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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】ラインのうねりを低減するための方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020069135
(22)【出願日】2020-04-07
(62)【分割の表示】P 2018552849の分割
【原出願日】2017-03-29
(65)【公開番号】P2020122978
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】62/320,164
(32)【優先日】2016-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/188,193
(32)【優先日】2016-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, ジョセフ アール.
(72)【発明者】
【氏名】ベンチャー, クリストファー デニス
(72)【発明者】
【氏名】レイディグ, トーマス エル.
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-334156(JP,A)
【文献】特開2008-058962(JP,A)
【文献】特開2006-245556(JP,A)
【文献】特開2011-180297(JP,A)
【文献】特表2007-531024(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0073505(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0076458(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第101144902(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光パターンを変更するための方法であって、
デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の複数のミラーの配列を決定することと、
前記DMDの複数のミラーの配列の対称角を決定することと、
前記対称角における鋸歯形状の振幅とピッチを決定することと、
前記鋸歯形状の振幅とピッチ、前記対称角付近で延びる前記露光パターンに適用することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記鋸歯形状の振幅とピッチをその上に有するパターンを露光すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記DMDの複数のミラーの配列が六方最密配置である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記鋸歯形状が、方形の波形又は三角形の波形を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記鋸歯形状の振幅とピッチを決定することが、前記対称角における前記鋸歯形状のピッチを決定することと、前記DMDの複数のミラーの配列のミラーショットピッチを決定することと、を含み、前記鋸歯形状のピッチの前記ミラーショットピッチに対する割合が、約3.0から約8.0までの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記鋸歯形状の振幅とピッチを決定することが、前記対称角における前記鋸歯形状の振幅を決定することと、前記DMDの複数のミラーの配列のミラーショットピッチを決定することと、を含み、前記鋸歯形状の振幅が、前記ミラーショットピッチの約50%から約120%までの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
露光パターンを変更するためのコンピュータシステムであって、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリと
を備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるときに、前記コンピュータシステムに、
デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の複数のミラーの配列を決定させ、
前記DMDの複数のミラーの配列の対称角を決定させ、
前記対称角における鋸歯形状の振幅とピッチを決定させ、
前記鋸歯形状の振幅とピッチ、前記対称角付近で延びる前記露光パターンに適用させる、
コンピュータシステム。
【請求項8】
前記鋸歯形状の振幅とピッチをその上に有するパターンを露光すること
を更に含む、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記DMDの複数のミラーの配列が六方最密配置である、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記鋸歯形状が、方形の波形又は三角形の波形を含む、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記鋸歯形状の振幅とピッチを決定することが、前記対称角における前記鋸歯形状のピッチを決定することと、前記DMDの複数のミラーの配列のミラーショットピッチを決定することと、を含み、前記鋸歯形状のピッチの前記ミラーショットピッチに対する割合が、約3.0から約8.0までの間である、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記鋸歯形状の振幅とピッチを決定することが、前記対称角における前記鋸歯形状の振幅を決定することと、前記DMDの複数のミラーの配列のミラーショットピッチを決定することと、を含み、前記鋸歯形状の振幅が、前記ミラーショットピッチの約50%から約120%までの間である、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、プロセッサによって実行されるときに、
デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の複数のミラーの配列を決定するステップと、
前記DMDの複数のミラーの配列の対称角を決定するステップと、
前記対称角における鋸歯形状の振幅とピッチを決定するステップと、
前記鋸歯形状の振幅とピッチ、前記対称角付近で延びる露光パターンに適用するステップと、
を実行することによって、コンピュータシステムに前記露光パターンを変更させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記鋸歯形状の振幅とピッチをその上に有するパターンを露光すること
を更に含む、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記DMDの複数のミラーの配列が六方最密配置である、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記鋸歯形状が、方形の波形又は三角形の波形を含む、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記鋸歯形状の振幅とピッチを決定することが、前記対称角における前記鋸歯形状のピッチを決定することと、前記DMDの複数のミラーの配列のミラーショットピッチを決定することと、前記対称角における前記鋸歯形状の振幅を決定することと、を含み、前記鋸歯形状のピッチの前記ミラーショットピッチに対する割合が約3.0から約8.0までの間であり、前記鋸歯形状の振幅が前記ミラーショットピッチの約50%から約120%までの間である、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、マスクレスリソグラフィの分野に関する。より具体的には、本明細書に提示されている実施形態は、マスクレスデジタルリソグラフィ製造プロセスを実施するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィは、半導体デバイス及び液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイデバイスの製造において、広範に使用される。LCDの製造では、大面積基板が利用されることが多い。LCD又はフラットパネルは、一般的に、コンピュータ、タッチパネルデバイス、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、テレビモニタなどといった、アクティブマトリクスディスプレイに使用される。通常、フラットパネルは、2枚のプレートの間に挟まれたピクセルを形成する液晶材料の層を含みうる。電源からの電力が液晶材料全体に印加されると、液晶材料を通過する光の量がピクセル位置において制御され、画像の生成が可能になりうる。
【0003】
ピクセルを形成する液晶材料層の一部として組み込まれた電気的特徴を作り出すために、一般的にマイクロリソグラフィ技法が用いられる。この技法により、典型的には、基板の少なくとも1つの表面に感光性フォトレジストが付けられる。次いで、パターン生成装置が、パターンの一部として選択された感光性フォトレジストの領域に光を照射して、選択領域内のフォトレジストに化学変化を引き起こし、これらの選択領域に、電気的特徴を作り出す後続の材料除去及び/又は材料追加のプロセスのための準備を行う。
【0004】
ディスプレイデバイス及びその他のデバイスを、消費者が求める価格で、消費者に継続的に提供するために、大面積基板などの基板に正確に、かつ良好なコストパフォーマンスでパターンを作り出す、新たな装置、アプローチ、及びシステムが必要とされている。
【0005】
上記で示しているように、必要なパターンを正確に、かつ良好なコストパフォーマンスで作り出すための改良された技術及びデバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、概して、製造プロセスにおけるマスクレスリソグラフィパターニング中にエッジ配置誤差を低減するために、その上に適用されるセレーション変更を伴う露光パターンを提供する、ライン波低減ソフトウェアアプリケーションプラットフォームに関する。一実施形態では、露光パターンを変更するための方法が開示される。方法は、ショット分布のパッキングファクタを決定することと、パッキングファクタの対称角を決定することと、対称角のセレーション選択を決定することとを含む。セレーション選択を決定することは、パッキングファクタのミラーショットピッチを決定することと、対称角のセレーション振幅を決定することと、対称角のセレーションピッチを決定することとを含む。方法はまた、セレーション選択を対称角付近の露光パターンに適用することを含む。
【0007】
別の実施形態では、露光パターンを変更するためのコンピュータシステムが開示される。露光パターンを変更するためのコンピュータシステムは、プロセッサと、命令を記憶するメモリとを備え、命令は、プロセッサによって実行されるときに、コンピュータシステムに、ショット分布のパッキングファクタを決定させ、パッキングファクタの対称角を決定させ、対称角のセレーション選択を決定させる。セレーション選択を決定することは、パッキングファクタのミラーショットピッチを決定することと、対称角のセレーション振幅を決定することと、対称角のセレーションピッチを決定することとを含む。メモリはまた、プロセッサによって実行されるときに、コンピュータシステムに、セレーション選択を対称角付近の露光パターンに適用させる命令を記憶しうる。
【0008】
更に別の実施形態では、プロセッサによって実行されるときに、コンピュータシステムに露光パターンを変更させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が開示される。プロセッサは、ショット分布のパッキングファクタを決定する工程と、パッキングファクタの対称角を決定する工程と、対称角のセレーション選択を決定する工程とを実行しうる。セレーション選択を決定することは、パッキングファクタのミラーショットピッチを決定することと、対称角のセレーション振幅を決定することと、対称角のセレーションピッチを決定することとを含む。プロセッサはまた、セレーション選択を対称角付近の露光パターンに適用する工程を実行しうる。
【0009】
本開示の上述の特徴が詳細に理解できるように、上記で概説した本開示のより具体的な説明が実施形態を参照することにより得られ、それら実施形態の幾つかは添付図面に示されている。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態に適用されうることから、添付図面は本開示の例示的な実施形態だけしか示しておらず、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書で開示されている実施形態から恩恵を受けうるシステムの斜視図である。
図2】一実施形態による複数の画像投影システムの概略斜視図である。
図3】一実施形態による、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の2つのミラーによって反射されているビームを概略的に示す。
図4】一実施形態による画像投影装置の斜視図である。
図5】一実施形態による、マスクレスリソグラフィ中の露光パターンのエッジ配置誤差を低減するために露光パターンのセレーション変更を作り出す露光パターン変更アプリケーションを提供するコンピュータシステムを示す。
図6】一実施形態による、図5のサーバのより詳細な図を示す。
図7】一実施形態による、マスクレスリソグラフィ中の露光パターンのエッジ配置誤差を低減するために、露光パターンのセレーション変更を作り出す露光パターン変更ソフトウェアアプリケーションにアクセスするために使用されるコントローラ演算システムを示す。
図8】一実施形態による、露光パターンを変更するための方法の工程を概略的に示す。
図9A】一実施形態による、長いジョグを有する露光パターンを概略的に示す。
図9B】一実施形態による、図9Aの露光パターンの拡大図を概略的に示す。
図10A】一実施形態による、対称角で適用されるセレーション選択を概略的に示す。
図10B】一実施形態による、図10Aのセレーション選択の拡大図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするため、可能な場合には、上記の図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうると想定される。
【0012】
本明細書で開示される実施形態は、長いジョグに影響される六方最密配置の対称角に実質的に近い角度のラインを有する露光多角形を操作する露光パターン変更ソフトウェアアプリケーションに関する。長いジョグは、エッジ配置誤差が高い領域であることを表している。このように、露光パターン変更ソフトウェアアプリケーションは、影響を受けた角度で多角形エッジを鋸歯状にすることによってライン波低減をもたらし、製造プロセスにおけるマスクレスリソグラフィパターニング中のエッジ配置誤差を低減する。
【0013】
本明細書で使用される「ユーザ(user)」という用語は、例えば、演算デバイス又は無線デバイスを所有する人又は主体、演算デバイス又は無線デバイスを操作又は利用する人又は主体、そうでなければ演算デバイス又は無線デバイスに関連付けられる人又は主体を含む。「ユーザ」という用語は、限定を意図するものではなく、記載されているものを超えて様々な例を含みうると想定される。
【0014】
図1は、本明細書で開示されている実施形態から恩恵を受けうるシステム100の斜視図である。システム100は、ベースフレーム110、板状体(slab)120、2つ以上のステージ130、及び処理装置160を含む。ある実施形態では、1つのステージ130が使用されうる。ベースフレーム110は、製造施設のフロアに置かれてよく、かつ、板状体120を支持しうる。受動空気アイソレータ112が、ベースフレーム110と板状体120との間に位置付けられうる。板状体120は花崗岩の一枚板であってよく、2つ以上のステージ130は、板状体120の上に配置されうる。基板140は、2つ以上のステージ130の各々によって支持されうる。複数の孔(図示せず)がステージ130に形成されてよく、それにより、複数のリフトピン(図示せず)がそれらの孔を通って延在することが可能になる。リフトピンは、例えば移送ロボット(図示せず)から基板140を受容するために、伸長位置に上昇しうる。移送ロボットが基板140をリフトピン上に位置付けてよく、リフトピンはその後、基板140をステージ130上へと徐々に下降させうる。
【0015】
基板140は、例えばガラスで作製され、フラットパネルディスプレイの一部として使用されうる。他の実施形態では、基板140は、石英などの他の材料で作製されうる。更に、他の実施形態では、基板140はポリマー基板でありうる。いくつかの実施形態では、基板140は、その上に形成されたフォトレジスト層を有しうる。フォトレジストは、放射線に敏感であり、ポジ型フォトレジスト又はネガ型フォトレジストでありうる。つまり、放射線に露光されるフォトレジストの部分は、それぞれ、パターンがフォトレジストに書き込まれた後にフォトレジストに塗布されるフォトレジストデベロッパに、可溶性又は不溶性になるだろう。フォトレジストの化学組成により、そのフォトレジストがポジ型フォトレジストになるか、又はネガ型フォトレジストになるかが決まる。例えば、フォトレジストは、ジアゾナフトキノン、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルグルタルイミド)、及びSU-8のうちの少なくとも1つを含みうる。こうして、電子回路を形成するために、パターンが基板140の表面上に作り出されうる。
【0016】
システム100は、一対の支持体122と、一対の軌道124とを更に含みうる。一対の支持体122は、板状体120上に配置され、板状体120と一対の支持体122は、単一の材料片でありうる。一対の軌道124は、一対の支持体122によって支持され、2つ以上のステージ130は、軌道124に沿ってX方向に移動しうる。一実施形態では、一対の軌道124は、一対の平行な磁気チャネルである。図示しているように、一対の軌道124の各軌道124は線形である。他の実施形態では、軌道124は、非線形の形状を有していてもよい。コントローラ702に位置情報を提供するために、エンコーダ126が各ステージ130に連結されうる(図7参照)。
【0017】
処理装置160は、支持体162及び処理ユニット164を含みうる。支持体162は、板状体120の上に配置されてよく、2つ以上のステージ130が処理ユニット164の下を通るための開口166を含みうる。処理ユニット164は、支持体162によって支持されうる。一実施形態では、処理ユニット164は、フォトリソグラフィ処理においてフォトレジストを露光させるよう構成された、パターン生成装置である。いくつかの実施形態では、パターン生成装置は、マスクレスリソグラフィ処理を実施するよう構成されうる。処理ユニット164は、筐体165内に配置された、複数の画像投影システム(図2に示す)を含みうる。処理装置160は、マスクレス直接パターニングを実施するために利用されうる。動作中、2つ以上のステージ130のうちの1つは、図1に示す搬入位置から処理位置へと、X方向に移動する。処理位置は、ステージ130が処理ユニット164の下を通る際の、ステージ130の一又は複数の位置を指しうる。動作中、2つ以上のステージ130は、複数の空気軸受(図示せず)によって上昇し、搬入位置から処理位置に、一対の軌道124に沿って移動しうる。ステージ130の動きを安定させるために、複数の垂直ガイド空気軸受(図示せず)が、各ステージ130に連結され、かつ、各支持体122の内壁128に隣接して位置付けられうる。2つ以上のステージ130の各々は、基板140の処理及び/又は割り出し(index)のために、軌道150に沿って移動することによってY方向にも移動しうる。各ステージ130は、軌道124に沿ってステージ130を移動させるための、モータコイル(図示せず)も含みうる。温度及び圧力の制御を行うために、2つ以上のステージ130及び処理装置160は、囲い(図示せず)によって囲まれうる。
【0018】
図2は、一実施形態による、複数の画像投影システム301の概略斜視図である。図2に示しているように、各画像投影システム301は、基板140の表面304に複数の書き込みビーム302を生成する。基板140がX方向及びY方向に移動するにつれて、表面304の全体が、書き込みビーム302によってパターニングされうる。画像投影システム301の数は、基板140のサイズ及び/又はステージ130のスピードに基づいて変動しうる。一実施形態では、処理装置160内に22の画像投影システムが存在する。
【0019】
更に図2に示すように、画像投影システム301は、光源402、開孔404、レンズ406、ミラー408、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)410、光ダンプ412、カメラ414、及び投影レンズ416を含みうる。光源402は、発光ダイオード(LED)又はレーザであってよく、かつ、所定の波長を有する光を生成することが可能でありうる。一実施形態では、所定の波長とは、約450nm未満などの、青色又は近紫外(UV)範囲内のものである。ミラー408は、球面ミラーでありうる。投影レンズ416は、10倍の対物レンズでありうる。DMD410は複数のミラーを含んでよく、ミラーの数は、投影される画像の解像度に対応しうる。一実施形態では、DMD410は、1920×1080のミラーを含む。
【0020】
動作中、光源402によって、青色範囲内の波長などの所定の波長を有するビーム403が生成される。ビーム403は、ミラー408によってDMD410に反射される。DMD410は、複数のミラー(例えば、図3に示すミラー502、504)を含み、それらのミラーの光源402及び/又は基板140に対する配向又は位置が別個に制御されうる。DMD410の複数のミラーの各ミラー502、504は、コントローラ(図示せず)によってDMD410に提供されるマスクデータに基づき、「オン(on)」の位置又は「オフ(off)」の位置にありうる。ビーム403がDMD410のミラーに到達すると、投影レンズ416に向けて、「オン」の位置にあるミラーがビーム403を反射し、すなわち、複数の書き込みビーム302を形成する。投影レンズ416は次いで、基板140の表面304に書き込みビーム302を投影する。「オフ」の位置にあるミラーは、基板140の表面304の代わりに、光ダンプ412に向けて、ビーム403を反射する。
【0021】
一実施形態では、DMD410は、2つ以上のミラーを有しうる。各ミラーは、メモリセル上に配置されうる傾斜機構上に配置されうる。メモリセルは、CMOS SRAMでありうる。動作中、メモリセルにマスクデータを読み込むことによって、各ミラーが制御される。マスクデータは、ミラーの傾斜を二進法で静電制御する。ミラーがリセットモードであるときか、又は電力が印加されていない場合には、ミラーは、どの二進数にも対応しない平坦な位置に設定されうる。二進法におけるゼロは、「オフ」の位置に対応しうる。つまり、ミラーが、-10度、-12度、又は、他の任意の実現可能な負の傾斜度数に傾斜される。二進法における1は、「オン」の位置に対応しうる。つまり、ミラーが、+10度、+12度、又は、他の任意の実現可能な正の傾斜度で傾斜される。
【0022】
図3は、DMD410の2つのミラー502、504によって反射されているビーム403を概略的に示す。図示するように、「オフ」の位置にあるミラー502は、光源402から発生したビーム403を、光ダンプ412に反射する。「オン」の位置にあるミラー504は、ビーム403を投影レンズ416に向かって反射することにより、書き込みビーム302を形成する。
【0023】
各システム100は、任意の数の画像投影システム301を含み、画像投影システム301の数は、システムによって変更されうる。一実施形態では、84の画像投影システム301が存在する。各画像投影システム301は、40のダイオード、又は任意の数のダイオードを含みうる。このような多数のダイオードを扱うためには、より高い電力が必要となるので、多数のダイオードを維持しようとすると問題が生じる。1つの解決策は、ダイオードを直列に整列させることでありうるが、以下に説明するように、直列に構成された場合、機能していないダイオードを検出する必要がある。
【0024】
図4は、一実施形態による画像投影装置390の斜視図である。画像投影装置390は、基板140の垂直面上のあるスポットに光を集束させ、最終的にその基板140に画像を投影するために使用される。画像投影装置390は、2つのサブシステムを含む。画像投影装置390は、照明システム及び投影システムを含む。照明システムは、少なくとも光パイプ391及び白色光照明デバイス392を含む。投影システムは、少なくともDMD410、円錐プリズムアセンブリ288、ビームスプリッタ395、一又は複数の投影光学系396a、396b、歪み補償器397、焦点モータ398、及び投影レンズ416(前述)を含む。投影レンズ416は、フォーカス群416a及び窓416bを含む。
【0025】
光源402から画像投影装置390に、光が導入される。光源402は、化学線光源であってもよい。例えば、光源402は、ファイバの束であってもよく、各ファイバは1つのレーザを含む。一実施形態では、光源402は、約100のファイバの束であってもよい。ファイバの束は、レーザダイオードによって照射されてもよい。光源402は、光パイプ(又はカレイド)391に連結される。一実施形態では、光源402は、束のファイバ各々を結合する結合器を介して、光パイプ391に連結される。
【0026】
いったん光源402からの光が光パイプ391に入ると、光パイプ391を出たときに光が均質化され、均一になるように、光パイプ391の内部で光が跳ね返る。光は、光パイプ391内で最大6回又は7回跳ね返ることがある。言い換えれば、光は、光パイプ391内で全部で6~7回の内部反射を経て、均一な光の出力をもたらす。
【0027】
画像投影装置390は、オプションで、様々な反射面(符号なし)を含みうる。様々な反射面は、画像投影装置390を通って進む光の一部を捕捉する。一実施形態では、様々な反射面は、いくらかの光を捕捉し、次に光レベルセンサ393に光を向けるのを助け、レーザレベルが監視されうる。
【0028】
白色光照明デバイス392は、光パイプ391によって均質化された広帯域の可視光を画像投影装置390の投影システム内に投影する。特に、白色光照明デバイス392は、光を円錐プリズムアセンブリに方向付ける。化学線光源及び広帯域光源は、互いに独立してオン又はオフにされうる。
【0029】
円錐プリズムアセンブリ288は、基板140の表面に投影されることになる光をフィルタリングするように機能する。光線は、基板140上に投影されることになる光と、基板140上に投影されない光とに分離される。円錐プリズムアセンブリ288を使用することで、内部の全反射光が集められて送出されるため、エネルギー損失が最小になる。円錐プリズムアセンブリ288は、ビームスプリッタ395に連結される。
【0030】
DMD410は、円錐キューブアセンブリの一部として含まれる。DMD410は、画像投影装置390の撮像デバイスである。DMD410及び円錐プリズムアセンブリ288の使用は、露光照明を生成する光源402から基板焦点面までずっと、照明の流れの方向を基板140にほぼ垂直に保つことによって、各画像投影装置390の設置面積を最小にするのに役立つ。
【0031】
ビームスプリッタ395は、位置合わせに光を更に抽出するために使用される。より具体的には、ビームスプリッタ395は、光を2つ以上の別々のビームに分割するために使用される。ビームスプリッタ395は、一又は複数の投影光学系396に結合される。2つの投影光学系396a、396bが、図4に示される。
【0032】
一実施形態では、焦点センサ及びカメラ284がビームスプリッタ395に取り付けられる。焦点センサ及びカメラ284は、レンズを通した焦点(through lens focus)及び位置合わせ、並びにミラー傾斜角変動を含むがこれに限定されない画像投影装置390の様々な態様の撮像品質を監視するように構成されうる。加えて、焦点センサ及びカメラ284は、基板140に投影される予定の画像を示しうる。更なる実施形態では、焦点センサ及びカメラ284は、基板140上の画像を捕捉し、それらの画像間での比較を行うために使用されうる。言い換えれば、焦点センサ及びカメラ284は、検査機能を実行するために使用されうる。
【0033】
投影光学系396、歪み補償器397、焦点モータ398、及び投影レンズ416は一緒になって、画像を準備し、DMD410から基板140上に最終的に画像を投影する。投影光学系396aは、歪み補償器397に結合される。歪み補償器397は、投影光学系396bに結合され、投影光学系396bは、フォーカスモータ398に結合される。フォーカスモータ398は、投影レンズ416に結合される。投影レンズ416は、フォーカス群416a及び窓416bを含む。フォーカス群416aは、窓416bに結合される。窓416bは、交換可能でありうる。
【0034】
光パイプ391及び白色光照明デバイス392は、第1の取付板341に連結される。加えて、追加的な様々な反射面(符号なし)及び光レベルセンサ393を含む実施形態では、様々な反射面及び光レベルセンサ393はまた、第1の取付板341に結合されうる。
【0035】
円錐プリズムアセンブリ288、ビームスプリッタ395、一又は複数の投影光学系396a、396b及び歪み補償器397は、第2の取付板399に結合される。第1の取付板341及び第2の取付板399は、平面であり、画像投影装置390の上記構成要素の正確な位置合わせを可能にする。言い換えると、光は、単一の光軸に沿って画像投影装置390を通過する。単一の光軸に沿ったこのような正確な位置合わせは、コンパクトな装置をもたらす。例えば、画像投影装置390は、約80mmから約100mmの間の厚さを有しうる。
【0036】
いくつかの実施形態では、アレイ形式で光を制御するために、DMD410の代わりに又はDMD410と組み合わせて、マイクロレンズ又は液晶のような他のハードウェアが利用されうる。
【0037】
図5は、本開示の実施形態が実施されうる露光パターン変更ソフトウェアアプリケーションプラットフォームを提供するように構成された演算システム700を示す。図示されるように、演算システム700は、複数のサーバ708、露光パターン変更アプリケーションサーバ712、及び複数のコントローラ(すなわち、コンピュータ、パーソナルコンピュータ、モバイル/ワイヤレスデバイス)702(明瞭にするために、そのうちの2つのみが示されている)を含んでいてもよく、通信ネットワーク706(例えば、インターネット)に各々が接続されている。サーバ708は、ローカル接続(ストレージエリアネットワーク(SAN)、又はネットワーク接続ストレージ(NAS)など)を介して、又はインターネットを通じて、データベース714と通信しうる。サーバ708は、データベース714に含まれるデータに直接アクセスすること、又は、データベース714内に含まれるデータを管理するよう設定されているデータベースマネージャとインターフェース接続することのいずれかを実行するよう、設定される。
【0038】
各コントローラ702は、例えばプロセッサ、システムメモリ、ハードディスクドライブ、バッテリ、マウス及びキーボードなどの入力デバイス、及び/若しくはモニタ又はグラフィックユーザインターフェースなどの出力デバイス、並びに/又は入力を受け取るだけでなく出力の表示も行うタッチスクリーンのような結合型入力/出力デバイスといった、演算デバイスの従来の構成要素を含みうる。各サーバ708及び露光パターン変更アプリケーションサーバ712は、プロセッサ及びシステムメモリ(図示せず)を含み、かつ関係データベースソフトウェア及び/又はファイルシステムなどを使用して、データベース714に記憶されたコンテンツを管理するよう設定されうる。サーバ708は、例えばTCP/IPプロトコルなどのネットワークプロトコルを使用して、互いに、コントローラ702と、及び露光パターン変更アプリケーションサーバ712と通信するようにプログラムされうる。露光パターン変更アプリケーションサーバ712は、通信ネットワーク706を通じて、コントローラ702と直接通信しうる。コントローラ702は、プログラム及び/又はその他のソフトウェアアプリケーションなどのソフトウェア704を実行するようプログラムされ、かつ、サーバ708によって管理されているアプリケーションにアクセスする。
【0039】
以下に説明する実施形態では、ユーザは、通信ネットワーク706を通じて、サーバ708に接続されうるコントローラ702をそれぞれ操作しうる。ページ、画像、データ、文書などが、コントローラ702を介してユーザに表示されうる。コントローラ702と通信可能なディスプレイデバイス及び/又はグラフィカルユーザインターフェースを通じて、情報及び画像が表示されうる。
【0040】
コントローラ702が、パソコン、ラップトップ型携帯演算デバイス、スマートフォン、ビデオゲームの操作器、家庭用デジタルメディアプレイヤー、ネットワーク接続型テレビ、セットトップボックス、並びに/又は、通信ネットワーク706との通信に適した構成要素、及び/又は必要なアプリケーション又はソフトウェアを有するその他の演算デバイスでありうることに、留意されたい。コントローラ702はまた、露光パターン変更アプリケーションサーバ712からコンテンツ及び情報を受信するように構成された他のソフトウェアアプリケーションを実行してもよい。
【0041】
図6は、図5の露光パターン変更アプリケーションサーバ712のより詳細な図を示す。露光パターン変更アプリケーションサーバ712は、中央処理装置(CPU)802、ネットワークインターフェース804、メモリ820、及び相互接続806を介して通信を行うストレージ830を含むが、それらに限定されない。露光パターン変更アプリケーションサーバ712は、I/Oデバイス810(例えばキーボード、ビデオ、マウス、オーディオ、タッチスクリーンなど)に接続するI/Oデバイスインターフェース808も含みうる。露光パターン変更アプリケーションサーバ712は、通信ネットワーク706を介してデータを伝送するよう設定された、ネットワークインターフェース804を更に含みうる。
【0042】
CPU802は、メモリ820に記憶されたプログラミング命令を読み出して実行し、かつ、通常は、他のシステム構成要素の動作を制御し、コーディネートする。同様に、CPU802は、メモリ820にアプリケーションデータを記憶し、メモリ820の中にあるアプリケーションデータを読み出す。代表的には、単一のCPU、複数のCPU、複数の処理コアを有する単一のCPUなどである、CPU802が含まれる。相互接続806は、CPU802と、I/Oデバイスインターフェース808と、ストレージ830と、ネットワークインターフェース804と、メモリ820との間でプログラミング命令及びアプリケーションデータを伝送するために、使用される。
【0043】
代表的にはランダムアクセスメモリである、メモリ820が通常含まれ、メモリ820は、動作中に、CPU802によって使用されるソフトウェアアプリケーション及びデータを記憶する。ストレージ830は、単一のユニットとして図示しているが、不揮発性のデータを記憶するよう設定された、固定ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリストレージドライブ、テープドライブ、取り外し可能なメモリカード、CD-ROM、DVD-ROM、Blu-Ray、HD-DVD、光ストレージ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、クラウドストレージ、又はストレージエリアネットワーク(SAN)などの、固定ストレージデバイス及び/又は取り外し可能なストレージデバイスの組み合わせであってもよい。
【0044】
メモリ820は、露光パターン変更ソフトウェア828を含むアプリケーションプラットフォーム826を実行するための命令及びロジックを格納しうる。ストレージ830は、データ834及び関連するアプリケーションプラットフォームコンテンツ836を記憶するよう設定されたデータベース832を含みうる。データベース832は、任意の種類のストレージデバイスでありうる。
【0045】
ネットワークコンピュータは、本明細書に提示している開示内容と併用できる、別の種類のコンピュータシステムである。ネットワークコンピュータは、一般的には、ハードディスク又はその他の大容量ストレージを含まず、実行可能プログラムは、CPU802によって実行されるよう、ネットワーク接続からメモリ820に読み込まれる。典型的なコンピュータシステムは、一般的に、少なくとも、プロセッサ、メモリ、及び、メモリをプロセッサに連結する相互接続を含むことになる。
【0046】
図7は、露光パターン変更アプリケーションサーバ712にアクセスし、アプリケーションプラットフォーム826に関連するデータを検索又は表示するために使用されるコントローラ702を示す。コントローラ702は、中央処理装置(CPU)902、ネットワークインターフェース904、相互接続906、メモリ920、ストレージ930、及びサポート回路940を含みうるが、それらに限定されない。コントローラ702はまた、I/Oデバイス910(キーボード、ディスプレイ、タッチスクリーン、及びマウスなどのデバイス)をコントローラ702に接続する、I/Oデバイスインターフェース908も含みうる。
【0047】
CPU802と同様に、代表的には、単一のCPU、複数のCPU、複数の処理コアを有する単一のCPUなどである、CPU902が含まれ、代表的にはランダムアクセスメモリである、メモリ920が通常含まれる。相互接続906は、CPU902と、I/Oデバイスインターフェース908と、ストレージ930と、ネットワークインターフェース904と、メモリ920との間でプログラミング命令及びアプリケーションデータを送信するために、使用されうる。ネットワークインターフェース904は、例えば、露光パターン変更アプリケーションサーバ712からコンテンツを転送するために、通信ネットワーク706を介してデータを送信するように構成されうる。ハードディスクドライブ又は固体ストレージドライブ(SSD)などのストレージ930は、不揮発性データを記憶しうる。ストレージ930は、データベース931を包含しうる。データベース931は、データ932及びその他のコンテンツ934を包含しうる。いくつかの実施形態では、データベース931は、画像処理ユニット936を更に含みうる。画像処理ユニットは、データ938及び/又は制御ロジック939を含みうる。例示的には、メモリ920は、アプリケーションインターフェース922を含み、アプリケーションインターフェース922自体が、ソフトウェア命令924を表示し、及び/又はデータ926を記憶し若しくは表示しうる。アプリケーションインターフェース922は、コントローラ702が、露光パターン変更アプリケーションサーバ712によってホストされるデータ及び他のコンテンツにアクセスすることを可能にする、一又は複数のソフトウェアアプリケーションを提供しうる。
【0048】
コントローラ702は、処理装置160、ステージ130、及びエンコーダ126のうちの一又は複数に連結されうるか、又はそれらと通信可能でありうる。処理装置160及びステージ130は、基板処理及び基板の位置合わせに関して、コントローラ702に情報を提供しうる。例えば、処理装置160は、コントローラ702に基板処理が完了したことを警告するために、コントローラ702に情報を提供しうる。エンコーダ126は、コントローラ702に位置情報を提供可能であり、この位置情報は次いで、ステージ130及び処理装置160を制御するために使用される。
【0049】
コントローラ702は、中央処理装置(CPU)902、メモリ920、及びサポート回路940(又はI/O908)を含みうる。CPU902は、様々な処理を制御するために産業用設定で使用される任意の形態のコンピュータプロセッサとハードウェア(パターン生成装置、モータ、及びその他のハードウェアなど)のうちの一方であり、プロセス(処理時間や基板位置など)をモニタしうる。メモリ920は、図7に示しているように、CPU902に接続されており、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又はその他の任意の形態のローカル若しくは遠隔のデジタルストレージといった、容易に利用可能なメモリのうちの一又は複数でありうる。CPU902に指示するために、ソフトウェア命令及びデータは、コード化され、メモリ内に記憶することができる。サポート回路940はまた、従来の様態でプロセッサをサポートするように、CPU902に接続される。サポート回路940は、従来型のキャッシュ942、電源944、クロック回路946、入力/出力回路948、サブシステム950などを含みうる。コントローラ702によって可読なプログラム(又はコンピュータ命令)が、どのタスクが基板で実施可能であるかを決定する。このプログラムは、コントローラ702による可読ソフトウェアであり、例えば処理時間及び基板位置をモニタし、制御するためのコードを含みうる。
【0050】
しかしながら、これら全ての用語及び類似の用語は、適切な物理的量に関連付けられるべきであり、これらの量に適用される単なる便宜上の符号にすぎないと留意すべきである。下記検討から明らかであるように、別途特段の記載がない限り、本明細書全体を通じて、「処理する(processing)」「演算する(computing)」「算出する(calculating)」「決定する(determining)」、又は「表示する(displaying)」等といった用語を利用した検討は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ、又はかかる情報のその他のストレージデバイス、伝送デバイス、又はディスプレイデバイス内の物理的量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータシステム又は類似の電子演算デバイスの作動及びプロセスを指すと認識される。
【0051】
本実施例はまた、本明細書中の動作を実施するための装置にも関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築されうるか、又は、コンピュータに記憶されているコンピュータプログラムによって選択的に作動するか若しくは再構成される、汎用コンピュータを備えうる。かかるコンピュータプログラムは、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、磁気カード若しくは光カード、フロッピーディスクと、光ディスクと、CD-ROMと、磁気光ディスクとを含む任意の種類のディスク、又は電子命令を記憶するのに適した任意の種類の媒体などであり(それらに限定されない)、その各々がコンピュータシステムの相互接続に連結される、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されうる。
【0052】
本明細書に提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータ又はその他の装置にも本質的に関連していない。様々な汎用システムが、本明細書の教示内容に従ってプログラムと共に使用され、又は、必要な方法工程を実施するために、より特殊化した装置を構築することが便宜にかなうと分かることもある。これらの多種多様なシステムの構造は、本明細書の上記の記載から明白になろう。加えて、本開示の例は、何らかの特定のプログラミング言語に関連して説明されているのではなく、ゆえに、様々な例が多種多様なプログラミング言語を使用して実装されうる。
【0053】
本明細書内でより詳細に説明するように、本開示の実施形態は、製造プロセスでのマスクレスリソグラフィパターニング中のエッジ配置誤差を低減するために、これらの特徴のエッジを禁制角度でディザー処理することによって、露光多角形のライン波欠陥が禁制角度で補正されるソフトウェアアプリケーションを提供する。
【0054】
一実施形態では、露光パターンを変更するための方法1000が開示される。方法1000は、図7に示し関連して上述したように、コントローラ702によって実行されうる。CPU902は、メモリ820に格納された露光パターン変更ソフトウェア828を実行するようにプログラムされており、以下の図8に関連して説明した露光パターンを変更する方法1000を実施する。
【0055】
図8は、図9Aから図10Bに示すように、露光パターン1100を変更する方法1000の動作を概略的に示す。方法1000は、一般に、長いジョグ1104に影響される、六方最密配置の対称角1106に実質的に近い角度のラインを有する露光多角形を操作する露光パターン変更ソフトウェアアプリケーションに関する。長いジョグ1104は、エッジ配置誤差が高い領域であることを表している。このように、露光パターン変更ソフトウェアアプリケーションは、影響を受けた角度で多角形エッジを鋸歯状にすることによってライン波低減をもたらし、製造プロセスにおけるマスクレスリソグラフィパターニング中のエッジ配置誤差を低減する。
【0056】
各ミラーから反射された露光ショットが蓄積すると、基板上の感光性フォトレジストに、露光パターンに対応する均一な空間像が形成される。DMD、ステップサイズ、及び/又は削られた列(column)の数に関連するファクタに基づいて、露出パターンの側壁の均一性は、広範に変化する可能性がある。したがって、工程1010において、ショット分布のパッキングファクタ1102が決定される。パッキングファクタ1102は、ショット分布の均一性を決定することができる。ショット分布の均一性は、ほぼ均一なショットランディングパターンを含みうる。
【0057】
試験では、六方最密(HCP)パッキングファクタが均一なショットランディングパターンを維持していることを示す結果が提供された。ある実施形態では、HCPパッキングファクタは、およそ2のパッキングファクタ1102を維持する。
【0058】
いくつかの実施形態では、パッキングファクタ1102のデータベースが作成されうる。パッキングファクタ1102のデータベースは、各可能な角度、ショット数、及び/又はシェービング数に関連する情報を記憶しうる。
【0059】
工程1020において、図9A及び図9Bに示すように、パッキングファクタ1102の対称角1106が決定される。いくつかの実施形態では、HCPパッキングファクタ1102から生じる対称角1106が決定される。HCP対称角1106は、仮想ラインを介して個々のショットランディング点の中心点を結合し、これらのラインを露光パターン1100まで又はそれを通って延長することによって決定されてもよい。決定された対称角1106、プラス又はマイナス約10度、例えばプラス又はマイナス6度の範囲内で、露光多角形は、長いジョグ1104に影響されるHCP対称角1106に近い角度のラインを維持する。長いジョグ1104は、図9Bに示すように、高いエッジ配置誤差の領域として提示される。
【0060】
試験が実行され、結果は、第1の試験条件を考慮すると、第1の試験条件で、約-40度、約17度、及び約85度でエッジ配置誤差が存在し、平均エッジ配置誤差がそれぞれ約+/-150nmの間に達することを示している。更に、誤差範囲を考慮すると、試験は、第1の試験条件におけるHCPパッキングファクタの対称角が、約-34度から約-46度の間、約11度から約23度の間の角度、及び約79度から約91度の間の角度を含むことを示した。しかし、選択された条件に応じて、他の角度でエッジ配置誤差が発生することがある。選択された条件は、とりわけ、ショット数、DMD角度、及び/又はシェービング数を含みうる。
【0061】
工程1030において、対称角1106のセレーション選択1110が決定される。ショット露光パターンのある対称角1106は、ラインウェービング欠陥を有することがあり、したがって、エッジ配置誤差が生じる。ラインウェービング欠陥を有する対称角1106でショット露光パターンのラインエッジに波形を適用することは、そのような欠陥を補償及び/又は補正する。いくつかの実施形態では、適用される波形は、例えば、とりわけ、正方形の波形又は三角形の波形状などでありうる。更に、いくつかの実施形態では、セレーション選択1110を決定するために、アルゴリズムは、影響を受けた角度を探索し、影響を受けた角度に沿ってラインを鋸歯状にしうる。
【0062】
工程1030Aでかつ図9A及び図10Aを参照して示すように、対称角1106のセレーション選択1110を決定することは、パッキングファクタのミラーショットピッチ1108を決定することを含む。各パッキングファクタ1102は、図9Aに示すように、第1のミラーの中心と隣接する第2のミラーの中心との間の距離である測定可能なミラーショットピッチ1108を維持する。いくつかの実施形態では、HCPパッキングファクタのミラーショットピッチ1108は、六方最密ピッチとして知られている。
【0063】
工程1030Bに示すように、対称角1106のセレーション選択1110を決定することは、対称角1106のセレーション振幅(SA)1112を決定することを更に含む。HCPパッキングファクタに対するセレーション振幅1112は、以下に示すように、方程式1を用いて求められうる。
【0064】
試験は、エッジ配置誤差に対する鋸歯状のピークピッチ及び振幅の影響を決定するために行った。Nは、最大エッジ配置誤差(ピークから谷まで)の値を表す。結果は、HCPパッキングファクタについて、Nが約0.65から約0.9まで、例えば約0.8であることを示した。このように、セレーション振幅1112は、上で説明した、六方最密パッキングファクタについてのミラーショットピッチ1108の約50%から約120%までである。
【0065】
SA=(N)(六方最密ピッチ) 方程式1
工程1030Cで示すように、対称角1106のセレーション選択1110を決定することは、対称角1106のセレーションピッチ(SP)1114を決定することを更に含む。セレーションピッチ1114は、以下に示すように、方程式2を用いて求められうる。
【0066】
六方最密配置について、セレーションピッチ1114のミラーショットピッチ1108に対する割合を決定するために試験を行った。結果は、六方最密パッキングファクタについてのセレーションピッチ1114のミラーショットピッチ1108に対する割合が、約5.0から約6.0の間、例えば約5.5であることを示した。方程式2に示すように、セレーションピッチ1114は、六方最密ピッチ(又はミラーショットピッチ1108)を乗じた5.5に等しい。
【0067】
SP=(ミラーショットピッチ)5.5 方程式2
工程1040において、セレーション選択1110は、図10A及び図10Bに示すように、対称角1106で適用される。いくつかの実施形態では、セレーション選択1110は、基板に適用されてもよい。特定の実施形態では、セレーション選択1110は、露光パターンが形成される前又は形成された後に適用されうる。セレーション選択1110は、波形のような少なくとも1つの湾曲したエッジを有する多角形を含みうる。上述のように、波形は、正方形の波形、三角形の波形、湾曲した波形、又は少なくとも1つの湾曲したエッジを有する他の任意の多角形状を含みうる。
【0068】
いくつかの実施形態では、方法1000は、セレーション選択1110が上部に適用されたパターンを露光することを更に含みうる。パターンは、セレーション選択1110を含む基板上に露光されてもよい。したがって、対称角1106のセレーション振幅1112及び対称角1106のセレーションピッチ1114が、露光パターン1100に適用されて、セレーション選択1110を含む露光パターン1100を提供する。対称角1106で露光パターン1100にセレーション選択1110を適用すると、露光パターン1100で生成された多角形エッジが変更される。更に、更なる試験は、エッジ配置誤差が、対称角1106でセレーション選択1110を適用すると、少なくとも50%低減されることを示した。
【0069】
要約すると、本明細書で開示される実施形態は、長いジョグに影響される六方最密配置の対称角に実質的に近い角度のラインを有する露光多角形を操作する露光パターン変更ソフトウェアアプリケーションに関する。長いジョグは、高いエッジ配置誤差領域であることを表している。このように、露光パターン変更ソフトウェアアプリケーションは、影響を受けた角度で多角形エッジを鋸歯状にすることによってライン波低減をもたらし、製造プロセスにおけるマスクレスリソグラフィパターニング中のエッジ配置誤差を低減する。
【0070】
更なる集計では、特徴が露出されており(例えば、ライン)、当該特徴が、基板上に蓄積するすべてのショットの着陸場所のグリッド又はパターンに対してわずかに平行でない(すなわち、場合によっては、行又は列のいずれかに平行である)場合、露光特徴はうねり(waviness)を示すことがある。示されたうねりの理由には、グリッドスナッピング(grid snapping)が含まれることがある。ゆえに、ある実施形態では、露光パターンが設計ルールに従っているかどうかを決定するためにソフトウェアチェックが実行され、露光パターンが最適でない場合及び/又は変更されるべき場合にユーザにフラグを立てることがある。
【0071】
上記は本明細書に記載の実施形態を対象としているが、これらの実施形態の基本的な範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてもよい。例えば、本開示の態様は、ハードウェア若しくはソフトウェアにおいて、又は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにおいて、実装されうる。本明細書に記載の一実施形態は、コンピュータシステムと共に使用されるプログラム製品として、実装されうる。プログラム製品のプログラム(複数可)は、実施形態(本明細書に記載の方法を含む)の機能を定義し、かつ多様なコンピュータ可読記憶媒体に包含することができる。例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、(i)情報が永続的に記憶される書込み不能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブ、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意の種類の固体不揮発性半導体メモリによって読み出し可能なCD-ROMディスクなどのコンピュータ内の読出し専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク又は任意の種類の固体ランダムアクセス半導体メモリ)を含むが、これらに限定されない。かかるコンピュータ可読記憶媒体は、開示された実施形態の機能を指示するコンピュータ可読命令を伴うと、本開示の実施形態となる。
【0072】
前述の例は、例示的なものであって限定的なものではないことが、当業者には認識されよう。本明細書を読み、図面を精査することで当業者に明らかになる、これらの例の置換例、強化例、均等物、及び改良例は全て、本開示の本質及び範囲に含まれることが意図されている。したがって、以下の付随する特許請求の範囲も、これらの教示の本質及び範囲に内包されるものとして、かかる修正例、置換例、及び均等物の全てを含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B