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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20220125BHJP
   G03G 15/06 20060101ALI20220125BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
G03G15/08 226
G03G15/08 235
G03G15/06 101
G03G21/18
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017216376
(22)【出願日】2017-11-09
(65)【公開番号】P2019086715
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 啓
(72)【発明者】
【氏名】福田 善行
(72)【発明者】
【氏名】松本 純一
(72)【発明者】
【氏名】山田 正明
(72)【発明者】
【氏名】小川 嘉子
(72)【発明者】
【氏名】石倉 裕司
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-090734(JP,A)
【文献】特開2017-076060(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0118377(US,A1)
【文献】特開2003-057945(JP,A)
【文献】特開平03-114089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 15/06
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対向する現像剤規制部材と、を具備した現像装置と、
温度検知部材と、
を備えた画像形成装置であって、
前記現像剤は、マイナス極性のトナーと、プラス極性のキャリアと、からなる2成分現像剤であって、
前記現像剤担持体は、マイナス極性の電圧が印加され、
前記現像剤規制部材は、前記現像剤担持体に印加される電圧に対して、絶対値が小さなマイナス極性の電圧が印加され、
前記温度検知部材によって検知される温度が変化した場合に、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との間における電位差が変更されることを特徴とする画像形成装置
【請求項2】
前記温度検知部材によって検知される温度が高いときは、温度が低いときに比べて、前記電位差が小さくなるように変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置
【請求項3】
前記温度検知部材によって検知される温度が高いときは、温度が低いときに比べて、前記現像剤担持体に印加される電圧を基準とした前記電位差が小さくなるように変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置
【請求項4】
前記現像剤担持体は、第1電源によって電圧が印加され、
前記現像剤規制部材は、第2電源によって電圧が印加され、
前記温度検知部材によって検知される温度に応じて、前記第1電源と前記第2電源とのうち少なくとも一方を制御して前記電位差を変更することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の画像形成装置
【請求項5】
前記温度検知部材によって検知される温度に応じて、前記第2電源を制御して前記電位差を変更することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置
【請求項6】
前記現像剤規制部材は、長手方向に直交する断面でみたときに、前記現像剤担持体に対向する対向面が曲面となるように形成されたことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の画像形成装置
【請求項7】
前記現像剤規制部材は、前記断面が円形又は楕円形になるように形成された棒状部材であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置
【請求項8】
前記現像剤規制部材の長手方向の端面に当接しないように前記現像剤規制部材を保持したことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の画像形成装置
【請求項9】
前記温度検知部材は、前記現像装置に設置されたことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記温度検知部材は、前記現像剤担持体の軸部が摺動する軸受の近傍に設置されたことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記現像剤規制部材は、前記現像剤担持体に対して間隔をあけて対向するように配置されたことを特徴とする請求項1~請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される現像装置において、現像剤担持体(現像ローラ)に対向するように現像剤規制部材(ドクターブレード)を設置して、現像剤担持体の表面に担持される現像剤の量を適量に規制するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、現像装置は、その内部に現像剤が収納されていて、その現像剤が搬送スクリュ等の搬送部材によって撹拌・混合される。そして、撹拌・混合された現像剤の一部が、現像剤担持体(現像ローラ)に供給されて担持される。そして、現像剤担持体に担持された現像剤は、現像剤担持体に対向する現像剤規制部材(ドクターブレード)によって適量に規制された後に、その現像剤中のトナーが感光体ドラム(像担持体)との対向位置(現像領域)で感光体ドラム上の潜像に付着してトナー像が形成される。
【0004】
一方、特許文献1には、現像剤規制部材によって規制された後の現像剤担持体上の現像剤量(汲み上げ量)が環境変化等によって変化する不具合を抑止することを目的として、回転中心から外周面までの距離が連続的に変化するように形成された略棒状の現像剤規制部材を、トナー濃度検知手段の検知結果に基づいて最適な回転位置に回転させて、現像剤担持体と現像剤規制部材との間隔(ドクターギャップ)を最適化する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の現像装置は、現像剤規制部材によって規制された後の現像剤担持体上の現像剤量(汲み上げ量)が、温度変化によって変化してしまっていた。そのため、現像装置によって感光体ドラム(像担持体)上に形成される画像の濃度が安定しない不具合などが生じてしまっていた。
これに対して、特許文献1の技術を用いて、回転中心から外周面までの距離が連続的に変化するように形成された略棒状の現像剤規制部材を、温度変化に応じて最適な回転位置に回転させて、現像剤担持体と現像剤規制部材との間隔(ドクターギャップ)を最適化する方策が考えられる。しかし、その場合、現像剤規制部材を回転駆動する機構などを設ける必要があり、現像装置が高コスト化、大型化してしまうことになる。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、比較的簡易な構成で、温度変化が生じても現像剤担持体上の現像剤の汲み上げ量が変化しにくい、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明における画像形成装置は、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対向する現像剤規制部材と、を具備した現像装置と、温度検知部材と、を備えた画像形成装置であって、前記現像剤は、マイナス極性のトナーと、プラス極性のキャリアと、からなる2成分現像剤であって、前記現像剤担持体は、マイナス極性の電圧が印加され、前記現像剤規制部材は、前記現像剤担持体に印加される電圧に対して、絶対値が小さなマイナス極性の電圧が印加され、前記温度検知部材によって検知される温度が変化した場合に、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との間における電位差が変更されるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、比較的簡易な構成で、温度変化が生じても現像剤担持体上の現像剤の汲み上げ量が変化しにくい、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】作像部及びその周辺を示す構成図である。
図3】現像装置を上方からみた概略断面図である。
図4】(A)丸棒ドクタがドクタケースに設置された状態を示す斜視図と、(B)丸棒ドクタを示す斜視図と、である。
図5】現像バイアスを基準にしたドクターギャップにおける電位差と、現像ローラ上の汲み上げ量と、の関係を示すグラフである。
図6】ドクターギャップの近傍を示す概略拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部としてのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kが並設されている。
なお、画像形成装置本体100に設置される4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、図2及び図3において、プロセスカートリッジ6と感光体ドラム1と1次転写ローラ9とにおける符号のアルファベット(Y、M、C、K)を省略して図示する。
【0012】
図2を参照して、作像部としてのプロセスカートリッジ6は、像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1の周囲に配設された帯電ローラ4(帯電装置)、現像装置5、クリーニング装置2と、が一体化されたものであって、画像形成装置本体100に対して着脱可能に構成されている。このように作像部の構成部を一体化することで、作像部のメンテナンス性が向上する。そして、感光体ドラム1上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程)がおこなわれて、感光体ドラム1の表面に所望のトナー像が形成されることになる。
【0013】
図2を参照して、感光体ドラム1は、駆動モータによって図2の時計方向に回転駆動される。そして、帯電ローラ4の位置で、感光体ドラム1の表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1の表面は、露光部7(図1参照)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0014】
その後、感光体ドラム1の表面は、現像装置5との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される(現像工程である。)。
詳しくは、現像装置5内には、トナーとキャリア(磁性キャリア)とからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像装置5内の現像剤Gは、トナー濃度検知手段としての磁気センサ57によって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)が所定の範囲内になるように調整される。すなわち、現像装置5内のトナー消費に応じて、トナー搬送パイプ43(トナー補給手段)からトナー補給口44を介して第2搬送経路54内に、トナーが補給される。なお、磁気センサ57は、その周囲を流動する現像剤の透磁率の変化からトナー濃度の変化を検知するセンサである。また、本実施の形態において、磁気センサ57は、図3に示すように、第2搬送経路54の下流側であって第2搬送スクリュ56の下方(現像剤Gに埋没する位置である。)に設置されている。
【0015】
トナー搬送パイプ43は、画像形成装置本体100の上方のボトル収容部31に設置されたトナーボトル32Y、32M、32C、32K(図1参照)のうち対応するトナーボトルに連通している。トナー補給手段は、トナーボトル32Y、32M、32C、32Kを回転駆動するトナー補給モータや、トナー搬送パイプ43や、トナー搬送パイプ43に接続されたエアーポンプ等で構成される。このように構成されたトナー補給手段によって、各色のトナーが収容されたトナーボトル32Y、32M、32C、32Kから、トナー搬送パイプ43を介して、各現像装置5にそれぞれ各色のトナーが補給される。
なお、トナー補給手段は、上述した構成のものに限定されることなく、種々の構成のものを用いることができる。例えば、トナー搬送パイプを用いずに、トナーボトルから中継ホッパを介して現像装置5にトナーを供給する構成にすることもできる。
【0016】
その後、第2搬送経路54内に補給されたトナーは、第2搬送スクリュ56及び第1搬送スクリュ55によって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、仕切部材58で隔絶された2つの搬送経路53、54を循環する(図3中の破線矢印方向の循環である。)。
詳しくは、図3を参照して、第1搬送経路53内の現像剤Gは、第1搬送スクリュ55(第1搬送部材)によって、図3の右方から左方に現像ローラ51の長手方向に沿って搬送される。これに対して、第2搬送経路54内の現像剤Gは、第2搬送スクリュ56(第2搬送部材)によって、図3の左方から右方に第1搬送経路53とは逆方向に搬送される。
なお、2つの搬送スクリュ55、56は、それぞれ、軸部上にスクリュが巻装されたものであって、ギア列を介して現像ローラ51とともに現像駆動モータによって図3の矢印方向に回転駆動される。
【0017】
また、第1搬送経路53と第2搬送経路54とは、長手方向両端部を除く領域に配設された仕切部材58によって隔絶されるとともに、仕切部材58の介在しない長手方向両端部(第1中継部A及び第2中継部B)で連通する。すなわち、第1搬送スクリュ55によって第1搬送経路53の下流側に搬送された現像剤は、第1中継部Aを介して第2搬送経路54の上流側に流動して、その後に第2搬送スクリュ56によって長手方向に搬送される。第2搬送スクリュ56によって第2搬送経路54の下流側に搬送された現像剤は、第2中継部Bを介して第1搬送経路53の上流側に流動して、その後に第1搬送スクリュ55によって長手方向に搬送される。こうして、2つの搬送経路53、54の間に現像剤の長手方向の循環経路が形成される。
【0018】
このように循環経路中を循環する現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51上に形成された複数の磁極によってキャリアとともに現像ローラ51上に担持される。
ここで、図3を参照して、現像ローラ51は、内部に固設されてローラ周面に複数の磁極を形成するマグネット51bと、マグネット51bの周囲を回転するスリーブ51aと、で構成される。そして、複数の磁極が形成されたマグネット51bの周囲をスリーブ51aが回転することで、その回転にともない現像剤Gが現像ローラ51上(スリーブ51a上である。)を移動することになる。なお、現像ローラ51(スリーブ51a)は、スリーブ51aの軸部に連結された現像駆動モータによって図2の矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
【0019】
現像剤担持体としての現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、現像ローラ51の矢印方向の回転にともなって搬送されて、現像剤規制部材としての丸棒ドクタ52(現像ローラ51の下方に配設されている。)の位置に達する。そして、現像ローラ51上の現像剤Gは、この位置で適量(最適な汲み上げ量)に規制された後に、感光体ドラム1との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された現像電界(感光体ドラム1上に形成された潜像の電位と、第1電源71から現像ローラ51に印加された現像バイアスと、の電位差によって形成される電界である。)によって、感光体ドラム1上に形成された潜像にトナーが吸着される。
【0020】
マグネット51bによって現像ローラ51(スリーブ51a)の周囲には、複数の磁極が形成されている。複数の磁極は、感光体ドラム1との対向位置に形成された主磁極、第1搬送スクリュ55との対向位置に形成された汲上げ磁極、丸棒ドクタ52との対向位置に形成されたドクタ対向磁極、第1搬送経路53の上方に形成された剤離れ磁極、主磁極と剤離れ磁極との間に形成された搬送磁極、等で構成される。
まず、汲上げ磁極が磁性体としてのキャリアに作用して、第1搬送経路53内を移動する現像剤Gの一部が現像ローラ51上に担持される。現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、その一部が丸棒ドクタ52(現像剤規制部材)の位置で掻き取られて、第1搬送経路53に戻される。一方、汲上げ磁極による磁力が作用する丸棒ドクタ52の位置で、丸棒ドクタ52と現像ローラ51との隙間(ドクターギャップH)を通過して現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、主磁極の位置で穂立ちして現像領域において磁気ブラシとなって感光体ドラム1に摺接する。こうして、現像ローラ51に担持された現像剤G中のトナーが感光体ドラム1上の潜像に付着する。その後、主磁極の位置を通過した現像剤Gは、搬送磁極によって剤離れ磁極の位置まで搬送される。そして、剤離れ磁極の位置で、反発磁界がキャリアに作用して、現像ローラ51上に担持されていた現像工程後の現像剤Gが現像ローラ51から脱離される。脱離後の現像剤Gは、再び第1搬送経路53に戻されて、第1搬送経路53の下流側に向けて搬送され、第1中継部Aを介して第2搬送経路54の上流側に移動する。さらに、第2搬送経路54の上流側に移動した現像剤は、トナー補給口44から補給された補給トナーとともに、第2搬送経路54の下流側に達して、第2中継部Bを介して第1搬送経路53の上流側に移動する。このような一連の現像剤Gの循環が繰り返される。
本実施の形態において、トナー補給口44は、図3に示すように、第2搬送経路54の上流側であって第2搬送スクリュ56の上方に設置されている。
なお、本実施の形態では、現像剤規制部材としての丸棒ドクタ52に電圧が印加されているが、その詳細や、丸棒ドクタ52の詳細については後で説明する。
【0021】
上述した現像工程の後、感光体ドラム1の表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9との対向位置(1次転写ニップである。)に達する。
そして、この1次転写ニップで感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム1の表面は、クリーニング装置2との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1の表面は、除電装置との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0022】
なお、上述した作像プロセスは、4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kで、それぞれおこなわれる。すなわち、プロセスカートリッジの下方に配設された露光部7(図1参照)から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0023】
ここで、図1を参照して、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、2次転写対向ローラ12、対向ローラ13、テンションローラ14、クリーニング装置10等で構成される。中間転写ベルト8は、3つのローラ部材12~14によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
【0024】
4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0025】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成されたカラートナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送されたシートP(用紙)上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト8は、中間転写ベルト8用のクリーニング装置10の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0026】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、画像形成装置本体100の下方に配設された給紙装置26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙装置26には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対28(タイミングローラ対)の位置に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0027】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される。
その後、シートPは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置本体100外に排出されたシートPは、印刷後の画像(出力画像)として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成動作(画像形成プロセス)が完了する。
【0028】
以下、本実施の形態において特徴的な、現像装置5(プロセスカートリッジ6)の構成・動作について詳しく説明する。
先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態における現像装置5には、現像剤Gを担持する現像剤担持体としての現像ローラ51と、現像ローラ51(現像剤担持体)に対向する現像剤規制部材としての丸棒ドクタ52と、が設置されている。丸棒ドクタ52は、現像ローラ51に対して微小な間隔(ドクターギャップH)をあけて対向するように配置されている。
【0029】
図2図4(B)等を参照して、現像剤規制部材としての丸棒ドクタ52は、長手方向(図2の紙面垂直方向であって、図3の左右方向である。)に直交する断面でみたときに、現像ローラ51(現像剤担持体)に対向する対向面が曲面(ドクターギャップHにおいて現像ローラ51の外周面の曲面とは曲がる方向が逆方向の曲面である。)となるように形成されている。詳しくは、丸棒ドクタ52(現像剤規制部材)は、その断面が円形になるように形成された棒状部材(金属材料など導電性材料で形成されている。)である。丸棒ドクタ52は、現像ローラ51の下方に対向するように配設されて、現像ローラ51上に担持される現像剤量(汲み上げ量)を適量化するためのものである。
【0030】
特に、本実施の形態における現像装置5は、図2図4(A)に示すように、丸棒ドクタ52(現像剤規制部材)の長手方向の端面52aに当接しないように丸棒ドクタ52を保持している。また、丸棒ドクタ52の周方向のほとんどが当接するように丸棒ドクタ52を保持している。
詳しくは、丸棒ドクタ52は、現像ローラ51に対向する対向面(ドクターギャップHを形成する部分である。)と、長手方向の両端面52aと、がそれぞれ露呈するように、それ以外の部分がドクタホルダ59によって覆われている。ドクタホルダ59は、樹脂材料で形成されていて、現像装置5の現像ケース(筐体)に面合わせされる取付け面59bに3つの穴部59aが形成されている(長手方向両端部と長手方向中央部との3箇所に形成されている。)。そして、この3つの穴部59aを介してビス60(図1参照)が現像ケースの雌ネジ部に螺合されることで、丸棒ドクタ52を保持するドクタホルダ59が現像装置5に固定設置されることになる。
【0031】
このように、本実施の形態では、丸棒ドクタ52は、その端面52aが規制されないようにドクタホルダ59によって保持されているため、端面52aが規制されるように保持される場合に比べて、周囲温度の上昇などによって丸棒ドクタ52が熱膨張しても、長手方向中央部が突出するように撓んでドクターギャップHの長手方向の偏差が大きくなるようなことはなく、長手方向に伸びることになる。したがって、丸棒ドクタ52が熱膨張(又は、熱収縮)したときに、ドクターギャップH自体は変化しても、そのドクターギャップHに長手方向の偏差が生じるようなことはほとんどない(長手方向にわたってほぼ均一なドクターギャップHが維持される)。
具体的に、本実施の形態では、丸棒ドクタ52が熱膨張したときには、丸棒ドクタ52が長手方向に伸びて、その外径もドクタホルダ59によって規制されない範囲で大きくなる。これに対して、丸棒ドクタ52が熱収縮したときには、丸棒ドクタ52が長手方向に縮んで、その外径も小さくなる。したがって、丸棒ドクタ52が熱膨張したときにはドクターギャップHが長手方向にわたって小さくなり、丸棒ドクタ52が熱収縮したときにはドクターギャップHが長手方向にわたって大きくなることになる。
このような現象は、丸棒ドクタ52の材料が、線膨係数の大きなものであるほど顕著になる。例えば、周囲温度が20度から40度に上昇した場合に、丸棒ドクタ52がステンレス鋼(SUS430)で形成されているときには熱膨張による長手方向の変化量が0.05mm程度であるのに対して、丸棒ドクタ52がアルミニウムで形成されているときには熱膨張による長手方向の変化量が0.11mm程度になる。同様に、線膨係数の違いによって、同じ温度変化であっても、丸棒ドクタ51の外径の変化に違いが生じて、ドクターギャップHの変化にも違いが生じることになる。
【0032】
ここで、本実施の形態では、丸棒ドクタ52(現像剤規制部材)は、画像形成装置本体100に設置された第2電源72によって電圧(ドクターバイアス)が印加されるように構成されている。具体的に、丸棒ドクタ52は、その端面に接触するように入力端子となる板バネ(金具)が接触して取り付けられる。その板バネは、ドクタホルダ59に固定されている。なお、板バネは、ドクタホルダ59ではなく、現像装置5の現像ケースに固定されていてもよい。この板バネ(第2電源72に電気的に接続されている。)が接触して、画像形成装置本体100の制御部70に制御された第2電源72から所望の大きさの電圧が印加されることになる。
また、先に説明したように、現像ローラ51(現像剤担持体)は、第1電源71によって電圧(現像バイアス)が印加されるように構成されている。具体的に、現像ローラ51は、そのスリーブ51aの端部の入力端子となる現像ローラ軸(第1電源71に電気的に接続されている。)が接触して、画像形成本体100の制御部70に制御された第1電源71から所望の大きさの電圧が印加されることになる。
なお、第1電源71と第2電源72とは、いずれも、印加電圧(出力電圧)の大きさを可変できるように構成されている。特に、第2電源72は、後述するように、温度センサ80の検知結果に応じて丸棒ドクタ52に印加する電圧の大きさを調整制御できるように構成されている。また、第1電願71は、画像濃度を調整するために、現像領域に形成される現像電界を調整するときに、その出力電圧の大きさが調整される。
【0033】
さらに詳しくは、現像装置5内に収容された現像剤Gは、マイナス極性のトナーと、プラス極性のキャリアと、からなる2成分現像剤である。そして、現像ローラ51は、第1電源71からマイナス極性の電圧(-350V程度の現像バイアス)が印加される。また、丸棒ドクタ52は、第2電源72からマイナス極性の電圧(現像ローラ51に印加される電圧に対して、絶対値が小さな電圧、又は、同等の電圧である。)が印加される。
このように構成することにより、ドクターギャップHに所定の電位差の電界が形成されることになるため、丸棒ドクタ52によって規制する現像ローラ51上の現像剤の汲み上げ量を静電気的に管理しやすくなる。すなわち、丸棒ドクタ52に電圧を印加せずにフロート状態にしてドクターギャップHに電界を形成しない場合に比べて、現像ローラ51上の現像剤の汲み上げ量を狙いの値に近づけやすくなり、感光体ドラム1上のトナー像の画像濃度も狙いの値に近づけやすくなる。特に、現像剤規制部材として、現像ローラ51に対する対向面が曲面となる丸棒ドクタ52を用いた場合には、現像ローラ51に対する対向面が平面となる板状ドクタ152(図6(C)参照)を用いた場合に比べて、そのような効果が顕著になる。さらに、現像剤規制部材として、現像ローラ51に対する対向面が曲面となる丸棒ドクタ52を用いた場合には、現像ローラ51に対する対向面が平面となる板状ドクタ152(図6(C)参照)を用いた場合に比べて、ドクターギャップHを通過する現像剤にダメージを与えにくくなる。
【0034】
ここで、本実施の形態における現像装置5は、温度検知部材としての温度センサ80によって検知される温度が変化した場合に、現像ローラ51(現像剤担持体)と丸棒ドクタ52(現像剤規制部材)との間(ドクターギャップH)における電位差が変更される。
詳しくは、図3(及び、図2)に示すように、現像装置5には、現像ローラ51の軸受の近傍に、温度センサ80(温度検知部材)が設置されている。現像ローラ51(スリーブ51a)の軸受は、回転数が比較的大きなスリーブ51aの軸部が摺動する部分であるため、現像装置5において高温に達する熱源になる。そして、その熱源となる軸受の近傍の温度を温度センサ80によって検知して、その検知結果に基づいてドクターギャップHの電位差を変更している。すなわち、温度センサ80の検知結果に基づいて、丸棒ドクタ52の熱膨張や熱収縮によるドクターギャップHの変化を推定して、丸棒ドクタ52によって規制される現像ローラ51上の汲み上げ量が大きく変化しないように、ドクターギャップHの電位差を変更している。
【0035】
詳しくは、温度センサ80(温度検知部材)によって検知される温度が高いときは、温度が低いときに比べて、ドクターギャップHにおける電位差が小さくなるように変更する。
さらに具体的に、温度センサ80によって検知される温度が高いときは、温度が低いときに比べて、現像ローラ51に印加される電圧(現像バイアス)を基準としたドクターギャップHの電位差が小さくなるように変更する。
このとき、温度センサ80によって検知される温度に応じて、第1電源71と第2電源72とのうち少なくとも一方を制御してドクターギャップHの電位差を変更することができる。ただし、本実施の形態では、温度センサ80によって検知される温度に応じて、第1電源71を制御するのではなくて、第2電源72のみを制御してドクターギャップHの電位差を変更している。すなわち、温度センサ80によって検知される温度が高いときは、温度センサ80によって検知される温度が低いときに比べて、現像ローラ51に印加される電圧(現像バイアス)を基準としたドクターギャップHの電位差が小さくなるように、第2電源72から出力される電圧を可変制御することになる。
このようにドクターギャップHの電位差を変更するときに、第2電源72のみを制御することで、感光体ドラム1上に形成されるトナー像の画像濃度の制御を容易にしている。一方、第1電源71を制御する場合は、現像領域における現像電界の変化も制御対象にして、感光体ドラム1上に形成されるトナー像の画像濃度の制御をおこなう。なお、第1電源71を制御して画像濃度の制御をおこなうときに、第1電源71の変更負荷の緩和や調整のし易さ等から、第2電源72をあわせて制御しても良い。
【0036】
このように、本実施の形態では、温度センサ80によって検知される温度に応じてドクターギャップHにおける電位差を変更しているため、先に説明したように温度変化が生じてドクターギャップHが変化しても、現像ローラ51上における現像剤の汲み上げ量(丸棒ドクタ52によって規制された後の現像ローラ51上の現像剤量である。)を大きく変化させないようにすることができる。そのため、比較的簡易な構成で、現像装置5によって感光体ドラム1上に形成されるトナー像の画像濃度も安定化することになる。
【0037】
具体的に、図5に示すように、現像ローラ51に印加する現像バイアスの大きさを一定として、ドクターギャップHも一定として、第2電源72から丸棒ドクタ52に印加する電圧を変化させたときに、現像バイアスを基準にしたドクターギャップHにおける電位差が大きくなるほど、現像ローラ51上の汲み上げ量は少なくなる。
これは、図6(A)を参照して、ドクターギャップHにおける電位差が大きくなるほど、ドクターギャップHの入口近傍(図6にて破線で囲んだ部分である。)で静電気的に滞留してしまう現像剤量が増加して、現像剤がドクターギャップHの位置を通過しにくくなるためである。
特に、現像剤規制部材として、現像ローラ51に対する対向面が曲面となる丸棒ドクタ52を用いた場合(図6(B)のように断面が楕円形のものも含む。)には、現像ローラ51に対する対向面が平面となる板状ドクタ152(図6(C)参照)を用いた場合に比べて、現像ローラ51に対向する対向面の範囲が広がるため、そのような効果が顕著になる。
【0038】
本実施の形態では、このような現象を利用して、温度上昇にともなう丸棒ドクタ52の熱膨張によりドクターギャップHが狭くなったときには、そのままではドクターギャップHの位置を通過する現像剤量が少なくなるものとして、その減少分を相殺するためにドクターギャップHにおける電位差が小さくなるように、第2電源72を制御している。
これに対して、温度低下にともなう丸棒ドクタ52の熱収縮によりドクターギャップHが広くなったときには、そのままではドクターギャップHの位置を通過する現像剤量が多くなるものとして、その増加分を相殺するためにドクターギャップHにおける電位差が大きくなるように、第2電源72を制御している。
このような制御をおこなうことにより、温度変化が生じてドクターギャップHが変化しても、現像ローラ51上における汲み上げ量を安定化することができる。
【0039】
具体例をあげると、本実施の形態では、20℃50%の温湿度環境において、現像ローラ51上の汲み上げ量が40mg/cm2程度になるように、第1電源71から現像ローラ51に現像バイアスとして-350Vを印加して、第2電源72から丸棒ドクタ52に電圧として-335Vを印加している(図5に対応する電位差15Vである。)。そして、例えば、温度センサ80によって検知された温度が20℃から10℃に低下したときには、現像ローラ51上の汲み上げ量が40mg/cm2程度に維持されるように、第2電源72から丸棒ドクタ52に印加する電圧が-335Vから-320Vに変更される(図5に対応する電位差が15Vから30Vに増加される。)。これに対して、例えば、温度センサ80によって検知された温度が20℃から30℃に上昇したときには、現像ローラ51上の汲み上げ量が40mg/cm2程度に維持されるように、第2電源72から丸棒ドクタ52に印加する電圧が-335Vから-340Vに変更される。
【0040】
なお、本実施の形態では、丸棒ドクタ52(現像剤規制部材)として、図6(A)に示すように断面が円形になるように形成された棒状部材を用いたが、図6(B)に示すように断面が楕円形になるように形成された棒状部材を用いることもできる。そして、そのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、本実施の形態では、温度検知部材としての温度センサ80を現像ローラ51の軸受の近傍に設置したが、温度センサの設置位置はこれに限定されることなく、例えば、温度検知部材としての温度センサを丸棒ドクタ(現像剤規制部材)の近傍に設置することもできるし、温度検知部材としての温度センサを現像装置5の現像ケースに設置することもできる。
さらには、温度検知部材は必ずしも現像装置5に設置する必要がなく、例えば、温度検知部材として、画像形成装置100において高熱になる定着装置20の近傍に設置された温度センサ85(図1参照)を用いることもできる。そのような場合には、温度検知部材を複数の現像装置のすべてにそれぞれ設置する必要がなくなり、画像形成装置100の全体的なコストを安くすることができる。
また、環境検知部材としての温度検知部材(温度センサ80)を用いたが、湿度によっても汲上げ量が変わるため、本体内にある環境検知部材としての湿度検知部材(湿度センサ)を用いても良い。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態における現像装置5(プロセスカートリッジ6)は、現像剤Gを担持する現像ローラ51(現像剤担持体)と、現像ローラ51に対向する丸棒ドクタ52(現像剤規制部材)と、が設けられている。そして、温度センサ80(温度検知部材)によって検知される温度が変化した場合に、現像ローラ51と丸棒ドクタ52との間(ドクターギャップH)における電位差が変更される。
これにより、比較的簡易な構成で、温度変化が生じても現像ローラ51上の現像剤Gの汲み上げ量に変化が生じにくくなる。
【0043】
なお、本実施の形態では、現像装置5が感光体ドラム1(像担持体)と帯電装置(帯電ローラ4)とクリーニング装置2とともに、プロセスカートリッジ6として一体化されているものに対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、現像装置5が、単体で画像形成装置本体100に対して着脱されるユニットして構成されている場合であっても、当然に本発明を適用することができる。そして、そのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
【0044】
また、本実施の形態では、搬送部材としての搬送スクリュが2つ水平方向に並設された現像装置5に対して本発明を適用したが、2つの搬送スクリュが上下方向に並設された現像装置や、3つ以上の搬送スクリュが水平方向や上下方向に並設された現像装置や、搬送部材として搬送スクリュ以外の部材(例えば、現像剤を短手方向に搬送する撹拌パドル等である。)が設置された現像装置などに対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、現像剤規制部材(丸棒ドクタ52)が現像ローラ51(現像剤担持体)の下方に対向するように配設された現像装置5に対して本発明を適用したが、現像剤規制部材が現像剤担持体の上方に対向するように配設された現像装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
そして、それらの場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、本実施の形態では、現像剤Gとしてトナーとキャリアとからなる2成分現像剤が収容された2成分現像方式の現像装置5に対して、本発明を適用した。これに対して、現像剤としてトナーのみからなる1成分現像剤が収容された1成分現像方式の現像装置に対しても、本発明を適用することができる。その場合、現像剤規制部材は、現像剤担持体に対して当接するように対向して配置されることになる。
そして、そのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0046】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0047】
1、1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(像担持体)、
4 帯電ローラ(帯電装置)、
5 現像装置、
51 現像ローラ(現像剤担持体)、
52 丸棒ドクタ(現像剤規制部材)、
59 ドクタホルダ(保持部材)、
71 第1電源、
72 第2電源、
80 温度センサ(温度検知部材)、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【文献】特開2014-56138号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6