(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】ファクトリインターフェースチャンバのフィルタパージを用いた基板処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20220118BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
H01L21/02 D
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2020544466
(86)(22)【出願日】2019-02-12
(86)【国際出願番号】 US2019017637
(87)【国際公開番号】W WO2019168662
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2020-11-20
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ライス, マイケル アール.
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-538291(JP,A)
【文献】特開2004-311966(JP,A)
【文献】特開2004-311940(JP,A)
【文献】特開2015-115517(JP,A)
【文献】特表2008-521261(JP,A)
【文献】特表2016-527732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/67
H01L 21/68
H01L 21/31
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファクトリインターフェース装置であって、
ファクトリインターフェースチャンバを形成する複数の壁であって、
1又は複数の基板キャリアをドッキングするように構成された1又は複数のロードポートを有する第1の壁と、
前記ファクトリインターフェースチャンバへの作業員のアクセスを容易にするように構成されたアクセスドアを含む第2の壁と、を備える、複数の壁と、
前記ファクトリインターフェースチャンバに連結され、前記ファクトリインターフェースチャンバを介した基板の移送中に、前記ファクトリインターフェースチャンバ内の1又は複数の環境条件を制御するためにパージガスを供給するように構成された環境制御システムと、
前記ファクトリインターフェースチャンバに提供されるパージガスをフィルタ処理するように構成されたチャンバフィルタと、
周囲空気による前記チャンバフィルタの水分汚染を最小限に抑えるために、前記アクセスドアが開いているときに
、前記アクセスドアの上流に配置された前記チャンバフィルタの上流に位置する前記ファクトリインターフェースチャンバの一部にフラッシングガスを連続的に供給するように構成されたフィルタパージ装置と
を備え、前記フィルタパージ装置は、前記アクセスドアを介した前記ファクトリインターフェースチャンバへの作業員のアクセス、又は前記ファクトリインターフェースチャンバの制御された環境を損なう前記ファクトリインターフェースチャンバの他の開きに伴って前記フラッシングガスを供給するように構成されている、ファクトリインターフェース装置。
【請求項2】
前記フラッシングガスがクリーンドライエアである、請求項1に記載のファクトリインターフェース装置。
【請求項3】
前記パージガスが不活性ガスであり、前記フラッシングガスがクリーンドライエアである、請求項1に記載のファクトリインターフェース装置。
【請求項4】
前記ファクトリインターフェースチャンバの前記一部がプレナムチャンバを備え、前記チャンバフィルタが、前記プレナムチャンバを、基板が貫通する前記ファクトリインターフェースチャンバの第2の部分から分離する、請求項1に記載のファクトリインターフェース装置。
【請求項5】
前記フラッシングガスが、室温において10%未満の相対湿度レベルを有するクリーンドライエアを含む、請求項1に記載のファクトリインターフェース装置。
【請求項6】
前記ファクトリインターフェースチャンバの前記一部がプレナムチャンバを備え、前記フィルタパージ装置は、クリーンドライエア供給源とプレナムチャンバとの間に連結されたバルブを備え、前記バルブは、前記チャンバフィルタへの前記フラッシングガスの流れを制御するように構成される、請求項1に記載のファクトリインターフェース装置。
【請求項7】
前記ファクトリインターフェースチャンバの前記一部がプレナムチャンバを備え、前記ファクトリインターフェース装置はさらに、前記アクセスドアが開かれる前に、前記チャンバフィルタの上流に位置する前記プレナムチャンバへの前記フラッシングガスの流れを開くための制御信号を提供するように構成されたコントローラを備える、請求項1に記載のファクトリインターフェース装置。
【請求項8】
前記環境制御システムは、
前記ファクトリインターフェースチャンバ内の
相対湿度レベル、
O
2の量、
温度、
不活性ガスの量、
クリーンドライエアの量、又は
汚染化学物質の量、
の1つ又は複数を含む、前記ファクトリインターフェースチャンバ内の前記1又は複数の環境条件を制御するように構成される、請求項1に記載のファクトリインターフェース装置。
【請求項9】
前記パージガスが、アルゴンガス、N
2ガス、及びヘリウムガスの群から選択される不活性ガスを含む、請求項1に記載のファクトリインターフェース装置。
【請求項10】
前記パージガスがクリーンドライエアを含む、請求項1に記載のファクトリインターフェース装置。
【請求項11】
チャンバフィルタパージ装置であって、
ファクトリインターフェースチャンバへの作業員のアクセスを容易にするように構成されたアクセスドアを含む、ファクトリインターフェースチャンバと
、
前記ファクトリインターフェースチャンバに提供されるパージガスをフィルタ処理するように構成されたチャンバフィルタと
、
周囲空気からの前記チャンバフィルタの水分汚染を最小限に抑えるために、前記アクセスドアが開いているときに
、前記アクセスドアの上流に配置された前記チャンバフィルタの上流に位置する前記ファクトリインターフェースチャンバの一部にフラッシングガスを連続的に供給するように構成されたフィルタパージ装置と
を備え、前記フィルタパージ装置は、前記アクセスドアを介した前記ファクトリインターフェースチャンバへの作業員のアクセス、又は前記ファクトリインターフェースチャンバの制御された環境を損なう前記ファクトリインターフェースチャンバの他の開きに伴って前記フラッシングガスを供給するように構成されている、チャンバフィルタパージ装置。
【請求項12】
前記フラッシングガスが、室温において10%未満の相対湿度レベルを有するクリーンドライエアを含む、請求項11に記載のチャンバフィルタパージ装置。
【請求項13】
前記ファクトリインターフェースチャンバの前記一部が、前記チャンバフィルタの上流に位置し、且つクリーンドライエア供給源から前記フラッシングガスを受け入れるように構成されたプレナムチャンバを備える、請求項11に記載のチャンバフィルタパージ装置。
【請求項14】
パージ制御方法であって、
ファクトリインターフェースチャンバへの作業員のアクセスを提供するように構成されたアクセスドアを有する前記ファクトリインターフェースチャンバを提供することと、
前記ファクトリインターフェースチャンバに供給されるパージガスの流れをフィルタ処理するように構成されたチャンバフィルタを提供することと、
周囲空気による前記チャンバフィルタの水分汚染を最小限に抑えるために、前記アクセスドアが開いているときに
、前記アクセスドアの上流に配置された前記チャンバフィルタの上流に位置する前記ファクトリインターフェースチャンバの一部にフラッシングガスを連続的に供給することと
を含み、前記フラッシングガスは、前記アクセスドアを介した前記ファクトリインターフェースチャンバへの作業員のアクセス、又は前記ファクトリインターフェースチャンバの制御された環境を損なう前記ファクトリインターフェースチャンバの他の開きに伴って供給される、方法。
【請求項15】
前記チャンバフィルタの上流に位置する前記ファクトリインターフェースチャンバの一部にフラッシングガスを供給することが、前記アクセスドアが閉じるまで続く、請求項14に記載のパージ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[001]本出願は、2018年2月27日に出願された「ファクトリインターフェースチャンバのフィルタパージを用いた基板処理装置及び方法」(代理人整理番号第44014871US01号)と題する米国非仮出願第15/905,959号の優先権を主張するものであり、あらゆる目的のためにその全体が参照することにより本書に組み込まれる。
【0002】
[002]実施形態は、電子デバイスの製造に関し、より詳細には、環境制御を含むファクトリインターフェース装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[003]半導体構成要素の製造における基板の処理は、プロセスツールで実行される。基板は、ツールのファクトリインターフェース(別称「機器フロントエンドモジュール(EFEM)」と呼ばれる)にドッキングできる基板キャリア(前方開口型統一ポッド又はFOUP等)のプロセスツール間を移動する。ファクトリインターフェースは、ファクトリインターフェースにドッキングされたそれぞれのFOUPと1又は複数のプロセスチャンバとの間で基板を移送するように動作可能なロード/アンロードロボットを含み得るファクトリインターフェースチャンバを含む。幾つかの真空ツールでは、基板は、基板キャリアからファクトリインターフェースチャンバを通してロードロックに送られ、そこから処理用の処理チャンバに送られる。
【0004】
[004]最近、半導体処理産業において、パージガス(例えば、不活性ガス)をファクトリインターフェースチャンバ又はウエハFOUPに供給すること等により、ファクトリインターフェース内の環境を制御する動きがあった。ただし、このようなシステムでは性能の問題が発生する可能性がある。
【0005】
[005]したがって、改善された機能を有するファクトリインターフェース装置及びファクトリインターフェース操作方法が所望される。
【発明の概要】
【0006】
[006]一態様では、ファクトリインターフェース装置が提供される。ファクトリインターフェース装置は、1又は複数の基板キャリアをドッキングするように構成された1又は複数のロードポートを有する第1の壁と、ファクトリインターフェースチャンバを形成する追加の壁であって、壁の少なくとも1つは、ファクトリインターフェースチャンバへの作業員のアクセスを容易にするように構成されたアクセスドアを含む、ファクトリインターフェースチャンバを形成する追加の壁と、ファクトリインターフェースチャンバに連結され、ファクトリインターフェースチャンバを介した基板の移送中に、ファクトリインターフェースチャンバ内の1又は複数の環境条件を制御するためにパージガスを供給するように構成された環境制御システムと、ファクトリインターフェースチャンバに提供されるパージガスをフィルタ処理するように構成されたチャンバフィルタと、周囲空気によるチャンバフィルタの水分汚染を最小限に抑えるために、アクセスドアが開いているときにチャンバフィルタにフラッシングガスを供給するように構成されたフィルタパージ装置とを含む。
【0007】
[007]別の態様では、チャンバフィルタパージ装置が提供される。チャンバフィルタパージ装置は、アクセスドアを含むファクトリインターフェースチャンバと、ファクトリインターフェースチャンバに提供されるパージガスをフィルタ処理するように構成されたチャンバフィルタと、周囲空気からのチャンバフィルタの水分汚染を最小限に抑えるために、アクセスドアが開いているときにチャンバフィルタにフラッシングガスを供給するように構成されたフィルタパージ装置とを含む。
【0008】
[008]方法の態様では、パージ制御方法が提供される。パージ制御方法は、
ファクトリインターフェースチャンバへの作業員のアクセスを提供するように構成されたアクセスドアを有するファクトリインターフェースチャンバを提供することと、ファクトリインターフェースチャンバに供給されるパージガスの流れをフィルタ処理するように構成されたチャンバフィルタを提供することと、周囲空気によるチャンバフィルタの水分汚染を最小限に抑えるために、アクセスドアが開いているときにチャンバフィルタにフラッシングガスを供給することとを含む。
【0009】
[009]本開示のこれら及び他の実施形態に従って、多数の他の態様が提供される。本開示の実施形態の他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明、添付の図面、及び特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。
【0010】
[0010]以下に説明する図面は、例示のみを目的としており、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。図面は、決して本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】1又は複数の実施形態に係る、ファクトリインターフェースチャンバの環境制御を含み、ファクトリインターフェースチャンバのフィルタパージ機能を含む、電子デバイス処理装置を示す概略上面図である。
【
図2】1又は複数の実施形態に係る、ファクトリインターフェースチャンバのフィルタパージ機能を含む電子デバイス処理装置を示す第1の部分断面側面図である。
【
図3】1又は複数の実施形態に係る、ファクトリインターフェースチャンバのフィルタパージ機能を含む電子デバイス処理装置の別の部分断面側面図を示す。
【
図4】1又は複数の実施形態によるパージ制御方法を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0015]次に、添付の図面に示す例示的な実施形態を詳細に参照する。可能な限り、幾つかの図を通して同じ又は同様の部分を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。本書に記載の様々な実施形態の特徴は、特に他に記載がない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0013】
[0016]既存の電子デバイス製造システムでは、高い相対湿度レベル、高レベルの酸素(O2)、他の高レベルの汚染化学物質、高すぎる温度、又は他の環境要因が観察されると、問題が発生する場合がある。特に、比較的高いレベルの湿度、比較的高いレベルのO2、又はその他の汚染化学物質や微粒子に基板を曝すと、基板の特性に悪影響を与える可能性がある。
【0014】
[0017]したがって、特定の電子デバイス処理装置は、ファクトリインターフェースチャンバを通過するときに基板が曝される環境条件を制御することによって、基板の処理における効率及び/又は処理の改善を提供する。ファクトリインターフェースは、その壁にドッキングされた(例えば、その前壁にドッキングされた)1又は複数の基板キャリアから基板を受け取り、ロード/アンロードロボットは、処理のためにファクトリインターフェースの別の壁(例えば、その後壁)にある別の開口部(例えば、1つ又は複数のロードロック)に基板を供給し得る。このような環境制御を有するファクトリインターフェースでは、パージガス(アルゴン(Ar)、窒素(N2)、ヘリウム(He)等)を使用して、ファクトリインターフェースチャンバから空気、水分、及び/又は汚染物質をパージし得る。
【0015】
[0018]1又は複数の環境パラメータ(例えば、相対湿度、温度、O2の量、不活性ガスの量、又は汚染化学物質の量)は、パージガスの供給によってモニタ及び制御することができ、ファクトリインターフェース壁にドッキングされたそれぞれのFOUPの開放は、ファクトリインターフェースチャンバ内の環境に関する特定の事前条件が満たされるまで遅延させることができる。
【0016】
[0019]しかしながら、時々、ファクトリインターフェースチャンバは、ロードポートドアオープナ、ロード/アンロードロボット、スリットバルブ等のようなファクトリインターフェースチャンバ内の様々な構成要素を整備するために整備作業員によってアクセスされ得る。そのような場合、整備作業員が整備を実施できるように、ファクトリインターフェースチャンバへのアクセスドアが開けられる。上記整備の合間は、パージガスの流れは止められる。
【0017】
[0020]その結果、本発明者らは、パージガスから微粒子をフィルタ処理するように構成されたチャンバフィルタがこれらの整備の合間に、アクセスドアが開いたことが原因でファクトリインターフェースに存在する(ある場合には、室温(RT)において40%程度の高さの相対湿度の)水分を含む工場環境からの周囲空気のために、水分で汚染される可能性があることを発見した。
【0018】
[0021]上記の問題の1つ又は複数、特に、チャンバフィルタの水分汚染を改善するために、ファクトリインターフェース装置、ファクトリインターフェースパージ装置、及びパージ制御方法が、本開示によって提供される。
【0019】
[0022]例示的なファクトリインターフェース装置、ファクトリインターフェースパージ装置、及びパージ制御方法のさらなる詳細を、本明細書の
図1~4を参照して説明する。
【0020】
[0023]
図1~
図3に、本開示の1又は複数の実施形態に係る電子デバイス処理装置100の例示的な実施形態の概略図を示す。電子デバイス処理装置100は、基板245を処理するように構成された処理部101を含み得る。処理部101は、移送チャンバ102を画定するハウジング壁を有するメインフレームハウジングを含み得る。移送ロボット104(
図1では点線の円として示す)は、移送チャンバ102内に少なくとも部分的に収容され得る。移送ロボット104は、その動作を介して基板245をプロセスチャンバ106A~106Fへ配置、又はそこから取り出すように構成及び適合され得る。本明細書で使用される基板は、シリカ含有ディスク又はウエハ、パターニング又はマスク処理されたウエハ、ガラス板等の電子デバイス又は回路構成要素を作製するために使用される物品を意味するものとする。
【0021】
[0024]図示した実施形態では、移送ロボット104は、例えば米国特許公開公報第2010/0178147号に開示されているロボット等、移送チャンバ102に連結され、そこからアクセス可能な様々なチャンバ(図示したツインチャンバ等)にサービスを提供するように適合された任意の適切なタイプのロボットであり得る。他のタイプのロボットを使用することもできる。
【0022】
[0025]移送ロボット104の様々なアーム構成要素の動きは、ロボットコントローラ(図示せず)から命令される、移送ロボット104の複数の駆動モータを含む駆動アセンブリ(図示せず)への適切なコマンドによって制御され得る。ロボットコントローラからの信号は、移送ロボット104の様々な構成要素の動きを引き起こす。適切なフィードバック機構は、位置エンコーダ等の様々なセンサによって、構成要素のうちの1つ又は複数に提供され得る。
【0023】
[0026]図示した実施形態の移送チャンバ102は、形状がほぼ正方形又はわずかに長方形であってよい。しかしながら、八角形、六角形、七角形、八角形等、メインフレームハウジングの他の適切な形状、及びファセット(面)及び処理チャンバの数が可能である。基板の行き先は、1又は複数のプロセスチャンバ106A~106Fであり得、これらのチャンバは、そこに送られた基板に対して1又は複数のプロセスを実行するように構成され、動作可能であり得る。プロセスチャンバ106A~106Fによって実行されるプロセスは、プラズマ気相堆積(PVD)又は化学気相堆積(CVD)、エッチング、アニーリング、前洗浄、金属又は金属酸化物の除去等の任意の適切なプロセスであり得る。他のプロセスは、その中の基板245に対して実行され得る。
【0024】
[0027]電子デバイス処理装置100は、環境制御を含むファクトリインターフェース108を更に含み得る。基板245は、ファクトリインターフェース108から移送チャンバ102内に受け入れられ得、その処理後に、移送チャンバ102からファクトリインターフェース108に退出し得る。移送チャンバ102への進入及び退出は、開口部を通して、又は真空ツールの場合は、ファクトリインターフェース108の壁(例えば、後壁108R)に連結されたロードロック112を通してであり得る。ロードロック112は、1又は複数のロードロックチャンバ(例えば、ロードロックチャンバ112A、112B等)を含み得る。ロードロック112に含まれるロードロックチャンバ112A、112Bは、単一ウエハロードロック(SWLL)チャンバ、又はマルチウエハロードロックチャンバ、又はバッチロードロック等であってもよい。
【0025】
[0028]ファクトリインターフェース108は、任意の適切な筐体であり得、ファクトリインターフェースチャンバ108Cを形成する側壁(後壁108R、後壁108Rの反対側の前壁108F、2つの側壁、上部及び底部を含み得る)を有し得る。側壁等の1又は複数の壁は、アクセスドア124を含んでいてよく、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の構成要素が整備(修理、交換、洗浄等)されるときに、整備作業員がファクトリインターフェースチャンバ108Cにアクセスできるようにする。
【0026】
[0029]1又は複数のロードポート115は、ファクトリインターフェース108の1又は複数の壁(例えば、前壁108F)に設けられていてよく、そこにおいて1又は複数の基板キャリア116(例えば、前方開口型統一ポッド又はFOUP等)を受け入れるように構成及び適合され得る。ファクトリインターフェースチャンバ108Cは、従来の構造のロード/アンロードロボット117(
図1では点線のボックスとして示す)を含み得る。ロード/アンロードロボット117は、基板キャリア116のキャリアドア216Dが開くと、1又は複数の基板キャリア116から基板245を取り出して、ファクトリインターフェースチャンバ108Cを介して基板245を1又は複数の開口部(例えば、1又は複数のロードロックチャンバ112A、112B)に供給するように構成され、動作可能であり得る。ファクトリインターフェースチャンバ108Cと処理チャンバ106A~106Fとの間で基板245の移送を可能にする開口部の任意の適切な構造を使用することができる。任意の数の処理チャンバ及びその構成を使用することが可能である。
【0027】
[0030]幾つかの真空実施形態では、移送チャンバ102は、様々なプロセスチャンバ106A~106Fへの入口/出口にスリットバルブを含み得る。同様に、ロードロック112内のロードロックチャンバ112A、112Bは、内側ロードロックスリットバルブ223i及び外側ロードロックスリットバルブ223oを含み得る。スリットバルブ223o、223iは、基板245を様々なプロセスチャンバ106A~106F及びロードロックチャンバ112A、112Bに載置するとき、及びそれらから取り出すときに開閉するように適合されている。スリットバルブ223o、223iは、Lモーションスリットバルブのような任意の適切な従来の構造のものであり得る。
【0028】
[0031]図示した実施形態では、ファクトリインターフェース環境制御装置118が提供される。ファクトリインターフェース環境制御装置118は、ファクトリインターフェースチャンバ108Cを介した基板245の移送中に環境制御雰囲気を提供することにより、ファクトリインターフェースチャンバ108C内のガス環境の環境制御を提供することができる。特に、ファクトリインターフェース環境制御装置118は、ファクトリインターフェース108に連結され、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の1又は複数の環境条件をモニタ及び/又は制御するように動作可能である。
【0029】
[0032]幾つかの実施形態では、特定の時間に、ファクトリインターフェースチャンバ108Cは、その中にパージガスを受け入れ得る。例えば、パージガスは、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、又はヘリウム(He)等の不活性ガスであり得る。パージガスは、パージガス供給源119から供給され得る。パージガス供給源119は、その中の開閉バルブ又はマスフローコントローラ等のバルブ122を含む1又は複数の導管等の任意の適切な手段によって、ファクトリインターフェースチャンバ108Cに連結され得る。しかしながら、基板245のO2への曝露が主要な問題ではない幾つかの実施形態では、パージガスは、CDA供給源120から提供されるようなクリーンドライエアであり得る。本明細書で使用するクリーンドライエアは、乾燥しており、微粒子をほとんど含まない空気として定義される。クリーンドライエアは、2ミクロン以下の微粒子を含んでいてよく、ファクトリインターフェースチャンバ108Cの外側の工場環境における周囲空気と比較して、比較的低い相対湿度レベルを有し得る。特に、1つの適切な手段により、クリーンドライエアは、室温において10%以下の相対湿度レベルを有し得る。更に、クリーンドライエアは、室温において5%以下の相対湿度レベルを有し得る。幾つかの実施形態では、クリーンドライエアは、その中に500ppmV未満のH2O、又は更には100ppmV未満のH2O、又は更には10ppmV未満のH2Oを有する超クリーンドライエアであり得る。幾つかの実施形態では、クリーンドライエアは、0.05ミクロン以下の微粒子を有し得る。
【0030】
[0033]より詳細には、ファクトリインターフェース環境制御装置118は、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の環境内で以下の少なくとも1つを制御し得る。
1)相対湿度レベル(室温における%RH)、
2)温度(T)、
3)O2の量、
4)不活性ガスの量、
5)クリーンドライエアの量、又は
6)汚染化学物質の量(例えば、アミン、塩基、1又は複数の揮発性有機化合物(VOC)等の量)。
【0031】
[0034]ファクトリインターフェースチャンバ108Cへの、又はファクトリインターフェースチャンバ108Cからのガス流量、ファクトリインターフェースチャンバ108C内のチャンバ圧力、又はその両方等、ファクトリインターフェースチャンバ108Cの他の環境条件をモニタ及び/又は制御することができる。
【0032】
[0035]ファクトリインターフェース環境制御装置118は、適切なプロセッサ、メモリ、および1または複数のセンサ130(例えば、相対湿度センサ、酸素センサ、化学成分センサ、圧力センサ、流量センサ、温度センサ等)から1又は複数の信号入力を受信するように構成及び適合された電子周辺機器を含むコントローラ125を含み、コントローラ125からの適切な制御信号を介して1または複数のバルブ122を通る流量を制御する。
【0033】
[0036]コントローラ125は、閉ループ又は他の適切な制御スキームを実行し得る。幾つかの実施形態では、制御スキームは、1又は複数のセンサ130からの測定された状態に応じて、ファクトリインターフェースチャンバ108Cに導入されるパージガスの流量を変更し得る。別の実施形態では、制御スキームは、ファクトリインターフェースチャンバ108C内に存在する1又は複数の測定された環境条件に基づいて、ファクトリインターフェースチャンバ108Cを通して基板245をいつ移送するかを決定し得る。
【0034】
[0037]ファクトリインターフェース環境制御装置118は、1又は複数の実施形態では、ファクトリインターフェースチャンバ108C内のRHの任意の適切な測定値を感知することによって相対湿度(RH)をモニタし得る。相対湿度センサ130は、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の相対湿度(RH)を感知するように構成及び適合され得る。静電容量式又は他のセンサ等、任意の適切なタイプの相対湿度センサを使用することが可能である。RHセンサ130は、例えば、ファクトリインターフェースチャンバ108C内に、又はファクトリインターフェースチャンバ108Cに接続された導管内に位置し得る。コントローラ125はRHをモニタすることができ、コントローラ125に提供される測定されたRH信号値が所定の低RH閾値を超えると、ファクトリインターフェース108のロードポート115に連結された1又は複数の基板キャリア116のキャリアドア216Dは閉じられたままになる。同様に、ロードロック112のスリットバルブ223oは、所定の低RH閾値を下回る測定されたRH信号レベルが達成されるまで閉じられたままであり得る。湿度制御の他の測定値を測定し、H2OのppmV等の所定の低RH閾値として使用することができる。
【0035】
[0038]1又は複数の実施形態では、所定の低閾値RH値は、基板245に対して行われる特定のプロセスに耐えられる水分のレベルに応じて、1000ppmV未満のH2O、500ppmV未満のH2O、100ppmV未満のH2O、又は更には10ppmV未満のH2Oの水分レベルであり得る。
【0036】
[0039]RHレベルは、適切な量のパージガスをパージガス供給源119からファクトリインターフェースチャンバ108Cに流すことによって低下し得る。本明細書で説明するように、パージガスは、パージガス供給源119からの不活性ガスであり得、アルゴン、窒素ガス(N2)、ヘリウム、又はそれらの混合物であり得る。乾燥窒素ガス(N2)の供給は、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の環境条件を制御するのに非常に効果的であり得る。(本明細書で説明するように)H2Oレベルが低い圧縮バルク不活性ガスを、パージガス供給源119として使用することが可能である。パージガス供給源119から供給される不活性ガスは、基板処理中に基板245がファクトリインターフェースチャンバ108Cを通って移送されるときにファクトリインターフェースチャンバ108Cを満たし得る。
【0037】
[0040]場合によっては、ファクトリインターフェースチャンバ108Cに提供されるパージガスの流量は、配送ライン上の適切な流量センサ(図示せず)及び/又はファクトリインターフェースチャンバ108C内に位置する圧力センサ、又はその両方によってモニタされ得る。コントローラ125からの制御信号に応じて、パージガス供給源119に連結されたバルブ122を調整することにより、400SLM以上の流量が提供され得る。例えば、約500Paを超える圧力が、ファクトリインターフェースチャンバ108C内で維持され得る。ファクトリインターフェースチャンバ108Cへのパージガス(例えば、N2又は他の不活性ガス)の流れは、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の相対湿度(RH)レベルを下げるように動作し得る。キャリアドア216D及び/又は1又は複数のロードロックチャンバ112A、112Bのロードロックスリットバルブ2230は、低いRH閾値に到達したときに開かれ得る。これは、基板キャリア116を出て、ロードロックチャンバ112A、112Bを出る基板245、及びファクトリインターフェースチャンバ108Cを通過するすべての基板245が、確実に適切な低湿度環境のみに曝されるようにする助けとなる。
【0038】
[0041]別の例では、例えば、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の測定された酸素(O2)レベルが所定のレベルを下回ったときに、環境の前提条件が満たされ得る。酸素(O2)レベルは、酸素センサ等の1又は複数のセンサ130によって感知され得る。測定された酸素(O2)レベルが所定の酸素閾値レベル(例えば、50ppm未満のO2、10ppm未満のO2、5ppm未満のO2、又は3ppm未満のO2、又はそれ以下)を下回った場合、基板交換は、ファクトリインターフェースチャンバ108Cを通して行われ得る。行われる処理に応じて、他の適切な酸素レベルの閾値が使用され得る。ファクトリインターフェースチャンバ108C内の所定の酸素閾値レベルに到達しない場合、コントローラ125は、パージガス供給源119に連結されたバルブ122への制御信号を開始し、酸素(O2)センサ130から信号を受信するコントローラ125によって決定される所定の低酸素閾値レベルに到達するまで、パージガスをファクトリインターフェースチャンバ108Cに流す。
【0039】
[0042]所定の低酸素閾値レベルに到達すると、1又は複数のロードロックチャンバ112A、112Bのキャリアドア216D及び/又はロードロックスリットバルブ2230が開かれ得る。これは、基板キャリア116を出て、ロードロックチャンバ112A、112Bを出る基板245、及びファクトリインターフェースチャンバ108Cを通過するすべての基板245が、確実に比較的低い酸素レベルに曝されるようにする助けとなる。
【0040】
[0043]別の例では、例えば、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の基板245の温度等のファクトリインターフェースチャンバ108C内の測定温度レベルが所定の温度閾値レベル(例えば、100度C、あるいはそれ以下)に下がったときに、環境の前提条件が満たされ得る。1又は複数の実施形態では、1又は複数のセンサ130は、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の温度を感知するように構成及び適合された温度センサを含む。幾つかの実施形態では、温度センサ130は、ロード/アンロードロボット117上の基板245が、ファクトリインターフェースチャンバ108Cを通過するときの基板245の経路に近接して配置され得る。幾つかの実施形態では、温度センサ130は、基板245が冷却された程度を決定するために使用され得るレーザセンサ等の指向性温度センサであり得る。所定の低い温度閾値レベルに到達すると、適切に冷却された基板245は、輸送のために基板キャリア116にロードされ得る。
【0041】
[0044]別の例では、例えば、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の測定された汚染化学物質レベルが所定の低閾値レベルを下回ったときに、環境の前提条件が満たされ得る。1又は複数の実施形態では、1又は複数のセンサ130は、ファクトリインターフェースチャンバ108C内に含まれる1又は複数の汚染化学物質の量(例えば、アミン、塩基、1又は複数の揮発性有機化合物の量(VOC)等)を感知するように構成及び適合される1又は複数の化学センサを含み得る。幾つかの実施形態では、所定の化学閾値レベルに到達すると、基板245は、基板キャリア116からアンロードされ得るか、さもなければ、ファクトリインターフェースチャンバ108Cを通して輸送され得る。
【0042】
[0045]本書に示す実施形態では、ファクトリインターフェース環境制御装置118に加えて、電子デバイス処理装置100は更に、フィルタパージ装置103を含み得る。フィルタパージ装置103は、ファクトリインターフェースチャンバ108Cの一部に連結されたCDA供給源120を含む。特に、CDA供給源120は、CDA供給源120からファクトリインターフェースチャンバ108Cに収容されたチャンバフィルタ132へのクリーンドライエア等のフラッシングガスの流れを制御するように構成及び適合された導管及び1又は複数のバルブ121を含み得る。クリーンドライエア流を含むフラッシングガスは、ファクトリインターフェースチャンバ108Cの一部であり、チャンバフィルタ132の上流の個所に位置するプレナムチャンバ235に連結され提供され得る。チャンバフィルタ132は、プレナムチャンバ235を、そこを通過する基板245を有するファクトリインターフェースチャンバ108Cの部分から分離させる。
【0043】
[0046]チャンバフィルタ132は、パージガス供給源119からファクトリインターフェースチャンバ108Cの処理領域に提供されるパージガスをフィルタ処理するように構成される。特に、チャンバフィルタ132は、パージガス供給源119、供給導管、及び/又はバルブ122に含まれる微粒子が、ファクトリインターフェースチャンバ108Cを通過する基板245に曝されないように、パージガス流から非常に小さい微粒子をフィルタ処理する機能を含むフィルタである。チャンバフィルタ132は、任意の適切な構造のものであり得、例えば、高効率フィルタエア(HEPA)タイプのフィルタであり得る。HEPAフィルタは、0.3ミクロン以上のサイズの微粒子を99.97%以上除去できる。しかしながら、チャンバフィルタ132による最大99.9%以上の微粒子フィルタリング機能を有する様々な異なるクラスのHEPAフィルタが存在する。
【0044】
[0047]CDA供給源120は、フラッシングガスであり得、その中に含まれる比較的低レベルの水分(H2O)を有する空気の供給源である。CDA供給源120は、適切な導管及びマスフローコントローラ又は開閉バルブ等の1又は複数のバルブ121によって、ファクトリインターフェースチャンバ108C、特にプレナムチャンバ235に連結され得る。1つの測定によれば、クリーンドライエアは、室温において10%未満、又は室温において5%未満でさえある相対湿度レベルを有する空気である。別の測定によれば、クリーンドライエアは、幾つかの実施形態では、その中に含まれる1000ppmV未満のH2O、更には100ppmV未満のH2O、又は更には10ppmV未満のH2Oの相対湿度レベルを有する空気である。実施形態では、クリーンドライエア(CDA)は、ファクトリインターフェースチャンバ108Cを通って移送される基板245にそれほど影響を与えない比較的低レベルの水分(H2O)を有する。
【0045】
[0048]より詳細には、フィルタパージ装置103は、アクセスドア124が開いているとき、チャンバフィルタ132にフラッシングガスを供給するように構成される。幾つかの実施形態では、フラッシングガスは、パージガスとは異なるガスであり得る。しかしながら、他の実施形態では、パージガスとフラッシングガスの両方が同じクリーンドライエアであり得る。フラッシングガスの流れは、アクセスドア124を開く前に、そしてパージガス供給源119からのパージガス流を停止した後に開始され得る。CDA供給源120からのフラッシングガスの流れは、アクセスドア124が開いている間常に流れ続け得る。
【0046】
[0049]アクセスドア124が開いているときにチャンバフィルタ132を通してフラッシングガスを流すことにより、ファクトリインターフェース108の外の工場環境からアクセスドア124を通ってファクトリインターフェースチャンバ108Cに入る周囲空気に含まれる湿度(水分)によるチャンバフィルタ132の汚染を最小限に抑えることができる。図示した実施形態では、フラッシングガスは、クリーンドライエア(CDA)供給源120からのクリーンドライエアであり得る。1又は複数の実施形態では、パージガスは、パージガス供給源119からの不活性ガスであってよく、フラッシングガスは、CDA供給源120からのクリーンドライエアであってよい。特に効果的な一実施形態では、パージガスは、パージガス供給源119からのN2ガスであってよく、フラッシングガスは、CDA供給源120からのクリーンドライエアであってよい。他の実施形態では、パージガスはクリーンドライエアであってよく、フラッシングガスはクリーンドライエアであってよい。
【0047】
[0050]幾つかの実施形態では、アクセスドア124は、適切な環境がファクトリインターフェースチャンバ108Cに含まれる場合にのみアクセスドア124が開かれることを可能にするインターロックを含み得る。例えば、パージガス供給源119からの不活性ガスのパージガス流の終了後、及びCDA供給源120からのフラッシングガス流(例えば、清浄で呼吸可能なガス)の開始後、ファクトリインターフェースチャンバ108C内又はそこから出る酸素(O2)のレベルを感知するように構成及び適合された酸素センサ130が、作業員が曝されても安全な安全開放閾値を超える値(例えば、約20%のO2を超えるバルブ)が測定されたときに、インターロックを開いて、アクセスドア124を開くことが可能になり得る。
【0048】
[0051]一実施形態では、作業員がファクトリインターフェースチャンバ108Cに入ろうと試み、入場要求を開始すると、ファクトリインターフェース環境制御装置118のコントローラ125は、制御信号を介してパージガスの流れを終了させてバルブ122を閉じ、開放バルブ121を介したCDA供給源120からのクリーンドライエアの流れを開始し得る。この移行の間、不活性ガス環境は排気口250を通して排出され、クリーンドライエアに効果的に置き換えられる。更に、この移行の間、戻りチャネル324Cのバルブ340は閉じられる。センサ130を介してファクトリインターフェースチャンバ108C内で検出された酸素レベルが安全であると決定された所定の酸素レベル値に達すると、アクセスドア124を閉じたままにするドアのインターロック(例えば、電気機械式ロック)が解除され、(
図1に点線で示すように)アクセスドア124が開き、したがって、整備作業員がその中の1又は複数の構成要素の整備のためにファクトリインターフェースチャンバ108Cにアクセスすることが可能になる。整備中は常に、クリーンドライエアが流れ続ける。
【0049】
[0052]図3で最もよく分かるように、ガス循環経路の一部は、場合によっては、アクセスドア124を通り得る。例えば、アクセスドア124が開く前の初期段階のパージガスは、ファクトリインターフェースチャンバ108Cから入口236に入り、アクセスドア124に形成された戻りチャネル324C(例えば、ダクト)を通過し、次に出口238を通ってプレナムチャンバ235に入る。ファクトリインターフェースチャンバ108Cからの入口236は、例えば、アクセスドア124の底部に又はその近くに位置し得る。
【0050】
[0053]整備後にアクセスドア124が閉じられると、戻りチャネル324C等の戻り経路のバルブ340は閉じたままになり、CDA空気の流れは継続するが、排気口250を通してファクトリインターフェースチャンバ108Cから排気されるため、最終的に湿った空気がCDA空気に置き換えられる。このクリーンドライエアの流れは、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の雰囲気が再び許容できる程度に乾燥するまで続く。例えば、低閾値の相対湿度レベル(室温における%RH)が再び達成された後にのみ、アクセスドア124の閉鎖後にCDAの流れを停止し、パージガスの流れを開始することができる。オプションとして、アクセスドア124が閉じられ、パージガスが湿った空気を排気口250に移動させることができるとすぐに、パージガス供給源119からのパージガスを開始することができる。この場合、バルブ340は、室温における%RHの必要な低い閾値が達成されるまで閉じられる。室温における%RHの予め確立された低い閾値が達成された後にバルブ340を開くことができ、戻りチャネル324Cを通るパージガスの再循環が起こり得る。
【0051】
[0054]図示した実施形態では、ファクトリインターフェース環境制御装置118は、キャリアパージ装置218も含み得る。キャリアパージ装置218は、基板キャリア116のキャリアチャンバ241にパージガスの流れを提供する。キャリアパージ装置218は、パージガス供給源(例えば、パージガス供給源119)と、複数の供給導管246、248と、それらに連結されたバルブとを含む。複数の供給導管246、248及びバルブは、コントローラ125からの制御信号に応答して、特定の時間にパージガスをキャリアチャンバ241に供給する。例えば、基板キャリア116内の環境をパージして特定の環境前提条件を満たすために、基板キャリア116のキャリアドア216Dが開く直前に、パージガス供給源119からパージガスの供給をキャリアチャンバ241に提供し得る。このような環境の前提条件は、基板キャリアドア216Gを開く前に満たされ得、基板245を基板キャリア116からファクトリインターフェースチャンバ108Cに移送することを可能にする。キャリアパージ装置218は、各基板キャリア116のための1組の供給導管246、248を含み得る。パージガス(例えば、不活性ガス)は、基板キャリア116をパージするために適切な流量(例えば、1slm)で提供され得る。環境条件を所望の所定の低レベル(例えば、室温における%RH)に制御するための適切なパージの後、キャリアドア216Dが開かれ得る。キャリアチャンバ241のパージは、望ましくないレベルのO2、水分、微粒子、又は他の揮発性ガス及び材料を含み得るキャリア環境が、ファクトリインターフェースチャンバ108Cに入り、汚染しないように行われ得る。
【0052】
[0055]幾つかの実施形態では、(矢印で示す)面クランプ233が、例えば2つ以上の位置(例えば、周囲の周り)で基板キャリア116のフランジと係合するために含まれ得る。面クランプ233は、そのロードポートバックプレート等の前壁108Fにフランジをシールするように動作する。任意の適切な面クランプ機構が使用可能である。
【0053】
[0056]以下から明らかなように、ファクトリインターフェース環境制御装置118と併せてフィルタパージ装置103を使用すると、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の環境を制御して特定の環境条件を満たすように動作可能であり得るが、ファクトリインターフェース108の整備中のチャンバフィルタ132の水分汚染を確実に最小限に抑えることによって、基板の処理がより迅速に再開可能になり得る。したがって、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の構成要素の整備後に、基板245の処理を再開する時間は、アクセスドア124の閉鎖後、約4時間未満、又は更には約1時間未満等、かなり短縮され得る。
【0054】
[0057]次に
図4を参照して、パージ制御方法について説明する。パージ制御方法400は、402において、ファクトリインターフェースチャンバへの作業員の整備用アクセスを提供するように構成されたアクセスドア(例えば、アクセスドア124)を有するファクトリインターフェースチャンバ(例えば、ファクトリインターフェースチャンバ108C)を提供することを含む。
【0055】
[0058]方法400は、404において、ファクトリインターフェースチャンバに供給されるパージガスの流れをフィルタ処理するように構成されたチャンバフィルタ(例えば、チャンバフィルタ132)を提供することを含む。
【0056】
[0059]方法400は、406において、周囲空気(例えば、高湿度の工場空気)によるチャンバフィルタの水分汚染を最小限に抑えるために、アクセスドアが開いているときにチャンバフィルタにフラッシングガスを供給することを更に含む。上述のように、チャンバフィルタ132を通るフラッシングガスは、アクセスドア124が開いている間常に流れ得る。更に、ファクトリインターフェースチャンバに供給されるパージガスの流れは、フラッシングガスを供給する前に停止され得る。幾つかの実施形態では、フラッシングガス(例えば、クリーンドライエア)がプレナムチャンバ235に提供されると、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の酸素が高レベル閾値に達した後に、アクセスドア124を開くことが可能になる。アクセスドア124の閉鎖後の基板245移送の再開は、ファクトリインターフェースチャンバ108C内の所定の低い相対湿度レベル(室温での%RH)に達した後にのみ行われる。
【0057】
[0060]前述の説明は、本開示の例示的な実施形態のみを開示している。
本開示の範囲内にある上記で開示された装置及び方法の修正は、当業者には容易に明らかであろう。したがって、他の実施形態は、特許請求の範囲によって定義されるように、本開示の範囲内に含まれ得ることを理解されたい。