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  • 特許-電極組立体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】電極組立体
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20220114BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20220114BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20220114BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20220114BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20220114BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M10/0587
H01M10/04 W
H01M50/534
H01M50/538
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019543920
(86)(22)【出願日】2018-04-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 KR2018004367
(87)【国際公開番号】W WO2018190692
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2019-08-20
(31)【優先権主張番号】10-2017-0048647
(32)【優先日】2017-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リム、ハエ ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン ウク
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0190056(US,A1)
【文献】特開平09-035701(JP,A)
【文献】特開2012-190739(JP,A)
【文献】特開2011-065981(JP,A)
【文献】特開2010-080392(JP,A)
【文献】国際公開第2017/047353(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0101347(KR,A)
【文献】中国実用新案第202695607(CN,U)
【文献】特開2000-106167(JP,A)
【文献】特開2001-110453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/531
H01M 10/0587
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き取られている状態を広げると、電極集電体上に活物質が塗布された有地部と、前記電極集電体上に活物質が塗布されていない無地部とを備え、前記無地部は前記電極集電体の長手方向の端部に設けられる電極と、
前記無地部に形成されているタブ部材と、
前記電極集電体の幅方向に前記有地部から延長され、前記活物質が塗布されていないホイルタブとを含み、
前記ホイルタブの長さは、5mm~16mmであり、
前記ホイルタブの幅は、2mm~120mmであり、
前記ホイルタブは、前記電極集電体と同じ材料であり、
前記ホイルタブは、巻き取られている前記電極の巻取りの中心から外側に行くほど長さが増加するよう、前記電極に複数個で形成される、
電極組立体。
【請求項2】
前記無地部は、前記電極の両端部に形成される、請求項に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記電極の両端部に形成されている前記無地部には、それぞれ前記タブ部材が形成される、請求項に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記電極は、負極または正極である、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電極組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年4月14日付韓国特許出願第2017-0048647号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電極組立体に関し、より詳しくは、抵抗を減少させることができる電極組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
物質の物理的反応や化学的反応を介し電気エネルギーを生成させて外部に電源を供給することになる電池(cell、battery)は、各種の電気電子機器で取り囲まれている生活環境に従い、建物に供給される交流電源を獲得することができない場合や、直流電源が必要な場合に用いるようになる。
【0004】
このような電池のうち、化学的反応を利用する化学電池である一次電池と二次電池が一般に多く用いられているところ、一次電池は、乾電池として通常呼ばれるもので消耗性電池である。また、二次電池は、電流と物質の間の酸化還元の過程が多数回繰り返しできる素材を使って製造される再充電式電池であって、電流によって素材に対する還元反応が行なわれると電源が充電され、素材に対する酸化反応が行なわれると電源が放電されるところ、このような充電‐放電が繰り返して行われることによって電気が生成されるようになる。
【0005】
一方、二次電池のうちリチウムイオン電池は、正極導電ホイルと負極導電ホイルのそれぞれに活物質を一定の厚さでコーティングし、前記両方の導電ホイルの間にはセパレータが介在されるようにして、おおよそゼリーロール(jelly roll)あるいは円筒形態に多数回巻き取って製作した電極組立体を円筒状または角形カン、パウチなどに収納し、これを密封処理して製作される。
【0006】
韓国公開特許第10-2012-0006389号公報には、従来の電極組立体及びそれを含む二次電池が開示されている。
【0007】
従来の二次電池は、正極タブと負極タブがそれぞれ2個ずつ形成される構造であるが、このような構造は抵抗を減少させるには限界があった。
【0008】
ところが、電気自動車の開発、家電製品の小型化及びポータブル(portable)化などのような市場の変化に伴い、低抵抗二次電池に対する開発の必要性が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、前記のような必要性によって案出されたものであって、本発明の課題は、電極パターンにタブを追加して電気抵抗を最小化することができる電極組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る電極組立体は、巻き取られている状態を広げると、電極集電体上に活物質が塗布された有地部と、前記電極集電体上に活物質が塗布されていない無地部とを前記電極集電体の長手方向に沿って備える電極と、前記無地部に形成されているタブ部材と、前記電極集電体の幅方向に前記有地部から延長され、前記活物質が塗布されていないホイルタブとを含むことを特徴とする。
【0011】
前記ホイルタブは、前記有地部から一つ以上形成されてよい。
【0012】
前記ホイルタブは、1個~10個で形成されてよい。
【0013】
前記ホイルタブの長さは、5mm~16mmであってよい。
【0014】
前記ホイルタブの幅は、2mm~120mmであってよい。
【0015】
前記電極を巻き取ると、前記ホイルタブは、巻き取られている前記電極の巻取りの中心から外側に行くほど長さが増加するよう、前記電極に複数個で形成されてよい。
【0016】
前記無地部は、前記電極の両端部に形成されてよい。
【0017】
前記電極の両端部に形成されている前記無地部には、それぞれ前記タブ部材が形成されてよい。
【0018】
前記ホイルタブは、前記電極に切り込み(notching)または打ち抜きによって形成されてよい。
【0019】
前記電極は、負極または正極であってよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電極タブの個数を最大化して抵抗を最小化するという効果がある。
【0021】
本発明によれば、複数個の電極タブの巻取りの内側と外側の長さを異ならせることにより、カン部材との電気的接触を円滑にするという効果がある。
【0022】
本発明によれば、複数個の電極タブが電極集電体の有地部から延長して形成されるため、容量を保全しながらも抵抗を低めるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る電極組立体の電極を展開した展開図である。
図2】本発明の他の実施形態に係る電極組立体の電極を展開した展開図である。
図3】本発明のまた他の実施形態に係る電極組立体の電極を展開した展開図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電極組立体が巻き取られている状態を示した斜視図である。
図5図4の底面図である。
図6図4の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施形態に係る電極組立体について詳しく説明する。
【0025】
本明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自身の発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に適合する意味と概念として解釈されなければならない。よって、本明細書に記載されている実施形態と図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本出願時点においてこれらを代替することができる多様な均等物があり得ることを理解しなければならない。
【0026】
図において各構成要素、またはその構成要素をなす特定の部分の大きさは、説明の便宜及び明確性のために誇張あるいは省略されるか、または概略的に示されている。よって、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全的に反映するものではない。関連の公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不要に不明にし得ると判断される場合、かかる説明は省略する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る電極組立体の電極を展開した展開図である。
【0028】
図1に示す通り、本発明に係る電極組立体は、巻き取られている状態を広げると、電極集電体上に活物質aが塗布された有地部110と、前記電極集電体上に活物質aが塗布されていない無地部120とを前記電極集電体の長手方向に沿って備える電極100と、前記無地部120に形成されているタブ部材121と、前記電極集電体の幅方向に前記有地部110から延長され、前記活物質aが塗布されていないホイルタブ111とを含む。
【0029】
電極は、正極活物質が塗布された正極と負極活物質が塗布された負極とのうちいずれか一つであってよく、正極と負極の間にセパレータが介在されるよう、正極、負極及びセパレータを複数回積層して電極組立体を製作し得る。
【0030】
また、電極組立体は、正極とセパレータ及び負極を積層した積層体をゼリーロールの形態に巻き取って製作し得る。
【0031】
正極はアルミニウム電極集電体であってよく、正極活物質が塗布された正極有地部と、正極活物質が塗布されていない正極無地部とを含み得る。
【0032】
正極活物質は、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMnOなどのリチウム含有遷移金属酸化物またはリチウムカルコゲナイド化合物であってよい。
【0033】
正極有地部は、例えば、アルミニウム電極集電体の少なくともいずれか一面の一部に正極活物質を塗布して形成し、正極活物質が塗布されていないアルミニウム電極集電体の残りの部分が正極無地部となり得る。
【0034】
負極は、銅電極集電体であってよく、負極活物質が塗布された負極有地部と、負極活物質が塗布されていない負極無地部とを含み得る。
【0035】
負極活物質は、結晶質炭素、非晶質炭素、炭素複合体、炭素繊維などの炭素材料、リチウム金属またはリチウム合金などであってよい。
【0036】
負極有地部は、例えば、銅電極集電体の少なくともいずれか一面の一部に負極活物質を塗布して形成し、負極活物質が塗布されていない銅電極集電体の残りの部分が負極無地部となり得る。
【0037】
セパレータは、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、及びポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の共重合体(co‐polymer)からなる群より選択されるいずれか一つの基材にポリビニリデンフルオリド‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF‐HFP co‐polymer)をコーティングすることで製造されてよい。
【0038】
このように本発明の電極100は、電極組立体を形成する正極、負極のうちいずれか一つ以上であってよく、特に正極または負極のうち抵抗の減少がさらに必要ないずれか一つであってよい。
【0039】
電極100は、両端に無地部120がそれぞれ形成され、電極100の両端部に形成されたそれぞれの無地部120にはタブ部材121が付着されてよい。
【0040】
図2は、本発明の他の実施形態に係る電極組立体の電極を展開した展開図である。図3は、本発明のまた他の実施形態に係る電極組立体の電極を展開した展開図である。
【0041】
図2から図3に示す通り、本発明の多様な実施形態によれば、電極100は、両端に無地部120が形成され、前記両端の無地部120中の一端の無地部120にタブ部材121が付着されると、他端の無地部120には電極集電体が延長されてタブ部材121を形成してもよい。
【0042】
ホイルタブ111は、電極100の有地部110から幅方向に延長されるよう、電極100を切り込み(notching)または打ち抜きすることによって形成されてよいところ、つまり、電極100をナイフ、レーザなどでカッティング(cutting)するか、プレスなどで押しつけて成形し得る。
【0043】
そして、ホイルタブ111は、電極100の有地部110領域で電極集電体のみ延長されるように形成され、活物質aは塗布されないことがある。
【0044】
このようなホイルタブ111は、電極100から延長された有地部110から活物質aのみを除去して形成してよく、または、電極100の有地部110領域で活物質aが塗布されていないまま、電極集電体だけが延長して形成してもよい。
【0045】
そして、ホイルタブ111は、有地部110から一つ以上延長されるように形成され、電極タブの個数を最大化させることができる。ホイルタブ111の数が多くなれば、全電極タブの抵抗は減少することになる。
【0046】
ホイルタブ111の個数は、1個~10個の間に形成されることが好ましいといえる。
【0047】
ホイルタブ111の幅は2mm~120mmに形成することで、電極の大きさに影響を及ぼすことなく、ホイルタブ111の大きさを最適化して抵抗を最小化することができる。
【0048】
ホイルタブ111の長さは5mm~16mmに形成するのがよく、その理由は、ホイルタブ111の長さが5mm未満であれば、カン部材との電気的接触が困難であり、ホイルタブ111の長さが16mmを超えると、カン部材との電気的接触のための必要以上の長さによって原材料費を浪費し、カン部材内の空間を過度に多く占めることがあるためである。
【0049】
図4は、本発明の一実施形態に係る電極組立体が巻き取られている状態を示した斜視図である。図5は、図4の底面図である。図6は、図4の側面図である。
【0050】
図1から図6に示す通り、本発明に係る電極組立体は、電極100を巻き取ると、ホイルタブ111は、巻き取られている電極100の中心から外側に行くほど長さが増加するよう、電極に複数個で形成されてよい。
【0051】
すなわち、負極の電極100は、巻き取られている状態でホイルタブ111がカン部材の底面中央の方向に折り曲げられてカン部材の底面と電気的に接続されるため、巻き取られている電極100の外側に行くほどホイルタブ111の長さを長く形成することにより、カン部材との電気的接続を円滑にすることができる。
【0052】
前述したところのように、本発明によれば、電極タブの個数を最大化して抵抗を最小化するという効果がある。
【0053】
本発明によれば、複数個の電極タブの巻取りの内側と外側の長さを異ならせることにより、カン部材との電気的接触を円滑にするという効果がある。
【0054】
本発明によれば、複数個の電極タブが電極集電体の有地部から延長して形成されるため、容量を保全しながらも抵抗を低めるという効果がある。
【0055】
以上のように、本発明に係る電極組立体を例示図面を参考にして説明したが、本発明は、以上で説明された実施形態と図面によって限定されず、特許請求の範囲内で、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者達によって多様な実施が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6