(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】シャント抵抗及びこれを含む電流検出装置
(51)【国際特許分類】
G01R 15/00 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
G01R15/00 500
(21)【出願番号】P 2020501821
(86)(22)【出願日】2019-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2019003452
(87)【国際公開番号】W WO2019190144
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2018-0035972
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ミン、キョン-チューン
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-212297(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0314827(US,A1)
【文献】実開昭50-092275(JP,U)
【文献】特開2017-076709(JP,A)
【文献】実開昭59-191673(JP,U)
【文献】特開2009-266977(JP,A)
【文献】特開2012-155949(JP,A)
【文献】特開2017-208475(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/187575(US,A1)
【文献】特開2005-136339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 15/00-17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気伝導性材質からなり、相互所定の距離だけ離隔して備えられた二つのバスバーと、
電気伝導性材質からなり、前記二つのバスバーのうち一側に備えられた第1バスバーに装着されるように構成された第1連結部材と、
電気伝導性材質からなり、前記二つのバスバーのうち他側に備えられた第2バスバーに装着されるように構成された第2連結部材と、を備え、
前記第1連結部材は、前記第1バスバーから前記第2バスバーに向ける長手方向に対して垂直に突出し、鋸歯形態で構成された第1締結部を含み、
前記第2連結部材は、前記第2バスバーから前記第1バスバーに向ける長手方向に対して垂直に突出し、鋸歯形態で構成された第2締結部を含み、
前記第1連結部材及び前記第2連結部材は、前記第1締結部と前記第2締結部とが結合することで相互直接接触するように構成され、
前記第1締結部と前記第2締結部とが接触する面積が増加または減少するように構成された、シャント抵抗。
【請求項2】
前記第1締結部と前記第2締結部とが相互締結される場合、前記第1連結部材及び前記第2連結部材が長手方向へ移動することによって、前記第1締結部と前記第2締結部とが結合する面積が増加または減少するように構成された、請求項1に記載のシャント抵抗。
【請求項3】
前記第1締結部及び前記第2締結部に備えられた鋸歯は、各々少なくとも二つ以上であり、前記鋸歯の結合個数が変更されることによって前記第1締結部と前記第2締結部とが結合する面積が増加または減少するように構成された、請求項1または2に記載のシャント抵抗。
【請求項4】
前記第1締結部は、鋸歯が上方へ突出し、
前記第2締結部は、鋸歯が下方へ突出し、
前記第1締結部及び前記第2締結部は、鋸歯が相互対応するように構成された、請求項1から3のいずれか一項に記載のシャント抵抗。
【請求項5】
電気伝導性材質からなり、相互所定の距離だけ離隔して備えられた二つのバスバーと、
電気伝導性材質からなり、前記二つのバスバーのうち一側に備えられた第1バスバーに装着されるように構成された第1連結部材と、
電気伝導性材質からなり、前記二つのバスバーのうち他側に備えられた第2バスバーに装着されるように構成された第2連結部材と、を備え
前記第1連結部材及び前記第2連結部材は、相互一面が接触し、前記第1連結部材と前記第2連結部材とが接触する中央に、長手方向に対して垂直に凹部が形成され、
前記凹部に挿入可能に構成された抵抗ブロックをさらに含み、
前記抵抗ブロックの大きさに応じて、前記第1連結部材と
前記抵抗ブロックとが接触する面積、および前記第2連結部材
と前記抵抗ブロック
とが接触する面積が
、増加または減少可能に構成された、シャント抵抗。
【請求項6】
前記凹部は、円錐形状に形成され、
前記抵抗ブロックは、大きさが相異なる複数の円錐形状に形成され、前記凹部から脱着可能に構成された、請求項
5に記載のシャント抵抗。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか一項に記載のシャント抵抗を備える、電流検出装置。
【請求項8】
請求項
7に記載の電流検出装置を含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャント抵抗及びこれを含む電流検出装置に関し、より詳しくは、シャント抵抗に流れる電流を検出する過程で電流検出の正確度を向上させることができる、改善したシャント抵抗及びこれを含む電流検出装置に関する。
【0002】
本出願は、2018年3月28日出願の韓国特許出願第10-2018-0035972号に基づく優先権を主張し、上記出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
最近、ノートブックPC、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急増し、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれ、反復的な充放電の可能な高性能二次電池についての研究が活発に進行しつつある。
【0004】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
バッテリーは、多様な分野で用いられ、最近は、電気駆動車またはスマートグリッドシステムのようにバッテリーがよく活用される分野においては、大容量を要する場合が多い。バッテリーパックの容量を増加させるためには、二次電池、即ち、バッテリーセル自体の容量を増加させる方法があるが、この場合、容量増大の効果が大きくなく、二次電池のサイズ拡張に物理的な制限があり、管理が不便であるという短所を有する。したがって、通常は、複数のバッテリーモジュールを直列及び並列に接続したバッテリーパックがよく用いられる。
【0006】
このように複数個の二次電池が集合する形態で使用される場合、過電流が流れるなどの動作異常が発生した場合、過熱によって単位二次電池が脹れて破損するなどの問題が起こり得る。したがって、常に各単位二次電池の電圧及び温度などの多様な状態値を測定及びモニターして各単位二次電池が過充電または過放電されることを防止しなければならない。
【0007】
従来には、電圧測定用シャント抵抗(Shunt resistor)をバスバーのようなバッテリーパックに含まれる部品に設け、これによって測定された電圧値に基づいてシャント抵抗に流れる電流を算出することで、バッテリーパックの状態を診断した。しかし、信頼性の高い測定値を得るために複数個のシャント抵抗及び測定素子を使用する場合、バスバーの個数が多くなるため、バッテリーパックの体積及び値段が増加するという問題点がある。このようなバッテリーパックの体積増加は、高効率化及び高エネルギー密度化に悪影響を及ぼし得る。
【0008】
そこで、バッテリーパックの効率及びエネルギー密度の改善のためにバッテリーパックの小型化が必須となるだけに、シャント抵抗に対する電圧及び電流測定の信頼度を向上させる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の従来技術の背景下で創案されたものであり、シャント抵抗に流れる電流を検出する過程で電流検出の正確度を向上させることができる、改善したシャント抵抗及びこれを含む電流検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的及び長所は、下記する説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を達成するため、本発明の一実施例によるシャント抵抗は、電気伝導性材質からなり、相互所定の距離だけ離隔して備えられた二つのバスバーと、電気伝導性材質からなり、二つのバスバーのうち一側に備えられた第1バスバーに装着されるように構成された第1連結部材と、電気伝導性材質からなり、二つのバスバーのうち他側に備えられた第2バスバーに装着されるように構成された第2連結部材と、を含み、第1連結部材及び第2連結部材は、第1連結部材と第2連結部材とが直接または間接的に接触する面積が増加または減少可能に構成される。
【0012】
また、第1連結部材は、第1バスバーから第2バスバーに向ける長手方向に対して垂直に突出し、鋸歯形態で構成された第1締結部を含み、第2連結部材は、第2バスバーから第1バスバーに向ける長手方向に対して垂直に突出し、鋸歯形態で構成された第2締結部を含み、第1連結部材及び第2連結部材は、第1締結部と第2締結部とが結合することで相互直接接触するように構成され得る。
【0013】
また、第1締結部は、鋸歯が上方へ突出し、第2締結部は、鋸歯が下方へ突出し、第1締結部及び第2締結部は、鋸歯が相互対応するように構成され得る。
【0014】
また、本発明の一実施例によるシャント抵抗は、第1締結部と第2締結部とが相互締結される場合、第1連結部材及び第2連結部材が長手方向へ移動することによって、第1締結部と第2締結部とが結合する面積が増加または減少するように構成され得る。
【0015】
また、本発明の一実施例によるシャント抵抗において、第1締結部及び第2締結部に備えられた鋸歯は、各々少なくとも二つ以上であり、鋸歯の結合個数が変更されることによって第1締結部と第2締結部とが結合する面積が増加または減少するように構成され得る。
【0016】
また、第1連結部材及び第2連結部材は、相互離隔しており、相互対向する方向へ突出するように形成された突出部を複数備え、複数の突出部は相互上下方向へ離隔するように構成され、本発明の一実施例によるシャント抵抗は、第1連結部材と第2連結部材との間に装着されるように構成された一つ以上の抵抗バーをさらに含み、一つ以上の抵抗バーは、板状に形成され、第1連結部材に備えられた二つの突出部の間に一側が装着され、第2連結部材に備えられた二つの突出部の間に他側が装着されるように構成され得る。
【0017】
また、一つ以上の抵抗バーは、第1連結部材及び第2連結部材から脱着可能に構成され得る。
【0018】
また、第1連結部材及び第2連結部材は、相互一面が接触し、第1連結部材と第2連結部材とが接触する中央に、長手方向に対して垂直に凹部が形成され、本発明の一実施例によるシャント抵抗は、凹部に挿入可能に構成された抵抗ブロックをさらに含み得る。
【0019】
また、凹部は、円錐形状に形成され、抵抗ブロックは、大きさが相異なる複数の円錐形状に形成され、凹部から脱着可能に構成され得る。
【0020】
また、のような目的を達成するための本発明の一実施例による電流検出装置は、電気伝導性材質からなり、相互所定の距離だけ離隔して備えられた二つのバスバーと、電気伝導性材質からなり、二つのバスバーのうち一側に備えられた第1バスバーに装着されるように構成された第1連結部材と、電気伝導性材質からなり、二つのバスバーのうち他側に備えられた第2バスバーに装着されるように構成された第2連結部材と、第1連結部材及び第2連結部材と電気的に接続し、第1連結部材と第2連結部材との間に印加された電圧を用いて二つのバスバーの間に流れる電流を検出するように構成された検出部と、を含み、第1連結部材及び第2連結部材は、第1連結部材と第2連結部材とが直接または間接的に接触する面積が増加または減少可能に構成され得る。
【0021】
なお、のような目的を達成するための本発明の一実施例によるバッテリーパックは、本発明による電流検出装置を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一面によれば、シャント抵抗の抵抗値を減少または増加させることができる。また、シャント抵抗の抵抗値が精度よく調節されるように、多様な形態を有する複数の抵抗バーまたは抵抗ブロックを提供することができる。
【0023】
特に、抵抗バーまたは抵抗ブロックの個数を選択的に運用可能にすることで、 簡便かつ正確にシャント抵抗の抵抗値が調節され、シャント抵抗が流れる電流を検出することができる。
【0024】
以外に、本発明は、他の多様な効果を有し、このような本発明の他の効果は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに分かるだろう。
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施例による電流検出装置がバッテリーパックの一部構成要素と連結された構成を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施例によるシャント抵抗を概略的に示す斜視図である。
【
図3】本発明の他の実施例によるシャント抵抗の分解斜視図である。
【
図5】本発明のさらに他の実施例によるシャント抵抗の分解斜視図である。
【
図6】
図5のシャント抵抗に抵抗バーがさらに結合した結合斜視図である。
【
図7】本発明のさらに他の実施例によるシャント抵抗を概略的に示す斜視図である。
【
図8】
図7のシャント抵抗に相異なる抵抗ブロックが挿入される構成を概略的に示す断面図である。
【
図9】本発明のさらに他の実施例によるシャント抵抗を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0028】
したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0029】
また、本発明に関連する公知の機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨をぼやかすと判断される場合、その説明を省略する。
【0030】
なお、明細書の全体にかけて、ある部分が、ある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載の「制御ユニット」のような用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を示し、これはハードウェアやソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの結合せにより具現され得る。
【0031】
さらに、明細書の全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(接続)」されている場合のみならず、その中間に他の素子を介して「間接的に連結(接続)」されている場合も含む。
【0032】
図1は、本発明の一実施例による電流検出装置がバッテリーパックの一部構成要素と連結された構成を概略的に示す図であり、
図2は、本発明の一実施例によるシャント抵抗を概略的に示す斜視図である。
【0033】
図1及び
図2を参照すれば、本発明の一実施例によるシャント抵抗100は、バッテリーパック1に自体的に備えられ得る。即ち、本発明によるバッテリーパック1は、後述する本発明によるシャント抵抗100または電流検出装置を含み得る。ここで、バッテリーパック1は、一つ以上の二次電池10、シャント抵抗100、電流検出装置、電装品(BMSやリレー、ヒューズなど)及びケースなどを含み得る。
【0034】
例えば、
図1に示したように、本発明によるシャント抵抗100は、バッテリーパック1に備えられ得る。また、シャント抵抗100は、二次電池10の一端に電気的に接続し得る。また、シャント抵抗100の両端は、検出部200と電気的に接続し得る。ここで、本発明による電流検出装置は、シャント抵抗100及び検出部200を含み得る。より具体的に、シャント抵抗100には、バッテリーパック1の正極端子と二次電池10の正極端子との間に流れる充放電電流が流れ得る。そして、検出部200は、シャント抵抗100の両端電圧を測定し、シャント抵抗100に流れる電流の量を検出し得る。
【0035】
本発明の一実施例によるシャント抵抗100は、二つのバスバー、第1連結部材130及び第2連結部材140を含む。
【0036】
二つのバスバーは、電気伝導性材質からなり得る。このような構成によって、二つのバスバーには、電流が流れ得る。また、二つのバスバーは、相互所定の距離だけ離隔して備えられる。ここで、二つのバスバーは、一側に備えられた第1バスバー110及び他側に備えられた第2バスバー120であり得る。例えば、
図2に示したように、第1バスバー110及び第2バスバー120は、同一平面上で長手方向へ所定の距離だけ離隔して備えられ得る。ここで長手方向は、第1バスバー110から第1連結部材130に向ける方向であって、第1バスバー110から長手方向に向けて第2連結部材140及び第2バスバー120が位置し得る。例えば、
図2を参照すれば、長手方向は、第1連結端子111と第2連結端子121とを継ぐ仮想の延長線の方向を含み得る。
【0037】
望ましくは、
図2に示したように、第1バスバー110及び第2バスバー120には、第1連結端子111及び第2連結端子121が備えられ得る。例えば、第1連結端子111及び第2連結端子121は、検出部200と電気的に接続し得る。
【0038】
第1連結部材130は、電気伝導性材質からなり得る。また、第1連結部材130は、二つのバスバーのうち一側に備えられた第1バスバー110に装着されるように構成され得る。例えば、
図2に示したように、第1連結部材130は、第1バスバー110と第2バスバー120との間に備えられ、第1バスバー110と第2バスバー120との間の抵抗値を決定できる。望ましくは、第1連結部材130は、
図2に示したように、第1バスバー110と一体型で構成され得る。即ち、第1連結部材130及び第1バスバー110は、上面と下面が同一平面上で並んで構成され、一体化して形成され得る。
【0039】
第2連結部材140は、電気伝導性材質からなり得る。また、第2連結部材140は、二つのバスバーのうち他側に備えられた第2バスバー120に装着されるように構成され得る。例えば、
図2に示したように、第2連結部材140は、第1バスバー110と第2バスバー120との間に備えられ、第1バスバー110と第2バスバー120との間の抵抗値を決定できる。望ましくは、第2連結部材140は、
図2に示したように、第2バスバー120と一体型で構成され得る。即ち、第2連結部材140及び第2バスバー120は、上面と下面が同一平面上に並んで構成され、一体化して形成され得る。
【0040】
また、第1連結部材130及び第2連結部材140は、
図2に示したように、一面が相互接触し得る。例えば、第1連結部材130及び第2連結部材140は、一体型で構成され得る。
【0041】
特に、第1連結部材130及び第2連結部材140は、第1連結部材130と第2連結部材140とが直接または間接的に接触する面積を増加または減少するように構成される。より具体的に、本発明によるシャント抵抗100の電流を検出するためには、シャント抵抗100の両端電圧を測定するようになり、この際、
図2の構成において、第1連結端子111と第2連結端子121との間で測定された電圧をシャント抵抗100の両端電圧として用いることができる。この場合、第1連結部材130及び第2連結部材140は、第1連結部材130及び第2連結部材140の材質または形状によって第1連結端子111と第2連結端子121との間の抵抗値を決定できる。
【0042】
例えば、第1連結部材130と第2連結部材140とは、直接または間接的に接触し得る。この場合、第1連結部材130と第2連結部材140とが当接する場合が、第1連結部材130と第2連結部材140とが直接接触する場合となり、第1連結部材130と第2連結部材140との間に電気伝導性材質の他の構成要素が介在される場合が、第1連結部材130と第2連結部材140とが間接接触する場合となり得る。
【0043】
また、第1連結部材130と第2連結部材140とが接触する面積が増加する場合、第1連結端子111と第2連結端子121との間の抵抗値が減少する。一方、第1連結部材130と第2連結部材140とが接触する面積が減少する場合、第1連結端子111と第2連結端子121との間の抵抗値が増加する。
【0044】
このような構成によって、本発明によるシャント抵抗100は、シャント抵抗100の微細抵抗値を減少または増加させ、電流の流れを正確に検出することができる効果を奏する。
【0045】
本発明の一実施例による電流検出装置は、二つのバスバー、第1連結部材130、第2連結部材140及び検出部200を含む。二つのバスバー、第1連結部材130及び第2連結部材140についての説明は、前述のシャント抵抗100の説明と重複するので省略する。
【0046】
検出部200は、
図1に示したように、シャント抵抗100の両端に電気的に接続し得る。より具体的に、検出部200は、第1連結部材130及び第2連結部材140と電気的に接続し得る。または、検出部200は、第1連結端子111及び第2連結端子121と電気的に接続し得る。また、検出部200は、シャント抵抗100の両端から測定された電圧を用いてシャント抵抗100に流れる電流を検出できる。より具体的に、検出部200は、第1連結部材130と第2連結部材140との間に印加された電圧を用いて二つのバスバーの間を流れる電流を検出できる。
【0047】
このような構成において、本発明による電流検出装置の各構成要素の少なくとも一部は、従来のバッテリーに含まれた構成の機能を補完または追加することで具現され得る。例えば、本発明による電流検出装置の検出部は、バッテリーパックに備えられたBMS(Battery Management System)によって具現され得る。一方、ここでのバッテリーは、バッテリーモジュールやバッテリーパックを含む概念である。
【0048】
図3は、本発明の他の実施例によるシャント抵抗の分解斜視図であり、
図4は、
図3のシャント抵抗の結合斜視図である。
【0049】
図3及び
図4を参照すれば、本発明の一実施例による第1連結部材130は、第1締結部を含み得る。また、第2連結部材140は、第2締結部を含み得る。
【0050】
第1締結部は、第1バスバー110から第2バスバー120に向ける長手方向に対して垂直に突出して鋸歯形態で構成され得る。また、第2締結部は、第2バスバー120から第1バスバー110に向ける長手方向に対して垂直に突出して鋸歯形態で構成され得る。特に、第1連結部材130と第2連結部材140とは、第1締結部と第2締結部とが結合することによって相互直接接触するように構成され得る。
【0051】
望ましくは、
図3に示したように、本発明の一実施例による第1締結部は、鋸歯が上方へ突出し得る。また、第2締結部は、鋸歯が下方へ突出し得る。特に、第1締結部及び第2締結部は、鋸歯が相互対応するように構成され得る。
図3に示した構成と反対に、第1締結部の鋸歯が下方へ突出して第2締結部の鋸歯が上方へ突出し、第1締結部と第2締結部とが結合し得る。また、第1締結部の鋸歯と第2締結部の鋸歯とは、長手方向に垂直した斜め方向または左右方向に突出し、相互結合するように形成され得る。
【0052】
より具体的に、第1締結部及び第2締結部に備えられた鋸歯が相互対応するように構成されることで第1締結部と第2締結部とが結合する場合、
図4に示したように、本発明の一実施例によるシャント抵抗100は、第1締結部と第2締結部とが相互接触する部分には隙間が生じないように構成され得る。即ち、本発明の一実施例によれば、第1締結部及び第2締結部が結合するとき、第1締結部と第2締結部とが相互密着するため、離隔による抵抗の損失が最小化し、シャント抵抗100に対する電圧及び電流測定の信頼度が向上する。
【0053】
また、望ましくは、本発明の一実施例によるシャント抵抗100は、第1締結部と第2締結部とが相互締結される場合、第1連結部材130及び第2連結部材140が長手方向へ移動することによって、第1締結部と第2締結部とが結合する面積が増加または減少するように構成され得る。より具体的に、
図3に示したように、第1締結部と第2締結部とは脱着可能である。また、第1締結部と第2締結部とは、相互結合する鋸歯の数によって第1締結部と第2締結部とが結合する面積が増加または減少するように構成され得る。
【0054】
特に、第1締結部及び第2締結部に備えられた鋸歯は、各々少なくとも二つ以上であり得る。例えば、
図3及び
図4においては、第1締結部及び第2締結部の各々に三つの鋸歯が備えられている。また、本発明の一実施例によるシャント抵抗100は、鋸歯の結合個数が変更されることによって第1締結部と第2締結部とが結合する面積が増加または減少するように構成され得る。例えば、第1締結部と第2締結部とは、結合する鋸歯の数が各々一つである1段結合であり得る。また、第1締結部と第2締結部とは、結合する鋸歯の数が各々二つである二段結合であり得る。
【0055】
このような構成によって、本発明によるシャント抵抗100は、結合する鋸歯の数を調整してシャント抵抗100の微細抵抗値を減少または増加させることで、電流の流れを正確に検出することができる効果を奏する。
【0056】
図5は、本発明のさらに他の実施例によるシャント抵抗の分解斜視図であり、
図6は、
図5のシャント抵抗に抵抗バーがさらに結合した結合斜視図である。
【0057】
図5及び
図6を参照すれば、本発明の一実施例による第1連結部材130及び第2連結部材140は、相互離隔し得る。また、第1連結部材130及び第2連結部材140は、突出部を備え得る。例えば、
図5に示したように、第1連結部材130及び第2連結部材140は、相互対向する方向へ突出して形成された突出部を複数で備え得る。この場合、複数の突出部は、相互上下方向へ離隔して構成され得る。より具体的に、第1連結部材130は、第2連結部材140に向ける方向へ突出して形成された第1突出部131を複数備え得る。また、第2連結部材140は、第1連結部材130に向ける方向へ突出するように形成された第2突出部141を複数備え得る。特に、複数の突出部は、相互平行し、かつ相互離隔するように構成され得る。また、複数の突出部は、板状に形成され、二つの突出部の間に内部空間が形成されるように構成され得る。本発明の一実施例によるシャント抵抗100は、一つ以上の抵抗バー150をさらに含み得る。一つ以上の抵抗バー150は、第1連結部材130と第2連結部材140との間に装着されるように構成され得る。より具体的に、一つ以上の抵抗バー150は、板状に形成され、第1連結部材130に備えられた二つの突出部の間に一側が装着され、第2連結部材140に備えられた二つの突出部の間に他側が装着されるように構成され得る。例えば、
図5に示したように、抵抗バー150は、第1連結部材130と第2連結部材140との間に装着され、第1連結部材130と第2連結部材140とを間接的に連結し得る。また、抵抗バー150は、電気伝導性材質からなり得る。この場合、抵抗バー150によって第1連結部材130と第2連結部材140との間には電流が流れ得る。
【0058】
但し、複数の突出部の離隔方向は、
図5及び
図6における上下方向のみに限らず、左右方向または斜め方向へも離隔し得る。即ち、第1連結部材130に備えられた複数の突出部は、第2連結部材140に向けた方向(長手方向)に垂直した方向へ相互離隔して構成され得る。同様に、第2連結部材140に備えられた複数の突出部は、第1連結部材130に向けた方向(長手方向)に垂直した方向へ離隔して構成され得る。例えば、第1連結部材130に備えられた複数の突出部及び第2連結部材140に備えられた複数の突出部は、
図5及び
図6に示した上下方向のみならず、長手方向に垂直した左右方向へ離隔して構成されることも可能である。この場合、抵抗バー150は、
図5に示した点線を回転軸にして90°回転して立てられ、第1連結部材130及び第2連結部材140に備えられた突出部の間に装着され得る。即ち、第1連結部材130及び第2連結部材140は、突出部を備え、突出部の間に装着される抵抗バー150を介して間接的に連結され得る。
【0059】
また、第1連結部材130に備えられた複数の突出部及び第2連結部材140に備えられた複数の突出部は、
図5及び
図6における上下方向のみならず、長手方向に垂直した斜め方向へ離隔して構成され得る。この場合、抵抗バー150は、
図5に示した点線を回転軸にして時計回りまたは半時計回りに回転した形態であって、第1連結部材130及び第2連結部材140に備えられた突出部の間に装着され得る。この際、第1連結部材130と第2連結部材140との間に装着される複数の抵抗バー150の各々は、装着される第1連結部材130及び第2連結部材140の突出部の大きさ及び模様に対応するように形成され、複数の抵抗バー150の各々の大きさが相違し得る。
【0060】
望ましくは、抵抗バー150は、第1連結部材130と第2連結部材140との間に所定の間隔を開けて並べて介在され得る。この場合、第1連結部材130及び第2連結部材140に備えられた突出部は、相互高さが対応するように構成され得る。また、複数の突出部は、相互平行に形成され得る。
【0061】
また、望ましくは、一つ以上の抵抗バー150は、第1連結部材130及び第2連結部材140から脱着可能に構成され得る。特に、本発明の一実施例によるシャント抵抗100は、第1連結部材130と第2連結部材140との間に装着された抵抗バー150の個数が減少または増加することによって、第1連結部材130と第2連結部材140との間接接触する面積が減少または増加するように構成され得る。例えば、
図6に示したように、第1連結部材130及び第2連結部材140に備えられた複数の突出部に複数の抵抗バー150が装着され得る。
【0062】
このような構成から、本発明によるシャント抵抗100は、装着される抵抗バー150の個数を調整してシャント抵抗100の微細抵抗値を減少または増加させることで、電流の流れを正確に検出することができる効果を奏する。
【0063】
図7は、本発明のさらに他の実施例によるシャント抵抗を概略的に示す斜視図であり、
図8は、
図7のシャント抵抗に相異なる抵抗ブロックが挿入される構成を概略的に示す断面図である。そして、
図9は、本発明のさらに他の実施例によるシャント抵抗を概略的に示す斜視図である。
【0064】
図7~
図9を参照すれば、本発明の一実施例による第1連結部材130及び第2連結部材140は、相互一面が接触するように構成され得る。または、第1連結部材130及び第2連結部材140は、一体型に形成され得る。
【0065】
また、本発明の一実施例によるシャント抵抗100は、第1連結部材130及び第2連結部材140が接触する中央に、長手方向に対して垂直に凹部160が形成され得る。例えば、
図7に示したように、凹部160は、第1連結部材130と第2連結部材140との間に形成され得る。この場合、第1連結部材130と第2連結部材140との間には、空いている空間が形成され得る。また、第1連結部材130と第2連結部材140とが一体化して構成される場合、凹部160が形成された部分を中心にして第1連結部材130と第2連結部材140とを区分し得る。
【0066】
望ましくは、本発明の一実施例によるシャント抵抗100は、抵抗ブロック170をさらに含み得る。抵抗ブロック170は、凹部160に挿入可能に構成され得る。より具体的に、抵抗ブロック170は、凹部160の形状に対応するように構成されて凹部160に挿入され得る。また、抵抗ブロック170は、電気伝導性材質からなり得る。この場合、抵抗ブロック170を介して第1連結部材130と第2連結部材140との間には電流が流れるようになる。
【0067】
より具体的に、
図7に示したように、凹部160は、円錐形状に形成され得る。また、抵抗ブロック170も凹部160の形状に対応して円錐形状に形成され得る。
【0068】
より望ましくは、本発明の一実施例における他の抵抗ブロック170は、大きさが相異なる複数の円錐形状に形成され得る。この場合、抵抗ブロック170は、凹部160から脱着可能に構成され得る。例えば、
図8の(a)、(b) 及び(c)は、大きさが相異なる円錐形状の抵抗ブロック170が凹部160に挿入された構成を概略的に示す断面図である。但し、凹部160及び抵抗ブロック170の形状は、円錐形状のみに限らず、円柱、直方体または四角錐など多様な形状に形成され得る。
【0069】
図8の(a)、(b)及び(c)は、凹部160の形状を基準で、(a)は、最小サイズの抵抗ブロック170が凹部160に挿入される構成を示し、(b)は、 中間サイズの抵抗ブロック170が凹部160に挿入される構成を示し、(c)は、最大サイズの抵抗ブロック170が凹部160に挿入される構成を示す。(c)の場合、抵抗ブロック170の大きさは、凹部160の大きさに対応すし得る。
【0070】
より具体的に、(a)の場合、第1連結部材130と第2連結部材140とが間接接触する面積が(b)及び(c)の場合よりも減少することで、第1連結端子111と第2連結端子121との間の抵抗値が増加し得る。逆に、(c)の場合、第1連結部材130と第2連結部材140とが間接接触する面積が(a)及び(b)の場合よりも増加することで、第1連結端子111と第2連結端子121との間の抵抗値が減少し得る。
【0071】
また、本発明の一実施例によるシャント抵抗100は、複数の凹部160を備え得る。例えば、
図9に示したように、第1連結部材130と第2連結部材140との間に複数の凹部160が形成され、複数の凹部160に選択的に抵抗ブロック170が挿入され得る。より具体的に、複数の凹部160に挿入される抵抗ブロック170の個数または大きさを調節することで第1連結部材130と第2連結部材140との間の抵抗値を調節することができる。
【0072】
このような構成によって、本発明によるシャント抵抗100は、挿入される抵抗ブロック170の大きさまたは個数を調整してシャント抵抗100の微細抵抗値を減少または増加させることで、電流の流れを正確に検出することができる効果を奏する。
【0073】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0074】
以上のように、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0075】
なお、本明細書において、「検出部」などのように「部」という用語が使用されたが、これは、論理的な構成単位を示すことであって、必ずしも物理的に分離可能であるかまたは物理的に分離すべきである構成要素を示すことではないという点は、当業者にとって自明である。
【符号の説明】
【0076】
1 バッテリーパック
10 二次電池
100 シャント抵抗
110 第1バスバー
111 第1連結端子
120 第2バスバー
121 第2連結端子
130 第1連結部材
131 第1突出部
140 第2連結部材
141 第2突出部
150 抵抗バー
160 凹部
170 抵抗ブロック
200 検出部