(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/18 20060101AFI20220119BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
B41J2/18
B41J2/175 111
B41J2/175 121
B41J2/175 201
B41J2/175 501
(21)【出願番号】P 2018050632
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】濱口 昌也
(72)【発明者】
【氏名】戸田 直博
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕貴依
(72)【発明者】
【氏名】山下 宏之
(72)【発明者】
【氏名】中村 琢磨
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-059046(JP,A)
【文献】特開2008-264767(JP,A)
【文献】特開2009-279848(JP,A)
【文献】特開平11-198398(JP,A)
【文献】特開2006-192638(JP,A)
【文献】特開2004-009685(JP,A)
【文献】特開2016-153199(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0259587(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 - 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドに前記液体を供給する供給側液体循環経路と、
前記供給側液体循環経路に設置され、前記液体吐出ヘッドへ前記液体を供給するための差圧を生じさせる加圧用ポンプおよび減圧用ポンプと、
前記供給側液体循環経路に設置され、前記液体吐出ヘッドへ供給される前記液体を貯留する加圧制御用タンクおよび減圧制御用タンクと、
前記減圧制御用タンクから前記加圧制御用タンクへ前記液体を流動させる流動用ポンプと、
前記供給側液体循環経路に前記液体を補充する液体補充機構と、
を備え、
前記液体補充機構は、前記供給側液体循環経路に補充される液体を循環させながら保持する補充側液体循環経路を備える、
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項2】
前記液体補充機構は、
前記補充側液体循環経路において前記液体を流動させ続ける補充循環用ポンプと、
前記補充側液体循環経路から前記加圧制御用タンクに前記液体を補充する補充経路と、
前記補充経路に設置される補充用ポンプと、
前記補充経路における前記液体の流動を制御する補充制御弁と
前記補充側液体循環経路における前記液体の循環流動と、当該補充側液体循環経路から前記補充経路への補充流動とを切り替える三方弁と、
を備える請求項1に記載の液体を吐出する装置。
【請求項3】
前記液体補充機構は、
前記補充側液体循環経路において流動する前記液体を一時的に貯留する液体貯留タンクと、
前記液体貯留タンクに供給する前記液体を貯留する液体供給タンクと、
前記液体貯留タンクと前記液体供給タンクとの間で前記液体を循環させる供給用液体循環経路と、
当該供給用液体循環経路において前記液体を循環させる供給循環用ポンプと、を備える、
請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
【請求項4】
前記液体補充機構は、
前記補充側液体循環経路および前記供給用液体循環経路の少なくともいずれか一方において循環されている前記液体を濾過するフィルタを備える、
請求項3に記載の液体を吐出する装置。
【請求項5】
前記液体補充機構は、
前記補充側液体循環経路に複数の前記フィルタを備え、
前記フィルタの一方は、前記補充側液体循環経路に設けられる分岐路に設置される、
請求項4に記載の液体を吐出する装置。
【請求項6】
前記液体補充機構は、
前記補充側液体循環経路および前記供給用液体循環経路の少なくともいずれか一方に、前記液体の循環流量を検知する流量センサを備え、
前記循環流量が所定の閾値以下になったときに前記液体の循環方向を反転させる、
請求項3または4に記載の液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェト技術を活用して様々な媒体に吐出した液体で画像を形成する画像形成装置が開発されている。特に、非浸透のメディアを対象とする装置では、使用される液体が乾燥性の高いものになるので、固形成分の含有量が多く、液体吐出動作が行われない間に液体が乾燥して凝集しないように、液体を循環させる循環機構を備えるものも開発されている。
【0003】
画像形成装置を一例とする液体を吐出する装置において、メインタンクと中間タンクと圧力制御タンクと、を備え、圧力制御タンクによってインクカートリッジにインクを供給する装置が知られている。当該装置は、圧力制御タンクからインクカートリッジに液体を供給するための液体経路と、インクカートリッジから圧力制御タンクへ液体を戻す液体経路と、圧力制御タンクと中間タンクを連結する流体経路と、によって循環機構を構成する。例えば、フレキシブルチューブによってインクカートリッジと中間タンクが接続されており、中間タンクよりヘッドにインクが送液されるよう同じくフレキシブルチューブが接続されており、これによりインクを循環する技術が知られている(特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術によれば、中間タンクとインクカートリッジの間には、循環経路が設けられていない。したがって、インクカートリッジから中間タンクに対して送液されるインクは、送液時のみしか流動しないので、高い濃度のインクを用いた場合、フレキシブルチューブ内で固形分が沈降し、インクの流動を阻害する状態になる恐れがある。すなわち、従来の技術では、インクカートリッジにインクを供給するための経路を循環経路とすることでインクカートリッジを含む循環経路のインク流動の阻害防止は考慮されているが、循環経路に液体を供給する供給路におけるインク流動の阻害防止については考慮されていない。
【0005】
本発明は、液体吐出ヘッドへの液体供給経路に対し液体を補充する補充経路における液体の流動性を低下させる要因を抑制できる液体を吐出する装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液体を吐出する装置に関するものであって、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに前記液体を供給する供給側液体循環経路と、前記供給側液体循環経路に設置され、前記液体吐出ヘッドへ前記液体を供給するための差圧を生じさせる加圧用ポンプおよび減圧用ポンプと、前記供給側液体循環経路に設置され、前記液体吐出ヘッドへ供給される前記液体を貯留する加圧制御用タンクおよび減圧制御用タンクと、前記減圧制御用タンクから前記加圧制御用タンクへ前記液体を流動させる流動用ポンプと、前記供給側液体循環経路に前記液体を補充する液体補充機構と、を備え、前記液体補充機構は、前記供給側液体循環経路に補充される液体を循環させながら保持する補充側液体循環経路を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、液体吐出ヘッドへの液体供給経路に対し液体を補充する補充経路における液体の流動性を低下させる要因を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る液体を吐出する装置の実施形態である印刷装置の概略説明図。
【
図2】本実施形態に係るヘッドユニットの一例を示す平面説明図。
【
図3】本実施形態に係る液体吐出ヘッドの一例を示す外観斜視説明図。
【
図4】本実施形態に係る液体吐出ヘッドの液室長手方向の断面説明図。
【
図5】本実施形態に係る液体循環機構の例を示す配管構成図。
【
図6】本実施形態に係る液体循環機構の別の例を示す配管構成図。
【
図7】本実施形態に係る液体循環機構のさらに別の例を示す配管構成図。
【
図8】本実施形態に係る液体循環機構のさらに別の例を示す配管構成図。
【
図9】本実施形態に係る液体を吐出する装置の制御部の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る液体を吐出する装置(液体吐出装置)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る装置の一実施形態である印刷装置1000の概略的な構成を示す図である。
【0010】
<印刷装置1000の構成>
図1に示すように印刷装置1000は、記録媒体がロール状に巻かれている連続体10を搬入する搬入手段1と、搬入手段1から搬入された連続体10に画像を形成する印刷手段5に案内搬送する案内搬送手段3と、連続体10に対して液体を吐出して画像を形成する印刷を行う印刷手段5と、連続体10を乾燥する乾燥手段7と、連続体10を排出する排出手段9などを備えている。
【0011】
連続体10は、搬入手段1に設置される元巻きローラ11から送り出され、搬入手段1、案内搬送手段3、乾燥手段7、排出手段9の各ローラによって案内され、搬送されて、排出手段9が備える巻取りローラ91にて巻き取られる。
【0012】
この連続体10は、印刷手段5において、搬送ガイド部材59上をヘッドユニット50及び後処理ヘッドユニット55に対向して搬送され、ヘッドユニット50から吐出される液体によって画像が形成され、後処理ヘッドユニット55から吐出される処理液で後処理が行われる。
【0013】
<ヘッドユニット50>
図2は印刷装置のヘッドユニット50の平面説明図である。ヘッドユニット50には、例えば、媒体搬送方向上流側から、4色分のフルライン型ヘッドアレイ51K,51C,51M,51Y(以下、色の区別しないときは「ヘッドアレイ51」と表記する。)が配置されている。
【0014】
ヘッドアレイ51は、複数の液体吐出ヘッド100(以下、単に、液体吐出ヘッド100ともいう)をベース部材52上に千鳥状に並べて配置したものである。なお、液体吐出ヘッド100の配置は
図2に例示したものに限定されるものではない。
【0015】
各ヘッドアレイ51は、液体吐出手段であり、それぞれが、搬送される連続体10に対してブラックK、シアンC、マゼンタM、イエローYの液体を吐出する。なお、色の種類及び数はこれに限るものではない。
【0016】
<液体吐出ヘッド100>
次に、本実施形態に係る液体吐出ヘッド100について、
図3及び
図4を参照して説明する。
図3は液体吐出ヘッド100の外観斜視説明図、
図4は液体吐出ヘッド100のノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)の断面説明図である。
【0017】
図3に示すように、液体吐出ヘッド100は、ノズル板101と、ノズル板101に積層されている流路部材140と、流路部材140に積層されていて液体吐出ヘッド100のフレーム部材も兼ねている共通液室部材120と、共通液室部材120の上部を覆う直方体のカバー129と、を有している。また、共通液室部材120は、後述する供給側共通液室110と排出側共通液室150を形成する。この共通液室部材120の上面には、供給側共通液室110に通ずる供給ポート171と、排出側共通液室150に通ずる排出ポート181と、を有している。
【0018】
続いて、
図4を参照しながら、液体吐出ヘッド100の内部構造について説明する。液体吐出ヘッド100は、ノズル板101と、流路板102と、壁面部材としての振動板部材103とを積層し接合した多層構造を有している。そして、振動板部材103の振動領域130を変位させる圧電アクチュエータ111と、ヘッドのフレーム部材を兼ねている共通液室部材120と、を備えている。なお、流路板102と振動板部材103で構成される部分が流路部材140に相当する。
【0019】
ノズル板101は、液体を吐出する吐出口であるノズル104を複数有している。
【0020】
流路板102は、ノズル104にノズル連通路105を介して通じる個別液室106、個別液室106に通じる供給側流体抵抗部107、供給側流体抵抗部107に通じる液導入部108となる貫通穴や溝部を形成している。ノズル連通路105は、ノズル104と個別液室106にそれぞれ連なって通じる流路である。また、液導入部108は、振動板部材103の開口109を介して供給側共通液室110に通じている。
【0021】
振動板部材103は、流路板102の個別液室106の壁面を形成する変形可能な振動領域130を有する。ここでは、振動板部材103は2層構造(限定されない)とし、流路板102側から薄肉部を形成する第1層と、厚肉部を形成する第2層で形成され、第1層で個別液室106に対応する部分に変形可能な振動領域130を形成している。
【0022】
そして、この振動板部材103の個別液室106とは反対側に、振動板部材103の振動領域130を変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ111が配置されている。
【0023】
この圧電アクチュエータ111は、ベース部材113上に接合した圧電部材をハーフカットダイシングによって溝加工し、所要数の柱状の圧電素子112を所定の間隔で櫛歯状に形成したものである。
【0024】
そして、圧電素子112を振動板部材103の振動領域130に形成した島状の厚肉部である凸部130aに接合している。また、圧電素子112にはフレキシブル配線部材115が接続されている。
【0025】
共通液室部材120は、供給側共通液室110と排出側共通液室150を形成する。すでに説明したとおり、供給側共通液室110は、
図3に示す供給ポート171に通じ、排出側共通液室150は排出ポート181に通じている。
【0026】
なお、ここでは、共通液室部材120は、第一共通液室部材121及び第二共通液室部材122によって構成され、第一共通液室部材121を流路部材140の振動板部材103側に接合し、第一共通液室部材121に第二共通液室部材122を積層して接合している。
【0027】
第一共通液室部材121は、液導入部108に通じる供給側共通液室110の一部である下流側共通液室110Aと、排出流路151に通じる排出側共通液室150とを形成している。また、第二共通液室部材122は、供給側共通液室110の残部である上流側共通液室110Bを形成している。
【0028】
また、流路板102には、各個別液室106にノズル連通路105を介して通じる流路板102の面方向に沿う排出流路151を形成している。排出流路151が排出側共通液室150に通じている。
【0029】
この液体吐出ヘッド100においては、例えば圧電素子112に与える電圧を基準電位(中間電位)から下げることによって圧電素子112が収縮する。この収縮によって、振動板部材103の振動領域130が引かれて個別液室106の容積が膨張する。このような動作によって、個別液室106内に液体が流入する。その後、圧電素子112に印加する電圧を上げて圧電素子112を積層方向に伸長させると、振動板部材103が振動領域130をノズル104に向かう方向に変形させて個別液室106の容積を収縮させる。このような動作によって、個別液室106内の液体が加圧され、ノズル104から液体が吐出される。
【0030】
また、ノズル104から吐出されない液体は、ノズル104を通過して排出流路151から排出側共通液室150に排出され、排出側共通液室150から後述する液体循環経路200を通じて供給側共通液室110に再度供給される。
【0031】
なお、液体吐出ヘッド100の駆動方法については上記の例(引き-押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。
【0032】
<液体循環機構>
次に、本発明に係る液体を吐出する装置が備える、液体循環機構の実施形態について
図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態に係る印刷装置1000が備える液体循環機構の例である液体循環経路200の構成の例を示す配管説明図である。
【0033】
図5に示す液体循環経路200は、液体吐出ヘッド100に液体を供給するための液体供給路を含む供給側液体循環経路210と、供給側液体循環経路210に液体を補充するための液体補充路を含む補充側液体循環経路220と、によって構成されている。
【0034】
供給側液体循環経路210は、液体吐出ヘッド100と、加圧制御用タンク211aと、減圧制御用タンク211bと、加圧制御用ポンプ212aと、減圧制御用ポンプ212bと、流動用ポンプ212cと、電磁弁213と、脱気装置215と、を有する。また、供給側液体循環経路210は、加圧制御用タンク211aと液体吐出ヘッド100を連結する第一流動路214aと、液体吐出ヘッド100と減圧制御用タンク211bを連結する第二流動路214bと、加圧制御用タンク211aと減圧制御用タンク211bとを連結する第三流動路214cと、を有する。
【0035】
加圧制御用タンク211a、加圧制御用ポンプ212a、減圧制御用タンク211b、減圧制御用ポンプ212bによって、液体吐出ヘッド100の液体吐出ノズルには大気圧から若干負圧が掛かるように差圧制御が行われる。
【0036】
脱気装置215は、液体吐出ヘッド100から減圧制御用タンク211bに戻る液体から気体を除去し、循環する液体に気泡などが含まれないようにする。液体に気泡が含まれていると液体吐出ヘッド100における液体吐出動作に用いる圧力変動が最適に調整された値として生成できなくなり、吐出特性が低下する。脱気装置215により吐出特性の低下を防止する。
【0037】
減圧用タンクである減圧制御用タンク211bから加圧用タンクである加圧制御用タンク211aに液体を流動させる第三流動路214cには、流動用ポンプ212cと、電磁弁213が設置されている。液体吐出ヘッド100における液体吐出動作が実行されるとき、液体吐出ヘッド100に液体を供給するときは、電磁弁213を開き、流動用ポンプ212cを動作させて、供給側液体循環経路210において液体を循環させる。
【0038】
加圧制御用タンク211aには、液体の保持量を検知するための液面センサ216aが設置され、減圧制御用タンク211bには、同じく液体の保持量を検知するための液面センサ216bが設置されている。これらセンサによって、供給側液体循環経路210において循環する液体の量を検知することができる。
【0039】
[第一実施形態]
次に、本発明に係る液体を吐出する装置が備える液体補充機構の実施形態について説明する。本実施形態に係る液体循環経路200を構成する補充側液体循環経路220の特徴的な構成、動作、効果について主に説明する。補充側液体循環経路220は、循環用ポンプ222aと、液体貯留タンク221と、第一循環路224aと、第二循環路224bと、第三循環路224cと、補充循環切替用三方弁223aと、補充路224dと、補充用ポンプ222bと、補充用電磁弁223bと、を有する。
【0040】
液体貯留タンク221と循環用ポンプ222aは、第一循環路224aによって連結されている。循環用ポンプ222aと補充循環切替用三方弁223aは、第二循環路224bによって連結されている。補充循環切替用三方弁223aと液体貯留タンク221は、第三循環路224cによって連結されている。
【0041】
補充循環切替用三方弁223aは、第二循環路224bと第三循環路224cの間に配置されていて、上記の循環経路を循環する液体を補充路224d側にも流入させる構造を備えている。補充制御弁である補充用電磁弁223bは、通常は閉じていて、補充側液体循環経路220において循環している液体を加圧制御用タンク211aに流入させるときのみ開く。
【0042】
補充路224dは、補充循環切替用三方弁223aと補充用ポンプ222bを連結する。補充用ポンプ222bは補充用電磁弁223bを介して加圧制御用タンク211aにつながっている。
【0043】
液体貯留タンク221に貯留されている液体は、補充循環用ポンプである循環用ポンプ222aによって、第一循環路224a、第二循環路224b、第三循環路224、によって形成される循環経路を循環する。この循環経路において循環されている液体が、補充循環切替用三方弁223a、補充路224d、補充用ポンプ222b、補充用電磁弁223bを介して、供給側液体循環経路210の加圧制御用タンク211aに供給されるように構成されている。補充循環切替用三方弁223aは、循環経路における液体の循環流動と、補充経路における補充流動とを、切り替えるものである。
【0044】
加圧制御用タンク211aに貯留されている液体の量が、液体吐出ヘッド100の吐出動作に対して足りているときは、補充用電磁弁223bは閉じている。このとき、補充循環切替用三方弁223aから補充路224dへ流入した液体は、そこに留まるので、循環用ポンプ222aによって、上記の循環経路を液体は循環する。補充路224dは、短いほど好ましく、理想的には0mmとすることが望ましい。すなわち、補充循環切替用三方弁223aと補充用ポンプ222bと補充用電磁弁223bは一体に形成され、補充側液体循環経路220と供給側液体循環経路210を接続できる構成であることが望ましい。
【0045】
液体吐出ヘッド100における吐出動作によって液体が使用されて、加圧制御用タンク211aに貯留されている液体の液面を液面センサ216aが検知できなくなる。この状態は、吐出動作に対して液体が不足している状態である。そこで、供給側液体循環経路210に対する液体の補充が必要となる。このとき、後述する制御部500(
図9)の制御によって、補充用電磁弁223bを開けて、補充用ポンプ222bを動作させる。補充用ポンプ222bの動作によって、補充循環切替用三方弁223aから補充路224dに向けて液体が流動し、加圧制御用タンク211aに液体が補充される。このとき、電磁弁213を閉じて流動用ポンプ212cを停止させるとよい。電磁弁213を開けた状態で流動用ポンプ212cを動作させ続けた状態でもよいが、その場合、補充用ポンプ222bの流量は、液体吐出ヘッド100において消費される液体の量よりも多い液体を流動させられるものを用いる。
【0046】
その後、加圧制御用タンク211aにおける液体の貯留用が十分な状態になれば、補充用電磁弁223bを閉じ、補充用ポンプ222bを停止する。そして、再び、液体が第一循環路224a、第二循環路224b、第三循環路224cにより構成される循環経路を循環する状態に戻す。
【0047】
循環用ポンプ222aは、加圧制御用タンク211aへの補充動作を行っているときにも動作を継続する。循環用ポンプ222aは常時動作し続けるので、循環経路において液体が停止することがない。すなわち、補充側液体循環経路220において、液体は常に流動しているので、固形分が多い液体であっても、固形分は攪拌され続ける。したがって、乾燥性を要求されるインクを液体吐出ヘッド100から吐出する装置において、液体の補充が補充経路の内部に凝集し固着することができる。これによって、流路抵抗の増加を防止することができる。
【0048】
[第二実施形態]
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の別の実施形態について説明する。本実施形態に係る液体循環経路200は、補充側液体循環経路220において、すでに説明をした実施形態を構成する液体貯留タンク221の他に、液体貯留タンク221に液体を供給する液体供給タンク231を備えている。
【0049】
液体貯留タンク221と液体供給タンク231は、第一供給路234aと、第一供給弁233aと、第一供給ポンプ232aと、第二供給路234bと、第二供給弁233bと、第二供給ポンプ232bと、を介して連結されている。これら構成によって、供給用液体循環経路230が形成される。
【0050】
供給用液体循環経路230を備えない補充側液体循環経路220では、循環する液体の量が減少したときは、循環用ポンプ222aを一旦停止して、液体貯留タンク221と取り外して液体を補充してから戻すなど、メンテナンス作業が繁雑になる可能性がある。液体貯留タンク221を一旦外す場合、循環経路の内部に溜まっている液体が流出するなども生ずることが考えられる。
【0051】
そこで本実施形態に係る補充側液体循環経路220では、液体貯留タンク221に液体を供給するための液体供給タンク231を備え、液体貯留タンク221の液量が減少したときに、液体貯留タンク221を循環経路から外すことなく液体供給タンク231から液体を補充できるように構成されている。
【0052】
なお、液体供給タンク231から液体貯留タンク221に対して液体を供給する経路においても、液体に含まれる固形成分が沈降し凝集する可能性がある。そこで、この二つのタンクの間においても液体が循環するように供給用液体循環経路230を形成する。供給用液体循環経路230は、第一供給弁233aと第二供給弁233bを開き、そして、供給循環用ポンプである第一供給ポンプ232aと第二供給ポンプ232bを動作させ続ける。ここで、第一供給ポンプ232aと第二供給ポンプ232bによる液体の流動方向は逆方向とする。例えば、第一供給ポンプ232aは、液体供給タンク231から液体貯留タンク221へ液体を流動させる。第二供給ポンプ232bは、液体貯留タンク221から液体供給タンク231へ液体を流動させる。
【0053】
これによって、補充側液体循環経路220に液体を供給(補充)する経路においても、液体を循環させ続けることができ、固形分の凝集などによる流路抵抗の増加を防止することができる。
【0054】
液体貯留タンク221には、液面を検知するための液面センサ221aが設置されている。補充動作によって補充側液体循環経路220にある液体の量が減少してくると、液面センサ221aが液体貯留タンク221内の液面を検知できなくなる。このタイミングで、まず、第一供給弁233aは開いたままにして、第二供給弁233bを閉じる。そして、第一供給ポンプ232aは動作させたまま、第二供給ポンプ232bを停止する。こうすることによって、液体供給タンク231から液体貯留タンク221に液体が供給される。
【0055】
また、液体貯留タンク221へ液体を供給補充するときに、第二供給弁233bは開けたままにし、第二供給ポンプ232bにおける液体の流動方向を反転させてもよい。すなわち、液体供給タンク231から液体貯留タンク221へ2つの経路を使って同時に液体を流動させてもよい。こうすることで、液体の補充速度を早めることができる。
【0056】
なお、液体供給タンク231からの液体の補充は、液面センサ231aが液面を検知するまで継続する。この間、循環経路側では液体の循環を継続しておいてよい。
【0057】
[第三実施形態]
次に、本発明に係る液体を吐出する装置のさらに別の実施形態について説明する。本実施形態に係る液体循環経路200は、補充側液体循環経路220において、すでに説明をした実施形態の構成に加えて、循環フィルタ225aと、第一供給フィルタ235aおよび第二供給フィルタ235bを備える。
【0058】
循環フィルタ225aは、第二循環路224bに設置されていて、循環経路を流動する液体を濾過する。これによって、液体に不要物が含まれたとしても、それを供給側液体循環経路210側に流入することを防ぐことができる。
【0059】
第一供給フィルタ235aと第二供給フィルタ235bは、供給用液体循環経路230において循環する液体を濾過する。
【0060】
なお、循環フィルタ225aと、第一供給フィルタ235aおよび第二供給フィルタ235bは、累積使用時間が長くなると目詰まりを起こして、循環する液体の流量を低下させる要因になる。循環する液体の流量が低下すると、固形成分の沈降などを防いで攪拌させる作用が低下することになる。これを防ぐために、後述する制御部500(
図9)に示すように、循環経路に流量センサを備え、この流用センサによって循環する液体の量(循環流量)をモニタリングする。そして、流量が一定以下になったときには、各ポンプの動作を切り換えて液体の循環方向を逆転させるように制御する。これによって、各フィルタの目詰まりを事前に防止することができる。
【0061】
本実施形態に係る液体循環経路200によれば、循環経路内での液体の固形成分の凝集や固着を防止でき、流路抵抗の増加を防ぐことができる。そして、液体吐出ヘッド100に供給される液体に含まれる不要物も除去することができる。
【0062】
[第四実施形態]
次に、本発明に係る液体を吐出する装置のさらに別の実施形態について説明する。本実施形態に係る液体循環経路200は、補充側液体循環経路220において、第二循環路224bに設置されたフィルタを二重化する構成を備える。
【0063】
本実施形態に係る補充側液体循環経路220は、第一循環路224aを切り替えるための第一切替用三方弁223c、第二切替用三方弁223d、切替経路224e、第二循環用ポンプ222c、第二循環フィルタ225bと、を備える。
【0064】
第一切替用三方弁223cと第二切替用三方弁223dは、後述する制御部500の電磁弁制御部510において、経路を切替経路224eに切り替えるに制御する。これによって、液体は、循環フィルタ225aの方には流れず、第二循環フィルタ225bに流れるように、循環経路が切り替わる。これによって、少なくとも一方の循環経路に設置されているフィルタを介して循環する状態を継続できる。
【0065】
切替経路224eを用いて、循環経路を分岐路へ切り替えるタイミングは、例えば、循環フィルタ225aの耐用年数が経過したタイミングである。後述する制御部500において、フィルタの使用経過時間をカウントしておき、耐用年数に対応する閾値を超えたときに、第二循環用ポンプ222cを動作させて循環用ポンプ222aは停止させる。また、第一切替用三方弁223cと第二切替用三方弁223dを切り替えるように制御する。
【0066】
これによって、循環フィルタ225aには液体が循環しない状態になるので、フィルタ交換時に液体の循環を停止させずに済む。これによってメンテナンスの作業性が向上し、かつ、装置停止時間を省くことができ、ユーザにおける利便性も向上する。
【0067】
<制御部500>
ここで、液体を吐出する装置の動作を制御する制御機能の機能ブロックについて、
図9を用いて説明する。
図9に示すように、制御部500は、印刷装置1000全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)501、CPU501が実行するプログラムを含む各種プログラムなどの固定データを格納するROM(Read Only Memory)502と、画像データ等を一時格納するRAM(Random Access Memory)503で構成される主制御部500Aを備えている。
【0068】
制御部500は、電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504(NVRAM:Non-Volatie Random Access Memory)を備えている。制御部500は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他の制御するための入出力信号を処理するASIC(Applicatin Specific Integrated Circuit)505を備えるとともに、ホストI/F(Interface)506を介してプリンタドライバ590との間でデータの送受信を行う。
【0069】
制御部500は、印刷制御部508と、ヘッドドライバ509を備えている。印刷制御部508は、ヘッドユニット50に含まれる液体吐出ヘッド100のそれぞれを駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段、バイアス電圧出力手段を含む。ヘッドドライバ509は、各液体吐出ヘッド100を駆動するための駆動ICである。
【0070】
制御部500は、電磁弁群550を構成する各電磁弁(213,223b,233a、233b)などを駆動制御する電磁弁制御部510を備えている。
【0071】
制御部500は、液体の供給に用いられ、動作タイミングが制御されるポンプ群(212c、222b、233a、233b)を駆動制御する供給系制御部511を備えている。
【0072】
制御部500は、加圧用ポンプである加圧制御用ポンプ212aと、減圧用ポンプである減圧制御用ポンプ212bと、を駆動制御させて差圧の発生と調整をする圧力系制御部512を備えている。
【0073】
制御部500は、補充側液体循環経路220を構成する循環用ポンプ222a、第二循環用ポンプ222cなどを駆動制御する循環系制御部516を備えている。
【0074】
制御部500は、I/O部513を有している。I/O部513は、様々のセンサ情報を処理することができ、液面センサ216aや液面センサ221aの検知結果および各種のセンサ群515からの情報を取得する。そして、印刷装置1000の制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508や電磁弁制御部510、供給系制御部511、圧力系制御部512、循環系制御部516による制御などに使用する。
【0075】
なお、制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
【0076】
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の実施形態について説明する。以下の実施形態は、液体を吐出する装置が備える特徴的な構成についてのみであり、液体を吐出する装置における液体吐出動作や液体循環動作などの詳細については省略する。
【0077】
<液体を吐出する装置に関する補足>
本願において、吐出される「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0078】
「液体吐出ヘッド」には、液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
【0079】
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0080】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0081】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0082】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0083】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0084】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0085】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0086】
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0087】
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【0088】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 :搬入手段
3 :案内搬送手段
5 :印刷手段
7 :乾燥手段
9 :排出手段
10 :連続体
11 :元巻きローラ
50 :ヘッドユニット
51 :ヘッドアレイ
51C :フルライン型ヘッドアレイ
51K :フルライン型ヘッドアレイ
51M :フルライン型ヘッドアレイ
51Y :フルライン型ヘッドアレイ
52 :ベース部材
55 :後処理ヘッドユニット
59 :搬送ガイド部材
91 :巻取りローラ
100 :液体吐出ヘッド
101 :ノズル板
102 :流路板
103 :振動板部材
104 :ノズル
105 :ノズル連通路
106 :個別液室
107 :供給側流体抵抗部
108 :液導入部
109 :開口
110 :供給側共通液室
110A :下流側共通液室
110B :上流側共通液室
111 :圧電アクチュエータ
112 :圧電素子
113 :ベース部材
115 :フレキシブル配線部材
120 :共通液室部材
121 :第一共通液室部材
122 :第二共通液室部材
129 :カバー
130 :振動領域
130a :凸部
140 :流路部材
150 :排出側共通液室
151 :排出流路
171 :供給ポート
181 :排出ポート
200 :液体循環経路
210 :供給側液体循環経路
211a :加圧制御用タンク
211b :減圧制御用タンク
212a :加圧制御用ポンプ
212b :減圧制御用ポンプ
212c :流動用ポンプ
213 :電磁弁
214a :第一流動路
214b :第二流動路
214c :第三流動路
215 :脱気装置
216a :液面センサ
216b :液面センサ
220 :補充側液体循環経路
221 :液体貯留タンク
221a :液面センサ
222a :循環用ポンプ
222b :補充用ポンプ
222c :第二循環用ポンプ
223a :補充循環切替用三方弁
223b :補充用電磁弁
223c :第一切替用三方弁
223d :第二切替用三方弁
224 :第三循環路
224a :第一循環路
224b :第二循環路
224c :第三循環路
224d :補充路
224e :切替経路
225a :循環フィルタ
225b :第二循環フィルタ
230 :供給用液体循環経路
231 :液体供給タンク
231a :液面センサ
232a :第一供給ポンプ
232b :第二供給ポンプ
233a :第一供給弁
233b :第二供給弁
234a :第一供給路
234b :第二供給路
235a :第一供給フィルタ
235b :第二供給フィルタ
500 :制御部
500A :主制御部
501 :CPU
504 :不揮発性メモリ
508 :印刷制御部
509 :ヘッドドライバ
510 :電磁弁制御部
511 :供給系制御部
512 :圧力系制御部
513 :I/O部
514 :操作パネル
515 :センサ群
516 :循環系制御部
550 :電磁弁群
590 :プリンタドライバ
1000 :印刷装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】