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特許7010345操作装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】操作装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220203BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20220203BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20220203BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220203BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20220203BHJP
   G03G 21/00 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/16 690
G06F3/0481
B41J29/38 301
B41J29/46 Z
G03G21/00 386
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020148114
(22)【出願日】2020-09-03
(62)【分割の表示】P 2016204737の分割
【原出願日】2016-10-18
(65)【公開番号】P2021005877
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2020-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】久保 周子
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-112073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/46
G03G 21/00
G06F 3/01- 3/0489
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器を操作するための操作装置であって、
前記電子機器を操作するための操作画面であって、ユーザが操作可能な複数の画像要素をそれぞれ有する第1の領域及び第2の領域を含む操作画面を表示する表示部と、
ユーザが前記第1の領域が有する複数の画像要素のうちの特定の画像要素を操作した場合、当該複数の画像要素のそれぞれに対応付けられたメッセージのうち、当該特定の画像要素に対応するメッセージを音声出力し、ユーザが前記第2の領域が有する複数の画像要素の何れかを操作した場合、当該複数の画像要素に対して共通に設定されたメッセージを音声出力する音声出力部と、
を備える操作装置。
【請求項2】
前記音声出力部は、
ユーザが前記第2の領域が有する複数の画像要素の何れかを操作した場合、当該複数の画像要素に対して共通に設定されたメッセージであって、前記電子機器の状態に応じたメッセージを音声出力する
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記電子機器の状態は、前記電子機器にエラーが発生している状態と、特定のアプリケーションが起動されている状態と、を含む複数の状態のうちの何れかであって、
前記音声出力部は、
前記電子機器の状態が前記電子機器にエラーが発生している状態である場合に、当該エラーの発生を示す情報、当該エラーの種別を示す情報及び当該エラーの対処方法を示す情報のうち、1又は複数の情報を通知するメッセージを音声出力し、前記電子機器の状態が特定のアプリケーションが起動されている状態である場合に、特定の画面を表示させるための操作を促すメッセージを音声出力する
請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記電子機器から第1の画像を受信する受信部をさらに備え、
前記表示部は、
前記第1の画像に基づく前記第2の領域を含む前記操作画面を表示する
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の操作装置。
【請求項5】
前記第2の領域は、前記第1の画像が表示される領域であり、前記第1の領域は、前記第1の画像が表示されていない領域である
請求項4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記第1の領域が有する複数の画像要素のそれぞれに対してメッセージを設定し、前記第2の領域が有する複数の画像要素に対して共通のメッセージを設定する設定部をさらに備える
請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の操作装置。
【請求項7】
前記設定部は、
ユーザが前記第1の領域が有する特定の画像要素を操作した場合に、前記第2の領域が有する複数の画像要素に対して設定された共通のメッセージを削除する
請求項6に記載の操作装置。
【請求項8】
電子機器と、前記電子機器を操作するための操作装置とが通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記電子機器は、
前記操作装置からの要求に基づいて当該電子機器における処理の実行を制御する制御部を備え、
前記操作装置は、
前記電子機器を操作するための操作画面であって、ユーザが操作可能な複数の画像要素をそれぞれ有する第1の領域及び第2の領域を含む操作画面を表示する表示部と、
ユーザが前記第1の領域が有する複数の画像要素のうちの特定の画像要素を操作した場合、当該複数の画像要素のそれぞれに対応付けられたメッセージのうち、当該特定の画像要素に対応するメッセージを音声出力し、ユーザが前記第2の領域が有する複数の画像要素の何れかを操作した場合、当該複数の画像要素に対して共通に設定されたメッセージを音声出力する音声出力部と、を備える
情報処理システム。
【請求項9】
電子機器と、前記電子機器を操作するための操作装置とが通信可能に接続された情報処理システムによって実行される方法であって、
前記電子機器は、
前記操作装置からの要求に基づいて当該電子機器における処理の実行を制御し、
前記操作装置は、
前記電子機器を操作するための操作画面であって、ユーザが操作可能な複数の画像要素をそれぞれ有する第1の領域及び第2の領域を含む操作画面を表示し、
ユーザが前記第1の領域が有する複数の画像要素のうちの特定の画像要素を操作した場合、当該複数の画像要素のそれぞれに対応付けられたメッセージのうち、当該特定の画像要素に対応するメッセージを音声出力し、ユーザが前記第2の領域が有する複数の画像要素の何れかを操作した場合、当該複数の画像要素に対して共通に設定されたメッセージを音声出力する
情報処理方法。
【請求項10】
電子機器を操作するためのコンピュータに、
前記電子機器を操作するための操作画面であって、ユーザが操作可能な複数の画像要素をそれぞれ有する第1の領域及び第2の領域を含む操作画面を表示する表示工程と、
ユーザが前記第1の領域が有する複数の画像要素のうちの特定の画像要素を操作した場合、当該複数の画像要素のそれぞれに対応付けられたメッセージのうち、当該特定の画像要素に対応するメッセージを音声出力し、ユーザが前記第2の領域が有する複数の画像要素の何れかを操作した場合、当該複数の画像要素に対して共通に設定されたメッセージを音声出力する出力工程と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置を操作するための操作パネルとして、例えば、Android(登録商標)などのOS(Operating System)を搭載した操作装置が利用されている。この操作装置は、Androidなどが備える読み上げ機能(トークバック機能)を利用することにより、ユーザが操作した画面上の操作ボタンなどのUI(User Interface)パーツに応じたメッセージを読み上げることができる。これにより、操作装置は、ユーザが操作している画面上のUIパーツの内容などを、ユーザに音声で通知することができる。このような操作装置を利用することにより、視覚障碍者であっても、画像形成装置を操作することができる。
【0003】
図1は、従来の操作装置に表示される、コピーアプリの操作画面の一例を示す図である。図1の操作画面には、カラーモード、印刷用紙、印刷部数を設定するための操作ボタンや、コピーを開始するための開始ボタン(スタート)などのUIパーツが表示されている。これらのUIパーツは、操作装置により生成されているため、視覚障碍者が利用するときに、操作装置は、ユーザにより操作されたUIパーツを認識し、UIパーツに設定されたメッセージを読み上げることができる。例えば、操作装置は、開始ボタンが操作されると、「コピーを開始します」というメッセージを読み上げる。図1の操作画面では、視覚障碍者にも利用しやすいように、各UIパーツが大きく、シンプルに配置されている。
【0004】
一方、上記のような操作装置を備えない、従来の画像形成装置は、画像形成装置が生成した操作画面の画像を用いて操作画面操作パネルに表示させる。このような従来の操作画面を使いなれた健常者のユーザにとっては、図1のような操作画面より、従来の画像形成装置で表示された操作画面の方が使いやすいことが考えられる。このようなユーザの利便性を考慮して、近年の操作装置は、画像形成装置が生成した従来の操作画面の画像を受け取り、受け取った画像を表示可能に構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の操作装置は、画像形成装置から受信した操作画面の画像を表示した場合、この画像に含まれるUIパーツを認識できず、UIパーツに応じたメッセージを読み上げることができない、という問題があった。この結果、従来の操作装置では、画像形成装置から受信した画像が表示された場合、画像に含まれるUIパーツが操作されても、メッセージを音声出力することができず、視覚障碍者にとって利用が困難になった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、電子機器から受信した画像を表示する、操作パネルを備えた操作装置において、電子機器から受信した画像が操作された際に、メッセージを読み上げ可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る操作装置は、電子機器を操作するための操作装置であって、前記電子機器を操作するための操作画面であって、ユーザが操作可能な複数の画像要素をそれぞれ有する第1の領域及び第2の領域を含む操作画面を表示する表示部と、ユーザが前記第1の領域が有する複数の画像要素のうちの特定の画像要素を操作した場合、当該複数の画像要素のそれぞれに対応付けられたメッセージのうち、当該特定の画像要素に対応するメッセージを音声出力し、ユーザが前記第2の領域が有する複数の画像要素の何れかを操作した場合、当該複数の画像要素に対して共通に設定されたメッセージを音声出力する音声出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の各実施形態によれば、電子機器が生成した画像を表示する、タッチパネルを備えた操作装置において、電子機器が生成した画像がタッチされた際に、メッセージを読み上げ可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来の操作装置に表示されるコピーアプリの操作画面の一例を示す図。
図2】電子機器システムのハードウェア構成の一例を示す図。
図3】電子機器システムのソフトウェア構成の一例を示す図。
図4】電子機器システムの機能構成の一例を示す図。
図5】画像を含む操作画像の一例を示す図。
図6】MFP画像を含む操作画像の一例を示す図。
図7】MFP画像を含む操作画像の一例を示す図。
図8】第1のメッセージテーブルの一例を示す図。
図9】第2のメッセージテーブルの一例を示す図。
図10】メッセージ設定テーブルの一例を示す図。
図11】第1実施形態に係る電子機器システムの動作の一例を示すシーケンス図。
図12】第2実施形態に係る電子機器システムの動作の一例を示すシーケンス図。
図13】第3実施形態に係る電子機器システムの動作の一例を示すシーケンス図。
図14】第3実施形態に係る電子機器システムの動作の一例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る電子機器システムについて、図2図11を参照して説明する。本実施形態に係る電子機器システムは、電子機器と、ユーザが電子機器を操作するための操作装置と、により構成されるシステムである。電子機器は、例えば、ファクシミリ装置、プリンタ装置、スキャナ装置、コピー装置、複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジ、及び掃除機などであるが、これに限られない。以下では、電子機器がMFPである場合を例に説明する。
【0012】
まず、本実施形態に係る電子機器システムのハードウェア構成について説明する。図1は、本実施形態に係る電子機器システムのハードウェエア構成の一例を示す図である。図1の電子機器システムは、MFP(電子機器)1と、操作装置2と、通信路3と、を備える。
【0013】
MFP1は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能、及びコピー機能などを備え、操作装置2から受信した指示に従って動作する。MFP1は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104と、を備える。また、MFP1は、通信I/F(インタフェース)105と、接続I/F106と、エンジン部107と、バス108と、を備える。
【0014】
CPU101は、ROM102やHDD104に記憶されたプログラムを実行することにより、MFP1の動作を統括的に制御し、MFP1の各種機能を実現する。
【0015】
ROM102は、各種のプログラムやデータを記憶する。RAM103は、CPU101に作業領域を提供する。HDD104は、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0016】
通信I/F105は、ネットワークNと接続し、外部装置と通信するためのインタフェースである。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、及びインターネットなどである。外部装置は、他のMFP、サーバコンピュータ、及びクライアントコンピュータなどである。
【0017】
接続I/F106は、通信路3に接続し、操作装置2と通信するためのインタフェースである。
【0018】
エンジン部107は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能、及びコピー機能などを実現するための1つ又は複数の装置である。エンジン部107は、例えば、現行の画像を読み取る画像読取部(スキャナ)、印刷媒体に画像を印刷する画像形成部(プロッタ)、及びファックス通信を行うファックス部などを含む。また、エンジン部107は、印刷済みの印刷媒体を仕分ける仕分け部(フィニッシャ)や、印刷媒体を自動給送する自動原稿給送部(ADF:Auto Document Feeder)などを含んでもよい。
【0019】
バス108は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、HDD104と、通信I/F105と、接続I/F106と、エンジン部107と、を相互に接続する。
【0020】
操作装置2は、ユーザからの操作に応じた情報や指示を受け付け、受け付けた情報や指示を、MFP1に送信する。操作装置2は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、フラッシュメモリ204と、通信I/F205と、接続I/F206と、外部接続I/F207と、操作パネル208と、スピーカ209と、を備える。
【0021】
CPU201は、ROM202やフラッシュメモリ204に記憶されたプログラムを実行することにより、操作装置2の動作を統括的に制御し、操作装置2の各種機能を実現する。
【0022】
ROM202は、各種のプログラムやデータを記憶する。RAM203は、CPU201に作業領域を提供する。フラッシュメモリ204は、各種のプログラムやデータを記憶する。
【0023】
通信I/F205は、ネットワークNと接続し、外部装置と通信するためのインタフェースである。ネットワークNは、LAN、WAN、及びインターネットなどである。外部装置は、他のMFP、サーバコンピュータ、及びクライアントコンピュータなどである。
【0024】
接続I/F206は、通信路3に接続し、MFP1と通信するためのインタフェースである。
【0025】
外部接続I/F207は、外部機器を通信可能に接続するためのインタフェースである。外部機器は、例えば、IC(Integrated Circuit)カードリーダ、マイク、及びキーボードなどである。
【0026】
操作パネル208は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどのディスプレイと、ディスプレイ上に設けられたタッチパネルと、を備える。操作パネル208は、ユーザの操作に応じた情報や指示を受け付ける。また、操作パネル208は、受け付けた操作に応じた情報、MFP1の動作状況、及び設定状況などの各種の情報を表示する。操作パネル208は、ハードウェアキーなどの操作部や、ランプ等の表示部を備えてもよい。
【0027】
スピーカ209は、後述するメッセージを音声出力する。スピーカ209は、外部接続I/F207を介してMFP1に接続されてもよい。
【0028】
バス210は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、フラッシュメモリ204と、通信I/F205と、接続I/F206と、外部接続I/F207と、操作パネル208と、スピーカ209と、を相互に接続する。
【0029】
通信路3は、MFP1と、操作装置2と、を通信可能に接続する。通信路3の通信規格は、任意であり、USB(Universal Serial Bus)などの有線通信規格であってもよいし、WiFiなどの無線通信規格であってもよい。また、通信路3を介して、MFP1から操作装置2への電力供給が行われてもよい。
【0030】
次に、本実施形態に係る電子機器システムのソフトウェア構成について説明する。図3は、本実施形態に係る電子機器システムのソフトウェア構成の一例を示す図である。
【0031】
MFP1は、アプリケーション層1001と、サービス層1002と、OS層1003と、を備える。これらの各層は、ROM102及びHDD104に記憶された各種のソフトウェア(プログラム)により構成される。CPU101が各層のソフトウェアを実行することにより、各層の機能が実現される。
【0032】
アプリケーション層1001は、ハードウェアを動作させることにより、MFP1の機能をユーザに提供する。以下では、アプリケーション層1001を構成するソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)を、MFPアプリと称する。MFPアプリとして、ファクシミリ機能を提供するファクシミリアプリ、プリンタ機能を提供するプリンタアプリ、スキャナ機能を提供するスキャナアプリ、及びコピー機能を提供するコピーアプリなどが考えられる。また、MFP1は、これらのアプリケーションを操作するための操作画面を操作装置2に表示させる画像情報を操作装置2に送信する。MFP1は、送信された画像情報に基づいて操作装置2で表示される操作画面を介して受け付けたユーザの操作に応じて、アプリケーションを動作させる。
【0033】
サービス層1002は、アプリケーション層1001とOS層1003との間に介在し、アプリケーション層1001に対して、MFP1のハードウェアを動作させるためのインタフェースを提供する。具体的には、サービス層1002は、ハードウェアに対する動作要求をアプリケーション層1001から受け付け、受け付けた動作要求を調停し、動作要求をOS層1003が解釈可能なコマンドに変換し、変換したコマンドをOS層1003に渡す。ハードウェアに対する動作要求として、例えば、画像読取部に対する画像の読み取り要求や、画像形成部に対する画像の印刷要求などが考えられる。なお、本実施形態において、サービス層1002は、操作装置2のアプリケーション層2001に対しても、MFP1のハードウェアを利用するためのインタフェースを提供する。
【0034】
OS層1003は、MFP1のOSにより構成され、MFP1のハードウェアを制御するための基本的な機能を提供する。OS層1003が、サービス層1002から受け取ったコマンドを実行することにより、MFP1のハードウェアは、MFPアプリが要求した動作を実行する。本実施形態において、MFP1のOSは、後述する操作装置2のOSとは異なる種類のOSであり、読み上げ機能を備えなくてもよい。MFP1のOSは、例えば、Linux(登録商標)であるが、これに限られない。
【0035】
操作装置2は、アプリケーション層2001と、サービス層2002と、OS層2003と、を備える。これらの各層は、ROM202及びHDD204に記憶された各種のソフトウェア(プログラム)により構成される。CPU201が各層のソフトウェアを実行することにより、各層の機能が実現される。
【0036】
アプリケーション層2001は、ハードウェアを動作させることにより、操作装置2の機能をユーザに提供する。以下では、アプリケーション層2001を構成するソフトウェア(アプリケーションソフトウェア)を、操作アプリと称する。操作アプリには、MFPアプリをエミュレートするためのエミュレータアプリや、UIを提供するUIアプリなどが含まれる。これらの操作アプリは、MFP1のサービス層1002により提供されるインタフェースを用いることで、MFP1のアプリケーション層1001を介さずに、MFP1のハードウェアや各機能を制御することができる。
【0037】
サービス層2002は、アプリケーション層2001とOS層2003との間に介在し、アプリケーション層2001に対して、操作装置2のハードウェアを動作させるためのインタフェースを提供する。具体的には、サービス層2002は、ハードウェアに対する動作要求をアプリケーション層2001から受け付け、受け付けた動作要求を調停し、動作要求をOS層2003が解釈可能なコマンドに変換し、変換したコマンドをOS層2003に渡す。ハードウェアに対する動作要求として、例えば、画像読取部に対する画像の読み取り要求や、画像形成部に対する画像の印刷要求などが考えられる。
【0038】
OS層2003は、操作装置2のOSにより構成され、操作装置2のハードウェアを制御するための基本的な機能を提供する。OS層2003が、サービス層2002から受け取ったコマンドを実行することにより、操作装置2のハードウェアは、操作アプリが要求した動作を実行する。本実施形態において、操作装置2のOSは、MFP1のOSとは異なる種類のOSであり、メッセージの読み上げ機能を備える。操作装置2のOSは、例えば、Android(登録商標)であるが、これに限られない。
【0039】
以上説明した通り、本実施形態において、MFP1と、操作装置2と、はそれぞれ異なるOSを搭載する。このため、MFP1と操作装置2との間の通信は、同一の装置内におけるプロセス間通信ではなく、異なる装置間の通信として行われる。MFP1と操作装置2との間の通信により、操作装置2が操作アプリを介して受け付けた情報や指示に応じたコマンドが、操作装置2からMFP1へ送信され、ユーザからの操作に応じたMFP1の動作が実行される。また、MFP1と操作装置2との間の通信により、MFP1の動作状況や設定状況などの情報が、MFP1から操作装置2へ通知される。
【0040】
なお、MFP1及び操作装置2が備える各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルとして、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。このような記録媒体として、CD(Compact Disk)-ROM、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、及びUSBメモリなどが挙げられる。また、MFP1及び操作装置2が備える各プログラムは、インターネットなどのネットワーク経由で提供又は配布されてもよい。また、MFP1及び操作装置2が備える各プログラムは、不揮発性の記録媒体に予め組み込んで提供又は配布されてもよい。
【0041】
次に、本実施形態に係る電子機器システムの機能構成について説明する。図4は、本実施形態に係る電子機器システムの機能構成の一例を示す図である。
【0042】
MFP1は、通信部11と、画像情報生成部12と、制御部13と、を備える。
【0043】
通信部11は、CPU101がプログラムを実行し、接続I/F106を制御することにより実現される。通信部11は、操作装置2と通信し、操作装置2との間で情報を送受信する。
【0044】
画像情報生成部12は、CPU101がプログラムを実行することにより実現される。画像情報生成部12は、ユーザがMFPアプリの起動を要求した場合、MFP1の状態に基づいて、MFP画像(第1の画像)を表示させるための画像情報(以下、「MFP画像情報」という)を生成する。MFP画像は、MFP1の状態に応じた画像である。MFP画像情報を生成することは、MFP画像を生成することに相当する。
【0045】
画像情報生成部12は、MFP画像を構成可能な複数の画像要素(アイコン、ボタン、フレーム、及びメッセージなど)のデータ(画像データ及びテキストデータなど)を予め記憶している。画像情報生成部12は、MFP1の状態に基づいて、これらの画像要素を組み合わせる(すなわち、使用する画像要素を選択し、選択した画像要素の配置を決定する)ことにより、MFP1の状態に応じたMFP画像を生成する。MFP画像情報には、MFP画像を構成する各画像要素のデータと、各画像要素の配置を示す配置情報と、が含まれる。各画像要素の配置は、例えば、画面上の座標で表される。
【0046】
制御部13は、CPU101がプログラムを実行することにより実現される。制御部13は、操作装置からの要求に応じて、MFP1のハードウェアやMFPアプリを制御し、また、MFP1のハードウェアやMFPアプリの状態を検知する。
【0047】
操作装置2は、通信部21と、画像情報生成部22と、座標取得部23と、表示部24と、アプリ管理部25と、メッセージ記憶部26と、メッセージ設定部27と、音声出力部28と、を備える。
【0048】
通信部21は、CPU201がプログラムを実行し、接続I/F106を制御することにより実現される。通信部11は、操作装置2と通信し、操作装置2との間で情報を送受信する。
【0049】
画像情報生成部22は、CPU201がプログラムを実行することにより実現される。画像情報生成部22は、操作画像(第2の画像)の画像情報(以下、「操作画像情報」という)を生成する。操作画像は、操作パネル208の画面(操作パネル208が備えるディスプレイの表示部分)に表示される画像である。操作画像情報を生成することは、操作画像を生成することに相当する。
【0050】
画像情報生成部22は、操作画像を構成可能な複数の画像要素(アイコン、ボタン、フレーム、及びメッセージなど)のデータ(画像データ及びテキストデータなど)を予め記憶している。画像情報生成部22は、これらの画像要素を組み合わせる(すなわち、使用する画像要素を選択し、選択した画像要素の配置を決定する)ことにより、操作画像を生成し、記憶する。操作画像情報には、操作画像を構成する各画像要素のデータと、各画像要素の配置を示す配置情報と、が含まれる。各画像要素の配置は、例えば、画面上の座標で表される。また、画像情報生成部22は、後述する表示部24に表示させている操作画像の操作画像情報をRAM203に記憶させ、ユーザが操作パネル208をタッチした座標に配置された画像要素を特定する。
【0051】
図5は、操作画像の一例を示す図である。図5の操作画像は、ホーム画面の操作画像であり、図5の上下に配置されたバナーと、それぞれ所定の位置に配置された、アプリを起動するための起動ボタンと、により構成されている。
【0052】
バナーは、操作画像に常に含まれる画像要素であり、MFP1にログイン中のユーザIDが記載される。図5の例では、ユーザIDは、「AAA」である。
【0053】
上部に配置されたバナー上には、左から順に、ログアウトボタンと、省エネモードボタンと、が配置されている。ログアウトボタンは、MFP1からログアウトするためのボタンである。省エネモードボタンは、MFP1を省エネモードに移行させるためのボタンである。
【0054】
下部に配置されたバナー上には、左から順に、状態確認ボタンと、戻るボタンと、ホームボタンと、メニューボタンと、終了ボタン(ストップ)と、が配置されている。状態確認ボタンは、MFP1の状態を表示させるためのボタンである。戻るボタンは、1つ前に表示されていた画面を表示させるためのボタンである。ホームボタンは、ホーム画面を表示させるためのボタンである。メニューボタンは、起動中のアプリの操作メニューを表示させるためのボタンである。終了ボタンは、実行中の処理を終了させるためのボタンである。また、操作装置2がバナーに表示される各ボタンに対応する機能を提供するバードキーを備え、ユーザはハードキーを操作しもよい。この場合、ハードキーに対応するボタンはバナーに表示されなくてもよい。
【0055】
起動ボタンには、操作アプリを起動するための起動ボタンと、MFPアプリを起動するための起動ボタンと、が含まれている。操作アプリを起動するための起動ボタンには、コピーボタン、スキャンボタン、ファックスボタン、プリンタボタン、アプリ1ボタン及びアプリ2ボタンが含まれる。また、MFPアプリを起動するための起動ボタンには、コピーボタン(従来の画面)と、システム設定ボタンと、が含まれる。ユーザが起動ボタンをタッチし、アプリの起動を操作装置2に要求すると、操作装置2は、タッチされた起動ボタンに対応するアプリの操作画面を表示する。
【0056】
例えば、ユーザがコピーボタンをタッチすると、コピーアプリ(操作アプリ)が起動し、図1のようなコピーアプリの操作画像が表示される。上述の通り、ユーザがこの操作画像に含まれる画像要素(UIパーツ)をタッチすると、タッチされた画像要素に応じたメッセージが読み上げられる。
【0057】
上述の通り、ユーザが、図1のような操作アプリの画面ではなく、MFPアプリの画面の利用を希望することが考えられる。このような場合、ユーザは、MFPアプリの起動ボタンをタッチすればよい。
【0058】
ユーザが、MFPアプリの起動ボタンをタッチし、MFPアプリの起動を操作装置2に要求した場合、画像情報生成部22は、MFP1の状態と、MFP画像情報と、に基づいて、画像要素としてMFP画像を含む操作画像の画像情報を生成する。
【0059】
図6は、MFP画像を含む操作画像の一例を示す図である。図6は、図5のシステム設定ボタン(MFPアプリの起動ボタン)をタッチした場合に表示される操作画像である。図6の操作画像Im2は、バナーと、バナーの内側に配置されたMFP画像Im1と、により構成されている。MFP画像Im1には、各種の設定(ファックス初期設定など)を行うためのボタン(ファックス初期設定ボタンなど)や、テンキー、リセットボタン、及び開始ボタンなどが含まれている。健常者のユーザは、MFP画像Im1に含まれるボタンをタッチすることにより、MFP1を操作することができる。
【0060】
図7は、MFP画像を含む操作画像の他の例を示す図である。図7の操作画像Im2は、MFP1にエラーが発生している場合の操作画像Im2を示している。図7の操作画像Im2は、バナーと、バナーの内側に配置されたMFP画像Im1と、により構成されている。MFP画像Im1には、テンキー、リセットボタン、及び開始ボタンなどが含まれている。また、MFP画像Im1は、エラーの対応策を表示している。健常者のユーザは、MFP画像Im1に記載された対応策を実行することにより、エラーを解除し、MFP1を復帰させることができる。
【0061】
図6及び図7のMFP画像Im1は、MFP1が生成した画像であるため、MFP画像Im1に含まれる各画像要素に対するメッセージが設定されていない。したがって、ユーザが画像要素をタッチしても、タッチされた画像要素に対応するメッセージは読み上げられない。このため、MFPアプリの操作画像Im2が表示された場合、視覚障碍者は、電子機器システムの状態を把握できなくなり、電子機器システムを利用できなくなる恐れがある。そこで、本実施形態に係る操作装置2は、MFP画像Im1の全体に対して、視覚障碍者が電子機器システムを利用可能となるメッセージを設定する。
【0062】
例えば、操作装置2は、図6のMFP画像Im1に対して、「サポートしていない機能が起動されました。ホームボタンをタップしてホーム画面に戻ってください。」というメッセージを設定する。ユーザがMFP画像Im1をタッチすると、上記のメッセージが読み上げられる。ユーザ(視覚障碍者)は、このメッセージに従ってホームボタンをタッチすることにより、視覚障碍者にも利用可能な、図5のようなホーム画面を表示させることができる。なお、バナー上に配置されているホームボタンは操作装置2により生成されたため、ユーザがタッチすると対応するメッセージが読み上げられる。したがって、視覚障碍者は、メッセージを頼りにホームボタンを探し、ホームボタンをタッチすることができる。
【0063】
また、操作装置2は、図7のMFP画像Im1に対して、「エラーが発生しました。管理者にご連絡をお願い致します。」というメッセージを設定する。これにより、ユーザ(視覚障碍者)は、MFP1にエラーが発生したことを把握し、エラーを解除するための適切な対応をとることができる。
【0064】
座標取得部23は、CPU201がプログラムを実行し、操作パネル208が備えるタッチパネルを制御することにより実現される。座標取得部23は、ユーザがタッチした操作パネル208の画面上の座標を取得する。
【0065】
表示部24は、CPU201がプログラムを実行し、操作パネル208が備えるディスプレイを制御することにより実現される。表示部24は、画像情報生成部22が生成した操作画像を画面に表示する。
【0066】
アプリ管理部25は、ユーザからの指示に従って、操作アプリ及びMFPアプリの起動及び終了や、操作画像の切替を制御する。
【0067】
メッセージ記憶部26は、ROM202、RAM203、及びフラッシュメモリ204などにより実現される。メッセージ記憶部26は、操作画像を構成可能な各画像要素に対して予め設定されたメッセージを記憶する。メッセージを設定する画像要素として、開始ボタン、終了ボタン、MFPアプリを起動するための起動ボタン、設定ボタン、テンキー、リセットボタン、ホームボタン、及び操作画像のフレームの少なくとも一部(例えば、タブ)などが考えられる。
【0068】
図8は、操作画像を構成可能な各画像要素に対して予め設定されたメッセージを記憶する第1のメッセージテーブルの一例を示す図である。図8の第1のメッセージテーブルでは、画像要素を識別するための画像要素IDと、画像要素の名称と、画像要素に対して設定されたメッセージと、が対応付けられている。図8の例では、画像要素IDが「C1」である画像要素C1は、コピーアプリ(操作アプリ)を起動するための「コピーボタン」(起動ボタン)であり、「コピーアプリを起動します。」というメッセージが設定されている。なお、メッセージを設定する画像要素及び各画像要素に設定するメッセージは、上記の例に限られない。
【0069】
また、メッセージ記憶部26は、MFP1の各状態に対して予め設定されたメッセージを記憶する。メッセージを設定するMFP1の状態として、ジャムやシステムコールなどのエラーが発生している状態(エラー状態)、及び通常状態(エラーが発生していない状態)が考えられる。メッセージは、発生しているエラーの種類ごとにそれぞれ設定されてもよい。また、メッセージは、起動しているMFPアプリの種類や画面に表示されているMFP画像の種類に応じてそれぞれ設定されてもよい。
【0070】
図9は、MFP1の各状態に対して予め設定されたメッセージを記憶する第2のメッセージテーブルの一例を示す図である。図9の第2のメッセージテーブルでは、MFP1の状態を識別するための状態IDと、状態の内容と、状態に対して設定されたメッセージと、が対応付けられている。図9の例では、状態IDが「S1」である状態S1は、MFP1に「エラー1」が発生している状態であり、「エラー1が発生しました。」というメッセージが設定されている。このように、エラー状態に対しては、エラーの発生や種類を通知するメッセージが設定されるのが好ましい。また、状態IDが「S3」である状態S3は、MFP1の「システム設定アプリ(MFPアプリ)が起動中」の状態(通常状態)であり、「サポートしていない機能が起動されました。ホームボタンをタップしてホーム画面に戻ってください。」というメッセージが設定されている。このように、通常状態に対しては、視覚障碍者が利用可能な画面(ホーム画面など)を表示させるためのメッセージが設定されるのが好ましい。なお、メッセージを設定する状態及び各状態に設定するメッセージは、上記の例に限られない。例えば、エラー状態に対して、発生しているエラーに対する対処法を通知するメッセージが設定されてもよい。
【0071】
メッセージ設定部27は、操作画像情報に基づいて、操作画像を構成する各画像要素に対するメッセージを設定する。具体的には、メッセージ設定部27は、操作画像情報に含まれる各画像要素の画像要素IDを検索キーとしてメッセージ記憶部26を検索し、各画像要素に対して設定されたメッセージを抽出する。メッセージ設定部27は、抽出したメッセージを画像要素ID及び配置情報と対応付けて記憶する。これにより、操作画像を構成する各画像要素に対して、メッセージが設定される。
【0072】
本実施形態において、メッセージ設定部27は、MFP画像を、操作画像を構成する画像要素の1つ(すなわち、1つの画像)として扱う。すなわち、メッセージ設定部27は、MFP画像の全体に対して1つのメッセージを設定する。具体的には、メッセージ設定部27は、MFP1の状態を検索キーとしてメッセージ記憶部26を検索し、MFP1の状態に対して設定されたメッセージを抽出する。メッセージ設定部27は、抽出したメッセージをMFP画像に対応付けて記憶する。これにより、操作画像に含まれるMFP画像に対して、MFP1の状態に応じたメッセージが設定される。以下では、操作画像の画像要素には、MFP画像が含まれるものとする。
【0073】
図10は、操作画像の各画像要素に対して設定されたメッセージを記憶するメッセージ設定テーブルの一例を示す図である。図10のメッセージ設定テーブルでは、画像要素IDと、画像要素の名称と、画像要素の配置情報と、画像要素に対して設定されたメッセージと、が対応付けられている。図10の例では、画像要素IDが「C2」である画像要素C2は、開始ボタンであり、「処理を開始します。」というメッセージが設定されている。また、画像要素IDが「Im1」である画像要素Im1は、MFP画像であり、「エラー1が発生しました。」というメッセージが設定されている。
【0074】
音声出力部28は、CPU201がプログラム(OS)を実行し、スピーカ209を制御することにより実現される。音声出力部28は、ユーザがタッチした操作画像の画像要素に対して設定されたメッセージを音声出力する。
【0075】
次に、本実施形態に係る電子機器システムの動作について説明する。図11は、本実施形態に係る電子機器システムの動作の一例を示すシーケンス図である。以下では、操作画像に含まれるMFP画像に対して、エラーの有無(エラー状態か通常状態か)に応じたメッセージが設定されるものとする。
【0076】
ユーザが操作パネル208に表示されている操作画面をタッチすると、まず、座標取得部23が、ユーザがタッチした操作画面上の座標を計算し、取得する(ステップS101)。座標取得部23は、取得した座標を示す座標情報を、画像情報生成部22に渡す(ステップS102)。
【0077】
画像情報生成部22は、座標情報を受け取ると、受け取った座標情報と、RAM203に記憶されている、操作画像の各画像要素の配置情報と、に基づいて、ユーザがタッチした、操作画像の画像要素を特定する(ステップS103)。画像情報生成部22は、座標情報が示す座標に配置された画像要素を、ユーザによりタッチされた画像要素として特定する。ここでは、図5のホーム画面において、システム設定アプリを起動するためのシステム設定ボタンがタッチされたものとする。
【0078】
画像情報生成部22は、ユーザによりタッチされた画像要素がシステム設定アプリを起動するためのシステム設定ボタンであることを特定すると、その旨をアプリ管理部25に通知する(ステップS104)。
【0079】
アプリ管理部25は、システム設定アプリの起動ボタンがタッチされたことを通知されると、システム設定アプリをエミュレートするためのエミュレータアプリを起動する(ステップS105)。また、アプリ管理部25は、起動するシステム設定アプリがMFPアプリであるため、通信部21を介して、システム設定アプリを起動するための起動要求を、MFP1に送信する(ステップS106)。
【0080】
MFP1の制御部13は、通信部11を介して、システム設定アプリの起動要求を受信すると、システム設定アプリを起動し、MFP1におけるシステム設定アプリの状態を検知する(ステップS107)。例えば、システム設定アプリに関連するハードウェアやソフトウェアの状態を検知する。制御部13は、システム設定アプリの状態を示す状態情報を画像情報生成部12に渡し、システム設定アプリの操作画面を操作装置2に表示させるためのMFP画像の生成を要求する(ステップS108)。上述の通り、状態情報が示す状態は、エラー状態又は通常状態のいずれかであるものとする。
【0081】
画像情報生成部12は、制御部13からの生成要求に応じて、状態情報が示す状態に応じたシステム設定アプリのMFP画像を生成する(ステップS109)。画像情報生成部12は、状態情報がエラー状態を示す場合、エラー状態におけるシステム設定アプリのMFP画像を生成し、状態情報が通常状態を示す場合、通常状態におけるMFPシステム設定アプリのMFP画像を生成する。画像情報生成部12は、生成したMFP画像のMFP画像情報を制御部13に渡す(ステップS110)。制御部13は、通信部11を介して、MFP画像情報及び状態情報を操作装置2に送信する(ステップS111)。
【0082】
操作装置2のアプリ管理部25は、通信部21を介してMFP1から送信されたMFP画像情報及び状態情報を受信して画像情報生成部22に渡し、システム設定アプリの操作画像の生成を要求する(ステップS112)。画像情報生成部22は、アプリ管理部25からの生成要求に応じて、渡されたMFP画像情報及び状態情報に基づいて、システム設定アプリの状態に応じた、MFP画像と、バナーに表示されるホームボタンなど、MFP画像以外の画像要素とを含むシステム設定アプリの操作画像を生成する(ステップS113)。画像情報生成部22は、生成した操作画像をアプリ管理部25に応答する(ステップS114)。アプリ管理部25は、応答された操作画像情報と、状態情報とを、メッセージ設定部27に渡し、メッセージの設定を要求する(ステップS115)。ここで、MFP1から受信したMFP画像を含む操作画像を表示させるため、アプリ管理部25は、メッセージ設定部27に対して、第2のメッセージテーブルからメッセージを取得するように要求する。すなわち、アプリ管理部25は、表示させる操作画像に、MFPから受信したMFP画が含まれるか否かと、メッセージの取得先とを対応付けて記憶しておく。
【0083】
メッセージ設定部27は、アプリ管理部25からの設定要求に応じて、渡された状態情報が示す状態に対応するメッセージをメッセージ記憶部26の第2のメッセージテーブルから取得する。メッセージ設定部27は、取得したメッセージと、渡された操作画面情報に含まれる画素要素のID、名称及び配置情報とを対応付けて、メッセージ記憶部26のメッセージ設定テーブルに設定する(ステップS116)。例えば、システム設定アプリが通常状態の場合、第2のメッセージテーブルにおける「システム設定アプリの起動中」の状態に対応する「サポートしていない機能が起動されました。ホームボタンをタップしてホーム画面に戻ってください。」といったメッセージが取得され、このメッセージが操作画面情報に含まれる画素要素ID、名称及び配置情報とを対応付けて、メッセージ記憶部26のメッセージ設定テーブルに設定される。一方、システム設定アプリがエラー状態の場合、第2のメッセージテーブルにおける「エラー1」の状態に対応する「エラーが発生しました。管理者にご連絡をお願い致します。」といったメッセージが取得され、メッセージ設定テーブルに設定される。また、アプリ管理部25が、状態情報に基づいて、第2のメッセージテーブルからメッセージを取得して、メッセージ設定部27に渡してもよい。
【0084】
また、メッセージ設定部27は、操作画像情報を受け取ると、メッセージ記憶部26を参照して、操作画像に含まれる、MFP画像を除く各画像要素に対して、メッセージを設定する。例えば、バナーに表示されるホームボタンに対して、「ホームアプリを起動します。」といったメッセージをメッセージ設定テーブルに登録する。
【0085】
続いて、アプリ管理部25は、操作画像の操作画像情報を表示部24に渡す(ステップS117)。表示部24は、操作画像情報を受け取ると、受け取った操作画像情報に基づいて、操作画像を画面に表示する(ステップS118)。
【0086】
その後、ユーザが操作パネル208の画面をタッチすると、座標取得部23は、ユーザがタッチした画面上の座標を計算し、取得する(ステップS119)。座標取得部23は、取得した座標を示す座標情報を、メッセージ設定部27に渡す(ステップS120)。
【0087】
メッセージ設定部27は、座標情報を受け取ると、受け取った座標情報と、操作画像の(MFP画像を含む)各画像要素の配置情報と、に基づいて、ユーザがタッチした、操作画像の画像要素を特定する。画像情報生成部22は、座標情報が示す座標に配置された画像要素を、ユーザによりタッチされた画像要素として特定する。そして、メッセージ設定部27は、メッセージ設定テーブルを参照して、特定した画像要素に対して設定されたメッセージを、音声出力するメッセージとして決定する(ステップS121)。メッセージ設定部27は、決定したメッセージ(テキストデータ)を音声出力部28に渡す(ステップS122)。
【0088】
音声出力部28は、メッセージを受け取ると、受け取ったメッセージをスピーカ209から音声出力する(ステップS123)。これにより、ユーザがMFP画像にタッチした場合、起動対象のシステム設定アプリの状態に応じて、メッセージが音声出力される。また、図11の例では省略されているが、ステップS119の後に、ステップS102~S104と同じように、画像要素がタッチされたことがアプリ管理部25に通知される。アプリ管理部25は、タッチされた画像要素に応じて、操作アプリ及びMFPアプリの起動及び終了や、操作画像の切替を制御する。また、MFP1から送信されたMFP画像に基づいて生成された操作画像が表示された場合に、アプリ管理部25は、画像要素がタッチされたことが通知されても、操作アプリ及びMFPアプリの起動及び終了や、操作画像の切替をしないように制御してもよい。これにより、視覚障碍者による誤操作を防止することができる。
【0089】
以上説明した通り、本実施形態によれば、操作装置2は、MFP1(電子機器)が生成したMFP画像に対して、MFPアプリが起動されるか否かを示すMFP1の状態と、起動されるMFPアプリの状態とに応じたメッセージを設定することができる。したがって、操作装置2は、操作パネル208の画面に表示されたMFP画像がユーザによりタッチされた際に、MFP画像に対して設定されたメッセージを音声出力(読み上げる)ことができる。操作装置2のユーザは、MFP画像を含む画像要素に関する情報(メッセージ)を音声として得られるため、ユーザが視覚障碍者の場合であっても、操作装置2を利用することにより、MFP1を容易に操作することができる。
【0090】
なお、図11の例では省略されているが、ホーム画面におけるシステム設定アプリの起動ボタンの画像要素のID、名称及び配置情報と、第1のメッセージテーブルに設定されたこの起動ボタンに対応するメッセージとがメッセージ設定テーブルに設定されている。このため、ユーザがシステム設定アプリの起動ボタンにタッチした際、音声出力部28は、起動ボタンに対して設定されたメッセージ(例えば、「システム設定アプリを起動します。」)を音声出力するのが好ましい。このメッセージの音声出力は、ステップS120~ステップS123と同様の処理により実現される。
【0091】
また、図11の例では、MFPシステム設定がバックグランドで起動していることを想定しているため、システム設定アプリの起動処理が行われていない。システム設定アプリが起動していない場合には、MFP1は、アプリ起動要求に応じて、システム設定アプリの起動処理を実行すればよい。なお、本実施形態に係る電子機器システムは、システム設定アプリ以外のMFPアプリの場合も、図11と同じように動作する。
【0092】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る電子機器システムについて、図12を参照して説明する。第1実施形態では、ユーザの操作により、MFPアプリを起動する場合の動作について説明した。本実施形態では、ユーザの操作により、MFPアプリを終了する場合の動作について説明する。なお、本実施形態に係る電子機器システムの構成は、第1実施形態と同様である。
【0093】
図12は、本実施形態に係る電子機器システムの動作の一例を示すシーケンス図である。以下では、動作の開始時点で、システム設定アプリがエミュレータアプリ上で起動しており、メッセージを設定されたMFP画像を含む操作画像が画面に表示されているものとする。
【0094】
ユーザが操作パネル208の画面をタッチすると、まず、座標取得部23が、ユーザがタッチした画面上の座標を計算し、取得する(ステップS201)。座標取得部23は、取得した座標を示す座標情報を、画像情報生成部22に渡す(ステップS202)。
【0095】
画像情報生成部22は、座標情報を受け取ると、受け取った座標情報と、操作画像の各画像要素の配置情報と、に基づいて、ユーザがタッチした、操作画像の画像要素を特定する(ステップS203)。画像情報生成部22は、座標情報が示す座標に配置された画像要素を、ユーザによりタッチされた画像要素として特定する。ここでは、ホーム画面を表示させるためのホームボタンがタッチされたものとする。ホーム画面を表示させることは、エミュレータ上で起動中のシステム設定アプリを終了させることに相当する。
【0096】
画像情報生成部22は、ユーザによりタッチされた画像要素がホームボタンであることを特定すると、その旨をアプリ管理部25に通知する(ステップS204)。なお、ホームボタンがハードキーの場合は、画像情報生成部22は、ユーザによりホームボタンがタッチされたことを特定すると、その旨をアプリ管理部25に通知する。
【0097】
アプリ管理部25は、ホームボタンがタッチされたことを通知されると、起動されているシステム設定アプリがMFPアプリであるため、通信部21を介して、システム設定アプリを終了するための終了要求をMFP1に送信する(ステップS205)。MFP1の制御部13は、通信部11を介して、システム設定アプリの終了要求を受信すると、システム設定アプリを終了させる(ステップS206)。
【0098】
また、アプリ管理部25は、ホームボタンがタッチされたことを通知されると、メッセージ設定部27にメッセージの削除を要求する(ステップS207)。メッセージ設定部27は、メッセージの削除を要求されると、メッセージ設定テーブルに設定された各画像要素(MFP画像を含む)のメッセージを削除する(ステップS208)。なお、バナーに常に表示される画像要素に対応するメッセージは削除しなくてもよい。
【0099】
また、アプリ管理部25は、表示部24に操作画像の非表示を要求する(ステップS209)。表示部24は、操作画像の非表示を要求されると、表示しているシステム設定アプリの操作画像を非表示にする(ステップS210)。
【0100】
さらに、アプリ管理部25は、システム設定アプリのエミュレータアプリを終了し(ステップS211)、ホーム画面を表示するためのホーム画面アプリを起動し(ステップS212)、その旨を画像情報生成部22に通知する(ステップS213)。また、図12の例では省略されるが、ステップS211において、アプリ管理部25は、システム設定アプリの終了要求を、通信部21を介して、MFP1に送信する。MFP1の制御部13は、通信部11を介して終了要求を受信すると、システム設定アプリを終了させる。
【0101】
画像情報生成部22は、ホーム画面アプリの起動を通知されると、ホーム画面アプリの操作画像を生成する(ステップS214)。画像情報生成部22は、生成した操作画像の操作画像情報をアプリ管理部25に応答する(ステップS215)。アプリ管理部25は、応答された操作画像情報をメッセージ設定部27に渡し、メッセージの設定を要求する(ステップS216)。ここで、MFP1から受信するMFP画像を含まない操作画像を表示させるため、アプリ管理部25は、メッセージ設定部27に対して、第1のメッセージテーブルからメッセージを取得するように要求する。
【0102】
メッセージ設定部27は、操作画像情報を受け取ると、操作画像に含まれる各画像要素に対応するメッセージをメッセージ記憶部26の第1のメッセージテーブルから取得する。そして、メッセージ設定部27は各画像要素のID、名称及び配置情報と、取得したメッセージとを対応付けてメッセージ設定テーブルに設定する(ステップS217)。例えば、コピーボタンに対して、「コピーアプリを起動します。」といったメッセージを設定する。なお、この操作画像には、MFP画像は含まれない。
【0103】
また、アプリ管理部25は、操作画像情報を表示部24に渡す(ステップS218)。表示部24は、操作画像情報を受け取ると、受け取った操作画像情報に基づいて、操作画像を画面に表示する(ステップS219)。
【0104】
以降、ユーザが操作パネル208の画面をタッチすると、タッチした画像要素に対して設定されたメッセージが音声出力される。
【0105】
以上説明した通り、本実施形態によれば、ユーザにより、MFPアプリを終了させるボタンがタッチされた場合、すなわち、ユーザからMFPアプリの終了を指示された場合、表示部24は、MFP画像を含む操作画像を非表示にする。また、メッセージ設定部27は、操作画像の各画像要素に対して設定されたメッセージを削除する。そして、ユーザの操作に応じた新たな操作画像が表示され、操作画像の各画像要素に新たなメッセージが設定される。このように、本実施形態によれば、ユーザからの指示に従って、新たな操作画像を自動的に生成し、新たな操作画像に新たなメッセージを自動的に設定することができる。
【0106】
なお、図12の例では、元の操作画像を非表示にしたのち、新たな操作画像を生成し、画面に表示させたが、元の操作画像は、新たな操作画像が表示可能になるまで画面に表示させておいてもよい。ホーム画面アプリの起動(ステップS210)は、ホームボタンのタッチの通知された後(ステップS204以降)、任意のタイミングで実行可能である。
【0107】
また、本実施形態に係る電子機器システムは、システム設定アプリ以外のMFPアプリの場合も、図12と同じように動作する。画像情報生成部22は、生成済みのホームアプリの操作画像をRAM203に記憶させ、ホームボタンのタッチの通知された後、操作画像をRAM203から取得してもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る電子機器システムについて、図13を参照して説明する。第1実施形態では、ユーザからの操作を受け付けたタイミングで新たなメッセージが設定される場合について説明した。本実施形態では、MFP1の状態が変化したタイミングで自動的に新たなメッセージが設定される場合について説明する。なお、本実施形態に係る電子機器システムの構成は、第1実施形態と同様である。
【0108】
図13は、本実施形態に係る電子機器システムの動作の一例を示すシーケンス図である。以下では、MFP1が所定の機能を実行しているときに、MFP1にエラーが発生しているものとする。例えば、ユーザがコピーアプリを利用して、コピーアプリの操作画面に対してコピーの実行を指示し、このユーザ指示に応じてMFP1がコピーを実行しているときに、ジャムなどのエラーが発生しているものとする。
【0109】
このMFP1にエラーが発生すると、MFP1の制御部13が、エラーの発生を検知する(ステップS301)。すなわち、制御部13は、MFP1の状態が、通常状態からエラー状態に変化したことを検知する。
【0110】
制御部13は、状態の変化を検知すると、状態情報を画像情報生成部12に渡す(ステップS302)。
【0111】
画像情報生成部12は、状態情報を受信すると、状態情報が示す状態(エラー状態)に応じた、エラーを解除するための操作手順を表示するためのエラーアプリのMFP画像を生成する(ステップS303)。
【0112】
画像情報生成部12は、生成したMFP画像のMFP画像情報を、制御部13に渡す(ステップS304)。制御部13は、通信部11を介して、MFP画像情報及び状態情報を操作装置2に送信する(ステップS305)。
【0113】
操作装置2のアプリ管理部25は、通信部21を介して、MFP画像情報及び状態情報を受信する。受信した状態情報がエラー状態を示すため、エラーアプリをエミュレートするためのエミュレータアプリを起動する(ステップS306)。そして、アプリ管理部25は、MFP画像情報を画像情報生成部22に渡し、エラーアプリの操作画像の生成を要求する(ステップS307)。画像情報生成部22は、渡されたMFP画像情報に基づいて、MFP画像を含む操作画像を生成する(ステップS308)。画像情報生成部22は、生成した操作画像の操作画像情報を、アプリ管理部25に応答する(ステップS309)。アプリ管理部25は、応答された操作画像情報と、状態情報とをメッセージ設定部27渡し、メッセージの設定を要求する(ステップS310)。ここで、MFP1から受信したMFP画像を含む操作画像を表示させるため、アプリ管理部25は、メッセージ設定部27に対して、第2のメッセージテーブルからメッセージを取得するように要求する。
【0114】
メッセージ設定部27は、アプリ管理部25からの設定要求に応じて、渡された状態情報が示すエラー1の状態に対応するメッセージ「エラーが発生しました。管理者にご連絡をお願い致します。」をメッセージ記憶部26の第2のメッセージテーブルから取得し、取得したメッセージと、渡された操作画面情報に含まれる画素要素のID、名称及び配置情報とを対応付けて、メッセージ記憶部26のメッセージ設定テーブルに設定する(ステップS311)。
【0115】
また、メッセージ設定部27は、操作画像情報を受け取ると、メッセージ記憶部26を参照して、操作画像に含まれる、MFP画像を除く各画像要素に対して、メッセージを設定する。
【0116】
続いて、アプリ管理部25は、操作画像の操作画像情報を表示部24に渡す(ステップS312)。表示部24は、操作画像情報を受け取ると、受け取った操作画像情報に基づいて、操作画像を画面に表示する(ステップS313)。
【0117】
以降、ユーザが操作パネル208の画面をタッチすると、タッチした画像要素に対して設定されたメッセージが音声出力される。
【0118】
図14は、本実施形態に係る電子機器システムの動作の一例を示すシーケンス図である。以下では、MFP1が所定の機能を実行しているときに発生したエラーが解除されたものとする。例えば、ユーザがコピーアプリを利用してコピーの実行を指示し、MFP1がコピーを実行しているときに発生したジャムなどのエラーが解除されたものとする。
【0119】
このMFP1のエラーが解除されると、MFP1の制御部13が、エラーの解除を検知する(ステップS401)。すなわち、制御部13は、MFP1の状態が、エラー状態から通常状態に変化したことを検知する。
【0120】
制御部13は、状態の変化を検知すると、検知したMFP1の状態(通常状態)を示す状態情報を、通信部11を介して、操作装置2に送信する(ステップS402)。操作装置2のアプリ管理部25は、通信部21を介して、状態情報を受信する。
【0121】
アプリ管理部25は、エラーが解除され、通常状態を示す状態情報を受信すると、メッセージ設定部27にメッセージの削除を要求する(ステップS403)。メッセージ設定部27は、メッセージの削除を要求されると、メッセージ設定テーブルに設定された各要素(MFP画像を含む)のメッセージを削除する(ステップS404)。アプリ管理部25は、表示部24に操作画像の非表示を要求する(ステップS405)。表示部24は、操作画像の非表示を要求されると、表示しているシステム設定アプリの操作画像を非表示にする(ステップS406)
【0122】
また、アプリ管理部25は、受信した状態情報に基づいて、エラーが解除されたと判断し、エミュレータアプリを終了させ(ステップS407)、さらに、エラー発生時のアプリを起動させる(ステップS408)。ここで、ユーザがコピーアプリの操作画面を操作してコピーが実行されたときにエラーが発生したため、コピーアプリを起動し、その旨を画像情報生成部22に通知する(ステップS409)。
【0123】
画像情報生成部22は、コピーアプリの起動を通知されると、コピーアプリの操作画像を生成する(ステップS410)。画像情報生成部22は、生成した操作画像の操作画像情報をアプリ管理部25に応答する(ステップS411)。アプリ管理部25は、応答された操作画像情報をメッセージ設定部27に渡し、メッセージの設定を要求する(ステップS412)。ここで、MFP1から受信するMFP画像を含まない操作画像を表示させるため、アプリ管理部25は、メッセージ設定部27に対して、第1のメッセージテーブルからメッセージを取得するように要求する。
【0124】
メッセージ設定部27は、操作画像情報を受け取ると、操作画像に含まれる各画像要素に対応するメッセージをメッセージ記憶部26の第1のメッセージテーブルから取得する。そして、メッセージ設定部27は、各画像要素のID、名称及び配置情報と、取得したメッセージとを対応付けてメッセージ設定テーブルに設定する(ステップS413)。例えば、コピーをスタートさせるための開始ボタンに対して、「コピーを開始します。」といったメッセージを設定する。
【0125】
また、メッセージ設定部27は、操作画像情報を受け取ると、メッセージ記憶部26を参照して、操作画像に含まれる、MFP画像を除く各画像要素に対して、メッセージを設定する。
【0126】
また、アプリ管理部25は、操作画像情報を表示部24に渡す(ステップS410)。表示部24は、操作画像情報を受け取ると、受け取った操作画像情報に基づいて、操作画像を画面に表示する(ステップS415)。
【0127】
以降、ユーザが操作パネル208の画面をタッチすると、タッチした画像要素に対して設定されたメッセージが音声出力される。
【0128】
以上説明した通り、本実施形態によれば、MFP1のエラー状態が検知された場合、MFP1の画像情報生成部12は、エラー状態に応じた新たなMFP画像を生成する。操作装置2の画像情報生成部22は、新たなMFP画像を含む新たな操作画像を生成する。また、メッセージ設定部27は、新たなMFP画像に対して、エラー状態に応じた新たなメッセージを生成する。このように、本実施形態によれば、MFP1にエラーが発生したタイミングで、エラー状態に応じた新たな操作画像を自動的に生成し、エラー状態に応じた新たなメッセージをMFP画像に設定することができる。
【0129】
そして、MFP1のエラー状態が解除された場合、操作装置2の画像情報生成部22は、エラー発生時のアプリの操作画像を生成する。また、メッセージ設定部27は、生成した操作画像に対して、メッセージを設定する。このように、本実施形態によれば、MFP1のエラー状態が解除されたタイミングで、エラー発生時のアプリの操作画像を自動的に生成し、エラーが解除された後の通常状態に応じたメッセージをMFP画像に設定することができる。なお、画像情報生成部22は、生成済みのエラー発生時のアプリの操作画像をRAM203に記憶させ、エラー状態が解除されると操作画像をRAM203から取得してもよい。
【0130】
なお、以上の各実施形態では、ユーザが画面をタッチする場合を例に説明したが、ユーザの操作はタッチに限られない。ユーザの操作は、タップ、フリップ、スワイプ、ピンチ、マルチタッチなどであってもよいし、これらの操作の組み合わせであってもよい。いずれの場合も、ユーザの操作に応じてメッセージを音声出力することができる。
【0131】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0132】
1:複合機(MFP)
2:操作装置
3:通信路
N:ネットワーク
11:通信部
12:画像情報生成部12
13:制御部
21:通信部
22:画像情報生成部
23:座標取得部
24:表示部
25:アプリ管理部
26:メッセージ記憶部
27:メッセージ設定部
28:音声出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0133】
【文献】特開2003-323081号公報
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