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特許7014141情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20220125BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20220125BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20220125BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20220125BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20220125BHJP
【FI】
H04L67/00
G06K7/14 017
G06K19/06 037
G06Q10/10
G06Q50/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018222826
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020087137
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-04-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】安藤 光男
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-252452(JP,A)
【文献】特開2010-170494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/00
G06K 7/14
G06K 19/06
G06Q 10/10
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器と通信可能な情報処理装置を含む情報処理システムであって、
前記機器から、サービスを特定する識別情報を受け付ける受信部と、
記機器の撮像機能を起動させ、撮像された画像データをアップロードさせる、前記識別情報によって特定されたサービスを実現する処理の実行要求を前記機器へ送信する送信部と、
前記撮像機能によって撮像された画像データを格納する画像データ記憶部と、を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記識別情報は、
撮像対象物と対応付けられており、前記機器によって読み取られる、請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記識別情報は、二次元コードに埋め込まれた情報である、請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記受信部は
前記機器のユーザを特定する情報を前記画像データと共に受信し、
前記画像データは、前記ユーザを特定する情報と、前記画像データを受信した日時とが付加されて、前記画像データ記憶部に格納される、請求項3記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記ユーザを特定する情報は、
前記二次元コードに埋め込まれた情報である、請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記送信部は、
前記識別情報を受けて、前記画像データの格納先を特定する情報の入力画面を表示させるための表示データと、前記入力画面に入力された情報を前記情報処理装置へ送信させる処理の実行要求と、を前記機器へ送信し、
前記受信部は、
前記入力画面に入力された、記画像データの格納先を特定する情報を受信し、
前記アップロードされた画像データは、前記画像データ記憶部における、前記格納先を特定する情報によって特定された記憶領域に格納される、請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
機器と、前記機器と通信可能な情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記機器から、サービスを特定する識別情報を受け付ける受信部と、
前記機器の撮像機能を起動させ、撮像された画像データをアップロードさせる、前記識別情報によって特定されたサービスを実現する処理の実行要求を前記機器へ送信する第一の送信部と、
前記撮像機能によって撮像された画像データを格納する画像データ記憶部と、を有し、
前記機器は、
ブラウザ部を有し、
前記ブラウザ部は、
サービスを特定する識別情報を前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置から受信した実行要求に基づいて起動した前記撮像機能によって撮像された画像データを前記情報処理装置へ送信する情報処理システム。
【請求項8】
請求項1乃至の何れか一項に記載の情報処理システムに含まれ、
撮像対象物と対応付けられた二次元コードにかざされると、前記二次元コードに埋め込まれた情報を読み取って、前記情報処理装置に送信する機器。
【請求項9】
機器と通信可能な情報処理装置であって、
前記機器から、サービスを特定する識別情報を受け付ける受信部と、
記機器の撮像機能を起動させ、撮像された画像データをアップロードさせる、前記識別情報によって特定されたサービスを実現する処理の実行要求を前記機器へ送信する送信部と、
前記撮像機能によって撮像された画像データを格納する画像データ記憶部と、を有する情報処理装置。
【請求項10】
機器と通信可能な情報処理装置を含む情報処理システムによる情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
前記機器から、サービスを特定する識別情報を受信し、
記機器の撮像機能を起動させ、撮像された画像データをアップロードさせる、前記識別情報によって特定されたサービスを実現する処理の実行要求を前記機器へ送信し、
前記撮像機能によって撮像された画像データを画像データ記憶部に格納する、情報処理方法。
【請求項11】
機器と通信可能な情報処理装置に、
前記機器から、サービスを特定する識別情報を受信する処理と、
記機器の撮像機能を起動させ、撮像された画像データをアップロードさせる、前記識別情報によって特定されたサービスを実現する処理の実行要求を前記機器へ送信する処理と、
前記撮像機能によって撮像された画像データを画像データ記憶部に格納する処理と、を実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスにおいては、様々な機器を活用して業務が遂行されている。各種の機器やアプリケーションを活用することで、業務の効率化等を期待することができる。
【0003】
その中の1つとして、端末装置で撮像した画像の画像データを自動的に予め決められた格納先へ格納する技術が知られている。具体的には、例えば、端末装置に専用のアプリケーションをインストールすることで、端末装置に、QRコード(登録商標)を読み取ったあとに撮像した画像データを、QRコードが示す格納先へ格納させることが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、端末装置に専用のアプリケーションをインストールする等、事前の設定が必要となる。このため、上述した機能を使用する機会が少ない利用者は、利用頻度の低い機能を端末装置に持たせるために、アプリケーションのインストールや事前設定を行わなければならず、手順が煩雑である。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、簡単な手順で指定された格納先へ画像データを格納させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術は、機器と通信可能な情報処理装置を含む情報処理システムであって、前記機器から、サービスを特定する識別情報を受け付ける受信部と、記機器の撮像機能を起動させ、撮像された画像データをアップロードさせる、前記識別情報によって特定されたサービスを実現する処理の実行要求を前記機器へ送信する送信部と、前記撮像機能によって撮像された画像データを格納する画像データ記憶部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
簡単な手順で指定された格納先へ画像データを格納できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一の実施形態の情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】第一の実施形態のサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】第一の実施形態のユーザ端末のハードウェア構成例を示す図である。
図4】第一の実施形態の仲介装置のハードウェア構成例を示す図である。
図5】第一の実施形態の概要を説明するための図である。
図6】第一の実施形態の各装置の機能構成例を示す図である。
図7】第一の実施形態の仲介装置の起動に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図8】第一の実施形態の機器情報記憶部の構成例を示す図である。
図9】第一の実施形態の登録情報記憶部の構成例を示す図である。
図10】第一の実施形態のアプリ情報記憶部の構成例を示す図である。
図11】第一の実施形態のパスコードの生成と割当てについて説明する図である。
図12】第一の実施形態の出力機器におけるパスコードの表示例を示す図である。
図13】第一の実施形態の生徒端末からサーバ装置へ画像データをアップロードする処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
図14】第一の実施形態のアカウント情報記憶部の構成例を示す図である。
図15】第一の実施形態の生徒端末における表示例を示す図である。
図16】第一の実施形態の情報処理システムの利用シーンを説明する図である。
図17】第一の実施形態の授業情報記憶部の一例を示す図である。
図18】第一の実施形態の答案情報記憶部の一例を示す図である。
図19】第一の実施形態の黒板情報記憶部の一例を示す図である。
図20】第一の実施形態の設置情報記憶部の一例を示す図である。
図21】第一の実施形態のパスコード履歴記憶部の一例を示す図である。
図22】第一の実施形態の表示履歴記憶部の一例を示す図である。
図23】第一の実施形態の教師端末に出欠の一覧を表示させる処理手順の一例を示す図である。
図24】第一の実施形態の教師端末の表示例を示す図である。
図25】第二の実施形態の概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一の実施形態)
以下に、図面に基づいて実施形態を説明する。図1は、情報処理システムの構成例を示す図である。
【0010】
図1に示される情報処理システム1において、サーバ装置10及びユーザ環境E1は、インターネット等の広域的なネットワークN1を介して通信可能とされている。但し、ネットワークN1は、イントラネット等、所定の範囲内においてアクセスが可能なネットワークであってもよい。
【0011】
ユーザ環境E1は、1以上の出力機器50及び1以上の仲介装置20が設置された企業等の組織や、学校等の教育機関におけるシステム環境である。出力機器50は、入力される画像を表示部に表示する装置であって、例えば、プロジェクタや電子黒板等であって良い。ユーザ環境E1において、各出力機器50は、それぞれに対応する仲介装置20に接続される。すなわち、出力機器50と仲介装置20とは一対一に対応する。出力機器50と仲介装置20とは、例えば、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)等のように、画像を伝達可能な規格に準拠したインタフェースを介して接続される。なお、例えば、HDMI(登録商標)ドングルやスティックPC等のコンピュータが、仲介装置20として利用されてもよい。
【0012】
例えば、出力機器50と仲介装置20とは、当該インタフェースに対応したケーブル(例えば、HDMI(登録商標)ケーブル等)によって接続されてもよい。又は、仲介装置20が有する当該インタフェースに対応したコネクタと、出力機器50が有する当該インタフェースに対するコネクタとが直接的に接続されてもよい。例えば、仲介装置20が出力機器50のコネクタに挿入されることで、両者が接続されてもよい。又は、仲介装置20と出力機器50の間が無線通信で接続されていてもよいし、ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0013】
出力機器50と仲介装置20とが上記のように接続されることで、仲介装置20は、出力機器50に対して表示対象の画像を送信することができる。
【0014】
仲介装置20は、ユーザ環境E1内のLAN等を介してネットワークN1に接続される。仲介装置20は、ユーザ環境E1内のLAN等に無線接続してもよい。仲介装置20は、内部にWebブラウザを備え、当該Webブラウザによって、サーバ装置10から送信される画像データに関する処理の実行要求に応じた処理を実行して出力機器50を制御する(該処理の実行結果を出力機器50に出力させる)。
【0015】
具体的には、本実施形態において、仲介装置20は、画像データの出力(表示)を出力機器50に実行させる。すなわち、仲介装置20は、サーバ装置10から送信されるデータについての出力機器50による画像の出力(表示)を仲介する。
【0016】
また、本実施形態において、仲介装置20は、出力機器50を特定するための特定情報を出力機器50から出力(表示)させる。この特定情報は、ユーザ端末40のユーザが出力機器50の近傍にいる場合にのみ、取得することができる情報であって、時間の経過と共に変化する情報である。
【0017】
そして、本実施形態では、ユーザ端末40からサーバ装置10に画像データを送信(アップロード)する際に、ユーザ端末40において、アップロードされる画像データに、特定情報を付与させる。
【0018】
これにより、サーバ装置10は、特定情報を、画像データがアップロードされたときのユーザ端末40の位置と時間帯を示す情報として管理することができる。言い換えれば、本実施形態によれば、サーバ装置10は、アップロードされた画像データを、この画像データが撮像された場所と時間帯を示す情報と対応付けて管理することができる。
【0019】
また、本実施形態のサーバ装置10は、ユーザ端末40において、QRコード等が読み取られると、ユーザ端末40に、撮像機能を起動させ、撮像された画像データと特定情報とを、QRコードと対応付けられた格納先へ送信させる。
【0020】
したがって、本実施形態では、ユーザ端末40をQRコードにかざすだけで、撮像した画像データを、指定された格納先(アップロード先)へ送信することができる。
【0021】
ユーザ端末30、40は、ユーザ環境E1における各ユーザが携帯する情報処理端末である。例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC、又は携帯電話等がユーザ端末30、40として利用されてもよい。なお、ユーザ端末30、40は、ユーザ環境E1内のLAN等を介さずに(例えば、移動体通信網等を介して)ネットワークN1に接続可能である。但し、ユーザ端末30、40は、ユーザ環境E1内のネットワークに接続可能であってもよい。
【0022】
本実施形態では、例えば、ユーザ端末40から、ネットワークN1を介してサーバ装置10にアップロードされた画像データに対して、ユーザ端末30からの指定を受けると、仲介装置20を介して指定された画像データを出力機器50に表示させても良い。
【0023】
サーバ装置10は、ユーザ端末30、40を利用した簡易な操作で、ユーザ端末30、40から指定された画像データについて、出力機器50による出力を実現するための処理を実行する1以上のコンピュータである。
【0024】
また、サーバ装置10は、ユーザ端末30、40を利用した簡易な操作で、ユーザ端末30、40によって撮像された画像データを、予め設定された格納先へ格納する処理を実行する1以上のコンピュータである。なお、サーバ装置10は、ユーザ環境E1に設置されてもよい。
【0025】
図2は、サーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。図2のサーバ装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
【0026】
サーバ装置10での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0027】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従ってサーバ装置10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0028】
図3は、ユーザ端末のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態では、ユーザ端末30、40は、同様のハードウェア構成を有するものとし、図3では、ユーザ端末30のハードウェア構成を一例として説明する。
【0029】
図3において、ユーザ端末30は、CPU301、ROM302、RAM303、タッチパネル304、補助記憶装置305、近距離無線通信機306、デジタルカメラ307等を有する。
【0030】
ROM302及び補助記憶装置305は、ユーザ端末30にインストールされたプログラム等を記憶する。RAM303は、プログラムの起動指示があった場合に、ROM302又は補助記憶装置305からプログラムを読み出して記憶する。CPU301は、RAM303に記憶されたプログラムに従ってユーザ端末30に係る機能を実現する。
【0031】
タッチパネル304は、入力機能と表示機能との双方を備えた電子部品であり、情報の表示や、ユーザからの入力の受け付け等を行う。タッチパネル304は、出力装置311及び入力装置312等を含む。
【0032】
出力装置311は、液晶ディスプレイ等であり、タッチパネル304の表示機能を担う。入力装置312は、出力装置311に対する接触物の接触を検出するセンサを含む電子部品である。なお、接触物とは、タッチパネル304の接触面(表面)に接触する物体をいう。斯かる物体の一例として、ユーザの指や専用又は一般のペン等が挙げられる。なお、タッチパネル304は必ずしも備えている必要はなく、ユーザ端末30が出力装置311と入力装置312を別々に備えていてもよい。また、出力装置311は、ユーザ端末30と外付けで接続されていてもよい。また、入力装置312は接触を検出するセンサに限られず、ハードウェアキー、キーボード、マウス等の電子部品も含まれる。
【0033】
近距離無線通信機306は、近距離無線通信を行うためのハードウェアである。本実施形態において、近距離無線通信機306は、NFCタグに記憶されている情報を読み取る。すなわち、本実施形態において、近距離無線通信機306は、NFCリーダが好適である。デジタルカメラ307は、撮像機能を有する一般的なデジタルカメラであってユーザ端末30に電子部品として内蔵されていてもよいし、ユーザ端末30と外付けで接続されていてもよい。
【0034】
なお、本実施形態のユーザ端末30、40は、例えば、タッチパネル304やデジタルカメラ307、近距離無線通信機306を有していなくても良い。本実施形態のユーザ端末30、40の出力装置311は、ディスプレイであって、入力装置312は、キーボードやポインティングデバイス等であっても良い。
【0035】
図4は、仲介装置のハードウェア構成例を示す図である。図4の仲介装置20は、補助記憶装置201、メモリ装置202、CPU203、通信インタフェース204、及び画像インタフェース205等を有する。
【0036】
仲介装置20での処理を実現するプログラムは、補助記憶装置201にインストールされる。補助記憶装置201は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0037】
メモリ装置202は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置201からプログラムを読み出して格納する。CPU203は、メモリ装置202に格納されたプログラムに従って仲介装置20に係る機能を実行する。通信インタフェース204は、ネットワークに接続するための物理的なインタフェースである。画像インタフェース205は、出力機器50への画像の送信用の物理的なインタフェースである。
【0038】
図5は、本実施形態の概要を説明するための図である。図5では、本実施形態の情報処理システム1が、学校等の教育現場に導入されており、ユーザ端末30は、主に教師により使用され、ユーザ端末40は、主に生徒によって使用される場合を示している。以下の説明では、ユーザ端末30を教師端末30と呼び、ユーザ端末40を生徒端末40と呼ぶ。
【0039】
具体的には、図5では、ある講義中にテストが行われ、テストの答案用紙の画像データを教師が閲覧するためにサーバ装置10に格納させる場合を示している。以下に、この利用シーンの背景について説明する。
【0040】
一般的に、記入済みの答案用紙は、採点のために教師に提出されるものであり、生徒に答案用紙が返却される場合には、採点が終了した後となる。このため、生徒が答案用紙に記入した内容を自己採点したい場合には、テストの問題や答案用紙に記入した内容を記憶しておく必要があるが、答案用紙の内容を細部まで記憶しておくことは困難な場合が多い。
【0041】
また、教師がテストの終了後に生徒にテストの問題について復習をさせたい場合には、教師は、速やかに採点を行って生徒に採点済みの答案用紙を返却する必要があるが、常に速やかに採点が行えるとは限らない。
【0042】
このため、教育現場では、テストを行った直後に、回答が記入された答案用紙の写し(コピーや写真)をとり、記入済みの答案用紙は生徒に返却する、といったことが行われているが、生徒全員の答案用紙の写しをとる作業は非常に煩雑であり、教師の負担となっている。
【0043】
そこで、本実施形態では、生徒が生徒端末40で自身の記入済みの答案用紙の画像を撮像するだけで、撮像した画像データが、予め教師が指定した格納先に送信されるようにした。
【0044】
本実施形態の情報処理システム1では、教師端末30から、サーバ装置10に対して、特定情報の生成要求を行う(ステップS1)。サーバ装置10は、要求を受けて、特定情報を生成し、仲介装置20に特定情報を出力する処理の実行要求を行う(ステップS2)。
【0045】
仲介装置20は、処理の実行要求を受けて、特定情報51を出力機器50に表示させる(ステップS3)。
【0046】
本実施形態の出力機器50は、例えば、講義が行われる講義室等に設置された表示装置である。具体的には、出力機器50は、例えば、生徒と教師とが共に閲覧する画像や文書を表示させる電子黒板等であっても良い。
【0047】
また、本実施形態において、生徒端末40は、答案用紙Pに予め貼り付けられたQRコード52にかざされると、QRコードの読取機能を起動させてQRコード52を読み取る(ステップS4)。以下の説明では、答案用紙に貼り付けられた(対応付けられた)QRコードを、答案QRコードと呼ぶ場合がある。
【0048】
なお、答案QRコード52は、例えば、情報処理システム1が教育機関毎に発行したものであっても良い。また、答案QRコード52には、生徒端末40から送信された画像データの格納先を特定する情報が埋め込まれている。
【0049】
生徒端末40は、答案QRコード52を読み取ると、サーバ装置10へアクセスし(ステップS5)、サーバ装置10から撮像機能の起動指示と受け付ける(ステップS6)。
【0050】
生徒端末40では、撮像機能の起動指示を受け付けると、特定情報51を入力させる入力画面を表示し、特定情報51が生徒によって入力されると、カメラ機能を起動させて、答案用紙Pの撮影画面を表示させる。そして、生徒端末40は、生徒から、答案用紙Pの画像の撮像操作を受け付けると、答案用紙Pの画像を撮像する(ステップS7)。
【0051】
続いて、生徒端末40は、撮像した答案用紙Pの画像データに、入力された特定情報51を付与し、答案QRコード52が示す格納先へ送信する(ステップS8)。
【0052】
サーバ装置10は、生徒端末40から受信した画像データを、指定された格納先へ格納する(ステップS9)。
【0053】
本実施形態では、このように、教師端末30の指示によってサーバ装置10から出力された特定情報を、生徒端末40で撮像した画像の画像データに付与して、サーバ装置10に格納することで、画像データと特定情報とを対応付けることができる。つまり、本実施形態によれば、サーバ装置10に対して特定情報の出力を指示した教師と、画像データを送信した生徒とを対応付けて管理することができる。
【0054】
また、本実施形態では、生徒端末40は、サーバ装置10からの指示よって、撮像された画像データを指定された格納先へ送信する機能を実現する。このため、本実施形態によれば、専用のアプリケーションをインストールする必要がなく、事前設定等の手順が不要となり、簡単な手順で指定された格納先へ画像データを格納できる。
【0055】
また、本実施形態では、生徒端末40によって撮像された答案用紙の画像データは、全て、自動的に指定された格納先へ格納される。
【0056】
よって、本実施形態を適用すれば、記入済みの答案用紙を生徒に返却する場合に、教師が答案用紙の写しをとる必要がなくなり、教師の負荷が軽減される。また、本実施形態を適用すれば、生徒は、テストの終了直後に、自身の記入済みの答案用紙を入手できるため、自己採点や復習等に用いることができる。
【0057】
また、図5では、生徒端末40による撮像の対象は、答案用紙Pとしたが、これに限定されない。本実施形態では、講義室に設置されたホワイトボードWB等に、予めQRコード53を付与しておけば、講義中に板書された黒板の画像データを、同様の仕組みで指定された格納先へ送信することができる。以下の説明では、ホワイトボードWBに貼り付けられた(対応付けられた)QRコードを黒板QRコードと呼ぶ場合がある。
【0058】
したがって、例えば、講義中に生徒がホワイトボードWB等を用いて発表を行ったり、問題の回答を記述したりした場合等には、生徒端末40によって、ホワイトボードWBに付与された黒板QRコード53を読み取って、ホワイトボードWBの画像を撮像すれば、板書されたホワイトボードWBの画像データを指定された格納先へ送信することができる。
【0059】
なお、特定情報51は出力機器50を特定するために割り当てられた情報であればよく、数字、文字、記号、図形等の何れかの情報で構成されていてもよい。また、特定情報51は、QRコード(登録商標)等の二次元コードとして、出力機器50に表示されても良い。また、特定情報51は、出力機器50又は出力機器50と対応付けられた発信器等から発信されるビーコン信号等であっても良い。また、特定情報51は、出力機器50又は出力機器50と対応付けられた送信器から、無線通信によって送信されても良い。
【0060】
以下の説明では、特定情報を、特定情報の一例であるパスコードとして説明する。特定情報の詳細は後述する。
【0061】
図6は、各装置の機能構成例を示す図である。図6において、教師端末30は、制御部(オペレーティングシステム部)31及びブラウザ部32等を有する。これら各部は、教師端末30にインストールされた1以上のプログラムが、CPU301に実行させる処理により実現される。
【0062】
制御部31は、教師端末30の利用者からの操作を受けて、ブラウザ部32を起動する。ブラウザ部32は、例えば、一般的なWebブラウザであり、HTML(HyperText Markup Language)データやスクリプト(例えば、JavaScript(登録商標))等に従った処理を実行する。また、ブラウザ部32は、起動すると、サーバ装置10に、初期アクセスURLを送信する。
【0063】
なお、このとき、ブラウザ部32は、初期アクセスURLと共に、初期アクセスURLにオプション情報として付与されている登録IDもサーバ装置10に送信する。登録IDとは、サービスを特定する識別情報であり、サービスを実現するアプリケーションと予め対応付けられている。
【0064】
また、ブラウザ部32は、初期アクセスURLへのアクセスに応じたサーバ装置10からのリダイレクト要求に従って、サーバ装置10が有するアプリケーションのうち、登録IDに関連付けられているアプリケーションにアクセスする。リダイレクト要求とは、初期アクセスURLへのアクセスに応じたサーバ装置10からの応答である。
【0065】
ブラウザ部32は、アクセスしたアプリケーションから、教師端末30への処理の実行要求を示すデータ(HTMLデータやスクリプト等)を取得する。
【0066】
なお、初期アクセスURLとは、教師端末30が最初にサーバ装置10にアクセスする際に、最初にアクセスすべきURLを示す。
【0067】
本実施形態の生徒端末40は、制御部(オペレーティングシステム部)41及びブラウザ部42等を有する。これら各部は、生徒端末40にインストールされた1以上のプログラムが、生徒端末40の有するCPUに実行させる処理により実現される。
【0068】
制御部41は、生徒端末40の利用者からの操作を受けて、ブラウザ部42を起動する。ブラウザ部42は、例えば、一般的なWebブラウザであり、各種の画面の表示等を行う。
【0069】
仲介装置20は、通信制御部21、ブラウザ管理部22及びブラウザ部23等を有する。これら各部は、仲介装置20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU203に実行させる処理により実現される。
【0070】
通信制御部21は、サーバ装置10の通信部11との間で双方向の通信路を接続(通信セッションを確立)し、当該通信路(通信セッション)において仲介装置20側の端点として機能する。当該通信路(通信セッション)を介した通信により、仲介装置20の状態をサーバ装置10に通知したり、仲介装置20が出力機器50に表示させるべき画像データがサーバ装置10へ入力されたことの通知をサーバ装置10から受信することができる。画像データがサーバ装置10へ入力されることとは、教師端末30や生徒端末40から画像データがサーバ装置10にアップロードされることを示す。
【0071】
ブラウザ管理部22は、ブラウザ部23をキオスクモードで起動する。キオスクモードとは、仲介装置20の用途をWebページの表示に制限するモードをいう。なお、キオスクモードはあくまで一例であって、Webページの表示が可能なモードであれば他のモードであってもよい。
【0072】
ブラウザ部23は、例えば、一般的なWebブラウザであり、HTMLデータやスクリプト等に従った処理を実行する。
【0073】
ブラウザ部23は、起動に応じ、初期アクセスURLにアクセスする。この際、サーバ装置10では、初期アクセスURLに対して、ブラウザ部23の識別情報(以下、「ブラウザID」という。)がオプション情報として付与される。
【0074】
ブラウザ部23は、初期アクセスURLへのアクセスに応じたリダイレクト要求に従って、サーバ装置10が有するアプリケーションのうち、ブラウザIDに関連付けられているアプリケーションにアクセスする。ブラウザ部23は、このアプリケーションから、仲介装置20への処理の実行要求を示すデータ(HTMLデータやスクリプト等)を取得する。
【0075】
サーバ装置10は、通信部11、アプリ判定部12、入力アプリ群13、出力アプリ14、特定情報割当部15、格納制御部16を有する。これら各部は、サーバ装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。
【0076】
また、サーバ装置10は、アプリ情報記憶部121、機器情報記憶部122、アカウント情報記憶部123、登録情報記憶部124、授業情報記憶部125、答案情報記憶部126、黒板情報記憶部127、設置情報記憶部128、パスコード履歴記憶部129、表示履歴記憶部130を有する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置102、又はサーバ装置10にネットワークを介して接続可能な記憶装置等を用いて実現可能である。
【0077】
通信部11は、サーバ装置10と仲介装置20との間の通信を確立させるための処理や、サーバ装置10と教師端末30、生徒端末40との通信を行う。言い換えれば、通信部11は、サーバ装置10において、情報を送信する送信部と、情報を受信する受信部の一例である。
【0078】
アプリ判定部12は、初期アクセスURLに対応する。アプリ判定部12は、初期アクセスURLへのアクセスに応じ、初期アクセスURLに付与されているオプション情報(登録ID又はブラウザID)に対応するアプリケーションを、登録情報記憶部124を参照して判定する。
【0079】
アプリ判定部12は、オプション情報に対応するアプリケーションを判定すると、このアプリケーションに対するURLを含むリダイレクト要求を含む応答を、初期アクセスURLへのアクセス元に送信する。
【0080】
入力アプリ群13と、出力アプリ14は、サーバ装置10が有するアプリケーションの一例である。
【0081】
入力アプリ群13は、用途に応じた処理を実行させるアプリケーション群であり、各アプリケーションは、用途に応じた処理を実行させるためのHTMLデータ及びスクリプト等を教師端末30へ送信する。
【0082】
本実施形態の入力アプリ群13は、例えば、教師端末30に、教師用のポータル画面のメニューを表示させる処理を実行させる教師ポータルアプリや、教師端末30に生徒の出力の状況を表示させる出欠表示アプリが含まれる。
【0083】
また、入力アプリ群13は、カメラアプリケーション(以下、カメラアプリ)を含む。カメラアプリは、生徒端末40に、カメラ機能を起動させ、答案QRコードや黒板QRコードが読み取れられると、撮像された画像データをサーバ装置10へ送信させるサービスを実現するアプリケーションである。また、入力アプリ群13には、教師端末30に、教科の入力を受け付ける教科入力画面を表示させる処理を実行させるスケジュールアプリが含まれる。
【0084】
出力アプリ14は、特定情報割当部15により生成されたパスコードを出力させるためのアプリケーションを含む。具体的には、出力アプリ14は、例えば、パスコードの描画を仲介装置20に実行させるためのHTMLデータ及びスクリプト等であっても良い。また、出力アプリ14は、パスコードを無線通信によって送信する処理を出力機器50に実行させるものであっても良いし、ビーコン信号を発信させる処理を出力機器50又は出力機器50と対応付けられた発信器に対して実行させるものであっても良い。
【0085】
また、出力アプリ14は、答案情報記憶部126や黒板情報記憶部127に格納された画像データの取得(ダウンロード)及び描画を、仲介装置20に実行させるためのアプリケーションを含む。具体的には、出力アプリ14は、当該取得及び描画を仲介装置20に実行させるためのHTMLデータ及びスクリプト等を仲介装置20へ送信する。
【0086】
特定情報割当部15は、パスコードを生成し、仲介装置20を介して出力機器50にパスコードを表示させる。本実施形態の特定情報割当部15は、出力機器50に表示されるパスコードが、それぞれ異なるようにパスコードを生成する。特定情報割当部15によるパスコードの生成は後述する。
【0087】
格納制御部16は、入力アプリ群13によって、サーバ装置10にアップロードされた画像データや、出力アプリ14によって仲介装置20を介して出力機器50から出力されたパスコード等を各記憶部へ格納する。格納制御部16の詳細は、後述する。
【0088】
アプリ情報記憶部121には、サーバ装置10が有するアプリケーション(本実施形態では、入力アプリ群13、出力アプリ14)ごとに、それぞれに関する情報(例えば、URL等)が記憶されている。
【0089】
アカウント情報記憶部123には、サーバ装置10におけるアプリケーションを利用可能なユーザの識別情報等が記憶されている。
【0090】
機器情報記憶部122には、ユーザ環境E1に配置されている仲介装置20ごとに、仲介装置20の状態を示す情報が記憶される。
【0091】
登録情報記憶部124には、登録IDごとに、画像データの入力処理を実行するアプリケーションの識別情報や、画像データの出力処理を実行するアプリケーションの識別情報や、画像データの入力先となる仲介装置20のブラウザ部23の識別情報等が記憶されている。
【0092】
授業情報記憶部125は、授業に関する情報が格納される。具体的には、授業情報記憶部125には、講義の種類、講義室、講義時間、教師を特定する情報、講義中に撮像された画像データを特定する情報等を含む。
【0093】
答案情報記憶部126と、黒板情報記憶部127とは、画像データが格納される画像データ記憶部の一例である。
【0094】
答案情報記憶部126は、例えば、生徒端末40において撮像された答案用紙の画像データが格納される。黒板情報記憶部127は、講義室等に設置された黒板やホワイトボードの画像データが格納される。
【0095】
答案情報記憶部126と黒板情報記憶部127では、それぞれに格納される画像データに付与されたパスコード、画像データを撮像した生徒を特定する情報等が、画像データと共に格納される。
【0096】
設置情報記憶部128は、講義中に、パスコードを表示させたブラウザIDを示す情報が格納される。
【0097】
パスコード履歴記憶部129は、出力アプリ14を介して出力されたパスコードの履歴を示す情報が格納される。表示履歴記憶部130は、仲介装置20のブラウザ部23によって出力機器50に表示された画像データの履歴を示す情報が格納される。
【0098】
上述した各記憶部の詳細は後述する。
【0099】
以下、情報処理システム1において実行される処理手順について説明する。図7は、第一の実施形態の仲介装置の起動に応じて実行される処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。具体的には、図7は、パスコードを出力機器50に表示させるまでの処理手順を示している。
【0100】
教師等のユーザによって、仲介装置20の電源がONにされると(ステップS701)、通信制御部21は、サーバ装置10の通信部11からの要求を非同期に受信するための通信路を通信部11との間で確立する(ステップS702)。この際、通信制御部21は、自ら(通信制御部21)の識別情報である通信IDを通信部11に通知する。通信部11は、通知された通信ID(以下、「対象通信ID」という。)に基づいて、機器情報記憶部122を更新する。
【0101】
図8は、機器情報記憶部の構成例を示す図である。図8において、機器情報記憶部122には、テナントIDに対応付けられて、通信ID、アドレス情報、状態情報、ブラウザID及びブラウザ状態、パスコード等が記憶される。
【0102】
テナントIDは、サーバ装置10によって提供されるサービスの利用契約の締結者(テナント)の識別情報である。例えば、ユーザ環境E1が1つのテナントに相当してもよい。
【0103】
通信IDは、テナントIDに係るテナントに配置された各仲介装置20の通信制御部21の識別情報である。仲介装置20が1つの通信制御部21しか備えない場合には、通信IDは仲介装置20を識別する識別情報であってもよい。
【0104】
アドレス情報は、仲介装置20のローカルIPアドレスである。状態情報は、通信IDに係る通信制御部21がサーバ装置10と接続中(通信路を確立した状態)であるか否か(「非接続」)を示す情報である。
【0105】
ブラウザIDは、通信IDに係る通信制御部21に対応するブラウザ部23の識別情報である。本実施形態では、ブラウザIDは、通信IDに係る通信制御部21と同じ仲介装置20に含まれるブラウザ部23の識別情報である。
【0106】
ブラウザ状態は、ブラウザIDに係るブラウザ部23の起動状態を示す情報である。例えば、通信部11に通知された対象通信IDが「Eg001-01」であれば、機器情報記憶部122において当該通信IDに対応する状態情報が、図8に示されるように「接続中」に変更される。
【0107】
パスコードは、仲介装置20との通信路が確立されると、特定情報割当部15によって生成されるものであり、通信ID(仲介装置20)と対応付けられる。なお、パスコードは、通信IDと対応付けられたブラウザIDが複数存在する場合には、ブラウザID毎にパスコードが生成されても良い。
【0108】
続いて、通信制御部21は、ブラウザIDを取得するためにブラウザ管理部22を、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)等を利用して探査し(ステップS703)、発見されたブラウザ管理部22から、ブラウザ管理部22の管理対象であるブラウザ部23の識別情報であるブラウザIDを取得する(ステップS704)。
【0109】
本実施形態では、仲介装置20内に通信制御部21とブラウザ管理部22とを備えている例が示されているが、仲介装置20が有する通信制御部21が、他の仲介装置20のブラウザ部32と同一のネットワークを介して通信することによって、複数のブラウザ管理部22及びブラウザ部23をも利用可能にするために、SNMP等を利用してブラウザ管理部22の探査が行われている。そのため、ブラウザ管理部22の探査は必ずしも必須ではなく、通信制御部21がブラウザIDを取得する取得先(ブラウザ管理部22)が予め設定されていてもよい。
【0110】
続いて、通信制御部21は、取得したブラウザIDに対応するブラウザ部23(本実施形態では仲介装置20のブラウザ部23)が利用可能な状態になったことの通知を、ブラウザ部23のブラウザID(以下、「対象ブラウザID」という。)を指定して通信部11へ送信する(ステップS705)。
【0111】
通信部11は、当通知を受信すると、当該通知に指定されている対象ブラウザIDに基づいて、機器情報記憶部122(図8)を更新する。具体的には、機器情報記憶部122において、対象ブラウザIDに対応するブラウザ状態の値が「電源OFF」から「電源ON」に更新される。
【0112】
続いて、通信制御部21は、対象ブラウザID及び初期アクセスURLを指定して、対象ブラウザIDに係るブラウザ部23の起動をブラウザ管理部22へ要求する(ステップS706)。初期アクセスURLは、上記した通り、ブラウザ部23が最初にアクセスすべきURLをいい、ブラウザ管理部22に予め設定されている。
【0113】
ブラウザ管理部22は、通信制御部21からの要求に応じ、対象ブラウザIDに係るブラウザ部23をキオスクモードで起動する(ステップS707)。この際、ブラウザ管理部22は、初期アクセスURLをブラウザ部23に入力する。ブラウザ部23は、キオスクモードでの起動に応じ、入力された初期アクセスURLへHTTPリクエストを送信する(ステップS708)。当該HTTPリクエストには、対象ブラウザIDが含まれる。
【0114】
サーバ装置10のアプリ判定部12は、当該HTTPリクエストを受信すると、リダイレクト要求を含む応答(HTTPレスポンス)をブラウザ部23へ送信する(ステップS709)。
【0115】
当該リダイレクト要求には、リダイレクト先として当該ブラウザIDに対応付けられているアプリケーションのURLが含まれている。また、当該リダイレクト要求には、リダイレクト先への通知情報として、通信URL及びHTTPリクエストに含まれていた対象ブラウザIDが含まれている。なお、通信URLとは、通信制御部21のURLである。
【0116】
なお、アプリ判定部12は、登録情報記憶部124及びアプリ情報記憶部121を参照して、対象ブラウザIDに対応付けられているアプリケーションのURLを特定する。
【0117】
図9は、登録情報記憶部の構成例を示す図である。図9において、登録情報記憶部124は、情報の項目として、登録ID、InアプリID、OutアプリID及びブラウザIDを有し、項目「登録ID」の値が、その他の項目の値とが対応付けられて記憶されている。
【0118】
InアプリIDは、登録IDに対応するサービスにおいて、画像データの入力を制御するアプリケーションのID(以下「アプリID」という。)である。OutアプリIDは、登録IDに対応するサービスにおいて、画像データの出力を制御するアプリケーションのアプリIDである。
【0119】
本実施形態では、登録情報記憶部124において、登録IDと対応付けられているInアプリIDが示すアプリケーションが、入力アプリ群13に含まれるアプリケーションである。また、本実施形態では、登録情報記憶部124において、登録IDと対応付けられているOutアプリIDが示すアプリケーションが、出力アプリ14である。
【0120】
例えば、登録ID「Tag_Ed」は、InアプリID「AP_EdPortal」と対応付けられており、OutアプリIDは対応付けられていない。したがって、登録ID「Tag_Ed」と対応するサービスは、画像データの入力の制御に関するサービスを提供するものであることがわかる。なお、InアプリID「AP_EdPortal」は、入力アプリ群13に含まれるアプリケーションのうち、教師用のポータル画面のメニューを表示させる処理を実行させるアプリケーションのアプリIDを示す。
【0121】
また、登録ID「Tag_St」は、InアプリID「AP_Stcamera」と対応付けられており、OutアプリIDは対応付けられていない。したがって、登録ID「Tag_St」と対応するサービスは、画像データの入力の制御に関するサービスを提供するものであることがわかる。つまり、登録ID「Tag_St」と対応するサービスのみが提供される生徒端末40の場合は、サーバ装置10に対して、仲介装置20へ処理の実行要求を送信させる機能は有していないことになる。
【0122】
なお、InアプリID「AP_Stcamera」は、入力アプリ群13に含まれるアプリケーションのうち、生徒端末40のカメラを起動させ、カメラによって撮像された画像データを格納先へ送信させる処理を実行させるアプリケーションのアプリIDを示す。
【0123】
また、図9において、登録ID「Tag_StPhotoCode」は、InアプリID「AP_StPhoto」、OutアプリID「AP_PhotoDoc」が対応付けられており、ブラウザIDは対応付けられていない。
【0124】
本実施形態では、このように、登録IDとInアプリIDとOutアプリIDが対応付けられており、ブラウザIDが対応付けられていない場合は、サービスは確定しているが、ブラウザIDが確定していない状態を示している。このような場合には、パスコードに基づき、サービスとブラウザIDとが対応付けられる。
【0125】
以下の説明では、登録情報記憶部124において、項目「登録ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、タグ情報と呼ぶ。
【0126】
また、図10は、アプリ情報記憶部の構成例を示す図である。図10において、アプリ情報記憶部121には、サーバ装置10が有するアプリケーションごとに、アプリID、アプリ種別、URL及び対応ブラウザ等が記憶されている。
【0127】
アプリ種別は、アプリIDに係るアプリケーションについて、画像データとの関係に基づいた種別を示す。「In」は、画像データの入力を制御するアプリケーション(上述したInアプリIDと対応する)であることを示す。「Out」は、画像データの出力を制御するアプリケーションであることを示す(上述したOutアプリIDと対応する)。URLは、アプリIDに係るアプリケーションのURLである。
【0128】
対応ブラウザは、アプリIDに係るアプリケーションを動作させるブラウザの種類を示す。図10の例では、ブラウザの種類は、教師端末30、生徒端末40の有するブラウザ部を示す端末用のブラウザと、出力機器50の有するブラウザ部23を示す機器用のブラウザである。
【0129】
アプリ判定部12は、登録情報記憶部124を参照して、対象ブラウザIDに対応付けられているOutアプリIDを特定し、アプリ情報記憶部121を参照して、当該OutアプリIDに対応付けられているURLを特定する。ここでは、対象ブラウザIDが「BROWSER1」であるとする。この場合、アプリIDが「AP_PhotoDoc」であるアプリケーション(出力アプリ14)のURL(以下、「出力アプリURL」)が特定される。
【0130】
また、アプリ判定部12は、機器情報記憶部122(図8)において対象ブラウザIDに対応付けられているアドレス情報に基づいて、対象通信IDに係る通信制御部21の通信URLを自動生成する。
【0131】
続いて、ブラウザ部23は、当該リダイレクト要求に従い、リダイレクト先である出力アプリURL(すなわち、出力アプリ14)にHTTPリクエストを送信(リダイレクト)する(S710)。当該HTTPリクエストには、リダイレクト要求に含まれていた通信URL及びブラウザIDが含まれる。
【0132】
出力アプリ14は、当該HTTPリクエストに応じ、当該HTTPリクエストに含まれている通信URLへの接続をブラウザ部23に実行させるためのスクリプトと、パスコードを表示させるためのユーザインタフェースをブラウザ部23に描画させるための表示データとを含む応答をブラウザ部23に送信する(S711)。なお、当該スクリプト及び当該表示データは、仲介装置20への処理の実行要求を示すデータの一例である。例えばスクリプトは他の形式のプログラムであってもよいし、表示データは他の形式のデータであってもよい。
【0133】
ブラウザ部23は、当該応答を受信すると、当該応答に含まれているスクリプトを実行して、通信URLによって識別される通信制御部21との間での通信路を確立する(S712)。当該通信路は、通信制御部21がサーバ装置10から受信する通知をブラウザ部23へ伝達してもらうための通信路である。当該通信路には、websocketが用いられてもよい。
【0134】
続いて、ブラウザ部23は、当該応答に含まれている表示データに基づく画面(以下、「表示画面」という。)をメモリ装置103の所定の領域(例えば、ビデオメモリ)に描画する(S713)。例えば、表示画面は、サーバ装置10で生成されたパスコードが表示される画面である。なお、ブラウザ部23による描画内容(表示画面)は、HDMI(登録商標)等のインタフェースを介して出力機器50へ出力され、出力機器50によって出力(表示)される。
【0135】
次に、サーバ装置10は、特定情報割当部15により、テナントIDと対応付けられているブラウザID群に対して、一定期間重複しないパスコードを生成して割当てを行い、一定間隔で仲介装置20の通信制御部21に、ブラウザIDとパスコードとを対応付けたパスコード通知を配信する(S714)。このとき、特定情報割当部15は、生成したパスコードを、ブラウザIDと対応付けて機器情報記憶部122(図8)に記憶する。
【0136】
なお、本実施形態の一定期間とは、例えば、数日間程度であり、一定間隔とは数分程度(例えば15分)である。
【0137】
通信制御部21は、パスコード通知を受け付けると、パスコードと対応付いたブラウザIDにより特定されるブラウザ部23へ、パスコードを通知する(S715)。ブラウザ部23は、出力機器50の表示画面の一部に、パスコードを表示させる(S716)。
【0138】
なお、図8の例では、通信ID「Eg001-01」には、2つのブラウザIDが対応付けられている。この場合、起動状態が「電源ON」であるブラウザID「BROWSER1」と対応するパスコードが、仲介装置20によって出力機器50に表示される。
【0139】
以下に、図11を参照して、本実施形態の特定情報割当部15によるパスコードの生成と割当てについて説明する。図11は、パスコードの生成と割当てについて説明する図である。
【0140】
本実施形態のパスコードは、例えば、4桁の数字である。本実施形態の特定情報割当部15は、テナントIDと対応付けられたブラウザID(仲介装置20)毎にパスコードを生成して、割り当てる。具体的には、特定情報割当部15は、ランダムな4桁の数字を生成し、パスコードとして仲介装置20へ割り当てる。
【0141】
また、特定情報割当部15は、例えば、テナントIDと対応付けられた仲介装置20(ユーザ環境E1内の仲介装置20)が複数存在する場合には、各仲介装置20に割り当てられるパスコードが重複しないようにする。さらに、特定情報割当部15は、各仲介装置20に割り当てるパスコードを、定期的に変更する。
【0142】
図11の例では、1つのテナントIDに、仲介装置20-1、20-2、20-3という3つの仲介装置20が存在した場合を示している。
【0143】
この場合、特定情報割当部15は、例えば、10時00分からの15分間は、それぞれの仲介装置20について、パスコード「1234」、「2293」、「8341」を割当てる。また、特定情報割当部15は、10時15分からの15分間は、それぞれの仲介装置20について、パスコード「3256」、「5671」、「4252」を割当てる。
【0144】
このように、本実施形態では、仲介装置20毎に異なるパスコードを割当て、さらに、定期的に仲介装置20に割り当てるパスコードを変更する。したがって、本実施形態によれば、生徒端末40から送信される画像データに付与されたパスコードに基づき、画像データが撮像された時間帯と場所とを特定することができる。
【0145】
図12は、出力機器におけるパスコードの表示例を示す図である。出力機器50の画面には、サーバ装置10から通知されたパスコード51が表示される。
【0146】
次に、図13を参照して、生徒端末40からサーバ装置10へ画像データをアップロードする処理手順について説明する。図13は、第一の実施形態の生徒端末からサーバ装置へ画像データをアップロードする処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0147】
本実施形態の生徒端末40において、制御部41は、利用者である生徒によって、生徒端末40が答案QRコードに向けられたことを検知する(ステップS1301)。
【0148】
続いて、生徒端末40は、答案QRコードを読み取り(ステップS1302)、答案QRコードに埋め込まれた登録IDと、初期アクセスURLとを取得する(ステップS1303)。
【0149】
生徒端末40は、答案QRコードを読み取ると、ブラウザ部42を起動させ、QRコードに埋め込まれた初期アクセスURL先へ接続する(ステップS1304)。
【0150】
ブラウザ部42は、起動に応じ、答案QRコードに埋め込まれた初期アクセスURLに対応するアプリ判定部12に対してHTTPリクエストを自動的に送信する(ステップS1305)。当該HTTPリクエストには、答案QRコードから取得した登録IDの他に、アカウント情報がオプション情報として含まれる。
【0151】
このように、本実施形態では、答案QRコードに、サーバ装置10が提供するサービスを特定する識別情報である登録IDと、アプリ判定部12に対応する初期アクセスURLが埋め込まれている。つまり、本実施形態の答案QRコードには、生徒端末40において撮像された画像データが格納される格納先であるサーバ装置10を特定する情報が埋め込まれていると言える。
【0152】
アカウント情報は、生徒のユーザIDと、ユーザ環境E1のテナントIDとを含む情報、又は当該ユーザID及びテナントIDを特定可能な情報である。例えば、Cookie等がアカウント情報として利用されてもよい。
【0153】
サーバ装置10のアプリ判定部12は、生徒端末40が既にログイン状態である場合には、当該HTTPリクエストを受信すると、ブラウザ部42に対して、HTTPリクエスト(リダイレクト)を送信する(ステップS1306)。このHTTPリクエストには、カメラURL(すなわち、カメラアプリ13-1)が含まれる。カメラアプリ13-1は、入力アプリ群13に含まれるアプリの1つである。
【0154】
ブラウザ部42は、HTTPリクエスト(リダイレクト)を受信すると、後述するステップS1314へ進む。
【0155】
また、アプリ判定部12は、生徒端末40が既にログイン状態でない場合には、当該HTTPリクエストを受信すると、ブラウザ部42に対して、ログインURL(すなわち、ログインアプリ13-2)を含むHTTPリクエスト(リダイレクト)を送信する(ステップS1307)。
【0156】
ブラウザ部42は、当該HTTPリクエストを受信すると、ログインアプリ13-2へログイン画面の表示要求を行う(ステップS1308)。ログインアプリ13-2は、表示要求を受けて、ブラウザ部42にログイン画面を表示させための表示データを送信する(ステップS1309)。
【0157】
ブラウザ部42では、表示データに基づき、ログイン画面を表示させる(ステップS1310)。
【0158】
ブラウザ部42は、ログイン画面に対するアカウント情報の入力を受け付けると(ステップS1311)、入力されたアカウント情報に、答案QRコードから読み取った登録IDを対応付けたログイン要求をサーバ装置10へ送信する(ステップS1312)。
【0159】
サーバ装置10は、アプリ判定部12により、アカウント情報記憶部123を参照し、ログイン処理を行い、登録IDと対応付けられたURLへのHTTPリクエスト(リダイレクト)を行う(ステップS1313)。ここでは、登録IDと対応付けられたURLは、カメラURL(すなわち、カメラアプリ13-1)である。
【0160】
ここで、図14を参照して、アカウント情報記憶部123について説明する。図14は、第一の実施形態のアカウント情報記憶部の構成例を示す図である。
【0161】
本実施形態のアカウント情報記憶部123は、情報の項目として、テナントID、ユーザID、パスワードを有する。
【0162】
本実施形態では、生徒については共通のユーザIDが与えられており、教師については教師毎にユーザIDが与えられているものとした。パスワードは、各ユーザIDに応じて決められたパスワードである。
【0163】
図13に戻って、ブラウザ部42は、カメラURLを含むHTTPリクエストを受けて、カメラアプリ13-1へ接続する(ステップS1314)。
【0164】
カメラアプリ13-1は、授業番号を入力させる入力画面の表示データと、入力画面に入力された授業番号と、撮像された画像データをサーバ装置10に送信する処理を実行させるためのスクリプトと、を含む応答をブラウザ部42に送信する(ステップS1315)。
【0165】
つまり、サーバ装置10は、生徒端末40から受信した登録IDと対応付けられたカメラアプリ13-1により、生徒端末40の撮像機能を起動させ、撮像機能によって撮像された画像データをアップロードさせる処理の実行要求を、生徒端末40へ送信する。言い換えれば、ブラウザ部42は、カメラアプリ13-1から、答案読取アプリ(入力された授業番号と、撮像された画像データをサーバ装置10に送信する処理を実行させるためのスクリプト)を取得する。ブラウザ部42は、答案読取アプリを起動させ、学生番号と授業番号とパスコードの入力画面を表示させる(ステップS1316)。
【0166】
ブラウザ部42は、入力画面において、学生番号と授業番号とパスコードの入力を受け付けると(ステップS1317)、学生番号と授業番号とパスコードとを保持する(ステップS1318)。
【0167】
続いて、ブラウザ部42は、答案用紙の画像を撮像するためのスタートボタンに対する操作を受け付けて(ステップS1319)、生徒端末40のカメラの操作画面を表示させる(ステップS1320)。
【0168】
また、ブラウザ部42は、撮像ボタンの操作を受け付けると(ステップS1321)、制御部41に対して画像データの撮像を指示する(ステップS1322)。制御部41は、カメラにより撮像した画像データをブラウザ部42へ渡す(ステップS1323)。
【0169】
ブラウザ部42は、画像データに、登録IDと、学生番号と授業番号とパスコードとを付与して、サーバ装置10の通信部11へ送信する(ステップS1324)。
【0170】
通信部11が受信した画像データは、格納制御部16によって、答案情報記憶部126等に格納される。
【0171】
ここで、図15を参照して、生徒端末40の表示例について説明する。図15は、第一の実施形態の生徒端末における表示例を示す図である。図15(A)は、図13のステップS1310で表示されるログイン画面の一例を示す。図15(B)は、図13のステップS1316で表示される入力画面の一例を示す。図15(C)は、図13のステップS1320で表示されるカメラの操作画面の一例を示す図である。
【0172】
図15(A)の画面151では、ユーザIDとパスワードのそれぞれが入力される入力欄151a、151bを有する。
【0173】
本実施形態では、生徒端末40において入力されるユーザIDとパスワードは、テナントID毎に付与された共通のものとしたが、これに限定されない。ユーザIDとパスワードは、生徒端末40のユーザである生徒が個人毎に設定しても良い。その場合、生徒毎のユーザIDとパスワードとが、アカウント情報として、アカウント情報記憶部123に格納されていれば良い。
【0174】
図15(B)に示す画面152では、学生番号と授業番号とパスコードのそれぞれが入力される入力欄152a、152b、152cを有する。学生番号は、例えば、生徒個人毎に与えられる番号である。学生番号は、例えば、生徒が受ける講義毎に決められても良い。この場合、例えば、学生番号は、講義が行われる講義室に入室した順番等によって付与されても良い。
【0175】
なお、本実施形態では、ユーザIDが生徒個人毎に与えられている場合には、ユーザIDと学生番号が紐付いていることになるため、画面152における学生番号の入力は不要である。したがって、その場合には、入力欄152aは不要となる。
【0176】
授業番号は、生徒が受講する講義の講義名等である。なお、答案QRコード52に授業番号が埋め込まれている場合には、画面152において、入力欄152bは表示されない。パスコードは、生徒が出力機器50に表示されたパスコードを目視して、入力されるものである。
【0177】
なお、授業番号とパスコードは、答案用紙の画像を撮像する場合にのみ、入力が要求されても良く、ホワイトボードWBの画像を撮像する場合には入力が要求されなくても良い。
【0178】
画面152において、スタートボタン152dが操作されると、生徒端末40のブラウザ部42は、撮像画面に表示を遷移させる。つまり、スタートボタン152dは、生徒端末40の表示を撮像画面に遷移させるための操作ボタンである。
【0179】
図15(C)に示す画面153では、カメラが起動しており、記入済みの答案用紙Pの画像153aが表示された撮像画面の一例である。画面153において、操作ボタン153bが操作されると、答案用紙Pの画像が撮像された、画像データが、答案QRコードが示す格納先へ送信される。
【0180】
次に、サーバ装置10の格納制御部16の処理について説明する。以下に、格納制御部16によるデータの格納を説明する際の情報処理システム1の利用シーンについて説明する。図16は、第一の実施形態の情報処理システムの利用シーンを説明する図である。
【0181】
ユーザ環境E1-1は、情報処理システム1が導入された教育現場を示している。ユーザ環境E1-1となる講義室A001では、出力機器50と、ホワイトボードWB1、WB2が設置されており、教師端末30のユーザである教師によって、講義名「数学A_01」の講義が行われている。
【0182】
この講義の教師のユーザIDは、「tanaka@」である。また、図16の例では、生徒個人毎にユーザIDが与えられており、講義名「数学A_01」の講義には、生徒端末40-1のユーザであるユーザID「tokiwa@」の生徒と、生徒端末40-2のユーザであるユーザID「saito@」の生徒と、生徒端末40-3のユーザであるユーザID「ando@」の生徒と、が出席している。また、講義名「数学A_01」の講義には、その他の生徒も参加している。
【0183】
また、図16の例では、教師端末30からサーバ装置10へパスコードの表示要求が行われており、仲介装置20を介して出力機器50にパスコード51が表示されている。
【0184】
以下の説明では、この講義名「数学A_01」の講義では、例えば、講義の始めに、講義室にいる生徒に答案用紙が配布され、生徒によって、ホワイトボードWB1、WB2を用いたプレゼンテーションと、テストが行われたものとして、説明する。
【0185】
答案用紙とホワイトボードWB1、WB2のそれぞれには、入力アプリ群13に含まれるカメラアプリ13-1と対応付けられた登録IDと、アプリ判定部12と対応するURLと、が埋め込まれた答案QRコード52と、黒板QRコード53とが、予め貼り付けられている。
【0186】
なお、答案QRコード52には、答案用紙と対応したQRコードであることを示す情報が埋め込まれており、黒板QRコード53には、ホワイトボードWBと対応したQRコードであることを示す情報が埋め込まれていても良い。
【0187】
例えば、黒板QRコード53は、ホワイトボードWBの画像をどの端末で撮像しても、教師のユーザIDに画像データを対応付けて格納する処理を行うアプリケーションを特定する登録IDが埋め込まれていても良い。
【0188】
図16の例において、教師は、プレゼンテーションの内容が記述されたホワイトボードWB1、WB2の画像データの提出を求め、答案用紙を配布した生徒に対して、記入済みの答案用紙の画像データの提出を求め、且つ、教師は、各画像データの提出を講義時間内に行うことを求めたとする。
【0189】
講義に出席している生徒端末40-1のユーザである生徒と、生徒端末40-2のユーザである生徒とは、それぞれが生徒端末40-1、40-2を答案用紙P1、P2の答案QRコード52にかざす。
【0190】
生徒端末40-1、40-2は、答案QRコード52を読み取ると、図13で説明した処理手順にしたがってカメラ機能を起動させる。そして、生徒端末40-1、40-2は、各生徒のアカウント情報と、パスコード51の入力を受け付けた後に、撮像の操作を受け付けると、答案用紙P-1、P-2の画像を撮像して、撮像した画像データをサーバ装置10へ送信する。
【0191】
また、ホワイトボードWB1、WB2を用いてプレゼンテーション等を行った生徒は、自身の生徒端末40をホワイトボードWB1、WB2の黒板QRコード53にかざす。生徒端末40は、黒板QRコード53を読み取ると、図13で説明した処理手順にしたがってカメラ機能を起動させる。撮像の操作を受け付けると、ホワイトボードWB1、WB2の画像を撮像して、撮像した画像データをサーバ装置10へ送信する。
【0192】
なお、本実施形態では、ホワイトボードWBを撮像した画像データをアップロードする場合には、パスコードは入力されなくても良い。
【0193】
また、答案用紙を受け取った生徒端末40-3のユーザである生徒は、答案用紙を受け取った後に講義室A001から退室し、別の場所で答案用紙の回答を記入した後に、QRコード52に生徒端末40-3をかざしたとする。
【0194】
この場合、この生徒は、出力機器50に表示されたパスコードを視認することができないため、パスコードは未入力で記入済みの答案用紙P3の画像データをサーバ装置10へ送信したとする。
【0195】
以下に、図17ないし図20を参照して、サーバ装置10の格納制御部16による画像データの格納について説明する。
【0196】
図17は、第一の実施形態の授業情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の授業情報記憶部125は、情報の項目として、テナントID、授業番号、講義室番号、開始時刻、授業時間、教師、コンテンツIDを有する。
【0197】
授業番号は、講義を一意に特定する情報であり、講義名であっても良い。講義室番号は、講義に使用される講義室を特定する情報であり、講義室名であっても良い。開始時刻は、講義番号で特定される講義の開始時刻を示し、授業時間は、講義番号で特定される講義の授業時間を示す。教師は、授業番号で特定される講義を行う教師のユーザIDであり、コンテンツIDは、授業番号で特定される講義と対応付けられた画像データの種類を示す。
【0198】
授業情報記憶部125に含まれる情報の項目のうち、項目「コンテンツID」以外の項目の値は、予め決められた時間割等に基づいて格納されている。項目「コンテンツID」値は、サーバ装置10の格納制御部16が生徒端末40から受信した画像データの種類に応じて格納される。
【0199】
以下の説明では、授業情報記憶部125に格納された情報を、授業情報と呼ぶ場合がある。
【0200】
図17では、講義室「A001」において、10/25の10:00から60分間、講義名「数学A_01」の講義が、ユーザID「tanaka@」の教師によって行われることがわかる。
【0201】
また、図17の例では、講義名「数学A_01」に、コンテンツID「答案_数学A01」、「WB_数学A01」、「表示_数学A01」が対応付けられている。つまり、講義名「数学A_01」には、3種類の画像データが対応付けられていることがわかる。
【0202】
コンテンツID「答案_数学A01」は、画像データの種類が、答案用紙の画像データであることを示す。コンテンツID「WB_数学A01」は、画像データの種類が、ホワイトボードの画像データであることを示す。コンテンツID「表示_数学A01」は、講義名「数学A_01」の講義中にパスコードを表示させたブラウザIDと対応付けられる情報である。
【0203】
本実施形態の格納制御部16は、生徒端末40から、答案用紙の画像データと授業番号を受信した場合には、授業情報記憶部125の授業番号と対応する項目「コンテンツID」の値に、「答案_数学A01」を格納する。そして、格納制御部16は、答案情報記憶部126に受信した画像データに、コンテンツIDの値である「答案_数学A01」を対応付けて格納する。
【0204】
また、格納制御部16は、生徒端末40から、ホワイトボードWBの画像データを受信した場合には、授業情報記憶部125の項目「コンテンツID」の値に、「WB_数学A01」を格納し、黒板情報記憶部127に受信した画像データを格納する。
【0205】
また、本実施形態の格納制御部16は、講義中に、仲介装置20を介して出力機器50にパスコードを表示させた場合に、授業情報記憶部125の項目「コンテンツID」の値に、「表示_数学A01」を格納し、設置情報記憶部128に、仲介装置20のブラウザIDを格納する。
【0206】
図18は、第一の実施形態の答案情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の答案情報記憶部126は、情報の項目として、コンテンツD、ユーザID、学生番号、ファイルID、アップロード時刻、パスコードを含む。以下の説明では、答案情報記憶部126に格納された情報を、答案情報と呼ぶ場合がある。
【0207】
答案情報記憶部126には、生徒端末40によって撮像された答案用紙の画像データが格納される。答案情報記憶部126におけるユーザIDは、画像データに付与されたアカウント情報を示し、ファイルIDは、画像データを特定する識別情報を示す。また、答案情報記憶部126において、アップロード時刻は、画像データがアップロードされた時刻を示しており、パスコードは、画像データに付与されたパスコードを示す。
【0208】
図18の例では、コンテンツIDが「答案_数学A01」である答案用紙の画像データが格納されている。具体的には、図18の例では、ユーザID「tokiwa@」の生徒と、ユーザID「saito@」の生徒と、ユーザID「ando@」の生徒とのそれぞれの生徒端末40からアップロードされた答案用紙の画像データが格納されている。
【0209】
ここで、ユーザID「ando@」を含む答案情報は、パスコードが「0000」であり、画像データの送信時にパスコードが入力されなかったことがわかる。
【0210】
図19は、第一の実施形態の黒板情報記憶部の一例を示す図である。黒板情報記憶部127は、情報の項目として、コンテンツID、ユーザID、ファイルID、日付を有する。以下の説明では、黒板情報記憶部127に格納された情報を黒板情報と呼ぶ場合がある。
【0211】
黒板情報記憶部127において、ファイルIDは、ホワイトボードWBの画像データを特定する識別情報であり、日付は、画像データが撮像された日時を示す。
【0212】
図19の例では、コンテンツIDが「WB_数学A01」であるホワイトボードWBの画像データが格納されている。
【0213】
図20は、第一の実施形態の設置情報記憶部の一例を示す図である。設置情報記憶部128は、情報の項目として、コンテンツIDとブラウザIDとが対応付けられている。
【0214】
図20の例では、コンテンツID「表示_数学A01」がブラウザID「BROWSER1」と対応付けられている。したがって、図20から、講義名「数学A01」の講義では、「BROWSER1」が示すブラウザを有する仲介装置20によって、パスコードが表示されたことがわかる。
【0215】
このように、本実施形態の格納制御部16は、授業情報記憶部125に予め格納された情報に基づき、生徒端末40からアップロードされた画像データを、撮像対象物の種類毎に格納することができる。
【0216】
また、本実施形態の格納制御部16は、仲介装置20によって出力機器50に表示されたパスコードの履歴を示す情報をパスコード履歴記憶部129に格納する。図21は、第一の実施形態のパスコード履歴記憶部の一例を示す図である。
【0217】
本実施形態のパスコード履歴記憶部129は、情報の項目として、日時、ブラウザID、パスコードを有する。図21の例では、ブラウザID「BROWSER1」に表示されたパスコードが、15分間隔で変化していくことがわかる。
【0218】
また、本実施形態の格納制御部16は、仲介装置20を介して表示された画像データの履歴を示す情報を表示履歴記憶部130に格納する。図22は、第一の実施形態の表示履歴記憶部の一例を示す図である。
【0219】
本実施形態の表示履歴記憶部130は、情報の項目として、日時、ブラウザID、ユーザID、ファイルIDを有する。日時は、ファイルIDで特定される画像データが、ブラウザIDで特定される仲介装置20を介して出力機器50に表示された日時を示す。ユーザIDは、仲介装置20に対して、画像データの表示要求を行ったユーザ端末と対応付けられたユーザIDを示す。
【0220】
このように、本実施形態の格納制御部16は、パスコードや画像データと、パスコードや画像データを表示させた仲介装置20のブラウザ部23とを対応付けて格納している。
【0221】
次に、情報処理システム1における教師端末30の動作について説明する。本実施形態のサーバ装置10は、上述した各記憶部に格納された情報を参照して、各講義における生徒の出欠の情報を示す情報を教師端末30に表示させる。
【0222】
図23は、第一の実施形態の教師端末に出欠の一覧を表示させる処理手順の一例を示す図である。
【0223】
本実施形態の教師端末30において、制御部31は、教師による、教師端末30に表示されたURLショートカットアイコンの押下を検知する(ステップS2301)。
【0224】
教師端末30に表示されたURLショートカットアイコンには、サーバ装置10へ接続するための初期アクセスURLと、教師端末30に提供されるサービスを示す登録ID「Tag_Ed」が埋め込まれている。言い換えれば、URLショートカットアイコンには、初期アクセスURLと登録IDとを含むタグ情報が埋め込まれている。登録ID「Tag_Ed」は、登録情報記憶部124において、アプリID「AP_EdPortal」と対応付けられている。
【0225】
教師端末30は、URLショートカットアイコンの押下を検知すると、ブラウザ部32を起動させ、URLショートカットアイコンに埋め込まれた初期アクセスURL先へ接続する(ステップS2302)。
【0226】
ブラウザ部32は、起動に応じ、URLショートカットアイコンに埋め込まれた初期アクセスURLに対応するアプリ判定部12に対してHTTPリクエストを自動的に送信する(ステップS2303)。当該HTTPリクエストには、登録IDの他に、教師のユーザIDと、ユーザ環境E1のテナントIDとを含むアカウント情報が含まれる。
【0227】
サーバ装置10のアプリ判定部12は、当該HTTPリクエストを受信すると、当該HTTPリクエストに含まれているアカウント情報について認証を行う。当該認証に成功した場合にステップS2304以降が実行される。認証は、例えば、アカウント情報記憶部123に当該HTTPリクエストに含まれているアカウント情報が登録されているか否かによって行われる。
【0228】
認証に成功すると、アプリ判定部12は、リダイレクト要求を含む応答(HTTPレスポンス)をブラウザ部32へ送信する(ステップS2304)。
【0229】
続いて、ブラウザ部32は、当該リダイレクト要求に従い、リダイレクト先である教師ポータルURL(すなわち、教師ポータルアプリ13-3)にHTTPリクエスト(リダイレクト)を送信する(ステップS2305)。
【0230】
教師ポータルアプリ13-3は、当該HTTPリクエストに応じ、教師端末30のブラウザ部32へ、授業番号を入力させる入力画面の表示データと、入力画面に入力された授業番号をサーバ装置10に送信する処理を実行させるためのスクリプトと、を含む応答をブラウザ部32に送信する(ステップS2306)。
【0231】
ブラウザ部32は、この応答を受信すると、表示データに基づいて、授業番号の入力画面を生成し、入力画面を出力装置311に表示させ、授業番号の入力を受け付けると、授業番号を出欠表示アプリ13-4へ通知する(ステップS2307)。
【0232】
出欠表示アプリ13-4は、授業番号が示す授業の生徒の出欠状況を示す画面をブラウザ部32に描画させる表示データをブラウザ部32に送信する(ステップS2308)。ブラウザ部32は、この表示データに基づき、出欠状況を示す出欠画面を表示させる(ステップS2309)。
【0233】
以下に、図24を参照して、本実施形態の教師端末30における表示例について説明する。図24は、第一の実施形態の教師端末の表示例を示す図である。
【0234】
図24に示す画面241は、図23のステップS2309で教師端末30に表示される出欠画面である。
【0235】
画面241には、授業番号によって特定された講義に関する情報242と、授業番号で特定された講義における生徒の出欠の状況を示す情報243とが表示される。
【0236】
出欠の状況を示す情報243は、情報の項目として、ユーザID、学生番号、答案提出、講義出席、出欠、補足欄を含む。
【0237】
項目「答案提出」の値は、答案用紙を撮像した画像データの提出の有無を示す。具体的には、項目「答案提出」の値は、答案情報記憶部126において、情報242に示される講義名と対応し、且つ、ユーザIDと対応する画像データが格納されているか否かを示す。
【0238】
項目「講義出席」の値は、講義を受けていたか否かを示す。具体的には、項目「講義出席」の値は、答案情報記憶部126において、講義名と対応し、且つ、ユーザIDと対応する画像データのアップロード時刻が、パスコードが表示されていた時間と一致するか否かを示している。
【0239】
項目「出欠」の値は、ユーザIDと対応する生徒が、講義の出席と答案用紙の提出を行ったか否かを示す。項目「補足欄」の値は、出欠の判定に関する補足情報を示す。
【0240】
本実施形態では、サーバ装置10では、図17に示す授業情報記憶部125と、図18に示す答案情報記憶部126と、図21に示すパスコード履歴記憶部129とを、教師アプリ13-3に参照させる。
【0241】
教師アプリ13-3は、答案情報記憶部126において、授業番号と対応するユーザIDを含む答案情報を抽出し、各答案情報に含まれるアップロード時刻とパスコードとが、授業時間内であり、且つ、アップロード時刻に出力機器50に表示されていたパスコードと一致するか否かを判定する。そして、教師アプリ13-3は、その結果を、出欠の状況を示す情報243の項目「講義出席」、「出欠」、「補足欄」の値に反映させる。
【0242】
図24の例では、ユーザID「ando@」を含む答案情報のパスコードが、アップロード時刻に表示されていたパスコードと一致しないため、ユーザID「ando@」と対応する項目「講義出席」の値は、「×」とされている。
【0243】
このように、本実施形態によれば、パスコードを画像データのアップロードを、出力機器50に表示されたパスコードを目視できる位置から行っているか否かを判定に用いることができる。
【0244】
また、本実施形態では、パスコードは、動的に変更される。さらに、本実施形態では、パスコードの表示履歴を示す情報が格納されるパスコード履歴記憶部129を有する。したがって、本実施形態では、パスコードに基づき、画像データがアップロードされた時間帯の判定に用いることができる。
【0245】
つまり、本実施形態のパスコードは、画像データのアップロードが行われた位置と、画像データのアップロードが行われた時間帯とを特定する情報として、利用することができる。言い換えれば、パスコードは、画像データのアップロードが、講義の時間中に講義室内で行われたか否かを判定するための情報として利用できる。
【0246】
なお、本実施形態では、パスコードは、仲介装置20を介して出力機器50に表示される4桁の数字としたが、これに限定されない。
【0247】
本実施形態では、パスコードの代わりに、講義を行う教科が口頭等で通知した合言葉等を用いても良い。また、本実施形態では、パスコードの代わりに、出力機器50にQRコードを表示させても良い。この場合、生徒は、生徒端末40によってQRコードを読み取ることで、パスコードを入力したことになる。
【0248】
また、この場合、出力機器50に表示されたQRコードを、答案用紙に貼り付ける答案QRコードとして用いても良い。その場合には、出力機器50に表示させるQRコードに、答案用紙に貼り付けられる答案QRコードと同様の情報を埋め込めば良い。
【0249】
また、本実施形態では、パスコードを出力機器50に表示させ、生徒端末40に入力させるものとしたが、生徒端末40によるパスコードの取得方法は、これに限定されない。パスコードは、例えば、サーバ装置10と対応付けられた機器から、無線通信等によって発信されていても良い。具体的には、例えば、パスコードは、ビーコン信号として、発信されても良い。
【0250】
この場合、生徒端末40には、図15(B)に示す画面152に示すようなパスコードの入力欄は表示されない。また、この場合、生徒端末40は、例えば、答案用紙の撮影画面に遷移させるためのスタートボタン152dが操作されたとき、発信されているパスコードを受信することで、パスコードを取得しても良い。
【0251】
また、本実施形態では、答案用紙に貼り付けられる答案QRコードに含まれる情報を、登録IDと初期アクセスURLとし、アカウント情報、学生番号、授業番号は、生徒が生徒端末40に入力するものとしたが、これに限定されない。
【0252】
本実施形態の答案QRコードには、例えば、生徒全員に共通のアカウント情報が与えられる場合等には、登録IDと初期アクセスURLと、アカウント情報が埋め込まれていても良い。
【0253】
さらに、本実施形態の答案QRコードには、録IDと初期アクセスURLとアカウント情報に加え、授業番号が埋め込まれていても良い。
【0254】
このように、答案QRコードに埋め込む情報を増やすほど、生徒が生徒端末40に対して入力する情報が少なくなり、生徒の情報の入力の手間が削減される。
【0255】
なお、本実施形態では、ユーザ環境が教育現場である形態として説明したが、これに限定されない。ユーザ環境は、例えば企業の会議室等であっても良く、ユーザ端末で撮像した画像データに、ある特定の条件で撮像されたものであることを示す情報を付与することが求められる環境であれば、どのような環境であっても良い。ここで、ある特定の条件とは、ユーザ端末が、時間の経過と共に変化するパスコードを取得することができる位置にある、という条件であり、特定の条件を示す情報とは、パスコード(特定情報)である。
【0256】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、画像データのアップロードの際に、パスコードを入力しない点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号を付与し、その説明を省略する。
【0257】
図25は、第二の実施形態の概要を説明するための図である。本実施形態では、生徒端末40から、記入済みの答案用紙Pの画像データをアップロードする場合に、パスコードの入力が要求されない。
【0258】
本実施形態において、生徒端末40は、答案用紙Pに貼り付けられた答案QRコード52を読み取ると、図13に示す処理手順と同様の手順により、入力画面である画面154を生徒端末40に表示させる。画面154は、図13のステップS1316で表示される入力画面に相当する。
【0259】
本実施形態では、パスコードの入力が要求されないため、画面154には、学生番号の入力欄154aと、授業番号の入力欄154bとが表示される。
【0260】
画面154において、学生番号と授業番号が入力されると、生徒端末40は、図13のステップS1317以降の処理手順と同様の手順により、画像データをサーバ装置10Aへアップロードする。
【0261】
本実施形態では、パスコードが入力されないため、画像データには、学生番号と授業番号とが付与されて、サーバ装置10Aアップロードされる。
【0262】
サーバ装置10Aでは、例えば、画像データを格納する画像データ記憶部125Aを有する。本実施形態の画像データ記憶部125Aでは、授業番号毎にフォルダF1が設けられており、その配下に授業番号が示す講義が行われた日時毎のフォルダF1が設けられている。そして、フォルダF2の配下に、学生番号毎のフォルダF3が設けられている。フォルダF1、F2、F3は、画像データ記憶部125A内に設けられた記憶領域である。
【0263】
本実施形態のサーバ装置10Aは、生徒端末40から、授業番号と学生番号が付与された画像データがアップロードされると、格納制御部16により、授業番号と学生番号を参照する。
【0264】
そして、格納制御部16は、画像データ記憶部125Aにおいて、画像データに付与された授業番号と対応するフォルダF1の配下であって、画像データがアップロードされた日時と対応する日付のフォルダF2において、学生番号と対応するフォルダF3に、画像データを格納する。
【0265】
言い換えれば、格納制御部16は、画像データを授業番号、日付、学生番号によって分類されるグループ毎に、授業情報記憶部125Aに格納する。
【0266】
なお、画像データがアップロードされた日時とは、サーバ装置10Aが画像データを受信した日時である。
【0267】
したがって、本実施形態では、生徒が自身の生徒端末40を答案QRコード52にかざし、表示された入力画面154に学生番号と授業番号を入力して答案用紙Pの画像を撮像するだけで、答案用紙Pの画像データが、対応する学生番号のフォルダF3に格納される。
【0268】
したがって、本実施形態によれば、生徒端末40に対する事前設定を行うことなく、簡単な手順で、撮像された画像データを特定の格納先へアップロードすることができる。
【0269】
なお、本実施形態では、授業番号毎に設けられるフォルダF1の配下に、フォルダF2とフォルダF3が設けられるものとしたが、これに限定されない。画像データ記憶部125Aでは、フォルダF1とフォルダF2のみが設けられていても良い。
【0270】
本実施形態では、授業番号と日付は、画像データをグループ化するためのグループ識別情報である。本実施形態では、画像データに、グループ識別情報を付与して、サーバ装置10Aへアップロードすることで、アップロードされた画像データをグループ毎のフォルダに格納することができる。
【0271】
したがって、本実施形態によれば、例えば、教師が画像データ記憶部125Aに格納された画像データの中から、所望の画像データする際には、該当する画像データが格納されたフォルダを開けば良く、容易に所望の画像データを選択することができる。
【0272】
また、本実施形態によれば、画像データをアップロードする際に、自動的に、指定されたフォルダに格納される。このため、本実施形態によれば、画像データをアップロードした後に、画像データ記憶部125Aに格納された画像データをフォルダ分けする、といった画像データの整理を行う必要がない。
【0273】
なお、本実施形態では、授業番号と学生番号は、生徒によって生徒端末40に入力されるものとしたが、これに限定されない。
【0274】
本実施形態では、例えば、答案用紙Pに、学生番号の記入欄54と授業番号の記入欄55が設けられている。生徒端末40は、答案用紙Pの画像データから、記入欄54、55のそれぞれ記入された手書き文字を、OCR(Optical Character Recognition)機能等によってテキストデータとし、画像データに付与しても良い。
【0275】
また、本実施形態では、学生番号と授業番号を入力画面154から入力させ、且つ、記入欄54、55から読み取りを行っても良い。そして、入力された学生番号と授業番号と、記入欄54、55から読み取った学生番号と授業番号とが一致する場合に、画像データにこの学生番号と授業番号を付与しても良い。
【0276】
また、本実施形態では、生徒に共通のアカウント情報が与えられている場合には、答案QRコード52に、アカウント情報と授業番号とを埋め込んでも良い。この場合、生徒は、学生番号を入力するだけで良く、生徒の入力の手間を削減できる。
【0277】
なお、本実施形態では、ユーザ環境を教育現場とした形態を説明したが、ユーザ環境は、教育現場に限定されない。ユーザ環境は、例えば、企業の会議室等であっても良い。
【0278】
また、本実施形態では、答案QRコード52が、撮像対象物である答案用紙Pに貼り付けられているものとしたが、これに限定されない。答案QRコード52に相当するQRコードは、撮像対象物に貼り付けられていなくても良く、撮像対象物と対応付けられていれば良い。
【0279】
具体的には、例えば、ある撮像対象物を撮像する前に、予め用意した、登録IDと初期アクセスURLが埋め込まれたQRコードをユーザ端末で読み取り、ユーザ端末においてカメラ機能が起動した後に、所定時間内に画像が撮像された撮像対象物を、QRコードと対応付けられた撮像対象物としても良い。
【0280】
なお、上記実施形態におけるサーバ装置10、仲介装置20、出力機器50等の出力機器、及びユーザ端末30、40は、それぞれ単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
【0281】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0282】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0283】
1 情報処理システム
10 サーバ装置
11 通信部
12 アプリ判定部
13 入力アプリ群
14 出力アプリ
15 特定情報割当部
16 格納制御部
20 仲介装置
21 通信制御部
22 ブラウザ管理部
23 ブラウザ部
30 教師端末(ユーザ端末)
31、41 制御部
32、42 ブラウザ部
40 生徒端末(ユーザ端末)
50 出力機器
121 アプリ情報記憶部
122 機器情報記憶部
123 アカウント情報記憶部
124 登録情報記憶部
125 授業情報記憶部
126 答案情報記憶部
127 黒板情報記憶部
128 設置情報記憶部
129 パスコード履歴記憶部
130 表示履歴記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0284】
【文献】特許第6098193号公報
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