(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】配線基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20220118BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 X
H05K3/46 B
H01L23/12 N
(21)【出願番号】P 2017236050
(22)【出願日】2017-12-08
【審査請求日】2020-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091672
【氏名又は名称】岡本 啓三
(74)【代理人】
【識別番号】100180459
【氏名又は名称】二階堂 裕
(72)【発明者】
【氏名】大島 一宏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 淳史
(72)【発明者】
【氏名】近藤 人資
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 克哉
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-239224(JP,A)
【文献】特開2013-058506(JP,A)
【文献】特開2014-232030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の下面に設けられた第1配線層と、
前記第1絶縁層の下面を覆うと共に、前記第1配線層の一部を露出する第1開口部を有する保護絶縁層と、を有し、
前記第1開口部から露出する前記第1配線層の下面の一部が第1パッドとして機能する配線構造体と、
前記保護絶縁層に接着層を介して接着され、前記第1パッドを露出する第2開口部を有する支持基材と、
を有し、
前記支持基材は、前記接着層が配置される上面と、前記上面とは反対側の下面とを有し、
前記支持基材の上面における前記第2開口部の直径が、前記第1開口部の直径よりも大きく設定され、
前記支持基材の厚さ方向における前記支持基材の上面と下面との間の所定位置での前記第2開口部の直径は、前記支持基材の上面における前記第2開口部の直径及び前記支持基材の下面における前記第2開口部の直径よりも小さく、且つ前記第1開口部の直径よりも小さい、配線基板。
【請求項2】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の下面に設けられた第1配線層と、
前記第1絶縁層の下面を覆うと共に、前記第1配線層の一部を露出する第1開口部を有する保護絶縁層と、を有し、
前記第1開口部から露出する前記第1配線層の下面の一部が第1パッドとして機能する配線構造体と、
前記保護絶縁層に接着層を介して接着され、前記第1パッドを露出する第2開口部を有する支持基材と、
を有し、
前記支持基材は、前記接着層が配置される上面と、前記上面とは反対側の下面とを有し、
前記支持基材の下面における前記第2開口部の直径は、前記支持基材の上面における前記第2開口部の直径よりも小さい、配線基板。
【請求項3】
前記支持基材の上面における前記第2開口部の直径が、前記第1開口部の直径よりも大きく設定され、
前記接着層は、前記第1開口部及び前記第2開口部と連通する第3開口部を有し、
前記第3開口部の内壁が、前記第1開口部の内壁よりも外側に位置している、請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記配線構造体は、
上面と、前記上面とは反対側の下面と、前記上面と前記下面との間の側面とを有し、前記第1配線層と電気的に接続された第2配線層と、
前記第2配線層の下面及び側面を覆う第2絶縁層と、をさらに有し、
前記第2配線層の上面は、第2パッドとして機能する、請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項5】
前記接着層は、前記第1開口部及び前記第2開口部と連通する第3開口部を有し、
前記支持基材は、
上面と、前記上面とは反対側の下面とを有する樹脂シートと、
前記樹脂シートの上面に形成された第1金属層と、
前記樹脂シートの下面に形成された第2金属層と、
を有し、
前記樹脂シートの貫通穴は、前記第1金属層の開口部及び前記第2金属層の開口部と連通しており、
前記第2開口部は、前記樹脂シートの貫通穴と、前記第1金属層の開口部と、前記第2金属層の開口部とを有し、
前記第1金属層の開口部の内壁は、前記第3開口部の内壁及び前記樹脂シートの貫通穴の内壁よりも外側に位置している、請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項6】
前記接着層は、前記第1開口部及び前記第2開口部と連通する第3開口部を有し、
前記支持基材は、
上面と、前記上面とは反対側の下面とを有する樹脂シートと、
前記樹脂シートの上面に形成された第1金属層と、
前記樹脂シートの下面に形成された第2金属層と、
を有し、
前記樹脂シートの貫通穴は、前記第1金属層の開口部及び前記第2金属層の開口部と連通しており、
前記第2開口部は、前記樹脂シートの貫通穴と、前記第1金属層の開口部と、前記第2金属層の開口部とを有し、
前記第1金属層の開口部の内壁と前記樹脂シートの貫通穴の内壁とが連続して配置されている、請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項7】
前記支持基材は樹脂シートであり、
前記第2開口部は、前記樹脂シートを貫通する貫通穴であり、
前記接着層は、前記第1開口部及び前記貫通穴と連通する第3開口部を有し、
前記第3開口部の内壁と前記貫通穴の内壁とが連続して配置されている、請求項1乃至4の何れか一項に記載の配線基板。
【請求項8】
(a)仮基板に、第1パッドと、前記第1パッドを露出させる第1開口部を備えた保護絶縁層とを含む配線構造体を形成する工程と、
(b)前記第1パッドを露出させる第2開口部を備え、かつ、接着層が配置される上面と、前記上面とは反対側の下面とを有する支持基材を形成する工程と、
(c)前記第1開口部が前記第2開口部と対向するように、前記支持基材の上面を前記接着層によって前記配線構造体に接着する工程と、
を含み、
前記支持基材の厚さ方向における前記支持基材の上面と下面との間の所定位置での前記第2開口部の直径は、前記支持基材の上面における前記第2開口部の直径及び前記支持基材の下面における前記第2開口部の直径よりも小さく、且つ前記第1開口部の直径よりも小さい、配線基板の製造方法。
【請求項9】
(a)仮基板に、第1パッドと、前記第1パッドを露出させる第1開口部を備えた保護絶縁層とを含む配線構造体を形成する工程と、
(b)前記第1パッドを露出する第2開口部を備え、かつ、接着層が配置される上面と、前記上面とは反対側の下面とを有する支持基材を形成する工程と、
(c)前記第1開口部が前記第2開口部と対向するように、前記支持基材の上面を前記接着層によって前記配線構造体に接着する工程と、
を含み、
前記支持基材の下面における前記第2開口部の直径は、前記支持基材の上面における前記第2開口部の直径よりも小さい、配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記支持基材の上面における前記第2開口部の直径が、前記第1開口部の直径よりも大きく設定され、
前記接着層は、前記第1開口部及び前記第2開口部と連通する第3開口部を有し、
前記第3開口部の内壁が、前記第1開口部の内壁よりも外側に位置している、請求項
8又は
9に記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記工程(c)の後に、前記仮基板から前記配線構造体を分離する工程をさらに含む、請求項
8又は
9に記載の配線基板の製造方法。
【請求項12】
前記工程(b)は、
上面と、前記上面とは反対側の下面とを有する樹脂シートと、前記樹脂シートの上面に形成された第1金属層と、前記樹脂シートの下面に形成された第2金属層とを有する金属積層板を用意する工程と、
前記第1金属層に開口部を形成する工程と、
前記第2金属層に開口部を形成する工程と、
剥離フィルム付きの接着層を前記金属積層板に設ける工程と、
少なくとも前記第1金属層の開口部に対向する前記剥離フィルムと前記第1金属層の開口部から露出した樹脂シートをレーザで加工することで、前記支持基材に前記第2開口部を形成する工程と、
前記剥離フィルムを前記接着層から剥離する工程と、
を含む、請求項
8又は
9に記載の配線基板の製造方法。
【請求項13】
前記第2開口部は、前記樹脂シートの貫通穴と、前記第1金属層の開口部と、前記第2金属層の開口部とを有し、
前記第1金属層の開口部の内壁と前記樹脂シートの貫通穴の内壁とが連続して配置されている、請求項
12に記載の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体チップなどの電子部品を搭載するための配線基板がある。そのような配線基板では、配線基板の上面側のパッドに半導体チップがフリップチップ接続され、配線基板の下面側のパッドに外部接続用のはんだバンプが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-167629号公報
【文献】特開2002-151622号公報
【文献】特開2002-198462号公報
【文献】特開2005-251780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
後述する予備的事項の欄で説明するように、コアレスタイプの配線基板の製造方法では、仮基板の上に形成した多層配線層の外面に支持基材を接着した後に、多層配線層を仮基板から分離する。その後に、支持基材に開口部を形成して多層配線層のパッドを露出させる。
【0005】
レーザ加工によって支持基材に開口部を形成する手法では、レーザ加工時の熱でパッドの表面に酸化膜が形成されるため、パッドにはんだバンプを接続する際の接続の信頼性が低下する。
【0006】
また、支持基材の開口部が多層配線層のパッドを露出させるソルダレジスト層の開口部よりも大きく設定される場合は、パッドの周囲のソルダレジスト層がレーザで同時に除去されるため、はんだバンプを信頼性よく形成できない。
【0007】
多層配線層のパッドを露出させるプローブ測定用の開口部が配置された支持基材を有する配線基板及びその製造方法において、不具合が発生しない新規な構造の配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の開示の一観点によれば、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の下面に設けられた第1配線層と、前記第1絶縁層の下面を覆うと共に、前記第1配線層の一部を露出する第1開口部を有する保護絶縁層と、を有し、前記第1開口部から露出する前記第1配線層の下面の一部が第1パッドとして機能する配線構造体と、前記保護絶縁層に接着層を介して接着され、前記第1パッドを露出する第2開口部を有する支持基材と、を有し、前記支持基材は、前記接着層が配置される上面と、前記上面とは反対側の下面とを有し、前記支持基材の上面における前記第2開口部の直径が、前記第1開口部の直径よりも大きく設定され、前記支持基材の厚さ方向における前記支持基材の上面と下面との間の所定位置での前記第2開口部の直径は、前記支持基材の上面における前記第2開口部の直径及び前記支持基材の下面における前記第2開口部の直径よりも小さく、且つ前記第1開口部の直径よりも小さい配線基板が提供される。
【発明の効果】
【0012】
以下の開示によれば、配線基板は、絶縁層の下面に配線層と、配線層の一部を第1パッドとして露出する保護絶縁層とを備えている。また、保護絶縁層の下に接着層によって支持基材が接着されている。支持基材は、保護絶縁層の開口部の下に開口部を備えている。
【0013】
さらに、支持基材の開口部の高さ方向の途中の直径が、支持基材の開口部の上端の直径及び保護絶縁層の開口部の直径よりも小さく設定されている。
【0014】
そして、電気特性測定装置のプローブピンを、支持基材の開口部を通して第1パッドに接触させて、電気特性が測定される。
【0015】
このとき、支持基材の開口部の高さ方向の途中の直径が保護絶縁層の開口部の直径よりも小さいため、プローブピンが保護絶縁層に当たって保護絶縁層が破損することが防止される。
【0016】
また、支持基材の開口部の高さ方向の途中の直径が、支持基材の開口部の上端の直径よりも小さく設定されるため、接着層の開口部の内壁の位置を保護絶縁層の開口部の内壁よりも外側の位置に配置することができる。
【0017】
これにより、支持基材を接着層で保護絶縁層に接着する際に、第1パッドの上に接着層が流出することが防止される。
【0018】
あるいは、支持基材の開口部の下端の直径が、支持基材の開口部の上端の直径よりも小さく設定されてもよい。
【0019】
配線基板の製造方法では、予め開口部が設けられた支持基材を多層配線層に接着する手法が採用される。このため、レーザによって第1パッドの表面に酸化膜が形成されたり、第1パッドの周囲の保護絶縁層が除去されたりする不具合が解消される。また、ドリルによって第1パッドの表面が損傷するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1(a)及び(b)は予備的事項の配線基板の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図2】
図2は予備的事項の配線基板の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図3】
図3は予備的事項の配線基板の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図4】
図4は予備的事項の配線基板の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図5】
図5は予備的事項の配線基板の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図6】
図6(a)~(c)は予備的事項の配線基板の製造方法を示す断面図(その6)である。
【
図7】
図7(a)及び(b)は第1実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図8】
図8は第1実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図9】
図9(a)及び(b)は第1実施形態の配線基板で使用する支持基材を示す断面図である。
【
図10】
図10(a)~(c)は第1例の支持基材の第1の形成方法を示す断面図(その1)である。
【
図11】
図11(a)~(c)は第1例の支持基材の第1の形成方法を示す断面図(その2)である。
【
図12】
図12(a)~(c)は第1例の支持基材の第2の形成方法を示す断面図である。
【
図13】
図13(a)及び(b)は第2例の支持基材の形成方法を示す断面図(その1)である。
【
図14】
図14(a)及び(b)は第2例の支持基材の形成方法を示す断面図(その2)である。
【
図15】
図15(a)~(c)は第3例の支持基材の形成方法を示す断面図である。
【
図16】
図16(a)~(c)は第4例の支持基材の形成方法を示す断面図である。
【
図17】
図17は第1実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図18】
図18は第1実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図(その6)である。
【
図19】
図19は第1実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図(その7)である。
【
図20】
図20は第1実施形態の配線基板の製造方法を示す断面図(その8)である。
【
図21】
図21は第1実施形態の配線基板を示す断面図である。
【
図22】
図22(a)及び(b)は
図23の配線基板の開口部の周りの様子を示す部分拡大断面図及び部分拡大平面図である。
【
図23】
図23は
図22(a)の開口部を通してプローブピンをパッドに接触させる様子を示す部分拡大断面図である。
【
図24】
図24は
図21の配線基板を使用する電子部品装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図25】
図25は
図21の配線基板を使用する電子部品装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図26】
図26は
図21の配線基板を使用する電子部品装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図28】
図28(a)及び(b)は第2実施形態の配線基板に使用される支持基材を示す断面図である。
【
図29】
図29(a)~(c)は第2実施形態の配線基板に使用される第1例の支持基材の形成方法を示す断面図である。
【
図30】
図30は第2実施形態の配線基板に使用される第2例の支持基材を示す断面図である。
【
図31】
図31は第2実施形態の配線基板に使用される第3例の支持基材を示す断面図である。
【
図32】
図32は第2実施形態の配線基板に使用される第4例の支持基材を示す断面図である。
【
図33】
図33は第2実施形態の配線基板を示す断面図である。
【
図34】
図34は
図33の配線基板の開口部の周りの様子を示す部分拡大断面図及び部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0022】
本実施形態の説明の前に、基礎となる予備的事項について説明する。予備的事項の記載は、発明者の個人的な検討内容であり、公知技術ではない新規な技術内容を含む。
【0023】
図1~
図6は予備的事項の配線基板の製造方法の課題を説明するための図である。予備的事項の配線基板の製造方法では、
図1(a)に示すように、まず、樹脂シート110の両面に接着層120が接着された仮基板100を用意する。
【0024】
さらに、仮基板100の両面の接着層120の上に金属層140をそれぞれ形成する。金属層140は配線層を電解めっきで形成する際のシード層として機能する。接着層120としては、例えば、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、亜鉛箔などの金属箔、セラミック板、アクリルやポリイミドなどの樹脂を主成分とする樹脂シートなどを用いることができる。
【0025】
また、金属層140としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)などを用いることができる。また、金属層140としてニッケル(Ni)を用いた場合は、配線層との密着性のために金属層140の上に銅(Cu)層をさらに形成してもよい。
【0026】
次いで、
図1(b)に示すように、仮基板100の両面側に形成された金属層140の上に多層配線層MLをそれぞれ形成する。多層配線層MLでは、3層の配線層(310,320,330)が絶縁層(410,420)に形成されたビア導体VCを介して接続され、最外にソルダレジスト層430が形成されている。ソルダレジスト層430は最外の配線層330のパッドPの上に開口部430aを備えている。
【0027】
続いて、
図2に示すように、
図1(b)の積層体の上面側のソルダレジスト層430及びパッドPの上に接着層510aによって支持基材500を接着する。また同様に、
図1(b)の積層体の下面側のソルダレジスト層430及びパッドPの下に接着層510bによって支持基材520を接着する。
【0028】
次いで、
図3に示すように、仮基板100の両面側の接着層120を金属層140との界面から引き剥がし、仮基板100と上下の多層配線層MLとを分離する。仮基板100の下面側から分離された多層配線層MLは、配線層310及び絶縁層410の上に金属層140が残された状態で得られる。
【0029】
その後に、
図4に示すように、多層配線層MLから金属層140をウェットエッチングにより除去する。これにより、多層配線層MLの上面側の絶縁層410から配線層310が露出した状態となる。
【0030】
次いで、
図5に示すように、レーザにより、支持基材520及び接着層510bを貫通加工することにより、パッドPの下に開口部Hを形成する。そして、電気特性測定装置のプローブピン(不図示)を、開口部Hを通して多層配線層MLのパッドPに接触させ、電気的な検査を行うことにより各製品領域の良否判定を行う。
【0031】
図5の部分拡大断面図に示すように、レーザ加工によって開口部Hを形成する際に、多層配線層MLのパッドPにレーザが照射される。これにより、パッドPがレーザ照射時の熱によって変質し、パッドPの表面に酸化膜OXが形成されるため、パッドPにはんだバンプを接続する際の信頼性が低下する。
【0032】
また、
図6(a)に示すように、開口部Hをソルダレジスト層430の開口部430aよりも大きく設定する場合は、パッドPの周囲のソルダレジスト層430がレーザで同時に除去される。このため、ソルダレジスト層430の開口部430aのサイズが設計仕様よりも大きくなる。
【0033】
また、
図6(b)に示すように、
図6(a)の態様で、さらに、開口部HがパッドPから位置ずれして配置されると、パッドPに対してソルダレジスト層430の開口部430aの配置が非対称になる。
【0034】
このため、ソルダレジスト層430の開口部430aにはんだボールを搭載し、リフローさせてはんだバンプを形成する際に、はんだが横方向にもリフローするため、はんだバンプの形状不良が発生する。
【0035】
具体的には、はんだバンプの高さが設計仕様よりも低くなったり、ばらついたりして、配線基板内ではんだバンプの高さが一定にならないため、はんだバンプを実装基板に接続する際の信頼性が低下する。
【0036】
また、
図6(c)に示すように、レーザ加工の代わりに、ドリル加工によって開口部Hを形成する場合は、ドリルによってパッドPの表面が損傷するおそれがあり、パッドPにはんだバンプを接続する際の接続の信頼性が低下する。
【0037】
以下に説明する実施形態の配線基板及びその製造方法では、前述した不具合を解消することができる。
【0038】
(第1実施形態)
図7~
図20は第1実施形態の配線基板の製造方法を説明するための図、
図21~
図23は第1実施形態の配線基板を説明するための図、
図24~
図27は
図21の配線基板を使用する電子部品装置を説明するための図である。
【0039】
以下、配線基板の製造方法を説明しながら、配線基板の構造を説明する。
【0040】
第1実施形態の配線基板の製造方法では、
図7(a)に示すように、まず、仮基板10を用意する。
図7(a)の例では、仮基板10として、樹脂シート12の両面に接着層14が接着された仮基板10を用意する。樹脂シート12は、例えば、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させた樹脂基材から形成される。
【0041】
接着層14としては、例えば、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、亜鉛箔などの金属箔、セラミック板、アクリルやポリイミドなどの樹脂を主成分とする樹脂シートなどを用いることができる。
【0042】
そして、仮基板10の両面の接着層14の上に金属層20をそれぞれ形成する。金属層20は、接着層14をめっき給電経路に利用する電解めっき法、スパッタ法、又は無電解めっき法により形成される。金属層20は、配線層を電解めっきで形成する際のシード層として機能する。
【0043】
また、金属層20としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)などを用いることができる。また、金属層20としてニッケル(Ni)を用いた場合は、配線層との密着性のために金属層20の上に銅(Cu)層をさらに形成してもよい。
【0044】
図7(b)に示すように、仮基板10には、複数のブロック領域R1が区画されており、さらに、ブロック領域R1内に複数の製品領域R2が区画されている。
図7(a)は、
図7(b)のX1-X1に沿った断面であり、
図7(b)のブロック領域R1内の一つの製品領域R2が部分的に描かれている。
【0045】
次いで、
図8に示すように、まず、金属層20上に、配線層21を形成する。配線層21は、例えばセミアディティブ法などの各種の配線形成方法を用いて形成できる。例えば、金属層20の表面に、所望の位置に開口部を有するレジスト層を形成する。
【0046】
開口部は、配線層21に対応する部分の金属層20を露出するように形成される。レジスト層の材料としては、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジストが使用され、例えば,ノボラック系樹脂やアクリル系樹脂などのドライフィルムレジストや液状レジストなどを用いることができる。
【0047】
続いて、レジスト層をめっきマスクとして、金属層20の表面に、金属層20をめっき給電層に利用する電解めっき(電解銅めっき)を施し、配線層21を形成する。そして、レジスト層を例えばアルカリ性の剥離液にて除去する。
【0048】
次に、金属層20の上面に配線層21を覆うように熱硬化性のエポキシ系樹脂などの絶縁性樹脂フィルムをラミネートし、絶縁層31を形成する。絶縁層の材料は、熱硬化性の樹脂に限らず、例えば、感光性の樹脂を用いてもよい。本実施形態では、熱硬化性の樹脂を用いた場合の製造方法を例示する。なお、液状又はペースト状の熱硬化性のエポキシ系樹脂などの絶縁性樹脂を塗布し、硬化させて絶縁層31を形成することができる。
【0049】
次に、絶縁層31に、絶縁層31を貫通して配線層21の一部を露出するビアホールVH1を形成する。ビアホールVH1は、例えばCO2レーザなどを用いたレーザ加工により形成することができる。必要に応じてデスミア処理を行ってもよい。
【0050】
次に、配線層22を形成する。配線層22は、例えば、セミアディティブ法によって形成できる。例えば、まず、絶縁層31の上面にシード層を例えば無電解めっき法により形成する。さらに、シード層上に所定の箇所に開口部を有するレジスト層を形成する。
【0051】
レジスト層の材料としては、上記したように、感光性のドライフィルムレジスト又は液状のフォトレジストが使用され、例えば、ノボラック系樹脂やアクリル系樹脂などのドライフィルムレジストや液状レジストなどを用いることができる。
【0052】
そのレジスト層をめっきマスクとして、シード層をめっき給電層に利用する電解めっき(電解銅めっき)を施し、電解めっき層を形成する。そして、レジスト層を例えばアルカリ性の剥離液にて除去した後、電解めっき層をエッチングマスクとして不要なシード層を除去する。これにより、配線層22が形成される。
【0053】
次に、上述した絶縁層31を形成する工程と配線層22を形成する工程を繰り返し実施することにより、絶縁層32と配線層23を形成する。所定数の配線層と絶縁層とを積層して配線構造体を形成する。
【0054】
次に、配線層23及び絶縁層32の上面に、開口部33aを有するソルダレジスト層33(保護絶縁層)を形成する。
【0055】
ソルダレジスト層33は、例えば、感光性の樹脂フィルムをラミネートし、又は液状やペースト状の樹脂を塗布し、当該樹脂をフォトリソグラフィ法により露光・現像して所要の形状にパターニングすることにより得られる。ソルダレジスト層33の開口部33aにより、配線層23の上面の一部をパッドP1として露出した多層配線層MLを形成する。
【0056】
次に、
図8の多層配線層MLの外面側に接着する支持基材について説明する。
図9(a)に示すように、支持基材40は、絶縁基材から形成され、絶縁基材の一方の面に接着層52と剥離フィルム50とが順に形成されている。支持基材40は、後述する第1例~第4例の支持基材40a~40dの概要図である。支持基材40は、接着層52が配置される上面と、その上面とは反対側の下面とを有する。
【0057】
また、剥離フィルム50の上面から支持基材40の下面まで貫通加工されて、開口部Hが形成されている。開口部Hは、電気特性測定装置のプローブピン(不図示)を、開口部Hを通して多層配線層MLのパッドP1に接触させ、電気的な検査を行うためのプローブ測定用穴となる。
【0058】
そして、
図9(b)に示すように、支持基材40を多層配線層MLに接着する際に、支持基材40から剥離フィルム50を剥離して、接着層52を露出させる。これにより、接着層52付きの支持基材40が得られる。
【0059】
支持基材40では、開口部Hの内壁の高さ方向の途中(中央部)に内部に突出する環状突起Dが形成されている。環状突起Dは、開口部Hの内壁の中央部にリング状に形成される。
【0060】
このように、開口部Hの高さ方向の途中(中央部)の直径Bが、上端の直径A1及び下端の直径A2よりも小さく設定されている。開口部Hでは、上端の位置から中央部の位置になるにつれて直径が小さくなり、中央部の位置から下端の位置になるにつれて直径が大きくなっている。
【0061】
このようにして、一方の面に接着層52が配置された支持基材40を用意する。支持基材40には、多層配線層MLに接着される前に、予め開口部Hが設けられている。
【0062】
次に、支持基材40の好適な具体例(第1例~第4例)について説明する。最初に、第1例の支持基材について説明する。第1例の支持基材の第1の形成方法では、
図10(a)に示すように、まず、樹脂シート43の両面に金属層44が接着された金属積層板7を用意する。
【0063】
第1例の支持基材では、絶縁基材として金属積層板7が使用される。金属層44としては、例えば、銅箔などを用いることができる。
【0064】
次いで、
図10(b)に示すように、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングにより、両面側の金属層44をパターニングして開口部44aをそれぞれ形成する。金属層44の開口部44aは、最終的に得られる開口部Hのサイズ(開口部Hの上端の直径A1)よりも一回り大きなサイズで形成される。その後に、開口部44aが形成された金属層44を黒化処理する。
【0065】
続いて、
図10(c)に示すように、剥離フィルム付き接着層5を用意する。剥離フィルム付き接着層5は、剥離フィルム50とその一方の面に仮接着された接着層52とから形成される。そして、
図11(a)に示すように、剥離フィルム付き接着層5の接着層52の面を金属積層板7の上面に接着する。
【0066】
続いて、
図11(b)に示すように、剥離フィルム付き接着層5が接着された金属積層板7を両面側からレーザ加工することにより、剥離フィルム50の上面から樹脂シート43の下面まで貫通加工する。
【0067】
このとき、金属層44の開口部44aの内側領域に対応する部分の剥離フィルム付き接着層5及び樹脂シート43が貫通加工される。樹脂シート43が貫通加工される部分は、金属層44の開口部44aよりも一回り小さい領域である。
【0068】
金属積層板7の上面側からの加工面と下面側からの加工面とが接することで、金属積層板7の樹脂シート43が貫通加工されて開口部Hが形成される。
【0069】
その後に、
図11(c)に示すように、
図11(b)の積層体から剥離フィルム50を剥離する。このとき、樹脂シート43上の金属層44に接着層52が残される。
【0070】
なお、レーザ加工は、金属積層板7の両面側から同時に行ってもよいし、一方の面側から樹脂シート43の厚みの途中までレーザ加工し、その後に、他方の面側からレーザ加工して貫通加工してもよい。
【0071】
以上により、第1例の接着層52付きの支持基材40aが得られる。第1例の支持基材40aは、樹脂シート43と、樹脂シート43の両面に形成された金属層44とから形成され、上側の金属層44の上に接着層52が接着されている。
【0072】
開口部Hは、接着層52の開口部52aと、両面側の金属層44の開口部44aと、樹脂シート43の貫通穴43aとが連通して形成される。
【0073】
上記した
図11(b)の工程でレーザによって形成される加工穴は、表面から深さが深くなるにつれて直径が小さくなって形成される。このため、
図11(c)のように、開口部H(樹脂シート43の貫通穴43a)は、高さ方向の途中(中央部)の直径Bが上端の直径A1及び下端の直径A2よりも小さくなって形成される。
【0074】
また、前述したように、金属層44の開口部44aは開口部Hの上端の直径A1よりも一回り大きく設定されている。このため、
図11(c)のように、金属層44の開口部44aの直径Cは、樹脂シート43の開口部43aの上端の直径A1及び下端の直径A2よりも大きく設定される。
【0075】
このように、両面側の金属層44の開口部44aの内壁は、樹脂シート43の貫通穴43aの上端及び下端の位置よりも外側に後退した位置に配置される。
【0076】
このため、後述するように、第1例の支持基材40aの開口部Hを通して前述した
図8の多層配線層MLのパッドP1に電気特性測定装置のプローブピンを接触させて電気測定を行う際に、プローブピンが金属層44に接触するおそれがない。
【0077】
また、接着層52の開口部52aの内壁の部分は、レーザ加工時に加熱されるため、収縮後退すると共に、熱硬化して流動性が消失する。このため、後述するように、
図11(c)の支持基材40aを接着層52で
図8の多層配線層MLに接着する際に、接着層52がパッドP1上に流れ込むことが防止される。
【0078】
さらには、接着層52の開口部52aの内壁の周囲の下側領域は、金属層44が外側に後退して空間になっている。このため、接着層52が流出するとしてもその空間に流れて留まるため、パッドP1上に流れにくくなる。
【0079】
次に、第1例の支持基材の第2の形成方法について説明する。
図12(a)に示すように、前述した
図11(a)において、金属積層板7の下面側にも剥離フィルム付き接着層5aを接着して、金属積層板7の両面側に接着層5,5aで剥離フィルム50,50aをそれぞれ接着する。
【0080】
次いで、
図12(b)に示すように、金属積層板7の両面側からレーザ加工することにより、上面側の剥離フィルム50及び接着層52と、樹脂シート43と、下面側の接着層52a及び剥離フィルム50aとを貫通加工する。これにより、開口部Hが形成される。
【0081】
その後に、
図12(c)に示すように、
図12(b)の積層体から上面側の剥離フィルム50を接着層52が残るように剥離し、さらに、下面側の剥離フィルム50a及び接着層52aを剥離する。
【0082】
以上により、前述した
図11(c)と同一構造の第1例の接着層52付き支持基材40aが得られる。
【0083】
第1例の支持基材の第2の形成方法では、金属積層板7の両面側に剥離フィルム50,50aを接着している。このため、レーザで穴あけする際に発生する切粉などの異物が両面側の剥離フィルム50,50aの上に付着するため、両面側の剥離フィルム50,50aを剥離することにより、容易に異物を除去することができる。
【0084】
また、両面側の剥離フィルム50,50aがレーザ光の吸収率を高めるレーザ吸収層として機能するため、前述した
図10(b)の金属層44の黒化処理を省略することができる。
【0085】
第1例の支持基材40aは、一般的なプリント配線板で使用される金属積層板7から形成される。このため、既存のプリント配線板の製造設備を利用して、開口部を備えた剛性の強い支持基材を低コストで形成することができる。
【0086】
次に、第2例の支持基材について説明する。
図13(a)に示すように、第2例の支持基材の形成方法では、前述した第1の形成方法の
図10(c)の工程において、剥離フィルム付き接着層5の接着層52に予め開口部Hよりも一回り大きい開口部52aを形成しておく。
【0087】
そして、
図13(b)に示すように、前述した
図11(a)と同様に、剥離フィルム付き接着層5を金属積層板7に接着する。剥離フィルム付き接着層5の接着層52の開口部52aの直径は、金属積層板7の金属層44の開口部44aの直径とほぼ同じに設定される。
【0088】
次いで、
図14(a)に示すように、前述した
図11(b)と同様に、
図13(b)の積層体を両面側からレーザ加工することにより、開口部Hを形成する。その後に、
図14(b)に示すように、前述した
図11(c)の工程と同様に、樹脂シート43上の金属層44の上に接着層52が残されるように剥離フィルム50を剥離して除去する。
【0089】
以上により、第2例の接着層52付きの支持基材40bが得られる。第2例の支持基材40bでは、接着層52の開口部52aの直径を金属層44の開口部44aの直径とほぼ同じに設定することができる。
【0090】
このため、接着層52の開口部52a及び金属層44の開口部44aの各内壁の位置P1が共に樹脂シート43の貫通穴43aの上端の位置P2から外側に後退して配置される。
【0091】
よって、
図14(b)の第2例の支持基材40bを接着層52で前述した
図8の多層配線層MLに接着する際に、前述した
図11(c)の第1例の支持基材40aよりも接着層52がパッドP1上に流出しにくい構造となる。
【0092】
このように、第2例の支持基材40bでは、剥離フィルム付き接着層5の接着層52に予め開口部52aを形成するため、接着層52の開口部52aの内壁を任意の位置に配置することができる。
【0093】
次に、第3例の支持基材について説明する。第3例の支持基材の形成方法では、
図15(a)に示すように、前述した
図10(a)と同一構造の金属積層板7を用意する。第3例の支持基材の形成方法では、前述した
図10(b)の金属積層板7の金属層44をパターニングする工程が省略され、金属層44がべたパターンのままで使用される。
【0094】
そして、前述した
図11(a)と同様に、剥離フィルム付き接着層5を金属積層板7に接着する。
【0095】
次いで、
図15(b)に示すように、前述した
図11(b)と同様に、
図15(a)の積層体を両面側からレーザ加工することにより、開口部Hを形成する。その後に、
図15(c)に示すように、前述した
図11(c)の工程と同様に、金属積層板7の金属層44の上に接着層52が残されるように剥離フィルム50を剥離して除去する。
【0096】
以上により、第3例の接着層52付きの支持基材40cが得られる。第3例の支持基材40cでは、開口部Hを形成する前に、金属積層板7の金属層44に開口部を形成していない。
【0097】
このため、金属層44の開口部44aの内壁が樹脂シート43の貫通穴43aの内壁の上端とほぼ同じ位置に配置される。金属層44の開口部44aの内壁と樹脂シート43の貫通孔43aの内壁とが連続して配置される。
【0098】
第3例の支持基材40cにおいても、開口部Hの高さ方向の途中(中央部)の直径が開口部Hの上端及び下端の直径よりも小さく設定されるため、電気特性測定装置のプローブピンが金属層44に接触することが防止される。
【0099】
次に、第4例の支持基材について説明する。
図16(a)に示すように、第4例の支持基材の形成方法では、前述した
図10(a)の金属積層板7の代わりに、樹脂シート43を使用する。樹脂シート43は、例えば、金属積層板から金属層を除去した基板が使用される。
【0100】
あるいは、樹脂シート43の代わりに、セラミック板などの絶縁基材を使用してもよい。そして、樹脂シート43の上に剥離フィルム付き接着層5を接着する。
【0101】
次いで、
図16(b)に示すように、前述した
図11(b)同様に、
図16(a)の積層体を両面側からレーザ加工することにより、開口部Hを形成する。
【0102】
このため、接着層52の開口部52aの内壁が樹脂シート43の貫通孔43aの上端とほぼ同じ位置に配置される。接着層52の開口部52aの内壁と樹脂シート43の貫通孔43aの内壁とが連続して配置される。
【0103】
その後に、
図16(c)に示すように、前述した
図11(c)の工程と同様に、樹脂シート43の上に接着層52が残されるように剥離フィルム50を剥離して除去する。
【0104】
以上により、第4例の接着層52付きの支持基材40dが得られる。第4例の支持基材40dでは、金属層が接着されていない樹脂シート43を使用する。このため、開口部Hの内壁に金属層が露出しないため、電気特性測定装置のプローブピンが金属層に接触することを考慮する必要がない。
【0105】
あるいは、他の態様として、金属板から支持基材を形成してもよい。この場合は、例えば、金属板に開口部を形成し、全面を酸化して金属酸化層を形成した後に、開口部が設けられた接着層を金属板に接着する。
【0106】
次に、
図17に示すように、前述した
図8の積層体の上面側の多層配線MLの上に
図9(b)の支持基材40を接着層52によって接着する。また同様に、
図8の積層体の下面側の多層配線MLの下に
図9(b)の支持基材40を接着層52によって接着する。
【0107】
支持基材40は、前述した第1例~第4例の支持基材40a~40dの概要図である。支持基材40の好適な具体例としては、前述した第1例~第4例の支持基材40a~40dのいずれかが使用される。
【0108】
支持基材40の複数の開口部Hは、
図8の多層配線層MLの最外のパッドP1に対応して配置されている。これにより、支持基材40の複数の開口部HにパッドP1がそれぞれ露出した状態となる。
【0109】
このように、予め開口部Hが設けられた支持基材40を接着層52で多層配線層MLに接着している。このため、支持基材40を多層配線層MLに接着した後に、レーザやドルルによって開口部Hを形成する必要がない。
【0110】
よって、レーザによって多層配線層MLのパッドP1の表面に酸化膜が形成されたり、パッドP1の周囲のソルダレジスト層33が除去されたりする不具合が解消される。また、ドリルによって多層配線層MLのパッドP1の表面が損傷するおそれもない。
【0111】
さらに、
図18に示すように、仮基板10の両面側の多層配線層MLの外面に配置された支持基材40の上に接着層62で保護フィルム60をそれぞれ貼り付ける。
【0112】
次いで、
図19に示すように、
図18の積層体の仮基板10の両面側の接着層14と金属層20との界面から剥離する。これにより、仮基板10の両面側から支持基材40及び保護フィルム60で補強された状態で多層配線層MLがそれぞれ得られる。各多層配線層MLは、仮基板10から剥離した面側に金属層20が残された状態で得られる。
【0113】
次いで、
図20に示すように、多層配線層MLから金属層20を除去する、金属層20は硝酸系のウェットエッチング液によってエッチングされて除去される。硝酸系のウェットエッチング液を使用することにより、金属層20をパッドP2(銅)や絶縁層31(樹脂)に対して選択的にエッチングすることができる。
【0114】
その後に、
図21に示すように、保護フィルム60及び接着層62を支持基材40から剥離して除去する。以上により、第1実施形態の配線基板1が得られる。
【0115】
図21に示すように、第1実施形態の配線基板1は、前述した
図8で説明した構造の多層配線層MLを備えている。多層配線層MLでは、最上に絶縁層31とパッドP2(配線層21)とが配置されている。パッドP2が第2パッドの一例である。
【0116】
また、パッドP2の下面と側面が絶縁層31に埋め込まれ、パッドP2の上面が絶縁層31から露出している。パッドP2の上面と絶縁層31の上面とが面一になっている。
【0117】
さらに、絶縁層31の下に配線層22が形成されている。配線層22は絶縁層31に形成されたビアホールVH1内のビア導体を介してパッドP2の下面に接続されている。
【0118】
また、絶縁層32の下にパッドP1(配線層23)が形成されている。パッドP1は絶縁層32に形成されたビアホールVH2内のビア導体を介して配線層22の下面に接続されている。絶縁層32は、下面に配線層が設けられた絶縁層の一例である。また、パッドP1は第1パッドの一例である。
【0119】
また、絶縁層32の下には、パッドP1の下面に開口部33aが配置されたソルダレジスト層33が形成されている。ソルダレジスト層33は保護絶縁層の一例である。
【0120】
ソルダレジスト層33は、絶縁層32の下面を覆うと共に、配線層23の一部をパッドP1として露出する開口部33aを備えている。
【0121】
このように、多層配線層MLは、交互に積層された絶縁層31,32と配線層21,22,23とを有し、上層の絶縁層31及び配線層21の上面が露出されている。多層配線層MLの上層のパッドP2は電子部品を搭載するためのパッドとして使用される。また、多層配線層MLの下層のパッドP1は外部接続端子が接続されるパッドとして使用される。
【0122】
さらに、ソルダレジスト層33の下に接着層52が形成されている。そして、支持基材40が接着層52によってソルダレジスト層33に接着され、ソルダレジスト層33の開口部33aの下に支持基材40の開口部Hが配置されている。支持基材40の開口部Hは、ソルダレジスト層33の開口部33aに連通して配置される。
【0123】
図22(a)及び(b)は、
図21の配線基板1の開口部穴Hの周りの様子を示す部分拡大平面図及び部分拡大平面図である。
【0124】
図22(a)の断面図に示すように、ソルダレジスト層33の開口部33aからパッドP1の中央部が露出しており、パッドP1の周縁部がソルダレジスト層33で被覆されている。
【0125】
ソルダレジスト層33の下に接着層52によって支持基材40が接着されている。ソルダレジスト層33の開口部33aの下に接着層52の開口部52aが配置されている。また、接着層52の開口部52aの下に支持基材40の開口部Hが配置されている。
【0126】
開口部Hの高さ方向の途中(中央部)に、内部に突出する環状突起Dが形成されている。環状突起Dは、開口部Hの内壁にリング状に繋がって形成されている。
【0127】
これにより、
図22(b)の平面図を加えて参照すると、支持基材40の開口部Hの高さ方向の途中の直径Bが開口部Hの上端の直径A1及び下端の直径A2よりも小さく設定されている。
【0128】
図22(a)の例では、開口部Hの高さ方向の途中の位置は、高さ方向の中央部に設定されているが、中央部から上側又は下側にずれた位置であってもよい。
【0129】
また、開口部Hの高さ方向の途中の直径Bがソルダレジスト層33の開口部33aの直径Xよりも小さく設定されている。
【0130】
また、開口部Hの上端の直径A1がソルダレジスト層33の開口部33aの直径Xよりも大きく設定されている。これにより、接着層52の開口部52aの内壁がソルダレジスト層33の開口部33aの内壁よりも外側に後退した位置に配置されている。
【0131】
以上のように、開口部Hの上端の直径A1と、ソルダレジスト層33の開口部33aの直径Xと、開口部Hの高さ方向の途中の直径Bとの関係は、直径A1>直径X>直径Bの関係に設定されている。
【0132】
例えば、直径A1は250μm~300μmであり、直径Xは200μm~250μmであり、直径Bは150~200μmである。
【0133】
このように、支持基材40は、接着層52が配置される上面と、上面とは反対側の下面とを有している。そして、支持基材40の開口部Hの高さ方向の途中の直径Bが、支持基材40の上下面における支持基材40の開口部Hの上下端の直径A1,A2及びソルダレジスト層33(保護絶縁層)の開口部Hの直径Xよりも小さく設定されている。
【0134】
また、前述した支持基材40の形成方法で説明したように、支持基材40を接着層52で多層配線層MLに接着する前の状態で、接着層52の開口部52aの内壁の部分はレーザ加工時の熱によって収縮後退する共に、熱硬化して流動性が消失している。
【0135】
以上のことから、支持基材40を接着層52で多層配線層MLに接着する際に、ソルダレジスト層33の開口部33aから露出するパッドP1と、接着層52とが所定間隔で離れており、かつ、接着層52は流動性が消失した状態となっている。このため、パッドP1上に接着層52が流出することが防止される。
【0136】
また、前述したように、
図11(c)の第1例の支持基材40aを使用する場合は、接着層52の開口部52aの周囲の下側領域が空間になっているため、接着層52が流出するとしてもその空間に流れて溜まるため、パッドP1上に流れにくくなる。
【0137】
上記した空間は、金属層44の開口部44aの内壁と、開口部44aの内壁よりも内側領域に露出する接着層52の下面と、開口部44aの内壁よりも内側領域に露出する樹脂シート43の上面とにより区画される空間領域である。
【0138】
また、好適には、開口部Hの内壁の上端とソルダレジスト層33の開口部33aの内壁との間隔が、支持基材40を接着する際の最大の位置ずれ量よりも大きく設定される。これにより、支持基材40を接着する際に位置ずれが発生するとしても、パッドP1上に接着層52が配置されることが防止される。
【0139】
そして、
図23に示すように、電気特性測定装置のプローブピン6を、開口部Hを通してパッドP1に接触させて、電気特性を測定することにより、各製品領域R2(
図7(b))の良否を判定する。
【0140】
このとき、開口部Hの環状突起Dの位置の直径がソルダレジスト層33の開口部33aの直径よりも小さいため、プローブピン6がずれるとしてもプローブピン6の側面が開口部Hの環状突起Dに当接する。
【0141】
このため、プローブピン6の先端がソルダレジスト層33に突き当たることがなく、プローブピン6によってソルダレジスト層33が破損することが防止される。パッドP1の周囲のソルダレジスト層33が破損すると、パッドP1とはんだバンプとの接続不良や外観不良となる。
【0142】
また、好適には、開口部Hの環状突起Dの先端とソルダレジスト層33の開口部33aの内壁との間隔が、支持基材40を接着する際の最大の位置ずれ量よりも大きく設定される。
【0143】
これにより、支持基材40を接着する際に位置ずれが発生するとしても、平面視で開口部Hの環状突起Dで囲まれた領域にソルダレジスト層33が配置されないため、プローブピン6によるソルダレジスト層33の破損が防止される。
【0144】
このように、第1実施形態の配線基板1では、予め開口部Hが設けられた支持基材40を接着層52で多層配線層MLに接着している。
【0145】
このため、レーザによって多層配線層MLのパッドP1の表面に酸化膜が形成されたり、パッドP1の周囲のソルダレジスト層33が除去されたりする不具合が解消される。また、ドリルによって多層配線層MLのパッドP1の表面が損傷するおそれもない。
【0146】
次に、第1実施形態の配線基板1を使用して電子部品装置を製造する方法について説明する。
図24に示すように、電子部品として半導体チップ70を用意し、
図21の配線基板1の上面側のパッドP2に半導体チップ70の接続端子72をフリップチップ接続する。
【0147】
さらに、半導体チップ70を封止樹脂74で封止する。半導体チップ70と配線基板1との間に封止樹脂74が充填された状態で、半導体チップ70の側面及び上面が封止樹脂74で封止される。
【0148】
次いで、
図25に示すように、配線基板1から支持基材40及び接着層52を剥離して除去することにより、多層配線層MLの最下のソルダレジスト層33の下面を露出させる。さらに、
図26に示すように、ソルダレジスト層33の開口部33a内のパッドP1にはんだボールを搭載し、リフローさせることによりはんだバンプSBを形成する。
【0149】
このとき、前述したように、パッドP1の下面に設計仕様のソルダレジスト層33の開口部33aが配置され、パッドP1の表面に損傷が生じないため、多層配線層MLの複数のパッドP1に均一な高さのはんだバンプSBを信頼性よく形成することができる。
【0150】
その後に、
図27に示すように、前述した
図7(b)の各製品領域R2が得られるように、
図26の積層体を切断することにより、個々の電子部品装置2が得られる。
【0151】
(第2実施形態)
図28~
図32は第2実施形態の配線基板で使用する支持基材を説明するための図、
図33及び
図34は第2実施形態の配線基板を説明するための図である。
【0152】
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、配線基板に使用される支持基材の開口部の断面形状が異なることである。第2実施形態では、第1実施形態と同一要素及び同一工程についてはそれらの説明を省略する。
【0153】
図28(a)に示すように、第2実施形態の配線基板で使用する支持基材41は、前述した第1実施形態の
図9(a)の支持基材40と同様に、絶縁基材から形成され、絶縁基材の一方の面に接着層52と剥離フィルム50とが順に形成されている。
【0154】
また同様に、剥離フィルム50の上面から支持基材41の下面まで貫通加工されて、開口部Hが形成されている。
【0155】
そして、
図28(b)に示すように、支持基材41を多層配線層MLに接着する際に、支持基材41から剥離フィルム50を剥離して、接着層52を露出させる。これにより、接着層52付きの支持基材41が得られる。
【0156】
第2実施形態に係る支持基材41では、開口部Hの下端の直径A2が上端の直径A1よりも小さく設定されている。開口部Hは、断面視において、上端の位置から下端の位置になるにつれて直径が小さくなる順テーパ形成で形成される。支持基材41は、後述する第1例~第4例の支持基材41a~41dの概要図である。
【0157】
図29(a)~(c)には、第1例の支持基材41aの形成方法が示されている。
図29(a)に示すように、前述した第1実施形態の
図10(a)~
図11(a)の工程を遂行することにより、
図11(a)と同一の積層体を用意する。
【0158】
このとき、
図11(c)と同様に、金属層44の開口部44aの内側領域に対応する部分の剥離フィルム付き接着層5及び樹脂シート43が貫通加工される。樹脂シート43が貫通加工される部分は、金属層44の開口部44aよりも一回り小さい領域である。
【0159】
このように、両面側の金属層44の開口部44aの内壁は、樹脂シート43の貫通穴43aの下端の位置よりも外側に後退した位置に配置される。
【0160】
次いで、
図29(b)に示すように、
図29(a)の積層体を剥離フィルム50側からレーザ加工することにより、開口部Hを形成する。その後に、
図29(b)の積層体から接着層52が残されるように剥離フィルム50を剥離する。
【0161】
レーザによって形成される加工穴は、表面から深さが深くなるにつれて直径が小さくなって形成される。このため、
図29(c)のように、
図29(a)の積層体を上面側からレーザで貫通加工する場合は、開口部H(樹脂シート43の貫通穴43a)の下端の直径A2が上端の直径A1よりも小さく設定される。
【0162】
以上により、第1例の接着層52付きの支持基材41aが得られる。
【0163】
図30には第2例の接着層52付きの支持基材41bが示されている。第2例の支持基材41bは、前述した第1実施形態の
図13(a)~
図14(b)の形成方法において、
図14(a)の工程で上面側からレーザ加工することにより、断面視で順テーパ形状の開口部Hが得られる。
【0164】
このとき、
図14(b)と同様に、剥離フィルム付き接着層5の接着層52の開口部52aの直径は、金属積層板7の金属層44の開口部44aの直径とほぼ同じに設定される。
【0165】
このように、接着層52の開口部52a及び金属層44の開口部44aの各内壁の位置が共に樹脂シート43の貫通穴43aの上端の位置から外側に後退して配置される。
【0166】
図31には第3例の接着層付きの支持基材41cが示されている。第3例の支持基材41cは、前述した第1実施形態の
図15(a)~(c)の形成方法において、
図15(b)の工程で上面側からレーザ加工することにより、断面視で順テーパ形状の開口部Hが得られる。
【0167】
このとき、
図15(c)と同様に、金属層44の開口部44aの内壁が樹脂シート43の貫通穴43aの内壁の上端とほぼ同じ位置に配置される。金属層44の開口部44aの内壁と樹脂シート43の貫通穴43aの内壁とが連続して配置される。
【0168】
また、
図32には第4例の接着層52付きの支持基材41dが示されている。第4例の支持基材41dは、前述した第1実施形態の
図16(a)~(c)の形成方法において、
図16(b)の工程で上面側からレーザ加工することにより、断面視で順テーパ形状の開口部Hが得られる。
【0169】
このとき、
図16(c)と同様に、接着層52の開口部52aの内壁が樹脂シート43の貫通穴43aの内壁の上端とほぼ同じ位置に配置される。接着層52の開口部52aの内壁と樹脂シート43の貫通穴43aの内壁とが連続して配置される。
【0170】
そして、
図33に示すように、
図28(b)の支持基材41を使用して、前述した
図17~
図21の工程を遂行することにより、第2実施形態の配線基板1aが得られる。
【0171】
第2実施形態の配線基板1aでは、前述した第1実施形態の
図21の配線基板1と同一の多層配線層MLのソルダレジスト層33の下に
図28(b)の支持基材41が接着層52で接着されている。
【0172】
支持基材41の好適な具体例としては、前述した第1例~第4例の支持基材41a~41dのいずれかが使用される。
【0173】
図34(a)及び(b)は、
図33の配線基板1aの開口部Hの周りの様子を示す部分拡大断面図及び部分拡大平面図である。
【0174】
図34(a)の断面図に示すように、第2配線基板1aは、多層配線層MLの下面側にパッドP1と、パッドP1の下面に開口部33aが配置されたソルダレジスト層33とを備えている。パッドP1は第1パッドの一例であり、ソルダレジスト層33は保護絶縁層の一例である。
【0175】
そして、ソルダレジスト層33の下に接着層52によって支持基材41が接着されている。ソルダレジスト層33の開口部33aの下に接着層52の開口部52aが配置されている。また、接着層52の開口部52aの下に支持基材41の開口部Hが配置されている。
【0176】
図34(b)の平面図を加えて参照すると、支持基材41の下面における開口部Hの下端の直径A2は、支持基材41の上面における上端の直径A1よりも小さく設定されている。開口部Hは、上端の位置から下端の位置になるにつれて直径が小さくなる順テーパ形状で形成されている。
【0177】
また、開口部Hの下端の直径A2は、ソルダレジスト層33の開口部33aの直径Xよりも小さく設定されている。
【0178】
さらに、開口部Hの上端の直径A1は、ソルダレジスト層33の開口部33aの直径Xよりも大きく設定されている。これにより、接着層52の開口部52aの内壁は、ソルダレジスト層33の開口部33aの内壁から外側に後退した位置に配置されている。このように、接着層52の開口部52aの内壁と、ソルダレジスト層33の開口部33aの内壁とが所定の間隔で離れている。
【0179】
開口部Hの上端の直径A1と、ソルダレジスト層33の開口部33aの直径Xと、開口部Hの上端の直径A2との関係は、直径A1>直径X>直径A2の関係となる。
【0180】
例えば、直径A1は250μm~300μmであり、直径Xは200μm~250μmであり、直径A2は150~200μmである。
【0181】
以上により、前述した第1実施形態の
図21の配線基板1と同様に、支持基材41を接着層52で多層配線層MLに接着する際に、パッドP1上に接着層52が流出することが防止される。
【0182】
また同様に、前述した
図23と同様に、開口部Hを通してプローブピン(不図示)をパッドP1に接触させる際に、プローブピンがずれるとしてもプローブピンの側面が開口部Hの下端に当接する。
【0183】
このため、プローブピンの先端がソルダレジスト層33に突き当たることがなく、プローブピンによってソルダレジスト層33が破損することが防止される。
【符号の説明】
【0184】
1,1a…配線基板、2…電子部品装置、5…剥離フィルム付き接着層、6…プローブピン、7…金属積層板、10…仮基板、12,43…樹脂シート、14,52,62…接着層、20,44…金属層、21,22,23…配線層、31,32…絶縁層、33…ソルダレジスト層、33a,44a,52a…開口部、40,41…支持基材、40a,41a…第1例の支持基材、40b,41b…第2例の支持基材、40c,41c…第3例の支持基材、40d,41d…第4例の支持基材、50…剥離フィルム、60…保護フィルム、70…半導体チップ、72…接続端子、74…封止樹脂、P1,P2…パッド、D…環状突起、R1…ブロック領域、R2…製品領域、ML…多層配線層。