(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-07
(45)【発行日】2022-02-16
(54)【発明の名称】アミン含有界面活性剤を含むポリッシング加工用組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 3/14 20060101AFI20220208BHJP
C09G 1/02 20060101ALI20220208BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20220208BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20220208BHJP
【FI】
C09K3/14 550D
C09K3/14 550Z
C09G1/02
H01L21/304 622D
H01L21/304 622X
B24B37/00 H
(21)【出願番号】P 2018566862
(86)(22)【出願日】2017-06-21
(86)【国際出願番号】 US2017038584
(87)【国際公開番号】W WO2017223225
(87)【国際公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-06-17
(32)【優先日】2016-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500397411
【氏名又は名称】シーエムシー マテリアルズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100210686
【氏名又は名称】田中 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ダブリュ.ハインス
(72)【発明者】
【氏名】ティナ リー
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-516476(JP,A)
【文献】特表2009-532859(JP,A)
【文献】国際公開第2010/005103(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/14
C09G 1/02
H01L 21/304
H01L 21/463
B24B 3/00 - 3/60
B24B 21/00 - 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械ポリッシング加工用組成物であって、
(a)湿式法セリア研磨剤と、
(b)アミン含有アンカー基およびエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む界面活性剤であって
、1000ダルトン
~5000ダルトンの平均分子量を有する、界面活性剤と、
(c)芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸と、
(d)水と、を含み、
前記ポリッシング加工用組成物が
、3~6のpHを
有し、
前記界面活性剤が、式:
【化1】
(式中、Arは、1,4-二置換アリーレンまたは
【化2】
であり、nは、2~10の整数である)のアミン含有アンカー基を含むカチオン性櫛型ポリマーであるか、または
前記界面活性剤が、式:
【化3】
の1つのモノ((ジエチルアミノ)アルキル)エーテルアンカー基および1つのエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む、
化学機械ポリッシング加工用組成物。
【請求項2】
前記湿式法セリア研磨剤が、前記ポリッシング加工用組成物中
に0.05重量%
~2重量%の量で存在する、請求項1に記載のポリッシング加工用組成物。
【請求項3】
前記エチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基が、式:-(CH(CH
3)CH
2O)
x(CH
2CH
2O)
yCH
3(式中、xおよびyは、独立して選択され
る2~25の整数である)を有する、請求項
1に記載のポリッシング加工用組成物。
【請求項4】
前記エチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基が、式:-C
2H
4(OCH
2CH
2)
x(OCH(CH
3)CH
2)
yOH(式中、xおよびyは、独立して選択され
る2~25の整数である)を有する、請求項
1に記載のポリッシング加工用組成物。
【請求項5】
前記エチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基が
、1:1
~1:3のエチレンオキシド単位対プロピレンオキシド単位の比を有する、請求項
4に記載のポリッシング加工用組成物。
【請求項6】
前記界面活性剤が、前記ポリッシング加工用組成物中
に10ppm
~500ppmの量で存在する、請求項1~
5のいずれか一項に記載のポリッシング加工用組成物。
【請求項7】
前記芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸がピコリン酸である、請求項1~
6のいずれか一項に記載のポリッシング加工用組成物。
【請求項8】
基板を化学機械的にポリッシング加工する方法であって、
(i)基板を用意することと、
(ii)ポリッシング加工用パッドを用意することと、
(iii)化学機械ポリッシング加工用組成物を用意することであって、前記化学機械ポリッシング加工用組成物が、
(a)湿式法セリアと、
(b)アミン含有アンカー基およびエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む界面活性剤であって
、1000ダルトン
~5000ダルトンの平均分子量を有する、界面活性剤と、
(c)芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸と、
(d)水と、を含み、
前記ポリッシング加工用組成物が
、3~6のpHを有する、化学機械ポリッシング加工用組成物を用意することと、
(iv)前記基板を前記ポリッシング加工用パッドおよび前記化学機械ポリッシング加工用組成物と接触させることと、
(v)前記ポリッシング加工用パッドおよび前記化学機械ポリッシング加工用組成物を前記基板に対して移動させて、前記基板の表面の少なくとも一部を研磨して、前記基板をポリッシング加工することと、を含
み、
前記界面活性剤が、式:
【化4】
(式中、Arは、1,4-二置換アリーレンまたは
【化5】
であり、nは、2~10の整数である)のアミン含有アンカー基を含むカチオン性櫛型ポリマーであるか、または
前記界面活性剤が、式:
【化6】
の1つのモノ((ジエチルアミノ)アルキル)エーテルアンカー基および1つのエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む、方法。
【請求項9】
前記湿式法セリア研磨剤が、前記ポリッシング加工用組成物中
に0.05重量%
~2重量%の量で存在する、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記エチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基が、式:-(CH(CH
3)CH
2O)
x(CH
2CH
2O)
yCH
3(式中、xおよびyは、独立して選択され
る2~25の整数である)を有する、請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
前記エチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基が、式:-C
2H
4(OCH
2CH
2)
x(OCH(CH
3)CH
2)
yOH(式中、xおよびyは、独立して選択され
る2~25の整数である)を有する、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記エチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基が
、1:1
~1:3のエチレンオキシド単位対プロピレンオキシド単位の比を有する、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記界面活性剤が、前記ポリッシング加工用組成物中
に10ppm
~500ppmの量で存在する、請求項
8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸がピコリン酸である、請求項
8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記基板が酸化ケイ素を含み、前記酸化ケイ素の少なくとも一部が前記基板から除去されて、前記基板をポリッシング加工する、請求項
8~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
集積回路および他の電子デバイスの製造において、導電性、半導体、および誘電体材料の複数の層が基板表面上に堆積され、または基板表面から除去される。材料の層が基板上に順次堆積され、基板から除去されるにつれて、基板の最上面は非平面状になり得、平坦化を必要とし得る。表面を平坦化すること、または表面を「ポリッシング加工すること」は、材料が基板の表面から除去されて、概して均一で平坦な表面を形成するプロセスである。平坦化は、粗い表面、凝集した材料、結晶格子損傷、スクラッチ、および汚染された層または材料などの望ましくない表面微細構成および表面欠陥を除去するのに有用である。平坦化はまた、フィーチャを充填するために使用される過剰に堆積された材料を除去することによって基板上にフィーチャを形成し、メタライズおよび加工の後続の平面のための均一な表面を提供するのに有用である。
【0002】
基板の表面を平坦化またはポリッシング加工するための組成物および方法は、当該技術分野において周知である。化学機械平坦化、または化学機械ポリッシング加工(CMP)は、基板を平坦化するために使用される一般的な技術である。CMPは、基板から材料を選択的に除去するために、CMP組成物またはポリッシング加工用組成物(ポリッシング加工スラリーとも称される)として既知の化学組成物を利用する。ポリッシング加工用組成物は、典型的には、他の化学成分と共に液体担体中に研磨材料を含有し、表面にポリッシング加工用組成物で飽和された回転するポリッシング加工用パッドを接触させることによって表面に適用される。基板のポリッシング加工は、典型的には、ポリッシング加工用組成物の化学的活性、および/またはポリッシング加工用組成物中に懸濁した、もしくはポリッシング加工用パッド(例えば、固定研磨剤ポリッシング加工用パッド)に組み込まれている研磨剤の機械的活性によってさらに補助される。場合によっては、化学成分はまた、材料の除去を促進し得る。
【0003】
集積回路のサイズが縮小され、チップ上の集積回路の数が増加するにつれて、回路を構成する部品は、典型的なチップ上で利用可能な限られたスペースに適合するために、互いにより接近して配置されなければならない。最適な半導体性能を確保するには、回路間の効果的な分離が重要である。そのために、浅いトレンチが半導体基板内にエッチングされ、絶縁材料で充填されて、集積回路の活性領域を隔離する。より具体的には、浅いトレンチ分離(STI)は、窒化ケイ素層がシリコン基板上に形成され、浅いトレンチがエッチングまたはフォトリソグラフィを介して形成され、誘電体層が堆積されてトレンチを充填するプロセスである。このようにして形成されたトレンチの深さの変化に起因して、全トレンチの完全な充填を確実にするために、基板の上に過剰の誘電体材料を堆積させることが通常は必要である。誘電体材料(例えば、酸化ケイ素)は、下層にある基盤の微細構成に適合する。したがって、基板の表面は、パターン酸化物と称されるトレンチ間の上層にある酸化物の隆起部分によって特徴付けられる。パターン酸化物は、トレンチの外側に位置する過剰の誘電体材料の段差によって特徴付けられる。過剰の誘電体材料は、典型的にはCMPプロセスによって除去され、それによってさらに追加の加工のための平坦な表面が提供される。パターン酸化物が研磨され、表面の平坦性が近づくにつれて、酸化物層は、次いでブランケット酸化物と称される。
【0004】
ポリッシング加工用組成物は、そのポリッシング加工速度(すなわち、除去速度)およびその平坦化効率に従って特徴付けることができる。ポリッシング加工速度は、基板の表面から材料を除去する速度を指し、通常単位時間当たりの長さ(厚さ)の単位で表される(例えば、オングストローム(Å)/分)。平坦化効率は、段差の減少対トレンチの損失、または基板から除去される材料の量に関連する。具体的には、ポリッシング加工表面、例えばポリッシング加工用パッドは、最初に表面の「高い点」に接触し、平坦な表面を形成するために材料を除去しなければならない。最も低いトレンチ損失を有する平坦な表面の達成をもたらすプロセスは、平坦性を達成するためにより多くの材料を除去する必要があるプロセスよりも効率的であると考えられる。
【0005】
多くの場合、酸化ケイ素パターンの除去速度は、STIプロセスにおける誘電体ポリッシング加工工程の律速であり得、したがって、デバイススループットを増加させるために、酸化ケイ素パターンの高い除去速度が望ましい。しかし、ブランケット除去速度が速すぎる場合、露出したトレンチ内の酸化物の過剰ポリッシング加工は、トレンチの侵食、窒化ケイ素の損失、およびデバイス欠陥の増加を引き起こす可能性がある。したがって、迅速な除去速度を有するポリッシング加工用組成物は、本質的に十分な平坦化効率をもたらさない。
【0006】
シリコン基板、特に改善された平坦化効率も提供しながら有用な除去速度を提供する酸化ケイ素含有基板の化学機械ポリッシング加工のための組成物および方法の必要性が依然として残っている。本発明は、このようなポリッシング加工用組成物および方法を提供する。本発明のこれらの利点および他の利点、ならびに追加の発明的特徴は、本明細書で提供される本発明の説明から明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、化学機械ポリッシング加工用組成物であって、(a)湿式法セリア研磨剤と、(b)アミン含有アンカー基およびエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む界面活性剤であって、約1000ダルトン~約5000ダルトンの分子量を有する、界面活性剤と、(c)芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸と、(d)水とを含み、ポリッシング加工用組成物が約3~約6のpHを有する、ポリッシング加工用組成物を提供する。
【0008】
本発明はまた、(i)基板を用意することと、(ii)ポリッシング加工用パッドを用意することと、(iii)化学機械ポリッシング加工用組成物を用意することであって、化学機械ポリッシング加工用組成物が(a)湿式法セリア研磨剤と、(b)アミン含有アンカー基およびエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む界面活性剤であって、約1000ダルトン~約5000ダルトンの分子量を有する、界面活性剤と、(c)芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸と、(d)水とを含み、ポリッシング加工用組成物が約3~約6のpHを有する、ポリッシング加工用組成物を用意することと、(iv)基板をポリッシング加工用パッドおよび化学機械ポリッシング加工用組成物と接触させることと、(v)ポリッシング加工用パッドおよび化学機械ポリッシング加工用組成物を基板に対して移動させて、基板の表面の少なくとも一部を研磨して、基板をポリッシング加工することと、を含む、基板を化学機械的にポリッシング加工する方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ポリッシング加工用パッドから保護層を提供する、トレンチ内に結合されている櫛形ポリマーを示す図である。
【
図2】900μm×900μmのパターン形成された基板のポリッシング加工において、セリアおよび任意選択で櫛形ポリマー分散剤であるJeffsperse(商標)X3503を含む一対のポリッシング加工用組成物によって示される、平坦化効率、すなわち段差対トレンチ損失を示すグラフである。
【
図3】10mm×10mmのパターン形成された基板のポリッシング加工において、セリア、および任意選択で櫛形ポリマー分散剤であるJeffsperse(商標)X3503を含む一対のポリッシング加工用組成物によって示される、平坦化効率、すなわち段差対トレンチ損失を示すグラフである。
【
図4】900μm×900μmのパターン形成された基板のポリッシング加工において、新たに調製されたセリアおよびJeffsperse(商標)X3503を含むポリッシング加工用組成物、ならびに6週間前に調製されたセリアおよびJeffsperse(商標)X3503を含むポリッシング加工用組成物によって示される、平坦化効率、すなわち段差対トレンチ損失を示すグラフである。
【
図5】Jeffsperse(商標)X3503を含む溶液中に浸漬されたTEOSウェーハによって示されるゼータ電位を示すグラフである。
【
図6】IC1010パッドを用いる、900μm×900μmのパターン形成された基板のポリッシング加工において、セリアおよび任意選択でSolsperse(商標)20000を含む一対のポリッシング加工用組成物によって示される、平坦化効率、すなわち段差対トレンチ損失を示すグラフである。
【
図7】NxP E6088パッドを用いる、900μm×900μmのパターン形成された基板のポリッシング加工において、セリアおよび任意選択であるSolsperse(商標)20000を含む一対のポリッシング加工用組成物によって示される、平坦化効率、すなわち段差対トレンチ損失を示すグラフである。
【
図8】IC1010パッドを用いる、3D NANDウェーハのポリッシング加工において、セリアおよび任意選択でSolsperse(商標)20000を含む一対のポリッシング加工用組成物によって示される、平坦化効率、すなわち段差対トレンチ損失を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、化学機械ポリッシング加工用組成物であって、(a)湿式法セリア研磨剤と、(b)アミン含有アンカー基およびエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む界面活性剤であって、約1000ダルトン~約5000ダルトンの分子量を有する、界面活性剤と、(c)芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸と、(d)水とを含む、それらから本質的になる、またはそれらからなり、ポリッシング加工用組成物が約3~約6のpHを有する、ポリッシング加工用組成物を提供する。
【0011】
化学機械ポリッシング加工用組成物は、セリア研磨剤を含む。当該技術分野において既知であるように、セリアは、希土類金属セリウムの酸化物であり、酸化第二セリウム、酸化セリウム(例えば、酸化セリウム(IV))、または二酸化セリウムとして既知である。酸化セリウム(IV)(CeO2を)は、シュウ酸セリウムまたは水酸化セリウムをか焼することにより形成することができる。セリウムはまた、例えばCe2O3などの酸化セリウム(III)も形成する。セリア研磨剤は、セリアのこれらの酸化物または他の酸化物のうちのいずれか1種以上であり得る。
【0012】
セリア研磨剤は、任意の好適な種類のものあり得る。本明細書で使用される場合、「湿式法」セリアは、(例えば、ヒュームドまたは発熱性セリアとは対照的に)沈殿、縮重合、または同様のプロセスによって調製されるセリアを指す。例示的な湿式法セリアは、Rhodia Inc.(Cranbury,NJ)から市販されているHC-60(商標)セリアである。別の例示的な湿式法セリアは、同時係属出願の米国特許出願第15/056,198号に記載されている。
【0013】
湿式法セリア粒子は、任意の好適なプロセスによって生成することができる。一実施形態では、湿式法セリア粒子は、まずセリア前駆体を水に溶解することによって調製することができる。セリア前駆体は、任意の好適なセリア前駆体であり得、任意の好適な電荷を有するセリア塩、例えばCe3+またはCe4+を含むことができる。好適なセリア前駆体としては、例えば、硝酸セリウム(III)、硝酸アンモニウムセリウム(IV)、炭酸セリウム(III)、硫酸セリウム(IV)、および塩化セリウム(III)が挙げられる。セリア前駆体としては、硝酸セリウム(III)が好ましい。
【0014】
セリア粒子は、任意の好適な平均サイズ(すなわち、平均粒子直径)を有することができる。平均セリア粒径が小さすぎる場合、ポリッシング加工用組成物は、十分な除去速度を示さない可能性がある。対照的に、平均セリア粒径が大きすぎる場合、ポリッシング加工用組成物は、例えば、劣等な基板欠陥などの望ましくないポリッシング加工性能を示す可能性がある。したがって、セリア粒子は、約10nm以上、例えば約15nm以上、約20nm以上、約25nm以上、約30nm以上、約35nm以上、約40nm以上、約45nm以上、または約50nm以上の平均粒径を有することができる。あるいは、または加えて、セリアは、約1,000nm以下、例えば約750nm以下、約500nm以下、約250nm以下、約150nm以下、約100nm以下、約75nm以下、または約50nm以下の平均粒径を有することができる。したがって、セリアは、上記の終点のいずれか2つによって境界が定められた平均粒径を有することができる。例えば、セリアは、約10nm~約1,000nm、約10nm~約750nm、約15nm~約500nm、約20nm~約250nm、約20nm~約150nm、約25nm~約150nm、約25nm~約100nm、または約50nm~約150nm、または約50nm~約100nmの平均粒径を有することができる。非球形セリア粒子については、粒径は、粒子を包含する最小球の直径である。セリアの粒径は、任意の好適な技術を用いて、例えばレーザ回折技術を用いて測定することができる。好適な粒径測定機器は、例えばMalvern Instruments(Malvern,UK)から入手可能である。
【0015】
セリア粒子は、本発明のポリッシング加工用組成物においてコロイド的に安定であることが好ましい。コロイドという用語は、液体担体(例えば、水)中のセリア粒子の懸濁を指す。コロイド安定性とは、その懸濁液を時間にわたって維持することを指す。本発明に関して、研磨剤を100mLのメスシリンダーに入れ、2時間にわたって無撹拌で放置した際、メスシリンダー下部の50mL中の粒子濃度(g/mL換算で[B])とメスシリンダー上部の50mL中の粒子濃度(g/mL換算で[T])間の差を、研磨剤組成物中の粒子の初期濃度(g/mL換算で[C])で割った値が、0.5以下(すなわち、{[B]-[T]}/[C]≦0.5)の場合、研磨剤は、コロイド安定性と考えられる。より好ましくは[B]-[T]/[C]の値は、0.3以下であり、最も好ましくは0.1以下である。
【0016】
ポリッシング加工用組成物は、任意の好適な量のセリア研磨剤を含むことができる。本発明のポリッシング加工用組成物のセリア研磨剤が少なすぎる場合、組成物は、十分な除去速度を示さない可能性がある。対照的に、ポリッシング加工用組成物のセリア研磨剤が多すぎる場合、ポリッシング加工用組成物は、望ましくないポリッシング加工性能を示す可能性があり、かつ/または費用効果がない可能性があり、かつ/または安定性に欠ける可能性がある。ポリッシング加工用組成物は、約10重量%以下のセリア、例えば約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.9重量%以下、約0.8重量%約0.7重量%以下、約0.6重量%以下、または約0.5重量%以下を含むことができる。あるいは、または加えて、ポリッシング加工用組成物は、約0.01重量%以上のセリア、例えば約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、または約1重量%以上を含むことができる。したがって、ポリッシング加工用組成物は、上記の終点のいずれか2つによって境界が定められた量のセリアを含むことができる。例えば、ポリッシング加工用組成物は、約0.01重量%~約10重量%のセリア、約0.05重量%~約10重量%、約0.05重量%~約9重量%、約0.05重量%~約8重量%、約0.05重量%~約7重量%、約0.05重量%~約6重量%、約0.05重量%~約5重量%、約0.05重量%~約4重量%、約0.05重量%~約3重量%、約0.05重量%~約2重量%、約0.05重量%~約1重量%、約0.2重量%~約2重量%、約0.2重量%~約1重量%、または約0.3重量%~約0.5重量%を含むことができる。一実施形態では、ポリッシング加工用組成物は、使用時点で、約0.05重量%~約2重量%のセリア(例えば、約0.3重量%のセリア)を含む。
【0017】
ポリッシング加工用組成物は、界面活性剤を含む。界面活性剤は、任意の好適な界面活性剤であり得る。好ましくは、ポリッシング加工用組成物は、アミン含有アンカー基およびエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む界面活性剤を含み、界面活性剤は、約1000ダルトン~約5000ダルトン、例えば約1500ダルトン、約2000ダルトンダルトン、約2500ダルトン、約3000ダルトン、約3500ダルトン、約4000ダルトン、または約4500ダルトンの平均分子量を有する。
【0018】
一実施形態では、界面活性剤は、式:
【化1】
(式中、Arは、1,4-二置換アリーレンまたは
【化2】
であり、nは、約2~約10、例えば約3、約4、約5、約6、約7、約8、または約9の整数である)のアミン含有アンカー基を含むカチオン性櫛型ポリマーである。カチオン性櫛形ポリマーは、骨格窒素原子に結合したエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基をさらに含み、エチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基は、式:-(CH(CH
3)CH
2O)
x(CH
2CH
2O)
yCH
3(式中、xおよびyは、独立して選択される約2~約25の整数である)を有する。好ましい実施形態では、界面活性剤は、Huntsman Corporation(Woodlands,TX)から市販されているJeffsperse(商標)X3503である。
【0019】
当該技術分野で十分に理解されているように、アミン官能基は塩基性であり、アミン官能基を含むポリッシング加工用組成物のpHに応じてプロトン化され得る。したがって、界面活性剤は、ポリッシング加工用組成物のpHに応じてカチオン性である。例えば、カチオン性櫛型ポリマーは、約2~約7のpH値、例えば約6のpH、約5のpH、約4のpH、または約3のpHでカチオン性であると見なすことができる。
【0020】
別の実施形態では、界面活性剤は、式:
【化3】
の1つのモノ((ジエチルアミノ)アルキル)エーテルアンカー基および1つのエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む、請求項10または11に記載の方法。
界面活性剤は、式:-C
2H
4(OCH
2CH
2)
x(OCH(CH
3)CH
2)
yOH(式中、xおよびyは、独立して選択される約2~約25の整数である)のエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基をさらに含み、安定化基は、約1:1~約1:3、例えば約1:2のエチレンオキシド単位対プロピレンオキシド単位の比を有する。好ましい実施形態では、界面活性剤は、Lubrizol Corporation(Wickliffe,OH)から市販されているSolsperse(商標)20000である。
【0021】
いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、界面活性剤は、
図1に記載のポリッシング加工用パッドのアクセスを阻止するためにポリッシング加工される基板のトレンチ内にあると考えられている。加えて、界面活性剤のわずかに親水性の部分は、トレンチ内の負に帯電したテトラエチルオルトシリケート(TEOS)表面へのクーロン引力を維持し、潜在的な水素結合をもたらす。その上、界面活性剤は、TEOSの表面電位を負から正に反転させ、クーロン引力をセリアに還元する。したがって、トレンチ内のポリマーの蓄積は、保護層の形成をもたらし、TEOS侵食を低減し、平坦化効率を高める。
【0022】
ポリッシング加工用組成物は、任意の好適な量の界面活性剤を含むことができる。ポリッシング加工用組成物は、約500ppm以下の界面活性剤、例えば約400ppm以下、約300ppm以下、約200ppm以下、約100ppm以下、または約75ppm以下を含むことができる。あるいは、または加えて、ポリッシング加工用組成物は、約10ppm以上の界面活性剤、例えば、約15ppm以上、約20ppm以上、約25ppm以上、約30ppm以上、約35ppm以上、約40ppm以上、約45ppm以上、または約50ppm以上を含むことができる。したがって、界面活性剤は、ポリッシング加工用組成物中に、上記の終点のいずれか2つによって境界が定められた量で存在することができる。例えば、ポリッシング加工用組成物は、約10ppm~約500ppmの界面活性剤、例えば、約15ppm~約500ppm、約20ppm~約500ppm、約25ppm~約500ppm、約30ppm~約500ppm、約35ppm~約500ppm、約40ppm~約500ppm、約45ppm~約500ppm、約50ppm~約500ppm、約50ppm~約400ppm、約50ppm~約300ppm、約50ppm~約200ppm、約50ppm~約100ppm、約50ppm~約75ppm、約10ppm~約75ppm、または約50ppm~約300ppmを含むことができる。
【0023】
ポリッシング加工用組成物は、芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸を含む。芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸は、任意の好適な芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸であり得る。芳香族カルボン酸およびヘテロ芳香族カルボン酸の非限定的な例としては、安息香酸、1,2-ベンゼンジカルボン酸、1,3-ベンゼンジカルボン酸、1,4-ベンゼンジカルボン酸、サリチル酸、ピコリン酸、ジピコリン酸などが挙げられる。好ましくは、芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸は、ピコリン酸である。
【0024】
ポリッシング加工用組成物は、任意の好適な量の芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸を含むことができる。ポリッシング加工用組成物は、約1000ppm以下の芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸、例えば約900ppm以下、約800ppm以下、約700ppm以下、約600ppm以下、または約500を含むことができる。あるいは、または加えて、ポリッシング加工用組成物は、約1ppm以上の芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸、例えば約50ppm以上、約100ppm以上、約200ppm以上、約300ppm、または約400ppm以上を含むことができる。したがって、芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸は、ポリッシング加工用組成物中に、上記の終点のいずれか2つによって境界が定められた量で存在することができる。例えば、ポリッシング加工用組成物は、約1ppm~約500ppmの芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸、例えば約50ppm~約500ppm、約100ppm~約500ppm、約200ppm~約500ppm、約300ppm~約500ppm、約400ppm~約500ppm、約400ppm~約600ppm、約400ppm~約700ppm、約400ppm~約800ppm、約400ppm~約900ppm、約400ppm~約1000ppm、または約1ppm~約1000ppmを含むことができる。
【0025】
ポリッシング加工用組成物は、任意の好適なpHを有することができる。典型的には、ポリッシング加工用組成物は、約2以上のpH、例えば、約2.5以上、約3以上、約3.5以上、約4以上、または約4.5以上を有する。あるいは、または加えて、ポリッシング加工用組成物は、約7以下のpH、例えば約6.5以下、約6以下、約5.5以下、または約5以下を有することができる。したがって、ポリッシング加工用組成物は、上記の終点のいずれか2つによって限定されたpHを有することができる。例えば、ポリッシング加工用組成物は、約2~約7のpH、例えば、約2.5~約7、約3~約7、約3.5~約7、約4~約7、約4.5~約7、約2.5~約6.5、約2.5~約6、約2.5~約5.5、約2.5~約5、約3~約6.5、約3~約6、約3~約5、または約3.5~約5.5を有することができる。
【0026】
ポリッシング加工用組成物のpHは、任意の好適な酸または塩基を用いて調整することができる。好適な酸の非限定的な例としては、硝酸、硫酸、リン酸、および酢酸などの有機酸が挙げられる。好適な塩基の非限定的な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化アンモニウム、ならびにエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンなどの有機塩基が挙げられる。
【0027】
化学機械ポリッシング加工用組成物は、任意選択で1つ以上の添加剤をさらに含む。例示的な添加剤としては、コンディショナー、酸(例えば、スルホン酸)、錯化剤(例えば、アニオン性ポリマー錯化剤)、キレート剤、殺生物剤、スケール抑制剤、分散剤などが挙げられる。
【0028】
ポリッシング加工用組成物は、金属を酸化する酸化剤を含まないか実質的に酸化剤を含まないことができる。本明細書で使用される場合、「酸化剤を含まない」という語句は、ポリッシング加工用組成物が、微量の汚染物質量以下の酸化物質しか含まず、その量は、CMP中に組成物で得られる金属除去速度に影響を及ぼすには不十分である。本明細書で使用される場合、「実質的に酸化剤を含まない」とは、酸化剤の1重量%未満、好ましくは酸化剤の0.1重量%未満、より好ましくは酸化剤の0.01重量%未満を意味する。特定の実施形態では、ポリッシング加工用組成物は、過酸化水素、硝酸第二鉄、ヨウ素酸カリウム、過酢酸、および過マンガン酸カリウムを含まないか実質的に含まない。
【0029】
ポリッシング加工用組成物は、長期間安定である。例えば、ポリッシング加工用組成物は、約2週間より長く安定である。好ましくは、ポリッシング加工用組成物は、約4週間より長く安定である。より好ましくは、ポリッシング加工用組成物は、約6週間より長く安定である。本明細書で使用される場合、「安定」とは、任意の種類の安定性を指す。例えば、安定は、コロイド安定性、組成物安定性、および性能安定性(すなわち、繰り返しの結果を生む)を指すことができる。
【0030】
ポリッシング加工用組成物は、その多くが当業者には既知である任意の好適な技術によって調製することができる。ポリッシング加工用組成物は、バッチプロセスまたは連続プロセスで調製することができる。一般に、ポリッシング加工用組成物は、その成分を任意の順序で組み合わせることによって調製することができる。本明細書で使用される場合、「成分」という用語は、個々の構成成分(例えば、湿式セリア、界面活性剤、芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸、任意のpH調整剤など)、ならびに構成成分(例えば、湿式法セリア、界面活性剤、芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸、任意のpH調整剤など)の任意の組み合わせを含む。
【0031】
例えば、湿式法セリアは、水に分散させることができる。次に、界面活性剤および芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸が添加され、成分をポリッシング加工用組成物に組み込むことができる任意の方法によって混合され得る。ポリッシング加工用組成物はまた、ポリッシング加工作業中に基板の表面で成分を混合することによっても調製することができる。
【0032】
ポリッシング加工用組成物は、湿式法セリア、界面活性剤、芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸、任意のpH調整剤、および水を含む1パッケージ系として供給することができる。あるいは、湿式法セリアは、水中の分散液として第1の容器中に供給することができ、界面活性剤、芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸、および任意のpH調整剤は、乾燥形態で、または水中の溶液もしくは分散液として第2の容器中に供給し、添加剤溶液を形成することができる。第1または第2の容器中の成分は、乾燥形態であり得、他方の容器中の成分は、水性分散液の形態であり得る。その上、第1および第2の容器中の成分が異なるpH値、あるいは実質的に同様、または同等のpH値を有することが好適である。ポリッシング加工用組成物の成分の他の2つの容器または3つ以上の容器の組み合わせは、当業者の知識の範囲内である。
【0033】
このような2パッケージポリッシング加工系を利用するために、様々な方法が使用され得る。例えば、酸化セリウムスラリーおよび添加剤溶液は、供給配管の出口で接合され接続される異なる管によってポリッシング加工テーブルに供給することができる。酸化セリウムスラリーおよび添加剤溶液は、ポリッシング加工の少し前または直前に混合することができ、またはポリッシング加工テーブル上に同時に供給することができる。その上、2つのパッケージを混合する場合、必要に応じて脱イオン水を添加して、ポリッシング加工用組成物および得られる基板ポリッシング加工特性を調整することができる。
【0034】
本発明のポリッシング加工用組成物はまた、使用前に適切な量の水で希釈されることが意図される濃縮物として提供することもできる。このような実施形態では、ポリッシング加工用組成物濃縮物は、湿潤式セリア、界面活性剤、芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸、および任意のpH調整剤を、適切な量の水で濃縮物を希釈すると、ポリッシング加工用組成物の各成分が、上に列挙された各成分の適切な範囲内の量でポリッシング加工用組成物中に存在するようになる量で含むことができる。例えば、湿式法セリア、界面活性剤、芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸、および任意のpH調整剤はそれぞれ、ポリッシング加工用組成物中に上に列挙された各成分の濃度よりも約2倍(例えば、約3倍、約4倍、または約5倍)を超える量で存在することができ、その結果、濃縮物が等量の水(例えば、それぞれ2等量の水、3等量の水、または4等量の水)で希釈されると、各成分は、各成分について上記の範囲内の量でポリッシング加工用組成物中に存在するようになる。その上、当業者には理解されるように、濃縮物は、他の成分が少なくとも部分的にまたは完全に濃縮物中に確実に溶解することを確実にするために、最終ポリッシング加工用組成物中に存在する水の適切な部分を含有することができる。
【0035】
本発明はまた、(i)基板を用意することと、(ii)ポリッシング加工用パッドを用意することと、(iii)化学機械ポリッシング加工用組成物を用意することであって、化学機械ポリッシング加工用組成物が(a)湿式法セリア研磨剤と、(b)アミン含有アンカー基およびエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む界面活性剤であって、約1000ダルトン~約5000ダルトンの分子量を有する、界面活性剤と、(c)芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸と、(d)水とを含み、ポリッシング加工用組成物が約3~約6のpHを有する、ポリッシング加工用組成物を用意することと、(iv)基板をポリッシング加工用パッドおよび化学機械ポリッシング加工用組成物と接触させることと、(v)ポリッシング加工用パッドおよび化学機械ポリッシング加工用組成物を基板に対して移動させて、基板の表面の少なくとも一部を研磨して、基板をポリッシング加工することと、を含む、基板を化学機械的にポリッシング加工する方法も提供する。
【0036】
本発明の方法を用いてポリッシング加工される基板は、任意の好適な基板であり得る。好適な基板としては、フラットパネルディスプレイ、集積回路、メモリまたはリジッドディスク、金属、半導体、層間誘電体(ILD)デバイス、微小電子機械システム(MEMS)、強誘電体、および磁気ヘッドが挙げられるが、これらに限定されない。ポリッシング加工用組成物は、浅いトレンチ分離(STI)加工を受けた基板を平坦化またはポリッシング加工するのに特に適している。基板は、少なくとも1つの他の層、例えば絶縁層をさらに含むことができる。絶縁層は、金属酸化物、多孔質金属酸化物、ガラス、有機ポリマー、フッ素化有機ポリマー、または任意の他の好適な高または低κ絶縁層であり得る。絶縁層は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、またはこれらの組み合わせ、を含む、それから本質的になる、またはそれからなることができる。酸化ケイ素層は、その多くが当該技術分野で既知である任意の好適な酸化ケイ素、を含む、それから本質的になる、またはそれからなることができる。例えば、酸化ケイ素層は、テトラエトキシシラン(TEOS)、高密度プラズマ(HDP)酸化物、ボロフォスフォシリケートガラス(BPSG)、高アスペクト比プロセス(HARP)酸化物、スピンオン誘電体(SOD)酸化物、化学気相成長法(CVD)酸化物、プラズマ強化テトラエチルオルトシリケート(PETEOS)、熱酸化物、またはドープされていないシリケートガラスを含むことができる。基板は、金属層をさらに含むことができる。金属は、例えば、銅、タンタル、タングステン、チタン、白金、ルテニウム、イリジウム、アルミニウム、ニッケル、またはこれらの組み合わせなどのその多くが当該技術分野で既知である任意の好適な金属、を含む、それらから本質的になる、またはそれらからなることができる。
【0037】
本発明は、以下の実施形態により例示される。
(1)実施形態(1)では、化学機械ポリッシング加工用組成物が提供され、ポリッシング加工用組成物は
(a)湿式法セリア研磨剤と、
(b)アミン含有アンカー基およびエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む界面活性剤であって、約1000ダルトン~約5000ダルトンの平均分子量を有する、界面活性剤と、
(c)芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸と、
(d)水と、を含み、
前記ポリッシング加工用組成物が、約3~約6のpHを有する、ポリッシング加工用組成物。
(2)実施形態(2)では、湿式法セリア研磨剤が、ポリッシング加工用組成物中に約0.05重量%~約2重量%の量で存在する、実施形態(1)に記載のポリッシング加工用組成物が提供される。
(3)実施形態(3)では、界面活性剤が、式:
【化4】
(式中、Arは、1,4-二置換アリーレンまたは
【化5】
であり、nは、約2~約10の整数である)のアミン含有アンカー基を含むカチオン性櫛型ポリマーである、請求項10または11に記載の方法。
(4)実施形態(4)では、エチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基が、式:-(CH(CH
3(CH
2O)
x(CH
2CH
2O)
yCH
3(式中、xおよびyは、独立して選択される約2~約25の整数である)を有する、実施形態(3)に記載のポリッシング加工用組成物が提供される。
(5)実施形態(5)では、界面活性剤が、式:
【化6】
の1つのモノ((ジエチルアミノ)アルキル)エーテルアンカー基および1つのエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む、請求項10または11に記載の方法。
(6)実施形態(6)では、エチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基が、式:-C
2H
4(OCH
2CH
2)
x(OCH(CH
3)CH
2)
yOH(式中、xおよびyは、独立して選択される約2~約25の整数である)を有する、実施形態(5)に記載のポリッシング加工用組成物が提供される。
(7)実施形態(7)では、エチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基が、約1:1~約1:3のエチレンオキシド単位対プロピレンオキシド単位の比を有する、実施形態(6)に記載のポリッシング加工用組成物が提供される。
(8)実施形態(8)では、界面活性剤が、ポリッシング加工用組成物中に約10ppm~約500ppmの量で存在する、実施形態(1)~(7)のいずれか1つに記載のポリッシング加工用組成物が提供される。
(9)実施形態(9)では、芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸がピコリン酸である、実施形態(1)~(8)のいずれか1つに記載のポリッシング加工用組成物が提供される。
(10)実施形態(10)では、基板を化学機械的にポリッシング加工する方法であって、
(i)基板を用意することと、
(ii)ポリッシング加工用パッドを用意することと、
(iii)化学機械ポリッシング加工用組成物を用意することであって、前記化学機械ポリッシング加工用組成物が、
(a)湿式法セリアと、
(b)アミン含有アンカー基およびエチレンオキシド-プロピレンオキシド安定化基を含む界面活性剤であって、約1000ダルトン~約5000ダルトンの平均分子量を有する、界面活性剤と、
(c)芳香族カルボン酸またはヘテロ芳香族カルボン酸と、
(d)水と、を含み、
前記ポリッシング加工用組成物が、約3~約6のpHを有する、化学機械ポリッシング加工用組成物を用意することと、
(iv)前記基板を前記ポリッシング加工用パッドおよび前記化学機械ポリッシング加工用組成物と接触させることと、
(v)前記ポリッシング加工用パッドおよび前記化学機械ポリッシング加工用組成物を前記基板に対して移動させて、前記基板の表面の少なくとも一部を研磨して、前記基板をポリッシング加工することと、を含む、方法。
【実施例】
【0038】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、もちろん、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0039】
実施例で使用されるパターン化されたウェーハは、その表面にエッチングされたラインを有するパターン形成されたシリコン基板上に堆積されたTEOSのブランケット層を含んでいた。基板は、本明細書において別段の指定がない限り、(1)基板のエッチングされていない領域上に位置する表面の「上」領域の幅が900μmであり、およびラインの上に位置する表面の「下」領域の幅が900μmである、900μm×900μmのパターン、または(2)基板のエッチングされていない領域上に位置する表面の「上」領域の幅が10mmであり、およびラインの上に位置する表面の「下」領域の幅が10mmである、10mm×10mmのパターンのいずれかを有すると称される。残りの段差は、表面のエッチングされていない領域上に位置するTEOSの厚さを指す。トレンチ損失は、ライン内および上領域間のTEOSの除去に関する測定値である。
【0040】
実施例1
この実施例は、湿式法セリアを含むポリッシング加工用組成物によって示されるTEOS平坦化効率に対する界面活性剤添加剤の効果を実証する。
【0041】
900μm×900μmパターン化シリコン試片上のTEOS層を含む基板を、ポリッシング加工用組成物1A(「PC1A」)およびポリッシング加工用組成物1B(「PC1B」)の2つの異なるポリッシング加工用組成物を用いて、IC1010パッドでポリッシング加工した。ポリッシング加工用組成物1Aおよび1Bのそれぞれは、必要に応じて、トリエタノールアミンまたは酢酸を用いてpHを4.0に調整して、水中に0.286重量%の湿式法セリアおよび500ppmのピコリン酸を含んでいだ。ポリッシング加工用組成物1A(対照)は、界面活性剤をさらに含まなかった。ポリッシング加工用組成物1B(本発明)は、Jeffsperse(商標)X3503(Huntsman Corp.,Woodlands,TX)25ppmをさらに含有していた。基板を200mmのMirra(商標)ポリッシング加工工具(Applied Materials,Santa Clara,CA)でポリッシング加工した。
【0042】
ポリッシング加工に次いで、TEOS除去速度を決定し、残りの段差およびトレンチ損失を測定した。結果を表1および
図2に記載する。
【表1】
【0043】
表1および
図2に記載されている結果から明らかなように、Jeffsperse(商標)X3503を含有していたポリッシング加工用組成物1Bの使用は、Jeffsperse(商標)X3503を含有していなかったポリッシング加工用組成物1Aよりも、段差の所与の減少に対してトレンチ損失はより少なかった。特に、ポリッシング加工用組成物1B(本発明)は、対照ポリッシング加工用組成物1Aに対して、処理しやすい段差除去および有意に減少したトレンチ損失を示した。
【0044】
実施例2
この実施例は、湿式法セリアを含むポリッシング加工用組成物によって示されるTEOS平坦化効率に対する界面活性剤添加剤の効果を実証する。
【0045】
10mm×10mmパターン化シリコン試片上のTEOS層を含む基板を、実施例1において記載されているようなポリッシング加工用組成物1A(対照)およびポリッシング加工用組成物1B(本発明)の2つの異なるポリッシング加工用組成物を用いて、R200-01パッドでポリッシング加工した。基板を200mmのMirra(商標)ポリッシング加工工具(Applied Materials,Santa Clara,CA)でポリッシング加工した。
【0046】
ポリッシング加工に次いで、TEOS除去速度を決定し、残りの段差およびトレンチ損失を測定した。結果を表2および
図3に記載する。
【表2】
【0047】
表2および
図3に記載されている結果から明らかなように、Jeffsperse(商標)X3503を含有するポリッシング加工用組成物1B(本発明)は、対照ポリッシング加工用組成物1Aに対して、TEOS平坦化効率において有意な改善を実証した。
【0048】
実施例3
この実施例は、6週間の期間後にTEOS平坦化効率を測定することによって、界面活性剤を含有するポリッシング加工用組成物の安定性および長寿命を実証する。
【0049】
900μm×900μmパターン化シリコン試片上のTEOS層を含む基板を、実施例1において記載されているようなポリッシング加工用組成物1A(対照)およびポリッシング加工用組成物1B(本発明)の2つの異なるポリッシング加工用組成物を用いて、IC1010パッドでポリッシング加工した。ポリッシング加工用組成物1B(本発明)を、新しく調製した後、および6週間エージングした後に評価した。基板を200mmのMirra(商標)ポリッシング加工工具(Applied Materials,Santa Clara,CA)でポリッシング加工した。
【0050】
ポリッシング加工に次いで、TEOS除去速度を決定し、残りの段差およびトレンチ損失を測定した。結果を表3および
図4に記載する。
【表3】
【0051】
表3および
図4で実証されるように、Jeffsperse(商標)X3503を含有する新たに調製されたポリッシング加工用組成物1Bおよび6週間前に調製されたポリッシング加工用組成物1Bの両方は、対照ポリッシング加工用組成物1Aより優れていた。加えて、新たに調製されたポリッシング加工用組成物1Bおよび6週間前に調製されたポリッシング加工用組成物1Bは、同様の結果をもたらし、ポリッシング加工用組成物1Bの安定性および長寿命を例示した。
【0052】
実施例4
この実施例は、TEOSゼータ電位に対する界面活性剤溶液の効果を実証する。
【0053】
TEOSウェーハから切り取られた一片を含むTEOSウェーハ断片を、3つの別個の溶液、対照としてのJeffsperse(商標)X3503(Huntsman Corp. Woodlands,TX)を含有しない溶液4A(「S4A」)、0.6当量のJeffsperse(商標)X3503を含有する溶液4B(「S4B」)、および1当量のJeffsperse(商標)X3503を含有する溶液4C(「S4C」)中に浸漬した。各溶液をpH値4.0に維持し、ウェーハ表面のゼータ電位を測定した。結果を表4および
図5に記載する。
【表4】
【0054】
表4および
図5に記載されている結果から明らかなように、対照溶液4A中に浸漬されたTEOSウェーハの表面電位は、-24.1mVであると判定された。1当量のJeffsperse(商標)X3503の添加(溶液4C)は、4.0のpH値で表面電位を31.4mVへの完全な反転をもたらす。
【0055】
実施例5
この実施例は、湿式法セリアを含むポリッシング加工用組成物によって示されるTEOS平坦化効率に対する界面活性剤添加剤の効果を実証する。
【0056】
900μm×900μmパターン化シリコン試片上のTEOS層を含む基板を、実施例1において記載されているようなポリッシング加工用組成物1A(「PC1A」)、およびポリッシング加工用組成物5(「PC5」)の2つの異なるポリッシング加工用組成物を用いて、IC1010パッドでポリッシング加工した。ポリッシング加工用組成物1Aおよび5のそれぞれは、必要に応じて、トリエタノールアミンまたは酢酸を用いてpHを4.0に調整して、水中に0.286重量%の湿式法セリアおよび500ppmのピコリン酸を含んでいだ。ポリッシング加工用組成物1A(対照)は、界面活性剤をさらに含まなかった。ポリッシング加工用組成物5(本発明)は、300ppmのSolsperse(商標)20000(Lubrizol Corporation,Wickliffe,OH)をさらに含有していた。基板をReflexion(商標)LKポリッシング加工工具(Applied Materials,Santa Clara,CA)でポリッシング加工した。
【0057】
ポリッシング加工に次いで、TEOS除去速度を決定し、残りの段差およびトレンチ損失を測定した。結果を表5および
図6に記載する。
【表5】
【0058】
表5および
図6に記載されている結果から明らかなように、Solsperse(商標)20000を含んだポリッシング加工用組成物5の使用は、Solsperse(商標)20000を含まなかったポリッシング加工用組成物1Aよりも、段差の所与の減少に対してトレンチ損失はより少なかった。特に、ポリッシング加工用組成物5(本発明)は、対照ポリッシング加工用組成物1Aに対して、処理しやすい段差除去および有意に減少したトレンチ損失を示した。
【0059】
実施例6
この実施例は、実施例5で使用されたものとは異なるポリッシング加工用パッドを用いて、湿式法セリアを含むポリッシング加工用組成物によって示されるTEOS平坦化効率に対する界面活性剤添加剤の効果を実証する。
【0060】
900μm×900μmパターン化シリコン試片上のTEOS層を含む基板を、実施例1において記載されているようなポリッシング加工用組成物1A(「PC1A」)、およびポリッシング加工用組成物5(「PC5」)の2つの異なるポリッシング加工用組成物を用いて、NexPlanar(商標)E6088パッドでポリッシング加工した。ポリッシング加工用組成物1Aおよび5のそれぞれは、必要に応じて、トリエタノールアミンまたは酢酸を用いてpHを4.0に調整して、水中に0.286重量%の湿式法セリアおよび500ppmのピコリン酸を含んでいだ。ポリッシング加工用組成物1A(対照)は、界面活性剤をさらに含まなかった。ポリッシング加工用組成物5(本発明)は、300ppmのSolsperse(商標)20000(Lubrizol Corporation,Wickliffe,OH)をさらに含有していた。基板をReflexion(商標)LKポリッシング加工工具(Applied Materials,Santa Clara,CA)でポリッシング加工した。
【0061】
ポリッシング加工に次いで、TEOS除去速度を決定し、残りの段差およびトレンチ損失を測定した。結果を表6および
図7に記載する。
【表6】
【0062】
表6および
図7に記載されている結果から明らかなように、Solsperse(商標)20000を含んだポリッシング加工用組成物5の使用は、Solsperse(商標)20000を含まなかったポリッシング加工用組成物1Aよりも、段差の所与の減少に対してトレンチ損失はより少なかった。特に、ポリッシング加工用組成物5(本発明)は、対照ポリッシング加工用組成物1Aに対して、処理しやすい段差除去および有意に減少したトレンチ損失を示した。実施例6は、ポリッシング加工用組成物5が、様々な組成物のパッド(すなわち、IC1010パッドおよびNxP E6088パッド)について、対照に対して改善されたトレンチ損失および段差除去を提供することをさらに実証する。
【0063】
実施例7
この実施例は、湿式法セリアを含むポリッシング加工用組成物によって示されるTEOS平坦化効率に対する界面活性剤添加剤の効果を実証する。
【0064】
10mm×5mmパターン化3D NANDウェーハ上のTEOS層を含む基板を、実施例1において記載されているようなポリッシング加工用組成物1A(「PC1A」)、およびポリッシング加工用組成物5(「PC5」)の2つの異なるポリッシング加工用組成物を用いて、IC1010パッドでポリッシング加工した。ポリッシング加工用組成物1Aおよび5のそれぞれは、必要に応じて、トリエタノールアミンまたは酢酸を用いてpHを4.0に調整して、水中に0.286重量%の湿式法セリアおよび500ppmのピコリン酸を含んでいだ。ポリッシング加工用組成物1A(対照)は、界面活性剤をさらに含まなかった。ポリッシング加工用組成物5(本発明)は、300ppmのSolsperse(商標)20000(Lubrizol Corporation,Wickliffe,OH)をさらに含有していた。基板を200mmのMirra(商標)ポリッシング加工工具(Applied Materials,Santa Clara,CA)でポリッシング加工した。
【0065】
ポリッシング加工に次いで、TEOS除去速度を決定し、残りの段差およびトレンチ損失を測定した。結果を表7および
図8に記載する。
【表7】
【0066】
表7および
図8に記載されている結果から明らかなように、Solsperse(商標)20000を含んだポリッシング加工用組成物5の使用は、Solsperse(商標)20000を含まなかったポリッシング加工用組成物1Aよりも、段差の所与の減少に対してトレンチ損失はより少なかった。特に、ポリッシング加工用組成物5(本発明)は、対照ポリッシング加工用組成物1Aに対して、処理しやすい段差除去および有意に減少したトレンチ損失を示した。
【0067】
本明細書に引用された刊行物、特許出願および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個々にかつ具体的に参照により組み入れられることが示され、その全体が本明細書に記載されているのと同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)本発明を説明する文脈における「a」および「an」および「the」および「少なくとも1つの(at least one)」という用語および同様の指示対象の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。「少なくとも1つの」という用語に続く1つ以上の項目の列挙(例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、列挙された項目(AまたはB)から選択される1つの項目、または列挙された項目(AおよびB)の2つ以上の任意の組み合わせを意味すると解釈されるべきである。「備える」、「有する」、「含む」および「含有する」という用語は、別段の記載がない限り、オープンエンド用語(すなわち、「含むがこれらに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の指示がない限り、範囲内にある各別個の値を個々に参照する簡略方法として有用であることを単に意図しており、それぞれの別個の値は本明細書に個別に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書中に記載されるすべての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行することができる。本明細書において提供される任意のおよびすべての例、または例示的な用語(例えば、「~など」)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、別段の主張がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言葉も、本発明の実施に必須であると主張されていない任意の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0069】
本発明を行うために本発明者らに既知の最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読むことにより当業者には明らかになり得る。本発明者らは、当業者がこのような変形を適切に使用することを期待しており、本発明者らは本発明が本明細書に具体的に記載されたものとは別の方法で実行されることを意図する。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に列挙された主題のすべての変形および同等物を含む。その上、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、それらのすべての可能な変形における上記の要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。