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特許7018970撮像ベースオーバーレイ及び散乱計測ベースオーバーレイのためのハイブリッドオーバーレイ標的設計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-03
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】撮像ベースオーバーレイ及び散乱計測ベースオーバーレイのためのハイブリッドオーバーレイ標的設計
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20220204BHJP
【FI】
G01B11/00 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019570044
(86)(22)【出願日】2018-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 US2018037430
(87)【国際公開番号】W WO2018236653
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】62/521,782
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/995,731
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレディ デビッド
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-537317(JP,A)
【文献】特表2017-538157(JP,A)
【文献】特表2017-503195(JP,A)
【文献】特表2016-539370(JP,A)
【文献】特表2014-529896(JP,A)
【文献】特表2012-514871(JP,A)
【文献】特開2002-231616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0177135(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
撮像光学システムによってチャック上のウェハのオーバーレイ標的を取得するステップであって、それにより取得画像を形成し、前記オーバーレイ標的が、撮像ベースオーバーレイ標的設計内の格子及び散乱計測ベースオーバーレイ標的設計内の格子を含み、前記撮像ベースオーバーレイ標的設計内の格子が並列格子構造であり、前記散乱計測ベースオーバーレイ標的設計内の格子が格子上格子構造である、ステップと、
記撮像光学システムからの第1の照明ビームによって前記オーバーレイ標的を測定するステップと前記散乱計測システムからの第2の照明ビームによって前記オーバーレイ標的を測定するステップとにより、前記取得画像を得る際に、前記第1の照明ビーム及び前記第2の照明ビームによる測定の間に、前記撮像ベースオーバーレイ標的設計と前記散乱計測ベースオーバーレイ標的設計は同一視野内にある、方法。
【請求項2】
前記散乱計測システムによる前記測定するステップは、前記撮像光学システムによる前記測定するステップの前にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記散乱計測ベースオーバーレイ標的設計は、前記撮像ベースオーバーレイ標的設計と比べて異なる限界寸法を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記撮像ベースオーバーレイ標的設計及び前記散乱計測ベースオーバーレイ標的設計は、それぞれ、前記オーバーレイ標的の2つの隣接した層上に配設されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記2つの隣接した層のうちの1つの層上の前記撮像ベースオーバーレイ標的設計のためのパターンは、前記2つの隣接した層のうちの別の層上の前記撮像ベースオーバーレイ標的設計と異なる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記撮像ベースオーバーレイ標的設計と前記散乱計測ベースオーバーレイ標的設計とは、前記オーバーレイ標的のセル内にあって、共通の方向軸線に沿って指向させられており、複数の前記セルが前記オーバーレイ標的上にあり、セルのうちの2つは、互いに垂直である方向軸線を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記撮像光学システムによる前記測定するステップと前記散乱計測システムによる前記測定するステップとは、少なくとも部分的に同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
システムであって、
オーバーレイ標的を有するウェハを保持するように構成されたチャックを備え、前記オーバーレイ標的が、撮像ベースオーバーレイ標的設計内の格子及び散乱計測ベースオーバーレイ標的設計内の格子を含み、前記撮像ベースオーバーレイ標的設計内の格子が並列格子構造であり、前記散乱計測ベースオーバーレイ標的設計内の格子が格子上格子構造であ
第1の照明源により前記チャック上の前記オーバーレイ標的を測定するように構成された撮像光学システムと、
第2の照明源により前記チャック上の前記オーバーレイ標的を測定するように構成された散乱計測システムと、
前記撮像光学システム及び前記散乱計測システムと電気通信しているプロセッサと、
を備え、前記撮像光学システムと前記散乱計測システムとが、同じ前記オーバーレイ標的を測定するように構成されており、前記撮像ベースオーバーレイ標的設計と前記散乱計測ベースオーバーレイ標的設計が前記撮像光学システムと前記散乱計測システムの同一視野内にある、システム。
【請求項9】
前記撮像光学システムによって前記チャック上の前記オーバーレイ標的を取得し、それにより取得画像を形成するように構成された撮像光学システム取得モジュールを更に備え、前記撮像光学システムは、前記取得画像を用いる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記撮像光学システムと前記散乱計測システムとは、前記オーバーレイ標的を少なくとも部分的に同時に測定するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オーバーレイ計測に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2017年6月19日出願された仮特許出願及び譲渡された米国特許出願第62/521,782号に対する優先権を主張し、この出願についての開示が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
様々な製造及び生産環境において、試料の様々な層間での又はかかる試料の特定の層内部での整列を制御する必要がある。例えば、半導体製造産業では、電子デバイスが、一連の層を基板上に製作することによって生成されてもよい。層のうちの一部又は全部が、様々な構造を含んでもよい。特定の層内部での及び別の層内の構造に対する、かかる構造の相対位置が、完成した電子デバイスの性能に影響を及ぼす。
【0004】
かかる試料内部での構造の相対位置がオーバーレイと呼ばれてもよい。ウェハ上の連続パターン層の間のオーバーレイ誤差についての測定が、集積回路製造における重要なプロセス制御技術である。オーバーレイ精度は、概して、第1パターン層がそれの上又は下に配設された第2パターン層に対してどの程度正確に整列しているかについての決定、及び第1パターンが同じ層に配設された第2パターンに対してどの程度正確に整列しているかについての決定に関係する。
【0005】
計測プロセスが半導体製造プロセス中の様々なステップにおいて用いられて、1つ又は複数の半導体層プロセスを監視及び制御する。オーバーレイ誤差は、監視及び制御されている特徴のうちの1つのものである。オーバーレイ誤差は、典型的には、加工物(例えば、半導体ウェハ)の1つ又は複数の層に形成された構造を有するオーバーレイ標的によって決定される。2つの層又はパターンが適切に形成されている場合、1つの層又はパターンにおける構造は、別の層又はパターンにおける構造に対して整列している傾向にある。2つの層又はパターンが適切に形成されていない場合、1つの層又はパターンにおける構造が、別の層又はパターンにおける構造に対してオフセットされているか又は不整列である傾向にある。オーバーレイ誤差は、半導体製造プロセスの異なる段階において用いられるパターンのうちの任意のパターンの間の不整列である。
【0006】
オーバーレイ計測標的は、2つ以上の層の間の位置合せを測定するためにプリントされる。ウェハにおける構造は、格子の形式をとり、これらの格子は周期的であってもよい。2つの層又はパターンが適切に形成されている場合、1つの層又はパターンにおける構造が、別の層又はパターンにおける構造に対して整列していてもよい。散乱計測オーバーレイ測定と撮像ベースオーバーレイ測定とは、それらの異なる測定方法に基づいて異なる標的設計を用いる。
【0007】
オーバーレイを測定するための様々な技術及びプロセスが、多様な成功度を伴って開発及び利用されてきた。ごく最近、様々な努力が、オーバーレイ計測のための基礎として放射散乱計測を利用することに集中されてきた。オーバーレイ計測は、リソグラフィパターン化を可能にするのを助ける技術になった。オーバーレイ測定は、様々なアルゴリズムによって行われ、これらのアルゴリズムは、標的の非対称性からオーバーレイ関係を抽出する。オーバーレイ計測標的は、オーバーレイが反射信号内に非対称の特徴的特性を引き起こすような態様で設計される。
【0008】
オーバーレイ誤差が観測されると、オーバーレイ測定値を用いて、補正を適用し、オーバーレイ誤差を所望の限度内に維持してもよい。例えば、オーバーレイ測定値が、スキャナ補正及び別の統計を算出する分析ルーチンに供給されてもよく、これらがオペレータによって用いられて、プロセス内で用いられるリソグラフィツールをよりよく整列させてもよい。典型的な製作作業において、半導体製造プロセスは、ロットと呼ばれるバッチにおいて実行される。ロット又はウェハロットは、単一のグループとして一緒に処理されるウェハの量として規定される。従来のオーバーレイ監視装置及び制御技術は、通常、単一の組のスキャナ補正を得て、同じロット内の全てのウェハに対して同じ組のものを適用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2004/0137651号
【文献】米国特許出願公開第2016/0313658号
【文献】国際公開第2004/076963号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来技術は、撮像ベース及び/又は散乱計測ベース標的であって、それぞれの1つをウェハ上の異なる位置において用いた。これらは、別個に測定された。異なる位置での2つの異なる標的の使用は、チップ面積を増加させ、計測のコストを増加させ、ウェハ上の利用可能スペースを低減させる。
【0011】
更に、散乱計測オーバーレイ測定と撮像ベースオーバーレイ測定とは、異なる測定シーケンスにおいて作動し、撮像及び散乱計測測定方法のうちの一方だけが一度に用いられる。2つの異なる標的を用いるとき、2つの測定シーケンスが必要である。このことは、例えば、異なる位置への移動又はウェハ整列(例えば、0及び180度)のためのより長い測定時間をもたらす。
【0012】
そのため、改善されたオーバーレイ標的、オーバーレイ標的を測定する方法及び関係する測定システムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
オーバーレイ標的が、第1実施形態において開示される。オーバーレイ標的は、並列格子構造を含むセル内の撮像ベースオーバーレイ標的設計と、格子上格子構造を含むセル内の異なる位置にある散乱計測ベースオーバーレイ標的設計と、を含む。格子上格子構造内の格子は、互いに対してシフトさせられている。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計は、撮像ベースオーバーレイ標的設計と比べて異なるピッチを有する。
【0014】
散乱計測ベースオーバーレイ標的設計は、撮像ベースオーバーレイ標的設計と比べて異なる限界寸法を有してもよい。
【0015】
撮像ベースオーバーレイ標的設計及び散乱計測ベースオーバーレイ標的設計は、それぞれ、オーバーレイ標的の2つの隣接した層上に配列されてもよい。一例では、2つの隣接した層のうちの1つの層上の撮像ベースオーバーレイ標的設計のためのパターンが、2つの隣接した層のうちの別の層上の撮像ベースオーバーレイ標的設計と異なる。
【0016】
撮像ベースオーバーレイ標的設計と散乱計測ベースオーバーレイ標的設計とは、オーバーレイ標的のセル内にあってもよく、共通の方向軸線に沿って指向させられてもよい。オーバーレイ標的上に複数のセルがあってもよい。セルのうちの2つが、互いに垂直である方向軸線を有してもよい。
【0017】
方法が、第2実施形態において提供される。方法は、撮像光学システムによってチャック上のウェハのオーバーレイ標的を取得することを含む。これは、取得画像を形成する。オーバーレイ標的は、撮像ベースオーバーレイ標的設計と、散乱計測ベースオーバーレイ標的設計と、を含む。オーバーレイ標的は、取得画像を用いて撮像光学システムによって測定される。オーバーレイ標的は、取得画像を用いて散乱計測システムによって測定される。
【0018】
散乱計測システムによる測定は、撮像光学システムによる測定の前であってもよい。
【0019】
散乱計測ベースオーバーレイ標的設計は、撮像ベースオーバーレイ標的設計と比べて異なる限界寸法を有してもよい。
【0020】
撮像ベースオーバーレイ標的設計及び散乱計測ベースオーバーレイ標的設計は、それぞれ、オーバーレイ標的の2つの隣接した層上に配設されてもよい。一例では、2つの隣接した層のうちの1つの層上の撮像ベースオーバーレイ標的設計のためのパターンが、2つの隣接した層のうちの別の層上の撮像ベースオーバーレイ標的設計と異なる。
【0021】
撮像ベースオーバーレイ標的設計と散乱計測ベースオーバーレイ標的設計とは、オーバーレイ標的のセル内にあってもよく、そして、共通の方向軸線に沿って指向させられてもよい。複数のセルが、オーバーレイ標的上にあってもよい。セルのうちの2つが、互いに垂直である方向軸線を有してもよい。
【0022】
撮像光学システムによって測定することと散乱計測システムによって測定することとは、少なくとも部分的に同時に行われてもよい。
【0023】
システムが、第3実施形態において提供される。システムは、オーバーレイ標的を有するウェハを保持するように構成されたチャックと、チャック上のオーバーレイ標的を測定するように構成された撮像光学システムと、チャック上のオーバーレイ標的を測定するように構成された散乱計測システムと、撮像光学システム及び散乱計測システムと電子通信するプロセッサと、を含む。オーバーレイ標的は、撮像ベースオーバーレイ標的設計と、散乱計測ベースオーバーレイ標的設計と、を含む。撮像光学システムと散乱計測システムとは、同じオーバーレイ標的を測定するように構成されている。
【0024】
システムは、撮像光学システムによってチャック上のオーバーレイ標的を取得し、それにより取得画像を形成するように構成された撮像光学システム取得モジュールを含んでもよい。撮像光学システム及び散乱計測システムは、取得画像を用いてもよい。
【0025】
撮像光学システムと散乱計測システムとは、少なくとも部分的に同時にオーバーレイ標的を測定するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の性質及び目的についてのより完全な理解のために、添付図面とともに以下の詳細な説明に参照がなされなければならない。
図1】本開示に従うオーバーレイ標的の第1実施形態についてのブロック図である。
図2】オーバーレイ標的の第1実施形態の第1層についてのブロック図である。
図3】オーバーレイ標的の第1実施形態の第2層についてのブロック図である。
図4】本開示に従うオーバーレイ標的の第2実施形態についてのブロック図である。
図5】本開示に従うオーバーレイ標的の第3実施形態についてのブロック図である。
図6】本開示に従うオーバーレイ標的の第4実施形態についてのブロック図である。
図7】本開示に従う方法についてのブロック図である。
図8】本開示に従うシステムの実施形態についてのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
クレームされた主題が特定の実施形態に関して記載されることになるけれども、本明細書で述べる利点及び特徴の全てを提供するわけではない実施形態を含む別の実施形態も、また、本開示の範囲内にある。様々な構造的、論理的、プロセスステップ及び電子的変更が、本開示の範囲から逸脱することなく成されてもよい。したがって、本開示の範囲は、添付クレームへの参照だけによって規定される。
【0028】
オーバーレイ標的は、典型的に、集積回路上の不経済な位置を占める。半導体メーカは、通常、これらのオーバーレイ標的の測定時間及びウェハ面積を減少させようとする。ウェハ上のスペースが節約されてもよく、測定時間が速められてもよく、そして、2つの技術からの結果についての比較が、撮像ベース標的と散乱計測ベース標的とを組み合わせることによって実行されてもよい。したがって、2つの標的を集積回路の領域内に含むこと、及び両方のオーバーレイ標的を同時に測定することが、利点を半導体製造プロセスに提供することになる。
【0029】
本開示の実施形態は、ハイブリッドオーバーレイ計測標的を含み、それは、オーバーレイ標的のための集積回路上の面積及び測定時間の両方を低減してもよい。撮像オーバーレイ測定のための散乱計測オーバーレイ取得が、用いられてもよい。
【0030】
撮像ベースオーバーレイ標的と散乱計測ベースオーバーレイ標的とは、典型的に、異なるターゲット設計において測定される。撮像ベースオーバーレイ標的設計は、並列格子に基づいてもよい。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計は、格子が互いに対してシフトさせられている格子上格子構造に基づいてもよい。撮像ベースオーバーレイ標的設計と散乱計測ベースオーバーレイ標的設計とは、同じピッチを有していなくてもよい。本明細書で開示した実施形態は、撮像ベースオーバーレイ標的及び散乱計測ベースオーバーレイ標的の両方を有する標的領域を含むハイブリッドオーバーレイ標的設計を含む。この設計は、散乱計測ベース測定の取得画像についての撮像ベースオーバーレイ測定を可能にすることによって測定時間を低減してもよい。
【0031】
撮像ベースオーバーレイ標的と散乱計測ベースオーバーレイ標的とは、独立してプリントされてもよい。撮像ベースオーバーレイ標的と散乱計測ベースオーバーレイ標的とは、異なる位置にプリントされてもよく、そして、2つの異なる測定シーケンスによって測定される。ハイブリッド標的設計をプリントすることが、それぞれの標的が依然としてそれ自身のピッチ及び限界寸法特徴を有してもよい場合、標的の面積を低減させてもよく、測定時間を低減してもよく、そしてハイブリッド光学撮像及び散乱計測ツールを可能にしてもよい。測定時間は、ハイブリッド標的まで一度だけ移動すること、及び取得画像を用いることによって低減されてもよく、この取得画像は、通常、散乱計測測定のため、撮像ベース測定のためにとられる。このように、撮像ベースオーバーレイ標的測定は、実際に、散乱計測ベースオーバーレイ標的測定と同時に行われる。
【0032】
図1は、オーバーレイ標的100の第1実施形態についてのブロック図である。オーバーレイ標的100は、複数のセル101(点線で輪郭を示す)を含む。4つのセル101が示されているが、異なる数のセルが可能である。4つのセル101は、2層オーバーレイ測定に用いられてもよく、それらは、それぞれの方向(X又はY)に対して2つを含む。3つの層が測定される場合、より多くのセルが含まれてもよい。例えば、3つの層が用いられる場合、撮像ベース標的が、2組の代わりに3組の格子を有してもよいけれども、それでも4つのセル内にあってもよい。別の例では、3つの層が測定される場合、それぞれの方向に対して4つである、8つのセルが存在してもよい。3つの層の例は、散乱計測に用いられてもよい。
【0033】
オーバーレイ標的100のそれぞれのセル101は、散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102(点線で輪郭を示す)と、撮像ベースオーバーレイ標的設計103(点線で輪郭を示す)と、を含む。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102と撮像ベースオーバーレイ標的設計103とは、オーバーレイ標的領域104のセル101内の異なる位置にある。
【0034】
散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102は、格子上格子構造を含む。格子上格子構造内の格子105は、互いに対してシフトさせられている。格子105の周期(ピッチ)は、所与の方向について、散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102の全ての層に対して同じであり、そして、測定されるウェハの構造及び材料組成、並びに測定ツール照明構成に基づいて決定される。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102について、ピッチ値は、照明源波長のオーダであってもよく、それは、約数百ナノメートルであってもよい。格子ピッチの下限が、物理回折限界によって支配されてもよく、一方、上限が、照明条件、波長又は入射角によって決定されてもよい。
【0035】
撮像ベースオーバーレイ標的設計103は、並列格子構造106を含む。並列格子構造106内の格子は、必ずしも同じ周期(ピッチ)を有するというわけではない。それぞれの格子周期は、ウェハ構造及び材料組成、並びに測定ツール構成及び性能に従って決定されてもよい。撮像ベースオーバーレイ標的設計103についての格子ピッチの典型値は、数マイクロメートルまでの数百ナノメートルであってもよい。標的ピッチについての下限が、物理回折限界によって支配されてもよく、そして、上限は、より大きいピッチ値が所与の標的サイズ及びリソグラフィプロセスに対するより小さいバーを意味するので、情報量によって拘束されることがある。
【0036】
散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102は、撮像ベースオーバーレイ標的設計103と比べて異なるピッチを有してもよい。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102についての標的ピッチは、ほぼ波長のオーダのものであってもよいけれども、それからあまりに乖離してはならない。撮像ベースオーバーレイ標的設計103について、ピッチは、波長よりもずっと長くてもよいけれども、波長よりも短くてはならない。
【0037】
散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102は、撮像ベースオーバーレイ標的設計103と比べて異なる限界寸法を有してもよい。それぞれの方向について、それぞれの標的は、2つのセルから構成されている。それぞれのセルは、それぞれの標的、散乱計測及び撮像のための2つの格子を有する。対応する格子は、同じ限界寸法を有してもよいけれども、セル内の限界寸法は、2つの格子の間で異なってもよい。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102と撮像ベースオーバーレイ標的設計103とは、異なる限界寸法を有してもよい。
【0038】
撮像ベースオーバーレイ標的設計103と散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102とは、オーバーレイ標的100のセル101内にあり、そして、共通の方向軸線に沿って指向させられてもよいか、又は異なる方向軸線に沿って指向させられてもよい。例えば、セル101(それの周りに点線を有する)内の撮像ベースオーバーレイ標的設計103及び散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102は、X軸に沿って指向させられている。隣接する領域101は、撮像ベースオーバーレイ標的設計103と、異なる軸線に沿って指向させられた散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102と、を含んでもよい。方向は、バーに垂直な方向として画定されてもよい。
【0039】
セル101のうちの2つは、互いに垂直である方向軸線を有してもよい。
【0040】
撮像ベースオーバーレイ標的設計103と散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102とは、同じ方向を共有してもよく、又は同じ方向を共有しなくてもよい。設計は、単一方向が散乱計測(撮像)ベースを用いて測定され、そして別の方向が撮像(散乱計測)を用いて測定されるようなものであってもよい。このシナリオは、両方の方向が異なる層結合を測定するときに生じてもよい。
【0041】
撮像ベースオーバーレイ標的設計103及び散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102は、それぞれ、オーバーレイ標的の2つの隣接した層上に配設されてもよい。図2は、オーバーレイ標的100の第1実施形態の第1(例えば、底)層についてのブロック図であり、図3は、オーバーレイ標的100の第1実施形態の第2(例えば、最上)層についてのブロック図である。オーバーレイ標的100の第1層と第2層とは、別個に形成されてもよい。第1及び第2層の特定の位置調整は、この例において説明されたものから変化してもよい。したがって、第1層は、最上層であってもよく、第2層は、底層であってもよい。
【0042】
図2及び3にみられるように、2つの隣接した層のうちの1つの層上の撮像ベースオーバーレイ標的設計103のためのパターンは、2つの隣接した層のうちの別の層上の撮像ベースオーバーレイ標的設計103と異なる。したがって、撮像ベースオーバーレイ標的設計103は、第1層と第2層とにおいて異なる。2つの層が図2及び3において開示されているけれども、オーバーレイ標的内での3つ以上の層の使用があり得る。
【0043】
散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102は、第1層と第2層との両方で同じであってもよく、又は設計が同じピッチを共有するならば、第1層と第2層とで異なってもよい。
【0044】
2つ以上の層の使用が、オーバーレイ標的100に加えて別のオーバーレイ標的設計に適用可能である場合がある。
【0045】
図4は、オーバーレイ標的200の第2実施形態についてのブロック図である。オーバーレイ標的200は、オーバーレイ標的100に類似しているけれども、撮像ベースオーバーレイ標的設計103は、並列格子構造201を含み、この並列格子構造は、同じセル101内の散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102の格子上格子の格子105の方向に対して垂直な軸線に沿った方向にある。方向は、バーに垂直な方向として画定されてもよい。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102は、単一層を有するように示され、一方、撮像ベースオーバーレイ標的設計103は、2重層を含む。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102は、2重又は3重層であってもよい。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102又は撮像ベースオーバーレイ標的設計103のいずれかに対する追加の層が可能である。
【0046】
図5は、オーバーレイ標的202の第3実施形態についてのブロック図である。オーバーレイ標的202は、オーバーレイ標的100と類似しているけれども、撮像ベースオーバーレイ標的設計103は、並列格子構造203を含み、この並列格子構造は、同じセル101内の散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102の格子上格子内の格子105の方向に対して垂直な軸線に沿って方向付けされている。方向は、バーに垂直な方向として画定されてもよい。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102は、単一層を有するように示されている一方で、撮像ベースオーバーレイ標的設計103は、3重層を含む。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102は、2重又は3重層であってもよい。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102又は撮像ベースオーバーレイ標的設計103のいずれかに対して追加の層が可能である。
【0047】
図6は、オーバーレイ標的204の第4実施形態についてのブロック図である。オーバーレイ標的204は、オーバーレイ標的100と類似しているけれども、撮像ベースオーバーレイ標的設計103と散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102とは、並列に同じ方向にはない。撮像ベースオーバーレイ標的設計103と散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102とは、また、1つの方向だけを測定していてもよい、すなわち、標的がY方向についての散乱計測であってもよく、X方向についての撮像であってもよく、その逆も同じである。
【0048】
図1、4、5又は6のものを含む本明細書で開示されたオーバーレイ標的の実施形態は、複数の利点を提供する。チップ上のより少ない領域が、散乱計測ベースオーバーレイ標的設計及び撮像ベースオーバーレイ標的設計のために用いられる。これらの設計は、撮像及び散乱計測機能の両方を提供するハイブリッドツールに、より短い測定時間を提供してもよい。
【0049】
図1図4図5又は図6の設計の他に別の設計が、同じ利点を提供してもよい。図1図4図5及び図6は、単なる例にすぎない。
【0050】
更に、同じセル101内の撮像ベースオーバーレイ標的設計103の位置と散乱計測ベースオーバーレイ標的設計102の位置とが、逆にされてもよい。したがって、これらのオーバーレイ標的設計の位置は、図1又は図4~6のうちの1つの図に示されているものと逆にされてもよい。
【0051】
図7は、方法300についてのブロック図である。半導体メーカは、撮像ベースオーバーレイ標的設計と散乱計測ベースオーバーレイ標的設計とを複合型式に組み合わせてもよい。本明細書で開示した実施形態において、システムは、標的まで動いて、撮像ベースオーバーレイ物理的特性を用いて標的を取得する。この画像を用いて、システムは、撮像測定を実行し、次いで散乱計測測定を行う。開示したシーケンスは、2つの異なる位置まで移動する時間を節約し、取得ステップを用いて追加の情報を取得する。
【0052】
撮像ベースオーバーレイ測定と散乱計測ベースオーバーレイ測定とは、標的設計とターゲットの位置とが異なるので、一緒に行われない。露わにされた標的を測定するために、測定シーケンスは、散乱計測と撮像との両方を含む。散乱計測標的の取得は、撮像ベース標的の物理的特性を用いて行われてもよい。次いで、取得された画像を用いて、撮像ベースオーバーレイを測定する。次いで、散乱計測ベース測定は、散乱計測ベース標的において実行される。
【0053】
301において、チャック上のウェハのオーバーレイ標的が、撮像光学システムによって取得される。これが、取得画像を形成する。オーバーレイ標的は、取得画像を用いて、302において撮像光学システムによって測定される。303において、オーバーレイ標的は、取得画像を用いて散乱計測システムによって測定される。ウェハは、ステップ301と303との間のチャック上に留まる。
【0054】
取得シーケンスが、含まれてもよい。取得シーケンス中に、標的よりも大きい視野の画像が、取得される。取得が撮像測定装置(例えば、物理的特性)を用いて行われるならば、それは、散乱計測シーケンスに関係なく、撮像測定を行うために用いられてもよい。このように2つの測定シーケンスを実行する代わりに、単一の測定シーケンスが進行するけれども、2つの測定が、連続して、少なくとも部分的に同時に、又は同時に実行されてもよい。
【0055】
特定のシーケンスで開示するけれども、303における散乱計測システムによる測定が、302における撮像光学システムによる測定の前に行われてもよい。本明細書で開示する実施形態は、単一のシーケンスを用いて、撮像と散乱計測標的との両方を測定する。開示するシーケンスにおいて、撮像ベース標的は、取得が散乱計測ベース測定の前に実行されるので、最初に測定されてもよい。
【0056】
303における散乱計測システムによる測定は、また、302における撮像光学システムによる測定と少なくとも部分的に同時に行われてもよい。
【0057】
方法300は、図1のオーバーレイ標的100、図4のオーバーレイ標的200、図5のオーバーレイ標的202、図6のオーバーレイ標的204又は別のオーバーレイ標的を用いてもよい。散乱計測ベースオーバーレイ標的設計と撮像ベースオーバーレイ標的設計との両方が、測定中、同じ視野内にあってもよい。開示した標的及び測定シーケンスは、撮像ベースオーバーレイと散乱計測ベースオーバーレイとの測定を一緒に又は別個に可能にしてもよい。
【0058】
この方法300は、2つの異なる測定シーケンスによって、異なる位置において撮像及び散乱計測するために、2つの異なる標的を測定することを回避する。これらの測定は、標的位置、測定技術又は測定シーケンスが異なるために、以前には比較することができなかった。撮像ベース及び散乱計測ベース標的は、以前には異なる位置においてプリントされた。異なる位置は、異なるオーバーレイ値を生じさせる傾向がある。したがって、測定同士の間の比較が、現実のオーバーレイ値によって棄損されることがある。
【0059】
それぞれの測定シーケンスは、オペレータによって規定された特定の抜取検査計画を必要とすることがあり、それは特定の標的位置に依存することがある。したがって、この方法300は、また、2つの抜取検査計画を規定することを回避する。
【0060】
図8は、システム400の実施形態についてのブロック図である。システムは、ウェハ401を保持するように構成されたチャック402を含む。ウェハ401は、1つ又は複数のオーバーレイ標的を含む。オーバーレイ標的は、図1のオーバーレイ標的100、図4のオーバーレイ標的200、図5のオーバーレイ標的202、図6のオーバーレイ標的204又は別のオーバーレイ標的等の撮像ベースオーバーレイ標的設計及び散乱計測ベースオーバーレイ標的設計を含む。
【0061】
システム400は、チャック402上のオーバーレイ標的を測定するように構成された撮像光学システム403を含む。撮像光学システム403は、放射をウェハ401の特定位置に導くように指向させられた照明源と、ウェハ401からの光学信号を検出するように指向させられた1つ又は複数の検出器と、を含んでもよい。光学システム403内の照明源は、ウェハ401に導かれる照明ビームを発生させてもよい。撮像光学システム403は、また、様々なレンズ又は光学部品を含んでもよい。
【0062】
撮像光学システム403は、撮像光学システム403が散乱計測測定の取得シーケンスの部分であるような取得に用いられてもよい。
【0063】
システム400は、チャック402上のオーバーレイ標的を測定するように構成された散乱計測システム404を含む。散乱計測システム404は、撮像光学システム403と同じオーバーレイ標的を測定するように構成されてもよい。
【0064】
散乱計測システム404は、放射をウェハ401の指定位置に導くように指向させられた照明源と、ウェハ401によって散乱させられた散乱計測信号を検出するように指向させられた1つ又は複数の検出器と、を含んでもよい。散乱計測システム404内の照明源は、ウェハ401に導かれる照明ビームを発生させてもよい。散乱計測システム404は、また、様々なレンズ又は光学部品を含んでもよい。散乱計測システム404は、散乱計測シーケンス中に、撮像光学システム403又は撮像光学システム403からの情報を用いてもよい。
【0065】
撮像光学システム403及び散乱計測システム404によるウェハ401の測定は、
ウェハ401がチャック402上に留まっている間に実行されてもよい。したがって、ウェハ401は、撮像光学システム403による測定と散乱計測システム404の測定との間で動いてはならない。一例では、ウェハ401の周りの減圧は、撮像光学システム403による測定と散乱計測システム404の測定との間で壊されない。一例では、撮像光学システム403による測定及び散乱計測システム404による測定のうちの1つの測定は、別の測定の後に行われる。別の一例では、撮像光学システム403による測定及び散乱計測システム404による測定は、少なくとも部分的に同時に、又は同時に行われる。
【0066】
プロセッサ405は、電子データ記憶ユニット406、撮像光学システム403及び散乱計測システム404と電子通信している。プロセッサ405は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又は別のデバイスを含んでもよい。プロセッサ405は、撮像光学システム403及び散乱計測システム404から出力を受け取ってもよい。
【0067】
システム400は、撮像光学システム403によってチャック402上のオーバーレイ標的を取得するように構成された撮像光学システム取得モジュール407を含んでもよい。光学システム取得モジュール407は、撮像光学システム403又は散乱計測システム404によって用いられてもよい取得画像を形成する。別個のユニットとして示すけれども、撮像光学システム取得モジュール407は、撮像光学システム403の部分であってもよい。撮像光学システム取得モジュール407は、また、プロセッサ405の部分であってもよい。
【0068】
プロセッサ405及び電子データ記憶ユニット406は、システム400又は別のデバイスの部分であってもよい。一例では、プロセッサ405及び電子データ記憶ユニット406は、独立型制御ユニット又は中央品質制御ユニットの部分であってもよい。マルチプロセッサ203又は電子データ記憶ユニット406が、用いられてもよい。一実施形態において、プロセッサ405は、システム400内に配設されてもよい。
【0069】
プロセッサ405は、実際には、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアの任意の組合せによって実装されてもよい。また、本明細書に記載したようなそれの機能は、1つのユニットによって実行されてもよく、又は異なる構成要素に分割されてもよく、機能のそれぞれが、次にハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアの任意の組合せによって実装されてもよい。プロセッサ405が様々な方法及び機能を実装するためのプログラムコード又は命令は、電子データ記憶ユニット406内のメモリ又は別のメモリ等の読取り可能記憶媒体内に記憶されてもよい。
【0070】
プロセッサ405は、プロセッサ405が出力を受け取ってもよいような任意の好適な態様で(例えば、有線及び/又は無線伝送媒体を含んでもよい1つ又は複数の伝送媒体を介して)システム400の構成要素に結合されてもよい。プロセッサ405は、出力を用いていくつかの機能を実行するように構成されてもよい。
【0071】
本明細書に記載したプロセッサ405、別のシステム又は別のサブシステムは、パーソナルコンピュータシステム、イメージコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス又は別のデバイスを含む様々なシステムの部分であってもよい。サブシステム又はシステムは、また、パラレルプロセッサ等の、当該技術分野で公知の任意の好適なプロセッサを含んでもよい。それに加えて、サブシステム又はシステムは、独立型又はネットワークツールのいずれかとして、高速処理及びソフトウェアを有するプラットホームを含んでもよい。
【0072】
システムが2つ以上のサブシステムを含む場合、異なるサブシステムは、画像、データ、情報、命令等がサブシステム同士の間で送信されてもよいように互いに結合されてもよい。例えば、1つのサブシステムは、任意の好適な伝送媒体によって追加のサブシステムに結合されてもよく、この伝送媒体は、当該技術分野で公知の任意の好適な有線及び/又は無線伝送媒体を含んでもよい。かかるサブシステムのうちの2つ以上は、また、共用コンピュータ可読記憶媒体(図示せず)によって有効に結合されてもよい。
【0073】
プロセッサ405は、撮像光学システム403及び散乱計測システム404の出力、又は別の出力を用いて、いくつかの機能を実行するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ405は、ウェハ401の測定結果を送るように構成されてもよい。別の例では、プロセッサ405は、標的内部のオーバーレイ誤差を決定してもよい。別の例では、プロセッサ405は、出力を電子データ記憶ユニット406又は別の記憶媒体に送るように構成されてもよい。プロセッサ405は、本明細書に記載したように更に構成されてもよい。
【0074】
プロセッサ405は、本明細書に記載した実施形態のうちの任意のものに従って構成されてもよい。プロセッサ405は、また、システム400の出力を用いて、又は別の源からの画像若しくはデータを用いて、別の機能又は追加のステップを実行するように構成されてもよい。
【0075】
別の実施形態では、プロセッサ405は、当該技術分野で公知の任意の態様でシステム400の様々な構成要素又はサブシステムのうちの任意のものに通信可能に結合されてもよい。更に、プロセッサ405は、有線及び/又は無線部分を含んでもよい伝送媒体によって、別のシステムからデータ又は情報(例えば、精査ツール等の検査システムからの検査結果、設計データを含む遠隔データベース等)を受け取る及び/又は取得するように構成されてもよい。このように、伝送媒体は、プロセッサ405とシステム400の別のサブシステム又はシステム400の外部のシステムとの間のデータリンクとして機能してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、様々なステップ、機能、及び/又はシステム400の演算並びに本明細書で開示した方法が、以下のもの、すなわち、電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブルロジックデバイス、ASIC、アナログ若しくはデジタル制御/スイッチ、マイクロコントローラ又は計算システムのうちの1つ又は複数のものによって実行される。本明細書に記載したもの等のプログラム命令実装方法が、キャリア媒体を介して伝送されるか又はそれに記憶されてもよい。キャリア媒体は、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁性又は光学ディスク、不揮発性メモリ、固体メモリ、磁気テープ等の記憶媒体を含んでもよい。キャリア媒体は、ワイヤ、ケーブル又は無線伝送リンク等の伝送媒体を含んでもよい。例えば、本開示全体を通して説明した様々なステップは、シングルプロセッサ405(又は、コンピュータシステム)、又は代替的にマルチプロセッサ405(又は、多重コンピュータシステム)によって実行されてもよい。更に、システム400の異なるサブシステムは、1つ又は複数のコンピューティング又は論理システムを含んでもよい。そのため、上記の説明は、本開示についての限定としてではなく、単に例示として解釈されなければならない。
【0077】
追加の実施形態は、本明細書で開示したように、ウェハを検査するためのプロセッサにおいて実行可能なプログラム命令を記憶する非一過性コンピュータ可読媒体に関する。特に、プロセッサ405等のプロセッサは、実行可能プログラム命令を含む非一過性コンピュータ可読媒体を有する、電子データ記憶ユニット406等の電子データ記憶媒体内のメモリに結合されてもよい。コンピュータ実装方法は、本明細書に記載したいずれかの方法のいずれかのステップを含んでもよい。例えば、プロセッサ405は、図7のステップのうちの一部又は全部を実行するようにプログラムされてもよい。電子データ記憶ユニット406内のメモリは、磁性若しくは光学ディスク、磁気テープ又は当該技術分野で公知の任意の別の好適な非一過性コンピュータ可読媒体等の記憶媒体であってもよい。
【0078】
プログラム命令は、とりわけ手続きベース技術、コンポーネントベース技術及び/又はオブジェクト指向技術を含む様々な態様のうちの任意のものに実装されてもよい。例えば、プログラム命令は、必要に応じて、ActiveXコントロール、C++オブジェクト、JavaBeans、Microsoft Foundation Classes(MFC)、ストリーミングSIMD拡張命令(SSE)又は別の技術若しくは方法を用いて実装されてもよい。
【0079】
方法のステップのそれぞれは、本明細書に記載するように実行されてもよい。方法は、また、本明細書に記載したプロセッサ及び/又はコンピュータサブシステム若しくはシステムによって実行されてもよい任意の別のステップを含んでもよい。ステップは、1つ又は複数のコンピュータシステムによって実行されてもよく、このコンピュータシステムは、本明細書に記載した実施形態のうちの任意のものに従って構成されてもよい。それに加えて、上記の方法は、本明細書に記載したシステム実施形態のうちの任意のものによって実行されてもよい。
【0080】
本開示が1つ又は複数の特定実施形態に関して記載されてきたけれども、本開示の別の実施形態が、本開示の範囲から逸脱することなく成されてもよいことが理解されるであろう。それゆえに、本開示は、添付クレーム及びそれの合理的な解釈だけによって限定されると考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8