IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新日本無線株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-レギュレータ回路 図1
  • 特許-レギュレータ回路 図2
  • 特許-レギュレータ回路 図3
  • 特許-レギュレータ回路 図4
  • 特許-レギュレータ回路 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-18
(45)【発行日】2022-01-26
(54)【発明の名称】レギュレータ回路
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20220119BHJP
【FI】
G05F1/56 310C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018029444
(22)【出願日】2018-02-22
(65)【公開番号】P2019144922
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】新日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三添 公義
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-165940(JP,A)
【文献】特開2005-084869(JP,A)
【文献】特開2006-318204(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0126760(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子と出力端子の間に接続された第1の導電型の出力トランジスタと、ゲートが基準電圧源を介して接地端子に接続された第1の導電型の第1トランジスタと、ゲートが前記出力端子に接続された第2の導電型の第2トランジスタと、前記第1トランジスタのゲートと前記第2トランジスタのソースとの間に接続された第1抵抗と、前記第1トランジスタのソースと前記第2トランジスタのゲートとの間に接続された第2抵抗と、前記第1トランジスタのドレイン電流に比例した電圧を前記出力トランジスタのゲートに印加するカレントミラー回路と、前記第2トランジスタのドレインと前記入力端子との間に接続された第1電流源と、前記出力トランジスタのゲートと前記接地端子との間に接続された第2電流源と、前記出力トランジスタのゲートにドレインが接続された第2導電型の第4トランジスタと、該第4トランジスタのゲートに固定バイアスを印加する電圧バイアス回路と、前記第4トランジスタのソースと前記出力端子との間に接続された位相補償用のキャパシタと、前記第4トランジスタのソースと前記接地端子との間に接続された第4電流源と、を備えることを特徴とするレギュレータ回路。
【請求項2】
請求項1に記載のレギュレータ回路において、
前記電圧バイアス回路は、ドレインに第3電流源の電流が入力され、ソースに固定電圧が印加され、ドレインとゲートが前記第4トランジスタのゲートに接続された第2導電型の第16トランジスタで構成されていることを特徴とするレギュレータ回路。
【請求項3】
請求項2に記載のレギュレータ回路において、
前記固定電圧は、前記基準電圧源の電圧に所定電圧を加算した電圧であることを特徴とするレギュレータ回路。
【請求項4】
請求項3に記載のレギュレータ回路において、
前記基準電圧源と前記電圧バイアス回路を構成する電圧制限回路は1又は2以上の直列接続のツェナーダイオードで構成されていることを特徴とするレギュレータ回路。
【請求項5】
請求項2乃至4の何れか1つに記載のレギュレータ回路において、
前記第1乃至第4電流源は、1つの基準電流源の電流を元に構成されていることを特徴とするレギュレータ回路。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか1つに記載のレギュレータ回路において、
前記出力トランジスタ、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第4トランジスタ及び前記第16トランジスタをバイポーラトランジスタに置き換え、ソースをエミッタに、ドレインをコレクタに、ゲートをベースに置き換えたことを特徴とするレギュレータ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誤差増幅器を使用せずに出力電圧を一定値に制御するシリーズタイプのレギュレータ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LSIの内部電源生成用のシリーズタイプのレギュレータ回路は、特許文献1~3に記載されているような誤差増幅器を用いた回路がほとんどであった。図5に、従来のレギュレータ回路(特許文献2)を示す。31は入力電圧VINが入力する入力端子、32は出力電圧VREGが出力する出力端子、33は接地端子、34は電流がI31の電流源、35は電圧がVREFの基準電圧源である。
【0003】
誤差増幅器は、差動接続のNMOSトランジスタM31,M32と、そのトランジスタM31,M32の能動負荷としてのカレントミラー接続のPMOSトランジスタM33,M34と、トランジスタM31,M32の共通ソースに接続される電流源としてのNMOSトランジスタM35とで構成されている。トランジスタM31のゲートには出力電圧VREGを抵抗R31,R32で分圧した帰還電圧VFBが入力し、トランジスタM32のゲートには基準電圧源35の電圧VREFが入力することで、それらの帰還電圧VFBと基準電圧VREFが比較される。
【0004】
NMOSトランジスタM36は、トランジスタM35、NMOSトランジスタM37とでカレントミラー回路を構成するトランジスタであり、電流源34の電流I31がトランジスタM35,M37にミラーされる。トランジスタM32,M34の共通ドレインには、帰還電圧VFBと基準電圧VREFの比較結果の電圧が現れて、PMOS出力トランジスタM38のゲートを制御し、入力端子31から出力端子32に流れる電流量を決める。C31は位相補償用のキャパシタである。
【0005】
このレギュレータ回路は、VFB=VREFとなるように誤差増幅器(M31~M35)によって出力トランジスタM38のゲートが制御される。これにより、出力電圧VREGが入力電圧VINの変動に拘わらず一定値に制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-264776号公報
【文献】特開2007-233657号公報
【文献】特開2006-318327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、この図5のレギュレータ回路では、増幅箇所がトランジスタM31~M35による誤差増幅器と出力トランジスタM38による出力回路の2極となるため、出力電圧VREGが印加される負荷が大きくなると位相余裕が少なくなり、発振するおそれがある。また、誤差増幅器の部分に多くの素子が必要となって回路規模が増大し、しかもその誤差増幅器では負荷が増加したときの位相補償が簡単にはできなかった。
【0008】
本発明の目的は、誤差増幅器を不要にして回路構成を簡素化し、また位相補償も簡素化できるようにし、また負荷過度応答性を高くし、さらに位相補償用のキャパシタを低耐圧化できるようようにしたレギュレータ回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、入力端子と出力端子の間に接続された第1の導電型の出力トランジスタと、ゲートが基準電圧源を介して接地端子に接続された第1の導電型の第1トランジスタと、ゲートが前記出力端子に接続された第2の導電型の第2トランジスタと、前記第1トランジスタのゲートと前記第2トランジスタのソースとの間に接続された第1抵抗と、前記第1トランジスタのソースと前記第2トランジスタのゲートとの間に接続された第2抵抗と、前記第1トランジスタのドレイン電流に比例した電圧を前記出力トランジスタのゲートに印加するカレントミラー回路と、前記第2トランジスタのドレインと前記入力端子との間に接続された第1電流源と、前記出力トランジスタのゲートと前記接地端子との間に接続された第2電流源と、前記出力トランジスタのゲートにドレインが接続された第2導電型の第4トランジスタと、該第4トランジスタのゲートに固定バイアスを印加する電圧バイアス回路と、前記第4トランジスタのソースと前記出力端子との間に接続された位相補償用のキャパシタと、前記第4トランジスタのソースと前記接地端子との間に接続された第4電流源と、を備えることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のレギュレータ回路において、前記電圧バイアス回路は、ドレインに第3電流源の電流が入力され、ソースに固定電圧が印加され、ドレインとゲートが前記第4トランジスタのゲートに接続された第2導電型の第16トランジスタで構成されていることを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載のレギュレータ回路において、前記固定電圧は、前記基準電圧源の電圧に所定電圧を加算した電圧であることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載のレギュレータ回路において、前記基準電圧源と前記電圧バイアス回路を構成する電圧制限回路は1又は2以上の直列接続のツェナーダイオードで構成されていることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項2乃至4の何れか1つに記載のレギュレータ回路において、前記第1乃至第4電流源は、1つの基準電流源の電流を元に構成されていることを特徴とする。
請求項6にかかる発明は、請求項2乃至5のいずれか1つに記載のレギュレータ回路において、前記出力トランジスタ、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、前記第4トランジスタ及び前記第16トランジスタをバイポーラトランジスタに置き換え、ソースをエミッタに、ドレインをコレクタに、ゲートをベースに置き換えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、誤差増幅器が不要となるので回路構成を簡素化できる。また、回路系の極が1つになるので位相補償のための回路も簡素化できる。また、出力電圧が急速に変動したときその電圧変動に応じて出力トランジスタが出力電圧を元に戻すように制御されるので、負荷過度応答性を高くすることができる。さらに、位相補償用のキャパシタは出力端子と第4トランジスタのソースとの間に接続されるので、そのキャパシタに印加する電圧を小さくすることができ、そのキャパシタの低耐圧化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の1つの実施例のレギュレータ回路の回路図である。
図2図1のレギュレータ回路の動作特性図である。
図3図1のレギュレータ回路の具体例の回路図である。
図4図3のレギュレータ回路の具体例の回路図である。
図5】従来のレギュレータ回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に本発明の1つの実施例のレギュレータ回路を示す。1は入力電圧VINが入力する入力端子、2は出力電圧VREGが出力する出力端子、3は接地端子、4は電流がI1の第1電流源、5は電流がI2の第2電流源、6は電流がI3の第3電流源、7は電流がI4の第4電流源、8は電圧がVREFの基準電圧源、9、10はカレントミラー回路、11は電圧バイアス回路である。
【0013】
M1はPMOSトランジスタであり、ソースと出力端子2との間に抵抗R2が接続され、ゲートは基準電圧源8と抵抗R1の共通接続点に接続されている。そして、抵抗R1の他端にはNMOSトランジスタM2のソースが接続されている。このトランジスタM2はゲートが出力端子2に接続され、ドレインが電流源4を介して入力端子1に接続されている。トランジスタM1のドレインに流れる電流はカレントミラー回路9によりミラーされて、別のカレントミラー回路10に比例した電流として出力する。M3はソースが入力端子1に接続されドレインが出力端子2に接続された出力用のPMOSトランジスタであり、ゲートがカレントミラー回路10の出力側に接続されている。これにより出力トランジスタM3のゲートには、カレントミラー回路10の出力電流から電流源5の電流I2を差し引いた電流に対応する電圧が印加する。ZD1は出力トランジスタM3のソース・ゲート間の最大電圧値をクランプする保護用のツェナーダイオードである。M4はNMOSトランジスタであり、ドレインが出力トランジスタM3のゲートに接続され、ソースが電流源7に接続され、ゲートが電圧バイアス回路11で固定バイアスされている。このトランジスタM4のソースと出力端子2との間には位相補償用のキャパシタC1が接続されている。
【0014】
さて、初期状態では、接地端子3、入力端子1の順に下位電圧GND、入力電圧VINが印加され、電流源4,5が動作する。その際、出力トランジスタM3は、そのゲートが電流源5の電流I2によりGND電位となるが、ソース・ゲート間に必要な電圧が印加しないのでOFFのままであり、したがって出力端子2の出力電圧VREGはGND電位となる。このとき、トランジスタM2は、そのドレインが電流源4の電流I1により入力端子1の電圧VINとなるが、出力端子2の電圧VREGがGND電位のためOFF状態である。トランジスタM1は、基準電圧源8の電圧VREFがゲートに印加するが、ソースが抵抗R2を介してGND電位の出力端子2に接続されているので、ソース・ゲート間に必要な電圧が印加せず、OFF状態を維持する。従って初期状態では、カレントミラー回路9、10も動作しない。
【0015】
この後、入力電圧VINが徐々に上昇し、出力トランジスタM3のソース・ゲート間電圧がその閾値電圧Vtp3を超え始めると、その出力トランジスタM3が徐々にONし、出力電圧VREGが入力電圧VINの上昇に伴い上昇する。ここで、入力電圧VINが十分に上昇すると、出力トランジスタM3のゲート電圧は入力電圧VINからそのツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZ1分だけ低下した電圧(VIN-VZ1)にクランプされ、その出力トランジスタM3が破壊から保護される。
【0016】
出力電圧VREGが上昇するトランジスタM2がONする。ここで、トランジスタM2の閾値電圧をVtn2、抵抗R1に発生する電圧をVR1とすると、出力電圧VREGの値が、
VREG=VREF+VR1+Vtn2 (1)
に増大し、トランジスタM1のソース・ゲート間電圧がそのトランジスタM1の閾値電圧Vtp1を超えると、そのトランジスタM1が動作を開始し、これによりカレントミラー回路9,10も動作を開始する。
【0017】
このカレントミラー回路9,10の動作開始により、出力トランジスタM3のドレイン側の出力端子2の電圧VREGが、トランジスタM2のゲート→抵抗R1→トランジスタM1のゲート→トランジスタM1のドレイン→カレントミラー回路9→カレントミラー回路10→出力トランジスタM3のゲート→出力トランジスタM3のドレインと伝わるフィードバックループが形成され、出力電圧VREGが安定状態となる。例えば、出力電圧VREGが低下したときは、トランジスタM2,M1の内部抵抗が大きくなってカレントミラー回路9,10の出力電流が小さくなり、出力トランジスタM3の内部抵抗が小さくなって、出力電圧VREGが上昇する。出力電圧VREGが上昇したときは、トランジスタM2,M1の内部抵抗が小さくなってカレントミラー回路9,10の出力電流が大きくなり、出力トランジスタM3の内部抵抗が大きくなって、出力電圧VREGが低下する。以上のようにして、式(1)の関係が維持されるよう安定制御が行われる。
【0018】
さて、上記したように、トランジスタM2のゲートから始まるフィードバックループの中で、増幅動作をしているのは出力トランジスタM3のゲートからドレインへの経路だけであり、したがって、この回路系は1つの極しか有しない。これにより、キャパシタC1及びトランジスタM4と、電流源6及び電圧バイアス回路11で構成されるトランジスタM4のゲートバイアス回路とで位相補償が行われるので、キャパシタC1には小さな容量のものが使用可能である。また、トランジスタM4は、その電圧バイアス回路11によってゲート電圧が固定され、ソースと出力端子2の間の電圧が固定されるので、キャパシタC1を低耐圧化することができる。
【0019】
さらに、出力電圧VREGが急激に変動した場合、出力負荷が重くなったときの出力電圧VREGの電圧下降変動に対しては、変動直後にはキャパシタC1に電圧変化が生じないので、トランジスタM4のソース電圧が下降する方向にシフトして、ゲート電圧が固定されたトランジスタM4のゲート・ソース間電圧が大きくなり、トランジスタM4のドレイン電流が大きくなることで、出力トランジスタM3のゲート電圧が低下して出力電圧VREGが高くなる。
【0020】
逆に、出力負荷が軽くなったときの出力電圧VREGの電圧上昇変動に対しても、変動直後にはキャパシタC1に電圧変化が生じないので、トランジスタM4のソース電圧が上昇する方向にシフトして、ゲート電圧が固定されたトランジスタM4のゲート・ソース間電圧が小さくなり、トランジスタM4のドレイン電流が小さくなることで、出力トランジスタM3のゲート電圧が上昇して出力電圧VREGが低くなる。
【0021】
以上のように、位相補償用のキャパシタC1に蓄積されている電圧によって出力トランジスタM3のゲートが制御されるので、負荷が急激に変動したときでも出力電圧VREGの変動を小さくすることができ、負荷過渡応答性を高くすることができる。
【0022】
図3は、図1のレギュレータ回路におけるカレントミラー回路9,10、電流源4~7、電圧バイアス回路11を具体化した回路である。カレントミラー回路9はNMOSトランジスタM5,M6で構成し、カレントミラー回路10はPMOSトランジスタM7,M8で構成する。電流源4~7は電流がI0の基準電流源12を用いて、NMOSトランジスタのM11,M12で構成したカレントミラー回路を基として構成する。電流源4は、トランジスタM12のドレイン電流をPMOSトランジスタのM9,M10で構成するカレントミラー回路で折り返して伝達したトランジスタM10のドレイン電流を出力電流I1とする。電流源5は、トランジスタM11のゲートを共通としたNMOSトランジスタM13とで構成するカレントミラー回路の当該トランジスタM13のドレイン電流を出力電流I2とする。電流源6は、トランジスタM9のゲートを共通としたPMOSトランジスタM14とで構成するカレントミラー回路の当該トランジスタM14のドレイン電流を出力電流I3とする。電流源7は、トランジスタM11のゲートを共通としたNMOSトランジスタM15とで構成するカレントミラー回路の当該トランジスタM15のドレイン電流を出力電流I4とする。電圧バイアス回路11は、基準電圧源8に接続した電圧制限回路13と、ゲート・ドレインが共通接続されたNMOSトランジスタM16とで構成される。トランジスタM16は、ソースが電圧制限回路13に接続され、ドレインがトランジスタM14のドレインに接続され、ゲートがトランジスタM4のゲート接続される。
【0023】
図3のレギュレータ回路では、トランジスタM4とトランジスタM16のゲート・ソース間電圧がほぼ同じになるように、それらトランジスタM4,M16のドレイン電流やトランジスタサイズを調整すると、トランジスタM4のソース電圧が、基準電圧源8の電圧VREFと電圧制限回路13の電圧VLの合計値とほぼ同じに設定され、トランジスタM4のゲート電圧を一定値に保持することができる。
【0024】
図4は、図3のレギュレータ回路において、基準電圧源8をツェナーダイオードZD2で構成し、電圧制限回路13をツェナーダイオードZD3で構成したものである。このように構成することで、最も回路規模、専有面積を小さくできる。
【0025】
なお、ツェナーダイオードZD1~ZD3は、最適なウェハープロセス工程での熱履歴の問題から、必要な電圧を自由に作り出せない場合もあるため、2以上のツェナーダイオードを直列接続して使用する場合もある。また、以上の実施例では、入力端子1に接地端子3に対して正の入力電圧VINが入力する場合について説明したが、負の入力電圧が入力する場合は、各MOSトランジスタをそれぞれ反対の導電型のトランジスタに置き換えればよい。また、PMOSトランジスタはPNPトランジスタに、NMOSトランジスタはNPNトランジスタにそれぞれ置き換えることができる。このとき、ソースはエミッタに、ドレインはコレクタに、ゲートはベースに置き換える。
【符号の説明】
【0026】
1:入力端子、2:出力端子、3:接地端子、4~7:電流源、8:基準電圧源、9,10:カレントミラー回路、11:電圧バイアス回路、12:電流源、13:電圧制限回路
31:入力端子、32:出力端子、33:接地端子、34:電流源、35:基準電圧源
図1
図2
図3
図4
図5