IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーエルエー−テンカー コーポレイションの特許一覧

特許7008792実効媒体近似を使用した多層フィルム計測
<>
  • 特許-実効媒体近似を使用した多層フィルム計測 図1A
  • 特許-実効媒体近似を使用した多層フィルム計測 図1B
  • 特許-実効媒体近似を使用した多層フィルム計測 図1C
  • 特許-実効媒体近似を使用した多層フィルム計測 図2
  • 特許-実効媒体近似を使用した多層フィルム計測 図3A
  • 特許-実効媒体近似を使用した多層フィルム計測 図3B
  • 特許-実効媒体近似を使用した多層フィルム計測 図3C
  • 特許-実効媒体近似を使用した多層フィルム計測 図4
  • 特許-実効媒体近似を使用した多層フィルム計測 図5
  • 特許-実効媒体近似を使用した多層フィルム計測 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】実効媒体近似を使用した多層フィルム計測
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/06 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
G01B11/06 Z
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020503865
(86)(22)【出願日】2018-07-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-01
(86)【国際出願番号】 US2018043592
(87)【国際公開番号】W WO2019023292
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】62/536,880
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/040,798
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニール マーク
(72)【発明者】
【氏名】スーシク ミハイル
(72)【発明者】
【氏名】マルコバ ナタリア
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-340789(JP,A)
【文献】特開2004-286468(JP,A)
【文献】特開2005-283502(JP,A)
【文献】特開2001-217291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層フィルムスタックからの照射ビームの反射に基づいて検出信号を生成するように構成された検出器に通信的に結合されたコントローラを備えており、前記多層フィルムスタックが、反復パターンに配置された2つ又はそれ以上の材料組成を有する1つ又はそれ以上のゾーンを含み、前記1つ又はそれ以上のゾーン内の各材料組成の層の数が既知であり、前記コントローラがプログラム指令を実行するように構成された1つ又はそれ以上のプロセッサを含み、前記プログラム指令が前記1つ又はそれ以上のプロセッサに、
前記1つ又はそれ以上のゾーンの実効誘電率値を前記2つ又はそれ以上の材料組成の誘電率値及び前記1つ又はそれ以上のゾーン内の前記2つ又はそれ以上の材料組成の体積比と相関させる実効媒体モデルを使用して、前記多層フィルムスタックの反復層の前記1つ又はそれ以上のゾーンをゾーン厚さ及び実効誘電率値を有する厚いフィルムとしてモデル化することによって、前記多層フィルムスタックによる前記照射ビームの反射を、モデル化させ、
前記実効媒体モデルに基づく検出信号の回帰を使用して前記ゾーン厚さ及び前記体積比を決定させ、
前記2つ又はそれ以上の材料組成の各々を有するフィルム数、前記ゾーン厚さ、前記体積比、及び前記実効誘電率値に基づいて、前記1つ又はそれ以上のゾーン内の前記2つ又はそれ以上の材料組成の平均厚さ値を決定させる、計測システム。
【請求項2】
前記多層フィルムスタックがさらに1つ又はそれ以上の非反復層を含み、前記1つ又はそれ以上のプロセッサがさらに、前記1つ又はそれ以上のプロセッサに、前記実効媒体モデルに基づいた前記検出信号の回帰を使用して前記1つ又はそれ以上の非反復層の厚さの値を決定させるプログラム指令を実行するように構成されている、請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記1つ又はそれ以上の非反復層が、トップ層、ボトム層、又は反復層の2つのゾーンの間の中間層の少なくとも1つを備える、請求項2に記載の計測システム。
【請求項4】
前記実効媒体近似モデルが一軸性フィルムモデルを備える、請求項1に記載の計測システム。
【請求項5】
前記体積比が、常分散に関連した第1のセットの体積比と異常分散に関連した第2のセットの体積比とを備える、請求項4に記載の計測システム。
【請求項6】
前記検出信号が、リフレクトメトリ、スキャタロメトリ、又はエリプソメトリ検出信号のうちの少なくとも一つである、請求項1に記載の計測システム。
【請求項7】
前記照射ビームの照射源が狭帯域照射源である、請求項1に記載の計測システム。
【請求項8】
前記照射ビームの照射源が広帯域照射源である、請求項1に記載の計測システム。
【請求項9】
前記検出器が分光検出器を備えており、前記検出信号が、分光リフレクトメトリ又は分光エリプソメトリ検出信号のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の計測システム。
【請求項10】
前記照射ビームの波長が前記2つ又はそれ以上の反復組成の厚さよりも少なくとも1桁高い、請求項1に記載の計測システム。
【請求項11】
前記照射ビームの波長が、紫外、可視、又は赤外波長のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の計測システム。
【請求項12】
照射ビームを生成するように構成された照射源と、
反復パターンに配置された2つ又はそれ以上の材料組成を有する1つ又はそれ以上のゾーンを含み、前記1つ又はそれ以上のゾーン内の各材料組成の層の数が既知である多層フィルムスタックに、前記照射ビームを向けるように構成された1つ又はそれ以上の照射光学素子と、
前記照射ビームに応答して前記多層フィルムスタックから反射された光を捉えるように構成された1つ又はそれ以上の収集光学素子と、
前記1つ又はそれ以上の収集光学素子によって捉えられた光に基づいて検出信号を生成する検出器と、
前記検出器に通信的に結合されたコントローラと、
を備えており、
前記コントローラがプログラム指令を実行するように構成された1つ又はそれ以上のプロセッサを含み、前記プログラム指令が前記1つ又はそれ以上のプロセッサに、
前記1つ又はそれ以上のゾーンの実効誘電率値を前記2つ又はそれ以上の材料組成の誘電率値及び前記1つ又はそれ以上のゾーン内の前記2つ又はそれ以上の材料組成の体積比と相関させる実効媒体モデルを使用して、前記多層フィルムスタックの反復層の前記1つ又はそれ以上のゾーンをゾーン厚さ及び実効誘電率値を有する厚いフィルムとしてモデル化することによって、前記多層フィルムスタックによる前記照射ビームの反射をモデル化させ、
前記実効媒体モデルに基づく検出信号の回帰を使用して前記ゾーン厚さ及び前記体積比を決定させ、
前記2つ又はそれ以上の材料組成の各々を有するフィルム数、前記ゾーン厚さ、前記体積比、及び前記実効誘電率値に基づいて、前記1つ又はそれ以上のゾーン内の前記2つ又はそれ以上の材料組成の平均厚さ値を決定させる、計測システム。
【請求項13】
前記多層フィルムスタックがさらに1つ又はそれ以上の非反復層を含み、前記1つ又はそれ以上のプロセッサがさらに、前記1つ又はそれ以上のプロセッサに、前記実効媒体モデルに基づいた前記検出信号の回帰を使用して前記1つ又はそれ以上の非反復層の厚さの値を決定させるプログラム指令を実行するように構成されている、請求項12に記載の計測システム。
【請求項14】
前記1つ又はそれ以上の非反復層が、トップ層、ボトム層、又は反復層の2つのゾーンの間の中間層の少なくとも1つを備える、請求項13に記載の計測システム。
【請求項15】
前記実効媒体近似モデルが一軸性フィルムモデルを備える、請求項12に記載の計測システム。
【請求項16】
前記体積比が、常分散に関連した第1のセットの体積比と異常分散に関連した第2のセットの体積比とを備える、請求項15に記載の計測システム。
【請求項17】
前記検出信号が、リフレクトメトリ、スキャタロメトリ、又はエリプソメトリ検出信号のうちの少なくとも一つである、請求項12に記載の計測システム。
【請求項18】
前記照射源が狭帯域照射源である、請求項12に記載の計測システム。
【請求項19】
前記照射源が広帯域照射源である、請求項12に記載の計測システム。
【請求項20】
前記検出器が分光検出器を備えており、前記検出信号が分光リフレクトメトリ又は分光エリプソメトリ検出信号のうちの少なくとも1つである、請求項12に記載の計測システム。
【請求項21】
前記照射ビームの波長が前記2つ又はそれ以上の反復組成の厚さよりも少なくとも1桁高い、請求項12に記載の計測システム。
【請求項22】
前記照射ビームの波長が、紫外、可視、又は赤外波長のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の計測システム。
【請求項23】
多層フィルムの層厚さを決定する方法であって、
反復パターンに配置された2つ又はそれ以上の材料組成を有する1つ又はそれ以上のゾーンを含み、前記1つ又はそれ以上のゾーン内の各材料組成の層の数が既知である多層フィルムスタックから反射された光を測定して、検出信号を生成するステップと、
前記1つ又はそれ以上のゾーンの実効誘電率値を前記2つ又はそれ以上の材料組成の誘電率値及び前記1つ又はそれ以上のゾーン内の前記2つ又はそれ以上の材料組成の体積比と相関させる実効媒体モデルを使用して、前記多層フィルムスタックの反復層の前記1つ又はそれ以上のゾーンをゾーン厚さ及び実効誘電率値を有する厚いフィルムとしてモデル化することによって、前記多層フィルムスタックによる照射ビームの反射をモデル化させるステップと、
前記実効媒体モデルに基づく検出信号の回帰を使用して前記ゾーン厚さ及び前記体積比を決定させるステップと、
前記2つ又はそれ以上の材料組成の各々を有するフィルム数、前記ゾーン厚さ、前記体積比、及び前記実効誘電率値に基づいて、前記1つ又はそれ以上のゾーン内の前記2つ又はそれ以上の材料組成の平均厚さ値を決定させるステップと、
を包含する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的にはフィルム計測に関しており、より具体的には多層フィルムスタックの測定に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連した出願への相互参照)
本出願は、マーク・アレン・ニール、ミハイル・スーシク、及びナタリア・マルコバの名前を発明者として挙げている「実効媒体近似を利用する3Dフラッシュフィルム測定」という名称の2017年7月25日付けで出願された、参照により全体的にここに援用される米国仮特許出願第62/536,880号の35U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張する。
【0003】
製造ラインは典型的に、プロセス変動をモニタして製造が質的な公差の範囲内に留まっていることを保証するために、代表的なサンプル及び/又はサンプル上の位置についての計測測定を組み込む。したがって、計測測定の数、位置、及び頻度を規定する計測レシピは、典型的には、計測測定の精度、代表的な計測測定の数、及び測定スループットをバランスして合理的なタイムフレーム内で所望のレベルの製造精度を達成するように、注意深く設計される。それゆえ計測スループットは、半導体計測システムにおけるクリティカルな考慮事項であって、計測スループットの増加は、半導体プロセスのより厳しいプロセス制御及び/又は増加した全製造スループットを促進し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2014/066679号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
限定されるものではないが三次元(3D)フラッシュメモリデバイスのような多層フィルムスタックは、各層が典型的には直接的に特徴付けられていないので、計測スループットを制限し得る特定のチャレンジを提示する。例えば、多層フィルム計測は典型的には、測定から対象のパラメータ(例えば平均フィルム厚さなど)を抽出するためにモデル化に依存する。それゆえ、効率的な多層計測のためのシステム及び方法が望まれ得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
計測システムが、本開示の1つ又はそれ以上の描写的な実施形態にしたがって開示される。1つの描写的な実施形態では、システムは、多層フィルムスタックからの照射ビームの反射に基づいて検出信号を生成する検出器に結合されたコントローラを含む。他の描写的な実施形態では、多層フィルムスタックが、反復パターンに配置された2つ又はそれ以上の材料組成を有する1つ又はそれ以上のゾーンを含み、1つ又はそれ以上のゾーン内の各材料組成の層の数が既知である。他の描写的な実施形態では、コントローラは、1つ又はそれ以上のゾーンの実効誘電率値を2つ又はそれ以上の材料組成の誘電率値及び1つ又はそれ以上のゾーン内の2つ又はそれ以上の材料組成の体積比と相関する実効媒体モデルを使用して、多層フィルムスタックの反復している層の1つ又はそれ以上のゾーンをゾーン厚さ及び実効誘電率値を有する厚いフィルムとしてモデル化することによって、多層フィルムスタックによる照射ビームの反射をモデル化する。他の描写的な実施形態では、コントローラは、実効媒体モデルに基づく検出信号の回帰を使用して、ゾーン厚さ及び体積比の値を決定する。他の描写的な実施形態では、コントローラは、2つ又はそれ以上の材料組成の各々を有するフィルム数、ゾーン厚さ、体積比、及び実効誘電率値に基づいて、1つ又はそれ以上のゾーン内の2つ又はそれ以上の材料組成の平均厚さ値を決定する。
【0007】
計測システムが、本開示の1つ又はそれ以上の描写的な実施形態に従って開示される。1つの描写的な実施形態では、システムは照射ビームを生成する照射源を含む。他の描写的な実施形態では、システムは、多層フィルムスタックに照射ビームを向けるように構成された1つ又はそれ以上の照射光学素子を含む。他の描写的な実施形態では、多層フィルムスタックが、反復パターンに配置された2つ又はそれ以上の材料組成を有する1つ又はそれ以上のゾーンを含み、1つ又はそれ以上のゾーン内の各材料組成の層の数が既知である。他の描写的な実施形態では、システムは、照射ビームに応答して多層フィルムスタックから反射された光を捉えるように構成された1つ又はそれ以上の収集光学素子を含む。他の描写的な実施形態では、システムは、1つ又はそれ以上の収集光学素子によって捉えられた光に基づいて検出信号を生成する検出器を含む。他の描写的な実施形態では、システムはコントローラを含む。他の描写的な実施形態では、コントローラは、1つ又はそれ以上のゾーンの実効誘電率値を2つ又はそれ以上の材料組成の誘電率値及び1つ又はそれ以上のゾーン内の2つ又はそれ以上の材料組成の体積比と相関する実効媒体モデルを使用して、多層フィルムスタックの反復層の1つ又はそれ以上のゾーンをゾーン厚さ及び実効誘電率値を有する厚いフィルムとしてモデル化することによって、多層フィルムスタックによる照射ビームの反射をモデル化する。他の描写的な実施形態では、コントローラは実効媒体モデルに基づく検出信号の回帰を使用してゾーン厚さ及び体積比の値を決定する。他の描写的な実施形態では、コントローラは、2つ又はそれ以上の材料組成の各々を有するフィルム数、ゾーン厚さ、体積比、及び実効誘電率値に基づいて、1つ又はそれ以上のゾーン内の2つ又はそれ以上の材料組成の平均厚さ値を決定する。
【0008】
多層フィルムの層厚さを決定する方法が、本開示の1つ又はそれ以上の描写的な実施形態にしたがって開示される。1つの描写的な実施形態では、この方法は、多層フィルムスタックから反射された光を測定して検出信号を生成するステップを含む。他の描写的な実施形態では、多層フィルムスタックが反復パターンに配置された2つ又はそれ以上の材料組成を有する1つ又はそれ以上のゾーンを含み、1つ又はそれ以上のゾーン内の各材料組成の層の数が既知である。他の描写的な実施形態では、この方法は、1つ又はそれ以上のゾーンの実効誘電率値を2つ又はそれ以上の材料組成の誘電率値及び1つ又はそれ以上のゾーン内の2つ又はそれ以上の材料組成の体積比と相関する実効媒体モデルを使用して、多層フィルムスタックの反復層の1つ又はそれ以上のゾーンをゾーン厚さ及び実効誘電率値を有する厚いフィルムとしてモデル化することによって、多層フィルムスタックによる光の反射をモデル化するステップを含む。他の描写的な実施形態では、この方法は、実効媒体モデルに基づく検出信号の回帰を使用してゾーン厚さ及び体積比を決定するステップを含む。他の描写的な実施形態では、この方法は、2つ又はそれ以上の材料組成の各々を有するフィルム数、ゾーン厚さ、体積比、及び実効誘電率値に基づいて、1つ又はそれ以上のゾーン内の2つ又はそれ以上の材料組成の平均厚さ値を決定するステップを含む。
【0009】
以上の一般的な記述及び以下の詳細さ記述の両方が、例示的且つ説明的であるのみであって、必ずしも本発明を特許請求されているように制約するものではないことが理解されるべきである。本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は本発明の実施形態を描き、一般的な記述と一緒に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の数多くの利点は、添付の図面を参照することによって、当業者によって、より良く理解され得る。
図1A】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った半導体デバイス製造システムを描く概念図である。
図1B】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った計測ツールを描く概念図である。
図1C】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った単一の照射及び収集光学素子を有して構成された計測ツールを描く概念図である。
図2】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った多層フィルムの層厚さを決定する方法にて実行されるステップを描く流れ図である。
図3A】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った反復フィルム層を含む多層フィルムスタックの側方図である。
図3B】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った反復フィルム層、トップ層、及びボトム層を含む多層フィルムスタックの側方図である。
図3C】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った非反復フィルム層によって分離された反復フィルム層の2つのゾーンを含む多層フィルムスタックの側方図である。
図4】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、シミュレーションされた信号を、公称厚さがそれぞれ300及び300オングストロームである反復する酸化物層及び窒化物層から形成される96対の反復層の単一ゾーンを有する多層フィルムスタックの実効媒体モデルを使用した回帰あてはめと比較するプロットを含む図である。
図5】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、シミュレーションされた信号を、公称厚さがそれぞれ200及び400オングストロームである反復する酸化物層及び窒化物層から形成される96対の反復層の単一ゾーンを有する多層フィルムスタックの実効媒体モデルを使用した回帰あてはめと比較するプロットを含む図である。
図6】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、シミュレーションされた信号を、厚さ10,000オングストロームのトップ酸化物層及び厚さ10,000オングストロームのボトム層と共に、公称厚さがそれぞれ300及び300オングストロームである反復する酸化物層及び窒化物層から形成される96対の反復層の単一ゾーンを有する多層フィルムスタックの実効媒体モデルを使用した回帰あてはめと比較するプロットを含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面に描かれている開示された主題への参照が、ここでは詳細に行われる。本開示は、ある実施形態及びその特定の特徴に関して、特に示され且つ開示される。ここで提示される実施形態は、制約的なものではなく、むしろ描写的であると捉えられる。形式及び詳細における様々な変更及び改変が、本開示の考え及び範囲から逸脱すること無くなされ得ることが、当業者には容易に明らかであるべきである。
【0012】
本開示の実施形態は、実効媒体近似(EMA)モデルによる多層フィルムスタックのモデル化に基づいた、異なるフィルム組成の交互になっている層を有する多層フィルムスタックの計測に向けられている。
【0013】
半導体デバイスにおける多層フィルムスタックは、典型的には、規定された組成の既知の数の反復層を含む。例えば、3Dフラッシュメモリデバイスは、既知のターゲット厚さを有する約100層の交互になった酸化物材料及び窒化物材料を含み得るが、これに限定されるものではない。しかし、製造中のプロセス変動が、限定されるものではないが平均フィルム厚さ又は層の誘電率値のようなフィルムの製造された特性の対応する変動を導き得る。ここで、フィルムスタックの各構成フィルムの特性の直接測定が望まれ得ないか又は実際的であり得ないことがある点が認識される。本開示の付加的な実施形態は、多層フィルムスタックを、実効媒体モデルを使用して実効誘電率を有する単一フィルムとしてモデル化し、その多層フィルムスタックのグローバルな特性を測定し、そのモデル及び測定されたグローバルな特性に基づいて構成層の特性を抽出することに向けられる。
【0014】
本開示の付加的な実施形態は、多層フィルムスタックの反復層を、EMAモデルを使用して、構成材料(例えば酸化物層及び窒化物層)の誘電率値及びフィルムスタック内部の(例えば一連の反復層の内部の)構成材料の体積比を記述する比率指数に基づく実効誘電率を有する単一フィルムとしてモデル化することに向けられる。EMAモデルは、構成層の誘電率値と体積比との間の関係を、構成材料の物理的な分布、局所的な静電効果、又は材料の異方性のような任意の数の要因に基づいて規定し得るが、これらに限定されるものではない。加えて、EMAモデルは、限定されるものではないが、マックスウエル・ガーネットモデル又はブラッジマンモデルのような当該技術で既知の任意のタイプのEMAモデルを含み得る。さらに、EMAモデルは、当該技術で既知のEMAモデルの改変されたバージョンを組み込み得る。
【0015】
多層フィルムスタックは一連の反復層に加えてさらに構成要素を含み得る。例えば、多層フィルムスタックは、1つ又はそれ以上の非反復層(例えばトップ層、ボトム層など)を含み得る。他の例として、多層フィルムスタックは、反復層の複数の事例又はゾーンを含み得る。例えば、多層フィルムスタックは、反復する酸化物層及び窒化物層を含む第1のゾーン、厚い中間層、反復する酸化物層及び窒化物層を含む第2のゾーンなどを含み得る。さらに、反復層の複数のゾーンは同じである必要は無い。これに関して、各ゾーンにおける層の数及び/又は層の組成は、変わっていてもよい。
【0016】
本開示の付加的な実施形態は、多層フィルムスタックによる光の反射率のEMAモデルに基づくモデル化に向けられる。例えば、多層フィルムスタックによる光の反射率は、反復フィルムスタックのゾーンを、EMAモデルに基づく実効指数を有する厚いフィルム、ならびに任意の非反復層とみなすことに基づいて、モデル化され得る。
【0017】
本開示の付加的な実施形態は、多層フィルムスタックのグローバルな特性の測定に向けられる。例えば、多層フィルムスタックの実効誘電率は、限定されるものではないが、リフレクトメトリ又はエリプソメトリのような光学的技法を使用して、多層フィルムスタックから反射される光の特性に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、多層フィルムスタックの特性は、限定されるものではないが、単一波長リフレクトメトリ、単一波長エリプソメトリ、角度分解型リフレクトメトリ、又は角度分解型エリプソメトリのような狭帯域測定に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、多層フィルムスタックの特性は、限定されるものではないが、分光リフレクトメトリ又は分光エリプソメトリのような広帯域(例えば複数波長)測定に基づいて決定され得る。
【0018】
本開示の付加的な実施形態は、回帰分析を適用して、多層フィルムスタックの測定されたグローバルな特性に基づいて多層フィルムスタックのEMAに基づく反射率モデルの未知のパラメータの値を決定することに向けられる。アプリケーションに依存して、EMAモデルに関連付けられたパラメータの任意の組み合わせが、限定されるものではないが、多層フィルムスタックの全厚さ、反復層の任意のゾーンの厚さ、反復層の任意のゾーンにおける組成の体積比、又は構成層のいずれかの誘電率値のような測定されたデータに基づいて、当てはめられ得る。
【0019】
例えば、構成フィルム層の誘電率値は既知であるか又は許容可能な精度要件の範囲内で近似され得るが、製造されたフィルム層の正確な厚さが未知であり得るという場合があり得る。これに関して、フィルム堆積の間のプロセス変動が、堆積されたフィルムの正確な厚さにおける変動を導き得る。したがって、反復層の単一のゾーンの回帰分析は、構成フィルムの誘電率値を独立変数として組み込み得て、多層フィルムスタックの測定された反射率値への当てはめに基づいて、ゾーンの全厚さの値と比率指数とを決定し得る。構成層の平均厚さがそれから、回帰分析によって提供された全厚さ及び比率指数、ならびに、任意のタイプの材料の層の数のようなスタックに関する既知の情報に基づいて、決定され得る。例えば、あるゾーンにおける所与の組成の層の平均厚さ
は、以下のように特徴付けられ得る。
【数1】
ここで、
はそのゾーンの全厚さ、
は層のタイプの数(例えば異なる組成の層)、
は各組成の層の数、及び
はそのゾーン内の各組成に関連した体積比である。さらに、
という制約は、そのゾーンの対象となる層への分割をもたらす。
【0020】
加えて、多層フィルムスタックが反復層の複数のゾーン及び/又は非反復フィルム層(例えばトップ層、中間層、ボトム層など)を含む場合には、回帰分析は、各ゾーン及び/又は各非反復フィルム層に関連した値を別個に当てはめ得る。
【0021】
多層フィルムスタックを実効的な媒体としてモデル化することに基づいて層の厚さの平均値を抽出することが高いスループットの計測を提供し得ることが、ここで認識される。例えば、多層フィルムスタックを実効的な媒体としてモデル化することは、測定されている層の期待されるプロセスウインドウにおける格子化されたサーチを行って構成層の平均厚さを推定することを伴う推定フェーズと、引き続いて個別の層の厚さを求めるソリューションフェーズとを含む直接的なモデル化アプローチに対して、計算時間を実質的に低減し得る。非制約的な例では、実効媒体モデルアプローチは、約100の交互になった酸化物及び窒化物層を有する多層スタックに対する計算時間を、2フェーズの直接モデル化アプローチに対して、精度を低くすること無く約50%低減した。
【0022】
図1Aは、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従った半導体デバイス製造システム100を描いた概念図である。1つの実施形態では、システム100は、多層フィルムスタック104の1つ又はそれ以上の特性を特徴化するように構成された計測ツール102を含む。他の実施形態では、システム100は、計測ツール102に通信的に結合されたコントローラ106を含む。他の実施形態では、コントローラ106は、メモリ媒体110又はメモリ上に維持されたプログラム指令を実行するように構成された1つ又はそれ以上のプロセッサ108を含む。コントローラ106の1つ又はそれ以上のプロセッサ108は、当該技術で既知の任意の処理素子を含み得る。この意味で、1つ又はそれ以上のプロセッサ108は、アルゴリズム及び/又は指令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。さらに、メモリ媒体110は、関連した1つ又はそれ以上のプロセッサ108によって実行可能なプログラム指令を記憶するために適した当該技術で既知の任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ媒体110は、非一時的メモリ媒体を含み得る。付加的な例として、メモリ媒体110は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気的又は光学的メモリデバイス(例えばディスク)、磁気テープ、固体ドライブなどを含み得るが、これらに限定されるものではない。メモリ媒体110が1つ又はそれ以上のプロセッサ108と共通のコントローラハウジングに収容され得ることが、さらに注記される。
【0023】
これに関して、コントローラ106の1つ又はそれ以上のプロセッサ108は、本開示を通して記述される様々なプロセスステップのいずれかを実行し得る。例えば、コントローラ106の1つ又はそれ以上のプロセッサ108は、多層フィルムスタック104のEMAモデルを受領、生成、及び/又は実行し、回帰分析を実行して、EMAモデル及び多層フィルムスタック104に関連した計測ツール102からの測定データに基づいて従属変数の値を決定し得る。
【0024】
図1Bは、本発明の1つ又はそれ以上の実施形態に従った計測ツール102を描いた概念図である。
【0025】
計測ツール102は、多層フィルムスタック104上の計測ターゲットに関連した計測信号を提供するために適した当該技術で既知の任意のタイプの計測システムを含み得る。1つの実施形態では、計測ツール102は、1つ又はそれ以上の波長における計測ターゲットの1つ又はそれ以上の光学的特性(例えば1つ又はそれ以上の分散パラメータなど)を示す信号を提供するように構成される。例えば、計測ツール102は、分光計、1つ又はそれ以上の照射角度を有する分光エリプソメータ、ミューラー行列要素を(例えば回転する補償器を使用して)測定する分光エリプソメータ、単一波長エリプソメータ、角度分解型エリプソメータ(例えばビームプロファイルエリプソメータ)、分光リフレクトメータ、単一波長リフレクトメータ、角度分解型リフレクトメータ(例えばビームプロファイルリフレクトメータ)、イメージングシステム、瞳イメージングシステム、分光イメージングシステム、又はスキャッタロメータを含み得るが、これらに限定されるものではない。1つの実施形態では、計測ツール102は、サンプルの1つ又はそれ以上のイメージの生成に基づいて計測データを測定するイメージに基づく計測ツールを含む。
【0026】
1つの実施形態では、計測ツール102は照射源112を含んで、照射ビーム114を生成する。照射ビーム114は、紫外(UV)放射、可視放射、又は赤外(IR)照射を含む1つ又はそれ以上の選択された波長の光を含み得るが、これらに限定されるものではない。例えば、照射源112は、約600nm~約800nmの範囲の波長を有する照射ビーム114を提供し得るが、それを提供することが求められるものではない。
【0027】
照射源112は、1つ又はそれ以上の狭帯域レーザ源、1つ又はそれ以上の広帯域レーザ源、1つ又はそれ以上のスパーコンティナムレーザ源、1つ又はそれ以上の白色レーザ源などを含み得るが、これらに限定されるものではない。他の実施形態では、照射源112は、レーザ保持プラズマ(LSP)源のようなレーザ駆動光源(LDLS)を含み得るが、これらに限定されるものではない。例えば、照射源112は、LSPランプ、LSP電球、又は、レーザ源によってプラズマ状態に励起されると広帯域照射を発し得る1つ又はそれ以上の要素を含むために適したLSPチャンバを含み得るが、これらに限定されるものではない。これに関して、照射源112は、高いコヒーレンス性(例えば高い空間的コヒーレンス性及び/又は時間的コヒーレンス性)を有する照射ビーム114を提供し得る。他の実施形態では、照射源112はランプ源を含む。他の例として、照射源112はアークランプ、放電ランプ、無電極ランプなどを含み得るが、これらに限定されるものではない。これに関して、照射源112は、低コヒーレンス性(例えば低い空間的コヒーレンス性及び/又は時間的コヒーレンス性)を有する照射ビーム114を提供し得る。
【0028】
他の実施形態では、照射源112はチューナブルな照射ビーム114を提供する。例えば、照射源112は、チューナブルな照射源(例えば1つ又はそれ以上のチューナブルレーザなど)を含み得る。他の例として、照射源112はチューナブルフィルタに結合された広帯域照射源を含み得る。
【0029】
照射源112はさらに、任意の時間的プロファイルを有する照射ビーム114を提供し得る。例えば、照射ビーム114は、連続した時間的プロファイル、変調された時間的プロファイル、パルス的な時間的プロファイルなどを有し得る。
【0030】
他の実施形態では、照射源112は、照射経路116を介して照射ビーム114を多層フィルムスタック104に向けて、且つサンプルから生じた放射を収集経路118を介して収集する。照射経路116は、照射ビーム114を改変し且つ/又はコンディショニングするために適した1つ又はそれ以上のビームコンディショニング構成要素120を含み得る。例えば、1つ又はそれ以上のビームコンディショニング構成要素120は、1つ又はそれ以上の偏光子、1つ又はそれ以上のフィルタ、1つ又はそれ以上のビームスプリッタ、1つ又はそれ以上のディフューザ、1つ又はそれ以上のホモジェナイザ、1つ又はそれ以上のアポダイザ、1つ又はそれ以上のビームシェーパ、1つ又はそれ以上のレンズを含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0031】
他の実施形態では、照射経路116は、第1のフォーカシング素子122を使用して照射ビーム114をサンプルステージ124上に配置された多層フィルムスタック104にフォーカスし得る。他の実施形態では、収集経路118は第2のフォーカシング素子126を含み得て、多層フィルムスタック104からの放射を収集する。
【0032】
他の実施形態では、計測ツール102は、多層フィルムスタック104から生じる放射を収集経路118を通して捉えるように構成された検出器128を含む。例えば、検出器128は、多層フィルムスタック104から(例えば正反射、拡散反射などを介して)反射又は散乱された放射を受け取り得る。他の例として、検出器128は、多層フィルムスタック104によって生成された放射(例えば照射ビーム114の吸収に関連した発光など)を受け取り得る。
【0033】
検出器128は、多層フィルムスタック104から受け取られた照射を測定するために適した当該技術で既知の任意のタイプの光学的検出器を含み得る。例えば、検出器128は、電荷結合素子(CCD)検出器、相補型金属・酸化物・半導体(CMOS)検出器、時間遅れ積分(TDI)検出器、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)などを含み得るが、これらに限定されるものではない。他の実施形態では、検出器128は、多層フィルムスタック104から生成された放射の波長を特定するために適した分光検出器を含み得る。
【0034】
収集経路118はさらに、任意の数の収集ビームコンディショニング素子130を含み得て、限定するものではないが、1つ又はそれ以上のレンズ、1つ又はそれ以上のフィルタ、1つ又はそれ以上の偏光子、又は1つ又はそれ以上の位相板を含む第2のフォーカシング素子126によって収集された照射を指向及び/又は改変する。これに関して、計測ツール102は、限定するものではないが、1つ又はそれ以上の照射角度を有する分光エリプソメータ、ミューラー行列要素を(例えば回転する補償器を使用して)測定する分光エリプソメータ、単一波長エリプソメータ、角度分解型エリプソメータ(例えばビームプロファイルエリプソメータ)、分光リフレクトメータ、単一波長リフレクトメータ、角度分解型リフレクトメータ(例えばビームプロファイルリフレクトメータ)、イメージングシステム、瞳イメージングシステム、分光イメージングシステム、又はスキャッタロメータのような任意のタイプの計測ツールとして構成され得る。
【0035】
さらに図1Bに描かれた計測ツール102は、多層フィルムスタック104の多角度照射、及び/又は(例えば1つ又はそれ以上の付加的な検出器128に結合された)1つより多くの照射源112を容易にし得る。これに関して、計測ツール102は複数の計測測定を実行し得る。他の実施形態では、1つ又はそれ以上の光学要素が、多層フィルムスタック104上の照射ビーム114の入射角度が回転可能アームの位置によって制御され得るように、多層フィルムスタック104の周囲でピボット回転する回転可能アーム(図示されず)に搭載され得る。他の実施形態では、計測ツール102は、計測ツール102による複数の計測測定(例えば複数の計測ツール)を容易にするように、複数の検出器128(例えば1つ又はそれ以上のビームスプリッタによって生成された複数のビーム経路に関連されている)を含み得る。
【0036】
他の実施形態では、図示されていないが、計測ツール102は、多層フィルムスタック104の周囲の雰囲気の組成及び/又は圧力を調整するために適したチャンバを含む。例えば、計測ツール102は、多層フィルムスタック104の周囲の雰囲気の組成及び/又は圧力を調整するために、1つ又はそれ以上のガスタンク、1つ又はそれ以上のバルブ、1つ又はそれ以上のホース、1つ又はそれ以上のポンプ、1つ又はそれ以上の圧力調整器などを含み得る。他の実施形態では、計測ツール102は、多層フィルムスタック104の周囲の雰囲気として、不活性ガス、又は照射源112によって提供される波長に対して実質的に透明なガスを提供するように構成される。
【0037】
図1Cは、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、単一の照射及び収集光学素子を有して構成された計測ツール102を描いた概念図である。1つの実施形態では、計測ツール102は、対物レンズ134が照射ビーム114を多層フィルムスタック104に向けることと多層フィルムスタック104から発生した放射を収集することとを同時に行い得るように方向付けられたビームスプリッタ132を含む。
【0038】
さらに、計測システムは、単一の計測ツール又は複数の計測ツールを含み得る。複数の計測ツールを組み込んだ計測システムは、2011年4月26日付けで発行された「CD変動の高解像度モニタリング」という名称の米国特許第7,933,026号及び2009年1月13日付けで発行された「複数のツール及び構造分析」という名称の米国特許第7,478,019号に一般的に記述されており、その両方が全体として参照によってここに援用される。一次反射光学系に基づくフォーカスドビームエリプソメトリは、1997年3月4日付けで発行された「フォーカスドビーム分光エリプソメトリ方法及びシステム」という名称の米国特許第5,608,526号に一般的に記述されており、その内容は全体として参照によってここに援用される。ジオメトリ光学系によって規定されるサイズを超えた照射スポットの広がりをもたらす光学回折の効果を低減するためのアポダイザの使用は、1999年1月12日付けで発行された「光学的測定及びその他のアプリケーションにてスポットサイズを低減するために有用なアポダイジングフィルタシステム」という名称の米国特許第5,859,424号に一般的に記述されており、その内容は全体として参照によってここに援用される。同時に複数の入射角度の照射を有する高開口ツールの使用は、2002年8月6日付けで発行された「同時に複数の入射角度の照射を有するクリティカルな次元分析」という名称の米国特許第6,429,943号に一般的に記述されており、その内容は全体として参照によってここに援用される。
【0039】
図2は、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、多層フィルムの層厚さを決定するための方法200で実行されるステップを描いた流れ図である。先にここでシステム100に関連して記述された実施形態及び可能にする技法が方法200に拡張されると解釈されるべきであることを、出願人は注記する。しかし、方法200がシステム100の構造に限定されないことも、さらに注記される。
【0040】
1つの実施形態では、方法200は、反復するパターンで配置された2つ又はそれ以上の材料組成を有する1つ又はそれ以上のゾーンを含む多層フィルムスタックから反射された光を測定して検出信号を生成するステップ202を含む。ステップ202は、図1A~1Cに描かれたシステム100を使用して実行され得るが、実行されることが求められるものではない。
【0041】
図3Aは、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、反復フィルム層302(例えば反復層の単一ゾーン)を含む多層フィルムスタック104の側方図である。多層フィルムスタック104は、様々な組成を有する任意の数のフィルムを含み得て、それらは誘電材料(例えば酸化物材料、窒化物材料、フッ化物材料など)、金属、セラミック、又はポリマのようなものであるが、これらに限定されるものではない。1つの実施形態では、反復フィルム層302は、交互のパターンで堆積された第1の組成304及び第2の組成306から形成される。
【0042】
他の実施形態では、各組成のフィルム層はターゲット厚さを有するが、プロセス条件における変動のために、製造された層の厚さはターゲット厚さからずれることがあり得る。したがって、一連の反復層302の全ゾーン厚さ308は、プロセス変動に基づいて変化し得る。例えば、第1の組成304を有するフィルム層は第1のターゲット厚さ310を有し得て、第2の組成306を有するフィルム層は第2のターゲット厚さ312を有し得る。さらに、異なる組成を有するフィルム層は、同じターゲット厚さ又は異なるターゲット厚さを有し得る。
【0043】
非限定な例として、3Dフラッシュメモリデバイスに関連付けられた多層フィルムスタック104は、ターゲット厚さ400オングストロームの酸化物材料及びターゲット厚さ200オングストロームの窒化物材料の96層の対を含み得る。これに関して、第1の組成304は酸化物材料に対応し得て、第1のターゲット厚さ310は400オングストロームに対応し得て、第2の組成306は窒化物材料に対応し得て、第2のターゲット厚さ312は200オングストロームに対応し得る。
【0044】
他の実施形態では、多層フィルムスタック104は付加的な層(例えば非反復層)を含み得て、これはトップ層(例えばキャップ層など)又はボトム層のようなものであるが、これらに限定されるものではない。付加的な層は、反復フィルム層302の材料組成のいずれかから形成され得て、または、付加的な材料組成から形成され得る。さらに、付加的な層は、反復フィルム層302と同じ又は異なるターゲット厚さ(例えば第1のターゲット厚さ310又は第2のターゲット厚さ312)を有し得る。図3Bは、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、反復フィルム層302、トップ層314、及びボトム層316を含む多層フィルムスタック104の側方図である。例えば、図3Bに描かれているように、トップ層314及び/又はボトム層316は、反復フィルム層302と同じ組成から形成され得て、且つ反復フィルム層302の反復パターンをさらに継続し得る。しかし、図3Bにさらに描かれるように、トップ層314及び/又はボトム層316は、反復フィルム層302とは異なる厚さを有し得る。
【0045】
多層フィルムスタック104は、反復フィルム層302及び/又は非反復層の複数の事例又はゾーンを含み得る。図3Cは、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、非反復層によって隔てられた反復層の2つのゾーンを含む多層フィルムスタック104の側方図である。1つの実施形態では、多層フィルムスタック104は、反復層302の第1のゾーン318a及び反復層302の第2のゾーン318bを含む。例えば、図3Cに描かれるように、第1のゾーン318a及び第2のゾーン318bは、第1の組成304及び第2の組成306の交互になった層を含む。
【0046】
しかし、図3Cの反復層302のゾーンの描写が単に描写目的のみのために提供されていて制約的と解釈されるべきではないことが理解されるべきである。フィルムの数、フィルムの順序、フィルムの組成、又はフィルムの厚さのような反復層302の異なるゾーン(例えばゾーン318a及び318b)の特性(これらに限定されるものではない)は、同じであってもよく、又は変わっていてもよい。
【0047】
やはり図3Cに描かれている他の実施形態では、多層フィルムスタック104は、第1のゾーン318aと第2のゾーン318bとの間に中間層320を含む。多層フィルムスタック104は、トップ層314及び/又はボトム層316のような(これらに限定されるものではない)1つ又はそれ以上の付加的な非反復層を追加で含み得る。非反復層(例えば中間層320、トップ層314、ボトム層316など)は、任意の厚さを有し得て且つ任意の組成を有し得る。例えば、非反復層は、反復層302のいずれかとも異なる組成を有し得て、あるいは、反復層のいずれかに対応する組成を有し得る。
【0048】
図3A~3Cに描かれた2つのフィルム組成を交互パターンで含む多層フィルムスタック104の描写が単に描写目的のみのために提供されていて制約的と解釈されるべきではないことが理解されるべきである。先にここで記述されたように、多層フィルムスタック104は、任意の数の層を反復パターンで含み得る。例えば、反復フィルム層302は、3つ又はそれ以上の組成を反復パターンで含み得る。
【0049】
他の実施形態では、反復フィルム層302は基板322上に堆積され得る。例えば、基板322は反復フィルム層302に対する機械的なサポートを提供し得るが、これを提供することが求められるものではない。基板322は任意のタイプの材料であり得て、これは、半導体材料(例えば半導体ウエハなど)、誘電材料、金属、又は有機材料、セラミック、又はポリマのようなものであるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
1つの実施形態では、ステップ202は、リフレクトメトリ又はエリプソメトリの任意の組み合わせを使用して、多層フィルムスタック104(例えば図3A~3Cに描かれているようなものなど)から反射された光を測定するステップを含む。例えば、ステップ202は、1つ又はそれ以上の波長について及び/又は1つ又はそれ以上の照射角度で、入射光強度と反射光強度との間の差を測定するステップを含み得る。さらに、偏光に敏感な測定が、(例えばビームコンディショニング要素120などを介して)入射照射の偏光を制御することによって、及び/又は(例えば収集ビームコンディショニング要素130を介して)反射光の偏光をモニタリングすることによって、実行され得る。
【0051】
実効媒体指数モデルが典型的には、反復層302内部の構成材料のサイズの厚さよりも測定波長が実質的に大きいことを必要とすることが、ここで認識される。したがって、ステップ202における測定に関連した照射の波長(単数又は複数)は、構成層のターゲット厚さ(例えば第1のターゲット厚さ310、第2のターゲット厚さ312など)に基づいて選択され得る。例えば、3Dフラッシュメモリデバイスに関連付けられた多層フィルムスタック104は、約200オングストローム~約400オングストロームの間のターゲット厚さを有する反復フィルム層302を含み得るが、これを含むことが求められるものではない。したがって、多層フィルムスタック104を特徴付けるために適した照射波長は約600nmより大きくなり得るが、これが求められるものではない。これに関して、照射波長は、構成層のターゲット厚さの合計よりも、少なくとも1桁大きくてもよい。
【0052】
他の実施形態では、方法200は、実効媒体モデルを使用して、多層フィルムスタックの反復層の1つ又はそれ以上のゾーンを、ゾーン厚さ(例えばゾーン厚さ308)及び実効誘電率値を有する厚いフィルムとしてモデル化することによって、多層フィルムスタック104による広帯域光の反射をモデル化するステップを含む。例えば、実効媒体モデルは、構成材料層(例えば反復フィルム層302など)の誘電率値を、構成材料層の体積比に基づいて反復層302のゾーンの実効誘電率に相関させる。
【0053】
実効媒体モデルは、反復層302のゾーンの実効誘電率値を、構成材料の物理的レイアウト、局所的な静電効果、偏光可能性、又は材料の異方性を含む(これらに限定されるものではない)要因の任意の組み合わせに基づいて、既知の構成材料組成(例えば第1の組成304、第2の組成306など)の誘電率値に相関させ得る。さらに、実効媒体モデルは、当該技術で既知のマックスウエル・ガーネットモデル又はブラッジマンモデルのような(これらに限定されるものではない)任意の実効媒体モデルの全体の局面又は部分的な局面を組み込み得る。
【0054】
1つの実施形態では、ステップ204の実効媒体モデルは、反復層302のゾーンを空間的に一様で且つ平均的に等方性であると近似し得る。これに関して、反復層302のゾーンは、ステップ202で使用される測定光の波長よりも小さな長さスケールで一様に分布した含有物を有すると考えられ得る。例えば、空間的に一様な球形の含有物を有するホスト材料を想定したマックスウエル・ガーネット実効媒体モデルは、等方性材料としてモデル化され得る。
【0055】
他の実施形態では、ステップ204の実効媒体モデルは、反復層302のゾーンを一軸性の材料として近似し得る。例えば、再び図3A及び3Bを参照すると、基板322に垂直な方向(例えばZ方向)が光軸と考えられ得る。これに関して、反復層302のゾーンは、Z方向に沿って異常屈折率を有し且つX-Y平面に沿った方向については常屈折率を有するとしてモデル化され得る。例えば、2組成ゾーン(例えば図3A~3Cなどに描かれているような)の実効誘電率は、それが必要とされるものではないが、実効誘電率テンソルとして特徴付けられ得る。
【数2】
ここで、
図3A~3Cに描かれた軸に基づくX-Y平面における方向に沿った横方向誘電率であり、
はZ方向に沿った誘電率である。さらに、
及び
の値は、構成材料の誘電率値及び体積比の関数であり得て、それが必要とされるものではないが、以下の表現によって特徴付けられ得る。
【数3】
ここで、
及び
は既知の関数であり、
は構成組成(例えば第1の組成304、第2の組成306など)の誘電率値であり、
はゾーン内の横方向に沿った構成組成の体積比であり、
はゾーン内のZ方向に沿った構成組成の体積比である。さらに、体積比は、異なる方向に沿って別個に(例えば
及び
)制約され得るか、又は、全ての方向に沿って同じである(例えば
)ように制約され得る。一般的な意味で、反復層の所与のゾーンの特定の形状的及び静電的考慮に基づいて、任意の実効媒体近似がステップ204で具現化され得る。加えて、異なるゾーンは異なる実効媒体近似技法を使用してモデル化され得るが、それが必要とされるものではない。
【0056】
他の実施形態では、ステップ204は、多層フィルムスタック104による光の反射をモデル化して、ステップ202の測定された検出信号、実効媒体モデルに基づいて厚いフィルムとしての反復層の1つ又はそれ以上のゾーン、及び任意の非反復層(例えばトップ層314、ボトム層316、中間層320など)の間の関係を提供するステップを含む。例えば、多層フィルムスタック104による光の反射のモデルは、多層フィルムスタック104からの光の反射を多層フィルムスタック104の光学的特性に相関する当該技術で既知の任意のリフレクトメトリ又はエリプソメトリモデルに基づき得る。
【0057】
さらに、多層フィルムスタック104の構成材料の誘電率値(及び対応する屈折率値)は、当該技術で既知の任意の分散モデルを使用してモデル化され得る。1つの実施形態では、誘電率値は波長に依存しない値としてモデル化され得る。他の実施形態では、誘電率値は波長の関数として変化し得る。例えば、対象の波長(例えばステップ202の検出信号を生成するために使用される照射源112に関連付けられた波長など)に対する誘電率値は、実験データに基づき得る。他の例として、対象の波長に対する誘電率値は、限定されるものではないがコーシー等式又はセルミエール等式のような波長と屈折率(誘電率に直接的に関係している)との間の経験的な関係に基づいて表現され得る。他の例として、対象の波長についての誘電率値は、限定されるものではないが、ローレンツモデル、タウツ・ローレンツモデルなどのような分析的分散モデルを使用して表現され得る。さらに、分散は任意の複合モデルを使用して表現され得るが、表現されることを要求されるものではない。
【0058】
他の例では、ゾーン厚さ及び体積比の値を実効媒体モデルに基づいて検出信号の回帰を使用して決定するステップ206を含む。例えば、回帰分析は、ステップ204の実効媒体近似に基づいて反復層302の各ゾーンによる光の反射のモデルに対する最も良い「あてはめ」を提供するゾーン厚さ(例えば図3A~3Bのゾーン厚さ308など)及び体積比
の値を決定するために適用され得る。これに関して、ゾーン厚さ及び体積比
は回帰分析における未知の変数として提供され得て、構成材料の誘電率値は独立変数として提供され得る。さらに、ステップ206の回帰は、任意の非反復層(例えばトップ層314、ボトム層316、中間層320など)の未知値(例えば厚さなど)の最良の「あてはめ」を提供するために使用され得る。
【0059】
他の実施形態では、方法200は、構成材料の組成の各々の既知の数のフィルム、ゾーン厚さ、体積比、及び各ゾーンに対する実効誘電率値に基づいて、反復層302のゾーン内の構成材料組成の平均厚さ値を決定するステップ208を含む。例えば、構成材料組成の平均厚さ値は、ステップ206における回帰によって決定されたゾーン厚さ308及び体積比に基づいて、式(1)を使用して決定され得る。
【0060】
ここで図4~6を参照して、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った方法200の適用が記述される。1つの実施形態では、多層フィルムスタック104は、図3A及び3Bに描かれたようなシリコン基板322上の酸化物及び窒化物の反復フィルム層302の96対の単一ゾーンを含む。例えば、第1の組成304は酸化物材料であり、第2の組成306は窒化物材料である。
【0061】
図4~6に描かれた例では、多層フィルムスタック104は、誘電率が式(2)に従ってモデル化された一軸材料としてモデル化される。さらに、酸化物及び窒化物層の体積比は、以下のように制約された。
【数4】
これに関して、ゾーン厚さ(例えばゾーン厚さ308)とともに酸化物についての体積比(
及び
)は、方法200のステップ206における回帰分析にて未知の変数としてフロートされた。酸化物及び窒化物層の平均厚さ値がそれから、式(1)に基づくZ方向に沿った体積比に基づいて決定された。
【0062】
図4は、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、シミュレーションされた信号を、公称厚さがそれぞれ300及び300オングストロームである反復する酸化物層及び窒化物層から形成される96対の反復層302の単一ゾーンを有する多層フィルムスタック104の実効媒体モデルを使用した回帰あてはめと比較するプロットを含む図である。これに関して、多層フィルムスタック104は、57,600オングストロームの公称ゾーン厚さ308を有して図3Aに従って設計される。プロット402は、多層フィルムスタック104の実効媒体モデルに基づいた600nm~800nmの波長範囲に対する分光エリプソメトリ測定に関連付けられた(例えばステップ202におけるものに関連付けられた)シミュレーションされたエリプソメトリ信号404、及び回帰あてはめ信号406(例えばステップ206に関連付けられた)を含む。プロット408は、対応するエリプソメトリ誤差信号410及び1σ雑音モデル信号412を含む。プロット414は、多層フィルムスタック104の実効媒体モデルに基づいた600nm~800nmの範囲に対する分光リフレクトメトリ測定に関連付けられた(例えばステップ202における)シミュレーションされたリフレクトメトリ信号416、及び回帰あてはめ信号418を含む。プロット420は、対応するリフレクトメトリ誤差信号422及び1σ雑音モデル信号424を含む。
【0063】
EMAモデル(例えばステップ204に関連付けられた)において、酸化物及び窒化物材料の誘電率値は、波長に依存しない屈折率値1.5及び2.0にそれぞれ基づいてモデル化された。それからステップ206の回帰分析が、Z方向に沿った体積比
が0.502であり、ゾーン厚さ308が57,608オングストロームであると決定した。ステップ208で、酸化物及び窒化物層の平均厚さが、これらの値に基づいてそれぞれ301.25オングストローム及び298.85オングストロームであると決定された。方法200を使用した厚さの決定に関連した対応する誤差は、それぞれ酸化物層に対して0.4%、窒化物層に対して-0.4%であった。
【0064】
図5は、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、シミュレーションされた信号を、公称厚さがそれぞれ200及び400オングストロームである反復する酸化物層及び窒化物層から形成される96対の反復層の単一ゾーンを有する多層フィルムスタック104の実効媒体モデルを使用した回帰あてはめと比較するプロットを含む図である。これに関して、多層フィルムスタック104は、57,600オングストロームの公称ゾーン厚さ308を有して図3Aに従って設計される。プロット502は、多層フィルムスタック104の実効媒体モデルに基づいた600nm~800nmの波長範囲に対する分光エリプソメトリ測定に関連付けられた(例えばステップ202におけるものに関連付けられた)シミュレーションされたエリプソメトリ信号504、及び回帰あてはめ信号506(例えばステップ206に関連付けられた)を含む。プロット508は、対応するエリプソメトリ誤差信号510及び1σ雑音モデル信号512を含む。プロット514は、多層フィルムスタック104の実効媒体モデルに基づいた600nm~800nmの範囲に対する分光リフレクトメトリ測定に関連付けられた(例えばステップ202における)シミュレーションされたリフレクトメトリ信号516、及び回帰あてはめ信号518を含む。プロット520は、対応するリフレクトメトリ誤差信号522及び1σ雑音モデル信号524を含む。
【0065】
EMAモデル(例えばステップ204に関連付けられた)において、酸化物及び窒化物材料の誘電率値は、波長に依存した複合分析的分散モデルに基づいてモデル化された。それからステップ206の回帰分析が、Z方向に沿った体積比
が0.331であり、ゾーン厚さ308が57,543オングストロームであると決定した。ステップ208で、酸化物及び窒化物層の平均厚さは、これらの値に基づいてそれぞれ198.56オングストローム及び400.85オングストロームであると決定された。方法200を使用した厚さの決定に関連した対応する誤差は、それぞれ酸化物層に対して-0.7%、窒化物層に対して0.2%であった。
【0066】
図6は、本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、シミュレーションされた信号を、厚さ10,000オングストロームのトップ酸化物層及び厚さ10,000オングストロームのボトム層と共に、公称厚さがそれぞれ300及び300オングストロームである反復する酸化物層及び窒化物層から形成される96対の反復層の単一ゾーンを有する多層フィルムスタック104の実効媒体モデルを使用した回帰あてはめと比較するプロットを含む図である。これに関して、多層フィルムスタック104は、57,600オングストロームの公称ゾーン厚さ308を有して図3Bに従って設計される。プロット602は、多層フィルムスタック104の実効媒体モデルに基づいた600nm~800nmの波長範囲に対する分光エリプソメトリ測定に関連付けられた(例えばステップ202におけるものに関連付けられた)シミュレーションされたエリプソメトリ信号604、及び回帰あてはめ信号606(例えばステップ206に関連付けられた)を含む。プロット608は、対応するエリプソメトリ誤差信号610及び1σ雑音モデル信号612を含む。プロット614は、多層フィルムスタック104の実効媒体モデルに基づいた600nm~800nmの範囲に対する分光リフレクトメトリ測定に関連付けられた(例えばステップ202における)シミュレーションされたリフレクトメトリ信号616、及び回帰あてはめ信号618を含む。プロット620は、対応するリフレクトメトリ誤差信号622及び1σ雑音モデル信号624を含む。
【0067】
EMAモデル(例えばステップ204に関連付けられた)において、酸化物及び窒化物材料の誘電率値は、波長に依存した複合分析的分散モデルに基づいてモデル化された。ステップ206の回帰分析において、ゾーン厚さ308、トップ層の314の厚さ、ボトム層316の厚さ、及びZ方向及びX-Y方向に沿った酸化物材料の体積比が、未知の変数としてフロートされた。結果として得られた分析は、Z方向に沿った酸化物の体積比
が0.331であり、ゾーン厚さ308が57,543オングストロームであると決定した。ステップ208で、酸化物及び窒化物層の平均厚さは、これらの値に基づいてそれぞれ297.68オングストローム及び299.68オングストロームであると決定された。方法200を使用した厚さの決定に関連した対応する誤差は、それぞれ酸化物層に対して-0.8%、窒化物層に対して-0.1%であった。さらに、トップ層の厚さが誤差1.36%で10,136オングストロームであり、ボトム層の厚さが誤差1.32%で10,132オングストロームであると決定された。
【0068】
ここで記述された主題は時々、他の構成要素に含まれるか又は接続された異なる構成要素を描く。そのような描かれたアーキテクチュアは単に例示的であり、実際に同じ機能を達成する多くの他のアーキテクチュアが具現化されることができることが、理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能を達成する構成要素の任意の組み合わせは、所望の機能が達成されるように有効に「関連付け」られる。これより、特定の機能を達成するようにここで組み合わされた任意の2つの構成要素は、アーキテクチュア又は中間構成要素に関わらず、所望の機能が達成されるようにお互いに「関連付けられた」とみなされることができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素もまた、所望の機能が達成されるようにお互いに「接続」又は「結合」されているとみなされることができ、そのように関連付けられることができる任意の2つの構成要素もまた、所望の機能が達成されるようにお互いに「接続可能」又は「結合可能」であるとみなされることができる。結合可能な特定の例は、物理的に相互作用可能な及び/又は物理的に相互作用している構成要素、及び/又はワイヤレスに相互作用可能な及び/又はワイヤレスに相互作用している構成要素、及び/又は論理的に相互作用可能な及び/又は論理的に相互作用している構成要素を含むが、これらに限定されるものではない。
【0069】
本開示及びその従属した効果の多くが前述の記述によって理解されて、様々な変化が、開示された主題から逸脱することなく又はその材料の効果の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、製造、及び配置についてなされ得ることが明らかであると、信じられる。記述された形態は単に例示的なものであり、そのような変化を包含し且つ含むことが、以下の特許請求項の意図である。さらに、本発明が添付の特許請求項によって規定されることが理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6