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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-28
(45)【発行日】2022-02-07
(54)【発明の名称】シート材搬送装置、印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/12 20060101AFI20220131BHJP
   B41F 21/04 20060101ALI20220131BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220131BHJP
   B65H 5/14 20060101ALI20220131BHJP
【FI】
B65H5/12 A
B41F21/04
B41J2/01 305
B65H5/14 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018102974
(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公開番号】P2019206422
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】松島 功
【審査官】飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-174262(JP,A)
【文献】特開平1-148553(JP,A)
【文献】実開昭53-158305(JP,U)
【文献】特開昭62-51449(JP,A)
【文献】独国特許発明第3935219(DE,C1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/12
B65H 5/14
B41F 21/04
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材を担持する少なくとも2つの回転部材と、
一方の前記回転部材に配置され、前記シート材の先端部を把持する第1爪部と第1爪台を含む第1把持手段と、
他方の前記回転部材に配置され、前記シート材の先端部を把持する第2爪部と第2爪台を含む第2把持手段と、を備え、
前記回転部材の軸方向において、前記第1爪台と前記第2爪台とは、前記2つの回転部材間で前記シート材を受け渡すときに端部が重なり合うように配置されている
ことを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項2】
前記第1爪台及び前記第2爪台の前記重なり合う領域には、前記第1爪部又は前記第2爪部が対向していない
ことを特徴とする請求項1に記載のシート材搬送装置。
【請求項3】
前記第1爪台は、前記第1爪台を保持している部材よりも、強度が高く、密度が高い材料で形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート材搬送装置。
【請求項4】
前記第2爪台は、前記第2爪台を保持している部材よりも、強度が高く、密度が高い材料で形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシート材搬送装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のシート材搬送装置を備えている
ことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート材搬送装置、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置として、例えば、ドラムなどの回転部材にシート材を担持して搬送しながら印刷を施すものがある。
【0003】
従来、シート材の先端をドラムに備えたグリッパで把持してドラムの周面に倣わせ、ドラムの回転でシート材を搬送し、順次、下流側のドラムに咥え替えながら搬送するものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-100891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示のグリッパにあっては、シート材を咥え替えるときにシート材のばたつきが発生し、安定した搬送を行うことができないという課題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、シート材を安定して搬送することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係るシート材搬送装置は、
シート材を担持する少なくとも2つの回転部材と、
一方の前記回転部材に配置され、前記シート材の先端部を把持する第1爪部と第1爪台を含む第1把持手段と、
他方の前記回転部材に配置され、前記シート材の先端部を把持する第2爪部と第2爪台を含む第2把持手段と、を備え、
前記回転部材の軸方向において、前記第1爪台と前記第2爪台とは、前記2つの回転部材間で前記シート材を受け渡すときに端部が重なり合うように配置されている
構成とした。
【0008】
本発明によれば、シート材を安定して搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る印刷装置の概略説明図である。
図2】同印刷装置の吐出ユニットの平面説明図である。
図3】搬送ドラムでシート材を搬送するときの挙動の説明に供する搬送ドラム周りの説明図である。
図4】搬送ドラム及び渡し胴周りの説明図である。
図5】同じく第1把持手段及び第2把持手段の平面説明図である。
図6図5の拡大説明図である。
図7図6の拡大説明図である。
図8】第1把持手段の第1例を説明する拡大説明図である。
図9】同じく第2例を説明する拡大説明図である。
図10】第2把持手段から第1把持手段へのシート材の咥え替え動作の説明に供する説明図である。
図11】同じく第1把持手段と第2把持手段で咥え替えを行っているときの斜視説明図である。
図12】シート材が薄紙であるとき及び厚紙であるときの咥え状態の説明図である。
図13】比較例における第1把持手段及び第2把持手段の部分の説明図である。
図14】本発明の第2実施形態における第1把持手段及び第2把持手段の部分の説明図である。
図15】本発明の第3実施形態における第1把持手段及び第2把持手段の部分の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明の第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は同実施形態に係る印刷装置の概略説明図、図2は同印刷装置の吐出ユニットの一例の平面説明図である。
【0011】
印刷装置1は、搬入部10と、印刷部20と、乾燥部30と、搬出部40とを備えている。印刷装置1は、搬入部10から搬入されるシート状部材であるシート材Pに対し、印刷部20で液体を付与して所要の印刷を行い、乾燥部30でシート材Pに付着した液体を乾燥させた後、シート材Pを搬出部40に排出する。
【0012】
搬入部10は、複数のシート材Pが積載される搬入トレイ11と、搬入トレイ11からシート材Pを1枚ずつ分離して送り出す給送装置12と、シート材Pを印刷部20へ送り込むレジストローラ対13とを備えている。
【0013】
給送装置12には、ローラやコロを用いた装置や、エアー吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置12により搬入トレイ11から送り出されたシート材Pは、その先端がレジストローラ対13に到達した後、レジストローラ対13が所定のタイミングで駆動することにより、印刷部20へ送り出される。
【0014】
印刷部20は、シート材Pを外周面に担持して搬送する回転部材(第1回転部材)である搬送ドラム21と、搬送ドラム21に担持されたシート材Pに向けて液体を吐出する液体吐出部22とを備えている。
【0015】
また、印刷部20は、送り込まれたシート材Pを受け取って搬送ドラム21との間でシート材Pを渡す回転部材(第2回転部材)である渡し胴24と、搬送ドラム21によって搬送されたシート材Pを乾燥部30へ受け渡す受け渡し胴25を備えている。
【0016】
搬入部10から印刷部20へ搬送されてきたシート材Pは、渡し胴24に設けられた後述する第2把持手段(シートグリッパ)52によって先端が把持され、渡し胴24の回転に伴って搬送される。渡し胴24により搬送されたシート材Pは、搬送ドラム21との対向位置で搬送ドラム21へ受け渡される。
【0017】
搬送ドラム21の表面にも第1把持手段(シートグリッパ)51が設けられており、シート材Pの先端が第1把持手段(シートグリッパ)51によって把持される。搬送ドラム21の表面には、複数の吸引孔が分散して形成されている。吸引段である吸引装置26によって搬送ドラム21の吸引口から内側へ向かう吸い込み気流を発生させる。
【0018】
そして、渡し胴24から搬送ドラム21へ受け渡されたシート材Pは、第1把持手段51によって先端が把持されるとともに、吸引装置26による吸い込み気流によって搬送ドラム21上に吸着され、搬送ドラム21の回転に伴って搬送される。
【0019】
液体吐出部22は、液体吐出手段である吐出ユニット23(23A~23F)を備えている。例えば、吐出ユニット23Aはシアン(C)の液体を、吐出ユニット23Bはマゼンタ(M)の液体を、吐出ユニット23Cはイエロー(Y)の液体を、吐出ユニット23Dはブラック(K)の液体を、それぞれ吐出する。また、吐出ユニット23F,23Fは、YMCKのいずれか、或いは、白色、金色(銀色)などの特殊な液体の吐出に使用する。さらに、表面コート液などの処理液を吐出する吐出ユニットを設けることもできる。
【0020】
吐出ユニット23は、例えば、図2に示すように、複数のノズルを配列したノズル列101を有する複数の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)100をベース部材102に配置したフルライン型ヘッドである。
【0021】
液体吐出部22の各吐出ユニット23は、印刷情報に応じた駆動信号によりそれぞれ吐出動作が制御される。搬送ドラムに担持されたシート材Pが液体吐出部22との対向領域を通過するときに、吐出ユニット23から各色の液体が吐出され、当該印刷情報に応じた画像が印刷される。
【0022】
乾燥部30は、印刷部20でシート材P上に付着した液体を乾燥させるための乾燥機構部31と、印刷部20から搬送されてくるシート材Pを吸引した状態で搬送する(吸引搬送する)吸引搬送機構部32とを備えている。
【0023】
印刷部20から搬送されてきたシート材Pは、吸引搬送機構部32に受け取られた後、乾燥機構部31を通過するように搬送され、搬出部40へ受け渡される。
【0024】
乾燥機構部31を通過するとき、シート材P上の液体には乾燥処理が施される。これにより液体中の水分等の液分が蒸発し、シート材P上に液体中に含まれる着色剤が定着し、また、シート材Pのカールが抑制される。
【0025】
搬出部40は、複数のシート材Pが積載される搬出トレイ41を備えている。乾燥部30から搬送されてくるシート材Pは、搬出トレイ41上に順次積み重ねられて保持される。
【0026】
なお、印刷装置1には、例えば、シート材Pに対して前処理を行う前処理部を印刷部20の上流側に配置したり、液体が付着したシート材Pに対して後処理を行う後処理部を乾燥部30と搬出部40との間に配置したりすることもできる。
【0027】
前処理部としては、例えば、液体と反応して滲みを抑制するための処理液をシート材Pに塗布する先塗り処理を行うものが挙げられる。また、後処理部としては、例えば、印刷部20で印刷されたシートを反転させて再び印刷部20へ送ってシート材Pの両面に印刷するためのシート反転搬送処理や、複数枚のシートを綴じる処理などを行うものが挙げられる。
【0028】
また、印刷部として液体吐出手段を備える例で説明しているが、液体吐出以外の手段で印刷を行うこともできる。
【0029】
次に、搬送ドラムでシート材を搬送するときの挙動について図3を参照して説明する。図3は同説明に供する搬送ドラム周りの説明図である。
【0030】
搬送ドラム21にはシート材Pの先端部を把持する第1把持手段51を備えている。搬送ドラム21の周面には渡し胴24の下流側に均しローラ28が配置されている。
【0031】
そして、図3(a)に示すように、渡し胴24から搬送ドラム21に渡されたシート材Pは、第1把持手段51で先端部が把持されて、均しローラ28を通過することで搬送ドラム21の周面に押し付けられる。
【0032】
次いで、図3(b)に示すように、吸引装置26による吸引口29が均しローラ28を通過した後、吸引装置26によるエアー吸引を吸引口29に作用させることで、搬送ドラム21の周面にシート材Pを密着させ、液体吐出部22の吐出ユニット23による吐出位置に向けて搬送する。
【0033】
次に、搬送ドラム及び渡し胴の把持手段について図4ないし図7を参照して説明する。図4は搬送ドラム及び渡し胴周りの説明図、図5は同じく第1把持手段及び第2把持手段の平面説明図、図6図5の拡大説明図、図7図6の拡大説明図である。
【0034】
搬送ドラム21には第1把持手段51が備えられている。第1把持手段51は、シート材Pの先端部を把持する第1爪部61と第1爪台62とを含む。渡し胴24にはシートPの先端部を把持する第2爪部63と第2爪台64とを含む。
【0035】
第1把持手段51と第2把持手段52は、図5に示すように、回転部材(搬送ドラム21、渡し胴24)の軸方向において千鳥状に配置されている。また、第1爪台62と第2爪台64との間には、両者が対向したときにギャップGが存在している。
【0036】
また、回転部材の軸方向において、シート材Pを渡し胴24から搬送ドラム21に受け渡すために、シート材Pを第2把持手段52から第1把持手段51に咥え替えるとき、第1把持手段51の第1爪台62と第2把持手段52の第2爪台64の端部が重なるように配置されている。
【0037】
つまり、図6及び図7に示すように、第1爪台62と第2爪台64は、軸方向において、シート材Pを第2把持手段51から第1把持手段51に受け渡す(咥え替える)ときに第1爪台62と第2爪台64の端部が重なる領域Sが生じるように軸方向に千鳥状に配置されている。
【0038】
このとき、第1爪部61、第2爪部62は、いずれも、第1爪台62と第2爪台64の端部が重なる領域Sでは第1爪台62、第2爪台64に対向しない領域に設けられている。
【0039】
ここで、第1把持手段の異なる例について図8及び図9を参照して説明する。図8は同第1把持手段の第1例を説明する拡大説明図、図9は同じく第2例を説明する拡大説明図である。
【0040】
図8に示す第1例の第1把持手段51では、第1爪部61は、例えば1mm以下の薄板で形成され、第1爪台62との間でシート材Pを把持する先端部61aが折り曲げられている。なお、第1爪部61の先端に突起部を設けて、突起部のみがシート材Pと接触する形状とすることもできる。
【0041】
この第1爪部61は、搬送ドラム21の周面よりも内側に配置された爪保持部材65に固定保持されている。爪保持部材65は支軸66で回転可能に配置され、爪保持部材65を介して第1爪部61を回転させるカム部材67を含むカム機構を備えている。
【0042】
これにより、第1爪部61は、カム部材67を移動させることで、先端部61aが第1爪台62との間でシート材Pを把持する(シート材を咥える)位置と、先端部61aがシート材Pから離れる(シート材を離す)位置との間で回転される。
【0043】
この場合、第1爪台62には傾斜部がなく、シート材Pを第1爪部61の先端部61aが第1爪台62との間で把持するときにシート材Pの先端部が屈曲することがない。
【0044】
また、第1爪台62の第1爪部61に対向する面は切削加工面とし、第1爪部61を切削加工面にシート材Pを介して押し当てることで、第1爪部61の曲げ加工誤差を最小限にすることができる。
【0045】
図9に示す第2例の第1把持手段51では、第1爪部61は、先端部61aの曲げ角度を所望角度よりも若干鋭角にしている。これにより、先端部61aを第1爪台62の切削加工面に押し当てて、切削加工面と同じ面精度とすることで、加工誤差を最小限とすることができる。
【0046】
なお、第1爪部61の先端部61aの曲げ角度は、90°に限らず、120°~90°の範囲内とすることができる。
【0047】
第2把持手段52の構成も、第1把持手段51と同様であり、渡し胴24には、第2把持手段52の第2爪部63を、先端部63aが第2爪台64との間でシート材Pを把持する位置と、先端部63aがシート材Pから離れる位置との間で回転するためのカム68を含むカム機構を備えている。
【0048】
次に、第2把持手段から第1把持手段へのシート材の咥え替え動作について図10ないし図12も参照して説明する。図10は同動作の説明に供する説明図、図11は同じく第1把持手段と第2把持手段で咥え替えを行っているときの斜視説明図、図12はシート材が薄紙であるとき及び厚紙であるときの咥え状態の説明図である。
【0049】
搬送ドラム21及び渡し胴24は、図10でそれぞれ矢印方向に回転しながら、渡し胴24の第2把持手段52で把持しているシート材Pの先端部を搬送ドラム21の第1把持手段51で把持する咥え替えを行う。
【0050】
このとき、渡し胴24の第2把持手段52はカム68の動作によって第2爪部63が開閉され、搬送ドラム21の第1把持手段51はカム67の動作によって第1爪部61が開閉される。これにより、シート材Pの先端部が第2把持手段52から第1把持手段51に受け渡される(これを「咥え替え」という。)。
【0051】
この咥え替えを行うとき、図10に実線図示で示すように、搬送ドラム21の第1把持手段51と渡し胴24の第2把持手段52がいずれもシート材Pの先端部を把持する(咥える)タイミングが発生する。
【0052】
この場合、第1把持手段51の第1爪台62と第2把持手段の第2爪台64とのギャップGは一定である。このとき、シート材Pが薄紙であるときには、図12(a)に示すような状態で咥え替えが行われ、シート材Pが厚紙であるときには、図12(b)に示すような状態で咥え替えが行われる。
【0053】
そして、本実施形態では、図12にも示すように、回転部材の軸方向において、第1爪台62と第2爪台64とは、2つの回転部材(渡し胴14及び搬送ドラム21)間でシート材Pを受け渡すときに端部が重なり合うように配置されている。
【0054】
したがって、シート材Pを受け渡すときに、シート材Pは第1爪台62と第2爪台64との端部間で押さえられるので、第1爪部61及び第2爪部63による爪咥え力が小さい場合であっても、ばたつきが抑制される。
【0055】
これにより、シート材Pを受け渡すときのシート材Pのばたつきが抑制されて安定した受け渡しを行うことができ、安定した搬送を行うことができる。
【0056】
ここで、比較例について図13を参照して説明する。図13は比較例における第1把持手段及び第2把持手段の部分の説明図である。
【0057】
この比較例では、回転部材の軸方向において、第1爪台62と第2爪台64とは、2つの回転部材(渡し胴14及び搬送ドラム21)間でシート材Pを受け渡すときに端部が重なり合わないように配置されている。
【0058】
この比較例では、シート材Pが薄紙であるときには、図13(a)に示すような状態で咥え替えが行われ、シート材Pが厚紙であるときには、図13(b)に示すような状態で咥え替えが行われる
【0059】
この比較例の構成では、咥え替えをおこなうときにシート材Pは第1爪台62と第2爪台64との間で押さえられないので、第1爪部61及び第2爪部63による爪咥え力が小さい場合、シート材Pの先端部のばたつきが生じやすくなる。そのため、咥え替えがスムーズに行われず、安定した搬送を行うことができなくなる場合が生じる。
【0060】
次に、本発明の第2実施形態について図14を参照して説明する。図14は同実施形態における第1把持手段及び第2把持手段の部分の説明図である。
【0061】
本実施形態では、アルミや樹脂などで形成した搬送ドラム21に、スチールなどで形成した第1爪台62を設けている。同様に、アルミや樹脂などで形成した渡し胴24に、スチールなどで形成した第2爪台64を設けている。
【0062】
つまり、搬送ドラム21から第1爪台62を分割し、第1爪部61との間でシート材Pを把持する第1爪台62を、第1爪台62を保持している搬送ドラム21よりも強度が高く、密度が高い材料で形成している。
【0063】
同様に、渡し胴24から第2爪台64を分割し、第2爪部63との間でシート材Pを把持する第2爪台64を、第2爪台64を保持している渡し胴24よりも強度が高く、密度が高い材料で形成している。
【0064】
このように、第1爪台62、第2爪台64を搬送ドラム21、渡し胴24から分割することで、軽量化を図ることができる。
【0065】
次に、本発明の第3実施形態について図15を参照して説明する。図15は同実施形態における第1把持手段及び第2把持手段の部分の説明図である。
【0066】
本実施形態では、第1爪台62、第2爪台64の軸方向で重なり合う領域Sに、復元可能に変形可能な緩衝材71、72をそれぞれ設けている。
【0067】
これにより、シート材Pが厚紙であるときに、第1爪台62と第2爪台64とでシート材Pが押されるときにシート材Pのダメージを抑制することができる。
【0068】
なお、上記実施形態においては、回転部材が搬送ドラム21と渡し胴24であり、搬送ドラム21と渡し胴24でシート材搬送装置を構成している例で説明しているがこれに限るものではない。例えば、前記印刷装置においては、受け渡し胴25と搬送ドラム21にそれぞれ把持手段を備えてシート材搬送装置を構成し、また、吸引搬送機構部32として回転部材(ローラ部材や搬送ベルト)を配置して受け渡し胴25から咥え替えでシート材Pを受け渡すシート材搬送装置を構成する場合などにも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 印刷装置
10 搬入部
20 印刷部
21 搬送ドラム(回転部材)
22 液体吐出部
23 吐出ユニット
24 渡し胴(回転部材)
25 受け渡し胴(回転部材)
26 吸着装置
51 第1把持手段
52 第2把持手段
61 第1爪部
62 第1爪台
63 第2爪部
64 第2爪台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15