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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】拡張型コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/514 20060101AFI20220114BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
H01R13/514
H01R13/639 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020523985
(86)(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 KR2019003264
(87)【国際公開番号】W WO2020004775
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-05-05
(31)【優先権主張番号】10-2018-0075765
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コ、ドン-ワン
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-321348(JP,A)
【文献】特開2014-078370(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0013484(KR,A)
【文献】国際公開第2017/204021(WO,A1)
【文献】特開2015-026511(JP,A)
【文献】特開2008-140731(JP,A)
【文献】特開平09-213406(JP,A)
【文献】特開2009-43661(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第2000-0015116(KR,U)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0079362(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/514
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ所定個数のピンを有する複数のメスコネクタと、
前記ピンと接触するプラグターミナルを有し、前記複数のメスコネクタと相互結合する少なくとも1つのオスコネクタと、
を備えるコネクタ組立体であって、
前記複数のメスコネクタは、一方向に沿って相互組立可能に設けられ
前記複数のメスコネクタは、前記オスコネクタが接続する前面部の上端及び下端の少なくとも一方の終端から上下方向に折り曲げられて形成される係止顎を有し、
前記オスコネクタは、前記係止顎に係合するように設けられる係合溝を有し、
前記複数のメスコネクタが一方向に組み立てられるとき、1つのメスコネクタの前記係止顎と隣接する他の1つのメスコネクタの前記係止顎とは一方向に沿ってつながる形態となる、コネクタ組立体。
【請求項2】
前記複数のメスコネクタは、それぞれ1つのピンを有し、
前記少なくとも1つのオスコネクタは、それぞれ前記複数のメスコネクタと一対一で接続するように設けられる、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記少なくとも1つのオスコネクタは、前記複数のメスコネクタのピンの総数に相当する前記プラグターミナルを一体的に有する1つのオスコネクタであって、
前記複数のメスコネクタと多対一で接続するように設けられる、請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記複数のメスコネクタは、一側面に前記一方向に凸設される陽刻ブロック、及び他側面に前記陽刻ブロックに対応するように凹設される陰刻溝を有し、
1つのメスコネクタと他の1つのメスコネクタとは、前記陽刻ブロックと前記陰刻溝とが相互連結される、請求項1からのいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記陽刻ブロックは横断面がT字状であり、前記陰刻溝は前記陽刻ブロックと係合するように形成される、請求項に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記複数のメスコネクタは、一側面に山と谷とが繰り返して形成される第1凹凸部、及び他側面に前記第1凹凸部と歯合する形状で形成される第2凹凸部を有し、
1つのメスコネクタと他の1つのメスコネクタとは、前記第1凹凸部が前記第2凹凸部に嵌合されることで前記メスコネクタが予め定められた方向に移動することを防止する、請求項1からのいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
前記第1凹凸部は、傾斜が一方向に形成される鋸歯状に設けられる、請求項に記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関し、より詳しくは、コネクタのピンの個数を増やす必要があるとき、単位オス/メスコネクタを組み立てる方式でコネクタのピンの個数を増加させることができる拡張型コネクタ組立体に関する。
【0002】
本出願は、2018年6月29日出願の韓国特許出願第10-2018-0075765号に基づく優先権を主張し、上記出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
図1に示したように、一般に従来のコネクタは、メスコネクタ2とオスコネクタ3との一対で構成され、メスコネクタ2にはコンタクトに相当する複数のピンが設けられ、オスコネクタ3には複数のピンと接触する複数のプラグターミナルが設けられる。メスコネクタ2は、回路基板1に表面実装(SMT、Surface Mount Technology)され、オスコネクタ3はメスコネクタ2内に接続されて固定される。
【0004】
しかし、このようにメスコネクタ2及びオスコネクタ3の両方を使用する場合、相異なる別途のボディ及びコンタクトを相異なる金型を用いて製作し、一方のコネクタは回路基板に表面実装しなければならないため、製造工程が複雑になって製造コストが嵩むという問題がある。
【0005】
そして、従来のオス/メスコネクタは、ピンの個数が予め決められており、そのピンの個数によって使用可能な装置または回路基板との互換可否が決定される。すなわち、あるコネクタと回路基板との間で必要なピンの個数が一致しなければ、そのコネクタは使用できない。この場合、ピンの個数が正確に一致するオス/メスコネクタを使用するか、または、必要なピンの個数を有するオス/メスコネクタを新たに製作して使用しなければならない。
【0006】
特に、既存の装置または回路基板に新たな信号をもう1つ伝送するためには、オス/メスコネクタのピンの個数も1つ追加しなければならないが、この場合にも既存コネクタの構造上、オス/メスコネクタを全部交替しなければならないという問題がある。
【0007】
したがって、既存のオス/メスコネクタを交替しなくても、コネクタのピンを容易に追加することができる新たなタイプのコネクタが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、コネクタのピンの個数を増やす必要があるとき、幾つかの単位コネクタを連続して組み立てる方式でオス/メスコネクタを拡張可能に具現することで、オス/メスコネクタの互換性及び経済性を向上させることである。
【0009】
また、外部の衝撃や振動にも取り外されるかまたは接触が切られる現象を防止することができ、オス/メスコネクタ同士の組立/分解が便利なコネクタ組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、それぞれ所定個数のピンを備える複数のメスコネクタ、及びピンと接触するプラグターミナルを備えて複数のメスコネクタと相互結合する少なくとも1つのオスコネクタを含むコネクタ組立体であって、複数のメスコネクタは一方向に沿って相互組立可能に設けられるコネクタ組立体が提供される。
【0011】
複数のメスコネクタは、それぞれ1つのピンを備え、少なくとも1つのオスコネクタは、それぞれ複数のメスコネクタと一対一で接続するように設けられ得る。
【0012】
少なくとも1つのオスコネクタは、複数のメスコネクタのピンの総個数に相当するプラグターミナルを一体的に備えた1つのオスコネクタであって、複数のメスコネクタと多対一で接続するように設けられ得る。
【0013】
メスコネクタは、オスコネクタが接続する前面部の上端及び下端の少なくとも一方の終端から上下方向に折り曲げられて形成された係止顎を備え、オスコネクタは、係止顎に係合するように設けられた係合溝を備え得る。
【0014】
複数のメスコネクタが一方向に組み立てられたとき、1つのメスコネクタの係止顎と隣接した他の1つのメスコネクタの係止顎とは一方向に沿ってつながる形態を有し得る。
【0015】
メスコネクタは、オスコネクタが接続する前面部の上端及び下端の少なくとも一方の内側面が凹設されたロッキング溝を備え、オスコネクタは、上端または下端にシーソー動作構造でロッキング溝に係合及び解除自在に設けられたロッキングピンを備え得る。
【0016】
メスコネクタは、一側面に一方向に凸設された陽刻ブロック、及び他側面に陽刻ブロックに対応するように凹設された陰刻溝を備え、1つのメスコネクタと他の1つのメスコネクタとは、陽刻ブロックと陰刻溝とが垂直に嵌合されることで相互連結され得る。
【0017】
陽刻ブロックは横断面がT字状であり、陰刻溝は陽刻ブロックと型合わせられるように形成され得る。
【0018】
メスコネクタは、一側面に山と谷とが繰り返して形成された第1凹凸部、及び他側面に第1凹凸部と歯合する形状で形成された第2凹凸部を備え、1つのメスコネクタと他の1つのメスコネクタとは、第1凹凸部が第2凹凸部に垂直に嵌合されることで相互連結され得る。
【0019】
第1凹凸部は、傾斜が一方向に形成された鋸歯状に設けられ得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、コネクタのピンの個数を増やす必要があるとき、幾つかの単位コネクタを連続して組み立てる方式でオス/メスコネクタを拡張させることができ、従来よりもオス/メスコネクタの互換性及び経済性を高めることができる。
【0021】
また、単位オス/メスコネクタを組み立てることで、必要なピンの個数のコネクタ組立体を容易に構成して使用することができる。
【0022】
また、外部の衝撃や振動にも取り外されるかまたは接触が切られる現象を防止することができ、オス/メスコネクタ同士の組立/分解が便利なコネクタ組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】従来技術によるオス/メスコネクタを概略的に示した図である。
図2】本発明の一実施形態による単位オス/メスコネクタの概略的な斜視図である。
図3図2の単位オス/メスコネクタを組み立てて構成したオス/メスコネクタの概略的な斜視図である。
図4】回路基板に取り付けた一実施形態によるメスコネクタの概略的な上面図である。
図5】一実施形態によるオス/メスコネクタ間の締結構造を説明するための図である。
図6】一実施形態によるオス/メスコネクタ間の締結構造を説明するための図である。
図7図2に対応する図であって、オスコネクタの変形形態を示した図である。
図8】本発明の他の実施形態によるオス/メスコネクタ間の締結構造を説明するための図である。
図9】本発明の他の実施形態によるオス/メスコネクタ間の締結構造を説明するための図である。
図10】本発明のさらに他の実施形態による複数のメスコネクタの組立構造を説明するための図である。
図11】本発明のさらに他の実施形態による複数のメスコネクタの組立構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0025】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
以下、回路基板とは、自動車用バッテリーパックに適用されるBMS(Battery Management System)回路基板を意味し得る。ここで、BMS回路基板とは、バッテリーセルの充放電、セルバランシングなどを制御するためのバッテリーパックの構成品である。本発明のコネクタ組立体は、BMS回路基板に接続してバッテリーセルの電圧情報などをBMSに伝送する用途で使われ得る。
【0027】
勿論、本発明のコネクタ組立体は、BMS回路基板の外にも、ラップトップパソコン、タブレットパソコン、スマートフォンなどの電子機器の印刷回路基板に接続して上記電子機器に必要な信号を伝送する用途にも使われ得る。
【0028】
図2は本発明の一実施形態による単位オス/メスコネクタの概略的な斜視図であり、図3図2の単位オス/メスコネクタを組み立てて構成したオス/メスコネクタの概略的な斜視図であり、図4は回路基板に取り付けた一実施形態によるメスコネクタの概略的な上面図である。
【0029】
本発明の一実施形態によるコネクタ組立体は、図2及び図3に示したように、一方向に沿って相互組立可能に設けられた複数のメスコネクタ10、及びメスコネクタ10と結合する少なくとも1つのオスコネクタ20を含む。
【0030】
メスコネクタ10は、それぞれ所定個数のピン11を内部に収容する。本実施形態によるメスコネクタ10は、1つのピン11を内部に収容することで例示されるが、メスコネクタ10のピン11は2つまたはそれ以上であってもよい。ただし、後述するが、コネクタ組立体のピン11の総個数を多様に具現するためには、ピン11の個数が1つまたは2つであるメスコネクタ10を使用するか、若しくは、1つまたは2つのメスコネクタ10を混用することがよい。
【0031】
複数のメスコネクタ10は、それぞれ1つずつのピン11を有し、図3及び図4のように、一方向に沿って連続して連結され得る。このように、単位メスコネクタ10を連続して組み立てることで、多様なピン11の個数を有するメスコネクタ10を構成することができる。すなわち、回路基板30に接続されるメスコネクタ10のピン11の個数を1個減らすか又は1個増やす必要がある場合、従来はメスコネクタ自体を交替しなければならなかったが、本発明によれば、単位メスコネクタ10を1個分離するか又は1個を追加で組み立てるだけで済む。したがって、メスコネクタの交替費用が節減され、メスコネクタを回路基板に実装する工程にかかる手間を省くことができる。
【0032】
このような本発明の一実施形態による複数のメスコネクタ10の組立構造及び方式は、以下のように具現することができる。
【0033】
単位メスコネクタ10は、それぞれ一側面に凸設された陽刻ブロック15、及び他側面に陽刻ブロック15に対応する形状で凹設された陰刻溝16を備える。
【0034】
例えば、陽刻ブロック15は、横断面が略T字状であって、高さ方向に沿って延びた形態で形成される。そして、陰刻溝16は、陽刻ブロックと型合わせられる空いた空間を形成する。
【0035】
1つの単位メスコネクタ10と他の1つのメスコネクタ10とは、陽刻ブロック15と陰刻溝16とが垂直に嵌合されることで相互連結され得る。
【0036】
換言すれば、1つの単位メスコネクタ10の陽刻ブロック15に他の1つのメスコネクタ10の陰刻溝16を上から下に嵌め込む方式で、2つの単位メスコネクタ10が一体的に連結され得る。
【0037】
2つの単位メスコネクタ10は、T字状に具現した陽刻ブロック15及び陰刻溝16によって互いに型合わせられているため、相互に対して前、後、左、右の方向へと相対移動できず、しっかりと結束できる。
【0038】
勿論、本実施形態では、陽刻ブロック15及び陰刻溝16をT字状に具現したが、例えば、陽刻ブロック15は単位メスコネクタ10の一側面に陽刻された形状であり、陰刻溝16は単位メスコネクタ10の他側面に陰刻された形状であって、互いに型合わせられる構造であれば、L字状などの如何なる形状であっても適用し得る。
【0039】
このようなパターンで2つの単位メスコネクタ10にさらに他の単位メスコネクタ10を組み立てて連結することで、必要なピン11の個数を有する複数のメスコネクタ10をいくらでも構成することができる。
【0040】
一方、オスコネクタ20は、単位メスコネクタ10と一対一で接続するように、複数の単位オスコネクタ20で構成され得る。この場合、単位オスコネクタ20は、メスコネクタ10の1つのピン11と接触するプラグターミナル21を1つのみを有するように具現される。
【0041】
図5及び図6は、一実施形態によるオス/メスコネクタ20間の締結構造を説明するための図である。
【0042】
以下、図2とともに図5及び図6を参照して、本実施形態によるメスコネクタ10とオスコネクタ20との締結構造を説明する。
【0043】
メスコネクタ10は、オスコネクタ20が接続する前面部の上端及び下端の少なくとも一方の終端から上下方向に折り曲げられて形成された係止顎12、13を備える。そして、オスコネクタ20は、係止顎12、13に係合するように設けられた係合溝22、23を備える。
【0044】
本実施形態では、結合力を強化させるため、係止顎12、13をメスコネクタ10の前面部の上端及び下端の両方に具現し、それに対応する係合溝22、23をオスコネクタ20の前面部の上端及び下端に具現した。
【0045】
図5及び図6に示したように、オスコネクタ20は、前端部をメスコネクタ10の前端部に押し込めば、オスコネクタ20の係合溝22、23がメスコネクタ10の係止顎12、13に係止されて、逆方向には容易に取り外されない。
【0046】
オスコネクタ20をメスコネクタ10から分離するときは、メスコネクタ10の係止顎12、13を少し広げた状態で、オスコネクタ20を逆方向に引っ張らなければならない。便宜上詳しくは図示していないが、オスコネクタ20のプラグターミナル21は、メスコネクタ10の内部に位置したメスコネクタ10のピン11にレセプタクル方式で挿入されて接触され得る。
【0047】
図7は、図2に対応する図であって、オスコネクタ20の変形形態を示した図である。
【0048】
一方、本発明によるオスコネクタ20の変形形態によるオスコネクタ20は単数で具現され得る。換言すれば、本変形形態によるオスコネクタ20は、複数の単位メスコネクタ10のピン11の総個数に対応するプラグターミナル21を一体的に備え、回路基板30上に相互組み立てられたメスコネクタ10と多対一構造で接続するように具現され得る。
【0049】
図7に示したように、相互組み立てられたメスコネクタ10は、前端部が側方で開放された形態であり、1つのメスコネクタ10の係止顎12、13と隣接した他の1つのメスコネクタ10の係止顎12、13とが組み立て方向に沿ってつながる形態を有する。
【0050】
そして、オスコネクタ20の係合溝22、23は、つながっている係止顎12、13に対応するサイズで形成され得る。したがって、1つのオスコネクタ20の前端部を複数のメスコネクタ10の前端部に挿入しても、オスコネクタ20の係合溝22、23がメスコネクタ10の係止顎12、13全てに係合され得る。
【0051】
オスコネクタ20は、複数本のワイヤWを1つに束ねる役割もするため、オスコネクタ20を複数個に分離するよりは1つに統合することが機能的に有利であり、また、オスコネクタ20は回路基板30に実装される部品ではないため、メスコネクタ10より交替が容易であるという点で、本変形形態によるコネクタ組立体は、上述したオス/メスコネクタ20の一対一接続構造で構成されたコネクタ組立体よりも効果的であり得る。
【0052】
以下、図8図11を参照して本発明の他の実施形態によるコネクタ組立体を説明する。
【0053】
本発明の他の実施形態によるコネクタ組立体の説明では、上述した実施形態と異なる部分について重点的に説明し、上述した実施形態についての説明と重複する部分は詳細な説明を省略する。
【0054】
図8及び図9は、本発明の他の実施形態によるオス/メスコネクタ20間の締結構造を説明するための図である。
【0055】
これら図面を参照すれば、本発明の他の実施形態によるメスコネクタ10は、オスコネクタ20が接続する前面部の上端及び下端の少なくとも一方の内側面が凹設されたロッキング溝17を備える。
【0056】
そして、オスコネクタ20は、上端または下端にシーソー動作構造でロッキング溝17と係合及び解除可能に設けられたロッキングピン24を備える。
【0057】
図8及び図9を参照すれば、ロッキングピン24は、一地点に位置した支点を基準にして一端を押せば他端が逆方向に持ち上げられる形態であって、オスコネクタ20のハウジングの外側に一体的に具現され得る。ロッキングピン24の他端には、メスコネクタ10のロッキング溝17に少なくとも一部分が型合わせられる突起24aが備えられ得る。
【0058】
このような本実施形態によるオス/メスコネクタ20間の締結構造は、オスコネクタ20がメスコネクタ10に挿入されるか又はメスコネクタ10から分離するとき、オス/メスコネクタ20の破損又は変形を防止することができる。
【0059】
上述した実施形態の場合、オスコネクタ20をメスコネクタ10に挿入するか又はメスコネクタ10から分離するとき、オスコネクタ20がメスコネクタ10の前端部の内外へと通過できるように、メスコネクタ10の係止顎12、13部分が広がらなければならない。しかし、メスコネクタ10を一定範囲の弾性変形が可能な材質で製作したとしても、オス/メスコネクタ20を繰り返して締結すると、メスコネクタ10の変形または破損によって結合力が弱くなるしかない。
【0060】
一方、本実施形態によれば、オスコネクタ20をメスコネクタ10に挿入するか又はメスコネクタ10から分離するとき、メスコネクタ10の前端部を広げる必要がなく、ロッキングピン24を適切に用いてオスコネクタ20の挿入または分離が可能である。すなわち、ロッキングピン24の先方を押した状態で、オスコネクタ20をメスコネクタ10に挿入するか又はメスコネクタ10から分離すればよい。または、所定の治具を使ってロッキングピン24の後方を少し持ち上げた状態で、オスコネクタ20をメスコネクタ10に挿入するか又はメスコネクタ10から分離してもよい。
【0061】
このような本実施形態によるロッキングピン24の構成によれば、メスコネクタ10の前端部を広げるか、または、オスコネクタ20の前端部を強制的にメスコネクタ10の前端部に押し込む必要がないため、オス/メスコネクタ20の締結または締結解除過程でオス/メスコネクタ20の損傷を最小化することができ、オス/メスコネクタ20の結合力及び耐久性を向上させることができる。
【0062】
図10及び図11は、本発明のさらに他の実施形態による複数のメスコネクタ10の組立構造を説明するための図である。
【0063】
これら図面を参照すれば、本発明のさらに他の実施形態によるメスコネクタ10は、一側面に山と谷とが繰り返して形成された第1凹凸部18、及び他側面に第1凹凸部18と歯合する形状で形成された第2凹凸部19を備える。
【0064】
1つのメスコネクタ10と他の1つのメスコネクタ10とは、第1凹凸部18が第2凹凸部19に垂直に嵌合されることで相互連結され得る。このような実施形態による第1凹凸部18及び第2凹凸部19は、上述した実施例の陽刻ブロック15及び陰刻溝16に対応する構成であると言える。
【0065】
しかし、本実施形態による第1凹凸部18及び第2凹凸部19は、例えば、メスコネクタ10の両側面に設けられる山及び谷の個数と深さを、上述した実施形態のT字状の陽刻ブロック15及び陰刻溝16よりも容易に調節できるため、本実施形態の単位メスコネクタ10は上述した実施形態のメスコネクタ10よりもスリムに製作し易い。
【0066】
1つのピン11を有する単位メスコネクタ10ができる限りスリムに製作されなければ、これらを連結した全体メスコネクタ10をコンパクトに構成することができない。このような面から見れば、本実施形態によるメスコネクタ10の組立構造は、上述した実施形態に比べて、単位メスコネクタ10及びこれらを連結した全体メスコネクタ10のスリム化にさらに有利であり得る。
【0067】
図11の+X軸方向は、回路基板30にメスコネクタ10を実装したとき、メスコネクタ10のピン11と回路基板30の導電パターンとが電気的に接続される方向である。振動や外力が作用するようになれば、メスコネクタ10が+X軸方向に押されて、メスコネクタ10のピン11と回路基板30の導電パターンとの間の電気的接続が切れるおそれがある。したがって、特に、メスコネクタ10は、+X軸方向に押されないように、回路基板30に固定する必要がある。
【0068】
そのため、本実施形態による第1凹凸部18及び第2凹凸部19は、図11に示したように、傾斜が一方向に形成された鋸歯状に具現され得る。
【0069】
このような第1凹凸部18と第2凹凸部19とが型合わせられた状態では、外力が作用しても、1つの単位メスコネクタ10が他の1つの単位メスコネクタ10から分離されて図11の+X軸方向に移動する可能性が非常に低い。すなわち、本実施形態のように、単位メスコネクタ10同士を連結すれば、外力や振動があっても、単位メスコネクタ10が個別的に分離されて+X軸方向に押され回路基板30の導電パターン及び電気的接続が切れることを防止することができる。
【0070】
以上のように、本発明の望ましい実施形態について図示して説明したが、本発明が上述した特定の望ましい実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者であれば誰でも多様な変形実施が可能であることは勿論、そのような変更も請求範囲の記載の範囲内であることは言うまでもない。
【0071】
一方、本明細書において、上、下、左、右などのように方向を表す用語が使われたが、このような用語は説明の便宜上使用されたものであって、観測者の位置や対象になる物の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者にとって自明である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11