(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-14
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】表面後架橋された吸水性ポリマー粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08J 3/12 20060101AFI20220118BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20220118BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20220118BHJP
B01J 20/26 20060101ALI20220118BHJP
B01J 20/30 20060101ALI20220118BHJP
C08J 3/24 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
C08J3/12 101
A61F13/15 320
A61F13/53 300
B01J20/26 D
B01J20/30
C08J3/24 Z CEY
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018089364
(22)【出願日】2018-05-07
(62)【分割の表示】P 2015543378の分割
【原出願日】2013-11-07
【審査請求日】2018-06-06
【審判番号】
【審判請求日】2020-05-25
(32)【優先日】2012-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100129735
【氏名又は名称】太田 顕学
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ノアベアト ヘアファート
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン バウアー
(72)【発明者】
【氏名】カトリン バウマン
(72)【発明者】
【氏名】ビアギート ラインハート
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン フライベルク
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ボデュアン
(72)【発明者】
【氏名】カタジュナ ドブロシエルスカ-オウラ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ミッチェル
【合議体】
【審判長】細井 龍史
【審判官】加藤 友也
【審判官】植前 充司
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-56931(JP,A)
【文献】特開2009-209373(JP,A)
【文献】国際公開第01/98382(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J3/00-3/28
A61F13/15
A61F13/53
B01J20/26
B01J20/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特有の膨潤時間の変化が0.6未満であり、且つ遠心保持容量が少なくとも35g/gである表面後架橋された吸水性ポリマー粒子であって、前記特有の膨潤時間の変化が
Z
= (τ
0.5-τ
0.1)/τ
0.5
であり、前記式中、Zは特有の膨潤時間の変化であり、τ
0.1は0.1psi(6.9g/cm
2)の圧力下での特有の膨潤時間であり、且つτ
0.5は0.5psi(35.0g/cm
2)の圧力下での特有の膨潤時間であり、且つ
τ
0.1及びτ
0.5は式Q(t)=Q
max・(1-e
-t/τ)を使用して計算され、前記式中、Q(t)は超吸収体の膨潤であり、Q
maxは120分後に達する最大膨潤に相応し、且つ、τは特有の膨潤時間である、前記ポリマー粒子。
【請求項2】
前記ポリマー粒子が0.4未満の特有の膨潤時間の変化を有する、請求項1に記載のポリマー粒子。
【請求項3】
前記ポリマー粒子が、少なくとも40g/gの遠心保持容量を有する、請求項1または2に記載のポリマー粒子。
【請求項4】
前記ポリマー粒子が、0.80~0.95の平均球形度を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項5】
前記ポリマー粒子が、0.6~1g/cm
3のかさ密度を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項6】
前記ポリマー粒子が、200~550μmの平均粒径を有する、請求項1から5までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項7】
以下:
(A) 上方の液体浸透層、
(B) 下方の液体不浸透層、および
(C) 5~90質量%の繊維状材料、および10~95質量%の請求項1から6までのいずれか1項に記載の吸水性ポリマー粒子を含む、層(A)と層(B)との間の流体吸収コア、
(D) 80~100質量%の繊維状材料および0~20質量%の請求項1から6までのいずれか1項に記載の吸水性ポリマー粒子を含む、(A)と(C)との間の随意の捕捉・分配層、
(E) (C)の直上および/または直下に配置された随意の薄葉紙層、および
(F) 他の随意の構成要素
を含む流体吸収物品。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の吸水性ポリマー粒子、および15質量%未満の繊維状材料および/または接着剤を吸収コア内に含む、流体吸収物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、0.03~15質量%の範囲の残留モノマー含有率を有する吸水性ポリマー粒子を、少なくとも1つの表面後架橋剤で被覆し、且つ、100~180℃の範囲の温度で熱により表面後架橋することによる、表面後架橋された吸水性ポリマー粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性ポリマー粒子の製造は、モノグラフ「Modern Superabsorbent Polymer Technology」、F.L. BuchholzおよびA.T. Graham、Wiley-VCH、1998、71~103ページに記載されている。
【0003】
水溶液を吸収する製品である吸水性ポリマー粒子は、おむつ、タンポン、サニタリーナプキンおよび他の衛生物品を製造するために、さらにはガーデニング市場における保水剤として使用されている。吸水性ポリマー粒子は、「超吸収性ポリマー」または「超吸収体」とも称される。
【0004】
モノマー溶液の液滴を重合することによる吸水性ポリマー粒子の製造は、例えばEP0348180号A1、WO96/40427号A1、US5269980号、WO2008/009580号A1、WO2008/052971号A1、WO2011/026876号A1、およびWO2011/117263号A1内に記載されている。
【0005】
液滴を取り囲む気相中でのモノマー溶液液滴の重合(「液滴重合(dropletization polymerization)」)は、高い平均球形度(mSPHT)の丸い吸水性ポリマー粒子をもたらす。平均球形度は、ポリマー粒子の丸さの尺度であり、且つ、例えばCamsizer(登録商標)画像分析システム(Retsch Technology GmbH; Haan; ドイツ)を用いて測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】EP0348180号A1
【文献】WO96/40427号A1
【文献】US5269980号
【文献】WO2008/009580号A1
【文献】WO2008/052971号A1
【文献】WO2011/026876号A1
【文献】WO2011/117263号A1
【非特許文献】
【0007】
【文献】F.L. BuchholzおよびA.T. Graham、「Modern Superabsorbent Polymer Technology」、Wiley-VCH、1998、71~103ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、改善された特性を有する吸水性ポリマー粒子、即ち、遠心保持容量(CRC)が高く、且つ49.2g/cm2の荷重下吸収(AUHL)が高い吸水性ポリマー粒子を提供することであった。
【0009】
本発明の他の課題は、高い遠心保持容量を有し、そのことにより衛生物品における使用に際して良好な液体分布が付与される吸水性ポリマー粒子を提供することであった。
【0010】
本発明のさらなる課題は、優れた乾燥性を保持しながら衛生物品中での使用の低減を可能にする吸水性ポリマー粒子を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題は、モノマー溶液を重合することによって吸水性ポリマー粒子を形成する段階、吸水性ポリマー粒子を少なくとも1つの表面後架橋剤で被覆する段階、および被覆された吸水性ポリマー粒子を熱により表面後架橋する段階を含む吸水性ポリマーの製造方法であって、表面後架橋剤で被覆される前の吸水性ポリマー粒子中の残留モノマー含有率が0.03~15質量%の範囲、且つ、熱による後架橋の間の温度が100~180℃の範囲である、前記方法によって解決される。
【0012】
本発明はさらに、モノマー溶液を重合することによって吸水性ポリマー粒子を形成する段階、吸水性ポリマー粒子を少なくとも1つの表面架橋剤で被覆する段階、および被覆された吸水性ポリマー粒子を熱により表面後架橋する段階を含む吸水性ポリマーの製造方法であって、表面後架橋剤で被覆される前の吸水性ポリマー粒子中の残留モノマー含有率が0.1~10質量%の範囲であり、表面後架橋剤がアルキレンカーボネートであり、且つ、熱による後架橋の間の温度が100~180℃の範囲である、前記方法を提供する。
【0013】
本発明は、熱による表面後架橋前の吸水性ポリマー粒子中の残留モノマーの水準、熱による表面後架橋の温度、および表面後架橋剤自体が形成される表面後架橋された吸水性ポリマー粒子の特性に重要な影響を及ぼすという知見に基づく。
【0014】
本発明の方法による特定の条件の結果は、高い遠心保持容量(CRC)および高い49.2g/cm
2の荷重下吸収(AUHL)を有する吸水性ポリマー粒子である。これは意外な結果である。遠心保持容量(CRC)は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第六版、Vol.35、84ページ、
図7によって証明されたとおり、熱による表面後架橋の間に著しく低下することが公知である。反応性の低いアルキレンカーボネートが、本発明の条件下で尋常ではない低い温度で反応することはさらに意外である。他の環式表面架橋剤、例えば2-オキサゾリジノンは、非常に似た挙動を示す。モノグラフ「Modern Super-absorbent Polymer Technology」、F.L. BuchholzおよびAT. Graham、Wiley-VCH、1998、98ページによれば、アルキレンカーボネート用に推奨される反応温度は180~215℃の範囲である。
【0015】
高い遠心保持容量(CRC)と高い49.2g/cm2の荷重下吸収(AUHL)とを有する組み合わせは、ウィッキング吸収試験における液体取り込み量の合計が高い吸水性ポリマー粒子をもたらす。
【0016】
特定の条件は、さらに、高い遠心保持容量(CRC)でのVAUL試験における特有の膨潤時間の、圧力依存性が低減した吸水性ポリマー粒子をもたらす。
【0017】
本発明はさらに、遠心保持容量(CRC)35~75g/g、高荷重下吸収(AUHL)20~50g/g、抽出可能(Extractable)成分の水準10質量%未満、および多孔率20~40%を有する表面後架橋された吸水性ポリマー粒子を提供する。
【0018】
本発明はさらに、
Y > -500 × ln(X)+1880
の液体取り込み量の合計を有する表面後架橋された吸水性ポリマー粒子を提供し、前記式中、Y[g]は液体取り込み量の合計であり、且つX[g/g]は遠心保持容量であり、前記遠心保持容量は少なくとも25g/gであり且つ前記液体取り込み量は少なくとも30gである。
【0019】
本発明はさらに、特有の膨潤時間の変化が0.6未満であり、且つ遠心保持容量が少なくとも35g/gである表面後架橋された吸水性ポリマー粒子であって、前記特有の膨潤時間の変化が
Z = (τ0.5-τ0.1)/τ0.5
である前記表面後架橋された吸水性ポリマー粒子を提供し、前記式中、Zは特有の膨潤時間の変化であり、τ0.1は0.1psi(6.9g/cm2)の圧力下での特有の膨潤時間であり、且つτ0.5は0.5psi(35.0g/cm2)の圧力下での特有の膨潤時間である。
【0020】
本発明はさらに、本発明の吸水性ポリマー粒子を含む流体吸収物品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図9】内部の流動床のためのレーキ型撹拌機(上面図)
【
図10】内部の流動床のためのレーキ型撹拌機(横断面図)
【
図16】本発明による吸水性ポリマー粒子の液体取り込み量の合計を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の詳細な説明
前記吸水性ポリマー粒子は、
a) 酸基を有し且つ少なくとも部分的に中和されていることがある少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、
b) 随意に1つまたはそれより多くの架橋剤、
c) 少なくとも1つの開始剤、
d) 随意に、a)で記載されたモノマーと共重合可能な1つまたはそれより多くのエチレン性不飽和モノマー、
e) 随意に1つまたはそれより多くの水溶性ポリマー、および
f) 水
を含むモノマー溶液を重合することによって吸水性ポリマー粒子を形成する段階、
吸水性ポリマー粒子を少なくとも1つの表面後架橋剤で被覆する段階、および
被覆された吸水性ポリマー粒子を熱により表面後架橋させる段階
を含む方法であって、表面後架橋剤で被覆される前の吸水性ポリマー粒子中の残留モノマー含有率が0.03~15質量%の範囲であり、表面後架橋剤がアルキレンカーボネートであり、且つ、熱による表面後架橋の間の温度が100~180℃の範囲である前記方法によって製造される。
【0023】
吸水性ポリマー粒子は典型的には水中で不溶性であるが、しかし膨潤性である。
【0024】
モノマーa)は好ましくは水溶性である、即ち、水中、23℃での可溶性が典型的には少なくとも1g/水100g、好ましくは少なくとも5g/水100g、より好ましくは少なくとも25g/水100g、最も好ましくは少なくとも35g/水100gである。
【0025】
適したモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびイタコン酸である。特に好ましいモノマーは、アクリル酸およびメタクリル酸である。アクリル酸が非常に特に好ましい。
【0026】
さらに適したモノマーa)は、例えばエチレン性不飽和スルホン酸、例えばビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸および2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0027】
不純物が重合に強く影響することがある。特に精製されたモノマーa)が好ましい。有用な精製方法は、WO2002/055469号A1、WO2003/078378号A1およびWO2004/035514号A1内に開示されている。適したモノマーa)は、WO2004/035514号A1により精製されたアクリル酸であって、99.8460質量%のアクリル酸、0.0950質量%の酢酸、0.0332質量%の水、0.0203質量%のプロピオン酸、0.0001質量%のフルフラール、0.0001質量%のマレイン酸無水物、0.0003質量%のジアクリル酸および0.0050質量%のヒドロキノンモノメチルエーテルを有する。
【0028】
重合されたジアクリル酸は、熱分解による残留モノマーの源である。工程の間の温度が低ければ、ジアクリル酸の濃度はもはや重要ではなく、且つ、より高い濃度のジアクリル酸、即ち500~10000ppmを有するアクリル酸を本発明の工程のために使用できる。
【0029】
モノマーa)の総量におけるアクリル酸および/またはその塩の含有率は、好ましくは少なくとも50mol%、より好ましくは少なくとも90mol%、最も好ましくは少なくとも95mol%である。
【0030】
モノマーa)の酸基は典型的には、0~100mol%の範囲、好ましくは25~85mol%の程度、優先的には50~80モル%の程度、より好ましくは60~75mol%、部分的に中和されており、このために通常の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩およびそれらの混合物を使用できる。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニアまたは有機アミン、例えばトリエタノールアミンを使用することも可能である。マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛またはアルミニウムの酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩および水酸化物を粉末、スラリー、または溶液として、および上記の中和剤のいずれかの混合物を使用することも可能である。混合物の例はアルミン酸ナトリウムの溶液である。ナトリウムおよびカリウムがアルカリ金属として特に好ましいが、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムおよびそれらの混合物が非常に特に好ましい。典型的には、中和は水溶液として、溶融物として、または好ましくは固体としての中和剤内で混合することによって実施される。例えば、50質量%を著しく下回る含水率を有する水酸化ナトリウムは、23℃より高い融点を有する蝋質の材料として存在し得る。この場合、高められた温度での、材料片または溶融物としての計量添加が可能である。
【0031】
随意に、安定化のために、モノマー溶液に、またはその出発材料に、金属イオン、例えば鉄を封鎖するための1つまたはそれより多くのキレート剤を添加することが可能である。適したキレート剤は、例えばアルカリ金属クエン酸塩、クエン酸、アルカリ金属酒石酸塩、アルカリ金属乳酸塩およびグリコール酸塩、三リン酸五ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、およびTrilon(登録商標)の名称の下で知られる全てのキレート剤、例えばTrilon(登録商標) C (ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム)、Trilon(登録商標) D ((ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン三酢酸三ナトリウム)およびTrilon(登録商標) M (メチルグリシン二酢酸)である。
【0032】
モノマーa)は典型的には重合阻害剤、好ましくはヒドロキノンモノエーテルを貯蔵のための阻害剤として含む。
【0033】
モノマー溶液は、各々アクリル酸に対して、好ましくは250質量ppmまで、より好ましくは130質量ppm以下、最も好ましくは70質量ppm以下、好ましくは10質量ppm以上、より好ましくは30質量ppm以上、および特に約50質量ppmのヒドロキノンモノエーテルを含み、ここで、アクリル酸塩はアクリル酸として計算されている。例えば、モノマー溶液を、適切なヒドロキノンモノエーテル含有率を有するアクリル酸を使用して調製できる。しかしながら、ヒドロキノンモノエーテルを、モノマー溶液から、例えば活性炭上での吸収によって、除去することもできる。
【0034】
好ましいヒドロキノンモノエーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)および/またはα-トコフェノール(ビタミンE)である。
【0035】
適した架橋剤b)は、架橋のために適した少なくとも2つの基を有する化合物である。かかる基は、例えば、フリーラジカルの機構によりポリマー鎖内に重合可能なエチレン性不飽和基、およびモノマーa)の酸基と共有結合を形成できる官能基である。さらには、モノマーa)の少なくとも2つの酸基と配位結合を形成できる多価の金属イオンも、架橋剤b)として適している。
【0036】
架橋剤b)は、好ましくはフリーラジカルの機構によりポリマーネットワーク中に重合可能な少なくとも2つのラジカル重合可能な基を有する化合物である。適した架橋剤b)は例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、テトラアルキルアンモニウムクロリド、テトラアリルオキシエタン(EP0530438号A1に記載)、ジアクリレートおよびトリアクリレート(EP0547847号A1、EP0559476号A1、EP0632068号A1、WO93/21237号A1、WO2003/104299号A1、WO2003/104300号A1、WO2003/104301号A1およびDE10331450号A1に記載)、アクリレート基に加えてさらなるエチレン性不飽和基を含む混合アクリレート(DE10331456号A1およびDE10355401号A1に記載)、または架橋剤混合物(例えばDE19543368号A1、DE19646484号A1、WO90/15830号A1およびWO2002/32962号A2に記載)である。
【0037】
適した架橋剤b)は、特にペンタエリトリトールトリアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、ポリエチレングリコールジアリルエーテル(分子量400から20000g/molを有するポリエチレングリコールに基づく)、Ν,Ν’-メチレンビスアクリルアミド、15箇所エトキシ化されたトリメチロールプロパン、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリアリルアミンである。
【0038】
非常に特に好ましい架橋剤b)は、ポリエトキシ化および/またはポリプロポキシ化されたグリセロールであって、アクリル酸またはメタクリル酸でエステル化されてジアクリレートまたはトリアクリレートを生じるものであり、例えばWO2003/104301号A1内に記載されている。3~18箇所エトキシ化されたグリセロールのジアクリレートおよび/またはトリアクリレートが特に有利である。1~5箇所エトキシ化および/またはプロポキシ化されたグリセロールのジアクリレートまたはトリアクリレートが非常に特に好ましい。3~5箇所エトキシ化および/またはプロポキシ化されたグリセロールのトリアクリレート、および特に3箇所エトキシ化されたグリセロールのトリアクリレートが最も好ましい。
【0039】
架橋剤b)の量は、各々、モノマーa)に対して好ましくは0.0001~0.6質量%、より好ましくは0.001~0.2質量%、最も好ましくは0.01~0.06質量%である。架橋剤b)の量が増加すると、遠心保持容量(CRC)が低下し、且つ、21.0g/cm2の圧力下での吸収(AUL)が最大値を通り過ぎる。
【0040】
本発明の表面後架橋されたポリマー粒子は、意外なことに、重合段階の間、非常にわずかな架橋剤しか必要としないか、または架橋剤を必要としない。従って、本発明の特に好ましい1つの実施態様において、架橋剤b)は使用されない。
【0041】
使用される開始剤c)は、重合条件下で遊離基に分解する全ての化合物、例えば過酸化物、ヒドロペルオキシド、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ化合物、レドックス開始剤であってよい。水溶性の開始剤の使用が好ましい。いくつかの場合においては、様々な開始剤の混合物、例えば過酸化水素とペルオキソ二硫酸ナトリウムまたはカリウムとの混合物を使用することが有利である。過酸化水素とペルオキソ二硫酸ナトリウムとの混合物を任意の割合で使用することができる。
【0042】
特に好ましい開始剤c)は、アゾ開始剤、例えば2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリドおよび2,2’-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)ナトリウム塩、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、および光開始剤、例えば2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノンおよび1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、レドックス開始剤、例えば過硫酸ナトリウム/ヒドロキシメチルスルフィン酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム/ヒドロキシメチルスルフィン酸、過酸化水素/ヒドロキシメチルスルフィン酸、過硫酸ナトリウム/アスコルビン酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム/アスコルビン酸および過酸化水素/アスコルビン酸、光開始剤、例えば1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オンおよびそれらの混合物である。しかしながら、使用される還元成分は、好ましくは2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸のナトリウム塩と、2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸の二ナトリウム塩と、亜硫酸水素ナトリウムとの混合物である。かかる混合物はBrueggolite(登録商標) FF6およびBrueggolite(登録商標) FF7 (Brueggemann Chemicals; ハイルブロン; ドイツ)として入手可能である。当然、本発明の範囲において、2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸および2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸の精製された塩または酸を使用することも可能であり、後者は商品名Blancolen(登録商標) (Bruggemann Chemicals; Heilbronn; ドイツ)のナトリウム塩として入手可能である。
【0043】
開始剤は通常の量で、例えばモノマーa)に対して0.001~5質量%、好ましくは0.01~2質量%、最も好ましくは0.05~0.5質量%の量で使用される。
【0044】
モノマーa)と共重合可能なエチレン性不飽和モノマーd)の例は、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、およびジエチルアミノプロピルメタクリレートである。
【0045】
有用な水溶性ポリマーe)は、ポリビニルアルコール、酸性の側基を含む変性ポリビニルアルコール、例えばPoval(登録商標) K (Kuraray Europe GmbH; Frankfurt; ドイツ)、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、変性セルロース、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリグリコールまたはポリアクリル酸、ポリエステルおよびポリアミド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コ-ポリ乳酸・ポリグリコール酸、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、アクリル酸とマレイン酸との水溶性コポリマー(Sokalan(登録商標) (BASF SE; Ludwigshafen; ドイツ)として入手可能)を含み、好ましくはデンプン、デンプン誘導体および変性セルロースを含む。
【0046】
最適の作用のために、好ましい重合禁止剤は溶存酸素を必要とする。従って、モノマー溶液は、不活性化、即ち不活性ガス、好ましくは窒素の流通によって、重合前に溶存酸素をなくすことができる。還元剤を添加することによって、溶存酸素の濃度を低下させることも可能である。モノマー溶液の酸素含有率は好ましくは、重合前に1質量ppm未満、より好ましくは0.5質量ppm未満に下げられる。
【0047】
モノマー溶液の含水率は好ましくは65質量%未満、優先的には62質量%未満、より好ましくは60質量%未満、最も好ましくは58質量%未満である。
【0048】
モノマー溶液は、20℃で、好ましくは0.002~0.02Pa・s、より好ましくは0.004~0.015Pa・s、最も好ましくは0.005~0.01Pa・sの動粘度を有する。液滴生成における平均液滴直径は、動粘度の上昇と共に増加する。
【0049】
モノマー溶液は20℃で、好ましくは1~1.3g/cm3、より好ましくは1.05~1.25g/cm3、最も好ましくは1.1~1.2g/cm3の密度を有する。
【0050】
モノマー溶液は20℃で、0.02~0.06N/m、より好ましくは0.03~0.05N/m、最も好ましくは0.035~0.045N/mの表面張力を有する。液滴生成における平均液滴直径は、表面張力の上昇と共に増加する。
【0051】
重合
前記モノマー溶液を重合する。適した反応器は、例えば混練反応器またはベルト式反応器である。ニーダーにおいて、モノマー水溶液もしくは懸濁液の重合において形成されたポリマーゲルを、例えば、WO2001/038402号A1内に記載されるような反転撹拌軸によって連続的に粉砕する。ベルト上での重合は、例えば、DE3825366号A1およびUS6241928号内に記載されている。ベルト式反応器内での重合は、さらなる工程段階において、例えば押出機またはニーダー内で粉砕しなければならないポリマーゲルを形成する。
【0052】
乾燥特性を改善するために、ニーダーを用いて得られた粉砕されたポリマーゲルを、追加的に押し出すことができる。
【0053】
本発明の好ましい実施態様において、吸水性ポリマー粒子は、周囲の加熱された気相中でモノマーの液滴を重合することによって製造され、例えばWO2008/040715号A2、WO2008/052971号A1、WO2008/069639号A1およびWO2008/086976号A1内に記載される系が使用される。
【0054】
液滴は好ましくは液滴プレートを用いて生成される。液滴プレートは多数の孔を有し、液体が上からその孔に入るプレートである。液滴プレートまたは液体を振動させて、各々の孔で理想的な単分散の液滴の鎖を、液滴プレートの下側において生成することができる。好ましい実施態様において、液滴プレートは揺り動かされない。
【0055】
本発明の範囲内で、異なる孔直径を有する2つまたはそれより多くの液滴プレートを使用して、望ましい粒径範囲を生成することも可能である。各々の液滴プレートが1つのみの孔直径を有することが好ましいが、1つのプレート内に複数の孔直径が混在することも可能である。
【0056】
孔の数および大きさは、所望の容量および液滴の大きさに従って選択される。液滴の直径は典型的には孔の直径の1.9倍である。液滴化されるべき液体が、あまりにも速く孔を通過することなく、且つ、孔を介した圧力降下が大きすぎないことが重要である。そうでなければ、液体が液滴化されず、むしろ高い運動エネルギーのために液体の噴流がばらばらになる(噴霧化する)。孔1つあたりのスループットおよび孔直径に基づくレイノルズ数は、好ましくは2000未満、優先的には1600未満、より好ましくは1400未満、および最も好ましくは1200未満である。
【0057】
液滴プレートの下側は、少なくとも部分的に、水に対する接触角が好ましくは少なくとも60°、より好ましくは少なくとも75°、および最も好ましくは少なくとも90°である。
【0058】
接触角は、液体、特に水の、表面に関する濡れ挙動の尺度であり、通常の方法、例えばASTM D 5725に準拠して測定できる。低い接触角は良好な濡れ性を意味し、且つ、高い接触角は乏しい濡れ性を意味する。
【0059】
水に対するより低い接触角を有する材料、例えばドイツ建築材料コード番号1.4571を有する鋼からなり、且つ、水に対するより高い接触角を有する材料で被覆された液滴プレートも可能である。
【0060】
有用な被覆は、例えばフッ素性のポリマー、例えばペルフルオロアルコキシエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン-クロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマーおよびフッ素化ポリエチレンを含む。
【0061】
被覆を分散液として基材に施与することができ、この場合、溶剤を引き続き蒸発させ、且つ該コーティングを熱処理する。ポリテトラフルオロエチレンについて、これは例えば、US3243321号内に記載されている。
【0062】
さらなる被覆方法は、「Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry」 (第6アップデート版、2000 電子出版)の電子版において、「薄膜」の項目に記載されている。
【0063】
該コーティングはさらに、化学的ニッケル化の間の、ニッケル層中に含まれることがある。
【0064】
濡れ性の乏しい液滴プレートが、液滴の大きさの分布が狭い単分散の液滴の製造をみちびく。
【0065】
液滴プレートは好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも25、最も好ましくは少なくとも50、および好ましくは750まで、より好ましくは500までの孔、最も好ましくは250までの孔を有する。孔の数は主に、幾何学的且つ製造面での制約によって決定され、且つ、上記の範囲外であっても、実用的な使用条件に合わせることができる。孔の直径は所望の液滴の大きさに合わせられる。
【0066】
孔の間隔は通常、5~50mm、好ましくは6~40mm、より好ましくは7~35mm、最も好ましくは8~30mmである。孔の間隔がより小さいと、重合される液滴の凝集が生じることがある。
【0067】
孔の直径は好ましくは50~500μm、より好ましくは100~300μm、最も好ましくは150~250μmである。
【0068】
平均粒径を最適化するために、異なる孔直径を有する液滴プレートを使用することができる。1つのプレート上での異なる孔によって、または各々のプレートが異なる孔直径を有する異なるプレートを使用することによって、その変化をつけることができる。平均粒径分布は単峰性、双峰性または多峰性であってよい。最も好ましくは単峰性または双峰性である。
【0069】
孔を通過する際のモノマー溶液の温度は、好ましくは5~80℃、より好ましくは10~70℃、最も好ましくは30~60℃である。
【0070】
反応室を通じてガスが流れる。前記キャリアガスは、反応室を通じて自由落下するモノマー溶液の液滴と並流で、つまり、上から下向きにみちびかれる。1回のパスの後、ガスは好ましくは、少なくとも部分的に、好ましくは少なくとも50%の程度で、より好ましくは少なくとも75%の程度で、反応室内にサイクルガスとして再循環される。典型的には、キャリアガスの一部は、各々のパスの後に、好ましくは10%まで、より好ましくは3%まで、および最も好ましくは1%まで排出される。
【0071】
キャリアガスは空気で構成されてよい。キャリアガスの酸素含有率は好ましくは0.1~15容積%、より好ましくは1~10容積%、最も好ましくは2~7質量%である。本発明の範囲内で、酸素を含まないキャリアガスを使用することも可能である。
【0072】
酸素と同様に、キャリアガスは好ましくは窒素を含む。該ガスの窒素含有率は好ましくは少なくとも80容積%、より好ましくは少なくとも90容積%、最も好ましくは少なくとも95容積%である。他の可能なキャリアガスは、二酸化炭素、アルゴン、キセノン、クリプトン、ネオン、ヘリウム、六フッ化硫黄から選択できる。キャリアガスの任意の混合物を使用できる。キャリアガスは水および/またはアクリル酸の蒸気で負荷されることもある。
【0073】
ガス速度は好ましくは反応領域における流れが方向性を有するように、例えば全体の流れ方向に対向する対流が存在しないように調節され、且つ、好ましくは0.1~2.5m/s、より好ましくは0.3~1.5m/s、さらにより好ましくは0.5~1.2m/s、最も好ましくは0.7~0.9m/sである。
【0074】
ガスの入口温度、即ち、ガスが反応領域に入る際の温度は、好ましくは160~200℃、より好ましくは165~195℃、さらにより好ましくは170~190℃、最も好ましくは175~185℃である。
【0075】
反応領域に入るガスの蒸気含有率は、好ましくは乾燥ガス1kgあたり0.01~0.15kg、より好ましくは乾燥ガス1kgあたり0.02~0.12kg、最も好ましくは乾燥ガス1kgあたり0.03~0.10kgである。
【0076】
ガスの入口温度は、ガスの出口温度、即ちガスが反応領域を離れる際の温度が150℃未満、好ましくは90~140℃、より好ましくは100~130℃、さらにより好ましくは105~125℃、最も好ましくは110~120℃であるように調節される。
【0077】
反応領域を離れるガスの蒸気含有率は、好ましくは乾燥ガス1kgあたり0.02~0.30kg、より好ましくは乾燥ガス1kgあたり0.04~0.28kg、最も好ましくは乾燥ガス1kgあたり0.05~0.25kgである。
【0078】
吸水性ポリマー粒子は、3つのカテゴリーに分割できる: タイプ1の吸水性ポリマー粒子は、1つの空洞部を有する粒子であり、タイプ2の吸水性ポリマー粒子は、1つより多くの空洞部を有する粒子であり、且つ、タイプ3の吸水性ポリマー粒子は、可視の空洞部を有さない中実の粒子である。タイプ1の粒子は中空球によって代表され、タイプ2の粒子は球状の独立気泡スポンジによって代表され、且つ、タイプ3の粒子は中実の球によって代表される。タイプ2またはタイプ3の粒子、またはそれらとわずかなタイプ1の粒子との、またはタイプ1の粒子を有さない混合物が好ましい。
【0079】
吸水性ポリマー粒子の形態を、重合の間の反応条件によって調節できる。1つの空洞部を有する粒子(タイプ1)の量が多い吸水性ポリマー粒子を、低いガス速度および高いガス出口温度を使用して製造することができる。1つより多くの空洞部を有する粒子(タイプ2)の量が多い吸水性ポリマー粒子を、高いガス速度および低いガス出口温度を使用して製造することができる。
【0080】
空洞部を有さない吸水性ポリマー粒子(タイプ3)および1つより多くの空洞部を有する吸水性ポリマー粒子(タイプ2)は、1つのみの空洞部を有する吸水性ポリマー粒子(タイプ1)と比較して改善された機械的安定性を示す。
【0081】
おむつの生産における加工の応力によって、および水性液体中での膨潤の間に、容易に破砕され得る端部を有さない丸い形状の粒子の特定の利点としては、機械的強度の損失をみちびきかねない表面上の中断点がないことである。
【0082】
反応を、高められた圧力下、または低減された圧力下、好ましくは大気圧の1~100mbar下、より好ましくは大気圧の1.5~50mbar下、最も好ましくは大気圧の2~10mbar下で行うことができる。
【0083】
反応のオフガス、即ち、反応室を離れるガスを熱交換器内で冷却できる。このことにより水および未変換のモノマーa)が凝縮される。その後、反応のオフガスを少なくとも部分的に再加熱し、且つ反応室にサイクルガスとして再循環させることができる。反応のオフガスの一部を排出し、且つ新鮮なガスによって置き換えることができ、この場合、反応のオフガス中に存在する水および未変換のモノマーa)を除去し且つ再循環させることができる。
【0084】
熱的に統合された系、即ち、オフガスの冷却における廃熱の一部がサイクルガスを加熱するために使用される系が特に好ましい。
【0085】
反応器をトレース加熱することができる。この場合、トレース加熱を、壁の温度が内部の反応器温度より少なくとも5℃高くなり、且つ反応器壁上での凝縮が確実に防止されるように調節する。
【0086】
熱による後処理
液滴化によって得られた吸水性ポリマー粒子を熱により後処理して、残留モノマーの含有率を所望の値に調節することができる。
【0087】
残留モノマーを比較的高い温度且つ比較的長い滞留時間でより良く除去できる。ここで、吸水性ポリマー粒子が乾燥し過ぎていないことが重要である。過度に乾燥した粒子の場合、残留モノマーはわずかにしか減少しない。高すぎる含水率は、吸水性ポリマー粒子のケーク化傾向を増加させる。
【0088】
熱による後処理を流動床において行うことができる。本発明の好ましい実施態様において、内部の流動床が使用される。内部の流動床は、液滴化重合の生成物が反応領域の下の流動床内に蓄積されることを意味する。
【0089】
流動化された状態において、ポリマー粒子の運動エネルギーはポリマー粒子間の密着または接着の能力よりも大きい。
【0090】
流動化状態は、流動床によって達成できる。この床において、吸水性ポリマー粒子に向かう上向きの流れがあり、従って粒子が流動床を形成する。流動床の高さはガスの割合およびガスの速度によって、即ち、流動床の圧力降下(ガスの運動エネルギー)を介して調節される。
【0091】
流動床におけるガス流の速度は、好ましくは0.3~2.5m/s、より好ましくは0.4~2.0m/s、最も好ましくは0.5~1.5m/sである。
【0092】
内部の流動床の底部にわたる圧力降下は、好ましくは1~100mbar、より好ましくは3~50mbar、最も好ましくは5~25mbarである。
【0093】
熱による後処理の最後での吸水性ポリマー粒子の湿分含有率は、好ましくは1~20質量%、より好ましくは2~15質量%、さらにより好ましくは3~12質量%、最も好ましくは5~8質量%である。
【0094】
熱による後処理の間の吸水性ポリマー粒子の温度は、20~120℃、好ましくは40~100℃、より好ましくは50~95℃、さらにより好ましくは55~90℃、最も好ましくは60~80℃である。
【0095】
内部の流動床内での平均滞留時間は、10~300分、好ましくは60~270分、より好ましくは40~250分、最も好ましくは120~240分である。
【0096】
流動床の条件を調節して、流動床を離れる吸水性ポリマーの残留モノマーの量を減少させることができる。追加的な蒸気を使用した熱による後処理によって、残留モノマーの量を0.1質量%未満に減少させることができる。
【0097】
ガスの蒸気含有率は、好ましくは乾燥ガス1kgあたり0.005~0.25kg、より好ましくは乾燥ガス1kgあたり0.01~0.2kg、最も好ましくは乾燥ガス1kgあたり0.02~0.15kgである。
【0098】
追加的な蒸気を使用することによって、流動床の条件を、流動床を離れる吸水性ポリマーの残留モノマーの量が0.03~15質量%、好ましくは0.05~12質量%、より好ましくは0.1~10質量%、さらにより好ましくは0.15~7.5質量%、最も好ましくは0.2~5質量%、さらに最も好ましくは0.25~2.5質量%であるように調節できる。
【0099】
吸水性ポリマー中の残留モノマーの水準は、後に形成される表面後架橋された吸水性ポリマー粒子の特性に重要な影響を及ぼす。これは、非常に低い水準の残留モノマーを回避しなければならないことを意味する。
【0100】
本発明の1つの好ましい実施態様において、熱による後処理を外部流動床において完全に、または少なくとも部分的に行う。外部の流動床の稼働条件は上述された内部の流動床についての範囲内である。
【0101】
本発明の他の好ましい実施態様において、熱による後処理を可動式の混合器具を備えた外部のミキサー、好ましくは横型ミキサー、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサー、スクリューベルトミキサーおよびパドルミキサー内で行う。適したミキサーは、例えば、Beckerシャベルミキサー(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn;ドイツ)、Naraパドルミキサー(NARA Machinery Europe; Frechen;ドイツ)、Pflugschar(登録商標)プロシェアミキサー(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn;ドイツ)、Vrieco-Nauta連続式ミキサー(Hosokawa Micron BV; Doetinchem; オランダ)、Processall Mixmillミキサー(Processall Incorporated; Cincinnati; 米国)およびRuberg連続式流動ミキサー(Gebrueder Ruberg GmbH & Co KG、Nieheim、Germany)である。Ruberg連続式流動ミキサー、BeckerシャベルミキサーおよびPflugschar(登録商標)プロシェアミキサーが好ましい。
【0102】
熱による後処理を不連続式の外部ミキサー、または連続式の外部ミキサー内で行うことができる。
【0103】
不連続式の外部ミキサー内で使用されるべきガスの量は、各々吸水性ポリマー粒子1kgに対して好ましくは0.01~5Nm3/h、より好ましくは0.05~2Nm3/h、最も好ましくは0.1~0.5Nm3/hである。
【0104】
連続式の外部ミキサー内で使用されるべきガスの量は、各々吸水性ポリマー粒子のスループットkg/hに対して好ましくは0.01~5Nm3/h、より好ましくは0.05~2Nm3/h、最も好ましくは0.1~0.5Nm3/hである。
【0105】
ガスの他の成分は、好ましくは窒素、二酸化炭素、アルゴン、キセノン、クリプトン、ネオン、ヘリウム、空気、または空気/窒素混合物であり、より好ましくは窒素、または10容積%未満の酸素を含む空気/窒素混合物である。酸素は変色を引き起こすことがある。
【0106】
吸水性ポリマー粒子の形態を、熱による後処理の間の反応条件によって調節することもできる。1つの空洞部を有する粒子(タイプ1)の量が多い吸水性ポリマー粒子を、高い生成物温度および短い滞留時間を使用して製造することができる。1つより多くの空洞部を有する粒子(タイプ2)の量が多い吸水性ポリマー粒子を、低い生成物温度および長い滞留時間を使用して製造することができる。
【0107】
表面後架橋
本発明において、ポリマー粒子は、特性のさらなる改善のために表面後架橋される。
【0108】
表面後架橋剤は、ポリマー粒子のカルボン酸基と少なくとも2つの共有結合を形成できる基を含む化合物である。適した化合物は、例えば多官能性アミン、多官能性アミドアミン、多官能性エポキシド(EP0083022号A2、EP0543303号A1、およびEP0937736号A2内に記載)、二官能性または多官能性アルコール(DE3314019号A1、DE3523617号A1およびEP0450922号A2内に記載)、またはβ-ヒドロキシアルキルアミド(DE10204938号A1およびUS6239230号内に記載)である。エチレンオキシド、アジリジン、グリシドール、オキセタンおよびその誘導体を使用することもできる。
【0109】
ポリビニルアミン、ポリアミドアミンおよびポリビニルアルコールが、多官能性ポリマー表面後架橋剤の例である。
【0110】
さらに、適した表面後架橋剤として、DE4020780号C1は、アルキレンカーボネートを記載し、DE19807502号A1は、1,3-オキサゾリジン-2-オンおよびその誘導体、例えば2-ヒドロキシエチル-1,3-オキサゾリジン-2-オンを記載し、DE19807992号C1は、ビス-およびポリ-1,3-オキサゾリジン-2-オンを記載し、EP0999238号A1は、ビス-およびポリ-1,3-オキサゾリジンを記載し、DE19854573号A1は、2-オキソテトラヒドロ-1,3-オキサジンおよびその誘導体を記載し、DE19854574号A1は、N-アシル-1,3-オキサゾリジン-2-オンを記載し、DE10204937号A1は、環式ウレアを記載し、DE10334584号A1は、二環式アミドアセタールを記載し、EP1199327号A2はオキセタンおよび環式ウレアを記載し、且つWO2003/31482号A1は、モルホリン-2,3-ジオンおよびその誘導体を記載している。
【0111】
さらには、DE3713601号A1に記載されるとおり、追加的に重合可能なエチレン性不飽和基を含む表面後架橋剤を使用することも可能である。
【0112】
本発明の好ましい実施態様において、少なくとも1つの表面後架橋剤は、アルキレンカーボネート、1,3-オキサゾリジン-2-オン、ビス-およびポリ-1,3-オキサゾリジン-2-オン、ビス-およびポリ-1,3-オキサゾリジン、2-オキソテトラヒドロ-1,3-オキサジン、N-アシル-1,3-オキサゾリジン-2-オン、環式ウレア、二環式アミドアセタール、オキセタンおよびモルホリン-2,3-ジオンから選択される。適した表面後架橋剤は、エチレンカーボネート、3-メチル-1,3-オキサゾリジン-2-オン、3-メチル-3-オキセタンメタノール、1,3-オキサゾリジン-2-オン、3-(2-ヒドロキシエチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン、1,3-ジオキサン-2-オンまたはそれらの混合物である。
【0113】
表面後架橋剤の任意の適した混合物を使用することも可能である。1,3-ジオキソラン-2-オン(エチレンカーボネート)と1.3-オキサゾリジン-2-オンとの混合物を使用することが特に好ましい。かかる混合物は、1,3-ジオキソラン-2-オン(エチレンカーボネート)と相応の2-アミノアルコール(例えば2-アミノエタノール)とを混合し且つ部分的に反応させることにより得られ、且つ、反応からのエチレングリコールを含むことができる。
【0114】
本発明のより好ましい実施態様において、少なくとも1つのアルキレンカーボネートを表面後架橋剤として使用する。適したアルキレンカーボネートは、1,3-ジオキソラン-2-オン(エチレンカーボネート)、4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン(プロピレンカーボネート)、4,5-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4,4-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-エチル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキソラン-2-オン(グリセリンカーボネート)、1,3-ジオキサン-2-オン(トリメチレンカーボネート)、4-メチル-1,3-ジオキサン-2-オン、4,6-ジメチル-1,3-ジオキサン-2-オンおよび1,3-ジオキセパン-2-オン、好ましくは1,3-ジオキソラン-2-オン(エチレンカーボネート)および1,3-ジオキサン-2-オン(トリメチレンカーボネート)、最も好ましくは3-ジオキソラン-2-オン(エチレンカーボネート)である。
【0115】
表面後架橋剤の量は、各々、ポリマーに対して好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.5~7.5質量%、最も好ましくは1~5質量%である。
【0116】
表面後架橋剤で被覆される前の吸水性ポリマー粒子中の残留モノマーの含有率は、0.03~15質量%、好ましくは0.05~12質量%、より好ましくは0.1~10質量%、さらにより好ましくは0.15~7.5質量%、最も好ましくは0.2~5質量%、さらに最も好ましくは0.25~2.5質量%の範囲である。
【0117】
熱による表面後架橋前の吸水性ポリマー粒子の湿分含有率は、好ましくは1~20質量%、より好ましくは2~15質量%、最も好ましくは3~10質量%である。
【0118】
本発明の好ましい実施態様において、表面後架橋剤に加えて、熱による表面後架橋の前、間または後に、多価カチオンを粒子表面に施与する。
【0119】
本発明による方法において有用な多価カチオンは、例えば、二価のカチオン、例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄およびストロンチウムのカチオン、三価のカチオン、例えばアルミニウム、鉄、クロム、希土類およびマンガンのカチオン、四価のカチオン、例えばチタンおよびジルコニウムのカチオン、およびそれらの混合物である。可能な対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、メタン硫酸イオン(methanesulfate)、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、水酸化物イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、グリコリン酸イオン(glycophosphate)およびカルボン酸イオン、例えば酢酸イオン、グリコール酸イオン、酒石酸イオン、ギ酸イオン、プロピオン酸イオン、3-ヒドロキシプロピオン酸イオン、ラクトアミドイオンおよび乳酸イオンおよびそれらの混合物である。硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、および乳酸アルミニウムが好ましい。乳酸アルミニウムがより好ましい。本発明の方法を乳酸アルミニウムの使用と組み合わせて使用すると、より低い遠心保持容量(CRC)での液体取り込み量の合計が極めて高い吸水性ポリマー粒子を製造することができる。
【0120】
金属塩の他に、ポリアミンおよび/またはポリマーのアミンを多価カチオンとして使用することも可能である。単独の金属塩、並びに上記の金属塩および/またはポリアミンの任意の混合物を使用することができる。
【0121】
好ましい多価カチオンおよび相応のアニオンは、WO2012/045705号A1内に開示され、且つ、参照をもって本願内に開示されるものとする。好ましいポリビニルアミンは、WO2004/024816号A1内に開示され、且つ、参照をもって本願内に開示されるものとする。
【0122】
使用される多価カチオンの量は、各々、ポリマーに対して、例えば0.001~1.5質量%、好ましくは0.005~1質量%、およびより好ましくは0.02~0.8質量%である。
【0123】
多価金属カチオンの添加を、表面後架橋剤の前、後、または並行して行うことができる。用いられる配合および稼働条件に依存して、均質な表面コーティングおよび多価カチオンの分布、または不均質な典型的には斑状のコーティングを得ることが可能である。両方のタイプのコーティングおよびそれらの間の任意の混合物が、本発明の範囲内で有用である。
【0124】
表面後架橋は典型的には、表面後架橋剤の溶液をヒドロゲルまたは乾燥ポリマー粒子上に噴霧する方式で実施される。噴霧後、表面後架橋剤で被覆されたポリマー粒子を熱により乾燥し且つ冷却する。
【0125】
表面後架橋剤の溶液の噴霧を、好ましくは可動式混合器具を備えたミキサー、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサー、およびパドルミキサー内で実施する。適したミキサーは、例えば縦型Schugi Flexomix(登録商標)ミキサー(Hosokawa Micron BV; Doetinchem; オランダ)、Turbolizers(登録商標)ミキサー(Hosokawa Micron BV; Doetinchem; オランダ)、横型Pflugschar(登録商標)プロシェアミキサー(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツ)、Vrieco-Nauta連続式ミキサー(Hosokawa Micron BV; Doetinchem; オランダ)、Processall Mixmillミキサー(Processall Incorporated; Cincinnati; US)およびRuberg連続式流動ミキサー(Gebrueder Ruberg GmbH & Co KG、Nieheim、ドイツ)である。Ruberg連続式流動ミキサー、および横型Pflugschar(登録商標)プロシェアミキサーが好ましい。表面後架橋剤溶液を流動床内に噴霧することもできる。
【0126】
表面後架橋剤の溶液を、熱による後処理の間に吸水性ポリマー粒子上に噴霧することもできる。そのような場合、表面後架橋剤を1つの部分として、または複数の部分で、熱による後処理のミキサーの軸に沿って添加することができる。1つの実施態様において、表面後架橋剤を熱による後処理段階の最後で添加することが好ましい。熱による後処理段階の間に表面後架橋剤の溶液を添加することの特別な利点は、別途の表面後架橋剤添加ミキサーのための技術的な手間を排除するまたは低減することが可能であり得ることである。
【0127】
表面後架橋剤は典型的には水溶液として使用される。表面の濡れ性を改善し、且つ表面後架橋剤のポリマー粒子中への浸透深さを調節するために、非水性溶剤の添加を使用することができる。
【0128】
熱による表面後架橋を、好ましくは接触式乾燥機、より好ましくはパドル乾燥機、最も好ましくはディスク乾燥機内で行う。適した乾燥機は、例えばHosokawa Bepex(登録商標) 横型パドル乾燥機(Hosokawa Micron GmbH; Leingarten; ドイツ)、Hosokawa Bepex(登録商標)ディスク乾燥機 (Hosokawa Micron GmbH; Leingarten; ドイツ)、Holo-Flite(登録商標)乾燥機(Metso Minerals Industries Inc.; Danville; 米国)およびNaraパドル乾燥機(NARA Machinery Europe; Frechen; ドイツ)である。さらには、流動床乾燥機を使用することも可能である。後者の場合、他の実施態様と比較して、反応時間をより短くすることができる。
【0129】
横型乾燥機を使用する場合、乾燥機を地面に対して数度の傾斜角で設置して、乾燥機を通じた適切な生成物の流れをもたらすことが、多くの場合有利である。前記の角度は固定されていてもよいし、調節されることもでき、且つ、典型的には0~10度、好ましくは1~6度、最も好ましくは2~4度である。
【0130】
本発明の1つの実施態様において、2つの異なる加熱領域を1つの装置内に有する接触式乾燥機が使用される。例えばNaraパドル乾燥機は、1つの加熱領域または選択的に2つの加熱領域を使用可能である。2つまたはそれより多くの加熱領域の乾燥機を使用する利点は、熱による後処理の、および/または後表面架橋の異なる段階を統合することができることである。
【0131】
本発明の1つの好ましい実施態様において、熱い第1の加熱領域を有する接触式乾燥機が使用され、次に、同じ乾燥機内の温度保持領域が使用される。この設定は、生成物の温度の迅速な上昇および第1の加熱領域における過剰な液体の蒸発を可能にする一方で、乾燥機の残りの部分は単に生成物の温度を安定に保持して、反応を完了させる。
【0132】
本発明の他の好ましい実施態様において、温かい第1の加熱領域を有する接触式乾燥機が使用され、次に、熱い加熱領域が使用される。第1の温かい領域において、熱による後処理が行われるまたは完了される一方で、次の熱い領域において表面後架橋が行われる。
【0133】
典型的な実施態様において、1つだけの温度領域を有するパドル加熱器が用いられる。
【0134】
当業者は所望の最終製品の特性および重合段階からの利用可能なベースポリマーの量に依存して、それらの設定の任意の1つを選択する。
【0135】
熱による表面後架橋を、ミキサー自体の中で、外装を加熱すること、温かい空気または蒸気中でブローすることによって行うことができる。ダウンストリーム乾燥機、例えば棚段乾燥機、回転管状炉または加熱可能なスクリューも同様に適している。流動床乾燥機内で混合および乾燥することが特に有利である。
【0136】
好ましい熱による表面後架橋温度は100~180℃、好ましくは120~170℃、より好ましくは130~165℃、最も好ましくは140~160℃の範囲である。反応ミキサーまたは乾燥機内でのこの温度での好ましい滞留時間は、好ましくは少なくとも5分、より好ましくは少なくとも20分、最も好ましくは少なくとも40分、および典型的には最長120分である。
【0137】
熱による表面後架橋後のポリマー粒子を冷却することが好ましい。冷却を、好ましくは接触式冷却機、より好ましくはパドル冷却機、最も好ましくはディスク冷却機内で行う。適した冷却機は、例えばHosokawa Bepex(登録商標) 横型パドル冷却機(Hosokawa Micron GmbH; Leingarten; ドイツ)、Hosokawa Bepex(登録商標)ディスク冷却機(Hosokawa Micron GmbH; Leingarten; ドイツ)、Holo-Flite(登録商標)冷却機(Metso Minerals Industries Inc.; Danville; 米国)およびNaraパドル冷却機(NARA Machinery Europe; Frechen; ドイツ)である。さらには、流動床冷却機を使用することも可能である。
【0138】
冷却機内で、ポリマー粒子を、20~150℃、好ましくは40~120℃、より好ましくは60~100℃、および最も好ましくは70~90℃の範囲の温度に冷却する。特に接触冷却機が使用される場合、温水を使用した冷却が好ましい。
【0139】
被覆
特性を改善するために、吸水性ポリマー粒子を被覆し且つ/または随意に加湿することができる。内部の流動床、外部の流動床、および/または熱による後処理のために使用される外部のミキサー、および/または別途のコーター(ミキサー)を、吸水性ポリマー粒子を被覆するために使用できる。さらには、冷却機および/または別途のコーター(ミキサー)を使用して、表面後架橋された吸水性ポリマー粒子を被覆/加湿することができる。捕捉挙動を調節するために、および浸透性(SFCまたはGBP)を改善するために適した被覆は、例えば、無機の不活性物質、例えば水溶性の金属塩、有機ポリマー、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマーおよび多価の金属カチオンである。色安定性を改善するための適した被覆は、例えば還元剤、キレート剤および抗酸化剤である。ダストを結合するために適した被覆は、例えばポリオールである。ポリマー粒子の望ましくないケーク化傾向に対抗する、適した被覆は、例えばフュームドシリカ、例えばAerosil(登録商標) 200および界面活性剤、例えばSpan(登録商標) 20およびPlantacare(登録商標) 818 UPである。好ましい被覆は、アルミニウムジヒドロキシモノアセテート、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、アルミニウム3-ヒドロキシプロピオネート、酢酸ジルコニウム、クエン酸またはそれらの水溶性の塩、ジ-およびモノリン酸、またはそれらの水溶性塩、Blancolen(登録商標)、Brueggolite(登録商標) FF7、Cublen(登録商標)、Span(登録商標) 20およびPlantacare(登録商標) 818 UPである。
【0140】
上記の酸の塩が遊離酸の代わりに使用される場合、好ましい塩はアルカリ金属塩、アルカル土類金属塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、チタン塩、亜鉛塩、およびアンモニウム塩である。
【0141】
商品名Cublen(登録商標) (Zschimmer & Schwarz Mohsdorf GmbH & Co KG; Burgstaedt; ドイツ)として、以下の酸および/またはそれらのアルカリ金属塩(好ましくはNaおよびK塩)が入手可能であり、且つ本発明の範囲内で、例えば最終製品に色安定性を付与するために使用することができる:
1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルアミノジ(メチレンホスホン酸)、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、ビス(ヘキサメチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)。最も好ましくは1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸またはナトリウム、カリウムまたはアンモニウムとのそれらの塩が用いられる。上記のCublenes(登録商標)の任意の混合物を使用できる。
【0142】
選択的に、重合において使用するための先述の任意のキレート剤を最終製品上に被覆することができる。
【0143】
適した無機の不活性物質は、ケイ酸塩、例えばモンモリロナイト、カオリナイトおよびタルク、ゼオライト、活性炭、ポリケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、二酸化チタンおよび酸化鉄(II)である。ポリケイ酸を使用することが好ましく、それは製造方式によって沈降シリカとフュームドシリカとに分けられる。その2つの形は、それぞれSilica FK、Sipernat(登録商標)、Wessalon(登録商標) (沈降シリカ)およびAerosil(登録商標) (フュームドシリカ)という名称で市販されている。無機の不活性物質を、水性または水混和性の分散剤中の分散液として、または物質そのもので使用することができる。
【0144】
吸水性ポリマー粒子が無機の不活性物質で被覆される場合、使用される無機の不活性物質の量は、吸水性ポリマー粒子に対して、好ましくは0.05~5質量%、より好ましくは0.1~1.5質量%、最も好ましくは0.3~1質量%である。
【0145】
適した有機ポリマーは、ポリアルキルメタクリレートまたは熱可塑性樹脂、例えばポリ塩化ビニル、ワックスであってポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドまたはポリテトラフルオロエチレンに基づくものである。他の例は、スチレン・イソプレン・スチレンブロックコポリマー、またはスチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマーである。他の例は、商品名Poval(登録商標) R (Kuraray Europe GmbH; Frankfurt; ドイツ)として入手可能であるシラノール基を有するポリビニルアルコールである。
【0146】
適したカチオン性ポリマーは、ポリアルキレンポリアミン、ポリアクリルアミドのカチオン性誘導体、ポリエチレンイミンおよびポリ四級アミンである。
【0147】
ポリ四級アミンは、例えば、ヘキサメチレンジアミンとジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの縮合生成物、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの縮合生成物、ヒドロキシエチルセルロースとジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー、アクリルアミドとα-メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー、ヒドロキシエチルセルロースとエピクロロヒドリンとトリメチルアミンとの縮合生成物、ジアリルメチルアンモニウムクロリドのホモポリマーおよびエピクロロヒドリンのアミドアミンへの付加生成物である。さらに、ポリ四級アミンを、硫酸ジメチルとポリマー、例えばポリエチレンイミン、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマーまたはエチルメタクリレートとジエチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマーと反応させることによって得ることができる。ポリ四級アミンは広い分子量範囲内で入手可能である。
【0148】
しかしながら、それら自身でネットワークを形成できる試薬、例えばエピクロロヒドリンのポリアミドアミンへの付加生成物によって、または添加された架橋剤と反応できるカチオン性ポリマー、例えばポリアミンまたはポリイミンをポリエポキシド、多官能性エステル、多官能性酸または多官能性(メタ)アクリレートと組み合わせて施与することによって、カチオン性ポリマーを粒子表面上に生成することも可能である。
【0149】
一級または二級アミノ基、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミンおよびポリリシンを有する全ての多官能性アミンを使用することが可能である。本発明による方法によって噴霧された液体は好ましくは少なくとも1つのポリアミン、例えばポリビニルアミンまたは部分的に加水分解されたポリビニルホルムアミドを含む。
【0150】
カチオン性ポリマーを、水性または水混和性溶剤中の溶液として、水性または水混和性分散剤中の分散液として、または物質そのもので使用できる。
【0151】
吸水性ポリマー粒子がカチオン性ポリマーで被覆される場合、吸水性ポリマー粒子に対するカチオン性ポリマーの使用量は通常0.001質量%未満、典型的には0.01質量%未満、好ましくは0.1~15質量%、より好ましくは0.5~10質量%、最も好ましくは1~5質量%である。
【0152】
適したアニオン性ポリマーは、ポリアクリレート(酸性の形態または部分的に塩として中和されている)、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー(商品名Sokalan(登録商標) (BASF SE; Ludwigshafen; ドイツ)として入手可能)、およびイオン性電荷が組み込まれたポリビニルアルコール(商品名Poval(登録商標) K (Kuraray Europe GmbH; Frankfurt; ドイツ)として入手可能)である。
【0153】
適した多価金属カチオンは、Mg2+、Ca2+、Al3+、Sc3+、Ti4+、Mn2+、Fe2+/3+、Co2+、Ni2+、Cu+/2+、Zn2+、Y3+、Zr4+、Ag+、La3+、Ce4+、Hf4+およびAu+/3+であり、好ましい金属カチオンはMg2+、Ca2+、Al3+、Ti4+、Zr4+およびLa3+であり、特に好ましい金属カチオンはAl3+、Ti4+およびZr4+である。金属カチオンは、単独または互いに混合して使用することができる。上記の金属カチオンの適した金属塩は、使用される溶剤中で充分な可溶性を有する全てのものである。特に適した金属塩は、弱く錯化しているアニオン、例えば塩化物イオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、酢酸イオン、ギ酸イオン、プロピオン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンおよびメタン硫酸イオンを有する。金属塩は好ましくは溶液として、または安定な水性コロイド分散液として使用される。金属塩のために使用される溶剤は、水、アルコール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびそれらの混合物であってよい。水、および水/アルコール混合物、例えば水/メタノール、水/イソプロパノール、水/1,3-プロパンジオール、水/1,2-プロパンジオール/1,4-ブタンジオールまたは水/プロピレングリコールが特に好ましい。
【0154】
吸水性ポリマー粒子が多価の金属カチオンで被覆される場合、使用される多価の金属カチオンの量は、吸水性ポリマー粒子に対して、好ましくは0.05~5質量%、より好ましくは0.1~1.5質量%、最も好ましくは0.3~1質量%である。
【0155】
適した還元剤は例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム(重亜硫酸ナトリウム)、亜ジチオン酸ナトリウム、スルフィン酸およびそれらの塩、アスコルビン酸、次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、およびホスフィン酸およびそれらの塩である。しかしながら、次亜リン酸の塩、例えば次亜リン酸ナトリウム、スルフィン酸の塩、例えば2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸の二ナトリウム塩およびアルデヒドの付加生成物、例えば2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸の二ナトリウム塩が好ましい。しかしながら、使用される還元剤は、2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸のナトリウム塩と、2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸の二ナトリウム塩と、亜硫酸水素ナトリウムとの混合物であってよい。かかる混合物はBrueggolite(登録商標) FF6およびBrueggolite(登録商標) FF7 (Brueggemann Chemicals; Heilbronn; ドイツ)として入手可能である。精製された2-ヒドロキシ-2-スルホナト酢酸およびそのナトリウム塩(商品名Blancolen(登録商標)として同じ会社から入手可能)も有用である。
【0156】
還元剤は典型的には適した溶剤中、好ましくは水中での溶液の形態で使用される。還元剤を純粋な物質として使用してもよいし、または上記の還元剤の任意の混合物を使用してもよい。
【0157】
吸水性ポリマー粒子が還元剤で被覆される場合、使用される還元剤の量は、吸水性ポリマー粒子に対して、好ましくは0.01~5質量%、より好ましくは0.05~2質量%、最も好ましくは0.1~1質量%である。
【0158】
適したポリオールは、分子量400~20000g/molを有するポリエチレングリコール、ポリグリセロール、3~100箇所エトキシ化されたポリオール、例えばトリメチロールプロパン、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、ペンタエリトリトールおよびネオペンチルグリコールである。特に適したポリオールは、7~20箇所エトキシ化されたグリセロールまたはトリメチロールプロパン、例えばPolyol TP 70(登録商標)(Perstorp AB、Perstorp、スウェーデン)である。後者は、特にそれらが吸水性ポリマー粒子の水性抽出の表面張力をわずかだけしか下げないという利点を有する。ポリオールは好ましくは、水性または水混和性の溶剤中の溶液として使用される。
【0159】
ポリオールを、表面架橋の前、間、または後に添加することができる。好ましくは表面架橋後に添加する。上記で列挙されたポリオールの任意の混合物を使用できる。
【0160】
吸水性ポリマー粒子がポリオールで被覆される場合、ポリオールの使用量は、吸水性ポリマー粒子に対して、好ましくは0.005~2質量%、より好ましくは0.01~1質量%、最も好ましくは0.05~0.5質量%である。
【0161】
前記被覆を、好ましくは可動式混合器具を備えたミキサー、例えばスクリューミキサー、ディスクミキサー、パドルミキサーおよびドラムミキサー内で実施する。適したミキサーは、例えば、横型Pflugschar(登録商標)プロシェアミキサー(Gebr. Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツ)、Vrieco-Nauta連続式ミキサー(Hosokawa Micron BV; Doetinchem; オランダ)、Processall Mixmillミキサー(Processall Incorporated; Cincinnati; 米国)およびRuberg連続式流動ミキサー(Gebrueder Ruberg GmbH & Co KG、Nieheim、ドイツ)である。さらには、混合のために流動床を使用することも可能である。
【0162】
凝集
吸水性ポリマー粒子をさらに選択的に凝集させることができる。前記凝集を、重合、熱による後処理、熱による表面後架橋または被覆の後に行うことができる。
【0163】
有用な凝集助剤は、水および水混和性の有機溶剤、例えばアルコール、テトラヒドロフランおよびアセトンを含み、水溶性ポリマー粒子を追加的に使用することができる。
【0164】
凝集のために、凝集助剤を含む溶液を吸水性ポリマー粒子上に噴霧する。溶液での噴霧を、例えば、可動式混合器具を備えたミキサー、例えばスクリューミキサー、パドルミキサー、ディスクミキサー、プロシェアミキサーおよびシャベルミキサー内で行うことができる。有用なミキサーは例えば、Loedige(登録商標)ミキサー、Bepex(登録商標)ミキサー、Nauta(登録商標)ミキサー、Processall(登録商標)ミキサー、およびSchugi(登録商標)ミキサーを含む。縦型ミキサーが好ましい。流動床装置が特に好ましい。
【0165】
熱による後処理、表面後架橋および随意の被覆の統合
本発明の好ましい実施態様において、熱による後処理の段階と熱による表面後架橋の段階とを統合して、1つの工程段階にする。そのような統合は、低コストの装置の使用を可能にし、さらに、該方法は低温で運用でき、そのことにより、費用面で効率的になり且つ熱分解による変色および仕上げられた製品の性能特性の損失が回避される。
【0166】
ミキサーを、熱による後処理の箇所で引用された任意の装置の選択肢から選択できる。Ruberg連続式流動ミキサー、BeckerシャベルミキサーおよびPflugschar(登録商標)プロシェアミキサーが好ましい。
【0167】
この特に好ましい実施態様において、表面後架橋溶液を撹拌しながら吸水性ポリマー粒子上に噴霧する。
【0168】
熱による後処理/表面後架橋に続き、吸水性ポリマー粒子を所望の湿分水準に乾燥させ、且つ、この段階のために、表面後架橋の箇所で引用された任意の乾燥機を選択できる。しかしながら、この特に好ましい実施態様においては乾燥のみが必要であるため、単純且つ低コストの加熱接触式乾燥機、例えば加熱されたスクリュー乾燥機、例えばHolo-Flite(登録商標)乾燥機(Metso Minerals Industries Inc.; Danville; 米国)を使用することが可能である。選択的に、流動床を使用できる。生成物を予め規定され且つ短い滞留時間で乾燥させなければならない場合、トーラスディスク乾燥機またはパドル乾燥機、例えばNaraパドル乾燥機(NARA Machinery Europe; Frechen; ドイツ)を使用することが可能である。
【0169】
本発明の好ましい実施態様において、表面後架橋の箇所で引用された多価カチオンを、表面後架橋剤の添加前、間または後に、横型ミキサーの軸に沿った異なる添加点を使用して粒子表面に施与する。
【0170】
本発明の非常に特に好ましい実施態様において、熱による後処理、表面後架橋、および被覆の段階を統合して、1つの工程段階にする。適した被覆は、被覆の箇所で引用されたカチオン性ポリマー、界面活性剤および無機の不活性物質である。被覆剤を、表面後架橋剤の添加前、間または後に、横型ミキサーの軸に沿った異なる添加点を使用して粒子表面に施与することもできる。
【0171】
多価カチオンおよび/またはカチオン性ポリマーは、残留する表面後架橋剤の追加的な捕捉剤として作用することができる。本発明の好ましい実施態様において、多価カチオンおよび/またはカチオン性ポリマーの前に、表面後架橋剤を添加して、表面後架橋剤を先に反応させる。
【0172】
界面活性剤および/または無機の不活性物質を使用して、湿気のある大気条件下でのこの工程段階の間の粘着またはケーキングを回避することができる。好ましい界面活性剤は非イオン性の界面活性剤および両性の界面活性剤である。好ましい無機の不活性物質は、粉末または分散液の形態の沈降シリカおよびフュームドシリカである。
【0173】
溶液/分散液を調製するために使用される液体の全体量は、処理されるべき吸水性ポリマー粒子の質量での量に対して典型的には0.01質量%~25質量%、好ましくは0.5質量%~12質量%、より好ましくは2質量%~7質量%、最も好ましくは3質量%~6質量%である。
【0174】
【0175】
乾燥ガスを、
図1に示されるように噴霧乾燥機の上部でガス分配器(3)を介して供給する。乾燥ガスを部分的に、バグハウスフィルター(9)および凝縮器塔(12)を介して再循環させる(乾燥ガスループ)。噴霧乾燥機の内側の圧力は、大気圧未満である。
【0176】
噴霧乾燥機の出口温度は好ましくは、
図3に示すように円筒状の部分の端部で周囲のまわりの3つの点で測定される。単一測定(47)を使用して、円筒状の噴霧乾燥機出口の平均温度を計算する。
【0177】
生成物は、内部の流動床(27)内に蓄積した。調節された内部の流動床ガスを、内部の流動床(27)に管(25)を介して供給する。内部の流動床ガスの相対湿度は、好ましくは管(23)を介して蒸気を添加することによって調節される。
【0178】
噴霧乾燥機のオフガスはバグハウスフィルター(9)においてろ過され、且つ、急冷/冷却のための凝縮器塔(12)に移送される。バグハウスフィルター(9)の後、伝熱式熱交換器システムを使用して、凝縮器塔(12)の後のガスを予熱することができる。バグハウスフィルター(9)を好ましくは80~180℃、より好ましくは90~150℃、最も好ましくは100~140℃の温度でトレース加熱することができる。凝縮器塔(12)内側の(一定の)充填水準を調節することによって、過剰な水を凝縮器塔(12)の外にポンプで排出する。凝縮器塔(12)の内側の温度が好ましくは20~100℃、より好ましくは25~80℃、最も好ましくは30~60℃であるように、凝縮器塔(12)の内側の水を熱交換器(13)によって冷却し、且つ、急冷ノズル(11)を介してガスに対して向流にポンプ輸送する。凝縮器塔(12)の内側の水は、中和剤を投入することによってアルカリ性のpHに設定され、モノマーa)の蒸気を洗い流す。凝縮器塔(12)からの水溶液を、モノマー溶液の調製に返送することができる。
【0179】
凝縮器塔のオフガスを、乾燥ガスの導入管(1)と、調節された内部の流動床ガス(25)とに分割する。ガスの温度を熱交換器(20)および(22)を介して調節する。熱い乾燥ガスを、ガス分配器(3)を介して並流型噴霧乾燥機に供給する。ガス分配器(3)は、好ましくは一組のプレートから構成され、乾燥ガス量に依存して好ましくは1~100mbar、より好ましくは2~30mbar、最も好ましくは4~20mbarの圧力降下をもたらす。適宜、ガスノズルまたはバッフル板を使用して、乱流および/または遠心性の速度を乾燥ガスに導入することもできる。
【0180】
調節された内部の流動床ガスを、内部の流動床(27)に管(25)を介して供給する。外部の流動床ガスの相対湿度は、好ましくは管(23)を介して蒸気を添加することによって調節される。凝縮を防ぐために、内部の流動床と共に熱交換器に蒸気を添加する。内部の流動床(27)内の生成物の滞留量を、回転バルブ(28)の回転速度を介して調節することができる。
【0181】
生成物を内部の流動床(27)から回転バルブ(28)を介して排出する。内部の流動床(27)内の生成物の滞留量を、回転バルブ(28)の回転速度を介して調節することができる。超過分(overs)/塊状物をふるい落とすために、ふるい(29)を使用する。
【0182】
モノマー溶液は好ましくはまずモノマーa)と中和剤と混合し、且つ随意に次に架橋剤と混合することによって調製される。中和の間の温度は、熱交換器およびループ中のポンピングを使用することにより、好ましくは5~60℃、より好ましくは8~40℃、最も好ましくは10~30℃に調節される。フィルターユニットは好ましくはループにおいてポンプの後で使用される。開始剤は、
図1に示されるとおり、液滴化器の上流のモノマー溶液に、固定ミキサー(31)および(32)を用いて、管(33)および(34)を介して計量供給される。好ましくは、温度好ましくは5~60℃、より好ましくは10~50℃、最も好ましくは15~40℃を有する過酸化物溶液を、管(33)を介して添加し、且つ好ましくは、温度好ましくは2~30℃、より好ましくは3~15℃、最も好ましくは4~8℃を有するアゾ開始剤溶液を、管(34)を介して添加する。各々の開始剤は好ましくはループ内でポンプ輸送され、且つ、調節バルブを介して各々の液滴化ユニットに投入される。第二のフィルターユニットは好ましくは固定ミキサー(32)の後で使用される。液滴プレート(57)の前の配管内での、全ての開始剤一式と混合されたモノマー溶液の平均滞留時間は、好ましくは60秒未満、より好ましくは30秒未満、最も好ましくは10秒未満である。
【0183】
モノマー溶液を噴霧乾燥機の上部に投入するために、
図4に示されるとおり、好ましくは3つの液滴化器ユニットが使用される。しかしながら、工程のスループットおよび製品の品質を最適化するために必要な任意の数の液滴化器を使用できる。従って、本発明において、少なくとも1つの液滴化器が用いられ、且つ、幾何学的に可能な限り多くの液滴化器を使用できる。
【0184】
液滴化器ユニットは、
図5に示されるとおり、液滴化器のカセット(53)用の開口部を有する外部の管(51)から構成される。液滴化器のカセット(53)は、内部の管(52)と接続される。端部で封止としてPTFEブロック(54)を有する内部の管(53)を、工程の稼働の間、メンテナンスの目的のために、外部の管(51)に押し入れ且つ出すことができる。
【0185】
液滴化器のカセット(61)の温度は、
図6に示されるとおり、流路(59)内の水によって、好ましくは5~80℃、より好ましくは10~70℃、最も好ましくは30~60℃に調節される。
【0186】
液滴化器のカセットは、直径好ましくは50~500μm、より好ましくは100~300μm、最も好ましくは150~250μmを有する孔を、好ましくは10~1500、より好ましくは50~1000、最も好ましくは100~500個有する。孔は円形、長方形、三角形または任意の他の形状のものであってよい。円形の孔が好ましい。孔の長さ対孔の直径の比は、好ましくは0.5~10、より好ましくは0.8~5、最も好ましくは1~3である。液滴プレート(57)は、入口の孔流路を使用する場合、孔の長さよりもより厚い厚さを有することができる。液滴プレート(57)は好ましくは、WO2008/086976号A1内に開示されるとおり長く且つ狭い。液滴プレート1つあたり多数の孔の列、好ましくは1~20列、より好ましくは2~5列を使用することができる。
【0187】
液滴化器のカセット(61)は、予め混合されたモノマーおよび開始剤溶液の均質な分布のために、本質的に停滞する容積のない流路(60)および2つの液滴プレート(57)から構成される。液滴プレート(57)は、好ましくは1~90°、より好ましくは3~45°、最も好ましくは5~20°の角度で、角度がつけられた構成を有する。各々の液滴プレート(57)は好ましくは耐熱性および/または化学薬品耐性の材料、例えばステンレス鋼、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリールスルホン、例えばポリスルホン、またはポリフェニルスルホン、またはフッ素系ポリマー、例えばペルフルオロアルコキシエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン-クロロトリフルオロエチレンコポリマー、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマーおよびフッ素化ポリエチレン製である。WO2007/031441号A1内に開示されるような被覆された液滴プレートを使用することもできる。液滴プレートのための材料の選択は、液滴の形成ができなければならないという以外に制限はなく、且つ、表面上での重合の開始を触媒しない材料を使用することが好ましい。
【0188】
開始剤溶液を含むモノマーの、液滴化器ユニット1つあたりのスループットは、好ましくは150~2500kg/h、より好ましくは200~1000kg/h、最も好ましくは300~600kg/hである。孔1つあたりのスループットは、好ましくは0.1~10kg/h、より好ましくは0.5~5kg/h、最も好ましくは0.7~2kg/hである。
【0189】
並流型噴霧乾燥機(5)の立ち上げを、以下の順で行うことができる:
・ 凝縮器塔(12)を起動、
・ 通風装置(10)および(17)を起動、
・ 熱交換器(20)を起動、
・ 乾燥ガスループを95℃まで加熱、
・ 窒素入口(19)を介して窒素供給を開始、
・ 残留酸素が4質量%未満になるまで待機、
・ 乾燥ガスループを加熱、
・ 温度105℃で、水の供給(図示せず)を開始、且つ、
・ 目標温度で水の供給を停止し、且つ液滴化器ユニット(4)を介してモノマーの供給を開始。
【0190】
並流型噴霧乾燥機(5)の立ち下げを、以下の順で行うことができる:
・ モノマーの供給を停止し、且つ水の供給(図示せず)を開始、
・ 熱交換器(20)を立ち下げ、
・ 熱交換器(13)を介して乾燥ガスループを冷却、
・ 温度105℃で、水の供給を停止、
・ 温度60℃で、窒素入口(19)を介した窒素供給を停止、且つ
・ 乾燥ガスループ中に空気を供給(図示せず)。
【0191】
損傷を防ぐために、並流型噴霧乾燥機(5)を非常に注意深く加熱および冷却しなければならない。急速な温度変化を回避しなければならない。
【0192】
内部の流動床の底部における開口部を、
図7に示されるとおり、吸水性ポリマー粒子が循環して流れるように配置することができる。
図7に示される底部は、4つの区域(62)を含む。区域(62)中の開口部(63)は、通過するガス流を次の区域(62)の方向にみちびくスリットの形状である。
図8は開口部(63)の拡大図を示す。
【0193】
開口部は孔またはスリットの形状を有することができる。孔の直径は好ましくは0.1~10mm、より好ましくは0.2~5mm、最も好ましくは0.5~2mmである。スリットは好ましくは1~100mm、より好ましくは2~20mm、最も好ましくは5~10mmの長さ、および好ましくは0.5~20mm、より好ましくは1~10mm、最も好ましくは2~5mmの幅を有する。
【0194】
図9および
図10は、内部の流動床内で使用できるレーキ型撹拌機(64)を示す。レーキの突起部(65)はジグザグの配置を有する。レーキ型撹拌機の速度は好ましくは0.5~20rpm、より好ましくは1~10rpm、最も好ましくは2~5rpmである。
【0195】
始動のために、内部の流動床を吸水性ポリマー粒子の層で、好ましくは5~50cm、より好ましくは10~40cm、最も好ましくは15~30cm充填できる。
【0196】
吸水性ポリマー粒子
本発明は、本発明による方法によって得られる吸水性ポリマー粒子を提供する。
【0197】
本発明はさらに、遠心保持容量35~75g/g、高荷重下吸収20~50g/g、抽出可能成分の水準10質量%未満、および多孔率20~40%を有する表面後架橋された吸水性ポリマー粒子を提供する。
【0198】
本発明による方法によって得られる表面後架橋された吸水性ポリマー粒子は、非常に高い遠心保持容量(CRC)および高い高荷重下吸収(AUHL)を示し、且つ、それらのパラメータの合計(=CRC+AUHL)は、少なくとも60g/g、好ましくは少なくとも65g/g、最も好ましくは少なくとも70g/g、および120g/g以下、好ましくは100g/g未満、より好ましくは90g/g未満、および最も好ましくは80g/g未満であることが特に有利である。本発明による方法によって得られる表面後架橋された吸水性ポリマー粒子は、さらに好ましくは、少なくとも15g/g、好ましくは少なくとも18g/g、より好ましくは少なくとも21g/g、最も好ましくは少なくとも25g/g、および50g/g以下の、高荷重下吸収(AUHL)を示す。
【0199】
遠心保持容量(CRC)が、表面後架橋された吸水性ポリマー粒子の最大保水能力であるので、このパラメータを最大化することが重要である。しかしながら、高荷重下吸収(AUHL)は、膨潤の間に衛生物品中で繊維マトリックスを開孔させて、さらなる液体が物品の構造を容易に通過し、この液体の迅速な取り込みを可能にするために重要である。従って、両方のパラメータを最大化する必要がある。
【0200】
本発明の吸水性ポリマー粒子は、遠心保持容量(CRC)35~75g/g、好ましくは37~65g/g、より好ましくは39~60g/g、最も好ましくは40~55g/gを有する。
【0201】
本発明の吸水性ポリマー粒子は、49.2g/cm2の荷重下吸収(AUHL)20~50g/g、好ましくは22~45g/g、より好ましくは24~40g/g、最も好ましくは25~35g/gを有する。
【0202】
本発明の吸水性ポリマー粒子は、抽出可能成分の水準10質量%未満、好ましくは8質量%未満、より好ましくは6質量%未満、最も好ましくは5質量%未満を有する。
【0203】
本発明の吸水性ポリマー粒子は、多孔率20~40%、好ましくは22~38%、より好ましくは24~36%、最も好ましくは25~35%を有する。
【0204】
好ましい吸水性ポリマー粒子は、遠心保持容量(CRC)37~65g/g、高荷重下吸収(AUHL)22~45g/g、抽出可能成分の水準8質量%未満、および多孔率22~45%を有するポリマー粒子である。
【0205】
より好ましい吸水性ポリマー粒子は、遠心保持容量(CRC)39~60g/g、高荷重下吸収(AUHL)24~40g/g、抽出可能成分の水準6質量%未満、および多孔率24~40%を有するポリマー粒子である。
【0206】
最も好ましい吸水性ポリマー粒子は、遠心保持容量(CRC)40~55g/g、高荷重下吸収(AUHL)25~35g/g、抽出可能成分の水準5質量%未満、および多孔率25~35%を有するポリマー粒子である。
【0207】
本発明はさらに、以下
Y > -500 × ln(X)+1880、
好ましくは、Y > -495 × ln(X)+1875、
より好ましくは、Y > -490 × ln(X)+1870、
最も好ましくは、Y > -485 × ln(X)+1865、
の液体取り込み量の合計を有する表面後架橋された吸水性ポリマー粒子を提供し、前記式中、Y[g]は液体取り込み量の合計であり且つX[g/g]は遠心保持容量(CRC)であり、前記遠心保持容量(CRC)は少なくとも25g/g、好ましくは少なくとも30g/g、より好ましくは少なくとも35g/g、最も好ましくは少なくとも40g/gであり、且つ、前記液体取り込み量は少なくとも30g、好ましくは少なくとも35g/g、より好ましくは少なくとも40g/g、最も好ましくは少なくとも45g/gである。
【0208】
本発明はさらに、特有の膨潤時間の変化が0.6未満、好ましくは0.5未満、より好ましくは0.45未満、最も好ましくは0.4未満であり、且つ遠心保持容量(CRC)が少なくとも35g/g、好ましくは少なくとも37g/g、より好ましくは少なくとも38.5g/g、最も好ましくは少なくとも40g/gである表面後架橋された吸水性ポリマー粒子であって、前記特有の膨潤時間の変化が
Z = (τ0.5-τ0.1)/τ0.5
である前記表面後架橋された吸水性ポリマー粒子を提供し、前記式中、Zは特有の膨潤時間の変化であり、τ0.1は0.1psi(6.9g/cm2)の圧力下での特有の膨潤時間であり、且つτ0.5は0.5psi(35.0g/cm2)の圧力下での特有の膨潤時間である。
【0209】
本発明の吸水性ポリマー粒子は、平均球形度0.80~0.95、好ましくは0.82~0.93、より好ましくは0.84~0.91、最も好ましくは0.85~0.90を有する。球形度(SPHT)は
【数1】
として定義され、前記式中、Aはポリマー粒子の断面積であり且つUは断面の周長である。平均球形度は体積平均球形度である。
【0210】
平均球形度は、例えばCamsizer(登録商標)画像分析システム(Retsch Technology GmbH; Haan; ドイツ)を用いて測定することができる。
【0211】
測定のために、漏斗を通じて生成物を導入し且つ計量路を備えた落下シャフトへと搬送する。粒子が光の壁を通って落下する間、それらがカメラで選択的に記録される。記録された画像を、選択されたパラメータに従ってソフトウェアによって評価する。
【0212】
丸さを評価するために、プログラム中で球形度として指定されたパラメータを用いる。報告されたパラメータは、平均体積重量球形度であり、粒子の体積は当量直径xcminを介して測定された。当量直径xcminを測定するために、合計32の異なる空間方向について最長の弦の直径を各々測定する。当量直径xcminは、それらの32の弦直径の最も短いものである。粒子を記録するために、いわゆるCCDズームカメラ(CAM-Z)を使用する。計量路を調節するために、カメラの検出ウィンドウの表面被覆率(透過率)0.5%が予め規定される。
【0213】
ポリマービーズが重合の間または後に凝集する場合、比較的低い球形度を有する吸水性ポリマー粒子が逆懸濁重合によって得られる。
【0214】
通常の溶液重合(ゲル重合)によって製造された吸水性ポリマー粒子は、乾燥後に粉砕され且つ分級されて、不規則なポリマー粒子が得られる。それらのポリマー粒子の平均球形度は約0.72~約0.78である。
【0215】
本発明の吸水性ポリマー粒子は、疎水性溶剤の含有率好ましくは0.005質量%未満、より好ましくは0.002質量%未満、および最も好ましくは0.001質量%未満を有する。疎水性溶剤の含有率は、ガスクロマトグラフィーによって、例えばヘッドスペース法を用いて測定できる。本発明の範囲内の疎水性溶剤は、水中で不混和性であるか、またはわずかにしか混和性でないかのいずれかである。疎水性溶剤の典型的な例は、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンである。
【0216】
逆懸濁重合によって得られた吸水性ポリマー粒子は、反応媒体として使用された疎水性溶剤を典型的には約0.01質量%、まだ含んでいる。
【0217】
本発明の吸水性ポリマー粒子は、典型的には1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満、および最も好ましくは0.05質量%未満の分散剤含有率を有する。
【0218】
逆懸濁重合によって得られた吸水性ポリマー粒子は、懸濁液を安定化させるために使用された分散剤、即ちエチルセルロースを典型的には少なくとも約1質量%、まだ含んでいる。
【0219】
本発明の吸水性ポリマー粒子は、バルク密度好ましくは0.6~1g/cm3、より好ましくは0.65~0.9g/cm3、最も好ましくは0.68~0.8g/cm3を有する。
【0220】
本発明の吸水性粒子の平均粒径(APD)は、好ましくは200~550μm、より好ましくは250~500μm、最も好ましくは350~450μmである。
【0221】
本発明の吸水性粒子の粒径分布(PDD)は、好ましくは0.7未満、より好ましくは0.65未満、より好ましくは0.6未満である。
【0222】
本発明の吸水性ポリマー粒子は、他の方法、即ち溶液重合によって製造された他の吸水性ポリマー粒子と混合することができる。
【0223】
流体吸収物品
本発明はさらに、流体吸収物品を提供する。前記流体吸収物品は、
(A) 上方の液体浸透層、
(B) 下方の不浸透性層、
(C) 以下を含む、(A)と(B)との間の流体吸収コア:
5~90質量%の繊維状材料、および10~95質量%の本発明の吸水性ポリマー粒子;
好ましくは、20~80質量%の繊維状材料、および20~80質量%の本発明の吸水性ポリマー粒子;
より好ましくは、30~75質量%の繊維状材料、および25~70質量%の本発明の吸水性ポリマー粒子;
最も好ましくは40~70質量%の繊維状材料、および30~60質量%の本発明の吸水性ポリマー粒子;
(D) 以下を含む、(A)と(C)との間の随意の捕捉・分配層:
80~100質量%の繊維状材料、および0~20質量%の本発明の吸水性ポリマー粒子;
好ましくは85~99.9質量%の繊維状材料、および0.01~15質量%の本発明の吸水性ポリマー粒子;
より好ましくは90~99.5質量%の繊維状材料、および0.5~10質量%の本発明の吸水性ポリマー粒子;
最も好ましくは95~99質量%の繊維状材料および1~5質量%の本発明の吸水性ポリマー粒子;
(E) (C)の直上および/または直下に配置された随意の薄葉紙層; および
(F) 他の随意の成分
を含む。
【0224】
流体吸収物品は、例えば大人用の失禁用パッドおよび失禁用パンツ、または赤ちゃん用のおむつを意味すると理解される。流体吸収組成物を含む適切な流体吸収物品は、基材、層、シートおよび/または流体吸収コアのための繊維状のウェブまたはマトリックスを形成するための繊維状材料および随意に吸水性ポリマー粒子を含む。
【0225】
捕捉・分配層は、排出された体液の輸送および分配層としてはたらき、且つ、典型的には、下にある流体吸収コアで効率的に液体の分配を行うように最適化される。従って、迅速に一時的に液体を保持するためには、それが必要な空所を提供する一方で、下に流体吸収コアがある領域は、必要な液体の分配を行わなければならず、且つ捕捉・分配層を迅速に脱水する液体吸収コアの能力に合わせられる。
【0226】
優れた吸引能力を有する非常に良好な脱水を有する流体吸収物品のために、捕捉・分配層を使用することが有利である。非常に透過性の吸水性ポリマー粒子を含む流体吸収コアを有する流体吸収物品のために、小さく且つ薄い捕捉・分配層を使用できる。
【0227】
適した流体吸収物品は、いくつかの層で構成され、その個々の要素は好ましくは特定の機能パラメータ、例えば上方の液体浸透層については乾燥度、下方の液体不透過層、柔軟性のある蒸気透過性且つ薄い流体吸収コア(速い吸収速度を示し且つ最も多くの量の体液を保持できる)、および上方の層とコアとの間の捕捉・分配層については、濡れずに蒸気が透過する能力を示さなければならない。それらの個々の要素は、得られる流体吸収物品が全体の基準、例えば柔軟性、水蒸気通気性、乾燥度、装着時の心地良さ、および片側上での保護、および液体の保持、リウェット(rewet)、および他の側上でびしょ濡れになることの防止に関して合致するように組み合わされる。それらの層の特定の組み合わせは、高い保護水準並びに消費者に高い心地よさを与える流体吸収物品をもたらす。
【0228】
本発明によって得られた生成物は、毛羽立ちが少ない、繊維が少ない、毛羽立ちがない、または繊維のない衛生物品の設計に組み込むためにも非常に適している。そのような設計およびそれらを製造する方法は、例えば以下の出版物およびその中で引用されている文献内に記載されており、且つ、本発明内に開示されるものとする: EP2301499号A1、EP2314264号A1、EP2387981号A1、EP2486901号A1、EP2524679号A1、EP2524679号A1、EP2524680号A1、EP2565031号A1、US6972011号、US2011/0162989号、US2011/0270204号、WO2010/004894号A1、WO2010/004895号A1、WO2010/076857号A1、WO2010/082373号A1、WO2010/118409号A1、WO2010/133529号A2、WO2010/143635号A1、WO2011/084981号A1、WO2011/086841号A1、WO2011/086842号A1、WO2011/086843号A1、WO2011/086844号A1、WO2011/117997号A1、WO2011/136087号A1、WO2012/048879号A1、WO2012/052173号A1およびWO2012/052172号A1。
【0229】
本発明はさらに、本発明の吸水性ポリマー粒子、および15質量%未満の繊維状材料および/または接着剤を吸収コア内に含む流体吸収物品を提供する。
【0230】
吸水性ポリマー粒子および流体吸収物品を以下に記載される試験方法によって試験する。
【0231】
方法:
特段記載されない限り、測定は、周囲温度23±2℃、および相対大気湿度50±10%で行われるものとする。測定前に吸水性ポリマーを徹底的に混合する。
【0232】
ボルテックス
0.9%のNaCl溶液50.0±1.0mlを100mlのビーカーに添加する。円筒形の攪拌棒(30×6mm)を入れ、且つ食塩水を撹拌プレート上で、60rpmで撹拌する。2.000±0.010gの吸水性ポリマー粒子をできるだけ素早くビーカーに添加し、添加開始時にストップウォッチをスタートさせる。混合物の表面が「静止」したらストップウォッチを止め、前記の静止は、表面に乱流がなく、且つ混合物がまだ回転していてもよい一方で、粒子の全体の表面は1まとまりになることを意味する。ストップウォッチの表示される時間をボルテックス時間として記録する。
【0233】
残留モノマー
吸水性ポリマー粒子中の残留モノマーの水準を、EDANA推奨試験方法WSP 210.3-(11) 「Residual Monomers」によって測定する。
【0234】
粒径分布
吸水性ポリマー粒子の粒径分布をCamziser(登録商標)画像分析システム(Retsch Technology GmbH; Haan; ドイツ)を用いて測定する。
【0235】
平均粒径および粒径分布の測定のために、粒子部分の体積による割合を累積した形でプロットし、且つ、平均粒径をグラフで測定する。
【0236】
ここで、平均粒径(APD)は、累積で50質量%をもたらすメッシュサイズの値である。
【0237】
粒径分布(PDD)を以下のとおりに計算する:
【数2】
前記式中、x
1は、累積で90質量%を生じるメッシュサイズの値であり、且つx
2は累積で10質量%を生じるメッシュサイズの値である。
【0238】
平均球形度
平均球形度をCamziser(登録商標)画像分析システム(Retsch Technology GmbH; Haan; ドイツ)を用い、100~1000μmの粒径部分を使用して測定する。
【0239】
湿分含有率
吸水性ポリマー粒子の湿分含有率を、EDANA推奨試験方法No. WSP 230.3 (11) 「Mass Loss Upon Heating」によって測定する。
【0240】
遠心保持容量(CRC)
吸水性ポリマー粒子の遠心保持容量を、EDANA推奨試験方法No. WSP 241 .3 (11)「Free Swell Capacity in Saline、After Centrifugation」によって測定し、ここでは、遠心保持容量の値が高いほど、大きなティーバッグを使用しなければならない。
【0241】
無荷重下吸収(AUNL)
吸水性ポリマー粒子の無荷重下での吸収を、21.0g/cm2の重量の代わりに0.0g/cm2の重量を使用すること以外、EDANA推奨試験方法No. WSP 242.3 (11)「Gravimetric Determination of Absorption Under Pressure」と同様に測定する。
【0242】
荷重下吸収(AUL)
吸水性ポリマー粒子の荷重下吸収を、EDANA推奨試験方法No. WSP 242.3 (11)「Gravimetric Determination of Absorption Under Pressure」によって測定する。
【0243】
高荷重下吸収(AUHL)
吸水性ポリマー粒子の高荷重下吸収を、21.0g/cm2の重量の代わりに49.2g/cm2の重量を使用すること以外、EDANA推奨試験方法No. WSP 242.3 (11)「Gravimetric Determination of Absorption Under Pressure」と同様に測定する。
【0244】
多孔率
吸水性ポリマー粒子の多孔率を、以下のとおりに計算する:
【数3】
【0245】
かさ密度/流量
吸水性ポリマー粒子のかさ密度(BD)および流量(FR)を、EDANA推奨試験方法No. WSP 250.3 (11)「Gravimetric Determination of flow rate, Gravimetric Determination of Density」によって測定する。
【0246】
抽出可能分(Extractables)
吸水性ポリマー粒子中の抽出可能成分の水準を、EDANA推奨試験方法No. WSP 470.2-05 「Extractables」によって測定する。
【0247】
生理食塩水流れ誘導性(SFC)
生理食塩水流れ誘導性を、EP0640330号A1内に記載されるとおり、流体吸収ポリマー粒子の膨潤ゲル層のゲル層の透過性として測定したが、上記特許出願内19ページおよび
図8に記載される装置を、ガラスフリット(40)がもはや使用されず、プランジャー(39)がシリンダー(37)と同じポリマー材料からなり、且つ直径9.65mmを有する21個の孔を含み、前記の孔が接触表面全体にわたって各々均質に分布しているように改造した。測定の手順および評価は、EP0640330号A1から変更されていない。流量は自動的に記録される。
【0248】
生理食塩水流れ誘導性(SFC)は以下のとおりに計算される:
【数4】
前記式中、Fg(t=0)はNaCl溶液の流量[g/s]であり、それは流れの測定のFg(t)のデータをt=0に外挿する線形の回帰分析を用いて得られ、L0はゲル層の厚さ[cm]であり、dはNaCl溶液の密度[g/cm
3]であり、Aはゲル層の表面積[cm
3]であり、且つ、WPはゲル層上での静水圧[dyn/cm
2]である。
【0249】
自由膨潤速度(FSR)
乾燥流体吸収ポリマー粒子1.00g(=W1)を25mlのガラスビーカーに量り入れ、且つ、ガラスビーカーの底の上で均質に分散させる。その後、0.9質量%の塩化ナトリウム溶液20mlを第二のガラスビーカーに分配し、このビーカーの中身を第1のビーカーに素早く添加し且つストップウォッチをスタートさせる。塩溶液の最後の液滴が吸収されたら(液体表面上の反射が見えなくなることによって確認される)すぐにストップウォッチを止める。第二のビーカーから注がれ且つ第1のビーカー内のポリマーに吸収された液体の正確な量を、第二のビーカーに遡って計量することによって正確に測定する(=W2)。tは吸収のために必要な時間(ストップウォッチで測定)を意味する。表面上での液体の最後の液滴の消失が、時間tとして定義される。
【0250】
自由膨潤速度(FSR)は以下のとおりに計算される:
FSR[g/gs]=W2(W1×t)
しかしながら、ヒドロゲル形成ポリマーの湿分含有率が3質量%より多い場合、重量W1はこの湿分含有率について補正されなければならない。
【0251】
荷重下体積吸収(VAUL)
異なる印加圧力下での吸水性ポリマー粒子の膨潤動態、即ち、特有の膨潤時間を測定するために、荷重下体積吸収を使用する。膨潤の高さを時間の関数として記録する。
【0252】
その設定は
図14に示され、且つ、以下からなる:
・ 超音波距離センサ(85)、型式BUS M18K0-XBFX-030-S04K (Balluff GmbH, Neuhausen a.d.F.; ドイツ)をセルの上に配置する。該センサが金属板によって反射された超音波を受信する。該センサは電子制御レコーダーに接続されている。
【0253】
・ 直径75mm、高さ73mmおよび内径52mmを有するPTFEセル(86)
・ 直径50mm、高さ71mmおよびメッシュ(底部)を有する金属またはプラスチック製のシリンダー(87)
・ 直径57mmおよび高さ45mmを有する金属反射材(88)
・ 直径100mmおよび278gまたは554.0gに較正された重量を有する金属の環状ウェイト(89)。
【0254】
以下の表に要約されるように、シリンダー(86)と金属環状ウェイト(88)との組み合わせを変えることによって、試料に印加される圧力を調節できる:
【表1】
【0255】
吸水性ポリマー粒子の試料2.0gをPTFEセル(86)内に設置する。シリンダー(メッシュの底部を備えている)およびその上の金属反射材(88)を、PTFEセル(86)内に設置する。より高い圧力を印加するために、金属の環状ウェイト(89)をシリンダー上に設置することができる。
【0256】
食塩水溶液(0.9質量%)60.0gを、PTFEセル(86)に注射器を用いて添加し、記録を開始する。膨潤の間、吸水性ポリマー粒子がシリンダー(87)を押し上げ、且つ、金属反射材(88)とセンサ(85)との間の距離の変化が記録される。
【0257】
120分後、実験を停止し、且つ、記録されたデータをレコーダーからUSBスティックを使用してPCに移送する。特有の膨潤時間を、式Q(t)=Qmax・(1-e-t/τ)に従って、「Modern Superabsorbent Polymer Technology」(155ページ、式4.13)に記載されるように計算し、前記式中、Q(t)は実験の間にモニターされる超吸収体の膨潤であり、Qmaxは120分後(実験の最後)に達する最大膨潤に相応し、且つ、τは特有の膨潤時間(τは逆速度定数(inverse rate constant)k)である。
【0258】
マイクロソフトエクセルソフトウェアのアドイン機能「Solver」を使用して、理論曲線を測定データにフィッティングすることができ、且つ、0.03psiについての特有の時間を計算する。
【0259】
シリンダーおよび環状のウェイトの組み合わせを使用して、様々な圧力(0.1psi、0.3psi、0.5psiおよび0.7psi)について測定を繰り返す。様々な圧力について特有の膨潤時間を、式Q(t)=Qmax・(1-e-t/τ)を使用して計算することができる。
【0260】
吸引吸収
吸引吸収を使用して圧力印加下での吸水性ポリマー粒子の液体取り込み量の合計を測定する。設定を
図15に示す。
【0261】
Duran(登録商標)ガラスの出口管を備えた500mlのガラス瓶(90)(目盛り100mL、高さ26.5cm)を500mLの食塩水溶液(0.9質量%)で満たす。瓶は底の端部に開口部を有し、それを、フレキシブルホース(91)を通じてプレキシガラスプレートに接続することができる。
【0262】
コンピュータに接続されたはかり(92)をプレキシガラスブロック(面積20×26cm2、高さ6cm)上に設置する。その後、ガラス瓶を前記のはかり上に設置する。
【0263】
プレキシガラスプレート(93)(面積: 11×11cm2、高さ: 3.5cm)をリフト上に設置する。多孔性のP1ガラスフリット(直径7cmおよび高さ0.45cm)(94)を、プレキシガラスプレート中に液密になるように埋め込む、即ち、液体はフリットの孔を通じて出るが、プレキシガラスプレートとフリットとの間の端部を介しては出ない。プレキシガラス管は、プレキシガラスプレートの外殻を通ってプレキシガラスプレートの中心部に入り、フリットに至り、流体の輸送を確実にする。その後、流体管を、ガラス瓶(90)へのフレキシブルホース(長さ35cm、外径1.0cm、内径0.7cm)と接続する。
【0264】
リフトを使用して、フリットの上面をガラス瓶の底部の端部の水準に合わせ、瓶から測定装置への流体の大気による流れを測定の間、常に確実にする。フリットの上面を、表面が湿っているがフリット上の水の上澄み膜はないように調節する。
【0265】
ガラス瓶(90)内の流体を全ての回の前に500mLにする。
【0266】
底部に400メッシュ(36μm)を備えたプレキシガラスシリンダー(95)(外径7cm、内径6cm、高さ16cm)内に、吸水性ポリマー粒子26gを入れる。吸水性ポリマー粒子の表面を平坦にする。充填水準は約1.5cmである。その後、0.3psi(21.0g/cm2)のウェイト(96)を吸水性ポリマー粒子の上部に設置する。
【0267】
プレキシガラスシリンダーを(湿った)フリット上に設置し、且つ電子データの記録を開始する。はかりの重量の減少を、時間の関数として記録する。その際、これはどれだけ多くの食塩水溶液が、特定の時間内で吸水性ポリマー粒子の膨潤するゲルによって吸収されたかを示す。該データを10秒毎に自動的に採取する。測定を、試料1つあたり120分の間、0.3psi(21.0g/cm2)で行う。液体取り込み量の合計は、各々26gの試料によって吸収された食塩水溶液の総量である。
【0268】
荷重下リウェット(RUL)
該試験は、流体吸収物品が、複数回の別々の侵襲(insult)に続き、圧力0.7psi(49.2g/cm2)で10分間保持された後に放出する流体の量を測定する。荷重下リウェットは、流体吸収物品が圧力下で放出する流体の量により測定される。荷重下リウェットを各々の侵襲後に測定する。
【0269】
流体吸収物品を、不織布の側を観察テーブル上に上向きにクランプではさむ。試験されるべきおむつのタイプおよび性別に従って、侵襲点に印をつける(即ち、女児用はコアの中心に、ユニセックス用は前方に向かって2.5cm、および男児用は前方に向かって5cmのところ)。パースペックス管を備えた中心の開口部(直径2.3cm)を有する3.64kgの円形のウェイト(直径10cm)を、予め印付けられた侵襲点に設置する。
【0270】
最初の侵襲のために、食塩水溶液(0.9質量%)100gをパースペックス管内に一回で注ぐ。流体が完全に流体吸収物品中に吸収されるために必要な時間を記録する。10分経過後、負荷を除去し、且つ、9cmの直径と既知の乾燥質量(W1)を有するろ紙10枚の積層物(Whatman(登録商標))を、流体吸収物品上の侵襲点上に設置する。ろ紙の上に、直径8cmを有する2.5kgのウェイトを追加する。2分経過後、そのウェイトを除去し、且つろ紙を再計量し、湿量値(W2)を得る。
【0271】
荷重下リウェットを以下のとおりに計算する:
RUL[g] = W2-W1
【0272】
二回目の侵襲の荷重下リウェットについて、一回目の侵襲についての手順を繰り返す。50gの食塩水溶液(0.9質量%)および20枚のろ紙を使用する。
【0273】
三回目以降の侵襲の荷重下リウェットについて、一回目の侵襲についての手順を繰り返す。続く侵襲三回目、四回目および五回目の各々について、食塩水溶液(0.9質量%)50gおよび30、40および50枚のろ紙をそれぞれ使用する。
【0274】
リウェット値(RV)
この試験は食塩水溶液(0.9質量%)の複数回の侵襲からなる。リウェット値は、流体吸収物品が圧力下で放出する流体の量により測定される。各々の侵襲後にリウェットを測定する。
【0275】
流体吸収物品を、不織布の側を観察テーブル上に上向きにクランプではさむ。試験されるべきおむつのタイプおよび性別に従って、侵襲点に印をつける(即ち、女児用はコアの中心に、ユニセックス用は前方に向かって2.5cm、および男児用は前方に向かって5cmのところ)。分液漏斗を、注ぎ口が印付けられた侵襲点の直上になるように、流体吸収物品上に配置する。
【0276】
最初の侵襲のために、食塩水溶液(0.9質量%)100gを、漏斗を介して流体吸収物品中に一回で注ぐ。液体を10分間吸収させ、その時間の後、9cmの直径と既知の乾燥質量(D1)を有するろ紙10枚の積層物(Whatman(登録商標))を、流体吸収物品上の侵襲点上に設置する。ろ紙の上に、直径8cmを有する2.5kgのウェイトを追加する。2分経過後、そのウェイトを除去し、且つろ紙を再計量し、湿量値(D2)を得る。
【0277】
リウェット値を以下のとおりに計算する:
RV[g] = D2-D1
【0278】
二回目の侵襲のリウェット値について、一回目の侵襲についての手順を繰り返す。50gの食塩水溶液(0.9質量%)および20枚のろ紙を使用する。
【0279】
三回目以降の侵襲のリウェット値について、一回目の侵襲についての手順を繰り返す。続く侵襲三回目、四回目および五回目の各々について、食塩水溶液(0.9質量%)50gおよび30、40および50枚のろ紙をそれぞれ使用する。
【0280】
前記のEDANA試験方法は、例えばEDANA(Avenue Eugene Plasky 157, B-1030 ブリュッセル、ベルギー)から入手可能である。
【実施例】
【0281】
ベースポリマーの調製
例1
工程を、
図1に示されるとおり、組み込まれた流動床(27)および外部の流動床(29)を備えた並流型噴霧乾燥設備内で実施した。噴霧乾燥機(5)の円筒状の部分は、高さ22mおよび直径3.4mを有した。内部の流動床(IFB)は直径3mおよび堰の高さ0.25mを有した。外部の流動床(EFB)は長さ3.0m、幅0.65m、および堰の高さ0.5mを有した。
【0282】
乾燥ガスを、噴霧乾燥機の上部でガス分配器(3)を介して供給した。乾燥ガスを部分的にバグハウスフィルター(9)および凝縮器塔(12)を介して再循環させた(乾燥ガスループ)。乾燥ガスは、1容積%~4容積%の残留酸素を含む窒素であった。重合開始前に、乾燥ガスループを、残留酸素が4容積%未満になるまで窒素で満たした。噴霧乾燥機(5)の円筒状の部分内での乾燥ガスのガス速度は0.8m/sであった。噴霧乾燥機の内側の圧力は、大気圧の4mbar下であった。
【0283】
噴霧乾燥機の出口温度を、
図3に示すように円筒状の部分の端部で周囲のまわりの3つの点で測定した。3つの単一測定(47)を使用して、円筒状の噴霧乾燥機出口の平均温度を計算した。乾燥ガスループを加熱し、且つモノマー溶液の投入を開始する。この時から、熱交換器(20)を介してガスの入口温度を制御することによって噴霧乾燥機の出口温度を117℃に調節した。
【0284】
堰の高さに達するまで、生成物が内部の流動床(27)内に蓄積した。温度122℃および相対湿度4%を有する、調節された内部の流動床ガスを、内部の流動床(27)に管(25)を介して供給した。内部の流動床(27)内での内部の流動床ガスのガス速度は0.80m/sであった。生成物の滞留時間は120分であった。
【0285】
噴霧乾燥機のオフガスをバグハウスフィルター(9)においてろ過し、且つ、急冷/冷却のための凝縮器塔(12)に移送した。凝縮器塔(12)内側の(一定の)充填水準を調節することによって、過剰な水を凝縮器塔(12)の外にポンプで排出した。凝縮器塔(12)の内側の温度が45℃であるように、凝縮器塔(12)の内側の水を熱交換器(13)によって冷却し、且つ、急冷ノズル(11)を介してガスに対して向流にポンプ輸送した。凝縮器塔(12)の内側の水を、水酸化ナトリウム溶液を投入することによってアルカリ性のpHに設定し、アクリル酸の蒸気を洗い流す。
【0286】
凝縮器塔のオフガスを、乾燥ガスの導入管(1)と、調節された内部の流動床ガス(25)とに分割した。ガスの温度を熱交換器(20)および(22)を介して調節した。熱い乾燥ガスを、ガス分配器(3)を介して並流型噴霧乾燥機に供給した。ガス分配器(3)は、乾燥ガスの量に依存して2~4mbarの圧力降下をもたらすプレート一式から構成される。
【0287】
生成物を内部の流動床(27)から回転バルブ(28)を介して外部の流動床(29)へと排出した。温度60℃を有する、調節された外部の流動床ガスを、外部の流動床(29)に管(40)を介して供給した。外部の流動床ガスは空気であった。外部の流動床(29)内での外部の流動床ガスのガス速度は0.8m/sであった。生成物の滞留時間は1分であった。
【0288】
生成物を外部の流動床(29)から回転バルブ(32)を介してふるい(32)内に排出した。ふるい(33)を使用して、800μmより大きい粒径を有する超過分(overs)/塊状物をふるい落とした。
【0289】
まずアクリル酸と3箇所エトキシ化されたグリセロールトリアクリレート(内部架橋剤)とを混合し、次に37.3質量%のアクリル酸ナトリウム溶液と混合することによって、モノマー溶液を調製した。生じるモノマー溶液の温度を、熱交換器およびループ内のポンピングを使用して10℃に調節した。ループにおいてポンプの後に、メッシュサイズ250μmを有するフィルターユニットを使用した。開始剤を、
図1に示されるとおり、液滴化器の上流のモノマー溶液に、固定ミキサー(41)および(42)を用いて、管(43)および(44)を介して計量供給した。温度20℃を有するペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を管(43)を介して添加し、且つ[2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド溶液を温度5℃を有するBruggolite FF7と共に管(44)を介して添加した。各々の開始剤をループ内でポンプ輸送し、且つ、調節バルブを介して各々の液滴化器ユニットに投入した。メッシュサイズ140μmを有する第二のフィルターユニットを固定ミキサー(42)の後に使用した。モノマー溶液を噴霧乾燥機の上に投入するために、
図4に示されるとおり、3つの液滴化器ユニットを使用した。
【0290】
液滴化器ユニットは、
図5に示されるとおり、液滴化器のカセット(53)用の開口部を有する外部の管(51)から構成された。液滴化器のカセット(53)は、内部の管(52)と接続された。端部で封止としてPTFEブロック(54)を有する内部の管(53)を、工程の稼働の間、メンテナンスの目的のために、外部の管(51)に押し入れ且つ出すことができる。
【0291】
液滴化器のカセット(61)の温度を、
図6に示される流路(59)内の水によって8℃に調節した。液滴化器のカセット(61)は、直径170μmおよび孔間隔15mmを有する256個の孔を有した。液滴化器のカセット(61)は、予め混合されたモノマーおよび開始剤溶液の均質な分布のために、本質的に停滞する容積のない流路(60)および1つの液滴プレート(57)から構成された。液滴プレート(57)は角度3°で角度がついた構成を有した。液滴プレート(57)はステンレス鋼製であり、且つ、長さ630mm、幅128mmおよび厚さ1mmを有した。
【0292】
噴霧乾燥機への供給物は、10.45質量%のアクリル酸、33.40質量%のアクリル酸ナトリウム、0.018質量%の3箇所エトキシ化されたグリセロールトリアクリレート、0.072質量%の[2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド、0.0029質量%のBruggolite FF7(水中で5質量%)、0.054質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム(水中で15質量%)および水からなった。中和度は71%であった。孔1つあたりの供給物は1.6kg/hであった。
【0293】
ポリマー粒子(ベースポリマーA1)は、以下の特徴および吸収プロファイルを示す:
CRC 40.2g/g
AUNL 51.8g/g
AUL 22.4g/g
AUHL 8.2g/g
多孔率 22.3%
抽出可能分 4.3質量%
残留モノマー 12161ppm
湿分含有率 6.1質量%
ボルテックス時間 67秒。
【0294】
生じるポリマー粒子は、かさ密度68g/100mlおよび平均粒径407μmを有した。
【0295】
例2
残留モノマー含有率12161ppmを有する、生じるポリマー粒子を、ラボ用のプロシェアミキサー内で15質量%の水をポリマー粒子上に吹き付けた後、90℃のラボ用オーブン内のプラスチック瓶内で60分間、脱モノマー化(demonomerize)したこと以外、例1を繰り返した。従って、残留モノマーの含有率は256ppmに減少し、且つ、湿分含有率は17.5質量%に上昇した。
【0296】
ポリマー粒子(ベースポリマーB1)は、以下の特徴および吸収プロファイルを示す:
CRC 33.1g/g
AUNL 42.3g/g
AUL 17.0g/g
AUHL 8.1g/g
多孔率 21.7%
抽出可能分 8.2質量%
残留モノマー 256ppm
湿分含有率 17.5質量%
ボルテックス時間 54秒。
【0297】
例3
0.036質量%の[2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリドからなる供給物を噴霧乾燥機に供給し且つ調節された内部の流動床ガスが温度122℃および相対湿度4%を有し且つ内部の流動床内での生成物の滞留時間が120分であったこと以外、例1を繰り返した。
【0298】
ポリマー粒子(ベースポリマーC1)は、以下の特徴および吸収プロファイルを示す:
CRC 39.5g/g
AUNL 51.4g/g
AUHL 9.0g/g
多孔率 23.2%
残留モノマー 1581ppm
湿分含有率 10.9質量%。
【0299】
ベースポリマーの表面後架橋
例4
残留モノマー含有率12161ppmを有する、例1において製造された1200gの吸水性ポリマー粒子(ベースポリマーA1)を、ラボ用プロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)内に入れた。表面後架橋剤溶液を、表1に記載されるとおり60gの表面後架橋剤および60gの脱イオン水をビーカー内に入れて混合することによって調製した。ミキサーの速度200rpmで、1分のうちに噴霧ノズルを用いて該水溶液をポリマー粒子上に吹き付けた。混合をさらに5分間継続した。生成物を取り出し、且つ予め140℃に加熱された他のプロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)に移送した。10分ごとに試料採取しながらさらに80分間、140℃で混合したあと、生成物をミキサーから取り出し、且つ150μmから850μmにより分けた。試料を分析した。結果を表1にまとめる。
【0300】
エチレンカーボネートで表面後架橋された生じるポリマー粒子はかさ密度69.0g/100ml、平均粒径(APD)481μm、粒径分布(PDD)0.28および平均球形度0.82を有した。
【0301】
【0302】
【0303】
例5
種々の残留モノマー含有率を有する、表2に記載される1200gの吸水性ポリマー粒子を、ラボ用プロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)内に入れた。表面後架橋剤溶液を、30gのエチレンカーボネートおよび30gの脱イオン水をビーカー内に入れて混合することによって調製した。ミキサーの速度200rpmで、1分のうちに噴霧ノズルを用いて該水溶液をポリマー粒子上に吹き付けた。混合をさらに5分間継続した。生成物を取り出し、且つ予め150℃に加熱された他のプロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)に移送した。10分ごとに試料採取しながらさらに80分間、150℃で混合したあと、生成物をミキサーから取り出し、且つ150μmから850μmにより分けた。試料を分析した。結果を表2にまとめる。
【0304】
ベースポリマーA1に基づく、生じるポリマー粒子はかさ密度68.0g/100ml、平均粒径(APD)397μm、粒径分布(PDD)0.38および平均球形度0.87を有した。
【0305】
ベースポリマーB1に基づく、生じるポリマー粒子はかさ密度64.7g/100ml、平均粒径(APD)553μm、粒径分布(PDD)0.25および平均球形度0.74を有した。
【0306】
ベースポリマーC1に基づく、生じるポリマー粒子はかさ密度69.8g/100ml、平均粒径(APD)377μm、粒径分布(PDD)0.42および平均球形度0.86を有した。
【0307】
例6
種々の残留モノマー含有率を有する、表3に記載される1200gの吸水性ポリマー粒子(ベースポリマーA1)を、ラボ用プロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)内に入れた。表面後架橋剤溶液を、30gのエチレンカーボネートおよび60gの脱イオン水をビーカー内に入れて混合することによって調製した。ミキサーの速度200rpmで、1分のうちに噴霧ノズルを用いて該水溶液をポリマー粒子上に吹き付けた。混合をさらに5分間継続した。生成物を取り出し、且つ予め140℃に加熱された他のプロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)に移送した。10分ごとに試料採取しながらさらに80分間、140℃で混合したあと、生成物をミキサーから取り出し、且つ150μmから850μmにより分けた。試料を分析した。結果を表3にまとめる。
【0308】
ベースポリマーA1に基づく、生じるポリマー粒子はかさ密度65.6g/100ml、平均粒径(APD)450μm、粒径分布(PDD)0.32および平均球形度0.82を有した。
【0309】
ベースポリマーB1に基づく、生じるポリマー粒子はかさ密度64.7g/100ml、平均粒径(APD)564μm、粒径分布(PDD)0.22および平均球形度0.75を有した。
【0310】
ベースポリマーC1に基づく、生じるポリマー粒子はかさ密度70.3g/100ml、平均粒径(APD)399μm、粒径分布(PDD)0.36および平均球形度0.84を有した。
【0311】
【0312】
【0313】
【0314】
【0315】
例7
工程を、
図1に示されるとおり、組み込まれた流動床(27)および外部の流動床(29)を備えた並流型噴霧乾燥設備内で実施した。噴霧乾燥機(5)の円筒状の部分は、高さ22mおよび直径3.4mを有した。内部の流動床(IFB)は直径3mおよび堰の高さ0.25mを有した。
【0316】
乾燥ガスを、噴霧乾燥機の上部でガス分配器(3)を介して供給した。乾燥ガスを部分的にバグハウスフィルター(9)および凝縮器塔(12)を介して再循環させた(乾燥ガスループ)。バグハウスフィルター(9)の代わりに、任意の他のフィルターおよび/またはサイクロンを使用できる。乾燥ガスは、1容積%~4容積%の残留酸素を含む窒素であった。重合開始前に、乾燥ガスループを、残留酸素が4容積%未満になるまで窒素で満たした。噴霧乾燥機(5)の円筒状の部分内での乾燥ガスのガス流速は0.82m/sであった。噴霧乾燥機の内側の圧力は、大気圧の4mbar下であった。
【0317】
噴霧乾燥機の出口温度を、
図3に示すように円筒状の部分の端部で周囲のまわりの3つの点で測定した。3つの単一測定(47)を使用して、円筒状の噴霧乾燥機出口の平均温度を計算した。乾燥ガスループを加熱し、且つモノマー溶液の投入を開始する。この時から、熱交換器(20)を介してガスの入口温度を制御することによって噴霧乾燥機の出口温度を118℃に調節した。ガスの入口温度は167℃であり、且つ、乾燥ガスの蒸気含有率は、乾燥ガス1kgあたり0.058kgの蒸気であった。
【0318】
堰の高さに達するまで、生成物が内部の流動床(27)に蓄積した。温度104℃および乾燥ガス1kgあたりの蒸気含有率0.058または0.130kgの蒸気を有する、調節された内部の流動床ガスを、内部の流動床(27)に管(25)を介して供給した。内部の流動床(27)内での内部の流動床ガスのガス速度は0.65m/sであった。生成物の滞留時間は150分であった。内部の流動床内の吸水性ポリマー粒子の温度は82℃であった。
【0319】
噴霧乾燥機のオフガスをバグハウスフィルター(9)においてろ過し、且つ、急冷/冷却のための凝縮器塔(12)に移送した。凝縮器塔(12)内側の(一定の)充填水準を調節することによって、過剰な水を凝縮器塔(12)の外にポンプで排出した。凝縮器塔(12)の内側の温度が45℃であるように、凝縮器塔(12)の内側の水を熱交換器(13)によって冷却し、且つ、急冷ノズル(11)を介してガスに対して向流にポンプ輸送した。凝縮器塔(12)の内側の水を、水酸化ナトリウム溶液を投入することによってアルカリ性のpHに設定し、アクリル酸の蒸気を洗い流す。
【0320】
凝縮器塔のオフガスを、乾燥ガスの導入管(1)と、調節された内部の流動床ガス(25)とに分割した。ガスの温度を熱交換器(20)および(22)を介して調節した。熱い乾燥ガスを、ガス分配器(3)を介して並流型噴霧乾燥機に供給した。ガス分配器(3)は、乾燥ガスの量に依存して2~4mbarの圧力降下をもたらすプレート一式から構成される。
【0321】
生成物を内部の流動床(27)から回転バルブ(28)を介してふるい(29)内に排出した。ふるい(29)を使用して、800μmより大きい粒径を有する超過分/塊状物をふるい落とした。
【0322】
まずアクリル酸と3箇所エトキシ化されたグリセロールトリアクリレート(内部架橋剤)とを混合し、次に37.3質量%のアクリル酸ナトリウム溶液と混合することによって、モノマー溶液を調製した。生じるモノマー溶液の温度を、熱交換器およびループ内のポンピングを使用して10℃に調節した。ループにおいてポンプの後に、メッシュサイズ250μmを有するフィルターユニットを使用した。開始剤を、
図1に示されるとおり、液滴化器の上流のモノマー溶液に、固定ミキサー(41)および(42)を用いて、管(43)および(44)を介して計量供給した。温度20℃を有するペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液を管(43)を介して添加し、且つ[2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド溶液を温度5℃を有するBruggolite FF7と共に管(44)を介して添加した。各々の開始剤をループ内でポンプ輸送し、且つ、調節バルブを介して各々の液滴化器ユニットに投入した。メッシュサイズ140μmを有する第二のフィルターユニットを固定ミキサー(42)の後に使用した。モノマー溶液を噴霧乾燥機の上に投入するために、
図4に示されるとおり、3つの液滴化器ユニットを使用した。
【0323】
液滴化器ユニットは、
図5に示されるとおり、液滴化器のカセット(53)用の開口部を有する外部の管(51)から構成された。液滴化器のカセット(53)は、内部の管(52)と接続された。端部で封止としてPTFEブロック(54)を有する内部の管(53)を、工程の稼働の間、メンテナンスの目的のために、外部の管(51)に押し入れ且つ出すことができる。
【0324】
液滴化器のカセット(61)の温度を、
図6に示される流路(59)内の水によって8℃に調節した。液滴化器のカセット(61)は、直径170μmおよび孔間隔15mmを有する256個の孔を有した。液滴化器のカセット(61)は、予め混合されたモノマーおよび開始剤溶液の均質な分布のために、本質的に停滞する容積のない流路(60)および1つの液滴プレート(57)から構成された。液滴プレート(57)は角度3°で角度がついた構成を有した。液滴プレート(57)はステンレス鋼製であり、且つ、長さ630mm、幅128mmおよび厚さ1mmを有した。
【0325】
噴霧乾燥機への供給物は、10.45質量%のアクリル酸、33.40質量%のアクリル酸ナトリウム、0.018質量%の3箇所エトキシ化されたグリセロールトリアクリレート、0.036質量%の[2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド、0.0029質量%のBruggolite FF7、0.054質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウムおよび水からなった。中和度は71%であった。孔1つあたりの供給物は1.4kg/hであった。
【0326】
生じる吸水性ポリマー粒子を分析した。結果を表4にまとめる。
【0327】
【0328】
例8~26
速度2000rpmを有するSchugi Flexomix(登録商標)(型式Flexomix-160、Hosokawa Micron B.V.、Doetinchem、オランダによって製造)内で、ベースポリマー7aまたは7bを、2または3つの丸い噴霧ノズルシステム(型式Gravity-Fed Spray Set-ups、External Mix Typ SU4、Fluid Cap 60100およびAir Cap SS-120、Spraying Systems Co、Wheaton、Illinois、米国によって製造)を使用して、表面後架橋剤溶液で被覆し、次に入口(74)を介して充填し且つNARAヒーター(型式NPD 5W-18、GMF Gouda、Waddinxveen、オランダによって製造)内でシャフト(80)速度6rpmで乾燥させた。NARAヒーターは90°のシャフトオフセットを有する2つのパドル(84)、および2つの柔軟性のある堰プレート(77)を有する固定式の排出領域を有する。各々の堰は、
図13に示すとおり、50%のところ(79)に最低の堰の高さ、および100%のところ(78)に最大の堰の開口を有する、堰の開口部を有する。
【0329】
底板とNARAパドル乾燥機との間の傾斜角α(82)は、約3°である。NARAヒーターの堰の高さは、約700~750kg/m3の生成物密度によって、約40~150分の滞留時間に相応して、50~100%である。NARAヒーター内での生成物の温度は120~165℃の範囲である。乾燥後、表面後架橋されたベースポリマーを排出コーン(81)を通じてNARA冷却機(GMF Gouda、Waddinxveen、オランダ)に搬送し、表面後架橋されたベースポリマーを速度11rpmおよび堰の高さ145mmで約60℃に冷却した。冷却後、材料を最小カットサイズ(cut size)150μmおよび最大サイズカット(size cut)710μmでふるいにかけた。
【0330】
エチレンカーボネート、水、Plantacare(登録商標) UP 818 (BASF SE、Ludwigshafen、ドイツ)および水性乳酸アルミニウム(26質量%)を予め混合し、且つ表6に要約するとおりに噴霧塗布した。水性硫酸アルミニウム(26質量%)を別途噴霧塗布した(ノズルの位置=180°)。乳酸アルミニウムとして、Lothragon(登録商標) Al 220(Dr. Paul Lohmann GmbH、Emmerthal、ドイツによって製造)を使用した。
【0331】
Schugi Flexomix(登録商標)内に計量供給された量および被覆の条件、乾燥および冷却段階の条件、配合および値を表5~6に要約する。
【0332】
生じるポリマーの全ての物理的特性を表7および8に要約する。
【0333】
【0334】
【0335】
【0336】
【0337】
【0338】
【0339】
例27
残留モノマー含有率4000ppmを有する、例7bにおいて製造された1200gの吸水性ポリマー粒子(ベースポリマー)を、ラボ用プロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH、Paderborn、ドイツによって製造)内に入れた。表面後架橋剤溶液を、表1に記載されるとおり12gの3-メチル-2-オキサゾリジノンおよび60gの脱イオン水をビーカー内に入れて混合することによって調製した。ミキサーの速度200rpmで、1分のうちに噴霧ノズルを用いて該水溶液をポリマー粒子上に吹き付けた。混合をさらに5分間継続した。生成物を取り出し、且つ予め150℃に加熱された他のプロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)に移送した。10分ごとに試料採取しながらさらに80分間、150℃で混合したあと、生成物をミキサーから取り出し、且つ150μmから850μmにより分けた。試料を分析した。結果を表10にまとめる。
【0340】
3-メチル-1,3-オキサゾリジン-2-オンを用いて表面後架橋された生じるポリマー粒子は、かさ密度70.4g/100mlおよび流量11.5g/sを有した。
【0341】
例28
残留モノマー含有率4000ppmを有する、例7bにおいて製造された1200gの吸水性ポリマー粒子(ベースポリマー)を、ラボ用プロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH、Paderborn、ドイツによって製造)内に入れた。表面後架橋剤溶液を、表9に記載されるとおり6gの3-メチル-3-オキセタンメタノールおよび60gの脱イオン水をビーカー内に入れて混合することによって調製した。ミキサーの速度200rpmで、1分のうちに噴霧ノズルを用いて該水溶液をポリマー粒子上に吹き付けた。混合をさらに5分間継続した。生成物を取り出し、且つ予め150℃に加熱された他のプロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)に移送した。10分ごとに試料採取しながらさらに80分間、150℃で混合したあと、生成物をミキサーから取り出し、且つ150μmから850μmにより分けた。試料を分析した。結果を表10にまとめる。
【0342】
3-メチル-3-オキセタンメタノールを用いて表面後架橋された生じるポリマー粒子は、かさ密度72.2g/100mlおよび流量12.0g/sを有した。
【0343】
例29
残留モノマー含有率4000ppmを有する、例7bにおいて製造された1200gの吸水性ポリマー粒子(ベースポリマー)を、ラボ用プロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH、Paderborn、ドイツによって製造)内に入れた。表面後架橋剤溶液を、表9に記載されるとおり6gの2-オキサゾリジノンおよび60gの脱イオン水をビーカー内に入れて混合することによって調製した。ミキサーの速度200rpmで、1分のうちに噴霧ノズルを用いて該水溶液をポリマー粒子上に吹き付けた。混合をさらに5分間継続した。生成物を取り出し、且つ予め150℃に加熱された他のプロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)に移送した。10分ごとに試料採取しながらさらに80分間、150℃で混合したあと、生成物をミキサーから取り出し、且つ150μmから850μmにより分けた。試料を分析した。結果を表10にまとめる。
【0344】
1,3-オキサゾリジン-2-オンを用いて表面後架橋された生じるポリマー粒子は、かさ密度69.7g/100mlおよび流量10.8g/sを有した。
【0345】
例30
残留モノマー含有率4000ppmを有する、例7bにおいて製造された1200gの吸水性ポリマー粒子(ベースポリマー)を、ラボ用プロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH、Paderborn、ドイツによって製造)内に入れた。表面後架橋剤溶液を、表9に記載されるとおり、6gの3-(2-ヒドロキシエチル)-2-オキサゾリジノンおよび6gのプロパンジオールの溶液および60gの脱イオン水をビーカー内に入れて混合することによって調製した。ミキサーの速度200rpmで、1分のうちに噴霧ノズルを用いて該水溶液をポリマー粒子上に吹き付けた。混合をさらに5分間継続した。生成物を取り出し、且つ予め165℃に加熱された他のプロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)に移送した。10分ごとに試料採取しながらさらに80分間、165℃で混合したあと、生成物をミキサーから取り出し、且つ150μmから850μmにより分けた。試料を分析した。結果を表10にまとめる。
【0346】
3-(2-ヒドロキシエチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オンおよび6gのプロパンジオールを用いて表面後架橋された生じるポリマー粒子は、かさ密度67.4g/100mlおよび流量10.1g/sを有した。
【0347】
例31
残留モノマー含有率4000ppmを有する、例7bにおいて製造された1200gの吸水性ポリマー粒子(ベースポリマー)を、ラボ用プロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH、Paderborn、ドイツによって製造)内に入れた。表面後架橋剤溶液を、表9に記載されるとおり、3gのN,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)アジパミド(Primid(登録商標) XL 552、Ems Chemie AG; Domat; スイスによって製造)および60gの脱イオン水をビーカー内に入れて混合することによって調製した。ミキサーの速度200rpmで、1分のうちに噴霧ノズルを用いて該水溶液をポリマー粒子上に吹き付けた。混合をさらに5分間継続した。生成物を取り出し、且つ予め160℃に加熱された他のプロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)に移送した。10分ごとに試料採取しながらさらに80分間、160℃で混合したあと、生成物をミキサーから取り出し、且つ150μmから850μmにより分けた。試料を分析した。試料を分析した。結果を表10にまとめる。
【0348】
N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)アジパミドを用いて表面後架橋された生じるポリマー粒子は、かさ密度65.8g/100mlおよび流量10.2g/sを有した。
【0349】
例32
残留モノマー含有率4000ppmを有する、例7bにおいて製造された1200gの吸水性ポリマー粒子(ベースポリマー)を、ラボ用プロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH、Paderborn、ドイツによって製造)内に入れた。表面後架橋剤溶液を、表9に記載されるとおり24gの1,3-ジオキサン-2-オンおよび60gの脱イオン水をビーカー内に入れて混合することによって調製した。ミキサーの速度200rpmで、1分のうちに噴霧ノズルを用いて該水溶液をポリマー粒子上に吹き付けた。混合をさらに5分間継続した。生成物を取り出し、且つ予め160℃に加熱された他のプロシェアミキサー(型式MR5、Gebrueder Loedige Maschinenbau GmbH; Paderborn; ドイツによって製造)に移送した。10分ごとに試料採取しながらさらに80分間、160℃で混合したあと、生成物をミキサーから取り出し、且つ150μmから850μmにより分けた。試料を分析した。結果を表10にまとめる。
【0350】
1,3-ジオキサン-2-オンを用いて表面後架橋された生じるポリマー粒子は、かさ密度68.4g/100mlおよび流量10.5g/sを有した。
【0351】
【0352】
【0353】
比較例
AQUA KEEP(登録商標) SA60SII、AQUA KEEP(登録商標) SA55XSII、AQUA KEEP(登録商標) SA60SXIIは、SUMITOMO SEIKA CHEMICALS CO., LTD製の吸水性ポリマー粒子であり、懸濁重合法によって製造されている。
【0354】
ASAP(登録商標) 535、Hysorb(登録商標) B7075、Hysorb(登録商標) T9700、Hysorb(登録商標) B7055、Hysorb(登録商標) T8760、Hysorb(登録商標) M7055N、Hysorb(登録商標) B7015、Hysorb(登録商標) M7015N、Hysorb(登録商標) M7015およびHysorb(登録商標) 7400はBASF SE製の吸水性ポリマー粒子であり、ニーダー重合法によって製造されている。
【0355】
CE1およびCE2は、WO2012/045705号A1の例7および例26に従って製造された吸水性ポリマー粒子に相応する。
【0356】
CE3は、WO2013/007819号A1の例25に従って製造された吸水性ポリマー粒子に相応する。
【0357】
図16は、本発明による吸水性ポリマー粒子が、同じ遠心保持容量(CRC)を有する従来の吸水性ポリマー粒子と比較して改善された液体取り込み量の合計を有することを示すグラフである。
【0358】
【0359】
【0360】
例33
53質量%の実施例12の表面後架橋されたポリマーで構成される流体吸収物品(Lサイズの赤ちゃん用おむつ)を、標準的なおむつの製造工程において製造した。
【0361】
前記流体吸収物品は以下を含む:
(A) 坪量(basis weight)12gsmを有するスパンボンド不織布(3片のカバーストック)を含む上方の液体浸透層、
(B) 通気性ポリエチレンフィルムとスパンボンド不織布との複合材を含む下方の液体不浸透層、
(C) 以下を含む(A)と(B)との間の吸収コア:
1) ダスティング層として作用する木材パルプ繊維(セルロース繊維)の親水性繊維状マトリックスの下方の毛羽層、
2) 木材パルプ繊維(セルロース繊維)と表面後架橋されたポリマーとの均質な混合物。該流体吸収コアは、53質量%の表面後架橋されたポリマーを分散して保持し、流体吸収コア内での前記の表面後架橋されたポリマーの量は14.5gである。流体吸収コアの寸法: 長さ: 42cm; 前幅: 12.8cm; クロッチ幅: 8.4cm; 後ろ幅: 11.8cm。流体吸収コアの密度は、前全体の平均については0.23g/cm3であり、侵襲領域については0.29g/cm3であり、後ろ全体の平均については0.19g/cm3である。流体吸収コアの平均厚さは0.36cmである。流体吸収コアを、坪量10gsmを有するスパンボンド・メルトブロー・スパンボンド(SMS)不織布材料で包む。流体吸収コアの坪量は、前全体の平均については990g/cm3であり、侵襲領域については1130g/cm3であり、後ろ全体の平均については585g/cm3である。
(D) 坪量60g/m2を有する(A)と(C)との間の通気性の結合された捕捉・分配層; 前記捕捉・分配層は長方形に成形されており、且つ、約212cm2のサイズを有し流体吸収コアよりも小さい。
【0362】
流体吸収物品の寸法: 長さ: 51cm; 前幅: 31.8cm; クロッチ幅: 22.4cm; 後ろ幅: 31.8cm。流体吸収物品は平均質量38.1gを有する。
【0363】
前記流体吸収物品はさらに以下を含む:
a. 平坦なゴム弾性材; スパンデックス型繊維製の弾性材: 2つの足部の弾性材、および1つのカフ(cuff)弾性材、
b. 合成繊維製の足部のカフ、層の組み合わせSMSを示し且つ坪量13~15g/m2および高さ3.0cmを有する不織布材料、
c. 着地領域寸法16.9cm×3.4cm、および柔軟性のある帯状封止テープ3.1cm×5.4cm(1.9cm×2.7cmの面ファスナー(hook fastening tape)に取り付けられている)を有する機械的な封止系。
【0364】
該流体吸収物品の荷重下リウェットおよびリウェット値を測定した。結果を表12および13にまとめる。
【0365】
例34
49質量%の実施例12の表面後架橋されたポリマーで構成される流体吸収物品(Lサイズの赤ちゃん用おむつ)を、標準的なおむつの製造工程において製造した。
【0366】
該流体吸収物品は、例33と同じ成分(A)、(B)および(D)を含む。
【0367】
(A)と(B)との間の吸収コア(C)は以下を含む:
1) ダスティング層として作用する木材パルプ繊維(セルロース繊維)の親水性繊維状マトリックスの下方の毛羽層、
2) 木材パルプ繊維(セルロース繊維)と表面後架橋されたポリマーとの均質な混合物。該流体吸収コアは、49質量%の表面後架橋されたポリマーを分散して保持し、流体吸収コア内での前記の表面後架橋されたポリマーの量は12.5gである。流体吸収コアの寸法は、例32と同じである。流体吸収コアの密度は、前全体の平均については0.26g/cm3であり、侵襲領域については0.27g/cm3であり、後ろ全体の平均については0.19g/cm3である。流体吸収コアの平均厚さは0.31cmである。流体吸収コアを、坪量10gsmを有するスパンボンド・メルトブロー・スパンボンド(SMS)不織布材料で包む。流体吸収コアの坪量は、前全体の平均については971g/cm3であり、侵襲領域については979g/cm3であり、後ろ全体の平均については515g/cm3である。
【0368】
流体吸収物品の寸法は、例33と同じである。流体吸収物品は平均質量35.7gを有する。
【0369】
前記流体吸収物品はさらに以下を含む:
a. 例33と同様の平坦なゴム弾性材、
b. 例33と同様の足部のカフ、
c. 例33と同様の機械的な封止系。
【0370】
該流体吸収物品の荷重下リウェットおよびリウェット値を測定した。結果を表12および13にまとめる。
【0371】
例35
47.5質量%の実施例12の表面後架橋されたポリマーで構成される流体吸収物品(Lサイズの赤ちゃん用おむつ)を、標準的なおむつの製造工程において製造した。
【0372】
該流体吸収物品は、例33と同じ成分(A)、(B)および(D)を含む。
【0373】
(A)と(B)との間の吸収コア(C)は以下を含む:
1) ダスティング層として作用する木材パルプ繊維(セルロース繊維)の親水性繊維状マトリックスの下方の毛羽層、
2) 木材パルプ繊維(セルロース繊維)と表面後架橋されたベースポリマーとの均質な混合物。該流体吸収コアは、47.7質量%の表面後架橋されたポリマーを分散して保持し、流体吸収コア内での表面後架橋されたポリマーの量は11.5gである。流体吸収コアの寸法は、例32と同じである。流体吸収コアの密度は、前全体の平均については0.24g/cm3であり、侵襲領域については0.26g/cm3であり、後ろ全体の平均については0.18g/cm3である。流体吸収コアの平均厚さは0.32cmである。流体吸収コアを、坪量10gsmを有するスパンボンド・メルトブロー・スパンボンド(SMS)不織布材料で包む。流体吸収コアの坪量は、前全体の平均については928g/cm3であり、侵襲領域については967g/cm3であり、後ろ全体の平均については495g/cm3である。
【0374】
流体吸収物品の寸法は、例33と同じである。流体吸収物品は平均質量34.8gを有する。
【0375】
前記流体吸収物品はさらに以下を含む:
a. 例33と同様の平坦なゴム弾性材、
b. 例33と同様の足部のカフ、
c. 例33と同様の機械的な封止系。
【0376】
該流体吸収物品の荷重下リウェットおよびリウェット値を測定した。結果を表12および13にまとめる。
【0377】
比較例
52質量%の表面後架橋されたポリマーHySorb(登録商標)B7075 (BASF SE、Ludwigshafen、ドイツ)で構成される流体吸収物品(Lサイズの赤ちゃん用おむつ)を、標準的なおむつの製造工程において製造した。
【0378】
該流体吸収物品は、例33と同じ成分(A)、(B)および(D)を含む。
【0379】
(A)と(B)との間の吸収コア(C)は以下を含む:
1) ダスティング層として作用する木材パルプ繊維(セルロース繊維)の親水性繊維状マトリックスの下方の毛羽層、
2) 木材パルプ繊維(セルロース繊維)と表面後架橋されたベースポリマー(HySorb(登録商標)B7075)との均質な混合物。該流体吸収コアは、52質量%の表面後架橋されたポリマーを分散して保持し、流体吸収コア内での表面後架橋されたポリマーの量は14.5gである。流体吸収コアの寸法は、例32と同じである。流体吸収コアの密度は、前全体の平均については0.24g/cm3であり、侵襲領域については0.25g/cm3であり、後ろ全体の平均については0.19g/cm3である。流体吸収コアの平均厚さは0.34cmである。流体吸収コアを、坪量10gsmを有するスパンボンド・メルトブロー・スパンボンド(SMS)不織布材料で包む。流体吸収コアの坪量は、前全体の平均については1013g/cm3であり、侵襲領域については971g/cm3であり、後ろ全体の平均については548g/cm3である。
【0380】
流体吸収物品の寸法は、例33と同じである。流体吸収物品は平均質量38gを有する。
【0381】
前記流体吸収物品はさらに以下を含む:
a. 例33と同様の平坦なゴム弾性材、
b. 例33と同様の足部のカフ、
c. 例33と同様の機械的な封止系。
【0382】
該流体吸収物品の荷重下リウェットおよびリウェット値を測定した。結果を表12および13にまとめる。
【0383】
【0384】
【0385】
この例は、球状の表面後架橋されたポリマー粒子を含む流体吸収物品が、球状の表面後架橋されたポリマー粒子の装填を20%まで減少してもなお、不規則な形状の表面後架橋されたポリマー粒子を含有する流体吸収物品と比較してより良いリウェット性能を示すことを実証する。
【符号の説明】
【0386】
参照番号は以下の意味を有する:
1. 乾燥ガス導入管
2. 乾燥ガス量測定
3. ガス分配器
4. 液滴化器ユニット
5. 並流型噴霧乾燥機、円筒状の部分
6. コーン
7. T出口測定
8. 塔オフガス管
9. バグハウスフィルター
10. 通風装置
11. 急冷ノズル
12. 凝縮器塔、向流冷却
13. 熱交換器
14. ポンプ
15. ポンプ
16. 水出口
17. 通風装置
18. オフガス出口
19. 窒素入口
20. 熱交換器
21. 通風装置
22. 熱交換器
23. ノズルを介した蒸気注入
24. 水負荷測定
25. 調節された内部の流動床ガス
26. 内部の流動床の生成物温度測定
27. 内部の流動床
28. 回転バルブ
29. ふるい
30. 最終生成物
31. 固定ミキサー
32. 固定ミキサー
33. 開始剤供給
34. 開始剤供給
35. モノマー供給
36. 再処理のための微細粒子断片の出口
37. 外部の流動床
38. 通風装置
39. 外部の流動床のオフガスの出口(バグハウスフィルターへ)
40. 回転バルブ
41. ろ過された空気の入口
42. 通風装置
43. 熱交換器
44. ノズルを介した蒸気注入
45. 水負荷測定
46. 調節された外部の流動床ガス
47. T出口測定(塔周囲のまわりでの3つの測定の平均温度)
48. 液滴化器ユニット
49. 開始剤供給物と予め混合されたモノマー
50. 噴霧乾燥機塔壁
51. 液滴化器ユニットの外側の管
52. 液滴化器ユニットの内側の管
53. 液滴化器のカセット
54. テフロンブロック
55. バルブ
56. 開始剤供給物と予め混合されたモノマーの導入管の接続部
57. 液滴プレート
58. カウンタプレート
59. 温度制御水のための流路
60. モノマー溶液のための排除容積(dead volume)自由流路
61. 液滴化器のカセットのステンレス鋼ブロック
62. 4つの区域を有する内部の流動床の底部
63. 前記区域のスプリット状開口部
64. レーキ型撹拌機
65. レーキ型撹拌機の突起部
66. ミキサー
67. 随意の被覆物の供給
68. 後架橋剤の供給
69. 熱乾燥機(表面後架橋)
70. 冷却機
71. 随意の被覆物/水の供給
72. コーター
73. 被覆物/水の供給
74. ベースポリマーの供給
75. 排出領域
76. 堰の開口部
77. 堰のプレート
78. 堰の高さ100%
79. 堰の高さ50%
80. シャフト
81. 排出コーン
82. 傾斜角α
83. 温度センサ(T1~T6)
84. パドル(シャフトのオフセット90°)。