(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-17
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】冷媒分配器、熱交換器及び冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
F25B 39/02 20060101AFI20220119BHJP
F25B 43/00 20060101ALI20220119BHJP
F25B 41/42 20210101ALI20220119BHJP
F28F 9/02 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
F25B39/02 U
F25B43/00 K
F25B41/42
F28F9/02 301Z
(21)【出願番号】P 2019533827
(86)(22)【出願日】2017-08-03
(86)【国際出願番号】 JP2017028255
(87)【国際公開番号】W WO2019026241
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2019-06-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】東井上 真哉
(72)【発明者】
【氏名】前田 剛志
(72)【発明者】
【氏名】石橋 晃
(72)【発明者】
【氏名】永田 龍一
(72)【発明者】
【氏名】飛原 英治
(72)【発明者】
【氏名】党 超鋲
(72)【発明者】
【氏名】李 霽陽
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-300073(JP,A)
【文献】特開2004-294054(JP,A)
【文献】特開2007-057176(JP,A)
【文献】特開平06-117728(JP,A)
【文献】特開2013-204922(JP,A)
【文献】国際公開第2014/068687(WO,A1)
【文献】特開平07-280467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 39/00 - 39/04
F25B 41/42
F25B 43/00
F28F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の冷媒管が接続される第1の冷媒口及び第2の冷媒管が接続される第2の冷媒口が設けられている第1の空間形成部、及び
前記第1の空間形成部の下部から側方へ突出し、複数の伝熱管接続部が設けられている第2の空間形成部
を備え、
前記第1の空間形成部及び前記第2の空間形成部は、第1方向に沿って延びており、
前記第1方向に沿って見たときの前記第2の空間形成部は、前記第1の空間形成部の下部から側方へ突出しており、
前記第1方向に沿って見たときの前記第1の空間形成部は、前記第2の空間形成部から上方に向かって拡大しており、
気液混合冷媒が前記第1の冷媒口から前記第1の空間形成部内の空間に流入し、
前記第1の空間形成部内の空間のガス冷媒が前記第2の冷媒口から流出し、
前記第2の冷媒口の軸線は、前記第1の冷媒口の軸線から外れており、
前記第1の空間形成部内の空間は、前記第2の空間形成部内の空間よりも大きい冷媒分配器。
【請求項2】
第1の冷媒口及び第2の冷媒口が設けられている第1の空間形成部、及び
前記第1の空間形成部の下部から側方へ突出し、複数の伝熱管接続部が設けられている第2の空間形成部
を備え、
前記第1の空間形成部及び前記第2の空間形成部は、第1方向に沿って延びており、
前記第1方向に沿って見たときの前記第2の空間形成部は、前記第1の空間形成部の下部から側方へ突出しており、
前記第1方向に沿って見たときの前記第1の空間形成部は、前記第2の空間形成部から上方に向かって拡大しており、
気液混合冷媒が前記第1の冷媒口から前記第1の空間形成部内の空間に流入し、
前記第1の空間形成部内の空間のガス冷媒が前記第2の冷媒口から流出し、
前記第1の空間形成部の内面は、前記第1の冷媒口から連続する曲面を有し、
前記第1の冷媒口に接続される第1の冷媒管は、前記第1の冷媒口における前記曲面の接線に沿って配置され、
前記第1の空間形成部内の空間は、前記第2の空間形成部内の空間よりも大きい冷媒分配器。
【請求項3】
前記第2の冷媒口の軸線は、前記第1の冷媒口の軸線から外れている請求項2に記載の冷媒分配器。
【請求項4】
前記複数の伝熱管接続部は、前記第2の空間形成部の長手方向へ並んでおり、
前記第2の空間形成部の長手方向を水平にして配置される請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の冷媒分配器。
【請求項5】
前記伝熱管接続部は、前記第2の空間形成部の上面に設けられている請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の冷媒分配器。
【請求項6】
前記第1の空間形成部内の空間は、前記第2の空間形成部に向かって狭くなっている請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の冷媒分配器。
【請求項7】
前記第2の空間形成部内の底面は、水平面に対して傾斜している請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の冷媒分配器。
【請求項8】
前記第1の冷媒口及び前記第2の冷媒口は、前記第1の空間形成部と前記第2の空間形成部との境界部分と異なる位置に設けられている請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の冷媒分配器。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の冷媒分配器、及び
前記複数の伝熱管接続部の位置で前記第2の空間形成部に接続されている複数の伝熱管
を備えている熱交換器。
【請求項10】
前記第2の空間形成部には、前記伝熱管の下端部が挿入されており、
前記伝熱管の下端部の端面は、水平面に対して傾斜している請求項9に記載の熱交換器。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の熱交換器
を備えている冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の伝熱管に冷媒を分配する冷媒分配器、冷媒分配器を有する熱交換器、及び熱交換器を有する冷凍サイクル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、冷媒流入側分流器と冷媒流出側分流器との間に接続された複数の伝熱管に冷媒を均等に分配するために、冷媒流入側分流器とは別体の気液分離器によって気液混合冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離し、液冷媒を気液分離器から冷媒管を通して冷媒流入側分流器に流入させるようにした熱交換器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示されている従来の熱交換器では、気液分離器と冷媒流入側分流器とが互いに分離して配置されているので、気液分離器及び冷媒流入側分流器を設置するスペースが大きくなってしまい、気液分離器及び熱交換器を含むユニット全体が大型化してしまう。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、大型化を抑制しながら、気液混合冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する機能を付加することができる冷媒分配器、熱交換器及び冷凍サイクル装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による冷媒分配器は、第1の冷媒口及び第2の冷媒口が設けられている第1の空間形成部、及び第1の空間形成部の下部から側方へ突出し、複数の伝熱管接続部が設けられている第2の空間形成部を備えている。
【発明の効果】
【0007】
この発明による冷媒分配器、熱交換器及び冷凍サイクル装置によれば、気液混合冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する機能を持つ第1の空間形成部と、複数の伝熱管のそれぞれに冷媒を分配する機能を持つ第2の空間形成部とを一体にすることができる。これにより、冷媒分配器の大型化を抑制しながら、気液混合冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する機能を冷媒分配器に付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態1による熱交換器を示す斜視図である。
【
図2】
図1の第1のヘッダタンクを示す斜視図である。
【
図3】
図1の第1のヘッダタンクの長手方向に直交する平面で熱交換器を切断したときの第1のヘッダタンクを示す断面図である。
【
図4】
図1の第1方向z及び第2方向yのいずれにも直交する方向に沿って熱交換器を見たときの第1のヘッダタンクを示す正面図である。
【
図5】この発明の実施の形態2による熱交換器の要部を示す断面図である。
【
図6】この発明の実施の形態1による熱交換器の第1のヘッダタンクの他の例を示す断面図である。
【
図7】この実施の形態3による熱交換器の第1のヘッダタンクを示す斜視図である。
【
図8】
図7の第1のヘッダタンクの長手方向に直交する平面で熱交換器を切断したときの第1のヘッダタンクを示す断面図である。
【
図9】この発明の実施の形態4による冷凍サイクル装置を示す構成図である。
【
図10】この発明の実施の形態5による冷凍サイクル装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による熱交換器を示す斜視図である。図において、熱交換器1は、冷媒分配器としての第1のヘッダタンク2と、第1のヘッダタンク2から離して配置されている第2のヘッダタンク3と、第1及び第2のヘッダタンク2,3を互いに連結する複数の伝熱管4と、複数の伝熱管4の間に設けられているフィン5とを有している。
【0010】
第1及び第2のヘッダタンク2,3は、第1方向zに沿って互いに平行に延びる中空の容器である。この例では、第1及び第2のヘッダタンク2,3の長手方向、即ち第1方向zを水平方向と一致させて熱交換器1が配置される。また、この例では、第2のヘッダタンク3が第1のヘッダタンク2の上方に配置される。
【0011】
複数の伝熱管4は、第1及び第2のヘッダタンク2,3のそれぞれの長手方向へ互いに間隔を置いて並んでいる。また、複数の伝熱管4は、第1方向zに交差する第2方向yに沿って互いに平行に延びている。この例では、第2方向yが第1方向zに直交している。また、この例では、各伝熱管4の長手方向、即ち第2方向yを鉛直方向と一致させて熱交換器1が配置される。
【0012】
各伝熱管4は、扁平管である。従って、伝熱管4の長手方向に直交する平面で切断したときの伝熱管4の断面形状は、長軸及び短軸を持つ扁平形状になっている。伝熱管4の断面の長軸方向を伝熱管4の幅方向とし、伝熱管4の断面の短軸方向を伝熱管4の厚さ方向とすると、各伝熱管4の厚さ方向は、第1及び第2のヘッダタンク2,3のそれぞれの長手方向、即ち第1方向zと一致している。また、各伝熱管4の幅方向は、第1方向z及び第2方向yのいずれにも交差する第3方向xと一致している。この例では、第1方向z及び第2方向yのいずれにも直交する方向を第3方向xとしている。伝熱管4内には、冷媒を流す図示しない複数の冷媒流路が伝熱管4の長手方向に沿ってそれぞれ設けられている。複数の冷媒流路は、伝熱管4の幅方向へ並んでいる。
【0013】
フィン5は、フィン5の両側の伝熱管4にそれぞれ接続されている。この例では、フィン5がコルゲートフィンとなっている。従って、フィン5は、当該フィン5を挟む両側の伝熱管4に交互に接触する波状のフィンとなっている。
【0014】
熱交換器1では、図示しないファンの動作によって生じる気流Aが複数の伝熱管4の間を通過する。気流Aは、伝熱管4及びフィン5のそれぞれの表面に接触しながら流れる。これにより、複数の冷媒流路を流れる冷媒と気流Aとの間で熱交換が行われる。この例では、第3方向xに沿って流れる気流Aが複数の伝熱管4の間を通過する。
【0015】
第1のヘッダタンク2は、第1の空間形成部11と、第1の空間形成部11の下部に設けられている第2の空間形成部12とを有している。これにより、第1の空間形成部11が第2の空間形成部12と一体になっている。第1の空間形成部11及び第2の空間形成部12は、第1のヘッダタンク2の長手方向、即ち第1方向zに沿ってそれぞれ延びている。第1のヘッダタンク2は、第1の空間形成部11及び第2の空間形成部12のそれぞれの長手方向を水平にして配置される。
【0016】
第1の空間形成部11には、第1の冷媒管6と、第2の冷媒管7とが接続されている。また、第1の空間形成部11には、第1の冷媒管6から気液混合冷媒が流入する。第2の空間形成部12には、各伝熱管4の下端部がそれぞれ挿入されている。
【0017】
第2のヘッダタンク3には、各伝熱管4の上端部がそれぞれ接続されている。各伝熱管4の上端部は、第2のヘッダタンク3にそれぞれ挿入されている。これにより、各伝熱管4の冷媒流路は、第2のヘッダタンク3内の空間と連通している。第2のヘッダタンク3の長手方向端部には、第3の冷媒管8が接続されている。図示しないが、第3の冷媒管8には、第2の冷媒管7が接続されている。
【0018】
図2は、
図1の第1のヘッダタンク2を示す斜視図である。また、
図3は、
図1の第1のヘッダタンク2の長手方向に直交する平面で切断したときの第1のヘッダタンク2を示す断面図である。さらに、
図4は、
図1の第1方向z及び第2方向yのいずれにも直交する方向、即ち第3方向xに沿って見たときの第1のヘッダタンク2を示す正面図である。
【0019】
第1の空間形成部11と第2の空間形成部12との境界部分は、第1のヘッダタンク2内の冷媒の流路を狭める縮流部13となっている。第1の空間形成部11内の空間は、縮流部13を通して第2の空間形成部12内の空間に連通されている。第1の空間形成部11内の空間及び第2の空間形成部12内の空間は、第1のヘッダタンク2の長手方向、即ち第1方向zに沿って第1のヘッダタンク2を見たとき、縮流部13に向かってそれぞれ狭くなる形状になっている。即ち、第1の空間形成部11内の空間が第2の空間形成部12に向かって狭くなっており、第2の空間形成部12内の空間が第1の空間形成部11に向かって狭くなっている。また、第1の空間形成部11内の空間は、第2の空間形成部12内の空間よりも大きくなっている。
【0020】
第2の空間形成部12は、第1のヘッダタンク2の長手方向に沿って見たとき、
図3に示すように、第1の空間形成部11の下部から側方へ突出している。この例では、第2の空間形成部12の上面及び第2の空間形成部12内の底面14が水平になっている。
【0021】
第2の空間形成部12には、
図2に示すように、伝熱管接続部としての複数の挿入孔15が設けられている。複数の挿入孔15は、第2の空間形成部12の長手方向、即ち第1方向zへ互いに間隔を置いて並んでいる。また、複数の挿入孔15は、第2の空間形成部12の上面に設けられている。
【0022】
各伝熱管4の下端部は、挿入孔15を通して第2の空間形成部12内に挿入されている。これにより、各伝熱管4の冷媒流路は、第2の空間形成部12内の空間と連通している。また、各伝熱管4の下端部は、第2の空間形成部12における挿入孔15の位置に接続されている。この例では、各伝熱管4の下端部の端面4aが伝熱管4の長手方向に直交している。これにより、この例では、各伝熱管4の下端部の端面4aを水平にして各伝熱管4が鉛直方向に沿って配置されている。また、この例では、複数の伝熱管4の下端部の端面4aのそれぞれが第2の空間形成部12内の底面14から離れている。
【0023】
第1方向z及び第2方向yのいずれにも直交する方向に沿って熱交換器1を見たとき、
図4に示すように、第1の空間形成部11が各伝熱管4の領域に重なっている。また、第1の空間形成部11は、第1のヘッダタンク2の長手方向に沿って見たとき、
図3に示すように、各伝熱管4から離して配置されている。即ち、第1のヘッダタンク2の長手方向に沿って熱交換器1を見たとき、第1の空間形成部11と各伝熱管4との間には、隙間16が存在している。この例では、各伝熱管4よりも気流Aの下流側、即ち風下側に第1の空間形成部11が各伝熱管4から離して配置されている。
【0024】
第1のヘッダタンク2の長手方向に沿って見たときの第1の空間形成部11は、第2の空間形成部12から上方に向かって連続的に拡大している。第1の空間形成部11は、
図2に示すように、第1のヘッダタンク2の長手方向両端部の位置で第1のヘッダタンク2の長手方向について互いに対向する一対の端面壁17と、一対の端面壁17の間に設けられ、一対の端面壁17の外周縁部に沿って一対の端面壁17の間の空間を囲む周壁18とを有している。第1の空間形成部11の内面及び外面は、一対の端面壁17及び周壁18によって形成されている。
【0025】
周壁18は、
図3に示すように、第1の空間形成部11の上部を形成する上面壁部181と、上面壁部181の伝熱管4に近い側の端部と第2の空間形成部11とを繋ぐ第1側面壁部182と、上面壁部181の伝熱管4から遠い側の端部と第2の空間形成部11とを繋ぐ第2側面壁部183とを有している。
【0026】
この例では、上面壁部181が第1の空間形成部11の外側へ盛り上がるように湾曲している。これにより、この例では、第1のヘッダタンク2の長手方向に沿って見たときの第1の空間形成部11の上部の外形が、第1の空間形成部11の外側へ盛り上がる曲線となっている。また、この例では、第1のヘッダタンク2の長手方向に沿って周壁18を見たとき、第1側面壁部182が伝熱管4の長手方向に沿って配置され、第2側面壁部183が第1側面壁部182に対して傾斜している。
【0027】
第1の空間形成部11には、
図2に示すように、第1の冷媒口19と、第2の冷媒口20とが設けられている。第2の冷媒口20の軸線は、第1の冷媒口19の軸線から外れている。即ち、第1の冷媒口19及び第2の冷媒口20は、同一の軸線上から外れた位置にそれぞれ設けられている。この例では、第1の冷媒口19が周壁18に設けられ、第2の冷媒口20が一方の端面壁17に設けられている。
【0028】
第1の冷媒口19には第1の冷媒管6が接続され、第2の冷媒口20には第2の冷媒管7が接続されている。この例では、第1の冷媒管6の軸線が第1の冷媒口19の軸線と一致し、第2の冷媒管7の軸線が第2の冷媒口20の軸線と一致している。
【0029】
次に、熱交換器1の動作について説明する。熱交換器1が蒸発器として機能する場合には、気液混合冷媒が第1の冷媒管6から第1の冷媒口19を通って第1の空間形成部11内の空間に流入する。第1の冷媒管6から第1の空間形成部11内の空間に流入した気液混合冷媒は、第1の空間形成部11内の空間で急拡大する。これにより、気液混合冷媒の流速が低下する。このとき、密度の大きい液冷媒は、重力によって下方へ移動し、縮流部13を通って第2の空間形成部12内の空間に溜まる。一方、密度の小さいガス冷媒は、第2の冷媒口20から第2の冷媒管7へ流出する。これにより、第1の空間形成部11内の空間において気液混合冷媒が液冷媒とガス冷媒とに分離される。
【0030】
第2の空間形成部12内の空間に溜まった液冷媒は、第2の空間形成部12の長手方向について第2の空間形成部12内の空間に均等に溜まる。第2の空間形成部12内の空間に液冷媒が溜まると、各伝熱管4のそれぞれの下端部が液冷媒で満たされる。この後、第2の空間形成部12内の空間に溜まった液冷媒は、各伝熱管4のそれぞれの下端部の端面4aから冷媒流路に流入して第2のヘッダタンク3に向かって冷媒流路を上方へ流れる。このとき、各伝熱管4のそれぞれの下端部が液冷媒で満たされていることから、液冷媒が各伝熱管4の冷媒流路に均等に流入し、液冷媒が各伝熱管4に均等に分配される。
【0031】
各伝熱管4の冷媒流路を液冷媒が流れると、複数の伝熱管4の間を通過する気流Aと液冷媒との間で熱交換が行われる。これにより、液冷媒が蒸発してガス冷媒になる。
【0032】
第1の空間形成部11には複数の伝熱管4の間を通過した気流Aが衝突するが、気流Aは、湾曲状の上面壁部181に沿って滑らかに第1の空間形成部11の上方を流れたり、第1の空間形成部11と各伝熱管4との間の隙間16を通って第1の空間形成部11の長手方向両側へ流れたりする。
【0033】
各伝熱管4で液体からガスに相変化したガス冷媒は、第2のヘッダタンク3内の空間で合流し、第2のヘッダタンク3から第3の冷媒管8へ流出する。この後、第2のヘッダタンク3から第3の冷媒管8へ流出したガス冷媒は、第1の空間形成部11の第2の冷媒口20から第2の冷媒管7へ流出したガス冷媒と合流する。なお、熱交換器1が凝縮器として機能する場合には、熱交換器1が蒸発器として機能する場合とは逆方向へ冷媒が流れる。
【0034】
このような熱交換器1及び第1のヘッダタンク2では、第1の冷媒口19及び第2の冷媒口20が第1の空間形成部11に設けられ、第1の空間形成部11の下部から側方へ突出した第2の空間形成部12に複数の挿入孔15が設けられているので、気液混合冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する機能を持つ第1の空間形成部11と、複数の伝熱管4のそれぞれに冷媒を分配する機能を持つ第2の空間形成部12とを一体にすることができる。これにより、第1のヘッダタンク2の大型化を抑制しながら、気液混合冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離する機能を第1のヘッダタンク2に付加することができる。従って、熱交換器1を含むユニット全体の設置スペースの縮小化を図ることができ、熱交換器1を含むユニット全体の小型化を図ることができる。
【0035】
また、第1の冷媒口19の軸線は、第2の冷媒口20の軸線から外れているので、第1の冷媒口19から第1の空間形成部11内の空間に流入した気液混合冷媒の流れの向きを第1の空間形成部11内の空間で変えることができ、気液混合冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離させやすくすることができる。
【0036】
また、複数の挿入孔15は、第2の空間形成部12の長手方向へ並んでおり、第1のヘッダタンク2は、第2の空間形成部12の長手方向を水平にして配置されるので、第2の空間形成部12の長手方向の全範囲に亘って第2の空間形成部12内の空間に液冷媒を均等に溜めることができる。これにより、複数の伝熱管4のそれぞれへの液冷媒の均等な分配をさらに確実にすることができる。
【0037】
また、伝熱管接続部としての複数の挿入孔15は、第2の空間形成部12の上面に設けられているので、第2の空間形成部12を各伝熱管4の下端部に配置することができる。これにより、第2の空間形成部12から上方へ突出する第1の空間形成部12を第2方向yについて伝熱管4の範囲内に収めることができ、熱交換器1の高さ方向の寸法の拡大を防止することができる。
【0038】
また、第1の空間形成部11内の空間は、第2の空間形成部12に向かって狭くなっているので、第2の空間形成部12内の空間に溜まった液冷媒が第1の空間形成部11内の空間へ逆流しにくくすることができる。これにより、気液混合冷媒の液冷媒及びガス冷媒への分離をより確実にすることができる。
【0039】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2による熱交換器1の要部を示す断面図である。
図5は、実施の形態1の
図3に対応する図である。本実施の形態では、第1のヘッダタンク2の長手方向、即ち第1方向zに沿って第1のヘッダタンク2を見たとき、第2の空間形成部12の上面及び第2の空間形成部12内の底面14が、水平面に対して傾斜している。また、第2の空間形成部12の上面及び第2の空間形成部12内の底面14は、第1方向zに沿って第1のヘッダタンク2を見たとき、第1の空間形成部11の下部から斜め下方へ傾斜している。この例では、第2の空間形成部12の上面及び第2の空間形成部12内の底面14が、第1の空間形成部11の下部から風上側に向かって斜め下方へ傾斜している。
【0040】
各伝熱管4の下端部の端面4aは、水平面に対して傾斜している。この例では、各伝熱管4の下端部の端面4aが水平面に対して底面14と同じ方向へ傾斜している。従って、この例では、各伝熱管4の下端部の端面4aが、伝熱管4の風下側から風上側に向かって下方へ傾斜している。他の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
【0041】
このような熱交換器1及び第1のヘッダタンク2では、第2の空間形成部12内の底面14が水平面に対して傾斜しているので、第2の空間形成部12内の空間に溜まった液冷媒の量が少なくても液冷媒の深さを確保しやすくすることができる。これにより、各伝熱管4の下端部が液冷媒に満たされやすくなり、第2の空間形成部12内の空間に溜まった液冷媒を各伝熱管4のそれぞれにさらに確実に流入させることができる。
【0042】
また、各伝熱管4の下端部の端面4aは、水平面に対して傾斜しているので、第2の空間形成部12内の空間に溜まった液冷媒の量が少なくても、伝熱管4の端面4aの傾斜下端部が液冷媒に満たされやすくすることができる。これにより、伝熱管4の中で、端面4aの傾斜上端部側の冷媒流路よりも端面4aの傾斜下端部側の冷媒流路に、液冷媒を積極的に流すことができる。従って、例えば、各伝熱管4の下端部の端面4aを伝熱管4の風下側から風上側に向かって下方へ傾斜させることにより、伝熱管4の風上側の冷媒流路に液冷媒を積極的に流すことができ、気流Aと液冷媒との熱交換の効率を向上させることができる。
【0043】
なお、上記の例では、第2の空間形成部12内の底面14及び伝熱管4の下端部の端面4aがいずれも水平面に対して傾斜しているが、第2の空間形成部12内の底面14を水平にし、伝熱管4の下端部の端面4aを水平面に対して傾斜させてもよいし、伝熱管4の下端部の端面4aを水平にし、第2の空間形成部12内の底面14を水平面に対して傾斜させてもよい。
【0044】
また、実施の形態1及び2では、第1の冷媒口19が第1の空間形成部11の周壁18に設けられ、第2の冷媒口20が第1の空間形成部11の端面壁17に設けられているが、第1の空間形成部11における第1の冷媒口19及び第2の冷媒口20のそれぞれの位置は、これに限定されない。例えば、第1の冷媒口19及び第2の冷媒口20をいずれも周壁18に設けてもよいし、第1の冷媒口19を一方の端面壁17に設けるとともに、第2の冷媒口20を他方の端面壁17に設けてもよい。
【0045】
さらに、第1の冷媒口19及び第2の冷媒口20をいずれも周壁18に設ける場合、周壁18の第2側面壁部183に第1の冷媒口19を設け、周壁18の上面壁部181に第2の冷媒口20を設けてもよい。この場合、実施の形態1での第1のヘッダタンク2を例にすると、
図6に示すように、第2の冷媒管7が第1の空間形成部11の上面壁部181から上方へ延びて配置される。このようにすれば、第1の空間形成部11内のガス冷媒を第2の冷媒口20から流出させやすくすることができる。
【0046】
また、実施の形態1及び2では、第2の冷媒口20の軸線が第1の冷媒口19の軸線から外れているが、第1の冷媒口19から第1の空間形成部11内の空間に流入した気液混合冷媒がそのまま第2の冷媒口20から流出しない程度に、第1の冷媒口19から第2の冷媒口20までの距離が確保されていれば、第2の冷媒口20の軸線が第1の冷媒口19の軸線と一致していてもよい。
【0047】
実施の形態3.
図7は、この実施の形態3による熱交換器1の第1のヘッダタンク2を示す斜視図である。また、
図8は、
図7の第1のヘッダタンク2の長手方向に直交する平面で熱交換器1を切断したときの第1のヘッダタンク2を示す断面図である。本実施の形態では、第1の冷媒口19及び第2の冷媒口20のそれぞれの位置が実施の形態1及び2と異なっている。
【0048】
第1の冷媒口19は、第1の空間形成部11の上面壁部181に設けられている。第1の空間形成部11の内面は、上面壁部181の湾曲によって形成された曲面11aを含んでいる。曲面11aは、第1の冷媒口19から連続する曲面である。この例では、第1のヘッダタンク2の長手方向に沿って見たとき、曲面11aが円弧になっている。
【0049】
第1の冷媒口19に接続される第1の冷媒管6は、第1の冷媒口19における曲面11aの接線に沿って配置される。これにより、第1の冷媒管6は、曲面11aの接線に沿った方向から第1の空間形成部11内の空間に流入するように冷媒を導く。
【0050】
第2の冷媒口20は、一方の端面壁17に設けられている。また、第2の冷媒口20は、第1のヘッダタンク2の長手方向に沿って見たとき、曲面11aによって形成されている円弧の中心に位置している。他の構成は実施の形態1と同様である。
【0051】
次に、熱交換器1の動作について説明する。第1の空間形成部11内の空間には、第1の冷媒管6に導かれた気液混合冷媒が曲面11aの接線に沿った方向から流入する。これにより、第1の空間形成部11内で気液混合冷媒が曲面11aに沿って流れ、気液混合冷媒に遠心力が作用する。
【0052】
気液混合冷媒に遠心力が作用すると、密度の高い液冷媒が外側へ移動し、密度の低いガス冷媒が内側の中心に向かって移動する。これにより、第1の空間形成部11内の空間で気液混合冷媒が液冷媒とガス冷媒とに分離される。この後、ガス冷媒が第2の冷媒口20から第2の冷媒管7へ流出し、液冷媒が遠心力及び重力によって第2の空間形成部12内の空間に溜まる。この後の動作は、実施の形態1と同様である。
【0053】
このような熱交換器1及び第1のヘッダタンク2では、第1の冷媒口19に接続される第1の冷媒管6が、第1の冷媒口19における曲面11aの接線に沿って配置されるので、曲面11aの接線に沿った方向から第1の空間形成部11内の空間に気液混合冷媒を流入させることができる。これにより、第1の空間形成部11内の空間に流入した気液混合冷媒を曲面11aに沿って流すことができ、気液混合冷媒に遠心力を作用させることができる。これにより、密度の高い液冷媒を密度の低いガス冷媒よりも外側へ遠心力によって積極的に移動させることができ、気液混合冷媒を液冷媒とガス冷媒とに効率良く分離することができる。
【0054】
また、第1のヘッダタンク2の長手方向に沿って見たとき、第1の空間形成部11の内面の曲面11aが円弧になっており、曲面11aの円弧の中心に第2の冷媒口20が位置しているので、曲面11aの内側の中心に集まったガス冷媒を第2の冷媒口20から第2の冷媒管7へ効率良く流出させることができる。
【0055】
なお、上記の例では、第2の空間形成部12が実施の形態1と同様になっているが、水平面に対して傾斜させた実施の形態2と同様の第2の空間形成部12を本実施の形態の第2の空間形成部12に適用してもよい。
【0056】
実施の形態4.
図9は、この発明の実施の形態4による冷凍サイクル装置を示す構成図である。冷凍サイクル装置31は、圧縮機32、凝縮熱交換器33、膨張弁34、蒸発熱交換器35を含む冷凍サイクル回路を備えている。冷凍サイクル装置31では、圧縮機32が駆動することにより、圧縮機32、凝縮熱交換器33、膨張弁34及び蒸発熱交換器35を冷媒が相変化しながら循環する冷凍サイクルが行われる。本実施の形態では、冷凍サイクル回路を循環する冷媒が
図9の矢印の方向へ流れる。
【0057】
冷凍サイクル装置31には、凝縮熱交換器33及び蒸発熱交換器35のそれぞれに対して気流を個別に送るファン36,37と、各ファン36,37を個別に回転させる駆動モータ38,39とが設けられている。凝縮熱交換器33は、ファン36の動作によって生じた空気の気流と冷媒との間で熱交換を行う。蒸発熱交換器35は、ファン37の動作によって生じた空気の気流と冷媒との間で熱交換を行う。
【0058】
冷媒は、圧縮機2で圧縮されて凝縮熱交換器33へ送られる。凝縮熱交換器33では、冷媒が外部の空気へ熱を放出して凝縮される。この後、冷媒は、膨張弁34へ送られ、膨張弁34で減圧された後、蒸発熱交換器35へ送られる。この後、冷媒は、蒸発熱交換器35で外部の空気から熱を取り込んで蒸発した後、圧縮機32へ戻る。
【0059】
本実施の形態では、凝縮熱交換器33及び蒸発熱交換器35の一方又は双方に、実施の形態1~4のいずれかの熱交換器1が用いられている。これにより、エネルギ効率の高い冷凍サイクル装置を実現することができる。また、本実施の形態では、凝縮熱交換器33が室内熱交換器に用いられ、蒸発熱交換器35が室外熱交換器に用いられている。なお、蒸発熱交換器35を室内熱交換器に用い、凝縮熱交換器33を室外熱交換器に用いてもよい。
【0060】
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5による冷凍サイクル装置を示す構成図である。冷凍サイクル装置41は、圧縮機42、室外熱交換器43、膨張弁44、室内熱交換器45及び四方弁46を含む冷凍サイクル回路を有している。冷凍サイクル装置41では、圧縮機42が駆動することにより、圧縮機42、室外熱交換器43、膨張弁44及び室内熱交換器45を冷媒が相変化しながら循環する冷凍サイクルが行われる。本実施の形態では、圧縮機42、室外熱交換器43、膨張弁44及び四方弁46が室外機に設けられ、室内熱交換器45が室内機に設けられている。
【0061】
室外機には、室外熱交換器43に室外の空気を強制的に通過させる室外ファン47が設けられている。室外熱交換器43は、室外ファン47の動作によって生じた室外の空気の気流と冷媒との間で熱交換を行う。室内機には、室内熱交換器45に室内の空気を強制的に通過させる室内ファン48が設けられている。室内熱交換器45は、室内ファン48の動作によって生じた室内の空気の気流と冷媒との間で熱交換を行う。
【0062】
冷凍サイクル装置41の運転は、冷房運転と暖房運転との間で切り替え可能になっている。四方弁46は、冷凍サイクル装置1の冷房運転及び暖房運転の切り替えに応じて冷媒流路を切り替える電磁弁である。四方弁46は、冷房運転時に、圧縮機42からの冷媒を室外熱交換器43へ導くとともに室内熱交換器45からの冷媒を圧縮機42へ導き、暖房運転時に、圧縮機42からの冷媒を室内熱交換器45へ導くとともに室外熱交換器43からの冷媒を圧縮機42へ導く。
図10では、冷房運転時の冷媒の流れの方向を破線の矢印で示し、暖房運転時の冷媒の流れの方向を実線の矢印で示している。
【0063】
冷凍サイクル装置41の冷房運転時には、圧縮機42で圧縮された冷媒が室外熱交換器43へ送られる。室外熱交換器43では、冷媒が室外の空気へ熱を放出して凝縮される。この後、冷媒は、膨張弁44へ送られ、膨張弁44で減圧された後、室内熱交換器45へ送られる。この後、冷媒は、室内熱交換器45で室内の空気から熱を取り込んで蒸発した後、圧縮機42へ戻る。従って、冷凍サイクル装置41の冷房運転時には、室外熱交換器43が凝縮器として機能し、室内熱交換器45が蒸発器として機能する。
【0064】
冷凍サイクル装置41の暖房運転時には、圧縮機42で圧縮された冷媒が室内熱交換器45へ送られる。室内熱交換器45では、冷媒が室内の空気へ熱を放出して凝縮される。この後、冷媒は、膨張弁44へ送られ、膨張弁44で減圧された後、室外熱交換器43へ送られる。この後、冷媒は、室外熱交換器43で室外の空気から熱を取り込んで蒸発した後、圧縮機42へ戻る。従って、冷凍サイクル装置41の暖房運転時には、室外熱交換器43が蒸発器として機能し、室内熱交換器45が凝縮器として機能する。
【0065】
本実施の形態では、室外熱交換器43及び室内熱交換器45の一方又は双方に、実施の形態1~4のいずれかの熱交換器1が用いられている。これにより、エネルギ効率の高い冷凍サイクル装置を実現することができる。
【0066】
実施の形態4及び5における冷凍サイクル装置は、例えば空気調和装置又は冷凍装置等に適用される。
【0067】
なお、各上記実施の形態では、伝熱管接続部としての複数の挿入孔15が第2の空間形成部12の上面に設けられているが、複数の挿入孔15を第2の空間形成部12の下面に設けてもよい。この場合、各伝熱管4の上端部が第2の空間形成部12における挿入孔15の位置に接続され、各伝熱管4の下端部が第2のヘッダタンク3に接続される。また、この場合、第2の空間形成部12に溜まった液冷媒は、各伝熱管4に均等に分配され、下方の第2のヘッダタンク3に向かって各伝熱管4の冷媒流路を流れる。このようにしても、熱交換器1を含むユニット全体の小型化を図ることができる。
【0068】
また、各上記実施の形態では、各伝熱管4の風下側に第1の空間形成部11が各伝熱管4から離して配置されているが、各伝熱管4の風上側に第1の空間形成部11を各伝熱管4から離して配置してもよい。このようにしても、熱交換器1を含むユニット全体の小型化を図ることができる。
【0069】
また、各上記実施の形態では、第1の空間形成部11の上面壁部181が湾曲しているが、上面壁部181の形状はこれに限定されない。例えば、上面壁部181を平板状にしてもよい。
【0070】
また、各上記実施の形態では、第1の空間形成部11が第1のヘッダタンク2の長手方向の全体にわたって形成されているが、第1のヘッダタンク2の長手方向の一部にのみ第1の空間形成部11を形成してもよい。即ち、第1のヘッダタンク2の長手方向について、第1の空間形成部11の長さが第2の空間形成部12の長さよりも短くなっていてもよい。さらに、第1のヘッダタンク2の長手方向の一部にのみ第2の空間形成部12を形成してもよい。即ち、第1のヘッダタンク2の長手方向について、第2の空間形成部12の長さが第1の空間形成部11の長さよりも短くなっていてもよい。このようにしても、熱交換器1を含むユニット全体の小型化を図ることができる。
【0071】
また、各上記実施の形態では、伝熱管4が扁平管であるが、伝熱管4の断面形状は扁平に限定されず、例えば、伝熱管4を円管にしてもよい。
【0072】
また、この発明は各上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 熱交換器、2 第1のヘッダタンク(冷媒分配器)、4 伝熱管、4a 端面、6 第1の冷媒管、11 第1の空間形成部、11a 曲面、12 第2の空間形成部、13 縮流部、14 底面、15 挿入孔(伝熱管接続部)、19 第1の冷媒口、20 第2の冷媒口、31,41 冷凍サイクル装置。