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特許7022111半導体製造歩留まりを向上させるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-08
(45)【発行日】2022-02-17
(54)【発明の名称】半導体製造歩留まりを向上させるための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20220209BHJP
   H01J 37/22 20060101ALI20220209BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20220209BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01J37/22 502H
G05B19/418 Z
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019506496
(86)(22)【出願日】2017-08-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-05
(86)【国際出願番号】 EP2017070567
(87)【国際公開番号】W WO2018033511
(87)【国際公開日】2018-02-22
【審査請求日】2019-04-05
(31)【優先権主張番号】62/375,257
(32)【優先日】2016-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/543,242
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ウェイ
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-514226(JP,A)
【文献】特開2011-040661(JP,A)
【文献】特開2013-074294(JP,A)
【文献】特開2011-176309(JP,A)
【文献】特開2013-058654(JP,A)
【文献】特開2013-084731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01J 37/22
G05B 19/418
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板の検査の1つ又は複数の検証済みの結果の受信に基づいて訓練データを生成するように構成された訓練ツールと、
前記訓練データ、第2の基板のウィークポイント情報及び前記第2の基板のスキャナの露光レシピに基づいて検査するために前記第2の基板上の1つ又は複数の領域を決定するように構成されたポイント決定ツールと
を含む、
前記訓練ツールが、前記露光レシピに基づいて前記訓練データを生成するようにさらに構成される、及び、前記露光レシピが、高密度フォーカスマップを含み、
モニタリングツールによって、空間パターン決定、パターンサイズ測定及びパターンシフト測定の少なくとも1つに基づいて、前記第1の基板の1つ又は複数のモニタ結果が生成され、前記1つ又は複数のモニタ結果に基づいて、前記露光レシピが決定される、歩留まり改善システム。
【請求項2】
前記訓練ツールが、前記訓練データを生成するために前記1つ又は複数の検証済みの結果を分析するためのディープニューラルネットワークを使用するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ又は複数の検証済みの結果が、検証ユニットによって、前記第1の基板の1つ又は複数のモニタ結果と1つ又は複数の設計パラメータとの比較に基づいて生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の基板及び前記第2の基板が、スキャナ、現像ツール、エッチングツール及びアッシングツールによって処理される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第1の基板の検査の1つ又は複数の検証済みの結果を受信することと、
前記受信された検証済みの結果に基づいて訓練データを生成することと、
前記訓練データ、第2の基板のウィークポイント情報及び前記第2の基板のスキャナの露光レシピに基づいて検査するために前記第2の基板上の1つ又は複数の領域を決定することと、
モニタリングツールによって、空間パターン決定、パターンサイズ測定及びパターンシフト測定の少なくとも1つに基づいて、前記第1の基板の1つ又は複数のモニタ結果を生成することと、
前記1つ又は複数のモニタ結果に基づいて、前記露光レシピを決定することと
を含む、
前記訓練データを生成することが、前記露光レシピにさらに基づき、前記露光レシピが、高密度フォーカスマップを含む、方法。
【請求項6】
前記訓練データを生成することが、前記1つ又は複数の検証済みの結果を分析するためのディープニューラルネットワークを使用することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記検証済みの結果が、検証ユニットによって、前記第1の基板の1つ又は複数のモニタ結果と1つ又は複数の設計パラメータとの比較に基づいて生成される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の基板及び前記第2の基板が、スキャナ、現像ツール、エッチングツール及びアッシングツールによって処理される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
第1の基板の検査の1つ又は複数の検証済みの結果を受信することと、
前記受信された検証済みの結果に基づいて訓練データを生成することと、
前記訓練データ、第2の基板のウィークポイント情報及び前記第2の基板のスキャナの露光レシピに基づいて検査するために前記第2の基板上の1つ又は複数の領域を決定することと、
モニタリングツールによって、空間パターン決定、パターンサイズ測定及びパターンシフト測定の少なくとも1つに基づいて、前記第1の基板の1つ又は複数のモニタ結果を生成することと、
前記1つ又は複数のモニタ結果に基づいて、前記露光レシピを決定することと
を含む方法をコンピューティングデバイスに実行させるために1つ又は複数のプロセッサを含む前記コンピューティングデバイスによって実行可能な命令を格納する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、
訓練データを生成することが、前記露光レシピにさらに基づき、前記露光レシピが、高密度フォーカスマップを含む、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
訓練データを生成することが、前記1つ又は複数の検証済みの結果を分析するためのディープニューラルネットワークを使用することを含む、及び/又は、前記露光レシピが、前記1つ又は複数のモニタ結果に基づいて決定される、請求項9に記載の媒体。
【請求項11】
前記検証済みの結果が、検証ユニットによって、前記第1の基板の1つ又は複数のモニタ結果と1つ又は複数の設計パラメータとの比較に基づいて生成される、請求項9に記載の媒体。
【請求項12】
前記第1の基板及び前記第2の基板が、スキャナ、現像ツール、エッチングツール及びアッシングツールによって処理される、請求項9に記載の媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001] この出願は、2016年8月15日に出願された米国特許出願第62/375,257号及び2017年8月9日に出願された米国特許出願第62/543,242号の優先権を主張し、これらの特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[002] 本開示は、概して、半導体製造の分野に関し、より具体的には、半導体製造歩留まりを向上させるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[003] 集積回路(IC)の製造プロセスでは、未完成の又は完成した回路コンポーネントは、設計に従って製造されていることや、欠陥がないことを保証するために検査される。光学顕微鏡を利用する検査システムは、高いスループットを提供することができるが、典型的には、数百ナノメートルの分解能しか有さず、分解能は、光の波長によって制限される。ICコンポーネントの物理的サイズは100ナノメートル未満又は10ナノメートル未満まで低減し続けているため、光学顕微鏡を利用するものより高い分解能が可能な検査システムが必要である。
【0004】
[004] 走査電子顕微鏡(SEM)又は透過電子顕微鏡(TEM)など、ナノメートル未満の分解能が可能な荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡は、100ナノメートル未満の特徴サイズを有するICコンポーネントを検査するための実用的なツールとしての機能を果たす。SEMを用いると、単一の一次電子ビームの電子又は複数の一次電子ビームの電子は、検査中のウェーハのプローブスポットで集束させることができる。一次電子とウェーハとの相互作用は、1つ又は複数の二次電子ビームをもたらし得る。二次電子ビームは、一次電子とウェーハとの相互作用から生じる後方散乱電子、二次電子又はオージェ電子を含み得る。1つ又は複数の二次電子ビームの強度は、ウェーハの内部及び/又は外部の構造のプロパティに基づいて変動し得る。しかし、高分解能の荷電粒子ビーム顕微鏡のスループットは、低分解能の光学顕微鏡と比べてかなり低い可能性がある。
【0005】
[005] 例えば、フォトレジストコーティング、露光、現像、エッチング及びフォトレジスト除去(アッシング)などの異なる半導体製造プロセスは、バッチ処理であり得る。バッチ処理は、バッチ内の複数の基板(本明細書ではウェーハとも呼ばれる)のパターニングにおける不均一性を引き起こし得る。さらに、全パターニングプロセスが完了した後にパターニング済みの基板の欠陥検査が実施される場合は、欠陥があるウェーハは、廃棄されるか又は格下げ製品に変換しなければならない可能性がある。これにより、半導体製造歩留まりがかなり低減され得る。
【発明の概要】
【0006】
[006] 本開示の実施形態は、半導体製造歩留まりを向上させるためのシステム及び方法を提供する。いくつかの実施形態では、歩留まり改善システムが提供される。システムは、第1の基板の検査の1つ又は複数の検証済みの結果の受信に基づいて訓練データを生成するように構成された訓練ツールを含む。また、システムは、訓練データ、第2の基板のウィークポイント情報及び第2の基板のスキャナの露光レシピに基づいて検査するために第2の基板上の1つ又は複数の領域を決定するように構成されたポイント決定ツールも含む。
【0007】
[007] いくつかの実施形態では、歩留まり改善方法が提供される。方法は、第1の基板の検査の1つ又は複数の検証済みの結果を受信することと、受信された検証済みの結果に基づいて訓練データを生成することとを含む。方法は、訓練データ、第2の基板のウィークポイント情報及び第2の基板のスキャナの露光レシピに基づいて検査するために第2の基板上の1つ又は複数の領域を決定することをさらに含む。
【0008】
[008] いくつかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供される。媒体は、1つ又は複数のプロセッサを含むコンピューティングデバイスによって実行可能な命令を格納し、歩留まり改善方法をコンピューティングデバイスに実行させる。方法は、第1の基板の検査の1つ又は複数の検証済みの結果を受信することと、受信された検証済みの結果に基づいて訓練データを生成することとを含む。方法は、訓練データ、第2の基板のウィークポイント情報及び第2の基板のスキャナの露光レシピに基づいて検査するために第2の基板上の1つ又は複数の領域を決定することをさらに含む。
【0009】
[009] 開示される実施形態の追加の目的及び利点は、以下の説明にある程度記載されており、説明からある程度明らかになるか、又は、実施形態の実践により学習することができる。開示される実施形態の目的及び利点は、請求項に記載される要素及び組合せによって実現及び達成することができる。
【0010】
[010] 前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は両方とも、例示的なものであり、説明することのみを目的とし、特許請求されるような開示される実施形態を制限しようとするものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[011]本開示の実施形態と一致する、例示的な電子ビーム検査システムを示す概略図である。
図2】[012]本開示の実施形態と一致する、図1の例示的な電子ビーム検査システムの一部であり得る例示的な電子ビームツールを示す概略図である。
図3】[013]半導体処理システムを示す概略図である。
図4】[014]半導体処理方法を示すフローチャートである。
図5】[015]本開示の実施形態と一致する、例示的な歩留まり改善システムを示す概略図である。
図6A】[016]本開示の実施形態と一致する、基板上の検査領域を示す概略図である。
図6B】[016]本開示の実施形態と一致する、基板上の検査領域を示す概略図である。
図7】[017]本開示の実施形態と一致する、例示的な歩留まり改善方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[018] ここでは、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例は、添付の図面に示される。以下の説明は、添付の図面を参照し、添付の図面では、別段の表現がない限り、異なる図面における同じ番号は、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明で記載する実装形態は、本発明と一致するすべての実装形態を表すわけではない。代わりに、それらの実装形態は、添付の請求項で記述されるような本発明に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
【0013】
[019] 本開示は、半導体製造歩留まりを向上させるためのシステム及び方法に関する。テストウェーハ又は第1のウェーハは、露光から現像まで処理することができ、スキャナの露光レシピ(例えば、高密度フォーカスマップ(HDFM))を記録することができる。本開示の実施形態は、ウェーハの露光レシピ及びホットスポット情報に基づいて検査するためにテストウェーハ又は第1のウェーハの1つ又は複数の領域を決定するように構成することができるポイント決定ツールを提供する。後続の処理済みのウェーハの露光レシピは、テストウェーハ又は第1のウェーハの検査結果に基づいて最適化することができる。また、本開示の実施形態は、検査結果に基づいて訓練データを生成するように構成することができる訓練ツールも提供する。訓練データは、訓練データ、ウェーハの露光レシピ及びホットスポット情報に基づいて検査するために後続の処理済みのウェーハの1つ又は複数の領域を決定するために、ポイント決定ツールに提供することができる。開示されるシステム及び方法は、露光レシピ及びモニタすべき領域の動的な更新を可能にする。露光レシピの更新は、後続の処理済みのウェーハの欠陥を低減し、従って、半導体製造歩留まりを改善することができる。モニタリングの更新は、より少ないホットスポットのモニタリングを含み得、それにより、スループットが改善される。また、モニタリングの更新は、欠陥の検出を改善するためのモニタリングの変更も含み得る。欠陥検出の改善は、半導体製造歩留まりをさらに改善する上で役立てることができる。
【0014】
[020] ここでは、本開示の実施形態と一致する例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示す図1を参照する。図1に示されるように、EBIシステム100は、メインチャンバ101、ロード/ロックチャンバ102、電子ビームツール104及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)106を含む。電子ビームツール104は、メインチャンバ101内に位置する。
【0015】
[021] EFEM106は、第1のローディングポート106a及び第2のローディングポート106bを含む。EFEM106は、追加のローディングポートを含み得る。第1のローディングポート106a及び第2のローディングポート106bは、検査すべきウェーハ(例えば、半導体ウェーハ若しくは他の材料から作られているウェーハ)又はサンプルを内包するウェーハ前面開口式一体型ポッド(FOUP)を受け取ることができる(以下では、ウェーハ又はサンプルは、集合的に「ウェーハ」と呼ばれる)。EFEM106の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、ウェーハをロード/ロックチャンバ102に輸送することができる。
【0016】
[022] ロード/ロックチャンバ102は、ロード/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、ロード/ロック真空ポンプシステムは、大気圧を下回る第1の圧力に達するように、ロード/ロックチャンバ102内の気体分子を除去する。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、ロード/ロックチャンバ102からメインチャンバ101にウェーハを輸送することができる。メインチャンバ101は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、メインチャンバ真空ポンプシステムは、第1の圧力を下回る第2の圧力に達するように、メインチャンバ101内の気体分子を除去する。第2の圧力に達した後、ウェーハは、電子ビームツール104による検査を受ける。
【0017】
[023] ここでは、本開示の実施形態と一致する電子ビームツール104の例示的なコンポーネントを示す図2を参照する。図2に示されるように、電子ビームツール104は、電動台200と、検査すべきウェーハ203を保持するために電動台200によってサポートされるウェーハホルダ202とを含む。電子ビームツール104は、対物レンズアセンブリ204、電子検出器206、対物アパーチャ208、集光レンズ210、ビーム絞りアパーチャ212、ガンアパーチャ214、アノード216及びカソード218をさらに含む。対物レンズアセンブリ204は、いくつかの実施形態では、ポールピース204a、制御電極204b、偏向器204c及び励磁コイル204dを含む修正スイングオブジェクティブリターディングイマージョンレンズ(SORIL:swing objective retarding immersion lens)を含み得る。それに加えて、電子ビームツール104は、ウェーハ上の材料を特徴付けるためのエネルギー分散型X線分光器(EDS)検出器(図示せず)を含み得る。
【0018】
[024] 一次電子ビーム220は、アノード216とカソード218との間に電圧を印加することによってカソード218から放出される。一次電子ビーム220は、ガンアパーチャ214及びビーム絞りアパーチャ212を通過し、ガンアパーチャ214及びビーム絞りアパーチャ212は両方とも、ビーム絞りアパーチャ212の下側に存在する集光レンズ210に入る電子ビームのサイズを決定することができる。集光レンズ210は、ビームが対物アパーチャ208に入る前に一次電子ビーム220を集束し、対物レンズアセンブリ204に入る前に電子ビームのサイズを設定する。偏向器204cは、ウェーハ上のビーム走査を容易にするために、一次電子ビーム220を偏向させる。例えば、走査プロセスでは、偏向器204cは、ウェーハ203の異なる部分の画像再構築のためのデータを提供するために、異なる時点においてウェーハ203の上面の異なる場所に一次電子ビーム220を順次偏向させるように制御することができる。さらに、いくつかの実施形態では、アノード216及びカソード218は、複数の一次電子ビーム220を生成するように構成することができ、電子ビームツール104は、ウェーハ203の異なる部分の画像再構築のためのデータを提供するために、複数の一次電子ビーム220をウェーハの異なる部分に同時に投影するために、複数の偏向器204cを含み得る。
【0019】
[025] 励磁コイル204d及びポールピース204aは、磁界を生成し、磁界は、ポールピース204aの一方の端部から始まり、ポールピース204aの他方の端部で終了する。一次電子ビーム220によって走査されているウェーハ203の部分は、磁界に浸し、荷電することができ、これを受けて、電界が生成される。電界は、一次電子ビーム220がウェーハと衝突する前に、ウェーハの表面近くで衝突一次電子ビーム220のエネルギーを低減する。ポールピース204aから電気的に絶縁された制御電極204bは、ウェーハのマイクロアーチングを防止し、適切なビーム集束を保証するために、ウェーハ上の電界を制御する。
【0020】
[026] 二次電子ビーム222は、一次電子ビーム220が受信され次第、ウェーハ203の一部から放出され得る。二次電子ビーム222は、電子検出器206のセンサ表面上にビームスポットを形成し得る。電子検出器206は、ビームスポットの強度を表す信号(例えば、電圧、電流など)を生成し、処理システム(図2では図示せず)に信号を提供することができる。二次電子ビーム222及びその結果生じるビームスポットの強度は、ウェーハ203の外部及び/又は内部の構造に従って変動し得る。その上、上記で論じられるように、一次電子ビーム220は、異なる強度の二次電子ビーム222(及びその結果生じるビームスポット)を生成するために、ウェーハの表面の異なる場所に投影することができる。従って、ビームスポットの強度をウェーハ203の場所とマッピングさせることにより、処理システムは、ウェーハ203の内部及び/又は外部の構造を反映する画像を再構築することができる。
【0021】
[027] ここでは、半導体処理システムを示す概略図である図3を参照する。図3は、スキャナ305、現像ツール320、エッチングツール325、アッシングツール330、モニタリングツール335、ポイント決定ツール345及び検証ユニット350を含む従来の半導体処理システム300を示す。スキャナ305は、制御ユニット310を含み得る。
【0022】
[028] スキャナ305は、ウェーハに転写すべき回路パターンをフォトレジストでコーティングされたウェーハに露光することができる。制御ユニット310は、ウェーハに露光するために使用される露光レシピを制御することができる。制御ユニット310は、様々な露光レシピパラメータ(例えば、露光時間、供給源強度及び露光ドーズ)を調整することができる。HDFM315は、露光に対応させて記録することができる。
【0023】
[029] 現像ツール320は、望まない領域からフォトレジストを除去することによって、露光ウェーハ上にパターンを現像することができる。ポジ型フォトレジストの場合、スキャナ305で露光されたフォトレジストの部分は、フォトレジスト現像液に対する溶解性が高くなり、フォトレジストの露光されない部分は、フォトレジスト現像液に対する溶解性が低い状態を保つ。ネガ型フォトレジストの場合、スキャナ305で露光されたフォトレジストの部分は、フォトレジスト現像液に対する溶解性が低くなり、フォトレジストの露光されない部分は、フォトレジスト現像液に対する溶解性が高い状態を保つ。
【0024】
[030] エッチングツール325は、フォトレジストが除去されたウェーハの部分からフィルムにエッチングを施すことによって、フォトレジストの下方の1つ又は複数のフィルムにパターンを転写することができる。エッチングツール325は、ドライエッチングツールでも、ウェットエッチングツールでもよい。アッシングツール330は、エッチング済みのウェーハから残りのフォトレジストを除去することができ、ウェーハ上のフィルムへのパターン転写プロセスを完了することができる。
【0025】
[031] モニタリングツール335は、モニタ結果を生成するために、ウェーハ上の1つ又は複数の場所において処理済みのウェーハを検査することができる。モニタ結果は、空間パターン決定、異なるパターン特徴のサイズ測定又は異なるパターン特徴の位置シフトに基づき得る。検査場所は、ポイント決定ツール345によって決定することができる。
【0026】
[032] ポイント決定ツール345は、HDFM315及びウィークポイント情報340に基づいて検査場所を決定するための1つ又は複数の事前決定モデルを含み得る。
【0027】
[033] ウィークポイント情報340は、パターニングプロセスに関連する問題が起こる確率が高い場所に関する情報を含み得る。ウィークポイント情報340は、転送パターン、様々なプロセスパラメータ、並びに、ウェーハ、スキャナ305及びエッチングツール325のプロパティに基づき得る。
【0028】
[034] 検証ユニット350は、検証済みの結果を生成するために、モニタリングツール335からのモニタ結果を対応する設計パラメータと比較することができる。検証ユニット350は、スキャナ305の制御ユニット310に検証済みの結果を提供することができる。制御ユニット310は、検証済みの結果に基づいて、後続のウェーハの露光レシピを調整することができる。例えば、制御ユニットは、検証済みの結果に基づいて、後続のウェーハ上のいくつかの場所に対してスキャナ305の露光ドーズを減少することができる。
【0029】
[035] ここでは、従来の半導体処理方法を示すフローチャートである図4を参照する。例として、方法400は、従来の半導体処理システム300によって実行することができる。
【0030】
[036] ステップ405では、半導体処理システム300は、ウェーハにパターンを転写するために、フォトレジストでコーティングされたウェーハを処理することができる。スキャナ305は、パターンをウェーハに露光することができる。制御ユニット310は、ウェーハに露光するために使用される露光レシピを制御することができる。制御ユニット310は、様々な露光レシピパラメータ(例えば、露光時間、供給源強度及び露光ドーズ)を調整することができる。HDFM315は、露光に対応させて記録することができる。現像ツール320は、望まない領域からフォトレジストを除去することによって、露光ウェーハ上にパターンを現像することができる。エッチングツール325は、フォトレジストが除去されたウェーハの部分からフィルムにエッチングを施すことによって、フォトレジストの下方の1つ又は複数のフィルムにパターンを転写することができる。アッシングツール330は、エッチング済みのウェーハから残りのフォトレジストを除去することができ、ウェーハ上のフィルムへのパターン転写プロセスを完了することができる。
【0031】
[037] ステップ410では、ポイント決定ツール345は、ステップ405におけるウェーハのパターニングと一致する露光レシピを受信することができる。露光レシピは、スキャナ305によって提供することができる。
【0032】
[038] ステップ415では、ポイント決定ツール345は、パターニングプロセスと一致するウィークポイント情報340を受信することができる。ウィークポイント情報340は、パターニングプロセスに関連する問題が起こる確率が高い場所に関する情報を含み得る。ウィークポイント情報340は、転送パターン、様々なプロセスパラメータ、並びに、ウェーハ、スキャナ305及びエッチングツール325のプロパティに基づき得る。
【0033】
[039] ステップ420では、ポイント決定ツール345は、モニタすべきパターニング済みのウェーハの領域を決定することができる。ポイント決定ツール345は、ステップ410で受信された露光レシピ及びステップ415で受信されたウィークポイント情報340に基づいて検査場所を決定するための1つ又は複数の事前決定モデルを使用することができる。
【0034】
[040] ステップ425では、モニタリングツール335は、ステップ420でポイント決定ツール345によってモニタすべきと判断されたパターニング済みのウェーハの領域を検査することができる。モニタリングツール335は、モニタ結果を生成するために、1つ又は複数の場所においてパターニング済みのウェーハを検査することができる。モニタ結果は、空間パターン決定、異なるパターン特徴のサイズ測定又は異なるパターン特徴の位置シフトに基づき得る。
【0035】
[041] ステップ430では、検証ユニット350は、検証済みの結果を生成するために、モニタリングツール335からのモニタ結果を対応する設計パラメータと比較することができる。
【0036】
[042] ステップ435では、検証ユニット350は、設計要件に従って検証済みの結果が正しいかどうかを判断することができる。検証済みの結果が正しいと判断された場合は、検証ユニット350は、対応するウェーハに対するさらなる行動は取らない。検証済みの結果が正しくないと判断された場合は、検証ユニット350は、スキャナ305の制御ユニット310に検証済みの結果を提供することができる。
【0037】
[043] ステップ445では、制御ユニット310は、検証済みの結果に基づいて、後続のウェーハの露光レシピを調整することができる。例えば、制御ユニット310は、検証済みの結果に基づいて、後続のウェーハ上のいくつかの場所に対してスキャナ305の露光ドーズを減少することができる。
【0038】
[044] 従来の方法400では、ポイント決定ツール345は、モニタすべき領域を決定するために、HDFM315及びウィークポイント情報340に基づいて静的モデルを使用する。モデルは、以前のウェーハの検証済みの結果に基づいて動的に更新されることはない。例えば、いくつかのウィークポイント場所に対する検証済みの結果は、複数のモニタ済みのウェーハに対して補正することができる。従って、これらのウィークポイント場所をモニタしないことによってスループットを改善することができる。しかし、従来の方法400では、ポイント決定ツール345は、後続のウェーハに対するモニタ場所を決定するために、以前のウェーハの検証済みの結果を使用することはできない。従って、スループットは改善されない。さらに、制御ユニット310は、検証済みの結果に基づいて露光レシピを調整することができるが、モデルは、更新された露光レシピに応答して動的に更新されることはない。例えば、更新された露光レシピに基づいて、異なるウィークポイント場所をモニタする必要があり得る。さらに、更新された露光レシピで処理されたウェーハの問題を検出するために、モニタリングツール335のレシピにおける更新が必要であり得る。しかし、従来の方法400では、ポイント決定ツール345は、露光レシピの更新に基づいてモニタ場所及びレシピを更新することはできない。更新ができないことにより、従来の方法400におけるパターニング問題の検出効率が低減され得る。
【0039】
[045] ここでは、本開示の実施形態と一致する例示的な処理システム500を示す概略図である図5を参照する。半導体処理システム500は、スキャナ505、制御ユニット510、現像ツール520、エッチングツール525、アッシングツール530、モニタリングツール535、検証ユニット550及び歩留まり改善システム555を含み得る。歩留まり改善システム555は、ポイント決定ツール545及び訓練ツール560を含み得る。
【0040】
[046] ポイント決定ツール545及び訓練ツール560の各々は、1つ又は複数のモジュールを含み得る。一般に、「モジュール」という用語は、本明細書で使用される場合は、他のコンポーネント(例えば、集積回路の部分)で使用するように設計されたパッケージ化された機能ハードウェアユニット、又は、関連機能の特定の機能を実行するプログラム(コンピュータ可読媒体上に格納された)の一部であり得る。モジュールは、入口及び出口を有し得、例えば、Java、Lua、C又はC++などのプログラミング言語で記載することができる。ソフトウェアモジュールは、コンパイルして、実行可能プログラムにリンクすることも、ダイナミックリンクライブラリにインストールすることも、例えば、BASIC、Perl又はPythonなどのインタプリタ型プログラミング言語で記載することもできる。ソフトウェアモジュールは、他のモジュール又はソフトウェアモジュール自体から呼び出し可能であること及び/又は検出事象又はインタラプトに応答して起動できることが理解されよう。コンピューティングデバイス上で実行するように構成されたソフトウェアモジュールは、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、フラッシュドライブ、磁気ディスク又は他の任意の非一時的な媒体などのコンピュータ可読媒体上で提供することも、デジタルダウンロードとして提供することもできる(実行前にインストール、解凍又は暗号解読が必要とされる圧縮又はインストール可能なフォーマットで本来は格納することができる)。そのようなソフトウェアコードは、コンピューティングデバイスによる実行のために、実行コンピューティングデバイスのメモリデバイス上に部分的に又は完全に格納することができる。ソフトウェア命令は、電気的消去型プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)などのファームウェアに埋め込むことができる。ハードウェアモジュールは、ゲート及びフリップフロップなどの接続論理ユニットで構成できること及び/又はプログラマブルゲートアレイ又はプロセッサなどのプログラマブルユニットで構成できることがさらに理解されよう。本明細書で説明されるモジュール又はコンピューティングデバイス機能性は、好ましくは、ソフトウェアモジュールとして実装されるが、ハードウェア又はファームウェアで表すことができる。一般に、本明細書で説明されるモジュールは、それらの物理的な組織又はストレージにもかかわらず、他のモジュールと組み合わせることも、サブモジュールに分割することもできる論理モジュールを指す。
【0041】
[047] いくつかの実施形態では、ポイント決定ツール545及び訓練ツール560は、単一のツールに組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、歩留まり改善システム555は、モニタリングツール535内に含めることができる。
【0042】
[048] スキャナ505は、ウェーハに転写すべき回路パターンをフォトレジストでコーティングされたウェーハに露光することができる。制御ユニット510は、ウェーハに露光するために使用される露光レシピを制御することができる。制御ユニット510は、様々な露光レシピパラメータ(例えば、露光時間、供給源強度及び露光ドーズ)を調整することができる。HDFM515は、露光に対応させて記録することができる。
【0043】
[049] 現像ツール520は、望まない領域からフォトレジストを除去することによって、露光ウェーハ上にパターンを現像することができる。ポジ型フォトレジストの場合、スキャナ505で露光されたフォトレジストの部分は、フォトレジスト現像液に対する溶解性が高くなり、フォトレジストの露光されない部分は、フォトレジスト現像液に対する溶解性が低い状態を保つ。ネガ型フォトレジストの場合、スキャナ505で露光されたフォトレジストの部分は、フォトレジスト現像液に対する溶解性が低くなり、フォトレジストの露光されない部分は、フォトレジスト現像液に対する溶解性が高い状態を保つ。
【0044】
[050] エッチングツール525は、フォトレジストが除去されたウェーハの部分からフィルムにエッチングを施すことによって、フォトレジストの下方の1つ又は複数のフィルムにパターンを転写することができる。エッチングツール525は、ドライエッチングツールでも、ウェットエッチングツールでもよい。アッシングツール530は、エッチング済みのウェーハから残りのフォトレジストを除去することができ、ウェーハ上のフィルムへのパターン転写プロセスを完了することができる。
【0045】
[051] モニタリングツール535は、モニタ結果を生成するために、ウェーハ上の1つ又は複数の場所において処理済みのウェーハを検査することができる。モニタ結果は、空間パターン決定、異なるパターン特徴のサイズ測定又は異なるパターン特徴の位置シフトに基づき得る。検査場所は、歩留まり改善システム555のポイント決定ツール545によって決定することができる。ポイント決定ツール545は、HDFM515、ウィークポイント情報540及び訓練ツール560によって提供された訓練データに基づいて検査場所を決定するための1つ又は複数のモデルを含み得る。ポイント決定ツール545は、1つ又は複数のモジュールを含み得る。
【0046】
[052] ウィークポイント情報540は、パターニングプロセスに関連する問題が起こる確率が高い場所に関する情報を含み得る。ウィークポイント情報540は、転送パターン、様々なプロセスパラメータ、並びに、ウェーハ、スキャナ505及びエッチングツール525のプロパティに基づき得る。
【0047】
[053] 検証ユニット550は、検証済みの結果を生成するために、モニタリングツール535からのモニタ結果を対応する設計パラメータと比較することができる。検証ユニット550は、スキャナ505の制御ユニット510に検証済みの結果を提供することができる。制御ユニット510は、検証済みの結果に基づいて、後続のウェーハの露光レシピを調整することができる。例えば、制御ユニット510は、検証済みの結果に基づいて、後続のウェーハ上のいくつかの場所に対してスキャナ305の露光ドーズを減少することができる。検証ユニット550は、歩留まり改善システム555の訓練ツール560に検証済みの結果をさらに提供することができる。
【0048】
[054] 訓練ツール560は、検証ユニット550から受信された検証済みの結果に基づいて訓練データを生成することができる。訓練ツール560は、訓練データを生成するために1つ又は複数の検証済みの結果を分析するためのディープニューラルネットワークを含み得る。いくつかの実施形態では、訓練ツール560は、HDFM515も受信することができ、HDFM515に基づいて訓練データをさらに生成することができる。訓練ツール560は、生成された訓練データをポイント決定ツール545に提供することができる。ポイント決定ツール545は、受信された訓練データ、HDFM515及びウィークポイント情報540に基づいて他のウェーハに対する検査ポイントを決定することができる。従って、モニタポイントは、固定モデルの代わりに動的に選択することができる。
【0049】
[055] ここでは、本開示の実施形態と一致する第1のパターニング済みの基板600A及び第2のパターニング済みの基板600B上のそれぞれの検査領域を示す概略図である図6A及び図6Bを参照する。基板600A及び基板600Bは、歩留まり改善システム555を有する半導体処理システム(例えば、図5の半導体処理システム500)によって処理することができる。
【0050】
[056] ポイント決定ツール(例えば、半導体処理システム500のポイント決定ツール545)は、基板600Aの検査領域を決定することができる。露光レシピ(例えば、HDFM515)及びウィークポイント情報(例えば、ウィークポイント情報540)に基づいて、ポイント決定ツールは、検査用として631、632、633、634、635、636、637、638とラベル付けされた8つのダイを決定することができる。各ダイ内では、ポイント決定は、検査用として621、622、623、624、625とラベル付けされた5つの場所を決定することができる。
【0051】
[057] モニタリングツール(例えば、半導体処理システム500のモニタリングツール535)は、基板600Aの決定された場所に対して検査を実行することができる。検証ユニット(例えば、半導体処理システム500の検証ユニット550)は、モニタ結果を設計パラメータと比較することによって検証済みの結果を生成することができる。検証済みの結果は、基板600Bの処理の間に露光レシピを更新するために使用することができる。
【0052】
[058] 訓練ツール(例えば、半導体処理システム500の訓練ツール560)は、検証済みの結果に基づいて訓練データを生成し、ポイント決定ツールに訓練データを提供することができる。ポイント決定ツールは、訓練データを使用して、基板600Bの検査用の領域を決定することができる。例えば、ポイント決定ツールは、検査すべきダイの数を8から7に低減することができる。図6Bに示されるように、ポイント決定ツールは、基板600Aのダイ636及び637の代わりに、基板600Bのダイ651を検査することができる。いくつかの実施形態では、ポイント決定ツールは、受信された訓練データに基づいて、各ダイの検査ポイントの数を低減することもできる。検査ポイントの数の低減により、処理システムのスループットを増加することができる。さらに、モニタポイント又はモニタレシピは、基板600Bの処理の間に使用された露光レシピの更新に対応させて更新することができる。例えば、更新された露光レシピを使用することによって接点が形成された場合は、異なるモニタリングツールレシピ(例えば、異なる着地エネルギー又は異なるビーム電流)を使用して、基板600Bの異なるオープン/ショート欠陥を捕捉することができる。訓練データは、露光レシピの更新に対応させてモニタリングツールレシピを修正するための情報を含み得る。モニタリングツールレシピに変化がない場合は、変化したオープン/ショート欠陥は特定されない可能性がある。従って、本開示によって提供されるシステム及び方法は、欠陥の検出を改善することができ、それにより、半導体製造歩留まりを改善することができる。
【0053】
[059] ここでは、本開示の実施形態と一致する例示的な歩留まり改善方法を示すフローチャートである図7を参照する。例として、方法700は、歩留まり改善システム555を含む半導体処理システム500によって実行することができる。示される手順は、ステップの順番の修正、ステップの削除又は追加のステップのさらなる包含を行うために変更できることが容易に理解されよう。
【0054】
[060] ステップ705では、半導体処理システムは、ウェーハにパターンを転写するために、フォトレジストでコーティングされたウェーハを処理することができる。スキャナ(例えば、半導体処理システム500のスキャナ505)は、パターンをウェーハに露光することができる。スキャナ内の制御ユニット(例えば、半導体処理システム500の制御ユニット510)は、ウェーハに露光するために使用される露光レシピを制御することができる。制御ユニットは、様々な露光レシピパラメータ(例えば、露光時間、供給源強度及び露光ドーズ)を調整することができる。HDFM(例えば、半導体処理システム500のHDFM515)は、露光に対応させて記録することができる。現像ツール(例えば、半導体処理システム500の現像ツール520)は、望まない領域からフォトレジストを除去することによって、露光ウェーハ上にパターンを現像することができる。エッチングツール(例えば、半導体処理システム500のエッチングツール525)は、フォトレジストが除去されたウェーハの部分からフィルムにエッチングを施すことによって、フォトレジストの下方の1つ又は複数のフィルムにパターンを転写することができる。アッシングツール(例えば、半導体処理システム500のアッシングツール530)は、エッチング済みのウェーハから残りのフォトレジストを除去することができ、ウェーハ上のフィルムへのパターン転写プロセスを完了することができる。
【0055】
[061] ステップ710では、ポイント決定ツール(例えば、半導体処理システム500のポイント決定ツール545)は、ステップ705におけるウェーハのパターニングと一致する露光レシピを受信することができる。露光レシピは、スキャナによって提供することができる。
【0056】
[062] ステップ715では、ポイント決定ツールは、パターニングプロセスと一致するウィークポイント情報(例えば、半導体処理システム300のウィークポイント情報540)を受信することができる。ウィークポイント情報は、パターニングプロセスに関連する問題が起こる確率が高い場所に関する情報を含み得る。ウィークポイント情報は、転送パターン、様々なプロセスパラメータ、並びに、ウェーハ、スキャナ及びエッチングツールのプロパティに基づき得る。
【0057】
[063] ステップ720では、ポイント決定ツールは、モニタすべきパターニング済みのウェーハの領域を決定することができる。ポイント決定ツールは、ステップ710で受信された露光レシピ及びステップ715で受信されたウィークポイント情報に基づいて検査場所を決定するための1つ又は複数の事前決定モデルを使用することができる。
【0058】
[064] ステップ725では、モニタリングツール(例えば、半導体処理システム500のモニタリングツール535)は、ステップ720でポイント決定ツールによってモニタすべきと判断されたパターニング済みのウェーハの領域を検査することができる。モニタリングツールは、モニタ結果を生成するために、1つ又は複数の場所においてパターニング済みのウェーハを検査することができる。モニタ結果は、空間パターン決定、異なるパターン特徴のサイズ測定又は異なるパターン特徴の位置シフトに基づき得る。
【0059】
[065] ステップ730では、検証ユニット(例えば、半導体処理システム500の検証ユニット550)は、検証済みの結果を生成するために、モニタリングツールからのモニタ結果を対応する設計パラメータと比較することができる。
【0060】
[066] ステップ735では、検証ユニットは、設計要件に従って検証済みの結果が正しいかどうかを判断することができる。検証済みの結果が正しいと判断された場合は、検証ユニットは、対応するウェーハに対するさらなる行動は取らない。検証済みの結果が正しくないと判断された場合は、検証ユニットは、スキャナの制御ユニット及び歩留まり改善システムの訓練ツール(例えば、歩留まり改善システム555の訓練ツール560)に検証済みの結果を提供することができる。
【0061】
[067] ステップ740では、制御ユニットは、検証済みの結果に基づいて、後続のウェーハの露光レシピを調整することができる。例えば、制御ユニットは、検証済みの結果に基づいて、後続のウェーハ上のいくつかの場所に対してスキャナの露光ドーズを減少することができる。
【0062】
[068] ステップ745では、訓練ツールは、検証ユニットから検証済みの結果を受信し、検証済みの結果に基づいて訓練データを生成することができる。訓練ツールは、訓練データを生成するために1つ又は複数の検証済みの結果を分析するためのディープニューラルネットワークを含み得る。訓練ツールは、生成された訓練データをポイント決定ツールに提供することができる。ポイント決定ツールは、受信された訓練データ、露光レシピ及びウィークポイント情報に基づいて他のウェーハに対する検査ポイントを決定することができる。従って、モニタポイントは、固定モデルに依存する代わりに動的に決定することができる。この動的決定により、後続の処理済みのウェーハの欠陥を低減し、従って、半導体製造歩留まりを改善することができる。その上、動的決定から生じるモニタリングの更新は、より少ないホットスポットのモニタリングを含み得、それにより、スループットが改善される。また、動的決定から生じるモニタリングの更新は、欠陥の検出を改善するためのモニタリングの変更も含み得る。欠陥検出の改善は、半導体製造歩留まりをさらに改善する上で役立てることができる。
【0063】
[069] 実施形態は、以下の条項を使用してさらに説明することができる。
1.第1の基板の検査の1つ又は複数の検証済みの結果の受信に基づいて訓練データを生成するように構成された訓練ツールと、
訓練データ、第2の基板のウィークポイント情報及び第2の基板のスキャナの露光レシピに基づいて検査するために第2の基板上の1つ又は複数の領域を決定するように構成されたポイント決定ツールと
を含む歩留まり改善システム。
2.訓練ツールが、訓練データを生成するために1つ又は複数の検証済みの結果を分析するためのディープニューラルネットワークを使用するように構成される、条項1に記載のシステム。
3.訓練ツールが、露光レシピに基づいて訓練データを生成するようにさらに構成される、条項1又は2に記載のシステム。
4.1つ又は複数の検証済みの結果が、検証ユニットによって、第1の基板の1つ又は複数のモニタ結果と1つ又は複数の設計パラメータとの比較に基づいて生成される、条項1~3の何れか一項に記載のシステム。
5.1つ又は複数のモニタ結果が、モニタリングツールによって、空間パターン決定、パターンサイズ測定及びパターンシフト測定の少なくとも1つに基づいて生成される、条項4に記載のシステム。
6.露光レシピが、1つ又は複数のモニタ結果に基づいて決定される、条項4又は5に記載のシステム。
7.露光レシピが、高密度フォーカスマップを含む、条項1~6の何れか一項に記載のシステム。
8.第1の基板及び第2の基板が、スキャナ、現像ツール、エッチングツール及びアッシングツールによって処理される、条項1~7の何れか一項に記載のシステム。
9.第1の基板の検査の1つ又は複数の検証済みの結果を受信することと、
受信された検証済みの結果に基づいて訓練データを生成することと、
訓練データ、第2の基板のウィークポイント情報及び第2の基板のスキャナの露光レシピに基づいて検査するために第2の基板上の1つ又は複数の領域を決定することと
を含む方法。
10.訓練データを生成することが、1つ又は複数の検証済みの結果を分析するためのディープニューラルネットワークを使用することを含む、条項9に記載の方法。
11.訓練データを生成することが、露光レシピにさらに基づく、条項9又は10に記載の方法。
12.検証済みの結果が、検証ユニットによって、第1の基板の1つ又は複数のモニタ結果と1つ又は複数の設計パラメータとの比較に基づいて生成される、条項9~11の何れか一項に記載の方法。
13.1つ又は複数のモニタ結果が、モニタリングツールによって、空間パターン決定、パターンサイズ測定及びパターンシフト測定の少なくとも1つに基づいて生成される、条項12に記載の方法。
14.露光レシピが、1つ又は複数のモニタ結果に基づいて決定される、条項12又は13に記載の方法。
15.露光レシピが、高密度フォーカスマップを含む、条項9~14の何れか一項に記載の方法。
16.第1の基板及び第2の基板が、スキャナ、現像ツール、エッチングツール及びアッシングツールによって処理される、条項9~15の何れか一項に記載の方法。
17.第1の基板の検査の1つ又は複数の検証済みの結果を受信することと、
受信された検証済みの結果に基づいて訓練データを生成することと、
訓練データ、第2の基板のウィークポイント情報及び第2の基板のスキャナの露光レシピに基づいて検査するために第2の基板上の1つ又は複数の領域を決定することと
を含む方法をコンピューティングデバイスに実行させるために1つ又は複数のプロセッサを含むコンピューティングデバイスによって実行可能な命令を格納する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
18.訓練データを生成することが、1つ又は複数の検証済みの結果を分析するためのディープニューラルネットワークを使用することを含む、条項17に記載の媒体。
19.訓練データを生成することが、露光レシピにさらに基づく、条項17又は18に記載の媒体。
20.検証済みの結果が、検証ユニットによって、第1の基板の1つ又は複数のモニタ結果と1つ又は複数の設計パラメータとの比較に基づいて生成される、条項17~19の何れか一項に記載の媒体。
21.1つ又は複数のモニタ結果が、モニタリングツールによって、空間パターン決定、パターンサイズ測定及びパターンシフト測定の少なくとも1つに基づいて生成される、条項20に記載の媒体。
22.露光レシピが、1つ又は複数のモニタ結果に基づいて決定される、条項20又は21に記載の媒体。
23.露光レシピが、高密度フォーカスマップを含む、条項17~22の何れか一項に記載の媒体。
24.第1の基板及び第2の基板が、スキャナ、現像ツール、エッチングツール及びアッシングツールによって処理される、条項17~23の何れか一項に記載の媒体。
【0064】
[069] 本発明は、上記で説明され、添付の図面に示される正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく様々な変更及び変化を行うことができることが理解されよう。本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ制限されるべきであることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7