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特許7020314通信システム、通信方法、情報処理装置、プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】通信システム、通信方法、情報処理装置、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/02 20220101AFI20220208BHJP
   H04M 3/56 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
H04L43/02
H04M3/56 C
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018116519
(22)【出願日】2018-06-19
(65)【公開番号】P2019185713
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-02-08
(31)【優先権主張番号】P 2018070391
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】橋本 悠太
(72)【発明者】
【氏名】久保 直彦
【審査官】今川 悟
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/073092(WO,A1)
【文献】特開2018-014709(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0288913(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104769563(CN,A)
【文献】特開2018-050285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/26
H04M 3/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子情報ボードの画面情報を管理するサービスを利用可能な情報処理装置と、前記情報処理装置とネットワークを介して通信する端末装置とを有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、
前記端末装置が配置された施設の利用に関するスケジュールを管理する第二の情報処理装置から前記スケジュールに関する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が前記スケジュールに関する情報を取得した場合、前記電子情報ボードの作成を前記サービスに要求するボード作成要求手段と、
前記サービスが作成した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記端末装置に送信する送信手段と、を有し、
前記端末装置は、
前記電子情報ボードにアクセスするための情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が受信した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を用いて前記電子情報ボードにアクセスする第一の通信手段と、
を有する通信システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記サービスが作成した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記スケジュールに関する情報に対応付けて前記第二の情報処理装置に登録する登録手段を有し、
前記取得手段は、前記スケジュールに関する情報に基づいて、前記情報処理装置が前記第二の情報処理装置から取得した、前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記情報処理装置から取得することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
更に、前記施設のユーザが使用するユーザ端末を有し、
前記ユーザ端末は、
前記スケジュールに関する情報に基づいて、前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記第二の情報処理装置から取得し、
前記電子情報ボードにアクセスするための情報を用いて前記電子情報ボードにアクセスする第二の通信手段を有することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
前記施設の利用開始を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた利用開始の要求を前記情報処理装置に送信する通信手段と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記利用開始の要求の認証が成功した場合、前記施設の利用を許可する施設管理手段を有し、
前記施設管理手段が前記施設の利用を許可した場合、
前記取得手段は、前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記情報処理装置から取得し、
前記第一の通信手段は、前記取得手段が取得した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を用いて前記電子情報ボードにアクセスすることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記施設を利用する予約がキャンセルされた場合、又は、前記施設管理手段が前記利用開始の要求を取得することなく、前記施設の予約開始時刻が過ぎた場合、
前記ボード作成要求手段は、前記電子情報ボードの削除を前記サービスに要求することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記ボード作成要求手段は、前記施設管理手段が前記施設の利用を許可した場合、前記電子情報ボードの作成を前記サービスに要求し、
前記送信手段は、前記サービスが作成した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記端末装置に送信する、ことを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項7】
前記施設管理手段は、前記情報取得手段が取得した前記スケジュールに関する情報に基づいて、前記施設の予約開始時刻の所定時間前に前記施設の予約をリマインドする情報を前記施設のユーザのユーザ端末に送信し、
前記ボード作成要求手段は、前記予約をリマインドする情報に対し前記施設を利用する旨の応答を取得した場合、電子情報ボードの作成を前記サービスに要求し、
前記送信手段は、前記サービスが作成した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記端末装置に送信することを特徴とする請求項4に記載の通信システム。
【請求項8】
前記情報取得手段は、前記情報処理装置に対する前記スケジュールに関する情報の登録を受け付けることで前記スケジュールに関する情報を取得することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項9】
前記送信手段は、前記情報取得手段が取得した前記スケジュールに関する情報を前記端末装置に送信し、
前記端末装置の前記取得手段は、前記スケジュールに関する情報を前記情報処理装置から取得し、
前記端末装置は、前記スケジュールに関する情報を表示装置に表示する表示処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項10】
前記スケジュールは会議室の予約に関するものであり、
前記スケジュールに関する情報には、会議名、会議室の名称、日時、又は参加者の少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記端末装置の前記表示処理手段は、前記第一の通信手段が前記電子情報ボードにアクセスするための情報を用いて前記電子情報ボードにアクセスして取得した画面情報に基づくホワイトボードを表示装置に表示し、前記ホワイトボードに前記スケジュールに関する情報を表示することを特徴とする請求項9又は10に記載の通信システム。
【請求項12】
前記端末装置の前記第一の通信手段は前記電子情報ボードにアクセスするための情報を用いて前記電子情報ボードにアクセスして、前記スケジュールに関する情報を前記サービスに送信し、
前記表示処理手段は、前記サービスが作成した前記スケジュールに関する情報を含む画面情報に基づくホワイトボードを表示装置に表示することで、前記ホワイトボードに前記スケジュールに関する情報を表示することを特徴とする請求項9又は10に記載の通信システム。
【請求項13】
前記端末装置は、前記ホワイトボードに対するストロークの描画を受け付ける受付手段を有し、
前記スケジュールに関する情報と描画された前記ストロークを同じファイルに保存することを特徴とする請求項12に記載の通信システム。
【請求項14】
前記送信手段は、会議の開始後に前記情報取得手段が取得した会議の参加者に関する情報を前記端末装置に送信し、
前記端末装置の前記取得手段は、前記参加者に関する情報を前記情報処理装置から取得し、
前記端末装置の前記表示処理手段は、会議の開始後に取得された前記参加者に関する情報を表示装置に表示することを特徴とする請求項9~13のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項15】
電子情報ボードの画面情報を管理するサービスを利用可能な情報処理装置と、前記情報処理装置とネットワークを介して通信する端末装置とを有する通信システムが行う通信方法であって、
前記情報処理装置は、
情報取得手段が、施設の利用に関するスケジュールを管理する第二の情報処理装置から前記スケジュールに関する情報を取得するステップと、
ボード作成要求手段が、前記情報取得手段が前記スケジュールに関する情報を取得した場合、前記電子情報ボードの作成を前記サービスに要求するステップと、
送信手段が、前記サービスが作成した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記端末装置に送信するステップと、を有し、
前記端末装置は、
取得手段が、前記電子情報ボードにアクセスするための情報を取得するステップと、
第一の通信手段が、前記取得手段が取得した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を用いて前記電子情報ボードにアクセスするステップと、
を有する通信方法。
【請求項16】
電子情報ボードの画面情報を管理するサービスを利用可能であり、電子情報ボードの画面情報を表示する端末装置とネットワークを介して通信する情報処理装置であって、
施設の利用に関するスケジュールを管理する第二の情報処理装置から前記スケジュールに関する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が前記スケジュールに関する情報を取得した場合、前記電子情報ボードの作成を前記サービスに要求するボード作成要求手段と、
前記サービスが作成した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記端末装置に送信する送信手段と、を有する情報処理装置。
【請求項17】
電子情報ボードの画面情報を管理するサービスを利用でき、電子情報ボードの画面情報を表示する端末装置とネットワークを介して通信する情報処理装置を、
施設の利用に関するスケジュールを管理する第二の情報処理装置から前記スケジュールに関する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が前記スケジュールに関する情報を取得した場合、前記電子情報ボードの作成を前記サービスに要求するボード作成要求手段と、
前記サービスが作成した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記端末装置に送信する送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の参加者が集まって会議を行う会議室などの施設は事前に予約して使用される場合がある。近年では、スケジュール管理システム等を使って参加者などのユーザが施設を予約しておくことが可能になっている。
【0003】
また、自拠点の参加者が遠隔地にある会議室の参加者と遠隔会議を行う場合があるが、このような遠隔地で開催される会議を支援する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、複数の端末装置間でホワイトボードの画面を共有するシステムについて開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、施設の利用を開始しようとするユーザが電子情報ボードの使用を開始するための操作を行う必要があるという問題があった。例えば、参加者が予め会議室を予約しており会議室にチェックインしたとしても、参加者はチェックインとは別に電子情報ボードを作成する等の操作が端末装置に対し必要であるため、必ずしも利便性がよくなかった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、施設の利用を開始しようとするユーザが電子情報ボードの使用を開始できる通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、電子情報ボードの画面情報を管理するサービスを利用可能な情報処理装置と、前記情報処理装置とネットワークを介して通信する端末装置とを有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、前記端末装置が配置された施設の利用に関するスケジュールを管理する第二の情報処理装置から前記スケジュールに関する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が前記スケジュールに関する情報を取得した場合、前記電子情報ボードの作成を前記サービスに要求するボード作成要求手段と、
前記サービスが作成した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を前記端末装置に送信する送信手段と、を有し、
前記端末装置は、前記電子情報ボードにアクセスするための情報を取得する取得手段と、前記取得手段が受信した前記電子情報ボードにアクセスするための情報を用いて前記電子情報ボードにアクセスする第一の通信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
施設の利用を開始しようとするユーザが電子情報ボードの使用を開始できる通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムの動作を模式的に説明する図の一例である。
図2】通信システムの概略構成図の一例である。
図3】コンピュータシステムの一例のハードウェア構成図である。
図4】WBシステム、会議予約システム、スケジュール管理システム、ユーザ端末、及び、端末装置の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
図5】会議室の予約と予約情報について説明する図の一例である。
図6】通信システムがホワイトボードを作成して表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
図7】主催者端末が表示する予約情報確認画面の一例を示す図である。
図8】端末装置が表示するチェックイン画面の一例を示す図である。
図9】ホワイトボードの初期画面の一例を示す図である。
図10】ホワイトボードの終了受付欄の一例を示す図である。
図11】通信システムがホワイトボードを作成して表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
図12】リマインドの応答に対しホワイトボードを作成する処理を説明するフローチャート図等の一例である。
図13】ホワイトボードのURLの共有方法を説明する図の一例である。
図14】参加者のスケジュールにホワイトボードのURLを登録する際のメールアドレス入力画面の一例を示す図である。
図15】WBシステム、会議予約システム、スケジュール管理システム、ユーザ端末、及び、端末装置の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である(実施例2)。
図16】通信システムがホワイトボードを作成して表示する手順を示すシーケンス図の一例である(実施例2)。
図17】通信システムの概略構成図の一例である(実施例3)。
図18】通信システムのシステム間又は端末間の通信経路を説明する図の一例である。
図19】WBシステム、会議予約システム、スケジュール管理システム、ユーザ端末、会議室端末、及び、WB端末の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である(実施例3)。
図20】予約情報DBに記憶されている予約情報の一例を示す図である。
図21】通信システム1が予約時にホワイトボードを作成しておき、チェックイン時に表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
図22】WB端末が表示する予約情報画面の一例を示す図である。
図23】通信システムが追加された参加者を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
図24】通信システムが追加された参加者を表示する手順の別のシーケンス図の一例である。
図25】通信システムがチェックイン時にホワイトボードのURLを作成し、このホワイトボードが予約情報を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として通信システムと通信システムが行う通信方法について説明する。
【実施例1】
【0010】
<通信システムの動作の概略>
まず、図1を用いて本実施形態の通信システム1の動作の概略について説明する。図1は通信システム1の動作を模式的に説明する図の一例である。まず、会議室9には、端末装置10が設定されている。端末装置10はネットワークを介して会議予約システム50及び電子黒板の機能を端末装置10に提供するホワイトボードシステム(以下、WBシステム40という)と通信することができる。また、会議予約システム50は、参加者が会議室9を予約するスケジュール管理システム60及びWBシステム40とネットワークを介して通信することができる。なお、会議室Aと同様の構成を会議室Bも有するが図1では省略されている。
(1)会議予約システム50は例えば定期的に会議室9の予約情報をスケジュール管理システム60から取得する。
(2)会議予約システム50は予約された会議室で使用するためのホワイトボードの作成をWBシステム40に要求し、WBシステム40からホワイトボードのURLを取得する。
(3)会議予約システム50は取得した予約情報に対して予約IDを採番し、予約IDとホワイトボードのURLをスケジュール管理システム60に登録する。
(4)参加者は会議室9の端末装置10を操作してチェックインする。この操作に応じて端末装置10はチェックイン要求を会議予約システム50に送信する。
(5)チェックインに成功した旨の通知を端末装置10が取得すると、端末装置10は会議予約システム50からホワイトボードのURLを取得する。
(6)これにより、端末装置10はホワイトボードのURLを通信先に設定してWBシステム40と通信するので、端末装置10にはホワイトボードの初期画面が表示される。
【0011】
なお、会議室B側でも同様に端末装置10が同じホワイトボードのURLを指定してWBシステム40と通信するので、会議室Aと会議室Bの参加者が同じ画面をみながら会議に参加できる。ただし、本実施形態の通信システム1の説明に関しては遠隔会議を行わなくてもよい。ユーザが単に1つの会議室を予約して会議に合わせてホワイトボードを作成したいという状況に対しても本実施形態のホワイトボードの作成方法を好適に適用できる。
【0012】
このように、参加者がチェックインすると、端末装置10がホワイトボードのURLを会議予約システム50から取得して、WBシステム40と通信してホワイトボードの初期画面を表示するので、参加者はチェックインするという操作によりホワイトボードを使用できるようになる。また、スケジュール管理システム60にホワイトボードのURLが登録されたので、会議の終了後、参加者はスケジュール管理システム60からホワイトボードのURLを取得すれば、会議中に端末装置10に手書きされた描画像データ等を再度、自分の参加者端末に表示できる。
【0013】
<用語について>
本実施形態においてホワイトボードとはサーバからクライアントに提供される電子黒板の機能をいう。つまり、いわゆる電子黒板という装置があるわけではなく、電子黒板と同等の機能をクライアントとサーバが通信してクライアント側で実現する。ホワイトボードを作成するという記載も、電子黒板と同等の機能をクライアント側で利用可能とすることをいう。ブラウザ機能を有する電子黒板であればクライアントとして動作可能である。また、電子黒板とは、表示している画面に対する文字、図、画像、手書き画像、スタンプ等の情報の追加をユーザから受付可能な機能を持つものである。
【0014】
施設の利用開始とは、予約されている施設の利用を予約により利用できる者が開始することをいう。本実施形態ではチェックインという用語で説明する。利用開始要求をチェックイン要求という用語で説明する。
【0015】
施設の利用に関するスケジュールとは、施設がいつどのように利用されるかという予定をいう。スケジュールに関する情報はスケジュールの具体的な内容である。なお、スケジュールは時間割、日程表、予定表などと呼ばれてよい。スケジュールに関する情報を本実施形態では予約情報という用語で説明する。また、スケジュールに関する情報には、スケジュールが登録されたこと、スケジュールのリマインド、及び、施設の利用(スケジュール)の開始(チェックイン)が含まれる。なお、施設とはある目的のための設備をいう。例えば、会議室、ブース、教室、等がある。
【0016】
ホワイトボードにアクセスするための情報は、端末装置10等がホワイトボードを表示する(識別する)ための通信先をいう。本実施形態ではホワイトボードのURLという用語で説明される。ホワイトボードのIPアドレスとポート番号等でもよい。IPアドレスのみによりホワイトボードを識別するのでなく1つ以上の固定のIPアドレスにディレクトリ名を加えてホワイトボードを識別してもよい。ディレクトリ名などのホワイトボードにアクセスするための情報の一部又は全体が、ユーザのID、会議日時、会議室のID、会議名、ホワイトボードのID、又は、これらの組合せ等でもよい。
【0017】
ホワイトボードのURLに端末装置10がアクセスすることでホワイトボードの画面を表示できる。ホワイトボードの画面を表示することで、参加者はホワイトボードの使用を開始することが可能になる。なお、アクセスとは通信すること、接続することをいう。
【0018】
<システム構成例>
図2は、通信システム1の概略構成図の一例を示す。通信システム1は、インターネットiを介して接続されたWBシステム40、会議予約システム50、スケジュール管理システム60、ユーザ端末30(参加者端末、又は、主催者端末)、及び、端末装置10を有している。なお、ユーザ端末30と端末装置10は一例としてLANなどの社内ネットワークに配置されている。ただし、ユーザ端末30はLANを介さないで、携帯電話網等からもインターネットiに接続可能である。
【0019】
WBシステム40、会議予約システム50、及び、スケジュール管理システム60は、クラウド側に存在し、インターネットiを介してユーザ端末30や端末装置10と通信する。WBシステム40、会議予約システム50、及び、スケジュール管理システム60は、実際にはデータセンター等に構築されていてよい。
【0020】
なお、図2に示す構成は一例に過ぎず、WBシステム40、会議予約システム50、及びスケジュール管理システム60の全てが社内ネットワークに配置されていてもよいし、これらのうち1つ以上が社内ネットワークに配置されていてもよい。
【0021】
スケジュール管理システム60は、例えばクラウド上で任意のユーザのスケジュールを管理する1つ以上の情報処理装置である。スケジュール管理システム60は、ユーザのスケジュールを管理するサービスを提供する。このスケジュールの管理の1つに会議室9の予約の管理が含まれる。なお、スケジュール管理システム60としてはGoogleカレンダー(登録商標)、Office365(登録商標)などが知られている。技術的仕様を満たすものであればスケジュール管理システム60はどのようなものでもよい。
【0022】
会議予約システム50は会議室9の利用や予約情報を管理する1つ以上の情報処理装置である。まず、会議予約システム50はスケジュール管理システム60に予約された会議室9の予約情報をスケジュール管理システム60から取得する。会議予約システム50は外部のスケジュール管理システム60を利用する必要はなく、会議予約システム50がスケジュール管理システム60を兼用してもよい。本実施形態で外部のスケジュール管理システム60が利用されるのは、外部のスケジュール管理システム60を利用することで開発コストを抑制できることが理由の1つである。
【0023】
会議予約システム50は、各会議室9に配置された1つ以上の端末装置10と通信し、例えば当日の予約情報を端末装置10に送信する。予約情報は定期的に更新され、会議ごとに会議の状態を示すステータスを管理する。例えば、チェックインからチェックアウトまでを管理する。
【0024】
WBシステム40は、参加者が端末装置10に手書きしたストロークを端末装置10から取得し、更に、1つ以上のストロークから生成した描画像データを含む画面情報を端末装置10に送信するWebサーバ(又はHTTPサーバ)としての機能を有する1つ以上の情報処理装置である。WBシステム40は、ホワイトボードの機能をユーザが利用できるサービスを提供する。画面情報はHTML、スクリプト言語、及び、CSS(Cascade Style Sheet)などで記述されており、WBシステム40が生成するWebページとして提供される。端末装置10とWBシステム40はWebアプリを実行することで、参加者が端末装置10を電子黒板(ホワイトボード)のように使用することを可能にする。なお、Webアプリとは、ブラウザアプリ上で動作するスクリプト言語(たとえばJavaScript(登録商標))によるプログラムとWebサーバ側のプログラムが協調することによって動作し、ブラウザ上で使用されるソフトウェア又はその仕組みを言う。
【0025】
本実施形態ではWBシステム40が提供するWebアプリをホワイトボードアプリと称する。ブラウザアプリが動作する端末装置10であればホワイトボードアプリを利用できる。ホワイトボード又は電子黒板は電子情報ボード、電子ホワイトボード、コピーボード又は電子ボード等と呼ばれる場合がある。なお、ホワイトボードはタッチパネルにより手書きされたストロークを取り込むタイプの他、プロジェクタとホワイトボード(ディスプレイを有さない通常の黒板タイプ)により実現してもよい。
【0026】
なお、会議予約システム50が、スケジュール管理システム60とWBシステム40の少なくとも一方のサービスの機能を有していてもよい。スケジュール管理システム60とWBシステム40が統合され、1つのサービスとして提供されてもよい。更に、会議予約システム50、スケジュール管理システム60及びWBシステム40が別々のサービスとして提供されていたとしても、3つのサービスを1又は2の装置によって実現してもよいし、それぞれ別の装置によって実現してもよいし、1つのサービスを2以上の装置によって実現してもよい。
【0027】
本実施形態の端末装置10は、3つの機能を有する情報処理装置である。すなわち、会議室9の利用に関する機能、ホワイトボードに関する機能、及び、ブラウザの機能である。これらは一例として別々のアプリケーションソフトにより提供される。まず、端末装置10は各会議室9において、会議予約システム50に対する参加者のユーザインタフェースとなる。例えば、端末装置10は自身の管理している会議室9の識別情報などを送信することで会議室9の予約に関する予約情報を会議予約システム50から取得し、直近の会議や会議室9の当日の予約状況を表示する。端末装置10はアプリケーションソフトにより会議予約システム50から送信された情報を表示装置に表示する。
【0028】
また、端末装置10は参加者による会議室9へのチェックイン操作を受け付け、参加者を会議室9にチェックインさせる機能を有する。参加者がチェックインのための操作を行うと(後述する予約IDの入力)会議予約システム50に予約IDを含むチェックイン要求を通知する。会議予約システム50はチェックイン要求を認証して、認証が成立するとチェックインが認められる。
【0029】
ホワイトボードに関する機能は、参加者が端末装置10をホワイトボードとして使用できるようブラウザの機能と連携する。例えば、ユーザの操作を受け付けたり、ブラウザをWBシステム40と通信させたりする。
【0030】
また、端末装置10はブラウザを有しており、一般的なWebサーバから送信されるWebページを表示したり、Webアプリを実行したりすることができる。WBシステム40が送信する画面情報を表示するのはブラウザである。
【0031】
端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット装置、ノートPC(Personal Computer)、など一般的な情報処理装置である。通信機能、表示機能及び入力機能を有する情報処理装置であればよい。また、端末装置10は電子黒板、テレビ会議端末、又は、プロジェクタのうち1つ以上でもよい。
【0032】
ユーザ端末30は、通信システム1のユーザが会議室9に持ち込む情報処理装置である。ただし、必ずしも会議室9に持ち込む必要はない。ここでユーザは主に参加者であるが、更に、会議主催者と単なる参加者の場合がある。会議主催者は会議を予約した者である。ただし、会議主催者と単なる参加者を厳密に区別する必要はない。会議主催者が使用するユーザ端末30を主催者端末、単なる参加者が使用するユーザ端末30を参加者端末という場合がある。
【0033】
ユーザ端末30は例えば、スマートフォン、タブレット装置、ノートPC、など一般的な情報処理装置である。本実施形態では、ブラウザが動作する情報処理装置であればよい。
【0034】
<ハードウェア構成例>
次に、本実施形態の通信システム1におけるWBシステム40、会議予約システム50、スケジュール管理システム60、ユーザ端末30、及び、端末装置10のハードウェア構成について説明する。
【0035】
<<WBシステム、会議予約システム、スケジュール管理システム、ユーザ端末、及び、端末装置のハードウェア構成例>>
WBシステム40、会議予約システム50、スケジュール管理システム60、ユーザ端末30、及び、端末装置10は、例えば図3に示すハードウェア構成のコンピュータシステムにより実現される。図3は本実施形態に係るコンピュータシステム100の一例のハードウェア構成図である。
【0036】
図3に示したコンピュータシステム100は、入力装置201、表示装置202、外部I/F203、RAM(Random Access Memory)204、ROM(Read Only Memory)205、CPU(Central Processing Unit)206、通信I/F207、及びHDD(Hard Disk Drive)208などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0037】
入力装置201はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置202はディスプレイなどを含み、コンピュータシステム100による処理結果を表示する。
【0038】
通信I/F207はコンピュータシステム100を社内ネットワーク及びインターネット等に接続させるインタフェースである。これにより、コンピュータシステム100は通信I/F207を介してデータ通信を行うことができる。
【0039】
HDD208はプログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、例えばコンピュータシステム100全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)や、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトなどがある。HDD208は格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステム及び/又はDB(データベース)により管理している。
【0040】
外部I/F203は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体203aなどがある。これにより、コンピュータシステム100は外部I/F203を介して記録媒体203aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体203aにはフレキシブルディスク、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory card)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。
【0041】
ROM205は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM205には、コンピュータシステム100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM204は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。
【0042】
CPU206は、ROM205やHDD208などの記憶装置からプログラムやデータをRAM204上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータシステム100全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0043】
なお、WBシステム40、会議予約システム50、及びスケジュール管理システム60は、クラウドコンピューティングに対応していることが好ましい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。
【0044】
<機能について>
次に、図4を用いてWBシステム40、会議予約システム50、スケジュール管理システム60、ユーザ端末30、及び、端末装置10の機能について説明する。図4は、WBシステム40、会議予約システム50、スケジュール管理システム60、ユーザ端末30、及び、端末装置10の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【0045】
<<ユーザ端末の機能>>
ユーザ端末30は、第1表示制御部31、第1操作受付部32、及び、第1通信部33を有する。ユーザ端末30が有するこれら各機能部は、図3に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0046】
第1通信部33は、主にスケジュール管理システム60及びWBシステム40と各種の情報を送受信する。本実施形態では、会議室9の予約情報をスケジュール管理システム60に登録し、スケジュール管理システム60からホワイトボードのURLを取得する。また、ホワイトボードのURLを指定してWBシステム40と通信し、描画像データを含む画面情報を受信する。
【0047】
第1表示制御部31は、表示装置202に各種の画面を表示する。例えば、第1通信部33が受信した画面情報を解析して表示装置202に予約画面やホワイトボードとなるWebページを表示する。
【0048】
第1操作受付部32は、ユーザ端末30に対するユーザの各種の操作を受け付ける。例えば、メニューに表示されるボタンの押下、文字等の入力、画面のスクロール等の操作を受け付ける。
【0049】
なお、ユーザ端末30が有するこれらの機能は、スケジュール管理システム60及びWBシステム40から送信される画面情報をブラウザが解析して実行することにより提供されてよい。
【0050】
<<WBシステムの機能>>
WBシステム40は、WB作成部41、第3通信部42、及び、WB提供部43を有する。WBシステム40が有するこれら各機能部は、図3に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。また、WBシステム40はRAM204又はHDD208等に保持されるWBオブジェクトDB44を有している。
【0051】
第3通信部42は、主に会議予約システム50と端末装置10と各種の情報を送受信する。本実施形態では、会議予約システム50からホワイトボードの作成要求を受信してホワイトボードのURLを返し、端末装置10からストロークを構成する座標データを受信し、ストロークから作成された描画像データを含むホワイトボードの画面情報を提供する。
【0052】
WB作成部41は、ホワイトボードを作成する。例えば、会議予約システム50から新しいホワイトボードを作成する要求があると、ホワイトボードを作成する。説明を容易にするため、1つのURLが1つのホワイトボードに対応するものとすると、新たなURLをホワイトボードに割り当てる。また、ホワイトボードを作成するとはストロークの書き込みを受け付け、描画像データの配信等の機能を有する画面情報を用意することをいう。このような画面情報(Webアプリと呼ばれる場合がある)のひな形は予め作成されておりこれをコピーしてホワイトボードのURLに割り当てる。
【0053】
WB提供部43は、ホワイトボードのための画面情報を生成する。WB提供部43は、1つのホワイトボードごとにデータを管理する。データはホワイトボードに表示されるデータであるため、例えば、ストロークから構成される描画像データ、テキスト、メニュー、及び、ホワイトボードに貼り付けられた画像データ等である。これらの内容と表示位置がホワイトボードごとにWBオブジェクトDB44にて管理されている。
【0054】
WB提供部43は、管理しているオブジェクトを用いて画面情報を生成する。例えば、複数のストロークが重なっている場合、複数のストロークを1つのオブジェクトに合成して描画像データを生成する。こうすることで、拡大、縮小、回転などに対し画像の品質がよくなる。
【0055】
ホワイトボードを画面情報として提供する際に好適なHTML要素としてCanvas要素がある。Canvas要素は、JavaScript(登録商標)によるスクリプティングによって図形などを描画するために使用される。WB提供部43は、手書きなどのデータが追加されるごとに画面情報を更新する。
【0056】
なお、遠隔会議が行われている場合、第3通信部42は画面情報が更新されるとホワイトボードのURLに接続している各端末装置10に更新を通知する。端末装置10はホワイトボードのURLに画面情報を取りに行くので、ほぼリアルタイムにホワイトボードの画面で表示されるデータを共有できる。
【0057】
<<スケジュール管理システムの機能>>
スケジュール管理システム60は、第5通信部61、予約情報登録受付部62、及び、URL登録受付部63を有する。スケジュール管理システム60が有するこれら各機能部は、図3に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。また、スケジュール管理システム60はHDD208又はRAM204等に保持される予約情報DB64を有している。
【0058】
第5通信部61は、主にユーザ端末30及び会議予約システム50と各種の情報を送受信する。本実施形態では、ユーザ端末30から会議室9の予約に関する予約情報を取得し、会議予約システム50に予約情報を送信する。
【0059】
予約情報登録受付部62は、ユーザ端末30から会議室9の予約に関する予約情報を取得して、予約情報DBに登録する。また、URL登録受付部63は会議予約システム50からホワイトボードのURLを取得して予約情報に対応付けて登録する。
【0060】
<<会議予約システムの機能>>
会議予約システム50は、会議室管理部51、第4通信部52、WB作成指示部53、予約ID生成部54、予約情報取得部55、及び、URL登録部56を有する。会議予約システム50が有するこれら各機能部は、図3に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。また、会議予約システム50はHDD208又はRAM204等に保持される予約情報DB57を有している。
【0061】
第4通信部52は、主に端末装置10、スケジュール管理システム60、及び、WBシステム40と各種のデータを送受信する。本実施形態では、少なくとも当日の予約情報を端末装置10に送信し、端末装置10からチェックイン要求を受信する。また、WBシステム40からホワイトボードのURLを取得し、スケジュール管理システム60にホワイトボードのURLを送信する。
【0062】
予約情報取得部55は、予約情報をスケジュール管理システム60から取得する。スケジュール管理システム60各企業の予約情報が登録されているため、予約情報取得部55は企業ごとに予め登録されているスケジュール管理システム60のアカウント(ユーザ名とパスワード)を指定してログインし、このアカウントが含むドメインを有するアカウントに対応付けて登録されている予約情報を取得する。例えば、企業ごとに予め登録されているスケジュール管理システム60におけるアカウントのユーザ名が「a@xfood.com」の場合、「xxx@xfood.com」というアカウント(xxxは任意)で登録されている予約情報を取得する。
【0063】
なお、予約情報取得部55は、新たな予約情報がスケジュール管理システム60に登録されたタイミングで通知を受けて、スケジュール管理システム60に予約情報を取りに行く。あるいは、予約情報取得部55は、定期的に(例えば、1時間に1回等)スケジュール管理システム60に予約情報を取りに行ってもよい。
【0064】
予約情報取得部55が取得した予約情報は予約情報DB57に記憶される。予約情報については後述する。また、本実施形態ではスケジュール管理システム60の予約情報DB64と会議予約システム50の予約情報DB57とを特に区別せずに扱う。実際には予約情報を管理する情報などで両者が異なっている可能性があるが、本実施形態の説明においては支障がないものとする。
【0065】
予約ID生成部54は、予約情報取得部55が取得した予約情報に対し重複しない予約IDを生成する(採番する)。予約IDはスケジュール管理システム60の予約情報にも設定される。したがって、ユーザ端末30がスケジュール管理システム60と通信することで予約IDを確認可能となる。会議主催者又は参加者(どちらか一方でよい)はこの予約IDでチェックインを行う。
【0066】
会議室管理部51は、端末装置10からチェックイン要求を受信すると、参加者を予約IDなどで認証することでチェックインできるか否か(会議室の利用を許可できるか否か)を判断する。チェックインできると判断すると、予約情報DB57の予約情報のステータスをチェックイン済みに更新する。ステータスは、例えば、チェックイン不可、チェックイン可能、チェックイン済み等の状態を取る。
【0067】
WB作成指示部53は、WBシステム40にホワイトボードの作成を要求する。ホワイトボードの作成のタイミングは、予約情報の登録から会議の終了までの間であればよい。ホワイトボードの作成によりWB作成指示部53はホワイトボードのURLをWBシステム40から取得する。
【0068】
URL登録部56は、WB作成指示部53が取得したホワイトボードのURLをスケジュール管理システム60に送信して、予約情報に対応付けて登録させる。
【0069】
<<端末装置>>
端末装置10は、第2表示制御部11、第2操作受付部12、ブラウザ部13、会議予約クライアント部14、第2通信部15、及び、WBクライアント部16を有する。端末装置10が有するこれら各機能部は、図3に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0070】
第2通信部15は、主に会議予約システム50及びWBシステム40と各種の情報を送受信する。本実施形態では、識別情報などにより自分の会議室9を指定して会議室9の予約情報を会議予約システム50に要求し、予約情報を受信する。また、WBシステム40からホワイトボードの画面情報を取得する。
【0071】
第2表示制御部11は、表示装置202に各種の画面を表示する。例えば、第2通信部15が受信した予約情報を表示装置202に表示し、また、ホワイトボードの画面情報を解析して表示装置202にホワイトボードとして機能するWebページを表示する。
【0072】
第2操作受付部12は、端末装置10に対する参加者の各種の操作を受け付ける。例えば、チェックインの操作(予約IDの入力)、チェックアウトの操作等を受け付ける。
【0073】
会議予約クライアント部14は会議予約システム50のクライアントアプリであり、第2通信部15を介してチェックインやチェックアウトの通知を行う。
【0074】
WBクライアント部16は、ユーザによるホワイトボードを使用するという操作に応じて会議予約クライアント部14にホワイトボードのURLを要求し、取得したホワイトボードのURLをブラウザ部13に通知する。会議予約クライアント部14とブラウザ部13の仲介を行う。
【0075】
ブラウザ部13は一般的なブラウザソフトウェアと同様の機能を有しており、ホワイトボードのURLを通信先にしてWBシステム40と通信することで端末装置10をホワイトボードとして機能させる。
【0076】
<予約情報の登録>
図5を用いて会議室9の予約と予約情報について説明する。図5(a)は会議室予約画面501の一例であり、図5(b)は会議予約システム50に送信される予約情報の一例を示し、図5(c)は予約情報DB57に記憶されている予約情報の一例である。
【0077】
図5(a)に示すように、会議室予約画面501は、会議名欄502、場所欄503、時間欄504、参加者欄505、OKボタン506、及び、キャンセルボタン507を有する。会議名欄502には会議の名称、タイトル、議題などが設定される。場所欄503には会議室9の名称などが設定される。予め企業ごとに利用可能な会議室9がスケジュール管理システム60に登録されているので、会議主催者は会議室9を選ぶことで設定する。時間欄504には、会議室9が予約される会議開始時刻(予約開始時刻)と会議終了時刻が設定される。なお日にちについては省略されている。参加者欄505には、会議の参加者が設定される。
【0078】
このようにして入力された予約情報は、図5(b)に示すように、文字列形式のデータとして通信システム1の間で送受信される。なお、図5(b)はJSON形式であるが、XML形式、CSV形式等でもよい。
【0079】
会議室予約画面501により会議室9が予約されると図5(c)に示すような予約情報がスケジュール管理システム60及び会議予約システム50に登録される。図5(c)では、会議室名に対応付けて時間帯と参加者が登録されている。なお、会議室9のステータスなど、他の情報も予約情報に含まれるが図5では省略されている。
【0080】
<動作の流れ>
次に、図6を用いて通信システム1においてホワイトボードが作成される手順を説明する。図6は、通信システム1がホワイトボードを作成して表示する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0081】
S1:会議主催者は、主催者端末を操作して主催者端末をスケジュール管理システム60と通信させ、会議室9を予約する操作を行う。また、会議主催者は新規のホワイトボードを作成する操作も入力する。会議室9の予約により自動的に新規のホワイトボードが作成される場合は、新規のホワイトボードを作成する操作は不要である。
【0082】
S1.1:主催者端末の第1操作受付部32は主催者の操作を受け付けて、第1通信部33が会議室9を予約する各種情報を送信する。図5で説明したように、会議室9、参加者、及び、時間帯を送信する。更に、ホワイトボードの作成要求を送信する。スケジュール管理システム60の第5通信部61はこれらを受信して、予約情報登録受付部62が予約情報を予約情報DB64に登録する。
【0083】
S2:会議予約システム50の予約情報取得部55はスケジュール管理システム60に対し新規の予約情報を問い合わせる。例えばポーリングにより定期的に問い合わせる。この応答として予約情報取得部55は予約情報を取得する。
【0084】
S3:会議予約システム50のWB作成指示部53は、予約情報にホワイトボードの作成要求が含まれていることから、WBシステム40に対しホワイトボードの作成を要求する。WBシステム40の第3通信部42はホワイトボードの作成要求を受信し、WB作成部41が新規なホワイトボードを新たなURLに作成する。第5通信部61はこのホワイトボードのURLを会議予約システム50に送信する。なお、各参加者に電子メールでホワイトボードのURLを送信してもよい。
【0085】
S4:会議予約システム50の第4通信部52はホワイトボードのURLを受信する。また、予約ID生成部54が予約IDを生成する(採番する)。予約IDは予約情報の受信時に生成してもよい。
【0086】
S5:ホワイトボードのURLを受信したので、会議予約システム50のURL登録部56は会議室9と日時を指定してホワイトボードのURLと予約IDの登録をスケジュール管理システム60に要求する。なお、会議室9と日時をキーとするのでなく、会議室9の予約を一意に特定する何らかの識別情報をキーにしてもよい。このように、スケジュール管理システム60にホワイトボードのURLが登録されることで、会議室で必要な情報を一元管理できる。
【0087】
会議予約システム50がスケジュール管理システム60を兼ねる場合、会議予約システム50に予約情報が登録された場合、WB作成指示部53はWBシステム40に対しホワイトボードの作成を要求する。
【0088】
S6:以上により、スケジュール管理システム60に、ホワイトボードのURLと予約IDが登録されたので、会議主催者はチェックインに必要になる予約IDを確認できる。会議主催者は会議室9と日時を指定して予約情報を閲覧する操作を主催者端末に入力する。
【0089】
S6.1:主催者端末の第1操作受付部32は操作を受け付け、第1通信部33が会議室9と日時を指定して予約情報をスケジュール管理システム60に要求する。スケジュール管理システム60の第5通信部61は予約情報の要求を受信し、予約情報DB64から会議室9と日時で特定される予約情報を取得し、主催者端末に送信する。
【0090】
主催者端末の第1通信部33は予約情報を受信し、第1表示制御部31が予約情報を表示装置202に表示する。表示された予約情報の一例を図7に示す。これにより、会議主催者は予約IDとホワイトボードのURLを確認できる。
【0091】
続いて、会議の開始時の処理を説明する。
S7:会議主催者が会議室9に赴き、端末装置10に対しチェックインの操作(予約IDの入力)を行う。なお、チェックインは参加者も可能である。チェックイン画面の一例を図8に示す。
【0092】
S7.1:端末装置10の第2操作受付部12はチェックインに必要な操作として予約IDの入力を受け付け、端末装置10の会議予約クライアント部14が会議室名と日時と予約IDを含むチェックイン要求を会議予約システム50に送信する。会議予約システム50の第4通信部52はチェックイン要求を受信し、会議室管理部51はチェックインが成功するか否かを判断する。すなわち、会議室名と日時で特定される予約情報の予約IDが、端末装置10から送信された予約IDと一致するか否かによりチェックインが成功するか否かを判断する。図6の説明では成功したものとする。なお、会議室9と日時をキーとするのでなく、会議室9の予約を一意に特定する何らかの識別情報をキーにしてもよい。以降の処理においても同様である。
【0093】
S8:会議主催者はホワイトボードを使用するため、ホワイトボードを起動させるアイコンを押下する。チェックインが成功するとこのようなアイコンが端末装置10に表示される。ユーザからホワイトボードを起動させるアイコンの押下を受け付けなくても、チェックインが成功した場合、以下の処理(ステップS8.1~S8.2.1)を行ってもよい。
【0094】
S8.1:端末装置10の第2操作受付部12はホワイトボードの起動を受け付け、チェックインが成功した会議の会議室名と日時をWBクライアント部16が指定してホワイトボードのURLを会議予約システム50に要求する。
【0095】
ホワイトボードのURLの要求は、ステップS8.1のように端末装置10から会議予約システム50へ直接、行ってもよい。また、以下のようにホワイトボードのURLを取得してもよい。まず、ステップS7.1で端末装置10から会議予約システム50へチェックイン要求をする際に、会議予約システム50がスケジュール管理システム60から受信しておいたホワイトボードのURLを、チェックインの成功の通知と共に端末装置10に送信しておく。会議予約システム50がスケジュール管理システム60からホワイトボードのURLを受信するタイミングについても、予め受信していてもよいし、チェックイン要求を受けたタイミングに取得してもよい。次に、端末装置10はユーザからホワイトボードの起動の要求(アイコンの押下)を受け付けた際に記憶していたホワイトボードのURLを用いてホワイトボードを起動する。
【0096】
S8.1.1:会議予約システム50の第4通信部52はホワイトボードのURLの要求を受信し、予約情報取得部55が会議の会議室名と日時を指定してホワイトボードのURLをスケジュール管理システム60に要求する。
【0097】
スケジュール管理システム60の第5通信部61はホワイトボードのURLの要求を受信し、予約情報DB64から会議室名と日時で指定される予約情報のホワイトボードのURLを読み出す。第5通信部61はホワイトボードのURLを会議予約システム50に送信する。会議予約システム50の第4通信部52はホワイトボードのURLを受信し、端末装置10に送信する。
【0098】
なお、ステップS8.1では会議予約システム50がスケジュール管理システム60にホワイトボードのURLを要求しているが、会議予約システム50はステップS7.1で取得したホワイトボードのURLを端末装置10に送信してもよい。ホワイトボードのURLを会議予約システム50がスケジュール管理システム60から取得すれば会議予約システム50がホワイトボードのURLを保持する必要がなく、会議予約システム50が保持しておけば通信時間を短縮できる。
【0099】
S8.2:端末装置10の第2通信部15はホワイトボードのURLを受信し、WBクライアント部16がホワイトボードのURLをブラウザ部13に送出する。
【0100】
S8.2.1:ブラウザ部13はホワイトボードのURLにアクセスする。これにより、ステップS3で作成されたホワイトボードを端末装置10のブラウザ部13が表示することができる。ホワイトボードの初期画面の一例を図9に示す。
【0101】
S9:会議主催者はブラウザ部13が表示するホワイトボード画面に手書きすることができる。
【0102】
S9.1:端末装置10の第2操作受付部12は手書きを受け付け、WBクライアント部16が手書きの内容をWBシステム40に送信する。
【0103】
S10:会議が終了すると、会議主催者は端末装置10に対しチェックアウトの操作を行う。なお、チェックアウトは参加者も可能である。端末装置10の第2操作受付部12はチェックアウトを受け付け、会議予約クライアント部14がチェックアウトを会議予約システム50に通知する。
【0104】
続いて、会議後に参加者がホワイトボードを閲覧する処理を説明する。
【0105】
S11:参加者がホワイトボードを確認する操作(例えば会議室9と日時を指定する)を参加者端末に入力する。
【0106】
S11.1:参加者端末の第1操作受付部32は操作を受け付け、第1通信部33が会議室9と日時を指定してスケジュール管理システム60と通信する。スケジュール管理システム60が管理する予約情報にはホワイトボードのURLが登録されているので、スケジュール管理システム60の第5通信部61はホワイトボードのURLを参加者端末に送信する。これにより、参加者はホワイトボードのURLを把握できる。ステップS11.1で端末装置10が表示する画面は図7と同様でよい。図7は予約の確認用の画面だが、会議後に登録されている情報もほぼ同様である。
【0107】
S12:参加者はホワイトボードのURLを押下する。
【0108】
S12.1:参加者端末の第1操作受付部32は操作を受け付け、第1通信部33がホワイトボードのURLを通信先としてWBシステム40と通信する。WBシステム40のWB提供部43はホワイトボードのURLによりオブジェクトを特定し、オブジェクトを使って画面情報を生成して参加者端末に送信する。このように、本実施形態ではスケジュール管理システム60にホワイトボードのURLが登録されているので、会議後に参加者がホワイトボードの描画情報を表示できる。
【0109】
なお、図6の処理では、端末装置10が会議予約システム50からホワイトボードのURLを取得しているが、チェックインを受け付ける端末装置10自身がホワイトボードを表示せず、端末装置10が会議室内の別の装置(例えば電子黒板やディスプレイ等)にホワイトボードのURLを送信し、それら別の装置がホワイトボードを表示してもよい(WBシステム40にアクセスする)。
【0110】
<画面例>
<<予約IDとホワイトボードのURLを含む予約情報>>
図7は、図6のステップS6.1で主催者端末が表示する予約情報確認画面511の一例を示す。図7では、主に図5(a)との相違を説明する。会議名欄512、場所欄513、時間欄514、及び参加者欄515については図5(a)と同様でよい。
【0111】
スケジュール管理システム60に予約IDとホワイトボードのURLが登録されたので、予約情報は、予約ID欄516とホワイトボードのURL欄517を有する。このように、会議主催者等はスケジュール管理システム60から予約ID及びホワイトボードのURLを取得できる。
【0112】
なお、予約情報確認画面511は予約の削除ボタン518を有している。予約の削除ボタン518が押下されると、スケジュール管理システム60は予約情報を削除する。また、予約情報が削除されたことが会議予約システム50に通知される。このような仕組みを予約のキャンセルという。予約情報の確認が済むとOKボタン519が押下される。
【0113】
<<チェックイン画面>>
図8は、図6のステップS7で端末装置10が表示するチェックイン画面521の一例である。チェックイン画面521は、現在時刻に対し次の会議のチェックインを待ち受ける画面である。例えば、会議名欄522と予約ID入力欄523を有している。会議主催者が会議室9に赴くとこのようなチェックイン画面521で会議名を確認して、予約ID入力欄523に予約IDを入力する。OKボタン524が押下されると、端末装置10が予約IDを含むチェックイン要求を会議予約システム50に送信する。
【0114】
<<ホワイトボードの初期画面>>
図9は、図6のステップS8.2で表示されるホワイトボードの初期画面531の一例を示す。ホワイトボードの初期画面531はURL表示欄532、ボード名欄533、予約情報欄534、及び、メニュー欄535等を有する。URL表示欄532にはホワイトボードのURLが表示される。ボード名欄533には参加者等が任意の名称(例えば、会議名など)を入力できる。予約情報欄534には、例えば参加者名と会議時間が表示される。予約情報欄534の情報は、図6のステップS8.2.1又はS3で、WBシステム40が端末装置10又は会議予約システム50から送信された情報である。メニュー欄535は、ストロークの色や太さを参加者が設定するための1つ以上のボタンを有する。
【0115】
このようなホワイトボードの初期画面531に対し参加者は任意に手書きすることができ、他の参加者と同じ情報を見ながら議論できる。
【0116】
<<ホワイトボードの終了画面>>
図10はホワイトボードの終了受付欄541の一例を示す。図10の説明では図9との相違を説明する。参加者が所定の終了ボタンを押下すると、第2操作受付部12がその操作を受け付けて、WBクライアント部16が第2表示制御部11に対し終了受付欄541をポップアップ表示させる。終了受付欄541は終了ボタン542とキャンセルボタン543を表示する。
【0117】
参加者が終了ボタン542を押下すると、WBクライアント部16がブラウザ部13を介してホワイトボードの終了をWBシステム40に通知する。また、会議予約クライアント部14はWBクライアント部16からホワイトボードの終了の通知を受けて、会議室9のチェックアウトを会議予約システム50に通知する。したがって、参加者がホワイトボードの終了とは別にチェックアウトの操作を行う必要がない。
【0118】
<ホワイトボードの開始例>
図6の手順では、チェックイン後に会議主催者がホワイトボードを開始する明示的な操作を行っていた。しかし、このような操作がなくても、端末装置10が自動的にホワイトボードを開始することができる。これにより、チェックイン成功時にホワイトボードを開始する操作が不要になる。
【0119】
図11は、通信システム1がホワイトボードを作成して表示する手順を示すシーケンス図の一例である。なお、図11の説明では主に図6との相違を説明する。ステップS1~S7.1までの処理は図6と同様である。しかし、図11ではステップS7.1の後、端末装置10がホワイトボードを表示している。
【0120】
S7.2:チェックインが成功すると、端末装置10の会議予約クライアント部14がホワイトボードのURLをブラウザ部13に送出する。
【0121】
S7.2.1:ブラウザ部13はホワイトボードのURLを通信先にしてWBシステム40と通信を開始する。これにより、図6のステップS8.2.1で説明したように図9のようなホワイトボードの初期画面が表示される。ステップS8~S9.1の処理は図6のS11~S12.1と同様でよい。
【0122】
<その他のホワイトボードの作成タイミングについて>
図6図11では会議の予約時に、ホワイトボードが作成されていた。この他、会議予約システム50は下記のタイミングでホワイトボードを作成することができる。
・会議開始前のリマインド応答時
・チェックイン時
・会議中
会議開始前のリマインドとは、会議予約システム50が会議主催者にチャットシステムや電子メールなどで会議室9の予約をリマインドして空予約を低減する仕組みをいう。会議主催者は会議の予定に変更がなければその旨(会議を行うこと)を応答する。したがって、会議予約システム50は会議開始前のリマインド応答時にホワイトボードを作成することで、会議がキャンセルされることで作成したホワイトボードが無駄になってしまうことを抑制できる。なお、リマインド時にホワイトボードが作成された場合、ホワイトボードのURLは、予約情報の登録時にホワイトボードが作成された場合と同様にチェックイン時に端末装置10に送信される。
【0123】
チェックイン時も同様の効果があり、チェックイン時等、実際に会議が行われる時のみに会議予約システム50がホワイトボードを作成することにより、無駄にホワイトボードを作成することを低減できる。なお、チェックイン時にホワイトボードが作成された場合、ホワイトボードのURLはチェックイン時にWBシステム40から会議予約システム50に送信され、会議予約システム50から端末装置10に送信される。
【0124】
また、会議予約システム50は会議中にホワイトボードを作成できる。この場合、会議主催者等は端末装置10でホワイトボードを開始する操作を入力する。このような使い方は、会議室9が予約されなかった場合に利用されうる。なお、会議中のホワイトボードの作成については実施例2にて説明する。
【0125】
図12(a)は、リマインドの応答に対しホワイトボードを作成する処理を説明するフローチャート図の一例である。会議予約システム50の会議室管理部51は会議開始時刻の所定時間前に参加者にリマインドを送信する(S101)。なお、リマインドはチャットシステム又は電子メールのどちらで送信されてもよい。リマインドは予約IDなど予約情報を特定できる識別情報と共に行われる。
【0126】
会議室管理部51は、会議が予定通り開催される旨の応答があるか否かを判断する(S102)。参加者は開催確定やキャンセルのいずれかを応答するように努めるが、リマインドの送信から所定時間内に応答がない場合、会議室管理部51はキャンセルと見なしてよい。ステップS102の判断がNoの場合、図12(a)の処理は終了する。
【0127】
ステップS102の判断がYesの場合、WB作成指示部53はホワイトボードの作成をWBシステム40に要求する(S103)。
【0128】
リマインド時のメールやチャット等に生成したホワイトボードのURLを含めてもよい。これによって、端末装置10だけでホワイトボードを表示するのではなく、個人のユーザ端末30からホワイトボードにアクセスすることが容易になる。
【0129】
なお、会議室管理部51はリマインドを複数回行う場合がある。例えば、会議一週間前、一日前、10分前の3回等に行われる場合がある。この場合、予め決められた特定のリマインド時(2回目のリマインド等)への応答時(会議を開催するという応答に限る)にホワイトボードのURLを作成してもよい。また、最後のリマインドへの応答時にホワイトボードを作成してもよい。特に最後のリマインドへの応答時にホワイトボードを作成する場合、会議の開催が中止される可能性が少ないので、作成したホワイトボードが無駄になることを防ぐことが可能となる。
【0130】
図12(b)は、チェックイン時にホワイトボードを作成する処理を説明するフローチャート図の一例である。会議予約システム50の会議室管理部51はチェックイン要求を受信する(S201)。
【0131】
会議室管理部51は、チェックインが成功したか否かを判断する(S202)。ステップS202の判断がNoの場合、図12(b)の処理は終了する。したがって、ホワイトボードは作成されない。
【0132】
ステップS202の判断がYesの場合、WB作成指示部53はホワイトボードの作成をWBシステム40に要求する(S203)。
【0133】
<その他のホワイトボードの使用の開始タイミングについて>
ホワイトボードが作成されていれば、端末装置10は任意のタイミングでホワイトボードの使用を開始することができる。
・会議予約時~会議開始前
参加者は各自のユーザ端末30でスケジュール管理システム60に登録されているホワイトボードのURLを取得して、ホワイトボードの使用を開始することができる。
・チェックイン時
会議主催者が、端末装置10で会議室9にチェックイン時に端末装置10がホワイトボードの使用を開始する(図11にて説明済み)。
・会議中
会議主催者等が、端末装置10を操作してホワイトボードの開始を指示する。
【0134】
<ホワイトボードの自動削除>
会議室9が予約されたが、予約がキャンセルされることがある。作成したホワイトボードが未使用のまま残った場合、未使用のホワイトボードが増えて蓄積することによりWBシステム40のリソースを圧迫する可能性がある。そこで、未使用のリソースを解放するために、WBシステム40はホワイトボードを削除する。
【0135】
ホワイトボードが未使用(初期画面のまま)場合、下記のタイミングでホワイトボードを削除する。
・会議の予約のキャンセル時
・会議室9へのチェックインが行われずに予約時間が過ぎた時
こうすることで、未使用のホワイトボードが増えて蓄積することによりWBシステム40のリソースを圧迫することを抑制できる。
【0136】
図12(c)は、ホワイトボードを削除する処理を説明するフローチャート図の一例である。会議予約システム50の会議室管理部51は予約のキャンセルを受信したか否かを判断する(S301)。予約のキャンセルは、リマインドの応答により通知される場合と、図7の削除ボタン518が押下されることなどによりスケジュール管理システム60から会議予約システム50に通知される場合がある。
【0137】
ステップS301の判断がYesの場合、処理はステップS303に進む。
【0138】
ステップS301の判断がNoの場合、会議室管理部51は会議開始時刻を過ぎたか否かを判断する(S302)。
【0139】
ステップS302の判断がNoの場合、図12(c)の処理は終了する。ステップS302の判断がYesの場合、WB作成指示部53はホワイトボードのURLを指定してホワイトボードの削除をWBシステム40に要求する。なお、ホワイトボードのURLは、ホワイトボードの作成時にWBシステム40から会議予約システム50が取得している。
【0140】
<ホワイトボードのURLの共有方法>
ブラウザが動作する情報処理装置がホワイトボードのURLにアクセスすれば、ホワイトボードを表示できるので、ホワイトボードの画面を共有できる。そこで、端末装置10のブラウザ部13はホワイトボードのURLを例えば参加者と簡単に共有できる仕組みを有する。
【0141】
図13は、ホワイトボードのURLの共有方法を説明する図の一例である。ホワイトボードの画面で参加者等が所定の共有ボタンを押下することで、図13のポップアップ画面551が表示される。ブラウザ部13はポップアップ画面551を会議予約システム50から取得してもよいし、予め取得しておいてもよい。
【0142】
ポップアップ画面551には、「ホワイトボードを共有したい場合、下記のURLを入力して下さい。」というメッセージ552、及び、ホワイトボードのURL553が表示されている。このようにホワイトボードのURLが明示されるので、参加者がホワイトボードを共有しやすくなる。
【0143】
共有するための手段として、下記の手段を使うことができる。
・チャットやメーラーを利用して参加者が手動でホワイトボードのURLを記述して送信する。
・会議予約システム50が情報共有サービス(チャットサービス等)を利用して、参加者等に送信する。
・スケジュール管理システム60に登録されている参加者に対して、自動でメール送信する。
【0144】
また、単にホワイトボードのURLを共有するのでなく、ホワイトボードの画面をファイル化(例えばPDF等)したものを共有してもよい。
【0145】
<参加者のスケジュールにホワイトボードのURLを登録する>
本実施形態では会議室9の予約情報にホワイトボードのURLが登録されていたが、端末装置10は参加者のスケジュールにホワイトボードのURLを登録することもできる。
【0146】
図14は、参加者のスケジュールにホワイトボードのURLを登録する際のメールアドレス入力画面561を示す。ホワイトボードの画面で参加者等が所定のボタンを押下することで、図14のメールアドレス入力画面561が表示される。ブラウザ部13はメールアドレス入力画面561をポップアップ表示する。
【0147】
メールアドレス入力画面561は、「参加者のスケジュールにURLを登録したい場合は、メールアドレスを入力してください」というメッセージ562、及び、メールアドレス入力欄563を有する。参加者は、ホワイトボードのURLを共有したい自分又は他の参加者のメールアドレスをメールアドレス入力欄563に入力する。なお、このメールアドレスは会議予約システム50がユーザを識別する識別情報として使用されている。
【0148】
なお、下記のタイミングで、ホワイトボードのURLを参加者のスケジュールに登録することができる。
【0149】
[会議予約時]
1.会議主催者は、会議室9の予約時に参加者を登録する。
2.会議予約システム50は、会議室9が予約されたことを検知する。
3.会議予約システム50は、メールアドレス入力欄563で予約されている会議の参加者のメールアドレスを取得する。
4.会議予約システム50は、参加者のスケジュールにホワイトボードのURLを登録する。
【0150】
[ホワイトボードの使用中の共有ボタンの押下時]
1.参加者は、ホワイトボードの画面で共有ボタンを押下する。
2.メールアドレス入力欄563で、スケジュールを登録する参加者のメールアドレスを入力する。
3.WBシステム40は会議予約システム50に対して参加者のメールアドレスとホワイトボードのURLを送信する。
4.会議予約システム50は、スケジュール管理システム60に参加者のメールアドレスとホワイトボードのURLを送信して、参加者のスケジュールにホワイトボードのURLを登録する。
【0151】
[ホワイトボードの終了ボタンの押下時]
1.参加者は、ホワイトボードの画面で終了ボタンを押下する。
2.メールアドレス入力欄563で、スケジュールを登録する参加者のメールアドレスを入力する。
3.WBシステム40は会議予約システム50に対して参加者のメールアドレスとホワイトボードのURLを送信する。
4.会議予約システム50は、スケジュール管理システム60に参加者のメールアドレスとホワイトボードのURLを送信して、参加者のスケジュールにホワイトボードのURLを登録する。
【0152】
<まとめ>
以上説明したように、本実施例の通信システム1は、参加者がチェックインすると、端末装置10がホワイトボードのURLを会議予約システム50から取得して、WBシステム40と通信して初期画面を表示するので、参加者はチェックインするという操作によりホワイトボードを使用できるようになる。また、スケジュール管理システム60にホワイトボードのURLが登録されたので、会議の終了後、参加者はスケジュール管理システム60からホワイトボードのURLを取得すれば、会議中に端末装置10が表示した手書き情報等を再度、自分の参加者端末に表示できる。
【実施例2】
【0153】
本実施例では、スケジュール管理システム60に会議室9が予約されていないが会議が始まった場合に、どのようにホワイトボードを開始するかについて説明する。例えば、突発的な会議の場合、会議の予約を行わずに会議が開催されることがある。そのような場合でも、会議予約システム50はホワイトボードを開始できる。
【0154】
図15を用いて、本実施例の通信システム1の機能について説明する。図15は、WBシステム40、会議予約システム50、スケジュール管理システム60、ユーザ端末30、及び、端末装置10の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。なお、図15の説明では図4との相違を説明する。
【0155】
本実施例では、WB作成指示部53を会議予約システム50ではなく端末装置10が有する点が異なっている。なお、WB作成指示部53の機能は実施例1と同様でよい。
【0156】
図16は、通信システム1がホワイトボードを作成して表示する手順を示すシーケンス図の一例である。なお、図16の説明では主に図11との相違を説明する。ステップS1~S1.2.1までの処理は図11のステップS7~S7.2.1と同様である。しかし、図16では会議室9が予約されていないのでチェックインする必要がない。このため、ステップS1で会議主催者はホワイトボードを起動させるアイコンを押下する。端末装置10の第2操作受付部12はホワイトボードの起動を受け付ける。そして、ステップS2で、WB作成指示部53がホワイトボードの作成をWBシステム40に要求する。これにより、端末装置がホワイトボードのURLを取得できる。
【0157】
図16のステップS2、S2.1は図6のステップS9.S9.1と同様になる。
【0158】
S3:会議主催者はホワイトボードを終了する操作を端末装置10に入力する。
【0159】
S3.1:端末装置10の第2操作受付部12はホワイトボードを終了する操作を受け付け、WBクライアント部16が会議予約クライアント部14にホワイトボードのURLを通知する。
【0160】
S3.2:WBクライアント部16はホワイトボードを終了する操作に応じて、チェックアウトを会議予約クライアント部14に通知する。
【0161】
S3.2.1:会議予約クライアント部14は会議予約システム50に対し、ホワイトボードのURLをスケジュール管理システム60に登録するように要求する。この時、会議の会議室名と日時が指定される。ホワイトボードのURLのスケジュール管理システム60への登録は、会議の終了時だけに限られず、ホワイトボードの起動時に行ってもよい。例えば、図16の処理と同じように会議室の予約をしていない場合において、会議の開始時に何らかのアクション(会議室の利用開始の操作、チェックイン等)をおこなう仕組みとなっている場合、このアクションに応じてホワイトボードのURLをスケジュール管理システム60に登録してもよい。
【0162】
S3.2.1.1:会議予約システム50の第4通信部52はホワイトボードのURL等を受信し、URL登録部56が会議の会議室名と日時を指定してスケジュール管理システム60にホワイトボードのURLの登録を要求する。
【0163】
ステップS4~S5.1は図11のステップS8~S9.1と同様でよい。
【0164】
<まとめ>
以上説明したように、本実施例の通信システム1は、突発的に会議が開催されても、会議予約システム50はホワイトボードを開始できる。また、参加者が会議を終了するとホワイトボードのURLがスケジュール管理システム60に登録されるので、会議の終了後に、参加者はスケジュール管理システム60から会議で使用したホワイトボードの画面を表示することができる。
【実施例3】
【0165】
実施例1,2では端末装置10が会議予約クライアント部14とWBクライアント部16の2つのアプリを実行していたが、本実施例では会議予約クライアント部14を実行する端末装置(以下、会議室端末10Bという)とWBクライアント部16を実行する端末装置(WB端末10A)が別の装置である通信システム1について説明する。別の装置とは筐体が別々に分かれていることをいう。
【0166】
図17は本実施例の通信システム1の概略構成図の一例である。なお、図17の説明では主に図2との相違を説明する。図17ではインターネットiにWB端末10Aと会議室端末10Bがそれぞれ接続されている。
【0167】
WB端末10Aと会議室端末10Bは端末装置10と同様に、例えば、スマートフォン、タブレット装置、ノートPC(Personal Computer)、など一般的な情報処理装置である。通信機能、表示機能及び入力機能を有する情報処理装置であればよい。WB端末10Aは、電子黒板、テレビ会議端末、又は、プロジェクタなどホワイトボードの機能を有する機器で構成されていてもよい。
【0168】
図18は、通信システム1のシステム間又は端末間の通信経路を説明する図の一例である。図18に示すように、本実施例ではユーザ端末30とWB端末10AがWBシステム40と通信し、会議室端末10Bが会議予約システム50と通信する。また、WB端末10Aと会議室端末10Bが通信する。また、会議予約システム50がスケジュール管理システム60と通信する。なお、WBシステム40と会議予約システム50は図18では通信しないが、実施例1と同様に通信することが可能でもよい。
【0169】
実施例1、2では端末装置10内の会議予約クライアント部14とWBクライアント部16が端末装置10内で連携(通信)していたが、本実施例ではWB端末10Aと会議室端末10Bはネットワークを介して通信する。ネットワークは例えばLANであり、無線LANの場合はアクセスポイントを経由して通信する。有線LANの場合はハブやルータを介して通信する。無線LANの場合、ダイレクトWi-Fiなどピアツーピア方式で通信してもよい。また、Bluetooth(登録商標)で通信してもよい。
【0170】
本実施例では、図17図18の通信システム1の構成を用いて、会議予約システム50が管理する予約情報をWBクライアント部16がホワイトボード上に表示できる通信システム1について説明する。なお、図18のようにWB端末10Aと会議室端末10Bが通信する構成は実施例1,2においても適用できる。
【0171】
<機能について>
図19は、WBシステム40、会議予約システム50、スケジュール管理システム60、ユーザ端末30、会議室端末10B、及び、WB端末10Aの機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。なお、図19の説明では主に図4との相違を説明する。図19では、会議室端末10BとWB端末10Aがそれぞれ機能を有する点が図4と異なる。また、会議室端末10B、及び、WB端末10Aのハードウェア構成については図3のコンピュータシステムが適用される。
【0172】
まず、会議室端末10Bの機能について説明する。会議室端末10Bは、第6通信部21、第3表示制御部22、第3操作受付部23、会議予約クライアント部14、及び、端末通信部28を有する。会議室端末10Bが有するこれら各機能部は、図3に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
【0173】
第6通信部21は、主に会議予約システム50と各種の情報を送受信する。本実施例では、識別情報などにより自分の会議室9を指定して会議室9の予約情報を会議予約システム50に要求し、予約情報を受信する。また、チェックイン要求(予約ID、会議室、日時)を送信してチェックインの成否及びホワイトボードのURLを受信する。
【0174】
第3表示制御部22は、表示装置202に各種の画面を表示する。例えば、第6通信部21が受信した予約情報を表示装置202に表示する。第3操作受付部23は、会議室端末10Bに対する参加者の各種の操作を受け付ける。例えば、チェックインの操作(予約IDの入力)、チェックアウトの操作等を受け付ける。なお、第3表示制御部22と第3操作受付部23とはブラウザソフトウェアで実現されてもアプリケーションソフトで実現されてもよい。
【0175】
会議予約クライアント部14は会議予約システム50のクライアントアプリであり、第6通信部21を介してチェックインやチェックアウトの通知を行う。
【0176】
端末通信部28は、WB端末10Aが有するサーバ部27と通信する端末用アプリである。例えば、一般的なサーバが提供するHTTP,HTTPsなどの通信手順でWB端末10Aに情報を送信し、また、WB端末10Aから情報を受信する。WB端末10Aのサーバ部27のIPアドレスやポート番号は端末通信部28に設定されている。
【0177】
次に、WB端末10Aの機能について説明する。WB端末10Aは、第7通信部24、第4表示制御部25、第4操作受付部26、ブラウザ部13、WBクライアント部16、及び、サーバ部27を有する。WB端末10Aが有するこれら各機能部は、図3に示された各構成要素のいずれかが、HDD208からRAM204に展開されたプログラムに従ったCPU206からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
【0178】
第7通信部24は、主にWBシステム40と各種の情報を送受信する。本実施例では、WBシステム40にホワイトボードのURLを送信し、WBシステム40からホワイトボードの画面情報を取得する。
【0179】
ブラウザ部13は一般的なブラウザソフトウェアと同様の機能を有しており、ホワイトボードのURLを通信先にしてWBシステム40と通信し、第7通信部24が受信した、ホワイトボードの画面情報を解析して表示装置202にホワイトボードとして機能するWebページ(Webアプリともいう)を表示する。
【0180】
第4表示制御部25は、表示装置202に各種の画面や情報を表示する。ブラウザ部13が表示できない情報を表示することができるが、第4表示制御部25とブラウザ部13の機能は厳密に区別されなくてもよい。
【0181】
WBクライアント部16は、ブラウザ部13が表示したホワイトボードに関しホワイトボードの機能を実現するための処理を行う。例えば、手書きされたストロークを表示装置202に表示する。ストロークデータをWBシステム40に送信する処理も行う。また、表示装置202にストロークで描画された描画像をPDFファイルに変換して保存する。
【0182】
サーバ部27は会議室端末10Bに対しサーバとして機能する。WebサーバとしてHTML等の画面情報を提供することまでは必要でなく、HTTP,HTTPsなどの通信手順で会議室端末10Bからのリクエストにより情報を受信し、また、リクエストに対する応答として情報を送信する。
【0183】
このように、WB端末10Aがサーバ部27を有することで、会議室端末10BとWB端末10Aが通信することが可能になる。なお、会議室端末10Bがサーバ部27を有し、WB端末10Aが端末通信部28を有していてもよい。
【0184】
<予約情報>
図20は、本実施例おいて予約情報DB57に記憶されている予約情報の一例である。本実施例の予約情報は、会議室名、会議名、時間帯、参加者、及び、参加者のメールアドレスの各項目を有している。このような予約情報は、実施例1で説明したようにスケジュール管理システム60から会議予約システム50に送信され、更に、会議予約システム50から会議室端末10Bに送信される。更に、本実施例では、会議室端末10Bが予約情報をWB端末10Aに送信する。
【0185】
なお、図20は一例であり、たとえば会議が予約された予約日時、突発的に開催された会議か否か、参加者の役職、又は、会議における参加者の役割など、会議に関するその他の情報が含まれてもよい。図20は会議の予約情報を限定するものではない。また、このように表示される情報を会議の書誌的な情報という意味で書誌情報という場合がある。
【0186】
<WB端末が予約情報を表示するまでの処理>
図21は、通信システム1が予約時にホワイトボードを作成しておき、チェックイン時に表示する手順を示すフローチャート図の一例である。なお、図21の説明では主に図6との相違を説明する。ステップS31~S36の処理は図6のS1~S5と同様でよい。
【0187】
実施例1で説明したように、スケジュール管理システム60に予約IDが登録されたので、会議主催者はチェックインに必要になる予約IDを確認できる。この処理については図6のステップS6~S6.1と同様であるため図21では省略されている。
【0188】
続いて、会議の開始時の処理を説明する。
【0189】
S37:会議主催者が会議室9に赴き、会議室端末10Bに対しチェックインの操作(予約IDの入力)を行う。なお、チェックインは参加者も可能である。
【0190】
S38:会議室端末10Bの第3操作受付部23はチェックインに必要な操作として予約IDの入力を受け付け、会議室端末10Bの会議予約クライアント部14が会議室名と日時と予約IDを含むチェックイン要求を、第6通信部21を介して会議予約システム50に送信する。必ずしも予約IDを受け付ける必要はなく、単に会議の開始を示す「開始」や「入室」ボタン等の押下を受け付けるだけでもよい。会議予約システム50の第4通信部52はチェックイン要求を受信し、会議室管理部51はチェックインが成功するか否かを判断する。すなわち、会議室名と日時で特定される予約情報の予約IDが、端末装置10から送信された予約IDと一致するか否かによりチェックインが成功するか否かを判断する。図21の説明では成功したものとする。チェックインの成功により、会議予約システム50の第4通信部52は予約IDで特定されるホワイトボードのURLを会議室端末10Bに送信する。なお、予約情報は、チェックインを受け付けるために会議室端末10Bが予め会議予約システム50から取得しているためステップS38では送信されないが、改めて送信してもよい。会議室端末10Bは少なくとも1日1回以上、定期的に予約情報を会議予約システム50から取得し、チェックイン画面に会議室の予約状況(時間帯ごとの予約の有無等)を表示している。
【0191】
なお、会議室と日時をキーとするのでなく、会議室の予約を一意に特定する何らかの識別情報をキーにしてもよい。以降の処理においても同様である。
【0192】
S39:会議室端末10Bの端末通信部28は、チェックインが成功したため会議開始通知をWB端末10Aに送信する。つまり、参加者がホワイトボードを利用できるようにする処理を行う。会議開始通知には、ホワイトボードのURL、及び、予約情報が含まれる。ステップS38で会議の開始を示す「開始」や「入室」ボタン等の押下が受け付けられた場合、ステップS39においても予約IDではなく会議の開始を示す通知が送信されればよい。
【0193】
S40:WB端末10Aのサーバ部27は会議開始通知を受信することを契機に、ブラウザ部13がブラウザを起動する。
【0194】
S41:起動したブラウザ部13は、ホワイトボードのURLにアクセスする。これにより、ステップS34で作成されたホワイトボードにアクセスできる。
【0195】
S42:また、ブラウザ部13(又は第4表示制御部25でもよい)は、ホワイトボードに予約情報を表示する。種々の表示方法が考えられる。例えば、第4表示制御部25がホワイトボードに重畳してポップアップ表示してよい。あるいは、第4表示制御部25がバルーン吹き出しのような通知用のメッセージとして表示してもよい。あるいは、第4表示制御部25が通知アイコンを表示してこの通知アイコンが押下された場合に表示してもよい。あるいは、WBシステム40が作成した画面情報に含まれる予約情報をブラウザ部13が表示してもよい。つまり、画面情報を構成するHTML、JavaScript(登録商標)、CSSなどにより画面情報の一部に予約情報が埋め込まれている。この場合、WB端末10Aの第7通信部24は予約情報をWBシステム40に送信する。WB作成部41は受信した予約情報を用いてHTML、JavaScript(登録商標),CSSなどで画面情報(Webページ又はWebアプリともいう)を生成する。WB端末10Aの第7通信部24は画面情報を受信するので、ブラウザ部13がホワイトボードの一部として予約情報を表示させることができる。
【0196】
予約情報は会議開始後に会議室端末10Bが取得し、WB端末10Aに送信する場合に限られず、例えばステップS34のホワイトボードの作成時に会議予約システム50からWBシステム40に送信し、この時点でWBシステム40が予約情報を含む画面情報を生成し、その画面情報を会議開始後にWB端末10Aが表示してもよい。
【0197】
このように、本実施例の通信システム1では、WB端末10Aがホワイトボードと共に予約情報を表示できる。
【0198】
<予約情報の表示例>
図22は、WB端末10Aのブラウザ部13が表示する予約情報画面601の一例である。予約情報画面601は、主に、予約情報表示ボタン602及び予約情報表示欄603を有する。予約情報表示ボタン602は、予約情報を表示するためのボタンであり、予約情報表示欄603は予約情報が表示される欄である。
【0199】
WB端末10Aのブラウザ部13が予約情報を含む画面情報を受信した際、ホワイトボードは初期状態であり、予約情報表示欄603は表示されていない。参加者が予約情報表示ボタン602を押下すると第4操作受付部26が操作を受け付け、ブラウザ部13が予約情報表示欄603を表示する。一度、表示された予約情報表示欄603は表示されたままでもよいし、時間が経過すると自動的に(参加者が操作しなくても)消去されてよい。
【0200】
ホワイトボードに予約情報が表示されることで、参加者はこのホワイトボードがどの会議と紐付けられたものか判断できる。単に、ホワイトボードが表示されるだけでは、ホワイトボードがこれから開催される会議と紐付けられたものか確認することができなかった。
【0201】
また、WB端末10Aの第7通信部24が予約情報を含む画面情報を受信した際に、ブラウザ部13が予約情報表示欄603を自動で表示してもよい。この場合も、表示された予約情報表示欄603は表示されたままでもよいし、時間が経過すると自動的に(参加者が操作しなくても)消去されてよい。
【0202】
なお、図22の示例はあくまでも一例であり、ホワイトボードに直接、入力情報がテキストデータとして記述されてもよい。また、写真や図面の画像データと組み合わせて表示してもよい。図22は表示方法を限定するものではない。
【0203】
図22のような画面は、WBクライアント部16の機能によりPDFファイル等として保存することができる。したがって、本実施例のWB端末10Aは、予約情報と描画像を同じPDFファイルに保存でき、参加者は描画像を見るために後でPDFファイルを開いた場合にこのPDFファイルがどの会議で保存されたものかを予約情報から容易に判断できる。
【0204】
<会議開始後に参加者が追加された場合>
会議の開始後に予定外の参加者が追加して会議に参加する場合がある。本実施例では、参加者が追加された予約情報を会議予約システム50が取得して、WB端末10Aが後から追加された参加者も表示することができる。
【0205】
図23は、通信システム1が追加された参加者を表示する手順を示すフローチャート図の一例である。なお、図23の処理は図21の処理の後、会議の開催中に実行される。
S51:予約情報に登録されていない参加者が会議に参加した場合、会議主催者は主催者端末に参加者を追加する操作を行う。
【0206】
S52:主催者端末の第1操作受付部32は主催者の操作を受け付けて、第1通信部33が会議室9の予約情報に参加者を追加する参加者追加要求を送信する。例えば、会議室、日時、及び参加者を送信する。スケジュール管理システム60の第5通信部61はこれらを受信して、予約情報登録受付部62が予約情報DB64に参加者を追加する。
【0207】
S53:会議予約システム50の予約情報取得部55はポーリングにより定期的に予約情報の変更を問い合わせている。例えば会議室と日時を送信する。この応答として予約情報取得部55は変更があった予約情報の変更部分を取得する。本実施例では参加者に変更があったものとする。なお、変更があった予約情報を取得するのでなく、予約情報を再度、取得し、会議予約システム50が変更部分を特定してもよい。
【0208】
S54:会議室端末10Bの会議予約クライアント部14は第6通信部21を介して会議予約システム50に対し、会議室と日時を指定して定期的に予約情報の変更を問い合わせる。この定期的な問い合わせの間隔は1分ごとなど短いことが好ましい。これにより、予定外の参加者が会議に参加したらすぐに、追加の参加者をWB端末10Aが表示できる。したがって、会議中は会議の開催前よりも短い間隔で定期的に変更の問い合わせを行うことが好ましい。この場合、会議予約システム50がスケジュール管理システム60に予約情報の変更を問い合わせる間隔も1分ごとなど短いことが必要になる。
【0209】
会議の予約情報に変更があった場合、会議予約システム50の第4通信部52は変更の内容を会議室端末10Bに送信する。図23では参加者に変更があったものとする。したがって、追加された参加者が送信される。
【0210】
S55:会議室端末10Bの第6通信部21が追加の参加者を受信した場合、端末通信部28が追加の参加者をWB端末10Aに送信する。
【0211】
S56:WB端末10Aのサーバ部27は追加の参加者を受信しする。これにより、第7通信部24は追加の参加者をホワイトボードのURLに対し送信して、予約情報の更新をWBシステム40に要求する。WBシステム40の第3通信部42は予約情報の更新を受信し、WB作成部41がホワイトボードの画面情報を更新する。
【0212】
S57:WBシステム40の第3通信部42は更新されたホワイトボードの画面情報をWB端末10Aに送信する。WB端末10Aの第7通信部24は画面情報を受信したので、ブラウザ部13は追加された参加者を表示する。なお、予約情報の表示方法としては図21のステップS42で説明した各種の方法を採用してよい。ただし、追加の参加者が受け付けられたことを示すため、参加者の操作なく追加された参加者が表示されることが好ましい。
【0213】
このように、追加された参加者をホワイトボードに表示することができる。また、PDFファイルにホワイトボードの画面が保存された場合には、追加された参加者も記録することができる。
【0214】
図23ではスケジュール管理システム60に追加の参加者を会議主催者が登録しなければならなかったが、図23のような参加者の追加をWB端末10Aから参加者が行えれば便利である。
【0215】
図24は通信システム1が追加された参加者を表示する手順の別のフローチャート図の一例である。
S61:会議の開催中に予約情報に登録されていない参加者が参加する場合、参加者はICカードをWB端末10Aにかざす。ICカードには参加者を特定する情報(ID、氏名、メールアドレス等)が含まれている。
【0216】
S62:WB端末10AはICカードリーダを有しており、ICカードリーダが参加者のICカードから参加者を特定する情報を読み取る。実際にはICカードの情報を認証するため、WB端末10Aは認証サーバに参加者を特定する情報を送信し、認証の成否と、参加者の氏名などを取得する。
【0217】
WB端末10Aの第7通信部24は追加の参加者と共に予約情報の更新をWBシステム40に要求する。これにより追加の参加者が含まれる画面情報がWB端末10Aに送信される。
【0218】
S63:WB端末10Aの第7通信部24が画面情報を受信したので、ブラウザ部13は追加された参加者を表示する。
【0219】
S64:追加の参加者をスケジュール管理システム60に登録するため、WB端末10Aのサーバ部27は追加の参加者を会議室端末10Bに送信する。
【0220】
S65:会議室端末10Bの端末通信部28は追加の参加者を受信し、会議予約システム50に参加者と会議室と予約IDを含む参加者追加通知を送信する。
【0221】
S66:会議予約システムの第4通信部52は参加者追加通知を受信したので、URL登録部56がスケジュール管理システム60に参加者追加通知を送信する。これにより、追加の参加者がスケジュール管理システム60の予約情報に登録される。なお、各参加者に電子メールで参加者の追加を送信してもよい。
【0222】
図24の手順によれば、参加者がICカードをかざすという簡単な操作で参加者を追加できる。
【0223】
なお、図24では、参加者がICカードをWB端末10Aにかざしているが、参加者が会議室端末10BにICカードをかざしてもよい。この場合は、会議室端末10Bが追加の参加者をWB端末10Aに送信する。参加者の認証は会議室端末10BとWB端末10Aのどちらが行ってもよい。また、会議室端末10Bから会議予約システム50に参加者を特定する情報と会議を特定する情報(会議室、日時)が送信され、スケジュール管理システム60に登録される。
【0224】
<チェックイン時にホワイトボードのURLを作成する手順>
図21では予約時にホワイトボードのURLが作成されていたが、チェックイン時にホワイトボードのURLを作成してもよい。
【0225】
図25は、通信システム1がチェックイン時にホワイトボードのURLを作成し、このホワイトボードが予約情報を表示する手順を示すフローチャート図の一例である。なお、図25の説明では主に図21との相違を説明する。
【0226】
S71~S75:図25では予約時にホワイトボードのURLを作成しないので、図21のステップS34に相当する処理はない。また、ステップS75では、予約IDがスケジュール管理システム60に登録される。
【0227】
S76~S78:図21のステップS37~S39と同様でよい。
【0228】
S79:WB端末10Aの第7通信部24は会議開始通知を受信したことを契機に、WBクライアント部16が予約情報と共にホワイトボードの作成をWBシステム40に要求する。WBシステム40の第3通信部42はホワイトボードの作成要求を受信し、WB作成部41が新規なホワイトボードを新たなURLに作成する。第5通信部61はこのホワイトボードのURLを会議予約システム50に送信する。
【0229】
S80~S82:図21のステップS40~S42と同様でよい。ただし、ホワイトボードのURLをスケジュール管理システム60に登録するため、WB端末10Aの第7通信部24はホワイトボードのURLを会議室端末10Bに送信する。
【0230】
S83:ホワイトボードのURLをスケジュール管理システム60に登録するため、会議室端末10Bの第6通信部21は会議室、日時と共にホワイトボードの登録要求を会議予約システム50に送信する。
【0231】
S84:会議予約システム50の第4通信部52はホワイトボードの登録要求を受信し、URL登録部56がスケジュール管理システム60にホワイトボードのURLを登録する。
【0232】
このように、本実施例においても予約時にホワイトボードのURLを作成することができ、WB端末10Aは予約情報を表示することができる。
【0233】
<まとめ>
以上説明したように、本実施例の通信システム1によれば、ホワイトボードが表示されるだけではホワイトボードがこれから開催される会議と紐付けられたものか確認することができなかったが、ホワイトボードに予約情報が表示されることで、このホワイトボードがどの会議と紐付けられたものか確認できる。
【0234】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0235】
例えば、同じ議題の会議が別の日に再開される場合がある。このような場合、すでに作成されているホワイトボードを参加者が利用したいと考える場合がある。このため、WB作成指示部53は会議の予約情報の類似性を判断し、類似度が閾値以上の場合、その予約情報からホワイトボードのURLを取得し、端末装置10に提供することが有効である。なお、類似度は、会議名が同じか、参加者が同じかなどにより算出される。
【0236】
また、端末装置10が3つの機能を有すると説明したが(会議室9の利用に関する機能、ホワイトボードに関する機能、及び、ブラウザの機能)、機能ごとに別々の端末装置10が用意されてもよい。端末装置10同士は社内ネットワークなどを介して通信する。
【0237】
また、図4などの構成例は、WBシステム40、会議予約システム50、スケジュール管理システム60、ユーザ端末30、及び、端末装置10の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。WBシステム40、会議予約システム50、スケジュール管理システム60、ユーザ端末30、及び、端末装置10の機能は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0238】
また、WBシステム40、会議予約システム50、スケジュール管理システム60はそれぞれが複数であってもよいし、これらの機能が複数の情報処理装置に分散して搭載されていてもよい。
【0239】
なお、予約情報取得部55は情報取得手段の一例であり、WB作成指示部53はホワイトボード作成要求手段の一例であり、第4通信部52は送信手段の一例であり、WBクライアント部16は取得手段の一例であり、第2通信部15、第7通信部24は第一の通信手段の一例であり、WBシステム40はサービスの一例であり、スケジュール管理システム60は第二の情報処理装置の一例であり、会議予約システム50は情報処理装置の一例である。
【0240】
URL登録部56は登録手段の一例であり、第1通信部33は第二の通信手段の一例であり、会議室管理部51は施設管理手段の一例であり、第2操作受付部12は受付手段の一例である。ブラウザ部13は表示処理手段の一例である。
【符号の説明】
【0241】
1 通信システム1
9 会議室
10 端末装置
30 ユーザ端末
40 WBシステム
50 会議予約システム
60 スケジュール管理システム
100 コンピュータシステム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0242】
【文献】特開2012-043380号公報
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