(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】半導体製造装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20220119BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20220119BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
H01L21/52 F
H01L21/60 311T
H01L21/66 J
(21)【出願番号】P 2017178969
(22)【出願日】2017-09-19
【審査請求日】2020-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】515085901
【氏名又は名称】ファスフォードテクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小橋 英晴
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-185593(JP,A)
【文献】特開2017-117916(JP,A)
【文献】国際公開第2005/119227(WO,A1)
【文献】特開昭55-038003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/50-52
H01L 21/60-607
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一辺と前記第一辺に接続する第二辺と前記第一辺と対向する第三辺と前記第二辺と対向する第四辺とを有するダイを撮像する撮像装置と、
前記ダイを前記撮像装置の光学系軸に対して斜めから照明する照明装置と、
前記撮像装置および前記照明装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記
照明装置は、前記第一辺の中央から前記ダイの中心に向かう第一方向と、前記第二辺の中央から前記ダイの中心に向かう第二方向と、前記第三辺の中央から前記ダイの中心に向かう第三方向と、前記第四辺の中央から前記ダイの中心に向かう第四方向と
、前記第一辺と前記第四辺とで形成する角を含む第一角部から前記ダイの中心に向かう第五方向と、前記第二辺と前記第一辺とで形成する角を含む第二角部から前記ダイの中心に向かう第六方向と、前記第三辺と前記第二辺とで形成する角を含む第三角部から前記ダイの中心に向かう第七方向と、前記第四辺と前記第三辺とで形成する角を含む第四角部から前記ダイの中心に向かう第八方向と、から照明
することが可能であり、
前記制御装置は、
前記ダイの位置を認識する場合、前記照明装置で前記第一方向と前記第二方向と前記第三方向と前記第四方向とから照明して、前記撮像装置で前記ダイを撮像し、
前記ダイのクラックを検査する場合、前記照明装置で前記第一方向と前記第二方向と前記第三方向と前記第四方向とからの照明を抑え、前記第五方向と前記第六方向と前記第七方向と前記第八方向とから照明して、前記撮像装置で前記ダイを撮像するよう構成される
半導体製造装置。
【請求項2】
請求項
1において、
前記照明装置は、
前記第一辺と対向する位置に配置される第一ダイ認識用照明装置と、
前記第二辺と対向する位置に配置される第二ダイ認識用照明装置と、
前記第三辺と対向する位置に配置される第三ダイ認識用照明装置と、
前記第四辺と対向する位置に配置される第四ダイ認識用照明装置と、
前記第一角部と対向する位置に配置される第一ダイクラック検査用照明装置と、
前記第二角部と対向する位置に配置される第二ダイクラック検査用照明装置と、
前記第三角部と対向する位置に配置される第三ダイクラック検査用照明装置と、
前記第四角部と対向する位置に配置される第四ダイクラック検査用照明装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記ダイの位置を認識する場合、前記第一ダイ認識用照明装置で前記第一方向から照明し、前記第二ダイ認識用照明装置で前記第二方向から照明し、前記第三ダイ認識用照明装置で前記第三方向から照明し、前記第四ダイ認識用照明装置で前記第四方向から照明して、前記撮像装置で前記ダイを撮像し、
前記ダイのクラックを検査する場合、前記第一ダイクラック検査用照明装置で前記第五方向から照明し、前記第二ダイクラック検査用照明装置で前記第六方向から照明し、前記第三ダイクラック検査用照明装置で前記第七方向から照明し、前記第四ダイクラック検査用照明装置で前記第八方向から照明して、前記撮像装置で前記ダイを撮像するよう構成される
半導体製造装置。
【請求項3】
請求項
1において、
前記照明装置は、
第一斜光バー照明装置と、
第二斜光バー照明装置と、
第一斜光バー照明装置と対向して配置される第三斜光バー照明装置と、
第二斜光バー照明装置と対向して配置される第四斜光バー照明装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記ダイの位置を認識する場合、
前記第一斜光バー照明装置で前記第一方向から照明し、前記第二斜光バー照明装置で前記第二方
向から照明し、前記第三斜光バー照明装置で前記第三方
向から照明し、前記第四斜光バー照明装置で前記第四方
向から照明して、前記撮像装置で前記ダイを撮像し、
前記ダイのクラックを検査する場合、
前記第一斜光バー照明装置で前記第五方向から照明し、前記第二斜光バー照明装置で前記第六方
向から照明し、前記第三斜光バー照明装置で前記第七方
向から照明し、前記第四斜光バー照明装置で前記第八方
向から照明して、前記撮像装置で前記ダイを撮像するよう構成される
半導体製造装置。
【請求項4】
請求項
1において、
前記照明装置は、第一領域と第二領域と第三領域と第四領域と第五領域と第六領域と第七領域と第八領域とを有する斜光リング照明装置であり、
前記制御装置は、
前記ダイの位置を認識する場合、
前記第一領域と前記第二領域と前記第三領域と前記第四領域と前記第五領域と前記第六領域と前記第七領域と前記第八領域とを点灯し、
前記第一領域で前記第一方
向から照明し、前記第二領域で前記第二方
向から照明し、前記第三領域で前記第三方
向から照明し、前記第四領域で前記第四方
向から照明し、前記第五領域で前記第五方
向から照明し、前記第六領域で前記第六方
向から照明し、前記第七領域で前記第七方
向から照明し、前記第八領域で前記第八方
向から照明して、前記撮像装置で前記ダイを撮像し、
前記ダイのクラックを検査する場合、
前記第一領域と前記第二領域と前記第三領域と前記第四領域とを消灯し、前記第五領域と前記第六領域と前記第七領域と前記第八領域とを点灯し、
前記第五領域で前記第五方向から照明し、前記第六領域で前記第六方
向から照明し、前記第七領域で前記第七方
向から照明し、前記第八領域で前記第八方
向から照明して、前記撮像装置で前記ダイを撮像するよう構成される
半導体製造装置。
【請求項5】
請求項1において、さらに、
前記ダイが貼り付けられたダイシングテープを保持するウェハリングを有するダイ供給部を備え、
前記制御装置は前記撮像装置および前記照明装置を用いて前記ダイシングテープに貼り付けられたダイを撮像するよう構成される
半導体製造装置。
【請求項6】
請求項1において、さらに、
前記ダイを基板または既にボンディングされているダイ上にボンディングするボンディングヘッドを備え、
前記制御装置は前記撮像装置および前記照明装置を用いて前記基板またはダイ上にボンディングされたダイを撮像するよう構成される
半導体製造装置。
【請求項7】
請求項1において、さらに、
前記ダイをピックアップするピックアップヘッドと、
前記ピックアップされたダイが載置される中間ステージと、
を備え、
前記制御装置は前記撮像装置および前記照明装置を用いて前記中間ステージの上に載置されたダイを撮像するよう構成される
半導体製造装置。
【請求項8】
(a)請求項1乃至
4の何れか1項の半導体製造装置を準備する工程と、
(b)ダイが貼付されたダイシングテープを保持するウェハリングを搬入する工程と、
(c)基板を搬入する工程と、
(d)前記ダイをピックアップする工程と、
(e)前記ピックアップしたダイを前記基板または既に前記基板にボンディングされているダイ上にボンディングする工程と、
を備える
半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項
8において、
前記(d)工程は前記ピックアップされたダイを中間ステージに載置し、
前記(e)工程は前記中間ステージに載置されたダイをピックアップする
半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項
8において、さらに
(f)前記(d)工程の前に、前記撮像装置および前記照明装置を用いて前記ダイの外観を検査する工程を備える
半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項
8において、さらに
(g)前記(e)工程の後に、前記撮像装置および前記照明装置を用いて前記ダイの外観を検査する工程を備える
半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項
9において、さらに
(h)前記(d)工程の後であって前記(e)工程の前に、前記撮像装置および前記照明装置を用いて前記ダイの外観を検査する工程を備える
半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は半導体製造装置に関し、例えばダイを認識するカメラを備えるダイボンダに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程の一部に半導体チップ(以下、単にダイという。)を配線基板やリードフレーム等(以下、単に基板という。)に搭載してパッケージを組み立てる工程があり、パッケージを組み立てる工程の一部に、半導体ウェハ(以下、単にウェハという。)からダイを分割する工程(ダイシング工程)と、分割したダイを基板の上に搭載するボンディング工程とがある。ボンディング工程に使用される半導体製造装置がダイボンダである。
【0003】
ダイボンダは、はんだ、金メッキ、樹脂を接合材料として、ダイを基板または既にボンディングされたダイの上にボンディング(搭載して接着)する装置である。ダイを、例えば、基板の表面にボンディングするダイボンダにおいては、コレットと呼ばれる吸着ノズルを用いてダイをウェハから吸着してピックアップし、基板上に搬送し、押付力を付与すると共に、接合材を加熱することによりボンディングを行うという動作(作業)が繰り返して行われる。コレットは、吸着孔を有し、エアを吸引して、ダイを吸着保持する保持具であり、ダイと同程度の大きさを有する。
【0004】
ダイシング工程において、ダイシング時の切削抵抗などによりダイに切断面から内部に延びるクラックが発生することがある。
【0005】
一般に微細な傷を検査する場合は暗視野方式のほうがよい。ウェハ表面は鏡面に近く、暗視野方式による検査を行うには、光を斜めから当てる照明方式である斜光照明がよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
暗視野方式の検査では背景となるウェハやダイ表面が照明の光を反射させないようにすることが求められるが、その角度はウェハやダイ毎に異なり、どの角度なら反射しないと言い切れる角度がない。
本開示の課題は、クラックの認識精度を向上することが可能な技術を提供することである。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、半導体製造装置は、第一辺と前記第一辺と接続する第二辺と前記第一辺と対向する第三辺と前記第二辺と対向する第四辺とを有するダイを撮像する撮像装置と、前記ダイを前記撮像装置の光学系軸に対して斜めから照明する照明装置と、前記撮像装置および前記照明装置を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、(a)前記第一辺の中央から前記ダイの中心に向かう第一方向と、前記第二辺の中央から前記ダイの中心に向かう第二方向と、前記第三辺の中央から前記ダイの中心に向かう第三方向と、前記第四辺の中央から前記ダイの中心に向かう第四方向と、からの照明を抑え、(b)前記第一辺と前記第四辺とで形成する角を含む第一角部から前記ダイの中心に向かう第五方向と、前記第二辺と前記第一辺とで形成する角を含む第二角部から前記ダイの中心に向かう第六方向と、前記第三辺と前記第二辺とで形成する角を含む第三角部から前記ダイの中心に向かう第七方向と、前記第四辺と前記第三辺とで形成する角を含む第四角部から前記ダイの中心に向かう第八方向と、から照明して、前記撮像装置で前記ダイを撮像する。
【発明の効果】
【0009】
上記半導体製造装置によれば、クラックの認識精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図1において矢印A方向から見たときの概略構成を説明する図
【
図5】
図1のダイボンダの制御系の概略構成を示すブロック図
【
図6】
図1のダイボンダにおけるダイボンディング工程を説明するフローチャート
【
図8】
図8は斜光照明のウェハまたはダイによる反射光を示す模式図
【
図9】
図9は斜光照明の入射角によるダイの明暗を説明する模式図
【
図11】ダイクラック検査用照明装置の配置を示す平面図
【
図12】ダイクラック検査用照明装置およびダイ認識用照明装置の配置を示す配置図
【
図15】
図13の照明装置で位置認識を行う場合の配置を示す模式平面図
【
図16】
図13の照明装置でダイクラック検査を行う場合の配置を示す模式平面図
【
図18】
図17の照明装置の点灯、消灯を制御する手段を示す模式斜視図
【
図19】
図17の照明装置の点灯、消灯位置を説明する模式平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、本願発明者が検討した技術について
図7~10を用いて説明する。
図7は斜光照明の入射角を説明する模式図である。
図8は遮光照明のウェハまたはダイによる反射光を示す模式図である。
図9は斜光照明の入射角によるダイの明暗を説明する模式図である。
図10はウェハ表面を拡大した模式図である。
【0012】
カメラによる画像でのクラック検査機能を設計する場合、その照明構成は「背景を明るくして見たいものを暗く写す」明視野方式と、「背景を暗くして、見たいものを明るく写す」暗視野方式がある。
【0013】
一般に微細な傷を検査する場合は暗視野方式のほうがよい。ウェハ表面は鏡面に近く、暗視野方式による検査を行うには、光を斜めから当てる照明方式である斜光照明がよい。問題はその入射角(θ)の決定である。
図7に示すように、ウェハやダイのクラックを検出する場合、斜光照明の入射角(θ)はカメラの光学系の軸にできるだけ近い(入射角(θ)をできるだけ0に近づける)ほうがクラックを光らせやすい。しかし、
図8に示すように、ウェハ表面やダイ表面に光を当てると、複数の角度に光が反射してしまう現象がある。また、
図9の矢印に示すように、照明の入射角を小から大に変化させると、ダイが明るくなったり暗くなったりする。これは、ウェハ表面または光が透過できる表面層での膜内での反射面が完全に平面ではなく、複数の微細な反射面を持つためである。この反射角はウェハで一定ではなく、ウェハの表面加工の状態(品種の違い、膜厚の違い、ロットの違い)などにより変化する。
【0014】
暗視野方式の検査では背景となるウェハ表面が照明の光を反射させないようにすることが求められるが、その角度はウェハ毎に異なり、どの角度なら反射しないと言い切れる角度がない。
【0015】
この現象により、暗視野を安定的に得られ、なおかつもっとも入射光をレンズ光軸に近づけられる角度を決定しようとしても、その角度は一定ではないため、その都度調整が必要になってしまう。
【0016】
ウェハ表面のパターン加工はXY方向の方形転写が多く、
図10に示すように、ダイを上から見て、直行方向の照射(X軸方向およびY軸方向からの照射)は光を反射しやすい。
【0017】
よって、実施形態では、
図10に示すように、斜め方向(X軸方向およびY軸方向と平行でない方向)から照明光を照射する。これにより、照明光の反射は起こしにくく、安定して、ダイの表面を暗視野化にすることができ、白く反射するクラックの検査可能エリアを十分確保することができる。
【0018】
以下、実施例および変形例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【実施例】
【0019】
図1は実施例に係るダイボンダの概略を示す上面図である。
図2は
図1において矢印A方向から見たときに、ピックアップヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
【0020】
ダイボンダ10は、大別して、一つ又は複数の最終1パッケージとなる製品エリア(以下、パッケージエリアPという。)をプリントした基板Sに実装するダイDを供給する供給部1と、ピックアップ部2、中間ステージ部3と、ボンディング部4と、搬送部5、基板供給部6と、基板搬出部7と、各部の動作を監視し制御する制御部8と、を有する。Y軸方向がダイボンダ10の前後方向であり、X軸方向が左右方向である。ダイ供給部1がダイボンダ10の手前側に配置され、ボンディング部4が奥側に配置される。
【0021】
まず、ダイ供給部1は基板SのパッケージエリアPに実装するダイDを供給する。ダイ供給部1は、ウェハ11を保持するウェハ保持台12と、ウェハ11からダイDを突き上げる点線で示す突上げユニット13と、を有する。ダイ供給部1は図示しない駆動手段によってXY方向に移動し、ピックアップするダイDを突上げユニット13の位置に移動させる。
【0022】
ピックアップ部2は、ダイDをピックアップするピックアップヘッド21と、ピックアップヘッド21をY方向に移動させるピックアップヘッドのY駆動部23と、コレット22を昇降、回転及びX方向移動させる図示しない各駆動部と、を有する。ピックアップヘッド21は、突き上げられたダイDを先端に吸着保持するコレット22(
図2も参照)を有し、ダイ供給部1からダイDをピックアップし、中間ステージ31に載置する。ピックアップヘッド21は、コレット22を昇降、回転及びX方向移動させる図示しない各駆動部を有する。
【0023】
中間ステージ部3は、ダイDを一時的に載置する中間ステージ31と、中間ステージ31上のダイDを認識する為のステージ認識カメラ32を有する。
【0024】
ボンディング部4は、中間ステージ31からダイDをピックアップし、搬送されてくる基板SのパッケージエリアP上にボンディングし、又は既に基板SのパッケージエリアPの上にボンディングされたダイの上に積層する形でボンディングする。ボンディング部4は、ピックアップヘッド21と同様にダイDを先端に吸着保持するコレット42(
図2も参照)を備えるボンディングヘッド41と、ボンディングヘッド41をY方向に移動させるY駆動部43と、基板SのパッケージエリアPの位置認識マーク(図示せず)を撮像し、ボンディング位置を認識する基板認識カメラ44とを有する。
このような構成によって、ボンディングヘッド41は、ステージ認識カメラ32の撮像データに基づいてピックアップ位置・姿勢を補正し、中間ステージ31からダイDをピックアップし、基板認識カメラ44の撮像データに基づいて基板にダイDをボンディングする。
【0025】
搬送部5は、基板Sを掴み搬送する基板搬送爪51と、基板Sが移動する搬送レーン52と、を有する。基板Sは、搬送レーン52に設けられた基板搬送爪51の図示しないナットを搬送レーン52に沿って設けられた図示しないボールネジで駆動することによって移動する。
このような構成によって、基板Sは、基板供給部6から搬送レーン52に沿ってボンディング位置まで移動し、ボンディング後、基板搬出部7まで移動して、基板搬出部7に基板Sを渡す。
【0026】
制御部8は、ダイボンダ10の各部の動作を監視し制御するプログラム(ソフトウェア)を格納するメモリと、メモリに格納されたプログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、を備える。
【0027】
次に、ダイ供給部1の構成について
図3および
図4を用いて説明する。
図3はダイ供給部の外観斜視図を示す図である。
図4はダイ供給部の主要部を示す概略断面図である。
【0028】
ダイ供給部1は、水平方向(XY方向)に移動するウェハ保持台12と、上下方向に移動する突上げユニット13と、を備える。ウェハ保持台12は、ウェハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウェハリング14に保持され複数のダイDが接着されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17と、を有する。突上げユニット13は支持リング17の内側に配置される。
【0029】
ダイ供給部1は、ダイDの突き上げ時に、ウェハリング14を保持しているエキスパンドリング15を下降させる。その結果、ウェハリング14に保持されているダイシングテープ16が引き伸ばされダイDの間隔が広がり、突上げユニット13によりダイD下方よりダイDを突き上げ、ダイDのピックアップ性を向上させている。なお、薄型化に伴いダイを基板に接着する接着剤は、液状からフィルム状となり、ウェハ11とダイシングテープ16との間にダイアタッチフィルム(DAF)18と呼ばれるフィルム状の接着材料を貼り付けている。ダイアタッチフィルム18を有するウェハ11では、ダイシングは、ウェハ11とダイアタッチフィルム18に対して行なわれる。従って、剥離工程では、ウェハ11とダイアタッチフィルム18をダイシングテープ16から剥離する。なお、以降では、ダイアタッチフィルム18の存在を無視して、説明する。
【0030】
ダイボンダ10は、ウェハ11上のダイDの姿勢を認識するウェハ認識カメラ24と、中間ステージ31に載置されたダイDの姿勢を認識するステージ認識カメラ32と、ボンディングステージBS上の実装位置を認識する基板認識カメラ44とを有する。認識カメラ間の姿勢ずれ補正しなければならないのは、ボンディングヘッド41によるピックアップに関与するステージ認識カメラ32と、ボンディングヘッド41による実装位置へのボンディングに関与する基板認識カメラ44である。本実施例ではウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32および基板認識カメラ44と共に後述する照明装置を用いてダイDのクラックを検出する。
【0031】
制御部8について
図5を用いて説明する。
図5は制御系の概略構成を示すブロック図である。制御系80は制御部8と駆動部86と信号部87と光学系88とを備える。制御部8は、大別して、主としてCPU(Central Processor Unit)で構成される制御・演算装置81と、記憶装置82と、入出力装置83と、バスライン84と、電源部85とを有する。記憶装置82は、処理プログラムなどを記憶しているRAMで構成されている主記憶装置82aと、制御に必要な制御データや画像データ等を記憶しているHDDで構成されている補助記憶装置82bとを有する。入出力装置83は、装置状態や情報等を表示するモニタ83aと、オペレータの指示を入力するタッチパネル83bと、モニタを操作するマウス83cと、光学系88からの画像データを取り込む画像取込装置83dと、を有する。また、入出力装置83は、ダイ供給部1のXYテーブル(図示せず)やボンディングヘッドテーブルのZY駆動軸等の駆動部86を制御するモータ制御装置83eと、種々のセンサ信号や照明装置などのスイッチ等の信号部87から信号を取り込み又は制御するI/O信号制御装置83fとを有する。光学系88には、ウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32、基板認識カメラ44が含まれる。制御・演算装置81はバスライン84を介して必要なデータを取込み、演算し、ピックアップヘッド21等の制御や、モニタ83a等に情報を送る。
【0032】
制御部8は画像取込装置83dを介してウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32および基板認識カメラ44で撮像した画像データを記憶装置82に保存する。保存した画像データに基づいてプログラムしたソフトウェアにより、制御・演算装置81を用いてダイDおよび基板SのパッケージエリアPの位置決め、並びにダイDおよび基板Sの表面検査を行う。制御・演算装置81が算出したダイDおよび基板SのパッケージエリアPの位置に基づいてソフトウェアによりモータ制御装置83eを介して駆動部86を動かす。このプロセスによりウェハ上のダイの位置決めを行い、ピックアップ部2およびボンディング部4の駆動部で動作させダイDを基板SのパッケージエリアP上にボンディングする。使用するウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32および基板認識カメラ44はグレースケール、カラー等であり、光強度を数値化する。
【0033】
図6は
図1のダイボンダにおけるダイボンディング工程を説明するフローチャートである。
実施例のダイボンディング工程では、まず、制御部8は、ウェハ11を保持しているウェハリング14をウェハカセットから取り出してウェハ保持台12に載置し、ウェハ保持台12をダイDのピックアップが行われる基準位置まで搬送する(ウェハローディング(工程P1))。次いで、制御部8は、ウェハ認識カメラ24によって取得した画像から、ウェハ11の配置位置がその基準位置と正確に一致するように微調整を行う。
【0034】
次に、制御部8は、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、水平に保持することによって、最初にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置する(ダイ搬送(工程P2))。ウェハ11は、予めプローバ等の検査装置により、ダイ毎に検査され、ダイ毎に良、不良を示すマップデータが生成され、制御部8の記憶装置82に記憶される。ピックアップ対象となるダイDが良品であるか、不良品であるかの判定はマップデータにより行われる。制御部8は、ダイDが不良品である場合は、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、次にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置し、不良品のダイDをスキップする。
【0035】
制御部8は、ウェハ認識カメラ24によってピックアップ対象のダイDの主面(上面)を撮影し、取得した画像からピックアップ対象のダイDの上記ピックアップ位置からの位置ずれ量を算出する。制御部8は、この位置ずれ量を基にウェハ11が載置されたウェハ保持台12を移動させ、ピックアップ対象のダイDをピックアップ位置に正確に配置する(ダイ位置決め(工程P3))。
【0036】
次いで、制御部8は、ウェハ認識カメラ24によって取得した画像から、ダイDの表面検査を行う(工程P4)。ダイの表面検査(外観検査)の詳細については後述する。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、ダイDの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P9)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認するか、さらに高感度の検査や照明条件などを変えた検査を行い、問題がある場合はスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理は、ダイDの工程P9以降をスキップし、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、次にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置する。
【0037】
制御部8は、基板供給部6で基板S搬送レーン52に載置する(基板ローディング(工程P5))。制御部8は、基板Sを掴み搬送する基板搬送爪51をボンディング位置まで移動させる(基板搬送(工程P6))。
【0038】
基板認識カメラ44にて基板を撮像して位置決めを行う(基板位置決め(工程P7))。
【0039】
次いで、制御部8は、基板認識カメラ44によって取得した画像から、基板SのパッケージエリアPの表面検査を行う(工程P8)。基板表面検査の詳細については後述する。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、基板SのパッケージエリアPの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P9)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認するか、さらに高感度の検査や照明条件などを変えた検査を行い、問題がある場合はスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理は、基板SのパッケージエリアPの該当タブへの工程P10以降をスキップし、基板着工情報に不良登録を行う。
【0040】
制御部8は、ダイ供給部1によってピックアップ対象のダイDを正確にピックアップ位置に配置した後、コレット22を含むピックアップヘッド21によってダイDをダイシングテープ16からピックアップし(ダイハンドリング(工程P9))、中間ステージ31に載置する(工程P10)。制御部8は、中間ステージ31に載置したダイの姿勢ずれ(回転ずれ)の検出をステージ認識カメラ32にて撮像して行う(工程P11)。制御部8は、姿勢ずれがある場合は中間ステージ31に設けられた旋回駆動装置(不図示)によって実装位置を有する実装面に平行な面で中間ステージ31を旋回させて姿勢ずれを補正する。
【0041】
制御部8は、ステージ認識カメラ32によって取得した画像から、ダイDの表面検査を行う(工程P12)。ダイの表面検査(外観検査)の詳細については後述する。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、ダイDの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P13)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認するか、さらに高感度の検査や照明条件などを変えた検査を行い、問題がある場合は、そのダイを図示しない不良品トレーなどに載置してスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理は、ダイDの工程P13以降をスキップし、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、次にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置する。
【0042】
制御部8は、コレット42を含むボンディングヘッド41によって中間ステージ31からダイDをピックアップし、基板SのパッケージエリアPまたは既に基板SのパッケージエリアPにボンディングされているダイにダイボンディングする(ダイアタッチ(工程P13))。
【0043】
制御部8は、ダイDをボンディングした後、そのボンディング位置が正確になされているかを検査する(ダイと基板の相対位置検査(工程P14))。このとき、後述するダイの位置合わせと同様にダイの中心と、タブの中心を求め、相対位置が正しいかを検査する。
【0044】
次いで、制御部8は、基板認識カメラ44によって取得した画像から、ダイDおよび基板Sの表面検査を行う(工程P15)。ダイDおよび基板Sの表面検査の詳細については後述する。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、ボンディングされたダイDの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P9)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認するか、さらに高感度の検査や照明条件などを変えた検査を行い、問題がある場合はスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理では、基板着工情報に不良登録を行う。
【0045】
以後、同様の手順に従ってダイDが1個ずつ基板SのパッケージエリアPにボンディングする。1つの基板のボンディングが完了すると、基板搬送爪51で基板Sを基板搬出部7まで移動して(基板搬送(工程P16))、基板搬出部7に基板Sを渡す(基板アンローディング(工程P17))。
【0046】
以後、同様の手順に従ってダイDが1個ずつダイシングテープ16から剥がされる(工程P9)。不良品を除くすべてのダイDのピックアップが完了すると、それらダイDをウェハ11の外形で保持していたダイシングテープ16およびウェハリング14等をウェハカセットへアンローディングする(工程P18)。
【0047】
次に、表面検査の照明について
図11、12を用いて説明する。
図11はダイクラック検査用照明装置の配置を示す平面図である。
図12はダイクラック検査用照明装置およびダイ認識用照明装置の配置を示す配置図である。
【0048】
図11に示すように、ダイDのクラックを検査するためのダイクラック検査用照明装置CL1~CL4はダイDの隅付近からダイDの中心付近に照明が入射するように配置される。ダイDの四辺をX軸方向またはY軸方向に沿って配置する場合、ダイクラック検査用照明装置CL1~CL4の水平方向の照明の入射方向とX軸方向となす角度をそれぞれα1、α2、α3、α4とすると、0度<α1、α2、α3、α4<90度であり、α1≒α2≒α3≒α4≒45度が好ましい。
図11では、ダイクラック検査用照明装置を四箇所に配置しているが一箇所でも二箇所でも三箇所でもよい。垂直方向の照明の入射角度(θ)は5~85度が好ましい。
【0049】
ダイDは、平面視で、X方向に延在する第一辺DS1および第三辺DS3と、Y方向に延在する第二辺DS2および第四辺DS4と、を有する。第一辺DS1と第三辺DS3とは対向し、第二辺DS2と第四辺DS4とは対向する。第一辺DS1と第四辺DS4とは角を形成し、その角を含む所定領域を第一角部DA1という。第二辺DS2と第一辺DS1とは角を形成し、その角を含む所定領域を第二角部DA2という。第三辺DS3と第二辺DS2とは角を形成し、その角を含む所定領域を第三角部DA3という。第四辺DS4と第三辺DS3とは角を形成し、その角を含む所定領域を第四角部DA4という。
図11ではダイDが正方形であるので、照明装置CL1~CL4からの入射光はダイDの角を通過しているが、長方形ではあればその角を通過しない。ただし、第一角部DA1、第二角部DA2、第三角部DA3および第四角部DA4は所定の大きさの領域であり、照明装置CL1~CL4からの入射光は第一角部DA1、第二角部DA2、第三角部DA3および第四角部DA4を通過する。
【0050】
図12に示すように、ダイDの位置決めまたは位置検査を行うためにダイDを認識するダイ認識用照明装置RL1~RL4はダイDの四辺のそれぞれと対向する位置に配置される。X軸方向に沿った辺に対向して配置されるダイ認識用照明装置RL1、RL3からの水平方向の照明の入射方向はY軸方向であり、Y軸方向に沿った辺に対向して配置されるダイ認識用照明装置RL2、RL4からの水平方向の照明の入射方向はX軸方向である。
【0051】
完全な鏡面反射でないウェハ表面は、光の入射方向によっては、明視野となってしまうが、ウェハ表面加工はX軸方向およびY軸方向に準じるものが多く、ウェハの加工方向に対し、光の入射方向をX軸方向およびY軸方向に平行または垂直ではない領域に絞ると、垂直方向の入射角をどの角度にしても、ウェハ表面がカメラの光軸方向に光を反射させることはない。これにより、ウェハの表面状態に依存せず、暗視野を安定的に確保できる。
【0052】
<変形例>
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施例にて説明されているものと同様の構成および機能を有する部分に対しては、上述の実施例と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施例における説明が適宜援用され得るものとする。また、上述の実施例の一部、および、複数の変形例の全部または一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0053】
(変形例1)
図13は変形例1に係る照明装置を示す模式斜視図である。
図14は
図13の照明装置を回転させる手段を示す模式斜視図である。
図15は
図13の照明装置で位置認識を行う場合の配置を示す模式平面図である。
図16は
図3の照明装置でダイクラック検査を行う場合の配置を示す模式平面図である。
【0054】
実施例の場合、ダイ認識用照明装置とは別にダイクラック検査用照明装置を配置したが、
図13に示すように、変形例1では、ダイDの位置決めまたは位置検査(以下、位置認識と総称する。)を行う場合、バータイプの斜光照明装置(斜光バー照明装置)をダイDの四辺に対向するように配置し、ダイDのクラックの検査を行う場合、斜光バー照明装置を回転させてダイDの四隅に配置する。
【0055】
図14に示すように、制御部8により制御される照明装置の駆動部は、斜光バー照明装置BLD1~BLD4を取り付けた回転リング91と、回転リング91を支持する固定リング92と、固定リング92を支持する支柱93、94を備える。回転リング91はモータ95で駆動されるベルト96により固定リング92外側を回転する。これにより、斜光バー照明装置BLD1~BLD4は水平方向に回転することができる。
【0056】
図15に示すように、ダイDの位置認識を行う場合、斜光バー照明装置BLD1、BLD3からの照射光はY軸方向に沿ってダイDの中心に向かい、斜光バー照明装置BLD2、BLD4からの照射光はX軸方向に沿ってダイDの中心に向かう。
【0057】
図16に示すように、ダイDのクラックの検査を行う場合、斜光バー照明装置BLD1、BLD2、BLD3、BLD4からの照射光はX軸方向からY軸方向に45度回転した方向からダイDの中心に向かう。
【0058】
ダイDのクラックの検査を行う場合、斜光バー照明装置の配置をウェハの加工方向から45度回転させた位置に配置したが、45度に限定されるものではなく、照射光がX軸方向およびY軸方向に沿わない方向に進行する角度であればよい。
【0059】
(変形例2)
変形例2に係る照明装置について
図17~19を用いて説明する。
【0060】
図17は変形例2に係る照明装置を示す模式斜視図である。
図18は
図17の照明装置の点灯、消灯を制御する手段を示す模式斜視図である。
図19は
図17の照明装置の点灯、消灯位置を説明する模式平面図である。
【0061】
実施例および変形例1の場合、斜光バー照明装置を用いたが、変形例2では、
図17に示すようにリングタイプの斜光照明装置(斜光リング照明装置)RLDを用い、斜線部の領域R1~R4を点灯および消灯して位置認識およびクラックの検査を行う。斜光リング照明装置はクラック検査を行うとき、ウェハの加工方向に対し、X軸方向およびY軸方向からの照射を消灯する。
【0062】
図18に示すように、制御部8に制御される照明装置の制御部は、斜光リング照明装置RLDの領域R1~R4の点灯/消灯を制御する第一電源制御ボックス97_1と、斜光リング照明装置RLDの領域R1~R4と第一電源制御ボックス97_1を接続する電源ケーブル98_1と、斜光リング照明装置RLDの領域R5~R8の点灯/消灯を制御する第二電源制御ボックス97_2と、斜光リング照明装置RLDの領域R5~R8と第二電源制御ボックス97_2を接続する電源ケーブル98_2と、を備える。
【0063】
図19に示すように、ダイDの位置認識を行う場合、斜光リング照明装置RLDのすべての領域R1~R8を点灯し、照射光がダイDに向かう。よって、斜光リング照明装置RLDからX軸方向およびY軸方向に沿ってダイDの中心に向かう照射光が存在する。
【0064】
ダイDのクラックの検査を行う場合、斜光リング照明装置RLDの領域R1~R4を消灯し領域R5~R8を点灯し、領域R5~R8からの照射光がダイDに向かう。領域R1~R4はX軸方向またはY軸方向と交差する領域であり、それぞれ斜光リング照明装置RLD全体の1/8の大きさの領域である。領域R5~R8はX軸方向とY軸方向との中間方向と交差する領域であり、それぞれ斜光リング照明装置RLD全体の1/8の大きさの領域である。よって、斜光リング照明装置RLDからの照射光はX軸方向からY軸方向に45度回転した領域からダイDの中心に向かい、斜光リング照明装置RLDからX軸方向およびY軸方向に沿ってダイDの中心に向かう照射光が存在しない。
【0065】
本変形例では、領域R1~R4はそれぞれ斜光リング照明装置RLD全体の1/8の大きさの領域を示しているが1/8に限定されるものではなく、例えばボンディングされるダイが小さい場合には、領域R1~R4を1/8よりも大きくし、領域R5~R8を1/8よりも小さくしてより狭い領域で照射してもよい。
【0066】
クラックの外観検査は、ダイ位置認識を行う場所であるダイ供給部、中間ステージ、およびボンディングステージの少なくとも1か所で行うが、すべての箇所で行うのがより好ましい。ダイ供給部で行えば、早くクラックを検出することができる。中間ステージに行えば、ダイ供給部で検出できなかったクラックまたはピックアップ工程以降で発生したクラック(ボンディング工程よりも前に顕在化しなかったクラック)をボンディング前に検出することができる。また、ボンディングステージに行えば、ダイ供給部および中間ステージで検出できなかったクラック(ボンディング工程よりも前に顕在化しなかったクラック)またはボンディング工程以降で発生したクラックを、次のダイを積層するボンディング前に、または基板排出前に検出することができる。
【0067】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例および変形例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施例および変形例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0068】
例えば、変形例1では斜光バー照明装置を回転させることを説明したが、これに限定されるものではなく、ダイを回転してもよい。例えば、ダイが載置された中間ステージを回転して照射方向を変えてもよい。
また、実施例ではダイ位置認識の後にダイ外観検査認識を行っているが、ダイ外観検査認識の後にダイ位置認識を行ってもよい。
また、実施例ではウェハの裏面にDAFが貼付されているが、DAFはなくてもよい。
また、実施例ではピックアップヘッドおよびボンディングヘッドをそれぞれ1つ備えているが、それぞれ2つ以上であってもよい。また、実施例では中間ステージを備えているが、中間ステージがなくてもよい。この場合、ピックアップヘッドとボンディングヘッドは兼用してもよい。
また、実施例ではダイの表面を上にしてボンディングされるが、ダイをピックアップ後ダイの表裏を反転させて、ダイの裏面を上にしてボンディングしてもよい。この場合、中間ステージは設けなくてもよい。この装置はフリップチップボンダという。
また、実施例ではボンディングヘッドを備えるが、ボンディングヘッドがなくてもよい。この場合は、ピックアップされたダイは容器等に載置される。この装置はピックアップ装置という。
【符号の説明】
【0069】
10・・・ダイボンダ
1・・・ダイ供給部
13・・・突上げユニット
2・・・ピックアップ部
24・・・ウェハ認識カメラ
3・・・アライメント部
31・・・中間ステージ
32・・・ステージ認識カメラ
4・・・ボンディング部
41・・・ボンディングヘッド
42・・・コレット
44・・・基板認識カメラ
5・・・搬送部
51・・・基板搬送爪
8・・・制御部
9・・・基板
BS・・・ボンディングステージ
D・・・ダイ
P・・・パッケージエリア
CL1、CL2、CL3、CL4・・・クラック検出用照明装置
RL1、RL2、RL3、RL4・・・ダイ認識用照明装置
BLD1、BLD2、BLD3、BLD4・・・斜光バー照明装置
RLD・・・斜光リング照明装置