(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】撮像レンズ,撮像光学装置及びデジタル機器
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20220127BHJP
【FI】
G02B13/00
(21)【出願番号】P 2017220250
(22)【出願日】2017-11-15
【審査請求日】2020-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 恵子
(72)【発明者】
【氏名】今嶋 亮介
(72)【発明者】
【氏名】辰野 亘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 治夫
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/135000(WO,A1)
【文献】特開2016-180851(JP,A)
【文献】特開2013-186458(JP,A)
【文献】国際公開第2012/026069(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、正パワーの第1群と、正パワーの第2群と、負パワーの第3群
からなり、
無限遠から至近物体へのフォーカシングにおいて、前記第1群が位置固定であり、前記第1群と前記第2群との間隔が狭まり、前記第2群と前記第3群との間隔が広がるように、前記第2群と前記第3群が移動し、
以下の条件式(1)を満足することを特徴とする撮像レンズ;
1.0<f1/f<2.5 …(1)
ただし、
f1:第1群の焦点距離、
f:全系の焦点距離、
である。
【請求項2】
以下の条件式(2)及び(3)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ;
1.2<f2/f<3.0 …(2)
1.2<|f3/f2|<4.0 …(3)
ただし、
f2:第2群の焦点距離、
f3:第3群の焦点距離、
f:全系の焦点距離、
である。
【請求項3】
以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1又は2記載の撮像レンズ;
0.1<|d_2Gr/d_3Gr|<1.5 …(4)
ただし、
d_2Gr:無限遠から任意の物体距離までのフォーカシングにおける第2群の移動量、
d_3Gr:無限遠から任意の物体距離までのフォーカシングにおける第3群の移動量、
である。
【請求項4】
以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の撮像レンズ;
0.1<d_npr1/f1<0.6 …(5)
ただし、
d_npr1:第1群の最も像側のレンズ面から第1群の後側主点位置までの光軸上での距離、
f1:第1群の焦点距離、
である。
【請求項5】
前記第2群に少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズを有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
【請求項6】
前記第2群内に以下の条件式(6)を満足する正レンズを有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の撮像レンズ;
θg,F-(-0.0018νd+0.6484)>0.009 …(6)
ただし、
θg,F:レンズ材料の部分分散比、
θg,F=(Ng-NF)/(NF-NC)
Ng:g線に関する屈折率、
NF:F線に関する屈折率、
NC:C線に関する屈折率、
νd:レンズ材料のd線に関するアッべ数、
である。
【請求項7】
前記第3群において最も物体側のレンズが物体側に凹面を向けていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
【請求項8】
前記第1群と前記第2群との間に絞りが配置されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の撮像レンズ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の撮像レンズと、撮像面上に形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備え、前記撮像素子の撮像面上に被写体の光学像が形成されるように前記撮像レンズが設けられていることを特徴とする撮像光学装置。
【請求項10】
請求項9記載の撮像光学装置を備えることにより、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方の機能が付加されたことを特徴とするデジタル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像レンズ,撮像光学装置及びデジタル機器に関するものであり、例えば、被写体の映像を撮像素子で取り込むレンズ交換式デジタルカメラに適したコンパクトで広角・大口径の撮像レンズと、その撮像レンズ及び撮像素子で取り込んだ被写体の映像を電気的な信号として出力する撮像光学装置と、その撮像光学装置を搭載したデジタルカメラ等の画像入力機能付きデジタル機器と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、レンズ交換式カメラとしてデジタルカメラが一般的になっている。デジタルカメラでは、ユーザーがモニターで等倍の撮影画像を見ることが可能であるため、無限端から至近端に至るまで、MTF(Modulation Transfer Function)性能の向上がより一層求められるようになってきている。
【0003】
また、一眼レフカメラから跳ね上げミラーを取り除いたミラーレスレンズ交換式カメラのなかには、従来の一眼レフカメラにおいて主流であった位相差AF(autofocus)を用いることができないものも存在する。そのようなカメラでは、フォーカス群を走査してコントラストが最大になる場所を探すことでフォーカシングを行う、いわゆるコントラストAFを用いることになる。
【0004】
位相差AFの場合、AFセンサーからの情報を用い、合焦させるのに必要なフォーカス群の移動量を算出できるため、その量にしたがってフォーカス群を移動させることができる。一方、コントラストAFの場合、AFセンサーから得られる情報はその瞬間のコントラスト値のみであり、フォーカス群を移動させて、その時々のコントラストの変化を読み取りながら、コントラストが最大となる場所を探すことでフォーカス動作を行うことになる。したがって、合焦に至るまでのフォーカス群の移動量をコントラストAFと位相差AFとで比較した場合、前者の場合が圧倒的に大きくなる。
【0005】
例えば、F値:2以下の大口径の撮像レンズにおいてコントラストAFに対応しようとすれば、AFを高速化するためにフォーカス群の軽量化が大きなポイントとなる。したがって、AFを高速化するためのフォーカス群の軽量化と、無限端から至近端に至るまでのMTF性能(収差性能)の向上と、を両立させることが必要になる。大口径の撮像レンズとしては、例えば特許文献1で提案されているものが挙げられる。また、無限端から至近端に至るまでのMTF性能の向上を狙った撮像レンズとしては、特許文献2で提案されているものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-186458号公報
【文献】特開2015-34899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1で提案されている大口径の撮像レンズでは、至近フォーカス時の収差の補正が不足している。特許文献2で提案されている撮像レンズでは、無限端から至近端に至るまでのMTF性能を向上させるために、複数の群をフォーカス時に駆動するフローティングフォーカス方式を採用しているが、フォーカス群の有効径が大きいため、大口径に対応するにはフォーカス群の軽量化が不十分である。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、明るいF値とフォーカス群の軽量化とを両立しながら、無限端から至近端に至るまで収差が良好に補正され、画像全体で均一な画質を得ることが可能な撮像レンズ,それを備えた撮像光学装置及びデジタル機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明の撮像レンズは、物体側から順に、正パワーの第1群と、正パワーの第2群と、負パワーの第3群からなり、
無限遠から至近物体へのフォーカシングにおいて、前記第1群が位置固定であり、前記第1群と前記第2群との間隔が狭まり、前記第2群と前記第3群との間隔が広がるように、前記第2群と前記第3群が移動し、
以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
1.0<f1/f<2.5 …(1)
ただし、
f1:第1群の焦点距離、
f:全系の焦点距離、
である。
【0010】
第2の発明の撮像レンズは、上記第1の発明において、以下の条件式(2)及び(3)を満足することを特徴とする。
1.2<f2/f<3.0 …(2)
1.2<|f3/f2|<4.0 …(3)
ただし、
f2:第2群の焦点距離、
f3:第3群の焦点距離、
f:全系の焦点距離、
である。
【0011】
第3の発明の撮像レンズは、上記第1又は第2の発明において、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする。
0.1<|d_2Gr/d_3Gr|<1.5 …(4)
ただし、
d_2Gr:無限遠から任意の物体距離までのフォーカシングにおける第2群の移動量、
d_3Gr:無限遠から任意の物体距離までのフォーカシングにおける第3群の移動量、
である。
【0012】
第4の発明の撮像レンズは、上記第1~第3のいずれか1つの発明において、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする。
0.1<d_npr1/f1<0.6 …(5)
ただし、
d_npr1:第1群の最も像側のレンズ面から第1群の後側主点位置までの光軸上での距離、
f1:第1群の焦点距離、
である。
【0013】
第5の発明の撮像レンズは、上記第1~第4のいずれか1つの発明において、前記第2群に少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズを有することを特徴とする。
【0014】
第6の発明の撮像レンズは、上記第1~第5のいずれか1つの発明において、前記第2群内に以下の条件式(6)を満足する正レンズを有することを特徴とする。
θg,F-(-0.0018νd+0.6484)>0.009 …(6)
ただし、
θg,F:レンズ材料の部分分散比、
θg,F=(Ng-NF)/(NF-NC)
Ng:g線に関する屈折率、
NF:F線に関する屈折率、
NC:C線に関する屈折率、
νd:レンズ材料のd線に関するアッべ数、
である。
【0015】
第7の発明の撮像レンズは、上記第1~第6のいずれか1つの発明において、前記第3群において最も物体側のレンズが物体側に凹面を向けていることを特徴とする。
【0016】
第8の発明の撮像レンズは、上記第1~第7のいずれか1つの発明において、前記第1群と前記第2群との間に絞りが配置されていることを特徴とする。
【0017】
第9の発明の撮像光学装置は、上記第1~第8のいずれか1つの発明に係る撮像レンズと、撮像面上に形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子と、を備え、前記撮像素子の撮像面上に被写体の光学像が形成されるように前記撮像レンズが設けられていることを特徴とする。
【0018】
第10の発明のデジタル機器は、上記第9の発明に係る撮像光学装置を備えることにより、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方の機能が付加されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、明るいF値とフォーカス群の軽量化とを両立しながら、無限端から至近端に至るまで収差が良好に補正され、画像全体で均一な画質を得ることが可能な撮像レンズ及び撮像光学装置を実現することができる。その撮像レンズ又は撮像光学装置をデジタル機器(例えばデジタルカメラ)に用いることによって、デジタル機器に対して高性能の画像入力機能をコンパクトに付加することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1の実施の形態(実施例1)のレンズ構成図。
【
図2】第2の実施の形態(実施例2)のレンズ構成図。
【
図3】第3の実施の形態(実施例3)のレンズ構成図。
【
図4】第4の実施の形態(実施例4)のレンズ構成図。
【
図9】実施例1の第1フォーカスポジションでの横収差図。
【
図10】実施例1の第2フォーカスポジションでの横収差図。
【
図11】実施例2の第1フォーカスポジションでの横収差図。
【
図12】実施例2の第2フォーカスポジションでの横収差図。
【
図13】実施例3の第1フォーカスポジションでの横収差図。
【
図14】実施例3の第2フォーカスポジションでの横収差図。
【
図15】実施例4の第1フォーカスポジションでの横収差図。
【
図16】実施例4の第2フォーカスポジションでの横収差図。
【
図17】撮像光学装置を搭載したデジタル機器の概略構成例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る撮像レンズ,撮像光学装置及びデジタル機器を説明する。本発明の実施の形態に係る撮像レンズは、物体側から順に、正パワーの第1群と、正パワーの第2群と、負パワーの第3群とを有し(パワー:焦点距離の逆数で定義される量)、無限遠から至近物体へのフォーカシングにおいて、前記第1群が位置固定であり、前記第1群と前記第2群との間隔が狭まり、前記第2群と前記第3群との間隔が広がるように、前記第2群と前記第3群が移動する構成になっている。
【0022】
また、上記撮像レンズは以下の条件式(1)を満足することを特徴としている。
1.0<f1/f<2.5 …(1)
ただし、
f1:第1群の焦点距離、
f:全系の焦点距離、
である。
【0023】
物体側から順に、正の第1群、正の第2群、負の第3群を配置し、第2群と第3群を駆動することによりフォーカシングを行うようにすると、フォーカス時の像面湾曲と球面収差の変動を第2群と第3群とで打ち消し合うようにすることができる。したがって、フォーカス群を構成するレンズ枚数を抑えつつ、無限端から至近端に至るまで収差を良好に補正することができる。また、第1群と第2群との間隔が狭まり、第2群と第3群との間隔が広がるように、第2群と第3群が移動する軌跡をとるようにすると、像面湾曲や球面収差の変動を最も効果的に抑制することができる。フォーカスの作用を第2群と第3群で分担することにより、各群を構成するレンズ枚数の増大を抑えながら、フォーカス時の収差変動を抑制することが可能となるため、フォーカス群の軽量化につながる。特にフォーカス群の有効径が大きくフォーカス時の球面収差変動が大きい大口径の撮像レンズにおいては、フォーカス群の軽量化の効果が顕著になる。
【0024】
条件式(1)は、第1群のパワーを規定するものである。条件式(1)の下限を上回ることで、第1群のパワーが強くなりすぎず、第3群の負のパワーの増大を抑えることができるため、フォーカス時に第3群が移動することで発生する像面湾曲の変動を抑えることができる。条件式(1)の上限を下回ることで、第1群のパワーが弱くなりすぎず、全長の拡大を防ぐとともに正のパワーを第2群と適切に分担することができるため、フォーカスに伴う球面収差,像面湾曲等を抑えることができる。
【0025】
上記特徴的構成によると、明るいF値とフォーカス群の軽量化とを両立しながら、無限端から至近端に至るまで収差が良好に補正され、画像全体で均一な画質を得ることが可能な撮像レンズ及びそれを備えた撮像光学装置を実現することができる。その撮像レンズ又は撮像光学装置をデジタル機器(例えばデジタルカメラ)に用いることによって、デジタル機器に対して高性能の画像入力機能を軽量・コンパクトに付加することが可能となり、デジタル機器のコンパクト化,低コスト化,高性能化,高機能化等に寄与することができる。例えば、上記特徴的構成を有する撮像レンズは、デジタルカメラ用・ビデオカメラ用の交換レンズとして好適であるため、持ち運びに便利な軽量・小型で高性能な交換レンズを実現することができる。こういった効果をバランス良く得るとともに、更に高い光学性能,軽量・小型化等を達成するための条件等を以下に説明する。
【0026】
以下の条件式(1a)を満足することが望ましい。
1.0<f1/f<2.0 …(1a)
この条件式(1a)は、前記条件式(1)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(1a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
【0027】
前記第2群及び第3群に関しては、以下の条件式(2)及び(3)を満足することが望ましい。
1.2<f2/f<3.0 …(2)
1.2<|f3/f2|<4.0 …(3)
ただし、
f2:第2群の焦点距離、
f3:第3群の焦点距離、
f:全系の焦点距離、
である。
【0028】
条件式(2)の下限を上回ることで、第2群のパワーが強くなりすぎず、第2群がフォーカス時に移動することによる球面収差変動を抑えることができる。条件式(2)の上限を下回ることで、第2群の移動量の増大を防ぎながら、第2群がフォーカス時に移動することによる像面湾曲変動を抑えることができる。
【0029】
条件式(3)の下限を上回ることで、第3群のパワーが強くなりすぎず、各群のフォーカス移動量の増大を防ぎ、フォーカスに伴う像面湾曲変動を抑えると同時に、軸外光束でのコマ収差量を低減することができる。条件式(3)の上限を下回ることで、第3群のパワーが弱くなりすぎず、フォーカス時の像面湾曲変動の抑制に効果的な構成となる。
【0030】
以下の条件式(2a)を満足することが更に望ましい。
1.4<f2/f<2.0 …(2a)
この条件式(2a)は、前記条件式(2)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(2a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
【0031】
以下の条件式(3a)を満足することが更に望ましい。
1.2<|f3/f2|<3.5 …(3a)
この条件式(3a)は、前記条件式(3)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(3a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
【0032】
前記第2群及び第3群に関しては、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
0.1<|d_2Gr/d_3Gr|<1.5 …(4)
ただし、
d_2Gr:無限遠から任意の物体距離までのフォーカシングにおける第2群の移動量、
d_3Gr:無限遠から任意の物体距離までのフォーカシングにおける第3群の移動量、
である。
【0033】
条件式(4)は、第2群と第3群のフォーカス移動量の比を規定するものである。条件式(4)の下限を上回ることで、フォーカス時に第2群の移動量が小さくなりすぎず、フォーカス時に発生する像面湾曲やコマ収差の変動を効果的に補正することができる。条件式(4)の上限を下回ることで、フォーカス時に第3群の移動量が小さくなりすぎず、第3群をフォーカス時に像側に駆動することにより、フォーカスに伴う像面湾曲変動の補正を効果的に実施できる。
【0034】
前記第1群に関しては、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
0.1<d_npr1/f1<0.6 …(5)
ただし、
d_npr1:第1群の最も像側のレンズ面から第1群の後側主点位置までの光軸上での距離、
f1:第1群の焦点距離、
である。
【0035】
条件式(5)は、第1群の後側主点位置を規定するものである。第1群の後側主点位置は、第1群の最も像側のレンズよりも像側にあることが望ましい。条件式(5)の上限を下回ることにより、第1群と第2群の主点位置を近づけ、第2群の正パワーの増大を抑えることができるため、フォーカスに伴う球面収差変動を抑えることができる。条件式(5)の下限を上回ることにより、第3群の負のパワーの増大が抑えられ、フォーカスに伴う像面湾曲変動を抑えることができる。
【0036】
以下の条件式(5a)を満足することが更に望ましい。
0.3<d_npr1/f1<0.6 …(5a)
この条件式(5a)は、前記条件式(5)が規定している条件範囲のなかでも、前記観点等に基づいた更に好ましい条件範囲を規定している。したがって、好ましくは条件式(5a)を満たすことにより、上記効果をより一層大きくすることができる。
【0037】
前記第2群に少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズを有することが望ましい。第2群内に負レンズと正レンズを有することにより、軸外光のコマ収差補正に有利な構成とすることができる。
【0038】
第2群内は、最も物体側から、負レンズ、正レンズの順に配置されていることが更に望ましい。物体側から、負レンズ、正レンズの順に配置することにより、第1群からの光束をいったん発散させた後に収束させると、軸外光のコマ収差をより効果的に低減することができる。
【0039】
第2群内の最も物体側のレンズ面は、物体側に凹面であることが望ましい。物体側に凹面を向けた負レンズを配置すると、第1群からの光束が穏やかに発散されるため、フォーカスに伴う急激な収差変動を抑えることができる。
【0040】
第2群内には、少なくとも1枚の非球面レンズを有することが望ましい。第2群内に非球面レンズを配置することにより、フォーカスに伴う諸収差、特に像面湾曲の変動を抑えることができる。
【0041】
前記第2群内に以下の条件式(6)を満足する正レンズを有することが望ましい。
θg,F-(-0.0018νd+0.6484)>0.009 …(6)
ただし、
θg,F:レンズ材料の部分分散比、
θg,F=(Ng-NF)/(NF-NC)
Ng:g線に関する屈折率、
NF:F線に関する屈折率、
NC:C線に関する屈折率、
νd:レンズ材料のd線に関するアッべ数、
である。
【0042】
条件式(6)は、第2群内の正レンズの異常分散を規定するものである。条件式(6)を満足することにより、フォーカスに伴う軸上色収差変動を効果的に低減することができる。さらには、第2群内の最も正パワーの強いレンズが、条件式(6)を満足することにより、色収差補正効果を最大限に発揮することができる。
【0043】
前記第3群において最も物体側のレンズは、物体側に凹面を向けていることが望ましい。第3群の最も物体側のレンズ面を凹面とすることにより、フォーカスに伴う像面湾曲変動を効果的に抑えることができる。
【0044】
前記第1群と前記第2群との間に絞りが配置されていることが望ましい。第1群と第2群との間に絞りを配置すると、第2群の有効径の増大が抑えられるため、第2群の軽量化が可能となって、フォーカススピードの増加につながる。また、絞りを挟んで正のパワーを持つ群が向かい合って配置されることにより、コマ収差の低減にも有利な構成にすることができる。
【0045】
以上説明した撮像レンズは、画像入力機能付きデジタル機器(例えば、レンズ交換式デジタルカメラ)用の撮像レンズとしての使用に適しており、これを撮像素子等と組み合わせることにより、被写体の映像を光学的に取り込んで電気的な信号として出力する撮像光学装置を構成することができる。撮像光学装置は、被写体の静止画撮影や動画撮影に用いられるカメラの主たる構成要素を成す光学装置であり、例えば、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の光学像を形成する撮像レンズと、その撮像レンズにより形成された光学像を電気的な信号に変換する撮像素子(イメージセンサー)と、を備えることにより構成される。そして、撮像素子の受光面(すなわち撮像面)上に被写体の光学像が形成されるように、前述した特徴的構成を有する撮像レンズが配置されることにより、小型・低コストで高い性能を有する撮像光学装置やそれを備えたデジタル機器を実現することができる。
【0046】
画像入力機能付きデジタル機器の例としては、デジタルカメラ,ビデオカメラ,監視カメラ,防犯カメラ,車載カメラ,テレビ電話用カメラ等のカメラが挙げられる。また、パーソナルコンピューター,携帯用デジタル機器(例えば、携帯電話,スマートフォン(高機能携帯電話),タブレット端末,モバイルコンピューター等),これらの周辺機器(スキャナー,プリンター,マウス等),その他のデジタル機器(ドライブレコーダー,防衛機器等)等に内蔵又は外付けによりカメラ機能が搭載されたものが挙げられる。これらの例から分かるように、撮像光学装置を用いることによりカメラを構成することができるだけでなく、各種機器に撮像光学装置を搭載することによりカメラ機能を付加することが可能である。例えば、カメラ付き携帯電話等の画像入力機能付きデジタル機器を構成することが可能である。
【0047】
図17に、画像入力機能付きデジタル機器の一例として、デジタル機器DUの概略構成例を模式的断面で示す。
図17に示すデジタル機器DUに搭載されている撮像光学装置LUは、物体(すなわち被写体)側から順に、物体の光学像(像面)IMを形成する撮像レンズLN(AX:光軸)と、撮像レンズLNにより受光面(撮像面)SS上に形成された光学像IMを電気的な信号に変換する撮像素子SRと、を備えており、必要に応じて平行平面板(例えば、撮像素子SRのカバーガラス;必要に応じて配置される光学的ローパスフィルター,赤外カットフィルター等の光学フィルター等に相当する。)も配置される。
【0048】
この撮像光学装置LUで画像入力機能付きデジタル機器DUを構成する場合、通常そのボディ内部に撮像光学装置LUを配置することになるが、カメラ機能を実現する際には必要に応じた形態を採用することが可能である。例えば、ユニット化した撮像光学装置LUをデジタル機器DUの本体に対して回動可能に構成してもよく、ユニット化した撮像光学装置LUをイメージセンサー付き交換レンズとして、デジタル機器DU(つまり、レンズ交換式カメラ)の本体に対して着脱可能に構成してもよい。
【0049】
撮像レンズLNは、例えば少なくとも3群で構成された広角の単焦点レンズであり、第1群の位置を固定した状態(つまり、像面IMに対して位置固定した状態)で正パワーの第2群と負パワーの第3群を光軸AXに沿って移動させることにより、近距離物体へのフォーカシングを行い、撮像素子SRの受光面SS上に光学像IMを形成する構成になっている。撮像素子SRとしては、例えば複数の画素を有するCCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサー,CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)型イメージセンサー等の固体撮像素子が用いられる。撮像レンズLNは、撮像素子SRの光電変換部である受光面SS上に被写体の光学像IMが形成されるように設けられているので、撮像レンズLNによって形成された光学像IMは、撮像素子SRによって電気的な信号に変換される。
【0050】
デジタル機器DUは、撮像光学装置LUの他に、信号処理部1,制御部2,メモリー3,操作部4,表示部5等を備えている。撮像素子SRで生成した信号は、信号処理部1で所定のデジタル画像処理や画像圧縮処理等が必要に応じて施され、デジタル映像信号としてメモリー3(半導体メモリー,光ディスク等)に記録されたり、場合によってはケーブルを介したり赤外線信号等に変換されたりして他の機器に伝送される(例えば携帯電話の通信機能)。制御部2はマイクロコンピューターからなっており、撮影機能(静止画撮影機能,動画撮影機能等),画像再生機能等の機能の制御;フォーカシング,手ぶれ補正等のためのレンズ移動機構の制御等を集中的に行う。例えば、被写体の静止画撮影,動画撮影のうちの少なくとも一方を行うように、制御部2により撮像光学装置LUに対する制御が行われる。表示部5は液晶モニター等のディスプレイを含む部分であり、撮像素子SRによって変換された画像信号あるいはメモリー3に記録されている画像情報を用いて画像表示を行う。操作部4は、操作ボタン(例えばレリーズボタン),操作ダイヤル(例えば撮影モードダイヤル)等の操作部材を含む部分であり、操作者が操作入力した情報を制御部2に伝達する。
【0051】
次に、撮像レンズLNの第1~第4の実施の形態を挙げて、その具体的な光学構成を更に詳しく説明する。
図1~
図4は、第1~第4の実施の形態を構成する撮像レンズLNにそれぞれ対応するレンズ構成図であり、無限遠物体距離状態におけるレンズ配置を光学断面で示している。なお、撮像レンズLNと像面IMとの間には平行平面板PTが配置されており、この平行平面板PTは、撮像素子SRのカバーガラスとモアレ防止用のローパスフィルターとのトータルの光学厚みに等価なガラス平板である。
【0052】
第1~第4の実施の形態は、物体側から順に、正パワーの第1群Gr1と、正パワーの第2群Gr2と、負パワーの第3群Gr3と、からなる正正負の3群構成になっており、コンパクトで広角・大口径の単焦点交換レンズとして好適な構成になっている。
図1~
図4において、L1#(#=1,2,…,8)は第1群Gr1において物体側から#番目のレンズであり、L2#(#=1,2,3)は第2群Gr2において物体側から#番目のレンズであり、L31は第3群Gr3を構成する1枚のレンズである。
【0053】
第1~第4の実施の形態では、第1フォーカスポジションPOS1(無限端:無限遠物体距離状態)から第2フォーカスポジションPOS2(至近端:至近物体距離状態)へのフォーカシングにおいて、第1群Gr1が像面IMに対して位置固定であり、第1群Gr1と第2群Gr2との間隔が狭まり、第2群Gr2と第3群Gr3との間隔が広がるように、フォーカス群である第2群Gr2と第3群Gr3が光軸AXに沿って移動する。なお、矢印m1,m2,m3は、第1群Gr1,第2群Gr2,第3群Gr3の移動軌跡をそれぞれ示しており、第1群Gr1と第2群Gr2との間に配置されている絞り(開口絞り)STと、撮像レンズLNの像面IM側に配置されている平行平面板PTは、第1群Gr1と共にフォーカス位置固定である。
【0054】
第1~第4の実施の形態では、上記のようにフローティングフォーカス方式を採用しており、無限端から至近端へのフォーカシングにおいて、第2群Gr2が物体側へ移動するのに対し、第3群Gr3は像側へ移動する。このように第2群Gr2と第3群Gr3のフォーカス移動方向を逆にして、第2群Gr2と第3群Gr3との間隔が広がるようにすると、フォーカス時の像面湾曲等の収差の変動を、第2群Gr2と第3群Gr3とで有利に打ち消し合うようにすることができる。したがって、フォーカス時の収差劣化をより効果的に補正することができ、至近端POS2での画質をより一層改善することが可能となる。
【0055】
第1の実施の形態の撮像レンズLN(
図1)は、正正負の3群構成になっており、各群は以下のように構成されている。第1群Gr1は、物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレンズL11と、物体側に凸の正メニスカスレンズL12及び像側に凹の負メニスカスレンズL13からなる接合レンズと、両凹の負レンズL14及び両凸の正レンズL15からなる接合レンズと、両凸の正レンズL16及び物体側に凹の負メニスカスレンズL17からなる接合レンズと、で構成されている。第2群Gr2は、物体側から順に、物体側に凹の負メニスカスレンズL21と、両凸の正レンズL22と、像側に凸の正メニスカスレンズL23(両面が非球面)と、で構成されている。第3群Gr3は、物体側に凹の負メニスカスレンズL31で構成されている。
【0056】
第2の実施の形態の撮像レンズLN(
図2)は、正正負の3群構成になっており、各群は以下のように構成されている。第1群Gr1は、物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレンズL11と、両凹の負レンズL12及び物体側に凸の正メニスカスレンズL13からなる接合レンズと、両凹の負レンズL14及び両凸の正レンズL15からなる接合レンズと、両凸の正レンズL16と、両凸の正レンズL17及び両凹の負レンズL18からなる接合レンズと、で構成されている。第2群Gr2は、物体側から順に、物体側に凹の負メニスカスレンズL21と、両凸の正レンズL22と、像側に凸の正メニスカスレンズL23(両面が非球面)と、で構成されている。第3群Gr3は、両凹の負レンズL31で構成されている。
【0057】
第3の実施の形態の撮像レンズLN(
図3)は、正正負の3群構成になっており、各群は以下のように構成されている。第1群Gr1は、物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレンズL11と、物体側に凸の正メニスカスレンズL12及び像側に凹の負メニスカスレンズL13からなる接合レンズと、両凹の負レンズL14及び両凸の正レンズL15からなる接合レンズと、両凸の正レンズL16(両面が非球面)と、両凸の正レンズL17及び両凹の負レンズL18からなる接合レンズと、で構成されている。第2群Gr2は、物体側から順に、物体側に凹の負メニスカスレンズL21(両面が非球面)と、両凸の正レンズL22と、像側に凸の正メニスカスレンズL23(両面が非球面)と、で構成されている。第3群Gr3は、物体側に凹の平凹の負レンズL31で構成されている。
【0058】
第4の実施の形態の撮像レンズLN(
図4)は、正正負の3群構成になっており、各群は以下のように構成されている。第1群Gr1は、物体側から順に、像側に凹の負メニスカスレンズL11と、両凸の正レンズL12及び両凹の負レンズL13からなる接合レンズと、両凹の負レンズL14及び両凸の正レンズL15からなる接合レンズと、両凸の正レンズL16と、像側に凹の負メニスカスレンズL17(両面が非球面)と、で構成されている。第2群Gr2は、物体側から順に、物体側に凹の負メニスカスレンズL21と、両凸の正レンズL22と、像側に凸の正メニスカスレンズL23(両面が非球面)と、で構成されている。第3群Gr3は、物体側に凹の負メニスカスレンズL31(両面が非球面)で構成されている。
【実施例】
【0059】
以下、本発明を実施した撮像レンズの構成等を、実施例のコンストラクションデータ等を挙げて更に具体的に説明する。ここで挙げる実施例1~4(EX1~4)は、前述した第1~第4の実施の形態にそれぞれ対応する数値実施例であり、第1~第4の実施の形態を表すレンズ構成図(
図1~
図4)は、対応する実施例1~4の光学構成をそれぞれ示している。
【0060】
各実施例のコンストラクションデータでは、面データとして、左側の欄から順に、面番号i(OB:物面,ST:絞り,IM:像面),近軸における曲率半径ri(mm),軸上面間隔di(mm),d線(波長:587.56nm)に関する屈折率nd,d線に関するアッベ数νd,及び有効半径Ri(mm)を示す。
【0061】
面番号iに*が付された面は非球面であり、その面形状は面頂点を原点とするローカルな直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(AS)で定義される。非球面データとして、非球面係数等を示す。なお、各実施例の非球面データにおいて表記の無い項の係数は0であり、すべてのデータに関してE-n=×10-nである。
z=(c・h2)/[1+√{1-(1+K)・c2・h2}]+Σ(Aj・hj) …(AS)
ただし、
h:z軸(光軸AX)に対して垂直な方向の高さ(h2=x2+y2)、
z:高さhの位置での光軸AX方向のサグ量(面頂点基準)、
c:面頂点での曲率(曲率半径riの逆数)、
K:円錐定数、
Aj:j次の非球面係数、
である。
【0062】
各種データとして、全系の焦点距離f(mm),Fナンバー(FNO),全画角2ω(°),レンズ全長TL(撮像レンズLNの最も物体側の面から像面IMまでの距離(空気換算なし),mm),バックフォーカスBF(平行平面板PTの像側面から像面IMまでの距離,mm)を示す。さらに、フォーカシングにより変化する可変パラメーターとして、絞り径(有効半径)Riと可変軸上面間隔diを、第1フォーカスポジションPOS1(無限遠物体距離状態),第2フォーカスポジションPOS2(至近物体距離状態)のそれぞれについて示す。また、第1フォーカスポジションPOS1から第2フォーカスポジションPOS2へフォーカス移動する際の第2群Gr2の移動量d_2Grと第3群Gr3の移動量d_3Grを示し、表1に各実施例の条件式対応値を示し、表2に条件式の関連データを示す。
【0063】
図5~
図8は、実施例1~実施例4(EX1~EX4)にそれぞれ対応する縦収差図であり、(A)~(C)は第1フォーカスポジションPOS1、(D)~(F)は第2フォーカスポジションPOS2における諸収差をそれぞれ示している。また、
図5~
図8中、(A)と(D)は球面収差図、(B)と(E)は非点収差図、(C)と(F)は歪曲収差図である。
【0064】
球面収差図は、一点鎖線で示すC線(波長656.28nm)に対する球面収差量、実線で示すd線(波長587.56nm)に対する球面収差量、破線で示すg線(波長435.84nm)に対する球面収差量を、それぞれ近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(mm)で表しており、縦軸は瞳への入射高さをその最大高さで規格化した値(すなわち相対瞳高さ)を表している。非点収差図において、破線Tはd線に対するタンジェンシャル像面、実線Sはd線に対するサジタル像面を、それぞれ近軸像面からの光軸AX方向のズレ量(mm)で表しており、縦軸は像高(IMG HT,mm)を表している。歪曲収差図において、横軸はd線に対する歪曲(%)を表しており、縦軸は像高(IMG HT,mm)を表している。なお、像高IMG HTの最大値は、像面IMにおける最大像高に相当する。
【0065】
図9,
図11,
図13及び
図15は、第1フォーカスポジションPOS1での実施例1~実施例4(EX1~EX4)にそれぞれ対応する横収差図であり、
図10,
図12,
図14及び
図16は、第2フォーカスポジションPOS2での実施例1~実施例4(EX1~EX4)にそれぞれ対応する横収差図である。
図9~
図16のそれぞれにおいて、左側の列はタンジェンシャル光束での横収差(mm)を示しており、右側の列はサジタル光束での横収差(mm)を示している。また、RELATIVE FIELD HEIGHTで表されている像高比(半画角ω°)での横収差を、一点鎖線で示すC線(波長656.28nm)、実線で示すd線(波長587.56nm)、破線で示すg線(波長435.84nm)について示している。なお像高比は、像高IMG HTを最大像高で規格化した相対的な像高である。
【0066】
実施例1
単位:mm
面データ
i ri di nd νd Ri
0(OB) ∞ d0
1 5.2674 0.102 1.51680 64.12 0.847
2 0.9607 0.309 0.696
3 1.4420 0.246 1.90270 35.72 0.661
4 10.2799 0.083 1.59550 39.21 0.625
5 1.2154 0.411 0.546
6 -1.0987 0.088 1.69900 30.05 0.524
7 2.9183 0.258 1.91080 35.25 0.586
8 -1.6693 0.009 0.601
9 1.6429 0.379 1.59280 68.62 0.624
10 -1.4116 0.069 1.72050 34.70 0.613
11 -2.5725 0.118 0.607
12(ST) ∞ d12 R12
13 -0.9730 0.051 1.59270 35.31 0.476
14 -24.0801 0.009 0.490
15 2.3756 0.282 1.59280 68.62 0.543
16 -1.3055 0.239 0.569
17* -7.3169 0.122 1.69350 53.20 0.604
18* -2.2000 d18 0.627
19 -1.5449 0.083 1.48750 70.44 0.662
20 -7.2572 d20 0.712
21 ∞ 0.074 1.51680 64.12 1.200
22 ∞ BF 1.200
23(IM) ∞
【0067】
非球面データ
i 17 18
K 0 0
A4 -2.400E-01 -5.053E-02
A6 -4.268E-01 -3.491E-01
A8 0.000E+00 1.459E-01
A10 0.000E+00 7.718E-02
A12 0.000E+00 0.000E+00
【0068】
各種データ
f 1.57
FNO 1.85
2ω 64.9
TL 4.483
BF 0.0425
可変パラメーター
物体距離d0 R12 d12 d18 d20
∞ (POS1) 0.555 0.604 0.154 0.750
7.1mm(POS2) 0.530 0.376 0.587 0.545
群移動量(POS1→POS2)
Gr2 Gr3
-0.228 0.206
【0069】
実施例2
単位:mm
面データ
i ri di nd νd Ri
0(OB) ∞ d0
1 5.2537 0.102 1.66446 35.91 0.975
2 0.9322 0.551 0.758
3 -30.4018 0.092 1.62004 36.30 0.737
4 1.9408 0.224 1.92286 20.88 0.719
5 24.9372 0.235 0.707
6 -1.8836 0.092 1.69895 30.05 0.686
7 2.6962 0.265 1.83481 42.72 0.699
8 -3.2039 0.009 0.701
9 2.1418 0.231 1.88300 40.76 0.670
10 -7.1415 0.009 0.648
11 1.7434 0.281 1.83481 42.72 0.566
12 -1.8840 0.060 1.69895 30.05 0.526
13 1.4348 0.191 0.444
14(ST) ∞ d14 R14
15 -0.7488 0.055 1.75520 27.53 0.361
16 -2.4434 0.024 0.375
17 2.3343 0.269 1.59282 68.62 0.460
18 -0.9873 0.109 0.491
19* -5.8696 0.135 1.82080 42.71 0.524
20* -1.9402 d20 0.560
21 -4.0712 0.092 1.72047 34.71 0.693
22 20.1119 d22 0.676
23 ∞ 0.069 1.51680 64.14 1.200
24 ∞ BF 1.200
25(IM) ∞
【0070】
非球面データ
i 19 20
K 0 0
A4 -4.148E-01 -1.172E-01
A6 -1.186E+00 -9.748E-01
A8 5.555E-01 1.023E+00
A10 0.000E+00 0.000E+00
A12 0.000E+00 0.000E+00
【0071】
各種データ
f 1.14
FNO 1.85
2ω 82.6
TL 4.414
BF 0.0448
可変パラメーター
物体距離d0 R14 d14 d20 d22
∞ (POS1) 0.416 0.387 0.120 0.760
7.14mm(POS2) 0.400 0.299 0.402 0.565
群移動量(POS1→POS2)
Gr2 Gr3
-0.088 0.194
【0072】
実施例3
単位:mm
面データ
i ri di nd νd Ri
0(OB) ∞ d0
1 2.5424 0.102 1.65844 50.85 1.054
2 0.9246 0.439 0.807
3 2.0808 0.190 1.92286 20.88 0.776
4 3.5916 0.102 1.48749 70.32 0.737
5 1.1233 0.453 0.650
6 -1.5692 0.092 1.67270 32.17 0.624
7 1.1681 0.404 1.88100 40.14 0.643
8 -3.0812 0.027 0.638
9* 1.7767 0.211 1.82080 42.71 0.587
10* -7.1583 0.029 0.570
11 3.1208 0.229 1.84850 43.79 0.533
12 -1.8099 0.060 1.69895 30.05 0.512
13 1.7205 0.179 0.464
14(ST) ∞ d14 R14
15* -0.9487 0.055 1.83441 37.28 0.398
16* -3.3164 0.033 0.416
17 3.1258 0.267 1.59282 68.62 0.426
18 -0.8904 0.206 0.450
19* -4.1856 0.132 1.74330 49.33 0.485
20* -1.8713 d20 0.566
21 -4.0518 0.081 1.74077 27.76 0.580
22 ∞ d22 0.693
23 ∞ 0.074 1.51480 64.14 0.713
24 ∞ BF 1.200
25(IM) ∞
【0073】
非球面データ
i 9 10 15
K 0 0 0
A4 1.636E-02 5.124E-02 -4.036E-01
A6 2.187E-02 1.402E-02 -2.480E-01
A8 4.840E-03 7.649E-03 1.966E-01
A10 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00
A12 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00
i 16 19 20
K 0 0 0
A4 -7.313E-02 1.200E-01 2.110E-01
A6 1.763E-01 1.845E-01 2.880E-01
A8 7.632E-01 -7.940E-02 1.652E-01
A10 0.000E+00 0.000E+00 -1.677E-01
A12 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00
【0074】
各種データ
f 1.14
FNO 1.85
2ω 82.7
TL 4.736
BF 0.0448
可変パラメーター
物体距離d0 R14 d14 d20 d22
∞ (POS1) 0.439 0.347 0.176 0.813
6.58mm(POS2) 0.419 0.264 0.484 0.587
群移動量(POS1→POS2)
Gr2 Gr3
-0.083 0.226
【0075】
実施例4
単位:mm
面データ
i ri di nd νd Ri
0(OB) ∞ d0
1 4.6232 0.102 1.51680 64.13 0.832
2 0.8784 0.354 0.673
3 4.0730 0.258 1.95375 32.33 0.657
4 -2.0290 0.083 1.60342 38.03 0.640
5 3.2358 0.108 0.569
6 -1.2945 0.172 1.68893 31.16 0.548
7 1.7517 0.329 1.85150 40.78 0.631
8 -1.7517 0.018 0.645
9 1.1917 0.368 1.49700 81.61 0.653
10 -3.5528 0.009 0.631
11* 4.1556 0.057 1.83441 37.28 0.587
12* 1.9836 0.187 0.557
13(ST) ∞ d13 R13
14 -0.9917 0.062 1.61293 36.94 0.478
15 -5.7790 0.012 0.495
16 2.1244 0.282 1.59282 68.62 0.544
17 -1.3918 0.209 0.562
18* -8.4171 0.098 1.69350 53.20 0.599
19* -2.8176 d19 0.614
20* -1.8973 0.083 1.58313 59.46 0.645
21* -6.9348 d21 0.704
22 ∞ 0.074 1.51680 64.13 1.200
23 ∞ BF 1.200
24(IM) ∞
【0076】
非球面データ
i 11 12 18
K -4.9288 -0.4693 15.3255
A4 -9.582E-02 -8.355E-02 -2.063E-01
A6 5.043E-01 5.689E-01 6.890E-02
A8 -4.618E-01 -2.913E-01 0.000E+00
A10 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00
A12 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00
i 19 20 21
K -0.9347 -0.1889 0
A4 -2.416E-03 -1.143E-01 -9.359E-02
A6 1.158E-01 -1.549E-01 -1.873E-01
A8 1.983E-01 0.000E+00 1.909E-01
A10 -1.130E-01 0.000E+00 -1.298E-01
A12 0.000E+00 0.000E+00 0.000E+00
【0077】
各種データ
f 1.57
FNO 1.85
2ω 64.9
TL 4.553
BF 0.0425
可変パラメーター
物体距離d0 R13 d13 d19 d21
∞ (POS1) 0.533 0.514 0.229 0.751
7.0mm(POS2) 0.509 0.283 0.666 0.545
群移動量(POS1→POS2)
Gr2 Gr3
-0.230 0.206
【0078】
【0079】
【符号の説明】
【0080】
DU デジタル機器
LU 撮像光学装置
LN 撮像レンズ
Gr1 第1群
Gr2 第2群
Gr3 第3群
L1# 第1群において物体側から#番目のレンズ(#=1,2,…,8)
L2# 第2群において物体側から#番目のレンズ(#=1,2,3)
L31 第3群を構成するレンズ
ST 絞り
SR 撮像素子
SS 受光面(撮像面)
IM 像面(光学像)
AX 光軸
1 信号処理部
2 制御部
3 メモリー
4 操作部
5 表示部