(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20220120BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220120BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G21/00 310
G03G21/16 104
(21)【出願番号】P 2018008626
(22)【出願日】2018-01-23
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】市橋 治
(72)【発明者】
【氏名】今井 正和
(72)【発明者】
【氏名】春野 克仁
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-042735(JP,A)
【文献】特開2015-225326(JP,A)
【文献】特開2013-037043(JP,A)
【文献】特開2015-176042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/16
G03G 21/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支持部材に張架・支持されて、所定の移動方向に移動するベルト部材と、
前記ベルト部材の表面に付着したトナーを除去するクリーニング部材と、前記クリーニング部材に対して移動方向上流側で前記ベルト部材に当接する可撓性シール部材と、を具備したクリーニング装置と、
を備え、
前記複数の支持部材のうち前記可撓性シール部材に対して移動方向上流側に配置された上流側支持部材が前記ベルト部材に当接する上流側線分と、前記複数の支持部材のうち前記可撓性シール部材に対して移動方向下流側に配置された下流側支持部材が前記ベルト部材に当接する下流側線分と、前記上流側線分の一端側と前記下流側線分の一端側とを結ぶ一端側線分と、前記上流側線分の他端側と前記下流側線分の他端側とを結ぶ他端側線分と、で囲まれる仮想平面領域の領域内で、前記可撓性シール部材が前記ベルト部材に当接
し、
前記上流側支持部材の幅方向の長さをD1として、前記下流側支持部材の幅方向の長さをD2として、前記可撓性シール部材の幅方向の長さをD3として、前記ベルト部材の幅方向の長さをD4としたときに、
D4>D1>D3
D4>D2>D3
なる関係が成立することを特徴とするベルト装置。
【請求項2】
前記ベルト部材は、前記仮想平面領域を含むように、その幅方向の長さが設定されたことを特徴とする請求項1に記載のベルト装置。
【請求項3】
D1≒D2
なる関係が成立することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベルト装置。
【請求項4】
前記クリーニング部材は、前記ベルト部材の表面に当接するクリーニングブレードであって、
前記可撓性シール部材は、前記ベルト部材との隙間を封止するように前記クリーニング装置の筐体に設置され、
前記上流側支持部材は、ローラ部材であって、
前記下流側支持部材は、前記ベルト部材を介して前記クリーニングブレードに圧接するローラ部材であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項5】
前記可撓性シール部材は、喰い込み量が0.1~3mmの範囲で前記ベルト部材に当接することを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載のベルト装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかに記載のベルト装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、中間転写ベルト、転写ベルト、転写搬送ベルト、感光体ベルトなどのベルト部材が設置されたベルト装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置におけるベルト装置において、ベルト部材(中間転写ベルト)に付着したトナーを除去して回収するクリーニング装置が設置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1における画像形成装置は、複数の感光体ドラムにそれぞれ形成されたトナー像が、中間転写ベルト(ベルト部材)の表面に重ねて1次転写される。そして、中間転写ベルトに担持されたトナー像は、2次転写ニップの位置に搬送されるシートに2次転写される。このとき、中間転写ベルトの表面には、シートに2次転写されなかったトナー(未転写トナー)が残留する。そして、中間転写ベルトに残留したトナーが、クリーニング装置によって除去され回収されることになる。
ここで、クリーニング装置の筐体の入口側(上流側)には、クリーニング装置からのトナーの漏出を抑止するために、中間転写ベルトとの隙間を封止する入口シール部材(可撓性シール部材)が設置されている。入口シール部材は、中間転写ベルトに喰い込むように密着して当接している。
【0004】
一方、特許文献1には、クリーニング装置に設置された入口シール部材によるシール性を安定化することを目的として、入口シール部材の自由端根元部の曲げ剛性が自由端先端部の曲げ剛性よりも大きくなるように形成する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のベルト装置は、ベルト部材にシワが生じてしまって、可撓性シール部材とベルト部材とに隙間が生じてしまうことがあった。そして、そのように隙間が生じてしまうことにより、可撓性シール部材によるシール性が低下して、クリーニング装置からトナーが漏出してしまうことがあった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ベルト部材にシワが生じてしまっても、可撓性シール部材とベルト部材とに隙間が生じてしまう不具合が生じにくい、ベルト部材、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明における画像形成装置は、複数の支持部材に張架・支持されて、所定の移動方向に移動するベルト部材と、前記ベルト部材の表面に付着したトナーを除去するクリーニング部材と、前記クリーニング部材に対して移動方向上流側で前記ベルト部材に当接する可撓性シール部材と、を具備したクリーニング装置と、を備え、前記複数の支持部材のうち前記可撓性シール部材に対して移動方向上流側に配置された上流側支持部材が前記ベルト部材に当接する上流側線分と、前記複数の支持部材のうち前記可撓性シール部材に対して移動方向下流側に配置された下流側支持部材が前記ベルト部材に当接する下流側線分と、前記上流側線分の一端側と前記下流側線分の一端側とを結ぶ一端側線分と、前記上流側線分の他端側と前記下流側線分の他端側とを結ぶ他端側線分と、で囲まれる仮想平面領域の領域内で、前記可撓性シール部材が前記ベルト部材に当接し、前記上流側支持部材の幅方向の長さをD1として、前記下流側支持部材の幅方向の長さをD2として、前記可撓性シール部材の幅方向の長さをD3として、前記ベルト部材の幅方向の長さをD4としたときに、
D4>D1>D3
D4>D2>D3
なる関係が成立するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ベルト部材にシワが生じてしまっても、可撓性シール部材とベルト部材とに隙間が生じてしまう不具合が生じにくい、ベルト部材、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図3】中間転写ベルト装置とその近傍とを示す概略図である。
【
図4】中間転写クリーニング装置とその近傍とを示す拡大図である。
【
図6】可撓性シール部材と2次転写対向ローラとクリーニング対向ローラと中間転写ベルトとを幅方向に示す概略図である。
【
図7】比較例としての、可撓性シール部材と2次転写対向ローラとクリーニング対向ローラと中間転写ベルトとを幅方向に示す概略図である。
【
図8】変形例としての、可撓性シール部材と2次転写対向ローラとクリーニング対向ローラと中間転写ベルトとを幅方向に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、
図1及び
図2にて、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、
図2はその作像部の一部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、ベルト装置としての中間転写ベルト装置10が設置されている。また、中間転写ベルト装置10(中間転写ベルト8)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
【0012】
図2を参照して、イエローに対応した作像部6Yは、感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Y(感光体)の周囲に配設された帯電部4Y、現像部5Y、クリーニング部2Y、潤滑剤供給部3、除電部、等で構成されている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0013】
なお、他の3つの作像部6M、6C、6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6M、6C、6Kの説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0014】
図2を参照して、感光体ドラム1Yは、メインモータによって反時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での幅方向(
図1、
図2の紙面垂直方向であって、主走査方向である。)の露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0015】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像部5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト8の表面に1次転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながらトナー(未転写トナー)が残留する。
【0016】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残留した未転写トナーがクリーニングブレード2aによってクリーニング部2Y内に回収される(クリーニング工程である。)。
ここで、クリーニング部2Yの内部には、潤滑剤供給ローラ3a、固形潤滑剤3b、圧縮スプリング3cなどからなる潤滑剤供給部3が内設されている。そして、
図2の時計方向に回転する潤滑剤供給ローラ3aによって、固形潤滑剤3bから潤滑剤が少量ずつ削られて、潤滑剤供給ローラ3aによって感光体ドラム1Yの表面に潤滑剤が供給されることになる。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0017】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M、6C、6Kでも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部の上方に配設された露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6M、6C、6Kの感光体ドラム1M、1C、1K上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。なお、露光部7として複数のLEDを幅方向に並べて配置したものを用いてもよい。
その後、各現像部5M、5C、5Kによる現像工程を経て各感光体ドラム1M、1C、1K上に形成した各色のトナー像を、ベルト部材としての中間転写ベルト8上に重ねて1次転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0018】
ここで、
図3、
図4をも参照して、中間転写ベルト8は、複数の支持部材としてのローラ部材16~23によって張架・支持されるとともに、駆動モータによる1つのローラ部材(駆動ローラ16)の回転駆動によって
図3中の矢印方向に無端移動されるベルト部材である。
4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の極性の転写電圧(1次転写バイアス)が印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印で示す移動方向に移動して、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8の表面に重ねて1次転写される(1次転写工程である。)。
【0019】
その後、各色のトナー像が重ねて1次転写された中間転写ベルト8は、2次転写ベルト72との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ18が、2次転写ローラ70との間に中間転写ベルト8と2次転写ベルト72とを挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に2次転写される(2次転写工程である。)。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかったトナー(未転写トナー)が残留する。
【0020】
その後、中間転写ベルト8(ベルト部材)は、クリーニング装置としての中間転写クリーニング装置30の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8の表面に付着したトナー(未転写トナー)などの付着物が除去される。
さらに、中間転写ベルト8は、
図4に示す潤滑剤供給装置35(本実施の形態では、中間転写クリーニング装置30に内設されている。)の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8の表面に潤滑剤が供給される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0021】
ここで、
図1を参照して、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が
図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPが第1搬送経路K1を経由してレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0022】
レジストローラ対28(タイミングローラ対)に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0023】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、2次転写ベルト72によって搬送されて、2次転写ベルト72から分離された後に、搬送ベルト60によって定着部50の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着工程である。)。
その後、シートPは、第2搬送経路K2を経由して、排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成動作(プリント動作)が完了する。
【0024】
なお、シートPの両面(オモテ面とウラ面とである。)へのプリントをおこなう「両面プリントモード」が選択されている場合には、オモテ面への定着工程が終了したシートPは、上述した「片面プリントモード」が選択されているときのようにそのまま排紙されることなく、第3搬送経路K3に導かれて、その搬送方向が反転された後に、第4搬送経路K4を経由して再び2次転写ニップ(2次転写装置69)の位置に向けて搬送される。そして、2次転写ニップの位置で先に説明したものと同様の画像形成プロセス(画像形成動作)によってシートPのウラ面への画像形成がおこなわれ、その後に定着部50での定着工程を経て、第2搬送経路K2を経由して、画像形成装置本体100から排出される。
【0025】
次に、
図2にて、作像部における現像部5Y(現像装置)の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
【0026】
このように構成された現像部5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、
図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像部5Y内の現像剤Gは、現像剤G中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。具体的に、現像部5Yに設置されたトナー濃度センサによってトナー濃度が低い状態が検知されたときには、トナー濃度が所定の範囲内になるように、トナー容器58から現像部5Y内に新品トナーが補給される。
その後、トナー容器58から現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(
図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0027】
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、
図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部の上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
なお、トナー容器58は、現像部5Y(画像形成装置100)に対して着脱可能(交換可能)に設置されている。そして、トナー容器58は、その内部に収容された新品のトナーが空になると、現像部5Y(画像形成装置100)から取り外されて新品のものに交換されることになる。
【0028】
次に、
図3、
図4等を用いて、本実施の形態における中間転写ベルト装置10(ベルト装置)について詳述する。
図3を参照して、ベルト装置としての中間転写ベルト装置10は、ベルト部材としての中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K 、駆動ローラ16、転写前ローラ17、2次転写対向ローラ18、クリーニング対向ローラ19、潤滑剤対向ローラ20、テンションローラ21、バックアップローラ22、従動ローラ23、中間転写クリーニング装置30(クリーニング装置)、2次転写装置69、等で構成される。
ベルト部材としての中間転写ベルト8は、各色のトナー像をそれぞれ担持する4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに当接して1次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8は、主として8つのローラ部材(駆動ローラ16、転写前ローラ17、2次転写対向ローラ18、クリーニング対向ローラ19、潤滑剤対向ローラ20、テンションローラ21、バックアップローラ22、従動ローラ23、である。)によって張架され支持されている。
【0029】
本実施の形態において、中間転写ベルト8は、PVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、等を単層又は複数層に構成して、カーボンブラック等の導電性材料を分散させたものである。中間転写ベルト8は、体積抵抗率が106~1013Ωcm、ベルト裏面側の表面抵抗率が107~1013Ωcmの範囲となるように調整されている。また、中間転写ベルト8は、厚さが20~200μmの範囲となるように設定されている。本実施の形態では、中間転写ベルト8の厚さが60μm程度に、体積抵抗率が109Ωcm程度に、設定されている。
なお、必要に応じて中間転写ベルト8の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
【0030】
1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を介して対応する感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに当接している。詳しくは、イエロー用の転写ローラ9Yは中間転写ベルト8を介してイエロー用の感光体ドラム1Yに当接して、マゼンタ用の転写ローラ9Mは中間転写ベルト8を介してマゼンタ用の感光体ドラム1Mに当接して、シアン用の転写ローラ9Cは中間転写ベルト8を介してシアン用の感光体ドラム1Cに当接して、ブラック用(黒色用)の転写ローラ9Kは中間転写ベルト8を介してブラック用(黒色用)の感光体ドラム1Kに当接している。1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、芯金上に導電性スポンジ層が形成された弾性ローラであって、体積抵抗が106~1012Ω(好ましくは、107~109Ω)の範囲となるように調整されている。
【0031】
駆動ローラ16は、4つの感光体ドラムに対して中間転写ベルトの移動方向下流側の位置で、中間転写ベルト8が120度程度の巻付角度で巻き付けられた状態で中間転写ベルト8の内周面に当接するように配置されている。駆動ローラ16は、駆動モータによって
図3の時計方向に回転駆動される。これにより、中間転写ベルト8は所定の移動方向(
図3の時計方向である。)に移動(走行)することになる。
【0032】
従動ローラ23は、4つの感光体ドラムに対して中間転写ベルト8の移動方向上流側の位置で、中間転写ベルト8が180度程度の巻付角度で巻き付けられた状態で中間転写ベルト8の内周面に当接するように配置されている。中間転写ベルト8において、従動ローラ23から駆動ローラ16に至る部分は、ほぼ水平面になるように設定されている。従動ローラ23は、中間転写ベルト8の移動にともない
図3の時計方向に従動回転する。
【0033】
テンションローラ21は、中間転写ベルト8の外周面に当接している。転写前ローラ17、2次転写対向ローラ18(上流側支持部材)クリーニング対向ローラ19(下流側支持部材)、潤滑剤対向ローラ20、バックアップローラ22は、中間転写ベルト8の内周面に当接している。
2次転写対向ローラ18と潤滑剤対向ローラ20との間には、中間転写ベルト8を介してクリーニング対向ローラ19に当接するようにクリーニングブレード32(クリーニング部材)が設置されている。なお、クリーニングブレード32が設置された中間転写クリーニング装置30については、後でさらに詳しく説明する。
クリーニング対向ローラ19とテンションローラ21との間には、中間転写ベルト8を介して潤滑剤対向ローラ20に当接するように潤滑剤供給装置35(中間転写潤滑剤供給装置)が設置されている。
図4に示すように、潤滑剤供給装置35は、感光体ドラム用の潤滑剤供給部3と同様に、潤滑剤供給ローラ36、固形潤滑剤37、圧縮スプリング38などからなる。そして、
図4の反時計方向に回転する潤滑剤供給ローラ36によって、固形潤滑剤37から潤滑剤が少量ずつ削られて、潤滑剤供給ローラ36によって中間転写ベルト8の表面に潤滑剤が供給されることになる。
駆動ローラ16とテンションローラ21とを除くローラ部材17~20、22、23は、いずれも、中間転写ベルト8の移動にともない
図3の時計方向に従動回転する。テンションローラ21は、中間転写ベルト8の移動にともない
図3の反時計方向に従動回転する。
【0034】
図3を参照して、2次転写対向ローラ18は、中間転写ベルト8と2次転写ベルト72とを介して2次転写ローラ70に当接している。2次転写対向ローラ18は、ステンレス鋼等からなる円筒状の芯金の外周面に、体積抵抗が10
7~10
8Ω程度で、硬度(JIS-A硬度)が48~58度程度のNBRゴムからなる弾性層83(層厚は5mm程度である。)が形成されたものである。
【0035】
また、本実施の形態において、2次転写対向ローラ18は、電源部に電気的に接続されていて、その電源部から-5kV程度の高圧電圧となる2次転写バイアスが印加される。この2次転写対向ローラ18に印加される2次転写バイアスは、2次転写ニップに搬送されるシートPに、中間転写ベルト8の表面に1次転写されたトナー像を2次転写するためのものであって、トナーの極性と同じ極性(本実施の形態ではマイナス極性である。)の2次転写バイアス(直流電圧)である。これにより、中間転写ベルト8のトナー担持面(外周面)に担持されたトナーが、2次転写電界によって2次転写対向ローラ18側から2次転写装置69側に向かって静電移動することになる。なお、本実施の形態では、2次転写バイアスとして直流電圧を用いたが、2次転写バイアスとして直流電圧と交流電圧とを重畳したものを用いることもできる。
【0036】
図3を参照して、2次転写装置69は、2次転写ベルト72、2次転写ローラ70、分離ローラ71、2次転写ブレード73、等で構成される。
2次転写ベルト72は、複数のローラ部材(2次転写ローラ70と分離ローラ71とである。)に張架・支持された無端ベルトであって、中間転写ベルト8とほぼ同じ材料で形成されている。2次転写ベルト72は、中間転写ベルト8に当接して2次転写ニップを形成するとともに、2次転写ニップから送出されたシートPを搬送するものである。
2次転写ローラ70は、2次転写対向ローラ18との間に中間転写ベルト8と2次転写ベルト72とを挟んで2次転写ニップを形成している。
分離ローラ71は、
図3の反時計方向に移動する2次転写ベルト72に沿うように搬送されたシートPを、2次転写ベルト72から分離(曲率分離)されるためのものである。
2次転写ブレード73は、2次転写ベルト72の表面に当接して、2次転写ベルト72の表面に付着したトナーや紙粉などの異物を除去するものである。
【0037】
以下、本実施の形態におけるベルト装置としての中間転写ベルト装置10の、特徴的な構成・動作について詳述する。
先に
図3、
図4等を用いて説明したように、本実施の形態における中間転写ベルト装置10(ベルト装置)には、ベルト部材としての中間転写ベルト8や、クリーニング装置としての中間転写クリーニング装置30などが設置されている。
中間転写ベルト8(ベルト部材)は、複数の支持部材としてのローラ部材16~23に張架・支持されていて、
図3、
図4の矢印で示す所定の移動方向に移動する。
【0038】
図4に示すように、中間転写クリーニング装置30(クリーニング装置)は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード32や、可撓性シール部材33(入口シール)や、潤滑剤供給装置35などで構成されている。
クリーニングブレード32は、中間転写ベルト8の表面に所定の角度及び圧力で当接していて、中間転写ベルト8の表面に付着したトナー(未転写トナー)を除去するクリーニング部材として機能するものである。クリーニングブレード32は、中間転写クリーニング装置30の筐体31に、ホルダを介して保持されている。また、クリーニング対向ローラ19は、中間転写ベルト8を介してクリーニングブレード32に圧接している。
【0039】
可撓性シール部材33は、
図4において破線で囲んで示すように、クリーニングブレード32に対して移動方向上流側で中間転写ベルト8に当接している。可撓性シール部材33は、中間転写ベルト8との隙間を封止するように、中間転写クリーニング装置30の筐体31に設置されている。
さらに詳しくは、可撓性シール部材33は、上流側支持部材としての2次転写対向ローラ18の下流側であって、下流側支持部材としてのクリーニング対向ローラ19の上流側で、その先端部(自由端側)が中間転写ベルト8の外周面に幅方向にわたって当接するように配置されている。可撓性シール部材33の根元部(固定端側)は、筐体31に保持されたホルダ34(金属材料で形成された板状部材である。)に貼着されている。また、可撓性シール部材33は、発泡ポリウレタンなどからなり、厚さが0.1~1.5mm程度の略矩形のシート状部材である。
このように、中間転写クリーニング装置30の筐体31の入口側(上流側)の開口部に、中間転写ベルト8との隙間を封止する可撓性シール部材33を設置することで、筐体31内に回収されたトナー(未転写トナー)が、その隙間から外部に漏出する不具合を軽減することができる。
【0040】
また、
図5を参照して、本実施の形態において、可撓性シール部材33は、喰い込み量Xが0.1~3mmの範囲で中間転写ベルト8に当接するように設定されている。すなわち、可撓性シール部材33は、0.1~3mm程度の喰い込み量Xで、中間転写ベルト8に喰い込むように密着して当接している。
なお、「喰い込み量X」とは、可撓性シール部材33に中間転写ベルト8(ベルト部材)が当接していない状態で、中間転写ベルト8の配置が予定される位置(
図5において破線で示す位置である。)から先端側に突出する長さXをいうものとする。
可撓性シール部材33の喰い込み量Xを上述した範囲に設定することで、可撓性シール部材33によるシール性がさらに向上することになる。
【0041】
ここで、
図6を参照して、本実施の形態における中間転写ベルト装置10(ベルト装置)において、複数のローラ部材16~23(支持部材)のうち、上流側支持部材としての2次転写対向ローラ18(可撓性シール部材33に対して移動方向上流側に配置されたローラ部材である。)が、中間転写ベルト8に当接する部分を、上流側線分S1とする。また、複数のローラ部材16~23(支持部材)のうち、下流側支持部材としてのクリーニング対向ローラ19(可撓性シール部材33に対して移動方向下流側に配置されたローラ部材である。)が、中間転写ベルト8に当接する部分を、下流側線分S2とする。また、上流側線分S1の一端側と、下流側線分S2の一端側と、を結んだ部分を、一端側線分S3とする。また、上流側線分S1の他端側と、下流側線分S2の他端側と、を結んだ部分を、他端側線分S4とする。このとき、上流側線分S1と、下流側線分S2と、一端側線分S3と、他端側線分S4と、で囲まれる仮想平面領域Mの領域内で、可撓性シール部材33が中間転写ベルト8に当接するように、中間転写ベルト装置10が構成されている。
すなわち、
図6において破線で示す可撓性シール部材33の当接部(中間転写ベルト8に当接する線分である。)が、
図7に示すように仮想平面領域Mからはみ出すことなく、仮想平面領域M内に収まることになる。
なお、仮想平面領域Mは、中間転写ベルト8の厚さ分は無視するものとする。すなわち、中間転写ベルト8の内周面側に仮想平面領域Mが形成される場合に、中間転写ベルト8の外周面側にもベルト厚さ分だけ平行移動した仮想平面領域Mが存在するものとする。
【0042】
このように構成することにより、中間転写ベルト8にシワが生じてしまって、中間転写ベルト8の表面に凹凸が形成されてしまっても、可撓性シール部材33と中間転写ベルト8とに隙間が生じて密着性が損なわれて、可撓性シール部材33のシール性の低下により中間転写クリーニング装置30からトナーが漏出してしまう不具合が生じにくくなる。
【0043】
詳しくは、中間転写ベルト8は、一端側線分S3と他端側線分S4との位置で、幅方向中央側と幅方向端部側との張力のバランスが崩れることにより、シワが生じやすくなる。このような現象は、2次転写対向ローラ18とクリーニング対向ローラ19との関係に限定されることなく、隣り合う2つのローラ部材との関係において生じるものであるが、2次転写対向ローラ18とクリーニング対向ローラ19との間には可撓性シール部材33が配置されていて、可撓性シール部材33のシール性が中間転写ベルト8のシワの有無に大きく影響されるため、無視できない問題となる。すなわち、
図7に示すように、可撓性シール部材33の当接部が、シワが生じやすい一端側線分S3や他端側線分S4にオーバーラップするように構成してしまうと、一端側線分S3や他端側線分S4に相当する位置で可撓性シール部材33と中間転写ベルト8との間に隙間ができてしまって、その隙間からトナーが漏出してしまうことになる。
これに対して、本実施の形態では、可撓性シール部材33の当接部が、シワが生じやすい一端側線分S3や他端側線分S4にオーバーラップしないように構成して、可撓性シール部材33が中間転写ベルト8のシワが生じにくい領域(仮想平面領域M)で中間転写ベルト8に当接するようにしているため、そのような不具合が生じにくくなる。
【0044】
特に、本実施の形態において、中間転写ベルト8は、上述した仮想平面領域Mを含むように、その幅方向の長さD4が設定されている。
すなわち、
図6に示すように、中間転写ベルト8の幅方向の範囲D4内に、2次転写対向ローラ18(幅方向の範囲D1)や、クリーニング対向ローラ19(幅方向の範囲D2)が含まれるように構成されている。
このように構成することで、中間転写ベルト8は、2次転写対向ローラ18やクリーニング対向ローラ19から脱落しにくくなるものの、2次転写対向ローラ18やクリーニング対向ローラ19のローラ部に接触しない部分が必ず形成されることになるため、一端側線分S3や他端側線分S4のシワが形成されやすくなる。そのため、上述したように、可撓性シール部材33が仮想平面領域Mで中間転写ベルト8に当接するように構成することによる効果が発揮されやすくなる。
なお、中間転写ベルト8の幅方向の範囲D4が、2次転写対向ローラ18の幅方向の範囲D1や、クリーニング対向ローラ19の幅方向の範囲D2に含まれるように形成した場合であっても、中間転写ベルト8に一端側線分S3や他端側線分S4の位置までに達するベルト寄りが生じてしまったときには、その位置でシワが発生することになるため、本発明の構成を適用する意義は充分にある。
【0045】
ここで、
図6に示すように、本実施の形態では、2次転写対向ローラ18(上流側支持部材)の幅方向の長さをD1として、クリーニング対向ローラ19(下流側支持部材)の幅方向の長さをD2として、可撓性シール部材33の幅方向の長さをD3として、中間転写ベルト8の幅方向の長さをD4としたときに、
D4>D1>D3
D4>D2>D3
D1≒D2
なる関係が成立するように構成されている。
これにより、設計上、可撓性シール部材33を仮想平面領域Mで中間転写ベルト8に当接するように構成しやすくなる。
【0046】
<変形例>
図8は、変形例としての中間転写ベルト装置10における可撓性シール部材33と2次転写対向ローラ18とクリーニング対向ローラ19と中間転写ベルト8とを幅方向に示す概略図であって、本実施の形態における
図6に対応する図である。
図8に示すように、変形例における中間転写ベルト装置10は、2次転写対向ローラ18(上流側支持部材)の幅方向の長さをD1として、クリーニング対向ローラ19(下流側支持部材)の幅方向の長さをD2として、可撓性シール部材33の幅方向の長さをD3として、中間転写ベルト8の幅方向の長さをD4としたときに、
D4>D1>D3
D4>D2>D3
なる関係は成立するものの、D1≒D2なる関係が成立しないように構成されている。具体的に、変形例では、D1>D2となるように構成されている。
このような場合であっても、上流側線分S1と下流側線分S2と一端側線分S3と他端側線分S4とで囲まれる仮想平面領域Mの領域内で、可撓性シール部材33が中間転写ベルト8に当接するように構成することで、本実施の形態のものと同様の効果をえることができる。
なお、変形例でD1>D2なる関係が成立するように構成したが、D1<D2なる関係が成立するように構成した場合であっても、可撓性シール部材33が仮想平面領域Mで中間転写ベルト8に当接するように構成することで、同様の効果を得ることができる。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態における中間転写ベルト装置10(ベルト装置)は、複数のローラ部材16~23(支持部材)のうち可撓性シール部材33に対して移動方向上流側に配置された2次転写対向ローラ18(上流側支持部材)が中間転写ベルト8(ベルト部材)に当接する上流側線分S1と、複数のローラ部材16~23のうち可撓性シール部材33に対して移動方向下流側に配置されたクリーニング対向ローラ19(下流側支持部材)が中間転写ベルト8に当接する下流側線分S2と、上流側線分S1の一端側と下流側線分S2の一端側とを結ぶ一端側線分S3と、上流側線分S1の他端側と下流側線分S2の他端側とを結ぶ他端側線分S4と、で囲まれる仮想平面領域Mの領域内で、可撓性シール部材33が中間転写ベルト8に当接している。
これにより、中間転写ベルト8にシワが生じてしまっても、可撓性シール部材33と中間転写ベルト8とに隙間が生じてしまう不具合を生じにくくすることができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、ベルト部材としての中間転写ベルト8と、ベルト部材に付着したトナーを除去するクリーニング装置としての中間転写クリーニング装置30と、が設置された中間転写ベルト装置10に対して、本発明を適用した。これに対して、ベルト部材として感光体ベルト、転写搬送ベルト、転写ベルトと、そのベルト部材に付着したトナーを除去するクリーニング装置と、が設置されたベルト装置(例えば、本実施の形態における2次転写装置69である。)に対しても、当然に、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、カラー画像を形成する画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、モノクロ画像のみを形成する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0049】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0050】
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(感光体)、
8 中間転写ベルト(ベルト部材)、
10 中間転写ベルト装置(ベルト装置)、
18 2次転写対向ローラ(上流側支持部材)、
19 クリーニング対向ローラ(下流側支持部材)、
30 中間転写クリーニング装置(クリーニング装置)、
31 筐体、
32 クリーニングブレード(クリーニング部材)、
33 可撓性シール部材、
34 ホルダ、
35 潤滑剤供給装置、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
X 喰い込み量、
S1 上流側線分、 S2 下流側線分、
S3 一端側線分、 S4 他端側線分、
M 仮想平面領域。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】