(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】照明装置及び該照明装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20220204BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20220204BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20220204BHJP
F21V 7/24 20180101ALI20220204BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220204BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220204BHJP
H05K 3/28 20060101ALI20220204BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20220204BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220204BHJP
【FI】
F21S2/00 100
H01L33/60
F21V7/00 510
F21V7/24
F21V23/00 160
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21S2/00 310
H05K3/28 C
H05K3/28 F
H05K1/02 B
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018564628
(86)(22)【出願日】2018-01-25
(86)【国際出願番号】 JP2018002280
(87)【国際公開番号】W WO2018139535
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2017010963
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】ゴンボシュ アーコシュ
【審査官】小野 孝朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-231584(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102016111493(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0129899(US,A1)
【文献】特開2016-051798(JP,A)
【文献】特開2014-036127(JP,A)
【文献】特表2014-510413(JP,A)
【文献】特開2013-093379(JP,A)
【文献】特開2015-072920(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0189753(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
H01L 33/00-33/64
F21V 7/00
F21V 7/24
F21V 23/00
F21V 19/00
H05K 3/28
H05K 1/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光源と、
前記少なくとも1つの光源からの光を反射すると共に前記光を照明装置の外部に導いて照明をなすように配置された反射層と、
前記少なくとも1つの光源を保持すると共に前記反射層を保持する熱成形樹脂製のベース層と、
前記ベース層上に配置され、前記少なくとも1つの光源に接続されて該少なくとも1つの光源に電源を供給するための複数の導体と、
を備える照明装置において、
前記少なくとも1つの光源はLED光源であり、
前記反射層は、前記ベース層上に組み付けられ、前記複数の導体が前記反射層と前記ベース層との間に位置するように前記ベース層に組み付けられており、
照明装置の形状成形時における前記反射層及び前記ベース層の変形に前記導体の変形を追従させ、前記導体の長手方向両端部間の電気的な接続を維持するための構造として、
成形時に前記反射層及び前記ベース層の形状が共に変形する部分に対応する前記導体の部分が、前記ベース層に接着されておらず、前記反射層及び前記ベース層の形状が共に変形しない部分に対応する前記導体の他の部分が、前記ベース層に接着されてい
ることを特徴とする、照明装置。
【請求項2】
前記反射層に設けられ、前記少なくとも1つの光源からの光を外部に出射するための少なくとも1つの孔部を更に備え、前記少なくとも1つの孔部は、前記少なくとも1つの光源に対応する位置に位置決めされたものであることを特徴とする、請求項
1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの光源からの光が、前記少なくとも1つの孔部を介して前記照明装置から直接的に出射されるか、又は、前記ベース層と接続されていない前記反射層の反対側の面で反射されることを特徴とする、請求項
2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記反射層は、熱成形可能な発砲ポリエチレンテレフタレートからなり、前記反射層の厚さが0.5mm~1mmであることを特徴とする、請求項1から
3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記ベース層の厚さが1mm~10mmであることを特徴とする、請求項1から
4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
前記複数の導体は、金属箔及び線材のうちのいずれかを少なくとも含むことを特徴とする、請求項1から
5のいずれかに記載の照明装置。
【請求項7】
前記複数の導体は、電源を前記少なくとも1つの光源に接続するための端子部を有することを特徴とする、請求項1から
6のいずれかに記載の照明装置。
【請求項8】
熱成形可能な樹脂シートとしての反射層を準備する工程と、
熱成形樹脂シートとしてのベース層を準備する工程と、
複数の導体を前記ベース層の面上に設ける工程と、
少なくとも1つの光源に電源を供給するために前記複数の導体の端子部を設ける工程と、
前記ベース層の面上に、前記複数の導体が接続される前記少なくとも1つの光源を設ける工程と、
前記反射層に少なくとも1つの孔部を設ける工程と、
前記複数の導体が前記反射層と前記ベース層との間で位置決めされるように前記ベース層上に前記反射層を載置する工程と、
前記少なくとも1つの光源からの光が前記少なくとも1つの孔部を介して照明装置から直接的に出射されるか又は前記ベース層と接続されていない前記反射層の反対側の面で反射されるように、且つ、前記反射層の前記少なくとも1つの孔部が前記ベース層の面上に組み付けられた前記少なくとも1つの光源に対応する位置に位置決めされるように、前記反射層を前記ベース層上で位置決めする工程と、
を有する照明装置の製造方法であって、
照明装置の形状成形時における反射層及びベース層の変形に導体の変形を追従させ、導体の長手方向両端部間の電気的な接続を維持するための方法として、
前記複数の導体を前記ベース層の面上に設ける工程において、前記照明装置の最終形状を得るための成形時に前記反射層及び前記ベース層の形状が共に変形する部分に対応する前記導体の部分を前記ベース層に接着せず、前記反射層及び前記ベース層の形状が共に変形しない部分に対応する前記導体の他の部分を、前記ベース層に接着することを特徴とする、照明装置の製造方法。
【請求項9】
前記端子部は、前記ベース層の変形後の形状における縁部か、又は前記反射層と接合されていない前記ベース層の反対側に組み付けられることを特徴とする、請求項
8に記載の照明装置の製造方法。
【請求項10】
前記反射層と前記ベース層とが、ポリマー溶融にて互いに接合され、前記ポリマー溶融は、ラミネート加工であることを特徴とする、請求項
8または
9に記載の照明装置の製造方法。
【請求項11】
前記反射層及び前記ベース層を共に変形して前記照明装置の最終形状を得る場合に、前記照明装置の最終形状と同一の形状を有する型を用いてポリマー軟化により熱成形することを特徴とする、請求項
8から
10のいずれかに記載の照明装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から放射された光を反射する照明装置及びその製造方法に関し、特に、熱成形可能なシート基材及び反射シートが積層されてなる積層構造を備える照明装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置として、例えば、高反射性の樹脂シートに被覆された線状且つ半円形の内面を有する熱成形樹脂製の反射筐体と、切り取られた小開口面積を有することによって標識面が覆われて上記反射筐体に収容される光源から放射された光エネルギーを通過する透明樹脂シートとを備える照明標識が開示されている(特許文献1)。
【0003】
また、LED光源と、該LED光源からの光を反射すると共に光を外部に導いて照明をなすためのリフレクタと、2枚のレンズプレートからなる拡散レンズとを備える従来の照明装置が開示されている。この照明装置は、例えばLED群等の光源を載置可能な載置面を有するヒートシンクを備え、光源は、筐体の上部に取り付けられたリフレクタと対向させるために当該載置面に平らに載置されている。このリフレクタは、特定の光学的機能を発揮するために種々の形状を有するように設計されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5918396号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0262902号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来の照明装置では、筐体、LED光源、リフレクタ、ヒートシンク、導線等の種々の機能的部材をそれぞれ別個に生産しなければならず、更には製造時にそれらの機能的部材を組み立てる必要があるため、製造工程が複雑であり、その作業が煩雑である。
【0006】
ここで、照明装置の製造工程を単純化することができれば、製造コストを低減することができ、生産性を向上することが可能となる。しかし、上記従来の照明装置では、設計コスト及び製造コストが各機能的部材に発生し、更には組立コストが発生するため、照明装置の製造コストの増大を招いている。特に、上記従来の照明装置における電気的、光学的、機械的部材は、通常、異なる場所に位置する異なる製造メーカによって生産されるため、各部材の輸送コストが付随的に発生する。また、上記従来の照明装置の複数の部材は、異なる製造業者によって設計、生産されるため、最終的に多段階の組立技術を要する。
【0007】
本発明の目的は、シンプルな構成で容易に組み立てることができ、製造コストを低減することができる照明装置及び該照明装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置は、少なくとも1つの光源と、前記少なくとも1つの光源からの光を反射すると共に前記光を照明装置の外部に導いて照明をなすように配置された反射層と、前記少なくとも1つの光源を保持すると共に前記反射層を保持する熱成形樹脂製のベース層と、前記ベース層上に配置され、前記少なくとも1つの光源に接続されて該少なくとも1つの光源に電源を供給するための複数の導体と、を備え、前記少なくとも1つの光源はLED光源であり、前記反射層は、前記ベース層上に組み付けられ、前記複数の導体が前記反射層と前記ベース層との間に位置するように前記ベース層に組み付けられており、照明装置の形状成形時における前記反射層及び前記ベース層の変形に前記導体の変形を追従させ、前記導体の長手方向両端部間の電気的な接続を維持するための構造として、成形時に前記反射層及び前記ベース層の形状が共に変形する部分に対応する前記導体の部分が、前記ベース層に接着されておらず、前記反射層及び前記ベース層の形状が共に変形しない部分に対応する前記導体の他の部分が、前記ベース層に接着されていることを特徴とする。
【0010】
前記反射層に設けられ、前記少なくとも1つの光源からの光を外部に出射するための少なくとも1つの孔部を更に備え、前記少なくとも1つの孔部は、前記少なくとも1つの光源に対応する位置に位置決めされたものであることが好ましい。
【0011】
前記少なくとも1つの光源からの光が、前記少なくとも1つの孔部を介して前記照明装置から直接的に出射されるか、又は、前記ベース層と接続されていない前記反射層の反対側の面で反射されることが好ましい。
【0012】
前記反射層は、熱成形可能な発砲ポリエチレンテレフタレートからなり、前記反射層の厚さが0.5mm~1mmであることが好ましい。
【0013】
前記ベース層の厚さが1mm~10mmであることが好ましい。
【0014】
前記複数の導体は、金属箔及び線材のうちのいずれかを少なくとも含むことが好ましい。
【0015】
前記複数の導体は、電源を前記少なくとも1つの光源に接続するための端子部を有することが好ましい。
【0027】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置の製造方法は、熱成形可能な樹脂シートとしての反射層を準備する工程と、熱成形樹脂シートとしてのベース層を準備する工程と、複数の導体を前記ベース層の面上に設ける工程と、少なくとも1つの光源に電源を供給するために前記複数の導体の端子部を設ける工程と、前記ベース層の面上に、前記複数の導体が接続される前記少なくとも1つの光源を設ける工程と、前記反射層に少なくとも1つの孔部を設ける工程と、前記複数の導体が前記反射層と前記ベース層との間で位置決めされるように前記ベース層上に前記反射層を載置する工程と、前記少なくとも1つの光源からの光が前記少なくとも1つの孔部を介して照明装置から直接的に出射されるか又は前記ベース層と接続されていない前記反射層の反対側の面で反射されるように、且つ、前記反射層の前記少なくとも1つの孔部が前記ベース層の面上に組み付けられた前記少なくとも1つの光源に対応する位置に位置決めされるように、前記反射層を前記ベース層上で位置決めする工程と、を有し、照明装置の形状成形時における反射層及びベース層の変形に導体の変形を追従させ、導体の長手方向両端部間の電気的な接続を維持するための方法として、前記複数の導体を前記ベース層の面上に設ける工程において、前記照明装置の最終形状を得るための成形時に前記反射層及び前記ベース層の形状が共に変形する部分に対応する前記導体の部分を前記ベース層に接着せず、前記反射層及び前記ベース層の形状が共に変形しない部分に対応する前記導体の他の部分を、前記ベース層に接着することを特徴とする。
【0029】
前記端子部は、前記ベース層の変形後の形状における縁部か、又は前記反射層と接合されていない前記ベース層の反対側に組み付けられる。
【0030】
前記反射層と前記ベース層とが、ポリマー溶融にて互いに接合されていてもよく、前記ポリマー溶融は、ラミネート加工であってもよい。
【0032】
前記反射層及び前記ベース層を共に変形して前記照明装置の最終形状を得る場合に、前記照明装置の最終形状と同一の形状を有する型を用いてポリマー軟化により熱成形される。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、シンプルな構成で容易に組み立てることができ、製造コストを低減できる照明装置及び該照明装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施形態に係る照明装置を概略的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図、(c)は(a)の線I-Iに沿う断面図である。
【
図2】
図1の照明装置を変形した後の状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は、(a)の線II-IIに沿う断面図である。
【
図3】
図2の照明装置に電源を供給した状態を示す平面図である。
【
図4】(a)~(g)は、
図1の照明装置の製造方法における各工程を説明する断面図である。
【
図5】
図1の照明装置の変形例を説明する図であり、(a)は変形前の導体の構成を示す図、(b)は変形後の導体の構成を示す断面図である。
【
図6】
図5の照明装置における導体の変形例を示す断面図であり、(a)は変形前、(b)は変形後の状態を示す。
【
図7】
図5の照明装置における導体の他の変形例を示す断面図であり、(a)は変形前、(b)は変形後の状態を示す。
【
図8】(a)は、導体に設けられた導体補償部を示す分解斜視図であり、(b)は、導体補償部の変形例を示す分解斜視図、(c)は、導体補償部の変形例を示す長手方向断面図である。
【
図9】(a)は、導体補償部の変形例を示す部分斜視図であり、(b)は、導体補償部の変形例を示す部分斜視図である。
【
図10】
図1の照明装置の変形例を示す部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明の実施形態に係る照明装置を概略的に示す図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図、(c)は(a)の線I-Iに沿う断面図である。
図1の照明装置は、その一例を示すものであり、本発明に係る照明装置の構成は、
図1のものに限られない。
【0040】
図1(a)~(c)に示すように、照明装置1Aは、光源11と、光源11からの光を反射すると共に上記光を照明装置1Aの外部に導いて照明をなすように配置された反射層12と、光源11を保持すると共に反射層12を保持する熱成形樹脂(熱成形プラスチックともいう)製のベース層13と、ベース層13上に配置され、光源11に接続されて光源11に電源を供給するための導体14,14と、反射層12に設けられ、光源11からの光を外部に出射するための孔部15とを備える。
【0041】
光源11は、例えばLED光源である。本実施形態では、照明装置1Aは1つの光源11を備えるが、これに限らず、設計に応じて少なくとも1つの光源を備えていてもよい。この場合、上記少なくとも1つの光源は少なくとも1つのLED光源を有していてもよい。
【0042】
反射層12は、薄板、シート、薄層等の平面形状を有する光学的な反射部材であり、熱成形可能な樹脂(熱成形可能なプラスチックともいう)、例えば熱可塑性樹脂からなる。反射層12は、例えばMCPET(登録商標)等の発泡PET(ポリエチレンテレフタレート)からなるのが好ましい。反射層12は、高反射性を有しており、光源11からの光を高い反射率で反射する。
【0043】
また、反射層の透過率が例えば1~5%である場合、照明装置の光学的効率に影響を及ぼす。そこで、反射層12を、透過率が極めて小さい熱成形樹脂、特に透過率が極めて小さい熱可塑性樹脂からなるベース層13と組み合わせることにより、照明装置1Aの光反射率を最大にすることができ、光学的効率を向上することができる。
【0044】
反射層12がMCPETである場合、550nmの硫酸バリウム白色板との相対値で、全反射率が99%以上、拡散反射率が96%以上である。また、MCPETの透過率は、厚み0.5mm~1mmで約1.5%である。更に、MCPETは高剛性を有し、曲げ加工や成形加工等の二次加工が可能である。また、通常のプラスチック製反射部材では、要求される可燃性レベルを満たすことができないが、PCPETは難燃性を有するため、要求される可燃性レベルを満たすことが可能である。
【0045】
反射層12は、その厚さ方向に貫通する孔部15を有している。孔部15は、ベース層13の面上に組み付けられた光源11に対応する位置に位置決めされ、孔部15の構造(形状及び寸法)は、ベース層13の面上に組み付けられた光源11に対応する位置に位置決めされる。これにより、光源11からの光が、孔部15を介して照明装置1Aから直接的に出射されるか、又は、ベース層13と接続されていない反射層12の反対側の面で反射される。本実施形態では、照明装置1Aが1つの孔部15を備えるが、これに限らず、設計に応じて少なくとも1つの孔部を備えていてもよい。
【0046】
ベース層13は、光源11及び複数の導体14,14を組み付けるように配置された支持部材であり、熱成形樹脂からなる。このベース層13は、PCB(プリント基板)として、光源11及び複数の導体14,14に加えてダイオード、トランジスタ、及び煙センサ、光センサ、熱センサ、湿度センサ等の種々のICセンサ等の他の電気部品を含む全ての電気的構成要素を組み付けるように配置することができる。このように、ベース層13は、該ベース層13に組み付けられた全ての電気部品を有するので照明装置1Aの機能を付与すると共に、剛性、難燃性、非収縮性、電気的絶縁性、熱伝導性等の照明装置1Aの構造の機械的特徴を付与するといった2つの役割を果たしている。
【0047】
反射層12とベース層13とは、ポリマー溶融にて互いに接合されているのが好ましい。このポリマー溶融は、例えば反射層12とベース層13とを互いに貼着するラミネート加工である。また、反射層12とベース層13とが同一形状であるのが好ましい。
【0048】
反射層12の厚さは、0.01mm~5mmが好ましく、0.5mm~1mmであるのがより好ましい。ベース層13の厚さは、0.1mm~10mmであるのが好ましく、1mm~2mmであるのがより好ましい。
【0049】
導体14,14は、反射層12とベース層13との間に挟持されており、矩形のベース層13の長手方向に沿って延設し且つ互いに接触しないように平行配置されている。これらの導体14,14は、ベース層13が変形する際に破断しないように可撓性を有している。導体14,14は、金属シート、金属パッド、金属箔、線材及びPCB上のパターン導体のいずれかであり、PCB上のパターン導体であるのが好ましい。導体14,14の配置(例えば、PCB上のパターン導体)や他の電気部品の配置により、ベース層13上での光源11への電源や、他の光学的、電気的特性(例えば、LED光源の色彩や光度)を変更或いは調整することができる。導体14,14は、銅或いは銅合金、アルミニウム或いはアルミニウム合金、その他の金属或いはその合金等からなる。加えて、導体14,14が扁平形状を有する場合、導体14,14は光源11のヒートシンクとして機能し得る。
【0050】
導体14,14は、ベース層13に固定されており、例えば、プレスなどによる熱積層、接着剤を用いた接着、超音波溶接、熱溶接、或いはレーザ溶接によってベース層13に固定される。
【0051】
導体14,14は、電源を光源11に接続するための端子部16,16を有している。端子部16,16は、ベース層13の変形後の形状における縁部か(
図2参照)、又は、反射層12と接続されていないベース層13の反対側で導体14,14に組み付けられる。これらの端子部16,16は、導体14,14と一対一で組み付けられており、それぞれ導体14,14と一体的に設けられるのが好ましい。
【0052】
図2は、
図1の照明装置1Aを変形した後の状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は、(a)の線II-IIに沿う断面図である。
【0053】
図2(a)~(c)に示すように、照明装置1Bは、反射層12及びベース層13が積層されてなる積層構造を有し、該積層構造は平坦部1B-1及び凹部1B-2を有している。凹部1B-2は、熱成形によって平坦部1B-1と一体的に形成されている。換言すれば、照明装置1Bは、凹部1B-2に対応する凸部を有しており、該凸部は平坦部1B-1の厚み方向に関して反射層12側からベース層13側に向かって突出している。このように、
図2の照明装置1Bは、凹部1B-2を有すること以外は、基本的に
図1の照明装置1Aと同一である。このとき、反射層12とベース層13とが同一形状であるのが好ましい。
【0054】
平坦部1B-1は、シート状或いは薄板状であり、平面視略矩形である。平坦部1B-1の平面視形状は、設計に応じて円形、楕円形或いは多角形等の他の形状とすることができる。平坦部1B-1の厚さは、1mm~5mmである。
【0055】
凹部1B-2は、三次元的に成形されたドーム状の部分であり、平面方向断面視で円環形又は略円環形である。また、凹部1B-2は、厚み方向断面視で台形又は略台形である。凹部1B-2の厚さは、平坦部1B-1と同様に1mm~5mmである。
凹部1B-2の平面方向断面形状及び厚み方向断面形状は、設計に応じて円形、楕円形或いは多角形等の他の形状とすることができる。また、本実施形態では、凹部1B-2は連続面を有するように形成されているが、一又は複数の孔部或いは網目構造により不連続面を有するように形成されてもよい。
【0056】
凹部1B-2は、底壁1B-3及び側壁1B-4を有しており、これら底壁1B-3及び側壁1B-4が一体的に形成されている。本実施形態では、底壁1B-3の平面視略中央部に光源11が載置されている(
図2(a))。そして、導体14,14は、光源11から底壁1B-3及び側壁1B-4を通って平坦部1B-1の縁部1B-5まで延出しており、縁部1B-5において端子部16,16に接続されている。
【0057】
図3は、
図2の照明装置1Bに電源を供給した状態を示す平面図である。端子部16,16にクリップ式等の端子17,17をそれぞれ接続し、一方を陽極端子、他方を陰極端子とする。端子を介して外部から電源を供給すると、光源11に電源が供給されて光源11から光が放射される。
光源11から放射される光は直接光と反射光に大別されるが、このうち反射光は、凹部1B-2の底壁1B-3及び側壁1B-4の形状によって変化する。よって、設計に応じて凹部1B-2の形状、寸法等を変更することにより、反射層12側から照明装置1Bを見たときの発光位置を変更することができる。本実施形態では、ユーザが反射層12側から照明装置1Bを見たとき、光源11から放射される直接光と側壁1B-4で反射した反射光との双方がユーザに到達し、これにより、光源11に対応する円状の発光部分と、側壁1B-4に対応する、該発光部分を取り囲むリング状の発光部分とが視認される。
【0058】
次に、
図2の照明装置1A及び1Bの製造方法を
図4を用いて説明する。
【0059】
最初に、熱成形可能な樹脂シートとしての反射層12を準備し、更に、熱成形樹脂シートとしてのベース層13を準備する(
図4(a))。また、最終段階で得たい照明装置1Bの形状(最終形状)と同一の形状を有する型20を準備する(
図4(f)参照))。この型は、例えばプラスチック用金型であり、長手方向端部がR面取り加工された長尺状の金型である。
【0060】
次に、導体14,14をベース層13の面13a上に設けて固定し(
図4(b))、更に光源11に電源を供給するために導体14,14の端子部16,16を設ける。この端子部16,16は、ベース層13の後述する熱変形後の形状における縁部1B-5に組み付けられるか、及び/又は反射層12と接合されていないベース層13の反対側の面13bに組み付けられる。導体14,14は、端子部16,16と一体成形されていてもよい。この場合、導体14,14をベース層13の面13a上に設けた後、導体14,14の端部を折り曲げることにより、ベース層13の反対側の面13b或いはベース層13の側面に端子部16,16を設けてもよい。
【0061】
また、導体14をベース層13の面13a上に設ける本工程において、照明装置1Bの最終形状を得るための成形時に反射層12及びベース層13の形状が共に変形する部分に対応する導体14の部分、例えば導体14の長手方向の中間部をベース層13に接着せず、反射層12及びベース層13の形状が共に変形しない部分に対応する導体14の他の部分、例えば導体14の長手方向両端部を、ベース層に接着するのが好ましい(
図10参照)。
【0062】
そして、ベース層13の面13a上に、導体14,14が接続される光源11を設ける(
図4(c))。光源11は、導体14,14の端部においてこれら導体14,14を跨ぐように取り付けられ、はんだ等の接着材を用いて導体14,14の双方に固定される。
【0063】
その後、反射層12に孔部15を設け(
図4(d))、次いで導体14,14が反射層12とベース層13との間で位置決めされるようにベース層13上に反射層12を載置する(
図4(e))。このとき、孔部15の位置を光源11の位置の直上に正確に配置し、且つ孔部15の形状は光源11の形状と同一とする。
【0064】
そして、光源11からの光が孔部15を介して照明装置1Aから直接的に出射されるか又はベース層13と接続されていない反射層12の反対側の面12aで反射されるように、且つ、反射層12の孔部15がベース層13の面13a上に組み付けられた光源11に対応する位置に位置決めされるように、反射層12をベース層13上で位置決めする(
図4(e))。
【0065】
そして、反射層12とベース層13との間に導体14,14が介装された状態で、反射層12及びベース層13を熱成形にて接合する。反射層12とベース層13とはポリマー溶融で接合されるのが好ましいが、接着材等の他の部材を介して互いに接合されてもよい。
【0066】
次いで、反射層12及びベース層13を、反射層12及びベース層13の形状が共に変形して照明装置1Bの最終形状を得るように、照明装置1Bの最終形状と同一の形状を有する型20を用いて熱によってポリマー軟化する(
図4(f))。このポリマー軟化は熱成形であり、所定温度に加熱した上記型を反射層12の面12aに押圧することで、ポリマー軟化が行われる。型は、例えば金型であり、1又は複数の金型を用いて成形される。型は棒状であるが、ハット状、フラワー状、ボトル状等の他の形状であってもよい。また、上記ポリマー溶融及びポリマー軟化は、異なる工程で行ってもよいが、製造工程の簡略化の観点から同一工程で行うのが好ましい。
【0067】
このとき導体14,14は、反射層12及びベース層13の変形に伴って伸長するが、可撓性を有するため破断せず、光源11と端子部16,16との間で十分な導通が確保される。また、導体14,14が、銅或いは銅合金又はアルミニウム或いはアルミニウム合金からなる金属シートである場合、展延性が高く、反射層12及びベース層13の変形に伴って容易に伸長することができる。
【0068】
次いで、一体化された反射層12及びベース層13の平面方向縁部を設計に応じて切断し、平坦部1B-1及び凹部1B-2を有する照明装置1Bの最終形状を得る(
図4(g))。
【0069】
上述したように、本実施形態によれば、照明装置1Aは、光源11と、光源11からの光を反射すると共に上記光を照明装置1Aの外部に導いて照明をなすように配置された反射層12と、光源11を保持すると共に反射層12を保持する熱成形樹脂製のベース層13と、ベース層13上に配置され、光源11に接続されて該光源に電源を供給するための複数の導体14,14とを備えるので、光源11、反射層12、ベース層13、導体14,14及び端子部16,16を一体化するだけで照明装置1Aを得ることができ、シンプルな構成で容易に組み立てることができ、製造コストを低減することができる。また、型を設計し且つ光源11、導体14,14及び端子部16,16をベース層13と一体化した後、上記型を用いて反射層12及びベース層13を互いに接合すると共にこれらを熱変形することにより照明装置1Bを製造することができるので、照明装置1Bの製造工程を、熱成形である1つの主要工程に単純化することが可能となる。
【0070】
また、上記のように製造された照明装置1Bは、端子部16,16に電源を供給するだけで直ちに光源11から光を放射することができるので、自動車製品、屋内或いは屋外で使用される照明器具に容易に用いることができる。更に、照明装置1Bのユーザは、自動車製品や照明器具に適用する際に、導体14,14が挟持された部分を除き、平坦部1B-1を所望の形状に切断することができるので、汎用性の高い照明装置を提供することができる。
【0071】
更に、照明装置1Aの特定の設計に基づいて、光源11と、導体14,14と、ダイオード、トランジスタ、種々のICセンサ(例えば、煙センサ、光センサ、熱センサ及び/又は湿度センサ)等の他の電気部品を回路基板の要素としてベース層13に配置することができる。これにより、(i)自動車産業を含む多くの分野における様々な仕様要求を満たした照明装置1A或いは1Bを、スマートオペレーションにてユーザに供給することができ、(ii)ベース層13及びその上面の反射層12を熱成形することで、上記全ての電気部品をベース層13及び反射層12に積層することができる。これにより、電気的、湿度的或いは水分的絶縁を確保することができ、照明装置1A或いは1Bを屋外及び屋内の双方で使用することが可能となる。
【0072】
図5は、
図1の照明装置1A或いは1Bの変形例を説明する図であり、(a)は変形前の導体の構成を示す図、(b)は変形後の導体の構成を示す断面図である。
図5(a)に示すように、照明装置2Aは、ベース層13上に配置され、且つ光源11に接続されて光源11に電源を供給するための導体24,24を備えている。導体24,24は、反射層12とベース層13との間に挟持されており、矩形のベース層13の幅方向に沿って配置されている。これらの導体24,24のうちの一方は、平面視で光源11からベース層13の幅方向の一方の縁部(左側)まで延設し、他方は光源11からベース層13の幅方向の他方の縁部(右側)まで延設している。
【0073】
導体24,24は、ベース層13上でジグザグ形状を有している。このジグザグ形状により、反射層12及びベース層13が三次元的に変形したとき、導体24,24が反射層12及びベース層13の変形に追従して三次元的に変形する(
図5(b))。よって、導体24,24が反射層12及びベース層13の変形に伴って容易に変形することができ、変形後の照明装置2Bにおいて信頼性の高い可撓性及び導通を確保することができる。
【0074】
導体24,24は、ジグザグ形状を有しているが、これに限らず、ミアンダ形状或いはラビリンス形状を有していてもよい。ミアンダ形状或いはラビリンス形状は、ベース層13に反射層12を載置する前に、導体24の幅方向両端に互い違いに切り欠きを設けることにより、線材と同様の形状に成形することができる。導体24,24がミアンダ形状或いはラビリンス形状を有することで、更に信頼性の高い可撓性及び導通を確保することができる。
【0075】
図6は、
図5の照明装置2A或いは2Bにおける導体24の変形例を示す断面図であり、(a)は変形前、(b)は変形後の状態を示す。
図6の照明装置は、
図5の照明装置と基本的に同じであるので、重複する説明を省略し、以下に異なる部分を説明する。
【0076】
図6(a)に示すように、照明装置3Aは、ベース層13上に配置され、且つ光源11に接続されて光源11に電源を供給するための導体34,34を備えている。導体34は、ベース層13の面13a上に配置された第1導体34aと、第1導体34aのベース層13とは反対側に配置された第2導体34bとを有している。この導体34は、第1導体34aと第2導体34bとが積層された位置にスライド部35を有しており、第2導体34bが第1導体34aの長手方向に沿って当該第1導体34a上でスライド可能に取り付けられている。
【0077】
反射層12及びベース層13が三次元的に変形したとき、スライド部35において第2導体34bが第1導体34a上でスライドし、導体34,34が反射層12及びベース層13の変形に追従して三次元的に変形する(
図6(b))。このとき、第2導体34bの幅方向への移動は反射層12とベース層13との接合によって規制され、第2導体34bは第1導体34aとの面接触を維持したままスライドする。よって、導体34,34が反射層12及びベース層13の変形に伴って容易に変形することができ、変形後の照明装置3Bにおいて信頼性の高い可撓性及び導通を確保することができる。
【0078】
図7は、
図5の照明装置2A或いは2Bにおける導体の他の変形例を示す断面図であり、(a)は変形前、(b)は変形後の状態を示す。
図7の照明装置も、
図5の照明装置と基本的に同じであるので、重複する説明を省略し、以下に異なる部分を説明する。
【0079】
図7(a)に示すように、照明装置4Aは、ベース層13上に配置され、且つ光源11に接続されて光源11に電源を供給するための導体44,44を備えている。導体44,44は、可撓性を有する導電性樹脂線材からなり、例えば球状、針状、フレーク状或いは不定形の導電性フィラーを含有する樹脂線材である。導電性フィラー含有樹脂線材として、例えば銅合金と同等の伝導性を有する線材を選択することができる。
【0080】
反射層12及びベース層13が三次元的に変形したとき、
図5(b)の場合と同様、導体44,44が反射層12及びベース層13の変形に追従して三次元的に変形する(
図7(b))。このとき導体44,44は、導通を維持したまま母材の樹脂が伸長する。よって、導体44,44が反射層12及びベース層13の変形に伴って容易に変形することができ、変形後の照明装置4Bにおいて信頼性の高い可撓性及び導通を確保することができる。
【0081】
また、導電性樹脂線材の質量は金属に比べて小さいため、照明装置4A或いは4Bの軽量化を図ることができる。また、光源11がLED光源である場合、低電圧で光を放射することができるので高電圧を要しない。よって、金属と同等の導電性、特に銅合金と同等の導電性を有する導電性樹脂線材を選択することにより、金属導体を用いた場合よりも軽量であり、且つ銅合金等の金属と同等の導電性を有する照明装置を提供することができる。
【0082】
(本発明の効果)
本発明によれば、電気部品を平坦に組み付けて照明装置を積層構造或いは扁平構造とすることができるので、特殊な技術を要せず、容易に組み付けることができる。また、上記積層構造或いは扁平構造を三次元形状に熱成形することにより、光源、導体、反射層及びベース層を含む立体構造の照明装置を提供することができる。更に、上記積層構造を扁平状とするか或いはロール状に成形することができ、また、このような扁平状の積層構造を1つの工場で生産することが可能となる。
【0083】
また、照明装置の最終形状を、ユーザの要求に応じて一工程で成形することができる。更に、照明装置を構成する複数の電気部品が2つの樹脂層間に積層されるので、これら電気部品を水、湿度或いはダストから保護することができる。
【0084】
以上、上記実施形態に係る照明装置及びその製造方法について述べたが、本発明は記述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
【0085】
例えば、導体14は、該導体の長手方向への延びを補償する導体補償部を有していてもよい。導体補償部は、
図8(a)に示すように、例えばベース層13の外縁部から突出している突起部51である。
【0086】
また、上記導体補償部は、
図8(b)に示すように、導体14の一部がその長手方向に関して曲げられた曲げ部52であってもよい。この曲げ部52は、ベース部13の平面視においてU字形状或いはC字形状であるが、S字形状などの他の形状を有していてもよい。
上記導体補償部は、
図8(c)に示すように、導体14の一部がその長手方向に関して折り曲げられた折り曲げ部53であってもよい。この折り曲げ部53は、例えばベース層13の厚み方向に関して重ね合わされた重ね合わせ部を構成している。
【0087】
また、上記導体補償部は、その長手方向と交わる方向に延在した少なくとも1つの切り込み部を有していてもよい。少なくとも1つの切り込み部は、
図9(a)に示すように、例えば、導体14の幅方向両端部から内側に向かって延在し、導体14の幅方向に沿って形成された複数の切り込み部54,54・・・で構成される。また、
図9(b)に示すように、上記少なくとも1つの切り込み部は、導体14の幅方向両端部から内側に向かって延在し、導体14の幅方向或いは長手方向に対して傾いて形成された複数の切り込み部55,55・・・で構成されてもよい。
【0088】
このように、導体14に上記導体補償部を設けることで、成形時における反射層12及びベース層13の変形に追従して導体14を変形させることができ、導体14の長手方向両端部間の電気的な接続を維持することができる。よって、反射層12及びベース層13が所望の最終形状に成形された状態で、外部から導体14を介して光源11に電力を供給する際の電力供給の信頼性を向上することができる。
【0089】
また、
図10に示すように、照明装置の最終形状の成形時に反射層12及びベース層13の形状が共に変形する部分に対応する導体14の部分、例えば導体14の長手方向の中間部14aが、ベース層13に接着されておらず、反射層12及びベース層13の形状が共に変形しない部分に対応する導体14の他の部分、例えば導体14の長手方向の一端部14bが、ベース層13に接着されていてもよい。換言すれば、光源11の近傍である光源近傍領域61で、導体14の一端部14bがベース層13に接着され、それ以外の領域では、導体14はベース層13に接着されていなくてもよい。
【0090】
これにより、ベース層13上での導体14の接着を簡略化しつつ導体14,14の絶縁信頼性を確保することができ、また、成形時における反射層12或いはベース層13の変形に伴って導体14を追従して変形させ易くなり、成形後の光源11への電力供給の信頼性を向上することができる。
【0091】
また、反射層12及びベース層13の形状が共に変形しない部分に対応する導体14の他の部分、例えば導体14の長手方向の他端部14cが、ベース層13に接着されていてもよい。換言すれば、ベース層13の外縁部を含む外縁近傍領域62で、導体14の他端部14cがベース層13に接着されるのが好ましい。これにより、成形後の光源11への電力供給の信頼性を向上しつつ、導体14,14の絶縁信頼性を高めることができる。
【符号の説明】
【0092】
1A 照明装置
1B 照明装置
2A 照明装置
2B 照明装置
3A 照明装置
3B 照明装置
4A 照明装置
4B 照明装置
11 光源
12 反射層
12a 面
13 ベース層
13a 面
13b 面
14 導体
15 孔部
16 端子部
17 端子
1B-1 平坦部
1B-2 凹部
1B-3 底壁
1B-4 側壁
1B-5 縁部
20 型
24 導体
34 導体
34a 第1導体
34b 第2導体
35 スライド部
44 導体