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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-26
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/065 20060101AFI20220127BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20220127BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20220127BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20220127BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20220127BHJP
   H01L 23/52 20060101ALI20220127BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20220127BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20220127BHJP
【FI】
H01L25/08 J
H01L23/12 501B
H01L23/14 R
H01L23/52 C
H01L23/30 R
H01L23/12 N
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017252357
(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2019117909
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】堀川 泰愛
(72)【発明者】
【氏名】井原 義博
(72)【発明者】
【氏名】北 義弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 輝
【審査官】多賀 和宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-171071(JP,A)
【文献】特開2004-228344(JP,A)
【文献】国際公開第2008/055708(WO,A2)
【文献】国際公開第2013/004083(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0148559(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0261818(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0238931(US,A1)
【文献】米国特許第05646446(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/00-25/18
H01L 23/12-23/14、23/29、23/52
H05K 1/00- 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有し、少なくとも2つの実装部と、2つの前記実装部の間の接続部と、を有し、前記接続部が屈曲されて少なくとも2つの前記実装部を、前記実装部と直交する方向に配列した配線基板と、
前記実装部に実装された半導体チップと、
少なくとも2つの前記実装部を配列した積層方向に隣り合う前記実装部の接続パッドを接続する導電性接続材と、
前記配線基板と前記半導体チップと前記導電性接続材とを封止する封止樹脂と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記配線基板は、複数の配線層と、前記複数の配線層の間の絶縁層とを有すること、を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
2つの前記実装部にそれぞれ半導体チップが実装され、
前記配線基板は、前記半導体チップが実装された2つの前記実装部の間の前記接続部と、前記半導体チップが実装された2つの前記実装部とに形成された伝送線路による第1の信号伝達経路を有し、
前記導電性接続材は、2つの前記半導体チップの間の第2の信号伝達経路を形成すること、を特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の信号伝達経路は、グランド配線と、前記グランド配線より細い信号配線とを有すること、を特徴とする請求項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記伝送線路は、インピーダンス整合された配線であること、を特徴とする請求項またはに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体チップはベアチップであり、前記実装部にフリップチップ実装されていることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の半導体チップを上下方向に配置した半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、半導体装置は、それぞれに半導体チップを実装した複数の中継基板と、複数の中継基板の端子を接続する接続基板とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4991518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の半導体装置のように、複数の半導体チップを上下方向に配置するために用いられる中継基板や接続基板等の複数種類の基板は、半導体装置の小型化を妨げる要因となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、半導体装置は、可撓性を有し、少なくとも2つの実装部と、2つの前記実装部の間の接続部と、を有し、前記接続部が屈曲されて少なくとも2つの前記実装部を、前記実装部と直交する方向に配列した配線基板と、前記実装部に実装された半導体チップと、少なくとも2つの前記実装部を配列した積層方向に隣り合う前記実装部の接続パッドを接続する導電性接続材と、前記配線基板と前記半導体チップと前記導電性接続材とを封止する封止樹脂と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一観点によれば、小型の半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(a)は半導体装置の概略断面図、(b)は半導体装置の展開状態を示す概略平面図、(c)は半導体装置の展開状態を示す概略側面図。
図2】(a)は半導体装置の実装部と接続部とを説明する配線基板の一部拡大断面図、(b)は、積層方向の実装部同士を接続するための構造を説明する配線基板の一部拡大断面図、(c)は伝送路の一例を示す概略断面図。
図3】(a),(b)は別の伝送路を示す概略断面図。
図4】別の半導体装置を示す概略断面図。
図5】別の半導体装置を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、各形態を説明する。
なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、または別の図面中のものと異なる場合がある。また、断面図では、理解を容易にするために、一部の構成要素のハッチングを省略している場合がある。
【0009】
図1(a)に示すように、半導体装置1は、配線基板10と、複数(本実施形態では3つ)の半導体チップ51,52,53を有している。
配線基板10は、可撓性を有する、所謂フレキシブル基板である。この配線基板10は、後述するように、複数の絶縁層と複数の配線層を有している。絶縁層としては、例えば、ポリイミド樹脂やポリエステル樹脂等の樹脂、液晶ポリマ、等を用いたフレキシブルなフィルムを用いることができる。配線層としては、例えば銅(Cu)やCu合金を用いることができる。配線基板10の厚さは、例えば0.1mm~0.3mmとすることができる。
【0010】
配線基板10は、上下方向(図1(a)の上下方向であって、この半導体装置1が実装される基板の面と直交する方向)に配列された複数(本実施形態では3つ)の実装部11,12,13と、それら実装部11~13の間の接続部14,15とを有している。
【0011】
各実装部11~13の上面11a~13aには半導体チップ51~53が実装されている。
半導体チップ51~53は、所謂ベアチップであり、はんだバンプ61~63を介して配線基板10に直接フリップチップ実装されている。半導体チップ51~53の厚さは、例えば0.1mmとすることができる。半導体チップ51~53は、例えば、CPU(Central Processing Unit)チップやGPU(Graphics Processing Unit)チップなどのロジックチップを用いることができる。また、半導体チップ51~53としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)チップ、SRAM(Static Random Access Memory)チップやフラッシュメモリチップなどのメモリチップを用いることができる。なお、配線基板10に実装される半導体チップ51~53として、例えばロジックチップとメモリチップのように互いに異なる機能を有する複数の半導体チップ、同一種類の半導体チップとすることができる。
【0012】
最下層の実装部11とその直上の実装部12は、はんだボール21により互いに接続されている。実装部11の上面11aには、接続パッド11cが形成されている。実装部12の下面12bには、接続パッド12dが形成されている。図1(a)では、接続パッド11cを判り易くするため、接続パッド11cが実装部11の上面から突出するように示している。実装部12の接続パッド12d、及び以下に説明する接続パッドについても同様である。実装部11の接続パッド11cは、はんだボール21を介して実装部12の接続パッド12dに接続されている。はんだボール21は、導電性部材の一例である。はんだボール21の材料としては、例えば、鉛(Pb)を含む合金、錫(Sn)と銅の合金、錫と銀(Ag)の合金、錫と銀と銅の合金などを用いることができる。また、はんだボール21としては、銅(Cu)や樹脂をコアとするコア付きはんだボールを用いることもできる。導電性部材としては、例えば、金属端子、導電性接着剤、等を用いることができる。
【0013】
同様に、実装部12と最上層の実装部13は、はんだボール22により互いに接続されている。実装部12の上面12aの接続パッド12cと、実装部13の下面13bの接続パッド13dとがはんだボール22により互いに接続されている。
【0014】
はんだボール22の材料としては、例えば、鉛(Pb)を含む合金、錫(Sn)と銅の合金、錫と銀(Ag)の合金、錫と銀と銅の合金などを用いることができる。また、はんだボール22としては、銅(Cu)や樹脂をコアとするコア付きはんだボールを用いることもできる。なお、実装部同士を接続する部材としては、例えば、金属端子、導電性接着剤、等を用いることができる。
【0015】
最下層の実装部11の下面11bには、外部接続端子23が形成されている。外部接続端子23は、実装部11の下面11bの接続パッド11dに接続されている。外部接続端子23としては、はんだボールを用いることができる。はんだボールの材料としては、例えば、鉛(Pb)を含む合金、錫(Sn)と銅の合金、錫と銀(Ag)の合金、錫と銀と銅の合金などを用いることができる。外部接続端子23は、この半導体装置1をマザーボード等の実装基板に接続するために用いられる。
【0016】
図1(b)及び図1(c)は、展開された配線基板10を示す。この配線基板10は、長方形状に形成されている。図1(b)及び図1(c)において、一点鎖線にて、実装部11~13と接続部14,15とを判り易く示している。なお、実装部11~13と接続部14,15は同様の構成を有しており、実装部11~13と接続部14,15の境界は明確ではない。
【0017】
展開された状態の配線基板10において、配線基板10の上面側に半導体チップ51,53が実装され、配線基板10の下面側に半導体チップ52が実装されている。このように半導体チップ51~53が実装された配線基板10を折りたたむことにより、図1(a)に示すように、各実装部11~13の上面11a~13aに半導体チップ51~53が実装された状態の半導体装置1が構成される。
【0018】
図2(a)~図2(c)は、配線基板10の構成の一例を示す。
図2(b)は、配線基板10のうち、図1(a)に示すはんだボール21,22が接続される実装部12の一部を示す。配線基板10は、複数の配線層31,32,33、絶縁層34,35、レジスト層36,37を有している。図2(b)において、配線層31は、絶縁層34の下面に形成され、配線層32は絶縁層34の上面に形成されている。配線層32は絶縁層35により覆われ、絶縁層35の上面には配線層33が形成されている。レジスト層36は、絶縁層34と配線層31の一部を覆うように形成されている。レジスト層36は、配線層31の一部を接続パッド12dとして露出する開口部36Xを有している。レジスト層37は、絶縁層35と配線層33の一部を覆うように形成されている。レジスト層37は、配線層33の一部を接続パッド12cとして露出する開口部37Xを有している。接続パッド12cにはんだボール22が接続され、接続パッド12dにはんだボール21が接続される。図2(b)において左側に示した接続パッド12c,12dは、配線層31~33により電気的に接続されている。このように接続された接続パッド12c,12dにより、図1(a)に示す実装部11~13の間で電気信号等を伝達する信号伝達経路を形成する。なお、図2(b)に示すように接続された接続パッド12c,12dにより、図1(a)に示す半導体チップ51~53の駆動電圧や接地電圧が伝達されてもよい。
【0019】
配線層31~33の材料としては、例えば、銅(Cu)又は銅合金を用いることができる。絶縁層34,35の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂やポリエステル樹脂等の樹脂、液晶ポリマ、等を用いることができる。レジスト層36,37としては、例えば、エポキシ系絶縁樹脂やアクリル系絶縁樹脂等を用いることができる。
【0020】
図2(a)は、図1に示す半導体チップ52に接続される部分、つまり実装部12の一部と、図1に示す半導体チップ51に接続される部分、つまり実装部11の一部と、実装部11と実装部12との間の接続部14を示す。
【0021】
レジスト層37は、配線層33の一部を実装パッド33a,33bとして露出する開口部37Yを有している。実装パッド33bは配線層32のグランド配線32Gに接続されている。実装パッド33a,33bには、はんだバンプ62S,62Gが接続されている。例えば、はんだバンプ62Sは、図1(a)に示す半導体チップ52の信号端子に接続され、はんだバンプ62Gは、半導体チップ52のグランド端子に接続される。つまり、図2(a)において、配線層33の信号配線33Sは、信号を伝達する配線(伝送線路)として利用される。この配線は、インピーダンス整合のとれた配線であることが好ましい。例えば、高速な信号を扱う伝送線路の場合、例えば、図2(c)に示すマイクロストリップ構造(マイクロストリップ線路)とすることができる。このマイクロストリップ構造では、絶縁層35を挟んで、配線層32のグランド配線32Gとそのグランド配線より細い信号配線33Sとが配設されている。マイクロストリップ構造により、信号配線33Sにおいて高い周波数の信号が伝達される。
【0022】
図2(a)に示すように、実装部11の配線層31~33と絶縁層34,35とレジスト層36,37の配列は、接続部14により上下反転する。つまり、実装部12において、下側から順に、レジスト層36、配線層31,絶縁層34,配線層32,絶縁層35,配線層33,レジスト層37と配列されている。一方、実装部11において、下側から順にレジスト層37,配線層33,絶縁層35,配線層32,絶縁層34,配線層31,レジスト層36と配列されている。
【0023】
従って、実装部12において信号配線33Sとして利用される配線層33は、実装部11において最下層となる。この配線層33は、配線層33のビア33Vと、配線層32のビア32V及び配線32Pと、配線層31の配線31Pと、はんだバンプ61Sにより図1(a)に示す半導体チップ51の信号端子に接続される。また、実装部12において中間の配線層32は、実装部11において中間の配線層32であり、この配線層32は、配線層32のビア32Vと、配線層31の配線31Pと、はんだバンプ61Gを介して図1(b)に示す半導体チップ51のグランド端子に接続される。
【0024】
(作用)
次に、上述の半導体装置1の作用を説明する。
半導体装置1は、配線基板10と、配線基板10に実装された半導体チップ51~53を有している。配線基板10は、可撓性を有し、折りたたまれている。この配線基板10により半導体チップ51~53が積層される。積層された半導体チップ51~53の間には、配線基板10が介在する。このため、半導体チップ51~53を中間基板等に実装するものと比べ、積層方向(上下方向)の厚さが薄くなり、小型化できる。
【0025】
また、複数の半導体チップ51~53を積層するために可撓性を有する配線基板10を用いることで、配線基板の種類が1種類となり、部品点数が少なく、構造が簡単である。
配線基板10は配線層31~33を有し、配線層31,33は半導体チップ51~53の端子に接続される。配線層31~33は、インピーダンス整合のとれた信号配線31S,33S及びグランド配線32Gであることが好ましい。例えば、信号配線33Sとグランド配線32Gとを所定の伝送線路(例えば、マイクロストリップ構造)とすることにより、高周波の信号を伝達できる。
【0026】
配線基板10の実装部11~13は、はんだボール21,22により接続されている。はんだボール21、22は、導電性を有する接続材であり、実装部11~13の配線層を互いに接続する。従って、はんだボール21,22は、半導体チップ51~53の間、半導体チップ51~53と、外部接続端子23との間において電気的に接続された経路として機能する。このような経路を用いて低周波の信号の伝達や動作電圧の供給を行うことができる。
【0027】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)半導体装置1は、配線基板10と、配線基板10に実装された半導体チップ51~53を有している。配線基板10は、可撓性を有し、折りたたまれている。この配線基板10により半導体チップ51~53が積層される。積層された半導体チップ51~53の間には、配線基板10が介在する。このため、半導体チップ51~53を中間基板等に実装するものと比べ、積層方向(上下方向)の厚さが薄くなり、小型化できる。
【0028】
(2)複数の半導体チップ51~53を積層するために可撓性を有する配線基板10を用いることで、配線基板の種類が1種類となり、部品点数が少なく、構造が簡単である。
(3)配線基板10は配線層31~33を有し、配線層31,33は半導体チップ51~53の端子に接続される。配線層31~33は、インピーダンス整合のとれた信号配線31S,33S及びグランド配線32Gであることが好ましい。例えば、信号配線33Sとグランド配線32Gとを所定の伝送線路(例えば、マイクロストリップ構造)とすることにより、高周波の信号を伝達できる。
【0029】
(4)配線基板10の実装部11~13は、はんだボール21,22により接続されている。はんだボール21,22は、導電性を有する接続材であり、実装部11~13の配線層を互いに接続する。従って、はんだボール21,22は、半導体チップ51~53の間、半導体チップ51~53と、外部接続端子23との間において電気的に接続された経路として機能する。このような経路を用いて低周波の信号の伝達や動作電圧の供給を行うことができる。
【0030】
尚、上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態では、信号配線としてマイクロストリップ構造としたが、その他の構造としてもよい。
【0031】
図3(a)は、コプレナー構造(コプレナー線路)を示す。この場合、絶縁層101の上面に、信号配線102Sと、信号配線102Sを挟む2つのグランド配線102Gが形成されている。図3(b)は、ストリップ構造(ストリップ線路)を示す。この場合、絶縁層111の上面に形成された信号配線112Sと、信号配線112Sを覆う絶縁層113の上面と絶縁層111の下面とにそれぞれ形成されたグランド配線114G,115Gを含む。これらの伝送線路を用いることで、高周波信号を伝達できる。
【0032】
・上記実施形態の配線基板10はレジスト層36,37を有していたが、レジスト層36,37の少なくとも一方を省略してもよい。また、配線層31,33の少なくとも一方の上面のみが絶縁層34,35から露出するように形成してもよい。これにより、半導体装置1の積層方向(上下方向)の厚さが薄くなり、小型化できる。
【0033】
・上記実施形態に対し、半導体チップ51~53を樹脂封止してもよい。
図4に示すように、半導体装置120は、上記実施形態の半導体装置1を封止する封止樹脂121を有している。つまり半導体装置120は、配線基板10と、配線基板10に実装された複数の半導体チップ51~53と、封止樹脂121とを有している。封止樹脂121は、折りたたまれた配線基板10において、この半導体装置1を実装するための実装部11の下面11bを露出するように、配線基板10及び複数の半導体チップ51~53を封止する。
【0034】
・上記実施形態では、3つの実装部11~13とそれらを接続する接続部14,15を有する配線基板10において、3つの実装部11~13を積層する構造としたが、積層する実装部の数は適宜変更されてもよい。
【0035】
図5に示す半導体装置130の配線基板131は、半導体チップ51,52がそれぞれ実装された2つの実装部11,12と、それら実装部11,12を接続する接続部14を有している。これにより、半導体装置130は、2つの実装部11,12が積層方向(上下方向)に積層された構造を有している。このように2つの実装部11,12を積層することで、半導体装置130を小型化できる。なお、この半導体装置130を、図4に示す半導体装置120と同様に、封止樹脂にて封止してもよい。
【0036】
なお、4つ以上の実装部を有する配線基板を用いて、実装部を積層した半導体装置を形成してもよい。
・上記実施形態では、フリップチップ実装により半導体チップ51~53を配線基板10に接続したが、配線基板10に半導体チップ51~53をダイボンディングし、ボンディングワイヤを用いて半導体チップ51~53を配線基板10に接続してもよい。ボンディングワイヤとしては、例えば、金(Au)やアルミニウム(Al)等の細線を用いることができる。そして、半導体チップ51~53とボンディングワイヤとを樹脂にて封止することが好ましい。封止する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂や塩化ビニル樹脂などを用いることができる。
【0037】
・上記実施形態に対し、抵抗やコンデンサ等のチップ状の電子部品を配線基板10に実装してもよい。電子部品としては、例えば抵抗、コンデンサ等の受動部品、トランジスタ等の能動部品とすることができる。その際、上記実施形態の半導体チップ51~53と同様に、折りたたまれた配線基板10の実装部11~13において、上面側、下面側、又は上下両面に実装されてもよい。
【符号の説明】
【0038】
10 配線基板
11~13 実装部
14,15 接続部
21,22 はんだボール(導電性接続材、第2の信号伝達経路)
32G グランド配線(伝送線路、第1の信号伝達経路)
33S 信号配線(伝送線路、第1の信号伝達経路)
51~53 半導体チップ
図1
図2
図3
図4
図5