(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】短絡防止機能が改善されたフラットケーブル
(51)【国際特許分類】
H01B 7/08 20060101AFI20220117BHJP
H01B 7/00 20060101ALI20220117BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20220117BHJP
H01R 12/77 20110101ALI20220117BHJP
【FI】
H01B7/08
H01B7/00 306
H01M50/50 101
H01R12/77
(21)【出願番号】P 2019557853
(86)(22)【出願日】2019-01-25
(86)【国際出願番号】 KR2019001123
(87)【国際公開番号】W WO2019147081
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2019-10-25
(31)【優先権主張番号】10-2018-0009494
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オー、キュ-ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボ-スン
(72)【発明者】
【氏名】リー、チャン-ボク
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ヤン-リム
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-099235(JP,A)
【文献】特開昭62-217581(JP,A)
【文献】特開2011-198687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/08
H01B 7/00
H01M 50/50
H01R 12/77
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に長く延びた形態で構成され、外部コネクタに前端が挿入接続されるフラットケーブルであって、
電気伝導性材質からなり、前記フラットケーブルの長手方向に沿って長く延びた形態で構成され、前記フラットケーブルの幅方向に所定の距離で離隔して複数個が配列された導体と、
絶縁性材質からなり、前記フラットケーブルの長手方向に沿って長く延びた形態で構成され、前記導体が少なくとも一面に取り付けられ、前記導体の一端から外側に突出するように構成された突出部を備えるケーブル挿入部が端部に備えられたケーブル本体と、を含み、
前記突出部は、
前記外部コネクタの外部において回路基板上に露出しているリードと、前記導体との接触を防止するために、前記導体の一端の延長線と前記突出部の一端の延長線との間に所定の間隔が形成されるように、前記導体の一端から前記間隔だけ外側に突出し、
前記間隔は前記リードの高さよりも大きい、フラットケーブル。
【請求項2】
前記ケーブル挿入部は、前記突出部を複数個備える、請求項1に記載のフラットケーブル。
【請求項3】
前記突出部は、前記ケーブル挿入部の幅方向の両端に位置するように備えられた、請求項2に記載のフラットケーブル。
【請求項4】
前記突出部は、直方体状を有するように構成された請求項1から3のうちいずれか一項に記載のフラットケーブル。
【請求項5】
前記ケーブル挿入部は、前記突出部の少なくとも一部表面に備えられて前記突出部の剛性を補強するように構成された補強部をさらに備える、請求項1から4のうちいずれか一項に記載のフラットケーブル。
【請求項6】
前記補強部は、前記突出部を収容可能な形態の内部空間を有し、
前記内部空間の少なくとも一側は開放され、前記突出部の少なくとも一部を覆うように構成された、請求項5に記載のフラットケーブル。
【請求項7】
請求項1から6のうちいずれか一項に記載のフラットケーブルを含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、短絡防止機能が改善されたフラットケーブル(flat cable)に関し、より詳しくは、コネクタにフラットケーブルが誤挿入される場合に発生し得る短絡現象を防止する機能が改善されたフラットケーブルに関する。
【0002】
本出願は、2018年1月25日出願の韓国特許出願第10-2018-0009494号に基づく優先権を主張し、上記出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などの二次電池が商用化しているが、中でもリチウム二次電池はニッケル系列の二次電池に比べてメモリ効果が殆ど起きず充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0005】
バッテリーは多様な分野で用いられるが、電気駆動車両またはスマートグリッドシステムのように大きい容量を要する用途で使用される場合が多い。バッテリーパックの容量を増加させるためには、二次電池、すなわちバッテリーセル自体の容量を増加させる方法があり得るが、この場合、容量増大の効果が大きくなく、二次電池の大きさの拡張に物理的な制限があり、管理が不便であるという短所を有する。したがって、通常、複数のバッテリーモジュールを直列及び並列で連結したバッテリーパックが広く用いられる。
【0006】
このようなバッテリーパックには、バッテリーパック内部の各種の部品の中継ケーブルとしてフラットケーブルが使用される場合が多い。例えば、フラットケーブルは、BMS(Battery Management System)内部の各種の部品間の中継ケーブルとして使用され得る。または、フラットケーブルは、BMSとセルアセンブリとの間の中継ケーブルとしても使用され得る。この場合、フラットケーブルは、セルアセンブリの内部に含まれた各二次電池の電圧値、電流値または温度値などをセルアセンブリからBMSに伝達することができる。フラットケーブルとしては、いわゆるラミネート技法を用いて製造されるフレキシブルフラットケーブル(Flexible Flat Cable:FFC)がバッテリーパックの内部に備えられ得る。
【0007】
図1は、従来のフラットケーブルの構成を概略的に示した斜視図である。
【0008】
図1を参照すれば、一般に従来のフラットケーブルは、一方向に長く延びた形態で構成される。例えば、
図1を基準にして、フラットケーブルはy軸方向に長く延びた形態で構成され得る。
【0009】
このようなフラットケーブルは、複数の導体10を所定の間隔で平行に配列した状態で、複数の導体10を所定の接着層が設けられた絶縁性部材によって一側または両側でラミネート加工して構成したケーブル本体20を備える。
【0010】
また、フラットケーブルは、絶縁性材質から構成されたケーブル本体20の少なくとも一面に複数の導体10を備えることができる。例えば、
図1に示されたように、フラットケーブルは、ケーブル本体20のz軸方向の上面に複数の導体10を備える。ここで、フラットケーブルは、軟性材質から構成され得る。例えば、フラットケーブルは、フレキシブルフラットケーブルであり得る。
【0011】
このようなフラットケーブルは、絶縁性材質からなり、複数の導体10及びケーブル本体20のそれぞれの表面を覆うように構成されたシールド材30を備える。ここで、シールド材30がフラットケーブルに備えられる場合、フラットケーブルの前端側の一部表面にはシールド材30が備えられない。すなわち、フラットケーブルの前方の一部表面で複数の導体10及びケーブル本体20が露出し得る。例えば、
図1を基準にして、フラットケーブルのy軸方向の端部である前端部でz軸方向に導体が露出したフラットケーブルの一部をケーブル挿入部21と称する。そして、シールド材30が備えられて導体がz軸方向に露出していない部分をケーブルシールド部22と称し得る。フラットケーブルの全体構成では、長手方向の端部を除いて、このようなケーブルシールド部22が殆どを占めると言える。
【0012】
一般にフラットケーブルは、回路基板などのコネクタに前端、すなわち、ケーブル挿入部21が挿入され接続される。しかし、このようにケーブル挿入部21がコネクタに正確に挿入されず誤挿入されれば、問題が生じ得る。これについて、
図2及び
図3を参照して具体的に説明する。
【0013】
図2は従来のフラットケーブルがコネクタに誤挿入される場合の一例を示した図であり、
図3は従来のフラットケーブルがコネクタに誤挿入された状態でフラットケーブルと回路基板に連結されたコネクタリードとが短絡する様子を示した図である。
【0014】
より具体的に、フラットケーブルは、フラットケーブルの前端部が回路基板50に備えられたコネクタ51に挿入されるように提供される。例えば、
図2を基準にして、フラットケーブルは、ケーブル挿入部21が
図2に示された矢印C1の方向にコネクタ51に正確に挿入されなければならない。
【0015】
しかし、
図2に示されたように、フラットケーブルがコネクタ51に誤挿入される場合、フラットケーブルに備えられた導体10の前端がコネクタ51のリード52に接触し得る。ここで、リード52は、電気伝導性材質からなって電流を流すことができる。
【0016】
図3を一緒に参照すれば、フラットケーブルがコネクタ51に正常挿入されず誤挿入される場合、非正常的な電気通路が形成される短絡現象が発生する。すなわち、電気伝導性材質からなるリード52と導体10とが電気的に直接接触して短絡現象が発生することになる。そして、場合によっては、過電流によってバッテリーパック内部の部品が破損される。例えば、
図3を基準にして、フラットケーブルが誤挿入される場合、矢印C2で示された部分でリード52と導体10とが電気的に直接接触し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、コネクタにフラットケーブルが誤挿入される場合に発生し得る短絡現象を防止してフラットケーブルの安全性を向上させる、改善されたフラットケーブルを提供することを目的とする。
【0018】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一態様によるフラットケーブルは、一方向に長く延びた形態で構成され、外部コネクタに前端が挿入接続されるフラットケーブルであって、電気伝導性材質からなり、フラットケーブルの長手方向に沿って長く延びた形態で構成され、フラットケーブルの幅方向に所定の距離で離隔して複数個が配列された導体と、絶縁性材質からなり、フラットケーブルの長手方向に沿って長く延びた形態で構成され、導体が少なくとも一面に取り付けられ、導体の一端から外側に突出するように構成された突出部を備えるケーブル挿入部が端部に備えられたケーブル本体とを含む。
【0020】
突出部は、導体の一端の延長線と突出部の一端の延長線との間に所定の間隔が形成されるように、導体の一端から間隔だけ外側に突出するように構成され得る。
【0021】
ケーブル挿入部は、突出部を複数個備え得る。
【0022】
突出部は、ケーブル挿入部の幅方向の両端に位置するように備えられ得る。
【0023】
突出部は、直方体状を有するように構成され得る。
【0024】
ケーブル挿入部は、ケーブル挿入部の両側部から内側に凹設された一つ以上の固定部をさらに備え得る。
【0025】
ケーブル挿入部は、突出部の少なくとも一部表面に備えられて突出部の剛性を補強するように構成された補強部をさらに備え得る。
【0026】
突出部は、突出高さが回路基板に連結されたリードの高さよりも高く形成され得る。
【0027】
本発明の他の態様によるバッテリーパックは、本発明によるフラットケーブルを含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一実施形態によれば、フラットケーブルを回路基板などのコネクタに嵌め込む過程でフラットケーブルの端部が誤挿入されても、コネクタのリードとフラットケーブルに備えられた導体とが電気的に直接接触しないようにすることができる。
【0029】
また、本発明の一実施形態によれば、フラットケーブルがコネクタに誤挿入されても、コネクタのリードとフラットケーブルに備えられた導体との間に所定の間隔を形成することで、コネクタにフラットケーブルが誤挿入される場合に発生し得る短絡現象を防止して、フラットケーブルの安全性を向上させることができる。
【0030】
外にも本発明は他の多様な効果を有し、このような本発明の他の効果は下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明確に理解されるであろう。
【0031】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】従来のフラットケーブルの構成を概略的に示した斜視図である。
【
図2】従来のフラットケーブルがコネクタに誤挿入される場合の一例を示した図である。
【
図3】従来のフラットケーブルがコネクタに誤挿入された状態でフラットケーブルと回路基板に連結されたコネクタリードとが短絡する様子を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるフラットケーブルの構成を概略的に示した斜視図である。
【
図5】本発明の他の実施形態によるフラットケーブルの構成を概略的に示した斜視図である。
【
図6】本発明のさらに他の実施形態によるフラットケーブルの構成を概略的に示した斜視図である。
【
図9】本発明のさらに他の実施形態によるフラットケーブルに補強部が備えられる構成を概略的に示した斜視図である。
【
図10】本発明のさらに他の実施形態によるフラットケーブルに補強部が備えられる構成を概略的に示した斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるフラットケーブルがコネクタに誤挿入された状態でフラットケーブルの前端部と回路基板とが接触した構成を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0034】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0035】
また、本発明の説明において、関連公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得る場合はその詳細な説明を省略する。
【0036】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に言及されない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0037】
図4は、本発明の一実施形態によるフラットケーブルの構成を概略的に示した斜視図である。
【0038】
図4を参照すれば、本発明によるフラットケーブルは、導体100及びケーブル本体200を含むことができる。
【0039】
ここで、フラットケーブルは、一方向に長く延びた形態で構成される。例えば、
図4を基準にして、フラットケーブルは長手方向(+y軸方向)に長く延びた形態で構成され得る。
【0040】
そして、このようなフラットケーブルは、外部コネクタに前端が挿入接続される。より具体的に、フラットケーブルは、回路基板に備えられたコネクタに前端部(
図4の+y軸方向の端部)が挿入接続される。ここで、回路基板は、
図2に示されたように、コネクタを備えて、コネクタと回路基板とはリードを通じて電気的に連結される。例えば、本発明によるフラットケーブルは、フレキシブルフラットケーブルとして具現され得る。
【0041】
導体100は、電気伝導性材質から構成される。例えば、導体100は、金、銀、銅、鉛またはアルミニウムなどの導電性金属から構成され得る。
【0042】
また、導体100は、
図4に示されたように、フラットケーブルの長手方向に沿って長く延びた形態で構成される。ここで、長手方向とは、フラットケーブルがコネクタに挿入される方向(
図4の+y軸方向)を意味する。
【0043】
また、導体100は、フラットケーブルの幅方向に所定の距離で離隔して複数個が配列される。ここで、幅方向とは、長手方向と直交する方向(
図4のx軸方向)を意味する。ここで、複数の導体100は、所定の間隔で平行に配列される。
【0044】
ケーブル本体200は、電気的絶縁性材質から構成される。例えば、ケーブル本体200は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)またはポリ塩化ビニル(PVC)などのようなポリマー材質から構成され得る。
【0045】
また、ケーブル本体200は、長手方向(
図4のy軸方向)に沿って長く延びる形態で構成される。特に、ケーブル本体200は、フラットケーブルの一端から他端まで長く延びた形態で構成され得る。
【0046】
また、ケーブル本体200は、導体100が少なくとも一面に取り付けられる。例えば、ケーブル本体200は、
図4に示されたように、導体100が上面に取り付けられ得る。または、図示していないが、ケーブル本体200には導体100が両面に取り付けられてもよい。
【0047】
このようなケーブル本体200は、複数の導体100を所定の間隔で平行に配列した状態で、複数の導体100を所定の接着層が設けられた絶縁性部材によって一側または両側でラミネート加工して製造される。例えば、絶縁性部材には、所定の絶縁性接着層が備えられ得る。ここで、絶縁性接着層は、絶縁性部材の上面に備えられ得る。また、絶縁性接着層は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂またはポリイミド樹脂などをバインダー樹脂として用いた接着層であり得る。ただし、本発明はこれらに限定されず、ラミネート加工の外に多様な加工法を用いてケーブル本体200に複数の導体100が備えられ得る。
【0048】
また、本発明によるフラットケーブルは、シールド材300をさらに含む。シールド材300は、絶縁性材質からなり、複数の導体100及びケーブル本体200のそれぞれの表面を覆う形態で構成される。ここで、シールド材300がフラットケーブルに備えられる場合、フラットケーブルの前端側の一部表面にはシールド材300が備えられないこともある。すなわち、フラットケーブルの前端側(
図4の+y軸方向)の一部表面で複数の導体100及びケーブル本体200が露出し得る。
【0049】
ここで、
図4を基準にして、フラットケーブルの前端部(+y軸方向の端部)で+z軸方向に導体100が露出したフラットケーブルの一部をケーブル挿入部210と称し得る。そして、シールド材300が備えられて導体100が+z軸方向に露出しない部分をケーブルシールド部220と称し得る。フラットケーブルの全体構成において、長手方向の端部を除いては、このようなケーブルシールド部220が殆どを占めると言える。したがって、本発明によるフラットケーブルのケーブル本体200は、ケーブル挿入部210及びケーブルシールド部220を含むと言える。
【0050】
ケーブル挿入部210は、絶縁性材質からなり、導体100が少なくとも一面に取り付けられる。さらに、ケーブル挿入部210は、シールド材300が備えられず、導体100の少なくとも一部が外部に露出する形態で構成される。例えば、
図4に示されたように、ケーブル挿入部210は、シールド材300がケーブル本体200及び導体100の上面に備えられないため、導体100が上方(+z軸方向)に露出するように構成される。一方、ケーブルシールド部220には、ケーブル本体200及び導体100の上面にシールド材300が備えられている。したがって、導体100がシールド材300によって覆われて上方に露出しない。ただし、図面では説明の便宜上、導体100の一部分を点線で示すことにする。
【0051】
このようなケーブル挿入部210は、回路基板などのコネクタに挿入されるための構成であるため、ケーブル本体200の前方側に備えられる。例えば、ケーブル挿入部210は、ケーブル本体200の前方側(
図4の+y軸方向)に位置し得る。
【0052】
特に、本発明によるフラットケーブルにおいて、ケーブル本体200のケーブル挿入部210は突出部213を備える。突出部213は、導体100の一端から外側に突出するように構成され得る。
【0053】
さらに、突出部213は、導体100の一端からフラットケーブルの長手方向の外側に突出するように構成される。例えば、
図4に示されたように、突出部213は、導体100の前端(+y軸方向の終端)からフラットケーブルの前方(+y軸方向)に所定の長さだけ長く突出するように構成され得る。
【0054】
本発明のこのような構成によれば、ケーブル挿入部210がコネクタに誤挿入されても、突出部213によって導体100とコネクタのリードとの接触を防止することができる。
【0055】
望ましくは、本発明の一実施形態による突出部213は、導体100の一端の延長線と突出部213の一端の延長線との間に所定の間隔Gが形成されるように、導体100の一端から間隔Gだけ外側に突出するように構成される。例えば、
図4に示されたように、導体100の一端の延長線と突出部213の一端の延長線との間に所定の間隔Gが形成されるように、導体100の一端から間隔Gだけ前方(+y軸方向)に突出するように構成され得る。ここで、導体100の一端は、長手方向(+y軸方向)に向かう導体100の一端を示し、突出部213の一端は、長手方向(+y軸方向)に向かう突出部213の一端を示す。すなわち、突出部213の前方(+y軸方向)に向かう一端は、導体100の前方(+y軸方向)に向かう一端よりも所定の間隔Gだけ突出するように構成され得る。本発明のこのような構成によれば、コネクタのリードが導体100の前方に接近しても、導体100の前端にリードが接触することを防止することができる。
【0056】
また、望ましくは、本発明によるケーブル挿入部210は、突出部213を複数個備える。例えば、本発明の一実施形態によるケーブル挿入部210は、
図4に示されたように、二つの突出部213を備える。特に、二つ以上の突出部213は、幅方向(x軸方向)で互いに所定の距離で離隔し得る。
【0057】
本発明のこのような構成によれば、二つ以上の突出部213によって離隔状態を安定的に維持することができる。特に、フラットケーブルが傾いても、導体100がリードに接触することを防止することができる。このとき、回路基板とフラットケーブルとの間の支持力を向上させ、また、フラットケーブル製造工程の便宜性を向上させることができる。
【0058】
より望ましくは、本発明による突出部213は、ケーブル挿入部210の両端に位置するように構成される。特に、突出部213は、ケーブル挿入部210の前端部で幅方向の両端に位置し得る。例えば、
図4に示されたように、突出部213は、ケーブル挿入部210の長手方向(+y軸方向)に向かう前端部(+y軸方向の端部)で、幅方向(
図4のx軸方向)の両端に位置するように備えられ得る。
【0059】
このような構成を通じて、本発明による突出部213は、導体100の前方端面がコネクタのリードに接触しないように、所定の間隔Gを安定的に形成することができる。具体的に、本発明による突出部213は、ケーブル挿入部210の前端部で幅方向(x軸方向)の両端に位置して、回路基板とケーブル挿入部210とを安定的に接触させることができる。ここで、前方端面とは、フラットケーブルの長手方向の前方(+y軸方向の前方)に形成された端面を意味する。
【0060】
望ましくは、本発明による突出部213は、
図4に示されたように、直方体状を有するように構成される。具体的に、突出部213は、直方体状を有するように構成され、前方端面(+y軸方向の端面)が扁平に構成される。また、突出部213の前方端面(+y軸方向の端面)はx軸と平行に構成される。
【0061】
このような構成を通じて、本発明による突出部213は、突出部213の前方端面の面積を広くして、ケーブル挿入部210がコネクタに正確に挿入されない場合にも突出部213が回路基板と安定的に接触することで、導体100の前方端面がコネクタのリードに接触しないように所定の間隔Gを安定的に形成することができる。
【0062】
望ましくは、本発明によるケーブル挿入部210は、
図4に示されたように、一つ以上の固定部215をさらに備える。固定部215は、ケーブル挿入部210の両側部から内側に凹設され得る。ここで、側部は、ケーブル挿入部210の幅方向(x軸方向)の端部を示す。また、内側は、ケーブル挿入部210の両側部からケーブル挿入部210の内部に向かう方向を示す。
【0063】
例えば、固定部215は、ケーブル挿入部210が挿入されるコネクタに対応する形状と大きさで形成され得る。例えば、
図4に示されたように、固定部215は、四角形状でケーブル挿入部210の内側に凹設され得る。このような構成を通じて、ケーブル挿入部210をコネクタに挿入するとき、固定部215がコネクタに固定されることで、ケーブル挿入部210をコネクタに安定的に固定することができる。
【0064】
図5は、本発明の他の実施形態によるフラットケーブルの構成を概略的に示した斜視図である。ただし、説明の便宜上、本実施形態では、上述した実施形態での説明が同様に適用される部分については詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0065】
図5を参照すれば、本発明によるケーブル挿入部210は、突起217をさらに備える。突起217は、ケーブル挿入部210の上面に備えられる。例えば、ケーブル挿入部210の+z軸方向の上面に突起217が備えられ得る。ここで、突起217は、ケーブル挿入部210の上面から+z軸方向に突出した構成で備えられ得る。
【0066】
望ましくは、突起217は、複数個が備えられる。例えば、
図5に示されたように、突起217は、それぞれの突出部213に備えられ得る。また、突起217は、ケーブル挿入部210の両側部に備えられ得る。
【0067】
また、突起217は、
図5に示されたように、前方(+y軸方向)の表面は丸く構成され、後方(-y軸方向)の表面は扁平に構成される。このような構成を通じて、突起217はフラットケーブルがコネクタに容易に締結できるようにする。また、フラットケーブルがコネクタに締結された後、フラットケーブルは突起217によってコネクタに容易に固定される。
【0068】
図6は、本発明のさらに他の実施形態によるフラットケーブルの構成を概略的に示した斜視図である。また、
図7は
図6のa-a'線に沿った断面図であり、
図8は
図6のb-b'線に沿った断面図である。ただし、説明の便宜上、本実施形態では、上述した実施形態での説明が同様に適用される部分については詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0069】
図6~
図8を参照すれば、本発明によるケーブル挿入部210は、補強部400をさらに備える。補強部400は、突出部213の少なくとも一部表面に備えられて突出部213の剛性を補強し、突出部213が曲がることを防止することができる。例えば、補強部400は、
図6及び
図7に示されたように、突出部213の上面(+z軸方向の上面)に備えられ得る。本発明のこのような構成によれば、強い圧力によって突出部213が曲がっても、補強部400がコネクタのリードと導体100との接触を防止することができる。
【0070】
特に、補強部400は、突出部213だけでなく、導体100及びケーブル本体の少なくとも一部表面にも備えられる。例えば、
図6に示されたように、補強部400は、ケーブル挿入部210の前端部、すなわち、
図6を基準にしてケーブル挿入部の+y軸方向の端部で、左側部から右側部まで連続的に上面に備えられ得る。より具体的に、補強部400は、突出部213の一端からケーブル挿入部210の長手方向(
図6のy軸方向)に所定の長さG'だけケーブル挿入部210の一部表面に備えられ得る。また、補強部400は、ケーブル挿入部210の一側から幅方向(x軸方向)に他側に至るまで連続的に備えられ得る。ここで、突出部213とは、ケーブル本体200の一端から所定の間隔Gに該当するケーブル本体200の一部を意味する。
【0071】
特に、補強部400は、導体100の少なくとも一部表面に備えられる。例えば、補強部400は、
図6及び
図8に示されたように、導体100の少なくとも一面に備えられ得る。この場合、補強部400は、ケーブル本体200の幅方向(x軸方向)に長く延びた形態で構成され、複数の導体100及びケーブル本体200の一部表面に備えられ得る。
【0072】
このような構成を通じて、本発明による補強部400は、突出部213が曲がらないように突出部213の剛性を高めることができる。
【0073】
望ましくは、本発明による補強部400は、突出部213の剛性よりも高い剛性を有する材質から構成され得る。このような構成によれば、ケーブル挿入部210が柔軟な素材からなって可撓性及び屈曲性を有する場合であっても、突出部213の剛性を向上させることができる。
【0074】
補強部400は、ケーブル挿入部210に多様な形態で備えられ得る。
【0075】
例えば、補強部400は、少なくとも一表面に接着剤が塗布されたテープ形態で構成され、突出部213の少なくとも一部表面に貼り付けられ得る。この場合、補強部400は、絶縁性材質からなり、このとき、テープ形態の補強部400が突出部213の少なくとも一部表面に貼り付けられ得る。
【0076】
本発明のこのような構成によれば、補強部400がケーブル挿入部210の前端を幅方向で全体的に囲むようになり、このような形態の補強部400をケーブル挿入部210に備えることでフラットケーブル製造の便宜性が提供される。
【0077】
また、補強部400は、突出部213の少なくとも一部にキャップ状に外嵌される形態で備えられ得る。これについては、
図9及び
図10を参照してより具体的に説明する。
【0078】
図9及び
図10は、本発明のさらに他の実施形態によるフラットケーブルに補強部が備えられる構成を概略的に示した斜視図である。
【0079】
図9及び
図10を参照すれば、本発明の一実施形態による補強部400は、突出部213の少なくとも一部に外嵌される形態で備えられ得る。この場合、補強部400は絶縁性材質からなる。そして、補強部400はキャップ状に構成され得る。このようなキャップ状の補強部400は突出部213の一部に外嵌されて、突出部213の少なくとも一部表面に取り付けられる。
【0080】
特に、補強部400は、突出部213の少なくとも一部面を囲む形態で構成される。例えば、補強部400には、突出部213を収容可能な形態の内部空間(中空)が形成され得る。そして、補強部400は、このような内部空間に突出部213が挿入されるように、中空の少なくとも一側が開放されて構成され得る。この場合、補強部400は、
図9及び
図10に点線で示したように移動しながら、中空の開放された部分を通じて突出部213の少なくとも一部を囲む形態で覆い得る。換言すれば、突出部213は、補強部400の開放された部分を通じて中空に挿入され得る。
【0081】
より具体的に、まず、
図9を参照すれば、本発明の一実施形態による補強部400は、突出部213の露出した全面を囲む形状で構成されて突出部213に外嵌され得る。例えば、
図9に示されたように、突出部213が直方体状で構成される場合、補強部400は、直方体状の内部空間を有するキャップ形態で構成され、突出部213に外嵌され得る。ここで、突出部213の内部空間(中空)は、後端側(-y軸方向)が開放されるように構成され得る。この場合、補強部400は、
図9に示されたように、ケーブル挿入部210の前方からケーブル挿入部210の方に移動して突出部213を囲む形態で構成される。一方、このような構成において、補強部400は、突出部213の個数に対応するように複数個が備えられ得る。
【0082】
図10を参照すれば、本発明の一実施形態による補強部400は、ケーブル挿入部210の側方からケーブル挿入部210の幅方向に移動して突出部213を囲む形態で構成される。この場合、補強部400は、突出部213だけでなく、突出部213以外の他の部分も囲むように構成され得る。
【0083】
特に、このような構成は、ケーブル挿入部210に固定部215が形成された場合により容易に適用できる。例えば、
図10に示されたように、ケーブル挿入部210の両側部から内側に凹設された複数の固定部215が備えられる場合、ケーブル挿入部210の前端に突出部213を含む直方体が形成される。すなわち、突出部213の一端から固定部215の一端に至る直方体が形成され得る。この場合、補強部400は、直方体の一部面を囲む形態で構成され得る。この場合、補強部400は、突出部213の少なくとも一部面を囲む形態に外嵌され得る。ここで、補強部400は、着脱自在に構成され得る。
【0084】
このような構成を通じて、本発明による補強部400は、突出部213が曲がらないように突出部213の剛性を高めることができる。
【0085】
外にも、補強部400は、突出部213の少なくとも一部表面をコーティングする形態で備えられ得る。この場合、絶縁性材質からなるコーティング形態の補強部400が突出部213の少なくとも一部表面にコーティングされ得る。
【0086】
また、補強部400は、突出部213の少なくとも一部表面の形質を変形させる形態で備えられ得る。この場合、補強部400は、突出部213の表面に備えられて突出部213の形質を変形させることで、突出部213の剛性を高めることができる。例えば、補強部400は、本発明の出願時点で公知の絶縁性素材または形質変形素材から構成され得る。
【0087】
図11は、本発明の一実施形態によるフラットケーブルがコネクタに誤挿入された状態でフラットケーブルの前端部と回路基板とが接触した構成を概略的に示した図である。ただし、説明の便宜上、本実施形態では、上述した実施形態での説明が同様に適用される部分については詳細な説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0088】
図2及び
図11を参照すれば、本発明によるフラットケーブルがコネクタに誤挿入された場合、フラットケーブルの前端部が回路基板に接触し得る。この場合、本発明のフラットケーブルの前端部には突出部213が前方に突出して構成されているため、突出部213が回路基板50に接触するようになる。そして、このように突出部213が回路基板50に接触することで、突出部より凹んでいる導体の端部はリード52と接触しなくなる。
【0089】
望ましくは、突出部213は、突出高さが回路基板50に連結されたリードの高さHよりも高く形成される。ここで、リードの高さHとは、回路基板の表面からリード52の最も高い部分までの距離を意味する。
【0090】
例えば、突出部213は、導体100の一端からケーブル挿入部210の長手方向(
図10のy軸方向)に所定の間隔G、すなわち、突出高さだけ突出することができる。この場合、突出部213は、リード52と導体100とが接触しないように、リード52の高さ、すなわち、回路基板50の表面からリード52までの高さHよりも高く突出する。
【0091】
より望ましくは、突出部213は、リード52と導体100との間が接触しなくても、リード52と導体100との間でスパークの発生など空気を通じた電気的接触が生じないようにする。すなわち、突出部213は、絶縁性が保障されるように、リード52と導体100との間に所定の間隔が形成されるように突出することができる。例えば、リード52から導体100までの距離は、0.13mm以上であり得る。この場合、突出部213の突出間隔Gは、リードの高さHと、リード52から導体100までの間に絶縁性が保障される距離(例えば、0.13mm以上の距離)とを足した距離で具現され得る。
【0092】
本発明によるフラットケーブルは、バッテリーパックに自体的に備えられる。すなわち、本発明によるバッテリーパックは、上述した本発明によるフラットケーブルを含むことができる。ここで、バッテリーパックは、一つ以上の二次電池を備えるセルアセンブリ、フラットケーブル、電装品(BMS、リレー、ヒューズなど)及びケースなどを含み得る。このような構成において、本発明によるフラットケーブルは、セルアセンブリとBMSとの間を電気的に連結することができる。また、フラットケーブルは、二次電池の電圧値、電流値または温度値などをBMSに伝達することができる。ここで、二次電池とは、負極端子と正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。一例として、一つのパウチ型リチウムポリマーセルが二次電池として見なされ得る
【0093】
一方、本明細書における上、下、左、右、前、後のような方向を示した用語は、説明の便宜上使用されたものであるだけで、対象になる物の位置や観測者の位置などによって変り得ることは本発明の当業者に自明である。
【0094】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。