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特許7017653レジスト下層膜用組成物およびこれを用いたパターン形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-31
(45)【発行日】2022-02-08
(54)【発明の名称】レジスト下層膜用組成物およびこれを用いたパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/11 20060101AFI20220201BHJP
   C08G 8/08 20060101ALI20220201BHJP
   C08G 75/045 20160101ALI20220201BHJP
   C08G 65/00 20060101ALI20220201BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20220201BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20220201BHJP
【FI】
G03F7/11 502
G03F7/11 503
C08G8/08
C08G75/045
C08G65/00
G03F7/20 521
H01L21/30 563
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021004158
(22)【出願日】2021-01-14
(65)【公開番号】P2021113972
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0006770
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】崔 有 廷
(72)【発明者】
【氏名】權 純 亨
(72)【発明者】
【氏名】朴 賢
(72)【発明者】
【氏名】白 載 烈
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲みん▼ 秀
(72)【発明者】
【氏名】▲はい▼ 信 孝
(72)【発明者】
【氏名】宋 大 錫
(72)【発明者】
【氏名】安 度 源
【審査官】倉本 勝利
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/208300(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/061774(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/208518(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/141612(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0274622(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110041345(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/11
C08G 8/08
C08G 75/045
C08G 65/00
G03F 7/20
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、下記化学式2で表される化合物、またはこれらの組み合わせ;
(B)下記化学式3で表される基および下記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、下記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体;ならびに
(C)溶媒;
を含むレジスト下層膜用組成物:
【化1】

前記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換のビニル基またはこれらの組み合わせであり、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結地点である;
【化2】

前記化学式2中、
~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、チオール基、シアノ基、置換もしくは非置換のアミノ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基、またはこれらの組み合わせである;
【化3】

前記化学式3および前記化学式4中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基、またはこれらの組み合わせである末端基であるか、前記末端基に連結された下記化学式5で表される構造単位もしくは下記化学式6で表される構造単位であるか、またはこれらの組み合わせで表される基であり、
前記化学式3で表される基または前記化学式4で表される基は、それぞれ、*で表される地点で、下記化学式7中の*で表される地点と連結する;
【化4】

前記化学式5および6中、
およびLは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
およびRは、それぞれ独立して、前記化学式3および前記化学式4で定義された通りであり、
*は、連結地点である;
【化5】

前記化学式7中、
Aは、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、またはこれらの組み合わせであり、
Xは、単一結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、-NR-(ここで、Rは水素原子、重水素原子、または炭素数1~10のアルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、オキセタン基、チオール基、カルボキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、重水素原子、および炭素数1~10のアルキル基のうちのいずれか1つであり、
は、1~10,000であり、
*は、前記化学式3で表される基もしくは前記化学式4で表される基と連結するか、または水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、オキセタン基、チオール基、カルボキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基、もしくはこれらの組み合わせと連結する地点であり、
この際、前記化学式3で表される基および前記化学式4で表される基のうちの1つ以上は、前記化学式7の*で表される地点と連結する。
【請求項2】
前記化学式1中のRおよびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換のビニル基、またはこれらの組み合わせであり、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
前記化学式2中のR~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、チオール基、シアノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のナフタレニレン基、置換もしくは非置換のビフェニルジイル基、またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項3】
前記化学式3および前記化学式4中のRおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20アルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアルケニル基、または置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基であり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基である末端基であるか、もしくは前記末端基に連結された前記化学式5で表される構造単位もしくは前記化学式6で表される構造単位であるか、あるいはこれらの組み合わせであり、
前記化学式7中、Aは、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
Xは、単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のチオアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、重水素原子、炭素数1~10のアルキル基、またはこれらの組み合わせである、請求項1または2に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項4】
前記化学式1中のRおよびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基であり、
およびLは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
前記化学式2中のR~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基であり、
は、置換または非置換のフェニレン基である、請求項1~3のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項5】
前記化学式3および前記化学式4中のRおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、またはこれらの基に前記化学式5で表される構造単位もしくは前記化学式6で表される構造単位が連結するか、あるいはこれらの組み合わせであり、
前記化学式7中、Aは、置換または非置換の炭素数1~5のアルキレン基であり、
Xは、-S-であり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のチオアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
は、炭素数1~10のアルキル基である、請求項1~4のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項6】
前記化学式1で表される構造単位を含む重合体は、下記化学式1-1で表される構造単位、下記化学式1-2で表される構造単位、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物:
【化6】

前記化学式1-1および化学式1-2中、
*は、連結地点である。
【請求項7】
前記化学式2で表される化合物は、下記化学式2-1で表される化合物である、請求項1~6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【化7】
【請求項8】
前記(B)の重合体は、下記化学式3-1~3-5で表される重合体、および下記化学式4-1~4-5で表される重合体のうちのいずれか1つである、請求項1~7のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物:
【化8-1】

【化8-2】

【化8-3】

前記化学式3-1~化学式3-5、および前記化学式4-1~化学式4-5中、nは、1~10,000であり、
前記化学式3-5中、nは、1~10,000であり、
前記化学式4-5中、nは、1~10,000である。
【請求項9】
前記レジスト下層膜用組成物は、
前記化学式1で表される構造単位を含む重合体、前記化学式2で表される化合物、またはこれらの組み合わせ;ならびに
前記化学式3で表される基および前記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、前記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体を80:20~20:80の質量比で含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項10】
前記化学式1で表される構造単位を含む重合体の重量平均分子量は、1,000g/mol~10,000g/molである、請求項1~9のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項11】
前記化学式3で表される基および前記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、前記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体の重量平均分子量は、2,000g/mol~100,000g/molである、請求項1~10のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項12】
前記化学式1で表される構造単位を含む重合体、前記化学式2で表される化合物、またはこれらの組み合わせ;ならびに
前記化学式3で表される基および前記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、前記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体の総質量は、前記レジスト下層膜用組成物の総質量を基準にして0.01質量%~5質量%である、請求項1~11のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項13】
アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂、グリコルリル系樹脂、およびメラミン系樹脂から選択される1つ以上の重合体をさらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項14】
界面活性剤、熱酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせを含む添加剤をさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物。
【請求項15】
基板の上にエッチング対象膜を形成する段階、
前記エッチング対象膜の上に請求項1~14のいずれか1項に記載のレジスト下層膜用組成物を塗布してレジスト下層膜を形成する段階、
前記レジスト下層膜の上にフォトレジストパターンを形成する段階、ならびに
前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記レジスト下層膜および前記エッチング対象膜を順次にエッチングする段階、
を含む、パターン形成方法。
【請求項16】
前記フォトレジストパターンを形成する段階は、
前記レジスト下層膜の上にフォトレジスト膜を形成する段階、
前記フォトレジスト膜を露光する段階、および
前記フォトレジスト膜を現像する段階を含む、請求項15に記載のパターン形成方法。
【請求項17】
前記レジスト下層膜を形成する段階は、前記レジスト下層膜用組成物を塗布した後、100℃~500℃の温度で熱処理する段階をさらに含む、請求項15または16に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト下層膜用組成物、およびこれを用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業は、数百ナノメートル大きさのパターンから数~数十ナノメートル大きさのパターンを有する超微細技術に発展している。このような超微細技術を実現するためには、効果的なリソグラフィック技法が必須となる。
【0003】
リソグラフィック技法は、シリコンウエハーなどの半導体基板上にフォトレジスト膜をコーティングして薄膜を形成し、その上にデバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性化照射線を照射した後に現像して、フォトレジストパターンを得る。この得られたフォトレジストパターンを保護膜にして基板をエッチング処理することによって、基板表面に上記フォトレジストパターンに対応する微細パターンを形成する加工法である。
【0004】
フォトレジストパターンの形成段階で行われる露光工程は、高解像度のフォトレジストイメージを得るための重要な要素の1つである。
【0005】
超微細パターン製造技術が要求されることによって、フォトレジストの露光に使用される活性エネルギー線としてi-線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長の活性エネルギー線が用いられている。活性エネルギー線の半導体基板からの乱反射や定在波などによる問題点を解決するために、レジストと半導体基板との間に、最適化された反射率を有するレジスト下層膜(Resist Underlayer)を用いる多くの検討が行われている。
【0006】
一方、活性エネルギー線以外に、微細パターン製造のための光源としてEUV(Extreme ultraviolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー線を用いる方法も行われている。当該光源の場合、基板からの反射は殆どないが、パターン微細化によってレジスト下層膜の厚さをさらに薄くしなければならず、形成されたパターンの崩壊現象を改善するためにレジストと下部膜質との接着性を改善する研究も広く検討されている。また、光源に対する効率を極大化させるために下層膜を通じて感度を向上させる研究も検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第2014-0085123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、微細パターニング工程でもレジストのパターン崩壊が起こらず、薄膜として形成されてエッチング工程の時間を短縮することができ、露光光源に対する感度を向上させることによってパターニング性能および効率を改善することができるレジスト下層膜用組成物を提供する。
【0009】
本発明の他の実施形態は、前記レジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、
(A)下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、下記化学式2で表される化合物、またはこれらの組み合わせ;
(B)下記化学式3で表される基および下記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、下記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体;ならびに
(C)溶媒
を含むレジスト下層膜用組成物を提供する。
【0011】
【化1】
【0012】
上記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換のビニル基、またはこれらの組み合わせであり、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結地点である;
【0013】
【化2】
【0014】
上記化学式2中、
~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、チオール基、シアノ基、置換もしくは非置換のアミノ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基、またはこれらの組み合わせである;
【0015】
【化3】
【0016】
上記化学式3および4中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基、またはこれらの組み合わせである末端基であるか、または前記末端基に連結された下記化学式5で表される構造単位もしくは下記化学式6で表される構造単位であるか、あるいはこれらの組み合わせで表される基であり、
上記化学式3で表される基または上記化学式4で表される基は、それぞれ、*で表される地点で、下記化学式7中の*で表される地点と連結される;
【0017】
【化4】
【0018】
上記化学式5および6中、
およびLは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
およびRは、それぞれ独立して、上記化学式3および上記化学式4で定義された通りであり、
*は、連結地点である;
【0019】
【化5】
【0020】
上記化学式7中、
Aは、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、またはこれらの組み合わせであり、
Xは、単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、-NR-(ここで、Rは水素原子、重水素原子、または炭素数1~10のアルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、オキセタン基、チオール基、カルボキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、重水素原子、および炭素数1~10のアルキル基のうちのいずれか1つであり、
は、1~10,000であり、
*は、前記化学式3で表される基もしくは前記化学式4で表される基と連結するか、または水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、オキセタン基、チオール基、カルボキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基、もしくはこれらの組み合わせと連結され、
この際、上記化学式3で表される基または上記化学式4で表される基のうちの1つ以上は、上記化学式7の*で表される地点と連結する。
【0021】
前記化学式1中のRおよびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換のビニル基、またはこれらの組み合わせであり、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
上記化学式2中のR~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、チオール基、シアノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のナフタレニレン基、置換もしくは非置換のビフェニルジイル基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0022】
上記化学式3および上記化学式4中のRおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアルケニル基、または置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基であり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基である末端基であるか、もしくは上記末端基に連結された上記化学式5で表される構造単位もしくは上記化学式6で表される構造単位であるか、またはこれらの組み合わせであり、
上記化学式7中、Aは、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
Xは、単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のチオアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、重水素原子、炭素数1~10のアルキル基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0023】
上記化学式1中のRおよびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基であり、
およびLは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
上記化学式2中のR~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基であり、
は、置換または非置換のフェニレン基であってもよい。
【0024】
上記化学式3および上記化学式4中のRおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基であるか、またはこれらの基に上記化学式5で表される構造単位もしくは上記化学式6で表される構造単位が連結するか、あるいはこれらの組み合わせであり、
上記化学式7中、Aは、置換または非置換の炭素数1~5のアルキレン基であり、
Xは、-S-であり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のチオアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、
は、炭素数1~10のアルキル基であってもよい。
【0025】
上記化学式1で表される構造単位を含む重合体は、下記化学式1-1で表される構造単位、下記化学式1-2で表される構造単位、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0026】
【化6】
【0027】
上記化学式1-1および化学式1-2中、
*は、連結地点である。
【0028】
上記化学式2で表される化合物は、下記化学式2-1で表される化合物であってもよい。
【0029】
【化7】
【0030】
上記(B)の重合体は、下記化学式3-1~3-5で表される重合体、および下記化学式4-1~4-5で表される重合体のうちのいずれか1つであることが好ましい。
【0031】
【化8-1】
【0032】
【化8-2】
【0033】
【化8-3】
【0034】
上記化学式3-1~化学式3-5、および上記化学式4-1~化学式4-5中、nは、1~10,000であり、
上記化学式3-5中、nは、1~10,000であり、
上記化学式4-5中、nは、1~10,000である。
【0035】
上記組成物は、上記化学式1で表される構造単位を含む重合体、上記化学式2で表される化合物、またはこれらの組み合わせ;ならびに上記化学式3で表される基および上記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、上記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体を80:20~20:80の質量比で含むことができる。
【0036】
上記化学式1で表される構造単位を含む重合体の重量平均分子量は、1,000g/mol~10,000g/molであってもよい。
【0037】
上記化学式3および上記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、上記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体の重量平均分子量は、2,000g/mol~100,000g/molであってもよい。
【0038】
上記化学式1で表される構造単位を含む重合体、上記化学式2で表される化合物、またはこれらの組み合わせ;ならびに
上記化学式3および上記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、上記化学式7で表される基が結合した構造を含む重合体の総質量は、前記レジスト下層膜用組成物の総質量を基準にして0.01質量%~5質量%で含まれてもよい。
【0039】
上記組成物は、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂、グリコルリル系樹脂、およびメラミン系樹脂から選択される1つ以上の重合体をさらに含むことができる。
【0040】
上記組成物は、界面活性剤、熱酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせを含む添加剤をさらに含むことができる。
【0041】
本発明の他の一実施形態は、
基板の上にエッチング対象膜を形成する段階、
前記エッチング対象膜の上に、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を塗布してレジスト下層膜を形成する段階、
前記レジスト下層膜の上にフォトレジストパターンを形成する段階、ならびに
前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記レジスト下層膜および前記エッチング対象膜を順次にエッチングする段階、
を含むパターン形成方法を提供する。
【0042】
前記フォトレジストパターンを形成する段階は、
前記レジスト下層膜の上にフォトレジスト膜を形成する段階、
前記フォトレジスト膜を露光する段階、および
前記フォトレジスト膜を現像する段階、を含むことができる。
【0043】
前記レジスト下層膜を形成する段階は、前記レジスト下層膜用組成物を塗布した後、100℃~500℃の温度で熱処理する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、微細パターニング工程でもレジストのパターン崩壊が起こらず、薄膜として形成されてエッチング工程の時間を短縮することができ、露光光源に対する感度を向上させることによってパターニング性能および効率を改善することができるレジスト下層膜用組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための概略断面図である。
図2】本発明の他の実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための概略断面図である。
図3】本発明の他の実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための概略断面図である。
図4】本発明の他の実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための概略断面図である。
図5】本発明の他の実施形態によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0047】
図面で様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して表し、明細書全体にわたって類似の部分については同一図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上に”あるという時、これは他の部分の“直上”にある場合だけでなくその中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。
【0048】
本明細書で別途の定義がない限り、‘置換された’とは、化合物中の水素原子がハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシ基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸やその塩、ビニル基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基、炭素数1~30のアルコキシ基、炭素数1~20のヘテロアルキル基、炭素数3~20のヘテロアリールアルキル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数3~15のシクロアルケニル基、炭素数6~15のシクロアルキニル基、炭素数3~30のヘテロシクロアルキル基、およびこれらの組み合わせから選択された置換基で置換されたことを意味する。
【0049】
また、本明細書で別途の定義がない限り、‘ヘテロ’とは、N、O、SおよびPから選択されたヘテロ原子を、それぞれ独立して1~10個含有したことを意味する。
【0050】
本明細書で特に言及しない限り、重量平均分子量は、粉体試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶かした後、Agilent Technologies社の1200seriesゲル透過クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)を用いて測定(カラムはShodex社のLF-804、標準時料はShodex社のポリスチレンを使用する)したものである。
【0051】
また、本明細書で別途の定義がない限り、‘*’は、化合物の構造単位または化合物部分(moiety)の連結地点を示す。
【0052】
以下、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物に関して説明する。
【0053】
本発明は、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長光源、またはEUV(極端紫外線、Extreme ultraviolet;波長13.5nm)など高エネルギー線を用いたフォトリソグラフィの微細パターン形成工程中に、レジストパターンの崩壊を防止し、超薄膜として塗布されてエッチング工程の時間を短縮することができ、露光光源に対する感度の向上でフォトレジストのパターニングを改善させることができるレジスト下層膜用組成物、およびこのような下層膜を用いたフォトレジストパターン形成方法に関するものである。
【0054】
具体的に、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、(A)下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、下記化学式2で表される化合物、またはこれらの組み合わせ;(B)下記化学式3で表される基および下記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、下記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体;および(C)溶媒を含む。
【0055】
【化9】
【0056】
上記化学式1中、
およびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換のビニル基、またはこれらの組み合わせであり、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
*は、連結地点である;
【0057】
【化10】
【0058】
上記化学式2中、
~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、チオール基、シアノ基、置換もしくは非置換のアミノ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基、またはこれらの組み合わせである;
【0059】
【化11】
【0060】
上記化学式3および上記化学式4中、
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基、またはこれらの組み合わせである末端基であるか、上記末端基に連結された下記化学式5で表される構造単位もしくは下記化学式6で表される構造単位であるか、またはこれらの組み合わせで表される基であり、
上記化学式3で表される基または上記化学式4で表される基は、それぞれ、*で表される地点で、下記化学式7中の*で表される地点と連結する;
【0061】
【化12】
【0062】
上記化学式5および6中、
およびLは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、
およびRは、それぞれ独立して、上記化学式3および上記化学式4で定義された通りであり、
*は、連結地点である;
【0063】
【化13】
【0064】
上記化学式7中、
Aは、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、またはこれらの組み合わせであり、
Xは、単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、-C(=O)-、-(CO)O-、-O(CO)O-、-NR-(ここで、Rは水素原子、重水素原子、または炭素数1~10のアルキル基である)、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、オキセタン基、チオール基、カルボキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素原子、重水素原子、および炭素数1~10のアルキル基のうちのいずれか1つであり、
は、1~10,000であり、
*は、上記化学式3で表される基もしくは上記化学式4で表される基と連結するか、または水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、オキセタン基、チオール基、カルボキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基、もしくはこれらの組み合わせと連結する地点であり、この際、上記化学式3で表される基および上記化学式4で表される基のうちの1つ以上は、前記化学式7の*で表される地点と連結する。
【0065】
上記の本発明の一実施形態による組成物を、フォトレジストの下部に塗布して膜を形成することによって、この膜とフォトレジストとの間の密着性が向上し、微細パターニング工程中でもレジストパターンの崩壊を防止することができ、露光光源に対する感度が向上することによって、フォトレジストのパターニング性能および効率を改善することができる。また、本発明の組成物を用いて超薄膜の下層膜を形成することができ、エッチング工程の時間を短縮することができる長所もある。
【0066】
本発明の組成物に含まれる重合体のうち、上記化学式1で表される構造単位を含む重合体または上記化学式2で表される化合物は、膜密度を向上させることができる置換された多環芳香族環基を含む。具体的には、上記化学式1で表される構造単位を含む重合体または上記化学式2で表される化合物は、電子密度の高い多環芳香族環基であるピレン(pyrene)構造を含み、薄膜の密度を向上させて緻密な構造の膜を超薄膜形態に実現することができ、EUV(極端紫外線、Extreme ultraviolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー線を用いた露光後のパターン形成時に、エネルギー効率を向上させることができる。
【0067】
上記化学式3で表される基または上記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、上記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体は、重合体内にイソシアヌレート(isocyanurate)骨格またはトリアジン骨格を含むことによってエッチング選択比に優れ、硫黄(S)を含むことができて、相対的に高い屈折率および速いエッチング速度を示すことができる。
【0068】
また、上記の基を含む重合体は、多様な官能基を選択的に置換することができ、これにより、フォトレジストとの接着力の調節が容易であって、パターンを形成するための工程を行う間にパターンの崩壊を抑制することができ、架橋度が増加して、膜密度が改善され、優れた耐薬品性を有することができる。
【0069】
上記化学式7で表される基は、柔軟な骨格構造であるため、これを含む重合体の溶解度を向上させることができる。また、重合体内にイソシアヌレート(isocyanurate)骨格またはトリアジン骨格が緻密に存在し得るので、レジスト下層膜の膜密度および超薄膜コーティング性の向上に役立つ。
【0070】
したがって、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜組成物を用いれば、接着力と耐薬品性とが改善されるとともに、薄膜のレジスト下層膜を形成することができ、これによって上部のフォトレジストに比べて速いエッチング効果を期待することができ、露光光源に対する吸光効率が向上してパターニング性能を改善することができる。
【0071】
本発明の一実施形態において、上記化学式1中のRおよびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換のビニル基、またはこれらの組み合わせであり、
およびLは、それぞれ独立して、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のヘテロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
上記化学式2中のR~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、チオール基、シアノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のナフタレニレン基、置換もしくは非置換のビフェニルジイル基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0072】
本発明の一実施形態において、上記化学式3および上記化学式4中のRおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20シクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアルケニル基、または置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基であり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のヘテロシクロアルキル基である末端基であるか、または上記末端基に連結された上記化学式5で表される構造単位もしくは上記化学式6で表される構造単位であるか、あるいはこれらの組み合わせであり、
上記化学式7中、Aは単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基、またはこれらの組み合わせであり、Xは単結合、-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)-、またはこれらの組み合わせであり、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のチオアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、Rは水素原子、重水素原子、炭素数1~10のアルキル基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0073】
本発明の一実施形態において、上記化学式1中のRおよびRは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基であり、
およびLは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリーレン基、またはこれらの組み合わせであり、
上記化学式2中のR~Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基であり、Lは置換または非置換のフェニレン基であってもよい。
【0074】
本発明の一実施形態において、上記化学式3および上記化学式4中のRおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、またはこれらの組み合わせであり、
は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数1~10のヘテロアルキル基であるか、またはこれらの基に上記化学式5で表される構造単位もしくは上記化学式6で表される構造単位が連結するか、あるいはこれらの組み合わせであり、
上記化学式7中、Aは、置換または非置換の炭素数1~5のアルキレン基であり、
Xは、-S-であり、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のチオアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、Rは炭素数1~10のアルキル基であってもよい。
【0075】
本発明の一実施形態において、上記化学式1で表される構造単位を含む重合体は、下記化学式1-1で表される構造単位、下記化学式1-2で表される構造単位、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0076】
【化14】
【0077】
上記化学式1-1および化学式1-2中、
*は、連結地点である。
【0078】
また、上記化学式2で表される化合物は、下記化学式2-1で表される化合物であってもよい。
【0079】
【化15】
【0080】
本発明の一実施形態において、前記(B)の重合体は、下記化学式3-1~3-5で表される重合体、および下記化学式4-1~4-5で表される重合体のうちのいずれか1つであってもよい。
【0081】
【化16-1】
【0082】
【化16-2】
【0083】
【化16-3】
【0084】
上記化学式3-1~3-5、および化学式4-1~4-5中、nは1~10,000であり、
上記化学式3-5中、nは1~10,000であり、
上記化学式4-5中、nは1~10,000である。
【0085】
一方、上記組成物は、上記化学式1で表される構造単位を含む重合体、上記化学式2で表される化合物、もしくはこれらの組み合わせ;ならびに上記化学式3で表される基および上記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、上記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体を、80:20~20:80の質量比で含むことができ、例えば75:25~25:75、例えば70:30~30:70、例えば65:35~35:65、例えば60:40~40:60、例えば55:45~45:55の質量比で含むことができ、これらに制限されない。上記化学式1で表される構造単位を含む重合体、上記化学式2で表される化合物、またはこれらの組み合わせと、上記化学式3で表される基または上記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、上記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体を、上記の質量比で含むことによって、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜用組成物は、フォトレジストとの接着性および膜密度が改善され、優れた品質のレジスト下層膜を提供することができる。
【0086】
上記化学式1で表される構造単位を含む重合体は、1,000g/mol~10,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。例えば、上記化学式1で表される構造単位を含む重合体は、2,000g/mol~8,000g/mol、例えば3,000g/mol~7,000g/mol、例えば4,000g/mol~5,000g/molの重量平均分子量を有することができ、これらに制限されない。上記化学式1で表される構造単位を含む重合体の重量平均分子量が1,000g/mol未満である場合、これによって製造されるレジスト下層膜の膜密度が低下して、パターニング工程を行う過程でフォトレジストパターンが破損されるか陥落されるなど、安定性が低下することがある。
【0087】
上記化学式3で表される基または上記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、上記化学式7で表される基とが結合した構造を含む重合体の重量平均分子量は、2,000g/mol~100,000g/molであってもよく、例えば、5,000g/mol~100,000g/mol、例えば10,000g/mol~100,000g/mol、例えば20,000g/mol~100,000g/mol、例えば30,000g/mol~100,000g/mol、例えば40,000g/mol~100,000g/mol、例えば50,000g/mol~80,000g/mol、例えば50,000g/mol~70,000g/molの重量平均分子量を有することができ、これらに制限されない。上記範囲の重量平均分子量を有することによって、上記重合体を含むレジスト下層膜用組成物の炭素含量および溶媒に対する溶解度を調節して最適化することができる。
【0088】
上記化学式1で表される構造単位を含む重合体、上記化学式2で表される化合物、またはこれらの組み合わせ;および上記化学式3で表される基または上記化学式4で表される基のうちの1つ以上と、上記化学式7で表されるモイエティが結合した構造を含む重合体の総質量は、レジスト下層膜用組成物の総質量を基準にして0.01質量%~5質量%であることが好ましい。この範囲で含まれることによって、レジスト下層膜の厚さ、表面粗さおよび平坦化程度を調節することができる。
【0089】
また、当該レジスト下層膜用組成物は、前述の重合体以外にも、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ノボラック系樹脂、グリコルリル系樹脂、およびメラミン系樹脂のうちの1つ以上の他の重合体をさらに含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0090】
本発明のレジスト下層膜用組成物は、追加的に、界面活性剤、熱酸発生剤、可塑剤、またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含むことができる。
【0091】
界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4級アンモニウム塩などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
熱酸発生剤としては、例えばp-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの酸性化合物および/またはベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、その他の有機スルホン酸アルキルエステルなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0093】
上記添加剤は、レジスト下層膜用組成物100質量部に対して0.001~40質量部で含まれてもよい。上記範囲で含むことによって、レジスト下層膜用組成物の光学的特性を変更せずに溶解度を向上させることができる。
【0094】
溶媒は、重合体に対する十分な溶解性または分散性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオ-ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、エチルラクテート、ガンマ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン、メチルピロリジノン、メチル2-ヒドロキシイソブチレート、アセチルアセトンおよびエチル3-エトキシプロピオネートから選択される少なくとも1つを含むことができる。
【0095】
また、本発明のレジスト下層膜用組成物は、追加的に架橋剤をさらに含むことができる。
【0096】
架橋剤としては、例えばメラミン系、置換尿素系、またはこれらのポリマー系などが挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であって、例えば、メトキシメチル化グリコルリル、ブトキシメチル化グリコルリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、メトキシメチル化チオ尿素、またはブトキシメチル化チオ尿素などの化合物を使用することができる。
【0097】
また、架橋剤としては、耐熱性の高い架橋剤を使用することができ、例えば、分子内に芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を有する架橋形成置換基を含有する化合物を使用することができる。架橋剤は、例えば、2つ以上の架橋サイト(site)を有することができる。
【0098】
本発明の他の実施形態によれば、前述のレジスト下層膜用組成物を使用して製造されたレジスト下層膜を提供する。該レジスト下層膜は、前述のレジスト下層膜用組成物を、例えば基板上にコーティングした後に、熱処理工程を通じて硬化された形態であり得る。
【0099】
以下、前述のレジスト下層膜用組成物を使用してパターンを形成する方法について、図1図5を参照して説明する。
【0100】
図1図5は、本発明によるレジスト下層膜用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための概略断面図である。
【0101】
図1を参照すれば、先ず、エッチング対象物を用意する。エッチング対象物の例としては、半導体基板100上に形成される薄膜102であり得る。以下、エッチング対象物が薄膜102である場合に限って説明する。薄膜102上に残留する汚染物などを除去するために、薄膜102の表面を前洗浄する。薄膜102は、例えばシリコン窒化膜、ポリシリコン膜、またはシリコン酸化膜であってもよい。
【0102】
次いで、洗浄された薄膜102の表面上に、上記化学式1で表される構造単位を有する重合体および溶媒を含むレジスト下層膜用組成物を、スピンコーティング方式を適用してコーティングする。
【0103】
その後、乾燥およびベーキング工程を行って、薄膜102上にレジスト下層膜104を形成する。ベーキング処理は、100℃~500℃で行うことができ、例えば100℃~300℃で行うことができる。より具体的なレジスト下層膜用組成物に関する説明は、上記で詳しく説明したため、ここでは省略する。
【0104】
図2を参照すれば、レジスト下層膜104の上にフォトレジストをコーティングしてフォトレジスト膜106を形成する。
【0105】
フォトレジストの例としては、ナフトキノンジアジド化合物とノボラック樹脂とを含有するポジ型フォトレジスト、露光によって酸を解離可能な酸発生剤、酸の存在下に分解してアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する化合物およびアルカリ可溶性樹脂を含有する化学増幅型のポジ型フォトレジスト、酸発生剤および酸の存在下に分解してアルカリ水溶液に対する溶解性が増大する樹脂を付与可能な基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する化学増幅型のポジ型フォトレジストなどが挙げられる。
【0106】
次いで、フォトレジスト膜106が形成されている基板100を加熱する第1ベーキング工程を行う。前記第1ベーキング工程は90℃~120℃の温度で行うことができる。
【0107】
図3を参照すれば、フォトレジスト膜106を選択的に露光する。
【0108】
フォトレジスト膜106を露光するための露光工程を一例として説明すれば、露光装置のマスクステージ上に所定のパターンが形成された露光マスクを位置させ、フォトレジスト膜106上に露光マスク110を整列させる。次いで、マスク110に光を照射することによって、基板100に形成されたフォトレジスト膜106の所定部位が露光マスク110を透過した光と選択的に反応するようになる。
【0109】
一例として、露光工程で使用できる光の例としては、365nmの波長を有する活性エネルギー線i線、248nmの波長を有するKrFエキシマレーザ、193nmの波長を有するArFエキシマレーザのような短波長光があり、この他にも極端紫外線に該当する13.5nmの波長を有するEUV(Extreme ultraviolet)などが挙げられる。
【0110】
露光された部位のフォトレジスト膜106aは、非露光部位のフォトレジスト膜106bに比べて相対的に親水性を有するようになる。したがって、露光された部位のフォトレジスト膜106aおよび非露光部位のフォトレジスト膜106bは、互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0111】
次いで、基板100に第2ベーキング工程を行う。第2ベーキング工程は、90℃~150℃の温度で行うことができる。第2ベーキング工程を行うことによって、露光された領域に該当するフォトレジスト膜は、特定の溶媒に溶解しやすい状態となる。
【0112】
図4を参照すれば、現像液を用いて露光された領域に該当するフォトレジスト膜106aを溶解した後、除去することによってフォトレジストパターン108を形成する。具体的に、水酸化テトラメチルアンモニウム(tetra-methyl ammonium hydroxide;TMAH)などの現像液を使用して、露光された領域に該当するフォトレジスト膜106aを溶解させた後、除去することによってフォトレジストパターン108が完成する。
【0113】
次いで、フォトレジストパターン108をエッチングマスクにして、レジスト下層膜をエッチングする。上記のようなエッチング工程で、有機膜パターン112が形成される。エッチングは、例えばエッチングガスを使用した乾式エッチングで行うことができ、エッチングガスは、例えばCHF、CF、Cl、Oおよびこれらの混合ガスを使用することができる。前述のように、本発明の一実施形態によるレジスト下層膜組成物によって形成されたレジスト下層膜は、速いエッチング速度を有するため、短時間のうちに円滑なエッチング工程を行うことができる。
【0114】
図5を参照すれば、フォトレジストパターン108をエッチングマスクとして適用して、露出された薄膜102をエッチングする。その結果、薄膜102は薄膜パターン114として形成される。先に行われた露光工程で、活性エネルギー線i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長光源を使用して行われた露光工程によって形成された薄膜パターン114は、数十nm~数百nmの幅を有することができ、EUV光源を使用して行われた露光工程によって形成された薄膜パターン114は、20nm以下の幅を有することができる。
【実施例
【0115】
以下、前述の重合体の合成、および重合体を含むレジスト下層膜用組成物の製造に関する実施例を通じて、本発明をさらに詳細に説明する。しかし、下記実施例によって、本発明が技術的に限定されるものではない。
【0116】
合成例
(合成例1)
フラスコに2-ヒドロキシナフタレン 14.4g、1-ヒドロキシピレン 21.8g、p-ホルムアルデヒド 6g、p-トルエンスルホン酸 1.9g、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 100gを添加した後、85℃で10時間攪拌した。反応終了後、メタノールと水とを添加して沈殿を形成しその後ろ過することを繰り返して残っている単量体を除去した。これにより、下記化学式1aaで表される構造単位を含む重合体を得た(重量平均分子量(Mw)=3,500g/mol)。
【0117】
【化17】
【0118】
上記化学式1aa中、*は連結地点である。
【0119】
(合成例2)
フラスコに1-ヒドロキシナフタレン 14.4g、1-ヒドロキシピレン 21.8g、1,4-ビス(メトキシメチル)ベンゼン 33.2g、ジエチルスルフェート 1.5g、およびプロピレングリコールアセテート 50gを添加した後、100℃で8時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン、メタノールおよび水を添加して沈殿法によって残っている単量体を除去し、下記化学式1bbで表される構造単位を含む重合体を得た(重量平均分子量(Mw)=6,000g/mol)。
【0120】
【化18】
【0121】
上記化学式1bb中、*は連結地点である。
【0122】
(合成例3)
第1段階:フリーデルクラフツアシル化(Friedel-Crafts Acylation)反応
フラスコに1,4-ベンゼンジカルボニルクロリド 27.3g、メトキシピレン 65.5g、および1,2-ジクロロエタン 496gを添加した。この溶液にアルミニウムクロリド 17.9gを徐々に添加した後、常温で12時間攪拌した。反応が完結したらメタノールを添加し、形成した沈殿をろ過して乾燥し、化合物を得た。
【0123】
第2段階:脱メチル化(demethylation)反応
フラスコに上記第1段階で得られた化合物 6.00g、1-ドデカンチオール 10.13g、水酸化カリウム 3.37g、およびN,N-ジメチルホルムアミド 30.3gを添加した後、120℃で8時間攪拌した。反応混合物を冷却して、5%塩酸溶液でpH6~7程度に中和した後、形成した沈殿をろ過して乾燥し、脱メチル化化合物を得た。
【0124】
第3段階:還元(reduction)反応
フラスコに上記第2段階で得られた脱メチル化化合物 4.00gとテトラヒドロフラン 28.5gとを添加した。この溶液に、水素化ホウ素ナトリウム 5.29g水溶液を徐々に添加して、24時間常温で攪拌した。
【0125】
反応が終了したら、5%塩酸溶液でpH7程度に中和し、酢酸エチルで抽出および乾燥して、下記化学式2aaで表される化合物を得た。
【0126】
【化19】
【0127】
(合成例4)
500mlの3口丸底フラスコに、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン(1,3,5-triallyl-1,3,5-triazinane-2,4,6-trione)24.9g、5-メルカプトペンタノール(5-mercapto pentanol)8.4g、AIBN(azobisisobutyronitrile)2.3g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)15.9gを投入しコンデンサを連結した。80℃で16時間反応を行った後、反応液を常温に冷却した。反応液を、水800gが入っている1L広口瓶に攪拌しながら滴下してガム(gum)を生成させた後、テトラヒドロフラン(THF)80gに溶解させた。溶解されたレジン溶液は、トルエンを使用して沈殿物を形成させて単分子および低分子を除去した。最終的に、下記化学式3aaで表される構造単位を含む重合体15g(重量平均分子量(Mw)=20,000g/mol)を得た。
【0128】
【化20】
【0129】
(合成例5)
500mlの3口丸底フラスコに、1,3-ジアリル-5-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(1,3-diallyl-5-(2-hydroxyethyl)isocyanurate)25.3g、プロパン-1-チオール(propane-1-thiol)5.3g、AIBN(azobisisobutyronitrile)1.3g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)15.9gを投入しコンデンサを連結した。80℃で25時間反応を行った後、反応液を常温に冷却した。反応液を、水800gが入っている1L広口瓶に攪拌しながら滴下して、ガム(gum)を生成させた後、テトラヒドロフラン(THF)80gに溶解させた。溶解されたレジン溶液は、トルエンを使用して沈殿物を形成させて単分子および低分子を除去した。最終的に、下記化学式3bbで表される構造単位を含む重合体15g(重量平均分子量(Mw)=6,000g/mol)を得た。
【0130】
【化21】
【0131】
(合成例6)
500mlの2口丸底フラスコに、1,3-ジアリル-5-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(1,3-diallyl-5-(2-hydroxyethyl)isocyanurate)25.3g、ブタン-1-チオール(butane-1-thiol)7.3g、AIBN(azobisisobutyronitrile)1.3g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)15.9gを投入しコンデンサを連結した。80℃で25時間反応を行った後、反応液を常温に冷却した。反応液を、水800gが入っている1L広口瓶に攪拌しながら滴下して、ガム(gum)を生成させた後、テトラヒドロフラン(THF)80gに溶解させた。溶解されたレジン溶液は、トルエンを使用して沈殿物を形成させて単分子および低分子を除去した。最終的に、下記化学式3ccで表される構造単位を含む重合体15g(重量平均分子量(Mw)=9,000g/mol)を得た。
【0132】
【化22】
【0133】
(合成例7)
500mlの2口丸底フラスコに、1,3-ジアリル-5-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(1,3-diallyl-5-(2-hydroxyethyl)isocyanurate)25.3g、2-メルカプトエタノール(2-mercapto ethanol)3.9g、AIBN(azobisisobutyronitrile)1.3g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)15.9gを投入しコンデンサを連結した。80℃で25時間反応を行った後、反応液を常温に冷却した。反応液を、水800gが入っている1L広口瓶に攪拌しながら滴下して、ガム(gum)を生成させた後、テトラヒドロフラン(THF)80gに溶解させた。溶解されたレジン溶液は、トルエンを使用して沈殿物を形成させて単分子および低分子を除去した。最終的に、下記化学式3ddで表される構造単位を含む重合体15g(重量平均分子量(Mw)=7,000g/mol)を得た。
【0134】
【化23】
【0135】
(合成例8)
500mlの2口丸底フラスコに、1,3-ジアリル-5-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(1,3-diallyl-5-(2-hydroxyethyl)isocyanurate)25.3g、1,5-ペンタンジチオール(1,5-pentanedithiol)10.9g、AIBN(azobisisobutyronitrile)1.3g、およびN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)15.9gを投入しコンデンサを連結した。80℃で16時間反応を行った後、2-メルカプトプロパノール(2-mercaptopropanol)3.9gとAIBN(azobisisobutyronitrile)1.3gとを投入して8時間追加反応を行った後に、反応液を常温に冷却した。反応液を、水800gが入っている1L広口瓶に攪拌しながら滴下して、ガム(gum)を生成させた後、テトラヒドロフラン(THF)80gに溶解させた。溶解されたレジン溶液は、トルエンを使用して沈殿物を形成させて単分子および低分子を除去した。最終的に、下記化学式3eeで表される構造単位を含む重合体15g(重量平均分子量(Mw)=3,500g/mol)を得た。
【0136】
【化24】
【0137】
レジスト下層膜用組成物の製造
(実施例1~9および比較例1~2)
合成例1~8で製造した重合体(または化合物)を、下記表1のような比率で0.5g投入し、PD1174(TCI社;硬化剤)0.125g、およびピリジニウムパラ-トルエンスルホネート(PPTS)0.01gと共にプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび乳酸エチルの混合溶媒(混合体積比=7:3)に完全に溶解させることによって、実施例1~9および比較例1~2によるレジスト下層膜用組成物をそれぞれ製造した。
【0138】
【表1】
【0139】
(コーティング均一性(Coating uniformity)評価)
実施例1~9および比較例1で製造した組成物をそれぞれ2mlずつ取って、8インチウエハーの上にそれぞれ塗布した後、auto track(TEL社ACT-8)を用いて、main spin速度1,500rpmで20秒間スピンコーティングを行った後、210℃で90秒間硬化して、250Å厚さの薄膜を形成した。
【0140】
また、上記で製造された組成物を追加希釈後、上記のようにスピンコーティングおよび硬化して、厚さ50Åの超薄膜を形成した。
【0141】
膜の表面の51個の位置で膜の厚さを測定し、コーティング均一性(coating uniformity)を評価し、その結果を下記表2に示した。コーティング均一性は、51個の厚さの測定値のうちの最大値と最小値との差(Å)を表記した。値が小さいほどコーティング均一性に優れることを意味する。
【0142】
【表2】
【0143】
表2を参照すれば、実施例1~9によるレジスト下層膜用組成物の場合、比較例1によるレジスト下層膜用組成物と比較してコーティング均一性が優れているのを確認することができる。
【0144】
(膜密度評価)
シリコン基板の上に実施例1~9および比較例2によるレジスト下層膜用組成物をそれぞれスピンオンコーティング方法で塗布した後、ホットプレートの上で210℃、90秒間熱処理して、約100nm厚さのレジスト下層膜を形成した。
【0145】
次いで、得られたレジスト下層膜の密度を測定し、その結果を表3に示した。レジスト下層膜の密度は、X-Ray Diffractometer(Model:X’Pert PRO MPD、Panalytical社(Netherlands)製)を使用して測定した。
【0146】
【表3】
【0147】
表3を参照すれば、実施例1~9によるレジスト下層膜用組成物を使用して形成された膜は、比較例2によるレジスト下層膜用組成物を使用して形成された膜より膜密度が高いのが分かる。これは、実施例1~9によるレジスト下層膜用組成物に含まれている置換された多環芳香族環基を含む重合体(または化合物)とヘテロ環構造を含む重合体とのすべて、すなわち両者のすべてを含むことによって膜密度が向上したためであると推定される。
【0148】
表3の結果から、実施例1~9によるレジスト下層膜用組成物を使用した場合、比較例と比較して、さらに緻密な構造の膜を形成できることが分かる。
【0149】
(露光特性評価)
実施例1~9および比較例2で製造した組成物を、それぞれスピンオンコーティング方法で塗布した後、ホットプレートの上で210℃、90秒間熱処理して約10nm厚さのレジスト下層膜を形成した。
【0150】
その後、フォトレジスト下層膜の上に、フォトレジスト溶液をスピンオンコーティング方法で塗布した後、ホットプレートの上で、110℃で1分間熱処理してフォトレジスト層を形成した。フォトレジスト層をe-beam露光器(Elionix社製)を使用して加速電圧100keVで露光した後、110℃で60秒間熱処理した。次いで、フォトレジスト層を、23℃でテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38質量%水溶液で現像した後、純水で15秒間リンスして、ラインアンドスペース(line and space、L/S)のフォトレジストパターンを形成した。
【0151】
その次に、フォトレジストパターンの最適露光量を評価し、その結果を表4に示した。ここで、100nmのラインアンドスペースを1:1に解像する露光量を最適露光量(Optimum energy)(Eop、μC/cm)とし、下記表4の値は比較例2のEopに対する相対的な値で表記した。
【0152】
【表4】
【0153】
表4を参照すれば、実施例1~9によるフォトレジスト下層膜用組成物を使用してレジスト下層膜を形成した場合、比較例2に比べて、フォトレジストパターンの最適露光量が全て優れることを確認することができる。
【0154】
したがって、表4の結果から、実施例1~9によるレジスト下層膜用組成物を使用する場合、比較例と比較してさらに優れた感度を有するフォトレジストパターンを形成できることが分かる。
【0155】
以上、本発明の特定の実施例が説明され図示されたが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せず多様に修正および変形できるのは、この技術の分野における通常の知識を有する者に自明なことである。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的な思想や観点から個別的に理解されてはならず、変形された実施例は、本発明の特許請求の範囲に属するとしなければならないはずである。
【符号の説明】
【0156】
100 基板、
102 薄膜、
104 レジスト下層膜、
106 フォトレジスト膜、
108 フォトレジストパターン、
110 マスク、
112 有機膜パターン、
114 薄膜パターン。
図1
図2
図3
図4
図5