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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-06
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】光酸発生基を含む重合体
(51)【国際特許分類】
   C08F 232/00 20060101AFI20220114BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
C08F232/00
G03F7/039 601
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020542418
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 KR2019014567
(87)【国際公開番号】W WO2020091445
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2020-08-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0131891
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジヒ
(72)【発明者】
【氏名】チュン、スン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リム、ミニョン
【審査官】谷合 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-192617(JP,A)
【文献】特開2009-192618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 232/00
G03F 7/039
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1aで表される構造単位;及び下記化学式1bで表される構造単位を含むものである重合体(A):
[化学式1a]
【化1】
[化学式1b]
【化2】
前記化学式1a及び1bにおいて、
M1は有機陽イオンであり、M2は有機陰イオンであり、
Y1は、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;2価の芳香族炭化水素基;2価の飽和ヘテロ環基;2価の芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された2価環基;-O-;-C(=O)-;-C(=O)O-;-C(=O)N(R19)-;-N(R19)-;-S-;-S(=O)-;-S(=O)-;及び-S(=O)O-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された基であり、R19は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;又は芳香族炭化水素基であり、2以上のR19は、互いに同一であるか異なっており、
Y2及びR1~R3は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;アルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基;-OR;-OC(=O)R;-C(=O)R;-C(=O)OR;-C(=O)NR;-NR;-SR;-S(=O)R;-S(=O)R;及び-S(=O)ORからなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された基であり、Rは、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;又は飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基であり、2以上のRは、互いに同一であるか異なっており、
R1~R3、Y1及びY2は、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;オキソ基(=O);又はアルキル基でさらに置換されることができ
前記化学式1bは、下記化学式1cで表されるものであり、
[化学式1c]
【化3】
前記化学式1cにおいて、
R1、M1、M2及びY2の定義は、化学式1bで定義した通りであり、
L1及びL2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;2価の芳香族炭化水素基;2価の飽和ヘテロ環基;2価の芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された2価環基;-O-;-C(=O)-;-C(=O)O-;-C(=O)N(R19)-;-N(R19)-;-S-;-S(=O)-;-S(=O) -;及び-S(=O) O-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された基であり、R19は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;又は芳香族炭化水素基であり、2以上のR19は、互いに同一であるか異なっており、
L1及びL2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;オキソ基(=O);又はアルキル基でさらに置換されることができ、
n1は0以上の整数であり、n1が2以上の場合、L1は互いに同一であるか異なっており、
n2は0以上の整数であり、n2が2以上の場合、L2は互いに同一であるか異なっており、
R4及びR5は互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、R1の定義の通りであり、
b1は0又は1であり、b2は0又は1であり、b1とb2の和は1である。
【請求項2】
前記M1は、下記化学式a-1~化学式a-3のうちいずれか一つで表されるものである、請求項1記載の重合体(A):
【化4】
前記化学式a-1~化学式a-3において、
【化5】
は、Y1と連結される部位を示し、
R11~R14は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;直鎖又は分枝鎖のアルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;又は飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基であり、
R11~R14は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;アルコキシ基;オキソ基(=O);又はアルキル基でさらに置換されることができ、
c1は0以上の整数であり、c1が2以上の場合、R13は互いに同一であるか異なっており、
c2は1~10の整数である。
【請求項3】
前記M2-Y2は、下記化学式10で表されるものである、請求項1又は2に記載の重合体(A):
[化学式10]
【化6】
前記化学式10において、
R15はハロゲン基であり、R16はハロゲン基であり、
a10は1~5の整数であり、a10が2以上の場合、2以上のR15及びR16は、それぞれ互いに同一であるか異なっており、
L11及びL12は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、単結合;直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;2価の芳香族炭化水素基;2価の飽和ヘテロ環基;2価の芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された2価環基;-O-;-C(=O)-;-C(=O)O-;-C(=O)N(R19)-;-N(R19)-;-S-;-S(=O)-;-S(=O)-;及び -S(=O)O-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、前記群より選択された 2以上の基が連結された基であり、R19は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;又は芳香族炭化水素基であり、2以上のR19は、互いに同一であるか異なっており、
R17は、飽和炭化水素環基であり、
L11、L12及びR17は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;オキソ基(=O);又はアルキル基でさらに置換されることができる。
【請求項4】
前記R3は、下記化学式4で表されるものである、請求項1からのいずれか一項に記載の重合体(A):
[化学式4]
【化7】
前記化学式4において、
R10は、重水素;ハロゲン基;直鎖又は分枝鎖のアルキル基;ハロアルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基;-OR';-OC(=O)R';-C(=O)R';-C(=O)OR';-C(=O)NR';-NR';-SR';-S(=O)R';-S(=O)R';及び-S(=O)OR'からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、前記群より選択された2以上の基が連結された基であり、R'は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;又は飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基であり、2以上のR'は、互いに同一であるか異なっており、R10は、オキソ基でさらに置換されることができる。
【請求項5】
前記重合体(A)は、前記化学式1aで表される構造単位;及び前記化学式1bで表される構造単位のランダム重合体である、請求項1からのいずれか一項に記載の重合体(A)。
【請求項6】
前記化学式1aで表される構造単位は、前記重合体(A)に含まれる総構造単位に対し、80モル%~99.9モル%で含まれるものである、請求項1からのいずれか一項に記載の重合体(A)。
【請求項7】
前記化学式1bで表される構造単位は、前記重合体(A)に含まれる総構造単位に対し、0.1モル%~20モル%で含まれるものである、請求項1からのいずれか一項に記載の重合体(A)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光酸発生基を含む重合体に関する。
【0002】
本出願は、2018年10月31日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2018-0131891号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に組み含まれる。
【背景技術】
【0003】
半導体の高集積化は、性能、信頼性、そして人的、物的インフラの面で、他のパターニング技法の追随を許さないフォトリソグラフィ技術の発展に伴って進展してきている。特に、より短い光源、そしてそれに合う光化学反応のフォトレジストを適用するようになり、高感度化学増幅型フォトレジストを適用したKrFエキシマ(excimer)レーザ(248nm)、ArFレーザ(193nm) リソグラフィ技術の発展により、デバイスの集積度は急激に増加してきている。
【0004】
感光性組成物の構成を変更する多様な試みを通じて、感度、解像度、線幅のラフネスなどを向上してきた。その中でも感光性組成物に使用される多様な光活性化合物が提案されている。特に、酸拡散を制御し、ポリマーとの混和性を改善したオーダーメイド式光酸発生剤(PAG)は、高解像度リソグラフィ(high resolution lithography)において非常に重要である。例えば、光酸発生剤がレジストフィルムに均一に分布されなければ、Tトッピング(T-topping)、フット形成(foot formation)及びノッチング(notching)のような欠陥が、イメージ化されたフォトレジストフィルムに発生し得る。
【0005】
光酸発生剤の構造は、光酸発生剤と他のフォトレジスト構成との相互作用に影響を及ぼすことから、フォトレジストの全体性能において重要な役割を果たす。上記相互作用は、光の照射で生成された酸の拡散に重要な影響を及ぼす。酸拡散特性を改善し、他のフォトレジスト構成との混和性をより良好にする特定の構造的、化学的、そして物理的特性を有する光酸発生剤に関する研究が続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、フォトレジストパターンのパターン幅のバラツキ(line width roughness;LWR)を改善して、パターンの均一性を確保することができる重合体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本出願人は、光酸発生基を重合体(A)に含ませた。一実施態様において、上記重合体(A)は、下記化学式1aで表される構造単位;及び下記化学式1bで表される構造単位を含む。
[化学式1a]
【化1】
[化学式1b]
【化2】
上記化学式1a及び1bにおいて、
M1は有機陽イオンであり、M2は有機陰イオンであり、
Y1は、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;2価の芳香族炭化水素基;2価の飽和ヘテロ環基;2価の芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された2価環基;-O-;-C(=O)-;-C(=O)O-;-C(=O)N(R19)-;-N(R19)-;-S-;-S(=O)-;-S(=O)-;及び-S(=O)O-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、R19は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;又は芳香族炭化水素基であり、2以上のR19は、互いに同一であるか異なっており、
Y2及びR1~R3は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;アルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基;-OR;-OC(=O)R;-C(=O)R;-C(=O)OR;-C(=O)NR;-NR;-SR;-S(=O)R;-S(=O)R;及び-S(=O)ORからなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、Rは、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;又は飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基であり、2以上のRは、互いに同一であるか異なっており、
R1~R3、Y1及びY2は、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;オキソ基(=O);又はアルキル基でさらに置換されることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の重合体(A)を含む組成物で形成したパターンは、最適露光量及び/又はパターン幅のバラツキ(line width roughness, LWR)に優れている。
【0009】
本発明の重合体(A)は、半導体用微細パターンを実現するのに使用されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施態様を説明するに先立って、まず、本明細書のいくつかの用語を明確にする。
【0011】
また、本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」及び/又は「包含する(comprising)」は、言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素及び/又はこれらグループの存在を特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素及び/又はグループの存在又は付加を排除するものではない。
【0012】
本明細書において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定された標準ポリスチレン換算重量平均分子量である。
【0013】
一実施態様において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC, Waters社のWaters707)を用いて、次の方法で測定することができる。測定する化合物0.2mgを10mgのテトラヒドロフランに溶解させて、サンプルを製造する。移動相にテトラヒドロフランを1ml/分の流速で流入した後、検出器(RI and PAD Detector)を用いて、35℃で重量平均分子量を測定する。
【0014】
本明細書において、
【化3】
は、他の単位又は置換基と連結される部位を示すものである。
【0015】
本明細書において、有機基とは、炭素と水素及び非金属元素(酸素、窒素、塩素など)から構成された1価の化合物を意味する。上記有機基には、非環化合物、環を形成する化合物、ヘテロ環化合物などがいずれも含まれる。
【0016】
以下、本発明のいくつかの実施態様について詳細に説明する。ところが、本発明の思想及び技術範囲は、以下に説明する本発明の特定の実施態様に限定されず、種々の変換、均等物または代替物をいずれも含むものである。
【0017】
本発明の一実施態様に係る重合体(A)は、電子線用又は極端紫外線用化学増幅型化合物である。
【0018】
本発明の一実施態様に係る重合体(A)は、フォトレジストパターン形成用感光性組成物に含まれることができる。
【0019】
本発明において、上記重合体(A)を含む組成物で形成した塗布層を露光する際に、光が照射された部分の重合体(A)は、分解されて現像液に容易に溶解される性質に変わる。露光工程によって露光された領域を現像液で除去することにより、パターンを形成することができる。
【0020】
本明細書の一実施態様に係る上記重合体(A)は、下記化学式1aで表される構造単位;及び下記化学式1bで表される構造単位を含む。
[化学式1a]
【化4】
[化学式1b]
【化5】
上記化学式1a及び1bにおいて、
M1は有機陽イオンであり、M2は有機陰イオンであり、
Y1は、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;2価の芳香族炭化水素基;2価の飽和ヘテロ環基;2価の芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された2価環基;-O-;-C(=O)-;-C(=O)O-;-C(=O)N(R19)-;-N(R19)-;-S-;-S(=O)-;-S(=O)-;及び-S(=O)O-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、R19は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;又は芳香族炭化水素基であり、2以上のR19は、互いに同一であるか異なっており、
Y2及びR1~R3は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;アルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基;-OR;-OC(=O)R;-C(=O)R;-C(=O)OR;-C(=O)NR;-NR;-SR;-S(=O)R;-S(=O)R;及び-S(=O)ORからなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、Rは、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;又は飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基であり、2以上のRは、互いに同一であるか異なっており、
R1~R3、Y1及びY2は、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;オキソ基(=O);又はアルキル基でさらに置換されることができる。
【0021】
一実施態様において、上記重合体(A)は、Random(不規則)、Alternating(交互)又はBlock(ブロック)重合体であってもよい。
【0022】
一実施態様において、上記重合体(A)は、上記化学式1aで表される構造単位;及び上記化学式1bで表される構造単位のRandom(不規則)重合体であってもよい。
【0023】
一実施態様において、上記化学式1bのM1とM2は、それぞれ有機陽イオン、有機陰イオンであって、互いにイオン結合状態で存在する。
【0024】
本明細書において、ハロゲン基は、フルオロ基、ブロモ基、ヨード基などが挙げられる。
【0025】
本明細書において、直鎖のアルキレン基は、-CH-;-(CH-;-(CH-などであってもよいが、これに限定されない。
【0026】
本明細書において、分枝鎖のアルキレン基は、-CH(CH)-;-C(CH-;-C(CH)(CHCH)-;-CHCH(CH)CH-などを意味することができるが、 これに限定されない。
【0027】
本明細書において、飽和炭化水素環基は、単環又は多環の飽和炭化水素環で一つの水素を除去した1価の基を意味する。
【0028】
上記単環の飽和炭化水素環は、シクロアルカン(cycloalkane)を意味する。上記シクロアルカンは、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどであってもよいが、これに限定されない。
【0029】
上記多環の飽和炭化水素環は、ビシクロ型シクロアルカン;又はスピロ型シクロアルカンを含む。上記ビシクロ型アルカンは、縮合された(fused)シクロアルカン;及び架橋された(bridged)シクロアルカンを含む。
【0030】
上記縮合された(fused)シクロアルカンは、隣接する炭素原子対を互いに共有するシクロアルカンの融合環を意味する。上記架橋された(bridged)シクロアルカンは、環内の隣接していない2個の炭素が直接結合又はアルキレン基で互いに連結された飽和炭化水素環を意味する。上記スピロ(spiro)結合されたシクロアルカンは、一つの炭素原子を共有しながら連結された飽和炭化水素環を意味する。
【0031】
上記多環の飽和炭化水素環は、例えば、アダマンタン(adamantane);ノルボルナン(norbornane);トリシクロデカン(tricyclodecane);ビシクロ[3.1.1]ヘプタン;デカリン(decalin);オクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン(octahydro-1H-4,7-methanoindene);オクタヒドロ-1H-4,7-エタノインデン(octahydro-1H-4,7-ethanoindene);ビシクロ[3.1.0]ヘキサン(bicyclo[3.1.0]hexane);ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(bicyclo[2.2.1]heptane);ビシクロ[3.2.0]ヘプタン(bicyclo[3.2.0]heptane);ビシクロ[3.1.1]ヘプタン(bicyclo[3.1.1]heptane);ビシクロ[4.1.0]ヘプタン(bicyclo[4.1.0]heptane);ビシクロ[3.2.1]オクタン(bicyclo[3.2.1]octane);ビシクロ[2.2.2]オクタン(bicyclo[2.2.2]octane);ビシクロ[4.2.0]オクタン(bicyclo[4.2.0]octane);ビシクロ[3.2.2]ノナン(bicyclo[3.2.2]nonane);ビシクロ[4.4.0]デカン(bicyclo[4.4.0]decane);スピロ[4.3]オクタン(spiro[4.3]octane);スピロ[5.2]オクタン(spiro[5.2]octane);スピロ[5.4]デカン(spiro[5.4]decane)などであってもよいが、これに限定されない。
【0032】
本明細書において、芳香族炭化水素は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、トリフェニレン、フェナントレンなどであってもよいが、これに限定されない。
【0033】
本明細書において、飽和ヘテロ環は、上記飽和炭化水素環で1以上の炭素がS、O、N又はSiで置換された環を意味する。
【0034】
本明細書において、芳香族ヘテロ環は、芳香性を有しながら2以上の元素で構成された環を意味する。
【0035】
一実施態様において、上記Y1は、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;2価の芳香族炭化水素基;飽和炭化水素環と芳香族炭化水素とが縮合された2価環基;-O-;-S-;-C(=O)-;-C(=O)O-;及び-C(=O)NH-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基である。
【0036】
一実施態様において、上記Y1は、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;-O-;及び-S-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基である。
【0037】
組成物に含まれる樹脂と光酸発生剤との混和性及び相溶性が良くなければ、感光膜に光酸発生剤が均一に分布しないおそれがある。各部分で光酸発生剤の含量に差が生じれば、露光時に各部分に発生する酸の量に差が生じ、各部分で樹脂が現像液に溶解される量も変わる。この場合、フォトレジストパターンのパターン幅のバラツキ(LWR)が大きくなって、微細パターンの調節が難しくなる。
【0038】
これに対し、本発明の重合体(A)は、ノルボルネンを含む単分子又はノルボルネン誘導体の重合体に光照射時に酸を発生する基(光酸発生基)が結合されているので、光酸発生基が感光性組成物に均一に分布することができる。そこで、樹脂と光酸発生剤間の相溶性問題が発生しないため、パターン幅のバラツキ(LWR)が改善される。
【0039】
一実施態様において、上記重合体(A)は、上記化学式1aで表される構造単位;及び上記化学式1bで表される構造単位のランダム重合体である。この場合、重合体(A)の主鎖はノルボルナン環で構成される。本明細書において、重合体の主鎖とは、高分子の骨格をなす幹分子鎖を意味する。
【0040】
上記重合体(A)の主鎖がノルボルナン環で構成されれば、主鎖がアルキレン基で構成された化合物よりもガラス転移温度(Tg)が高くなる。化合物のガラス転移温度(Tg)が低いほど、露光後の熱処理時に樹脂の流動性が大きくなって酸拡散に有利であるが、酸拡散が速いほど微細パターンの形成時にパターン幅のバラツキが大きくなるという問題がある。樹脂と光酸発生剤のガラス転移温度を高くすれば、露光時に光酸発生剤から発生した酸の拡散が大きくないため、パターン幅が比較的均一なパターン幅の微細パターンの実現が可能である。
【0041】
本明細書において、ガラス転移温度は、示差走査型熱量計(differential Scanning Calorimetry;DSC)で測定することができる。一実施態様において、ガラス転移温度は、Melttler社のDSC3を使用して測定することができる。
【0042】
一実施態様において、上記重合体(A)の重量平均分子量は、3,000g/mol~15,000g/molである。上記重合体(A)の重量平均分子量が3,000g/mol未満であれば、感光膜にクラックが発生するおそれがあり、15,000g/molを超過すれば、感度が低下し、フット(foot)現象が発生するおそれがある。
【0043】
一実施態様において、上記重合体(A)の重量平均分子量は、15,000g/mol以下;12,000g/mol以下;9,000g/mol以下;又は7,000g/mol 以下である。
【0044】
一実施態様において、上記化学式1aで表される構造単位は、上記重合体(A)に含まれる総構造単位に対し、80モル%~99.9モル%で含まれる。
【0045】
一実施態様において、上記化学式1bで表される構造単位は、上記重合体(A)に含まれる総構造単位に対し、0.1モル%~20モル%で含まれる。一実施態様において、上記化学式1bで表される構造単位が上記範囲超過で含まれる場合、パターンの解像度が低下するおそれがある。
【0046】
一実施態様において、上記化学式1aで表される構造単位は、上記重合体(A)に含まれる総構造単位に対し、80モル%~99.9モル%で含まれ、上記化学式1bで表される構造単位は、上記重合体(A)に含まれる総構造単位に対し、0.1モル%~20モル%で含まれる。
【0047】
一実施態様において、上記化学式1bは、下記化学式1cで表される。
[化学式1c]
【化6】
上記化学式1cにおいて,
R1、M1、M2及びY2の定義は、化学式1bで定義した通りであり、
L1及びL2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;2価の芳香族炭化水素基;2価の飽和ヘテロ環基;2価の芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された2価環基;-O-;-C(=O)-;-C(=O)O-;-C(=O)N(R19)-;-N(R19)-;-S-;-S(=O)-;-S(=O)-;及び-S(=O)O-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、R19は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;又は芳香族炭化水素基であり、2以上のR19は、互いに同一であるか異なっており、
L1及びL2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;オキソ基(=O);又はアルキル基でさらに置換されることができ、
n1は0以上の整数であり、n1が2以上の場合、L1は互いに同一であるか異なっており、
n2は0以上の整数であり、n2が2以上の場合、L2は互いに同一であるか異なっており、
R4及びR5は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、R1の定義の通りであり、
b1は0又は1であり、b2は0又は1であり、b1とb2の和は1である。
【0048】
一実施態様において、上記L1及びL2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;2価の芳香族炭化水素基;飽和炭化水素環と芳香族炭化水素とが縮合された2価環基;-O-;-C(=O)-;-C(=O)O-;及び-C(=O)N(R19)-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、R19は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;又は芳香族炭化水素基であり、2以上のR19は、互いに同一であるか異なっている。
【0049】
一実施態様において、上記L1は、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;-O-;及び-C(=O)-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、上記L1は、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;オキソ基(=O);又はアルキル基でさらに置換されることができる。
【0050】
一実施態様において、上記n1は、1~10;1~8;1~6;又は1~4の整数である。
【0051】
一実施態様において、上記L2は、直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;及び2価の芳香族炭化水素基からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、上記L2は、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;オキソ基(=O);又は脂肪族炭化水素基でさらに置換されることができる。
【0052】
一実施態様において、上記n2は、1~10;1~8;1~6;又は1~4の整数である。
【0053】
一実施態様において、上記R1は、水素である。
【0054】
一実施態様において、上記R2は、水素である。
【0055】
一実施態様において、上記R3は、下記化学式4で表される。
[化学式4]
【化7】
上記化学式4において、
R10は、重水素;ハロゲン基;直鎖又は分枝鎖のアルキル基;ハロアルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、 飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基;-OR';-OC(=O)R';-C(=O)R';-C(=O)OR';-C(=O)NR';-NR';-SR';-S(=O)R';-S(=O)R';及び-S(=O)OR'からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、R'は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;又は飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基であり、2以上のR'は、互いに同一であるか異なっており、R10は、オキソ基でさらに置換されることができる。
【0056】
一実施態様において、上記R10は、直鎖又は分枝鎖のアルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基;-OR';-OC(=O)R';-C(=O)R';及び-C(=O)OR'からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、R'は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;又は飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基であり、2以上のR'は、互いに同一であるか異なっており、R10は、オキソ基でさらに置換されることができる。
【0057】
一実施態様において、上記R10は、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;アルコキシ基;アリールオキシ基;ハロアルキル基;アルキル基;及びオキソ基(=O)で置換もしくは非置換の飽和炭化水素環基からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基である。
【0058】
一実施態様において、上記R10は、アルキル基又はヒドロキシ基が連結された飽和炭化水素環基である。
【0059】
一実施態様において、上記R10は、アルキル基又はヒドロキシ基が連結されたアダマンタニル基である。
【0060】
一実施態様において、上記b1は、1である。
【0061】
一実施態様において、上記b2は、1である。
【0062】
一実施態様において、上記M1は、下記化学式a-1~化学式a-3のうちいずれか一つで表される。
【化8】
上記化学式a-1~化学式a-3において、
【化9】
は、Y1と連結される部位を示し、
R11~R14は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;直鎖又は分枝鎖のアルキル基;飽和炭化水素環基;芳香族炭化水素基;飽和ヘテロ環基;芳香族ヘテロ環基;又は飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された環基であり、
R11~R14は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;アルコキシ基;オキソ基(=O);又はアルキル基でさらに置換されることができ、
c1は0以上の整数であり、c1が2以上の場合、R13は互いに同一であるか異なっており、
c2は、1~10の整数である。
【0063】
一実施態様において、上記化学式1cのM1は、上記化学式a-1~化学式a-3で表され、この場合、
【化10】
は、L2と連結される部位を示す。
【0064】
一実施態様において、上記R11~R14は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ベンジルメチル基、フェニルエチル基、2-オキソプロピル基、2-シクロペンチル-1-オキソエチル基、2-シクロヘキシル-1-オキソエチル基、2-(4-メチルシクロヘキシル)-1-オキソエチル基、2-フェニル-1-オキソエチル基、2-(1-ナフチル)-1-オキソエチル基、2-(2-ナフチル)-1-オキソエチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピル基、2-メチルシクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンタニル基、2-オキソシクロペンチル基、2-オキソシクロヘキシル基などの飽和炭化水素環基;又はフェニル基、ナフチル基、p-メトキシフェニル基、m-メトキシフェニル基、o-メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p-tert-ブトキシフェニル基、m-tert-ブトキシフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、エチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、4-ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、ジメチルナフチル基、ジエチルナフチル基、ジメトキシナフチル基、ジエトキシナフチル基などの芳香族炭化水素基であってもよい。
【0065】
一実施態様において、上記R11~R14は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;又はC6-C30の芳香族炭化水素基である。
【0066】
一実施態様において、上記R11~ R14は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;又はフェニル基である。
【0067】
一実施態様において、上記R11及びR12は、フェニル基である。
【0068】
一実施態様において、上記R14は、フェニル基である。
【0069】
一実施態様において、上記c2は、1~3の整数である。
【0070】
一実施態様において、上記M2-Y2は、下記化学式10で表される。
[化学式10]
【化11】
上記化学式10において、
R15はハロゲン基であり、R16はハロゲン基であり、
a10は1~5の整数であり、a10が2以上の場合、2以上のR15及びR16は、それぞれ互いに同一であるか異なっており、
L11及びL12は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、単結合;直鎖又は分枝鎖のアルキレン基;2価の飽和炭化水素環基;2価の芳香族炭化水素基;2価の飽和ヘテロ環基;2価の芳香族ヘテロ環基;飽和炭化水素環、芳香族炭化水素、飽和ヘテロ環及び芳香族ヘテロ環のうち2以上の環が縮合された2価環基;-O-;-C(=O)-;-C(=O)O-;-C(=O)N(R19)-;-N(R19)-;-S-;-S(=O)-;-S(=O)-;及び -S(=O)O-からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された 2以上の基が連結された基であり、R19は、水素;重水素;アルキル基;飽和炭化水素環基;又は芳香族炭化水素基であり、2以上のR19は、互いに同一であるか異なっており、
R17は、飽和炭化水素環であり、
L11、L12及びR17は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、重水素;ハロゲン基;ヒドロキシ基;オキソ基(=O);又はアルキル基でさらに置換されることができる。
【0071】
一実施態様において、上記R15は、フルオロ基である。
【0072】
一実施態様において、上記R16は、フルオロ基である。
【0073】
一実施態様において、上記a10は、1又は2である。
【0074】
一実施態様において、上記L11は、単結合である。
【0075】
一実施態様において、上記L12は、直鎖のアルキレン基である。
【0076】
一実施態様において、上記L12は、C1-C15;C1-C10;C1-C6;又はC1-C4の直鎖のアルキレン基である。
【0077】
一実施態様において、上記R17は、ヒドロキシ基で置換もしくは非置換のアダマンタニル基である。
【0078】
一実施態様において、上記重合体(A)は、感光性組成物に含まれて、感光膜を形成することができる。
【0079】
一実施態様において、上記感光性組成物は、光酸発生剤をさらに含むことができる。
【0080】
一実施態様において、上記光酸発生剤は、スルホニウム塩;ヨードニウム塩;ジアゾニウム塩;ホスホニウム塩;ピリジニウム塩;ハロゲン含有化合物;スルホン化合物;スルホネートエステル化合物;キノンジアジド化合物;及びジアゾメタン化合物からなる群より選択される1種又は2種以上であってもよいが、これに限定されない。
【0081】
上記スルホニウム塩は、例えば、ジフェニル(4-フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4,4'-ビス[ジフェニルスルホニオー]フェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート及びこれらの組み合わせ、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムピレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10-カンフルスルホネート、トリフェニルスルホニウムオクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどであってもよいが、これに限定されない。
【0082】
上記ヨードニウム塩は、例えば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp-トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウム10-カンフルスルホネート、ジフェニルヨードニウムオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネートなどであってもよいが、これに限定されない。
【0083】
上記ジアゾニウム塩は、例えば、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどであってもよいが、これに限定されない。
【0084】
上記ホスホニウム塩は、例えば、トリフェニルホスホニウムクロリド、トリフェニルホスホニウムブロミド、トリ(p-メトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレート, トリ(p-メトキシフェニル)ホスホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリ(p-エトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレート、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどであってもよいが、これに限定されない。
【0085】
上記ピリジニウム塩は、例えば、1-ベンジル-2-シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1-ベンジル-2-シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1-ベンジル-2-シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1-ベンジル-2-シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1-(ナフチルメチル)-2-シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1-(ナフチルメチル)-2-シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネートなどであってもよいが、これに限定されない。
【0086】
ハロゲン含有化合物は、ハロアルキル基含有炭化水素化合物及びハロアルキル基含有ヘテロ環化合物を含む。ハロゲン含有化合物は、例えば、フェニル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-メトキシフェニル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン及び1-ナフチル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジンのような(ポリ)トリクロロメチル-s-トリアジン;及び1,1-ビス(4-クロロフェニル)-2,2,2-トリクロロエタンなどであってもよいが、これに限定されない。
【0087】
スルホン化合物は、例えば、β-ケトスルホン及びβ-スルホニルスルホン及びこれらのα-ジアゾ化合物を含む。スルホン化合物の具体的な例は、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、1,1-ビス(フェニルスルホニル)シクロブタン、1,1-ビス(フェニルスルホニル)シクロペンタン、1,1-ビス(フェニルスルホニル)シクロヘキサン及び4-トリスフェナシルスルホンなどであってもよいが、これに限定されない。
【0088】
スルホン酸エステル(sulfonic acid esters)化合物は、アルキルスルホネートエステル、ハロアルキルスルホネートエステル、アリールスルホネートエステル及びアミノスルホネートを含む。スルホネートエステル化合物は、例えば、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロメタンスルホネート、ピロガロールトリスノナフルオロブタンスルホネート、ピロガロールメタンスルホネートトリエステールなどであってもよいが、これに限定されない。
【0089】
上記ジアゾメタン化合物は、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル-p-トルエンスルホニルジアゾメタン、1-シクロヘキシルスルホニル-1-(1,1-ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン及びビス(1,1-ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタンなどであってもよいが、これに限定されない。
【0090】
上記キノンジアジド化合物は、例えば、1,2-ベンゾキノンジアジド-4-スルホン酸エステル、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エステルのようなキノンジアジド誘導体のスルホン酸エステル;及び1,2-ベンゾキノン-2-ジアジド-4-スルホン酸クロリド、1,2-ナフトキノン-2-ジアジド-4-スルホン酸クロリド、1,2-ナフトキノン-ジアジド-5-スルホン酸クロリド、1,2-ナフトキノン-1-ジアジド-6-スルホン酸クロリドのようなキノンジアジド誘導体のスルホン酸クロリドなどであってもよいが、これに限定されない。
【0091】
一実施態様において、上記感光性組成物は、上記重合体(A)以外に別途の光酸発生剤を含まなくてもよい。上記光酸発生剤は、活性光線又は放射線を照射した時に酸を発生させる化合物である。一実施態様において、上記感光性組成物が、光酸発生剤として上記重合体(A)のみを含む場合、パターンのパターン幅のバラツキ(LWR)がさらに低減できる。
【0092】
一実施態様において、上記重合体(A)は、上記感光性組成物に含まれる光酸発生剤(光照射時に酸を発生させる化合物)100重量部に対し100重量部で含まれる。
【0093】
上記感光性組成物は、感度調節及びパターンプロファイルを向上するために、ヒドロキシ基を含む構造単位を含む重合体(B)をさらに含むことができる。
【0094】
一実施態様において、上記感光性組成物に含まれる上記重合体(A)と上記重合体(B)との重量比は、8:2~4:6;又は7:3~5:5であってもよい。上記重合体(B)の含量が上記範囲未満であれば、フォトレジスト層を現像した後に基板に残膜が残るおそれがあり、上記範囲超過であれば、現像が過度に起きて、目的とするパターン形態以外の部分まで現像が起きて、パターンの形態が崩れるおそれがある。
【0095】
一実施態様において、上記ヒドロキシ基を含む構造単位は、下記化学式c-1で表される構造単位である。
【化12】
【0096】
上記化学式c-1において、R61は、水素;又はアルキル基である。
【0097】
一実施態様において、上記R61は、水素;又はメチル基である。
【0098】
一実施態様において、上記化学式c-1のOH基は、ベンゼンのパラ(para)位に結合される。
【0099】
一実施態様において、上記重合体(B)は、酸分解性基で保護されたヒドロキシ基を有する構造単位;及び酸分解性基で保護されたカルボキシル基を有する構造単位のうち1以上をさらに含む。
【0100】
本明細書において、酸分解性基(acid-labile group)とは、酸によって結合が除去される基を意味する。
【0101】
上記酸分解性基で保護されたヒドロキシ基を有する構造単位は、酸条件でヒドロキシ基に分解され、酸分解性基で保護されたカルボキシル基を有する構造単位は、酸条件でカルボン酸に分解されることができる。
【0102】
また、本発明の感光性組成物は重合体(B)を含むことにより、感度調節が容易になり、パターンの形状を微細に調節することができる。
【0103】
一実施態様において、上記酸分解性基で保護されたヒドロキシ基を有する構造単位は、下記化学式d-1で表される構造単位であり、上記酸分解性基で保護されたカルボキシル基を有する構造単位は、下記化学式d-2で表される構造単位である。
【化13】
上記化学式d-1及びd-2において、
R21及びR22は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、-Si(R24)(R25)(R26);置換もしくは非置換の、ラクトンを含む環基;置換もしくは非置換の、スルホンを含む環基;-C(R27)(R28)O(R29);-(CHC(=O)O(R30);-C(R31)(R32)(R33);-C(=O)(R34);置換もしくは非置換の脂肪族環基;又は置換もしくは非置換の芳香族環基であり、
R24~R34は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;ニトリル基;-N(R42)(R43);-C(=O)(R44);-C(=O)O(R45);置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換の脂肪族環基;及び置換もしくは非置換の芳香族環基からなる群より選択されたいずれか一つの基であるか、上記群より選択された2以上の基が連結された基であり、R42~R45は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換の脂肪族炭化水素基;又は置換もしくは非置換の芳香族炭化水素基であり、
nは、0~6の整数であり、
R20及びR23は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;又はアルキル基である。
【0104】
一実施態様において、上記化学式d-1及びd-2の置換基の定義において、「置換もしくは非置換の」は、重水素;ニトリル基;-O(R46);オキソ基(=O);-N(R47)(R48);-C(=O)(R49);-C(=O)O(R50);アルキル基;脂肪族環基;及び芳香族環基からなる群より選択されたいずれか一つの基、又は上記群より選択された2以上の基が連結された基で置換されるか、又はいずれの置換基も持たないことを意味し、R46~R50は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;アルキル基;脂肪族炭化水素基;又は芳香族炭化水素基である。
【0105】
一実施態様において、上記R21及びR22のアルキル基の炭素数は、1~30;1~20;又は1~10である。
【0106】
一実施態様において、上記R21及びR22の脂肪族環基は、脂肪族炭化水素環基;又はS、O 又はNを含む脂肪族ヘテロ環基であってもよい。上記脂肪族環基は、単環;又は多環であってもよい。上記多環の環は、ビシクロ;又はスピロ構造の形態を含む。
【0107】
本明細書において、上記脂肪族環基は、脂肪族炭化水素環基;及び脂肪族ヘテロ環基を意味する。 上記脂肪族炭化水素環基は、飽和炭化水素環基と不飽和炭化水素環基とを含む。上記不飽和炭化水素環基は、シクロアルキル基、ビシクロ型シクロアルキル基及びスピロ型シクロアルキル基の一部の単結合が不飽和結合で代替された基を意味する。上記脂肪族ヘテロ環基は、脂肪族炭化水素環基の一部の炭素がO、S、Se又はNで置換された基を意味する。
【0108】
一実施態様において、上記R24~R34は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、メチル基;エチル基;n-プロピル基;イソプロピル基;tert-ブチル基;シクロペンチル基;シクロヘキシル基;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン;トリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタン;アダマンタン;テトラシクロ[3.2.0.02,7.04,6]ヘプタン;オクタヒドロ-1H-インデン;オクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン;デカヒドロ-1,4-メタノナフタレン;デカヒドロ-1,4:5,8-ジメタノナフタレンなどであってもよいが、これに限定されない。
【0109】
一実施態様において、上記-(CHC(=O)O(R30)は、tert-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニルメチル基、tert-アミルオキシカルボニル基、tert-アミルオキシカルボニルメチル基、1,1-ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1-ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1-エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1-エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1-エチル-2-シクロペンテニルオキシカルボニル基、1-エチル-2-シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1-エトキシエトキシカルボニルメチル基、2-テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2-テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基であってもよいが、これに限定されない。
【0110】
一実施態様において、上記R21及びR22の脂肪族環基は、シクロペンチル基;シクロヘキシル基;ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基;トリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタニル基;アダマンタン;テトラシクロ[3.2.0.02,7.04,6]ヘプタニル基;オクタヒドロ-1H-インデニル基;オクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデニル基;デカヒドロ-1,4-メタノナフチル基;デカヒドロ-1,4:5,8-ジメタノナフチル基などであってもよいが、これに限定されない。
【0111】
本明細書において、上記芳香族環基は、芳香族炭化水素基;又はO、N、Se又はSを含む芳香族ヘテロ環であってもよい。上記芳香族炭化水素基は、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、スチルベニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などであってもよいが、これに限定されない。上記芳香族ヘテロ環基は、例えば、チオフェニル基、フラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジニル基、ビピリジニル基、ピリミジル基、トリアジニル基、アクリジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基;ベンゾシロール基;ジベンゾシロール基;フェナントロリニル基(phenanthrolinyl group)、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェノチアジニル基、フェノオキサジニル基などであってもよいが、これに限定されない。
【0112】
本明細書において、ラクトンは、環状エステルを意味し、5~7員環であってもよい。上記ラクトンを含む環は、ラクトンにビシクロ構造又はスピロ構造の形態で他の環が縮合された環を含む。一実施態様において、上記ラクトンを含む環は、ジヒドロフラン-2(3H)-オン;テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン;6-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン;ヘキサヒドロ-2H-3,5-メタノシクロペンタ[b]フラン-2-オン;テトラヒドロ-2,6-メタノフロ[3,2-b]フラン-5(2H)-オン;ヘキサヒドロ-3,6-メタノベンゾフラン-2(3H)-オン;ヘキサヒドロベンゾフラン-2(3H)-オン;ヘキサヒドロ-4,7-メタノベンゾフラン-2(3H)-オン;2-オキサビシクロ[2.2.2]-オクタン-3-オン;4-オクタトリシクロ[4.3.0.03,8]ノナン-5-オン;2-オキサスピロ[4.5]デカン-1-オン;ジヒドロ-2'H-スピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3'-フラン]2'-オン;テトラヒドロフロ[3,2-b]フラン-2(5H)-オン;テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-2-オン;4-オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン-5-オンなどであってもよいが、これに限定されない。
【0113】
本明細書において、スルホンは、環状スルホン酸エステルを意味し、5~7員環であってもよい。 上記スルホンを含む環は、スルホンにビシクロ構造又はスピロ構造の形態で他の環が縮合された環を含む。一実施態様において、上記スルホンを含む環は、ヘキサヒドロ-3,5-メタノシクロペンタ[c][1,2]オキサチオール1,1-ジオキシド;1,2-オキサチオラン2,2-ジオキシド(1,2-oxathiolane 2,2-dioxide);1,2-オキサチアン2,2-ジオキシド(1,2-oxathiane 2,2-dioxide)などであってもよいが、これに限定されない。
【0114】
一実施態様において、上記R21及びR22は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、トリメチルシリル(TMS)基;トリエチルシリル(TES)基;t-ブチルジメチルシリル(TBS)基;t-ブチルジフェニルシリル(TBS)基;トリイソプロピルシリル(TIPS)基;テトラヒドロピラニル(THP)基;テトラヒドロフラニル(THF)基;p-メトキシベンジルメチル基;o-ニトロベンジルメチル基;p-ニトロベンジルメチル基;アダマンタニル基;-COCH;-COC(CH;-COCH(CH;-CO(C);C1-C10のアルキル基;C3-C12の脂肪族環基;又はC6-C30の芳香族環基であってもよいが、これに限定されない。
【0115】
一実施態様において、上記R20及びR23は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;又はC1-C10のアルキル基である。
【0116】
一実施態様において、上記R20及びR23は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;又はメチル基である。
【0117】
一実施態様において、上記重合体(B)は、上記化学式d-1及び/又はd-2で表される構造単位と;上記化学式c-1で表される構造単位とのランダム重合体である。
【0118】
一実施態様において、上記重合体(B)は、上記化学式d-1及び/又はd-2で表される構造単位と;上記化学式c-1で表される構造単位とが線状に不規則に配列された重合体である。
【0119】
一実施態様において、上記重合体(B)は、上記化学式c-1、d-1及びd-2で表される構造単位が、e1:e2:e3のモル比で線状に不規則に配列された重合体である。一実施態様において、上記e1:e2+e3は、9:1~5:5;又は8:2~6:4である。
【0120】
一実施態様において、上記重合体(B)は、上記化学式c-1及びd-1で表される構造単位が、 f1:f2のモル比で線状に不規則に配列された重合体である。一実施態様において、上記f1:f2は、9:1~5:5;又は8:2~6:4である。
【0121】
一実施態様において、上記重合体(B)は、上記化学式c-1及びd-2で表される構造単位が、g1:g2のモル比で線状に不規則に配列された重合体である。一実施態様において、上記g1:g2は、9:1~5:5;又は8:2~6:4である。
【0122】
上記重合体(B)において、酸分解性基で保護された基を含む構造単位の割合が上記範囲未満であれば、重合体(B)の感度が低くてパターンの形状が均一でないおそれがあり、上記範囲超過であれば、現像が過度に起きて、目的とするパターン形態以外の部分まで現像が起きて、パターンの形態が崩れるおそれがある。
【0123】
一実施態様において、上記化学式d-1で表される構造単位は、下記構造単位の中から選択されたいずれか一つであってもよいが、これに限定されない。
【化14】
【0124】
一実施態様において、上記化学式d-2で表される構造単位は、下記構造単位の中から選択されたいずれか一つであってもよいが、これに限定されない。
【化15】
【0125】
一実施態様において、上記重合体(B)の重量平均分子量は、3,000g/mol以上15,000g/mol以下;3,500g/mol以上10,000g/mol以下;又は4,000g/mol以上7,000g/mol以下である。上記重合体(B)の分子量が上記範囲未満であれば、形成された感光膜にクラックが発生するおそれがあり、上記範囲超過であれば、感度が低下し、フット(foot)現象が発生するおそれがある。
【0126】
一実施態様において、上記感光性組成物は、酸拡散抑制剤をさらに含むことができる。
【0127】
上記酸拡散抑制剤としては、上記重合体(A)から発生する酸の拡散速度を抑制できる化合物が好適であり、一実施態様において、上記酸拡散抑制剤としては、塩基性化合物を使用することができる。酸拡散抑制剤の配合によって、感光膜中における酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制するか、基板や環境依存性を少なくして、露光余裕度やパターンプロファイルなどが向上されることができる。
【0128】
本明細書の一実施態様において、上記酸拡散抑制剤は、脂肪族、芳香族又は複素環アミン;カルボキシル基、スルホニル基、ヒドロキシ基又はカルバメート基を含む含窒素化合物;アミド誘導体;及びイミド誘導体からなる群より選択される1種又は2種以上を含むことができるが、これに限定されない。
【0129】
上記脂肪族アミンは、モノ-、ジ-、又はトリ-脂肪族アミンであってもよい。上記脂肪族アミンは、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、ペンチルアミン、tert-アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラエチレンペンタミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ-sec-ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、N,N-ジメチルメチレンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジメチルテトラエチレンペンタミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ-sec-ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N',N'-テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'-テトラメチルテトラエチレンペンタミンなどであってもよいが、これに限定されない。
【0130】
上記芳香族アミン及び複素環アミンの具体例としては、アニリン、N-メチルアニリン、N-エチルアニリン、N-プロピルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、2-メチルアニリン、3-メチルアニリン、4-メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2-ニトロアニリン、3-ニトロアニリン、4-ニトロアニリン、2,4-ジニトロアニリン、2,6-ジニトロアニリン、3,5-ジニトロアニリン、N,N-ジメチルトルイジンなどのアニリン誘導体;ジフェニル(p-トリル)アミン;メチルジフェニルアミン;トリフェニルアミン;フェニレンジアミン;ナフチルアミン;ジアミノナフタレン;ピロール、1-メチルピロール、2,4-ジメチルピロール、2,5-ジメチルピロール、N-メチルピロールなどのピロール誘導体;オキサゾール、イソオキサゾールなどのオキサゾール誘導体;チアゾール、イソチアゾールなどのチアゾール誘導体;イミダゾール、4-メチルイミダゾール、4-メチル-2-フェニルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体;ピラゾール誘導体;フラザン誘導体;ピロリン、2-メチル-1-ピロリンなどのピロリン誘導体;ピロリジン、N-メチルピロリジン、ピロリジノン、N-メチルピロリドンなどのピロリジン誘導体;イミダゾリン誘導体;イミダゾリジン誘導体;ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、(1-ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3-メチル-2-フェニルピリジン、4-tert-ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、4-ピロリジノピリジン、1-メチル-4-フェニルピリジン、2-(1-エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジンなどのピリジン誘導体;ピリダジン誘導体;ピリミジン誘導体;ピラジン誘導体;ピラゾリン誘導体;ピラゾリジン誘導体;ピペリジン誘導体;ピペラジン誘導体;モルホリン誘導体;インドール誘導体;イソインドール誘導体;1H-インダゾール誘導体;インドリン誘導体;キノリン、3-キノリンカルボニトリルなどのキノリン誘導体;イソキノリン誘導体;シンノリン誘導体;キナゾリン誘導体;キノキサリン誘導体;フタラジン誘導体;プリン誘導体;プテリジン誘導体;カルバゾール誘導体;フェナントリジン誘導体;アクリジン誘導体;フェナジン誘導体;1,10-フェナントロリン誘導体;アデニン誘導体;アデノシン誘導体;グアニン誘導体;グアノシン誘導体;ウラシル誘導体;ウリジン誘導体などであってもよい。
【0131】
上記カルボキシ基を有する含窒素化合物は、アミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えば、ニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、リシン、3-アミノピラジン-2-カルボン酸、メトキシアラニン)などであってもよい。
【0132】
上記スルホニル基を有する含窒素化合物は、3-ピリジンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウムなどであってもよい。
【0133】
上記ヒドロキシ基を有する含窒素化合物は、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2-ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4-キノリンジオール、3-インドールメタノールハイドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2'-イミノジエタノール、2-アミノエタノール、3-アミノ-1-プロパノール、4-アミノ-1-ブタノール、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、2-(2-ヒドロキシエチル)ピリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリジノン、3-ピペリジノ-1,2-プロパンジオール、3-ピロリジノ-1,2-プロパンジオール、8-ヒドロキシユロリジン、3-キヌクリジノール、3-トロパノール、1-メチル-2-ピロリジンエタノール、1-アジリジンエタノール、N-(2-ヒドロキシエチル)フタルイミド、N-(2-ヒドロキシエチル)イソニコチンアミドなどが例示される。
【0134】
アミド誘導体は、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピバルアミド、テトラブチルマロンアミドなどであってもよい。
【0135】
イミド誘導体は、フタルイミド、スクシンイミド、マレイミドなどであってもよい。
【0136】
一実施態様において、上記酸拡散抑制剤は、tert-ペンチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシレートである。
【0137】
一実施態様において、上記酸拡散抑制剤は、上記重合体(A)100重量部に対し0.1~2重量部;好ましくは、0.1~1重量部で感光性組成物に含まれる。
【0138】
一実施態様において、上記感光性組成物は、溶媒をさらに含む。
【0139】
上記溶媒としては、具体的に、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、カルビトール、N,N-ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリドン(NMP)、N-エチルピロリドン(NEP)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N-ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホアミド、テトラメチル尿素、N-メチルカプロラクタム、テトラヒドロフラン、m-ジオキサン、P-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン、ビス[2-(2-メトキシエトキシ)]エーテル及びこれらの混合物からなる群より選択されるものが使用されることができる。
【0140】
一実施態様において、上記感光性組成物は、溶解速度調節剤、増感剤、接着力増進剤、可塑剤、充填材、レベリング剤及び界面活性剤からなる群より選択された1種以上の添加剤をさらに含むことができる。
【0141】
上記添加剤は、上記重合体(A)100重量部に対し0.1~10重量部の範囲で使用されることができる。
【0142】
具体的に、上記接着力増進剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)-シラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、又は3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを使用することができ、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0143】
上記界面活性剤としては、感光性組成物に使用できるものであれば、特に制限なく使用することができ、その中でフッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を使用することが好ましい。
【0144】
一実施態様において、上記重合体(A)は、M1及びM2を含むノルボルネン誘導体と、M1及びM2を含んでいないノルボルネン誘導体とを重合させて形成することができる。ところが、これに限定されず、M1及びM2を含んでいないノルボルネン誘導体を重合させて、主鎖がノルボルナン環で構成された重合体を形成した後、M1及びM2を含む化合物と反応させて形成することもできる。
【0145】
本明細書の一実施態様は、上記感光性組成物を用いて形成されたパターンを提供する。一実施態様において、上記パターンは、上記重合体(A)又はこれの硬化物を含む。
【0146】
一実施態様において、上記感光性組成物を用いてパターンを形成する方法は、(1)上記感光性組成物を用いて基板上に感光膜を形成するステップ;(2)上記感光膜を選択的に露光(exposure)するステップ;及び(3)露光された感光膜を現像(develope)するステップを含む。
【0147】
上記(1)感光膜を形成するステップは、感光性組成物を基板上に塗布するステップ;及び上記塗布物を乾燥するステップ(soft baked)を含む。
【0148】
一実施態様において、上記感光性組成物の塗布方法としては、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機などで塗布する方法やスプレーコーターで噴霧する方法などを使用することができるが、感光性組成物を塗布できる方法であれば、制限なく使用することができる。
【0149】
上記塗布物を乾燥(soft bake)するステップにおいて、上記塗布物を90℃~120℃で1秒~ 10分の条件で乾燥することができる。乾燥方法としては、例えば、オーブン、ホットプレート、真空乾燥などがあるが、これに限定されない。上記乾燥ステップを経ると、感光性組成物から溶媒が除去されて、基板と感光膜との接着力が増加する。
【0150】
上記(2)感光膜を選択的に露光(exposure)するステップは、マスクをフォトレジスト層上に整列(alignment)させた後、マスクで覆われていない感光膜の領域を光に露出させるステップである。上記マスクは、感光膜に接することもでき、感光膜から一定の距離離れて整列されることもできる。上記露光工程において、光照射手段で照射される光源としては、電磁波、紫外線から可視光、電子線、X線、レーザ光などが挙げられる。また、光源の照射方法としては、高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、コピー機用冷陰極管、LED、半導体レーザなど公知の手段を使用することができる。
【0151】
上記(2)感光膜を選択的に露光するステップは、露光後、露光された感光膜を加熱(post-exposure bake)するステップをさらに含むことができる。露光された感光膜を加熱することにより、感光性組成物内の成分を再整列させて、感光膜の波現象(standing wave)を減少させることができる。また、上記加熱(post-exposure bake)は、露光時に発生した酸の拡散を促し、重合体(B)に含まれる酸分解性基の分解(deprotecting)を円滑にする。
【0152】
上記加熱(post-exposure bake)は、感光膜を110℃~130℃で1秒~10分の条件で行うことができるが、上記塗布物を乾燥(soft bake)する温度以上であれば、限定されない。
【0153】
一実施態様において、上記感光性組成物をシリコン基板にコーティングし、ホットプレートで120℃で60秒間加熱して56nmの厚さの感光膜を形成し、フォトマスク(パターン幅16nm)を用いてArF紫外線下で露光し、上記露光された基板を110℃で90秒間加熱し、2.38wt%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)溶液で現像し、32nmのラインパターンを形成できる露光量を最適露光量(Eop)とするとき、上記感光性組成物の最適露光量は、75mJ/cm以下;73mJ/cm以下;又は70mJ/cm以下である。
【0154】
上記(3)露光された感光膜を現像(develope)するステップは、感光膜中の未露光部を現像液に浸漬して除去するステップである。上記現像方法としては、従来知られている感光膜の現像方法、例えば、回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸漬法などを使用することができるが、これに限定されない。
【0155】
上記現像液としては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア水第4級アンモニウム塩のような塩基性水溶液を使用することができる。この中で、テトラメチルアンモニウム水溶液のようなアンモニア第4級アンモニウム水溶液が特に好ましい。
【0156】
上記(3)露光された感光膜を現像(develope)するステップは、露光された感光膜を現像した後、現像されたパターンを乾燥させるステップをさらに含むことができる。現像後、空気又は窒素雰囲気下で乾燥させることにより、パターンを形成することができる。
【0157】
上記(3)露光された感光膜を現像(develope)するステップは、パターンを乾燥させるステップ後に、パターンを加熱(post bake)するステップをさらに含むことができる。上記ステップは、半導体基板と感光膜との接着力及び耐エッチング性を増加させるためにさらに行われることができる。上記加熱は、オーブン、ホットプレートなどを使用して、120℃~150℃で1秒~30分の条件で行われることができる。感光膜の耐エッチング性を大きく増加させる必要がある場合、感光膜を120℃~190℃の高温でディープUV(deep UV)に曝しながら1秒~30分間加熱(deep UV hardening)することができる。
【0158】
一実施態様において、上記パターンの厚さは、100nm以下である。
【0159】
一実施態様において、上記感光性組成物は、極端紫外線(EUV)又は電子ビーム(E-beam)などを光源として、10nm未満の微細パターンを形成するのに使用することができる。
【0160】
一実施態様において、上記パターンの形態は、ライン状であってもよい。
【0161】
一実施態様において、上記パターンは、感光性組成物をシリコン基板上にコーティングし、120℃で60秒間ベーク(soft bake)して薄膜を形成し、フォトマスク(パターン幅16nm)を用いてArF紫外線下で露光(exposure)させた後、110℃の温度で90秒間ベーク(post exposure bake)し、2.38wt%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)溶液で現像する際のパターン幅のバラツキ(Line Width Roughness)は、10.5nm以下;又は10.2nm 以下である。
【0162】
一実施態様において、上記感光性組成物が別途の光酸発生剤を含まない場合、上記パターン幅のバラツキは、9nm以下;8.7nm以下;8.4nm以下;又は8.2nm以下であってもよい。
【0163】
本明細書の一実施態様に係る感光性組成物は、微細パターンを要するすべてのリソグラフィ工程に使用されることができ、半導体用又はその他すべての電子デバイスの製造に使用されることができる。一実施態様において、上記感光性組成物は、EUVリソグラフィ工程に使用することができる。
【0164】
本発明の一実施態様において、上記フォトレジスト層のパターン形成方法は、半導体回路製造工程に使用されることができる。一実施態様において、半導体回路製造工程は、上記パターン形成工程に、(4)フォトレジスト層によって覆われていない半導体基板の領域をエッチング(etching)し、フォトレジスト層を半導体基板から除去(ashing)するステップをさらに含む方法で行われることができる。
【0165】
上記(4)感光膜によって覆われていない基板の領域をエッチング(etching)するステップは、感光膜のパターン以外の基板領域を食刻するステップである。一実施態様において、上記基板は、半導体基板であってもよい。上記感光膜を基板から除去するステップは、公知の方法を使用することができ、例えば、反応チャンバを用いて低圧状態でウェハを加熱した後、酸素基や酸素イオンを含むプラズマを注入して行うことができる。
【0166】
一実施態様において、上記感光性組成物は、半導体回路製造用感光性組成物である。一実施態様において、上記感光性組成物を用いてシリコンウェハなどの半導体に回路パターンを形成することができる。
他にも、上記感光性組成物、フォトレジスト層又はフォトレジストパターンは、半導体後工程に使用されるデバイスなどの分野に制限なく使用されることができる。
【実施例
【0167】
本発明に係る実施例は、発明のより詳細な説明のためのものであるので、後述して説明する以外の他の種々の形態に変形されることができ、本発明の権利範囲を以下に述べる実施例に限定しようとするものではない。
【0168】
合成例1(化合物a1、a2、b1及びb2の製造)
化合物a1の製造
【化16】
【0169】
メチル2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)アセテート57.6g(0.3mol)を57.6gの水に溶かした溶液を0℃に冷却した後、50%の水酸化ナトリウム(NaOH)溶液28gをゆっくり滴下した。上記溶液を3時間100℃に加熱し、 反応が終了すれば、常温に冷却させる。37%の塩酸34.5gを使用して中和させ濃縮して、ナトリウム1,1-ジフルオロ-2-メトキシ-2-オキソエタンスルホネートを得た。
【0170】
ナトリウム1,1-ジフルオロ-2-メトキシ-2-オキソエタンスルホネート42.4g(0.2mol)、1-アダマンチルメタノール41.5g(0.25mol)及びp-トルエンスルホン酸(p-TsOH)51.6g(0.3mol)をジクロロエタン140gに溶かした後、4時間85℃に加熱した。混合液を濃縮してジクロロエタンを除去し、t-ブチルメチルエーテル280gで洗浄した後、濾過した。得られた固体にアセトニトリル100gを添加して撹拌後、濾過した。濾液を濃縮させて、中間体a1-1を得た。
【0171】
中間体a1-1 34.6g(0.1mol)をアセトニトリル170gに溶解させた後、ジフェニル(4-ビニルフェニル)スルホニウムブロミド40.48g(0.11mol)及び水200gを添加して、15時間撹拌した。濃縮された溶液をt-ブチルメチルエーテルで洗浄し濾過して、白色固体形態の化合物a1を得た。化合物a1の核磁気共鳴(NMR)データは、下記の通りである。
【0172】
1H-NMR (500MHz, DMSO-D6) : (ppm) 1.7(m, 15H), 1.8(m, 3H), 3.94(s, 2H), 5.25(d, 1H), 5.76(d, 1H), 6.72(q, 1H), 7.36(m, 14H)
【0173】
化合物a2の製造
【化17】
【0174】
ジフェニル(4-ビニルフェニル)スルホニウムブロミドの代わりに(4-メルカプトフェニル)ジフェニルスルホニウムブロミドを使用したことを除き、化合物a1の製造と同様の方法で、化合物a2を製造した。上記化合物a2の核磁気共鳴(NMR)データは、下記の通りである。
【0175】
1H-NMR (500MHz, DMSO-D6) : (ppm) 1.76(m, 15H), 1.87(m, 3H), 3.4(s, 1H), 3.9(s, 2H), 7.17(d, 2H), 7.35(m, 12H)
【0176】
化合物a3の製造
【化18】
【0177】
ジフェニル(4-ビニルフェニル)スルホニウムブロミドの代わりに(2-メルカプトフェニル)フェニルヨードニウムブロミドを使用したことを除き、化合物a1の製造と同様の方法で、化合物a3を製造した。上記化合物a3の核磁気共鳴(NMR)データは、下記の通りである。
【0178】
1H-NMR (500MHz, DMSO-D6) : (ppm) 1.76(m, 15H), 1.87(m, 3H), 3.9(s, 2H), 4.0(s, 1H), 7.25(m, 3H), 7.45(m, 2H), 8.25(d, 3H)
【0179】
化合物b1の製造
【化19】
【0180】
化合物a1 62.2g(0.1mol)、アゾビスイソブチロニトリル0.068g(0.4mmol) 及びビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2-イルメタンチオール12.6g(0.09mol)をプロピレングリコールメチルエーテルアセテート73.9gに溶かす(固形分濃度50wt%)。65℃に加熱して1時間反応を進行させた後、73.9gの溶媒をさらに入れてから、水で数回洗浄する。硫酸マグネシウムで水分を除去し濃縮させて、化合物b1を得た。上記化合物 b1の核磁気共鳴(NMR)データは、下記の通りである。H-NMRで5~7ppm間のエチレン基の3Hが消えることを確認して、反応の終了を確認した。
【0181】
1H-NMR (500MHz, DMSO-D6) : (ppm) 1.31(m, 1H), 1.56(m, 1H), 1.7~1.87(m, 21H), 2.35(m, 3H), 2.84(m, 5H), 3.94(s, 2H), 6.05(m, 2H), 7.2(d, 2H), 7.35(m, 12H)
【0182】
化合物b2の製造
【化20】
【0183】
ビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2-イルメタンチオールの代わりに5-(ビニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテンを使用し、化合物a1の代わりに化合物a2を使用したことを除き、化合物b1の製造と同様の方法で、化合物b2を製造した。上記化合物b2の核磁気共鳴(NMR)データは、下記の通りである。H-NMRで4.4~16ppm間と6.45ppmのエチレン基の3Hが消えることを確認して、反応の終了を確認した。
【0184】
1H-NMR (500MHz, DMSO-D6) : (ppm) 1.51(m, 4H), 1.7~1.87(m, 15H), 2.38(m, 1H), 2.84(m, 1H), 2.96(m, 2H), 3.34(m, 1H), 3.77(m, 2H), 5.98(m, 1H), 6.23(m, 1H), 7.33(d, 2H), 7.35(m, 12H)
【0185】
化合物b3の製造
【化21】
【0186】
ビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2-イルメタンチオールの代わりに5-(ビニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテンを使用し、化合物a1の代わりに化合物a3を使用したことを除き、化合物b1の製造と同様の方法で化合物b3を製造した。上記化合物b3の核磁気共鳴(NMR)データは、下記の通りである。H-NMRで4.4~16ppm間と6.45ppmのエチレン基の3Hが消えることを確認して、反応の終了を確認した。
1H-NMR (500MHz, DMSO-D6) : (ppm) 1.51(m, 4H), 1.7~1.87(m, 15H), 2.38(m, 1H), 2.84(m, 1H), 2.96(m, 2H), 3.34(m, 1H), 3.77(m, 2H), 5.98(m, 1H), 6.23(m, 1H), 7.25(m, 3H), 7.45(m, 2H), 8.25(d, 3H)
【0187】
合成例2(化合物A1~A4の製造)
化合物A1の製造
【化22】
【0188】
反応フラスコに2-メチルアダマンタン-2-イルビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2-カルボキシレート17.2g(0.06mol)、3-ヒドロキシアダマンタン-1-イルビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2-カルボキシレート8.6g(0.03mol)及び化合物b1 7.5g(0.01mol)をアニソールに固形分濃度33.3wt%になるように入れて、窒素雰囲気下に20分間撹拌した。アルゴン雰囲気下でパラジウム金属触媒をアニソールに溶解させて、パラジウム触媒溶液を製造した。反応溶液を65℃とした後、上記パラジウム触媒溶液を反応溶液に注射器で注入し、18時間撹拌した。反応終了後、アニソールで反応溶液を薄めた後、過量のヘキサンに入れて沈殿させた。得られた固体を濾過後、40℃のオーブンで18時間乾燥して、化合物A1を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した化合物A1の重量平均分子量は、4,700g/molであった。(m:n:o=6:3:1)
【0189】
化合物A2の製造
【化23】
【0190】
化合物b1の代わりに化合物b2を使用したことを除き、化合物A1の製造と同様の方法で、化合物A2を製造した。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した化合物A2の重量平均分子量は、4,500g/molであった。
【0191】
化合物A3の製造
【化24】
【0192】
化合物b1の代わりにビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2-イルメタンチオールを使用したことを除き、化合物A1の製造と同様の方法で、化合物A3-1を製造した。固体で得た化合物A3-1 23.6g及び化合物a1 1.4g、アゾビスイソブチロニトリル0.017g(0.1mmol)をプロピレングリコールメチルエーテルアセテート25gに溶かす(固形分濃度50wt%)。65℃に加熱して1時間反応を進行して、25gの溶媒をさらに入れた後、水で数回洗浄する。硫酸マグネシウムで水分を除去し、濃縮させて、化合物A3を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した化合物A3の重量平均分子量は、4,300g/molであった。
【0193】
化合物A4の製造
【化25】
【0194】
化合物b1の代わりに化合物b3を使用したことを除き、化合物A1の製造と同様の方法で、化合物A4を製造した。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した化合物A4の重量平均分子量は、4,400g/molであった。
【0195】
合成例3(化合物R1及びR2の製造)
化合物R1の製造
【化26】
【0196】
反応フラスコに化合物R1-1 42g(0.35mol)及び化合物R1-2 37.2g(0.15mol)を79.2gのテトラヒドロフランに入れて、窒素雰囲気下で20分間撹拌した。アゾビスイソブチロニトリル0.48gをテトラヒドロフラン2gに溶かして、開始剤溶液を製造した。反応溶液を65℃とした後、上記開始剤溶液を投入して、18時間撹拌した。反応終了後、テトラヒドロフランで反応溶液を薄めた後、過量のヘキサンに入れて沈殿させた。得られた固体を濾過後、30℃のオーブンで18時間乾燥して、化合物R1を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した化合物R1の重量平均分子量は、6,700g/molであった。(r1:r2=7:3)
【0197】
化合物R2の製造
【化27】
【0198】
反応フラスコに化合物R2-1 42.9g(0.15mol)及び化合物R2-2 28.8g(0.1mol)を71.7gのアニソールに入れて、窒素雰囲気下で20間撹拌した。アルゴン雰囲気下でパラジウム金属触媒をアニソールに溶解させて、パラジウム触媒溶液を製造した。反応溶液を65℃とした後、上記パラジウム触媒溶液を反応溶液に注射器で注入して、18時間撹拌した。反応終了後、アニソールで反応溶液を薄めた後、過量のヘキサンに入れて沈殿させた。得られた固体を濾過後、40℃のオーブンで18時間乾燥して、化合物R2を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した化合物R2の重量平均分子量は、4,300g/molであった。 (r3:r4=6:4)
【0199】
実施例1
上記化合物R1及び化合物A1を40:60の重量比で混合した樹脂100重量部及びN-tert-アミルオキシカルボニル-4-ヒドロキシピペリジン(酸拡散抑制剤)1重量部をプロピレングリコールメチルエーテルアセテートに入れて、固形分濃度4重量%の混合液を製造した。上記混合液を0.2μmのフィルターで濾過して、感光性組成物を製造した。シリコンウェハ上に反射防止膜を形成した後、上記感光性組成物をスピンコートした。ホットプレートを用いて120℃で60秒間ベーク(SOB)を行って、フォトレジスト層を形成した。
【0200】
上記フォトレジスト層にArF紫外線を照射してパターニングを実施した。酸拡散のために、110℃で90秒間ベーク(PEB)し、2.38wt%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液で60秒間現像した。製造したパターンの厚さは、走査電子顕微鏡(SEM)で測定し、その厚さは56nmであった。
【0201】
実施例2
化合物A1の代わりに化合物A2を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、フォトレジストパターンを形成した。
【0202】
実施例3
化合物A1の代わりに化合物A3を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、フォトレジストパターンを形成した。
【0203】
比較例1
化合物A1の代わりにR2を使用し、樹脂100重量部に対し化合物D1 6重量部を混合液にさらに使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、フォトレジストパターンを形成した。
【化28】
【0204】
比較例2
化合物D1を樹脂100重量部に対し8重量部で使用したことを除き、比較例1と同様の方法で、フォトレジストパターンを形成した。
【0205】
比較例3
化合物A1の代わりに化合物A5を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、フォトレジストパターンを形成した。(m:n:o=6:3:1)
【化29】
【0206】
比較例4
化合物A1の代わりに化合物A6を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、フォトレジストパターンを形成した。(m:n:o=6:3:1)
【化30】
【0207】
実施例4
化合物R2の代わりに化合物A1を使用し、化合物D1を樹脂100重量部に対し2重量部で使用したことを除き、比較例1と同様の方法で、フォトレジストパターンを形成した。
【0208】
実施例5
化合物A1の代わりに化合物A4を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、フォトレジストパターンを形成した。
【0209】
実施例1~5及び比較例1~4で形成されたフォトレジストパターンについて、LWR及びドース(dose)を下記の方法で測定し、その結果を表1に示す。
【0210】
LWRの測定方法
走査電子顕微鏡(SEM)を用いてラインの線幅の中で最も広い部分と狭い部分との差を測定して、LWR(line width roughness、パターン幅のバラツキ)値を確認した。LWRの数値は小さいほどパターンが均一であることを意味する。LWR評価欄では、LWR値が9nm以下は○、11nm以下は△、11nm超過は×で表示した。
【0211】
ドース(dose)の測定方法
上記パターン形成方法によって形成されるラインパターンが32nmピッチになる露光量を最適露光量(Eop、mJ/cm)とし、上記最適露光量を線量(dose)で表示した。32nmピッチを基準に、70mJ/cm以下は○、90mJ/cm以下は△、90mJ/cm超過は×で表示した。
【0212】
【表1】
上記表1より、本発明の重合体(A)を使用する場合、化合物に光酸発生基が含まれていない化合物を使用する場合に比べて、フォトレジストパターンの最適露光量に優れることが確認できる。