(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-19
(45)【発行日】2022-01-27
(54)【発明の名称】ホール素子
(51)【国際特許分類】
H01L 43/04 20060101AFI20220120BHJP
H01L 43/06 20060101ALI20220120BHJP
G01R 33/02 20060101ALI20220120BHJP
G01R 33/07 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
H01L43/04
H01L43/06 D
G01R33/02 U
G01R33/07
(21)【出願番号】P 2017058038
(22)【出願日】2017-03-23
【審査請求日】2020-02-06
(31)【優先権主張番号】P 2016225559
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】赤木 剛
(72)【発明者】
【氏名】古屋 貴明
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-058421(JP,A)
【文献】特開2016-103533(JP,A)
【文献】特表2015-514207(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0002140(US,A1)
【文献】特開昭62-088383(JP,A)
【文献】特開2009-010288(JP,A)
【文献】特開2010-101648(JP,A)
【文献】特開2015-035482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 43/04
H01L 43/06
G01R 33/02
G01R 33/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成された感磁部と
前記感磁部上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された電極部と、
前記電極部上に設けられ、前記電極部と電気的に接続されたボール部と
を備え、
複数の前記電極部と、複数の前記ボール部とがそれぞれ対応するように配置され、
平面視で、
複数の前記ボール部
の全てが、前記感磁部に重なるように配置され、
平面視で、
複数の前記ボール部
の全てが前記感磁部に重なる領域を示す投影面積
の和は、前記感磁部の面積の10%以上を占める
ホール素子。
【請求項2】
基板と、
前記基板上に形成された感磁部と
前記感磁部上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された電極部と、
前記電極部上に設けられ、前記電極部と電気的に接続されたボール部と
前記絶縁膜を貫通し、前記電極部と前記感磁部とを電気的に接続するコンタクト
を備え、
複数の前記電極部と、複数の前記ボール部とがそれぞれ対応するように配置され、
平面視で、
複数の前記ボール部の
全てが前記感磁部に重なる領域を示す投影面積
の和は、前記感磁部の投影面積の10%以上を占め、
前記ボール部は、前記コンタクト上に形成されている
ホール素子。
【請求項3】
複数の前記ボール部の前記投影面積
の和は、前記感磁部の投影面積の20%以上を占める
請求項1又は2に記載のホール素子。
【請求項4】
前記ボール部と電気的に接続され、前記ボール部から前記電極部の上面と垂直な方向に引き延ばされたボンディングワイヤを更に備える
請求項1から3のいずれか一項に記載のホール素子。
【請求項5】
前記ボンディングワイヤは、前記電極部の一面から前記ボール部の直径の5%以上垂直に引き延ばされている
請求項4に記載のホール素子。
【請求項6】
前記ボール部は、金
ボールである
請求項1から5のいずれか一項に記載のホール素子。
【請求項7】
前記電極部上に設けられ、ボンディングワイヤと接続されていないダミーボールを更に備える
請求項1から6のいずれか一項に記載のホール素子。
【請求項8】
前記絶縁膜を貫通し、前記電極部と前記感磁部とを電気的に接続するコンタクトを更に備え、
前記ボール部は、前記コンタクト上に形成されている
請求項1に記載のホール素子。
【請求項9】
前記感磁部が矩形の平面形状を有する請求項1から8のいずれか一項に記載のホール素子。
【請求項10】
前記ボール部の少なくとも一つは、平面視における前記感磁部の中心と前記電極部が前記感磁部と接する部分の中心とを通る断面で観察した際に、前記電極部が前記感磁部と接する部分の中心よりも前記感磁部の中心側に設けられる請求項1から9のいずれか一項に記載のホール素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホール素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感磁部を有するホール素子において、パッド電極上にボール部を有することが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
特許文献1 特開昭60-175471号公報
特許文献2 特開昭62-12974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のホール素子では、感磁部に入射する光により、ホール素子の特性変動が生じる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、基板と、基板上に形成された感磁部と感磁部上に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成された電極部と、電極部上に設けられ、電極部と電気的に接続されたボール部とを備え、平面視で、ボール部の投影面積は、感磁部の投影面積の10%以上を占めるホール素子を提供する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】実施例1に係るホール素子100の平面図の一例を示す。
【
図1B】ホール素子100のA-A'断面の一例を示す。
【
図1C】ホール素子100のB-B'断面の一例を示す。
【
図1D】実施例1に係るホール素子100の中央領域23の一例である。
【
図1E】電極部31~電極部34の構成の一例を示す平面図である。
【
図2A】ホールセンサ200の平面図の一例を示す。
【
図2B】ホールセンサ200の断面図の一例である。
【
図3】比較例1に係るホール素子500の構成を示す。
【
図4】実施例2に係るホール素子100の構成の一例を示す。
【
図5】実施例3に係るホール素子100の構成の一例を示す。
【
図6A】比較例2に係る感磁部520の平面形状を説明するための模式図である。
【
図6B】比較例2に係る感磁部520の平面形状を説明するための模式図である。
【
図7A】感磁部20およびコンタクト50の拡大図の一例を示す。
【
図7B】感磁部20およびコンタクト50の拡大図の一例を示す。
【
図9A】ホール素子100の製造方法の一例を示す。
【
図9B】ホール素子100の製造方法の一例を示す。
【
図9C】ホール素子100の製造方法の一例を示す。
【
図9D】ホール素子100の製造方法の一例を示す。
【
図9E】ホール素子100の製造方法の一例を示す。
【
図9F】ホール素子100の製造方法の一例を示す。
【
図10A】ホールセンサ200の平面図の一例を示す。
【
図10B】ホールセンサ200の断面図の一例である。
【
図11】ボール部60を有するホール素子100の拡大図の一例を示す。
【
図12】ダミーボール65を有するホール素子100の拡大図の一例を示す。
【
図13】ホール素子100の断面形状の一例を示す。
【
図14】ホール素子100の断面形状の一例を示す。
【
図15】ホール素子100の断面形状の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
[実施例1]
図1Aは、実施例1に係るホール素子100の平面図の一例を示す。
図1Bは、ホール素子100のA-A'断面の一例を示す。
図1Cは、ホール素子100のB-B'断面の一例を示す。本例のホール素子100は、基板10、感磁部20、電極部31~電極部34、絶縁膜40およびコンタクト50を備える。本例の感磁部20は、導電層21および表面層22を備える。電極部31~電極部34およびコンタクト50は、導電部を構成する。
【0009】
基板10は、Siや化合物半導体等の半導体基板である。本例の基板10は、GaAs基板である。一例において、GaAs基板の抵抗率は1.0×105Ω・cm以上である。GaAs基板10の抵抗率の上限は1.0×109Ω・cm以下であってよい。基板10は、矩形の平面形状を有する。本明細書において、平面形状とは平面視での形状を指す。なお、平面視とは、上面視のことをいう。
【0010】
感磁部20は、基板10上に形成される。また、感磁部20は、基板10内部に形成されてもよい。一例において、感磁部20の平面形状は、矩形、十字形等である。本例の感磁部20は、矩形の平面形状を有する。感磁部20は、基板10よりも低抵抗の層である。一例において、感磁部20は、GaAs、InSbおよびInAs等の化合物半導体で形成される。本例の感磁部20は、GaAsで形成される。また、感磁部20は、基板10にSi、Sn、S、Se、Te、GeおよびC等の不純物を注入し、加熱することにより活性化されてもよい。
【0011】
なお、本実施形態のホール素子100においては、四つのコンタクト50に囲まれた領域の全てが感磁部20に含まれていることが好ましい。四つのコンタクト50に囲まれた領域全てが感磁部20に含まれる形状とすることにより、電流集中を生じにくい形状とすることができる。また、基板10に対する感磁部20の面積を最大限大きくすることができる。これにより1/fノイズを抑制することができ、また、ホール素子100の出力特性の変動を抑制することができる点で好ましい。四つのコンタクト50に囲まれた領域の全てが感磁部20に含まれていれば、感磁部20は四つのコンタクト50に囲まれた領域の外側に広がっていてもよい。例えば、感磁部20の縁部は直線でなくともよく、また、感磁部20の縁部に切欠き等が形成されていてもよい。また、四つのコンタクト50に囲まれた領域は、下記のように決めることができる。まず、感磁部20の上面視における重心を、感磁部20の中心とする。次に、当該感磁部20の中心と各コンタクト50との間の距離が最小となる点を各コンタクト50に描く。そして、これらの点間を結んで形成される領域を四つのコンタクト50に囲まれた領域とする。なお、感磁部20の中心との間の距離が最小となる点が各コンタクトに複数ある場合には、これら全ての点を結んだ領域を四つのコンタクト50に囲まれた領域とする。また、ホール素子100に入出力いずれにも用いられないコンタクトが存在する場合、当該コンタクトは考慮せずには上述の領域を決めるものとしてよい。
【0012】
本例の感磁部20は、少なくとも1つの角が丸みを帯びた平面形状を有する。本明細書において、丸みとは角が丸められた形状であれば曲率半径は特に限定されない。例えば、丸みとは感磁部20の厚みに対して10%~10000%の大きさの曲率半径を有することを指す。また、1つの角に上記曲率半径を有する箇所を複数有していてもよい。感磁部20の端部では、ホール素子100に流れる電流が集中する場合がある。感磁部20の平面形状が丸みを有することにより、感磁部20の端部における電流集中が緩和される。なお、感磁部20を基板10上に段差状(メサ状)に形成する際にこの効果は顕著となる。本例の感磁部20は、四隅が丸められた矩形の平面形状を有する。なお、中心25は、感磁部20の平面形状の中心点を指す。感磁部20の厚みに対して10%以上の曲率半径を有することにより、感磁部20の端部での電流集中を緩和することができる点で好ましい。また、感磁部20の厚みに対して10000%以下の曲率半径を有することにより、ホール素子100の出力電圧の揺らぎを抑制できる点で好ましい。これは、感磁部20の側面ではダングリングボンドの一番小さな面(例えば、(100)面)以外の面の露出を減らすことができ、キャリアの表面再結合が生じにくくなることによる。上記の観点から、曲率半径は好ましくは30~5000%の大きさ[0]であり、より好ましくは50~1000%である。また、感磁部20の平面形状が矩形である場合特に、感磁部20の端部に流れる電流量が多くなるので、顕著に電流集中緩和効果が得られる。
【0013】
導電層21は、基板10上に形成される。本例の導電層21は、n型GaAsである。導電層21の膜厚は特に限定されない。本例の導電層21の膜厚は、50nm以上2000nm以下である。また、導電層21の膜厚は、100nm以上1000nm以下であってよい。
【0014】
表面層22は、導電層21上に導電性の材料で形成される。表面層22は、導電層21よりも導電性の低いGaAs層、AlGaAs又はAlAs等の高抵抗な結晶からなる。本例の表面層22の膜厚は、150nm以上である。また、表面層22の膜厚は、200nm以上であってもよい。表面層22の膜厚の上限は、800nm以下であっても、600nm以下であってもよい。なお、感磁部20には、表面層22が形成されなくてもよい。
【0015】
絶縁膜40は、感磁部20上に形成される。本例の絶縁膜40は、表面層22上に形成されている。絶縁膜40には、コンタクト用の開口が設けられている。一例において、絶縁膜40の厚みは、100nm以上であるがこれに限られない。例えば、絶縁膜40は、シリコン窒化膜(Si3N4膜)、シリコン酸化膜(SiO2膜)、アルミナ膜(Al2O3)、ポリイミド膜およびこれらの膜の少なくとも1つを積層した多層膜である。なお、簡略化のため、平面図では絶縁膜40を省略している。
【0016】
電極部31~電極部34は、絶縁膜40上に形成される。一例において、電極部31および電極部32は、感磁部20に電流を流すための入力用の電極部である。この場合、電極部33および電極部34は、感磁部20のホール電圧を検出するための出力用の電極部である。本明細書において、電極部31および電極部32を入力用の電極部として説明し、電極部33および電極部34を出力用の電極部として説明するが、入力用と出力用の電極を入れ替えてもよい。なお、ホール素子100は上記以外の電極部を有していてもよい。
【0017】
図1Dは、実施例1に係るホール素子100の中央領域23の一例である。
図1Eは、電極部31~電極部34の構成の一例を示す平面図である。
【0018】
感磁部20は、平面視で感磁部20の中心25を含む中央領域23と、中央領域23の周辺に位置する周辺領域24とを有する。中央領域23は、感磁部20において特に、ホール効果に寄与する主な領域である。また、この中央領域23の外側を周辺領域24とする。
【0019】
中央領域23は、一例において、正円形状の平面形状を有する。本例の中央領域23は、破線で示す円の内部領域として示されている。中央領域23は、平面視で、感磁部20の中心25と中心を同じくする円であり、感磁部20の重心からコンタクト50までの最小距離を半径とする補助円30を画定する。中央領域23は、補助円30に対して、直径が1/2の長さで感磁部20の重心を中心とする円の内部領域とする。なお感磁部20の幾何学上の重心は、平面視で、感磁部20と基板10の境界で囲まれた図形において算出できる。なお、中央領域23は、矩形の平面形状を有してよい。ここで、各電極部は上記中央領域23側に延出した部分を有していればよい。即ち、感磁部20の最表面と導電部(又はコンタクト50)とが接する部分よりも平面視で感磁部20の中央領域23側に延出した部分を有していればよい。
【0020】
電極部31および電極部32は、第1の方向で互いに向かい合っている。また、電極部33および電極部34は、第1の方向と平面視で交差する(例えば、直交する)第2の方向で互いに向かい合っている。そして、電極部31~電極部34は、感磁部20の周辺領域24から中央領域23までそれぞれ延出している。
【0021】
即ち、電極部31は、主部31aと、主部31aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部31bとを有する。電極部32は、主部32aと、主部32aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部32bとを有する。電極部33は、主部33aと、主部33aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部33bとを有する。電極部34は、主部34aと、主部34aから感磁部20の中央領域23へ延出した延出部34bとを有する。
【0022】
図1Eに示すように、第1の方向における電極部31と電極部32との離間距離(即ち、延出部31b、32b間の離間距離)をD1とし、第2の方向における電極部33と電極部34との離間距離(即ち、延出部33b、34b間の離間距離)をD2としたとき、D1、D2はそれぞれ、1μm以上40μm以下である。
【0023】
電極部31、電極部32、電極部33および電極部34は、矩形の平面形状を有する。また、電極部31が有する角部31cと、電極部32が有する角部32cと、電極部33が有する角部33cと、電極部34が有する角部34cとが、感磁部20の上方にそれぞれ位置する。
【0024】
ここで、角部31cは、電極部31の延出部31bに含まれる部位である。角部32cは、電極部32の延出部32bに含まれる部位である。角部33cは、電極部33の延出部33bに含まれる部位である。角部34cは、電極部34の延出部34bに含まれる部位である。
図1Eに示すように、角部31c、角部32c、角部33cおよび角部34cは、互いに隣接して配置されている。角部31cは、角部33cおよび角部34cと隣接し、角部32cは、角部33cおよび角部34cと隣接し、角部31cと角部32cとが第1の方向で互いに向かい合い、角部33cと角部34cとが第2の方向で互いに向かい合っている。
【0025】
平面視で、角部31c、角部32c、角部33cおよび角部34cにより囲まれる領域の中心位置は、感磁部20の中心25と重なっている。また、平面視で、電極部31、電極部32、電極部33および電極部34の各々の外周は、感磁部20の外周で囲まれる領域の内側に位置する。
【0026】
電極部31~電極部34は、基板10の矩形の四隅にそれぞれ配置されている。また、電極部31~電極部34の各辺は、基板10の辺と平行又は垂直となるように配置されている。感磁部20の上に電極部31~電極部34が形成される場合、感磁部20は、少なくとも1つの角が丸みを帯びていることで、チッピングの影響を抑制することができる。ここで、基板10を個片化する際にダイシングを行うが、基板10の外周部と感磁部20の外周部の間に電極部31~電極部34がない場合、チッピングにより感磁部20が欠け、当該欠けを原因とした電流集中を生じる場合がある。特に、感磁部20の角が丸みを帯びていない場合、絶縁膜40からの応力やダイシング時の応力が感磁部の角へ集中し、亀裂の起点となる場合がある。感磁部20の少なくとも1つの角が丸みを帯びている場合、上記応力等を緩和し、チッピングによる感磁部20の端の欠けを抑制することで、電流集中を緩和することができる。本例の電極部31~電極部34は、同一の平面形状を有するが異なる平面形状を有してもよい。例えば、入力用の電極部と出力用の電極部とをそれぞれ異なる平面形状としてもよい。また、電極部31~電極部34は、絶縁膜40に設けられた開口を通じて感磁部20と電気的に接続される。本例の電極部31~電極部34は、コンタクト50を介して感磁部20と電気的に接続される。電極部31~電極部34は、金属、ポリシリコン等の導電性材料により形成される。本例の電極部31~電極部34は、金を主成分として含有する。
【0027】
本実施例においては、電極部31~電極部34は平面視で感磁部20上に形成されているが、これらの電極部の少なくとも一部が平面視で感磁部20の外側の領域まで延出していてもよい。なお、平面視で感磁部20上に電極部31~電極部34が形成されていると、ホール素子100の出力電圧の揺らぎを小さくできる点で好ましい。これは、感磁部20と電極部31~電極部34との熱膨張係数の差による応力が感磁部20にかかりにくくなるためである。
【0028】
コンタクト50は、感磁部20上に形成される。コンタクト50は、電極部31~電極部34と感磁部20とを電気的に接続する。コンタクト50は、絶縁膜40を貫通して、電極部31~電極部34と感磁部20とを電気的に接続する。本例のコンタクト50は、例えば、電極部31~電極部34と同一の材料で形成される。電極部31~電極部34およびコンタクト50は、導電部として、同一のプロセスにより同時に形成されてもよい。但し、コンタクト50は、電極部31~電極部34と異なる材料で形成されてもよい。コンタクト50は、感磁部20に電流を入力するための複数の入力用コンタクトと、入力された電流に応じたホール起電力を出力するための複数の出力用コンタクトとを備える。本例の電極部31および電極部32は、入力用コンタクトであり、電極部33および電極部34は、出力用コンタクトである。但し、ホール素子100は、入力用コンタクトと出力用コンタクトを入れ替えることにより、スピニングカレント動作してもよい。なお、ホール素子100は上記以外のコンタクトを有していてもよい。
【0029】
また、コンタクト50は、感磁部20の平面形状に応じた平面形状を有する。感磁部20の平面形状に応じた平面形状とは、感磁部20と同一の形状であってよい。本例のコンタクト50の平面形状は、感磁部20の外周側に対応する外側領域の少なくとも一部に丸みを有する。また、コンタクト50の平面形状は、感磁部20の中心25側の内側領域に丸みを有してもよい。これにより、感磁部20の端部における電流集中が緩和される。感磁部20の平面形状が矩形である場合や、四つのコンタクト50に囲まれた領域全てが感磁部20に含まれている場合は、特に、コンタクト50の端部に流れる電流量が多くなるので、顕著に電流集中緩和効果が得られる。コンタクト50の平面形状は、コンタクト50の端部における電流集中を緩和できるものであれば、本例に限られない。なお、本明細書において、外側領域とは、コンタクト50の外周であって、感磁部20の外周と対向する領域を指す。一方、内側領域とは、外側領域以外の感磁部20の中心25側の領域を指す。
【0030】
以上の通り、本例のホール素子100は、感磁部20の電流集中を緩和する。これにより、感磁部20の電流集中に起因する微小な抵抗変動が生じにくくなる。したがって、本例のホール素子100は、電流集中により生じる1/fノイズを抑制できる。
【0031】
図2Aは、ホールセンサ200の平面図の一例を示す。
図2Bは、ホールセンサ200の断面図の一例である。ホールセンサ200は、ホール素子100、リード端子211~リード端子214、保護層220、モールド部材230、外装めっき層240およびボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254を備える。なお、本例のホールセンサ200の構成は一例であり、これに限られない。
【0032】
ホール素子100は、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254によりリード端子211~リード端子214に接続される。本例の電極部31は、ボンディングワイヤ251により、リード端子211と電気的に接続される。電極部32は、ボンディングワイヤ252により、リード端子212と電気的に接続される。電極部33は、ボンディングワイヤ253により、リード端子213と電気的に接続される。電極部34は、ボンディングワイヤ254により、リード端子214と電気的に接続される。
【0033】
ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254は、導電性の材料で形成される。本例のボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254は、金ワイヤであるが、これに限られない。ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254は、モールド部材230により覆われている。これにより、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254が固定される。
【0034】
リード端子211~リード端子214は、外装めっき層240を介して外部と電気的に接続される。リード端子211~リード端子214は、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254と接続された面と反対側の面に外装めっき層240が形成される。これにより、ホール素子100は、ホールセンサ200の外部と電気的に接続される。なお、本例の外装めっき層240は、スズ(Sn)で形成されているが、これに限られない。
【0035】
保護層220は、ホール素子100のボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254と接続された面とは反対側の面を覆う。一例において、保護層220は、基板10を保護可能な材料であれば限定されない。保護層220は、導体、絶縁体、又は半導体の何れか1つからなる膜であってもよいし、これらのうち2つ以上を含む膜であってもよい。導体の場合、保護層220は、銀ペーストなどの導電性樹脂であってよい。絶縁体の場合、保護層220は、エポキシ系の熱硬化型樹脂とシリカ(SiO2)とを含む絶縁ペースト、窒化ケイ素および二酸化ケイ素等である。半導体の場合、保護層220は、Si基板やGe基板などの貼り合わせであってよい。
【0036】
モールド部材230は、ホール素子100と、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254と、リード端子211~リード端子214とをモールドする。モールド部材230は、リフロー時の高熱に耐えられる材料で形成される。例えば、モールド部材230は、エポキシ系の熱硬化型樹脂で形成される。
【0037】
ここで、薄型化したホールセンサ200においては、ホール素子100上のモールド部材230の厚みが薄いため、ホール素子100の感磁部20へ入射される光を含む電磁波が、感磁部20の局所的な伝導率を光電効果によって変動させる場合がある。また、この変動によって、ホール素子100にオフセット電圧Vuが生じる。
【0038】
これに対して、本例では、平面視で、電極部31~電極部34は感磁部20の周辺領域24から中央領域23へ延出しており、中央領域23の一部が電極部31~電極部34で覆われている。例えば、電極部31~電極部34は、矩形状の基板10の四隅から感磁部20の中央領域23へ延出して形成されている。そして、中央領域23において、電極部31~電極部34の延出部31b~34bがそれぞれ近接配置されており、隣接する電極間の隙間が狭くなっている。これにより、感磁部20の中央領域23の一部が電極部31~電極部34で覆われている。
【0039】
ここで、電極部材である金属は、光を含む電磁波を極めて良く吸収する。したがって、電極部31~電極部34は、ホール素子100の感磁部20へ入射される電磁波を遮蔽し、感磁部20における局所伝導率変動を抑制できる。これにより、オフセット電圧Vuの変動を抑制する効果がある。
【0040】
特に、平面視で、感磁部20の中央領域23の面積に対する、電極部31~電極部34の中央領域23上の総面積の割合が10%以上100%未満であれば、オフセット電圧Vu変動を抑制する効果が高い。この割合は、好ましくは、20%以上99%以下であり、より好ましくは、40%以上95%以下である。
【0041】
また、平面視で、感磁部20の実効領域の全面積に対する、電極部31~電極部34の下の実効領域の面積の割合が、40%以上99%以下であることが好ましい。本明細書において、実効領域の面積とは、平面視で、感磁部20の面積の内、感磁部20と電極部31~電極部34とが接触する接触領域の総面積を除いた面積をいう。
【0042】
[比較例1]
図3は、比較例1に係るホール素子500の構成を示す。本例のホール素子500は、基板510、感磁部520、電極部531~電極部534およびコンタクト550を備える。基本的な構成は実施例1に係るホール素子100と同様である。但し、感磁部520およびコンタクト550の平面形状の角部が丸みをおびていない点で、実施例1に係る感磁部20およびコンタクト50と異なる。なお、感磁部520と電極部531~534との間には絶縁膜が設けられているが本例では省略している。
【0043】
感磁部520は、矩形の平面形状を有する。感磁部520は、感磁部20と異なり矩形の角部に丸みを有さない。そのため、感磁部520の角部では電流集中が生じる。特に、電極部531および電極部532が入力用コンタクトである場合、特に、電極部531および電極部532と接続された感磁部520の角部で電流集中が生じやすい。
【0044】
コンタクト550は、三角形の平面形状を有する。コンタクト550は、コンタクト50と異なり平面形状の角部に丸みを有さない。そのため、コンタクト550の角部で電流集中が生じる。特に、電極部531および電極部532と接続されたコンタクト550の角部で電流集中が生じやすい。
【0045】
ここで、入力用の電極部531のコンタクト550と電極部532のコンタクト550との間には、感磁部520を通じて電流が入力される。しかしながら、出力用の電極部533のコンタクト550の外周と、電極部534のコンタクト550の外周の感磁部520には、電極部531と電極部532の間に流れるはずの電流が回り込む場合がある。特に、本例のホール素子500では、感磁部520の外周とコンタクト550との間の最短距離が、実施例1の場合よりも大きい。即ち、コンタクト550の外周の感磁部520に流れる電流の量が、実施例1に係るホール素子100よりも大きくなる。このように、出力用コンタクトである電極部533および電極部534の外周を流れる電流が大きくなると、電極部533および電極部534により検出するホール起電力に対して誤差となる場合がある。また、ホール素子500の出力に負の感度特性を生じさせる場合がある。
【0046】
これに対して実施例1では、感磁部20およびコンタクト50が、コンタクト50の外周の感磁部20に電流が流れないように設計されている。一例において、コンタクト50と感磁部20の外周との最短距離が短くなるように、コンタクト50および感磁部20の平面形状が決定される。例えば、コンタクト50と感磁部20の外周との最短距離は、0.5μm以上、20μm以下[0]である。コンタクト50と感磁部20との間の距離を0.5μm以上とすることにより、コンタクト50の位置ずれによる特性変動の影響が抑制される。コンタクト50と感磁部20との間の距離を20μm以下とすることにより、ホール素子100が負の感度特性を示しにくく、ホール起電力に対する誤差を小さくできる。加えて製造容易性の観点から、好ましくは1μm以上、15μm以下[0]であり、より好ましくは3μm以上、10μm以下である。また、コンタクト50が小さいほど電流密度が高くなり、コンタクト50の外周の感磁部20に電流が多く流れるためこの効果は顕著となる。例えば、各コンタクト50の面積は、感磁部20の面積に対して0.1%以上、20%以下である。なお、上記面積率はホール素子100を光学顕微鏡にて上面視で観察することにより測定することができる。コンタクト50の面積を感磁部20の面積に対して1%以上とすることにより、コンタクト50の接触抵抗のばらつきによる特性変動の影響が抑制される。コンタクト50の面積を感磁部20の面積に対して20%以下とすることにより、ホール素子100が負の感度特性を示しにくく、ホール起電力に対する誤差を小さくできる。加えて製造容易性の観点から、好ましくは0.3%以上、15%以下[0]であり、より好ましくは0.5%以上、10%以下である。
【0047】
なお、コンタクト50の平面形状は、入力用コンタクトと出力用コンタクトとで異なる配置であってよい。出力用のコンタクト50の平面形状をコンタクト50の外周の電流を遮断できる構造とするが、入力用のコンタクト50の平面形状をコンタクト50の外周の電流を遮断できる構造としなくてもよい。例えば、複数の出力用コンタクトと感磁部20の外周側との距離は、複数の入力用コンタクトと感磁部20の外周側との距離よりも近くなるように配置されてよい。
【0048】
[実施例2]
図4は、実施例2に係るホール素子100の構成の一例を示す。本例の感磁部20の平面形状は、十字形である。本例のホール素子100は、実施例1に係るホール素子100と同一の符号を付した構成は、実施例1の場合と同様に機能する。本例では、実施例1の場合と異なる点について特に説明する。
【0049】
感磁部20は、十字形の平面形状を有する。感磁部20の平面形状の少なくとも1つの角が丸みを有する。これにより、感磁部20の端部における電流集中が緩和される。また、本例の感磁部20において、中心25から端部に向かう方向において膨らみを有さない。例えば、中心25から端部に向かう方向において膨らみを有さないとは、入力用のコンタクト50同士の間の感磁部20において、出力用のコンタクト50側に膨らんだ構造を有さないことを指す。また、感磁部20の中心25から延出部の先端方向に幅が大きくなる領域を有さないということもできる。これにより、ホール素子100の感度低下を防ぐことができる。これは、出力用のコンタクト50の外周の感磁部20に電流が回り込むのを抑制できることに由来すると考えられる。
【0050】
[実施例3]
図5は、実施例3に係るホール素子100の構成の一例を示す。本例の感磁部20は、十字形と矩形とを重ね合わせた平面形状を有する。感磁部20は、少なくとも1つの角が丸みを帯びた平面形状を有する。また、コンタクト50の平面形状は、感磁部20の外周側に対応する外側領域に丸みを有する。本例の感磁部20は、中心25から端部に向かう方向において膨らみを有さない。これにより、本例のホール素子100は、出力用のコンタクト50の外周の感磁部20に電流が回り込むのを抑制する。したがって、本例のホール素子100は、出力変動を低減できる。
【0051】
[比較例2]
図6Aおよび
図6Bは、比較例2に係る感磁部520の平面形状を説明するための模式図である。簡潔にするため、感磁部520以外の構成が省略されている。
【0052】
本例の感磁部520は、膨らみを有する点で感磁部20と異なる。本例の感磁部520は、感磁部520の中心525から感磁部520の先端526に向かう方向において膨らみを有する。感磁部520が膨らみを有する場合、感磁部520の外周長が長くなり、感磁部520の側面の露出面積が大きくなる。ここで、感磁部520の側面ではダングリングボンドの一番小さな面(例えば、(100)面)以外の面が多く露出することとなり、キャリアの表面再結合が多く発生する。これにより、ホール素子500の出力電圧が揺らぐ場合がある。
【0053】
図7Aおよび
図7Bは、感磁部20およびコンタクト50の拡大図の一例を示す。簡潔にするため、電極部31~電極部34および絶縁膜40が省略されている。
【0054】
図7Aにおいて、感磁部20およびコンタクト50は、互いに対応した平面形状を有する。互いに対応した平面形状とは、コンタクト50の外周への電流の回り込みが生じないように、感磁部20およびコンタクト50の外周が近接していることを指す。
【0055】
感磁部20は、矩形の平面形状を有する。但し、本例の感磁部20は、角部に電流の集中を緩和する構造を有する。本例の感磁部20の角部には、丸みを帯びた矩形状の領域が形成されている。本明細書においては、矩形の角部に電流の集中を緩和する構造が設けられたような場合も、感磁部20の矩形の角部が丸みを有するものの一例に含まれる。即ち、感磁部20の矩形の1つの角部には、複数の丸みが設けられていてよい。本例では、感磁部20の1つの角部に2つの丸みを有する。
【0056】
コンタクト50は、感磁部20の形状に対応した形状を有する。本例のコンタクト50の平面形状は、感磁部20の外周側に対応する外側領域において、感磁部20の形状と相似する。例えば、コンタクト50の平面形状は、感磁部20の角部に設けられた矩形状の領域に沿って丸みを帯びた矩形である。これにより、感磁部20の外周とコンタクト50との間の距離を近づけ易くなる。そして、感磁部20の外周を周り込む電流の経路を遮断できる。また、感磁部20およびコンタクト50の平面形状を相似形とすることにより、感磁部20およびコンタクト50の外側の距離を均一にできる。これにより、感磁部20の端部の電流が均一となり、電流集中を更に緩和できる。
【0057】
図7Bにおいて、感磁部20およびコンタクト50は、互いに対応した平面形状を有する。本例の感磁部20の平面形状は矩形であるが、端部に電流の集中を緩和する構造が設けられている。感磁部20の角部には、突出した領域が設けられている。突出した領域は、電流の集中を緩和するように丸みを帯びている。また、感磁部20およびコンタクト50の外側領域の平面形状は相似するので、感磁部20の外周を周り込む電流の経路を遮断できる。なお、本例のコンタクト50は、平面形状の内側領域に角部を有するが、内側領域の角部も丸みを有してよい。
【0058】
図8A~
図8Dは、コンタクト50の平面形状の一例を示す。本例の感磁部20は、矩形の角部が丸められた平面形状を有する。簡潔にするため、電極部31~電極部34および絶縁膜40が省略されている。
【0059】
図8Aにおいて、コンタクト50は、L字型の平面形状を有する。コンタクト50は、L字が感磁部20の角に沿うように形成されている。また、コンタクト50の平面形状は、感磁部20の角部に対応する外側領域に丸みを有する。本例では、コンタクト50の内側領域も丸みを有するように形成されている。
【0060】
図8Bにおいて、コンタクト50は、T字型の平面形状を有する。コンタクト50は、T字の突出した部分が感磁部20の角を向くように形成されている。また、T字の突出した部分は、感磁部20の角部に沿った丸みを有する。本例の感磁部20およびコンタクト50の平面形状は相似しない。但し、感磁部20は、外側領域において、コンタクト50と相似する平面形状を有してよい。
【0061】
図8Cにおいて、コンタクト50は、矩形の平面形状を有する。コンタクト50は、矩形の角部が感磁部20の角部を向くように形成されている。また、コンタクト50の角部は、感磁部20の角部に沿って丸みを有する。本例のコンタクト50は、外側領域において、感磁部20と相似する平面形状を有する。
【0062】
図8Dにおいて、コンタクト50は、三角形の平面形状を有する。コンタクト50は、三角形の角部が感磁部20の角部を向くように形成されている。また、三角形の角部は、感磁部20の角部に沿って丸みを有する。本例のコンタクト50は、三角形と円形を重ねあわせた平面形状を有する。本例の感磁部20およびコンタクト50の平面形状は相似しない。但し、感磁部20は、外側領域において、コンタクト50と相似する平面形状を有してよい。
【0063】
図9A~
図9Fは、ホール素子100の製造方法の一例を示す。本例のホール素子100の製造方法は、一例でありこれに限られない。
【0064】
図9Aにおいて、基板10を設ける。本例の基板10の平面形状は、矩形である。
図9Bにおいて、基板10上に感磁部20を形成する。本例では、基板10上に導電層21を形成し、導電層21上に表面層22を形成している。感磁部20の成膜段階では、導電層21および表面層22の平面形状は、基板10の平面形状と同一であってよい。例えば、感磁部20は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、有機金属気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法を用いて、基板10上に化合物半導体をエピタキシャル成長することにより形成される。
【0065】
図9Cにおいて、感磁部20を予め定められた平面形状のパターンにエッチングする。これにより、感磁部20の平面形状が矩形又は十字形等に形成される。また、感磁部20の平面形状の角部は、当該エッチング工程により丸められてよい。
図9Dにおいて、感磁部20上にコンタクト50を形成する。コンタクト50は、蒸着やスパッタ等の任意の半導体製造工程を用いて形成される。
【0066】
図9Eにおいて、基板10、感磁部20およびコンタクト50上に絶縁膜40を形成する。一例において、厚みが300nmのSiN膜が絶縁膜40として形成される。また、絶縁膜40には、コンタクト50と電極部31~電極部34が電気的に接続されるための開口が形成される。開口はエッチングプロセスにより形成されてよい。
図9Fにおいて、絶縁膜40上に電極部31~電極部34が形成される。また、電極部31~電極部34は、絶縁膜40に形成された開口を通じて、コンタクト50と電気的に接続される。一例において、電極部31~電極部34の厚みは、0.5μmであるがこれに限られない。また、電極部31~電極部34は、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254により外部電極と接続されてよい。そして、電極部31~電極部34上には金ボール等のボール部が設けられてよい。
【0067】
なお、本例のホール素子100の製造方法では、コンタクト50を形成する段階は、絶縁膜40を形成する段階の前に実行されている。但し、コンタクト50を形成する段階は、絶縁膜40を形成する段階の後に実行されてもよい。
【0068】
[実施例3]
図10Aおよび
図10Bは、実施例3に係るホール素子100の構成の一例を示す。本例のホール素子100は、ボール部60を更に備える。
【0069】
ボール部60は、電極部31~電極部34と、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254とのそれぞれの間に設けられる。ボール部60は、導電性の材料で形成される。ボール部60は、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254と同一の材料で形成されてよい。本例のボール部60は、金ボールである。一例において、ボール部60は、平面視で10μm以上、100μm以下の直径を有する。なお、ボール部が上面視で真円でない場合には、上面視したボール部と同じ面積を有する楕円に近似し、当該楕円の長径を直径とする。本例のボール部60は、60μmの直径を有する。また、ボール部60の厚みは5μm以上であることが好ましい。なお、ボール部60の厚みとは、ボール部60の一番高い部分とボール部60が配置された電極部31~電極部34との距離である。
【0070】
ここで、ホールセンサ200のX線撮影にて得られた断面透過図を観察した際に、ボンディングワイヤ252をリード端子212側からホール素子100側にたどった場合にボンディングワイヤの太さよりも幅が大きくなった部分をボール部60と定義してもよい。
【0071】
平面視で、ボール部60の投影面積は、感磁部20の投影面積の10%以上を占める。一例において、ボール部60の投影面積は、感磁部20の投影面積の15%以上、20%以上、又は30%以上であってよい。ここで、ボール部60の投影面積とは、感磁部20上に存在する全てのボール部60の投影面積の和のことを示す。ボール部60は、光を吸収し、又は反射することにより、感磁部20に入射する光を遮断する。これにより、感磁部20に光が入射して生じる局所伝導率変動を抑制できる。特に、ホール素子100が薄型化されると、感磁部20における光電効果で局所的な伝導率の変動が生じやすくなる。よって、オフセット電圧の変動が抑制される。このように、光を遮断する観点からは、ボール部60の投影面積が感磁部20の投影面積に対して占める割合を大きくすることが好ましい。さらに、上記ボール部はホール素子100の電極部31~電極部34の全てに設けられていることが好ましい。さらに、ボール部60の少なくとも一つは、平面視における感磁部20の中心25と電極部32が感磁部20と接する部分の中心とを通る断面で観察した際に、電極部32が感磁部20と接する部分の中心よりも感磁部20の中心25側に設けられることが好ましい。また、ボール部60は、平面視で、複数の入力用コンタクトの間に設けられてもよい。なお、ボール部60の材料が金である場合、金が赤外線領域の波長以上の光を反射するので、感磁部20に赤外線領域の波長の光が入射するのを防止できる。ボール部60の材料は、感磁部20への光の入射を防止すべく、予め定められた波長を吸収又は反射するものであれば特に本例に限られない。また、ボール部60の厚みの厚い方が光を遮断する観点から好ましく、例えば、5μm以上100μm以下である。加えて製造容易性の観点から、好ましくは10μm以上、80μm以下であり、より好ましくは20μm以上、60m以下である。
【0072】
図11は、ボール部60を有するホール素子100の拡大図の一例を示す。同図は、ホール素子100の断面図を示す。本例の断面図は、感磁部20の中心25と電極部32が感磁部20と接する領域の中心とを含む断面を示している。なお、本実施例では感磁部20、絶縁膜40、電極部31~34、ボール部60が形成されたものを示したが、各層の間や各層の上に他の層を有していてもよい。
【0073】
ボール部60は、ボンディングワイヤと電極部との間に設けられる。本例のボール部60は、ボンディングワイヤ252と電極部32との間に設けられるが、その他のボンディングワイヤと電極部との間にも設けられる。本例のボール部60は、電極部31~電極部34と電気的に接続され、平面視で感磁部20上に設けられている。
【0074】
ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254は、ボール部60と電気的に接続され、電極部31~電極部34から垂直に引き延ばされている。ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254を電極部31~電極部34から垂直に引き延ばすことにより、感磁部20と平行な方向の磁場が生じにくくなる。これにより、ホール素子100の出力の変動が抑制され、磁気感度が向上する。一例において、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254は、電極部31~電極部34からボール部60の直径の5%以上垂直に引き延ばされる。ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254は、電極部31~電極部34から予め定められた距離以上に垂直に引き延ばされていれば、その後は、リード端子211~リード端子214に向けて引き延ばされてよい。
【0075】
また、ボール部60は、コンタクト50上に形成されてよい。ボール部60がコンタクト50上に形成されることにより、感磁部20と平行な方向に流れる電流の成分が少なくなり、ホール素子100の磁気感度が向上する。ボール部60がコンタクト50上に形成されるとは、ボール部60の全てがコンタクト50上に形成されている必要はなく、ボール部60の少なくとも一部がコンタクト50上に形成される場合が含まれてよい。
【0076】
なお、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254は、電極部31~電極部34に完全に垂直である必要はなく、感磁部20に対する磁場が発生し、ホール素子100の磁気感度に影響を及ばさない程度に傾いていてもよい。例えば、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254は、電極部31~電極部34に垂直な方向からの傾きが5度以内であってよい。また、電極部31~電極部34に垂直な方向からの傾きが、10度以内、15度以内、又は20度以内であってよい。ボンディングワイヤを垂直に形成することでボンディングワイヤを流れる電流による磁場を感磁部20に対して平行にすることができる。これにより感磁部20への磁場の影響を低減でき、出力電圧の誤差を減らすことが可能となる。なお、上記効果は、感磁部20が矩形の平面形状を有する場合や、四つのコンタクト50に囲まれた領域全てが感磁部20に含まれている場合により高くなる。
【0077】
領域Pは、コンタクト50と感磁部20の境界付近の領域である。領域Pには、コンタクト50と感磁部20との界面が含まれる。本例のコンタクト50は、領域Pの電流集中を緩和する構造を有する。コンタクト50は、平面視における感磁部20の中心25と電極部32が感磁部20と接する部分の中心とを通る断面で観察した際に、コンタクト50の少なくとも一部が、当該断面における絶縁膜40の下部に延出している。例えば、コンタクト50の側面の少なくとも一部は、コンタクト50の感磁部20の中心25側の側面において、コンタクト50の側面と感磁部20の最表面とが接する点よりも感磁部20の中心25側と反対側に形成される。また、コンタクト50の側面と感磁部20の最表面とが接する点は、感磁部20の中心25側に延出していてもよい。即ち、コンタクト50のボール部60側の側面は、順テーパ状の断面形状を有していてもよいし、上端がボール部60側に延出していてもよい。これにより、コンタクト50は、コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点の電流集中を緩和する。したがって、コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点での発熱が抑制され、ホール素子100の特性変動が抑制される。また、コンタクト50付近の電流集中が抑制されるのでコンタクト50付近の電極はがれが生じにくくなる。よって、ホール素子100の信頼性が向上する。なお、上記コンタクト50の下端の電流集中は、本実施例のような電極部31~電極部34を有するホール素子に特有の問題である。このように、コンタクト50の中心25側の側面の上端の形状は特に限定されない。
【0078】
なお、ボール部60の少なくとも一つは、上記断面で観察した際に、電極部32が感磁部20と接する部分の中心よりも感磁部20の中心25側に設けられる。また、ボール部60は、平面視で、複数の入力用コンタクトの間に設けられてよい。この場合、ボール部60と感磁部20との間に流れる電流が領域Pにおいて折り返すような電流経路が形成される。そして、領域Pに電流集中が生じやすくなる。そのため、コンタクト50を順テーパ形状とする効果がより高くなる。
【0079】
以上の通り、本例のホール素子100は、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254と垂直に接続されるので、ボンディングワイヤを流れる電流による磁場の感磁部20への影響を低減する。また、ホール素子100は、コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点付近の電流集中を抑制する構造を有する。これにより、ホール素子100の特性変動が低減される。
【0080】
図12は、ダミーボール65を有するホール素子100の拡大図の一例を示す。同図は、ホール素子100の断面図を示す。本例の断面図は、感磁部20の中心25と電極部32が感磁部20と接する領域の中心とを含む断面を示している。本例のホール素子100は、ダミーボール65を更に備える。
【0081】
ダミーボール65は、電極部31~電極部34上に設けられる。ダミーボール65は、ボンディングワイヤと接続されていないダミー用のボール部である。ダミーボール65を設けることにより、ボール部60を設けた場合と同様に感磁部20に入射する光を遮断できる。特に、ボンディングワイヤ251~ボンディングワイヤ254と接続されたボール部60だけでは感磁部20を覆いきれない場合に、ダミーボール65を設けること好ましい。
【0082】
図13は、ホール素子100の断面形状の一例を示す。本例の断面図は、感磁部20の中心25と電極部32が感磁部20と接する領域の中心とを含む断面を示している。本例のホール素子100は、導電部80を備える。
【0083】
導電部80は、電極部32、コンタクト50およびコンタクト70を含む。導電部80の少なくとも一部は、感磁部20の中心25と電極部32が感磁部20と接する領域の中心とを含む断面において、絶縁膜40の下部に延出している。本例では、コンタクト50およびコンタクト70が、当該断面において、絶縁膜40の下部に延出している。
【0084】
コンタクト70は、アニールによりコンタクト50と感磁部20との間の界面に形成される。コンタクト70は、アニールにより形成された合金部である。コンタクト70は、コンタクト50の下方の感磁部20に形成される。本例のコンタクト70は、平面視において、コンタクト50よりも感磁部20の中心25側に延出している。また、本例のホール素子100は、コンタクト50およびコンタクト70が絶縁膜40の下部に延出しているので、コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点付近の電流集中を抑制できる。また、コンタクト50が小さいほど電流が多く流れるのでこの効果は顕著となる。例えば、コンタクト50の面積は、感磁部20の面積に対して0.1%以上、20%以下である。コンタクト50の面積を感磁部20の面積に対して0.1%以上とすることにより、コンタクト50の接触抵抗のばらつきによる特性変動の影響が抑制される。コンタクト50の面積を感磁部20の面積に対して20%以下のときに、コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点付近の電流集中を抑制できる。加えて製造容易性の観点から、好ましくは0.3%以上、15%以下[0]であり、より好ましくは0.5%以上、10%以下である。
【0085】
φ1は、コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とがなす角を示す。φ1は、鈍角であることが好ましい。これにより、コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点の電流集中が更に緩和される。コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点の電流集中を緩和する観点からは、φ1が大きい方が好ましい。一例において、φ1は、90°よりも大きく135°よりも小さい。
【0086】
本例の導電部80の少なくとも一部は、コンタクト50の側面と感磁部20の最表面とが接する点から感磁部20中心側又は深さ側に50nm以上延出している。導電部80のボール部60側に延出する領域は、100nm以上、150nm以上、200nm以上、1μm以上であってよい。感磁部20の深さ側に延出することによっても電流集中を緩和することができ、発熱による信頼性変動を抑制することができる。導電部80のボール部60側に延出する領域は、コンタクト50を先に形成することにより、予め定められた形状に形成できる。また、絶縁膜40を形成した後にコンタクト50を形成した場合であっても、アニール処理を行うことにより、導電部80の少なくとも一部をボール部60側に拡散できる。このように、導電部80がボール部60側に延出する領域は、導電部80のエッチング又はアニール等によって予め定められた大きさに調整してよい。
【0087】
本例のコンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点は、平面視で、コンタクト50の上端よりも感磁部20の中心25側に設けられている。コンタクト50は、感磁部20の中心25側に、コンタクト50の側面と感磁部20の最表面とが接する点から感磁部20の中心側又は深さ側に100nm以上延出している。また、導電部80の少なくとも一部は、導電部80の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点から感磁部20の中心側又は深さ側に、絶縁膜40の厚みの1/4以上延出してよい。
【0088】
なお、本例のホール素子100の製造方法は、コンタクト50を形成した後に、コンタクト50上に絶縁膜40を成膜している。また、絶縁膜40に開口を形成した後に、電極部32がコンタクト50と電気的に接続するように絶縁膜40上に形成される。コンタクト50を先に形成することにより、コンタクト50の形状が予め定められたφ1を有するように形成できる。
【0089】
図14は、ホール素子100の断面形状の一例を示す。本例の断面図は、感磁部20の中心25と電極部32が感磁部20と接する領域の中心とを含む断面を示している。本例のホール素子100は、導電部80を備える。
【0090】
導電部80は、電極部32、コンタクト50およびコンタクト70を含む。導電部80の少なくとも一部は、感磁部20の中心25と電極部32が感磁部20と接する領域の中心とを含む断面において、絶縁膜40の下部に延出している。本例では、コンタクト50およびコンタクト70が、当該断面において、絶縁膜40の下部に延出している。
【0091】
本例のコンタクト50の中心25側の側面は、感磁部20の最表面と離間した構造を有する。これにより、コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20との界面においてコンタクト70が形成されない。よって、本例のコンタクト70は、平面視において、コンタクト50がコンタクト70よりも感磁部20の中心25側に延出するように配置されている。本例のホール素子100は、コンタクト50およびコンタクト70が絶縁膜40の下部に延出しているので、コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点付近の電流集中を抑制できる。
【0092】
図15は、ホール素子100の断面形状の一例を示す。本例の断面図は、感磁部20の中心25と電極部32が感磁部20と接する領域の中心とを含む断面を示している。本例のホール素子100は、導電部80を備える。
【0093】
導電部80は、コンタクト50およびコンタクト70からなる。また、導電部80は、電極部31~電極部34を兼ねる。即ち、導電部80は、電極部31~電極部34、コンタクト50およびコンタクト70を含む。本例のコンタクト50は、絶縁膜40の上面に形成されている。しかしながら、コンタクト70の少なくとも一部は、絶縁膜40の下部に延出している。これにより、本例のホール素子100は、コンタクト50の中心25側の側面と感磁部20の最表面とが接する点付近の電流集中を抑制できる。
【0094】
本例のホール素子100は、
図14に係るホール素子100と製造方法が異なる。本例のホール素子100の製造方法は、感磁部20上に絶縁膜40を形成し、感磁部20と導電部80とを接続するための開口を絶縁膜40に形成する。その後、絶縁膜40上に導電部80を形成する。本例では、電極部31~電極部34とコンタクト50とを分けて成膜する必要がなく、導電部80を一度に形成するので、製造工程を削減できる。導電部80を設ける場合も同様に、導電部80をアニールすることにより、感磁部20と導電部80との間にコンタクト70が形成される。なお、ホール素子100の断面に対してSEM-EDXやTEM-EDXといった元素分析を行うことにより、導電部80の電極材料が検出された部分をコンタクトと判断する。
【0095】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0096】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0097】
10・・・基板、20・・・感磁部、21・・・導電層、22・・・表面層、23・・・中央領域、24・・・周辺領域、25・・・中心、26・・・先端、30・・・補助円、31・・・電極部、31a・・・主部、31b・・・延出部、31c・・・角部、32・・・電極部、32a・・・主部、32b・・・延出部、32c・・・角部、33・・・電極部、33a・・・主部、33b・・・延出部、33c・・・角部、34・・・電極部、34a・・・主部、34b・・・延出部、34c・・・角部、40・・・絶縁膜、50・・・コンタクト、60・・・ボール部、65・・・ダミーボール、70・・・コンタクト、80・・・導電部、100・・・ホール素子、200・・・ホールセンサ、211・・・リード端子、212・・・リード端子、213・・・リード端子、214・・・リード端子、220・・・保護層、230・・・モールド部材、240・・・外装めっき層、251・・・ボンディングワイヤ、252・・・ボンディングワイヤ、253・・・ボンディングワイヤ、254・・・ボンディングワイヤ、500・・・ホール素子、510・・・基板、520・・・感磁部、525・・・中心、526・・・先端、531・・・電極部、532・・・電極部、533・・・電極部、534・・・電極部、550・・・コンタクト