IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー・ケム・リミテッドの特許一覧

特許7005883フィルム印刷可能な紫外線硬化型インク組成物、それを用いたベゼルパターンの製造方法、それによって製造したベゼルパターン及びそれを含むディスプレイ基板
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】フィルム印刷可能な紫外線硬化型インク組成物、それを用いたベゼルパターンの製造方法、それによって製造したベゼルパターン及びそれを含むディスプレイ基板
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/101 20140101AFI20220203BHJP
   C09D 11/30 20140101ALI20220203BHJP
   C09D 11/36 20140101ALI20220203BHJP
   B41M 5/00 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
C09D11/101
C09D11/30
C09D11/36
B41M5/00 120
B41M5/00 100
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020533051
(86)(22)【出願日】2019-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 KR2019010325
(87)【国際公開番号】W WO2020036422
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2020-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2018-0095806
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヨー、ジェヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ヒョク
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/070654(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0147535(KR,A)
【文献】特開2010-235640(JP,A)
【文献】特開2016-021722(JP,A)
【文献】特開2016-199034(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0298241(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/00-13/00
B41J 2/01
B41M 5/00
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラック顔料、分散剤、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物、光増感剤、光重合開始剤及び有機溶媒を含み、
前記光増感剤:前記光重合開始剤の重量比が、1:1.5~1:1.8であり、
前記光増感剤及び前記光重合開始剤の和が、前記脂環式エポキシ化合物及び前記オキセタン化合物の和100重量部に対して13~21重量部であ
前記脂環式エポキシ化合物:前記オキセタン化合物の重量比が、1:4.5~1:7である、
フォルダブルディスプレイ基板のベゼルパターン形成用紫外線硬化型インク組成物。
【請求項2】
前記有機溶媒は、沸点が200℃以上であり、25℃で粘度が1~5cPである、請求項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項3】
前記有機溶媒は、ブチルジグライム、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジブチレート、コハク酸ジエチル、γ-ブチロラクトン、及びエチルカプラートからなる群から選択される1つ以上である、請求項1または2に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項4】
前記ブラック顔料は、カーボンブラック顔料、ラクタムブラック顔料またはペリレンブラック顔料、またはその組合わせであり、前記ブラック顔料の含量は、全体インク組成物に対して5~25重量%である、請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項5】
前記分散剤の含量は、全体インク組成物に対して0.5~5重量%である、請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項6】
前記分散剤は、アクリル系、ポリアルキレングリコール及びそのエステル、ポリオキシアルキレン多価アルコール、エステルアルキレンオキシド付加物、アルコールアルキレンオキシド付加物、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、アルキルアミドアルキレンオキシド付加物、アルキルアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項7】
前記脂環式エポキシ化合物は、ジシクロペンタジエンジオキシド、リモネンジオキシド、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボン酸塩、3-ビニルシクロヘキセンオキシド、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルアルコール、(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル)メチル-3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボン酸塩、エチレングリコールビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)エーテル、3,4-エポキシシクロヘキセンカルボン酸エチレングリコールジエステル、及び(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランからなる群から選択され、前記脂環式エポキシ化合物の含量は、全体インク組成物に対して2~15重量%である、請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項8】
前記オキセタン化合物は、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[(3-エチル-3-オキセタニル)メチル]エーテル、3-エチル-3-(2-エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-シクロヘキシルオキシメチルオキセタン、及びフェノールノボラックオキセタンからなる群から選択され、前記オキセタン化合物の含量は、全体インク組成物に対して25~50重量%である、請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項9】
前記有機溶媒の含量は、全体インク組成物に対して20~25重量%である、請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項10】
前記光重合開始剤は、スルホニウム塩である、請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項11】
前記紫外線硬化型インク組成物は、全体組成物に対して1~5重量%の付着力増進剤をさらに含み、前記付着力増進剤は、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランからなる群から選択されるアルコキシシラン化合物、及びホスフェート系アクリレートからなる群から選択される1種以上である、請求項1から10のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項12】
前記紫外線硬化型インク組成物は、硬化ドーズ量が100~5,000mJ/cmであり、250~410nmの波長範囲の放射線を吸収して硬化される、請求項1から11のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項13】
前記紫外線硬化型インク組成物は、硬化後、基材との付着力がクロスカットテスト4B以上であり、フォールディング半径2.5Rで100,000回フォールディング時に、クラックが発生しない、請求項1から12のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項14】
前記紫外線硬化型インク組成物は、フォルダブルディスプレイ基板のベゼルパターン形成用である、請求項1から13のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物。
【請求項15】
a)基板に請求項1から14のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物をインクジェットプリンティングして、ベゼルパターンを形成する段階と、
b)前記ベゼルパターンを硬化する段階と、
を含む、フォルダブルディスプレイ基板用ベゼルパターンの製造方法。
【請求項16】
前記硬化されたベゼルパターンの厚さは、1~5μmであり、OD値は、4以上である、請求項15に記載のフォルダブルディスプレイ基板用ベゼルパターンの製造方法。
【請求項17】
請求項1から14のいずれか一項に記載の紫外線硬化型インク組成物の紫外線硬化物を含むベゼルパターン。
【請求項18】
請求項17に記載のベゼルパターンを含むフォルダブルディスプレイ基板。
【請求項19】
前記フォルダブルディスプレイ基板は、フォルダブルディスプレイフィルムを含む、請求項18に記載のフォルダブルディスプレイ基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム印刷可能な紫外線硬化型インク組成物、それを用いたベゼルパターンの製造方法、それによって製造したベゼルパターン及びそれを含むディスプレイ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルディスプレイ市場は、平面とカーブド製品において自在に折りたたんだり開いたりするフォルダブル製品に進化しており、フォルダブルディスプレイも、他のディスプレイ機器と同様にパネルの非表示領域パターンが視認されないながら、色感を与えるためのベゼルパターンが必要である。モバイル機器の特性上、人の目と近い距離に接するために、パネルパターンが視認されず、光漏れが発生しないためには、遮光特性が高いベゼルを形成しなければならず、ベゼルが厚くなれば、ベゼル段差が画面部で視認され、OCA(optically clear adhesive:光学用透明接着剤)付着時に、気泡が抜けないという問題が発生する。これにより、薄肉でありながらも、遮光特性に優れたベゼルパターンが必要であり、工程のコスト削減のために、高遮光ブラックインクを1色印刷で形成することができるインク組成が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】大韓民国特許公開10-2016-0147535号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、モバイル機器などのフォルダブルディスプレイのパネルパターンが視認されず、光漏れが発生しないように薄肉でありながらも、遮光特性に優れたベゼルパターンを形成するフィルム印刷可能な紫外線硬化型インク組成物、それを用いたベゼルパターンの製造方法、それによって製造したベゼルパターン及びそれを含むディスプレイ基板を提供することである。
【0005】
本発明のさらに他の目的は、工程のコスト削減のために、高遮光ブラックインクを1色印刷で形成することができるフィルム印刷可能な紫外線硬化型インク組成物、それを用いたベゼルパターンの製造方法、それによって製造したベゼルパターン及びそれを含むディスプレイ基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を果たすために、本発明は、ブラック顔料、分散剤、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物、光増感剤、光重合開始剤及び有機溶媒を含み、前記光増感剤:前記光重合開始剤の重量比が、1:1~1:2であり、前記光増感剤及び光重合開始剤の和が、前記脂環式エポキシ化合物及びオキセタン化合物の和100重量部に対して13~21重量部であるディスプレイ基板のベゼルパターン形成用紫外線硬化型インク組成物を提供する。
【0007】
また、本発明は、a)基板に前記紫外線硬化型インク組成物をプリンティングして、ベゼルパターンを形成する段階;及びb)前記ベゼルパターンを硬化する段階;を含むディスプレイ基板用ベゼルパターンの製造方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、前記ベゼルパターンの製造方法によって製造したベゼルパターンを提供する。
【0009】
また、本発明は、前記ベゼルパターンを含むディスプレイ基板を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるフィルム印刷可能な紫外線硬化型インク組成物は、フォルダブルディスプレイのベゼルパターンの製造方法に適用可能であり、多様なフィルムで1色印刷で薄肉(例えば、<5μm)の高遮光インク(例えば、O.D>4)を低いUV照射量(例えば、<2,000mJ/cm)で硬化させることができ、ベゼル特性(フォールディング、付着、パターン)に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明は、多様な変換を加え、さまざまな実施形態を有することができるので、特定実施形態を例示する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる、あらゆる変換、均等物または代替物を含むものと理解しなければならない。本発明を説明するに当って、関連した公知技術についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0013】
本発明は、ブラック顔料、分散剤、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物、光増感剤、光重合開始剤、及び有機溶媒を含み、前記光増感剤:前記光重合開始剤の重量比が、1:1~1:2であり、前記光増感剤及び光重合開始剤の和が、前記脂環式エポキシ化合物及びオキセタン化合物の和100重量部に対して13~21重量部である紫外線硬化型インク組成物を提供する。
【0014】
また、本発明の一態様において、前記脂環式エポキシ化合物:前記オキセタン化合物の重量比は、1:4~1:8である。
【0015】
前記紫外線硬化型インク組成物は、着色剤としてブラック顔料を含む。
【0016】
本発明の一態様において、ブラック顔料としてカーボンブラック、黒鉛、金属酸化物、有機ブラック顔料などを使用することができる。
【0017】
カーボンブラックの例としては、シスト5HIISAF-HS、シストKH、シスト3HHAF-HS、シストNH、シスト3M、シスト300HAF-LS、シスト116HMMAF-HS、シスト116MAF、シストFMFEF-HS、シストSOFEF、シストVGPF、シストSVHSRF-HS及びシストSSRF(東海カーボン(株));ダイヤグラムブラックII、ダイヤグラムブラックN339、ダイヤグラムブラックSH、ダイヤグラムブラックH、ダイヤグラムLH、ダイヤグラムHA、ダイヤグラムSF、ダイヤグラムN550M、ダイヤグラムM、ダイヤグラムE、ダイヤグラムG、ダイヤグラムR、ダイヤグラムN760M、ダイヤグラムLR、#2700、#2600、#2400、#2350、#2300、#2200、#1000、#980、#900、MCF88、#52、#50、#47、#45、#45L、#25、#CF9、#95、#3030、#3050、MA7、MA77、MA8、MA11、MA100、MA40、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B及びOIL31B(三菱化学(株));PRINTEX-U、PRINTEX-V、PRINTEX-140U、PRINTEX-140V、PRINTEX-95、PRINTEX-85、PRINTEX-75、PRINTEX-55、PRINTEX-45、PRINTEX-300、PRINTEX-35、PRINTEX-25、PRINTEX-200、PRINTEX-40、PRINTEX-30、PRINTEX-3、PRINTEX-A、SPECIAL BLACK-550、SPECIAL BLACK-350、SPECIAL BLACK-250、SPECIAL BLACK-100、及びLAMP BLACK-101(テクサ(株));RAVEN-1100ULTRA、RAVEN-1080ULTRA、RAVEN-1060ULTRA、RAVEN-1040、RAVEN-1035、RAVEN-1020、RAVEN-1000、RAVEN-890H、RAVEN-890、RAVEN-880ULTRA、RAVEN-860ULTRA、RAVEN-850、RAVEN-820、RAVEN-790ULTRA、RAVEN-780ULTRA、RAVEN-760ULTRA、RAVEN-520、RAVEN-500、RAVEN-460、RAVEN-450、RAVEN-430ULTRA、RAVEN-420、RAVEN-410、RAVEN-2500ULTRA、RAVEN-2000、RAVEN-1500、RAVEN-1255、RAVEN-1250、RAVEN-1200、RAVEN-1190ULTRA、及びRAVEN-1170(コロンビアカーボン(株))またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0018】
前記有機ブラック顔料としてアニリンブラック、ラクタムブラックまたはペリレンブラック系などを使用することができるが、これらに限定するものではない。
【0019】
前記ブラック顔料の含量は、紫外線硬化型インク組成物の全重量に対して5~25重量%であり、または10~20重量%である。ブラック顔料の含量が5重量%未満である場合、ベゼルに適用するほどのレベルのODが表われず、25重量%超過である場合、インクの粘度が過度に高くなるか、過量のブラック顔料がインクに分散されず、沈殿物が形成されうる。
【0020】
前記紫外線硬化型インク組成物は、分散剤を含む。
【0021】
前記分散剤は、前記ブラック顔料を均一なサイズの粒子で作り、また、インクの製造時間を短縮させるために使われる。前記分散剤としては、高分子型、非イオン性、陰イオン性または陽イオン性の分散剤を使用し、その例としては、アクリル系、ポリアルキレングリコール及びそのエステル、ポリオキシアルキレン多価アルコール、エステルアルキレンオキシド付加物、アルコールアルキレンオキシド付加物、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、アルキルアミドアルキレンオキシド付加物及びアルキルアミンなどがあり、単独で使用するか、2つ以上混合して使用し、そのうち、インクの貯蔵性などに優れたアクリル系の分散剤を使用することが望ましい。
【0022】
前記分散剤の含量は、全体インク組成物に対して0.5~5重量%、または2~4重量%、または約3重量%であって、前記分散剤の含量が、全体インク組成物に対して0.5重量%未満である場合には、顔料が均一に分散されない恐れがあり、5重量%を超過する場合には、顔料が凝集されるか、硬化感度が低下する恐れがある。
【0023】
前記紫外線硬化型インク組成物は、脂環式エポキシ化合物を含む。
【0024】
前記脂環式エポキシ化合物は、陽イオン重合型であって、カチオン重合性脂環式エポキシ単量体を含む脂環式エポキシ化合物のうちから選択される1種または2種の混合物である。このような脂環式エポキシ化合物は、エポキシ化脂肪族環基を1または2個含みうるが、ここで、前記エポキシ化脂肪族環基は、例えば、脂環式環に形成されたエポキシ基を有する化合物でもあり、また、脂環式環の水素原子は、アルキル基などの置換基によって置換されても良い。
【0025】
前記脂環式エポキシ化合物、言い換えれば、前記エポキシ化合物の例を挙げると、ジシクロペンタジエンジオキシド、リモネンジオキシド、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボン酸塩、3-ビニルシクロヘキセンオキシド、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルアルコール、(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル)メチル-3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボン酸塩、エチレングリコールビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)エーテル、3,4-エポキシシクロヘキセンカルボン酸エチレングリコールジエステル及び(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどがあり、これらに限定されるものではない。
【0026】
前記脂環式エポキシ化合物の含量は、全体インク組成物に対して2~15重量%、または3~10重量%、または約10重量%であって、前記脂環式エポキシ化合物の含量が、全体インク組成物に対して2重量%未満である場合には、硬化感度が低下し、15重量%を超過する場合には、UV硬化後、塗膜表面にしわが発生して、ベゼル(bezel)特性が低下する。
【0027】
前記紫外線硬化型インク組成物は、他のカチオン重合性単量体としてオキセタン化合物を含む。
【0028】
前記オキセタン化合物は、分子構造内に4員環状エーテル基を有する化合物であって、カチオン重合性インク組成物の粘度を低めるために使われ、その例としては、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[(3-エチル-3-オキセタニル)メチル]エーテル、3-エチル-3-(2-エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-シクロヘキシルオキシメチルオキセタン及びフェノールノボラックオキセタンなどがあり、商品名としては、東亞合成(株)の「アロンオキセタンOXT-101」、「アロンオキセタンOXT-121」、「アロンオキセタンOXT-211」、「アロンオキセタンOXT-221」または「アロンオキセタンOXT-212」などを例示し、これらは、単独で、または2種以上混合して使用することができる。
【0029】
前記オキセタン化合物の含量は、全体インク組成物に対して25~50重量%、または30~45重量%、または34~42重量%であって、前記オキセタン化合物の含量が、全体インク組成物に対して25重量%未満である場合には、粘度が上昇して、インクジェット工程性が低下する恐れがあり、50重量%を超過する場合には、硬化感度が低くなる。
【0030】
また、本発明による組成物において、前記脂環式エポキシ化合物:オキセタン化合物の重量比は、1:4~1:8であり、さらに他の態様において、1:4.5~1:7であるか、または1:5~1:6.8である。エポキシ化合物とオキセタン化合物との比率が1:8を超過する場合には、組成物の粘度が低いことによって、組成物のインクジェット工程性は優れているが、硬化感度が低下し、1:4未満である場合には、組成物の粘度が高いことによって、インクジェット工程性が低下し、UV硬化後、塗膜に表面しわが発生する。
【0031】
前記紫外線硬化型インク組成物は、光増感剤を含む。
【0032】
前記光増感剤は、アントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセンなどのアントラセン系化合物;ベンゾフェノン、4,4-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルアミノベンゾフェノン、メチル-o-ベンゾイル安息香酸、3,3-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、3,3,4,4-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;アセトフェノン;ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、プロパノンなどのケトン系化合物;ペリレン;9-フルオレノン、2-クロロ-9-フルオレノン、2-メチル-9-フルオレノンなどのフルオレノン系化合物;チオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロピルオキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン(ITX)、ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物;キサントン、2-メチルキサントンなどのキサントン系化合物;アントラキノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、t-ブチルアントラキノン、2,6-ジクロロ-9,10-アントラキノンなどのアントラキノン系化合物;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9-アクリジニル)ヘプタン、1,5-ビス(9-アクリジニルペンタン)、1,3-ビス(9-アクリジニル)プロパンなどのアクリジン系化合物;1,7,7-トリメチル-ビシクロ[2,2,1]ヘプタン-2,3-ジオン、9,10-フェナントレンキノンなどのジカルボニル化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド系化合物;メチル-4-(ジメチルアミノ)安息香酸、エチル-4-(ジメチルアミノ)安息香酸、2-n-ブトキシエチル-4-(ジメチルアミノ)安息香酸などの安息香酸系化合物;2,5-ビス(4-ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6-ビス(4-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6-ビス(4-ジエチルアミノベンザル)-4-メチル-シクロペンタノンなどのアミノシナジスト;3,3-カルボニルビニル-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾリル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-ベンゾイル-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-ベンゾイル-7-メトキシ-クマリン、10,10-カルボニルビス[1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H、5H、11H-C1]-ベンゾピラノ[6,7,8-ij]-キノリジン-11-オンなどのクマリン系化合物;4-ジエチルアミノカルコン、4-アジドベンザルアセトフェノンなどのカルコン化合物; 及び 2-ベンゾイルメチレン-3-メチル-β-ナフトチアゾリンからなる群から選択される1種以上である。
【0033】
前記光増減剤は、紫外線硬化型インク組成物の総重量に対して1~5重量%で含まれ、さらに他の態様において、2~4重量%で含まれうる。光増感剤の含量が1重量%未満であれば、所望の波長での硬化感度の上昇作用を期待することができず、5重量%超過であれば、光増感剤が溶解されず、析出されるか、パターンの接着力及び架橋密度を低下させる問題点がある。
【0034】
前記紫外線硬化型インク組成物は、光重合開始剤を含む。
【0035】
前記光重合開始剤は、紫外線の照射によって陽イオン(cation)種やブレンステッド酸を作り出す化合物、例えば、ヨードニウム塩またはスルホニウム塩などを含んでいるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0036】
前記ヨードニウム塩またはスルホニウム塩は、紫外線硬化過程でインクに含有された不飽和二重結合を有するモノマーが反応して高分子を形成する硬化反応が起こるようにし、重合効率によって光増感剤を使用することもできる。
【0037】
一例として、前記光重合開始剤は、SbF 、AsF 、BF 、(C、PF あるいはRf6-nに表示される陰イオンを有するものであるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0038】
本発明の一態様において、インクの貯蔵安定性のために、高温安定性に優れたトリアリールスルホニウム塩(triarylsulphonium salt)が使われ、例えば、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩(triarylsulfonium hexafluorphosphate salt)が使われる。
【0039】
前記光重合開始剤は、紫外線硬化型インク組成物の総重量に対して1~15重量%で含まれ、さらに他の態様において、2~10重量%や3~5重量%で含まれうる。光重合開始剤の含量が1重量%未満であれば、硬化反応が十分でなく、15重量%超過であれば、いずれも溶解されないか、粘度が増加して、コーティング性が低下する。
【0040】
本発明による組成物において、ブラック顔料の特性上、遮光性が高いほど硬化率の差による表面しわ発生頻度が高いために、光を吸収する光重合開始剤及び光増感剤の含量比率を最適化して、O.D5でも低いUV照射量(例えば、<2,000mJ/cm)でベゼル形成が可能であるということに特徴があり、このために、光増感剤:光重合開始剤の重量比は、1:1~1:2または1:1.5~1:1.8であり、光増感剤と光重合開始剤との和は、脂環式エポキシ化合物及びオキセタン化合物の和100重量部に対して13~21重量部または15~20重量部で含まれうる。
【0041】
前記紫外線硬化型インク組成物は、有機溶媒を含む。
【0042】
前記有機溶媒は、本発明によるインク組成物が硬化後、高い遮光性を示しながら薄肉を保持するために必須的な成分であって、本発明によるインク組成物を用いてディスプレイ基板にベゼルパターンを印刷した後にも、硬化感度に優れたものであれば、特に制限なしに使用することができるが、インクジェット工程性能を向上させるために、沸点が200℃以上であり、25℃で粘度が1~5cPまたは1~3cPであるものを使用することが良い。
【0043】
本発明によるブラック顔料が全体インク組成物に10%未満(特に、7%以下)の低い含量で含まれる場合には、沸点が200℃未満であるエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCsA)のような有機溶媒を使用しても、インクジェット工程性能に大きな問題がないが、インク組成物に前記ブラック顔料が10%以上の比較的高い含量で含まれる場合には、インクジェット工程性能が低下する。
【0044】
したがって、本発明では、インクジェット工程性能を向上または改善させる有機溶媒の使用が要求されるが、インクジェット工程性能は、前述したような高沸点及び低粘度の条件(沸点が200℃以上であり、25℃で粘度が1~5cP、特に、3cP以下)を満足する有機溶媒を使用するほど向上するので、このような条件を満足する有機溶媒、例えば、ブチルジグライム(Butyl diglyme、またはジエチレングリコールジブチルエーテル)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(Dipropylene glycol methyl ether acetate)、エチレングリコールジブチレート(ethylene glycol dibutyrate)、コハク酸ジエチル(Diethyl succinate)、γ-ブチロラクトン(gamma-butyrolactone:GBL)及びエチルカプラート(Ethyl caprate)のような有機溶媒を使用しなければならず、前記ブチルジグライム及びコハク酸ジエチルを使用することが望ましい。
【0045】
前記有機溶媒の含量は、全体インク組成物に対して10~40重量%、または15~30重量%、または20~25重量%であって、前記有機溶媒の含量が10重量%未満である場合には、インクの粘度が高くなるか、ベゼル層の厚さが厚くなる恐れがあり、40重量%を超過する場合には、硬化感度が低くなる問題が発生する。
【0046】
一方、本発明によるインク組成物は、必要に応じて、反応性希釈剤、付着力増進剤、界面活性剤及び光重合開始剤溶媒のうち何れか1つ以上をさらに含みうる。
【0047】
前記反応性希釈剤は、インクの粘度を低下させて、インクジェット工程性を改善するために含まれ、陽イオン重合が可能なグリシジルエーテル系エポキシ化合物及びビニル系エポキシ化合物を使用し、前記グリシジルエーテル系エポキシ化合物の例としては、N-ブチルグリシジルエーテル(N-Butyl Glycidyl Ether)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(Neopentyl glycol diglycidyl ether、LD203)、脂肪族グリシジルエーテル(Aliphatic glycidyl ether)、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル(2-Ethylhexyl glycidyl ether)、フェニルグリシジルエーテル(Phenyl glycidyl ether)、クレジルグリシジルエーテル(Cresyl glycidyl ether)、ベンジルグリシジルエーテル(Benzyl glycidyl ether)、1,4-ブタンジオールグリシジルエーテル(1,4-Butanediol glycidyl ether)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(Ethyleneglycol diglycidyl ether)、1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテル(1,6-Hexanediol glycidyl ether)、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(1,4-Cyclohexane dimethanol diglycidyl ether)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(Polypropylene glycol diglycidyl ether)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(Diethylene glycol diglycidyl ether)などが挙げられ、ビニル系エポキシ化合物としては、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(1,4-cyclohexanedimethanol divinyl ether)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(Triethylene glycol divinyl ether、DVE-3)及びヒドロキシブチルビニルエーテル(Hydroxybutyl vinyl ether)などが挙げられ、1種以上使用することができる。
【0048】
前記反応性希釈剤の含量は、紫外線硬化型インク組成物の総重量に対して0~10重量%であることが望ましく、より望ましくは、1~7重量%である。10重量%超過すれば、UV硬化後、塗膜に表面しわが発生する。
【0049】
前記付着力増進剤は、基材と印刷層との付着力を向上させるものであって、アルコキシシラン化合物及びリン酸アクリレート(phosphate acrylate)などのホスフェート系アクリレートからなる群から選択される1種以上のものを使用し、前記アルコキシシラン化合物の例としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(3-Glycidoxypropyl trimethoxysilane、KBM-403(Shin-Etsu社、米国))、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(3-Glycidoxypropyl methyldimethoxysilane、KBM-402)、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(2-(3,4 epoxycyclohexyl)ethyltrimethoxysilane、KBM-303)、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(3-Glycidoxypropyl methyldiethoxysilane、KBE-402)、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(3-Glycidoxypropyl triethoxysilane、KBE-403)及び3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(3-Methacryloxypropyl trimethoxysilane、KBM-503)などが挙げられ、1種以上使用することができる。
【0050】
前記付着力増進剤が使われる場合、その含量は、全体インク組成物に対して1~5重量%、または2~4重量%であって、前記付着力増進剤の含量が1重量%未満である場合には、基材と印刷層との付着力が低下し、5重量%を超過する場合には、硬化感度が低くなるか、インクの安定性が低下する。
【0051】
前記界面活性剤は、販売品を使用し、例えば、DIC(DaiNippon Ink & Chemicals)社のMegafack F-444、F-475、F-478、F-479、F-484、F-550、F-552、F-553、F-555、F-570、RS-75、または旭硝子社のSurflon S-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141及びS-145、または住友スリーエム社のFluorad FC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430及びFC-4430、またはデュポン社のZonyl FS-300、FSN、FSN-100及びFSO、及びBYK社のBYK-306、BYK-307、BYK-310、BYK-320、BYK-330、BYK-331、BYK-333、BYK-342、BYK-350、BYK-354、BYK-355、BYK-3550、BYK-356、BYK-358N、BYK-359、BYK-361N、BYK-381、BYK-370、BYK-371、BYK-378、BYK-388、BYK-392、BYK-394、BYK-399、BYK-3440、BYK-3441、BYK-UV 3530、BYK-UV 3570、またはテゴ社のRad 2100、Rad 2011、Glide 100、Glide 410、Glide 450、Flow 370、Flow 425、Wet500などからなる群から選択されるものを使用することができる。
【0052】
前記界面活性剤は、紫外線硬化型インク組成物総重量に対して0.01~2.0重量%、または0.1~1.0重量%で含まれうる。前記界面活性剤の含量が0.01重量%未満である場合には、組成物の表面張力を低める効果が十分ではなくて、基材に組成物をコーティング時に、コーティング不良が発生し、2.0重量%を超過する場合には、界面活性剤が過量で使われて組成物の相溶性及び消泡性がむしろ減少するという問題点がある。
【0053】
前記光重合開始剤溶媒は、溶解度(solubility)が高くて、開始剤を溶かすことができる溶媒であれば、制限なしに使用が可能であり、炭酸プロピレン、γ-ブチロラクトン(GBL)、N-エチルピロリドン(NEP)からなる群から選択された1種以上を使用することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0054】
前記光重合開始剤溶媒の含量は、光重合開始剤含量に対して50~150重量%であり、または75~125重量%である。50重量%未満であれば、光重合開始剤が溶けず、析出され、150重量%超過すれば、硬化感度が低下する。
【0055】
一方、本発明による紫外線硬化型インク組成物は(または、インクは)、硬化ドーズ量が100~5,000mJ/cm、または200~3,000mJ/cmであり、250~410nmの波長、望ましくは、360~410nmの波長範囲で放射線を吸収して硬化され、インクジェット工程に適するように、例えば、25℃で1~30cP、または工程温度で2~20cPの粘度を有し、後工程(熱処理)が排除された状態での基材との付着力がクロスカットテスト(cross cut test)4B以上または5B以上であり、フォールディング特性において、UV硬化後、フォールディング半径2.5Rで10万回以上フォールディング時に、クラックが発生しない。
【0056】
また、本発明による紫外線硬化型インク組成物は(または、インクは)、40℃保管時に、10%以上増粘される時点が20日以上、望ましくは、40日以上、より望ましくは、60日以上経過した時点で優れた貯蔵安定性を示し、インク製造後に光重合開始剤が析出されない優れたインク安定性を達成する。
【0057】
前記紫外線硬化型インク組成物は、カバーウィンドウフィルムあるいは偏光フィルム層にベゼルパターンを形成し、耐熱性が弱いフィルムでもフィルム変形なしにUV硬化が可能になるように低いUV照射量(例えば、<2,000mJ/cm)でも、高遮光(例えば、O.D>4)パターンを表面しわなしに硬化させることができる。また、薄肉であって遮光特性に優れて、パネルのパターン視認性及び段差視認問題、OCA付着後、気泡発生の問題が発生しない。そして、フォルダブル機器に適用するためのフォールディング(例えば、フォールディング半径2.5R、100,000回以上)及び付着(例えば、Cross cut 5B)特性に優れているように表われる。
【0058】
前記紫外線硬化型インク組成物で形成したベゼルパターンの上端部は、上部基材用粘着剤層を介在して上部基材と付着されるが、前記紫外線硬化型インク組成物は、アクリル係粘着剤、スチレンブタジエンゴム系粘着剤、エポキシ粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤などの上部基材用粘着剤と優れた付着力を示すので、前記紫外線硬化型インク組成物を使用する場合、ベゼルパターンと上部基材との間の付着力が改善される効果が得られる。
【0059】
本発明のフォルダブルディスプレイフィルムのベゼルパターンの製造方法は、前記紫外線硬化型インク組成物を利用する。
【0060】
具体的に、本発明のフォルダブルディスプレイフィルムのベゼルパターンの製造方法は、a)フィルムに前記紫外線硬化型インク組成物をプリンティングして、ベゼルパターンを形成する段階;及びb)前記ベゼルパターンを硬化する段階;を含む。
【0061】
ここで、前記硬化されたベゼルパターンの厚さは、1~5μmまたは2~4μmである。
【0062】
本発明の一態様において、前記フォルダブルディスプレイ基板は、フォルダブルディスプレイフィルムである。
【0063】
本発明の一態様において、前記フォルダブルディスプレイ基板は、フォルダブルディスプレイフィルムを含みうる。
【0064】
また、本発明のディスプレイフィルムのベゼルパターンの製造方法は、前記a)ベゼルパターンを形成する段階以前に、フィルムの洗浄段階をさらに含みうる。これは、インクのコーティング性の向上及び異物による染みの除去のために、フィルムの表面エネルギーによって表面処理を選択的に実施するためである。
【0065】
具体的に、前記表面処理は、常圧プラズマ、コロナなどの処理によって実施される。
【0066】
前記ベゼルパターンは、硬化処理した後に測定されるテーパー角が0°超過30°であり、厚さが0.1~20μmであることを特徴とする。また、前記テーパー角は、望ましくは、0°超過10°である。また、前記厚さは、望ましくは、0.5~5μmである。本発明のベゼルパターンは、前記のような特徴を有することにより、大きな段差による短絡、気泡発生及びフィルムの異形による視感品位低下を示さないこともある。
【0067】
前記ベゼルパターンの光学密度は、膜厚さ4.0μm基準に4~5.5であり、必要に応じて、4.5~5である。この場合、ベゼルパターンによる遮蔽特性に優れた長所がある。光学密度が5.5を超過する場合には、投入しなければならない顔料の要求含量が非常に高くなるために、インクの製造及びインクジェット工程に悪影響を及ぼし、紫外線硬化性インク組成物が放射線によって硬化されることを阻害することができる。
【0068】
本発明の組成物は、多様な基材(フィルム、ガラス、プラスチックなど)に1色印刷で高遮光(O.D>4)ベゼルを低いUV照射量で形成することができ、2色印刷時に、必要とするアライメント(alignment)がなくても良いので、工程時間及びコスト(収率)を改善することができる。
【0069】
本発明は、前記方法によって製造されたディスプレイ基板のベゼルパターンを提供する。本発明において、ベゼルパターンは、時計、ディスプレイ装置など各種装置のフレーム部分に形成されるパターンを言う。
【0070】
本発明の一態様において、前記ディスプレイ基板は、フォルダブルディスプレイフィルムである。
【0071】
本発明の一態様において、前記ディスプレイ基板は、フォルダブルディスプレイフィルムを含みうる。
【0072】
前記ベゼルパターンは、硬化処理した後に測定されるテーパー角が0°超過30°であり、厚さが0.1~20μmであることを特徴とする。また、前記テーパー角は、0°超過10°である。また、前記厚さは、0.5~5μmである。本発明のベゼルパターンは、前記のような特徴を有することにより、大きな段差による短絡、気泡発生及びフィルムの異形による視感品位低下を示さないこともある。
【0073】
前記ベゼルパターンの光学密度は、膜厚さ4.0μm当たり4~5.5、必要に応じて、4.5~5である。この場合、ベゼルパターンによる遮蔽特性に優れた長所がある。光学密度が5.5を超過する場合には、投入しなければならない顔料の要求含量が非常に高くなるために、インクの製造及びインクジェット工程に悪影響を及ぼし、紫外線硬化性インク組成物が放射線によって硬化されることを阻害することができる。
【0074】
また、本発明は、前記ベゼルパターンを含むフォルダブルディスプレイ基板を提供する。
【0075】
前記フォルダブルディスプレイ基板は、フォルダブルディスプレイフィルムである。
【0076】
前記フォルダブルディスプレイ基板は、フォルダブルディスプレイフィルムを含みうる。
【0077】
前記ディスプレイは、有機発光素子(Organic Light Emitting Diode、OLED)に使われるものである。
【0078】
以下、本発明の理解を助けるために、望ましい実施例を提示するが、下記の実施例は、本発明を例示するものであり、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であることは当業者にとって明らかなものであり、このような変更及び修正が添付の特許請求の範囲に属すことも当然である。
【実施例
【0079】
[実施例1]紫外線硬化型インク組成物の製造
下記表1に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック15重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 40.5重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)10重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、本発明の紫外線硬化型インク組成物を製造した。
【0080】
[実施例2]紫外線硬化型インク組成物の製造
下記表1に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 39重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)10重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、本発明の紫外線硬化型インク組成物を製造した。
【0081】
[実施例3]紫外線硬化型インク組成物の製造
下記表1に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック18重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 37.5重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)10重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、本発明の紫外線硬化型インク組成物を製造した。
【0082】
[実施例4]紫外線硬化型インク組成物の製造
下記表1に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 41重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)8重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、本発明の紫外線硬化型インク組成物を製造した。
【0083】
[実施例5]紫外線硬化型インク組成物の製造
下記表1に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 8重量部、オキセタン221 37重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)10重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、本発明の紫外線硬化型インク組成物を製造した。
【0084】
[実施例6]紫外線硬化型インク組成物の製造
下記表1に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 34重量部、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル5重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)10重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、本発明の紫外線硬化型インク組成物を製造した。
【0085】
[実施例7]紫外線硬化型インク組成物の製造
下記表1に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 34重量部、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(Cyclohexandimethanol divinyl ether)5重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)10重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、本発明の紫外線硬化型インク組成物を製造した。
【0086】
[実施例8]紫外線硬化型インク組成物の製造
下記表1に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 39重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(CPI-210S)10重量部、ソルベント(光重合開始剤溶媒、炭酸プロピレン(Propylene carbonate))5重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、本発明の紫外線硬化型インク組成物を製造した。
【0087】
[比較例1]インク組成物の製造
下記表2に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 42重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)8重量部、増減剤(DBA)2重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、インク組成物を製造した。
【0088】
[比較例2]インク組成物の製造
下記表2に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 43重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)6重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、インク組成物を製造した。
【0089】
[比較例3]インク組成物の製造
下記表2に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 10重量部、オキセタン221 35重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)10重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、インク組成物を製造した。
【0090】
[比較例4]インク組成物の製造
下記表2に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 29重量部、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル10重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)10重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、インク組成物を製造した。
【0091】
[比較例5]インク組成物の製造
下記表2に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 29重量部、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル10重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)10重量部、増減剤(DBA)3重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、インク組成物を製造した。
【0092】
[比較例6]インク組成物の製造
下記表2に示した組成のように、顔料分散液(カーボンブラック16.5重量部、分散剤3重量部、コハク酸ジエチル20重量部)、セロキサイド2021P 6重量部、オキセタン221 38重量部、付着力増進剤(KBM-403)2重量部、光重合開始剤(Sppedcure 992)10重量部、増減剤(DBA)4重量部、界面活性剤(F-477)0.5重量部を6時間撹拌混合して、インク組成物を製造した。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
(A)顔料分散液:Solventであるコハク酸ジエチルに分散されている、BK-5313、トクシキ製造
(B)脂環式エポキシ:セロキサイド2021P、ディーゼル製造
(C)オキセタン:OXT-221、東亞合成製造
(D)モノマー:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(LD-203、国都化学製造)、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDVE、BASF製造)
(E)付着力増進剤:KBM-403、信越製造
(F)光重合開始剤:Speedcure 992は、光重合開始剤溶媒である炭酸プロピレン50%に溶けており、実際solid含量は、50%であり、CPI-210Sは、solid含量100%である。Speedcure 992、lambson製造、CPI-210S、San-Apro製造
(G)開始剤溶媒:Speedcure 992の50%は、炭酸プロピレンである。
(H)増減剤:9,10-Dibutoxyanthracene、kawasaki製造、ANTHRACURETM UVS-1331
(I)界面活性剤:F-477、DIC製造
【0095】
[実施例1から実施例8、比較例1から比較例6]インク組成物で製造された試片の物性評価
前記実施例1から実施例8及び比較例1から比較例6から製造されたインク組成物を、横50mm、縦50mm、厚さ50μmのサイズを有する正方形状のTACフィルムに、光学密度(Optical Density:O.D、X-rite 341C使用)5でインクジェットプリンティングし、395nm UV LEDランプでUV硬化して試片(sample)を製作した後、試片の厚さ、硬化感度、付着力、ダイナミックフォールディング(Dynamic folding)、インクジェット工程性(idle time)、表面しわ、インク安定性を評価し、その結果を下記表3及び表4に示した。
【0096】
ここで、硬化感度は、395nmの波長のUV LEDランプを用いて粘着力が消える地点(tack free point)でUVエネルギーを確認し、付着力は、クロスカットテストを実施測定して、0B~5Bで評価し(規格:ASTM D3002、D3359)、ダイナミックフォールディングは、フィルムフォールディングテストマシン(モデル:STS-VRT-5AXIS、サイエンスタウン製作)を使用してフォールディング半径2.5Rで10万回フォールディング(folding)してクラック(Crack)発生有無を確認し、インクジェット工程性は、全ノズルが出る状態でShort purge(3s)及びワイピング(wiping)後、休止時間(idle time)によるジェッティング(jetting)評価で確認し、表面しわは、UV硬化後、表面しわの有無を肉眼で確認し、インク安定性は、インクを45℃ Ovenに保管して1週以内粘度増加10%以下及び光重合開始剤の析出有無を確認して評価した。また、下記表3及び表4の表面しわ及びインク安定性の評価において、OK表示は、優れていることを意味し、NG表示は、優れていないことを意味する。
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】
表1及び表3に示されたように、実施例1から実施例8のインク組成物は、付着力、ダイナミックフォールディング、硬化感度、インクジェット工程性、表面しわ及びインク安定性において、優れた結果を示した。具体的に、実施例1のインク組成物は、カーボンブラック15%、Solvent(コハク酸ジエチル)20%であって、O.D 5で厚さ4.5μmであり、表面しわが発生せず、実施例2の組成物は、実施例1でカーボンブラック16.5%に変更したインクであって、O.D 5で厚さ4μmであり、表面しわが発生せず、実施例3の組成物は、実施例1でカーボンブラック18%に変更したインクであって、O.D 5で厚さ3.5μmであり、表面しわが発生しなかった。また、実施例4の組成物は、実施例2で光重合開始剤Speedcure 992の含量を10%から8%に低めたインクであって、表面しわが発生せず、実施例5の組成物は、実施例2で脂環式エポキシ化合物(セロキサイド2021P)の含量を6%から8%に高めたインクであって、表面しわが発生せず、実施例6の組成物は、実施例2でオキセタン化合物の一部をグリシジルエーテル5%に代替したインクであって、表面しわが発生せず、実施例7の組成物は、実施例2でオキセタン化合物の一部をビニルエーテル5%に代替したインクであって、表面しわが発生せず、実施例8の組成物は、実施例2で光重合開始剤をSpeedcure 992からCPI-210Sに変更したインクであって、表面しわが発生しなかった。一方、比較例1の組成物は、実施例2で光重合開始剤Speedcure 992の含量を10%から8%に低め、増減剤の含量を3%から2%に低めたインクであって、全体エポキシ及びオキセタン化合物100重量部に対して光増感剤と光重合開始剤との和が12.5重量部であるが、この場合、表面しわが発生することを確認した。比較例2の組成物は、実施例2で全体光重合開始剤Speedcure 992の含量を10%から6%に低めたインクであって、全体エポキシ及びオキセタン化合物100重量部に対して光増感剤と光重合開始剤との和が12.2重量部であって、表面しわが発生した。比較例3の組成物は、実施例2で脂環式エポキシ化合物(セロキサイド2021P)の含量を6%から10%に高めたインクであって、脂環式エポキシ化合物:オキセタン化合物の比率が1:3.5であって、表面しわが発生した。比較例4の組成物は、実施例2でオキセタン化合物の一部をグリシジルエーテル10%に代替したインクであって、全体エポキシ及びオキセタン化合物100重量部に対して光増感剤と光重合開始剤との和が23重量部であって、表面しわが発生した。比較例5の組成物は、実施例2でオキセタン化合物の一部をビニルエーテル10%に代替したインクであって、全体エポキシ及びオキセタン化合物100重量部に対して光増感剤と光重合開始剤との和が23重量部であって、表面しわが発生した。比較例6の組成物は、実施例2で光増感剤含量を3%から4%に高めたインクであって、光増減剤が析出されて、インク安定性が良くなかった。
【0100】
以上、本発明の内容の特定の部分を図面及び実施例を通じて詳しく記述したところ、当業者において、このような具体的技術は、単に望ましい実施形態であり、これにより、本発明の範囲が制限されるものではないという点は明白である。したがって、本発明の実質的な範囲は、下記の特許請求の範囲とそれらの等価物とによって定義される。