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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/18 20060101AFI20220208BHJP
   H01H 3/16 20060101ALI20220208BHJP
   B61D 19/02 20060101ALI20220208BHJP
   B61B 1/02 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
H01H13/18 Z
H01H3/16 B
B61D19/02 T
B61B1/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018115731
(22)【出願日】2018-06-19
(65)【公開番号】P2019220302
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋元 克弥
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀一
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 賢司
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-006469(JP,A)
【文献】特開2013-063699(JP,A)
【文献】特開2006-100035(JP,A)
【文献】特開2014-216300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/18
H01H 3/16
B61D 19/02
B61B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の感圧検知部材と、
前記複数の感圧検知部材のそれぞれから、検出信号が供給される判定部と、
を備え、
前記判定部は、前記複数の感圧検知部材から供給される複数の検出信号に基づいて、物体の挟み込みと、前記扉に対して斜め方向への物体の引き抜きと、前記扉に対して垂直方向への物体の引き抜きを判定る検出装置であって、
前記複数の感圧検知部材は、扉の側面に設置され、かつカバー部材によって覆われ、
前記複数の感圧検知部材のそれぞれは、互いに離間された複数の電極線を備え、
前記判定部は、前記複数の検出信号と、加速度情報が供給されるマイクロプロセッサを備える、検出装置。
【請求項2】
請求項に記載の検出装置において、
前記判定部は、前記複数の検出信号に基づいて、前記複数の感圧検知部材における故障を判定する、検出装置。
【請求項3】
請求項に記載の検出装置において、
前記マイクロプロセッサは、前記複数の検出信号の論理値の組み合わせにより、物体の挟み込み、物体の垂直方向への引き抜きおよび物体の斜め方向への引き抜きを判定する、
検出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の検出装置において、
前記マイクロプロセッサは、前記複数の検出信号の論理値の組み合わせの時間的な遷移により、状態の判定を行う、検出装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の検出装置において、
前記判定部によって判定された判定結果は、報知部において報知される、検出装置。
【請求項6】
請求項に記載の検出装置において、
前記斜め方向への引き抜きは、前記扉を備えた車両の走行により生じる引きずりにより発生する、検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関し、例えば車両に設置される複数の感圧検知部材と判定部とを備えた検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の扉に設置された感圧検知センサに関する技術が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には、感圧検知センサとして、互いに対向するように配置される一対の長尺電極板を備えた長尺スイッチが記載されている。扉に物体(以下、乗客、荷物等を含む)が挟み込まれると、一対の長尺電極板が互いに接触するように変形し、長尺スイッチがオン状態となる。長尺スイッチがオン状態かオフ状態かを判定することにより、挟み込みを検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-100035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物体が、扉に挟み込まれると、一般的に、物体を車両の内側または外側に引き抜く操作が行われる。物体の挟み込みを検知するだけでなく、物体の引き抜きが行われているか否かを検知することにより、状況に合わせた適切な対応を行うことが可能である。しかしながら、特許文献1の技術では、長尺スイッチにより挟み込みを検知することは可能であるが、引き抜きを検知し、挟み込みと引き抜きとを判定することは困難である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、複数の感圧検知部材を用いて、挟み込みと引き抜きのそれぞれを判定することが可能な検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0007】
すなわち、一実施の形態に係わる検出装置は、複数の感圧検知部材と、複数の感圧検知部材から、複数の検出信号が供給される判定部とを備える。判定部は、複数の検出信号に基づいて、物体の挟み込みと引き抜きを判定する。
【0008】
また、一実施の形態に係わる検出装置は、引き抜きとして、扉の面に対して垂直方向の引き抜きと、扉の面に対して斜め方向の引き抜きを判定する。
【発明の効果】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0010】
すなわち、複数の感圧検知部材を用いて、挟み込みと引き抜きのそれぞれを判定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係わる検出装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係わる感圧検知センサの断面図である。
図3】(A)および(B)は、実施の形態1に係わる感圧検知センサの斜視図である。
図4】実施の形態1に係わる感圧検知センサの状態を説明する断面図である。
図5】実施の形態1に係わる感圧検知センサの状態を説明する断面図である。
図6】実施の形態1に係わる感圧検知センサの状態を説明する断面図である。
図7】実施の形態1に係わるマイクロコンピュータによる判定を説明するための説明図である。
図8】実施の形態1に係わるマイクロコンピュータによる判定を説明するための説明図である。
図9】(A)~(D)は、実施の形態1に係わるセンサからマイクロコンピュータに供給される検出信号の電圧変化を示すタイミング図である。
図10】実施の形態2に係わる検出装置の構成を示すブロック図である。
図11】実施の形態2に係わるプロセッサの全体的な処理を説明するためのフロチャート図である。
図12】実施の形態2に係わるプロセッサにより実行される検出処理を説明するためのフロチャート図である。
図13】(A)および(B)は、実施の形態2に係わるメモリを説明するための図である。
図14】(A)および(B)は、実施の形態1に係わる検出装置が設置された鉄道車両の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0013】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0014】
(実施の形態1)
図14は、実施の形態1に係わる検出装置が設置された鉄道車両の構成を示す模式図である。図14(A)は、鉄道車両100を、車両の外側から見た側面図を示している。図14(A)において、101は、車両の出入口を示している。車両には、複数の出入口があるが、同図には2つの出入口が描かれている。車両のそれぞれの出入口101には、可動式の扉101-Aおよび101-Bが設置されている。
【0015】
同図において、103は、扉101-Bの側面に取り付けられた感圧検知センサを示し、104は、扉101-Aの側面に取り付けられた感圧検知センサを示している。扉101-Aおよび101-Bは、図14(A)において矢印101Dで示す方向に移動することにより、開閉する。扉101-Aと101-Bとが閉じたときには、扉101-A、101-Bの側面に取り付けられた感圧検知センサ103と104とが、当接する。なお、同図において、102は、扉101-A、101-Bに設けられた窓を示している。
【0016】
感圧検知センサ103は、後で詳しく説明するが、複数の感圧検知部材を備えている。物体が、感圧検知センサ103と104との間に挟み込まれているとき、および挟み込まれた物体が引き抜かれているとき、少なくとも1つの感圧検知部材が変形し、検出信号を判定部105へ出力する。特に制限されないが、実施の形態1において、感圧検知センサ104は、ダミーの感圧検知センサによって構成されている。感圧検知センサ104も、物体が感圧検知センサ103と104との間に挟み込まれているとき、および挟み込まれた物体が引き抜かれているときに、変形するが、検出信号は出力しない。感圧検知センサ104を、ダミーの感圧検知センサにより構成することにより、感圧検知部材を使用しない分、挟み込みの検知に費やされる費用を抑制することが可能である。
【0017】
判定部105は、出入口101に設置された扉101-A、101―Bごとに設けられている。判定部105は、対応する感圧検知センサ103からの検出信号に基づいて、挟み込み、引き抜き等を判定し、判定結果を鉄道車両100に敷設された配線106に出力する。配線106は、特に制限されないが、鉄道車両100の車掌室または/および運転室に設けられた報知部(図示しない)に接続されている。扉ごとに設けられた判定部105からの判定結果は、報知部によって、車掌または/および運転手に報知される。
【0018】
図14(B)は、図14(A)において、A-Aの断面を示す断面図である。図14(B)には、扉101-Aと101-Bが閉じた状態のときの扉の断面が、描かれている。図14に示した矢印X、YおよびZは、座標軸を示している。図14(B)に示すように、扉101-A、101-Bを基準として、Z座標が増加する方向が、車両の外側(車両外側)であり、反対側が、車両の内側(車両内側)である。図14(A)の場合、Z座標は、紙面の奥側から紙面の表側に向かって、増加している。
【0019】
扉101-Bは、車両外側に対向した外側面110と、車両内側に対向した内側面112と、感圧検知センサ103が設置された側面111とを備えている。扉101-Aも、扉101-Bと同様に、外側面110、内側面112および感圧検知センサ104が設置された側面111を備えている。
【0020】
後で詳しく説明するが、実施の形態においては、引き抜きが、2種類に分けて、判定される。図14(B)を用いて、判定される2種類の引き抜きを説明する。引き抜きは、扉101-Aと101-Bとの間に挟み込まれた物体を、扉101-A、101-Bの面(外側面110および内側面112)に対して垂直の方向へ引き抜く「垂直方向の引き抜き」と、扉101-A、101-Bの面に対して斜めの方向に引き抜く「斜め方向の引き抜き」に分けて、判定される。図14(B)で説明すると、垂直方向の引き抜きは、扉101-Aと101-Bとの間に挟み込まれた物体を、外側面110と垂直な方向101Pに引き抜くものである。これに対して、斜め方向への引き抜きは、挟み込まれた物体を、外側面110との間で角度αの方向101Rに引き抜くものである。この角度αは、90度を除く、0度から180度の範囲で、例えば0度~60度程度である。
【0021】
垂直方向の引き抜きは、例えば鉄道車両100が停車しているときに、扉101-Aと101-Bとの間に挟み込まれた物体を引き抜く操作が行われたときに発生する。これに対して、斜め方向の引き抜きは、走行中の鉄道車両100から、挟み込まれた物体を引き抜く操作が行われたときに発生する。例えば、人が、走行中の鉄道車両100に引きずられながらから、挟み込まれた物体を引き抜くような操作が行われた場合に、斜め方向の引き抜きが発生する。そのため、斜め方向の引き抜きは、引きずりと見なすことができる。
【0022】
車両外側への引き抜きを例にして説明したが、車両内側への引き抜きも、同様に、垂直方向の引き抜きと斜め方向の引き抜きに分けることができる。
【0023】
<検出装置の基本的構成>
図1は、実施の形態1に係わる検出装置の構成を示すブロック図である。検出装置1は、感圧検知センサ103と判定部105を備えている。
【0024】
判定部105は、マイクロコンピュータ2、加速度センサ3およびタイマー4を備えている。マイクロコンピュータ2は、入力端子IPT1~IPT5と、出力端子OPTを備えている。入力端子IPT1~IPT3は感圧検知センサ103に接続され、入力端子IPT4は、加速度センサ3に接続され、入力端子IPT5はタイマー4に接続されている。また、出力端子OPTは、配線106に接続されている。
【0025】
マイクロコンピュータ2は、プログラムに従って、入力端子IPT1~IPT3に供給される感圧検知センサ103からの検出信号と、加速度センサ3から供給される加速度情報と、タイマー4から供給される時間情報とに基づいて、挟み込み、引き抜き等を判定し、判定結果を出力端子OPTに出力する。
【0026】
感圧検知センサ103は、実施の形態1においては、3つのセンサ(以下、第1センサ~第3センサとも称する)SN1~SN3を備えている。センサSN1~SN3は同じ構成であるため、センサSN2を例にして、センサの構成を説明する。センサSN2は、電極線SNL1、SNL2と、プルアップ抵抗PURと、終端抵抗TMRを備えている。電極線SNL1、SNL2は、後で図2および3を用いて詳しく説明するが、互いに離間し、扉101-Bの側面111に沿って延在するように配置されている。電極線SNL1の一方の端部N11は、プルアップ抵抗PURを介して、電源電圧Vdに接続されるとともに、マイクロコンピュータ2の入力端子IPT2に接続されている。また、電極線SNL2の一方の端部N21は、接地電圧Vsに接続されている。電極線SNL1の他方の端部N12と、電極線SNL2の他方の端部N22との間には、インピーダンスの整合を図るための終端抵抗TMRが接続されている。
【0027】
例えば物体が挟み込まれていない場合、電極線SNL1とSNL2とは離間しているため、電極線SNL1の一方の端部N11の電圧は、プルアップ抵抗PURと終端抵抗TMRとによって構成された分圧回路により定まる電圧VH(=Vd×TMPの抵抗値/(TMPの抵抗値+PURの抵抗値))となる。一方、例えば物体が挟み込まれると、電極線SNL1とSNL2は、互いに近接するように移動し、接触する。電極線SNL1とSNL2が接触することにより、電極線SNL1の一方の端部N11の電圧は、接地電圧Vsに等しい電圧VLとなる。以下の説明では、電圧VHをハイレベルと称し、電圧VLをロウレベルと称する。
【0028】
これにより、物体が挟み込まれた場合には、センサSN2から、対応する入力端子IPT2にロウレベルの検出信号が供給され、物体が挟み込まれていないときには、入力端子IPT2にハイレベルの検出信号が供給されることになる。
【0029】
センサSN1およびSN3のそれぞれを構成する電極線SNL1およびSNL2も、センサSN2を構成する電極線SNL1およびSNL2と同様に、扉101-Bの側面111に沿って延在するように配置されている。センサSN1における電極線SNL1とSNL2とが離間している場合には、センサSN1からハイレベルの検出信号が、対応する入力端子IPT1に供給され、電極線SNL1とSNL2とが接触している場合には、センサSN1からロウレベルの検出信号が、入力端子IPT1に供給される。同様に、センサSN3から、対応する入力端子IPT3に、ハイレベルまたはロウレベルの検出信号が供給される。
【0030】
<感圧検知センサ>
次に、感圧検知センサ103の構造を説明する。図2は、実施の形態1に係わる感圧検知センサの断面図である。図3は、実施の形態1に係わる感圧検知センサの斜視図である。ここで、図3(A)は、感圧検知センサ103の斜視図であり、図3(B)は、感圧検知センサ103に備えられる感圧検知部材の斜視図である。図2は、図3(A)において、B-B断面から見た断面図である。
【0031】
感圧検知センサ103は、扉101-Bの延在方向Yに沿って延在し、扉101-Bの側面111に取り付けられた変形可能なカバー部材5を備えている。図3に示すように、カバー部材5は、カバー部材5と同じ方向に延在する3つの感圧検知部材6-1~6-3を覆っている。また、カバー部材5は、カバー部材5と同じ方向に延在する中空部8を覆っている。感圧検知センサ103のカバー部材5は、例えばゴムによって形成されており、カバー部材5の一部分(ベース部)は、図2に示すように、扉101-Bの側面111において埋め込まれている。
【0032】
図2に示すように断面視で見ると、カバー部材5は、扉101-Bに埋め込まれた厚いベース部5-1と、扉101-Aに取り付けられたダミーの感圧検知センサ104に対向し、変形する弾性の変形部5-2とを備えている。ベース部5-1と変形部5-2との間が、中空部8となっている。また、変形部5-2は、断面視で見たとき、ベース部5-1のベース面5-3と対向し、感圧検知部材6-1~6-3を覆っている上面変形部5-2Uと、上面変形部5-2Uとベース部5-1とを連結するように、上面変形部5-2Uおよびベース部5-1と一体的に形成された側面変形部5-2Sとを備えている。
【0033】
第2の感圧検知部材である感圧検知部材6-2は、カバー部材5の中心線CLI上に、その中心点CNT2が配置されるように、上面変形部5-2U内に埋設されている。また、第3の感圧検知部材である感圧検知部材6-3は、中心線CLIに対して一側(図2中では紙面右側)に位置した上面変形部5-2U内に埋設されている。さらに、第1の感圧検知部材である感圧検知部材6-1は、中心線CLIに対して他側(図2中では紙面左側)に位置した上面変形部5-2U内に埋設されている。中心線CLIと第3の感圧検知部材6-3の中心点CNT3とを結ぶ仮想直線IML3と、中心線CLIとの間の角度と、中心線CLIと第1の感圧検知部材6-1の中心点CNT1とを結ぶ仮想直線IML1と、中心線CLIとの間の角度とは、同じ角度α1である。特に制限されないが、角度α1は、45度である。これにより、感圧検知センサ103は、中心線CLIを基準として、左右対称の上面変形部5-2Uおよび側面変形部5-2Sを備えていることになる。
【0034】
第1~第3の感圧検知部材6-1~6-3は、挟み込みおよび引き抜きの際に、後述する受け部9に押し付けられて、潰れるように変形する。感圧検知部材6-1~6-3が、受け部9に押し付けられた際に、感圧検知部材6-1~6-3と受け部9との間に、上面変形部5-2Uの一部分がカバー部分として介在する。同図には、カバー部分が、符号5-4~5-6で示されている。
【0035】
図2では、中心線CLIに対して一側が、車両内側であり、中心線CLIに対して他側が、車両外側である。物体を挟み込んだ場合あるは引き抜きが行われた場合、変形部5-2が変形し、第1~第3の感圧検知部材6-1~6-3のうちの少なくとも1つが潰される。感圧検知部材6-1~6-3が確実に潰されるようにするために、ベース部5-1には、変形部5-2が変形したとき、感圧検知部材6-1~6-3を受ける受け部9が設けられている。受け部9の外形形状は、図2に示すように、ベース部5-1から上面変形部5-2Uに向かって面積が狭くなる台形形状をしている。すなわち、受け部9は、ベース部5-1と中空部8とが接するベース面5-3と平行した上面9-1と、上面9-1とベース面5-3とを連結する第1斜面9-2と、上面9-1とベース面5-3とを連結する第2斜面9-3とを備えている。受け部9は、上面変形部5-2Uに対向している上面9-1が、ベース面5-3に対向する底面よりも狭い台形形状であるため、第1斜面9-2および第2斜面9-3とベース面5-3との間の内角α2は、0度を超え、90度未満となっている。
【0036】
カバー部材5の中心線CLIは、受け部9の上面9-1の中心を通過しており、受け部9は、中心線CLIを基準として、図2に示すように左右対称の構造となっている。なお、受け部9も、カバー部材5と同様に、ゴムによって形成されている。
【0037】
挟み込みあるいは引き抜きにより、変形部5-2が変形すると、受け部9の上面9-1が、対向する第2の感圧検知部材6-2の受け面として作用し、受け部9の第1斜面9-2が、対向する第1の感圧検知部材6-1の受け面として作用し、受け部9の第2斜面9-3が、対向する第3の感圧検知部材6-3の受け面として作用する。すなわち、変形部5-2の変形により、第2の感圧検知部材6-2が移動する場合、第2の感圧検知部材6-2は、カバー部分5-5を介して、受け部9の上面9-1に押し付けられることになる。また、変形部5-2の変形により、第1の感圧検知部材6-1が移動する場合、第1の感圧検知部材6-1は、カバー部分5-4を介して、受け部9の第1斜面9-2に押し付けられることになる。さらに、変形部5-2の変形により、第3の感圧検知部材6-3が移動する場合、第3の感圧検知部材6-3は、カバー部分5-6を介して、受け部9の第2斜面9-3に押し付けられることになる。
【0038】
実施の形態1においては、受け部9の外形形状は台形形状とされている。これにより、変形部5-2が変形したとき、圧力によって受け部9が変形され、圧力が受け部9の変形によって吸収されるのを低減することが可能である。その結果、第1~第3の感圧検知部材6-1~6-3に加わる外力を大きくすることが可能である。
【0039】
第1~第3の感圧検知部材6-1~6-3は、同じ構造であるため、第2の感圧検知部材6-2を例として、感圧検知部材を説明する。感圧検知部材6-2は、図3(B)に示すように、離間された電極線ED1~ED4を有する管状の検知部材である。感圧検知部材6-2は、離間された電極線ED1~ED4を囲む部材が弾力性を有しており、外力が加わることにより、電極線ED1~ED4間の離間距離が変わるように中空部7-2が変形する。感圧検知部材を構成する複数の電極線は、感圧検知部材の長手方向に沿って螺旋状に形成されている。これにより、感圧検知部材の径方向における全方位からの外力に対して検知可能となっている。
【0040】
実施の形態1においては、図2および図3に示した第1の感圧検知部材6-1が、図1に示した第1センサSN1を構成し、第2の感圧検知部材6-2が、第2センサSN2を構成し、第3の感圧検知部材6-3が、第3センサSN3を構成する。また、センサSN1~SN3を構成する電極線SNL1およびSNL2は、例えば感圧検知部材6-1~6-3に設けられた電極線ED1およびED2に該当する。
【0041】
外力が加わることにより、第1の感圧検知部材6-1において電極線ED1とED2との間の離間距離が小さくなり、電極線ED1とED2が接触すると、第1センサSN1からロウレベルの検出信号が出力されることになる。第2センサSN2および第3センサSN3についても、同様に、対応する第2および第3の感圧検知部材6-2、6-3において、電極線ED1とED2が接触すると、第2センサSN2および第3センサSN3からロウレベルの検出信号が出力されることになる。勿論、外力が無いときには、電極線ED1とED2との間は離間しているため、センサSN1~SN3からはハイレベルの検出信号が出力される。
【0042】
なお、感圧検知部材6-1~6-3は、例えば特開2014-216300号公報に示されている管状部材と同じであるため、感圧検知部材の構成については、これ以上の説明は省略する。
【0043】
ダミーの感圧検知センサ104は、図2に示すように、扉101-Aの側面111(図14(B))において、扉101-Aに埋め込まれたベース部10-1と、変形可能な変形部10-2を備えたカバー部材10によって構成されている。このカバー部材10も、カバー部材5と同様に、ゴムによって形成されている。変形部10-2は、ベース部10-1と連結しており、変形部10-2とベース部10-1との間が中空部12となっている。また、ベース部10-1には、変形部10-2に向かって突出した突起部11が形成されている。
【0044】
例えば、物体が感圧検知センサ103と104の間に挟まれたとき、変形部10-2が変形し、挟み込まれた物体への衝撃が緩和される。ダミーの感圧検知センサ104は、検出信号を出力しないため、扉101-Aに設置された緩和部材と見なすこともできる。
【0045】
<挟み込み、垂直方向への引き抜き、斜め方向への引き抜き>
図4図6は、実施の形態1に係わる感圧検知センサの状態を説明する断面図である。図4は、物体が挟み込まれたときの感圧検知センサ103の状態を示し、図5は、垂直方向へ引き抜きが行われたときの感圧検知センサ103の状態を示している。また、図6は、斜め方向の引き抜きが行われたときの感圧検知センサ103の状態を示している。
【0046】
<<挟み込み>>
先ず、物体が挟み込まれている場合を説明する。図4において、20は、感圧検知センサ103、104の間に挟み込まれた物体を示している。
【0047】
物体20を挟み込むことにより、変形部5-2が変形する。この場合、上面変形部5-2Uは、受け部9の上面9-1の方向に移動するように変形し、側面変形部5-2Sは、紙面において左右に膨らむように変形する。
【0048】
上面変形部5-2Uが、上面9-1の方向に移動することにより、カバー部分5-5(図2)を介して第2の感圧検知部材6-2が、対向する上面9-1に押し付けられ、第2の感圧検知部材6-2は、潰れるように変形する。これにより、第2の感圧検知部材6-2において、電極線ED1とED2が接触する。その結果、第2センサSN2からは、ロウレベルの検出信号が出力される。これに対して、第1および第3の感圧検知部材6-1、6-3は、電極線ED1とED2を接触させるほど、まだ潰れていない。そのため、第2センサSN1および第3センサSN3からは、ハイレベルの検出信号が出力される。
【0049】
<<垂直方向への引き抜き>>
図5には、一部が車両内側にある物体21を引き抜くときの状態が示されている。同図では、物体21のうち、車両内側にある物体部が符号21-1で示され、物体部21-1と連結し、車両外側に延在している物体部が符号21-2で示されている。図5には、扉101-Bの外側面110に対して垂直方向の力FHPで、物体部21-2を引き抜く操作が行われているときの状態が示されている。
【0050】
物体部21-1が、変形部5-2の上面変形部5-2Uにおいて、紙面右側の部分と接触し、上面変形部5-2Uを紙面左側(車両外側)へ移動させるように、変形部5-2を変形させる。上面変形部5-2Uが車両外側へ移動するように変形するため、側面変形部5-2Sも、車両外側へ傾くように変形する。これにより、車両内側に配置されている第3の感圧検知部材6-3が、図5に示すように、受け部9の第2斜面9-3に当接し、第3の感圧検知部材6-3が、対向する第2斜面9-3に押し付けられ、潰されるように変形する。
【0051】
第3の感圧検知部材6-3が潰されため、第3センサSN3はロウレベルの検出信号を出力する。このとき、第1~第2の感圧検知部材は、それぞれに設けられている電極線ED1とED2を接触させるほど、まだ潰れていない。そのため、第1センサSN1および第2センサSN2からは、ハイレベルの検出信号が出力される。
【0052】
<<斜め方向への引き抜き>>
図6には、一部が車両内側にある物体21を引き抜くときの状態が示されている。物体21は、図5と同じである。図5と異なるのは、図6では、扉101-Bの外側面110に対して斜め方向の力FRPで、物体部21-2を引き抜く操作が行われているときの状態が示されていることである。
【0053】
この場合、物体部21-2が、変形部5-2の上面変形部5-2Uにおいて、紙面左側の部分と接触し、上面変形部5-2Uを紙面右側(車両内側)へ移動させるように、変形部5-2を変形させる。上面変形部5-2Uが車両内側へ移動するように変形するため、側面変形部5-2Sも、車両内側へ傾くように変形する。これにより、車両外側に配置されている第1の感圧検知部材6-1が、図6に示すように、受け部9の第1斜面9-2に当接し、第1の感圧検知部材6-1が、対向する第1斜面9-2に押し付けられ、潰されるように変形する。
【0054】
第1の感圧検知部材6-1が潰されため、第1センサSN1はロウレベルの検出信号を出力する。このとき、第2~第3の感圧検知部材は、それぞれに設けられている電極線ED1とED2を接触させるほど、まだ潰れていない。そのため、第2センサSN2および第3センサSN3からは、ハイレベルの検出信号が出力される。
【0055】
<マイクロコンピュータによる判定>
マイクロコンピュータ2(図1)は、センサSN1~SN3からの検出信号に基づいて、状態を判定し、判定した結果を出力端子OPTから出力する。判定に際して、マイクロコンピュータ2が、加速度情報と時間情報とを参照しない場合(非参照)と、参照する場合(参照)を説明する。
【0056】
<<加速度情報と時間情報を非参照>>
図7は、実施の形態1に係わるマイクロコンピュータによる判定を説明するための説明図である。
【0057】
図7において、Hは、入力端子IPT1~3に供給されている検出信号がハイレベルであることを示し、Lは、入力端子IPT1~3に供給されている検出信号がロウレベルであることを示している。マイクロコンピュータ2は、入力端子IPT1~IPT3に供給されている感圧検知部材6-1~6-3からの検出信号の電圧の組み合わせによって、状態を判定する。
【0058】
入力端子IPT1~IPT3に供給されている検出信号がハイレベルであれば、第1~第3の感圧検知部材6-1~6-3のいずれにおいても、電極線ED1とED2は接触していないため、マイクロコンピュータ2は、正常と判定する。すなわち、マイクロコンピュータ2は、扉103と104との間に物体は挟み込まれておらず、引き抜きも行われていない正常な状態であると判定する。
【0059】
車両外側に配置された第1センサSN1からの検出信号がロウレベルで、第2センサSN2および第3センサSN3からの検出信号がハイレベルの場合、図6で説明したように、斜め方向の引き抜きが行われている状態である。そのため、マイクロプロセッサ2は、入力端子IPT1にロウレベルの検出信号が供給され、入力端子IPT2~IPT3にハイレベルの検出信号が供給されたとき、斜め方向の引き抜きが行われている状態と判定する。
【0060】
また、扉101-Aと対向するように配置された第2センサSN2からの検出信号がロウレベルで、第1センサSN1および第3センサSN3からの検出信号がハイレベルの場合、図4で説明したように、扉の間に物体を挟み込んでいる状態である。そのため、マイクロプロセッサ2は、入力端子IPT2にロウレベルの検出信号が供給され、入力端子IPT1およびIPT3にハイレベルの検出信号が供給されたとき、物体が挟み込まれた状態と判定する。
【0061】
さらに、車両内側に配置された第3センサSN3からの検出信号がロウレベルで、第1センサSN1および第2センサSN2からの検出信号がハイレベルの場合、図5で説明したように、垂直方向の引き抜きが行われている状態である。そのため、マイクロプロセッサ2は、入力端子IPT3にロウレベルの検出信号が供給され、入力端子IPT1~IPT2にハイレベルの検出信号が供給されたとき、垂直方向の引き抜きが行われている状態と判定する。
【0062】
このように、1つの感圧検知センサ103から出力されている3つの検出信号によって、マイクロコンピュータ2は、正常、挟み込み、垂直方向の引き抜きおよび斜め方向の引き抜きを、それぞれ判定することが可能である。
【0063】
<<加速度情報を参照>>
次に、マイクロコンピュータ2が、斜め方向の引き抜きを判定する際に、入力端子IPT4に供給されている加速度情報を参照する場合を説明する。図8は、実施の形態1に係わるマイクロコンピュータによる判定を説明するための説明図である。ここでは、入力端子IPT1にロウレベルの検出信号が供給され、入力端子IPT2~IPT3にハイレベルの検出信号が供給されているときに、マイクロコンピュータ2が加速度情報を参照する場合を説明する。
【0064】
入力端子IPT4に供給されている加速度情報が、加速中であることを示していない場合、マイクロコンピュータ2は、図7の場合と同様に、斜め方向の引き抜きが行われている状態と判定する。これに対して、加速度情報によって、鉄道車両100(図14)が加速中であることを示していた場合、走行中の鉄道車両100によって人の引きずりが発生している状態と判定する。引きずりの判定結果は、報知部によって、例えば、運転手に報知される。これにより、運転手が、鉄道車両100を停止させる等の緊急対応を行うことが可能となる。
【0065】
斜め方向の引き抜きのときに、加速度情報を参照する例を説明したが、同様に、挟み込みの状態または/および垂直方向の引き抜き状態のときにも、マイクロコンピュータ2は、速度情報を参照して、判定を行うようにしてもよい。
【0066】
<<時間情報を参照>>
マイクロコンピュータ2は、入力端子IPT5に供給される時間情報を基にして、入力端子IPT1~IPT3に供給される検出信号の時間的な電圧変化を基にして、状態の判定を行う。ここでは、扉103、104の間に挟まれている物体の大きさを判定する例を説明する。
【0067】
図9は、実施の形態1に係わるセンサからマイクロコンピュータの入力端子に供給される検出信号の電圧変化を示すタイミング図である。ここで、図9(A)は、物体が挟み込まれていないときのタイミング図であり、図9(B)は、小さな物体(小型物体)を挟み込んだときのタイミング図である。また、図9(C)は、図9(B)よりも大きな物体(中型物体)を挟み込んだときのタイミング図であり、図9(D)は、図9(C)よりもさらに大きな物体(大型物体)を挟み込んだときのタイミング図である。図9(A)~(D)において、横軸の0~3は、入力端子IPT4に供給される時間情報によって表される時刻である。また、縦軸は、検知信号の電圧を示し、上側がロウレベル(L)で、下側がハイレベル(H)である。
【0068】
図9(A)に示すように、時刻が0から3まで経過しても、入力端子IPT1~IPT3に供給されている検出信号の電圧がハイレベルであれば、マイクロコンピュータ2は、正常であり、挟み込みの状態ではないと判定する。これに対して、図9(B)に示すように、入力端子IPT2に、時刻0から3の期間、ロウレベルの検出信号が供給され、入力端子IPT1およびIPT3に、時刻0から3の期間、ハイレベルの検出信号が供給された場合、マイクロコンピュータ2は、小型物体を挟み込んだ状態と判定する。
【0069】
また、図9(C)に示すように、入力端子IPT2に、時刻0から3の期間、ロウレベルの検出信号が供給され、入力端子IPT1に、時刻1と2の間でハイレベルからロウレベルに変化する検出信号が供給され、入力端子IPT3に、時刻0から3の期間、ハイレベルの検出信号が供給された場合、マイクロコンピュータ2は、中型物体を挟み込んだ状態と判定する。
【0070】
さらに、図9(D)に示すように、入力端子IPT2に、時刻0から3の期間、ロウレベルの検出信号が供給され、入力端子IPT1に、時刻1と2の間でハイレベルからロウレベルに変化する検出信号が供給され、入力端子IPT3に、時刻2と3の間でハイレベルからロウレベルへ変化する検出信号が供給された場合、マイクロコンピュータ2は、大型物体を挟み込んだ状態と判定する。
【0071】
物体が大きくなるのに従って、時間の経過に伴い、外力により潰される感圧検知部材の数が増える。そのため、上記したように、時間情報を参照することにより、挟み込まれている物体の大きさを判定することが可能である。
【0072】
なお、上記した説明では、図9(C)において、時刻1と2の間で、第1センサSN1から出力される検出信号がハイレベルからロウレベルへ変化する例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、時刻1と2との間で、第3センサSN3から出力される検出信号がハイレベルからロウレベルへ変化した場合に、挟み決まれている物体が中型物体であると判定するようにしてもよい。また、図9(D)では、第3センサSN3から出力される検出信号に比べて、第1センサSN1から出力される検出信号が、先にハイレベルからロウレベルへ変化する場合を説明したが、先に第3センサSN3の検出信号の電圧が変化し、その後で第1センサの検出信号が変化した場合を、挟み込まれている物体が大型物体であると判定するようにしてもよい。
【0073】
判定に際して、マイクロコンピュータ2が、加速度情報を参照する場合と、時間情報を参照する場合を説明したが、マイクロコンピュータ2は、判定に際して、加速度情報と時間情報の両方を参照するようにしてもよい。
【0074】
(実施の形態2)
実施の形態1では、基本的な検出装置を説明した。実施の形態2では、より具体的な検出装置を説明する。
【0075】
図10は、実施の形態2に係わる検出装置1の構成を示すブロック図である。図10は、図1に類似しているので、相異点を主に説明する。主な相異点は、図10では、マイクロコンピュータ2の構成がより詳しく示されていることである。マイクロコンピュータ2は、複数の回路ブロックを備えているが、同図には説明に必要な回路ブロックのみが描かれている。マイクロコンピュータ2は、マイクロプロセッサ(以下、プロセッサと称する)30、メモリ31、報知レジスタ34およびバス35を備えている。プロセッサ30は、バス35を介して、メモリ31および報知レジスタ34に接続されている。メモリ31は、プログラムおよび状態テーブル(後述する)が予め格納された不揮発性メモリ32と揮発性メモリ33を備えている。プロセッサ30は、バス35を介して、不揮発性メモリ32に格納されているプログラムを読み出し、プログラムに従って処理を実行する。処理の過程において、プロセッサ30は、データ等を揮発性メモリ33に書き込んだり、読み出したりする。また、プロセッサ30は、プログラムに従って処理を実行する際に、揮発性メモリ33の所定のアドレス領域に状態レジスタ(後述する)を割り当てる。
【0076】
実施の形態2に係わるプロセッサ30は、第1センサSN1~第3センサSN3からの検出信号の電圧を判定し、判定結果を揮発性メモリ33の状態レジスタに格納する。また、プロセッサ30は、不揮発性メモリ32に予め格納された状態テーブルを参照して、状態レジスタに格納した判定結果から、車掌または/および運転手に報知されるべき報知情報を生成し、報知レジスタ34に格納する。報知レジスタ34に格納された報知情報が、配線106を介して報知部37に供給される。
【0077】
マイクロコンピュータ2は、図1に比べて、さらに入力端子IPT6を備えている。入力端子IPT6には、リセット回路36からリセット信号が入力される。リセット信号が入力端子IPT6に入力されると、プロセッサ30および揮発性メモリ33がリセットされる。
【0078】
<状態テーブル>
不揮発性メモリ32に予め格納される状態テーブルを説明する。図13は、実施の形態2に係わるメモリ31を説明するための図である。ここで、図13(A)は、不揮発性メモリ32に形成された状態テーブルを説明するための図である。また、図13(B)は、揮発性メモリ33に形成される状態レジスタを説明するための図である。状態レジスタについては、後で説明するので、ここでは省略する。
【0079】
状態テーブルは、項目として、「第1フラグ」、「第2フラグ」、「第3フラグ」および「状態」を備えている。「第1フラグ」~「第3フラグ」は、第1センサSN1~第3センサSN3からの検出信号に対応する。すなわち、「第1フラグ」において、“1”は、第1センサSN1からの検出信号のロウレベルに対応する論理値を表し、“0”は、第1センサSN1からの検出信号のハイレベルに対応する論理値を表す。同様に、「第2フラグ」および「第3フラグ」の項目において、“1”は、第2センサSN2および第3センサSN3からの検出信号のロウレベルに対応する論理値を表し、“0”は、第2センサSN2およびセンサSN3からの検出信号のハイレベルに対応する論理値を表わす。
【0080】
「第1フラグ」~「第3フラグ」における論理値“1”と論理値“0”の組み合わせにより、8個の状態R1~R8が存在する。状態テーブルには、第1センサSN1~第3センサSN3からの検出信号の論理値の組み合わせによって表される、そのときの状態が、状態R1~R8として、図13(A)のテーブルに予め格納されている。例えば、正常、挟み込み、引き抜き、引きずりおよび感圧検知センサの故障等が、状態R1~R8として、状態テーブルに格納されている。
【0081】
一例を述べると、正常が、状態R1として「状態」の項目に格納され、引き抜きが、状態R2として「状態」の項目に格納され、挟み込みが、状態R3として「状態」の項目に格納されている。また、状態R6としては、感圧検知センサの故障が、「状態」の項目に格納され、状態R5としては、引きずりが、「状態」の項目に格納されている。このように、状態テーブルには、第1センサSN1~第3センサSN3からの検出信号に対応した論理値と、検出信号の論理値の組み合わせによって特定される状態が、予め格納されている。
【0082】
不揮発性メモリ32が、状態テーブルを備える例を説明したが、これ限定されるものではない。例えば、プロセッサ30が、プログラムを実行することにより、揮発性メモリ33に、上記した状態テーブルを作成するようにしてもよい。
【0083】
次に、プログラムに従ってプロセッサ30により実行される処理を説明する。
【0084】
<リセット処理、検出処理および判定・報知処理>
図11は、実施の形態2に係わるプロセッサの全体的な処理を説明するためのフロチャート図である。ステップS0において、プロセッサ30は、処理をスタートする。ステップS1において、リセット信号が入力されているか否かの判定が行われる。リセット信号が入力されていた場合、次にステップS2が実行され、リセット信号が入力されていない場合には、次にステップS3が実行される。ステップS2が実行された場合には、後で説明する状態レジスタ内の第1フラグ~第3フラグがリセットされ、次にステップS3が実行される。
【0085】
プロセッサ30は、ステップS3において、検出処理を実行する。次に、図12および図13(B)を用いて、検出処理を詳しく説明する。
【0086】
<<検出処理>>
図12は、実施の形態2に係わるプロセッサにより実行される検出処理を説明するためのフロチャート図である。
【0087】
プロセッサ30は、プログラムに従って、揮発性メモリ33の所定のアドレス領域に、図13(B)に示すような状態レジスタSTR1を割り当てる。状態レジスタSTR1は、第1センサSN1~第3センサSN3に対応する「第1フラグ」~「第3フラグ」を格納するビット領域を備えている。
【0088】
図12において、プロセッサ30は、ステップS3_0で、第1センサSN1~第3センサSN3を用いた検出処理を開始する。
【0089】
ステップS3_1において、プロセッサ30は、第1センサSN1、すなわち第1の感圧検知部材6-1から入力端子IPT1に供給されている検出信号の電圧を判定する。検出信号の電圧がロウレベルならば、プロセッサ30は、第1センサSN1が、物体を検知したと判定し、次にステップS3_2を実行する。これに対して、検出信号の電圧がハイレベルならば、プロセッサ30は、第1センサSN1が物体を検知しなかったと判定し、次にステップS3_3を実行する。ステップS3_2において、プロセッサ30は、図13(B)に示した状態レジスタSTR1の「第1フラグ」のビット領域に論理値“1”を設定する。これに対して、ステップS3_3が実行されると、プロセッサ30は、図13(B)に示した状態レジスタSTR1の「第1フラグ」のビット領域に論理値“0”を設定する。これにより、第1センサSN1が、物体を検出した場合には、第1センサSN1に対応する第1フラグが、論理値“1”に設定され、第1センサSN1が、物体を検知しない場合には、第1フラグには、論理値“0”が設定されることになる。
【0090】
プロセッサ30は、ステップS3_2またはS3_3の処理が終了すると、次にステップS3_4を実行する。ステップS3_4において、プロセッサ30は、第2センサSN2(第2の感圧検知部材6-2)からの検出信号の電圧を判定する。検出信号の電圧がロウレベルならば、プロセッサ30は、第2センサSN2が、物体を検知したと判定し、次にステップS3_5を実行する。これに対して、検出信号の電圧がハイレベルならば、プロセッサ30は、第2センサSN2が物体を検知しなかったと判定し、次にステップS3_6を実行する。ステップS3_5において、プロセッサ30は、図13(B)に示した状態レジスタSTR1の「第2フラグ」のビット領域に論理値“1”を設定する。これに対して、ステップS3_6が実行されると、プロセッサ30は、図13(B)に示した状態レジスタSTR1の「第2フラグ」のビット領域に論理値“0”を設定する。これにより、第2センサSN2が、物体を検出した場合には、第2センサSN2に対応する第2フラグが、論理値“1”に設定され、第2センサSN2が、物体を検知しない場合には、第2フラグには、論理値“0”が設定されることになる。
【0091】
プロセッサ30は、ステップS3_5またはS3_6の処理が終了すると、次にステップS3_7を実行する。ステップS3_7において、プロセッサ30は、第3センサSN3(第3の感圧検知部材6-3)からの検出信号の電圧を判定する。検出信号の電圧がロウレベルならば、プロセッサ30は、第3センサSN3が、物体を検知したと判定し、次にステップS3_8を実行する。これに対して、検出信号の電圧がハイレベルならば、プロセッサ30は、第3センサSN3が物体を検知しなかったと判定し、次にステップS3_9を実行する。ステップS3_8において、プロセッサ30は、図13(B)に示した状態レジスタSTR1の「第3フラグ」のビット領域に論理値“1”を設定する。これに対して、ステップS3_9が実行されると、プロセッサ30は、図13(B)に示した状態レジスタSTR1の「第3フラグ」のビット領域に論理値“0”を設定する。これにより、第3センサSN3が、物体を検出した場合には、第3センサSN3に対応する第3フラグが、論理値“1”に設定され、第3センサSN3が、物体を検知しない場合には、第3フラグには、論理値“0”が設定されることになる。
【0092】
プロセッサ30は、ステップS3_8またはS3_9の処理が終了すると、次にステップS3_10を実行する。ステップS3_10において、プロセッサ30は、検出処理を終了(エンド)する。
【0093】
検出処理が終了すると、プロセッサ30は、図11に示すステップS4を実行する。ステップS4において、プロセッサ30は、ステップS3の検出処理で設定した状態レジスタSTR1と、不揮発性メモリ32に格納されている状態テーブルとを用いて、感圧検知センサ103の異常状態、挟み込み状態、引き込み状態等を判定し、報知情報を生成して、報知レジスタ34に格納する。ステップS4が終了すると、ステップS5において、全体的な処理をエンドする。
【0094】
より具体的に説明すると、プロセッサ30は、状態レジスタSTR1の「第1フラグ」~「第3フラグ」に設定されている論理値の組み合わせと、状態テーブルの「第1フラグ」~「第3フラグ」に格納されている論理値の組み合わせとを比較する。比較により、状態テーブルにおいて、状態レジスタSTR1の「第1フラグ」~「第3フラグ」の論理値の組み合わせと一致する「第1フラグ」~「第3フラグ」の項目に対応する「状態」の項目が選択される。プロセッサ30は、選択された「状態」の項目に格納されている状態を、報知レジスタ34に格納する。
【0095】
例えば、状態レジスタSTR1の「第1フラグ」~「第3フラグ」の論理値が、”0”、”0”、”0”であれば、プロセッサ30は、この論理値の組み合わせと一致する「第1フラグ」~「第3フラグ」の項目に対応する状態R1を選択し、報知レジスタ34に格納する。この場合、第1センサSN1~第3センサSN3は、物体を検知していないため、挟み込み等は発生しておらず、扉は正常であることが、報知されることになる。また、状態レジスタSTR1の「第1フラグ」~「第3フラグ」の論理値が、”0”、”0”、”1”であれば、プロセッサ30は、この論理値の組み合わせと一致する「第1フラグ」~「第3フラグ」の項目に対応する状態R2を選択し、報知レジスタ34に格納する。この場合、センサSN1およびSN2は、物体を検知していないが、センサSN3は物体を検知しているため、図5で説明した状態が発生している。そのため、引き抜きが発生していることが、報知される。
【0096】
また、状態レジスタSTR1の「第1フラグ」~「第3フラグ」の論理値が、”0”、”1”、”0”であれば、プロセッサ30は、この論理値の組み合わせと一致する「第1フラグ」~「第3フラグ」の項目に対応する状態R3を選択し、報知レジスタ34に格納する。この場合、センサSN1およびSN3は、物体を検知していないが、センサSN2は物体を検知しているため、図4で説明したような挟み込みが発生している。そのため、挟み込みが発生していることが、報知される。さらに、状態レジスタSTR1の「第1フラグ」~「第3フラグ」領域の論理値が、”1”、”0”、”0”であれば、プロセッサ30は、この論理値の組み合わせと一致する「第1フラグ」~「第3フラグ」の項目に対応する状態R5を選択し、報知レジスタ34に格納する。この場合、センサSN2およびSN3は、物体を検知していないが、センサSN1は物体を検知しているため、図6で説明した状態が発生している。すなわち、斜め方向の引き抜きが発生していることになる。状態R5としては、引きずりが、「状態」の項目に格納されているため、実施の形態2においては、引きずりが発生していることが、報知される。
【0097】
状態レジスタSTR1の「第1フラグ」~「第3フラグ」領域の論理値が、”1”、”0”、”1”であれば、プロセッサ30は、この論理値の組み合わせと一致する「第1フラグ」~「第3フラグ」の項目に対応する状態R6を選択し、報知レジスタ34に格納する。この場合、第1センサSN1および第3センサSN3は、物体を検知しているが、第2センサSN2は物体を検知していないことになる。すなわち、感圧検知センサ103において、中央部に配置された第2感圧検知部材6-2が潰されず、車両外側および車両内側に配置された第1感圧検知部材6-1および第3感圧検知部材6-3が潰されていることになる。通常、このような状態は発生しないため、感圧検知センサ103、すなわち複数の感圧検知部材6-1~6-3において、故障等の異常が発生しているものと推定され、故障が報知される。
【0098】
図11に示した処理は、鉄道車両100が走行中に行うことが望ましいが、鉄道車両100が停車中にも、図11に示した処理を行うようにしてもよい。これにより、停車中においても、挟み込み、引き抜きおよび故障を検出して、報知することが可能である。
【0099】
<変形例>
変形例においては、プロセッサ30は、揮発性メモリ33の別の所定のアドレス領域に、図13(B)に示すような第2状態レジスタSTR2を割り当てる。
【0100】
プロセッサ30は、タイマー4によって、第1の時刻において、ステップS3を実行し、上記したように、状態レジスタ(変形例においては、第1状態レジスタと称する)STR1の「第1フラグ」~「第3フラグ」に、第1の時刻におけるセンサSN1~SN3からの論理値を格納する。そのあと、所定の時刻が経過した第2の時刻において、プロセッサ30は、再び、ステップS3を実行する。このとき、プロセッサ30は、第2状態レジスタSTR2の「第1フラグ」~「第3フラグ」に、第2の時刻におけるセンサSN1~SN3からの論理値を格納する。
【0101】
プロセッサ30は、第2状態レジスタSTR2にセンサSN1~SN3からの論理値を格納した後で、ステップS4を実行する。この場合、ステップS4において、プロセッサ30は、図13(B)に示した状態テーブルを参照して、第1状態レジスタSTR1に格納されている論理値に対応する状態と、第2状態レジスタSTR2に格納されている論理値に対応する状態を取得し、時間の変化による状態の遷移を把握する。把握した状態の遷移を基にして、プロセッサ30は、報知すべき報知情報を生成し、報知レジスタ34に格納する。
【0102】
例えば、比較的太い物体が、扉103と104の間に挟まれ、車両外側に斜め方向で引き抜きが行われた場合を想定すると、センサSN1~SN3は次のように、物体を検知する。先ず、太い物体を挟み込むことにより、第2センサSN2が物体を検知し、第2センサSN2の検出信号の電圧がロウレベルへ変化する。その後、斜め方向の引き抜きが行われると、第1センサSN1が物体を検知し、第1センサSN1からの検出信号がロウレベルへ変化する。図13(A)の状態テーブルを参照すると、先ず状態R3が発生し、時間が経過すると、状態R7が発生することになる。
【0103】
変形例においては、状態の遷移に基づいて報知情報を生成するため、上記したような比較的太い物体の斜め方向の引き抜きも判定して、報知することが可能である。すなわち、プロセッサ30は、第1状態レジスタSTR1に格納されている論理値に対応する状態が状態R3で、第2状態レジスタSTR2に格納されている論理値に対応する状態が状態R7へ遷移したとき、比較的太い物体の斜め方向の引き抜きが行われていることを報知情報として報知レジスタ34に格納する。
【0104】
ここでは、状態の遷移により判定することができるものの一例を説明したが、これに限定されず、種々のものを判定し、報知することが可能である。
【0105】
また、不揮発性メモリ32を、例えば電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ、所謂フラッシュメモリ等によって構成することにより、ユーザーが任意に状態テーブルを変更することが可能である。例えば、状態テーブルの「状態」の項目として、ユーザーが望む内容を設定することにより、種々の報知情報を、運転手あるいは/および車掌に報知することが可能である。
【0106】
報知部37による報知は、文字あるいは記号の表示あるいは警報音等による報知であってもよい。また、扉ごとに報知することが望ましいが、車両全体あるいは所定数の扉単位で、報知するようにしてもよい。
【0107】
感圧検知部材6-2が潰されることにより、挟み込みが検知されるが、このときの検知感度は、変形部5-2が変形していないときのカバー部分5-5と受け部9との間の距離L2によって定めることができる。この場合、距離L2を短くする程、検知感度を高くすることができる。
【0108】
また、感圧検知部材6-3は、車両外側への引き抜きにより、受け部9の第2斜面9-3に向かって移動し、潰されるように変形する。このときの検出信号により引き抜きが検知される。引き抜きの検知感度は、変形部5-2が変形していないときのカバー部分5-6と受け部9の第2斜面9-3との間の距離L3と、内角α2によって定めることができる。同様に、感圧検知部材6-1は、受け部9の第1斜面9-2に向かって移動し、潰されるように変形する。このときの検知感度は、変形部5-2が変形していないときのカバー部分5-4と受け部9の第1斜面9-2との間の距離L1と、内角α2によって定めることができる。距離L1およびL3を短くする程、検知感度を高くすることができる。また、内角α2を90度に近づける程、検知感度を高くすることができる。
【0109】
なお、実施の形態では、第1斜面9-2によって形成される内角α2と第2斜面9-3によって形成される内角α2が同じ場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、第1斜面9-2によって形成される内角α2は、第2斜面9-3によって形成される内角α2と異なっていてもよい。
【0110】
挟み込みおよび引き抜きの検知の際には、受け部9の上面9-1、第1斜面9-2または第2斜面9-3が、カバー部分5-4,5-5または5-6の表面と接することになる。感圧検知部材6-1~6-3をより変形し易く(潰し易く)するためには、カバー部分5-4,5-5または5-6の表面と感圧検知部材6-1~6-3の表面との間に介在しているカバー部材5の肉厚を、感圧検知部材6-1~56-3の表面と変形部5-2の外側表面との間に介在しているカバー部材5の肉厚よりも薄くすることが望ましい。
【0111】
実施の形態においては、図2に示したように、上面変形部5-2Uの肉厚5Aに比べて側面変形部5-2Sの肉厚5Bが薄くなっている。そのため、挟み込みおよび引き抜きが発生した場合、側面変形部5-2Sが変形し易くなっており、検知感度を高めることができる。
【0112】
感圧検知部材を潰し易くするために、受け部9の上面9-1および斜面9-2、9-3には、帯状の凸部を設けるようにしてもよい。
【0113】
感圧検知部材6-1~6-3は、特に制限されないが、カバー部材5とは別に準備される。この場合、カバー部材5には、断面視で見たとき、感圧検知部材6-1~6-3の断面積よりも大きな面積の挿入口が形成される。別途準備した感圧検知部材6-1~6-3を、カバー部材5において対応する挿入口に挿入する。これにより、対応する挿入口に感圧検知部材6-1~6-3を挿入する際に、感圧検知部材6-1~6-3が捩れるのを防ぐことが可能である。
【0114】
また、感圧検知部材6-1~6-3の断面が、楕円形にされる。さらに、挿入口に接着剤を入れ、円形または楕円形の感圧検知部材6-1~6-3が対応する挿入口に挿入される。
【0115】
実施の形態においては、上面9-1、第1斜面9-2および第2斜面9-3は平坦な面であるが、本発明の効果を奏する限りにおいて、上面9-1、第1斜面9-2および第2斜面9-3は平面に限らず、曲面であってもよい。
【0116】
さらに、図2では、カバー部材5が感圧検知部材6-1~6-3を覆っている例を説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、感圧検知部材6-1~6-3は、受け部9側に設けられていてもよい。
【0117】
さらに、実施の形態においては、1つの感圧検知センサ103が、3つの感圧検知部材を備える例を示したが、感圧検知センサ103が備える感圧検知部材の個数は、これに限定されるものではなく、複数であればよい。
【0118】
このように、実施の形態に係わる検出装置1は、1つの感圧検知センサを用いて、挟み込み、垂直方向の引き抜きおよび斜め方向の引き抜き等を判定することが可能である。その結果、判定された結果に対応した適切な処理を行うことが可能である。また、カバー部材5には中空部8が設けられているため、クッション性を高めることが可能である。
【0119】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、実施の形態では、鉄道車両を適用対象として説明したが、適用対象は、自動車、ホームドア、エレベータあるいはバックドア等でもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 検出装置
2 マイクロコンピュータ
3 加速度センサ
4 タイマー
6-1~6-3 感圧検知部材
7-1~7-3 中空部
9 受け部
30 プロセッサ
31 メモリ
34 報知レジスタ
35 バス
36 リセット回路
37 報知部
100 鉄道車両
101-A、101-B 扉
103、104 感圧検知センサ
105 判定部
ED1~ED3、SNL1、SNL2 電極線
PUR プルアップ抵抗
SN1~SN3 第1センサ~第3センサ
TMR 終端抵抗
図1
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