(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-24
(45)【発行日】2022-02-01
(54)【発明の名称】調整可能なウェブハンドリング機構
(51)【国際特許分類】
B65H 23/188 20060101AFI20220125BHJP
B65H 27/00 20060101ALI20220125BHJP
B41J 11/42 20060101ALI20220125BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220125BHJP
【FI】
B65H23/188
B65H27/00 Z
B41J11/42
B41J2/01 305
(21)【出願番号】P 2020026697
(22)【出願日】2020-02-20
【審査請求日】2020-02-20
(32)【優先日】2019-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート ボーランド
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-021382(JP,A)
【文献】特開2000-038244(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0282601(US,A1)
【文献】特開2004-276437(JP,A)
【文献】特開2014-058118(JP,A)
【文献】特開2011-062820(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0063391(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 23/00-23/34
B65H 26/00-26/08
B65H 27/00
B41J 2/01
B41J 11/00-11/70
B41J 15/00-15/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体と係合する第1のウェブガイドと、
ガイド経路上の複数の点の間を移動するときに、前記第1のウェブガイドと前記印刷媒体との間の接触面積を調整するように、前記印刷媒体と係合する第2のウェブガイドと、
前記第1のウェブガイドとのウェブ経路を形成するように、前記印刷媒体と係合する第3のウェブガイドと
を含み、
前記接触面積は、前記第2のウェブガイドが前記ガイド経路上の第1の位置に配置されるときに第1の角度値を有し、前記第2のウェブガイドが前記ガイド経路上の第2の位置に配置されるときに第2の角度値を有し、
前記第2のウェブガイドは、前記第1のウェブガイドと前記第3のウェブガイドとの間の前記ガイド経路上の前記複数の点の間で移動し、
前記第1のウェブガイドの表面温度が所定の温度閾値の範囲外であるか否かに従って前記接触面積を調整し、
前記ウェブ経路は、前記第2のウェブガイドが前記ガイド経路上の前記第1の位置に配置されるときに第1の位置を有し、前記第2のウェブガイドが前記ガイド経路上の前記第2の位置に配置されるときに第2の位置を有し、
前記第2の位置における前記ウェブ経路の長さは、前記第1の位置における前記ウェブ経路の長さと等しい、ウェブハンドリング装置。
【請求項2】
前記ガイド経路上の前記複数の点の間で前記第2のウェブガイドを移動させるように、前記第2のウェブガイドに結合されたアクチュエータを更に含む、請求項1に記載のウェブハンドリング装置。
【請求項3】
前記アクチュエータは、前記ガイド経路上の前記複数の点の間で前記第2のウェブガイドを移動させるために、コントローラから1つ以上の信号を受信する、請求項2に記載のウェブハンドリング装置。
【請求項4】
前記第1のウェブガイドは、前記印刷媒体に熱伝達を提供するための熱伝導性材料を含む、請求項1に記載のウェブハンドリング装置。
【請求項5】
前記第1及び第2のウェブガイドは、ローラーとバーとのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のウェブハンドリング装置。
【請求項6】
前記印刷媒体を受け取り、前記印刷媒体にマーキングするプリンタを更に含む、請求項1に記載のウェブハンドリング装置。
【請求項7】
アクチュエータと、接触面積において印刷媒体と係合する第1のウェブガイドと、前記第1のウェブガイドと前記印刷媒体との間の前記接触面積を調整するように、前記印刷媒体と係合する第2のウェブガイドと、前記第1のウェブガイドとのウェブ経路を形成するように、前記印刷媒体と係合する第3のウェブガイドとを含むウェブハンドリングデバイスと、
前記ウェブハンドリングデバイスに通信可能に接続され、ガイド経路上の複数の点の間で前記第2のウェブガイドを移動させるために、1つ以上の信号を前記アクチュエータに送信するコントローラと
を含み、
前記接触面積は、前記第2のウェブガイドが前記ガイド経路上の第1の位置に配置されるときに第1の角度値を有し、前記第2のウェブガイドが前記ガイド経路上の第2の位置に配置されるときに第2の角度値を有し、
前記第2のウェブガイドは、前記第1のウェブガイドと前記第3のウェブガイドとの間の前記ガイド経路上の前記複数の点の間で移動し、
前記第1のウェブガイドの表面温度が所定の温度閾値の範囲外であるか否かに従って前記接触面積を調整し、
前記ウェブ経路は、前記第2のウェブガイドが前記ガイド経路上の前記第1の位置に配置されるときに第1の位置を有し、前記第2のウェブガイドが前記ガイド経路上の前記第2の位置に配置されるときに第2の位置を有し、
前記第2の位置における前記ウェブ経路の長さは、前記第1の位置における前記ウェブ経路の長さと等しい、ウェブハンドリングシステム。
【請求項8】
前記第2のウェブガイドは、前記1つ以上の信号を受信したことに応じて、前記ガイド経路上の前記第1の位置から前記ガイド経路上の前記第2の位置に移動する、請求項7に記載のウェブハンドリングシステム。
【請求項9】
前記ウェブハンドリングデバイスは、前記1つ以上の信号を受信したことに応じて、前記ガイド経路上の前記複数の点の間で前記第2のウェブガイドを移動させるように、前記第2のウェブガイドに結合されたアクチュエータを更に含む、請求項8に記載のウェブハンドリングシステム。
【請求項10】
前記ウェブハンドリングデバイスは、前記第1のウェブガイドの表面温度を測定し、温度測定値を前記コントローラに送信する1つ以上のセンサを更に含む、請求項9に記載のウェブハンドリングシステム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記温度測定値が
前記所定の温度閾値の範囲外であるか否かを判断し、前記温度測定値が前記所定の温度閾値の範囲外であるという判断のときに、更新された接触面積を計算する、請求項10に記載のウェブハンドリングシステム。
【請求項12】
前記印刷媒体を受け取り、前記印刷媒体にマーキングするプリンタを更に含む、請求項7に記載のウェブハンドリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロダクション印刷システムの分野に関し、特に、印刷媒体のハンドリング(取り扱い)に関する。
【背景技術】
【0002】
かなりの印刷需要を有する事業体は、典型的には、大量印刷(例えば、1分当たり100ページ以上)のために高速プロダクションプリンタ(production printer)を導入している。プロダクションプリンタは、大きなロールに蓄えられる印刷媒体のウェブ(web of print media)にインク又はトナーを印刷する連続形式のプリンタを含む。インクジェットプロダクションプリンタは、典型的には、印刷システムの全体の動作を制御するローカルプリントコントローラと、1つ以上のプリントヘッドアセンブリを含む印刷エンジンとを含み、各プリントヘッドアセンブリは、プリントヘッドコントローラにより制御され、1つ以上のプリントヘッド(又はプリントヘッドのアレイ)を含む。個々のインクジェットプリントヘッドは、典型的には、プリントヘッドコントローラにより制御される通りにインクを放出する複数の小さいノズルを含む。プリントヘッドアレイは、印刷媒体のウェブの幅にわたって連続して配置された複数のプリントヘッドから形成される。
【0003】
インクジェットプリンタが印刷する間に、ウェブは、ノズルの下に速やかに通され、ノズルは、画素を形成するように間隔をおいてウェブ上にインクを放出する。プリンタの下流に設置されたドライヤは、ウェブがプリンタを離れた後にウェブ上の湿ったインクを乾燥させるのを支援し得る。電子写真プロダクションプリンタでは、画像形成トナーは、高温フューザ(fuser)によってウェブに固着される。ウェブのハンドリングは、多数の要因の変動のために困難であることが理解できる。
【0004】
ウェブガイド(ローラー又はバー等)は、ドライヤを通じてウェブを動かす。ウェブガイドは、しばしば、ヒーターから直接的に、或いは加熱されたウェブとの接触から間接的に、高温に達する。いくつかの場合、1つ以上の加熱ウェブガイドは、熱発生容量を超える熱伝達のために設定値温度を維持することができなくなる。加熱ウェブガイドは維持された温度で作動する必要があるので、この状況は乾燥性能の制御性を低下させる。特定のウェブガイドを容量以上にさせる主な要因は、乾燥プロセス内のウェブガイドの位置と、加熱されたローラーへのウェブの接触面積とに関係する。
【0005】
したがって、ウェブとウェブガイド面との間の接触面積を制御して熱伝達を調整する機構が望まれる。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態では、ウェブハンドリング装置は、印刷媒体と係合する第1のウェブガイドと、ガイド経路上の複数の点の間を移動するときに、第1のウェブガイドと印刷媒体との間の接触面積を調整するように、印刷媒体と係合する第2のウェブガイドと、第1のウェブガイドとのウェブ経路を形成するように、印刷媒体と係合する第3のウェブガイドとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明のより良い理解は、以下の図面と共に以下の詳細な説明から得られることができる。
【
図2A】ウェブハンドリングシステムの実施形態を示す。
【
図2B】ウェブハンドリングシステムの実施形態を示す。
【
図2C】ウェブハンドリングシステムの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
印刷システムにおけるウェブとウェブガイド面との間の接触面積を制御する機構について説明する。以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が記載されている。しかし、本発明がこれらの特定の詳細のいくつかなしに実施され得ることは、当業者にとって明らかである。他の場合にも、本発明の基礎の原理をあいまいにすることを避けるために、周知の構造及びデバイスはブロック図の形式で示されている。
【0009】
明細書内での「一実施形態」又は「実施形態」への参照は、実施形態に関して記載される特定の機能、構造又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。明細書内の様々な箇所において「一実施形態では」という語句が現れることは、必ずしも全てが同じ実施形態を参照するとは限らない。
【0010】
図1は、印刷システム100の一実施形態を示す。印刷システム100は、連続形式の印刷媒体(例えば、紙)のウェブ120にインクを適用するように構成されたプロダクションプリンタ110を含む。ここで使用される「インク」という用語は、いずれかの適切なマーキング材料125(例えば、水性ベースのインク、溶剤ベースのインク、UV硬化性インク、クリアインク、油性ベースの塗料、トナー等)を示すために使用される。プリンタ110は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、キー(K)ブラック、ホワイト又はクリアインクのようなカラーインクを適用するインクジェットプリンタを含んでもよい。プリンタ110によりウェブ120に適用されたインクは、湿っている。したがって、インクは、更なる処理の前に乾燥されない場合には、不鮮明になる可能性がある。1つ以上のウェブガイド(例えば、ローラー)130は、ウェブ120が印刷システム100を通過又は出入りするときにウェブ120を位置決めする。
【0011】
インクを乾燥させるために、印刷システム100はまた、乾燥システム140(例えば、放射熱ドライヤ)を含む。一実施形態では、乾燥システム140は、プリンタ110の下流の独立したデバイスである。しかし、実施形態は、乾燥システム140がプリンタ110内に組み込まれることを特徴としてもよい。ウェブ120は、ウェブ120上のインクを乾燥させるために、乾燥システム140を通過する。1つ以上のウェブガイド130は、ウェブ120が乾燥システム140を通過又は出入りするときにウェブ120を位置決めする。実施形態では、ウェブガイド130は、ローラー、バー、又は他の実質的に一定の半径の湾曲面のいずれかの組み合わせを介して実装されてもよい。
【0012】
乾燥システムとして議論されるが、実施形態は、プリンタ110の下流の独立したウェブハンドリングデバイスとしてのシステム140の実装を特徴としてもよい。いくつかの実施形態は、プリンタ110の上流のウェブハンドリングシステム140を特徴としてもよい。更なる実施形態は、プリンタ110内に組み込まれたウェブハンドリングシステム140を特徴としてもよい。このような実施形態では、ウェブ120は、バッファリング、伸ばし、冷却、巻き付け、巻き戻し、整列、切断、スリット、パンチ、又は穿孔されるように、ウェブハンドリングシステム140を通過する。
【0013】
一実施形態では、ウェブガイド130は、乾燥システム140を通じてウェブ120を動かすための1つ以上の加熱ウェブガイドを含んでもよい。このような実施形態では、加熱ウェブガイドは、乾燥プロセスの構成要素として実装される。しかし、特定の条件では(例えば、印刷システム110がより重い材料に、より多くのインクで、より高速で印刷するとき)、加熱ウェブガイドを使用した伝導性の熱伝達面は、設定値表面温度を維持するのに十分なエネルギーを供給することができない可能性がある。
【0014】
例えば、ウェブ120がまだ加熱されておらず、ドライヤ140に入るときに依然として湿っているので、ウェブ120と加熱ウェブガイドとの間の結果の温度差(ΔT)は大きくなる可能性があり、その結果、表面からウェブへの上昇した熱流束(q’’)が生じる。紙の厚さ、密度、表面特性、印刷速度、ドライヤ設定値温度もまた熱流束に影響する。さらに、ウェブガイド面上のウェブ120の巻き付け角度(wrap angle)は、接触面積に比例する(q=q’’×Aであるので、Aは熱伝達(q)に直接の影響を有する)。さらに、加熱素子の電力容量を超えることは、加熱面温度の低下を生じ、ドライヤの制御性に影響を与える可能性がある。
【0015】
一実施形態によれば、ウェブ120と他のウェブガイドの表面との間の接触面積を変化させるように、巻き付け角度を動的に調整するための調整可能なウェブガイドが設けられる。このような実施形態では、巻き付け角度を調整することは、ウェブからウェブガイドへの熱伝達を調整する(例えば、より高い巻き付け角度は熱伝達を増加させる)。さらに、巻き付け角度を調整し、それによりウェブガイド上のウェブの法線力(normal force)を調整することは、ウェブ120の張力を調整し得る。ここに記載する実施形態では、ウェブガイドは、異なる印刷条件(例えば、媒体の種類、厚さ、材料、処理要件等)での操作を容易にするために、異なる寸法、サイズ、形状、プロファイル、テクスチャ及び/又は材料を有してもよい。
【0016】
更なる実施形態では、ウェブ120の経路(又はウェブ経路)は、ウェブガイド220がガイド経路250上の複数の位置の間で調整されるときに一定の長さを維持する。一定のウェブ経路長を維持することは、タイミング、速度、及びウェブガイド表面摩擦に応じて、印刷システム110の張力もまた維持されることを確保する。
図2A~2Cは、ウェブハンドリングシステム200の実施形態を示す。
【0017】
図2Aに示すように、システム200は、ウェブガイド210とウェブガイド230との間の経路205aを介して搬送されるウェブ120を含む。ウェブ120は、入口201でシステム200に入り、出口202へ移動する。他の実施形態では、ウェブ120は、出口202でシステムに入り、入口201へ移動してもよい。一実施形態では、ウェブガイド210は、熱をウェブ120に(或いはウェブ120から)伝達するためにウェブ120と接触する巻き付け角度ウェブガイドである。したがって、ウェブガイド210は、ウェブ120との熱伝達を提供するために加熱又は冷却され得る熱伝導性材料で構成される。更なる実施形態では、ウェブガイド210は、巻き付け角度を変更することによりウェブ120の張力を調整するように実装されてもよい(例えば、より高い巻き付け角度は、摩擦力に比例する法線力を増加させる)。
【0018】
一実施形態によれば、ウェブガイド210は、ウェブ120とウェブガイド210の表面との間の動的な巻き付け角度(θ)を提供する。このような実施形態では、巻き付け角度は、角度値0°~45°の間で調整されてもよい。しかし、他の実施形態では、巻き付け角度は、0°~170°の間で調整されてもよい。
【0019】
システム200はまた、ウェブガイド220をウェブガイド210とウェブガイド230との間の異なる位置に移動させることにより、ウェブ120とウェブガイド210の表面との間のウェブ角度を調整するように実装される調整可能なウェブガイド220を含む。一実施形態では、調整可能なウェブガイド220が移動し得る位置は、複数の点(例えば、点Aから点Bから点C)を通じた連続的な経路を形成するガイド経路250により決定される。
【0020】
更なる実施形態では、ガイド経路250は、ウェブガイド210に対して非同心(non-centric)であり、ウェブガイド220が位置を変化させるときに、接触面積幅と、ウェブガイド210、220及び230の間の接線距離(例えば、ウェブ経路205)とが実質的に同じままであるように幾何学的に予め決定される。このような実施形態では、実質的に同じものが、ウェブ経路205に渡るウェブ120の張力、タイミング及び/又は速度の顕著な変化、又はウェブ120への物理的損傷を引き起こすには不十分なバリエーション(variation)として定義される。
【0021】
更に別の実施形態では、ガイド経路250に沿った調整可能なウェブガイド220の移動は、ウェブ経路205の長さの変化(例えば、ウェブガイド210及び230に渡るウェブ120の長さ)を最小化する。このような実施形態では、ウェブ経路205は、ウェブガイド210、220及び230と接触する張った(或いは緩みのない)ウェブの経路として定義されてもよい。
【0022】
図2Aに示すように、調整可能なウェブガイド220は位置(a)(又は205a)におけるウェブ経路205を生じる位置にあり、巻き付け角度は2/5θである。一実施形態によれば、調整可能なウェブガイド220は、図示されていない1つ以上のガイド路(例えば、スロット、チャネル、カム又はアーム)及び/又はウェブガイド220に結合されたアクチュエータ(又はモータ)225を介してガイド経路250に沿って移動する。このような実施形態では、以下により詳細に説明するように、アクチュエータ225は、コントローラ150(
図1に示す)から信号を受信したときに、調整可能なウェブガイド220の移動を促す。他の実施形態では、調整可能なウェブガイド220は、ガイド経路250に沿って手動で動かされてもよい。
【0023】
図2Bは、調整可能なウェブガイド220が4/5θの巻き付け角度を形成するように調整されるときのシステム200の一実施形態を示す。
図2Bに示すように、調整可能なウェブガイド220は、ガイド経路250に沿って第1の位置(A)から第2の位置(B)に移動しており、その結果、ウェブ経路205は、位置(b)(又は205b)に移動する。しかし、位置205bへの移動の後に、ウェブ経路の長さは、同じままである(例えば、ウェブ経路205bの長さはウェブ経路205aの長さと等しい)。
【0024】
図2Cは、調整可能なウェブガイド220がθの巻き付け角度を形成するように更に調整されるときのシステム200の一実施形態を示す。
図2Cに示すように、調整可能なウェブガイド220は、ガイド経路250に沿って第2の位置(B)から第3の位置(C)に移動している。この移動は、ウェブ経路205が位置(c) (又は205c)に移動することを生じる。位置205cへの移動の後に、ウェブ経路の長さは、同じ長さを維持する(例えば、ウェブ経路205cの長さはウェブ経路205bの長さと等しく、ウェブ経路205bの長さはウェブ経路205aの長さと等しい)。したがって、ウェブ経路205の長さは、調整可能なウェブガイド220の調整を通じて一定のままである。
【0025】
図2A~2Cに示すように、システム200は、ウェブガイド210、220及び230がウェブ経路205の同じ側でウェブ120と接触する乾燥の用途において実装される。しかし、他の用途では、調整可能なウェブガイド220は、ウェブガイド210及び230とは異なるウェブ120の側に接触してもよい。
【0026】
上述のように、調整可能なウェブガイド220は、コントローラ150からの信号を受信したときに、1つ以上のアクチュエータ225により調整されてもよい。コントローラ150は、印刷システム100内で動作可能な1つ以上のセンサ180又は他のデバイス(例えば、プリンタ110)からの入力を受け取ったとき、或いはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)170(
図1に示す)からのユーザ入力を介して、ウェブガイド220の調整を開始してもよい。
【0027】
ウェブハンドリングシステム140内のセンサ180(
図1)は、ロータリエンコーダ、存在、位置、速度、加速度又は温度タイプのセンサを含んでもよい。さらに、GUI170は、オペレータにシステム制御及び状態を提供してもよい。制御は、更なる自動化のために、印刷システム構成スナップショットに連結されてもよい。他の実施形態では、コントローラ150は、ウェブハンドリングシステム140の外側に配置されてもよい。
【0028】
一実施形態では、コントローラ150は、GUI170を介したオペレータからの入力として、1つ以上の設定(例えば、温度、用紙タイプ、印刷システム構成スナップショット設定)を受け取り、受け取った設定に基づいて巻き付け角度を自動的に調整してもよい。例えば、コントローラ150は、温度設定の受信に応じて、巻き付け角度が調整されるべきであると決定したときに、ウェブガイド220がガイド経路250上の位置Aから位置Bに移動するべきであることを示す信号を送信してもよい。
【0029】
他の実施形態では、コントローラ150は、システム200から入力を受け取り、それに従って巻き付け角度を調整してもよい。このような実施形態では、ウェブガイド210の表面温度を測定して測定値をコントローラ150に送信するために、1つ以上のセンサ180が含まれてもよい。それに応じて、コントローラ150は、アクチュエータ225を介した調整可能なウェブガイド220の調整を促す。例えば、コントローラ150は、受け取った温度測定が、現在の巻き付け角度設定のための所定の温度閾値(例えば、高い方の閾値又は低い方の閾値)の範囲外であると決定してもよく、更新された巻き付け角度値を計算する。その結果、コントローラ150は、計算された巻き付け角度を達成するための位置にウェブガイド220を移動させるための信号を送信する。
【0030】
更に別の実施形態では、コントローラ150は、調整可能なウェブガイド220の調整をトリガするために、1つ以上の出力信号をアクチュエータ225に送信する。アクチュエータ225は、調整可能なウェブガイド220の軸に直接的又は間接的に結合されてもよく、及び/又は、コントローラ150から信号を受信するための内蔵ドライバ又は外部ドライバを有してもよい。更なる実施形態では、システム200は、熱源270(例えば、放射熱ランプ、対流加熱ブロア(convection heat blower)等)を含んでもよい。ウェブガイド210とは別個に示されているが、実施形態は、熱源270がウェブガイド210内に配置されることを特徴としてもよい。このような実施形態では、コントローラ150は、熱源270のデューティサイクルを監視し、デューティサイクルに基づいてウェブガイド210の巻き付け角度を調整するように、調整可能なウェブガイド220を調整してもよい。一実施形態では、ウェブガイド220は、熱源270のデューティサイクルが増加するにつれて、巻き付け角度を減少させるように調整されてもよい。
【0031】
上述のように、巻き付け角度は、熱伝達ではなく、張力(又は摩擦測定)に基づいて調整されてもよい。このような実施形態では、調整可能なウェブガイド220は、異なる運動摩擦係数を有するウェブガイド210及び230の間の巻き付け角度比を変化させるように調整される。その結果、ウェブガイド210及び230の間の張力降下(又は上昇)は変化するが、全体の巻き付け角度は一定のままである。この実施形態では、コントローラ150は、ウェブガイド210及び230の間の所望の張力降下(又は上昇)を維持するようにウェブガイド220を調整してもよい。
【0032】
図3は、印刷システム110及び/又はコントローラ150が実装され得るコンピュータシステム1000を示す。コンピュータシステム1000は、情報を通信するためのシステムバス1020と、情報を処理するためにバス1020に接続されたプロセッサ1010とを含む。
【0033】
コンピュータシステム1000は、プロセッサ1010により実行される情報及び命令を記憶するためにバス1020に接続されたランダムアクセスメモリ(RAM)又は他のダイナミック記憶デバイス1025(ここではメインメモリと呼ぶ)を更に含む。メインメモリ1025はまた、プロセッサ1010による命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピュータシステム1000はまた、プロセッサ1010により使用される情報及び命令を記憶するためにバス1020に接続された読み取り専用メモリ(ROM)及び/又は他の静的記憶デバイス1026を含んでもよい。
【0034】
磁気ディスク又は光ディスクのようなデータ記憶デバイス1027並びにその対応するドライブもまた、情報及び命令を記憶するためにコンピュータシステム1000に接続されてもよい。コンピュータシステム1000はまた、I/Oインターフェース1030を介して第2のI/Oバス1050に接続されてもよい。ディスプレイデバイス1024、入力デバイス(例えば、英数字入力デバイス1023及び/又はカーソル制御デバイス1022)を含み、複数のI/Oデバイスは、I/Oバス1050に接続されてもよい。通信デバイス1021は、他のコンピュータ(サーバ又はクライアント)にアクセスするためのものである。通信デバイス1021は、モデム、ネットワークインタフェースカード、又はイーサネット(登録商標)、トークンリング若しくは他のタイプのネットワークに接続するために使用されるもののような他の周知のインタフェースデバイスを含んでもよい。
【0035】
本発明の多くの変更及び修正は、上記の説明を読んだ後に当業者に明らかになるが、説明のために図示及び記載されたいずれかの特定の実施形態は、限定的であると考えられることを決して意図するものではないことが理解されるべきである。したがって、様々な実施形態の詳細への参照は、それ自体が本発明に不可欠とみなされる特徴のみを記載している特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。