(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-20
(45)【発行日】2022-01-28
(54)【発明の名称】脱気方法、脱気チャンバ、および半導体処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20220121BHJP
C23C 14/02 20060101ALI20220121BHJP
C23C 14/54 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
C23C14/02
C23C14/54 F
(21)【出願番号】P 2019516393
(86)(22)【出願日】2017-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2017075973
(87)【国際公開番号】W WO2018058898
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2019-05-24
(31)【優先権主張番号】201610854815.5
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】叶 華
(72)【発明者】
【氏名】賈 強
(72)【発明者】
【氏名】徐 悦
(72)【発明者】
【氏名】▲ジアン▼ 秉 軒
(72)【発明者】
【氏名】侯 ▲ジュエ▼
(72)【発明者】
【氏名】石 璞
(72)【発明者】
【氏名】鄭 金 果
(72)【発明者】
【氏名】宗 令 ▲ベイ▼
(72)【発明者】
【氏名】趙 梦 欣
(72)【発明者】
【氏名】丁 培 軍
(72)【発明者】
【氏名】王 厚 工
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特表平06-507524(JP,A)
【文献】特開2016-105479(JP,A)
【文献】特開平03-160716(JP,A)
【文献】特開2012-230933(JP,A)
【文献】特開2007-142237(JP,A)
【文献】特開2004-119668(JP,A)
【文献】特開2006-344738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
C23C 14/02
C23C 14/54
H01L 21/677
H01L 21/205
H01L 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱気方法であって、
ステップS1:脱気チャンバを
温度制御ユニットによって加熱する
ステップを備え、
前記脱気チャンバは、チャンバと、脱気されるべき1つまたは複数の基板を運ぶための基板カセットとを備え、
前記チャンバはその側壁上に基板搬入口を有し、
前記基板搬入口は前記基板が前記チャンバへと搬入されそこから取り出される通路として機能し、
前記基板カセットは前記チャンバ内で垂直方向に沿って移動可能であり、
前記温度制御ユニットは、第1の光源と第2の光源とを備える加熱要素を含み、
前記チャンバは分離体としての前記基板搬入口によって第1のチャンバと第2のチャンバとに分割され、
前記第1の光源は前記第1のチャンバ内にあり、前記第2の光源は前記第2のチャンバ内にあり、
前記脱気チャンバを前記温度制御ユニットによって加熱することは、具体的には、前記第1の光源および前記第2の光源によって前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバを加熱することによって、前記
第1のチャンバ
の内部温度および前記第2のチャンバの内部温度を所与の温度に到達させ
ることと、
前記第1のチャンバの内部温度および前記第2のチャンバの内部温度を前記所与の温度において維持する
こととを含み、当該ステップは、前記脱気チャンバに後に
任意の時間において入る基板が一定の温度で加熱され得るように前記脱気チャンバを前記一定の温度に維持することを可能としており、これによって異なるバッチの基板の品質における一貫性を向上させることが可能となっており、
ステップS2:脱気されるべき
前記基板を前記脱気チャンバへと搬入し、
前記基板カセット内で脱気されるべき前記基板を前記第1の光源および前記第2の光源によって加熱し、一定時間の間加熱した後に前記基板を取り出すステップをさらに備える脱気方法。
【請求項2】
前記ステップS1は、
前記脱気チャンバを加熱することによって前記脱気チャンバの前記内部温度を前記所与の温度に到達させることと、
前記脱気チャンバの前記内部温度をリアルタイムに検出し、前記内部温度を前記所与の温度とそれらの差について比較し、次いで前記脱気チャンバの前記内部温度を前記比較の結果に従って制御し、前記内部温度を前記所与の温度において維持することをさら備える、請求項1に記載の脱気方法。
【請求項3】
脱気チャンバであって、
前記脱気チャンバの内部を加熱することによって前記脱気チャンバの内部温度を所与の温度に到達させ、前記内部温度を前記所与の温度において維持するように構成される温度制御ユニットと、
脱気されるべき1つまたは複数の基板を、前記脱気チャンバが一定の温度に維持されている際に前記脱気チャンバへと搬入し、前記基板を一定時間の間加熱した後に取り出すためのロボットハンドを制御するように構成される制御ユニットとを備え
、
前記脱気チャンバは、チャンバと、脱気されるべき前記基板を運ぶための基板カセットとをさらに備え、前記チャンバはその側壁上に基板搬入口を有し、前記基板搬入口は前記基板が前記チャンバへと搬入されそこから取り出される通路として機能し、前記基板カセットは前記チャンバ内で垂直方向に沿って移動可能であり、
前記温度制御ユニットは、第1の光源と第2の光源とを備える加熱要素を含み、前記チャンバは分離体としての前記基板搬入口によって第1のチャンバと第2のチャンバとに分割され、前記第1の光源は前記第1のチャンバ内にあり、前記第2の光源は前記第2のチャンバ内にあり、前記第1の光源と前記第2の光源とは、前記脱気チャンバと前記基板カセット内で脱気されるべき前記基板とを加熱するように構成される、脱気チャンバ。
【請求項4】
前記温度制御ユニットは
さらに、
前記脱気チャンバの前記内部温度をリアルタイムに検出するように構成される温度要素と、
前記内部温度を前記所与の温度とそれらの差について比較し、次いで前記加熱要素を前記比較の結果に従って制御し、前記脱気チャンバの前記内部温度を前記所与の温度において維持するように構成される制御要素とを備える、請求項3に記載の脱気チャンバ。
【請求項5】
前記温度要素は前記基板カセットの温度を検出することによって前記脱気チャンバの前記内部温度を取得し、または、
前記基板カセットには検出基板が設けられ、前記温度要素は前記検出基板の温度を測定することによって前記脱気チャンバの前記内部温度を取得するように構成される、請求項
4に記載の脱気チャンバ。
【請求項6】
前記加熱要素は第1の反射バレルと第2の反射バレルとをさらに備え、前記第1の反射バレルは前記第1のチャンバと前記第1の光源との間にあり、前記第2の反射バレルは前記第2のチャンバと前記第2の光源との間にあり、
前記第1の反射バレルと前記第2の反射バレルとはその上に照射された光を前記基板カセット内の脱気されるべき前記基板に向かって反射するように構成される、請求項
4に記載の脱気チャンバ。
【請求項7】
前記第1の反射バレルは上プレートを備え、前記第2の反射バレルは下プレートを備え、前記上プレートは前記基板搬入口に対して遠位の前記第1の反射バレルの端部を覆い、前記下プレートは前記基板搬入口に対して遠位の前記第2の反射バレルの端部を覆い、
前記上プレートと前記下プレートとはその上に照射された光を前記チャンバの内側の脱気されるべき前記基板に向かって反射するように構成される、請求項
6に記載の脱気チャンバ。
【請求項8】
前記温度要素は第1の温度部品と第2の温度部品とを備え、前記第1の温度部品は前記第1の反射バレルの温度を検出することによって前記第1のチャンバの内部温度を取得するように構成され、前記第2の温度部品は前記第2のチャンバの内部温度を前記第2の反射バレルの温度を検出することによって取得するように構成され、
前記制御要素は第1の温度制御部と第2の温度制御部とを備え、前記第1の温度制御部は前記第1の温度部品から送られた前記第1のチャンバの前記内部温度を受け取り、前記内部温度を前記所与の温度と比較し、次いで前記第1の光源を前記比較の結果に従って制御し、前記第1のチャンバの前記内部温度を前記所与の温度において維持するように構成され、前記第2の温度制御部は前記第2の温度部品から送られた前記第2のチャンバの前記内部温度を受け取り、前記内部温度を前記所与の温度と比較し、次いでその比較の結果に従って前記第2の光源を制御し、前記第2のチャンバの前記内部温度を前記所与の温度において維持するように構成される、請求項
6に記載の脱気チャンバ。
【請求項9】
前記温度要素は第1の予備部品と第2の予備部品とをさら備え、前記第1の予備部品は前記第1の反射バレルの温度を検出するように構成され、前記第2の予備部品は前記第2の反射バレルの温度を検出するように構成され、
前記第1の温度制御部は前記第1の温度部品から送られた前記第1の反射バレルの温度と前記第1の予備部品の温度との間の値の差がそれぞれ所与の範囲内であるかをさらに決定するように構成され、前記第2の温度制御部は前記第2の温度部品から送られた前記第2の反射バレルの温度と前記第2の予備部品の温度との間の値の差がそれぞれ所与の範囲内であるかをさらに決定するように構成される、請求項
8に記載の脱気チャンバ。
【請求項10】
第1のアラーム要素と第2のアラーム要素とをさらに備え、
前記第1の温度制御部は前記第1の反射バレルの温度間の前記値の差が前記所与の範囲にはないことが決定されるときに、前記第1のアラーム要素を制御してアラームを発し、
前記第2の温度制御部は前記第2の反射バレルの温度間の前記値の差が前記所与の範囲にはないことが決定されるときに、前記第2のアラーム要素を制御してアラームを発す、請求項
9に記載の脱気チャンバ。
【請求項11】
前記温度要素は熱電対または赤外線センサを用いる、請求項4に記載の脱気チャンバ。
【請求項12】
請求項3~請求項
11のいずれか1項に記載の脱気チャンバを備える、半導体処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は半導体デバイス製造技術分野に関し、特に脱気方法、脱気チャンバ、および半導体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
物理蒸着(PVD)技術は半導体製造技術分野において幅広く適用される。PVDプロセスでは、基板が雰囲気から吸収する水蒸気といった不純物を除去し、基板の表面を清掃し、後続の工程のために可能な限りきれいな基板を提供するために、脱気プロセスステップが一般に必要とされる。たとえば
図1に示される銅相互接続PVDプロセスフローはそのような脱気プロセスステップを含む。
【0003】
単一基板脱気チャンバと複数基板脱気チャンバの2つの種類の脱気チャンバが存在し、複数基板脱気チャンバがその複数基板を同時に加熱する性能によるその高い生産性のためにより高頻度に利用されるようになっている。複数基板脱気チャンバについて、プロセスを行う前に、チャンバ内の基板カセットが装填/非装填位置にまず運ばれ、基板は基板カセットが基板でいっぱいになるまで基板カセットへと真空ロボットハンドを介して1つずつ搬入され、次いで基板カセットは指定された加熱位置へと持ち上げられる。プロセスが開始されると、基板カセット内の基板は電球を使用してある時間の間、基板がプロセスのために必要とされる温度に到達するまで急速に加熱される。プロセスが完了した後に、真空ロボットハンドは基板を1つずつチャンバから搬出し、次いで次のバッチの加熱されるべき基板を中に置き、上述の加熱プロセスを繰り返す。
【0004】
上述の脱気チャンバは実用的用途において以下の問題を抱える。
第1に、現在の脱気プロセスを行うときの脱気チャンバの初期的温度は以前の脱気プロセスが行われたときの初期的温度よりも確実に高く、すなわち、脱気チャンバの初期的温度はプロセスがより多くの回数行われるにつれて徐々に上昇し、異なるバッチの基板が同じ脱気チャンバに次々に入る場合、それらは異なる初期的チャンバ温度を経験することが予測され、これは同じ加熱時間の状態下で異なるバッチの基板によって到達される異なる最終の温度につながり、ひいては異なるバッチの基板の品質にばらつきを生じさせる。
【0005】
第2に、電球を使用して基板を加熱するときに、チャンバの中央領域に配置される基板はチャンバの周辺の領域に配置される基板よりも高い温度を通常有し、すなわち、同じバッチの基板が温度均一性を有しにくく、ひいては同じバッチの基板の品質にばらつきをもたらす。
【0006】
第3に、複数基板脱気チャンバは複数基板を同時に加熱することができるが、後続のバッチの基板は、チャンバ内の以前のバッチの基板がそれらの加熱をすべて終えてチャンバから搬出された後にのみチャンバに入ることができ、このため、単に1つのバッチ内の基板の数を増加させることによって設備の生産性を向上させるときに効果はあまり顕著ではない。生産性は2つ以上の複数基板脱気チャンバを提供することによって改善され得るが、これは複雑性および設備コストの増大につながることが予測される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
概要
先行技術における既存の上述の技術的問題に対して、本開示は同じバッチの基板および異なるバッチの基板の温度均一性を向上できるだけでなく、脱気されるべき基板の自由な取り入れおよび取り出しを達成でき、設備の生産性を強化できる脱気方法、脱気チャンバおよび半導体処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は脱気方法を提供し、方法は、
ステップS1:脱気チャンバを加熱することによって、その内部温度を所与の温度に到達させ、内部温度を所与の温度において維持するステップと、
ステップS2:脱気されるべき1つまたは複数の基板を脱気チャンバへと搬入し、基板を一定時間の間加熱した後に取り出すステップとを備える。
【0009】
任意に、ステップS1は、
脱気チャンバを加熱することによって、その内部温度を所与の温度に到達させ、
脱気チャンバの内部温度をリアルタイムに検出し、内部温度を所与の温度とそれらの差について比較し、次いで脱気チャンバの内部温度を比較の結果に従って制御し、内部温度を所与の温度において維持することをさらに含む。
【0010】
別の技術的解決策として、本開示は、
脱気チャンバの内部を加熱することによって、脱気チャンバの内部温度を所与の温度に到達させ、内部温度を所与の温度において維持するように構成される温度制御ユニットと、
ロボットハンドを制御して、脱気されるべき1つまたは複数の基板を脱気チャンバへと搬入し、一定時間の間加熱した後に基板を取り出すように構成される制御ユニットとを含む、脱気チャンバをさらに提供する。
【0011】
任意に、温度制御ユニットは、
脱気チャンバを加熱することによって、その内部温度を所与の温度に到達させるように構成される加熱要素と、
脱気チャンバの内部温度をリアルタイムに検出するように構成される温度要素と、
内部温度を所与の温度とそれらの差について比較し、次いで加熱要素を比較の結果に従って制御し、脱気チャンバの内部温度を所与の温度において維持するように構成される制御要素とを含む。
【0012】
任意に、脱気チャンバはチャンバと脱気されるべき基板を運ぶための基板カセットとをさらに含み、チャンバはその側壁上に基板搬入口を有し、基板搬入口は、基板がチャンバへと搬入され、そこから搬出される通路として機能し、基板カセットはチャンバ内で垂直方向に沿って移動可能であり、
加熱要素は第1の光源と第2の光源とを含み、チャンバは分離体としての基板搬入口によって第1のチャンバと第2のチャンバとに分割され、第1の光源は第1のチャンバ内にあり、第2の光源は第2のチャンバ内にあり、第1の光源と第2の光源とは基板カセット内の脱気されるべき基板上を加熱するように構成される。
【0013】
任意に、温度要素は基板カセットの温度を検出することによって脱気チャンバの内部温度を取得し、または、
基板カセットに検出基板が設けられ、温度要素は検出基板の温度を測定することによって脱気チャンバの内部温度を取得するように構成される。
【0014】
任意に、加熱要素は第1の反射バレルと第2の反射バレルとをさらに含み、第1の反射バレルは第1のチャンバと第1の光源との間にあり、第2の反射バレルは第2のチャンバと第2の光源との間にある。
【0015】
第1の反射バレルと第2の反射バレルとはその上に照射された光を基板カセット内の脱気されるべき基板に向かって反射するように構成される。
【0016】
任意に、第1の反射バレルは上プレートを含み、第2の反射バレルは下プレートを含み、上プレートは基板搬入口に対して遠位の第1の反射バレルの端部を覆い、下プレートは基板搬入口に対して遠位の第2の反射バレルの端部を覆い、
上プレートと下プレートとはその上に照射された光をチャンバ内部の脱気されるべき基板に向かって反射するように構成される。
【0017】
任意に、温度要素は第1の温度部品と第2の温度部品とを含み、第1の温度部品は第1の反射バレルの温度を検出することによって第1のチャンバの内部温度を取得するように構成され、第2の温度部品は第2の反射バレルの温度を検出することによって第2のチャンバの内部温度を取得するように構成され、
制御要素は第1の温度制御部と第2の温度制御部とを含み、第1の温度制御部は第1の温度部品から送られた第1のチャンバの内部温度を受け取り、この内部温度を所与の温度と比較し、次いで第1の光源を比較の結果に従って制御し、第1のチャンバの内部温度を所与の温度において維持するように構成され、第2の温度制御部は第2の温度部品から送られた第2のチャンバの内部温度を受け取り、この内部温度を所与の温度と比較し、次いで第2の光源を比較結果に従って制御し、第2のチャンバの内部温度を所与の温度において維持するように構成される。
【0018】
任意に、温度要素は第1の予備部品と第2の予備部品とをさらに含み、第1の予備部品は第1の反射バレルの温度を検出するように構成され、第2の予備部品は第2の反射バレルの温度を検出するように構成され、
第1の温度制御部は第1の温度部品から送られた第1の反射バレルの温度と第1の予備部品の温度それぞれの間の値の差が所与の範囲内にあるかを決定するようにさらに構成され、第2の温度制御部は第2の温度部品から送られた第2の反射バレルの温度と第2の予備部品の温度それぞれの間の値の差が所与の範囲内にあるかを決定するようにさらに構成される。
【0019】
任意に、脱気チャンバは第1のアラーム要素と第2のアラーム要素とをさらに含み、
第1の温度制御部は第1の反射バレルの温度間の値の差が所与の範囲にはないと決定されるときに、第1のアラーム要素を制御してアラームを発し、
第2の温度制御部は第2の反射バレルの温度間の値の差が所与の範囲にはないと決定されるときに、第2のアラーム要素を制御してアラームを発する。
【0020】
任意に、温度要素は熱電対または赤外線センサを用いる。
別の技術的解決策として、本開示は、本開示に従う上述の脱気チャンバを含む半導体処理装置をさらに提供する。
【0021】
本開示に従う脱気方法、脱気チャンバ、および半導体処理装置の技術的解決策において、本開示はまず、脱気チャンバが加熱されることによってその内部温度を所与の温度に到達させ、内部温度を所与の温度において維持し、次いで、脱気されるべき1つまたは複数の基板が一定の温度において加熱されるべき脱気チャンバへと搬入され、一定時間の間加熱した後に脱気チャンバから取り出されるという有利な効果を有する。脱気チャンバ内の温度を所与の一定の温度において常に維持することによって、異なるバッチの基板がチャンバの異なる初期的温度によって最終的に異なる温度に到達されるという問題が回避され得、これによって異なるバッチの基板の品質における一貫性を向上する。脱気されるべき基板を設定した時間の間一定の温度において加熱した後にそれらを取り出すことによって、脱気されるべき基板の自由な取り入れおよび取り出しが達成されることができ、すなわち、任意の数の脱気されるべき基板が脱気チャンバへと任意の時間において搬入され得、設定した時間の間加熱された後に取り出されることができ、次のバッチの基板に対してプロセスを行う前に、チャンバ内のすべての基板が完全に加熱されチャンバから搬出されるまで待つ必要がなく、これは設備の生産性を強化する。同時に、脱気されるべき基板を設定した時間の間一定の温度において加熱した後にそれらを取り出すことによって、任意の時間においてチャンバへと搬入される基板すべてが所与の目標温度に到達することを確実にでき、これによって基板温度について正確に制御することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】先行技術における銅相互接続PVDプロセスフローの概略図である。
【
図2】本開示の実施形態1に従う脱気方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の実施形態2に従う脱気チャンバの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面内の参照符号の表示:
1.チャンバ、11.第1のチャンバ、12.第2のチャンバ、13.基板搬入口、2.基板カセット、21.上カバー、22.下カバー、23.ベース本体、3.光射出要素、31.第1の光源、32.第2の光源、4.反射バレル、41.第1の反射バレル、411.上プレート、42.第2の反射バレル、421.下プレート、5.温度要素、51.第1の温度部品、52.第2の温度部品、53.第1の予備部品、54.第2の予備部品、6.制御要素、61.第1の温度制御部、62.第2の温度制御部、7.リフト機構、8.断熱部、9.第1のアラーム要素、10.第2のアラーム要素。
【0024】
詳細な説明
当業者が本開示の技術的解決策をよりよく理解するために、本開示に従う脱気方法、脱気チャンバ、および半導体処理装置を、添付の図面および特定の実装とを併せて以下でさらに詳細に説明する。
【0025】
実施形態1
本実施形態は
図2に示されるような脱気方法を提供し、方法は、
ステップS1:脱気チャンバを加熱することによってその内部温度を所与の温度に到達させ、内部温度を所与の温度において維持するステップと、
ステップS2:脱気されるべき1つまたは複数の基板を脱気チャンバへと搬入し、基板を一定時間の間加熱した後に取り出すステップとを含む。
【0026】
ステップS1は脱気チャンバを一定の温度において維持でき、これにより脱気チャンバへと搬入される基板は一定の温度において加熱されることができる。これは異なるバッチの基板がチャンバの異なる初期的温度によって異なる温度に最終的に到達するという問題を回避でき、これによって異なるバッチの基板の品質における一貫性を向上する。ステップS2は脱気されるべき基板の自由な取り入れおよび取り出しを実現でき、すなわち任意の数の脱気されるべき基板は脱気チャンバへと任意の時間において搬入されることができ、設定した時間の間加熱された後に取り出されることができ、次のバッチの基板に対するプロセスを行う前に、チャンバ内のすべての基板が完全に加熱されチャンバから搬出されるまで待つ必要がなく、設備の生産性を強化する。同時に、脱気されるべき基板を一定の温度において設定した時間の間加熱した後にそれらを取り出すことによって、チャンバへと搬入される基板すべてが任意の時間において所与の目標温度に到達できることを確実にし、これによって基板温度についての正確な制御を達成する。
【0027】
実用的用途では、ステップS2において基板が加熱される時間は基板が目標温度に最終に到達できる限り特定状況に基づいて設定され得る。さらに、ロボットハンドによる基板の搬入はプログラムを介して制御され得、基板を指定された時間の間加熱した後に取り出すことを実現する。
【0028】
任意に、ステップS1は、
ステップS11:脱気チャンバを加熱することによってその内部温度を所与の温度に到達させ、
ステップS12:脱気チャンバの内部温度をリアルタイムに検出し、内部温度を所与の温度とそれらの差について比較し、次いで脱気チャンバの内部温度を比較の結果に従って制御し、内部温度を所与の温度において維持することをさらに含み得る。
【0029】
ステップS12では、内部温度と所与の温度との間の値の差が許容される温度範囲を超えると、脱気チャンバの内部温度は内部温度が所与の温度に到達するまで増加または減少され、このため脱気チャンバの内部温度を所与の温度において維持する。
【0030】
脱気チャンバの内部温度をリアルタイムに検出し、内部温度および所与の温度に従って脱気チャンバの内部温度を調整することによって、温度調整の閉鎖ループ制御が達成されることができ、このため脱気チャンバの内部温度について正確な制御を達成する。
【0031】
脱気チャンバが脱気されるべき基板上で一定温度の加熱を行うので、脱気されるべき基板の目標温度と上述の所与の温度との間の値の差は固定値であり、脱気されるべき基板の目標温度が既知であると上述の所与の温度が決定されることができる。たとえば所与の温度が130℃であるとき、脱気されるべき基板はその目標温度の160℃に固定時間の間加熱された後に到達する。この場合、脱気されるべき基板が160℃にまで加熱されることを要するとき、所与の温度は130℃に設定される。
【0032】
実施形態2
別の技術的解決策として、本開示の実施形態は脱気チャンバをさらに提供し、これは温度制御ユニットと制御ユニットとを含み、温度制御ユニットは脱気チャンバの内部を加熱することによって脱気チャンバの内部温度を所与の温度に到達させ、内部温度を所与の温度において維持するように構成される。制御ユニットはロボットハンドを制御して1つまたは複数の脱気されるべき基板を脱気チャンバへと搬入し、基板を一定時間の間加熱した後に取り出すように構成される。制御ユニットは上流コンピュータなどであり得る。
【0033】
温度制御ユニットによる加熱によって、脱気チャンバはその内部温度を所与の温度に到達させ、内部温度を所与の温度において維持し、異なるバッチの基板がチャンバの異なる初期的温度により異なる温度に最終的に到達されるという問題が回避されるだけでなく、異なるバッチの基板の品質における一貫性が改善されることができる。制御ユニットによる制御によって、ロボットハンドは脱気されるべき基板を脱気チャンバへと搬入し、基板を一定時間の間加熱した後に取り出し、脱気されるべき基板の自由な取り入れおよび取り出しが達成されることができ、すなわち任意の数の脱気されるべき基板は脱気チャンバへと任意の時間において搬入されることができ、設定した時間の間加熱された後に取り出されることができ、このため次のバッチの基板に対するプロセスを行う前に、以前のバッチの基板が完全に加熱されチャンバから搬出されるまで待つことが不要であり、設備の生産性を強化する。同時に、脱気されるべき基板をそれらを一定の温度において設定した時間の間加熱した後に取り出すことによって、チャンバへと任意の時間において搬入される基板すべてを所与の目標温度に到達させることも確実にでき、これによって基板温度についての正確な制御を達成する。
【0034】
任意に、温度制御ユニットは加熱要素と温度要素と制御要素とを含んでもよく、加熱要素は脱気チャンバを加熱することによってその内部温度を所与の温度に到達させるように構成され、温度要素は脱気チャンバの内部温度をリアルタイムに検出するように構成され、温度要素は熱電対または赤外線センサ等を用いる。制御要素は内部温度を所与の温度とそれらの差について比較し、次いで加熱要素を比較の結果に従って制御し、脱気チャンバの内部温度を所与の温度において維持するように構成される。
【0035】
具体的には、制御要素は内部温度と所与の温度との間の値の差が許容される温度範囲を超えているかを決定し、そうであれば脱気チャンバの内部温度は内部温度が所与の温度に到達するまで増加されるか減少され、このため脱気チャンバの内部温度が所与の温度において維持されることを実現する。脱気チャンバの内部温度が温度要素によってリアルタイムに検出されるので、脱気チャンバの内部温度は制御要素によって内部温度および所与の温度に従い調整され、温度調整の閉鎖ループ制御が達成されることができ、このため脱気チャンバの内部温度についての正確な制御を達成する。
【0036】
本開示の実施形態に従う脱気チャンバの特定実施の詳細な説明が以下に与えられる。具体的には、
図3および
図4に示されるように、脱気チャンバはチャンバ1と脱気されるべき基板を運ぶための基板カセット2とをさらに含み得、チャンバ1は脱気チャンバの加熱空間を規定する。チャンバ1はその側壁上に基板搬入口13を有し、基板搬入口13は基板がチャンバ1へと搬入されそこから搬出される通路として機能し、基板カセット2はベース本体23と上カバー21と下カバー22とを含み、ベース本体23には複数基板を配置するための複数スロットが設けられ、さらに、基板がロボットハンドによって搬入されるときにベース本体23と衝突するのを阻止するために、ベース本体23は基板の搬入能力を考慮して配置されるべきである。上カバー21と下カバー22とはベース本体23の2つの反対の端部それぞれにおいて配置され、上カバー21はチャンバ1の上側に面し、下カバー22はチャンバ1の下側に面する。ベース本体23は上カバー21と下カバー22とその上に置かれた基板とを支持するように構成される。基板カセット2はアルミニウム材料で作られる。上カバー21と下カバー22の存在により、基板カセット2の内部の上側端および下側端部に置かれても基板はランプ管からの放射を受け取ることができ、このため良好に加熱され、基板カセット2の中央領域における基板と基板カセット2の上側端部および下側端部における基板との間の温度差を減少させる。
【0037】
加熱要素3は第1の光源31と第2の光源32とを含み、チャンバ1は分離体としての基板搬入口13によって第1のチャンバ11と第2のチャンバ12とに分割され、第1の光源31は第1のチャンバ11内にあり、第2の光源32は第2のチャンバ12内にある。第1の光源31と第2の光源32とは基板カセット2内の基板上を加熱するように構成される。そのため、基板カセット2内の基板が基板搬入口13の上方領域および下方領域のいずれにあろうとも、それらはすべて光源によって加熱されることができ、これによって脱気プロセス中と基板の取り出しおよび配置中の基板のプロセス温度均一性を確実にし、そして基板の脱気プロセスの品質を増加させるだけでなく、後続のプロセスに対してより清潔な基板を提供する。
【0038】
本実施形態では、第1の光源31は第1のチャンバ11を第1のチャンバ11の周方向に沿って取り囲むように第1のチャンバ11の側壁の内側において配置され、第2の光源32は第2のチャンバ12を第2のチャンバ12の周方向に沿って取り囲むように第2のチャンバ12の側壁の内側において配置され、具体的には、第1の光源31と第2の光源32とはチャンバ1内で垂直方向に沿って提供され、基板搬入口13に対して対称的である。基板カセット2は第1の光源31および第2の光源32によって取り囲まれる空間内で垂直に移動可能であり、このため、基板カセット2がチャンバ1内で移動される位置に関わらず、基板カセット2内のすべての基板は第1の光源31または第2の光源32によって均一に加熱されることができる。そのため、基板がチャンバ1へと搬入されるかそこから取り出されることを要するとき、基板カセット2が第1のチャンバ11および第2のチャンバ12内でその位置を変えても、その内部の基板は第1の光源31および/または第2の光源32によって依然として加熱されることができる。
【0039】
第1の光源31または第2の光源32が取り囲むように加熱空間を形成するので、それらの各々は基板カセット2の周りに均一に基板カセット2の内側の基板上を加熱でき、これによって基板カセット2の内側の基板の温度均一性を増加させる。実用的用途では当然に、第1のまたは第2の光源はまた基板カセット内の基板を加熱することができる限り任意のその他の構造を用い得る。
【0040】
任意に、温度要素5は基板カセット2の温度を検出することによって脱気チャンバの内部温度を取得し得、すなわち基板カセット2の温度は脱気チャンバの内部温度として取り扱われ、これは基板カセット2の温度が脱気チャンバの内部温度を比較的正確に示すためであり、そのため検出の精度を改善する。代替的に、基板カセット2は検出基板(偽基板)を提供されてもよく、温度要素5は検出基板の温度を測定することによって脱気チャンバの内部温度を取得し得る。すなわち検出基板の温度は脱気チャンバの内部温度として取り扱われ、検出基板の温度はまた脱気チャンバの内部温度を比較的正確に示すことができ、そのため検出の精度を改善する。
【0041】
本実施形態では、加熱要素3はまた第1の反射バレル41と第2の反射バレル42とを含んでもよく、第1の反射バレル41は第1のチャンバ11と第1の光源31との間にあり、第2の反射バレル42は第2のチャンバ12と第2の光源32との間にあり、第1の反射バレル41と第2の反射バレル42とはその上に照射された光を基板カセット2および基板カセット2の内側の基板に向かって反射するように構成され、すなわち第1の反射バレル41と第2の反射バレル42とはそれらの上に運ばれた熱を基板カセット2および基板カセット2の内側の基板に向かって反射するように構成される。具体的には、第1の反射バレル41は第1の光源31を第1の光源31の周方向に沿って取り囲むように第1の光源31と第1のチャンバ11との間に配置される周方向に沿って閉じられた樽型構造であり、第2の反射バレル42は第2の光源32を第2の光源32の周方向に沿って取り囲むように第2の光源32と第2のチャンバ12との間に配置される周方向に沿って閉じられた樽型構造であり、そのような構成はバレル内に閉じ込められた第1の光源31および第2の光源32によって生成される熱を維持するのに優れ得、そのため第1の光源31および第2の光源32の熱利用比率を増加させ、加熱効率を強化し、同時に加熱温度が第1の反射バレル41および第2の反射バレル42の内側で均一であることを確実にし、基板カセット2内の基板を均一に加熱させる。
【0042】
第1の反射バレル41は上プレート411を含み、第2の反射バレル42は下プレート421を含み、上プレート411は基板搬入口13に対して遠位の第1の反射バレル41の端部を覆い、下プレート421は基板搬入口13に対して遠位の第2の反射バレル42の端部を覆い、上プレート411および下プレート421はその上に照射された光をチャンバ1の内側の脱気されるべき基板に向かって反射するように構成される。上プレート411および下プレート421の構成はチャンバ1内に配置される反射バレル4が閉じられた加熱空間を形成することをもたらし、そのためチャンバ1内の所与の温度を良好に維持する効果を確実にする。
【0043】
本実施形態では、任意に、第1の反射バレル41および第2の反射バレル42の内壁上の研磨および/または表面処理を行うことによって、照射された光の拡散反射および/または鏡面反射が起こり得る。拡散反射はバレル内で第1の光源31および第2の光源32によって放射される光を均一に照射させ、均一に反射させ、これによってバレル内の加熱のためのエネルギーをより均一にする。鏡面反射は第1の光源31および第2の光源32によって放射される光の大部分をバレルへと戻すように反射でき、これによって加熱エネルギーの損失を減少させ、バレルの内側の熱の均一性を確実にする。
【0044】
本実施形態では、第1の反射バレル41を第1のチャンバ11と第1の光源31との間に配置し、第2の反射バレル42を第2のチャンバ12と第2の光源32との間にすることによって、第1の光源31および第2の光源32は第1のチャンバ11の側壁および第2のチャンバ12の側壁それぞれから分離され得、さらに、第1の反射バレル41および第2の反射バレル42の上述の構造および材料は第1のチャンバ11および第2のチャンバ12それぞれの中に一定の高い温度を有する比較的気密な環境を形成できる。一定の高い温度の環境では、第1のチャンバ11および第2のチャンバ12の内側の部品の熱の吸収と散逸との間で平衡が維持される。基板がチャンバ1へと搬入されるとき、均一な基板の熱容量はチャンバ1の全体のものよりもはるかに小さく、チャンバ1内の部品は基板それ自体に対する熱源であるので、第1の反射バレル41および第2の反射バレル42、第1の光源31および第2の光源32の熱放射の効果の下、基板は熱平衡状態に急速に到達し得る。
【0045】
温度要素5は第1の温度部品51と第2の温度部品52とを含み、第1の温度部品51は第1の反射バレル41の温度を検出することによって第1のチャンバ11の内部温度を取得するように構成され、第2の温度部品52は第2の反射バレル42の温度を検出することによって第2のチャンバ12の内部温度を取得するように構成される。対応して、制御要素6は第1の温度制御部61と第2の温度制御部62とを含み、第1の温度制御部61は第1の温度部品51から送られた第1のチャンバ11の内部温度を受け取り、内部温度を所与の温度と比較し、次いで第1の光源31を比較結果に従って制御し、第1のチャンバ11の内部温度を所与の温度において維持するように構成される。第2の温度制御部62は第2の温度部品52から送られた第2のチャンバ12の内部温度を受け取り、内部温度を所与の温度と比較し、次いで第2の光源32を比較結果に従って制御し、第2のチャンバ12の内部温度を所与の温度において維持するように構成される。そのため、第1のチャンバ11および第2のチャンバ12のそれぞれにわたる温度調整の閉鎖ループ制御が達成されることができ、これによって第1のチャンバ11および第2のチャンバ12それぞれの内部温度について正確な制御を実現することができる。
【0046】
任意に、温度要素5は第1の予備部品53と第2の予備部品54とをさらに含み得、第1の予備部品53は第1の反射バレル41の温度を検出し、温度を第1の温度制御部61にフィードバックするように構成され、第2の予備部品54は第2の反射バレル42の温度を検出し、温度を第2の温度制御部62にフィードバックするように構成される。第1の温度制御部61は第1の温度部品51から送られた第1の反射バレル41の温度と第1の予備部品53の温度とのそれぞれの間の値の差が所与の範囲内にあるかを決定するようにさらに構成され、第2の温度制御部62は第2の温度部品52から送られた第2の反射バレル42の温度と第2の予備部品54の温度とのそれぞれの間の値の差が所与の範囲内にあるかを決定するようにさらに構成される。第1の予備部品53と第2の予備部品54とを用いて、第1の温度制御部61および第2の温度制御部62によって取得された温度をフィードバックする際に第1の温度部品51および第2の温度部品52への予測不能な損傷から起こるエラーを回避するために第1の温度部品51および第2の温度部品52が平常動作しているかが監視され、これによって引き起こされる温度制御異常を阻止する。
【0047】
さらに任意に、脱気チャンバはまた第1のアラーム要素9と第2のアラーム要素10とを含んでもよく、第1の反射バレル41の温度間の値の差が所与の範囲にはないことが決定されるときに、第1の温度制御部61は第1のアラーム要素9を制御してアラームを発し、第2の反射バレル42の温度間の値の差が所与の範囲にはないことが決定されるときに、第2の温度制御部62は第2のアラーム要素10を制御してアラームを発する。第1のアラーム要素9と第2のアラーム要素10とを用いて、温度制御異常の発生がその時刻に知られ得る。
【0048】
本実施形態では、第1の温度部品51と第2の温度部品52とは熱電対を用い、それらの2つは第1の反射バレル41および第2の反射バレル42のそれぞれの上に搭載され、接触式に測定を行うということに留意すべきである。しかし、本開示はそれに限定されるものではなく、実用的用途では、第1の温度部品51と第2の温度部品52とはまた赤外線センサといった非接触式の測定を用い得る。測定時間において、反射バレルに向かって面する赤外線センサの表面を測定し、赤外線センサの測定表面と赤外線センサの測定範囲内の反射バレルとの間の距離を調節することのみが必要である。
【0049】
さらに、脱気チャンバはリフト機構7をさらに含み得、リフト機構7はチャンバ1の下部を貫通し、基板カセット2の下カバー22に接続され、基板搬入口13のレベルに対応する高さとは異なる高さのレベルに置かれた基板カセット2内の基板を搬入するために基板カセット2を上下に駆動して、基板を取り配置するように構成される。また、リフト機構7が下カバー22に接続される位置において断熱部8が設けられ、基板カセット2とリフト機構7との間の熱伝導を断熱するように構成される。
【0050】
上述の脱気チャンバの特定の脱気プロセスは、以下のとおりである。脱気されるべき基板の加熱を開始する前に加熱要素3が制御要素6の制御下で大きな電力を出力し、チャンバ1を所与の温度にまで急速に加熱する。チャンバ1の内側の部品の温度が所与の温度に到達した後に、加熱要素3は制御要素6の制御下で小さな電力を出力し、チャンバ1内の温度を一定の所与の温度において維持する。プロセスが開始すると、1つまたは複数の基板は基板搬入口13を介して受け取られ、リフト機構7の持ち上げによって基板カセット2内の高さの異なるレベルに置かれ、リフト機構7によって駆動される基板カセット2は脱気プロセスのため加熱要素3に近い位置に移動し、基板が所与の目標温度に到達した後にリフト機構7は基板カセット2を駆動して基板搬入口13のレベルに対応する高さに移動し、ロボットハンドはいくつかの基板を取り出し、基板は基板カセット2へと補充され、脱気プロセスがすべての脱気されるべき基板に対して終えられるまで上述の基板を装填し非装填するプロセスが繰り返される。
【0051】
実施形態3
本実施形態は上述の本開示の実施形態に従う脱気チャンバを含む半導体処理装置を提供する。
【0052】
本開示の実施形態に従う半導体処理装置は上述の本開示の実施形態に従う脱気チャンバを採用することによって、同じバッチの基板および異なるバッチの基板の温度均一性を向上できるだけでなく、脱気されるべき基板の自由な取り入れおよび取り出しを達成し、これにより設備の生産性を強化する。
【0053】
上記の実施形態は本開示の原理を説明するための例示的な実施形態にすぎず、本開示はこれらに限定されないことを理解されるべきである。当業者であれば、本開示の精神および本質から逸脱することなく様々な改良および修正を行うことができる。これらの改良および変形もまた本開示の保護範囲内に入る。