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▶ ラピスセミコンダクタ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11558 20170101AFI20220117BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220117BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20220117BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20220117BHJP
   H01L 27/11521 20170101ALI20220117BHJP
【FI】
H01L27/11558
H01L29/78 371
H01L27/11521
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017185091
(22)【出願日】2017-09-26
(65)【公開番号】P2019062065
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】柴口 拓
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-218625(JP,A)
【文献】特開2009-016462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/11558
H01L 21/336
H01L 27/11521
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に形成され、シリコン窒化膜で覆われた第1のゲートを有するトランジスタと、
前記半導体基板に形成され、シリコン窒化膜で覆われていない第2のゲートを有するメモリセルと、
前記半導体基板の表層部において互いに離間して設けられた第1の導電型を有する第1のウェル及び第2のウェルと、
を含み、
前記メモリセルは、
前記第1のウェルと、前記第1のウェルの表面に絶縁膜を介して設けられたポリシリコン膜と、前記第1のウェルの表層部に設けられた前記第1の導電型を有する第1の拡散層及び前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の拡散層と、を含む第1のキャパシタと、
前記第2のウェルと、前記第2のウェルの表面に前記絶縁膜を介して設けられた前記ポリシリコン膜と、前記第2のウェルの表層部に設けられた前記第1の導電型を有する第3の拡散層及び前記第2の導電型を有する第4の拡散層と、を含み、前記第1のキャパシタに電気的に接続された第2のキャパシタを有する
半導体装置。
【請求項2】
半導体基板に形成され、シリコン窒化膜で覆われた第1のゲートを有するトランジスタと、
前記半導体基板に形成され、シリコン酸化膜で覆われた第2のゲートを有するメモリセルと、
前記半導体基板の表層部において互いに離間して設けられた第1の導電型を有する第1のウェル及び第2のウェルと、
を含み、
前記メモリセルは、
前記第1のウェルと、前記第1のウェルの表面に絶縁膜を介して設けられたポリシリコン膜と、前記第1のウェルの表層部に設けられた前記第1の導電型を有する第1の拡散層及び前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の拡散層と、を含む第1のキャパシタと、
前記第2のウェルと、前記第2のウェルの表面に前記絶縁膜を介して設けられた前記ポリシリコン膜と、前記第2のウェルの表層部に設けられた前記第1の導電型を有する第3の拡散層及び前記第2の導電型を有する第4の拡散層と、を含み、前記第1のキャパシタに電気的に接続された第2のキャパシタを有する
半導体装置。
【請求項3】
前記シリコン酸化膜の表面を覆うシリコン窒化膜を更に含む
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第のゲートは、表面に合金層を有し、
前記第のゲートは、表面に合金層を有さない
請求項2または請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記トランジスタは、前記メモリセルをプログラム状態または消去状態とする場合に前記第1のウェルまたは前記第2のウェルに印加される電圧を生成する電圧生成回路を構成する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1のキャパシタ及び前記第2のキャパシタが、共通のポリシリコン膜を含んで構成されている
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタは静電容量が互いに異なる
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体基板の表面に、トランジスタを構成する第1のゲート及びメモリセルを構成する第2のゲートを形成する工程と、
前記第1のゲート及び前記第2のゲートの表面を覆うシリコン窒化膜を形成する工程と、
前記シリコン窒化膜の前記第2のゲートの表面を覆う部分を選択的に除去する工程と、
を含み、
前記メモリセルを形成する工程は、
前記半導体基板の表層部に、第1の導電型を有する第1のウェル及び第2のウェルを互いに離間した位置に形成する工程と、
前記第1のウェルを含む第1のキャパシタを形成する工程と、
前記第2のウェルを含み、前記第1のキャパシタに電気的に接続された第2のキャパシタを形成する工程と、を含み、
前記第1のキャパシタを形成する工程は、
前記第1のウェルの表面に絶縁膜を介してポリシリコン膜を形成する工程と、
前記第1のウェルの表層部に前記第1の導電型を有する第1の拡散層及び前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の拡散層を形成する工程と、を含み、
前記第2のキャパシタを形成する工程は、
前記第2のウェルの表面に前記絶縁膜を介して前記ポリシリコン膜を形成する工程と、 前記第2のウェルの表層部に前記第1の導電型を有する第3の拡散層及び前記第2の導電型を有する第4の拡散層を形成する工程と、を含む
半導体装置の製造方法。
【請求項9】
半導体基板の表面に、トランジスタを構成する第1のゲート及びメモリセルを構成する第2のゲートを形成する工程と、
前記第1のゲート及び前記第2のゲートの表面をシリコン酸化膜で覆う工程と、
前記シリコン酸化膜の前記第1のゲートの表面を覆う部分を選択的に除去する工程と、
前記シリコン酸化膜をマスクとして、前記第1のゲートの表面に選択的に合金層を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜の前記第2のゲートの表面を覆う部分を残した状態で、前記第1のゲート及び前記第2のゲートを覆うシリコン窒化膜を形成する工程と、
を含み、
前記メモリセルを形成する工程は、
前記半導体基板の表層部に、第1の導電型を有する第1のウェル及び第2のウェルを互いに離間した位置に形成する工程と、
前記第1のウェルを含む第1のキャパシタを形成する工程と、
前記第2のウェルを含み、前記第1のキャパシタに電気的に接続された第2のキャパシタを形成する工程と、を含み、
前記第1のキャパシタを形成する工程は、
前記第1のウェルの表面に絶縁膜を介してポリシリコン膜を形成する工程と、
前記第1のウェルの表層部に前記第1の導電型を有する第1の拡散層及び前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の拡散層を形成する工程と、を含み、
前記第2のキャパシタを形成する工程は、
前記第2のウェルの表面に前記絶縁膜を介して前記ポリシリコン膜を形成する工程と、
前記第2のウェルの表層部に前記第1の導電型を有する第3の拡散層及び前記第2の導電型を有する第4の拡散層を形成する工程と、を含む
半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記トランジスタは、前記メモリセルをプログラム状態または消去状態とする場合に前記第1のウェルまたは前記第2のウェルに印加される電圧を生成する電圧生成回路を構成する
請求項または請求項に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フローティングゲート型の不揮発性メモリのセル構造に関する技術として、例えば特許文献1には、メモリセルのフローティングゲートの表面を窒化シリコンからなる絶縁膜で覆う構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-116547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、フローティングゲート型のメモリセル100Xと、メモリセル100Xに付随するトランジスタ200Xを含む半導体装置1Xの構成の一例を示す断面図である。近年、集積回路の微細化に伴い、メモリセル100X及びトランジスタ200Xの表面をシリコン窒化膜10Xで覆う構造が一般的となっている。シリコン窒化膜10Xにより、トランジスタ200Xに接続されるコンタクトを形成する際のフォトリソグラフィ工程におけるマスクの位置ずれによって生じるシリコン基板からのフィールド層への肩落ちに伴うリーク電流の増大が抑制される。
【0005】
しかしながら、シリコン窒化膜10Xが、メモリセル100Xのフローティングゲート160Xの表面を覆うことで、以下の不具合を生じることが、本発明者によって明らかとなった。すなわち、メモリセル100Xへのデータ書き込みによってフローティングゲート160Xに注入された電子は、フローティングゲート160Xを構成するポリシリコンとシリコン窒化膜10Xとの界面準位にトラップされる。トラップされた電子は、その後のメモリセル100Xに対するデータ消去を行っても界面準位にとどまり、メモリセル100Xに対してデータ書き込み及びデータ消去を繰り返すと、メモリセル100Xの動特性が変化する。このように、メモリセル100Xのフローティングゲート160Xをシリコン窒化膜10Xで覆うことにより、メモリセル100Xの信頼性が低下することが、本発明者によって明らかとなった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、メモリセルの信頼性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板に形成され、シリコン窒化膜で覆われた第1のゲートを有するトランジスタと、前記半導体基板に形成され、シリコン窒化膜で覆われていない第2のゲートを有するメモリセルと、前記半導体基板の表層部において互いに離間して設けられた第1の導電型を有する第1のウェル及び第2のウェルと、を含む。前記メモリセルは、前記第1のウェルと、前記第1のウェルの表面に絶縁膜を介して設けられたポリシリコン膜と、前記第1のウェルの表層部に設けられた前記第1の導電型を有する第1の拡散層及び前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の拡散層と、を含む第1のキャパシタと、前記第2のウェルと、前記第2のウェルの表面に前記絶縁膜を介して設けられた前記ポリシリコン膜と、前記第2のウェルの表層部に設けられた前記第1の導電型を有する第3の拡散層及び前記第2の導電型を有する第4の拡散層と、を含み、前記第1のキャパシタに電気的に接続された第2のキャパシタを有する
【0008】
本発明に係る他の半導体装置は、半導体基板に形成され、シリコン窒化膜で覆われた第1のゲートを有するトランジスタと、前記半導体基板に形成され、シリコン酸化膜で覆われた第2のゲートを有するメモリセルと、前記半導体基板の表層部において互いに離間して設けられた第1の導電型を有する第1のウェル及び第2のウェルと、を含む。前記メモリセルは、前記第1のウェルと、前記第1のウェルの表面に絶縁膜を介して設けられたポリシリコン膜と、前記第1のウェルの表層部に設けられた前記第1の導電型を有する第1の拡散層及び前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の拡散層と、を含む第1のキャパシタと、前記第2のウェルと、前記第2のウェルの表面に前記絶縁膜を介して設けられた前記ポリシリコン膜と、前記第2のウェルの表層部に設けられた前記第1の導電型を有する第3の拡散層及び前記第2の導電型を有する第4の拡散層と、を含み、前記第1のキャパシタに電気的に接続された第2のキャパシタを有する
【0009】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の表面に、トランジスタを構成する第1のゲート及びメモリセルを構成する第2のゲートを形成する工程と、前記第1のゲート及び前記第2のゲートの表面を覆うシリコン窒化膜を形成する工程と、前記シリコン窒化膜の前記第2のゲートの表面を覆う部分を選択的に除去する工程と、を含む。前記メモリセルを形成する工程は、前記半導体基板の表層部に、第1の導電型を有する第1のウェル及び第2のウェルを互いに離間した位置に形成する工程と、前記第1のウェルを含む第1のキャパシタを形成する工程と、前記第2のウェルを含み、前記第1のキャパシタに電気的に接続された第2のキャパシタを形成する工程と、を含む。前記第1のキャパシタを形成する工程は、前記第1のウェルの表面に絶縁膜を介してポリシリコン膜を形成する工程と、前記第1のウェルの表層部に前記第1の導電型を有する第1の拡散層及び前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の拡散層を形成する工程と、を含む。前記第2のキャパシタを形成する工程は、前記第2のウェルの表面に前記絶縁膜を介して前記ポリシリコン膜を形成する工程と、前記第2のウェルの表層部に前記第1の導電型を有する第3の拡散層及び前記第2の導電型を有する第4の拡散層を形成する工程と、を含む。
【0010】
本発明に係る半導体装置の他の製造方法は、半導体基板の表面に、トランジスタを構成する第1のゲート及びメモリセルを構成する第2のゲートを形成する工程と、前記第1のゲート及び前記第2のゲートの表面をシリコン酸化膜で覆う工程と、前記シリコン酸化膜の前記第1のゲートの表面を覆う部分を選択的に除去する工程と、前記シリコン酸化膜をマスクとして、前記第1のゲートの表面に選択的に合金層を形成する工程と、前記シリコン酸化膜の前記第2のゲートの表面を覆う部分を残した状態で、前記第1のゲート及び前記第2のゲートを覆うシリコン窒化膜を形成する工程と、を含む。前記メモリセルを形成する工程は、前記半導体基板の表層部に、第1の導電型を有する第1のウェル及び第2のウェルを互いに離間した位置に形成する工程と、前記第1のウェルを含む第1のキャパシタを形成する工程と、前記第2のウェルを含み、前記第1のキャパシタに電気的に接続された第2のキャパシタを形成する工程と、を含む。前記第1のキャパシタを形成する工程は、前記第1のウェルの表面に絶縁膜を介してポリシリコン膜を形成する工程と、前記第1のウェルの表層部に前記第1の導電型を有する第1の拡散層及び前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第2の拡散層を形成する工程と、を含む。前記第2のキャパシタを形成する工程は、前記第2のウェルの表面に前記絶縁膜を介して前記ポリシリコン膜を形成する工程と、前記第2のウェルの表層部に前記第1の導電型を有する第3の拡散層及び前記第2の導電型を有する第4の拡散層を形成する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、メモリセルの信頼性の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】フローティングゲート型のメモリセルと、メモリセルに付随するトランジスタを含む半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る半導体装置の構成の一例を示す平面図である。
図3図2における3-3線に沿った断面を含む斜視図である。
図4図2における4-4線に沿った断面図である。
図5A】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5B】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5C】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5D】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5E】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5F】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5G】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5H】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5I】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5J】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5K】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図5L】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
図7A】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図7B】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図7C】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図7D】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
図7E】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。尚、各図面において、実質的に同一又は等価な構成要素又は部分には同一の参照符号を付している。
【0014】
[第1の実施形態]
図2は、本発明の実施形態に係る半導体装置1の構成の一例を示す平面図、図3は、図2における3-3線に沿った断面を含む斜視図、図4は、図2における4-4線に沿った断面図である。半導体装置1は、メモリセル100と、メモリセル100に付随するトランジスタ200とを含んで構成されている。
【0015】
メモリセル100は、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2を有する。第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2の上部電極は、メモリセル100のフローティングゲート160を構成するポリシリコン膜160aで一体的に形成され、互いに接続されている。
【0016】
メモリセル100は、シリコン基板110と、シリコン基板110の表層部に形成されたp型の導電型を有する拡散層であるpウェル120を有する。pウェル120の表層部には、互いに離間して設けられたn型の導電型を有する拡散層であるnウェル131及び132が設けられている。
【0017】
第1のキャパシタC1は、nウェル131と、nウェル131の表面に設けられたシリコン酸化膜で構成されるゲート絶縁膜161と、ゲート絶縁膜161の表面に設けられたフローティングゲート160を構成するポリシリコン膜160aと、nウェル131の表層部に設けられたn型拡散層141及びp型拡散層151とを含んで構成されている。n型拡散層141及びp型拡散層152は、nウェル131における不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する。nウェル131の外周部は、SiO等の絶縁体で構成される素子分離膜171によって囲まれている。
【0018】
第2のキャパシタC2は、nウェル132と、nウェル132の表面に設けられたシリコン酸化膜で構成されるゲート絶縁膜161と、ゲート絶縁膜161の表面に設けられたフローティングゲート160を構成するポリシリコン膜160aと、nウェル132の表層部に設けられたn型拡散層142及びp型拡散層152とを含んで構成されている。n型拡散層142及びp型拡散層152は、nウェル132における不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する。nウェル132の外周部は、SiO等の絶縁体で構成される素子分離膜172によって囲まれている。
【0019】
ポリシリコン膜160aの第1のキャパシタC1を構成する部分の面積は、第2のキャパシタC2を構成する部分の面積よりも大きい。従って、第1のキャパシタC1の静電容量は、第2のキャパシタC2の静電容量よりも大きい。
【0020】
メモリセル100において、ポリシリコン膜160aは、フローティングゲート及びコントロールゲートの双方の役割を担う。第1のキャパシタC1は、ポリシリコン膜160aの電圧制御に用いられる。第2のキャパシタC2は、ポリシリコン膜160aに対してトンネル現象による電子の注入および電子の引き抜きを行うデータ書き込み及びデータ消去用のキャパシタである。なお、ポリシリコン膜160aにおける電子の蓄積状態に応じた読み出し電流を流すデータ読み出し用のトランジスタを、第1のキャパシタC1と第2のキャパシタC2との間に設けてもよい。この場合、データ読み出し用のトランジスタのゲートは、ポリシリコン膜160aにより構成される。
【0021】
フローティングゲート160に電子を注入する場合、第1のキャパシタC1のn型拡散層141を介してnウェル131に正の高電圧を印加するとともに第2のキャパシタC2のn型拡散層142を介してnウェル132に例えば接地電位を印加する。
【0022】
上記したように、第1のキャパシタC1の静電容量は、第2のキャパシタC2の静電容量よりも大きい。従って、ポリシリコン膜160aの電圧は、第1のキャパシタC1のnウェル131に印加された電圧によって支配的に制御される。すなわち、ポリシリコン膜160aの電圧は、nウェル131に印加された電圧に追従する。
【0023】
第1のキャパシタC1において、nウェル131に正の電圧を印加する場合、p型のキャリア供給源として機能するp型拡散層151にもnウェル131と同じ正の電圧を印加することが好ましい。p型拡散層151に正の電圧を印加することで、nウェル131のポリシリコン膜160aの直下領域においてp型のチャネル形成が促進され、第1のキャパシタC1における、ポリシリコン膜160aの電圧制御機能が良好に発揮される。
【0024】
第2のキャパシタC2においては、ポリシリコン膜160aにnウェル131への印加電圧に応じた正の高電圧が印加されることにより、接地電位が印加されたnウェル132と、ポリシリコン膜160aとの間に電位差が生じる。これにより、第2のキャパシタC2のゲート絶縁膜161に高電圧が印加される。この電位差により、FNトンネル現象(Fowler-Nordheim Tunneling)が生じ、第2のキャパシタC2において、フローティングゲート160に電子が注入される。この場合、メモリセル100は、フローティングゲート160に電子が蓄積されたプログラム状態となる。
【0025】
一方、フローティングゲート160に蓄積された電子を引き抜く場合、第1のキャパシタC1のn型拡散層141を介してnウェル131に例えば接地電位を印加するとともに第2のキャパシタC2のn型拡散層142を介してnウェル132に正の高電圧を印加する。上記したように、ポリシリコン膜160aの電圧は、第1のキャパシタC1のnウェル131に印加された電圧に追従する。
【0026】
第2のキャパシタC2において、nウェル132に正の電圧を印加する場合、p型のキャリア供給源として機能するp型拡散層152にもnウェル132と同じ正の電圧を印加することが好ましい。p型拡散層152に正の電圧を印加することで、nウェル132のポリシリコン膜160aの直下領域においてp型のチャネル形成が促進され、第2のキャパシタC2におけるトンネル効果を生じさせる機能が良好に発揮される。
【0027】
第2のキャパシタC2においては、接地電位近傍の電位を有するポリシリコン膜160aと正の高電圧が印加されたnウェル132との間に電位差が生じる。この電位差により、FNトンネル現象が生じ、第2のキャパシタC2において、フローティングゲート160に注入された電子が引き抜かれる。すなわち、メモリセル100は、フローティングゲート160に蓄積された電子の量が、プログラム状態における電子の量よりも少ない消去状態となる。トランジスタ200は、メモリセル100をプログラム状態または消去状態とする場合に、nウェル131またはnウェル132に印加される電圧を生成する電圧回路を構成するトランジスタであってもよい。
【0028】
図4には、メモリセル100の第2のキャパシタC2及びメモリセル100に付随するトランジスタ200を含む断面が示されている。第2のキャパシタC2は、nウェル132の表層部の、フローティングゲート160を間に挟む位置に設けられたn型拡散層142を有する。フローティングゲート160の側面は、SiO等の絶縁体で構成されるサイドウォール162によって覆われている。フローティングゲート160の表面及びn型拡散層142の表面には、例えばコバルトシリサイド等のシリコンと金属との化合物からなる合金層180が設けられている。nウェル132の外周部は、例えばSiO等の絶縁体で構成される素子分離膜172によって囲まれている。
【0029】
トランジスタ200は、シリコン基板110上において、メモリセル100の近傍に設けられている。トランジスタ200は、pウェル120の表面にゲート絶縁膜221を介して設けられたゲート220を構成するポリシリコン膜160aと、pウェル120の表層部のゲート220を間に挟む位置に設けられたソース・ドレインを構成するn型拡散層210を有する。なお、トランジスタ200のゲート220は、メモリセル100のフローティングゲート160とは電気的に分離されている。ゲート220の側面は、SiO等の絶縁体で構成されるサイドウォール222によって覆われている。ゲート220の表面及びn型拡散層210の表面には、例えばコバルトシリサイド等のシリコンと金属との化合物からなる合金層230が設けられている。トランジスタ200の外周部は、例えばSiO等の絶縁体で構成される素子分離膜240によって囲まれている。
【0030】
トランジスタ200のゲート220の表面及びソース・ドレインを構成するn型拡散層210の表面は、主としてSiを含んで構成される厚さ20nm~40nm程度のシリコン窒化膜10で覆われている。一方、メモリセル100のn型拡散層142及びフローティングゲート160は、シリコン窒化膜で覆われていない。なお、第1のキャパシタC1の構造も、図4に示される第2のキャパシタC2の構造と同様である。すなわち、メモリセル100は、第1のキャパシタC1及び第2のキャパシタC2を含む全域に亘り、シリコン窒化膜で覆われていない。
【0031】
以下に、半導体装置1の製造方法について説明する。図5A図5Lは、半導体装置1の製造方法の一例を示す断面図である。図5A図5Lに示される断面は、図2における4-4線に沿った断面に相当する。
【0032】
はじめに、イオン注入法によりシリコン基板110の表層部に、p型の導電型を有するpウェル120を形成する(図5A)。
【0033】
次に、STI法(Shallow Trench Isolation)によりpウェル120の表層部にSiO等の絶縁体で構成される素子分離膜172及び240を形成する。すなわち、pウェル120の表面にエッチングによりトレンチを形成し、このトレンチにCVD法(Chemical Vapor Deposition)によりSiO等の絶縁体を埋め込み、この絶縁体の表面をCMP法(Chemical Mechanical Polishing)により平坦化することで、素子分離膜172及び240が形成される(図5B)。
【0034】
次に、イオン注入法によりpウェル120の表面の、nウェル132の形成予定位置に、ヒ素またはリンを注入する。これにより、n型の導電型を有するnウェル132がpウェル120の表層部に形成される(図5C)。
【0035】
次に、熱酸化法によりpウェル120およびnウェル132の表面を一体的に覆うシリコン酸化膜301を形成する。シリコン酸化膜301は、メモリセル100のゲート絶縁膜161及びトランジスタ200のゲート絶縁膜221を構成する(図5D)。
【0036】
次に、CVD法によりシリコン酸化膜301の表面にポリシリコン膜160aを形成する(図5E)。続いて、イオン注入法により、ポリシリコン膜160aの全面にリンまたはヒ素を注入する。これにより、ポリシリコン膜160aの全体にn型の導電性が付与される。
【0037】
次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、ポリシリコン膜160aをパターニングする。これにより、メモリセル100のフローティングゲート160及びトランジスタ200のゲート220が形成される(図5F)。
【0038】
次に、CVD法により、メモリセル100のフローティングゲート160及びトランジスタ200のゲート220の上面及び側面を覆うように、SiO等の絶縁体で構成される絶縁膜をシリコン基板110上に形成する。続いて、上記の絶縁膜をエッチバックする。これにより、メモリセル100のフローティングゲート160の側面を覆うサイドウォール162及びトランジスタ200のゲート220の側面を覆うサイドウォール222が形成される(図5G)。
【0039】
次に、イオン注入法によりnウェル132の表面及びpウェル120の表面にそれぞれヒ素またはリンを注入する。これにより、nウェル132の表層部の、フローティングゲート160を間に挟む位置に、n型拡散層142が形成され、pウェル120の表層部の、ゲート220を間に挟む位置にソース・ドレインを構成するn型拡散層210が形成される(図5H)。
【0040】
次に、サリサイドプロセスを用いて、トランジスタ200のn型拡散層210の表面及びゲート220の表面に合金層230を形成すると共に、メモリセル100のn型拡散層142の表面及びフローティングゲート160の表面に合金層180を形成する。具体的には、スパッタ法によりメモリセル100及びトランジスタ200の表面全体を覆うように、シリコン基板110上にコバルト膜を形成する。続いて、熱処理によってシリコンとコバルト膜とが接している部分、すなわち、n型拡散層142、210の表面及びゲート220及びフローティングゲート160の表面に主としてコバルトモノシリサイド(CoSi)を含むシリサイド層を形成する。続いて、薬液処理によって、素子分離膜172、240上の未反応のコバルト膜を除去する。続いて、更なる熱処理によってコバルトモノシリサイド(CoSi)をコバルトダイシリサイド(CoSi)に相転移させる。これにより、n型拡散層142及びフローティングゲート160の表面及びn型拡散層210及びゲート220の表面にそれぞれ、主としてコバルトダイシリサイド(CoSi)を含む合金層180及び230が形成される。各熱処理は、加熱時間が短時間であるRTA(Rapid Thermal Anneal)によって行われる(図5I)。
【0041】
次に、CVD法により、上記の各工程を経て形成されたメモリセル100及びトランジスタ200の表面全体を覆うように、主としてSiを含んで構成される厚さ20nm~40nm程度のシリコン窒化膜10をシリコン基板110上に形成する(図5J)。
【0042】
次に、シリコン基板110上にレジストマスク400を形成する。レジストマスク400は、トランジスタ200を覆い且つメモリセル100を露出させる。すなわち、シリコン窒化膜10の、メモリセル100の表面を覆う部分が、レジストマスク400の開口部において露出する(図5K)。
【0043】
次に、ドライエッチングにより、レジストマスク400の開口部において露出しているシリコン窒化膜10の、メモリセル100の表面を覆う部分を除去する。トランジスタ200は、シリコン窒化膜10で覆われた状態が維持される(図5L)。
【0044】
その後、メモリセル100及びトランジスタ200を覆う層間絶縁膜(図示せず)を形成する工程、メモリセル100またはトランジスタ200に接続されるコンタクト(図示せず)を層間絶縁膜内に形成する工程、コンタクトを介してメモリセル100またはトランジスタ200に接続される配線(図示せず)を層間絶縁膜上に形成する工程などを経て半導体装置1が完成する。
【0045】
本発明の実施形態に係る半導体装置1によれば、メモリセル100のフローティングゲート160の表面は、シリコン窒化膜で覆われていないので、フローティングゲート160に注入された電子が、フローティングゲート160を構成するポリシリコン膜160aとシリコン窒化膜との界面準位にトラップされる問題の発生を防止することができる。これにより、フローティングゲート160に注入された電子がトラップされることに起因するメモリセル100の信頼性の低下を抑制することができる。一方、トランジスタ200の表面は、シリコン窒化膜10で覆われている。これにより、n型拡散層210に接続されるコンタクトを形成する際のフォトリソグラフィ工程におけるマスクの位置ずれによって生じるシリコン基板からのフィールド層への肩落ちに伴うリーク電流の増大が抑制される。
【0046】
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置1Aの構成を示す断面図である。図6に示される断面は、図2における4-4線に沿った断面に相当する。第2の実施形態に係る半導体装置1Aは、メモリセル100の表面に、シリコン酸化膜20を介してシリコン窒化膜10が設けられている点が第1の実施形態に係る半導体装置1と異なる。すなわち、半導体装置1Aにおいて、メモリセル100のn型拡散層142の表面及びフローティングゲート160の表面が、主としてSiOを含んで構成される厚さ10nm~30nm程度のシリコン酸化膜20で覆われており、シリコン酸化膜20の表面が、シリコン窒化膜10で覆われている。シリコン酸化膜20は、メモリセル100のn型拡散層142、及びフローティングゲート160を構成するポリシリコン膜160aの表面における合金層(シリサイド層)の形成を阻害するシリサイドブロック用のマスクとして機能する。従って、半導体装置1Aにおいて、n型拡散層142の表面及びフローティングゲート160の表面には、合金層は形成されていない。
【0047】
一方、トランジスタ200のソース・ドレインを構成するn型拡散層210及びゲート220を構成するポリシリコン膜160aの表面は、シリコン窒化膜10で覆われている。また、n型拡散層210の表面及びゲート220の表面には、合金層230(シリサイド層)が設けられている。
【0048】
以下に、半導体装置1Aの製造方法について説明する。図7A図7Eは、半導体装置1の製造方法の一例を示す断面図である。なお、メモリセル100のn型拡散層142及びトランジスタ200のn型拡散層210を形成するまでの各工程は、第1の実施形態に係る半導体装置1の製造工程と同様であるので、説明は省略する。
【0049】
シリコン基板110上にメモリセル100及びトランジスタ200を形成した後、CVD法によりメモリセル100及びトランジスタ200の表面全体を覆うように、主としてSiOを含んで構成される厚さ10nm~30nm程度のシリコン酸化膜20をシリコン基板110上に形成する(図7A)。
【0050】
次に、メモリセル100を覆い、トランジスタ200を露出させるレジストマスク410をシリコン基板110上に形成する。すなわち、シリコン酸化膜20の、トランジスタ200の表面を覆う部分が、レジストマスク410の開口部において露出する(図7B)。
【0051】
次に、ドライエッチングまたはウェットエッチングにより、レジストマスク410の開口部において露出しているシリコン酸化膜20の、トランジスタ200の表面を覆う部分を除去する。メモリセル100は、シリコン酸化膜20で覆われた状態が維持される(図7C)。
【0052】
次に、サリサイドプロセスを用いて、トランジスタ200のn型拡散層210及びゲート220の表面に合金層230を形成する。具体的には、スパッタ法によりシリコン基板110の表面にコバルト膜を形成する。続いて、熱処理によってシリコンとコバルト膜とが接している部分、すなわち、トランジスタ200のn型拡散層210及びゲート220の表面に主としてコバルトモノシリサイド(CoSi)を含むシリサイド層を形成する。メモリセル100の表面は、シリコン酸化膜20で覆われているので、n型拡散層142及びフローティングゲート160の表面には、シリサイド層は形成されない。すなわち、シリコン酸化膜20は、メモリセル100のn型拡散層142及びフローティングゲート160の表面における合金層の形成を阻害するシリサイドブロック用のマスクとして機能する。続いて、薬液処理によって、素子分離膜240上及びシリコン酸化膜20上の未反応のコバルト膜を除去する。続いて、更なる熱処理によってコバルトモノシリサイド(CoSi)をコバルトダイシリサイド(CoSi)に相転移させる。これにより、トランジスタ200のn型拡散層210の表面及びゲート220の表面に、主としてコバルトダイシリサイド(CoSi)を含む合金層230が形成される。各熱処理は、加熱時間が短時間であるRTAによって行われる(図7D)。
【0053】
次に、CVD法により、トランジスタ200及びシリコン酸化膜20で覆われたメモリセル100の表面全体を覆うように、主としてSiを含んで構成される厚さ20nm~40nm程度のシリコン窒化膜10をシリコン基板110上に形成する。シリコン酸化膜20の、メモリセル100の表面を覆う部分が残存した状態でシリコン窒化膜10が形成されるので、メモリセル100の表面は、シリコン酸化膜20及びシリコン窒化膜10を積層した積層膜で覆われる。一方、トランジスタ200の表面は、シリコン窒化膜10で覆われる(図7E)。
【0054】
その後、メモリセル100及びトランジスタ200を覆う層間絶縁膜(図示せず)を形成する工程、メモリセル100またはトランジスタ200に接続されるコンタクト(図示せず)を層間絶縁膜内に形成する工程、コンタクトを介してメモリセル100またはトランジスタ200に接続される配線(図示せず)を層間絶縁膜上に形成する工程などを経て半導体装置1Aが完成する。
【0055】
本実施形態に係る半導体装置1Aによれば、メモリセル100のフローティングゲート160とシリコン窒化膜10との間にシリコン酸化膜20が介在しているので、フローティングゲート160に注入された電子が、フローティングゲート160を構成するポリシリコン膜160aとシリコン窒化膜10との界面準位にトラップされる問題の発生を防止することができる。これにより、フローティングゲート160に注入された電子がトラップされることに起因するメモリセル100の信頼の低下を抑制することができる。一方、トランジスタ200の表面は、シリコン窒化膜10で覆われている。これにより、n型拡散層210に接続されるコンタクトを形成する際のフォトリソグラフィ工程におけるマスクの位置ずれによって生じるシリコン基板からのフィールド層への肩落ちに伴うリーク電流の増大が抑制される。
【0056】
ここで、第1の実施形態に係る半導体装置1の製造方法によれば、図5Lに示すように、シリコン窒化膜10の、メモリセル100の表面を覆う部分がエッチングにより除去されるので、メモリセル100のn型拡散層142の表面及びフローティングゲート160の表面に形成された合金層180が露出する。これにより、シリコン窒化膜10をエッチングするエッチング装置が合金層180によって汚染されるおそれがある。一方、第2の実施形態に係る半導体装置1Aの製造方法によれば、メモリセル100の表面は、シリコン酸化膜20を介してシリコン窒化膜10で覆われており、フローティングゲート160はシリコン窒化膜10と直接接触していないので、シリコン窒化膜10に対するエッチングが不要となる。従って、上記のエッチング装置の汚染の問題の発生を回避することができる。また、第2の実施形態に係る半導体装置1Aによれば、メモリセル100に対しては、合金層が形成されないので、n型拡散層142及びフローティングゲート160におけるリーク電流が抑制され、メモリセル100の信頼性を向上させることができる。
【0057】
なお、トランジスタ200のゲート220は、本発明における第1のゲートの一例である。メモリセル100のフローティングゲート160は、本発明における第2のゲートの一例である。
【符号の説明】
【0058】
1、1A 半導体装置
10 シリコン窒化膜
20 シリコン酸化膜
100 メモリセル
110 半導体基板
120 pウェル
131、132 nウェル
141、142 n型拡散層
151、152 p型拡散層
160 フローティングゲート
180 合金層
200 トランジスタ
210 n型拡散層
220 ゲート
230 合金層
C1 第1のキャパシタ
C2 第2のキャパシタ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図5L
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E