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特許7005653残留化学反応の存在を決定する方法、及び、残留化学反応診断装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-07
(45)【発行日】2022-01-21
(54)【発明の名称】残留化学反応の存在を決定する方法、及び、残留化学反応診断装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20220114BHJP
   G01N 17/04 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
H01L21/66 F
G01N17/04
H01L21/66 Y
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019554628
(86)(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 US2018024964
(87)【国際公開番号】W WO2018187125
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2019-12-03
(31)【優先権主張番号】15/480,337
(32)【優先日】2017-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】テデスキ, レナード
(72)【発明者】
【氏名】マコーミック, ダニエル ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ディアス, アダウト
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ, ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】シェ, ピン ハン
(72)【発明者】
【氏名】リー, チャンハン
【審査官】西村 治郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-45676(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0180106(US,A1)
【文献】特開2014-116507(JP,A)
【文献】特開平8-338822(JP,A)
【文献】米国特許第04710550(US,A)
【文献】米国特許第06624642(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/00
G01N 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
残留化学反応の存在を決定する方法であって、
基板上の材料積層体の中に、前記材料積層体の全高さにわたり延びる第1の側壁、及び前記材料積層体の全高さにわたり延びる第2の側壁を含み、残留化学反応の存在に応じて静電容量を含む電気的出力を提供する残留化学反応センサを形成すること、
検査チャンバ内に前記基板を配置すること、
前記基板で診断手続きを実行することであって、前記診断手続きの間前記残留化学反応センサからの電気的出力が記録される、診断手続きを実行すること、及び
記録された前記残留化学反応センサからの前記電気的出力に基づいて、次の処理作業を決定すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記基板が、素子形成用基板であり、前記残留化学反応センサが、前記素子形成用基板のスクライブラインに形成され、前記残留化学反応センサが、前記素子形成用基板上の能動素子と平行に形成され、前記残留化学反応センサが、前記能動素子と同じ材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板がプロセス開発用基板である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記診断手続きが、前記静電容量における変化を監視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記診断手続きが、前記残留化学反応センサに1つの周波数を印加することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記診断手続きが、前記残留化学反応センサに複数の周波数を印加することを含み、前記複数の周波数は周波数掃引として印加される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記診断手続きが、前記診断手続きの間環境条件を変えることを含み、前記環境条件は、圧力、雰囲気組成、温度、及び、電磁放射への暴露の1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記診断手続きが、電圧バイアスによる促進の診断手続きを含み、残留化学反応の影響が閾値を下回るときには、前記次の処理作業は、前記基板の連続処理を許可することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記診断手続きが、電圧バイアスによる促進の診断手続きを含み、残留化学反応の影響が閾値を上回るときには、前記次の処理作業は、前記基板を再加工すること又は前記基板を廃棄することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
基板と、
前記基板上の材料積層体と、
前記材料積層体の中に形成された残留化学反応センサであって、
前記材料積層体の全高さにわたり延びる第1の側壁、及び
前記材料積層体の全高さにわたり延びる第2の側壁を含み、残留化学反応の存在に応じて静電容量を含む電気的出力を提供する残留化学反応センサと
を備える、残留化学反応診断装置。
【請求項11】
前記基板は素子形成用基板であり、前記残留化学反応センサが、前記素子形成用基板のスクラブラインに形成されており、前記残留化学反応センサが、前記素子形成用基板上の能動素子と平行に形成され、前記残留化学反応センサが、前記能動素子と同じ材料を含む、請求項10に記載の残留化学反応診断装置。
【請求項12】
前記基板がプロセス開発用基板である、請求項10に記載の残留化学反応診断装置。
【請求項13】
前記残留化学反応センサが、
第1のプローブパッドであって、複数の第1のアーム部が当該第1のプローブパッドから延在し、前記第1の側壁は前記複数の第1のアームに沿っている、第1のプローブパッドと、
第2のプローブパッドであって、複数の第2のアーム部が当該第2のプローブパッドから延在し且つ前記第1のアーム部と互いに入り込み、前記第2の側壁は前記複数の第2のアームに沿っている、第2のプローブパッドと
を含む、請求項10に記載の残留化学反応診断装置。
【請求項14】
基板と、
前記基板上の材料積層体と、
前記材料積層体の中に形成された残留化学反応センサであって、
前記材料積層体の全高さにわたり延びる第1の側壁、及び
前記材料積層体の全高さにわたり延びる第2の側壁を含み、残留化学反応の存在に応じて静電容量を含む電気的出力を提供し、更に、
第1のプローブパッドであって、複数の第1のアームが前記第1のプローブパッドから延出し、前記第1の側壁は前記複数の第1のアームに沿っている、第1のプローブパッドと、
第2のプローブパッドであって、複数の第2のアームが前記第2のプローブパッドから延出し且つ前記第1のアームと互いに入り込み、前記第2の側壁は前記複数の第2のアームに沿っている、第2のプローブパッドと、を含む残留化学反応センサと、
を備える、残留化学反応診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体製造分野に関し、特に、処理作業が実施された後の基板上での残留反応のリアルタイム監視を提供するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造時の幾つかの処理作業の後には、基板上で継続する残留化学反応が存在しうる。この残留化学反応は、半導体素子の性能に不利な影響を与えうる。例えば、残留化学反応によって、結果的に、腐食、膜の特性の変化、又は、欠陥が起こりうる。逆に言えば、堆積膜の中には、後続の処理作業の前に、最終状態への堆積後の化学変換を必要としうるものもある。しかしながら、処理後に起きている残留化学反応を、いつでも良好に察知しうるわけではない。例えば、残留化学反応は、未知の速度で進行し及び/又は温度、湿度、大気中のガスへの暴露等といった、半導体素子が貯蔵されている条件に依存しうる。従って、リアルタイムで化学反応の結果を定量化する能力によって、残留化学反応を最小限に抑えるためにプロセス条件を最適化する能力、及び/又は、プロセスの流れ及び歩留まりを最適化する能力がもたらされうる。
【0003】
しかしながら、残留化学反応の影響をリアルタイムで測定しうる利用可能な装置が現在では存在していない。上記影響を確認するための幾つかの技術が存在しており、例えば、欠陥検査システムが、経時的に欠陥の増大を確認するために利用され、又は膜の厚さが、経時的に差分を決定するために偏光解析装置によって測定されうる。残念なことに、これらの測定は、半導体素子を取り扱う必要があり、半導体素子が監視されている期間の間の非連続的な測定しか提供しえない。
【発明の概要】
【0004】
実施形態は、処理加工された基板上の残留化学反応の存在を決定するためのシステム及び方法を含む。一実施形態において、残留化学反応の存在を決定する方法は、基板上にセンサを形成することを含みうる。一実施形態において、本方法は、検査チャンバ内に基板を配置することをさらに含みうる。検査チャンバ内に基板が配置された後で、実施形態は、基板上で診断手続きを実行することを含み、診断手続きの間センサからの電気的出力が記録される。この後に、実施形態は、記録されたセンサからの電気的出力に基づいて、次の処理作業を決定することを含みうる。
【0005】
実施形態は、基板がプロセス開発用基板である際の方法、及び、基板が生産用基板である際の方法も含みうる。一実施形態によれば、基板が生産用基板であるときには、センサが基板のスクライブラインに形成されうる。一実施形態によれば、診断手続きが、静電容量、静電容量のノイズフロア、電荷測定値、漏れ電流、ブレークダウン電圧、及び、抵抗の1つ以上における変化を監視することを含む。
【0006】
実施形態は、残留化学反応診断装置も含みうる。残留化学反応診断装置は、基板と、基板に形成された残留化学反応センサとを含みうる。一実施形態において、残留化学反応センサが、残留化学反応の存在に応じて電気的出力を提供する。一実施形態において、基板が素子形成用基板であり、センサが、素子形成用基板のスクライブラインに形成される。代替的な実施形態において、基板がプロセス開発用基板である。幾つかの実施形態において、残留化学反応センサが、第1のプローブパッドであって、複数の第1のアーム部が当該第1のプローブパッドから延在する、第1のプローブパッドと、第2のプローブパッドであって、複数の第2のアーム部が当該第2のプローブパッドから延在し且つ第1のアーム部と互いに入り込む、第2のプローブパッドと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】一実施形態に係る、基板に形成された材料の積層体であって、パターン形成された材料の積層体の断面図である。
図1B】一実施形態に係る、図1Aのパターン形成された材料の積層体の断面図であって、残留化学反応により、パターン形成された材料の積層体に設けられたトレンチの寸法が変えられた後の断面図である。
図1C】一実施形態に係る、図1Aのパターン形成された材料の積層体の断面図であって、残留化学反応によって結果的に、パターン形成された材料の積層体のトレンチの側壁に沿って小結節が形成された後の断面図である。
図1D】一実施形態に係る、パターン形成された材料の積層体であって、トレンチの側壁に沿って残留エッチング副生成物が形成されている積層体の断面図である。
図2A】一実施形態に係る、基板上の材料の積層体にパターン形成されうるセンサの平面図である。
図2B】一実施形態に係る、基板上の材料の積層体にパターン形成されうる代替的なセンサの平面図である。
図3A】一実施形態に係る、複数のセンサを含むプロセス開発用基板の平面図である。
図3B】一実施形態に係る、スクライブラインに形成されたセンサを含む生産用基板の一部の平面図である。
図4】一実施形態に係る、生産用基板又はプロセス開発用基板上に形成されたセンサと併用されうる検査チャンバの概略的な断面図である。
図5】一実施形態に係る、生産用基板又はプロセス開発用基板上のセンサを利用するためのプロセスを説明するプロセスフロー図である。
図6】一実施形態に従った、残留化学反応を監視することを含むプロセスと併用されうる例示のコンピュータシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
腐食と、時間に依存する他の化学反応との監視を提供するための、基板に構築された構造を用いるシステム及び方法を、様々な実施形態に従って説明する。以下の説明においては、実施形態の網羅的な理解を提供するために多数の具体的な詳細事項が明記される。当業者には、これらの具体的な詳細がなくとも実施形態が実施されうることが明らかとなろう。他の事例では、実施形態が不必要に不明瞭にならないように、周知の態様については詳細に説明していない。更に、添付の図に示す様々な実施形態が例示的な表現であり、必ずしも縮尺どおりには描かれないことを了解されたい。
【0009】
先に言及したように、残留化学反応は、半導体加工技術により作製される素子の処理に不利に影響することもありうる。この残留化学反応によって、結果的に歩留まりが下がることになりうる。なぜならば、全プロセスが完全には終結(characterized)していないからである。例えば、材料層に(例えば、エッチングプロセスにより)パターン形成された後で、腐食といった残留化学反応が、処理チャンパから基板を取り外した後に進行しうる。このような状況において、腐食は、材料に形成されたパターンを変え、結果的に欠陥をひきおこしうる。従って、本明細書に記載する実施形態によって、この残留化学反応を終結させるためのシステム及び方法が提供される。
【0010】
一実施形態において、能動素子を作製する前に残留化学反応が終結させられる。このような実施形態において、1つ以上のセンサがプロセス開発用基板にパターン形成されうる。センサは、同じ材料層、又は、能動素子上に存在する層から形成され、検査されている能動素子を作製するために利用するのと同じ処理作業で作製されてもよい。これに応じて、この場合、能動素子が晒される処理条件と直接的に関係する情報を提供するためにもセンサを監視することが可能である。従って、上記情報は、残留化学反応を最小に抑えるため処理作業を洗練させるために利用することが可能であり、又は、能動素子の設計時に残留化学反応の影響が考慮されうるように、残留化学反応を定量化するために利用される。
【0011】
代替的な実施形態において、残留化学反応は、能動素子の製作と並行して監視されうる。例えば、1つ以上のセンサが、スクライブラインに又は生産用基板の任意の他の領域に作製されうる。能動素子への残留化学反応の影響を予測するために、残留化学反応がセンサ位置で促進されうる。幾つかの実施形態において、局所的な刺激(例えば、電圧、電流、湿気、化学種等)をセンサに与えることによって、残留化学反応が促進されうる。従って、残留化学反応が能動素子に不都合な影響を与えるかどうかを判定するために、促進された残留化学反応が監視されうる。一実施形態において、センサから獲得されたデータはその後、生産用基板を再加工するのか、生産用基板を廃棄するのか、(例えば、残留化学反応を遅らせ又は止めるよう設計された処理作業を追加するための)追加の処理作業を開始するのかについての決定を報知するために利用されうる。従って、(残留化学反応を含む)完全なプロセスが、より早期にかつより正確に定量化されうるため、プロセスの歩留まりが改善されうる。
【0012】
さらに、本明細書に記載される実施形態に従って形成されたセンサは、非連続的な測定とは反対に連続的な監視を提供することに加え、先に記載した欠陥検査装置と同程度の取り扱いを要しないと理解されたい。
【0013】
具体的には、実施形態は、プローブから電気的入力(例えば、バイアス電圧、電流等)を受信して電気信号の出力を提供するセンサを形成することを含む。例えば、センサは、静電容量、抵抗、ブレークダウン電圧、漏れ電流、ノイズレベル等といった出力を提供するよう設計されうる。上記の出力は連続的に記録され、経時的な上記出力の変化が、以下でより詳細に説明するように、1つ以上の残留化学反応の存在及び程度を決定するために利用されうる。加えて、環境条件も、残留化学反応をさらに定量化するため、及び/又は、残留化学反応を低減又は解消する条件を決定するために制御されうる。
【0014】
ここで、図1A図1Dを参照すると、一実施形態に係る、処理加工された後の材料積層体への残留化学反応の影響を例示した図が示されている。図1Aには、一実施形態に係る、処理加工された後の素子100の断面図が示されている。素子100は、(例えば、エッチングプロセスにより)パターン形成されている材料積層体120を含み、トレンチ125が材料積層体120を貫いて形成されている。図示される実施形態では、材料積層体120は、基板上105に形成された単一の材料の層として示されている。しかしながら、実施形態は、1つ以上の様々な材料で形成された1つ以上の材料層を含む材料積層体120を含みうる。一実施形態によれば、材料層は、金属、半導体、複合誘電体、絶縁体、有機層、又は、他の任意の金属を含みうる。一実施形態において、基板105は、半導体基板(例えば、シリコン又はIII-V族半導体)、ガラス基板、サファイア基板、又は、他の任意の金属といった任意の適切な基板でありうる。幾つかの実施形態において、基板105は、シリコンオンインシュレータ(SOI:silicon on insulator)基板などの複数の層を含みうる。
【0015】
一実施形態において、トレンチ125は、材料積層体120の側壁の表面126によって画定されている。
【0016】
一実施形態において、半導体素子100は、側壁126が互いに間隔Dを置いて離間するように、処理加工される。しかしながら、先に記載したように、処理作業が完了した後に続く残留化学反応が、材料積層体120を変え続けうる。例えば、残留化学反応は腐食を含みうる。腐食は、材料積層体120を変え続けうる。図1Bに示すように、側壁126は、残留化学反応が一定期間続いた後では、互いに間隔Dよりも大きな間隔D’を置いて離間しうる。従って、残留化学反応は素子の構造を変えうる。時には、この変化によって機能の低下がもたらされ、又は、結果的に素子が機能しないということにさえなりうる。所与の条件下での或る一定の期間に亘るこのような残留化学反応の結果を正確に予測し及び/又は残留化学反応の影響を低減する能力によって、処理の後の既知の変化を考慮してプロセス制御全体を改善する能力がもたらされる。
【0017】
残留化学反応が材料の表面を均質的に変えない可能性があると理解されたい。例えば、残留化学反応は局所的である可能性があり、図1Bに図示するもののような材料積層体120の均質的な変更をもたらさない可能性がある。例えば、腐食は、局所的な反応である可能性があり、結果的に、表面での孔食又は小結節の形成に繋がりうる。そのような実施形態が図1Cに示されている。示されるように、パターン形成された材料積層体120の側壁126には、複数の小結節127が生じている。小結節の形成が局所的に生じるという性質により、側壁126間の間隔にはっきりした変化があることが明確ではない可能性がある。しかしながら、以下でさらに詳細に説明するように、本明細書に記載の実施形態に従って形成されたセンサは、残留化学反応の存在を決定するために、小結節により引き起こされる電気的特性の変化を利用することが可能である。
【0018】
さらに、エッチングといったパターン形成プロセスの後に、エッチング副生成物が残留する可能性もあると理解されたい。典型的に、この副生成物は高分子材料で構成されうる。そのような残留エッチング副生成物の例が図1Dに示されている。示される実施形態では、高分子層129が、パターン形成された材料積層体120の側壁126に沿って形成されうる。高分子層129は、典型的に、吸湿若しくは他の分子を吸着すること、温度上昇時に燃焼すること、又は、多くの様々な環境において改変されること、の影響をより受けやすい。加えて、高分子層129が変化しているため、材料積層体120の電気的特性の変化も、本明細書に記載される実施形態に従って形成されたセンサによって観察されうる。これに応じて、上記の変化は誤検出を引き起こしうる。このような中で、実施形態は、センサの示度が残留化学反応の代わりに、残留エッチング副生成物への変化を暗示するときには特定するプロセスを含む。
【0019】
ここで、図2A及び図2Bを参照すると、様々な実施形態に係る、残留化学反応を監視するために利用されうる例示のセンサ250の平面図が示されている。一実施形態において、センサ250は、図1A図1Dに関して先に記載した材料積層体と同様に、材料積層体からパターン形成されうる。一実施形態において、センサ250を形成するために利用する材料積層体は、検査されているのと同じ材料の積層体でありうる。
【0020】
加えて、材料積層体にパターン形成するために利用する処理作業は、素子にパターン形成するために利用するのと同じ処理作業でありうる。このような中で、センサが検出する残留化学反応はいずれも、能動素子を作製する間に存在している残留化学反応と実質的にほぼ同様となる。
【0021】
ここで、図2Aを参照すると、一実施形態に係る、残留反応を監視するために利用されうる例示のセンサ250の平面図が示されている。センサ250は、第1のプローブパッド252及び第2のプローブパッド252を含みうる。プローブパッド252は、外側のプローブがセンサ250と接触して配置されるように寸法を合わせて作られうる。一実施形態において、複数の第1のアーム部254が、第1のプローブパッド252から延在してよく、複数の第2のアーム部254が第2のプローブパッド252から延在してよい。第1のアーム部254及び第2のアーム部254は、各アーム部254が間隔Dにより各隣のアーム部254から離間するように、互いに入り込みうる。互いに入り込んだアーム部によって、プローブパッドに電流を印加するためにプローブが利用されるときに、静電容量をセンサ250に組み入れることが可能となる。図2Aに示されるセンサ250の構造は本来例示的なものであり、実施形態は、寸法の制約及び素子のニーズに従って任意の数のアーム部が互いに入り込んだ任意の所望の大きさのセンサ250を含みうると理解されたい。
【0022】
実施形態は、残留化学反応を検出するために、センサ250の様々な電気的特性を監視することを含みうる。例えば、センサ250の静電容量の変化が、残留化学反応によって引き起こされうる。概して、センサ250の静電容量の変化は、互いに入り込んだアーム部254間の間隔Dの増大又は縮小によって引き起こされうる。例えば、互いに入り込んだアーム部254間の間隔Dは、腐食又は残留エッチングプロセスによって生じうる。さらに、センサ250のブレークダウン電圧の変化が監視されうる。幾つかの実施形態において、ブレークダウン電圧が、間隔Dの変化によって、又は、図1Cに関して記載したような小結節の形成によって変えられうる。残留化学反応を確認するためにどのようにセンサ250を利用しうるのかについて幾つかの例示の図を提供してきたが、センサをどのように利用しうるかについてのより一貫した説明が以下でより詳細に提供される。
【0023】
ここで、図2Bを参照すると、追加的な実施形態に係るセンサ250が示されている。図2Bでは、センサ250は、配線255により互いに電気的に接続された2つのプローブパット252を含みうる。一実施形態において、配線255は、任意の所望の長さ又幅であってよく、プローブパッド252間の任意の所望の経路に従いうる。図示される実施形態では、配線255は、ジグザグに進むパターンを含むが、実施形態はこのような設計には限定されない。図2Bに示すセンサなどのセンサ250が、プローブパッド252間の抵抗の変化を監視して、残留化学反応を確認するために利用されうる。例えば、様々な分子の吸着又は放出により、センサ250の抵抗が変わりうる。ここで、図3A及び図3Bを参照すると、概略図により、センサ250を作製しうる場所の例が示されている。図3Aでは、複数のセンサ250が、プロセス開発用基板320上に作製されている。実施形態に従って形成された任意の適切なセンサが利用されうることを示すため、センサ250は概略的にブロックで示されている。複数のセンサ250が、プロセス開発用基板320の表面の複数の位置に形成されうる。例えば、センサは、基板320の縁端の直ぐ近く及び/又は基板320の中央の直ぐ近くに形成され、従って、上記基板全域の様々な位置における残留化学反応に違いがあるかどうかが判定される。プロセス開発用基板320上に作製された能動素子が存在しないため、センサ250は、制約を受けることなく上記基板のどの部分にも形成される。示される実施形態では、7つのセンサ250が基板320に示されているが、一実施形態によれば、任意の数のセンサ250(例えば、1つ以上センサ250)が基板320に形成されうると理解されたい。
【0024】
ここで、図3Bを参照すると、一実施形態に係る、生産用基板321の一部の概略的な平面図が示されている。生産用基板321は、能動素子を作製しうる複数の素子領域329を含みうる。素子領域329は、当該技術分野で公知のように、スクライブライン328によって互いに隔てられうる。実施形態は、1つ以上のセンサ250を作製するために、スクライブライン328における空間を利用しうる。したがって、残留化学反応の存在を決定するためのセンサ250が生産用基板321の領域内に含まれる。そうでなければ、生産用基板321の当該領域は、生産用に機能する素子のためには利用されない。
【0025】
一実施形態によれば、生産用基板321又はプロセス開発用基板320に形成されたセンサ250が、検査チャンバ内で監視されうる。一実施形態に係る、検査チャンバ410の概略図が図4に示されている。一実施形態において、検査チャンバ410は筐体412を含みうる。筐体412は、所望の環境条件を維持するためにほぼ封止されうる。図示されていないが、筐体の内部の検査条件は、ガス、湿気、又は流体を筐体に供給することにより又は筐体の内部の圧力を変更することにより、獲得されうる。一実施形態において、筐体412は、所望の周波数による電磁放射が透過しうる窓を含んでよく、又は、電磁放射源が筐体412の内部に含まれてよい。
【0026】
一実施形態において、検査チャンバ410は、基板320及び/又は基板321が配置されうるプレート414を含みうる。一実施形態において、プレート414は、検査中に基板320及び/又は基板321の温度を制御するために、加熱素子及び/又は冷却素子を含みうる。一実施形態によれば、プレート414は、プローブ418に取り付けられた電子機器(図示せず)を含みうる。プローブ418は、基板320/321に形成されたセンサのプローブパットと接触することが可能である。示される実施形態では、基板320/321に接触するプローブ418の1セットが示されているが、単一の基板320/321上の複数のセンサと接触するために、任意の数のプローブ418が利用されうると理解されたい。追加的な実施形態において、検査チャンバ410は、複数の基板320/321を収容しうる。
【0027】
ここで図5を参照すると、本明細書に記載の実施形態に従って形成されたセンサを利用するためのプロセスのフロー590が示されている。本明細書に記載の実施形態に従って形成され、プロセスのフロー590に従って利用されるセンサは、先に記載した欠陥検査装置と同程度の取り扱いを要しないと理解されたい。さらに、プロセスのフロー590によって、非連続的な測定とは反対に、連続的な監視が可能となる。
【0028】
具体的には、実施形態は、プローブから電気的入力(例えば、バイアス電圧、電流等)を受信して電気信号の出力を提供するセンサを形成することを含む。例えば、センサは、静電容量、抵抗、ブレークダウン電圧、漏れ電流、ノイズレベル等といった出力を提供するよう設計されうる。上記の出力は連続的に記録され、経時的な上記出力の変化が、1つ以上の残留化学反応の存在及び程度を決定するために利用されうる。加えて、環境条件も、残留化学反応をさらに定量化するため、及び/又は、残留化学反応を低減又は解消する条件を決定するために制御されうる。一実施形態において、プロセスのフロー590は、生産用基板321に形成されたセンサ250と併用され又はプロセス開発用基板320に形成されたセンサのために利用されうる。
【0029】
一実施形態によれば、上記プロセスは、基板にセンサ250を形成することを含む工程591で開始されうる。一実施形態において、センサ250が、生産用基板321に形成され、又はプロセス開発用基板に形成されうる。いずれのケースにも、センサ250は、能動素子を形成するために利用されるのと同じ材料の積層体である材料積層体を形成することによって、形成されうる。この場合、残留化学反応について検査されるパターン形成プロセスと実質的に同様のパターン形成プロセス(例えば、エッチングプロセス)によって、材料積層体にパターン形成されうる。センサ250が生産用基板321に形成される実施形態では、センサ250は、能動素子の形成と並行して形成されうる。
【0030】
ここで、工程592を参照すると、実施形態は、図4に関して先に記載した検査チャンバと同様に、検査チャンバ410内に基板を配置することを含みうる。一実施形態において、検査チャンバ内に基板を配置することは、センサ250のプローブパッド252にプローブ418を取り付けることを含みうる。
【0031】
ここで工程593を参照すると、実施形態は、基板上で診断手続きを実行することを含みうる。実施形態は、残留化学反応の存在、残留化学反応が経時的にどうように変化するのか、残留化学反応が様々な刺激に対してどのように反応するのか等の決定時に有用となりうる任意の数の診断手続きを含みうる。一実施形態によれば、プロセス590は、工程594で示すように、診断手続きの間センサからの電気的出力を記録することを含みうる。
【0032】
実施形態は、任意の所望の期間にわたって任意の所望の環境条件で診断手続きを実行することを含みうる。例えば、診断手続きは、数秒、数分、数時間、数日、数週等の期間にわたって実行されてよい。加えて、環境条件は、残留化学反応を低減又は解消する条件を特定するために変えられうる。例えば、大気(例えば、酸素、不活性ガス、水蒸気等)、圧力、温度等といった環境条件は、診断手続きの実行中に制御されうる。一実施形態において、環境条件は、診断手続きの間一定に保たれてよく、又は、環境条件は、診断手続きを実行する間可変的であってよい。
【0033】
一実施形態において、残留化学反応の存在が、センサ250の静電容量の変化を監視することを含む診断手続きを実行することによって決定されうる。例えば、センサの静電容量が経時的に増大する場合には、このことは、腐食がセンサ250上で発生していることを暗示しうる。代替的に、センサの静電容量が経時的に減少する場合には、このことは、センサ250の残留エッチングプロセスを暗示しうる。腐食についての他の兆候は、静電容量の示度における広範なノイズフロアの存在でありうる。他の実施形態において、漏れ電流の増大も、腐食が存在していることを暗示しうる。一実施形態において、ブレークダウン電圧の低下も同様に腐食を暗示しうる。ブレークダウン電圧の低下に関して、結果的にセンサアームの表面に小結節が存在することにつながる腐食によって、電場が局所的に増大し、このことにより、電界放出又はアーク放電が引き起こされ、時には最終的に、破壊が引き起こされることが予期される。
【0034】
一実施形態において、診断手続きは、センサ250の挙動を測定するために、プローブパッドに1つの周波数を印加することを含みうる。追加的な実施形態において、複数の周波数が、センサ250の挙動を測定するために利用されうる(例えば、様々な周波数がセンサに同時に印加され、又は、周波数掃引がセンサに対して施されうる)。
【0035】
しかしながら、静電容量、ブレークダウン電圧、漏れ電流等の変化の中には、腐食といった残留化学反応に完全には起因しない可能性があるものもあると理解されたい。例えば、残留エッチング副生成物は、残留化学反応が存在するかどうかを判定するために考慮する必要がありうる交絡因子でありうる。具体的には、残留エッチング副生成物は、吸収、放出、熱劣化等の影響をより受けやすい。残留エッチング副生成物で上記の変化が起こると、センサの静電容量、ブレーキダウン電圧、及び漏れ電流も変化しうる。これに応じて、実施形態は、複数のセンサ素子と診断手続きとの統合を含み、これにより、残留エッチング副生成物の存在に起因する誤検出を解消される。
【0036】
一実施形態において、診断手続きは、大気中の湿気、基板の温度、大気の圧力等の環境条件を変更することを含みうる。このような実施形態において、注目する信号(例えば、ブレークダウン電圧、静電容量、漏れ電流等)が環境条件に応じて変化した場合には、この変化は、残留化学反応の代わりに、残留エッチング副生成物の存在を暗示しうる。従って、実施形態は、誤検出を解消するためのプロセスを提供する。
【0037】
ここで工程595を参照すると、実施形態は、記録されたセンサからの電気的出力に基づいて、次の処理作業を決定することを含みうる。例えば、過度の腐食がセンサ上に存在する場合には、次の処理作業は、腐食を最小に抑えるために基板を冷却することでありうる。例えば、基板は、水蒸気又は他の任意の反応制限手段によって冷却されうる。追加的な実施形態において、次の処理作業は、次に加工処理される基板で残留化学反応を最小に抑えるために、エッチングパラメータを変更することでありうる。
【0038】
残留化学反応は、かなりゆっくりとしたプロセスでありうると理解されたい。例えば、腐食は、素子を作製するために利用する処理作業が実行された後の数日後又はさらに数週間後までは、素子への重大な損害をもたらさない速度で進行しうる。従って、実施形態は、残留化学反応を促進する診断手続きも含みうる。一実施形態において、診断手続きを実行することは、残留化学反応を促進するためにセンサに刺激を加えることを含みうる。例えば、バイアス電圧がセンサのプローブパッドに印加されうる。一実施形態において、約25V以上、約50V以上、約75V以上のバイアス電圧が、残留化学反応を促進するためにプローブパッドに印加されうる。このような実施形態では、残留化学反応の存在及び程度の決定は、数日又は数週間の代わりに、数分内又は数時間内に決定されうる。
【0039】
このような電圧バイアスによる促進の診断手続きは、素子形成用基板で利用される場合には特に有益でありうる。例えば、素子が作製され、電圧バイアスによる促進の診断手続きが、素子の作製に続いて直ぐにセンサで実行されうる。結果的に生じた残留化学反応が所望の閾値を下回ることがセンサによって報告される場合には、基板は次の処理に進むことが可能であり、その際に、最終的な素子に損害を与える次の残留化学反応について心配する必要がない。代替的に、結果的に生じた残留化学反応が所望の閾値を下回ることがセンサによって報告される場合には、残留化学反応の影響を軽減するために基板が再加工され、さらに処理加工され(例えば冷却等)、又は、基板が廃棄されうる。従って、最終的には故障し又は壊れることになる素子を含む基板は作製プロセスを進み続けることはなく、全収率が上げられうる。
【0040】
電圧バイアスによる促進の診断手続きは、生産用基板での利用のために特に有益であるが、プロセス開発用基板も、電圧バイアスによる促進の診断手続きの恩恵を受けると理解されたい。例えば、残留化学反応の存在及び程度を決定するための待ち時間が短縮されうるため、プロセス開発のスピードが速められうる。
【0041】
促進するものとして利用される電圧に加えて、実施形態は、利用しうる多くの他の促進するものを含む。一実施形態において、湿気、誘電体流体、工業設計用流体(engineered fluids)(例えば、イオン、酸、塩基、PH)、熱、ガス、プラズマにより誘起されるイオン種等が、残留化学反応を促進するために利用されうる。一実施形態において、促進するものは、コーティングとしてセンサ全体に形成されうる。追加的な実施形態は、促進するものへのセンサの暴露を含みうる(例えば、促進するものがセンサの周囲の大気中に存在し、促進するものが噴霧され又はそうでなければ、センサに堆積される等)。どの促進するものを利用するのかという選択は、加工されている材料、検査されている処理作業、又は検査されている残留化学反応に依存しうる。
【0042】
ここで図6を参照すると、処理ツールの例示のコンピュータシステム660を示すブロック図が一実施形態に従って示されている。一実施形態において、コンピュータシステム660が処理ツールに接続され、処理ツールでの処理を制御する。コンピュータシステム660は、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットにおいて、他のマシンに接続され(例えばネットワーク化され)うる。コンピュータシステム660は、クライアント-サーバネットワーク環境においてはサーバ若しくはクライアントマシンの役割で、又は、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境においてはピアマシンとして作動しうる。コンピュータシステム660は、パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)、タブレットPC、セットトップボックス(STB:set-top box)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は、そのマシンによって行われる動作を特定する(連続した又は別様な)命令のセットを実行可能な任意のマシンでありうる。更に、コンピュータシステム660として単一のマシンのみを示しているが、「マシン」という用語は、本明細書に記載の方法のうちの任意の1つ以上を実施するために、命令のセット(又は複数のセット)を個々に、又は連携的に実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合体を含むとも解釈すべきである。
【0043】
コンピュータシステム660は、命令が格納された非一過性のマシン読取り可能な媒体を有するコンピュータプログラム製品、又はソフトウェア622を含んでよく、これらの命令は、実施形態に係る処理を実施するコンピュータシステム660(又は、他の電子機器)をプログラムするために使用されうる。マシン読取可能な媒体は、マシン(例えばコンピュータ)によって読み出し可能な形態により情報を格納又は伝送するための、任意のしくみを含む。例えば、マシン読取可能(例えばコンピュータ読取可能)な媒体は、マシン(例えばコンピュータ)読取可能な記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)、マシン(例えばコンピュータ)読取可能な伝送媒体(電気的形態、光学的形態、音響的形態、又はその他の形態による伝播信号(例えば赤外線信号、デジタル信号等))等を含む。
【0044】
一実施形態において、コンピュータシステム660は、バス630を介して互いに通信し合う、システムプロセッサ602、メインメモリ604(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM:synchronous DRAM)又はランバスDRAM(RDRAM:Rambus DRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random access memory))、スタティックメモリ606(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)など)、及び二次メモリ618(例えば、データ記憶装置)を含む。
【0045】
システムプロセッサ602は、マイクロシステムプロセッサ、中央処理装置等の1つ以上の汎用処理装置を表す。より詳細には、システムプロセッサは、複合命令セット演算(CISC:complex instruction set computing)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC:reduced instruction set computing)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW:very long instruction word)マイクロシステムプロセッサ、他の命令セットを実行するシステムプロセッサ、又は、命令セットの組み合わせを実行するシステムプロセッサでありうる。システムプロセッサ602は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP:digital signal system processor)、ネットワークシステムプロセッサといった、1つ以上の特殊用途処理装置でもありうる。システムプロセッサ602は、本明細書に記載の工程を実行するための処理ロジック626を実行するように構成される。
【0046】
コンピュータシステム660は、他の装置又はマシンと通信するためのシステムネットワークインタフェース装置608をさらに含みうる。コンピュータシステム660は、ビデオディスプレイユニット610(例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、発光ダイオードディスプレイ(LED:light emitting diode)、又は陰極線管(CRT:cathode ray tube))、英数字入力装置612(例えば、キーボード)、カーソル制御装置614(マウスなど)、及び信号生成装置616(例えば、スピーカ)も含みうる。
【0047】
二次メモリ618は、本明細書に記載の方法又は機能の任意の1つ以上を具現化する、1つ以上の命令セット(例えば、ソフトウェア622)が格納されたマシンアクセス可能な記憶媒体631(又は、より具体的には、コンピュータ読取可能な記憶媒体)を含みうる。このソフトウェア622は、コンピュータシステム660によって実行されている間、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ604及び/又はシステムプロセッサ602の中にも常駐していてよく、メインメモリ604及びシステムプロセッサ602は、マシン読取可能な記憶媒体も構成しうる。ソフトウェア622は更に、システムネットワークインタフェース機器608を介してネットワーク620上で送信又は受信されうる。
【0048】
例示的な一実施形態では、マシンアクセス可能な記憶媒体631を単一の媒体として示しているが、「マシン読取可能な記憶媒体(machine-readable storage medium)」という語は、1つ以上の命令セットが格納された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中データベース若しくは分散データベース、及び/又は、関連キャッシュ及びサーバ)を含むと、解釈すべきである。「マシン読取可能な記憶媒体」という用語はまた、マシンによって実施される命令のセットを格納又は符号化することが可能であり、かつ、方法のうちの任意の1つ以上をマシンに実施させる任意の媒体を含むとも解釈すべきである。従って、「マシン読取可能な記憶媒体」という用語は、固体メモリ、光媒体、及び磁気媒体を含むがそれらに限定されないと解釈すべきである。
【0049】
前述の明細書において、特定の例示の実施形態を説明してきた。以下の特許請求の範囲を逸脱することなく、例示の実施形態に様々な変更を加えられることが明らかとなろう。従って、本明細書及び図面を限定的と捉えるのではなく、例として見なすべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6