31の長尺体と第2シート41の長尺体の間に、第1内側シート31aの長尺体、第2内側シート41aの長尺体、及びジップ25の長尺体を,各々、所定の位置に挿入する(積層工程)。
【0068】
次いで、各長尺体同士が所定の位置で適切に接合されるようにヒートシールして、各長尺体の一体化物を形成する(接合工程)。具体的には、周縁接合部23、上縁接合部221c、222c、下縁接合部221d、222dとなる箇所を形成し、ジップ25の長尺体を第1シート31の長尺体と第2シート41の長尺体の双方に接合する。
【0069】
次いで、複数の容器本体部を作製するように、一体化物を切断する(切断工程)。当該切断工程において、縦長孔を形成する。また、本発明の医療用軟質容器の製造方法の他の一例では、前記積層工程、接合工程、及び切断工程に加えて、排出用ポート5を熱接着により容器本体部2の排出口26に固定する工程を更に含む。
【0070】
外側シートに切り欠き部が形成された形態では、積層工程の最中かあるいは積層工程の前に、第1シートの長尺体と第2シートの長尺体の各々の所定の位置に、切り欠き部となりうる孔を形成すればよい。
【0071】
(実施形態2)
図8は本発明の医療用軟質容器の他の一例の正面図であり、図9図8に示した医療用軟質容器10の背面図であり、図10は、医療用軟質容器10の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。図8図10において、同一名称の部材については,図1図7を用いて説明した医療用軟質容器1の場合と同一の符号を付しており、その詳細説明は省略する。
【0072】
図8から図10に示されるように、医療用軟質容器10には、指挿入部221、222を構成する外側シート31b、41bと内側シート31a,41aには、エンボス加工がされておらず、第1凸部及び第2凸部に代えて、各々、ひだ折り部81、82が形成されている。ひだ折り部81、82は、各々、指挿入部の外側に向かって突出したひだ山を有する。ひだ折り部81、82は、各々、指挿入部221、222の少なくとも指の挿入開始側において、挿入開始側端221a,222aから離れる方向に向かって形成されている。より具体的には、ひだ折り部81、82は、各々、外側シート31b、41bの切り欠き部32、42から、下縁接合部221d、222dに向かって形成されており、ひだ折り部81、82のひだ幅は、下縁接合部221d、222dに向かって狭くなっている。
【0073】
指挿入部221、222に、ひだ折り部81、82が形成されているので、外側シート31b、41bと内側シート31a,41aが、製袋の過程で相互に密着することが抑制されるとともに、両者の間にわずかながら隙間が存在することとなるため、指挿入部221、222への指の挿入性が向上している。
【0074】
尚、図8図10を用いて説明した例では、ひだ折り部81、82は、指挿入部221、222を構成する外側シート31b、41bに形成されているが、内側シート31a、41aに形成されていてもよい。
【0075】
(実施形態3)
図11は本発明の医療用軟質容器の他の一例の正面図であり、図12図11に示した医療用軟質容器11の一例の背面図であり、図13は、医療用軟質容器11の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。図11図13において、同一名称の部材については,図1図7を用いて説明した医療用軟質容器1の場合と同一の符号を付しており、その詳細説明は省略する。
【0076】
医療用軟質容器11には、指挿入部221、222を構成する外側シート31b、41bと内側シート31a,41aには、エンボス加工がされておらず、第1凸部及び第2凸部に代えて、ひだ折り部83、84が形成されている。ひだ折り部83、84は、各々、指挿入部の内側に向かって突出したひだ山を有する。ひだ折り部83、84は、各々、指挿入部221、222の頂部において、指挿入部221、222の全幅に渡って形成されている。ひだ折り部83、84のひだ幅は、指挿入部221、222の全幅に渡って一定である。
【0077】
本実施形態においても実施形態2と同様に、指挿入部221、222に、ひだ折り部83、84が形成されているので、外側シート31b、41bと内側シート31a,41aが、製袋の過程で相互に密着することが抑制されるとともに、両者の間にわずかながら隙間が存在することとなるため、指挿入部221、222への指の挿入性が向上している。
【0078】
(実施形態4)
図14は本発明の医療用軟質容器の他の一例の正面図であり、図15図14に示した医療用軟質容器12の背面図であり、図16は、医療用軟質容器12の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図であり、図17は、医療用軟質容器12の部分拡大図である。図14図17において、同一名称の部材については,図1図7を用いて説明した医療用軟質容器1の場合と同一の符号を付しており、その詳細説明は省略する。
【0079】
図14図16に示されるように、医療用軟質容器12には、指挿入部221、222を構成する外側シート31b、41bと内側シート31a,41aには、エンボス加工がされておらず、第1凸部及び第2凸部に代えて、外側シート31b、41bの各々に、医療用軟質容器10の内側(内側シート31a,41a側)に向かって屈曲した屈曲部85,86が形成されている。また、指挿入部221に、指挿入部よりも上側に吊り下げ用孔9が設けられている。
【0080】
屈曲部85,86は、その長手方向が指挿入部221,222の幅方向と平行であり、指挿入部221,222の全幅に渡って形成されている。屈曲部85,86は、例えば、図17に示されるように、外側シート31b、41bの屈曲部85,86の他の部分よりも厚みが薄くなった薄肉部であり、例えば、先端が鋭利ではないピン等で、外側シート31b、41bの外側面を押さえつけ、溝を形成することにより形成できる。このように、外側シート31b、41bが屈曲部85、86を含んでいると、外側シート31bと内側シート31aの間、及び外側シート41bと内側シート41aとの間に、各々、隙間が生じ易く、故に、指挿入部221,222への指の挿入が行い易い。
【0081】
図14図16を用いて説明した例では、屈曲部85,86が、外側シートに薄肉部を設けることにより形成されているが、図18に示されるように、例えば、外側シート31bとして2枚のシート311b、312bを接合したものを用い、外側シート41bとして2枚のシート411b、412bを接合したものを用い、当該2枚のシートの接合部313b、413bの内側端を屈曲部としてもよい。
【0082】
尚、屈曲部85,86が、外側シート及び内側シートのうちの少なくとも一方に形成されていればよい。屈曲部85,86を、外側シートと内側シートの両方に形成する場合は、外側シートの屈曲部の屈曲方向と、内側シートの屈曲部の屈曲方向が異なっていると好ましく、又は、外側シートの屈曲部と、内側シートの屈曲部が、相互に、医療用軟質容器の厚み方向に重ならない位置に形成されていると好ましい。
【0083】
指挿入部221には、指挿入部よりも上側に吊り下げ用孔9が設けられているが、これに代えて、図1図7を用いて説明した医療用軟質容器1と同様に、指挿入部221、222の両方に、吊り下げ孔をして使用できる縦長孔等の孔を形成してもよい。
【0084】
(実施形態5)
図19は本発明の医療用軟質容器の他の一例の正面図であり、図20図19に示した医療用軟質容器13の背面図であり、図21は、医療用軟質容器13の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。図19図21において、同一名称の部材については,図1図7を用いて説明した医療用軟質容器1の場合と同一の符号を付しており、その詳細説明は省略する。
【0085】
図21からよく分かるように、医療用軟質容器13では、指挿入部221、222の外側シート31b、41bと内側シート31a,41aが1枚の連続したシートから形成されており、指挿入部221、222の頂部において、当該連続したシートが折り曲げられている。本実施形態は、実施形態1の医療用軟質容器1における、第1上縁接合部221c及び第2上縁接合部222cは備えていない。そのため、外側シート31bと内側シート31aの間、及び外側シート41bと内側シート41aとの間に、各々、隙間が生じ易く、故に、指挿入部221,222への指の挿入が行い易い。
【0086】
(実施形態6)
図22は本発明の医療用軟質容器の他の一例の正面図であり、図23図22に示した医療用軟質容器14の背面図であり、図24は、医療用軟質容器14の指挿入部の内側シートと外側シートとを離した状態を示した図である。図22図24において、同一名称の部材については,図14図16を用いて説明した医療用軟質容器12の場合と同一の符号を付しており、その詳細説明は省略する。
【0087】
図24からよく分かるように、医療用軟質容器14では、各指挿入部221,222の上縁部と下縁部が、各々、外側シート31b、41bと内側シート31a,41aとを接合した上縁接合部221c,222cと下縁接合部221d,222dとを含んでいる。そして、外側シートと内側シートのうちの互いに接合していない部分においては、外側シート31b,41bの上下方向の長さが、内側シート31a,41aの上下方向の長さよりも長い。そのため、外側シートが対応する内側シートに対して弛むので、外側シート31bと内側シート31aの間、及び外側シート41bと内側シート41aとの間に、各々、隙間が生じ易く、故に、指挿入部221,222への指の挿入が行い易い。
【0088】
外側シートと内側シートのうちの互いに接合していない部分においては、内側シート31a,41aの上下方向の長さの方が、外側シート31b,41bの上下方向の長さよりよりも長くてもよい。この場合、内側シートが対応する外側シートに対して弛む。このような形態でも、外側シート31bと内側シート31aの間、及び外側シート41bと内側シート41aとの間に、各々、隙間が生じ易く、故に、指挿入部221,222への指の挿入が行い易い。
【0089】
図8から図24を用いて説明した医療用軟質容器では、指挿入部221、222を構成する外側シートと内側シートに、エンボス加工がされていないか、又は、エンボス加工をすることについて明記していないが、これらの実施形態の医療用軟質容器についても、外側シートおよび内側シートのいずれか一方又は双方に、エンボス加工がされていてもよい。
【0090】
次に、本発明の医療用軟質容器の一例を含む経腸栄養供給システムの一例について説明する。
【0091】
図25に示されるように、本発明の医療用軟質容器の一例である医療用軟質容器1は、例えば、経腸栄養供給システム50等の栄養供給システムの構成部品として使用される。経腸栄養供給システム50は、例えば、排出用ポート5に接続された可撓性チューブ51と、可撓性チューブ51を押圧して可撓性チューブ51内を流れる液状物の流量を調節するための流量調整器52、点滴筒53、コネクタ54、コネクタカバー55等を含む。しかし、本発明の経腸栄養供給システムは、図25に示された構成に限定されるものではなく、従来公知の経腸栄養供給システムが備える構成部品をさらに含んでいてもよい。
【0092】
本発明の医療用軟質容器の他の一例である医療用軟質容器10~14についても、医療用軟質容器1と同様に、経腸栄養供給システム50等の栄養供給システムの構成部品として使用される。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明では、経腸栄養法においても好適に使用される医療用軟質容器及びそれを用いた栄養供給システムを提供できる。
【符号の説明】
【0094】
1,10,11,12,13,14 医療用軟質容器
2 容器本体部
21 収容部
221,222 指挿入部
221a、222a 指挿入部の指の挿入開始側端
221c 第1上縁接合部
221d 第1下縁接合部
221g 指挿入部の内部空間
222c 第2上縁接合部
222d 第2下縁接合部
222g 指挿入部の内部空間
23 周縁接合部
24 開口部
25 ジップ
26 排出口
3 第1面部
31 第1シート
31a 第1内側シート
31b 第1外側シート
32 第1切り欠き部
32a,32b 第1切り欠き部の輪郭線の一部分
32c 傾斜線
32d 弧状線
32e 第1凸部
321e 第1凸部の頂面
32f 第2凸部
321f 第2凸部の頂面
4 第2面部
41 第2シート
41a 第2内側シート
41b 第2外側シート
42 第2切り欠き部
42a,42b 第2切り欠き部の輪郭線の一部分
42c 傾斜線
42d 弧状線
5 排出用ポート
6a,6b 第1縦長孔
7a,7b 第2縦長孔
81,82,83,84 ひだ折り部
85,86 屈曲部
9 吊り下げ用孔
50 経腸栄養供給システム
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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