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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-13
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】パルスシステムの検証
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220118BHJP
   H05H 1/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H05H1/00 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020552371
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 US2019024532
(87)【国際公開番号】W WO2020033016
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】15/944,688
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ガンタサラ サチエンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ドー ヒュン ホ
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0382442(US,A1)
【文献】国際公開第2013/157031(WO,A1)
【文献】特表2017-507501(JP,A)
【文献】特表2018-536251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスシステムを検証する方法であって、
少なくとも1つのパルスモードについて、プロファイルセンサの測定値を使用してパルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器のパルスのパルスプロファイルを生成する工程であって、それぞれのパルスプロファイルは、少なくとも1つのパルス発生器の利用可能なパルス周波数設定又はデューティサイクル設定のうちの少なくとも一方の範囲にわたって、多くの複数電力レベルの各々について生成されている工程と
生成されたパルスプロファイルと同じ少なくとも1つのパルスモードのパルスを含む、適切に動作していることが分かっているパルス発生器のパルスの代表的パルスプロファイルを選択する工程と、
生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルについて、少なくとも1つの同じパルスモードのパルス間の類似点及び/又は相違点を識別するための定量的測定基準を定義する工程と、
定義された定量的測定基準に照らして、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを比較する工程と、
パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器が適切に動作しているかどうかを、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定する工程とを含む方法。
【請求項2】
パルスプロファイルは、少なくとも1つのパルス発生器の出力のプロファイルセンサからの測定値を受信するコントローラによって生成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コントローラは、コントローラによってアクセス可能な記憶装置から、適切に動作していることが分かっているパルス発生器の代表的パルスプロファイルを選択している、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
処理チャンバ内でプラズマ処理のパルスプロファイルを生成する工程であって、この処理チャンバ内では光学センサの測定値を使用して、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器の異なるパルスモードを含むプラズマが点火されている工程と、
プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと同じパルスモードを含む、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の代表的パルスプロファイルを選択する工程と、
プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル及びプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを、定義された定量的測定基準に照らして比較する工程と、
パルスシステムが適切に動作しているかどうかを、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の選択された代表的プロファイルとのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル、又は選択された代表的パルスプロファイルのパルスのうちの少なくとも一方のパルスのデコンボリューションを行い、その後、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル及びプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを比較する工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
パルスシステムを検証するための装置であって、
少なくとも1つのパルス発生器の測定を行うプロファイルセンサと、
コントローラであって、少なくともプログラム命令及びデータを格納するためのメモリ、及びプロセッサであって、プログラム命令を実行するとき、
少なくとも1つのパルスモードについて、プロファイルセンサからの少なくとも1つのパルス発生器の出力の測定値を使用して、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器のパルスのパルスプロファイルを生成し、コントローラは、少なくとも1つのパルス発生器の利用可能なパルス周波数設定又はデューティサイクル設定のうちの少なくとも一方の範囲にわたって、多くの複数電力レベルの各々についてそれぞれのパルスプロファイルを生成し、
生成されたパルスプロファイルと同じ少なくとも1つのパルスモードのパルスを含む、適切に動作していることが分かっているパルス発生器のパルスの代表的パルスプロファイルを選択し、
生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルについて、少なくとも1つの同じパルスモードのパルス間の類似点及び/又は相違点を識別するための定量的測定基準を定義し、
定義された定量的測定基準に照らして、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを比較し、
パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器が適切に動作しているかどうかを、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定するように装置を構成するプロセッサとを備えるコントローラとを備える装置。
【請求項7】
適切に動作していることが分かっているパルス発生器の代表的パルスプロファイルが装置のメモリに格納されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
光学センサをさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
装置はさらに、
処理チャンバ内でプラズマ処理のパルスプロファイルを生成し、この処理チャンバ内では光学センサによって取得されたプラズマ処理の画像の測定値を使用して、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器の異なるパルスモードを含むプラズマが点火されており、
プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと同じパルスモードを含む、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の代表的パルスプロファイルを選択し、
プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル及びプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを、定義された定量的測定基準に照らして比較し、
パルスシステムが適切に動作しているかどうかを、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の選択された代表的プロファイルとのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定するように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
装置はさらに、
プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルのパルス、又はプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのパルスの少なくとも一方のデコンボリューションを行い、その後、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル及びプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを比較するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
パルスシステムを検証するためのシステムであって、
パルスを生成するための少なくとも1つのパルス発生器を含むパルスシステムと、
半導体処理を実行するための処理チャンバと、
少なくとも1つのパルス発生器の測定を行うプロファイルセンサと、
コントローラであって、少なくともプログラム命令及びデータを格納するためのメモリ、及びプロセッサであって、プログラム命令を実行するとき、
少なくとも1つのパルスモードについて、プロファイルセンサからの少なくとも1つのパルス発生器の出力の測定値を使用して、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器のパルスのパルスプロファイルを生成し、コントローラは、少なくとも1つのパルス発生器の利用可能なパルス周波数設定又はデューティサイクル設定のうちの少なくとも一方の範囲にわたって、多くの複数電力レベルの各々についてそれぞれのパルスプロファイルを生成し、
生成されたパルスプロファイルと同じ少なくとも1つのパルスモードのパルスを含む、適切に動作していることが分かっているパルス発生器のパルスの代表的パルスプロファイルを選択し、
生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルについて、少なくとも1つの同じパルスモードのパルス間の類似点及び/又は相違点を識別するための定量的測定基準を定義し、
定義された定量的測定基準に照らして、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを比較し、
パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器が適切に動作しているかどうかを、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定するようにコントローラを構成するプロセッサとを備えるコントローラとを備えるシステム。
【請求項12】
光学センサをさらに備え、
コントローラはさらに、
処理チャンバ内でプラズマ処理のパルスプロファイルを生成し、この処理チャンバ内では光学センサによって取得されたプラズマ処理の画像の測定値を使用して、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器の異なるパルスモードを含むプラズマが点火されており、
プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと同じパルスモードを含む、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の代表的パルスプロファイルを選択し、
プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル及びプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを、定義された定量的測定基準に照らして比較し、
パルスシステムが適切に動作しているかどうかを、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の選択された代表的プロファイルとのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本願原理の諸実施形態は、概して半導体処理に関し、より具体的には、半導体処理におけるパルスシステムの動作及び結果として生じるパルス波形を検証するための方法、装置、及びシステムに関する。
【背景】
【0002】
エッチング処理においてパルスプラズマが普及したことで、エッチングツールで革新的で複雑なパルス方式が開発されていることと相まって、パルス検証/診断システムの必要性が高まっている。より具体的には、発明者らは、所望のパルス電力設定値に合わせたパルスシステム(高周波発生器を備え得る)の正確な動作を検証し、ツール全体でパルス特性(波形、周波数、デューティサイクルなど)を確実に一致させる必要があると考えている。目下のところ、所望のパルス電力設定値に合わせたパルスシステムの正確な動作を検証し、ツール全体でパルス特性(波形、周波数、デューティサイクルなど)を確実に一致させるために利用できるシステムやセンサはない。
【概要】
【0003】
本明細書では、半導体処理におけるパルスシステムの動作及び結果として生じるパルス波形を検証するための方法、装置、及びシステムの実施形態を開示する。
【0004】
本願原理によるいくつかの実施形態では、パルスシステムを検証する方法は、少なくとも1つのパルスモードについて、プロファイルセンサの測定値を使用してパルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器のパルスのパルスプロファイルを生成する工程と、生成されたパルスプロファイルと同じ少なくとも1つのパルスモードのパルスを含む、適切に動作していることが分かっているパルス発生器のパルスの代表的パルスプロファイルを選択する工程と、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルについて、少なくとも1つの同じパルスモードのパルス間の類似点及び/又は相違点を識別するための定量的測定基準を定義する工程と、定義された定量的測定基準に照らして、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを比較する工程と、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器が適切に動作しているかどうかを、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定する工程とを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、この方法はさらに、処理チャンバ内でプラズマ処理のパルスプロファイルを生成する工程であって、この処理チャンバ内では光学センサの測定値を使用して、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器の異なるパルスモードを含むプラズマが点火されている工程と、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと同じパルスモードを含む、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の代表的パルスプロファイルを選択する工程と、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル及びプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを、定義された定量的測定基準に照らして比較する工程と、パルスシステムが適切に動作しているかどうかを、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の選択された代表的プロファイルとのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定する工程とを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、この方法はさらに、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル、又は選択された代表的パルスプロファイルのパルスのうちの少なくとも一方のパルスのデコンボリューションを行い、その後、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル及びプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを比較する工程を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、パルスシステムを検証するための装置は、少なくとも1つのパルス発生器の測定を行うプロファイルセンサと、少なくともプログラム命令及びデータを格納するためのメモリ及びプロセッサを備えるコントローラとを備える。そのような諸実施形態では、プロセッサは、プログラム命令を実行するとき、少なくとも1つのパルスモードについて、プロファイルセンサからの少なくとも1つのパルス発生器の出力の測定値を使用して、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器のパルスのパルスプロファイルを生成し、生成されたパルスプロファイルと同じ少なくとも1つのパルスモードのパルスを含む、適切に動作していることが分かっているパルス発生器のパルスの代表的パルスプロファイルを選択し、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルについて、少なくとも1つの同じパルスモードのパルス間の類似点及び/又は相違点を識別するための定量的測定基準を定義し、定義された定量的測定基準に照らして、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを比較し、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器が適切に動作しているかどうかを、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定するように装置を構成する。
【0008】
いくつかの実施形態では、装置は、光学センサをさらに含み得る。装置を、処理チャンバ内でプラズマ処理のパルスプロファイルを生成し、この処理チャンバ内では光学センサによって取得されたプラズマ処理の画像の測定値を使用して、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器の異なるパルスモードを含むプラズマが点火されており、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと同じパルスモードを含む、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の代表的パルスプロファイルを選択し、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル及びプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを、定義された定量的測定基準に照らして比較し、パルスシステムが適切に動作しているかどうかを、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の選択された代表的プロファイルとのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定するように、さらに構成し得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、装置を、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルのパルス、又はプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのパルスの少なくとも一方のデコンボリューションを行い、その後、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル及びプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを比較するように、さらに構成し得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、パルスシステムを検証するシステムは、パルスを生成するための少なくとも1つのパルス発生器を含むパルスシステムと、半導体処理を実行するための処理チャンバと、少なくとも1つのパルス発生器の出力を測定するためのプロファイルセンサと、少なくともプログラム命令及びデータを格納するためのメモリ及びプロセッサを備えるコントローラとを備える。プロセッサは、プログラム命令を実行するとき、少なくとも1つのパルスモードについて、プロファイルセンサからの少なくとも1つのパルス発生器の出力の測定値を使用して、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器のパルスのパルスプロファイルを生成し、生成されたパルスプロファイルと同じ少なくとも1つのパルスモードのパルスを含む、適切に動作していることが分かっているパルス発生器のパルスの代表的パルスプロファイルを選択し、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルについて、少なくとも1つの同じパルスモードのパルス間の類似点及び/又は相違点を識別するための定量的測定基準を定義し、定義された定量的測定基準に照らして、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを比較し、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器が適切に動作しているかどうかを、生成されたパルスプロファイル及び選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定するようにコントローラを構成する。
【0011】
いくつかの実施形態では、システムは、光学センサをさらに含み得る。コントローラをさらに、処理チャンバ内でプラズマ処理のパルスプロファイルを生成し、この処理チャンバ内では光学センサによって取得されたプラズマ処理の画像の測定値を使用して、パルスシステムの少なくとも1つのパルス発生器の異なるパルスモードを含むプラズマが点火されており、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと同じパルスモードを含む、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の代表的パルスプロファイルを選択し、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイル及びプラズマ処理の選択された代表的パルスプロファイルのそれぞれのパルスを、定義された定量的測定基準に照らして比較し、パルスシステムが適切に動作しているかどうかを、プラズマ処理の生成されたパルスプロファイルと、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを使用して実施されたプラズマ処理の選択された代表的プロファイルとのそれぞれのパルスの比較に基づいて判定するように構成し得る。
【0012】
本願原理の他のさらなる諸実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上記に簡単に要約され、以下により詳細に論じられる本願原理の実施形態は、添付の図面に示される原理の例示的な実施形態を参照することによって理解され得る。しかし、本願原理は他の等しく有効な実施形態を許容し得るため、添付の図面は、本願原理の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、範囲を限定すると見なすべきではない。
図1】本願原理の一実施形態に基づく、半導体処理における高周波発生器の動作及び結果として生じるパルス波形を検証するシステムのハイレベルブロック図を示す。
図2】本願原理の一実施形態に基づく、高周波発生器のパルス電力測定、パルス周波数測定、デューティサイクル測定のそれぞれのプロファイル曲線を示す。
図3】本願原理の一実施形態に基づく、高周波発生器の動作を検証するための方法のフロー図を示す。
図4】本願原理の一実施形態に基づく、Oプラズマの様々なパルスモードから生成された発光プロファイルのグラフ表示を示す。
図5】本願原理の一実施形態に基づく、処理チャンバの動作を検証するための方法のフロー図を示す。
図6】本願原理の一実施形態に基づく、図1のシステムでの使用に適したコントローラのハイレベルブロック図を示す。
【0014】
理解を容易にするため、可能な場合には、同一の符号を使用して、これらの図面に共通の同一の要素を示す。これらの図は一定の縮尺で描かれておらず、明快さを優先して簡略化されている場合がある。1つの実施形態の要素及び構成は、具体的な記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれ得る。
【詳細な説明】
【0015】
以下の詳細な説明では、本明細書に記載の例示的な実施形態又は他の実施例を完全に理解してもらうために、具体的な詳細が多数記載されている。しかし、これらの実施形態及び実施例は、具体的な詳細なしに実施され得る。さらに、開示された実施形態は例示ために過ぎず、他の実施形態を、開示された諸実施形態の代わりに又はそれらと組み合わせて使用してもよい。例えば、本願原理の一実施形態によるパルス検証システムは、本明細書ではエッチングチャンバに関して説明されているが、本願原理によるパルス検証システムは、エッチングシステム以外の任意のツール(例えば、パルス発生器を利用するツール、例えば、高周波発生器)で実施することができ、プラズマを発生させて維持する能力を有し得る。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲は、本明細書に含まれる実施形態の説明に限定されるべきではない。
【0016】
本願原理による方法、装置、及びシステムは、パルスシステム検証を提供して、様々なパルスモードでの発生器の動作精度及び結果として生じるパルス波形を確保する。
【0017】
図1は、本願原理の一実施形態に基づく、半導体処理におけるパルスシステムの動作及び結果として生じるパルス波形を検証するシステムのハイレベルブロック図を示す。図1の検証システム100は、例示的に、検出器及び制御モジュール110と、処理チャンバ120(例示的には、パルスプラズマを有するエッチングチャンバ)と、パルスシステム140(図1の実施形態では、例示的に2つの高周波発生器1401及び1402)とを備える。図1の検証システム100の実施形態では、検出器及び制御モジュール110は、例示的に、コントローラ130と、プロファイルセンサ122と、光学センサ(OS)124とを備える。図1の検証システム100の実施形態では、処理チャンバ120内で発生するパルスプラズマ処理の画像は、光ファイバケーブル135を介して光学センサ124に中継される。本願原理によるいくつかの実施形態では、プロファイルセンサ122は、バードパルスプロファイルセンサ又は電力センサのうちの少なくとも1つを含むことができ、光学センサ124は、バードパルスプロファイルセンサ(すなわち、ピーク検出用プロファイルセンサ)又は高周波データ収集機能を備えた光学センサのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0018】
図1の実施形態では、検出器及び制御モジュール110は、例示的に、単一のプロファイルセンサ122を備えているが、本願原理による代替実施形態では、検出器及び制御モジュール110は、2つ以上のプロファイルセンサ122を含むことができ、高周波発生器140の各々に対してそれぞれのプロファイルセンサ122を含み得る。それは、以下でさらに詳細に説明するように、高周波発生器140の性能を評価する際に使用される高周波発生器140の出力を測定するためである。
【0019】
動作中の一実施形態では、少なくとも1つの高周波発生器140の出力が、検出器及び制御モジュール110に通信され、プロファイルセンサ122によって監視される。プロファイルセンサ122は、例えば、高周波発生器140の出力のパルス電力、パルス周波数、及びデューティサイクルのうちの少なくとも1つ以上を監視する。あるいは、又はさらに、いくつかの実施形態では、高周波発生器140は、許容され得るパルス周波数(PF)及びデューティサイクル(DC)の設定の範囲にわたって、複数の電力レベルでスキャンされ得る。プロファイルセンサ122は、高周波発生器140の出力を監視し、高周波発生器140の出力の測定値をコントローラ130へ伝達する。
【0020】
コントローラ130では、プロファイルは、高周波発生器140の出力のプロファイルセンサ122からの測定値から生成される。例えば、図2は、本願原理の一実施形態に基づく、ソース発生器と電力センサとの間での高周波発生器のパルス電力測定値、パルス周波数測定値、及びデューティサイクル測定値のそれぞれのプロファイル曲線を示す。図2に示すように、プロファイルセンサ122は、パルス周波数及びデューティサイクルの測定値を正確に探知すると同時に、パルス期間中及びパルスオン時間中の平均電力も測定する。つまり、図2に示すように、パルスオン時間中の発生器電力設定値(Power Gen)、パルスオン時間中にのみプロファイルセンサ122によって測定された電力(Gated Power)及びパルス期間内にプロファイルセンサ122によって測定された平均電力(パルスオン時間とパルスオフ時間との間で平均された電力)はすべて、プロファイルセンサ122によって正確に測定される。
【0021】
本願原理によるいくつかの実施形態では、高周波発生器の出力のプロファイルは、高周波発生器を生産に投入する前に、上記のように生成される。あるいは、又はさらに、高周波発生器のプロファイルは、高周波発生器が生産状況にある間に、上記のように生成される。それは、例えば、エッチング処理でパルスプラズマを生成するために高周波発生器が使用されている場合である。
【0022】
本願原理によるいくつかの実施形態では、適切に動作していることが分かっている高周波発生器のプロファイルを上記のように生成して、他の高周波発生器の動作を検証する目的で他の高周波発生器と後で比較するための参照プロファイルとして使用する。また、上記のように、高周波発生器は、許容され得るパルス周波数(PF)及びデューティサイクル(DC)の設定の範囲にわたって、複数の電力レベルでスキャンされ得る。許容され得るパルス周波数及びデューティサイクルの設定の範囲にわたる、複数の電力レベルでの高周波発生器の出力のそれぞれのプロファイルを、上記のように生成することができる。
【0023】
本願原理の諸実施形態によれば、適切に動作していることが分かっている高周波発生器の生成されたプロファイルを使用して、試験の又は未知の高周波発生器の生成されたプロファイルと比較し、試験の又は未知の高周波発生器が適切に動作しているかどうかを判定する。例えば、適切に動作していることが分かっている高周波発生器のプロファイルをメモリに格納することができる。格納されたプロファイルを使用して、適切に動作していることが分かっている発生器のプロファイルを、検証システム100によって生成された高周波発生器(例えば、高周波発生器140)のプロファイルと比較し、高周波発生器140が適切に動作しているかどうかを判定することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、高周波発生器のプロファイル(すなわち、波形)を比較するため、定量的測定基準/管理限界を定義して、同じパルスモードの形状間の類似点及び/又は相違点を識別する。つまり、いくつかの実施形態では、閾値を定義して、高周波発生器について生成されたプロファイルのそれぞれのパルスがどのように類似しているか、又はどのように異なるかを確定し、格納されたプロファイルを使用して、高周波発生器(すなわち、試験中の高周波発生器)が適切に動作しているかどうかを判定できる。例えば、一実施形態では、定量的測定基準を、生成されたプロファイルのパルスが、許容範囲であると見なされるためには、格納されたプロファイルからパーセンテージの量内であるべきだと、定義することができる。例えば、定量的測定基準を、生成されたパルスプロファイルの振幅が、格納されたプロファイルと同様であると見なされるためには、格納されたプロファイルからパーセンテージ(例えば、5%)内であるべきだと、確定し得る。本願原理によるいくつかの実施形態では、プロファイルの類似点及び/又は相違点の閾値を定義して、高周波発生器のパルス形状が、適切に動作していることが分かっている高周波発生器の格納されたプロファイルのパルス形状からの許容限度内であるかどうかを判定する。同様の閾値が、高周波発生器の1つ、いくつか、又はそれぞれのパルスモード及び特性に対して定義され得る。いくつかの実施形態では、生成されたパルスの他のいくつかの定量的測定基準は、パルスの勾配(ランプアップ速度/ランプダウン速度)、パルスのピーク値、パルスのパルス幅などを含み得る。
【0025】
本願原理によるいくつかの実施形態では、プロファイルの比較を手動で行うことができる。そのためには、例えば、適切に動作する高周波発生器のそれぞれの格納されたプロファイル、及び高周波発生器(すなわち、試験される高周波発生器)の生成されたプロファイルをコントローラ480のディスプレイなどのディスプレイ上に示し、プロファイルが許容限度内で類似しているかどうかを視覚的に判定する。
【0026】
あるいは、又はさらに、上記のプロファイルの比較は、図1の検証システム100のコントローラ130によって実行され得る。例えば、上記のようにプロファイルセンサ122は、高周波発生器140の出力のパルス周波数及びデューティサイクルを、許容され得るパルス周波数(PF)及びデューティサイクル(DC)の設定の範囲にわたって複数の電力レベルで、監視することができる。プロファイルセンサ122は、高周波発生器140の出力の測定値をコントローラ130に伝達する。コントローラ130では、プロファイルは、高周波発生器140の出力のプロファイルセンサ122からの測定値から生成される。次に、コントローラ130は、適切に動作していることが分かっている高周波発生器の格納されたプロファイルにアクセスして、上記のように、高周波発生器140について生成されたプロファイルを格納されたプロファイルと比較し、高周波発生器140が適切に動作しているかどうかを判定することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ130は、同じパルスモードについてのプロファイルのパルス形状に対してフィーチャー抽出を実行して、高周波発生器に対して生成されたプロファイルのパルスのフィーチャーを、同じパルスモードについての格納されたプロファイルのパルスのフィーチャーと比較できるようにすることができる。例えば、本願原理によるいくつかの実施形態では、フィーチャー抽出では、動的モデル係数、主成分分析などを使用してもよい。
【0027】
図3は、本願原理の一実施形態に基づく、高周波発生器の動作を検証するための方法300のフロー図を示す。方法300は工程302から開始され、ここでは、少なくとも1つのパルス発生器(例えば少なくとも1つの高周波発生器140)の出力パルスのプロファイルが、少なくとも1つのパルスモードについて生成される。上記のように、いくつかの実施形態では、プロファイルセンサ122は、少なくとも1つの高周波発生器140の出力のパルス電力、パルス周波数及びデューティサイクルのうちの少なくとも1つ以上を監視する。いくつかの実施形態では、高周波発生器140は、許容され得るパルス周波数(PF)及びデューティサイクル(DC)の設定の範囲にわたって、複数の電力レベルでスキャンされ得る。プロファイルセンサ122は、少なくとも1つの高周波発生器140の出力の測定値をコントローラ130に伝達し、このコントローラ130で、少なくとも1つの高周波発生器140の出力パルスのプロファイルが、少なくとも1つのパルスモードについて、プロファイルセンサ122からの測定値から生成される。方法300は工程304へ進むことができる。
【0028】
工程304で、適切に動作していることが分かっている高周波発生器の出力パルスの代表的プロファイルを選択して、上記の工程302で、同じパルスモードについて、少なくとも1つの高周波発生器140のパルスについて生成されたプロファイルと比較する。上記のように、いくつかの実施形態では、適切に動作していることが分かっている高周波発生器のプロファイルは、コントローラ130がアクセス可能なメモリに格納され得る。コントローラ130は、格納されたプロファイルを選択して、少なくとも1つの同じパルスモードについて、少なくとも1つの高周波発生器140に対して生成されたプロファイルと比較することができる。方法300は工程306へ進むことができる。
【0029】
工程306で、定量的測定基準/管理限界を定義して、高周波発生器140の生成されたプロファイルと代表的プロファイルとの間の少なくとも1つの同じパルスモードのパルス間の類似点及び/又は相違点を識別する。上記のように、いくつかの実施形態では、プロファイルの類似点及び/又は相違点の閾値を定義して、少なくとも1つの高周波発生器140(すなわち、試験中の高周波発生器)のパルスのパルス形状が、許容限度内であるかどうかを判定する際に使用する。この許容限度は、少なくとも1つの同じパルスモードについて、適切に動作していることが分かっている高周波発生器の代表的プロファイルのパルス形状からの許容限度である。方法300は工程308へ進むことができる。
【0030】
工程308で、少なくとも1つの高周波発生器140のパルスの生成されたプロファイル及び選択された代表的プロファイルのパルスが、定義された定量的測定基準/管理限界に照らして比較される。つまり、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの高周波発生器140の生成されたプロファイル及び選択された代表的プロファイルが、定義された定量的測定基準/管理限界に基づいて比較される。上記のように、いくつかの実施形態では、フィーチャー抽出を、少なくとも1つの高周波発生器のプロファイルのパルスに対して実行して、格納されたプロファイルの少なくとも1つの同じパルスモードのパルスと比較し得る。あるいは、又はさらに、比較を行うために必要であれば、格納されたプロファイルのパルスに対してフィーチャー抽出を実行することも可能である。方法300は工程310へ進むことができる。
【0031】
工程310で、この比較に基づいて、少なくとも1つの高周波発生器140が適切に動作しているかどうかの判定が行われる。いくつかの実施形態では、高周波発生器が適切に動作していると判定できるのは、少なくとも1つのパルスモードについて、生成されたパルスプロファイルの少なくとも1つのパルスと格納されたプロファイルのそれぞれのパルスとの間で定量的測定基準が満たされていると判定された場合である。あるいは、又はさらに、高周波発生器が適切に動作していると判定できるのは、少なくとも1つのパルスモードについて、生成されたパルスプロファイルの特定の数のパルスと格納されたプロファイルのそれぞれのパルスとの間で定量的測定基準が満たされていると判定された場合である。上記のように、定量的測定基準を、生成されたパルスプロファイルの振幅が、格納されたプロファイルからパーセンテージ(例えば、5%)内にあるべきだと確定させている一実施例において、生成されたパルスプロファイルの振幅が、比較(すなわち、工程308での比較)の結果として、格納されたプロファイルのパーセンテージ内であると判定された場合、少なくとも1つの高周波発生器140は適切に動作していると判定することができる。その後、方法300を終了することができる。
【0032】
図1の検証システム100を再び参照する。処理チャンバ120の動作中、光学センサ124を使用して、処理チャンバ120でのマルチ発生器パルスモードの実行を検証できる。より具体的には、処理チャンバ120の動作中、例えばエッチング処理の間、プラズマが点火され(例えば、プラズマをとばして)、複数の発生器(例えば、高周波発生器140)が関わる種々のパルスモードを実行する。光学センサ124は、処理チャンバ120内で生じる処理の測定値(例えば、画像)を収集し、測定値をコントローラ130へ伝達する。いくつかの実施形態では、光学センサ124を、光学センサ124がプラズマ及び種々のパルスモードを感知できるチャンバ内の位置に配置し得る。例えば、一実施形態では、光学センサ124がプラズマ及び種々のパルスモードを感知できるように、検出器及び制御モジュール110を、処理チャンバ120内に配置する。あるいは、又はさらに、光ファイバケーブルを処理チャンバ内に入れて、光ファイバケーブルがプラズマ及び種々のパルスモードを感知できるように、位置を決めることができる。例えば、一実施形態では、光ファイバケーブルは、処理チャンバ120内の観察窓に近接した位置に配置され得る。次に、光ファイバケーブルが撮像した画像は、光学センサ124に伝達され、光学センサ124の測定値は、コントローラ130に伝達され得る。コントローラ130では、プロファイルは、プラズマ処理及び種々のパルスモードで発生するパルスの光学センサ124からの測定値から生成される。
【0033】
本願原理の諸実施形態によれば、種々のパルスモードで生成されたプラズマのプロファイルを、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを有する処理チャンバから生成された種々のパルスモードでのプラズマの格納されたプロファイルと比較して、様々なパルス(同期/非同期)モードの実行を正確に検証し、公称変動外の挙動を示すあらゆる処理チャンバを識別する。つまり、生成されたプロファイルを分析して、種々のパルス(同期/非同期)モードの実行を正確に検証できる。
【0034】
いくつかの実施形態では、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを有する処理チャンバから生成された種々のパルスモードで生じさせたプラズマのプロファイルをメモリに格納することができる。格納されたプロファイルを、上記のように、新しい/試験を行う処理チャンバのパルスシステムによって生成されたパルスについて同じパルスモードで生成されたプロファイルと比較して、新しい/試験を行う処理チャンバのパルスシステムが適切に動作しているかどうかを判定し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、種々のパルスモードで生じたプラズマのプロファイル(すなわち、波形)を比較する際に、プロファイルのデコンボリューションを行って、光学センサ124によって収集された信号内の個々のパルス及び信号ピークを識別する。必要に応じて、格納されたプロファイルのデコンボリューションを行って、個々のパルスを識別することもできる。いくつかの実施形態では、プロファイルのデコンボリューションを行うには、コントローラ130は、それぞれのプロファイルを、パターン認識アルゴリズム(相関分析、プロクラステス(形状比較)画像処理アルゴリズム、主成分分析など)によって分析する。
【0036】
図4は、Oプラズマの様々なパルスモードから上記のように生成された光学センサプロファイルのグラフ図を示す。図4の光学センサプロファイルでは、ソース(1kW/50%DC)とバイアス(1.2kW/25%DC)が、最初は同期モードで、次に連続運転の中で増加する遅延を伴って、1kHzの周波数でパルス化されている。図4の曲線から分かるように、プロファイルは、諸モードを区別する明確な特徴を示しており、例えば、パターン認識アルゴリズムによって分析及び認識することが可能である。図4に示すように、12.5%の遅延で、波形に見られる盛り上がった部分は、バイアスオン時間に関連する期間の約25%の間、続いている。図4に継続して表れる曲線図形は、パルスを生成するために使用される諸発生器の間の種々の時間オフセットを示す。すなわち、図4は、種々のパルスモードを有するプラズマ処理中に生成された代表的な発光プロファイルを示す。最初の曲線図形は、ソース発生器とバイアス発生器の同期パルス(パルスを同時にオン/オフにする)を表し、その後の曲線図形は、バイアス発生器がソース発生器からオフセットされている非同期動作を表している。
【0037】
あるいは、又はさらに、遅延のあるパルスモードの場合、発生器の間の遅延を、パルス源のタイミングを参照することにより定量化できる。次に、既知の遅延を使用してプロファイルのデコンボリューションを行い、例えば、個々のパルスを識別することができる。
【0038】
本願原理によるいくつかの実施形態では、プロファイルの比較を手動で行うことができる。そのためには、例えば、既知の適切に動作するパルスシステムを有する処理チャンバのそれぞれの格納されたプロファイル、及び処理チャンバ(すなわち、試験される処理チャンバ)の生成されたプロファイルをディスプレイ上に示し、プロファイルが許容限度内で類似しているかどうかを視覚的に判定する。あるいは、又はさらに、上記のプロファイルの比較は、図1の検証システム100のコントローラ130によって実行され得る。例えば、上記のように光学センサ124は、処理チャンバ120内の処理の測定値を収集し、処理チャンバ120では、複数の発生器が関わる種々のパルスモードが実行される。光学センサ124は、測定値をコントローラ130に伝達する。コントローラ130では、プロファイルが、処理チャンバ120内の処理の光学センサ124からの測定値から生成される。処理チャンバ120では、複数の発生器が関わる種々のパルスモードが実行される。次に、コントローラ130は、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを有する処理チャンバの格納されたプロファイルにアクセスして、上記のように、処理チャンバ120について生成されたプロファイルを格納されたプロファイルと比較し、処理チャンバ120のパルスシステムが適切に動作しているかどうかを判定する。
【0039】
定量的測定基準/管理限界を定義して、パルスプロファイルの比較を実行するために、同じパルスモードの形状間の類似点及び/又は相違点を識別し得る。すなわち、高周波発生器に対して生成されたプロファイルと格納されたプロファイルとの比較に関して上述したように、いくつかの実施形態では、閾値を定義して、プラズマ処理について生成されたプロファイルのそれぞれのパルスがどのように類似しているか、又はどのように異なるかを確定することができ、プラズマ処理の格納されたプロファイルを使用して、プラズマ処理のパルスシステム(すなわち、試験中のパルスシステム)が適切に動作しているかどうかを判定できる。本願原理によるいくつかの実施形態では、プロファイルの類似点及び/又は相違点の閾値を定義して、プラズマ処理のパルスシステムのパルス形状が、許容限度内であるかどうかを判定する際に使用する。この許容限度は、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを有するプラズマ処理の格納されたプロファイルのパルス形状からの許容限度である。同様の閾値が、プラズマ処理のパルスシステムの1つ、いくつか、又はそれぞれのパルスモード及び特性に対して定義され得る。
【0040】
図5は、本願原理の一実施形態に基づく、処理チャンバのパルスシステムの動作を検証するための方法500のフロー図を示す。方法500は工程502から開始され、ここでは、処理チャンバ120内の処理のパルスシステムのパルスについてプロファイルが生成される。この処理チャンバ120内で、プラズマが点火され(例えば、プラズマをとばして)、複数の発生器が関わる種々のパルスモードが実行される。上記のように、いくつかの実施形態では、光学センサ124は、処理チャンバ120内の処理の画像を収集する。処理チャンバ120では、複数の発生器が関わる種々のパルスモードが実行される。光学センサ124は、測定値をコントローラ130に伝達する。コントローラ130では、少なくとも1つのパルスモードについて、処理チャンバ120内の処理の光学センサ124からの測定値からプロファイルが生成される。方法500は工程504へ進むことができる。
【0041】
工程504で、代表的プロファイルを選択して、上記の工程502で処理チャンバ120のパルスシステムのパルスについて生成されたプロファイルと比較する。上記のように、いくつかの実施形態では、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを有する処理チャンバのパルスシステムのパルスのプロファイルを、コントローラ130によってアクセス可能なメモリに格納し得る。コントローラ130は、格納されたプロファイルを選択して、少なくとも1つの同じパルスモードについて、処理チャンバ120のパルスシステムのパルスについて生成されたプロファイルと比較することができる。方法500は、オプションで工程506へ、又は工程508へ進むことができる。
【0042】
工程506で、処理チャンバ120(ここで、複数の発生器が関わる種々のパルスモードが実行される)内の処理のためのパルスシステムのパルスの生成されたプロファイルのデコンボリューションを行って、プロファイルの比較に使用する個々のパルスを識別する。上記のように、いくつかの実施形態では、パターン認識アルゴリズムを使用して、生成されたプロファイルのデコンボリューションを行い得る。方法500は工程508へ進むことができる。
【0043】
工程508で、定量的測定基準/管理限界を定義して、処理チャンバ120のパルスシステムの生成されたプロファイルと格納されたプロファイルとの間の同じパルスモードのパルス間の類似点及び/又は相違点を識別する。プロファイルの類似点及び/又は相違点の閾値を定義して、処理チャンバ120の処理のためのパルスシステムのパルスの生成されたプロファイルのパルスのパルス形状が許容限度内であるかどうかを判定する際に使用する。この許容限度は、同じパルスモードについて、適切に動作していることが分かっているパルスシステムを有する、既知の処理チャンバのパルスシステムのパルスの格納されたプロファイルのそれぞれのパルスのパルス形状からの許容限度である。方法500は工程510へ進むことができる。
【0044】
工程510で、生成されたプロファイルと格納されたプロファイルが、定義された定量的測定基準/管理限界に照らして比較される。つまり、いくつかの実施形態では、生成されたプロファイルと格納されたプロファイルは、定義された定量的測定基準/管理限界に基づいて比較される。方法500は工程512へ進むことができる。上記のように、いくつかの実施形態では、フィーチャー抽出を、処理チャンバ120のパルスシステムのプロファイルのパルスに対して実行して、格納されたプロファイルの同じパルスモードのそれぞれのパルスと比較し得る。あるいは、又はさらに、格納されたプロファイルのパルスに対してフィーチャー抽出を実行することも可能である。方法500は工程512へ進むことができる。
【0045】
工程512で、比較に基づいて、処理チャンバ120用のパルスシステムが適切に動作しているかどうかの判定が行われる。いくつかの実施形態では、処理チャンバ120用のパルスシステムが、適切に動作していると判定され得るのは、比較(すなわち工程510の比較)に基づいて、生成されたプロファイルの少なくとも1つのパルスと格納されたプロファイルのそれぞれのパルスとの間で定量的測定基準が満たされていると確定された場合である。あるいは、又はさらに、処理チャンバ120用のパルスシステムが、適切に動作していると判定され得るのは、比較に基づいて、少なくとも1つのパルスモードについて、生成されたプロファイルの特定の数のパルスと格納されたプロファイルのそれぞれのパルスとの間で定量的測定基準が満たされていると確定された場合である。続いて、方法500を終了できる。
【0046】
図6は、本願原理の一実施形態に基づく、図1の検証システムでの使用に適したコントローラ130のハイレベルブロック図を示す。コントローラ130を使用して、上記の実施形態の他の任意のシステム、装置、要素、機能、又は方法を実行し得る。例示の諸実施形態では、コントローラ130を、方法300及び方法500をプロセッサ実行可能プログラム命令622(例えば、プロセッサ610によって実行可能なプログラム命令)として実行するように構成し得る。
【0047】
例示の諸実施形態では、コントローラ130は、入力/出力(I/O)インターフェース630を介してシステムメモリ620に接続された1つ以上のプロセッサ610a~610nを含む。コントローラ130は、さらに、I/Oインターフェース630に接続されたネットワークインターフェース640と、1つ以上の入力/出力装置660(カーソル制御装置キーボード670、及びディスプレイ680など)を含む。いくつかの実施形態では、カーソル制御装置キーボード670を、タッチスクリーン入力装置とし得る。
【0048】
異なる実施形態では、コントローラ130を、任意の各種装置とすることができ、その例には、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ハンドヘルドコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、アプリケーションサーバー、記憶装置、スイッチ、モデム、ルータなどの周辺機器、又は一般に任意のタイプのコンピューティング装置又は電子装置が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
様々な実施形態では、コントローラ130を、1つのプロセッサ610を備える単一プロセッサシステム、又はいくつか(例えば、2、4、8、又は別の適切な数)のプロセッサ610を備えるマルチプロセッサシステムとし得る。プロセッサ610を、命令を実行できる任意の適切なプロセッサとし得る。例えば、様々な実施形態では、プロセッサ610を、任意の各種命令セットアーキテクチャ(ISA)を実行する汎用プロセッサ又は組込みプロセッサとし得る。マルチプロセッサシステムでは、プロセッサ410の各々は、必ずしもではないが、通常、同じISAを実行し得る。
【0050】
システムメモリ620は、上記の波形プロファイル、プログラム命令622、及び/又はプロセッサ610によってアクセス可能なプロファイル632を格納するように構成され得る。様々な実施形態では、任意の適切なメモリ技術を使用して、システムメモリ620を実装できる。そのメモリ技術の例には、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、同時性ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュ型メモリ、又は他の任意の型のメモリがある。例示の諸実施形態では、上記の実施形態のあらゆる要素を実行するプログラム命令及びデータを、システムメモリ620内に格納し得る。他の諸実施形態では、プログラム命令及び/又はデータを、種々のタイプのコンピュータアクセス可能媒体上、又はシステムメモリ620若しくはコントローラ130から分離している同様の媒体上で受信、送信、又は格納し得る。
【0051】
一実施形態では、I/Oインターフェース630を、プロセッサ610、システムメモリ620、及び装置内の任意の周辺装置との間のI/Oトラフィックを調整するように構成し得る。その周辺装置の例には、ネットワークインターフェース640又は他の周辺インターフェース(入力/出力装置650など)が含まれる。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース630は、任意の必要なプロトコル、タイミング、又は他のデータ変換を実行して、ある1つの構成要素(例えば、システムメモリ620)からのデータ信号を、別の構成要素(例えば、プロセッサ610)による使用に適したフォーマットに変換し得る。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース630の機能を、例えば、ノースブリッジ及びサウスブリッジなどの2つ以上の別個の構成要素に分割し得る。また、いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース630(システムメモリ620へのインターフェースなど)の機能の一部又はすべてを、プロセッサ610に直接組み込むことができる。
【0052】
ネットワークインターフェース640を構成して、コントローラ130と、1つ以上の外部システムなどのネットワーク(例えば、ネットワーク690)に接続された他の装置との間でデータを交換できるようにしてもよい。様々な実施形態では、ネットワーク690は、1つ以上のネットワークを含み得る。そのネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)(例えば、イーサネットや企業ネットワーク)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えは、インターネット)、ワイヤレスデータネットワーク、携帯電話ネットワーク、Wi-Fi、他の電子データネットワーク、又はそれらのいくつかの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。様々な実施形態では、ネットワークインターフェース640は、任意の適切なタイプのイーサネットネットワークなどの有線又は無線の一般的なデータネットワークによる通信をサポートし得る。その例には、アナログ音声ネットワーク又はデジタルファイバー通信ネットワークなどの遠隔通信/電話網による通信、ファイバチャネルSANなどのストレージエリアネットワークによる通信、又はその他の適切なタイプのネットワーク及び/若しくはプロトコルによる通信がある。
【0053】
いくつかの実施形態では、入力/出力装置650は、1つ以上のディスプレイ装置、キーボード、キーパッド、カメラ、タッチパッド、タッチスクリーン、スキャン装置、音声又は光学認識装置、又はデータの入力若しくはアクセスに適したその他の装置を含み得る。複数の入力/出力装置650が、コントローラ130内に存在し得る。いくつかの実施形態では、同様の入力/出力装置をコントローラ130から分離することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、例示のコンピュータシステムは、図3及び図5のフローチャートによって示される方法など、上記のあらゆる方法を実施することができる。他の諸実施形態では、種々の要素とデータを含み得る。
【0055】
図6のコントローラ130は、単なる例示であり、諸実施形態の範囲を限定することを意図するものではない。特に、コンピュータシステム及び装置は、様々な実施形態で提示された機能を実行し得るハードウェア又はソフトウェアの任意の組み合わせを含むことができ、その例は、コンピュータ、ネットワーク装置、インターネット家電、スマートフォン、タブレット、PDA、無線電話、ポケットベルなどを含む。コントローラ130は、例示されていない他の装置に接続することもでき、又はそうではなく、スタンドアロンシステムとして動作してもよい。加えて、いくつかの実施形態では、例示された構成要素によって提供される機能は、より少ない構成要素に組み合わされてもよいし、追加の構成要素に分散されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、例示された構成要素のいくつかの機能は提供されない場合があり、及び/又は他の追加の機能が利用可能である場合がある。
【0056】
様々なアイテムが、使用中にメモリ又は記憶装置に格納されているように例示されているが、これらのアイテム又はこれらのアイテムの一部を、メモリ管理及びデータ完全性の目的で、メモリと他の記憶装置との間で転送してもよい。あるいは、他の諸実施形態では、ソフトウェア構成要素の一部又はすべてを、別の装置上のメモリ内で実行し、コンピュータ間通信を介して例示のコンピュータシステムと通信してもよい。システム構成要素又はデータ構造の一部又はすべてを、(たとえば、命令又は構造化データとして)コンピュータアクセス可能媒体又は携帯型物品に格納して、適切なドライブで読み取ってもよく、その様々な実施例が上述されている。いくつかの実施形態では、コントローラ130から分離しているコンピュータアクセス可能媒体に格納された命令を、コントローラ130へ、伝送媒体又は、ネットワーク及び/若しくは無線リンクなどの通信媒体を介して伝達される電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号などの信号を介して、送信することができる。様々な実施形態はさらに、コンピュータアクセス可能媒体上で、又は通信媒体を介して、前述の説明に従って実行される命令及び/又はデータを受信、送信、又は格納する工程を含み得る。一般に、コンピュータアクセス可能媒体は、記憶媒体又はメモリ媒体を含み得る。その例には、磁気又は光学媒体(例えば、ディスク又はDVD/CD-ROM)、RAM(例えば、SDRAM、DDR、RDRAM、SRAMなど)、ROMなどの揮発性又は不揮発性媒体がある。
【0057】
本明細書に記載の方法は、種々の実施形態で、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせで実施され得る。また、方法の順序を変更できるとともに、様々な要素を追加、並べ替え、組み合わせ、削除、又はその他にも修正することができる。本明細書に記載のすべての実施例は、非限定的な様式で提示されている。本開示の利点を有する様々な修正及び変更を行うことができる。諸実施形態による具現化を、特定の諸実施形態との関連で説明してきた。これらの実施形態は、例示的であることを意味し、限定的ではない。多くの変種、変更、追加、及び改善が可能である。したがって、本明細書において単数として説明した構成要素を複数設けてもよい。様々な構成要素、動作、及びデータ格納の間の境界はいくらか抽象的であり、特定の動作は、具体的かつ例示的な構成との関連で示されている。機能の割り当ては他にも想定されており、以下のクレームの範囲内に含まれ得る。最後に、例示的な構成において別個の構成要素として提示された諸構造及び諸機能は、1つの組み合わせられた構造又は構成要素として実施され得る。
【0058】
上記は本願原理の実施形態を対象にしているが、その基本的な範囲から逸脱することなく、他の実施形態及びさらなる実施形態を創出してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6