(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 16/55 20190101AFI20220121BHJP
【FI】
G06F16/55
(21)【出願番号】P 2018184842
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2020-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】臼杵 壮也
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑人
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-079354(JP,A)
【文献】特開2017-037412(JP,A)
【文献】特開2010-140069(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0019413(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像群の入力を受け付ける画像群受付部と、
前記画像群に写っている複数の人物を判別する人物判別部と、
前記画像群に含まれる画像毎に、前記人物判別部による前記複数の人物の判別結果に基づいて、前記複数の人物のうちの2以上の人物が前記画像に写っている場合に、前記2以上の人物が前記画像において共起関係にあることを表す共起関係情報を記憶する共起関係記憶部と、
前記複数の人物のうちの2人の人物の順列毎に、前記画像における共起関係情報の全てに基づいて、前記2人の人物の前記画像群における共起関係の強さを表す共起スコアを算出する共起スコア算出部と、
前記2人の人物の順列の前記画像群における共起スコアの全てに基づいて、前記複数の人物のうちの少なくとも一部の人物をグループに分類する人物分類部と、を備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記共起関係記憶部は、前記画像毎に、前記共起関係情報として、前記複数の人物の各々が前記画像に写っているか否かを表すフラグを記憶する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記共起スコア算出部は、前記画像毎に、nを2以上の整数として、前記2人の人物を含むn人の人物が前記画像に写っている場合に、前記2人の人物の順列の前記画像における共起スコアを1/(n-1)により算出し、前記2人の人物が前記画像に写っていない場合に、前記2人の人物の順列の前記画像における共起スコアを0とし、前記2人の人物の順列の前記画像における共起スコアの全てを加算することにより、前記2人の人物の順列の前記画像群における共起スコアを算出する、請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記人物分類部は、
前記複数の人物に含まれる人物毎に、前記人物と前記人物以外の各人物とからなる前記2人の人物の順列の前記画像群における共起スコアの全てを加算することにより前記人物の共起スコアの総合値を算出し、
前記人物毎に、前記人物と前記人物以外の各人物とからなる前記2人の人物の順列の前記画像群における共起スコアの各々を前記人物の共起スコアの総合値で割ることにより規格化し、
前記人物と前記人物以外の各人物とからなる前記2人の人物の順列の前記規格化された共起スコアの全てに基づいて、前記複数の人物をグループに分類する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記人物分類部は、
前記人物毎に、前記人物と前記人物以外の各人物とからなる第1の前記2人の人物の2通りの順列の前記規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較し、
前記第1の2人の人物の2通りの順列の前記規格化された共起スコアと前記第1しきい値とを比較する毎に、前記第1の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値以上である場合、前記第1の2人の人物を同じグループに分類し、前記第1の2人の人物の2通りの順列の両方の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値未満である場合、前記第1の2人の人物を異なるグループに分類し、さらに、前記第1の2人の人物を既存のグループに分類できるか否かを確認し、
前記第1の2人の人物を前記既存のグループに分類できるか否かを確認する場合、
前記第1の2人の人物に含まれる人物毎に、前記人物と前記既存のグループに属する各人物とからなる第2の前記2人の人物の2通りの順列の前記規格化された共起スコアと前記第1しきい値とを比較し、
全ての前記第2の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値以上である場合に、前記第2の2人の人物および前記既存のグループに属する人物を同じグループに分類し、前記全ての第2の2人の人物の中に、前記2通りの順列の両方の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値未満である第2の2人の人物が存在する場合に、前記第2の2人の人物を前記既存のグループに属する人物とは異なるグループに分類する、請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記人物分類部は、
前記共起スコアの最大値が大きい人物の順に、前記人物毎に、前記人物と前記人物以外の各人物とからなる第1の前記2人の人物の2通りの順列の前記規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較し、
前記全ての第2の2人の人物について、前記第2の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値以上である場合に、前記既存のグループを第1グループとし、前記第2の2人の人物を、前記第1グループに属する人物を包含する第2グループに分類する、請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記人物分類部は、前記既存のグループを前記第1グループとし、前記第2の2人の人物を、前記第1グループに属する人物を包含する前記第2グループに分類することを2回以上繰り返す、請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記人物分類部は、各々の前記グループについて、前記グループに属する前記2人の人物の組み合わせ毎に、前記組み合わせの2人の人物の2通りの順列の前記規格化された共起スコアに基づいて、前記組み合わせの2人の人物をレベルに分類する、請求項5ないし7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記人物分類部は、前記組み合わせの2人の人物の2通りの順列のうちの少なくとも一方の順列の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値以上である場合に、前記組み合わせの2人の人物の2通りの順列のうちの一方の順列の前記規格化された共起スコアと他方の順列の前記規格化された共起スコアとの差と、第2しきい値とを比較した結果、前記差が前記第2しきい値以上である場合に、前記組み合わせの2人の人物を異なるレベルに分類し、前記差が前記第2しきい値未満である場合に、前記組み合わせの2人の人物を同じレベルに分類する、請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記第1しきい値として、前記画像処理装置において単一の固定値が設定されている、請求項5ないし9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
さらに、ユーザの指示を受け付ける指示受付部を備え、
前記第1しきい値は、前記ユーザの指示に応じて設定される、請求項5ないし9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記指示受付部は、前記第1しきい値を入力するためのボックスを備える、請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記指示受付部はスライダバーを備え、前記スライダバーを移動させることにより、前記第1しきい値が変更される、請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項14】
さらに、前記グループ毎に、前記グループに属する人物を表示する人物表示部を備え、
前記人物分類部は、前記ユーザの指示に応じて前記第1しきい値が変更された場合に、前記変更された第1しきい値に基づいて、前記複数の人物のうちの少なくとも一部の人物をグループに分類し、
前記人物表示部は、前記変更された第1しきい値に基づいて分類されたグループ毎に、グループに属する人物を表示する、請求項11ないし13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記第1しきい値は、1/{(前記画像群に写っている人物の総数+前記画像群における画像1枚当たりの人物の登場回数)/2-1}により算出される、請求項5ないし9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記第2しきい値として、前記画像処理装置において単一の固定値が設定されている、請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項17】
さらに、ユーザの指示を受け付ける指示受付部を備え、
前記第2しきい値は、前記ユーザの指示に応じて設定される、請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項18】
前記指示受付部は、前記第
2しきい値を入力するためのボックスを備える、請求項17に記載の画像処理装置。
【請求項19】
前記指示受付部はスライダバーを備え、前記スライダバーを移動させることにより、前記第
2しきい値が変更される、請求項17に記載の画像処理装置。
【請求項20】
さらに、前記レベル毎に、前記レベルに属する人物を表示する人物表示部を備え、
前記人物分類部は、前記ユーザの指示に応じて前記第2しきい値が変更された場合に、前記変更された第2しきい値に基づいて前記組み合わせの2人の人物をレベルに分類し、
前記人物表示部は、前記変更された第2しきい値に基づいて分類されたレベル毎に、レベルに属する人物を表示する、請求項17ないし19のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項21】
前記第2しきい値は、1/{(前記画像群に写っている人物の総数+前記画像群における画像1枚当たりの人物の登場回数)/2-1}により算出される、請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項22】
さらに、前記グループ毎に、前記画像群の中から、前記グループに属する1以上の人物が写っている画像を特定する画像特定部と、
前記複数の人物の中から、一定の条件を満たす1以上の人物を特定人物として特定する人物特定部と、
前記グループ毎に、前記グループに属する1以上の人物が写っている画像の中から、前記特定人物が写っている画像なのか否かに基づいて一部の画像を選択する画像選択部と、を備える、請求項1ないし21のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項23】
前記人物分類部により、第1グループに属する人物を包含する第2グループが形成された場合、前記人物特定部は、前記第1グループに属する人物が、前記第2グループにおける前記特定人物であると特定する、請求項22に記載の画像処理装置。
【請求項24】
さらに、ユーザの指示を受け付ける指示受付部を備え、
前記人物特定部は、前記ユーザの指示によって指定された人物を前記特定人物として特定する、請求項22に記載の画像処理装置。
【請求項25】
前記人物特定部は、前記画像群における登場回数が最も多い人物を中心人物として、前記中心人物から前記画像群における登場回数が多い順に1以上の人物を前記特定人物として特定する、請求項22に記載の画像処理装置。
【請求項26】
前記画像選択部は、前記グループに属する1以上の人物が写っている画像の中から、前記特定人物の少なくとも1人と前記グループに属する前記特定人物以外の少なくとも1人の人物とが一緒に写っている画像と、前記グループに属する前記特定人物以外の少なくとも1人の人物が写っている画像と、前記特定人物の少なくとも1人が写っている画像および前記特定人物の少なくとも1人と前記グループに属さない少なくとも1人の人物とが一緒に写っている画像のうちの一定の条件を満たす一部の画像と、を選択する、請求項22ないし25のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項27】
前記画像選択部は、前記一部の画像として、最も画質がよい画像から画質がよい順に1以上の画像を選択する、請求項26に記載の画像処理装置。
【請求項28】
画像群受付部が、画像群の入力を受け付けるステップと、
人物判別部が、前記画像群に写っている複数の人物を判別するステップと、
共起関係記憶部が、前記画像群に含まれる画像毎に、前記人物判別部による前記複数の人物の判別結果に基づいて、前記複数の人物のうちの2以上の人物が前記画像に写っている場合に、前記2以上の人物が前記画像において共起関係にあることを表す共起関係情報を記憶するステップと、
共起スコア算出部が、前記複数の人物のうちの2人の人物の順列毎に、前記画像における共起関係情報の全てに基づいて、前記2人の人物の前記画像群における共起関係の強さを表す共起スコアを算出するステップと、
人物分類部が、前記2人の人物の順列の前記画像群における共起スコアの全てに基づいて、前記複数の人物のうちの少なくとも一部の人物をグループに分類するステップと、を含む、画像処理方法。
【請求項29】
前記グループに分類するステップは、
前記複数の人物に含まれる人物毎に、前記人物と前記人物以外の各人物とからなる前記2人の人物の順列の前記画像群における共起スコアの全てを加算することにより前記人物の共起スコアの総合値を算出するステップと、
前記人物毎に、前記人物と前記人物以外の各人物とからなる前記2人の人物の順列の前記画像群における共起スコアの各々を前記人物の共起スコアの総合値で割ることにより規格化するステップと、
前記人物と前記人物以外の各人物とからなる前記2人の人物の順列の前記規格化された共起スコアの全てに基づいて、前記複数の人物をグループに分類するステップと、を含む、請求項28に記載の画像処理方法。
【請求項30】
前記グループに分類するステップは、
前記人物毎に、前記人物と前記人物以外の各人物とからなる第1の前記2人の人物の2通りの順列の前記規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較するステップと、
前記第1の2人の人物の2通りの順列の前記規格化された共起スコアと前記第1しきい値とを比較する毎に、前記第1の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値以上である場合、前記第1の2人の人物を同じグループに分類し、前記第1の2人の人物の2通りの順列の両方の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値未満である場合、前記第1の2人の人物を異なるグループに分類し、さらに、前記第1の2人の人物を既存のグループに分類できるか否かを確認するステップと、を含み、
前記第1の2人の人物を前記既存のグループに分類できるか否かを確認する場合、
前記第1の2人の人物に含まれる人物毎に、前記人物と前記既存のグループに属する各人物とからなる第2の前記2人の人物の2通りの順列の前記規格化された共起スコアと前記第1しきい値とを比較するステップと、
全ての前記第2の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値以上である場合に、前記第2の2人の人物および前記既存のグループに属する人物を同じグループに分類し、前記全ての第2の2人の人物の中に、前記2通りの順列の両方の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値未満である第2の2人の人物が存在する場合に、前記第2の2人の人物を前記既存のグループに属する人物とは異なるグループに分類するステップと、を含む、請求項29に記載の画像処理方法。
【請求項31】
前記グループに分類するステップは、
各々の前記グループについて、前記グループに属する前記2人の人物の組み合わせ毎に、前記組み合わせの2人の人物の2通りの順列の前記規格化された共起スコアに基づいて、前記組み合わせの2人の人物をレベルに分類する、請求項30に記載の画像処理方法。
【請求項32】
前記グループに分類するステップは、
前記組み合わせの2人の人物の2通りの順列のうちの少なくとも一方の順列の前記規格化された共起スコアが前記第1しきい値以上である場合に、前記組み合わせの2人の人物の2通りの順列のうちの一方の順列の前記規格化された共起スコアと他方の順列の前記規格化された共起スコアとの差と、第2しきい値とを比較した結果、前記差が前記第2しきい値以上である場合に、前記組み合わせの2人の人物を異なるレベルに分類し、前記差が前記第2しきい値未満である場合に、前記組み合わせの2人の人物を同じレベルに分類する、請求項31に記載の画像処理方法。
【請求項33】
さらに、画像特定部が、前記グループ毎に、前記画像群の中から、前記グループに属する1以上の人物が写っている画像を特定するステップと、
人物特定部が、前記複数の人物の中から、一定の条件を満たす1以上の人物を特定人物として特定するステップと、
画像選択部が、前記グループ毎に、前記グループに属する1以上の人物が写っている画像の中から、前記特定人物が写っている画像なのか否かに基づいて一部の画像を選択するステップと、を含む、請求項28ないし32のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項34】
請求項28ないし33のいずれか一項に記載の画像処理方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項35】
請求項28ないし33のいずれか一項に記載の画像処理方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像群に写っている複数の人物を、その人物が属するグループに分類し、さらにグループ毎に、画像群に含まれる画像を分類する画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、結婚披露宴のように、多数の人物が参列し、カメラマン等により、その多数の人物が写っている非常に多数の画像(写真)が撮影される場合がある。また、撮影された画像を記念として参列者に送付したい場合がある。
【0003】
従来技術として、米国において発表されたGoogleフォトのアプリケーションのサービスにおいては、ユーザが保存している画像のうち、人物の顔が写っている顔画像等から、顔認識により、その画像に写っている人物を認識し、その人物の連絡先が分かっている場合に、その人物と画像を共有すべき旨のリコメンドを出すことができる(非特許文献1参照)。
【0004】
前述の結婚披露宴においては、主役である新郎新婦を中心人物として、例えば新郎新婦の両親、親戚、職場の同僚、学生時代の友人等のように、新郎新婦と様々な関係性を持つ複数のグループの人物が招待され、画像に写される。
【0005】
しかし、カメラマンは、複数のグループの人物の関係性を全て理解しているわけではないし、たとえ理解しているとしても新郎新婦を美しく撮影することに集中していて、グループを意識して画像を撮影するとは限らない。また、撮影される画像が多数であることから、カメラマンも新郎新婦も、多数の画像を分類して、グループ毎に、そのグループに属する人物が写っている画像を配るということを手作業で行うのは現実的ではない。
【0006】
人物毎に、その人物が写っている画像のグループに分類することは従来技術により可能かもしれない。しかし、実際には、ある人物が、他のグループに属する人物が主に写っている画像にたまたま写り込んでいたり、自分のグループに属する人物が主に写っている画像が撮影された時にたまたま席を外していたりすることもある。そのある人物にとって前者はあまり価値のある画像ではなく、後者は自分が写っていなくても価値のある画像である場合がある。
【0007】
ここで、本発明に関連性のある先行技術文献として、特許文献1,2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第4490214号公報
【文献】特許第4333481号公報
【非特許文献】
【0009】
【文献】Anil Sabharwal 、"500 million people using Google Photos, and three new ways to share"、[online]、2017年5月17日、Google Photos、[平成30年5月1日検索]、インターネット<URL:https://blog.google/products/photos/google-photos-500-million-new-sharing/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第1の目的は、画像群に写っている複数の人物をグループに分類することができる画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加えて、グループ毎に、画像群に含まれる画像を分類することができる画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、画像群の入力を受け付ける画像群受付部と、
画像群に写っている複数の人物を判別する人物判別部と、
画像群に含まれる画像毎に、人物判別部による複数の人物の判別結果に基づいて、複数の人物のうちの2以上の人物が画像に写っている場合に、2以上の人物が画像において共起関係にあることを表す共起関係情報を記憶する共起関係記憶部と、
複数の人物のうちの2人の人物の順列毎に、画像における共起関係情報の全てに基づいて、2人の人物の画像群における共起関係の強さを表す共起スコアを算出する共起スコア算出部と、
2人の人物の順列の画像群における共起スコアの全てに基づいて、複数の人物のうちの少なくとも一部の人物をグループに分類する人物分類部と、を備える、画像処理装置を提供する。
【0012】
ここで、共起関係記憶部は、画像毎に、共起関係情報として、複数の人物の各々が画像に写っているか否かを表すフラグを記憶することが好ましい。
【0013】
また、共起スコア算出部は、画像毎に、nを2以上の整数として、2人の人物を含むn人の人物が画像に写っている場合に、2人の人物の順列の画像における共起スコアを1/(n-1)により算出し、2人の人物が画像に写っていない場合に、2人の人物の順列の画像における共起スコアを0とし、2人の人物の順列の画像における共起スコアの全てを加算することにより、2人の人物の順列の画像群における共起スコアを算出することが好ましい。
【0014】
また、人物分類部は、
複数の人物に含まれる人物毎に、人物と人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の画像群における共起スコアの全てを加算することにより人物の共起スコアの総合値を算出し、
人物毎に、人物と人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の画像群における共起スコアの各々を人物の共起スコアの総合値で割ることにより規格化し、
人物と人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の規格化された共起スコアの全てに基づいて、複数の人物をグループに分類することが好ましい。
【0015】
また、人物分類部は、
人物毎に、人物と人物以外の各人物とからなる第1の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較し、
第1の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較する毎に、第1の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合、第1の2人の人物を同じグループに分類し、第1の2人の人物の2通りの順列の両方の規格化された共起スコアが第1しきい値未満である場合、第1の2人の人物を異なるグループに分類し、さらに、第1の2人の人物を既存のグループに分類できるか否かを確認し、
第1の2人の人物を既存のグループに分類できるか否かを確認する場合、
第1の2人の人物に含まれる人物毎に、人物と既存のグループに属する各人物とからなる第2の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較し、
全ての第2の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に、第2の2人の人物および既存のグループに属する人物を同じグループに分類し、全ての第2の2人の人物の中に、2通りの順列の両方の規格化された共起スコアが第1しきい値未満である第2の2人の人物が存在する場合に、第2の2人の人物を既存のグループに属する人物とは異なるグループに分類することが好ましい。
【0016】
また、人物分類部は、
共起スコアの最大値が大きい人物の順に、人物毎に、人物と人物以外の各人物とからなる第1の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較し、
全ての第2の2人の人物について、第2の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に、既存のグループを第1グループとし、第2の2人の人物を、第1グループに属する人物を包含する第2グループに分類することが好ましい。
【0017】
また、人物分類部は、既存のグループを第1グループとし、第2の2人の人物を、第1グループに属する人物を包含する第2グループに分類することを2回以上繰り返すことが好ましい。
【0018】
また、人物分類部は、各々のグループについて、グループに属する2人の人物の組み合わせ毎に、組み合わせの2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアに基づいて、組み合わせの2人の人物をレベルに分類することが好ましい。
【0019】
また、人物分類部は、組み合わせの2人の人物の2通りの順列のうちの少なくとも一方の順列の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に、組み合わせの2人の人物の2通りの順列のうちの一方の順列の規格化された共起スコアと他方の順列の規格化された共起スコアとの差と、第2しきい値とを比較した結果、差が第2しきい値以上である場合に、組み合わせの2人の人物を異なるレベルに分類し、差が第2しきい値未満である場合に、組み合わせの2人の人物を同じレベルに分類することが好ましい。
【0020】
また、第1しきい値として、画像処理装置において単一の固定値が設定されていることが好ましい。
【0021】
さらに、ユーザの指示を受け付ける指示受付部を備え、
第1しきい値は、ユーザの指示に応じて設定されることが好ましい。
【0022】
また、指示受付部は、第1しきい値を入力するためのボックスを備えることが好ましい。
【0023】
また、指示受付部はスライダバーを備え、スライダバーを移動させることにより、第1しきい値が変更されることが好ましい。
【0024】
さらに、グループ毎に、グループに属する人物を表示する人物表示部を備え、
人物分類部は、ユーザの指示に応じて第1しきい値が変更された場合に、変更された第1しきい値に基づいて、複数の人物のうちの少なくとも一部の人物をグループに分類し、
人物表示部は、変更された第1しきい値に基づいて分類されたグループ毎に、グループに属する人物を表示することが好ましい。
【0025】
また、第1しきい値は、1/{(画像群に写っている人物の総数+画像群における画像1枚当たりの人物の登場回数)/2-1}により算出されることが好ましい。
【0026】
また、第2しきい値として、画像処理装置において単一の固定値が設定されていることが好ましい。
【0027】
さらに、ユーザの指示を受け付ける指示受付部を備え、
第2しきい値は、ユーザの指示に応じて設定されることが好ましい。
【0028】
また、指示受付部は、第2しきい値を入力するためのボックスを備えることが好ましい。
【0029】
また、指示受付部はスライダバーを備え、スライダバーを移動させることにより、第2しきい値が変更されることが好ましい。
【0030】
さらに、レベル毎に、レベルに属する人物を表示する人物表示部を備え、
人物分類部は、ユーザの指示に応じて第2しきい値が変更された場合に、変更された第2しきい値に基づいて組み合わせの2人の人物をレベルに分類し、
人物表示部は、変更された第2しきい値に基づいて分類されたレベル毎に、レベルに属する人物を表示することが好ましい。
【0031】
また、第2しきい値は、1/{(画像群に写っている人物の総数+画像群における画像1枚当たりの人物の登場回数)/2-1}により算出されることが好ましい。
【0032】
さらに、グループ毎に、画像群の中から、グループに属する1以上の人物が写っている画像を特定する画像特定部と、
複数の人物の中から、一定の条件を満たす1以上の人物を特定人物として特定する人物特定部と、
グループ毎に、グループに属する1以上の人物が写っている画像の中から、特定人物が写っている画像なのか否かに基づいて一部の画像を選択する画像選択部と、を備えることが好ましい。
【0033】
また、人物分類部により、第1グループに属する人物を包含する第2グループが形成された場合、人物特定部は、第1グループに属する人物が、第2グループにおける特定人物であると特定することが好ましい。
【0034】
さらに、ユーザの指示を受け付ける指示受付部を備え、
人物特定部は、ユーザの指示によって指定された人物を特定人物として特定することが好ましい。
【0035】
また、人物特定部は、画像群における登場回数が最も多い人物を中心人物として、中心人物から画像群における登場回数が多い順に1以上の人物を特定人物として特定することが好ましい。
【0036】
また、画像選択部は、グループに属する1以上の人物が写っている画像の中から、特定人物の少なくとも1人とグループに属する特定人物以外の少なくとも1人の人物とが一緒に写っている画像と、グループに属する特定人物以外の少なくとも1人の人物が写っている画像と、特定人物の少なくとも1人が写っている画像および特定人物の少なくとも1人とグループに属さない少なくとも1人の人物とが一緒に写っている画像のうちの一定の条件を満たす一部の画像と、を選択することが好ましい。
【0037】
また、画像選択部は、一部の画像として、最も画質がよい画像から画質がよい順に1以上の画像を選択することが好ましい。
【0038】
また、本発明は、画像群受付部が、画像群の入力を受け付けるステップと、
人物判別部が、画像群に写っている複数の人物を判別するステップと、
共起関係記憶部が、画像群に含まれる画像毎に、人物判別部による複数の人物の判別結果に基づいて、複数の人物のうちの2以上の人物が画像に写っている場合に、2以上の人物が画像において共起関係にあることを表す共起関係情報を記憶するステップと、
共起スコア算出部が、複数の人物のうちの2人の人物の順列毎に、画像における共起関係情報の全てに基づいて、2人の人物の画像群における共起関係の強さを表す共起スコアを算出するステップと、
人物分類部が、2人の人物の順列の画像群における共起スコアの全てに基づいて、複数の人物のうちの少なくとも一部の人物をグループに分類するステップと、を含む、画像処理方法を提供する。
【0039】
ここで、グループに分類するステップは、
複数の人物に含まれる人物毎に、人物と人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の画像群における共起スコアの全てを加算することにより人物の共起スコアの総合値を算出するステップと、
人物毎に、人物と人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の画像群における共起スコアの各々を人物の共起スコアの総合値で割ることにより規格化するステップと、
人物と人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の規格化された共起スコアの全てに基づいて、複数の人物をグループに分類するステップと、を含むことが好ましい。
【0040】
また、グループに分類するステップは、
人物毎に、人物と人物以外の各人物とからなる第1の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較するステップと、
第1の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較する毎に、第1の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合、第1の2人の人物を同じグループに分類し、第1の2人の人物の2通りの順列の両方の規格化された共起スコアが第1しきい値未満である場合、第1の2人の人物を異なるグループに分類し、さらに、第1の2人の人物を既存のグループに分類できるか否かを確認するステップと、を含み、
第1の2人の人物を既存のグループに分類できるか否かを確認する場合、
第1の2人の人物に含まれる人物毎に、人物と既存のグループに属する各人物とからなる第2の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較するステップと、
全ての第2の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に、第2の2人の人物および既存のグループに属する人物を同じグループに分類し、全ての第2の2人の人物の中に、2通りの順列の両方の規格化された共起スコアが第1しきい値未満である第2の2人の人物が存在する場合に、第2の2人の人物を既存のグループに属する人物とは異なるグループに分類するステップと、を含むことが好ましい。
【0041】
また、グループに分類するステップは、
各々のグループについて、グループに属する2人の人物の組み合わせ毎に、組み合わせの2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアに基づいて、組み合わせの2人の人物をレベルに分類することが好ましい。
【0042】
また、グループに分類するステップは、
組み合わせの2人の人物の2通りの順列のうちの少なくとも一方の順列の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に、組み合わせの2人の人物の2通りの順列のうちの一方の順列の規格化された共起スコアと他方の順列の規格化された共起スコアとの差と、第2しきい値とを比較した結果、差が第2しきい値以上である場合に、組み合わせの2人の人物を異なるレベルに分類し、差が第2しきい値未満である場合に、組み合わせの2人の人物を同じレベルに分類することが好ましい。
【0043】
さらに、画像特定部が、グループ毎に、画像群の中から、グループに属する1以上の人物が写っている画像を特定するステップと、
人物特定部が、複数の人物の中から、一定の条件を満たす1以上の人物を特定人物として特定するステップと、
画像選択部が、グループ毎に、グループに属する1以上の人物が写っている画像の中から、特定人物が写っている画像なのか否かに基づいて一部の画像を選択するステップと、を含むことが好ましい。
【0044】
また、本発明は、上記の画像処理方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【0045】
また、本発明は、上記の画像処理方法の各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0046】
画像群の入力を受け付ける画像群受付部と、
画像群に写っている複数の人物を判別する人物判別部と、
画像群に含まれる画像毎に、人物判別部による複数の人物の判別結果に基づいて、複数の人物のうちの2以上の人物が画像に写っている場合に、2以上の人物が画像において共起関係にあることを表す共起関係情報を記憶する共起関係記憶部と、
複数の人物のうちの2人の人物の順列毎に、画像における共起関係情報の全てに基づいて、2人の人物の画像群における共起関係の強さを表す共起スコアを算出する共起スコア算出部と、
2人の人物の順列の画像群における共起スコアの全てに基づいて、複数の人物のうちの少なくとも一部の人物をグループに分類する人物分類部と、を備え、
共起関係記憶部はメモリであり、画像群受付部、人物判別部、共起スコア算出部および人物分類部は、ハードウェア、または、プログラムを実行するプロセッサである画像処理装置を提供する。
【0047】
さらに、ユーザの指示を受け付ける指示受付部を備え、
第1しきい値は、ユーザの指示に応じて設定され、
指示受付部は、ハードウェア、または、プログラムを実行するプロセッサであるのが好ましい。
【0048】
さらに、グループ毎に、グループに属する人物を表示する人物表示部を備え、
人物分類部は、ユーザの指示に応じて第1しきい値が変更された場合に、変更された第1しきい値に基づいて、複数の人物のうちの少なくとも一部の人物をグループに分類し、
人物表示部は、変更された第1しきい値に基づいて分類されたグループ毎に、グループに属する人物を表示し、
人物表示部は、ハードウェア、または、プログラムを実行するプロセッサであるのが好ましい。
【0049】
さらに、ユーザの指示を受け付ける指示受付部を備え、
第2しきい値は、ユーザの指示に応じて設定され、
指示受付部は、ハードウェア、または、プログラムを実行するプロセッサであるのが好ましい。
【0050】
さらに、レベル毎に、レベルに属する人物を表示する人物表示部を備え、
人物分類部は、ユーザの指示に応じて第2しきい値が変更された場合に、変更された第2しきい値に基づいて組み合わせの2人の人物をレベルに分類し、
人物表示部は、変更された第2しきい値に基づいて分類されたレベル毎に、レベルに属する人物を表示し、
人物表示部は、ハードウェア、または、プログラムを実行するプロセッサであるのが好ましい。
【0051】
さらに、グループ毎に、画像群の中から、グループに属する1以上の人物が写っている画像を特定する画像特定部と、
複数の人物の中から、一定の条件を満たす1以上の人物を特定人物として特定する人物特定部と、
グループ毎に、グループに属する1以上の人物が写っている画像の中から、特定人物が写っている画像なのか否かに基づいて一部の画像を選択する画像選択部と、を備え、
画像特定部、人物特定部、および画像選択部は、ハードウェア、または、プログラムを実行するプロセッサであるのが好ましい。
【0052】
さらに、ユーザの指示を受け付ける指示受付部を備え、
人物特定部は、ユーザの指示によって指定された人物を特定人物として特定し、
指示受付部は、ハードウェア、または、プログラムを実行するプロセッサであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0053】
本発明によれば、画像群のみに基づいて、画像群に写っている複数の人物をグループに分類することができる。また、分類されたグループ毎に、画像群に含まれる画像を分類することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明の画像処理装置の構成を表す一実施形態のブロック図である。
【
図2】
図1に示す画像処理装置の全体的な動作を表す一例のフローチャートである。
【
図3】複数の人物をグループに分類する際の画像処理装置の動作を表す一例のフローチャートである。
【
図4】複数の人物をレベルに分類する際の画像処理装置の動作を表す一例のフローチャートである。
【
図5】レベルに分類された複数の人物の関係性を表す一例の概念図である。
【
図6】グループに分類された複数の人物の関係性を表す一例の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の画像処理装置、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体を詳細に説明する。
【0056】
図1は、本発明の画像処理装置の構成を表す一実施形態のブロック図である。
図1に示す画像処理装置10は、画像群に写っている複数の人物をグループに分類し、グループ毎に、画像群に含まれる画像を分類する。画像処理装置10は、画像群受付部12と、人物判別部14と、共起関係記憶部16と、共起スコア算出部18と、人物分類部20と、指示受付部22と、人物表示部24と、画像特定部26と、人物特定部28と、画像選択部30と、を備えている。
【0057】
画像処理装置10において、まず、画像群受付部12は、画像群の入力を受け付ける。
【0058】
画像群の入力を受け付ける方法は特に限定されないが、例えばインターネット等のネットワークを介して送信されてくる画像群を受け付けて取得することができる。画像群は、複数の人物が写っている複数の画像を含んでいれば特に限定されないが、例えば結婚披露宴および修学旅行等のように、複数の人物が参加するイベントにおいて撮影されたものを例示することができる。
【0059】
続いて、人物判別部14は、画像群受付部12によって受け付けられた画像群に写っている複数の人物を判別する。
【0060】
人物判別部14は、画像群に含まれる画像毎に、画像に写っている人物の顔を顔認識により認識して、画像に写っている人物を判別(区別)する。
【0061】
続いて、共起関係記憶部16は、画像群に含まれる画像毎に、人物判別部14による複数の人物の判別結果に基づいて、複数の人物のうちの2以上の人物が画像に写っている場合に、2以上の人物がその画像において共起関係にあることを表す共起関係情報を記憶する。
【0062】
2以上の人物が同じ画像に写っている場合、この画像に写っている2以上の人物の間には、例えば友人等のように、何らかの関係性があると考えられる。本発明においては、このように何らかの関係性がある2以上の人物を共起関係にあると表現する。
【0063】
特に限定されないが、例えば画像毎に、共起関係情報として、複数の人物の各々が画像に写っているか否かを表すフラグを記憶することができる。例えば、フラグが「1」の場合、各人物がその画像に写っていることを意味し、フラグが「0」の場合、各人物がその画像に写っていないことを意味する。なお、人物が写っていない画像、および、1人の人物のみが写っている画像の共起関係情報として、共起関係にないことを表す共起関係情報を記憶してもよいし、あるいは共起関係情報を記憶しなくてもよい。
【0064】
続いて、共起スコア算出部18は、複数の人物のうちの2人の人物の順列毎に、画像における共起関係情報の全てに基づいて、2人の人物の画像群における共起関係の強さ、つまり、2人の人物の画像群における親密度を表す共起スコアを算出する。
【0065】
例えば、2人の人物A、Bのみが写っている画像における2人の人物A、Bの共起関係は、2人の人物A、Bを含む3人以上の人物が写っている画像における2人の人物A、Bの共起関係よりも強いと考えることができる。つまり、2人の人物のみが写っている画像における2人の人物の共起関係が最も強く、画像に写っている人物の数が多くなると、その画像に写っている2人の人物の共起関係は次第に弱くなると考えることができる。
【0066】
共起スコアの算出方法は特に限定されないが、例えば画像毎に、nを2以上の整数として、2人の人物を含むn人の人物が画像に写っている場合に、2人の人物の順列のその画像における共起スコアを1/(n-1)により算出し、2人の人物が画像に写っていない場合に、2人の人物の順列のその画像における共起スコアを0とすることができる。また、2人の人物の順列の画像における共起スコアの全てを加算することにより、2人の人物の順列の画像群における共起スコア(以下、画像群の共起スコアともいう)を算出することができる。
【0067】
続いて、人物分類部20は、共起スコア算出部18によって算出された、画像群の共起スコアの全てに基づいて、複数の人物のうちの少なくとも一部の人物をグループに分類する。
【0068】
本実施形態の人物分類部20は、複数の人物に含まれる人物毎に、その人物とその人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の画像群における共起スコアの全てを加算することによりその人物の共起スコアの総合値を算出し、人物毎に、その人物とその人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の画像群における共起スコアの各々をその人物の共起スコアの総合値で割ることにより規格化し、その人物とその人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の規格化された共起スコアの全てに基づいて、複数の人物をグループに分類する。
【0069】
人物分類部20は、人物判別部14によって判別された複数の人物をグループに分類してもよいが、例えば結婚披露宴の場合、司会者、ウェイター、ウェイトレスおよびカメラマン等のイベントスタッフが既知である場合には、例えば複数の人物の中からイベントスタッフを指定して除外することにより、複数の人物のうちの少なくとも一部の人物、つまり、イベントスタッフ以外の結婚披露宴に参加した人物のみをグループに分類する方がより好ましい。
【0070】
また、人物分類部20は、各々のグループについて、グループに属する2人の人物の組み合わせ毎に、その組み合わせの2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアに基づいて、2人の人物をレベルに分類する。
【0071】
本実施形態の人物分類部20は、2人の人物の2通りの順列のうちの一方の順列の規格化された共起スコアと他方の順列の規格化された共起スコアとの差(絶対値)に基づいて、2人の人物をレベルに分類する。
【0072】
続いて、指示受付部22は、ユーザの指示を受け付ける。
【0073】
指示受付部22は、ユーザの指示として、後述するように、例えば特定人物を指定する指示、第1しきい値および第2しきい値を変更する指示等を受け付ける。
【0074】
続いて、人物表示部24は、人物分類部20によって分類されたグループ毎に、そのグループに属する人物を表示する。また、人物表示部24は、人物分類部20によって分類されたレベル毎に、そのレベルに属する人物を表示する。
【0075】
続いて、画像特定部26は、グループ毎に、画像群の中から、そのグループに属する1以上の人物が写っている画像を特定する。
【0076】
続いて、人物特定部28は、複数の人物の中から、一定の条件を満たす1以上の人物を特定人物として特定する。
【0077】
特定人物の特定方法は特に限定されないが、例えば後述するように、人物分類部20により、第1グループに属する人物を包含する第2グループが形成された場合、人物特定部28は、第1グループに属する人物が、第2グループにおける特定人物であると特定してもよい。例えば、人物A、Bが第1グループに属し、人物A~Dが第2グループに属する場合、人物A、Bは第2グループにおける特定人物となる。
【0078】
また、人物特定部28は、ユーザの指示によって指定された人物を特定人物として特定してもよいし、画像群における登場回数が最も多い人物を中心人物(主人公)として、中心人物から画像群における登場回数が多い順に1以上の人物を特定人物として特定してもよい。
【0079】
続いて、画像選択部30は、グループ毎に、画像特定部26によって特定された、そのグループに属する1以上の人物が写っている画像の中から、人物特定部28によって特定された特定人物が写っている画像なのか否かに基づいて一部の画像を選択する。
【0080】
例えば、結婚披露宴の新郎新婦のように、登場回数が多い中心人物が存在する画像群には、中心人物と中心人物以外の各人物とが一緒に写っている多数の画像が含まれるため、中心人物は、ほとんど全てのグループに分類される可能性が高い。この場合、グループに属する1以上の人物が写っている画像は、画像群に含まれる大多数の画像となり、画像特定部26によってほとんど全ての画像が特定されることになる。
【0081】
しかし、中心人物が写っている画像は多数あるため、その全ての画像が必要であるとは限らない。従って、中心人物を特定人物として特定することにより、中心人物が写っている多数の画像のうちの一定の条件を満たす一部の画像のみを選択することが望ましい。なお、一定の条件は特に限定されないが、例えば画像の画質をスコア付けし、一部の画像として、最も画質がよい画像から画質がよい順に1以上の画像を選択することができる。
【0082】
一部の画像を選択する方法は特に限定されないが、例えばグループに属する1以上の人物が写っている画像の中から、特定人物の少なくとも1人とグループに属する特定人物以外の少なくとも1人の人物とが一緒に写っている画像と、グループに属する特定人物以外の少なくとも1人の人物が写っている画像と、特定人物の少なくとも1人が写っている画像および特定人物の少なくとも1人とグループに属さない少なくとも1人の人物とが一緒に写っている画像のうちの一定の条件を満たす一部の画像と、を選択することができる。
【0083】
次に、
図2に示すフローチャートを参照して画像処理装置の全体的な動作を説明する。
【0084】
まず、画像群受付部12により、画像群の入力が受け付けられる(ステップS1)。
【0085】
続いて、人物判別部14により、画像群に写っている複数の人物が判別される(ステップS2)。
【0086】
続いて、共起関係記憶部16により、画像群に含まれる画像毎に、人物の判別結果に基づいて、複数の人物のうちの2以上の人物が画像に写っている場合に、2以上の人物がその画像において共起関係にあることを表す共起関係情報が記憶される(ステップS3)。
【0087】
続いて、共起スコア算出部18により、複数の人物のうちの2人の人物の順列毎に、画像における共起関係情報の全てに基づいて、画像群の共起スコアが算出される(ステップS4)。
【0088】
共起スコア算出部18は、例えば複数の人物A~Zの26人である場合、2人の人物の順列として、A×A、A×B、…、A×Z、B×A、B×B、…、B×Z、…、Z×A、Z×B、…、Z×Zの25×26通りの順列の共起スコアSAA、SAB、…、SAZ、SBA、SBB、…、SBZ、SZA、SZB、…、SZZを算出する。なお、A×BおよびB×Aの順列の共起スコアSABおよびSBAは同じになる。他の同じ2人の人物からなる2組の順列の共起スコアも同じである。また、A×A、B×B等のように、同一人物からなる2人の順列の共起スコアは算出してもよいし、算出しなくてもよい。
【0089】
続いて、人物分類部20により、画像群の共起スコアの全て基づいて、複数の人物がグループに分類される(ステップS5)。
【0090】
グループの分類が終了すると、続いて、画像特定部26により、グループ毎に、画像群の中から、そのグループに属する1以上の人物が写っている画像が特定される(ステップS6)。
【0091】
また、人物特定部28により、複数の人物の中から、一定の条件を満たす1以上の人物が特定人物として特定される(ステップS7)。
【0092】
続いて、画像選択部30により、グループ毎に、そのグループに属する1以上の人物が写っている画像の中から、特定人物が写っている画像なのか否かに基づいて一部の画像が選択される(ステップS8)。
【0093】
画像処理装置10においては、画像群のみに基づいて、画像群に写っている複数の人物をグループに分類することができる。また、分類されたグループ毎に、画像群に含まれる画像を分類することができる。グループ毎に分類された画像は、そのグループに属する人物の間で共有される画像であり、例えばその画像のプリントおよびその画像を用いて作成されたフォトアルバム等をグループに属する各人物に送付するために使用することができる。
【0094】
このように、グループに属する各人物に、そのグループに分類された共通の画像を送付することにより、人物毎に異なる画像を送付する場合よりも、グループに属する各人物が共通の画像を共有しながら一緒に閲覧して楽しむことができる。また、グループに属する各人物は、そのグループに属する人物が主に写っている画像が撮影された時にたまたま席を外していて写っていない場合であっても、そのグループに分類された画像を受け取ることができる。
【0095】
次に、
図3および
図4に示すフローチャートを参照して人物のグループおよびレベルへの分類について詳細に説明する。
【0096】
複数の人物をグループに分類する場合、まず、人物毎に、その人物とその人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の画像群における共起スコアの最大値(以下、単に共起スコアの最大値ともいう)を求める(ステップS9)。
【0097】
例えば、画像群に複数の人物A~Zの26人が写っているとする。
この場合、人物Aと各人物B~Zとからなる2人の人物の順列A×B、A×C、…、A×Zの共起スコアSAB、SAC、…、SAZの最大値SAmaxを求める。以下同様にして、人物B~Zについても共起スコアの最大値SBmax~SZmaxを求める。
【0098】
続いて、複数の人物の画像群の共起スコアの最大値を大きい順にソートし、かつ、人物毎に、その人物以外の人物の画像群の共起スコアを大きい順にソートする(ステップS10)。
【0099】
例えば、人物A~Zの画像群の共起スコアの最大値SAmax~SZmaxを大きい順にソートして、左側から右側へ向かって横方向に並べる。また、人物Aについて、人物A以外の人物B~Zの画像群の共起スコアSAB、SAC、…、SAZを大きい順にソートして、上側から下側ヘ向かって縦方向に並べる。以下同様にして、人物B~Zについてもその人物以外の人物の画像群の共起スコアを大きい順にソートして縦方向に並べる。
これにより、複数の人物の共起スコアの最大値が大きい順に横方向にソートされ、かつ、人物毎に、その人物以外の人物の画像群の共起スコアが大きい順に縦方向にソートされて縦25×横26の行列ができる。
なお、人間にとっての理解を容易にするためにソートすることが望ましいが、本発明においてソートすることは必須ではない。
【0100】
続いて、人物毎に、その人物とその人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の画像群における共起スコアの全てを加算することにより、その人物の画像群の共起スコアの総合値を算出する(ステップS11)。
【0101】
例えば、人物Aについて、人物Aと各人物B~Zとからなる2人の人物の順列A×B、A×C、…、A×Zの共起スコアSAB、SAC、…、SAZの全てを加算することにより、人物Aの共起スコアの総合値SAsumを算出する。以下同様にして、人物B~Zについても共起スコアの総合値SBsum~SZsumを算出する。
【0102】
続いて、人物毎に、その人物とその人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の画像群における共起スコアの各々を、その人物の共起スコアの総合値で割ることにより規格化し、その人物とその人物以外の各人物とからなる2人の人物の順列の規格化された共起スコアを算出する(ステップS12)。規格化された共起スコアは、0~1の範囲の数値になる。
【0103】
例えば、人物Aについて、人物Aと各人物B~Zとからなる2人の人物の順列A×B、A×C、…、A×Zの共起スコアSAB、SAC、…、SAZの各々を、人物Aの共起スコアの総合値SAsumで割ることにより規格化し、規格化された共起スコアSABstd、SACstd、…、SAZstdを算出する。以下同様にして、人物B~Zについても規格化された共起スコアを算出する。
【0104】
画像群の共起スコアは、画像群に含まれる画像の枚数に依存するが、人物毎に、規格化された共起スコアは、画像の枚数に依存せず、その人物とその人物以外の各人物との画像群における共起関係の強さを表す。規格化された共起スコアが大きいほど、その人物にとって画像群における共起関係が強い人物、つまり、画像群において、その人物と親密度が高い人物であることを表す。例えば、人物A、Bの順列A×Bの規格化された共起スコアSABstdは、人物Aと人物Bとの親密度、言い換えると、人物Aから見た人物Bの重要度を表す。
【0105】
画像群の共起スコアを規格化することにより、各人物の共起スコアの総合値に応じて、2人の人物の順列のうちの一方の順列の規格化された共起スコアと、他方の順列の規格化された共起スコアとが異なる値になる場合がある。一方の順列の規格化された共起スコアと、他方の順列の規格化された共起スコアとが異なる場合、2人の人物の順列の規格化された共起スコアには、2人の人物のうちの一方の人物から他方の人物への向きが生まれる。
【0106】
例えば、2人の人物A、Bの順列A×Bの規格化された共起スコアと、順列B×Aの規格化された共起スコアとが同じ場合、2人の人物A、Bは対等な関係である。一方、順列A×Bの規格化された共起スコアが順列B×Aの規格化された共起スコアよりも小さい場合、人物Aは人物Bよりも中心人物との関係性が高い人物であり、人物Bは人物Aよりも中心人物との関係性が低い人物である。
【0107】
続いて、複数の人物に含まれる人物毎に、その人物とその人物以外の各人物とからなる第1の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較する(ステップS13)。
【0108】
複数の人物A~Zの場合、まず、2人の人物A、Bの組み合わせについて、2人の人物A、Bの2通りの順列A×B、B×Aの規格化された共起スコアSABstd、SBAstdと第1しきい値とを比較する。以下同様にして、人物A、C、人物A、D、…についても比較する。また、人物B~Zについても同様に比較する。
つまり、人物A~Zについて各人物を総当たりして、各々の第1の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較する。
【0109】
続いて、複数の人物の比較結果に基づいて、複数の人物をグループに分類する(ステップS14)。
【0110】
この場合、第1の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較する毎に、第1の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合、第1の2人の人物を同じグループに分類し、第1の2人の人物の2通りの順列の両方の規格化された共起スコアが第1しきい値未満である場合、第1の2人の人物を異なるグループに分類し、さらに、第1の2人の人物を既存のグループに分類できるか否かを確認する。
【0111】
また、第1の2人の人物を既存のグループに分類できるか否かを確認する場合、第1の2人の人物に含まれる人物毎に、人物と既存のグループに属する各人物とからなる第2の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較し、全ての第2の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に、第2の2人の人物および既存のグループに属する人物を同じグループに分類し、全ての第2の2人の人物の中に、2通りの順列の両方の規格化された共起スコアが第1しきい値未満である第2の2人の人物が存在する場合に、第2の2人の人物を既存のグループに属する人物とは異なるグループに分類する。
【0112】
同様に、複数の人物A~Zにおいて、例えば第1の2人の人物A、Bの2通りの順列の少なくとも一方の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合、この第1の2人の人物A、Bを同じグループに分類する。また、第1の2人の人物A、Cの2通りの順列の両方の規格化された共起スコアが第1しきい値未満である場合、この第1の2人の人物A、Cを異なるグループに分類する。
【0113】
また、第1の2人の人物A,Cを既存の人物A,Bのグループに分類できるか否かを確認する場合、第1の2人の人物A,Cに含まれる各人物と既存のグループに属する各人物A,Bとからなる第2の2人の人物、つまり、人物A,A、人物A,B、人物C,A、人物C,Bの2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較する。なお、人物A,A、人物A,B、人物C,Aについて比較する必要はない。
その結果、第2の2人の人物C,Bの2通りの順列の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に、第2の2人の人物C,Bおよび既存のグループに属する人物A,Bを同じグループに分類する。つまり、人物A,B,Cを同じグループに分類する。一方、第2の2人の人物C,Bの2通りの順列の両方の規格化された共起スコアが第1しきい値未満である場合に、第2の2人の人物C,Bを既存のグループに属する人物A,Bとは異なるグループに分類する。つまり、人物A,Cを人物A,Bとは異なるグループに分類する。
【0114】
以下同様にして、人物Aと各人物D~Zとからなる第1の2人の人物についてもグループに分類する。また、人物B~Zについても同様にグループに分類する。
【0115】
グループの分類が終了すると、例えば人物表示部24により、人物分類部20によって分類されたグループ毎に、そのグループに属する人物が表示される(ステップS15)。
【0116】
続いて、指示受付部22により、第1しきい値を変更するユーザの指示が受け付けられる(ステップS16)。
【0117】
ユーザの指示に応じて第1しきい値が変更された場合、人物分類部20により、変更された第1しきい値に基づいて、複数の人物がグループに分類される(ステップS17)。
【0118】
続いて、人物表示部24により、変更された第1しきい値に基づいて、人物分類部20によって分類されたグループ毎に、そのグループに属する人物が表示される(ステップS18)。
【0119】
ユーザは、第1しきい値を変更することにより、グループ毎に、そのグループに属する人物の構成を変更することができる。従って、ユーザは、第1しきい値を変更した結果、変更された第1しきい値に基づいてグループが分類され、グループ毎に表示されたグループに属する人物を確認することを繰り返し行うことによって、複数の人物を、ユーザが所望する、より適切なグループに分類することができる。
【0120】
なお、例えば共起スコアの最大値が大きい人物の順に、人物毎に、人物と人物以外の各人物とからなる第1の2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較し、全ての第2の2人の人物について、第2の2人の人物の2通りの順列の少なくとも一方の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に、既存のグループを第1グループとし、第2の2人の人物を、第1グループに属する人物を包含する第2グループに分類してもよい。つまり、第2グループは、第1グループに属する人物を包含するグループとなる。
【0121】
また、第1グループおよび第2グループからなる2つのグループに限らず、例えば第1グループ、第2グループおよび第3グループからなる3つのグループに分類して、第3グループが第2グループに属する人物を包含し、第2グループが第1グループに属する人物を包含するグループとしてもよい。つまり、共起スコアの最大値が小さい方の人物が属する既存のグループを第1グループとし、共起スコアの最大値が大きい方の第2の2人の人物を、第1グループに属する人物を包含する第2グループとすることを2回以上繰り返してもよい。
【0122】
続いて、各々のグループについて、グループに属する人物をレベルに分類する(ステップS19)。
【0123】
グループに属する人物をレベルに分類する場合、各々のグループについて、そのグループに属する2人の人物の組み合わせ毎に、その組み合わせの2人の人物の2通りの順列のうちの少なくとも一方の順列の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に、2人の人物の2通りの順列のうちの一方の順列の規格化された共起スコアと他方の順列の規格化された共起スコアとの差(絶対値)と、第2しきい値とを比較する。
【0124】
なお、2人の人物の2通りの順列のうちの少なくとも一方の順列の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に限定するのは、そもそも2人の人物の順列の規格化された共起スコアが第1しきい値未満である2人の人物は共起関係が弱く、何らかの関係性があるとは考えられないため、複数の人物をグループに分類する場合においても、第1しきい値未満である人物はグループに分類しないからである。
【0125】
その結果、前述の差が第2しきい値以上である場合に、2人の人物を異なるレベルに分類する。
一方、差が第2しきい値未満である場合に、この2人の人物を同じレベルに分類する。
つまり、2人の人物は同じグループに属しているが、同じレベルに属しているとは限らず、異なるレベルに属している場合もある。
【0126】
例えば、同じグループに人物A~Zが属するとする。
このグループに属する人物A、Bの組み合わせについて、人物A、Bの2通りの順列A×BおよびB×Aのうちの少なくとも一方の順列の規格化された共起スコアが第1しきい値以上である場合に、人物A、Bの2通りの順列A×BおよびB×Aのうちの一方の順列A×Bの規格化された共起スコアと他方の順列B×Aの規格化された共起スコアとの差と、第2しきい値とを比較する。
【0127】
その結果、一方の順列A×Bの規格化された共起スコアと他方の順列B×Aの規格化された共起スコアとの差が第2しきい値以上である場合に、この2人の人物A、Bを異なるレベルに分類する。一方、一方の順列A×Bの規格化された共起スコアと他方の順列B×Aの規格化された共起スコアとの差が第2しきい値未満である場合、この2人の人物A、Bを同じレベルに分類する。
【0128】
以下同様にして、人物A~Zに属する2人の人物の組み合わせの全てについて、一方の順列の規格化された共起スコアと他方の順列の規格化された共起スコアとの差と、第2しきい値との比較を行い、人物A~Zをレベルに分類する。
【0129】
レベルの分類が終了すると、例えば人物表示部24により、人物分類部20によって分類されたグループ毎に、かつレベル毎に、そのグループおよびレベルに属する人物が表示される(ステップS20)。
【0130】
続いて、指示受付部22により、第2しきい値を変更するユーザの指示が受け付けられる(ステップS21)。
【0131】
ユーザの指示に応じて第2しきい値が変更された場合、人物分類部20により、変更された第2しきい値に基づいて、各々のグループについて、グループに属する2人の人物の組み合わせ毎に、その組み合わせの2人の人物がレベルに分類される(ステップS22)。
【0132】
続いて、人物表示部24により、変更された第2しきい値に基づいて、人物分類部20によって分類されたグループ毎に、かつレベル毎に、そのグループおよびレベルに属する人物が表示される(ステップS23)。
【0133】
ユーザは、第2しきい値を変更することにより、レベル毎に、そのレベルに属する人物の構成を変更することができる。従って、ユーザは、第2しきい値を変更した結果、変更された第2しきい値に基づいてレベルが分類され、レベル毎に表示されたレベルに属する人物を確認することを繰り返し行うことによって、複数の人物を、より適切なレベルに分類することができる。
【0134】
レベルに分類することは必須ではないが、例えばグループに属する人物の数が一定数以上である場合等に、同じグループに属する人物をさらにレベルに分類することができる。また、分類されたレベル毎に、画像群に含まれる複数の画像を分類することができる。
レベル毎に分類された画像は、グループの場合と同じように、そのレベルに属する人物の間で共有される画像であり、例えばその画像のプリントおよびフォトアルバム等をレベルに属する各人物に送付するために使用することができる。
【0135】
なお、ユーザは、第1しきい値および第2しきい値の両方を同時に変更して、グループへの分類およびレベルへの分類を同時に変更してもよい。また、グループおよびレベルへの分類は、グループへの分類を全て完了した後にレベルへの分類を行ってもよいし、1つのグループへの分類を行う毎に、その1つのグループについてレベルへの分類を行ってもよい。あるいは、新たな人物がグループに分類される毎に、そのグループに分類された新たな人物について順次レベルへの分類を行ってもよい。
【0136】
従来技術においても、画像に写っている人物を認識し、その認識結果に基づいて、人物同士が共起関係にあるか否かを判別することは可能であった。しかし、人物同士の共起関係から、複数の人物をグループに分類する(クラスタリングする)技術は従来無かった。
【0137】
従来技術において、たとえ人物の同士の共起関係に基づいて、複数の人物を単純なグループに分類することができたとしても、例えば結婚披露宴の画像のように、単なる人物同士の共起関係に加え、誰が中心人物(主人公)なのかを特定し、また、中心人物と同じ関係性で結びついている他の人物(特定人物)を特定して、同じ関係性で結びついている人物のグループを特定したり、グループに属する人物をレベルに分類したりするといったことはできなかった。
【0138】
以下、具体的な画像群の例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0139】
表1は、結婚披露宴の画像群における画像の名称および各画像に写っている人物の名称を表す。結婚披露宴の画像群においては、新郎新婦が中心人物であり、各参列者は、新郎および新婦の少なくとも一方と関係性がある人物である。
【0140】
【0141】
表1の左端の列の上側から2~16行目には、各画像の名称が示されている。各画像の名称は、新婦入場の画像、新郎新婦誓いの画像、指輪交換の画像、集合写真の画像、披露宴入場の画像、乾杯の画像、新郎友人余興の画像、新婦友人手紙の画像、テーブル集合1~4の画像、新婦手紙の画像、新郎挨拶の画像および退場の画像であり、画像群の総数は15枚である。
なお、説明の都合上、各画像のシーンの名称を記載しているが、本発明の画像処理装置は、各画像のシーンの名称を理解しているわけではない。また、説明の都合上、人物に「新郎」、「新婦」等、結婚式における役柄について記載しているが、本発明の画像処理装置は、各人物の役柄を理解しているわけではない。しかし、画像に写っている人物の顔を顔認識により認識して、画像に写っている人物を判別することはできる。
【0142】
表1の最上行の左側から2~15列目には、各人物の名称が示されている。各人物の名称は、新婦(以下、人物Aともいう。他の人物についても同様である。)、新郎(B)、新婦父(C)、新婦母(D)、新郎父(E)、新郎母(F)、新婦親戚1(G)、新婦親戚2(H)、新郎親戚1(I)、新郎親戚2(J)、新婦友人1(K)、新婦友人2(L)、新郎友人1(M)および新郎友人2(N)であり、人物の総数は14人である。
【0143】
表1の上側から2~16行目および左側から2~15列目には、共起関係情報として、各人物A~Nが各画像に写っているか否かを表すフラグが示されている。フラグが「1」の場合、人物が画像に写っていることを意味し、フラグが「0」の場合、人物が画像に写っていないことを意味する。例えば、新婦入場の画像には、新婦および新婦父が写っている。つまり、新婦入場の画像において、新婦および新婦父は共起関係にある。
【0144】
表1の下側から2行目の左側から2~15列目には、画像群における各人物の登場回数(画像群において、各人物が写っている画像の枚数)が示され、表1の末行の左側から2~15列目には、画像1枚当たりの各人物の登場回数が示されている。例えば、画像群における新婦の登場回数は14回であり、画像1枚当たりの新婦の登場回数は、14/15=約0.933回である。
【0145】
表1の右端の列の上側から2~16行目には、各画像に写っている人物の人数が示されている。例えば、新婦入場の画像に写っている人物の人数は新婦および新婦父の2人である。
【0146】
表1の右端の列の下側から2行目には、画像群における人物の総登場回数が示され、表1の右端の列の末行には、画像1枚当たりの人物の登場回数が示されている。画像群における人物の総登場回数は66回であり、画像1枚当たりの人物の登場回数は、66/15=4.4回である。
【0147】
続いて、表2は、新婦Aと各人物A~Nとの順列の各画像における共起スコアを表す。
【0148】
【0149】
表2の左端の列の上側から2~16行目には、表1と同じように各画像の名称が示されている。
【0150】
表2の最上行の左側から2~15列目には、新婦Aと各人物A~Nとの順列A×A、A×B、A×C、A×D、A×E、A×F、A×G、A×H、A×I、A×J、A×K、A×L、A×M、A×Nの名称が示されている。
【0151】
例えば、表2の左側から3列目の2~16行目には、新婦Aと新郎Bとの順列A×Bの各画像における共起スコアが示されている。新婦Aと新郎Bとの順列A×Bの新婦入場の画像における共起スコアは、新婦入場の画像において新婦Aと新郎Bは一緒に写っていないため、0となる。また、新婦Aと新郎Bとの順列A×Bの新郎新婦誓いの画像における共起スコアは、新郎新婦誓いの画像において新婦Aと新郎Bは一緒に写っていて、新郎新婦誓いの画像に写っている人物の総数は2人(n=2)であるから、1/(n-1)=1/(2-1)=1となる。
【0152】
表2の左側から3列目の末行には、新婦Aと新郎Bとの順列A×Bの画像群における共起スコアが示されている。新婦Aと新郎Bとの順列A×Bの画像群における共起スコアは、新婦Aと新郎Bとの順列A×Bの全ての画像における共起スコアを加算することにより、0+1+1+0.077+1+1+0+0+0.2+0.2+0.333.0.333+0+0.2+0.143=約5.486となる。
【0153】
新婦Aと各人物B~Nとの順列以外の2人の人物の順列の共起スコアも同様にして算出することができる。
【0154】
続いて、表3は、画像群の共起スコアを表す。
【0155】
【0156】
表3の最上行の左側から2~15列目には、各人物の名称A~Nが示されている。同様に、表3の左端の列の上側から2~15行目には、各人物の名称A~Nが示されている。
【0157】
表3の上側から2~15行目および左側から2~15列目には、画像群の共起スコアが示されている。例えば、新婦Aと新郎Bとの順列の画像群における共起スコアは、表2の左側から3列目の末行にも示されているように、約5.486である。なお、表3においては、例えば新婦Aと新婦Aとの順列のように、同一人物からなる2人の人物の順列の共起スコアは除外されている。
【0158】
表3の末行の左側から2~15列目には、画像群において、各人物が写っている画像の枚数が示されている。例えば、画像群において、新婦Aが写っている画像の枚数は、表1の左側から2列目の下側から2行目にも示されているように、14枚である。
【0159】
続いて、表4および表5は、表3の共起スコアに基づいて、複数の人物の画像群の共起スコアの最大値を大きい順にソートし、かつ、人物毎に、その人物以外の人物の画像群の共起スコアを大きい順にソートしたものである。
【0160】
【0161】
【0162】
表4および表5の最上行の偶数番目の列には、画像群の共起スコアの最大値が大きい人物の順に左側から各人物の名称が示されている。各人物の名称は、左側から、A、B、C、K、N、M、L、D、E、F、G、H、I、Jである。
【0163】
例えば、表4の左端の列および左側から2列目は、新婦Aと各人物B~Nとの順列の画像群における共起スコアを表す。表4の左側から2列目には、新婦Aと各人物B~Nとの順列の画像群における共起スコアが大きい順に上側から示されている。また、表4の左端の列には、新婦A以外の各人物B~Nの名称が、画像群の共起スコアが大きい人物の順に上側から示されている。
【0164】
表4および表5の末行の偶数番目の列には、人物毎に、画像群の共起スコアの総合値が示されている。例えば、表4の末行の左側から2列目に示されているように、新婦Aと各人物B~Nとの順列の画像群における共起スコアの総合値は、新婦Aと各人物B~Nとの順列の共起スコアの全てを加算したものであり、5.486+2.620+1.053+0.910+0.620+0.620+0.620+0.553+0.410+0.277+0.277+0.277+0.277=14となる。
【0165】
続いて、表6および表7は、人物毎に、表4および表5の共起スコアをその人物の共起スコアの総合値で割ることによって規格化された共起スコアを表す。
【0166】
【0167】
【0168】
例えば、表6の左側から2列目には、新婦Aと各人物B~Nとの順列の規格化された共起スコアが大きい順に上側から示されている。新婦Aと新郎Bとの順列の規格化された共起スコアは、約5.486/14=約0.392であり、新郎Bと新婦Aとの順列の規格化された共起スコアは、約5.486/12=約0.457である。
【0169】
続いて、例えば第1しきい値=0.122として、14人の人物A~Nをグループに分類する。
【0170】
表8および表9は、複数の人物に含まれる人物毎に、その人物とその人物以外の各人物とからなる2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較した結果を表す。
【0171】
【0172】
【0173】
例えば、表8において、ADは、2人の人物A、Dの2通りの順列A×DおよびD×Aを表す。AD=X,Oは、順列A×D=Xおよび順列D×A=Oを表す。順列A×D=Xは、順列A×Dの規格化された共起スコアが第1しきい値未満であることを表し、順列D×A=Oは、順列D×Aの規格化された共起スコアが第1しきい値以上であることを表す。
【0174】
人物Aについて、まず、AB=O,Oであるから、人物A、Bを同じグループに分類する。
【0175】
続いて、AC=O,Oであるから、人物A、Cを同じグループに分類する。この場合、人物A、Cを既存の人物A、Bのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、CA=O,O、CB=X,Xであるから、人物Cを既存の人物A、Bのグループに分類しない。なお、人物Aは、既存の人物A、Bのグループに属しているため、確認する必要はない。人物Aについては以下同様である。
【0176】
続いて、AD=X,Oであるから、人物A、Dを同じグループに分類する。この場合、人物Dを既存の人物A、Bのグループおよび人物A、Cのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、DA=O,X、DB=O,Xであるから、人物A、B、Dを同じグループに分類する。また、DA=O,X、DC=O,Xであるから、人物A、C、Dを同じグループに分類する。
【0177】
続いて、AE=X,Oであるから、人物A、Eを同じグループに分類する。この場合、人物Eを既存の人物A、B、Dのグループおよび人物A、C、Dのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、EA=O,X、EB=O,X、ED=X,Xであるから、人物Eを既存の人物A、B、Dのグループに分類しない。また、EA=O,X、EC=X,X、ED=X,Xであるから、人物Eを既存の人物A、C、Dのグループに分類しない。
【0178】
続いて、AF=X,Oであるから、人物A、Fを同じグループに分類する。この場合、人物Fを既存の人物A、B、Dのグループ、人物A、C、Dのグループおよび人物A、Eのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、FA=O,X、FB=O,X、FD=X,Xであるから、人物Fを既存の人物A、B、Dのグループに分類しない。また、FA=O,X、FC=X,X、FD=X,Xであるから、人物Fを既存の人物A、C、Dのグループに分類しない。FA=O,X、FE=O,Oであるから、人物A、E、Fを同じグループに分類する。
【0179】
続いて、AG=X,Oであるから、人物A、Gを同じグループに分類する。この場合、人物Gを既存の人物A、B、Dのグループ、人物A、C、Dのグループおよび人物A、E、Fのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、GA=O,X、GB=O,X、GD=O,Xであるから、人物A、B、D、Gを同じグループに分類する。また、GA=O,X、GC=O,X、GD=O,Xであるから、人物A、C、D、Gを同じグループに分類する。GA=O,X、GE=X,X、GF=X,Xであるから、人物Gを既存の人物A、E、Fのグループに分類しない。
【0180】
続いて、AH=X,Oであるから、人物A、Hを同じグループに分類する。この場合、人物Hを既存の人物A、B、D、Gのグループ、人物A、C、D、Gのグループおよび人物A、E、Fのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、HA=O,X、HB=O,X、HD=O,X、HG=O,Oであるから、人物A、B、D、G、Hを同じグループに分類する。また、HA=O,X、HC=O,X、HD=O,X、HG=O,Oであるから、人物A、C、D、G、Hを同じグループに分類する。HA=O,X、HE=X,X、HF=X,Xであるから、人物Gを既存の人物A、E、Fのグループに分類しない。
【0181】
続いて、AI=X,Oであるから、人物A、Iを同じグループに分類する。この場合、人物Iを既存の人物A、B、D、G、Hのグループ、人物A、C、D、G、Hのグループおよび人物A、E、Fのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、IA=O,X、IB=O,X、ID=X,X、IG=X,X、IH=X,Xであるから、人物Iを既存の人物A、B、D、G、Hのグループに分類しない。また、IA=O,X、IC=X,X、ID=X,X、IG=X,X、IH=X,Xであるから、人物Iを既存の人物A、C、D、G、Hのグループに分類しない。IA=O,X、IE=O,X、IF=O,Xであるから、人物A、E、F、Iを同じグループに分類する。
【0182】
続いて、AJ=X,Oであるから、人物A、Jを同じグループに分類する。この場合、人物Jを既存の人物A、B、D、G、Hのグループ、人物A、C、D、G、Hのグループおよび人物A、E、F、Iのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、JA=O,X、JB=O,X、JD=X,X、JG=X,X、JH=X,Xであるから、人物Jを既存の人物A、B、D、G、Hのグループに分類しない。また、JA=O,X、JC=X,X、JD=X,X、JG=X,X、JH=X,Xであるから、人物Jを既存の人物A、C、D、G、Hのグループに分類しない。JA=O,X、JE=O,X、JF=O,X、JI=O,Oであるから、人物A、E、F、I、Jを同じグループに分類する。
【0183】
続いて、AK=X,Oであるから、人物A、Kを同じグループに分類する。この場合、人物Kを既存の人物A、B、D、G、Hのグループ、人物A、C、D、G、Hのグループおよび人物A、E、F、I、Jのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、KA=O,X、KB=O,X、KD=X,X、KG=X,X、KH=X,Xであるから、人物Kを既存の人物A、B、D、G、Hのグループに分類しない。また、KA=O,X、KC=X,X、KD=X,X、KG=X,X、KH=X,Xであるから、人物Kを既存の人物A、C、D、G、Hのグループに分類しない。KA=O,X、KE=X,X、KF=X,X、KI=X,X、KJ=X,Xであるから、人物Kを既存の人物A、E、F、I、Jのグループに分類しない。
【0184】
続いて、AL=X,Oであるから、人物A、Lを同じグループに分類する。この場合、人物Lを既存の人物A、B、D、G、Hのグループ、人物A、C、D、G、Hのグループ、人物A、E、F、I、Jのグループおよび人物A、Kのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、LA=O,X、LB=O,X、LD=X,X、LG=X,X、LH=X,Xであるから、人物Lを既存の人物A、B、D、G、Hのグループに分類しない。また、LA=O,X、LC=X,X、LD=X,X、LG=X,X、LH=X,Xであるから、人物Lを既存の人物A、C、D、G、Hのグループに分類しない。LA=O,X、LE=X,X、LF=X,X、LI=X,X、LJ=X,Xであるから、人物Lを既存の人物A、E、F、I、Jのグループに分類しない。LA=O,X、LK=O,Oであるから、人物A、K、Lを同じグループに分類する。
【0185】
続いて、AM=X,Oであるから、人物A、Mを同じグループに分類する。この場合、人物Mを既存の人物A、B、D、G、Hのグループ、人物A、C、D、G、Hのグループ、人物A、E、F、I、Jのグループおよび人物A、K、Lのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、MA=O,X、MB=O,X、MD=X,X、MG=X,X、MH=X,Xであるから、人物Mを既存の人物A、B、D、G、Hのグループに分類しない。また、MA=O,X、MC=X,X、MD=X,X、MG=X,X、MH=X,Xであるから、人物Mを既存の人物A、C、D、G、Hのグループに分類しない。MA=O,X、ME=X,X、MF=X,X、MI=X,X、MJ=X,Xであるから、人物Mを既存の人物A、E、F、I、Jのグループに分類しない。MA=O,X、MK=X,X、ML=X,Xであるから、人物Mを既存の人物A、K、Lのグループに分類しない。
【0186】
続いて、AN=X,Oであるから、人物A、Nを同じグループに分類する。この場合、人物Nを既存の人物A、B、D、G、Hのグループ、人物A、C、D、G、Hのグループ、人物A、E、F、I、Jのグループ、人物A、K、Lのグループおよび人物A、Mのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、NA=O,X、NB=O,X、ND=X,X、NG=X,X、NH=X,Xであるから、人物Nを既存の人物A、B、D、G、Hのグループに分類しない。また、NA=O,X、NC=X,X、ND=X,X、NG=X,X、NH=X,Xであるから、人物Nを既存の人物A、C、D、G、Hのグループに分類しない。NA=O,X、NE=X,X、NF=X,X、NI=X,X、NJ=X,Xであるから、人物Nを既存の人物A、E、F、I、Jのグループに分類しない。NA=O,X、NK=X,X、NL=X,Xであるから、人物Nを既存の人物A、K、Lのグループに分類しない。NA=O,X、NM=O,Oであるから、人物A、M、Nを同じグループに分類する。
【0187】
以下同様に、人物B~Nについてもグループに分類する。
その結果、人物A~Nは、
図5に示すように、人物A、B、D、G、Hのグループ、人物A、C、D、G、Hのグループ、人物A、E、F、I、Jのグループ、人物A、B、K、Lのグループおよび人物A、B、M、Nのグループを含む、5つのグループに分類される。
【0188】
続いて、例えば第2しきい値=0.09として、第1グループに属する14人の人物A~Nをレベルに分類する。
【0189】
表10は、2人の人物の2通りの順列のうちの一方の順列の規格化された共起スコアと他方の順列の規格化された共起スコアとの差(絶対値)を表す。
【0190】
【0191】
表10において、例えばAB=0.065は、2人の人物A、Bの一方の順列A×Bの規格化された共起スコア=約0.392と他方の順列B×Aの規格化された共起スコア=約0.475との差(絶対値)=約0.065であることを表す。
【0192】
例えば、2人の人物A、Bの組み合わせについて、人物A、Bの2通りの順列のうちの一方の順列A×Bの規格化された共起スコア=約0.392および他方の順列B×Aの規格化された共起スコア=約0.475はいずれも第1しきい値=0.122以上であるから、一方の順列A×Bの規格化された共起スコア=約0.392と他方の順列B×Aの規格化された共起スコア=約0.475との差=約0.065と、第2しきい値=0.09とを比較する。差=約0.065は第2しきい値=0.09未満であるため、2人の人物A、Bを同じレベルに分類する。
【0193】
また、2人の人物A、Cの組み合わせについて、人物A、Cの2通りの順列のうちの一方の順列A×Cの規格化された共起スコア=約0.187および他方の順列C×Aの規格化された共起スコア=約0.437はいずれも第1しきい値=0.122以上であるから、一方の順列A×Cの規格化された共起スコア約0.187と他方の順列C×Aの規格化された共起スコア=約0.437との差=約0.250と、第2しきい値=0.09とを比較する。差=約0.250は第2しきい値=0.09以上であるため、2人の人物A、Cは異なるレベルに分類する。
【0194】
以下同様にして、各々のグループについて、そのグループに属する2人の人物の組み合わせ毎に、規格化された共起スコアの差と第2しきい値とを比較して、そのグループに属する人物をさらにレベルに分類する。
【0195】
その結果、
図5に示すように、第1グループに属する14人の人物A~Nのうち、人物A、Bは同じレベルに分類される。また、人物C、D、G、Hが同じレベルに分類され、人物E、F、I、Jが同じレベルに分類される。人物K、Lが同じレベルに分類され、人物M、Nが同じレベルに分類される。
【0196】
図5において、両方向の矢印は、矢印の両側の2人の人物の2通りの順列のうちの一方の順列の規格化された共起スコアと他方の順列の規格化された共起スコアとの差が、第2しきい値=0.09未満であり、この2人の人物が同じレベルであることを表す。一方、片方向の矢印は、前述の差が第2しきい値=0.09以上であり、この2人の人物が異なるレベルであることを表す。
【0197】
また、片方向の矢印は、その両側の2人の人物の2通りの順列のうちの規格化された共起スコアが大きい方の順列の前側の人物から後側の人物へ向けられている。例えば表6に示す人物A、Cの場合、片方向の矢印は、
図5に示すように、人物A、Cの2通りの順列A×CおよびC×Aのうちの規格化された共起スコアが大きい方の順列C×Aの前側の人物Cから後側の人物Aへ向けられている。
【0198】
このように、本実施例においては、多数の画像から、人物をグループおよびレベルに分けることができる。
【0199】
例えば、人物A(新婦)、B(新郎)、KおよびL(いずれも新婦友人)は、「新婦の友人グループ」として、1つのグループを形成するとともに、人物A,Bは中心人物度(主人公度)が高い方のレベル、人物K,Lは中心人物度が低い方のレベルに分けられ、結婚式というイベントにおける実際の人間関係を、共起関係から判別できている。なお、中心人物度が高い方のレベルの人物は、同一グループ内において、本発明の特定人物に相当する。
【0200】
上記の通り判別できた人間関係の使用方法の一例について説明すると、人物KおよびLには、人物KおよびLが同じレベルであることから、「人物KまたはLが写っている画像」は全て送付する。人物AおよびBには、人物AおよびBが同じレベルであることから、「人物AまたはBが写っている画像」は全て送付する。そして、人物A、B、KおよびLは同じグループであるため、中心人物度が低い人物KおよびLのみが写っており中心人物度が高い人物AおよびBが写っていない画像は、中心人物度が高い人物AおよびBに送付される。一方、中心人物度が高い人物AおよびBのみが写っており中心人物度が低い人物KおよびLが写っていない画像は、中心人物度が低い人物KおよびLには送付されない。
【実施例2】
【0201】
表11は、修学旅行の画像群における画像の名称および各画像に写っている人物の名称を表す。修学旅行の画像群においては、通常、複数の人物の中に中心人物が存在しない。表11~表17は、表1~表7に対応するものであるから、以下簡略化して説明する。
【0202】
【0203】
表11の左端の列の上側から2~11行目には、各画像の名称が示されている。各画像の名称は画像1~10であり、画像群の総数は10枚である。
表11の最上行の左側から2~11列目には、各人物の名称が示されている。各人物の名称はA~Jであり、人物の総数は10人である。
【0204】
表11の上側から2~11行目および左側から2~11列目には、共起関係情報として、人物が画像に写っているか否かを表すフラグが示されている。
表11の下側から2行目の左側から2~11列目には、画像群における各人物の登場回数が示され、表11の末行の左側から2~11列目には、画像1枚当たりの各人物の登場回数が示されている。例えば、画像群における人物Aの登場回数は3回であり、画像1枚当たりの人物Aの登場回数は、3/10=0.3回である。
【0205】
表11の右端の列の上側から2~11行目には、各画像に写っている人物の人数が示されている。表11の右端の列の下側から2行目には、画像群における人物の総登場回数が示され、表11の右端の列の末行には、画像1枚当たりの人物の登場回数が示されている。画像群における人物の総登場回数は28回であり、画像1枚当たりの人物の登場回数は、28/10=2.8回である。
【0206】
続いて、表12は、人物Aと各人物A~Nとの順列の各画像における共起スコアを表す。
【0207】
【0208】
表12の左端の列の上側から2~11行目には、表11と同じように各画像の名称が示されている。
表12の最上行の左側から2~11列目には、人物Aと各人物A~Nとの順列A×A、A×B、A×C、A×D、A×E、A×F、A×G、A×H、A×I、A×Jの名称が示されている。
【0209】
例えば、表12の左側から3列目の2~11行目には、人物Aと人物Bとの順列A×Bの各画像における共起スコアが示されている。
表12の左側から3列目の末行には、人物Aと人物Bとの順列A×Bの画像群における共起スコアが示されている。人物Aと人物Bとの順列A×Bの画像群における共起スコアは、0.5+0+0+0+1+0+0+0+0.5+0=2となる。
【0210】
人物Aと各人物B~Jとの順列以外の2人の人物の順列の共起スコアも同様にして算出することができる。
【0211】
続いて、表13は、画像群の共起スコアを表す。
【0212】
【0213】
表13の最上行の左側から2~11列目には、各人物の名称A~Jが示されている。同様に、表13の左端の列の上側から2~11行目には、各人物の名称A~Jが示されている。
【0214】
表13の上側から2~11行目および左側から2~11列目には、画像群の共起スコアが示されている。例えば、人物Aと人物Bとの順列の画像群における共起スコアは、表12の左側から3列目の末行にも示されているように、2である。表13においても、同一人物の順列の共起スコアは除外されている。
表13の末行の左側から2~11列目には、画像群において、各人物が写っている画像の枚数が示されている。例えば、画像群において、人物Aが写っている画像の枚数は、表11の左側から2列目の下側から2行目にも示されているように、3枚である。
【0215】
続いて、表14および表15は、表13の共起スコアに基づいて、複数の人物の画像群の共起スコアの最大値を大きい順にソート、かつ、人物毎に、その人物以外の人物の画像群の共起スコアを大きい順にソートしたものである。
【0216】
【0217】
【0218】
表14および表15の最上行の偶数番目の列には、画像群の共起スコアの最大値が大きい人物の順に左側から各人物の名称が示されている。各人物の名称は、左側から、A、B、F、G、I、J、C、D、E、Hである。
【0219】
例えば、表14の左端の列および左側から2列目は、人物Aと各人物B~Jとの順列の画像群における共起スコアを表す。表14の左側から2列目には、人物Aと各人物B~Jとの順列の画像群における共起スコアが大きい順に上側から示されている。また、表14の左端の列には、人物A以外の各人物B~Jの名称が、画像群の共起スコアが大きい人物の順に上側から示されている。
【0220】
表14および表15の末行の偶数番目の列には、人物毎に、画像群の共起スコアの総合値が示されている。例えば、表14の末行の左側から2列目に示されているように、人物Aと各人物B~Jとの順列の画像群における共起スコアの総合値は、3となる。
【0221】
続いて、表16および表17は、人物毎に、表13および表14の共起スコアをその人物の共起スコアの総合値で割ることによって規格化された共起スコアを表す。
【0222】
【0223】
【0224】
例えば、表16の左側から2列目には、人物Aと各人物B~Jとの順列の規格化された共起スコアが大きい順に上側から示されている。人物Aと人物Bとの順列の規格化された共起スコアは、2/3=約0.667であり、人物Bと人物Aとの順列の規格化された共起スコアは、2/3=約0.667である。
【0225】
続いて、同様に第1しきい値=0.185として、10人の人物A~Jをグループに分類する。
【0226】
表18および表19は、人物毎に、人物と人物以外の各人物とからなる2人の人物の2通りの順列の規格化された共起スコアと第1しきい値とを比較した結果を表す。
【0227】
【0228】
【0229】
人物Aについて、まず、AB=O,Oであるから、人物A、Bを同じグループに分類する。
【0230】
続いて、AC=X,Xであるから、人物A、Cを異なるグループにする。この場合、人物Cを既存の人物A、Bと同じグループには分類しないため、人物Cを既存の人物A、Bと同じグループ分類できるか否かを確認する必要はない。
【0231】
続いて、AD=X,Xであるから、人物A、Dを異なるグループに分類する。この場合、人物Dを既存の人物A、Bのグループに分類しないため、人物Dを既存の人物Cのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、CD=O,Oであるから、人物C、Dを同じグループに分類する。
【0232】
続いて、AE=X,Xであるから、人物A、Eを異なるグループに分類する。この場合、人物Eを既存の人物A、Bのグループに分類しないため、人物Eを既存の人物C、Dのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、CE=O,O、DE=O,Oであるから、人物C、D、Eを同じグループに分類する。
【0233】
続いて、AF=X,Xであるから、人物A、Fを異なるグループに分類する。この場合、人物Fを既存の人物A、Bのグループに分類しないため、人物Fを既存の人物C、D、Eのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、CF=X,X、DF=X,X、EF=X,Xであるから、人物Fを既存の人物C、D、Eのグループに分類しない。人物Fを既存の人物A、Bのグループおよび人物C、D、Eのグループとは異なるグループに分類する。
【0234】
続いて、AG=X,Xであるから、人物A、Gを異なるグループに分類する。この場合、人物Gを既存の人物A、Bのグループに分類しないため、人物Gを既存の人物C、D、Eのグループおよび人物Fのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、CG=X,X、DG=X,X、EG=X,Xであるから、人物Gを既存の人物C、D、Eのグループに分類しない。FG=O,Oであるから、人物F、Gを同じグループに分類する。
【0235】
続いて、AH=X,Xであるから、人物A、Hを異なるグループに分類する。この場合、人物Hを既存の人物A、Bのグループに分類しないため、人物Hを既存の人物C、D、Eのグループおよび人物F、Gのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、CH=X,X、DH=X,X、EH=X,Xであるから、人物Hを既存の人物C、D、Eのグループに分類しない。FH=X,X、GH=O,Xであるから、人物Hを既存の人物F、Gのグループに分類しない。GH=O,Xであるから、人物G、Hを同じグループに分類する。
【0236】
続いて、AI=X,Xであるから、人物A、Iを異なるグループに分類する。この場合、人物Iを既存の人物A、Bのグループに分類しないため、人物Iを既存の人物C、D、Eのグループ、人物F、Gのグループおよび人物G、Hのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、CI=X,X、DI=X,X、EI=X,Xであるから、人物Iを既存の人物C、D、Eのグループに分類しない。FI=X,X、GI=X,Xであるから、人物Iを既存の人物F、Gのグループに分類しない。GI=X,X、HI=O,Oであるから、人物Iを既存の人物G、Hのグループに分類しない。HI=O,Oであるから、人物H、Iを同じグループに分類する。
【0237】
続いて、AJ=X,Xであるから、人物A、Jを異なるグループに分類する。この場合、人物Jを既存の人物A、Bのグループに分類しないため、人物Jを既存の人物C、D、Eのグループ、人物F、Gのグループ、人物G、Hのグループおよび人物H、Iのグループに分類できるか否かを確認する。その結果、CJ=X,X、DJ=X,X、EJ=X,Xであるから、人物Jを既存の人物C、D、Eのグループに分類しない。FJ=X,X、GJ=X,Xであるから、人物Jを既存の人物F、Gのグループに分類しない。GJ=X,X、HJ=O,Oであるから、人物Jを既存の人物G、Hのグループに分類しない。HJ=O,O、IJ=O,Oであるから、人物H、I、Jを同じグループに分類する。
【0238】
以下同様に、人物B~Jについてもグループに分類する。
その結果、人物A~Jは、
図6に示すように、人物A、Bのグループ、人物C、D、Eのグループ、人物F、Gのグループ、人物G、Hのグループ、および人物H、I、Jのグループを含む、5つのグループに分類される。
【0239】
続いて、例えば第2しきい値=0.1として、
図5の場合と同じように、第1グループに属する2人の人物A、Bをレベルに分類する。また、第2グループに属する3人の人物C、D、E、第3グループに属する2人の人物F、G、第4グループに属する2人の人物G、H、第5グループに属する3人の人物H、I、Jについても、そのグループに属する2人の人物の組み合わせ毎に、規格化された共起スコアの差と第2しきい値とを比較して、そのグループに属する人物をさらにレベルに分類する。
【0240】
表20は、2人の人物の2通りの順列のうちの一方の順列の規格化された共起スコアと他方の順列の規格化された共起スコアとの差(絶対値)を表す。
【0241】
【0242】
その結果、
図6に示すように、第1グループに属する2人の人物A、Bは同じレベルに分類される。また、第2グループに属する3人の人物のうち、人物C、Dは同じレベルに分類され、人物C、Dと人物Eとは異なるレベルに分類される。第3グループに属する2人の人物F、Gは異なるレベルに分類される。第4グループに属する2人の人物G、Hは同じレベルに分類される。第5グループに属する3人の人物H、I、Jは同じレベルに分類される。
【0243】
図6において、両方向および片方向の矢印は、
図5の場合と同じように、第2しきい値=0.1として、矢印の両側の2人の人物の2通りの順列のうちの一方の順列の規格化された共起スコアと他方の順列の規格化された共起スコアとの差が、第2しきい値=0.1未満であり、この2人の人物が同じレベルなのか、第2しきい値=0.1以上であり、この2人の人物が異なるレベルなのかを表す。
【0244】
このように、本実施例においても、多数の画像から、人物をグループおよびレベルに分けることができる。
【0245】
例えば、人物AおよびBは1グループを形成している。また、人物C、DおよびEは1グループを形成するとともに、人物CおよびDが中心人物度が高い方のレベル、人物Eが中心人物度が低い方のレベルに、それぞれ分けられる。人物AおよびBが形成するグループと人物C、DおよびEが形成するグループとは別のグループと判別できている。この判別は、表11の画像を自然人が見て判断できる人間関係と合致している。すなわち、本実施例による別グループを形成するという判別は、「画像1においては人物AおよびBと人物Cとが、画像9においては人物AおよびBと人物Dとが、共起関係にあるものの、それらの他には共起関係を有する画像がないことから、人物AおよびBが写っている画像において共起関係にある人物CおよびDは、(例えば、単に同じクラスで同じような観光地を回っているうちに)単に写り込んだに過ぎない」という、自然人なら理解できる人間関係と合致している。
【0246】
上記の通り判別できた人間関係の使用方法の一例について説明すると、人物AおよびBには、人物AおよびBが同じレベルであることから、「人物AまたはBが写っている画像」は全て送付する。
人物CおよびDには、人物CおよびDが同じレベルであることから、「人物CまたはDが写っている画像」は全て送付する。人物Eには、「人物Eが写っている画像」は全て送付する。そして、人物C、DおよびEは同じグループであるため、中心人物度が低い人物Eのみが写っており中心人物度が高い人物CおよびDが写っていない画像は、中心人物度が高い人物CおよびDに送付される。一方、中心人物度が高い人物CおよびDのみが写っており中心人物度が低い人物Eが写っていない画像は、中心人物度が低い人物Eには送付されない。
【0247】
なお、第1しきい値の設定方法は特に限定されないが、例えば規格化された共起スコアに対して第1しきい値=0.1のように、第1しきい値として、画像処理装置10において単一の固定値(初期値)が設定されていてもよい。
【0248】
複数の人物の画像群における共起関係および規格化された共起スコア等を求めても、本質的には、現実の社会において、このような関係性にあれば友達であり、そうでなければ友達でないなどと一概に割り切れないように、規格化された共起スコア等がどの程度の値以上であれば同一グループとみなすか否かは、必ずしも画像処理装置10があらかじめ決定しておけるものではなく、ユーザが適宜決定する方がよい場合もある。
【0249】
従って、前述のように、ユーザの指示に応じて第1しきい値を設定(変更)できるようにしてもよい。例えば、指示受付部22は、第1しきい値を直接入力するためのボックス(入力フィールド)を備えていてもよい。あるいは、指示受付部22はスライダバーを備え、例えば第1しきい値の初期値=0.1が設定されているが、ユーザがスライダバーを移動させることにより、例えば0.01刻みで第1しきい値が変更されるようにしてもよい。
【0250】
例えば、各人物が代表顔画像で表現され、代表顔画像同士が線で囲まれるあるいは隔てられる等により複数のグループが区別されて表示されるとする。この場合、ユーザが、第1しきい値をボックスに入力する、またはスライダバーを移動させて第1しきい値が変更されると、変更された第1しきい値に基づいてグループの分類が変更されて表示される。これにより、ユーザは所望のグループ分けを行うことが容易となる。
【0251】
第1しきい値が0に設定されると、複数の人物は単一のグループに分類される。一方、第1しきい値が1に設定されると、複数の人物は、完全にある人物とのツーショット画像しか存在しない場合を除き、人物毎に、その人物のみが属する1人グループに分類される。結婚披露宴および修学旅行の画像群等においては、多数の人物が登場するが、ある程度親密度が高い人物のグループが存在することが通常であり、スライダバーを移動させることにより、ユーザが所望のグループ分けを行うことが容易となる。
【0252】
あるいは、画像群に基づいて、第1しきい値またはその初期値を算出することも可能である。例えば、画像群において、平均的な共起関係が生じたと仮定した際の2人の人物の親密度を算出し、これを第1しきい値またはその初期値として設定する。2人の人物の実際の親密度(規格化された共起スコア)が第1しきい値以上である場合に、同じグループに属するとする。
【0253】
具体的には、第1しきい値は、1/(平均的な共起人数)=1/{(画像群に写っている人物の総数+画像群における画像1枚当たりの人物の登場回数)/2-1}により算出することができる。例えば、実施例1の画像群においては、第1しきい値=1/{(14+4.4)/2-1}=約0.122となり、実施例2の画像群においては、第1しきい値=1/{(10+2.8)/2-1}=約0.185となる。
【0254】
なお、算出された第1しきい値を画像処理装置10における単一の固定値として設定してもよいし、第1しきい値の初期値として設定し、スライダバーにより変更してよい。また、計算の簡易化のために、上記のように計算により算出された第1しきい値を四捨五入して、実施例1の第1しきい値を0.1とし、実施例2の第1しきい値を0.2とする、などの処理を行ってから複数の人物をグループに分類してもよい。
【0255】
さらに、第2しきい値についても、第1しきい値の場合と同様に設定することができる。つまり、第2しきい値として、画像処理装置10において単一の固定値が設定されていてもよいし、ユーザの指示に応じて第2しきい値を設定(変更)できるようにしてもよい。また、第2しきい値またはその初期値を、前述の算出式の1/{(画像群に写っている人物の総数+画像群における画像1枚当たりの人物の登場回数)/2-1}により計算で算出してもよい。
【0256】
本発明の画像処理装置10において、共起関係記憶部16は、例えば半導体メモリ等のメモリによって構成される。また、画像群受付部12、人物判別部14、共起スコア算出部18、人物分類部20、指示受付部22、人物表示部24、画像特定部26、人物特定部28および画像選択部30等の各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構成は、専用のハードウェアであってもよいし、プログラムを実行する各種のプロセッサまたはコンピュータであってもよい。
【0257】
各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理をさせるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0258】
1つの処理部を、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成してもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ、例えば、複数のFPGAの組み合わせ、または、FPGAおよびCPUの組み合わせ等によって構成してもよい。また、複数の処理部を、各種のプロセッサのうちの1つで構成してもよいし、複数の処理部のうちの2以上をまとめて1つのプロセッサを用いて構成してもよい。
【0259】
例えば、サーバおよびクライアント等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。また、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。
【0260】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構成は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)である。
【0261】
また、本発明の方法は、例えば、その各々のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムにより実施することができる。また、このプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することもできる。
【0262】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0263】
10 画像処理装置
12 画像群受付部
14 人物判別部
16 共起関係記憶部
18 共起スコア算出部
20 人物分類部
22 指示受付部
24 人物表示部
26 画像特定部
28 人物特定部
30 画像選択部