(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/38 20100101AFI20220119BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20220119BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/08
(21)【出願番号】P 2019135499
(22)【出願日】2019-07-23
【審査請求日】2020-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】古波 直人
【審査官】小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-156331(JP,A)
【文献】特開2013-055186(JP,A)
【文献】特開2017-130617(JP,A)
【文献】特開2015-192099(JP,A)
【文献】米国特許第09412907(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/38
H01L 33/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パッド電極と、
前記第1パッド電極と離れて配置された第2パッド電極と、
第1導電型の第1半導体層と、第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた第1発光層とを有し、前記第1パッド電極から前記第2パッド電極に向かう第1方向において前記第1パッド電極と前記第2パッド電極との間に設けられた第1半導体積層体と、
前記第1方向に直交する第2方向において前記第1パッド電極に隣接する第3パッド電極と、
前記第1方向において前記第3パッド電極と離れて配置され、前記第2方向において前記第2パッド電極に隣接する第4パッド電極と、
前記第1導電型の第3半導体層と、前記第2導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層と前記第4半導体層との間に設けられた第2発光層とを有し、前記第1方向において前記第3パッド電極と前記第4パッド電極との間に設けられた第2半導体積層体と、
前記第1半導体層と前記第1パッド電極とを電気的に接続する第1導電層と、
前記第2半導体層と前記第2パッド電極とを電気的に接続する第2導電層と、
前記第3半導体層と前記第
4パッド電極とを電気的に接続する第3導電層と、
前記第4半導体層と前記第
3パッド電極とを電気的に接続する第4導電層と、
前記第2パッド電極の前記第2半導体積層体側の端部領域と、前記第4パッド電極の前記第1半導体積層体側の端部領域とにわたって配置され、前記第2パッド電極と前記第4パッド電極と電気的に接続する導電部材と、
を備え、
前記第2半導体層は、前記第2導電層と接する複数の島状の導通部を有し、
前記第1半導体積層体は、前記第1方向に沿う第1辺と、前記第1辺と前記第2半導体積層体との間に設けられ、前記第1方向に沿う第2辺と、前記第2方向に沿う第3辺と、前記第3辺と前記第2パッド電極との間に設けられ、前記第2方向に沿う第4辺と、を有し、
前記導通部は、前記第1辺と前記第4辺とがなす第1角の周辺に位置する第1領域と、前記第1辺と前記第3辺とがなす第2角の周辺に位置する第2領域と、前記第2辺と前記第3辺とがなす第3角の周辺に位置する第3領域と、前記第2辺と前記第4辺とがなす第4角の周辺に位置する第4領域とにそれぞれ設けられ、
前記第1領域に設けられた前記導通部の密度は、前記第2領域、前記第3領域、および前記第4領域に設けられた前記導通部の密度よりも高い発光装置。
【請求項2】
前記第1領域に設けられた複数の前記導通部の直径の平均径は、前記第2領域、前記第3領域、および前記第4領域に設けられた前記導通部の直径の平均径よりも大きい請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1半導体層上に設けられた第1電極をさらに備え、
前記第1電極は、前記第3辺の近傍から前記第4辺に向けて前記第1方向に沿って延び、前記第1導電層に接する複数の接続部を有し、
前記複数の接続部は、前記第1領域に向けて延びる第1接続部と、前記第1接続部と前記第2辺との間に設けられ、前記第1接続部よりも前記第1方向の長さが短い第2接続部とを有する請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1接続部の前記第2方向における幅は、前記第2接続部の前記第2方向における幅と同じである請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
第1パッド電極と、
前記第1パッド電極と離れて配置された第2パッド電極と、
第1導電型の第1半導体層と、第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた第1発光層とを有し、前記第1パッド電極から前記第2パッド電極に向かう第1方向において前記第1パッド電極と前記第2パッド電極との間に設けられた第1半導体積層体と、
前記第1方向に直交する第2方向において前記第1パッド電極に隣接する第3パッド電極と、
前記第1方向において前記第3パッド電極と離れて配置され、前記第2方向において前記第2パッド電極に隣接する第4パッド電極と、
前記第1導電型の第3半導体層と、前記第2導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層と前記第4半導体層との間に設けられた第2発光層とを有する第2半導体積層体と、
前記第1半導体層と前記第1パッド電極とを電気的に接続する第1導電層と、
前記第2半導体層と前記第2パッド電極とを電気的に接続する第2導電層と、
前記第3半導体層と前記第
4パッド電極とを電気的に接続する第3導電層と、
前記第4半導体層と前記第
3パッド電極とを電気的に接続する第4導電層と、
前記第2パッド電極の前記第2半導体積層体側の端部領域と、前記第4パッド電極の前記第1半導体積層体側の端部領域とにわたって配置され、前記第2パッド電極と前記第4パッド電極と電気的に接続する導電部材と、
を備え、
前記第2半導体層は、前記第2導電層と接し、第1の直径を持つ複数の島状の第1導通部と、前記第2導電層と接し、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を持つ複数の島状の第2導通部とを含む導通部を有し、
前記第1半導体積層体は、前記第1方向に沿う第1辺と、前記第1辺と前記第2半導体積層体との間に設けられ、前記第1方向に沿う第2辺と、前記第2方向に沿う第3辺と、前記第3辺と前記第2パッド電極との間に設けられ、前記第2方向に沿う第4辺と、を有し、
前記導通部は、前記第1辺と前記第4辺とがなす第1角の周辺に位置する第1領域と、前記第1辺と前記第3辺とがなす第2角の周辺に位置する第2領域と、前記第2辺と前記第3辺とがなす第3角の周辺に位置する第3領域と、前記第2辺と前記第4辺とがなす第4角の周辺に位置する第4領域とにそれぞれ設けられ、
前記第1領域に設けられた前記第2導通部の密度は、前記第2領域、前記第3領域、および前記第4領域に設けられた前記第2導通部の密度よりも高い発光装置。
【請求項6】
第1パッド電極と、
前記第1パッド電極と離れて配置された第2パッド電極と、
第1導電型の第1半導体層と、第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた第1発光層とを有し、前記第1パッド電極から前記第2パッド電極に向かう第1方向において前記第1パッド電極と前記第2パッド電極との間に設けられた第1半導体積層体と、
前記第1方向に直交する第2方向において前記第1パッド電極に隣接する第3パッド電極と、
前記第1方向において前記第3パッド電極と離れて配置され、前記第2方向において前記第2パッド電極に隣接する第4パッド電極と、
前記第1導電型の第3半導体層と、前記第2導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層と前記第4半導体層との間に設けられた第2発光層とを有する第2半導体積層体と、
前記第1半導体層と前記第1パッド電極とを電気的に接続する第1導電層と、
前記第2半導体層と前記第2パッド電極とを電気的に接続する第2導電層と、
前記第3半導体層と前記第
4パッド電極とを電気的に接続する第3導電層と、
前記第4半導体層と前記第
3パッド電極とを電気的に接続する第4導電層と、
前記第2パッド電極の前記第2半導体積層体側の端部領域と、前記第4パッド電極の前記第1半導体積層体側の端部領域とにわたって配置され、前記第2パッド電極と前記第4パッド電極と電気的に接続する導電部材と、
前記第1半導体層上に設けられた第1電極と、
を備え、
前記第2半導体層は、前記第2導電層と接する複数の島状の導通部を有し、
前記第1半導体積層体は、前記第1方向に沿う第1辺と、前記第1辺と前記第2半導体積層体との間に設けられ、前記第1方向に沿う第2辺と、前記第2方向に沿う第3辺と、前記第3辺と前記第2パッド電極との間に設けられ、前記第2方向に沿う第4辺と、を有し、
前記第1電極は、前記第3辺の近傍から前記第4辺に向けて前記第1方向に沿って延び、前記第1導電層に接する複数の接続部を有し、
前記複数の接続部は、前記第1辺と前記第4辺とがなす第1角の周辺に位置する第1領域に向けて延びる第1接続部と、前記第1接続部と前記第2辺との間に設けられ、前記第1接続部よりも前記第1方向の長さが短い第2接続部とを有する発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、基板上に複数の半導体発光素子が直列接続して配置された半導体発光素子アレイが開示されている。このような半導体発光素子アレイにおいて隣り合う2つの発光素子のうちの一方の発光素子から他方の発光素子に電流が流れる場合、電極の配置などによっては電流密度が相対的に低くなる領域が生じやすく、これは輝度分布のムラにつながり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、直列接続して配置された複数の発光素子を有する発光装置における輝度分布のムラを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、発光装置は、第1パッド電極と、前記第1パッド電極と離れて配置された第2パッド電極と、第1導電型の第1半導体層と、第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた第1発光層とを有し、前記第1パッド電極から前記第2パッド電極に向かう第1方向において前記第1パッド電極と前記第2パッド電極との間に設けられた第1半導体積層体と、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1パッド電極に隣接する第3パッド電極と、前記第1方向において前記第3パッド電極と離れて配置され、前記第2方向において前記第2パッド電極に隣接する第4パッド電極と、前記第1導電型の第3半導体層と、前記第2導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層と前記第4半導体層との間に設けられた第2発光層とを有し、前記第1方向において前記第3パッド電極と前記第4パッド電極との間に設けられた第2半導体積層体と、前記第1半導体層と前記第1パッド電極とを電気的に接続する第1導電層と、前記第2半導体層と前記第2パッド電極とを電気的に接続する第2導電層と、前記第3半導体層と前記第3パッド電極とを電気的に接続する第3導電層と、前記第4半導体層と前記第4パッド電極とを電気的に接続する第4導電層と、前記第2パッド電極と前記第4パッド電極と電気的に接続する導電部材と、を備えている。前記第2半導体層は、前記第2導電層と接する複数の島状の導通部を有する。前記第1半導体積層体は、前記第1方向に沿う第1辺と、前記第1辺と前記第2半導体積層体との間に設けられ、前記第1方向に沿う第2辺と、前記第2方向に沿う第3辺と、前記第3辺と前記第2パッド電極との間に設けられ、前記第2方向に沿う第4辺と、を有する。前記導通部は、前記第1辺と前記第4辺とがなす第1角の周辺に位置する第1領域と、前記第1辺と前記第3辺とがなす第2角の周辺に位置する第2領域と、前記第2辺と前記第3辺とがなす第3角の周辺に位置する第3領域と、前記第2辺と前記第4辺とがなす第4角の周辺に位置する第4領域とにそれぞれ設けられている。前記第1領域に設けられた前記導通部の密度は、前記第2領域、前記第3領域、および前記第4領域に設けられた前記導通部の密度よりも高い。
【0006】
また、本発明の他の一態様によれば、発光装置は、第1パッド電極と、前記第1パッド電極と離れて配置された第2パッド電極と、第1導電型の第1半導体層と、第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた第1発光層とを有し、前記第1パッド電極から前記第2パッド電極に向かう第1方向において前記第1パッド電極と前記第2パッド電極との間に設けられた第1半導体積層体と、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1パッド電極に隣接する第3パッド電極と、前記第1方向において前記第3パッド電極と離れて配置され、前記第2方向において前記第2パッド電極に隣接する第4パッド電極と、前記第1導電型の第3半導体層と、前記第2導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層と前記第4半導体層との間に設けられた第2発光層とを有する第2半導体積層体と、前記第1半導体層と前記第1パッド電極とを電気的に接続する第1導電層と、前記第2半導体層と前記第2パッド電極とを電気的に接続する第2導電層と、前記第3半導体層と前記第3パッド電極とを電気的に接続する第3導電層と、前記第4半導体層と前記第4パッド電極とを電気的に接続する第4導電層と、前記第2パッド電極と前記第4パッド電極と電気的に接続する導電部材と、を備えている。前記第2半導体層は、前記第2導電層と接し、第1の直径を持つ複数の島状の第1導通部と、前記第2導電層と接し、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を持つ複数の島状の第2導通部とを含む導通部を有する。前記第1半導体積層体は、前記第1方向に沿う第1辺と、前記第1辺と前記第2半導体積層体との間に設けられ、前記第1方向に沿う第2辺と、前記第2方向に沿う第3辺と、前記第3辺と前記第2パッド電極との間に設けられ、前記第2方向に沿う第4辺と、を有する。前記導通部は、前記第1辺と前記第4辺とがなす第1角の周辺に位置する第1領域と、前記第1辺と前記第3辺とがなす第2角の周辺に位置する第2領域と、前記第2辺と前記第3辺とがなす第3角の周辺に位置する第3領域と、前記第2辺と前記第4辺とがなす第4角の周辺に位置する第4領域とにそれぞれ設けられている。前記第1領域に設けられた前記第2導通部の密度は、前記第2領域、前記第3領域、および前記第4領域に設けられた前記第2導通部の密度よりも高い。
【0007】
また、本発明のさらに他の一態様によれば、発光装置は、第1パッド電極と、前記第1パッド電極と離れて配置された第2パッド電極と、第1導電型の第1半導体層と、第2導電型の第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられた第1発光層とを有し、前記第1パッド電極から前記第2パッド電極に向かう第1方向において前記第1パッド電極と前記第2パッド電極との間に設けられた第1半導体積層体と、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1パッド電極に隣接する第3パッド電極と、前記第1方向において前記第3パッド電極と離れて配置され、前記第2方向において前記第2パッド電極に隣接する第4パッド電極と、前記第1導電型の第3半導体層と、前記第2導電型の第4半導体層と、前記第3半導体層と前記第4半導体層との間に設けられた第2発光層とを有する第2半導体積層体と、前記第1半導体層と前記第1パッド電極とを電気的に接続する第1導電層と、前記第2半導体層と前記第2パッド電極とを電気的に接続する第2導電層と、前記第3半導体層と前記第3パッド電極とを電気的に接続する第3導電層と、前記第4半導体層と前記第4パッド電極とを電気的に接続する第4導電層と、前記第2パッド電極と前記第4パッド電極と電気的に接続する導電部材と、前記第1半導体層上に設けられた第1電極と、を備えている。前記第2半導体層は、前記第2導電層と接する複数の島状の導通部を有する。前記第1半導体積層体は、前記第1方向に沿う第1辺と、前記第1辺と前記第2半導体積層体との間に設けられ、前記第1方向に沿う第2辺と、前記第2方向に沿う第3辺と、前記第3辺と前記第2パッド電極との間に設けられ、前記第2方向に沿う第4辺と、を有する。前記第1電極は、前記第3辺の近傍から前記第4辺に向けて前記第1方向に沿って延び、前記第1導電層に接する複数の接続部を有する。前記複数の接続部は、前記第1辺と前記第4辺とがなす第1角の周辺に位置する第1領域に向けて延びる第1接続部と、前記第1接続部と前記第2辺との間に設けられ、前記第1接続部よりも前記第1方向の長さが短い第2接続部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、直列接続して配置された複数の発光素子を有する発光装置における輝度分布のムラを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態の発光装置における主な要素の配置関係を示す模式平面図である。
【
図3】
図1に示す発光装置における第1発光素子の模式平面図である。
【
図4】
図3のIV-IV線における模式断面図である。
【
図5】第1発光素子における第1半導体積層体の模式平面図である。
【
図6】
図5のVI-VI線における模式断面図である。
【
図7】第1発光素子における主な要素の配置関係を示す模式平面図である。
【
図8】第1発光素子における主な要素の配置関係を示す模式平面図である。
【
図9】
図1に示す発光装置における第2発光素子の模式平面図である。
【
図10】
図9のX-X線における模式断面図である。
【
図11】
図1に示す要素の配置関係の他の例を示す模式平面図である。
【
図12】
図1に示す要素の配置関係のさらに他の例を示す模式平面図である。
【
図13】
図1に示す要素の配置関係のさらに他の例を示す模式平面図である。
【
図14】
図1に示す要素の配置関係のさらに他の例を示す模式平面図である。
【
図15】
図1に示す要素の配置関係のさらに他の例を示す模式平面図である。
【
図16】本発明の他の実施形態の発光装置における主な要素の配置関係を示す模式平面図である。
【
図18】比較例の発光装置における電流の流れを説明するための模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態の発光装置における主な要素の配置関係を示す模式平面図である。
図2は、
図1に示す発光装置の等価回路図である。
【0012】
発光装置は、第1発光素子1と第2発光素子2とを有する。第1発光素子は、第1半導体積層体10と、第1パッド電極15と、第2パッド電極16とを有する。第2発光素子2は、第2半導体積層体110と、第3パッド電極18と、第4パッド電極17とを有する。
【0013】
図2に示すように、第1発光素子1は、第1パッド電極15と、第2パッド電極16、第4パッド電極17とに接続されている。第2発光素子2は、第2パッド電極16、第4パッド電極17と第3パッド電極18とに接続されている。第2パッド電極16と第4パッド電極17とは電気的に接続されており、第1発光素子1と第2発光素子2とは直列に接続されている。
【0014】
図1に示すように、第1パッド電極15と第2パッド電極16とは互いに離れて配置されている。第1パッド電極15から第2パッド電極16に向かう方向を第1方向Yとする。第1半導体積層体10は、第1方向Yにおいて、第1パッド電極15と第2パッド電極16との間に設けられている。
【0015】
第3パッド電極18は、第1方向Yに直交する第2方向Xにおいて、第1パッド電極15に隣接する。第1パッド電極15と第3パッド電極18は、第2方向Xにおいて離れて配置されている。ここで、「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの方向における直線が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
【0016】
第4パッド電極17は、第1方向Yにおいて、第3パッド電極18と離れて配置されている。第4パッド電極17は、第2方向Xにおいて、第2パッド電極16に隣接する。第2パッド電極16と第4パッド電極17とは、導電部材19によって、電気的に接続されている。導電部材19は、例えば金属ワイヤである。
【0017】
第2半導体積層体110は、第1方向Yにおいて、第3パッド電極18と第4パッド電極17との間に設けられている。第1半導体積層体10と第2半導体積層体110は、第2方向Xにおいて並んで配置されている。
【0018】
第1半導体積層体10の上面視形状は、例えば矩形状である。第1半導体積層体10は、第1方向Yに沿う第1辺11と、第1辺11と第2半導体積層体110との間に設けられ、第1方向Yに沿う第2辺12と、第2方向Xに沿う第3辺13と、第3辺13と第2パッド電極16との間に設けられ、第2方向Xに沿う第4辺14とを有する。第3辺13は、第4辺14と第1パッド電極15との間に設けられている。
【0019】
また、第1半導体積層体10は、第1辺11と第4辺14とがなす第1角21の周辺に位置する第1領域25と、第1辺11と第3辺13とがなす第2角22の周辺に位置する第2領域26と、第2辺12と第3辺13とがなす第3角23の周辺に位置する第3領域27と、第2辺12と第4辺14とがなす第4角24の周辺に位置する第4領域28とを有する。
【0020】
第2半導体積層体110の上面視形状は、例えば矩形状である。第2半導体積層体110は、第1方向Yに沿う第1辺111と、第1方向Yに沿う第2辺112と、第2方向Xに沿う第3辺113と、第2方向Xに沿う第4辺114とを有する。第3辺113は、第4辺114と第4パッド電極17との間に設けられている。第4辺114は、第3辺113と第3パッド電極18との間に設けられている。第1辺111は、第1半導体積層体10の第2辺12に隣接している。第1半導体積層体10の第2辺12と、第2半導体積層体110の第1辺111との間には、パッド電極は配置されていない。
【0021】
図3は、第1発光素子1の模式平面図である。
図4は、
図3のIV-IV線における模式断面図である。
【0022】
図4に示すように、第1発光素子1の第1半導体積層体10は、基板200の上に設けられている。基板200には、例えば、シリコン基板を用いる。基板200から第1半導体積層体10に向かう方向を第3方向Zとする。第3方向Zは、第1方向Yおよび第2方向Xに直交する。
【0023】
基板200上には、第1導電層50、第2導電層60、第1パッド電極15、および第2パッド電極16が設けられている。第1導電層50及び第2導電層60には、例えば、Al、Ti、Pt、Ni及びCuよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1導電層50と第1半導体積層体10との間、および第2導電層60と第1半導体積層体10との間には、絶縁層72が部分的に設けられている。第1導電層50と基板200との間、および第2導電層60と基板200との間には、第1導電層50および第2導電層60の表面に形成された絶縁層73が設けられている。
【0024】
図5は、第1半導体積層体10の模式平面図である。
図6は、
図5のVI-VI線における模式断面図である。
【0025】
以下の説明では、第1導電型をp型、第2導電型をn型として説明する。なお、第1導電型がn型、第2導電型がp型であってもよい。
【0026】
第1半導体積層体10は、p型の第1半導体層10pと、第1発光層10aと、n型の第2半導体層10nとを有する。第1発光層10aは、第3方向Zにおいて、第1半導体層10pと第2半導体層10nとの間に設けられている。
図4に示すように、第1半導体層10pは、第3方向Zにおいて、基板200と第1発光層10aとの間に設けられている。第1半導体積層体10には、例えば、In
XAl
YGa
1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)等の窒化物半導体が好適に用いられる。
【0027】
第2半導体層10nは、複数の島状の導通部31を有する。導通部31には、第1半導体層10pおよび第1発光層10aが設けられていない。導通部31は、第2導電層60と電気的に接続する部分である。
【0028】
第1半導体積層体10は、第1半導体層10p、第1発光層10a、および第2半導体層10nが積層された部分であるメサ部20を有する。メサ部20は、
図5に示す平面視において導通部31の周囲を囲んでいる。
【0029】
メサ部20の第1半導体層10pの表面には、
図4に示すように、第1電極40が設けられている。第1電極40は、第1半導体層10pと電気的に接続している。第1電極40は、例えば、Ag及びAlよりなる群から選択された少なくとも1つを含む反射層を有する。第1電極40は、反射層とNi、Ti及びPtよりなる群から選択された少なくとも1つを含む金属層とを含む積層構造とすることもできる。第1電極40は、例えば、p形半導体層30側から順にAg、Ni、Ti、Ptが積層された積層構造とすることができる。
【0030】
第1半導体層10pの表面の一部には、第1電極40を覆うように、絶縁膜71が設けられている。絶縁膜71は第1電極40上に開口部を有し、その開口部にて第1電極40と第1導電層50とが接続する。絶縁膜71の開口部が設けられた領域に、第1電極40と第1導電層50とが接続する接続部41が位置する。絶縁層72が、メサ部20の側面および絶縁膜71を覆うように設けられている。絶縁膜71、72は、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜である。
【0031】
図7は、絶縁層72と第1半導体積層体10との配置関係を示す模式平面図である。
【0032】
絶縁層72は、第1方向Yにおいて、第1半導体積層体10が位置する部分よりも延出して設けられている。絶縁層72は、複数の第1開口72aと複数の第2開口72bとを有する。第1開口72aには、第2半導体層10nの導通部31が位置する。第2開口72bには、第1電極40の接続部41が位置する。絶縁層72上には、第1導電層50と第2導電層60が設けられている。
【0033】
図8は、基板200上における第1導電層50および第2導電層60の配置関係を示す模式平面図である。
【0034】
第1導電層50は、第1部分51と、第2部分52とを有する。第1部分51と第2部分52とは、同じ材料(例えば金属材料)で一体に形成されている。
【0035】
第1部分51は、
図4に示す絶縁層72および絶縁膜71の開口部を介して、第1電極40の接続部41に接続している。
図7に示すように、第1方向Yに沿って延びる複数の接続部41が、第2方向Xに並んで設けられている。
図8に示すように、複数の接続部41に対応して、複数の第1部分51が設けられている。
【0036】
第2部分52は、第1方向Yにおいて、第1半導体積層体10の外側に位置する。第1部分51は、第2部分52から、第1半導体積層体10側に向かって第1方向Yに沿って延びている。複数の第1部分51は、第2方向Xにおいて、互いに離間している。
【0037】
第2導電層60は、第1部分61と、第2部分62とを有する。第1部分61と第2部分62とは、同じ材料(例えば金属材料)で一体に形成されている。
【0038】
図4に示すように、第1部分61は、絶縁層72の開口部を介して、第2半導体層10nの導通部31に接続している。第1部分61は、複数の導通部31とそれぞれ接続している。第2部分62は、第1方向Yにおいて、第1半導体積層体10の外側に位置する。
【0039】
図8に示す平面視において、第1半導体積層体10は、第1方向Yにおいて、第1導電層50の第2部分52と、第2導電層60の第2部分62との間に位置する。
【0040】
図4に示すように、第1導電層50の第2部分52上には、第1パッド電極15が設けられている。第2部分52は第1パッド電極15と電気的に接続している。第1パッド電極15は、第1導電層50の第2部分52、第1部分51、および第1電極40を通じて、第1半導体層10pと電気的に接続されている。第1パッド電極15は、例えばTi、Pt、およびAuよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1パッド電極15は、例えば、第1導電層50側から順にTi、Pt、Auが積層された積層構造とすることができる。
【0041】
第2導電層60の第2部分62上には、第2パッド電極16が設けられている。第2部分62は第2パッド電極16と電気的に接続している。第2パッド電極16は、第2導電層60の第2部分62および第1部分61を通じて、第2半導体層10nと電気的に接続されている。第2パッド電極16は、上記下第1パッド電極15と同様の材料を用いることができる。第2パッド電極16は、例えば、前述した第1パッド電極15と同様の金属材料を用いた構造とすることができる。
【0042】
次に、第2発光素子2について説明する。
【0043】
図9は、第2発光素子2の模式平面図である。
図10は、
図9のX-X線における模式断面図である。
【0044】
図10に示すように、第2発光素子2の第2半導体積層体110は、基板200の上に設けられている。第1発光素子1の第1半導体積層体10と、第2発光素子2の第2半導体積層体110は、同じ基板200の上に設けることができる。または、第1半導体積層体10と第2半導体積層体110は、それぞれ別の基板の上に設けられてもよい。
【0045】
第2発光素子2の基板200上には、第3導電層150、第4導電層160、第3パッド電極18、および第4パッド電極17が設けられている。第3導電層150と第2半導体積層体110との間、および第4導電層160と第2半導体積層体110との間には、絶縁層172が部分的に設けられている。第3導電層150と基板200との間、および第4導電層160と基板200との間には、第3導電層150および第4導電層160の表面に形成された絶縁層173が設けられている。
【0046】
第2半導体積層体110は、
図5および
図6に示す第1半導体積層体10と同様に構成される。
【0047】
図10に示すように、第2半導体積層体110は、p型の第3半導体層110pと、第2発光層110aと、n型の第4半導体層110nとを有する。第2発光層110aは、第3方向Zにおいて、第3半導体層110pと第4半導体層110nとの間に設けられている。第3半導体層110pは、第3方向Zにおいて、基板200と第2発光層110aとの間に設けられている。
【0048】
第4半導体層110nは、複数の島状の導通部131を有する。導通部131には、第3半導体層110pおよび第2発光層110aが設けられていない。導通部131は、第4導電層160と電気的に接続する部分である。
【0049】
第2半導体積層体110は、第3半導体層110p、第2発光層110a、および第4半導体層110nが積層された部分であるメサ部120を有する。メサ部120は、第3方向Zに沿って見た平面視において、導通部131の周囲を囲んでいる。
【0050】
メサ部120の第3半導体層110pの表面には、第2電極140が設けられている。第2電極140は、第3半導体層110pと電気的に接続している。
【0051】
第3半導体層110pの表面の一部には、第2電極140を覆うように、絶縁膜171が設けられている。絶縁膜171は第2電極140上に開口部を有し、その開口部にて第2電極140と第3導電層150とが接続する。絶縁膜171の開口部が設けられた領域に、第2電極140と第3導電層150とが接続する接続部141が位置する。絶縁層172が、メサ部120の側面および絶縁膜171を覆うように設けられている。
【0052】
絶縁層172と第2半導体積層体110との配置関係は、
図7に示す絶縁層72と第1半導体積層体10との配置関係と同様である。
【0053】
絶縁層172は、第1方向Yにおいて、第2半導体積層体110が位置する部分よりも延出して設けられている。絶縁層172は、複数の第1開口172aと複数の第2開口172bとを有する。第1開口172aには、第4半導体層110nの導通部131が位置する。第2開口172bには、第2電極140の接続部141が位置する。絶縁層172上には、第3導電層150と第4導電層160が設けられている。
【0054】
第3導電層150と第4導電層160との配置関係は、
図8に示す第1導電層50と第2導電層60との配置関係と同様である。
【0055】
第3導電層150は、第1部分151と、第2部分152とを有する。第1部分151と第2部分152とは、同じ材料(例えば金属材料)で一体に形成されている。
【0056】
第1部分151は、絶縁層172および絶縁膜171の開口部を介して、第2電極140の接続部141に接続している。
図9に示すように、複数の接続部141に対応して、複数の第1部分151が設けられている。
【0057】
第2部分152は、第1方向Yにおいて、第2半導体積層体110の外側に位置する。第1部分151は、第2部分152から、第2半導体積層体110側に向かって第1方向Yに沿って延びている。複数の第1部分151は、第2方向Xにおいて、互いに離間している。
【0058】
第4導電層160は、第1部分161と、第2部分162とを有する。第1部分161と第2部分162とは、同じ材料(例えば金属材料)で一体に形成されている。
【0059】
第1部分161は、絶縁層172の開口部を介して、第4半導体層110nの導通部131に接続している。第1部分161は、複数の導通部131とそれぞれ接続している。第2部分162は、第1方向Yにおいて、第2半導体積層体110の外側に位置する。
【0060】
図9に示す平面視において、第2半導体積層体110は、第1方向Yにおいて、第3導電層150の第2部分152と、第4導電層160の第2部分152との間に位置する。
【0061】
図10に示すように、第3導電層150の第2部分152上には、第4パッド電極17が設けられている。第2部分152は第4パッド電極17と電気的に接続している。第4パッド電極17は、第3導電層150の第2部分152、第1部分151、および第2電極140を通じて、第3半導体層110pと電気的に接続されている。
【0062】
第4導電層160の第2部分162上には、第3パッド電極18が設けられている。第2部分162は第3パッド電極18と電気的に接続している。第3パッド電極18は、第4導電層160の第2部分162および第1部分161を通じて、第4半導体層110nと電気的に接続されている。
【0063】
図1に示すように、第1発光素子1の複数の接続部41は、第1半導体積層体10の第3辺13の近傍から第4辺14に向けて第1方向Yに沿って延び、第4辺14よりも第3辺13に近い領域に配置されている。
【0064】
第2発光素子2の複数の接続部141は、第2半導体積層体110の第3辺113の近傍から第4辺114に向けて第1方向Yに沿って延び、第4辺114よりも第3辺113に近い領域に配置されている。第1半導体積層体10における第3辺13から第4辺14に向かう方向と、第2半導体積層体110における第3辺113から第4辺114に向かう方向とは、互いに逆方向である。
【0065】
図4に示す第1発光素子1の第1パッド電極15から供給される電流は、第1導電層50、第1電極40、第1半導体層10p、第1発光層10a、第2半導体層10n、および第2導電層60を通じて、第2パッド電極16に流れる。
【0066】
図1に示すように、第1発光素子1の第2パッド電極16は、導電部材19によって、第2発光素子2の第4パッド電極17と電気的に接続されている。したがって、電流は、導電部材19を通じて、第2パッド電極16から第4パッド電極17に流れる。
【0067】
第4パッド電極17に供給された電流は、
図10に示す第2発光素子2の第3導電層150、第2電極140、第3半導体層110p、第2発光層110a、第4半導体層110n、および第4導電層160を通じて、第3パッド電極18に流れる。
【0068】
第1発光素子1においては、
図4に示す第2半導体層10nの上面91が主発光面となる。第2発光素子2においては、
図10に示す第4半導体層110nの上面92が主発光面となる。
【0069】
図1に示す各要素の配置関係によれば、第1発光素子1と第2発光素子2とを直列接続させつつ並べて配置するにあたって、第1発光素子1の主発光面(発光領域)と、第2発光素子2の主発光面(発光領域)との間に電極パッドが配置されず、隣接する発光素子1、2の主発光面(発光領域)の間に生じる暗部領域を小さくすることができる。
【0070】
図18は、比較例の発光装置における電流の流れを説明するための模式平面図である。
図18において
図1と同じ要素に同じ符号を付している。
【0071】
図18に示す第1半導体積層体10、第2半導体積層体110、第1パッド電極15、第2パッド電極16、第3パッド電極18、および第4パッド電極17の配置関係は、
図1と同じである。
【0072】
図18に示す各要素の配置関係において、第1パッド電極15から、第1半導体積層体10、第2パッド電極16、第4パッド電極17、および第2半導体積層体110を通じて、第3パッド電極18に電流を流す場合、第1半導体積層体10においては太線矢印で表す方向に電流が流れ易くなる。これは、第1パッド電極15から第2パッド電極16に流れる電流が第2半導体積層体110側に集中しやすいために生じる。
【0073】
すなわち、前述した4つの領域25、26、27、28のうち、第1領域25において他の領域26、27、28よりも電流密度が低下しやすい。これは、第1領域25における相対的な輝度の低下、すなわち第1半導体積層体10の主発光面(発光領域)における輝度分布のムラをまねく。
【0074】
本実施形態によれば、
図1に示すように、複数の導通部31を、第1領域25、第2領域26、第3領域27、および第4領域28を含む主発光面の全領域に配置するとともに、第1領域25に設けられた導通部31の密度を、第2領域26に設けられた導通部31の密度、第3領域27に設けられた導通部31の密度、および第4領域28に設けられた導通部31の密度よりも高くしている。第1領域25における導通部31の密度を高くすることで、第1領域25における相対的な電流密度の低下を抑制し、第1半導体積層体10の主発光面(発光領域)における輝度分布のムラを抑制することができる。
【0075】
図11は、
図1に示す要素の配置関係の他の例を示す模式平面図である。
【0076】
この例によれば、第1半導体積層体10の第2半導体層10nは、前述した導通部(第1導通部)31に加えて、複数の島状の第2導通部32を有する。第1導通部31および第2導通部32は円形状に形成され、第2導通部32の直径(第2の直径)の平均径は、第1導通部31の直径(第1の直径)の平均径よりも大きい。第2導通部32は、直径以外は第1導通部31と同じ構成であり、
図4に示す第2導電層60の第1部分61と接続している。
【0077】
そして、第1領域25に設けられた第2導通部32の密度は、第2領域26に設けられた第2導通部32の密度、第3領域27に設けられた第2導通部32の密度、および第4領域28に設けられた第2導通部32の密度よりも高い。
【0078】
第2領域26、第3領域27、および第4領域28には、第1導通部31のみが設けられ、第2導通部32は設けられていない。すなわち、第2領域26、第3領域27、および第4領域28における第2導通部32の密度はゼロである。しかしながら、第2領域26、第3領域27、および第4領域28の少なくともいずれか1つに、第1領域25よりも低い密度で第2導通部32を設けてもよい。
【0079】
図11に示す例では、第1領域25に設けられた第2導通部32の密度を、他の領域26、27、28に設けられた第2導通部32の密度よりも高くしている。これにより、前述したように、他の領域26、27、28よりも電流密度が低くなる傾向にある第1領域25周辺に電流を供給させやすくできる。その結果、第1領域25における相対的な電流密度の低下を抑制し、第1半導体積層体10の主発光面(発光領域)における輝度分布のムラを抑制することができる。
【0080】
図12は、
図1に示す要素の配置関係のさらに他の例を示す模式平面図である。
【0081】
この例によれば、第1電極40は、第3辺13の近傍から第4辺14に向けて第1方向Yに沿って延びる複数の接続部41、42、43、44、45、46を有する。複数の接続部41、42、43、44、45、46は、前述した接続部41と第1方向Yに沿って伸びる長さがそれぞれ異なっている以外は同様に構成され、
図4に示す第1導電層50の第1部分51に接している。
【0082】
第1接続部41は、第2領域26から第1領域25に向けて延び、第1領域25に達する。第2接続部42は、第1接続部41と第1半導体積層体10の第2辺12との間に設けられるとともに、第3領域27から第4領域28に向けて延びる。第2接続部42の第1方向Yにおける長さは、第1接続部41の第1方向Yにおける長さよりも短い。第1接続部41における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離は、第2接続部42における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離よりも短い。第2接続部42は、第4領域28に達していない。
【0083】
第3接続部43は、第2方向Xにおいて、第1接続部41と第2接続部42との間に設けられている。第3接続部43の第1方向Yにおける長さは、第1接続部41の第1方向Yにおける長さよりも短く、第2接続部42の第1方向Yにおける長さよりも長い。第3接続部43における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離は、第1接続部41における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離よりも長く、第2接続部42における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離よりも短い。
【0084】
第4接続部44は、第2方向Xにおいて、第3接続部43と第2接続部42との間に設けられている。第4接続部44の第1方向Yにおける長さは、第3接続部43の第1方向Yの長さよりも短く、第2接続部42の第1方向Yにおける長さよりも長い。第4接続部44における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離は、第3接続部43における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離よりも長く、第2接続部42における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離よりも短い。
【0085】
第5接続部45は、第2方向Xにおいて、第4接続部44と第2接続部42との間に設けられている。第5接続部45の第1方向Yにおける長さは、第4接続部44の第1方向Yの長さよりも短く、第2接続部42の第1方向Yにおける長さよりも長い。第5接続部45における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離は、第4接続部44における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離よりも長く、第2接続部42における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離よりも短い。
【0086】
第6接続部46は、第2方向Xにおいて、第5接続部45と第2接続部42との間に設けられている。第6接続部46の第1方向Yにおける長さは、第5接続部45の第1方向Yの長さよりも短く、第2接続部42の第1方向Yにおける長さよりも長い。第6接続部46における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離は、第5接続部45における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離よりも長く、第2接続部42における第3辺13から遠い側の端部と、第4辺14との最短距離よりも短い。
【0087】
複数の接続部41、42、43、44、45、46の数は6本に限らない。第3辺13の近傍から第1領域25に向けて延びる接続部41の第1方向Yにおける長さが、その接続部41と第2辺12との間に位置する接続部の第1方向Yにおける長さよりも長ければよい。
【0088】
複数の接続部41、42、43、44、45、46の第2方向Xにおける幅は互いに同じである。なお、「同じ」とは、例えばプロセス上生じる程度の違いは含むものとする。
【0089】
接続部41、42、43、44、45、46は、第1電極40と第1導電層50とが接続され、第1パッド電極15からの電流が供給される部分である。
図12に示す例では、第1領域25に向けて延びる接続部41の第1方向Yにおける長さを、他の接続部42、43、44、45、46の第1方向Yにおける長さよりも長くしている。これにより、前述したように、他の領域26、27、28よりも電流密度が低くなる傾向にある第1領域25周辺に電流を供給させやすくできる。その結果、第1領域25における相対的な電流密度の低下を抑制し、第1半導体積層体10の主発光面(発光領域)における輝度分布のムラを抑制することができる。また、本実施形態では、接続部41、42、43、44、45、46の第1方向Yにおける長さを第1領域25から第4領域28に向かって段階的に減少させている。これにより、第1半導体積層体10の主発光面(発光領域)における電流密度の急な変化を抑制し、第1半導体積層体10の主発光面(発光領域)における輝度分布のムラをさらに抑制することができる。
【0090】
図13は、
図1に示す要素の配置関係のさらに他の例を示す模式平面図である。
【0091】
図13は、
図1に示す構成と、
図12に示す構成とを組み合わせた構成を有する。すなわち、第1領域25に設けられた導通部31の密度を、他の領域26、27、28に設けられた導通部31の密度よりも高くし、かつ第1領域25に向けて延びる接続部41の第1方向Yにおける長さを、他の接続部42、43、44、45、46の第1方向Yにおける長さよりも長くしている。この例においても、前述したように、他の領域26、27、28よりも電流密度が低くなる傾向にある第1領域25における相対的な電流密度の低下を抑制し、第1半導体積層体10の主発光面(発光領域)における輝度分布のムラを抑制することができる。
【0092】
図14は、
図1に示す要素の配置関係のさらに他の例を示す模式平面図である。
【0093】
図14は、
図11に示す構成と、
図12に示す構成とを組み合わせた構成を有する。すなわち、第1領域25に設けられた第2導通部32の密度を、他の領域26、27、28に設けられた第2導通部32の密度よりも高くし、かつ第1領域25に向けて延びる接続部41の第1方向Yにおける長さを、他の接続部42、43、44、45、46の第1方向Yにおける長さよりも長くしている。この例においても、前述したように、他の領域26、27、28よりも電流密度が低くなる傾向にある第1領域25における相対的な電流密度の低下を抑制し、第1半導体積層体10の主発光面(発光領域)における輝度分布のムラを抑制することができる。
【0094】
図15は、
図1に示す要素の配置関係のさらに他の例を示す模式平面図である。
【0095】
この例では、第1発光素子1の第2パッド電極16と、第2発光素子2の第4パッド電極17とを一体に形成している。例えば、第2パッド電極16と第4パッド電極17とは一体の金属膜として形成される。このような構造とすることで、第2パッド電極16と第4パッド電極17とを導電部材により接続する工程を行う必要がないため、工程を簡略化することができる。
【0096】
図16は、本発明の他の実施形態の発光装置における主な要素の配置関係を示す模式平面図である。
図17は、
図16に示す発光装置の等価回路図である。
【0097】
この発光装置は、
図1に示す第1発光素子1と第2発光素子2に加えて、さらに第3発光素子3と第4発光素子4を有する。
【0098】
第2発光素子2は、第1領域125と、第2領域126と、第3領域127と、第4領域128とを有する。第1領域125は、第2半導体積層体110の第1辺111と第4辺114とがなす第1角121の周辺に位置する。第2領域126は、第1辺111と第3辺113とがなす第2角122の周辺に位置する。第3領域127は、第2辺112と第3辺113とがなす第3角123の周辺に位置する。第4領域128は、第2辺112と第4辺114とがなす第4角124の周辺に位置する。
【0099】
第3発光素子3は、第1発光素子1と同じ構成を有する。すなわち、第3発光素子3は、第1半導体積層体10と、第1パッド電極15と、第2パッド電極16とを有する。
【0100】
第4発光素子4は、第2発光素子2と同じ構成を有する。すなわち、第4発光素子4は、第2半導体積層体110と、第3パッド電極18と、第4パッド電極17とを有する。
【0101】
第1発光素子1と同様、第3発光素子3の第1半導体積層体10は、第1方向Yにおいて、第1パッド電極15と第2パッド電極16との間に設けられている。第2発光素子2と同様、第4発光素子4の第2半導体積層体110は、第1方向Yにおいて、第3パッド電極18と第4パッド電極17との間に設けられている。
【0102】
第3発光素子3の第1パッド電極15は、第2方向Xにおいて、第2発光素子2の第3パッド電極18に隣接する。第2発光素子2の第3パッド電極18と、第3発光素子3の第1パッド電極15とは、導電部材19によって、電気的に接続されている。
【0103】
第3発光素子3の第2パッド電極16は、第2方向Xにおいて、第2発光素子2の第4パッド電極17に隣接する。第4発光素子4の第4パッド電極17は、第2方向Xにおいて、第3発光素子3の第2パッド電極16に隣接する。第3発光素子3の第2パッド電極16と、第4発光素子4の第4パッド電極17とは、導電部材19によって、電気的に接続されている。
【0104】
第4発光素子4の第3パッド電極18は、第2方向Xにおいて、第3発光素子3の第1パッド電極15に隣接する。
【0105】
図1に示す発光装置の構成が、第2方向Xに隣接している。第1発光素子1、第2発光素子2、第3発光素子3、および第4発光素子4が第2方向Xに並んで配置されている。第1発光素子1の第1半導体積層体10と、第3発光素子3の第1半導体積層体10との間に、第2発光素子2の第2半導体積層体110が位置する。第2発光素子2の第2半導体積層体110と、第4発光素子4の第2半導体積層体110との間に、第3発光素子3の第1半導体積層体10が位置する。
【0106】
図17に示すように、第1発光素子1、第2発光素子2、第3発光素子3、および第4発光素子4は、第1発光素子1の第1パッド電極15と、第4発光素子4の第3パッド電極18との間で直列に接続されている。
【0107】
第1発光素子1の第1パッド電極15に供給された電流は、第1発光素子1の第1半導体積層体10、第1発光素子1の第2パッド電極16、第2発光素子2の第4パッド電極17、第2発光素子2の第2半導体積層体110、第2発光素子2の第3パッド電極18、第3発光素子3の第1パッド電極15、第3発光素子3の第1半導体積層体10、第3発光素子3の第2パッド電極16、第4発光素子4の第4パッド電極17、および第4発光素子4の第2半導体積層体110を通じて、第4発光素子4の第3パッド電極18に流れる。
【0108】
図16に示す各要素の配置関係によれば、第1発光素子1、第2発光素子2、第3発光素子3、および第4発光素子4を直列接続させつつ並べて配置するにあたって、各発光素子1、2、3、4の主発光面(発光領域)の間に電極パッドが配置されず、隣接する発光素子1、2、3、4の主発光面(発光領域)の間に生じる暗部領域を小さくすることができる。
【0109】
第2発光素子2の第1辺111に隣接する第1発光素子1の第2パッド電極16と、第2発光素子2の第2辺112に隣接する第3発光素子3の第1パッド電極15は、第2発光素子2の第2半導体積層体110の2つの対角(第2角122と第4角124)に位置する。そのため、第2発光素子2の第2半導体積層体110においては、第2領域126から第4領域128に向かう方向に電流が流れやすい。
【0110】
そのため、第2発光素子2の第1領域125において、第2領域126および第4領域128よりも電流密度が低下しやすい。そこで、第2発光素子2の第1領域125に設けられた導通部131の密度を、第2領域126に設けられた導通部131の密度、および第4領域128に設けられた導通部131の密度よりも高くすることで、第2発光素子2の第1領域125における相対的な電流密度の低下を抑制し、第2発光素子2の第2半導体積層体110の主発光面(発光領域)における輝度分布のムラを抑制することができる。
【0111】
第2発光素子2の第2半導体積層体110において、第2領域126から第4領域128に向かう方向に電流が流れやすいため、第3領域127においても、第2領域126および第4領域128よりも電流密度が低下しやすい。そのため、第3領域127に設ける導通部131の密度を、第2領域126に設ける導通部131の密度、および第4領域128に設ける導通部131の密度よりも高くしてもよい。
【0112】
第3発光素子3の第1辺11に隣接する第2発光素子2の第3パッド電極18と、第3発光素子3の第2辺12に隣接する第4発光素子4の第4パッド電極17は、第3発光素子3の第1半導体積層体10の2つの対角(第2角22と第4角24)に位置する。そのため、第3発光素子3の第1半導体積層体10においては、第2領域26から第4領域28に向かう方向に電流が流れやすい。
【0113】
そのため、第3発光素子3の第1領域25において、第2領域26および第4領域28よりも電流密度が低下しやすい。そこで、第3発光素子3の第1領域25に設けられた導通部31の密度を、第2領域26に設けられた導通部31の密度、および第4領域28に設けられた導通部31の密度よりも高くすることで、第3発光素子3の第1領域25における相対的な電流密度の低下を抑制し、第3発光素子3の第1半導体積層体10の主発光面(発光領域)における輝度分布のムラを抑制することができる。
【0114】
第3発光素子3の第1半導体積層体10において、第2領域26から第4領域28に向かう方向に電流が流れやすいため、第3領域27においても、第2領域26および第4領域28よりも電流密度が低下しやすい。そのため、第3領域27に設ける導通部31の密度を、第2領域26に設ける導通部31の密度、および第4領域28に設ける導通部31の密度よりも高くしてもよい。
【0115】
本実施形態によれば、第1発光素子1、第2発光素子2、および第3発光素子3における第1半導体積層体10、第2半導体積層体110において、少なくとも第1領域25、125の導通部31、131の密度を、電流が流れやすい対角位置の周辺に位置する第2領域26、126の導通部31、131の密度および第4領域28、128の導通部31、131の密度よりも高くすることで、第1半導体積層体10、第2半導体積層体110の主発光面(発光領域)における電流密度分布の均一化を図り、輝度分布のムラを抑制することができる。
【0116】
【0117】
第2方向Xに並べて配置され、直列接続される発光素子の数は、
図1および
図16に示す数に限らず、3個、または5個以上であってもよい。いずれにしても、電流が流れにくい領域に対して、前述した構成を適用することで、電流密度分布の均一化を図り、輝度分布のムラを抑制することができる。
【0118】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0119】
1…第1発光素子、2…第2発光素子、3…第3発光素子、4…第4発光素子、10…第1半導体積層体、10p…第1半導体層、10a…第1発光層、10n…第2半導体層、11…第1辺、12…第2辺、13…第3辺、14…第4辺、15…第1パッド電極、16…第2パッド電極、17…第4パッド電極、18…第3パッド電極、19…導電部材、21…第1角、22…第2角、23…第3角、24…第4角、25…第1領域、26…第2領域、27…第3領域、28…第4領域、31…導通部(第1導通部)、32…第2導通部、40…第1電極、41…接続部(第1接続部)、42…第2接続部、50…第1導電層、60…第2導電層、110…第2半導体積層体、110p…第3半導体層、110a…第2発光層、110n…第4半導体層、111…第1辺、112…第2辺、113…第3辺、114…第4辺、131…導通部、140…第2電極、141…接続部、150…第3導電層、160…第4導電層